JP2013215716A - ノズルの清掃装置および清掃方法並びにディスプレイ用部材の製造方法 - Google Patents

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義之 北村
Eizo Kanetani
英三 金谷
Hirokazu Hirose
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Abstract

【課題】微細な吐出口と突出部を多数備えて微細な線幅のストライプ状の塗布を行えるノズルに対して、吐出口を含む吐出口面の長手方向斜面および塗布方向斜面とに付着した塗布液を短時間で安定して除去する。
【解決手段】ノズル長手方向に延びる清掃吸着材102と、清掃吸着材を保持する弾性体104A、104Bと、吐出口面と塗布方向斜面に吸着材を弾性体を介して押しつける付勢ユニット109と、吸着材とノズルを相対移動させる相対移動ユニットと、を少なくとも備える。
【選択図】図4

Description

この発明は、例えば有機ELやカラー液晶ディスプレイ用カラーフィルタ等のディスプレイ用部材を製造する分野に主として使用されるものであり、ストライプ状に所定幅の塗布膜を多数形成できるノズルの吐出口およびその周辺に付着して残存する塗布液を除去するノズルの清掃装置および清掃方法、並びにこれらを用いたディスプレイ用部材の製造方法の改良に関するものである。
従来から知られているように、有機EL、カラー液晶ディスプレイ用カラーフィルタ等には、等ピッチに配置されたポリイミドやブラックマトリックス等の隔壁またはバンク間に塗布液を充填して、直線ストライプ状に塗布膜を形成する工程がある。このようなストライプ状の塗布膜をガラス基板等の被塗布部材上に塗布により形成する手段としては、スクリーン印刷やノズル法がよく知られているが、スクリーン等の副資材が不要で、必要な量だけ高価な塗布液を供給して塗布膜を形成できるノズル法の方が、コスト的に優れており、最近特に注目を集めている。
ノズル法にも、ストライプの配置ピッチにあわせて設けられた多数の吐出口を有するノズルから、塗布液を間欠的に噴射するインクジェットノズル法や、塗布液を連続して吐出する連続吐出ノズル法がある。インクジェットノズル法は、個々の吐出口での塗布液吐出を制御できるので、いかなるパターン形状にも対応できフレキシビリティが高いが、均一性、吐出安定性に課題がある。一方連続吐出ノズル法は、すべての吐出口から同時に塗布液を吐出するのでストライプ状にしか塗布できないが、逆に均一性、吐出安定性に優れているので、製造に広く利用されている。連続吐出ノズル法で薄膜塗布に適するのが、ノズル〜ガラス基板間のクリアランスを比較的小さくしてノズル吐出口とガラス基板間に液溜まりであるビードを形成し、ビード幅に相当する幅のストライプ状塗布膜を形成するビード法(例えば特許文献1)である。
ビード法で使用するノズルは、ノズル吐出口とガラス基板間にストライプ幅のビードを形成しやすいように、ノズル吐出口を含むその周辺部であるノズル吐出口面あるいは吐出口部が、他の部分よりも塗布液吐出方向に突出し、その先端部の幅がおおよそストライプ状塗布膜の幅に等しい突出部または突起部を形成している。この突出部は、広幅の面状の塗布膜を形成するスリットノズルを、その幅をストライプ幅まで極小化したものに相当する。そして微細幅の線が一定ピッチで多数並んだストライプ状の塗布を行うために、ノズルは吐出口と突出部が多数並ぶものとなる。例えば100μm幅の線を300μmピッチで100本形成したければ、60μm幅程度の吐出口を含む先端幅100μm程度の突出部が、300μmピッチで100個並んだノズルを使用することになる。
このようなノズルに塗布液を供給して、実際にガラス基板等の被塗布部材上にストライプ状の塗布を行うと、塗布終了後に、吐出口を含む吐出口面と、この吐出口面にノズル長手方向の両側に隣接する長手方向斜面と、吐出口面に塗布方向の両側に隣接する塗布方向斜面とに、塗布液の一部が滴状または細長い液膜となって付着して残存する。吐出口面と長手方向および塗布方向斜面とに滴状や細長い液膜の塗布液が放置されたままで塗布を行うと、ノズルから吐出される塗布液と共に残存していた塗布液も基板に塗布されることになるので、均一な膜厚の塗布面を得ることができない。また、付着して残存している塗布液が塗布されなくても、それが起点となって、塗布方向にすじが発生する。
さらに塗布を終了して次の塗布を待つまでの間で、吐出口近くの塗布液は空気に接して変質している可能性が懸念される時は、一定量の塗布液を吐出する初期出しを行ってから引き続いて塗布を行うが、この時に吐出された塗布液は吐出口面と長手方向および塗布方向斜面とに液膜となって付着して残存するのはもちろんのこと、隣り合う突出部の間の空間を完全に塗布液で満たしてしまう。このように突出部の間の空間が塗布液で満たされた状態で塗布を行うと、空間に残存する塗布液が加算されて基板に塗布されることになるので、均一な膜厚のストライプ状の塗布膜を得ることができない。
そのため多数枚の被塗布部材に続けて高品質のストライプ状の塗布を行う場合には、以上の不具合を回避するために、一回の塗布が終了するごと、または初期出しを完了するごとに、ノズルの吐出口面と長手方向および塗布方向斜面とに付着して残存している塗布液を除去する、すなわち清掃を行うことが必須となる。
毎回の塗布ごとに行うノズルの具体的な清掃手段としては、広幅の面状の塗布膜を形成するスリットノズルならば、スリットノズルの吐出口面および吐出口面の両側に塗布方向に隣接する塗布方向斜面の断面形状と合致する形状の清掃部材を、吐出口面および塗布方向斜面に摺動させて清掃を行うもの(例えば特許文献2)がある。また布等の吸着材をスリットノズルの吐出口面および塗布方向斜面に摺動させて残存塗布液を拭き取るものがある(例えば特許文献3、4)。
これらのスリットノズルの清掃手段をストライプ状の塗布を行うノズルに適用しても、ノズル長手方向に隣り合う突出部間にある長手方向斜面に付着している塗布液や、ノズル長手方向に隣り合う突出部間の空間を満たして残存している塗布液は、清掃部材が接触しないのであるから、全く除去できない。
そのために溶剤を湿潤した布を用いて人手によって、付着して残存している塗布液を目視確認しながら除去しているのが現状である。しかしながら人手によると、塗布液の除去に時間がかかるとともに、除去状態が一定にならないので、清掃を行うごとに塗布品質や塗布膜厚がばらついて安定化しない。また布を吐出口に少し長い時間接触させると吐出口にある塗布液を布が吸い出すために、ノズル内部に気泡を導入してしまうことになる。このように内部に気泡を含むノズルで塗布を行うと、気泡の影響によって塗布開始部で塗布液の吐出が遅れて、開始部の膜厚が薄くなる他、はなはだしい場合は内部の気泡が吐出されて、気泡の大きさで塗布されない気泡欠点が発生する。
以上の微細な突出部を多数有してストライプ状の塗布を行うノズルには、有効な自動清掃手段がないのが現状である。
特開2007−187948号公報 特開平11−300261号公報 特開2003−33712号公報 特開2008−136897号公報
この発明は、上記の従来の清掃手段に由来する問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、微細な線幅に対応して微細な吐出口と突出部を微細なピッチで多数備えてストライプ状の塗布を行えるノズルに対して、毎回の塗布終了時や塗布前の塗布液の初期出し時に、吐出口面と長手方向および塗布方向斜面とに付着して残存する塗布液、並びにノズル長手方向に隣り合う突出部間の空間に充満して残存する塗布液を短時間に安定して除去することが可能なノズルの清掃手段を実現するとともに、さらにはこの清掃手段を用いて、塗布品質や塗布膜厚精度並びに生産性の向上に大きく寄与するノズルの清掃装置および方法、ならびにこの方法を使用したディスプレイ用部材の製造方法を提供することにある。
上記本発明の目的は、以下に述べる手段により達成される。
本発明に係るノズルの清掃装置は、長手方向に配列された複数の吐出口を有し、かつ各々の吐出口を含む吐出口面とその周辺が塗布液吐出方向に突出している突出部を備えているノズルの吐出口面と、該吐出口面の両側に長手方向/塗布方向に隣接する長手方向斜面/塗布方向斜面とに付着して残存している塗布液を除去するノズルの清掃装置であって、ノズルの塗布方向両側に配置されてノズル長手方向に平行に延びる吸着材と、該吸着材を保持する弾性体と、上記突出部を構成する上記吐出口面と塗布方向斜面のそれぞれに上記吸着材を上記弾性体を介して押しつける付勢ユニットと、上記吸着材を上記吐出口面と塗布方向斜面のそれぞれに押しつけた状態で上記吸着材とノズルを相対移動させる相対移動ユニットと、を少なくとも備えることを特徴とする。
ここで、上記吸着材は、布であること、上記弾性体は、気泡を備える多孔質体であること、上記吸着材にあらかじめ洗浄液を吸収させる洗浄液供給ユニットを、さらに備えること、が好ましい。
本発明に係るノズルの清掃方法は、長手方向に配列された複数の吐出口を有し、かつ各々の吐出口を含む吐出口面とその周辺が塗布液吐出方向に突出している突出部を備えているノズルの吐出口面と、該吐出口面の両側に長手方向/塗布方向に隣接する長手方向斜面/塗布方向斜面とに付着して残存している塗布液を除去するノズルの清掃方法であって、上記突出部を構成する上記吐出口面と塗布方向斜面のそれぞれに、長手方向に渡って吸着材を面接触させ、さらに弾性体を介して上記吸着材を上記吐出口面と塗布方向斜面に押しつけるとともに、上記吸着材を上記吐出口面と塗布方向斜面に対して相対移動させることで、上記吐出口面と長手方向斜面/塗布方向斜面とに付着して残存している塗布液を除去することを特徴とする。
本発明に係る別のノズルの清掃方法は、長手方向に配列された複数の吐出口を有し、かつ各々の吐出口を含む吐出口面とその周辺が塗布液吐出方向に突出している突出部を備えているノズルの吐出口面と、該吐出口面の両側に長手方向/塗布方向に隣接する長手方向斜面/塗布方向斜面とに付着して残存している塗布液を除去するノズルの清掃方法であって、上記ノズルの吐出口面の塗布方向両側に隣接する塗布方向斜面を、塗布方向の片側ずつ、長手方向に渡って吸着材に押し付けて面接触させてから上記吸着材を上記塗布方向斜面に対して相対移動させること、を行なうことで、前記吐出口面と長手方向斜面/塗布方向斜面とに付着して残存している塗布液を除去することを特徴とする。
ここで、上記吸着材は、布であること、上記弾性体は、気泡を備える多孔質体であること、上記吸着材には、清掃開始前にあらかじめ洗浄液を吸収させておくこと、が好ましい。
本発明に係るディスプレイ用部材の製造方法は、上記のノズル清掃方法で清掃したノズルを用いてディスプレイ用部材を製造することを特徴とする。
本発明に係るノズルの清掃装置および清掃方法を用いれば、布等の柔らかい吸着材をノズルの吐出口面と塗布方向斜面のそれぞれに、ノズル長手方向に渡って面接触させ、さらに弾性体を介して吸着材を吐出口面と塗布方向斜面に押しつけるのであるから、吸着材がノズル長手方向に隣あう突出部間の空間に入り込んで長手方向斜面に接触するようになるので、ノズル長手方向に隣り合う突出部間の空間に充満して残存する塗布液を吸収する。さらに吸着材が吐出口面や塗布方向斜面に面接触しているだけでなく、ノズル長手方向に隣り合う突出部間にある長手方向斜面にも接触した状態で、吸着材を塗布方向斜面に対して相対移動させるのであるから、吸着材は吐出口面や長手方向斜面/塗布方向斜面にも接触した状態で相対移動するために、吐出口面と長手方向斜面/塗布方向斜面とに付着して残存している塗布液を拭取って、短時間に安定して除去することが可能となる。このように本発明の手段によれば、毎回の塗布終了時や塗布前の塗布液の初期出し時に残存する塗布液を完全に除去した状態で、ストライプ状の塗布が行えるのであるから、その結果、塗布膜厚精度が高く、塗布膜面に欠点が全くない高い品質の塗布膜を形成することが可能となる。また以上の清掃を短時間で行えるので、生産性を高めることも可能となる。
本発明に係るディスプレイ用部材の製造方法によれば、上記の優れたノズルの清掃方法を用いてディスプレイ用部材を製造するのであるから、膜厚精度が高く塗布欠点がない優れた塗布品位のディスプレイ用部材を高い生産性と歩留まりで製造することが可能となる。
本発明に係る清掃装置を含むストライプ塗布装置1を示す斜視図である。 ノズル30による基板への塗布状況を示す拡大正面断面図である。 図2のノズル30の吐出口における側面断面図である 本発明に係る清掃装置である清掃ユニット100の詳細を示す概略側面図である。 ノズル30に残存する塗布液の付着状況を示す概略図である。 ノズル30に残存する塗布液の別の付着状況を示す概略図である。 清掃ユニット100でノズル30を清掃する作用をステップ的に示す前半ステップでの説明図である。 清掃ユニット100でノズル30を清掃する作用をステップ的に示す後半ステップでの説明図である。 清掃ユニット100でノズル30を清掃する別の作用をステップ的に示す後半ステップでの説明図である。 清掃ユニット100でノズル30を清掃する別の作用をステップ的に示す図9に続く後半ステップでの説明図である。
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る清掃装置を含むストライプ塗布装置1を示す斜視図、図2はノズル30による基板への塗布状況を示す拡大正面断面図、図3は図2のノズル30の吐出口における側面断面図、図4は本発明に係る清掃装置である清掃ユニット100の詳細を示す概略側面図、図5はノズル30に残存する塗布液の付着状況を示す概略図、図6はノズル30に残存する塗布液の別の付着状況を示す概略図、図7は清掃ユニット100でノズル30を清掃する作用をステップ的に示す前半ステップでの説明図、図8は清掃ユニット100でノズル30を清掃する作用をステップ的に示す後半ステップでの説明図、図9は清掃ユニット100でノズル30を清掃する別の作用をステップ的に示す後半ステップでの説明図、図10は清掃ユニット100でノズル30を清掃する別の作用をステップ的に示す図9に続く後半ステップでの説明図、である。
図1を参照すると、塗布液をストライプ状に塗布可能なストライプ塗布装置1が示されている。このストライプ塗布装置1は、被塗布部材である基板Aに塗布液を塗布するノズル30と、ノズル30と基板Aが取りつけられてこれらを自在に移動させるXYZステージ10と、ノズル30に塗布液を供給する塗布液供給手段である塗布液供給装置50と、ノズル30の清掃を行う清掃ユニット100と、XYZステージ10と塗布液供給装置50と清掃ユニット100の動作を統括的に制御する制御装置80と、より構成されている。
XYZステージ10の吸着盤14には基板Aが載置され、Z軸リニア駆動装置12にはノズル30が固定保持されている。吸着盤14の上面には図示されていない吸着孔が多数配置されており、図示されていない真空源からの真空圧によって基板Aを吸着保持することができる。この吸着盤14はその中央部で図示しない回転軸を介してX−θ駆動装置16に取り付けられている。X−θ駆動装置16は、ベース26上に固定されており、吸着盤14のX−Y平面内での回転とX方向(基板A長手方向)の往復動を自在に行なうことができる。なおX、Y、Zの方向については、図1に示される通りで、XYZステージ10の左下隅にX、Y、Z各軸の原点Oが設けられているとともに、原点Oでの矢印の方向が正方向である。またX−Y平面内での回転方向がθ方向となっている。
ノズル30を保持するZ軸リニア駆動装置12は、ノズル30をZ方向すなわち上下方向に自在に昇降することができるもので、ブラケット18に固定されている。ブラケット18はさらにY軸リニア駆動装置20に保持されている。Y軸リニア駆動装置20は、ベース26上の一端に配置されている門型ベース28上に固定されており、ブラケット18をY方向に自在に往復動することができる。その結果ブラケット18に固定されているノズル30を、塗布方向であるY方向にも自在に往復動させることができる。さらに吸着盤14の上方のブラケット18に対応する位置にはCCDカメラ22と高さセンサー24も装着されている。CCDカメラ22は制御装置80に電気的に連結されており、基板Aのアライメントマークの位置を検知して、それを制御装置80に伝え、制御装置80がX−θ駆動装置16やY軸リニア駆動装置20を駆動することによって、ノズル30に対する基板Aの位置合わせやθ方向の相対回転角度設定を行うことができる。一方高さセンサー24は、基板Aの上面の位置を検知、すなわち基板Aの厚さを検知し、それを電気的に接続されている制御装置80に伝える。その信号に基づいて制御装置80がZ軸リニア駆動装置12等を駆動することによって、ノズル30の最下面と基板A上面とのすきま、すなわちクリアランスを所定値に設定することができる。
ノズル30には、塗布液供給装置50に連なる供給ホース68が常時接続されており、これによりノズル30へは塗布液供給装置50から塗布液を供給することができる。ノズル30へ供給された塗布液は、ノズル30の内部通路を経て基板Aに向かってノズル30より吐出される。
なお、塗布液供給装置50は、供給ホース68の上流側に、フィルター56、供給バルブ52、シリンジポンプ60、吸引バルブ54、吸引ホース70、タンク72を備えている。またタンク72には塗布液74が蓄えられており、圧空源76に連結されて任意の大きさの背圧を塗布液74に付加することができる。タンク72内の塗布液74は、吸引ホース70を通じてシリンジポンプ60に供給される。シリンジポンプ60では、シリンジ62、ピストン64が本体66に取り付けられている。ここでピストン64は図示しない駆動源によって上下方向に自在に往復動できる。シリンジポンプ60は、一定の内径を有するシシリンジ62内に塗布液74を充填し、それをピストン64により押し出して、ノズル30に一定容量の塗布液を供給できる定容量間欠供給型のポンプである。シリンジ62内に塗布液74を充填するときは、吸引バルブ54を開、供給バルブ52を閉として、ピストン64を下方に移動させる。またシリンジ62内に充填された塗布液をノズル30に向かって供給するときは、吸引バルブ54を閉、供給バルブ52を開とし、ピストン64を上方に移動させることで、ピストン64でシリンジ62内部の塗布液74を押し上げ排出する。
さて図1にあるノズル30をY方向、すなわち基板A短手方向ならびにノズル30の長手方向(X方向)に直交する方向、に見た中央部の断面を拡大して示しているのが図2であり、塗布液74をノズル30でクリアランスLCだけ離れた基板Aにストライプ状に塗布している状況を示している。ノズル30は紙面に垂直な方向、すなわち図1のY方向に移動し、これが塗布方向となる。図2で、ノズル30を構成する本体34の中央部に、ノズル30の長手方向に伸びるマニホールド38が形成されている。このマニホールド38には灰色に色づけした塗布液74が充満しており、中央部上方には供給口42が設けられている。供給口42は図1の供給ホース68と接続しており、この供給口42を介して塗布液供給装置50から塗布液74をマニホールド38に供給することができる。マニホールド38の下方の下部32には貫通溝36がマニホールド38と連通して形成されている。この貫通溝36の下端がノズル30の最下端面である吐出口面46で開口して、吐出口40を形成する。したがって吐出口40は塗布液供給装置50と流体的に連通しているので、塗布液供給装置50から塗布液74が供給されれば、吐出口40から塗布液74は下向きに吐出される。この下向きが塗布液吐出方向となる。
吐出口40は吐出口面46に含まれているが、吐出口面46は下部32の外面49よりも、塗布液74の吐出方向である下向きに突出量LAだけ突出して、吐出口面46の両隣にノズル30の長手方向であるX方向に連なる長手方向傾斜面48A、Bとともに突出部44を形成している。すなわち、吐出口面46の両側にノズル30の長手方向に隣接する長手方向斜面は、長手方向傾斜面48A、Bとなる。塗布液が吐出される吐出口40を含む突出部44の一部分が、ノズル30の先端部となる。吐出口40はノズル30の長手方向にピッチLRで複数個設けられているので、突出部44も同じくノズル30の長手方向にピッチLRで複数個設けられることになる。すなわちノズル30は、長手方向に配列された複数の吐出口40を有し、かつ各々の吐出口40を含む吐出口面46とその周辺が塗布液吐出方向に突出している突出部44を備えている。なお下部32の外面49は、長手方向に隣合う突出部44の間にある空間Sに面する下部32の外側の面と定義される。これから空間Sは、長手方向傾斜面48A、Bと下部32の外面49に囲まれた空間ということもできる。
吐出口40から吐出された塗布液74が、突出部44と基板Aとの間、より正確には吐出口面46および長手方向傾斜面48A、Bの一部と基板Aとの間に連結ビードBPを形成すれば、吐出口40から一定量の塗布液を吐出しつつ、ノズル30を基板Aに対してY方向に相対移動させることにより、ストライプ幅LBのストライプ状塗布膜が形成できることになる。なおストライプ幅LBは吐出口面46の幅LDとは必ずしも一致しない。
吐出口40の形状については、塗布液74の吐出方向に見て円形、矩形、長穴形状等いかなるものであってもよい。吐出口40の幅LEは、吐出口面46の幅LD以下であることが好ましい。長手方向傾斜面48A、Bの塗布液74の吐出方向に対する角度φは好ましくは0〜45度にする。この角度範囲にあれば、吐出口面46の幅LDに近い最小のストライプ幅LBを有する連結ビードBPが実現できるからである。吐出口40と貫通溝36をノズル30の長手方向、すなわちX方向に見ると、図3に示すようになる。吐出口40の塗布方向長さLFは、吐出口面46の塗布方向長さLGよりも小さいことが好ましい。また吐出口面46の塗布方向、すなわちY方向両隣にも塗布方向傾斜面47A、Bが形成されている。すなわち、吐出口面46の両側に塗布方向に隣接する塗布方向斜面は、塗布方向傾斜面47A、Bとなる。塗布方向傾斜面47A、Bと上記の吐出口面46、並びに長手方向傾斜面48A、Bが、突出部44を構成する全てである。なお塗布方向傾斜面47A、Bの塗布液74の吐出方向に対する角度αは、好ましくは0〜60度にする。なお、塗布液74の吐出方向は、吐出口40の塗布方向、すなわちY方向の中心線Cと平行となる。
再び図1を見ると、吸着盤14のY方向に隣り合って、ベース26上に本発明のノズル30の清掃装置である清掃ユニット100が設けられている。清掃ユニット100は、ノズル30の吐出口面46と、吐出口面46の両側に長手方向/塗布方向に隣接する長手方向斜面である長手方向傾斜面48A、B/塗布方向斜面である塗布方向傾斜面47A、Bとに付着して残存している塗布液を除去する。清掃ユニット100で実際にノズル30の清掃を行う清掃吸着材102が、ノズル30と長手方向全長にわたって接触するように、清掃ユニット100のX方向配置位置は定められている。Y方向にはノズル30と清掃ユニット100は離れた位置にあるので、清掃を行う時にはノズル30は、Y軸リニア駆動装置20により清掃ユニット100の清掃吸着材102の直上まで移動する。清掃吸着材102は布等の、柔軟で容易に変形し、液体を吸収する機能を有するものが好ましい。
清掃ユニット100よりさらにY方向に離れた位置には、清掃ユニット100の吸着材である清掃吸着材102にあらかじめ洗浄液となる溶剤を吸収させる洗浄液供給ユニットである溶剤供給装置150が、さらに備えられている。溶剤供給装置150は、溶剤を噴射するX方向に延びる溶剤ノズル152、溶剤ノズル152の一端をブラケット156上に保持・固定する保持具154、より構成されている。溶剤ノズル152には、図示しない溶剤供給源から、これまた図示しない配管を通じて、溶剤が供給される。ブラケット156はY軸リニア駆動装置20に取り付けられており、溶剤ノズル152をY方向に、ノズル30とは独立して、移動させることができる。したがって溶剤ノズル152は、使用されない時はY軸リニア駆動装置20上のY方向端部で待機し、使用される時に、清掃ユニット100の清掃吸着材102直上位置までY方向に移動し、清掃吸着材102に溶剤を噴射して、清掃吸着材102を溶剤で湿潤させることが可能となる。
清掃ユニット100をX方向に見て拡大した図4を用いて、清掃ユニット100の構成についてさらに詳細に説明する。図4では、清掃ユニット100の清掃吸着材102の直上に溶剤ノズル152を配しており、後に溶剤ノズル152による清掃吸着材102への溶剤供給状況についても詳述する。
図4において清掃部材となる吸着材である清掃吸着材102は、ノズル30の塗布方向であるY方向両側に配置されてノズル30の長手方向であるX方向に平行に延びる。そして清掃吸着材102は、X方向に延びる直方体形状の2つの弾性体104A、Bの上方で支持されている。すなわち弾性体104A、Bは、吸着材である清掃吸着材102を保持する。清掃吸着材102は、弾性体104A、Bの外面124A、B、上面122A、B、内面120A、Bに接触して弾性体104A、Bに保持されており、2つの弾性体104Aと104Bの間では垂れ下がっている。この垂れ下がっている部分にノズル30の先端部を位置させて、清掃を行う。なお清掃吸着材102の垂れ下がっている部分の最下端部と弾性体104A、Bの上面122A、B間の長さを垂れ下がり長さZ1としている。また弾性体104A、Bは気泡を備える多孔質体であることが好ましい。より具体的には、スポンジのように多孔質でゴム硬度が50度以下で、溶剤に対して耐性を有するものが好ましい。弾性体104A、Bはその全体が、X方向に延びるコの字形状の保持体108に保持されている。保持体108は架台116上に保持されており、架台116がストライプ塗布装置1のベース26上で固定されている。弾性体104A、Bの外面124A、Bの下方部分と下面126A、Bが保持体108と接触しており、外面124A、Bの下方部分が保持体108に接着固定されている。2つの弾性体104A、Bの間の下方には、X方向に延びる中間ブロック106が保持体108上で固定されている。中間ブロック106により、弾性体104A、Bの内面120A、B間の距離が定められる。
弾性体104A、Bの上方ではY方向に隣り合って、X方向に延びる押圧体110A、Bがアーム112A、Bの一端に保持されて配置されている。アーム112A、Bの押圧体110A、Bとは逆側の一端には、X方向に延びる軸118A、Bが取り付けられており、この軸118A、BのX方向端部にお互いが噛み合うギアー114A、Bが備えられている。
軸118A、Bはまた、X方向の両端で保持体108の下側に固定されている軸受け箱128A、Bで回転自在に保持されている。なお軸118Bの一端は図示しない回転駆動装置に接続されている。回転駆動装置としては、ロータリーシリンダーやモータを用いることが好ましい。
以上の構成によってアーム112Aは軸118Aを中心として、アーム112Bは軸118Bを中心として、お互い逆方向に回転することになるので、アーム112A、Bの一端にある押圧体110A、Bを同時に弾性体104A、Bの外面124A、Bに接触させることが可能となる。したがって、押圧体110A、B、アーム112A、B、ギアー114A、B、軸118A、B、軸受け箱128A、Bは、付勢ユニット109を構成する。すなわち図4の状態から、図示していない回転駆動装置により軸118Bを反時計方向に回転させると、アーム112Bは反時計方向に回転するが、アーム112Aはギアー114A、Bの作用によって時計方向に回転する。アーム112A、Bのこのような回転作用により、押圧体110A、Bはそれぞれ弾性体104A、Bの内面120A、Bを接触させるように、弾性体104A、Bの外面124A、Bを清掃吸着材102を介して押すことになる。したがってこの時に、弾性体104A、Bの間にノズル30の吐出口40を含む先端部を配しておけば、ノズル30の先端部を清掃吸着材102を介して弾性体104A、Bではさみこむことが可能となる。つまり付勢ユニット109は、ノズル30の突出部44を構成する吐出口面46と塗布方向斜面である塗布方向傾斜面47A、Bのそれぞれに、吸着材である清掃吸着材102を弾性体104A、Bを介して押しつける。この時には、押圧体110A、Bと弾性体104A、Bの外面124A、Bの間に清掃吸着材102の両端端部がX方向全長にわたって挟まれることになるので、清掃吸着材102は、ノズル30と弾性体104A、Bの内面120A、Bの間に挟まれることもあわせて、2箇所で位置固定される。一方、ノズル30の先端部が清掃吸着材102を介して弾性体104A、Bではさみこまれている状態から、回転駆動装置により軸118Bを時計方向に回転させれば、アーム112A、Bは、押圧体110A、Bを弾性体104A、Bの外面124A、Bから引き離す方向に回転する。押圧体110A、Bが外面124A、Bより十分離れれば、弾性体104A、Bの復元力により、内面120A、Bはお互いに離れていき、図4の状態に戻る。この時には中間ブロック106のY方向長さによって復元する位置が定まる。なお、ノズル30に付着して残存している塗布液を除去するには、付勢ユニット109により吸着材である清掃吸着材102を吐出口面46と塗布方向斜面ある塗布方向傾斜面47A、Bのそれぞれに押しつけた状態で吸着材である清掃吸着材102とノズル30を相対移動させる相対移動ユニットが必要となる。この相対移動ユニットは、清掃吸着材102をノズル30に対して上下方向であるZ方向に相対移動させるZ軸リニア駆動装置であり、清掃吸着材102をノズル30に対してY方向に相対移動させるY軸リニア駆動装置である。
本発明のノズル清掃装置は、上記に示したように、ノズルの塗布方向両側に配置されてノズル長手方向に平行に延びる吸着材と、該吸着材を保持する弾性体と、上記突出部を構成する上記吐出口面と塗布方向斜面のそれぞれに上記吸着材を上記弾性体を介して押しつける付勢ユニットと、上記吸着材を上記吐出口面と塗布方向斜面のそれぞれに押しつけた状態で上記吸着材とノズルを相対移動させる相対移動ユニットと、を少なくとも備える。
さらに清掃ユニット100の保持体108のY方向に隣り合って、トレイ130が架台116上に固定されている。このトレイ130は、ノズル30の初期出しやエアー抜き等で吐出される塗布液を回収するためのものであり、図示しない排出ラインに接続されて、内部にたまった塗布液等の液体を外部に排出、回収することができる。
また清掃ユニット100の上方にある溶剤ノズル152には、流路160を伝わってきた溶剤が、弾性体104A、Bの内面120A、Bと上面122A、Bの境界に噴出されて到達するように、吐出孔158A、Bが設けられている。この吐出孔158A、BはX方向に所定のピッチで複数個設けて、清掃吸着材102がX方向に全域にわたって均等に湿潤されるようにすることが好ましい。また吐出孔158A、Bについては、垂直方向に溶剤を噴射できるように溶剤ノズル152の下方一位置に設けておき、押圧体110A、Bによって弾性体104A、Bの内面120A、Bを接触させた状態で、溶剤を噴射するようにしてもよい。いずれにせよ、溶剤ノズル152によって少なくとも弾性体104A、Bの間にある清掃吸着材102の全領域が溶剤湿潤されるようにすればよい。なお弾性体104A、Bを保持する保持体108の底面や側面には、図示しない排出ラインに接続される排出穴が設けられており、内部にたまった溶剤や塗布液等の液体を外部に排出、回収することができる。
再び図1を見ると、制御信号にて動作するX−θ駆動装置16、Y軸リニア駆動装置20、Z軸リニア駆動装置12、塗布液供給装置50、清掃ユニット100の軸118Bの回転駆動装置、溶剤供給装置150等がすべて電気的に接続されている制御装置80がある。制御装置80にはあらかじめ組み込まれた自動運転プログラムがあり、これに従って制御指令信号が制御装置80から各機器に送信されて、あらかじめ定められた動作を行う。なお条件を変更する時は操作盤82に適宜変更パラメータを入力すれば、それが制御装置80に伝達されて、運転動作の変更が実現できる。制御装置80を用いれば、ストライプ塗布装置1の動作を自在に制御できるので、定められた条件でのノズル30の清掃や、与えられた塗布条件下での塗布を自在に行うことができる。
次に本発明に係る清掃装置である清掃ユニット100を用いたノズル30の清掃方法について詳述する。まずノズル30の清掃前の塗布液74の付着状況を図5、6に示す。いずれの図においても(a)は正面図(Y方向に見た図)、(b)は隣り合う突出部44の間から突出部44をX方向に見た図である。図5は塗布が終了した時のノズル30での塗布液74の付着状況を示したもので、吐出口面46、長手方向傾斜面48B、塗布方向傾斜面47A、B、に滴状に塗布液74が付着している。一方図6は、塗布が終了してから次の塗布の開始前に、吐出口40よりノズル30内部にある変質した塗布液を吐出するいわゆる初期出しを行った直後の塗布液の付着状況を示している。塗布液74の量が多いので、吐出口面46に塗布液74が付着するのはもちろんのこと、隣り合う突出部44の間の空間Sに塗布液が充満するだけでなく、塗布方向傾斜面47A、Bで外面49よりも上側の位置にまで塗布液74がはい上がって付着している。
図5、6のようにノズル30に塗布液74が残存して付着している時に、この塗布液74を完全に除去するための清掃ユニット100を使用した第1の清掃方法を、図7と図8を用いて説明する。図7と図8は一覧表となっていて、(a)の縦列は正面図(Y方向に見た図)が配置され、(b)の縦列は隣り合う突出部44の間から突出部44をX方向に見た図が配置されている。横列はステップSt0〜St7ごとに示されている。ステップStは数字の大きい方が時間的に後になる。ステップSt0〜St3までが図7に示され、ステップSt4〜St7までが図8に示されている。
図7でステップSt0は塗布が終了した時であり、塗布液74がノズル30の突出部44に滴状に付着して残存する。次にステップSt1では、Y軸リニア駆動装置20を駆動して、溶剤ノズル152を保持体108のY方向中央部の直上に移動させた後に、溶剤供給源から所定量の溶剤を溶剤ノズル152に供給して清掃吸着材102に向かって噴射することで、清掃吸着材102を溶剤で湿潤させる。すなわち、吸着材である清掃吸着材102には、清掃開始前にあらかじめ洗浄液である溶剤を吸収させておく。
続いてステップSt2では、Y軸リニア駆動装置20を駆動して溶剤ノズル152を初期位置に退避させた後に、ノズル30を清掃ユニット100のトレイ130直上に移動させる。ノズル30が停止したら塗布液供給装置50を駆動して、所定量の塗布液74をノズル30から吐出して初期出しを行う。この時、塗布液74は空間Sに充満し、一部があふれて塗布方向傾斜面47A、Bの上部にも付着する。次のステップSt3では、ノズル30に付着している塗布液74を除去するために、ノズル30の突出部44が清掃ユニット100の清掃吸着材102の直上位置に位置するよう、Y軸リニア駆動装置を駆動してノズル30をY方向に移動させる。具体的には、吐出口40のY方向中心線Cが、弾性体104A、Bの内面120A、B間の中心に略一致する位置まで移動させる。続いて図8に示すステップSt4では、Z軸リニア駆動装置12を駆動してノズル30をZ方向に下降させる。弾性体104A、Bの上面122A、Bが、ノズル30の塗布方向傾斜面47A、Bに付着している塗布液74よりも高い位置になるまでノズル30を下降させるのが好ましい。次にステップSt5で清掃ユニット100の回転駆動装置を駆動して軸118Bを反時計方向に回転させ、押圧体110A、Bでノズル30の塗布方向傾斜面47A、Bを、清掃吸着材102と弾性体104A、Bを介して挟み込む。
この時弾性体104A、Bは空間Sにも入り込むので、清掃吸着材102はすべての吐出口面46、長手方向傾斜面48A、B、塗布方向傾斜面47A、B、外面49に面接触するとともに、一部の塗布液は清掃吸着材102に吸収される。また、押圧体110A、Bと弾性体104A、Bの外面124A、Bの間に、清掃吸着材102のY方向両端端部がX方向全長にわたって挟まれることになるので、以降のノズル30の相対移動時に清掃吸着材102が容易にずれない。続いてステップSt6で、Z軸リニア駆動装置12を駆動してノズル30を矢印で示すZ方向に上昇させ、清掃吸着材102が接触するすべての吐出口面46、長手方向傾斜面48A、B、塗布方向傾斜面47A、B、外面49に対して相対移動、すなわち摺動することにより、各面に付着して残存している塗布液が、ノズル30の上昇が完了したステップSt7では完全に除去される。
すなわちステップSt5とステップSt6とで、ノズル30の突出部44を構成する吐出口面46と塗布方向斜面である塗布方向傾斜面47A、Bのそれぞれに、長手方向(X方向)に渡って吸着材である清掃吸着材102を面接触させ、さらに弾性体104A、Bを介して吸着材である清掃吸着材102を吐出口面46と塗布方向斜面である塗布方向傾斜面47A、Bに押しつけるとともに、吸着材である清掃吸着材102を吐出口面46と塗布方向斜面である塗布方向傾斜面47A、Bに対してZ方向に相対移動させることで、吐出口面46と長手方向斜面である長手方向傾斜面48A、B/塗布方向斜面である塗布方向傾斜面47A、Bとに付着して残存している塗布液を除去する。
本発明のノズルの第1の清掃方法は、以上の通り、上記突出部を構成する上記吐出口面と塗布方向斜面のそれぞれに、長手方向に渡って吸着材を面接触させ、さらに弾性体を介して上記吸着材を上記吐出口面と塗布方向斜面に押しつけるとともに、上記吸着材を上記吐出口面と塗布方向斜面に対して相対移動させることで、上記吐出口面と長手方向斜面/塗布方向斜面とに付着して残存している塗布液を除去する。
上記で、清掃吸着材102が接触するすべての吐出口面46、長手方向傾斜面48A、B、塗布方向傾斜面47A、B、外面49に対する相対移動方向は、Z方向すなわち上下方向が好ましいが、X方向すなわちノズル30の長手方向であってもよい。ただしこの時は、押圧体110A、Bでノズル30の塗布方向傾斜面47A、Bを、清掃吸着材102と弾性体104A、Bを介して低圧力で挟み込むようにする。これは弾性体104A、Bがノズル30の空間Sにわずかしか入り込まないようにして、清掃吸着材102がX方向に容易に相対移動できるようにするためである。
また、吸着材102のすべての吐出口面46、長手方向傾斜面48A、B、塗布方向傾斜面47A、B、外面49に対する相対移動方向がZ方向の時、この相対移動前にノズル30を下降させる位置を、弾性体104の上面122A、Bがノズル30の塗布方向傾斜面47A、Bに付着している塗布液74よりもより長く離れた高い位置になるようにすることが好ましい。これによって、清掃吸着材102の塗布液の除去に使用できる接触面積がより大きくなり、塗布除去能力が高まるからである。
吸着材である清掃吸着材102は、布であることが好ましい。より具体的には織物、ニット、編物、不織布等の布状物で、液体の吸収力があって自在に変形して突出部44の各面に接触可能であるものが好ましいが、スポンジ等の多孔質体であってもよい。また上記の第1の清掃方法では、清掃吸着材102は所定形状のものを1枚使用していたが、これを2枚等複数枚重ねて使用してもよい。これによって一層塗布液の吸収能力が高まり、塗布液の除去能力が向上する。また清掃ユニット100では、所定形状の清掃吸着材102を人手によって交換するが、清掃ユニット100のX方向の両隣に巻出装置と巻取装置を配置して、所定幅で連続となっている清掃吸着材102を、自動的に弾性体104A、B上に送り込むようにしてもよい。この場合、1回の清掃作業ごとに、塗布液を吸収した清掃吸着材102の部分を巻取装置で巻き取ると、弾性体104上に清掃吸着材102の未使用部分が現れることになる。
さらに図1では、清掃ユニット100は1個しかないが、全く同じものをY方向に2個以上並べてもよい。これにより複数回のノズル30の清掃ユニット100による清掃が行えることになり、付着して残存している塗布液量が相当多い場合でも完全に除去できて、より好ましい。
また図1に示す清掃ユニット100では、清掃吸着材102や弾性体104等のX方向長さは、ノズル30の長手方向長さより10〜20mm程度長い程度であるが、ノズル30の長手方向長さのn倍+10〜20mmとしてもよい。この場合、1回の清掃が完了するごとにノズル30をY方向に移動させることで、少なくともn回の清掃が行えることになる。
次に清掃ユニット100を使用した第2の清掃方法を、図7と図9と図10を用いて説明する。図7には第2の清掃方法のステップSt0〜St3が、図9にはそれに続くステップNSt4〜NSt7が、図10にはさらにそれに続くステップNSt8〜NSt10が示されている。なおステップを示す記号は、第1の清掃方法と共通するステップはStを用い、第2の清掃方法に固有のステップについてはNStを用いている。
さて第2の清掃方法では、ステップSt0〜St3まで第1の清掃方法と全く同じであるので、説明を省略する。続いて図9を見て、ステップNSt4では、Z軸リニア駆動装置12を駆動してノズル30を、矢印で示すZ方向に下降させる。弾性体104A、Bの上面122A、Bが、ノズル30の塗布方向傾斜面47A、Bに付着している塗布液74よりも高い位置になるまでノズル30を下降させるのが好ましい。次にステップNSt5で、Y軸リニア駆動装置20を駆動して、ノズル30を矢印で示すY方向の弾性体104B側に向かって移動させ、塗布液74が付着しているノズル30の塗布方向傾斜面47Bを、吸着材である清掃吸着材102と弾性体104Bに、ノズル30の長手方向に渡って押し付けるようにして接触させる。この時、塗布方向傾斜面47Bに直接接触するのは清掃吸着材102であるが、押し付けによって弾性体104Bは上面122Bの近傍が、塗布方向傾斜面47Bにならって斜面状に弾性変形し、さらに吐出口面46、長手方向傾斜面48A、B、外面49の塗布方向傾斜面47B側の一部が弾性体104Bの方まで食い込んで清掃吸着材102と接触するとともに、空間Sの一部にも清掃吸着材102と弾性体104Bが入り込む。そしてこの状態を所定時間だけ保持する。保持時間としては、好ましくは0.5〜10秒、より好ましくは1〜5秒である。これによって、塗布方向傾斜面47Bに付着している塗布液や、吐出口面46、長手方向傾斜面48A、B、外面49の塗布方向傾斜面47B側に付着している塗布液の一部、さらには空間Sに残存している塗布液74の一部が、清掃吸着材102に吸収される。続いてステップNSt6で、ノズル30の塗布方向傾斜面47Bを清掃吸着材102と弾性体104Bに押し付けた状態のまま、Z軸リニア駆動装置12を駆動してノズル30を矢印で示すZ方向に上昇させる。これによって、清掃吸着材102が接触する塗布方向傾斜面47B、吐出口面46、長手方向傾斜面48A、B、外面49の一部に対して、清掃吸着材102が相対移動、すなわち摺動することになり、清掃吸着材102に接触する塗布液が除去されるとともに、清掃吸着材102に接触しない塗布液も、除去した塗布液による随伴(引きずり)や、清掃吸着材102の塗布液の吸収による引き寄せによって、その一部が除去される。そしてノズル30の上昇が完了した状態では、清掃吸着材102が摺動しない塗布方向傾斜面47Aや、吐出口面46、長手方向傾斜面48A、B、外面49の塗布方向傾斜面47A側にだけ、塗布液74が付着残存する。その付着残存する塗布液74を除去するために、次のステップNSt7ではまず、Y軸リニア駆動装置20を駆動し、ノズル30のY方向中心線Cが、弾性体104A、Bの内面120A、B間の中心に略一致する位置まで、ノズル30をY方向に移動させる。
次に図10を見ると、その次のステップNSt8で、Z軸リニア駆動装置12を駆動してノズル30を矢印で示すZ方向に下降させる。ステップNSt4の時と同様に、弾性体104A、Bの上面122A、Bが、ノズル30の塗布方向傾斜面47Aに付着している塗布液74よりも高い位置になるまでノズル30を下降させるのが好ましい。つづくステップNSt9で、Y軸リニア駆動装置20を駆動して、ノズル30を矢印で示すY方向の弾性体104A側に向かって移動させ、塗布液74が付着しているノズル30の塗布方向傾斜面47Aを、清掃吸着材102と弾性体104Aに、ノズル30の長手方向に渡って押し付けるようにして接触させる。この時、押し付けによって弾性体104Aは上面122Aの近傍が、塗布方向傾斜面47Aにならって斜面状に弾性変形し、さらに吐出口面46、長手方向傾斜面48A、B、外面49の塗布方向傾斜面47A側の一部が弾性体104Aの方まで食い込んで清掃吸着材102と接触するとともに、空間Sの一部にも清掃吸着材102と弾性体104Aが入り込む。そしてこの状態を、ステップNSt5の時と同じ所定時間だけ保持する。これによって、塗布方向傾斜面47Aに付着している塗布液や、吐出口面46、長手方向傾斜面48A、B、外面49の塗布方向傾斜面47A側に付着している塗布液の一部、さらには空間Sに残存している塗布液74の一部が、清掃吸着材102に吸収される。続いてステップNSt10で、ノズル30の塗布方向傾斜面47Aを清掃吸着材102と弾性体104Aに押し付けた状態のまま、Z軸リニア駆動装置12を駆動してノズル30を矢印で示すZ方向に上昇させる。これによって、清掃吸着材102が接触する塗布方向傾斜面47A、吐出口面46、長手方向傾斜面48A、B、外面49の一部に対して、清掃吸着材102が相対移動、すなわち摺動することにより、清掃吸着材102に接触する塗布液が除去されるとともに、清掃吸着材102に接触しない塗布液も、除去した塗布液による随伴や、清掃吸着材102の塗布液の吸引による引き寄せによって、その一部が除去される。
以上の第2の清掃方法を1回行なっただけではノズル30の突出部44に付着残存している塗布液74を完全に除去できない場合は、清掃吸着材102を新しいものに更新してから、第2の清掃方法を複数回繰り返してもよい。この場合2回目以降では、図7のステップSt1から開始し、初期出しを行なう次のステップSt2を省略してから、ステップSt3からステップNSt10までを行なう。
また、1回目は第1の清掃方法を行なってから、清掃吸着材102を新しいものに更新し、その後の2回目は第2の清掃方法を行なってもよいし、その逆を行なってもよい。
さらにまた、複数の清掃ユニット100を備えて、第2の清掃方法を清掃ユニットの個数だけ繰り返してもよいし、第1の清掃方法と第2の清掃方法を交互に繰り返してもよい。
上記のステップNSt6、ステップNSt9では、清掃吸着材102の塗布方向傾斜面47A、B、吐出口面46、長手方向傾斜面48A、B、外面49の一部に対する相対移動方向は、Z方向すなわち上下方向が好ましいが、清掃吸着材102をより強く押し付けるようにY方向に移動しながら、Z方向に上昇する相対移動であってもよい。すなわちステップNSt6では、ノズル30の塗布方向傾斜面47Bを清掃吸着材102と弾性体104Bに押し付けた状態のまま、Y軸リニア駆動装置20とZ軸リニア駆動装置12の両方を同時に駆動し、スリットノズル30をY方向に弾性体104B側に移動させながらZ方向に上昇させ、一方ステップNSt10では、ノズル30の塗布方向傾斜面47Aを清掃吸着材102と弾性体104Aに押し付けた状態のまま、これもまたY軸リニア駆動装置20とZ軸リニア駆動装置12の両方を同時に駆動し、スリットノズル30をY方向に弾性体104A側に移動させながらZ方向に上昇させる。以上によって塗布方向傾斜面47A、Bがより強く清掃吸着材102に押し付けられてZ方向に上昇するので、清掃性が向上し、より多くの塗布液を除去できる。またY方向移動により、吐出口面46の全面が清掃吸着材102と面接触して摺動が行なわれるので、吐出口面46での塗布液除去性が向上する。さらにまた、塗布方向傾斜面47A、Bがより強く清掃吸着材102や弾性体104A、Bに押し付けられる結果、吐出口面46、長手方向傾斜面48A、B、外面49が、より深く弾性体104A、Bの方まで食い込んで清掃吸着材102との接触面積が拡大する。その結果、清掃吸着材102の吐出口面46、長手方向傾斜面48A、B、外面49対する摺動範囲も拡大するので、より多くの付着残存している塗布液を除去することが可能となる。
次に、本発明の清掃装置である清掃ユニット100を含むストライプ塗布装置1を用いた塗布液74のガラス基板上へのストライプ状の塗布方法について図1を用いて説明する。まず準備作業である、図1のタンク72〜ノズル30まで塗布液74を充満させて残留空気を排出する作業は既に終了している。この時の塗布液供給装置50の状態は、シリンジ62に塗布液74を充填、吸引バルブ54は閉、供給バルブ52は開、そしてピストン64は最下端の位置にあり、いつでも塗布液74をノズル30に供給できるようになっている。また吸着盤14、ノズル30もそれぞれ初期位置で待機している。すなわち吸着盤14はX方向には原点位置、X−Y平面内の回転方向(θ方向)には吸着盤14の長辺部がX方向と平行になるように配置されている。ノズル30はY方向には原点位置、Z方向には一番高い位置に配置されている。さらに清掃ユニット100には、未使用の新しい清掃吸着材102が弾性体104A、B上にセットされている。
続いてストライプ塗布装置1の動作開始信号が操作盤82から制御装置80に伝えられると、吸着盤14の表面に図示しないリフトピンが上昇し、図示しない移載装置からガラス基板である基板Aがリフトピン上部に載置される。そしてリフトピンを下降させて基板Aを吸着盤14上に載置し、同時に吸着保持する。続いて上記の第1の清掃方法で、ステップSt1〜St7を実行して、ノズル30の清掃を完了させる。清掃完了後にY軸リニア駆動装置20を駆動して、ノズル30をトレイ130の直上に移動後に、清掃吸着材102を新しいものに交換する。次いで高さセンサー24によって基板Aの高さを検知するとともに、CCDカメラ22で2ヶ所設けられているアライメントマークを検知して、アライメントマークで定められた塗布方向とY方向が一致するように吸着盤14を回転させる。次いで予め定めた基板Aの塗布開始位置直上にノズル30の吐出口40が位置するように、X−θ駆動装置16を駆動して吸着盤14をX方向に移動させるとともに、Y軸リニア装置20を駆動してノズル30をY方向に移動させる。ノズル30が基板A上の塗布開始位置直上に来たら停止させるとともに、測定した基板Aの高さに応じて、基板Aとノズル30の吐出口面46との間のすきまが所定のクリアランスLCの値になるように、Z軸リニア駆動装置12を駆動してノズル30をZ方向に下降停止させる。基板Aとノズル30の間のすきまがクリアランスLCで静止している状態で、塗布液供給装置50のシリンジポンプ60を駆動してピストン64を上側に移動させ、一定流量の塗布液74をノズル30の吐出口40から塗布液74を吐出開始するとともに、Y軸リニア駆動装置20を駆動して一定速度でノズル30をY方向に移動開始し、基板Aとノズル30の突出部44間に連結ビードBPを形成して塗布液74の基板Aへの塗布を始めて、ストライプ状塗布膜を形成する。基板Aの塗布終了位置がノズル30の吐出口40の位置にきたらシリンジポンプ60のピストン64を停止させて塗布液74の供給を停止し、続いてZ軸リニア駆動装置12を駆動して、ノズル30を上昇させる。これによって連結ビードBPが断ち切られ、ストライプ状の塗布が終了する。塗布終了後もY軸リニア駆動装置20は動きつづけ、終点位置にきたらノズル30は一旦停止し、今度は初期位置に向かって逆方向にY軸リニア駆動装置20を駆動し、ノズル30をトレイ130の直上位置まで移動させる。続いてX−θ駆動装置16を駆動して吸着盤14をX方向に移動させ、ノズル30の直下に次の塗布部分が位置するようにする。これと並行して、供給バルブ52を閉、吸引バルブ54は開としてから、ピストン64を一定速度で下降させ、タンク72の塗布液74をシリンジ62に充填する。充填完了後、ピストン64を停止させ、吸引バルブ54を閉、供給バルブ52を開としてから、上記の第1の清掃方法で、ステップSt1〜St7を実行して、ノズル30の清掃を完了させる。清掃完了後にY軸リニア駆動装置20を駆動して、ノズル30をトレイ30の直上に移動後に、清掃吸着材102を新しいものに交換する。清掃を完了したノズル30を基板Aの塗布開始位置上に移動させてから、同じ動作を繰り返して次のストライプ状塗布膜を形成する。
なお塗布終了後にノズル30がトレイ130直上に移動し、基板Aでの予定の塗布が完了している場合は、基板Aの吸着を解除し、リフトピンを上昇させて基板Aを持ち上げる。この時図示されない移載装置によって基板Aの下面が保持され、次の工程に基板Aを搬送する。これと並行して、供給バルブ52を閉、吸引バルブ54は開としてから、ピストン64を一定速度で下降させ、タンク72の塗布液74をシリンジ62に充填する。充填完了後、ピストン64を停止させ、吸引バルブ54を閉、供給バルブ52を開として、次の基板Aが来るのを待ち、同じ動作をくりかえす。なおシリンジポンプ60への塗布液74の充填については、随時行えばよく、1〜N(整数)回の塗布ごとに行ってもよいし、1〜N枚の基板への塗布が完了した時点で行ってもよい。
以下、本発明の効果を実施例を用いて説明する。
実施例1
ストライプ塗布装置1でストライプ状の塗布を行う専用のノズル30を準備した。このノズルには、幅LE=50μmで塗布方向長さLF=100μmの矩形状の吐出口40がピッチLR=300μmで700個配置されており、吐出口面46は幅LD=70μmに塗布方向長さLG=600μm、突出量LA=200μm、φ=25度、α=30度、であった。このノズルを清掃するのに図4の清掃ユニット100を使用した。清掃ユニット100に用いるノズルの清掃部材として、図4で示される清掃吸着材102を用いた。この清掃吸着材102は、150mm×250mmの平面形状で厚さが0.6mm、目付が150g/mの編物で、1.4デシテックスのPET糸を丸編みにしたものであった。また弾性体104A、Bには、300mm×50mm×15mmの直方体形状で、ゴム硬度が20°のフッ素ゴム製スポンジを用いた。この弾性体104A、Bを、X方向に見て、高さ50mmで幅が15mmの長方形が5mmだけ隔てて配置されるように、保持体108に取り付けた。そして図4に示す通りに、清掃吸着材102を弾性体104A、Bに、長手方向が250mmとなるように取り付けた。この時の弾性体104A、B間の垂れ下がり長さZ1は10mmとした。
次に実際に清掃、除去する塗布液として有機EL用のR(赤色)発光材を用いた。このR発光材はポリフェニレンビニレン系高分子であり、固形分濃度2%で粘度が3mPasであった。そしてノズル30をストライプ塗布装置1にとりつけ、上記のR発光材をタンク72〜ノズル30まで充填した。
清掃を開始するために、まず溶剤供給装置150の溶剤ノズル152から洗浄液であるキシレンを清掃吸着材102に向かって5ml噴射して、清掃吸着材102を溶剤で湿潤させた。続いてノズル30から3ml吐出して初期出しを完了後、ノズル30を清掃吸着材102の直上位置に移動した。そしてノズル30を下降させてから、ノズル30の塗布方向傾斜面47A、Bを、清掃吸着材102で弾性体104A、Bを介して0.1MPaの圧力に挟み込んだ。挟み込んでから3秒後にノズル30を2mm/sの速度でZ方向(上下方向)に20mm上昇させて清掃を完了した。R発光材がUV光にて蛍光発色するので、清掃を行ったノズル30にUV光をあてて観察したが、出口面46、長手方向傾斜面48A、B、塗布方向傾斜面47A、B、外面49に対して付着して残存しているR発光材は全くなかった。清掃吸着材102を新しいものに交換後、同じことを100回繰り返したが、すべての関連する面でR発光材は完全に除去されていた。
実施例2
ストライプ塗布装置1を用いて有機EL基板を製造した。
まず200×250mmで厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板に、厚さ2μmで幅が20μm、基板短手方向(Y方向)の長さ150mmのポリイミド膜が隔壁、すなわちバンクとして基板長手方向(X方向)にピッチ100μmで2101本配置されている有機ELのパターン基板を用意した。なおポリイミド膜は基板中央にあり、基板短手方向の両側25mm、基板長手方向の両側20mmがストライプ状のポリイミド膜のない非製品領域であった。さらにバンクとしてのポリイミド膜の間にはITO透明電極が陽極としてガラス基板上に0.1μm、その上に正孔注入輸送層が0.2μm形成されていた。正孔注入輸送層はポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルフォン酸が混合されたものを主成分とするものであった。
次にバンク間の正孔注入輸送層の上にR、G、Bの発光材をストライプ状に塗布すべく、RGB発光材を準備した。RGB発光材はいずれもポリフェニレンビニレン系高分子であり、R発光材は固形分濃度1%で粘度が2mPas、G発光材は固形分濃度0.5%で粘度が1.5mPas、B発光材は固形分濃度1%で粘度が5mPasであった。図1に示すストライプ塗布装置1で、ノズル30と清掃ユニット100、溶剤ノズル152は溶剤供給装置150は、実施例1と全く同じものを使用した。
まずストライプ塗布装置1で、上記のR発光材をタンク72〜ノズル30まで充填した。上記のポリイミドのストライプ膜が形成された基板を吸着盤14に吸着後、実施例1と全く同じ手順、条件にて、清掃吸着部材102に溶剤であるキシレンを湿潤後、この清掃吸着材102でノズル30を清掃した。
続いて基板上のアライメントマークをCCDカメラ22で検知して、ノズル30を基板の塗布開始位置の直上に配置した。なお塗布開始位置は、X方向には、原点に一番近い基板のバンク間の溝が、ノズル30の一番原点に近い吐出口と一致する位置、Y方向には原点に一番近い基板端部から20mmの位置であった。また吐出口が直線状に連なる方向と、ポリイミド膜がストライプとなって伸びる方向が直交するように基板AのX−Y平面内の回転角度をX−θ駆動装置16により調整をした。高さセンサー24で測定した基板高さに基づいて、吐出口面46と基板A間のすきまであるクリアランスがLC=60μmとなるように、ノズル30を下降させた。そして供給バルブ52が開、吸引バルブ54が閉であることを確認してから、供給速度15μl/sでシリンジポンプ60を駆動開始してノズル30よりR発光材を吐出開始するともに、この吐出開始より0.1秒後にY軸リニア駆動装置20を駆動開始して、ノズル30をY方向に45mm/sで移動を始めて、塗布を開始した。そして基板短手方向の塗布開始位置から160mmの位置でシリンジポンプ60を停止させるとともに、Z軸リニア駆動装置12を駆動して、ノズル30を上昇させ、塗布を終了した。これらの動作によって基板端部から20mmの塗布開始位置から80μm幅でWet厚さ6μmの160mm長のストライプ状塗布膜が700本形成され、ポリイミド膜のバンク間にすべてR発光材が充填され、バンク上に乗り上げる物や、充填されていない部分もなかった。以上のR発光材の塗布が完了した基板を取り出し、ホットプレートで120℃、10分の乾燥を行った。乾燥後に膜厚を測定したところ、塗布開始から5mmで60nmとなっており、塗布開始と終了部から5mmずつ除いた150mmの製品範囲で±5%以下の精度で非常に良好であった。ノズル30の清掃が十分行われていたので、ノズル30不良起因の塗布欠点もなかった。
引き続いてG発光材、B発光材についても同様のストライプ状塗布を行った。G発光材についてはR発光材のすぐ隣のバンク間に塗布できるように位置決めをし、シリンジポンプ60の供給速度が30μl/sである他は、すべてR発光材と同じ条件にて塗布と乾燥を行った。B発光材についても、R発光材とG発光材の間のバンク間に塗布できるように位置決めをし、すべてR発光材と同じ条件に塗布と乾燥を行った。以上の塗布と乾燥を行った結果、R、G、B発光材ともに、基板端部から5mmの塗布開始位置から、60nm厚さ、80μm幅で160mm長のストライプ状塗布膜が、それぞれ700本形成され、すべてのポリイミド膜のバンク間がR、G、B発光材が規則正しく充填された。なお、厚さむらは、R、G、B発光材ともに、塗布両端から5mm除外した製品領域で、±5%以下で、非常に良好であった。
そして最後に塗布したRGB発光材とバンクの上を覆うように陰電極を蒸着して有機EL素子を作成した。この有機EL素子をさらに後工程で所定の処理をして表示装置に形成したところ、RGBの色が基板全面にわたって均一で、品質的に申し分ないものであった。
本発明は、有機EL、カラーフィルタ等の基板上に面にストライプ状の塗布膜を形成する各種ディスプレイ用部材の製造に利用可能である
1 ストライプ塗布装置
10 XYZステージ
12 Z軸リニア駆動装置
14 吸着盤
16 X−θ駆動装置
18 ブラケット
20 Y軸リニア駆動装置
22 CCDカメラ
24 高さセンサー
26 ベース
28 門型ベース
30 ノズル
32 下部
34 本体
36 貫通溝
38 マニホールド
40 吐出口
42 供給口
44 突出部
46 吐出口面
47A、B 塗布方向傾斜面
48A、B 長手方向傾斜面
49 外面
50 塗布液供給装置
52 供給バルブ
54 吸引バルブ
56 フィルター
60 シリンジポンプ
62 シリンジ
64 ピストン
66 本体
68 供給ホース
70 吸引ホース
72 タンク
74 塗布液
76 圧空源
80 制御装置
82 操作盤
100 清掃ユニット
102 清掃吸着材
104A、B 弾性体
106 中間ブロック
108 保持体
109 付勢ユニット
110A、B 押圧体
112A、B アーム
114A、B ギアー
116 架台
118A、B 軸
120A、B 内面
122A、B 上面
124A、B 外面
126A、B 下面
128A、B 軸受け箱
130 トレイ
150 溶剤供給装置
152 溶剤ノズル
154 保持具
156 ブラケット
158A、B 吐出孔
160 流路
A 基板
BP 連結ビード
C 吐出口40のY方向中心線
LA 突出量
LB 連結ビードBPの幅(ストライプ幅)
LC クリアランス
LD 吐出口面46の幅
LE 吐出口40の幅
LF 吐出口40の塗布方向長さ
LG 吐出口面46の塗布方向長さ
LR ピッチ
S ノズル30の長手方向に隣り合う突出部44の間にある空間
St、NSt 清掃方法のステップ
Z1 垂れ下がり長さ
α 塗布方向傾斜面47A、Bの塗布液74の吐出方向に対する角度
θ X−Y平面内の回転方向
φ 長手方向傾斜面48A、Bの塗布液74の吐出方向に対する角度

Claims (10)

  1. 長手方向に配列された複数の吐出口を有し、かつ各々の吐出口を含む吐出口面とその周辺が塗布液吐出方向に突出している突出部を備えているノズルの吐出口面と、該吐出口面の両側に長手方向/塗布方向に隣接する長手方向斜面/塗布方向斜面とに付着して残存している塗布液を除去するノズルの清掃装置であって、ノズルの塗布方向両側に配置されてノズル長手方向に平行に延びる吸着材と、該吸着材を保持する弾性体と、前記突出部を構成する前記吐出口面と塗布方向斜面のそれぞれに前記吸着材を前記弾性体を介して押しつける付勢ユニットと、前記吸着材を前記吐出口面と塗布方向斜面のそれぞれに押しつけた状態で前記吸着材とノズルを相対移動させる相対移動ユニットと、を少なくとも備えることを特徴とするノズル清掃装置。
  2. 前記吸着材は、布である請求項1に記載のノズルの清掃装置
  3. 前記弾性体は、気泡を備える多孔質体である請求項1または2に記載のノズルの清掃装置。
  4. 前記吸着材にあらかじめ洗浄液を吸収させる洗浄液供給ユニットを、さらに備える請求項1〜3のいずれかに記載のノズルの清掃装置。
  5. 長手方向に配列された複数の吐出口を有し、かつ各々の吐出口を含む吐出口面とその周辺が塗布液吐出方向に突出している突出部を備えているノズルの吐出口面と、該吐出口面の両側に長手方向/塗布方向に隣接する長手方向斜面/塗布方向斜面とに付着して残存している塗布液を除去するノズルの清掃方法であって、前記突出部を構成する前記吐出口面と塗布方向斜面のそれぞれに、長手方向に渡って吸着材を面接触させ、さらに弾性体を介して前記吸着材を前記吐出口面と塗布方向斜面に押しつけるとともに、前記吸着材を前記吐出口面と塗布方向斜面に対して相対移動させることで、前記吐出口面と長手方向斜面/塗布方向斜面とに付着して残存している塗布液を除去することを特徴とするノズルの清掃方法。
  6. 長手方向に配列された複数の吐出口を有し、かつ各々の吐出口を含む吐出口面とその周辺が塗布液吐出方向に突出している突出部を備えているノズルの吐出口面と、該吐出口面の両側に長手方向/塗布方向に隣接する長手方向斜面/塗布方向斜面とに付着して残存している塗布液を除去するノズルの清掃方法であって、前記ノズルの吐出口面の塗布方向両側に隣接する塗布方向斜面を、塗布方向の片側ずつ、長手方向に渡って吸着材に押し付けて面接触させてから前記吸着材を前記塗布方向斜面に対して相対移動させること、を行うことで、前記吐出口面と長手方向斜面/塗布方向斜面とに付着して残存している塗布液を除去することを特徴とするノズルの清掃方法。
  7. 前記吸着材は、布である請求項5または6に記載のノズルの清掃方法。
  8. 前記弾性体は、気泡を備える多孔質体である請求項5〜7のいずれかに記載のノズル清掃方法。
  9. 前記吸着材には、清掃開始前にあらかじめ洗浄液を吸収させておく請求項5〜8のいずれかに記載のノズル清掃方法。
  10. 請求項5〜9のいずれかに記載のノズル清掃方法で清掃したノズルを用いてディスプレイ用部材を製造することを特徴とするディスプレイ用部材の製造方法。
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