JP2013216579A - 三置換インダゾールアクリル酸アミド誘導体の製造方法 - Google Patents

三置換インダゾールアクリル酸アミド誘導体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】IKur遮断薬として有用なインダゾールアクリル酸誘導体の工業的に有利な製造方法を提供する。
【解決手段】化合物(1)を塩基存在下で化合物(2)又は化合物(3)と反応させ、ついで有機塩基と処理することを特徴とする化合物(4a)の製造方法。
Figure 2013216579

(式中、環Xはベンゼンまたはピリジンを示し、Rは水素またはアルキルを示し、Rはハロゲンまたはアルキルを示し、Rは保護基を示し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素またはハロゲンを示し、Rは置換されていてもよいアルキルを示し、Rは水素または置換されていてもよいアルキルを示し、Rは置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいアルキルを示し、Arは置換されていてもよいアリールを示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬の合成中間体等として有用な三置換インダゾールアクリル酸アミド誘導体の製造方法に関する。
インダゾールアクリル酸アミド誘導体は、例えばIKur(超急速活性化遅延整流K電流)遮断作用を有し、心房細動などの予防または治療薬として有用である(特許文献1)。
特許文献1には、インダゾールアクリル酸アミド誘導体の製造方法が種々記載されている。この特許文献1には、クロスカップリング反応を鍵反応とする方法として、3位にハロゲンを脱離基とするインダゾール誘導体からアクリル酸エチルと反応させる溝呂木−Heck反応や、プロピオール酸メチルと薗頭反応に付した後、アルキルリチウムと反応させる方法等が記載されている。また、3位にアルデヒドやケトンを有するインダゾール誘導体からWittig反応やHorner−Wadsworth−Emmons反応を鍵反応とする方法が記載されている。しかしながら、特許文献1に記載の方法の多くは、二置換オレフィン誘導体が記載され、一方、三置換オレフィン誘導体の合成については目的化合物のE選択性が低いなど工業的な製法としては問題があった。また、三置換オレフィン誘導体として、プロピオール酸メチルを用いる反応も記載されているが、原料が高エネルギー化合物であるため、取り扱いが難しく工業的に有利な方法ではない。
ところで、Wittig試薬やHorner−Wadsworth−Emmons試薬を用いたE異性体の二置換オレフィンを合成する方法としては、1)LiClおよびDBUを用いる方法(非特許文献1)、2)Wittig試薬としてビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノ酢酸を用いる方法(非特許文献2)などが知られている。
また、オレフィンの異性化反応も有機合成に有用な反応であり、その詳細は、非特許文献3等に記載されており、具体的には、1)パラジウムや遷移金属触媒を用いる方法(非特許文献4〜6)、2)プッシュ・プル型機構で進行する方法(非特許文献7)、3)求核剤を用いた付加・脱離を利用する方法(非特許文献8〜11);4)光照射により促進する方法(非特許文献12、13)などが開示されている。しかしながら、オレフィンの異性化反応は、高価な貴金属触媒および求核剤を使用したり、光反応を行う場合には反応条件や基質特異性等の点で、インダゾール誘導体への適用については不明であった。
また、特許文献1には、塩基としてナトリウムメトキシドを用いて、Z体からE体へ異性化させる反応が記載されている。しかしながら、当該反応では、目的化合物の収率が29%と低いことが記載されている。また、塩基としてナトリウムメトキシドを用いる本反応では副反応による副生成物が多量に生成することが判明し、この点で工業的に有利な製法として採用できるものではなかった。
さらに、非特許文献14には、溶媒非存在下で塩基を用いたHorner−Wadsworth−Emmons反応が記載されている。当該文献では、アルデヒドを用いた二置換オレフィンの合成法が記載されているが、ケトンを用いた場合には反応が非常に遅く、収率が悪いと記載されているため、工業的製法としては適切ではない。
WO2009/041559
Tetrahedron Lett. 1984, 25, 2183 Tetrahedron Lett. 2003, 44, 8853 Chem. Rev. 2003, 103, 2475 Organometallics 2008, 27 3577 J. Org. Chem. 2002, 67, 4627 J. Chem. Soc. Chem. Commun. 1991, 639 Tetrahedron Lett. 1997, 38, 3585 Tetrahedron Lett. 1993, 34, 4334 Chem. Lett. 2006, 35, 210 Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1984, 23, 143 Synth. Commun. 1995, 25, 87 J. Am. Chem. Soc. 1986, 108, 3016 Bull. Chem. Soc. Jpn. 1996, 69, 779 Tetrahedron Lett. 2010, 51, 3297
本発明は、E選択的な三置換インダゾールアクリル酸誘導体の安価かつ工業的な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、3−アセチルインダゾール誘導体とホスホネート試薬とのHorner−Wadsworth−Emmons反応を塩基存在下で行うこと、また、有機塩基と処理してE異性化反応を行うことにより、意外にも三置換インダゾールアクリル酸誘導体のE異性体を選択的かつ高収率で製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
1.化合物(1−A)を、
(i)化合物(2)又は化合物(3)と塩基存在下でHorner−Wadsworth−Emmons反応に付し、ついで、有機塩基と処理してE異性化を行うか、
(ii)化合物(2)又は化合物(3)と塩基及び有機塩基の共存下でHorner−Wadsworth−Emmons反応およびE異性化反応を行うか、または
(iii)化合物(2)又は化合物(3)と有機塩基の存在下でHorner−Wadsworth−Emmons反応およびE異性化反応を行い、
得られる化合物(4A)を必要に応じて加水分解することを特徴とする化合物(4B)またはその塩の製造方法。
Figure 2013216579
(式中、環Yは置換されていてもよい芳香環を示し、Rは水素またはアルキルを示し、Rはハロゲンまたはアルキルを示し、Rは置換されていてもよいアルキルを示し、Rは水素または置換されていてもよいアルキルを示し、Rは置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいアルキルを示し、Arは置換されていてもよいアリールを示す。)
2.環
Figure 2013216579

Figure 2013216579
(式中、環Xはベンゼンまたはピリジンを示し、Rは保護基を示し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素またはハロゲンを示す。)
である前記1に記載の製造方法。
3.化合物(1)を、
(i)化合物(2)又は化合物(3)と塩基存在下でHorner−Wadsworth−Emmons反応に付し、ついで、有機塩基と処理してE異性化を行うか、
(ii)化合物(2)又は化合物(3)と塩基及び有機塩基の共存下でHorner−Wadsworth−Emmons反応およびE異性化反応を行うか、または
(iii)化合物(2)又は化合物(3)と有機塩基の存在下でHorner−Wadsworth−Emmons反応およびE異性化反応を行い、
得られる化合物(4a)を必要に応じて加水分解し、化合物(4b)を化合物(5)と縮合させることを特徴とする化合物(6)またはその塩の製造方法。
Figure 2013216579
(式中、環Xはベンゼンまたはピリジンを示し、Rは置換アルキルを示し、Rは置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよい複素環式基を示し、Rは水素またはアルキルを示し、Rはハロゲンまたはアルキルを示し、Rは保護基を示し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素またはハロゲンを示し、Rは置換されていてもよいアルキルを示し、Rは水素または置換されていてもよいアルキルを示し、Rは置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいアルキルを示し、Arは置換されていてもよいアリールを示す。)
4.化合物(8)をアミノ保護基で保護して化合物(1)とし、得られる化合物(1)を、
(i)化合物(2)又は化合物(3)と塩基存在下でHorner−Wadsworth−Emmons反応に付し、ついで、有機塩基と処理してE異性化を行うか、
(ii)化合物(2)又は化合物(3)と塩基及び有機塩基の共存下でHorner−Wadsworth−Emmons反応およびE異性化反応を行うか、または
(iii)化合物(2)又は化合物(3)と有機塩基の存在下でHorner−Wadsworth−Emmons反応およびE異性化反応を行い、
得られる化合物(4a)を必要に応じて加水分解し、化合物(4b)を化合物(5)と縮合させて化合物(6)とし、ついで、脱保護することを特徴とする化合物(7)またはその塩の製造方法。
Figure 2013216579
(式中、環Xはベンゼンまたはピリジンを示し、Rは置換アルキルを示し、Rは置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよい複素環式基を示し、Rは水素またはアルキルを示し、Rはハロゲンまたはアルキルを示し、Rは保護基を示し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素またはハロゲンを示し、Rは置換されていてもよいアルキルを示し、Rは水素または置換されていてもよいアルキルを示し、Rは置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいアルキルを示し、Arは置換されていてもよいアリールを示す。)
5.Rがアルキルである前記1〜4のいずれかに記載の製造方法。
6.Rがアルコキシカルボニル誘導体、カルバモイル誘導体、アルカノイル誘導体、アルキリデン誘導体、アルケニル誘導体、スルフェニル誘導体、スルホニル誘導体、アルキル誘導体、および隣接する窒素原子と一緒になって、Rと共に環状イミド誘導体を形成する基から選ばれるアミノ保護基である、前記2〜5のいずれかに記載の製造方法。
7.Rがアルキルである、前記1〜6に記載の製造方法。
8.Rが水素またはアルキルである、前記1〜7に記載の製造方法。
9.式(4)
Figure 2013216579
(式中、環Xはベンゼンまたはピリジンを示し、Rは水素またはアルキルを示し、Rはハロゲンまたはアルキルを示し、Rは保護基を示し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素またはハロゲンを示し、Rは水素または置換されていてもよいアルキルを示す。
ただし、環
Figure 2013216579

Figure 2013216579
であり、かつ、Rが水素、メチルおよびエチルである時、Rはp−メトキシベンジルではない。)
で表される化合物またはその塩。
10.式(1)
Figure 2013216579
(式中、環Xはベンゼンまたはピリジンを示し、Rはハロゲンまたはアルキルを示し、Rは保護基を示し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素またはハロゲンを示す。
ただし、環
Figure 2013216579

Figure 2013216579
であり、かつ、Rがメチルである時、Rはp−メトキシベンジルではない。)
で表される化合物またはその塩。
11.式(6)
Figure 2013216579
(式中、環Xはベンゼンまたはピリジンを示し、Rは置換アルキルを示し、Rは置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよい複素環式基を示し、Rは水素またはアルキルを示し、Rはハロゲンまたはアルキルを示し、Rは保護基を示し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素またはハロゲンを示す。)
で表される化合物またはその塩。
12.Rがアルキルである前記9〜11のいずれかに記載の化合物またはその塩。
13.Rがアルコキシカルボニル誘導体、カルバモイル誘導体、アルカノイル誘導体、アルキリデン誘導体、アルケニル誘導体、スルフェニル誘導体、スルホニル誘導体、アルキル誘導体、および隣接する窒素原子と一緒になって、Rと共に環状イミド誘導体を形成する基から選ばれるアミノ保護基である、前記9〜12のいずれかに記載の化合物またはその塩。
14.Rが水素またはアルキルである、前記9に記載の化合物またはその塩。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
本明細書において使用される略号は、それぞれ以下の意味を表す。
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
DMA:ジメチルアセタミド
DME:1,2−ジメトキシエタン
LDA:リチウムジイソプロピルアミド
DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン
DBN:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン
DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド
EDCI・HCl:1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩
HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
Ac:アセチル
Me:メチル
Et:エチル
Pr:n−プロピル
iPr:イソプロピル
t−Bu:t−ブチル
Boc:t−ブトキシカルボニル
Cbz:カルボベンゾキシ
Bn:ベンジル
Ph:フェニル
PMB:p−メトキシベンジル
THP:テトラヒドロピラニル
DHP:ジヒドロピラン
T3P:n−プロピルホスホン酸無水物
PPTS:ピリジニウム p−トルエンスルホネート
MTBE:t−ブチルメチルエーテル
NaHMDS:ナトリウムビストリメチルシリルアミド
PdCldppf:[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
IPE:ジイソプロピルエーテル
HOAT:1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
TMG:1,1,3,3−テトラメチルグアニジン
BEMP:2−tert−ブチルイミノ−2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルペルハイドロ−1,3,2−ジアザホスホリン
tBu−P1:tert−ブチルイミノ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホラン
tBu−P1−t:tert−ブチルイミノ−トリス(ピロリジノ)ホスホラン
Et−P2:1−エチル−2,2,4,4,4−ペンタキス(ジメチルアミノ)−2λ,4λ−カテナジ(ホスファゼン)
tBu−P4:1−tert−ブチル−4,4,4−トリス(ジメチルアミノ)−2,2−ビス [トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]−2λ,4λ−カテナジ(ホスファゼン)
「アルキル」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C6アルキルなどがあげられ、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどがあげられる。
「アルケニル」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC2〜C7アルケニルなどがあげられ、具体的には、ビニル、アリル、3−ブテニル、2−ペンテニル、3−ヘキセニル等があげられる。
「アルキニル」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC2〜C7アルキニルなどがあげられ、具体的には、エチニル、プロパルギル、3−ブチニル、2−ペンチニル、3−ヘキシニル等があげられる。
「シクロアルキル」としては、例えば、C3〜C8シクロアルキルなどがあげられ、具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等があげられる。
「アリール」としては、例えば、6〜15員の単環式、二環式または三環式の芳香族炭素環式基などがあげられ、具体例としては、例えば、フェニル、ナフチル、フェナントリル、アンスリルなどがあげられる。
「複素環式基」または「ヘテロアリール」としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する3〜15員の単環式または二環式の不飽和複素環式基、およびその全部または一部が飽和されている複素環式基などがあげられる。
当該不飽和複素環式基およびその全部または一部が飽和されている複素環式基の具体例としては、例えば、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、アゼピニル、ジアゼピニル、フリル、ピラニル、オキセピニル、チエニル、チアピラニル、チエピニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フラザニル、オキサジアゾリル、オキサジニル、オキサジアジニル、オキサゼピニル、オキサジアゼピニル、チアジアゾリル、チアジニル、チアジアジニル、チアゼピニル、チアジアゼピニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル、ジヒドロピラジニル、テトラヒドロピラジニル、ジヒドロピリミジニル、テトラヒドロピリミジニル、ジヒドロアゼピニル、テトラヒドロアゼピニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ジヒドロジアゼピニル、テトラヒドロジアゼピニル、ジヒドロオキサゼピニル、テトラヒドロオキサゼピニル、ヘキサヒドロオキサゼピニル、ジヒドロフリル、テトラヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロチアピラニル、テトラヒドロチアピラニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チアモルホリニル、ホモピペリジルなどがあげられる。
「脂環式複素環式基」としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1または2個のヘテロ原子を含有する5〜7員の単環式飽和複素環式基などがあげられ、具体的には、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ホモピペリジル、テトラヒドロオキサジニルなどがあげられる。
「アルコキシカルボニル」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC2〜C7アルコキシカルボニルなどがあげられ、具体的には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルなどがあげられる。このうち、C2〜C5のアルコキシカルボニルが好ましい。
「ハロゲン」としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素があげられる。このうち、塩素、フッ素が好ましい。
「アルコキシ」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C6アルコキシなどがあげられ、具体的には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどがあげられる。このうち、C1〜C4のアルコキシが好ましい。
「シクロアルキル」としては、例えば、C3〜C8シクロアルキルなどがあげられ、具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどがあげられる。このうち、C3〜C6のシクロアルキルが好ましい。
「アルキルスルホニル」および「アルキルスルホニルアミノ」におけるアルキルスルホニルとしては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C6アルキルスルホニルなどがあげられ、具体的には、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニルなどがあげられる。このうち、C1〜C4アルキルスルホニルが好ましい。
「アリールスルホニル」としては、例えば、6〜15員の単環式または二環式の芳香族炭素環式基置換スルホニルなどがあげられ、具体的には、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニルなどがあげられる。
「アルカノイル」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C6アルカノイルなどがあげられ、具体的には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ペンタノイル、ヘキサノイルなどがあげられる。このうち、C1〜C4アルカノイルが好ましい。
「アラルキル」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C6アルキル、好ましくはC1〜C4アルキルにアリール(好ましくはベンゼン、ナフタレン)が置換したものがあげられ、具体的には、ベンジル、ナフチルメチル、2−フェニルエチル、1−フェニルエチル、3−フェニルプロピルなどがあげられる。
「ハロアルキル」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C6アルキル、好ましくは、C1〜C4アルキルに1〜6個のハロゲンが置換したものなどがあげられ、具体的には、フルオロメチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルなどがあげられる。
「ヒドロキシアルキル」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C6アルキル、好ましくは、C1〜C4アルキルに1〜3個の水酸基が置換したものなどがあげられ、具体的には、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピルなどがあげられる。
における「置換アルキル」の置換基としては、例えば、
(1)水酸基、
(2)置換されていてもよいアミノ、
(3)アルキルスルホニル、
(4)アリールスルホニル、
(5)シアノ、
(6)アルコキシ、
(7)置換されていてもよい複素環式基、
(8)置換されていてもよいシクロアルキル、
(9)置換されていてもよいウレイド、
(10)置換されていてもよいカルバモイル、
(11)置換されていてもよいカルバモイルオキシ、
(12)複素環式基置換カルボニル、
(13)置換されていてもよい複素環式基置換カルボニルオキシ、
(14)置換されていてもよいアミノスルホニル、
(15)アルコキシカルボニル、
(16)カルボキシ
などがあげられ、これら同一または異なる置換基を1〜3個有していてもよい。
上記「置換アルキル」の置換基のうち、「置換されていてもよいアミノ」における置換基としては、例えば、以下の(A)〜(K)から選ばれる1または2個の基があげられる。
(A)アルコキシで置換されていてもよいアルキル、
(B)a群から選ばれる1または2個の基で置換されていてもよいアルカノイル、
(C)アルカノイルアミノ、
(D)b群から選ばれる1または2個の基で置換されていてもよいアルコキシカルボニル、
(E)c群から選ばれる1または2個の基で置換されていてもよいアルキルスルホニル、
(F)d群から選ばれる1または2個の基で置換されていてもよい複素環式基置換スルホニル、
(G)アリールカルボニル、
(H)アラルキルカルボニル、
(I)アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノスルホニル、
(J)水酸基またはシアノで置換されていてもよいシクロアルキルカルボニル、または
(K)アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいカルバモイルカルボニル
などがあげられる。
〔a群〕
(a)アルコキシ、
(b)シアノ、
(c)ハロゲン、シアノ、水酸基、アルコキシカルボニル、ならびにハロゲンおよびアルコキシから選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよいアルキルから選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい複素環式基、
(d)以下の(i)〜(iii)から選ばれる1または2個の基で置換されていてもよいアミノ、
(i)アルコキシ、シアノおよびアルキルスルホニル、ならびにアルキルスルホニルおよびアルキルから選ばれる1または2個の基で置換されていてもよいアミノから選ばれる基で置換されていてもよいアルキル、
(ii)アルコキシカルボニル、および
(iii)アルコキシ、シアノおよびアルキルでモノまたはジ置換されていてもよいアミノから選ばれる基で置換されていてもよいアルカノイル
(e)アルキルスルホニル、
(f)水酸基、および
(g)ハロゲン
〔b群〕
(a)アルコキシ、および
(b)水酸基
〔c群〕
(a)アルコキシ、および
(b)水酸基
〔d群〕
(a)水酸基、
(b)アルキル、
(c)ハロアルキル、および
(d)アルコキシカルボニル
上記「置換アルキル」の置換基のうち、「置換されていてもよい複素環式基」における置換基としては、例えば、(A)オキソ、(B)アルコキシカルボニル、(C)シアノで置換されていてもよいアルカノイル、(D)水酸基で置換されていてもよいアルキル、(E)アルキルスルホニルアミノ、(F)アルキルスルホニル、(G)複素環式基置換カルボニル、(H)アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノスルホニル、(I)アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいカルバモイルまたは(J)ハロゲンなどがあげられ、同一または異なる1〜3個の基で置換されていてもよい。
上記「置換アルキル」の置換基のうち、「置換されていてもよいシクロアルキル」における置換基としては、例えば、(A)アルコキシまたは(B)水酸基などがあげられ、同一または異なる1〜2個の基で置換されていてもよい。
上記「置換アルキル」の置換基のうち、「置換されていてもよいウレイド」における置換基としては、例えば、アルコキシおよび水酸基から選ばれる基で置換されていてもよいアルキルなどがあげられ、同一または異なる1〜3個の基で置換されていてもよい。
上記「置換アルキル」の置換基のうち、「置換されていてもよいカルバモイル」における置換基としては、例えば、同一または異なる1〜2個のアルキルなどがあげられる。
上記「置換アルキル」の置換基のうち、「置換されていてもよいカルバモイルオキシ」における置換基としては、例えば、
(A)複素環式基、
(B)(a)アルコキシ、(b)水酸基、(c)シアノ、(d)同一または異なる1または2個のアルキルで置換されていてもよいカルバモイル、から選ばれる同一または異なる1または2個の基で置換されていてもよいアルキル
などがあげられる。
上記「置換アルキル」の置換基のうち、「置換されていてもよい複素環式基置換カルボニルオキシ」における置換基としては、例えば、(A)水酸基、(B)アルキル、(C)ヒドロキシアルキル、(D)アルカノイルなどがあげられる。
上記「置換アルキル」の置換基のうち、「置換されていてもよいアミノスルホニル」における置換基としては、例えば、水酸基で置換されていてもよいアルキルなどがあげられ、同一または異なる1〜2個の基で置換されていてもよい。
における「置換されていてもよいアリール」および「置換されていてもよい複素環式基」の置換基としては、それぞれ、例えば、
(1)置換されていてもよいアルキル、
(2)置換されていてもよいアルコキシ、
(3)ハロゲン、
(4)複素環式基、または
(5)アルキルでモノまたはジ置換されていてもよいアミノ
(6)水酸基
などがあげられ、これら同一または異なる置換基を1〜3個有していてもよい。
上記Rの置換基のうち、「置換されていてもよいアルキル」における置換基としては、例えば、(A)ハロゲン、(B)アルコキシカルボニルなどがあげられ、同一または異なる1または2個の基で置換されていてもよい。
上記Rの置換基のうち、「置換されていてもよいアルコキシ」における置換基としては、例えば、1〜3個のハロゲンなどがあげられる。
としては、置換されていてもよいアリールが好ましく、特に置換されていてもよいフェニルが好ましい。Rが置換フェニルである場合は、少なくとも1つの置換基がメタ位に置換されたものが好ましい。当該置換基としては、置換されていてもよいアルコキシが好ましく、C1〜C4アルコキシがより好ましく、とりわけメトキシが好ましい。
の置換基である「複素環式基」、ならびに「複素環式基置換カルボニル」および「複素環式基置換カルボニルオキシ」における複素環式基としては、好ましくは4〜7員の単環式複素環式基があげられ、具体的には、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジル、ホモピペラジニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ヘキサヒドロオキサゼピニル、アゼチジニル、ピリジル、ピリミジル、チアゾール、ピラゾール、テトラヒドロピランなどがあげられる。
の置換基である「置換されていてもよいアミノ」および「置換されていてもよいカルバモイルオキシ」における置換基である「複素環式基」ならびに「複素環式基置換スルホニル」および「複素環式基置換カルボニル」における複素環式基としては、好ましくは上記複素環式基があげられる。
の「複素環式基」としては、好ましくは4〜7員の単環式複素環式基または当該複素環式基とベンゼン環が縮合したものなどがあげられ、具体的には、ピリジル、ピリミジル、インドリル、キノリル、2,3−ジヒドロインドリル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリルなどがあげられる。
の置換基である「複素環式基」としては、好ましくは4〜7員の単環式複素環式基などがあげられ、具体的には、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ホモピペラジン、モルホリン、チオモルホリンなどがあげられる。
の「保護基」としては、有機化学の分野で通常使用するアミノ保護基であり、具体的には、Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts,“Protective Groups in Organic Synthesis”4th. ed., John Wiley & Sons, Inc., 2007に記載の保護基が挙げられ、例えば、メチルカーバメート、エチルカーバメート、置換エチルカーバメート、ウレア型誘導体、アミド、環状イミド、N−アルキル、イミン誘導体、エナミン誘導体、N−スルフェニル、N−スルホニル、アミノアセタール等が挙げられる。Rの保護基の具体例としては、例えば、アルコキシカルボニル誘導体(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2−トリメチルシリルエトキシカルボニル、2−フェニルエトキシカルボニル、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエトキシカルボニル、2−クロロエトキシカルボニル、1,1−ジメチル−2−ハロエトキシカルボニル、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエトキシカルボニル、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、1−メチル−1−(4−ビフェニル)エトキシカルボニル、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエトキシカルボニル、2−(2’−ピリジル)エトキシカルボニル、2,2−ビス(4’−ニトロフェニル)エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ブロモベンジルオキシカルボニル、p−クロロベンジルオキシカルボニル、2,4−ジクロロベンジルオキシカルボニル、4−メチルスルフィニルベンジルオキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル等)、カルバモイル誘導体(フェノチアジニル−(10)−カルボニル、p−トルエンスルホニルアミノカルボニル、フェニルアミノチオカルボニル等)、アルカノイル誘導体(ホルミル、アセチル、クロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル、フェニルアセチル等)、アルキリデン誘導体(1,1−ジメチルチオメチレン、ベンジリデン、p−メトキシベンジリデン、ジフェニルメチレン、((2−ピリジル)メシチル)メチレン等)、アルケニル誘導体(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル、2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレン等)、スルフェニル誘導体(ベンゼンスルフェニル、o−ニトロベンゼンスルフェニル、ペンタクロロベンゼンスルフェニル等)、スルホニル誘導体(p−トルエンスルホニル、ベンゼンスルホニル、2,3,6−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホニル等)、アルキル誘導体(ベンジル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、ジエトキシメチル、(2−クロロエトキシ)メチル、2−テトラヒドロピラニル等)、または隣接する窒素原子と一緒になって、Rと共に環状イミド誘導体を形成する基(フタロイル、テトラクロロフタロイル、4−ニトロフタロイル、ジチアスクシノイル等)等が挙げられ、特にアルキル誘導体が好ましく、なかでも2−テトラヒドロピラニルが好ましい。
およびRの「置換されていてもよいアルキル」の置換基としては、アリール(好ましくはフェニル)等があげられ、置換アルキルの具体例としては、ベンジル等が挙げられる。
Arの「置換されていてもよいアリール」の置換基としては、アルキル、アルコキシ等があげられる。
Rの「置換されていてもよいアリール」の置換基としては、アルキル、アルコキシ等があげられる。Rの「置換されていてもよいアルキル」の置換基としては、ハロゲン等があげられ、置換アルキルの具体例としては、2,2,2−トリフルオロエチル等があげられる。Rとしては、アルキルが好ましい。
環Yで示される「芳香環」としては、例えば芳香族炭化水素および芳香族複素環が挙げられる。
芳香族炭化水素としては、例えばC6〜C14芳香族炭化水素があげられ、具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等があげられる。なかでもベンゼンが好ましい。
芳香族複素環としては、例えば環構成原子として、炭素原子以外に窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を有する5ないし6員の単環式芳香族複素環、該単環式芳香族複素環がベンゼンと縮合した複素環および該単環式芳香族複素環の同一または異なった複素環2個が縮合した複素環などが挙げられる。ヘテロ原子が2個以上の場合、当該ヘテロ原子は同一であっても異なっていてもよい。該芳香族複素環としては、例えばフラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、フラザン、チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン等の5ないし6員の単環式芳香族複素環、およびベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾ〔b〕チオフェン、インドール、イソインドール、1H−インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾオキサゾール、1,2−ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾピラン、1,2−ベンゾイソチアゾール、1H−ベンゾトリアゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、フタラジン、ナフチリジン、プリン、プテリジン、カルバゾール、α−カルボリン、β−カルボリン、γ−カルボリン、アクリジン、フェノキサジン、フェノチアジン、フェナジン、フェノキサチン、チアントレン、フェナトリジン、フェナトロリン、インドリジン、ピロロ〔1,2−b〕ピリダジン、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジン、ピラゾロ〔5,4−b〕ピリジン、ピラゾロ〔5,4−c〕ピリジン、ピラゾロ〔5,4−d〕ピリジン、ピラゾロ〔5,4−e〕ピリジン、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジン、イミダゾ〔1,5−a〕ピリジン、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン、イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジン、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−a〕ピリジン、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−b〕ピリダジン等の10〜12員の縮合芳香族複素環等が挙げられる。なかでも、1H−インダゾール、ピラゾロ〔5,4−b〕ピリジン、ピラゾロ〔5,4−c〕ピリジン、ピラゾロ〔5,4−d〕ピリジン、ピラゾロ〔5,4−e〕ピリジンが好ましい。
環Yで表される「置換されていてもよい芳香環」における「置換基」は、置換基であれば特に限定されず、例えば以下に例示する置換基等が挙げられる。これら任意の置換基は置換可能な位置に1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個置換していてもよい。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
<置換基>
(1)ハロゲン原子、(2)アルキル、(3)シアノ、(4)ニトロ、(5)トリフルオロメチル、(6)トリフルオロメトキシ、(7)オキソ、(8)チオキソ、(9)−OR、(10)−NR、(11)−NRCOR、(12)−COOR、(13)−SR、(14)−SOR、(15)−SO、(16)−COR
〔基中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立して、(a)水素原子、(b)置換されていてもよいアルキル、(c)置換されていてもよいアルケニル、(d)置換されていてもよいアルキニル、(e)置換されていてもよいシクロアルキル、(f)置換されていてもよいアリール、または(g)置換されていてもよいヘテロアリールを表す。また、これら置換基が複数選択される場合には、当該置換基は同一または異なっていてもよい。〕
、R、R、R、R、R、R、R、R、Rで表される「置換されていてもよいアルキル」、「置換されていてもよいアルケニル」、「置換されていてもよいアルキニル」、「置換されていてもよいシクロアルキル」、「置換されていてもよいアリール」および「置換されていてもよいヘテロアリール」における置換基としては、例えば、前述に例示した置換基(1)〜(16)等が挙げられ、これら任意の置換基は置換可能な位置に1〜8個、好ましくは1〜5個置換していてもよい。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
本発明の製造方法により得られる化合物(7)は常法に従って製薬上許容する塩とすることができる。製薬上許容しうる塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。また、カルボキシ等の酸性基を有する場合には塩基との塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、トリエチルアミン塩等の有機塩基塩、リジン塩等のアミノ酸塩等)も挙げられる。さらに、その分子内塩、その水和物等の溶媒和物のいずれもが含まれる。
本発明の製造方法では、化合物(1−A)を化合物(2)又は化合物(3)と塩基存在下でHorner−Wadsworth−Emmons反応に付す工程(反応1−A)、ついで、有機塩基の存在下でE異性化反応を行って化合物(4A)とする工程(反応2−A)を行い、必要に応じて加水分解する工程(反応3−A)を行うことにより、化合物(4B)を得ることができる。
本製造方法の反応1−Aは、以下のようにして実施することができる。
化合物(1−A)を適当な溶媒中、化合物(2)又は化合物(3)と塩基存在下で反応させることにより、化合物(4A)をE異性体/Z異性体の混合物として得ることができる。
本反応に用いられる溶媒としては反応に影響を及ぼさない限り特に制限はないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ペンタン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス2−メトキシエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド等の芳香族ハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒類であり、好ましくはエーテル類であり、特に好ましくはテトラヒドロフランである。これらは一種又は二種以上適宜の割合で混合して用いてもよい。
本反応に用いられる塩基としては、水素化ナトリウム、ナトリウムビストリメチルシリルアミド、カリウムビストリメチルシリルアミド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、トリエチルアミン等が挙げられ、好ましくはナトリウムビストリメチルシリルアミドである。
本反応に用いられる塩基の使用量は、原料化合物(1−A)に対して1〜5当量、好ましくは1〜2当量である。
反応温度は通常0〜100℃、好ましくは40〜70℃である。
反応時間は通常5分〜48時間、好ましくは1〜24時間である。
本製造方法の反応2−Aは、以下のようにして実施することができる。
化合物(4A)のE異性体/Z異性体の混合物を有機塩基と処理してE異性化反応を行うことにより、化合物(4A)を得ることができる。
本反応に用いられる溶媒としては反応に影響を及ぼさない限り特に制限はないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ペンタン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス2−メトキシエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド等の芳香族ハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒類であり、好ましくはエーテル類であり、特に好ましくはテトラヒドロフランである。これらは一種又は二種以上適宜の割合で混合して用いてもよい。
本反応に用いられる有機塩基としては、DBU、DBN、TMG、ホスファゼン塩基(BEMP、tBu−P1、tBu−P1−t、Et−P2、tBu−P4等)などが挙げられ、好ましくはDBUである。
本反応に用いられる有機塩基の使用量は、原料化合物(4A)のE異性体/Z異性体の混合物に対して0.1〜5当量、好ましくは1〜2当量である。
反応温度は通常0〜100℃、好ましくは40〜70℃である。
反応時間は通常5分〜48時間、好ましくは1〜24時間である。
本製造方法の反応3−Aは、以下のように実施することができる。
化合物(4A)を有機化学の分野における常法である加水分解反応を行って、化合物(4B)を得ることができる。
加水分解反応は、適当な溶媒中、酸または塩基存在下で行われる。
本反応に用いられる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の金属アルコキシド類等が挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウムである。
本反応に用いられる酸としては、塩酸、硫酸等が挙げられる。
溶媒としては、反応に影響を及ぼさない限り特に制限はないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ペンタン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス2−メトキシエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド等の芳香族ハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒類;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;水等であり、好ましくはエーテル類、アルコール類、および水であり、特に好ましくはテトラヒドロフラン、エタノール、水である。これらは一種又は二種以上適宜の割合で混合して用いてもよい。
本反応に用いられる塩基の使用量は、原料化合物(4A)に対して1〜20当量、好ましくは1〜5当量、特に好ましくは1〜3当量である。本反応に用いられる酸の使用量は、原料化合物(4A)に対して1〜20当量、好ましくは1〜5当量、特に好ましくは1〜3当量である。
反応温度は通常0〜100℃、好ましくは20〜60℃である。
反応時間は通常5分〜48時間、好ましくは1〜24時間である。
なお、本反応において、上記反応条件下で、塩基に代えて有機塩基のみを用いるか、あるいは塩基および有機塩基の共存下で実施することにより、化合物(1−A)と化合物(2)又は化合物(3)との反応および異性化反応を同時に行うこともできる。
本反応において、有機塩基のみでも化合物(1−A)と化合物(2)又は化合物(3)との反応は進行するが、塩基存在下で行うか、または塩基と有機塩基の共存下で行うことが好ましい。また、E異性化反応は、上記有機塩基、好ましくはDBUを用いることにより、選択的にE異性体を得ることができる。
また、本発明における別の態様の製造方法では、化合物(8)をアミノ保護基で保護して化合物(1)とする工程(反応1)を行い、得られた化合物(1)を化合物(2)又は化合物(3)と塩基存在下でHorner−Wadsworth−Emmons反応に付す工程(反応2)、ついで、有機塩基の存在下でE異性化反応を行って化合物(4a)とする工程(反応3)を行い、必要に応じて加水分解する工程(反応4)を行い、得られた化合物(4b)を化合物(5)と縮合させて化合物(6)とする工程(反応5)を行い、得られた化合物(6)を脱保護する工程(反応6)を行うことにより、化合物(7)を得ることができる。
反応1のアミノ基の保護基としては、有機化学の分野で通常使用されるアミノ基の保護基が挙げられる。具体的には、Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts,“Protective Groups in Organic Synthesis”4th. ed., John Wiley & Sons, Inc., 2007に記載の保護基が挙げられ、例えば、メチルカーバメート、エチルカーバメート、置換エチルカーバメート、ウレア型誘導体、アミド、環状イミド、N−アルキル、イミン誘導体、エナミン誘導体、N−スルフェニル、N−スルホニル、アミノアセタール等が挙げられる。これら保護基は、同書に記載の方法により導入することができる。
本製造方法で特に好ましいアミノ基の保護基である2−テトラヒドロピラニルの場合、適当な溶媒中、酸触媒存在下で化合物(9)にDHPを反応させて化合物(1)を製造することができる。
本反応に用いられる溶媒としては反応に影響を及ぼさない限り特に制限はないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ペンタン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス2−メトキシエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド等の芳香族ハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒類であり、好ましくはエーテル類、脂肪族ハロゲン化炭化水素類であり、特に好ましくはテトラヒドロフラン、ジクロロメタンである。これらは一種又は二種以上適宜の割合で混合して用いてもよい。
本反応に用いられる酸触媒としては、ギ酸、アルカン酸(例、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘプタン酸等)、ハロゲン化アルカン酸(例、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、フルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸等)、アリールアルカン酸、置換されていてもよいアリールカルボン酸(例、安息香酸)、置換されていてもよいアルキルスルホン酸(例、メタンスルホン酸等)、置換されていてもよいアリールスルホン酸(例、パラトルエンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸ピリジニウム、ベンゼンスルホン酸等)等の有機酸、塩酸、硫酸、臭化水素酸、チタンテトライソプロポキサイド等の無機酸が挙げられる。好ましくは置換されていてもよいアリールスルホン酸であり、特にパラトルエンスルホン酸ピリジニウムが好ましい。
本反応に用いられる酸触媒の使用量は、原料化合物(8)に対して0.01〜1当量、好ましくは0.05〜0.1当量である。また、本反応に用いられるDHPの使用量は、原料化合物(8)に対して1〜5当量、好ましくは1〜2当量である。
反応温度は通常0〜100℃、好ましくは20〜50℃である。
反応時間は通常5分〜48時間、好ましくは1〜24時間である。
本製造方法の反応2〜4は、上記反応1−A〜3−Aと同様に実施することができる。
本製造方法の反応5は、以下のように実施することができる。
化合物(4b)を適当な溶媒中、化合物(5)と縮合させることにより化合物(6)を得ることができる。
本縮合反応は、化合物(4b)と化合物(5)を縮合剤の存在下で反応させるか、あるいは、化合物(4b)を反応性誘導体(酸ハライド、混合酸無水物など)に変換した後、化合物(5)と反応させることにより、実施することができる。
本縮合反応に用いられる溶媒としては反応に影響を及ぼさない限り特に制限はないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ペンタン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス2−メトキシエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド等の芳香族ハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒類であり、好ましくはエーテル類、エステル類であり、特に好ましくはテトラヒドロフラン、酢酸エチルである。これらは一種又は二種以上適宜の割合で混合して用いてもよい。
本縮合反応に用いられる縮合剤としては、EDCI・HCl、DCC、T3P等が挙げられる。また、化合物(4b)をハロゲン化剤(塩化チオニル、五塩化リン、塩化オキサリル等)、活性化剤(TsCl、ピバロイルクロリド、クロロ炭酸イソブチル等)と処理することにより、反応性誘導体に変換することができる。これらのうち、好ましくは塩化チオニル、T3Pであり、特に好ましくはT3Pである。
本反応で用いられる縮合剤の使用量は、化合物(4)に対して1〜10当量、好ましくは1〜5当量、特に好ましくは1〜3当量である。また、ハロゲン化剤または活性化剤の使用量は、化合物(4)に対して1〜3当量、好ましくは1〜1.5当量である。
本縮合反応において、化合物(4)の酸ハライドとして反応させる場合、塩基存在下で行われ、そのような塩基としては、例えば水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基;例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリ(n−プロピル)アミン、トリ(n−ブチル)アミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ピリジン、ルチジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、N−メチルイミダゾール等の3級アミンが挙げられ、特に好ましくはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンである。また、これらの塩基の使用量は、原料化合物(5)に対して1〜10当量、好ましくは1〜5当量、特に好ましくは1〜3当量である。
反応温度は通常−80〜200℃、好ましくは25〜50℃である。
反応時間は通常5分〜48時間、好ましくは5〜24時間である。
本製造方法の反応6は、以下のように実施することができる。
化合物(6)のアミノ保護基の脱保護は、Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts,“Protective Groups in Organic Synthesis”4th. ed., John Wiley & Sons, Inc., 2007に記載の方法で行うことができる。本製造方法で特に好ましいアミノ保護基である2−テトラヒドロピラニルの場合、酸触媒存在下、適当な溶媒中で行われる。
酸としては、ギ酸、アルカン酸(例、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘプタン酸等)、ハロゲン化アルカン酸(例、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、フルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸等)、アリールアルカン酸、置換されていてもよいアリールカルボン酸(例、安息香酸)、置換されていてもよいアルキルスルホン酸(例、メタンスルホン酸等)、置換されていてもよいアリールスルホン酸(例、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等)等の有機酸、塩酸、硫酸、臭化水素酸、チタンテトライソプロポキサイド等の無機酸が挙げられる。好ましくは塩酸である。
溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;水等が挙げられ、好ましくはメタノールである。
本製造方法で使用する酸の使用量は、原料化合物(6)に対して0.01〜2当量、好ましくは0.2〜0.7当量、特に好ましくは0.5当量である。
反応温度は通常20℃〜溶媒の還流温度であり、好ましくは40〜60℃である。
反応時間は通常5分〜24時間である。
なお、本反応では、ドデカンチオールなどのチオール類やトリエチルシランなどの還元剤を共存させると副生物であるDHPを補足できるため好ましい。
また、各反応において、反応後の処理は、通常行われる方法で行えばよく、単離精製は、必要に応じて、結晶化、再結晶、蒸留、分液、シリカゲルクロマトグラフィー、分取HPLC等の慣用される方法を適宜選択し、また組み合わせて行えばよい。
以下、本発明を実施例等を挙げてより具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
(1)
Figure 2013216579
市販の化合物1(4.9g)を80mLのDMFに溶解した。この溶液を氷水浴で冷却した後、85%のKOHペレット(10.83g)を加えて攪拌した。この溶液を23℃に戻した後、ヨウ素(固体,21.6g)を加えた。反応液は60℃付近まで発熱するが、そのまま1時間攪拌した。この反応液を10%NaHSO3水溶液(500mL)に加えて室温で1時間攪拌した後、生成した黄色の結晶をろ取した。この結晶を50℃で真空乾燥して化合物2(8.8g)を得た。
MS(APCI)246[M+H]
(2)
Figure 2013216579
化合物2(8.7g)をジクロロメタン(90mL)に懸濁させ、DHP(5.97g)およびPPTS(0.89g)を加えて14時間加熱還流させた。反応溶液をジクロロメタン(100mL)で希釈し、飽和重曹水(100mL)に滴下して30分攪拌した。この混合溶液を分液し、有機層を飽和食塩水(30mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。濃縮残渣にMTBE(70mL)を加えて室温下、懸濁洗浄を行い、結晶をろ別した。結晶を50℃で終夜乾燥させ、化合物3(9.7g)を得た。
MS(APCI)330[M+H]
(3)
Figure 2013216579
化合物3(8.3g)と化合物4(11mL)を1,4−ジオキサン(80mL)に溶解し窒素置換した。これにPdCldppf錯体(915mg)を加えたのち、125℃で16時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(150mL)と10%フッ化カリウム水溶液(100mL)を加えて攪拌して、析出した白い沈殿物をセライトでろ去し、酢酸エチルで洗浄した。ろ液を分液し、飽和食塩水で洗浄した。
上記反応で得た有機層に1M塩酸水溶液(100mL)を加えて室温で30分攪拌した。飽和重曹水で中和後、分液して得た有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(48mL/:min,n−Hexane:AcOEt=90:10→60:40)で精製して、化合物5(5.4g)を得た。
MS(APCI)246[M+H]
(4)
Figure 2013216579
化合物6(6.73g)をTHF(20mL)に溶解し、室温でNaHMDSのTHF溶液(1.0M,30mL)を10分で滴下した。30分攪拌して黄色溶液になった後、化合物5(4.4g)とDBU(5.1mL)を加えて、70℃で4時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し、酢酸エチル(100mL)と1M塩化アンモニウム水溶液(100mL)を加え、1時間攪拌した。攪拌終了後、分液して得られた有機層を再度1M塩化アンモニウム水溶液(50mL)で洗浄し、さらに飽和食塩水で洗浄した。この有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、化合物7の粗生成物を得た。
上記反応で得た化合物7の粗生成物にエタノール(36mL)と1M水酸化ナトリウム水溶液(36mL)を加えて、室温で16時間攪拌した。反応液にMTBE(36mL)を加えて分液し、得られた水層を1M塩酸(約36mL)で中和してpH=4付近にし、1時間攪拌した。生成した白色の沈殿物をろ別し、水洗後、50℃で真空乾燥して化合物8(4.4g)を得た。
MS(APCI)288[M+H]
1H−NMR(DMSO−d6、ppm): 1.59−1.85(3H,m),1.92−1.96(1H,m),2.06(1H,m),2.65(3H,d,J=0.8Hz),3.72(1H,td),3.96(1H,m),6.1(1H,m),6.6(1H,d,J=0.8Hz),7.40(1H,dd),8.51(1H,dd),8.64(1H,dd),12.4(1H,brS)
(5)
Figure 2013216579
化合物8(140mg)、化合物9(100mg)、EDCI・HCl(192mg)、HOAT(136mg)をDMF(1.5mL)に溶解し、16時間撹拌した。反応液に飽和重曹水(5mL)と酢酸エチル(5mL)を加えて分液し、水層を酢酸エチル(5mL)で再抽出した。併せた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(24mL/min,n−Hexane:AcOEt=80:20→30:70)で精製し、化合物10(86mg)を得た。
化合物10(80mg)をメタノール(1.0mL)に溶解し、0.2M塩酸(400mL)を加えて55℃で20時間攪拌した。反応液を1M NaOH水溶液(80mL)で中和後、酢酸エチルと飽和重曹水を加えて分液した。水層を酢酸エチルで再抽出した後、併せた有機層を減圧濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mL/min,CHCl:MeOH=100:0→95:5)で精製し、化合物11(46mg)を得た。
MS(APCI)424[M+H]
実施例2
Figure 2013216579
化合物1(140mg)、化合物2(100mg)、EDCI・HCl(192mg)、HOAT(136mg)をDMF(1.5mL)に溶解し、16時間撹拌した。反応液に飽和重曹水(5mL)と酢酸エチル(5mL)を加えて分液し、水層を酢酸エチル(5mL)で再抽出した。併せた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(24mL/min,n−Hexane:AcOEt=80:20→30:70)で精製し、化合物3(110mg)を得た。
MS(APCI)491[M+H]
化合物3(100mg)をメタノール(1.0mL)に溶解し、1M塩酸(210mL)を加えて55℃で20時間攪拌した。反応液を1M NaOH水溶液(220mL)で中和後、酢酸エチルと飽和食塩水を加えて分液した。水層を酢酸エチルで再抽出した後、併せた有機層を減圧濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mL/min,CHCl3:MeOH=100:0→95:5)で精製し、濃縮後、得られた残渣をMTBEで懸濁洗浄して化合物4(48mg)を得た。
MS(APCI)407[M+H]
実施例3
Figure 2013216579
化合物1(65.2mg)、化合物2(50mg)をDMF(0.2mL)に溶解し、DIPEA(79mL)、T3Pの50%酢酸エチル溶液(0.27mL)を加えた。40℃で6時間反応させ、酢酸エチル(15mL)で希釈し、飽和重曹水(15mL)で有機層を2回洗浄した。硫酸マグネシウム乾燥後、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物3(97mg)を得た。
MS(APCI)490[M+H]
化合物3(75mg)をメタノール(1.5mL)に溶解し、1M塩酸(153mL)を加えて55℃で24時間、その後70℃で4時間反応させた。反応液を濃縮し化合物4(70mg)を得た。
MS(APCI)406[M+H]
実施例4
Figure 2013216579
化合物1(86mg)、化合物2(50mg)、EDCI・HCl(96mg)、HOAT(68mg)をDMF(1.0mL)に溶解し、16時間撹拌した。反応液に飽和重曹水(5mL)と酢酸エチル(5mL)を加えて分液し、水層を酢酸エチル(5mL)で再抽出した。併せた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(24mL/min,n−Hexane:AcOEt=80:20→30:70)で精製し、化合物3(66mg)を得た。
MS(APCI)476[M+H]
化合物3(60mg)をメタノール(1.0mL)に溶解し、1M塩酸(210mL)を加えて55℃で20時間攪拌した。反応液を1M NaOH水溶液(220mL)で中和後、酢酸エチルと飽和食塩水を加えて分液した。水層を酢酸エチルで再抽出した後、併せた有機層を減圧濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mL/min,CHCl3:MeOH=100:0→95:5)で精製し、濃縮後得られた残渣をMTBEで懸濁洗浄して、化合物4(38mg)を得た。
MS(APCI)392[M+H]
実施例5
Figure 2013216579
化合物1(143mg)、化合物2(100mg)、DIPEA(109mg)をDMF(1.0mL)に溶解し、1.7M T3P(EtOAc溶液、470uL)を加えて40℃で3時間撹拌した。反応液に飽和重曹水(5mL)と酢酸エチル(5mL)を加えて分液し、有機層を減圧濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(24mL/min,CHCl3:MeOH=100:0→97:3)で精製し、化合物3(208mg)を得た。
MS(APCI)517[M+H]
化合物3(200mg)をメタノール(2.0mL)に溶解し、2M塩酸(1mL)を加えて55℃で20時間攪拌した。反応液を1M NaOH水溶液(1mL)で中和後、酢酸エチルと飽和重曹水を加えて分液し、有機層を減圧濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10mL/min,CHCl3:NeOH=100:0→95:5)で精製し、濃縮後得られた残渣をMTBEで懸濁洗浄して化合物4(68mg)を得た。
MS(APCI)433[M+H]
実施例6
Figure 2013216579
化合物1(82.7mg)、化合物2(80mg)をDMF(0.25mL)に溶解し、DIPEA(100mL)、T3Pの50%酢酸エチル溶液(343mL)を加えた。40℃で20時間反応させ、酢酸エチル(15mL)で希釈し、飽和重曹水(15mL)で有機層を2回洗浄した。硫酸マグネシウム乾燥後、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物3(117mg)を得た。
MS(APCI)547[M+H]
化合物3(81mg)をメタノール(1.62mL)に溶解し、1M塩酸(148mL)を加えて45℃で24時間、その後70℃で4時間反応させた。反応液を濃縮し、残渣をプレパラティブTLCにより精製し、化合物4(21mg)を得た。
MS(APCI)463[M+H]
実施例7
(1)
Figure 2013216579
化合物1(3.0g)をジクロロメタン(30mL)に溶解し、DHP(3.42mL)およびPPTS(0.47g)を加え、14時間加熱還流させた。ジクロロメタン(30mL)で希釈し、反応液を飽和重曹水(30mL)に加えた。分液し、有機層を飽和食塩水(30mL)で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣にMTBE(9mL)を加えて室温下、懸濁洗浄を行い、結晶をろ別した。結晶を50℃で終夜乾燥させ、化合物2(3.97g)を得た。
MS(APCI)245[M+H]
(2)
Figure 2013216579
化合物3(16.9g)をTHF(50mL)に溶解し、室温で1M NaHMDS(THF溶液、75mL)を10分で滴下した。30分攪拌して黄色溶液になった後、化合物2(12.2g)とDBU(15.2g)を加えて、70℃で3時間攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し、酢酸エチル(200mL)と1M塩化アンモニウム水溶液(200mL)を加え1時間攪拌した。この混合溶液を分液して得られた有機層を再度1M塩化アンモニウム水溶液(100mL)で洗浄し、さらに飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。濃縮残渣にMTBE(50mL)を加えて室温下で懸濁洗浄を行い、結晶をろ別した。結晶を50℃で終夜乾燥させ、化合物4(11.5g)を得た。
MS(APCI)315[M+H]
H−NMR(CDCl)ppm 1.35(3H,t,J=7.2Hz),1.66−1.83(3H,m),2.08(1H,m),2.19(1H,m),2.61(1H,m),2.77(3H,d,J=0.7Hz),3.75(1H,m),4.02(1H,m),4.25(2H,q,J=7.2Hz),5.76(1H,dd,J=9.2,3.1Hz),6.62(1H,q,J=0.7Hz),7.25(1H,dd,J=8.5,7.4Hz),7.42(1H,dd,J=8.2,7.4Hz),7.62(1H,d,J=8.2Hz),7.96(1H,d,J=8.5Hz)
(2)の別法:
化合物3(6.10mL)のTHF(20mL)溶液に1M NaHMDSのTHF溶液(30.7mL)を加え、30分間室温で攪拌した。その後,溶液中へ化合物2を添加し,3時間加熱還流した。反応後、冷却し、酢酸エチル(50mL)で希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)、水(20mL)を加えた。分液後、有機層を飽和食塩水(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=19:1→2:1)で精製し、化合物4(1.64g)を白色固体として、およびそのZ異性体(1.48g)を無色油状物質として、それぞれ得た。
<Z異性体>
MS(APCI)315[M+H]
H−NMR(CDCl)ppm 0.86(3H,t,J=7.2Hz),1.66−1.82(3H,m),2.07(1H,m),2.16(1H,m),2.35(3H,d,J=1.5Hz),2.56(1H,m),3.74(1H,m),3.90(2H,q,J=7.2Hz),4.02(1H,m),5.74(1H,dd,J=9.2,2.8Hz),6.17(1H,q,J=1.5Hz),7.14(1H,dd,J=8.5,7.7Hz),7.36(1H,m),7.49(1H,d,J=8.2Hz),7.58(1H,d,J=8.5Hz)
化合物4のZ異性体(300mg)のアセトニトリル(3mL)溶液にDBU(0.43mL)を添加し、17時間還流した。反応後、冷却し、酢酸エチル(10mL)で希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)、水(2mL)を加えた。分液後、有機層を飽和食塩水(10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=19:1→2:1)で精製し、化合物4(278mg)を白色固体として得た。得られた化合物4のマススペクトルデータおよびNMRデータは、E異性体のものと一致した。
(3)
Figure 2013216579
化合物4(6.3g)をTHF(15mL)とエタノール(15mL)に溶解し1M NaOH水溶液(30mL)を加えて35℃で20時間攪拌した。反応溶液にMTBE(30mL)を加えた後分液した。水層を2M塩酸で中和して得られた析出物をろ別し、水で洗浄した。結晶を50℃で終夜乾燥させ、化合物5(5.23g)を得た。
MS(APCI)287[M+H]
(4)
Figure 2013216579
化合物5(1g)、化合物6(622mg)をDMF(3mL)に溶解し、DIPEA(1.22mL)、T3Pの50%酢酸エチル溶液(4.2mL)を加えた。40℃で24時間反応させ、酢酸エチル(15mL)で希釈し、で有機層を2回水洗した。更に有機層を飽和重曹水(2mL)、飽和食塩水(2mL)で洗浄した。硫酸マグネシウム乾燥後、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IPE(3mL)で懸濁精製を行い、化合物7(1.2g)を得た。
MS(APCI)447[M+H]
化合物7(200mg)をメタノール(2mL)に溶解し、1M塩酸(0.45mL)を加えて55℃で24時間反応させた。1M NaOH水溶液(0.45mL)で中和後、濃縮した。残渣をクロロホルムに溶解し、水洗した。有機層を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物8(126mg)を得た。
MS(APCI)363[M+H]
実施例8
Figure 2013216579
化合物1(286mg)、化合物2(243mg)をDMF(0.9mL)に溶解し、DIEPA(0.35mL)とT3Pの50%酢酸エチル溶液(1.1mL)を加えて40℃で20時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(10mL)と飽和重曹水(10mL)を加えて分液し、水層を酢酸エチル(10mL)で再抽出した。併せた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。濃縮残渣を酢酸エチル:n‐ヘキサン=2:1の混合溶媒で懸濁洗浄して、化合物3(382mg)を得た。
MS(APCI)512[M+H]
化合物3(200mg)にメタノール(2mL)を加え、1M塩酸(0.20mL)を加え、55℃で48時間反応させた。反応後、1M NaOH水溶液(0.20mL)を加え、冷却し、終夜攪拌した。生じた懸濁溶液をメタノール(2mL)で洗浄、乾燥し、化合物4(102mg)を得た。
MS(APCI)428[M+H]
実施例9
Figure 2013216579
化合物1(200mg)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、塩化オキサリル(89mL)、触媒量のDMFを加え、1時間撹拌した。反応液を濃縮後、ジクロロメタン(2mL)に再び溶解し、化合物2(194mg)のジクロロメタン(2mL)溶液およびトリエチルアミン(146mL)を加えて室温で終夜撹拌した。ジクロロメタン(15mL)に希釈し、1M塩酸、1M NaOH水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物3(62mg)を得た。
MS(APCI)507[M+H]
化合物3(44mg)をメタノール(0.88mL)に溶解し、1M塩酸(87mL)を加えて55℃で6時間反応させた。反応液を濃縮し、残渣をプレパラティブTLCにより精製し、化合物4(22mg)を得た。
MS(APCI)423[M+H]
実施例10
Figure 2013216579
化合物12(0.85mL)のTHF(1.2mL)溶液に1M NaHMDSのTHF溶液(3mL)を加え、30分間室温で攪拌した。その後,溶液中へ化合物12(600mg)とDBU(0.56mL)を添加し,48時間加熱還流した。反応後、冷却し、酢酸エチル(5mL)で希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液(5mL)、飽和重炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)を加えた。分液後、水層を酢酸エチル(5mL)で再度抽出し合わせた有機層を減圧濃縮した。
この残渣を高速液体クロマトグラフィーで測定したところ、E体とZ体のHPLC面積比率はそれぞれ90.8%と2.4%であった。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=19:1→2:1)で精製し、E体の化合物13(780mg)を白色固体として得た。
MS(APCI)221[M+H]
H−NMR(CDCl)ppm 1.31(3H,t),2.56(3H,d、J=1.2Hz),3.83(3H,s),4.21(2H,q),6.11(1H,dd、J=1.2Hz,1.2Hz),6.89(2H,d),7.45(2H,d)
本発明の製造方法によれば、三置換インダゾールアクリル酸誘導体又はその塩を、E異性体として選択的、かつ、高収率で安価に工業的に製造することができる。

Claims (14)

  1. 化合物(1−A)を、
    (i)化合物(2)又は化合物(3)と塩基存在下でHorner−Wadsworth−Emmons反応に付し、ついで、有機塩基と処理してE異性化を行うか、
    (ii)化合物(2)又は化合物(3)と塩基及び有機塩基の共存下でHorner−Wadsworth−Emmons反応およびE異性化反応を行うか、または
    (iii)化合物(2)又は化合物(3)と有機塩基の存在下でHorner−Wadsworth−Emmons反応およびE異性化反応を行い、
    得られる化合物(4A)を必要に応じて加水分解することを特徴とする化合物(4B)またはその塩の製造方法。
    Figure 2013216579
    (式中、環Yは置換されていてもよい芳香環を示し、Rは水素またはアルキルを示し、Rはハロゲンまたはアルキルを示し、Rは置換されていてもよいアルキルを示し、Rは水素または置換されていてもよいアルキルを示し、Rは置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいアルキルを示し、Arは置換されていてもよいアリールを示す。)

  2. Figure 2013216579

    Figure 2013216579
    (式中、環Xはベンゼンまたはピリジンを示し、Rは保護基を示し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素またはハロゲンを示す。)
    である請求項1に記載の製造方法。
  3. 化合物(1)を、
    (i)化合物(2)又は化合物(3)と塩基存在下でHorner−Wadsworth−Emmons反応に付し、ついで、有機塩基と処理してE異性化を行うか、
    (ii)化合物(2)又は化合物(3)と塩基及び有機塩基の共存下でHorner−Wadsworth−Emmons反応およびE異性化反応を行うか、または
    (iii)化合物(2)又は化合物(3)と有機塩基の存在下でHorner−Wadsworth−Emmons反応およびE異性化反応を行い、
    得られる化合物(4a)を必要に応じて加水分解し、化合物(4b)を化合物(5)と縮合させることを特徴とする化合物(6)またはその塩の製造方法。
    Figure 2013216579
    (式中、環Xはベンゼンまたはピリジンを示し、Rは置換アルキルを示し、Rは置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよい複素環式基を示し、Rは水素またはアルキルを示し、Rはハロゲンまたはアルキルを示し、Rは保護基を示し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素またはハロゲンを示し、Rは置換されていてもよいアルキルを示し、Rは水素または置換されていてもよいアルキルを示し、Rは置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいアルキルを示し、Arは置換されていてもよいアリールを示す。)
  4. 化合物(8)をアミノ保護基で保護して化合物(1)とし、得られる化合物(1)を、
    (i)化合物(2)又は化合物(3)と塩基存在下でHorner−Wadsworth−Emmons反応に付し、ついで、有機塩基と処理してE異性化を行うか、
    (ii)化合物(2)又は化合物(3)と塩基及び有機塩基の共存下でHorner−Wadsworth−Emmons反応およびE異性化反応を行うか、または
    (iii)化合物(2)又は化合物(3)と有機塩基の存在下でHorner−Wadsworth−Emmons反応およびE異性化反応を行い、
    得られる化合物(4a)を必要に応じて加水分解し、化合物(4b)を化合物(5)と縮合させて化合物(6)とし、ついで、脱保護することを特徴とする化合物(7)またはその塩の製造方法。
    Figure 2013216579
    (式中、環Xはベンゼンまたはピリジンを示し、Rは置換アルキルを示し、Rは置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよい複素環式基を示し、Rは水素またはアルキルを示し、Rはハロゲンまたはアルキルを示し、Rは保護基を示し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素またはハロゲンを示し、Rは置換されていてもよいアルキルを示し、Rは水素または置換されていてもよいアルキルを示し、Rは置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいアルキルを示し、Arは置換されていてもよいアリールを示す。)
  5. がアルキルである請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. がアルコキシカルボニル誘導体、カルバモイル誘導体、アルカノイル誘導体、アルキリデン誘導体、アルケニル誘導体、スルフェニル誘導体、スルホニル誘導体、アルキル誘導体、および隣接する窒素原子と一緒になって、Rと共に環状イミド誘導体を形成する基から選ばれるアミノ保護基である、請求項2〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. がアルキルである、請求項1〜6に記載の製造方法。
  8. が水素またはアルキルである、請求項1〜7に記載の製造方法。
  9. 式(4)
    Figure 2013216579
    (式中、環Xはベンゼンまたはピリジンを示し、Rは水素またはアルキルを示し、Rはハロゲンまたはアルキルを示し、Rは保護基を示し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素またはハロゲンを示し、Rは水素または置換されていてもよいアルキルを示す。
    ただし、環
    Figure 2013216579

    Figure 2013216579
    であり、かつ、Rが水素、メチルおよびエチルである時、Rはp−メトキシベンジルではない。)
    で表される化合物またはその塩。
  10. 式(1)
    Figure 2013216579
    (式中、環Xはベンゼンまたはピリジンを示し、Rはハロゲンまたはアルキルを示し、Rは保護基を示し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素またはハロゲンを示す。
    ただし、環
    Figure 2013216579

    Figure 2013216579
    であり、かつ、Rがメチルである時、Rはp−メトキシベンジルではない。)
    で表される化合物またはその塩。
  11. 式(6)
    Figure 2013216579
    (式中、環Xはベンゼンまたはピリジンを示し、Rは置換アルキルを示し、Rは置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよい複素環式基を示し、Rは水素またはアルキルを示し、Rはハロゲンまたはアルキルを示し、Rは保護基を示し、RおよびRは、同一または異なって、それぞれ水素またはハロゲンを示す。)
    で表される化合物またはその塩。
  12. がアルキルである請求項9〜11のいずれかに記載の化合物またはその塩。
  13. がアルコキシカルボニル誘導体、カルバモイル誘導体、アルカノイル誘導体、アルキリデン誘導体、アルケニル誘導体、スルフェニル誘導体、スルホニル誘導体、アルキル誘導体、および隣接する窒素原子と一緒になって、Rと共に環状イミド誘導体を形成する基から選ばれるアミノ保護基である、請求項9〜12のいずれかに記載の化合物またはその塩。
  14. が水素またはアルキルである、請求項9に記載の化合物またはその塩。
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