JP2013215648A - 遷移金属成分および界面活性剤がメソ細孔内に担持された多孔体、およびそれを用いた6員脂環族ケトン化合物の製造方法 - Google Patents

遷移金属成分および界面活性剤がメソ細孔内に担持された多孔体、およびそれを用いた6員脂環族ケトン化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】遷移金属成分の近傍に、有機化合物を効率よく保持できるとともに、触媒系として使用するのに適した多孔体、およびそれを用いることにより、安価なフェノール化合物から6員脂環族ケトン化合物を効率よく製造できる製造方法を提供する。
【解決手段】多孔体は、規則的に配列した複数の筒状のメソ細孔を有する多孔質基材と、遷移金属成分と、界面活性剤とを含み、遷移金属成分および界面活性剤が、多孔質基材のメソ細孔内に担持されている。界面活性剤は、炭素数12〜20の疎水性基を有するカチオン界面活性剤であってもよい。
【選択図】図3

Description

本発明は、遷移金属成分および界面活性剤がメソ細孔内に担持された多孔体、およびそれを用いた6員脂環族ケトン化合物の製造方法に関し、特に、フェノール化合物から6員脂環族ケトン化合物を製造する方法に使用する触媒系の改良に関する。
多孔質基材に遷移金属成分などの触媒成分を担持させた固体触媒(不均一系触媒)は、均一系触媒と比較して、分離、回収や再利用が容易であること、連続して反応器で運転できることなどから、様々な化合物の工業的な製造で汎用されている。
一方、2−シクロヘキセン−1−オンなどのシクロへキセノンやシクロヘキサノンは、医薬、農薬、化学薬品などの原料や中間体などとして有用である。特に、2−シクロヘキセン−1−オンは、医薬や農薬などの分野で使用されるレゾルシン化合物やアミノフェノール化合物などへの転換が可能であるため、これらの化合物の中間体などとして有用である。
2−シクロヘキセン−1−オンは、工業的には、シクロヘキセンを、酸化することにより得ることができる。また、原料となるシクロヘキセンは、工業的には、安価なベンゼンを水素化することにより合成される。
特許文献1は、遷移金属骨格置換型ゼオライト触媒を用いて、シクロヘキセンを分子状酸素で酸化し、2−シクロヘキセン−1−オン、2−シクロヘキセン−1−オールなどを製造する方法を開示している。
一方、フェノールを水素化して、6員脂環族ケトン化合物を合成する方法も知られている。例えば、非特許文献1では、Pd触媒を用いて、フェノールを水素化することにより、シクロヘキサノンを合成している。
特開2005−89341号公報
J.Am.Chem.Soc., 2011, 133, 2362-2365
固体触媒は、均一系触媒とは異なり、反応系中に均一に拡散させることができないため、反応性を高めるためには、担持された触媒成分の近くに、基質分子を保持する必要があるが、このような制御は、一般に難しい。
また、反応系では、通常、様々な副反応が主反応と競合して起こるため、触媒成分と基質分子との接触を高められるか否かによって、また、他の条件も複雑に関係して、得られる反応生成物の種類も異なってくる。特に、固体触媒では、反応場の状態によって、異なる反応生成物が得られる場合がある。そのため、所望の目的化合物を得るためには、様々な条件を勘案して、触媒設計を行う必要があり、極めて煩雑である。また、反応性の高い固体触媒が得られても、製造コストが高ければ、製品コストが上昇するので、実用性に欠ける。
一方、特許文献1の方法では、2−シクロヘキセン−1−オンが得られるものの、2−シクロヘキセンヒドロペルオキシド、2−シクロヘキセン−1−オールなどが副生する。また、シクロヘキセンの酸化では、1,2−ジヒドロキシシクロヘキサン、シクロヘキセンオキシドなどが副生する場合もある。このように、シクロヘキセンの酸化反応では、2−シクロヘキセン−1−オン以外に、多くの副生物が生成し、2−シクロヘキセン−1−オンへの選択率が低い。また、シクロヘキセンの転化率も低い。そのため、2−シクロヘキセン−1−オンの収率が低い。
また、特許文献1の方法では、ゼオライトを構成する金属元素を、Fe、VやNbなどで置換したものを触媒として使用する。さらに、シクロヘキセンの酸化反応には、酸化剤として、主にtert−ブチルヒドロペルオキシドに代表される有機過酸が使用されている。上記のような触媒は、合成が煩雑であるため、触媒のコストが高い。また、酸化剤としての有機過酸も高価である。そのため、このような触媒や酸化剤を使用すると、結果として、2−シクロヘキセン−1−オンの製造コストが高くなる。
フェノールは安価であるため、フェノールを原料に用いて、6員脂環族ケトン化合物を製造できれば、コスト的に有利であると考えられる。しかし、フェノールの水素化では、高温下および/または高圧下で反応を行う必要がある上、芳香族性不飽和結合の水素化をコントロールするのが困難である。工業的なスケールにおいて、6員脂環族ケトン化合物低コストで製造するには、比較的低い温度や常圧など、穏和な条件で反応を行うことが求められる。
このように、シクロヘキセンやフェノールなどの安価な材料を用いて、従来の方法により6員脂環族ケトン化合物の製造を試みても、高い転化率および高い選択率、かつ低コストで、目的とする6員脂環族ケトン化合物を得ることは困難である。
本発明の目的は、遷移金属成分の近傍に、有機化合物を効率よく保持できるとともに、触媒系として使用するのに適した多孔体、およびそれを用いることにより、安価なフェノール化合物から6員脂環族ケトン化合物を効率よく製造できる製造方法を提供することである。
本発明の一局面は、規則的に配列した複数の筒状のメソ細孔を有する多孔質基材と、遷移金属成分と、界面活性剤とを含み、遷移金属成分および界面活性剤が、多孔質基材のメソ細孔内に担持されている、多孔体に関する。
本発明の他の一局面は、分子状酸素および分子状水素の存在下、上記の多孔体(特に、遷移金属成分がパラジウム触媒である多孔体)を用いて、フェノール化合物を水素化し、6員脂環族ケトン化合物を生成させる工程を含む、6員脂環族ケトン化合物の製造方法に関する。
本発明によれば、遷移金属成分の近傍に、有機化合物を効率よく保持できるとともに、触媒系として使用するのに適した多孔体を提供できる。また、このような多孔体を用いることにより、安価なフェノール化合物からシクロヘキセノン化合物および/またはシクロヘキサノン化合物などの6員脂環族ケトン化合物を効率よく製造することが可能である。
図1は、実施例1〜3および比較例1で得られた多孔体A〜D、ならびに臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)のFT−IRスペクトルである。 図2は、実施例1で得られた多孔体Aの透過型電子顕微鏡(TEM)画像である。 図3は、実施例14におけるフェノールの転化率および2−シクロヘキセン−1−オンの選択率の変化を示すグラフである。 図4は、2−シクロヘキセン−1−オンの水素化反応における転化率の変化を示すグラフである。
[多孔体]
本発明の多孔体は、規則的に配列した複数の筒状のメソ細孔を有する多孔質基材と、遷移金属成分と、界面活性剤とを含み、遷移金属成分および界面活性剤が、多孔質基材のメソ細孔内に担持されている。
本発明の多孔体では、多孔質基材のメソ細孔内に遷移金属成分および界面活性剤が担持されている。界面活性剤は、親水性基および疎水性基を有しており、これらの官能基の作用により、有機化合物を吸着し易く、メソ細孔内に、取り込むことができる。メソ細孔内に取り込まれた有機化合物は、遷移金属成分の近傍に存在することとなる。これにより、有機化合物を基質として用い、この基質と遷移金属成分との反応や、遷移金属成分を触媒として利用する基質の反応など、様々な有機反応を効率よく行うことができる反応場を確保することができるため、各種有機反応に利用するのに有用である。特に、遷移金属成分として触媒を用いた多孔体は、触媒系として有用である。
以下、多孔体を構成する各要素について説明する。
多孔質基材は、規則的に配列した複数の筒状のメソ細孔を有するものであればよく、通常、シリカおよび珪酸塩からなる群より選択される少なくとも一種を含む。シリカや珪酸塩を含むこのような多孔質基材は、一般に、メソポーラスシリカと呼ばれる。多孔質基材は、シリカおよび/または珪酸塩をベースとするものであるのが好ましい。
メソポーラスシリカは、AlおよびTiからなる群より選択される少なくとも一種を含んでもよい。このようなメソポーラスシリカは、AlおよびTiからなる群より選択される少なくとも一種を含む珪酸塩で形成されている。このようなメソポーラスシリカとしては、例えば、メソポーラスアルミノシリケート、メソポーラスチタノシリケートなどが挙げられる。
このようなメソ細孔を有する多孔質基材は、界面活性剤を鋳型とした分子テンプレート法により形成することができる。
分子テンプレート法では、水溶液中で、界面活性剤のミセルのコロイド結晶を形成し、次いで、シリカなどの多孔質基材の原料となるアルコキシド化合物などを添加し、コロイド結晶の周囲にシリカおよび/または珪酸塩の骨格を形成する。
通常の分子テンプレート法では、上記骨格を形成した後に、界面活性剤を除去するために焼成するが、本発明で使用する多孔質基材としては、上記骨格を形成した後に焼成を行わずに得られるものが好ましい。焼成を行わないことにより、得られる多孔質基材のメソ細孔内に、界面活性剤を担持させた状態にすることができる。
多孔質基材の原料となるケイ素源やチタン源としては、例えば、アルコキシシラン、アルコキシチタン、アルコキシアルミニウムなどのアルコキシド化合物が使用できる。アルコキシシランを例に挙げて、アルコキシド化合物の具体例を説明すると、例えば、テトラメトキシシラン(TMOS)、トリメトキシエトキシシラン、ジメトキシエトキシシラン、テトラエトキシシランなどのテトラC1-4アルコキシシランなどが挙げられる。アルコキシチタンおよびアルコキシアルミニウムとしては、これらのアルコキシシランに対応するものが挙げられる。アルコキシド化合物は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
界面活性剤としては、アミン残基やアンモニウム塩基を親水性基として有するカチオン性界面活性剤;カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基などを親水性基として有するアニオン性界面活性剤;両性界面活性剤;ポリオキシエチレン骨格を親水性基として有する非イオン性界面活性剤などが挙げられる。また、界面活性剤の種類を変更することで、メソ細孔の大きさや形、充填構造を制御することができる。界面活性剤の分子サイズ(例えば、疎水性基の鎖長)は、形成するメソ細孔の細孔径に応じて、適宜決定できる。
反応基質などの有機化合物に対する吸着性などの観点から、これらの界面活性剤のうち、カチオン性界面活性剤やアニオン性界面活性剤を用いるのが好ましい。カチオン性界面活性剤は、酸性の官能基を有する反応基質を用いる場合に適しており、アニオン性界面活性剤は、塩基性の官能基を有する反応基質を用いる場合に適している。
カチオン性界面活性剤としては、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムなどのアルキルトリメチルアンモニウム塩;塩化ジステアリルジメチルアンモニウムなどのジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ベンザルコニウム、臭化ベンザルコニウムなどのアルキルベンジルジメチルアンモニウム塩;塩化ドデシルピリジニウム、塩化セチルピリジニウムなどのアルキルピリジニウム塩などが例示できる。これらのカチオン性界面活性剤は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
アニオン性界面活性剤としては、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウムなどのカルボン酸型;1−ドデカンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸型;ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウムなどの硫酸エステル型;ラウリルリン酸ナトリウムなどのリン酸エステル型のアニオン性界面活性剤が例示できる。これらは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
界面活性剤における疎水性基(疎水性脂肪族基)の炭素数は、12〜20、さらに好ましくは14〜18である。
例えば、フェノール化合物の水素化反応に多孔体を使用する場合、フェノール化合物は、酸性のフェノール性ヒドロキシル基を有するため、カチオン性界面活性剤を用いるのが好ましい。カチオン性界面活性剤を、メソ細孔内に担持した多孔体を用いることにより、基質であるフェノール化合物を吸着して、メソ細孔内に効果的に取り込むことができる。また、フェノール化合物の水素化反応により得られる6員脂環族ケトン化合物は、フェノール性ヒドロキシル基を最早有していないため、カチオン性界面活性剤から解放されやすく、生成物の回収をより容易に行うことができる。
シリカおよび/または珪酸塩の骨格を形成する反応は、分子テンプレート法で使用される公知の酸触媒や塩基触媒(水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物など)の存在下で行ってもよい。このような反応は、例えば、20〜60℃、好ましくは25〜40℃程度の温度で行うことができる。反応後、反応混合物を、60〜100℃、好ましくは70〜95℃の温度に加熱してもよい。
反応混合物から回収された多孔質基材は、通常、乾燥される。乾燥は、60〜100℃、好ましくは70〜95℃の温度で行ってもよい。
乾燥に先立って、多孔質基材は、触媒や未反応の原料を除去するために、洗浄処理に供してもよい。洗浄処理は、通常、水を用いて行うが、必要により、有機溶媒や水と有機溶媒との混合溶媒を用いることもできる。
ただし、洗浄処理の程度によって、界面活性剤の担持量が異なる場合がある。洗浄しすぎると、界面活性剤がメソ細孔から流出して、界面活性剤の担持量が減少する。そのため、界面活性剤の担持量を適度な範囲に保持できるように、洗浄処理を行うことが好ましい。
多孔体において、多孔質基材100重量部当たりの界面活性剤の割合(担持量)が、例えば、10〜100重量部、好ましくは20〜70重量部、さらに好ましくは25〜55重量部となるように調節するのが望ましい。なお、市販のメソポーラスシリカなどのメソポーラス材料は、焼成や溶媒抽出などにより界面活性剤が除去されており、界面活性剤を実質的に含んでいない。
このようにして得られる多孔質基材のメソ細孔の平均細孔径は、例えば、1〜50nmであってもよいが、本発明では、メソ細孔内に、遷移金属成分も担持されるため、メソ細孔の平均細孔径は、好ましくは1.5〜50nm、さらに好ましくは1.7〜20nmまたは2〜10nmである。このような平均細孔径を有する多孔質基材は、遷移金属成分を細孔内に有効に担持できる。
遷移金属成分には、多孔体の用途に応じて、金属を含む様々な成分、例えば、触媒、分解剤、吸着剤などが利用できる。
多孔体は、メソ細孔内に担持された界面活性剤の作用により、有機化合物を吸着してメソ細孔内に取り込むことができる。そのため、上記の遷移金属成分として、特に、触媒を用いると、吸着した有機化合物を基質とした様々な触媒反応に多孔体を利用することができる。
遷移金属成分を構成する遷移金属としては、周期表第3族金属(Sc、Yなど)、第4族金属(Ti、Zrなど)、第5族金属(V、Nbなど)、第6族金属(Cr、Moなど)、第7族金属(Mn、Reなど)、第8族金属(Fe、Ruなど)、第9族金属(Co、Rh、Ir)、第10族金属(Ni、Pd、Pt)、第11族金属(Cu、Ag、Au)、第12族金属(Znなど)などが例示できる。遷移金属成分は、これらの遷移金属元素を1種または二種以上組み合わせて含有してもよい。このような遷移金属成分は、各種有機反応において触媒として利用されている。
遷移金属成分は、多孔質基材に、金属単体として担持されていてもよく、金属化合物の形態で担持されていてもよく、金属イオンや錯体の形態で担持されていてもよい。
遷移金属成分の種類は、所望する有機反応の種類や目的化合物の種類に応じて、適宜選択できる。例えば、上記の遷移金属のうち、周期表第8〜10族金属からなる群より選択される少なくとも一種を使用してもよい。具体的に、遷移金属成分としてパラジウム触媒を用いてもよい。
パラジウム触媒は、水素化、還元、酸化などを始めとする種々の有機反応に利用される。パラジウム触媒および界面活性剤をメソ細孔内に担持した本発明の多孔体は、特に、フェノール化合物の水素化反応に使用するのに適している。
多孔体を用いて、フェノール化合物を、分子状酸素および分子状水素の存在下で、水素化すると、6員脂環族ケトン化合物を効率よく生成させることができる。そのため、本発明の多孔体は、このような反応に使用される触媒系として特に有用である。
パラジウム触媒としては、Pd(0)触媒、Pd(I)触媒、Pd(II)触媒などが例示でき、これらの触媒は適宜組み合わせて用いてもよい。好ましいパラジウム触媒は、Pd(II)触媒である。
パラジウム触媒などの遷移金属成分は、遷移金属成分を含む溶液を、界面活性剤をメソ細孔内に担持した多孔質基材に、塗布や含浸などにより適用することにより、多孔質基材に担持することができる。なお、遷移金属成分を含む溶液は、例えば、上記のような金属元素を含む塩やハライドを、水などの溶媒に溶解することにより調製できる。
メソ細孔内に界面活性剤を担持しない多孔質基材を用いた場合には、遷移金属成分は、主に、メソ細孔外に担持される。しかし、メソ細孔内に界面活性剤が担持された多孔質基材を用いると、界面活性剤と遷移金属成分間の親和性やイオン交換作用により、遷移金属成分を、優先的にメソ細孔内に担持することができる。
遷移金属成分を、メソ細孔内に効率よく担持させるために、メソ細孔の細孔径、および/または担持される遷移金属成分の粒子径などを調整してもよい。
多孔質基材に担持された遷移金属成分の平均粒径は、メソ細孔内に効果的に担持されるように、多孔質基材のメソ細孔の平均細孔径よりも小さくするのが好ましい。担持された遷移金属成分の平均粒径は、例えば、1〜10nm、好ましくは1.2〜6nm、さらに好ましくは1.5〜5nmである。
多孔体に担持される遷移金属成分の割合(担持量)は、多孔質基材100重量部当たり、例えば、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部、さらに好ましくは0.3〜1.5重量部である。
なお、フェノール化合物の水素化に使用されるPd触媒を担持した多孔体(触媒系)は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、Pd触媒を含む溶液と、メソ細孔内に界面活性剤を担持した多孔質基材と混合することにより、多孔質基材にPdを担持させる。上記混合の際、または混合後、混合物を加熱してもよい。加熱温度は、例えば、60〜100℃、好ましくは70〜95℃である。
次いで、得られた混合物から、固形物を回収した後、さらに、還元することにより、上記の触媒系を得ることができる。
還元は、加熱下で水素により還元する水素還元により行ってもよく、ヒドリド還元剤を用いる化学還元により行ってもよい。特に、ヒドリド還元剤を用いる化学還元が、Pdの凝集や、界面活性剤の担持量の減少を抑制できるため、好ましい。化学還元は、例えば、20〜60℃程度の温度で行うことができる。
ヒドリド還元剤としては、公知のもの、例えば、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素亜鉛などの金属ボロヒドリド;水素化アルミニウムリチウムなどの金属ヒドリド;水素化トリエチルホウ素リチウムなどの金属アルキルボロヒドリドなどが例示できる。これらのヒドリド還元剤は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。ヒドリド還元剤のうち、水素化ホウ素ナトリウムなどの金属ボロヒドリドが好ましい。
ヒドリド還元剤による化学還元は、公知の方法、例えば、上記の固形物と、ヒドリド還元剤の溶液とを混合することにより行うことができる。混合により得られる多孔体は、適宜、洗浄および乾燥に供される。
なお、遷移金属成分の担持過程では、適当な段階で洗浄処理を行ってもよい。ただし、洗浄処理では、界面活性剤の担持量が過度に減少しないように、洗浄溶媒の種類を適宜選択したり、洗浄の程度を調節したりすることが好ましい。結果的に得られる多孔体における界面活性剤の担持量が、上記の範囲となるようにするのが好ましい。
このようにして得られる多孔体は、特に、遷移金属成分を触媒として利用する様々な基質の反応に利用するのに適している。
(フェノール化合物の水素化)
特に、遷移金属成分がPd触媒である多孔体は、フェノール化合物を水素化する触媒系として有用である。本発明には、Pd触媒および界面活性剤が、多孔質基材のメソ細孔内に担持された多孔体を用いて、フェノール化合物を水素化することにより6員脂環族ケトン化合物を製造する方法も含まれる。6員脂環族ケトン化合物は、シクロヘキセノン化合物およびシクロヘキサノン化合物からなる群より選択される少なくとも一種を含む。
フェノール化合物は、フェノール性ヒドロキシル基を有するため、Pd触媒とカチオン界面活性剤がメソ細孔内に担持された多孔体を触媒系として用いて、フェノール化合物の水素化を行うのが好ましい。カチオン界面活性剤は、アミン残基やアンモニウム塩基を有するため、酸性のフェノール性ヒドロキシル基に対する親和性が高く、フェノール化合物を効率よく吸着して、メソ細孔内に取り込むことができる。メソ細孔内には、Pd触媒が担持されているため、界面活性剤の作用により、Pd触媒の近傍にフェノール化合物を保持することができる。
フェノール化合物から、6員脂環族ケトン化合物への反応速度は、比較的遅い。しかし、本発明では、Pd触媒の近傍にフェノール化合物を有効に保持することができるため、反応性を顕著に高めることができる。生成した6員脂環族ケトン化合物は、フェノール性ヒドロキシル基を有さないため、メソ細孔内から放出されやすく、容易に回収することができる。
6員脂環族ケトン化合物の製造方法は、具体的には、分子状酸素および分子状水素の存在下、フェノール化合物を水素化し、6員脂環族ケトン化合物を生成させる工程を含む。
フェノール化合物の水素化は、通常、溶媒中で行うことができる。具体的には、分子状酸素および分子状水素の存在下、フェノール化合物を溶媒に溶解した溶液と、触媒系である多孔体とを接触させることにより、水素化反応を行うことができる。フェノール化合物の溶液と多孔体は、混合により接触させてもよく、固定化された多孔体に、溶液を流通させることにより、接触させてもよい。
基質として使用されるフェノール化合物としては、例えば、フェノール、1,2−ジヒドロキシベンゼンなどのヒドロキシベンゼン化合物;o−ヒドロキシトルエン、m−ヒドロキシトルエン、p−ヒドロキシトルエン、1,3−ジヒドロキシ−2−メチルベンゼン、1−エチル−2−ヒドロキシベンゼン、1−ヒドロキシ−2,3−ジメチルベンゼンなどのアルキル基を置換基として有するヒドロキシベンゼン化合物;1−クロロ−2−ヒドロキシベンゼンなどのハロゲン原子を置換基として有するヒドロキシベンゼン化合物などが挙げられる。
置換基としてのアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルなどの直鎖状または分岐鎖状のC1-6アルキル基、好ましくはC1-4アルキル基が挙げられる。フェノール化合物は、上記のようなアルキル基やハロゲン原子以外の置換基を有してもよい。
フェノール化合物において、置換基の個数は、例えば、1〜4、好ましくは1〜3、さらに好ましくは1または2である。無置換のものも好ましい。また、フェノール化合物は、ヒドロキシル基を1つ有していてもよく、複数有していてもよい。フェノール化合物におけるヒドロキシル基の個数は、例えば、1〜3、好ましくは1または2である。
アルキル基などの置換基の置換位置は、フェノール化合物のフェノール性ヒドロキシル基に対して、o−位および/またはm−位であるのが好ましい。
フェノール化合物のうち、アルキル基を置換基として有していてもよいヒドロキシベンゼン化合物、特に、このうち1つのヒドロキシル基を有するもの、つまり、アルキル基を置換基として有していてもよいフェノールが好ましい。
このようなフェノール化合物は、分子状酸素および分子状水素の共存下、上記触媒系を用いて水素化することにより、ヒドロキシル基がオキソ基に変換されるとともに、芳香環の不飽和結合が還元されて、シクロヘキセノン化合物などの6員不飽和脂環族ケトン化合物に変換される。また、反応系において、6員不飽和脂環族ケトン化合物は、さらに還元されて、6員飽和脂環族ケトン化合物(シクロヘキサノン化合物)を与える。6員不飽和脂環族ケトン化合物および6員飽和脂環族ケトン化合物などの6員脂環族ケトン化合物は、基質のフェノール化合物に対応して、6員環に、アルキル基などの置換基を有していてもよい。
6員不飽和脂環族ケトン化合物としては、シクロヘキサジエノン化合物およびシクロヘキセノン化合物が例示でき、これらのうち、特に、シクロヘキセノン化合物が好ましい。シクロヘキセノン化合物では、シクロヘキセン環を構成する不飽和結合の位置は、基質の種類によって、オキソ基に対して、o−位、m−位およびp−位のいずれであってもよいが、特に、o−位であるのが好ましい。シクロヘキセノン化合物としては、特に、アルキル基を置換基として有していてもよい2−シクロヘキセン−1−オンが好ましい。2−シクロヘキセン−1−オンは、特に、医薬、農薬、化学薬品などの原料や中間体などとして有用である。
フェノール化合物の水素化反応において、触媒系である多孔体におけるPd触媒は、フェノール化合物に対して触媒量使用すればよい。Pd触媒の量は、例えば、フェノール化合物100重量部当たり、例えば、0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜1重量部である。
本発明において、フェノール化合物の水素化は、分子状酸素と分子状水素の共存下で行う。単なる水素化であれば、分子状水素の存在下でフェノール化合物を水素化すれば反応は進行するはずである。しかし、本発明では、分子状酸素を共存させず、分子状水素の存在下で、多孔体を用いて、フェノール化合物の水素化を行っても、フェノールの水素化反応はほとんど進行せず、目的とする6員脂環族ケトン化合物を得ることができない。また、分子状水素を共存させずに、分子状酸素の存在下で、多孔体を用いてフェノール化合物を反応させても、目的とする6員脂環族ケトン化合物は得られない。つまり、本発明では、分子状酸素と分子状水素の双方を用いることが重要である。
フェノール化合物の水素化により生成した6員不飽和脂環族ケトン化合物は、まだ、環内に不飽和結合を有するとともに、オキソ基を有するため、さらに還元されて、シクロヘキサノン化合物に変換され易く、シクロヘキサノン化合物はさらにシクロヘキサノール化合物に変換される場合がある。6員不飽和脂環族ケトン化合物からシクロヘキサノン化合物への水素化は、分子状水素の作用により、速やかに進行する。そのため、目的とする6員脂環族ケトン化合物が、シクロヘキサノン化合物である場合には、分子状酸素に対する分子状水素の割合を増やしたり、反応途中に、分子状水素の供給量を増加させたりしてもよい。シクロヘキサノン化合物も、医薬、農薬、化学薬品などの原料や中間体などとして有用である。
また、上記の反応系において、分子状水素と分子状酸素の共存下では、6員不飽和脂環族ケトン化合物からシクロヘキサノン化合物への変換速度が顕著に低下する。つまり、分子状水素と分子状酸素の共存下でフェノール化合物の水素化を行うと、フェノール化合物から高い効率でシクロヘキセノン化合物などの6員不飽和脂環族ケトン化合物が生成する上に、生成した6員不飽和脂環族ケトン化合物がさらに還元されるのを抑制できる。そのため、シクロヘキセノン化合物などの6員不飽和ケトン化合物の選択率および収率を格段に向上させることができる。しかも、原料となるフェノール化合物は、安価であるため、低コストで6員不飽和脂環族ケトン化合物を製造でき、有利である。
分子状酸素と分子状水素との体積比は、例えば、5/95〜95/5、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは25/75〜75/25である。このような範囲に体積比を調節すると、フェノール化合物の転化率、および6員脂環族ケトン化合物の選択率の双方を高める上でより有利である。
分子状酸素としては、酸素ガスを利用できる。酸素ガスは不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガスなど)で適宜希釈して用いることができ、空気などを利用してもよい。
分子状水素としては、水素ガスを利用でき、水素ガスは上記不活性ガスで適宜希釈して用いてもよい。
水素化反応は、分子状酸素および分子状水素の共存下で行えばよく、例えば、分子状酸素および分子状水素の雰囲気下で行ってもよく、分子状酸素および分子状水素の流通下で行ってもよい。
本発明では、多孔体をフェノール化合物の水素化の触媒系として使用することにより、穏和な条件で、効率よく、目的とするシクロヘキセノン化合物を得ることができる。分子状水素を用いる水素化は、反応性を高める上で、通常、加圧下で行われることが多いが、本発明では、例えば、0.98〜2MPa、好ましくは0.98〜1.5MPa程度の低い圧力下、特に、常圧下で行うことができる。
また、フェノール化合物の水素化は、例えば、20〜80℃、好ましくは25〜70℃、さらに好ましくは30〜65℃の温度で行うことができる。本発明では、多孔体を触媒系として用いるとともに、分子状酸素と分子状水素の共存下で水素化を行うため、このような低い温度であっても、フェノール化合物の水素化を効率よく進行させることができる。
フェノール化合物の水素化は、上記のように、通常、溶媒の存在下で行われる。溶媒として水を用いると、界面活性剤が流出してしまう場合があるため、溶媒としては、有機溶媒を用いるのが好ましい。このような有機溶媒としては、例えば、エタノールなどのアルコール、アセトンなどのケトン、アセトニトリルなどのニトリル、テトラヒドロフランなどのエーテル、トルエンなどの炭化水素などが例示できる。有機溶媒は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。有機溶媒のうち、アセトニトリル、アセトンなどの非プロトン性極性溶媒が好ましく、特に、アセトニトリルを用いるのが好ましい。
水素化反応の方式は特に制限されず、連続式で行ってもよく、バッチ式やセミバッチ式で行ってもよい。
得られた6員脂環族ケトン化合物を含む反応混合物は、公知の分離処理および/または精製処理に供することにより、目的とする6員脂環族ケトン化合物を得ることができる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1〜3
下記の手順に従って、遷移金属成分と、界面活性剤とが、多孔質基材のメソ細孔内に担持された多孔体を合成した。
(1)メソ細孔内に界面活性剤が担持された未焼成メソポーラスシリカの調製
2,000mlのビーカーに、蒸留水1,600ml、水酸化ナトリウム8.8g、CTAB35.04gを入れて、室温で撹拌することにより、混合物(A液)を得た。A液中、CTABは、ミセルを形成した。
A液に、TMOS121.76gを、少しずつ添加し、添加終了後から24時間、室温で撹拌を続けることによりB液を得た。これにより、ミセルの周囲に、シリカ骨格が形成された。
得られた混合物を、ポリテトラフルオロエチレン製の容器に入れて密閉し、363Kのオーブン中で、24時間静置した。生成した固形物を、吸引ろ過により回収した。このとき、回収した固形物を、実施例2では、2Lのイオン交換水で洗浄し、実施例3では、18Lのイオン交換水で洗浄した。実施例1では、イオン交換水による洗浄を行わなかった。
得られた固形物を、363Kで一晩乾燥させた後、メノウ乳鉢で粉砕することにより、未焼成メソポーラスシリカA(イオン交換水による洗浄なし)、B(2Lのイオン交換水で洗浄)およびC(18Lのイオン交換水で洗浄)を得た。
(2)遷移金属成分の担持
上記(1)で得られた未焼成メソポーラスシリカA〜Cを用い、テンプレートイオン交換法により、下記の手順で、Pdを担持させた。
100mlのナス型フラスコに、未焼成メソポーラスシリカ0.5gと蒸留水25mlを入れ、塩化パラジウム(II)アンモニウム水溶液を添加した。塩化パラジウム(II)アンモニウム水溶液中のパラジウム濃度および水溶液の使用量は、Pd担持後の多孔体中に対して、担持されるPdが0.5重量%となるように調節した。
得られた混合物を、室温で1時間撹拌し、次いで、353Kで20時間静置した。固形物を、ろ過により回収し、水およびエタノールで洗浄することにより、粉体(a)を得た。
次に、得られた粉体(a)を、下記の手順で、ヒドリド還元剤を用いる化学還元に供した。
粉体(a)を、50mlのビーカーに入れ、蒸留水25mlを添加することにより混合物(C液)を得た。別の50mlのビーカーに、水素化ホウ素ナトリウムを入れ、蒸留水25mlを添加することにより、D液を調製した。このとき、水素化ホウ素ナトリウムの量は、多孔体に担持されたPdのモル量と等量にした。
C液に、撹拌下、D液を少しずつ添加し、次いで30分間撹拌を続けた。固形物を、ろ過により回収し、水およびエタノールで洗浄し、次いで真空乾燥した。得られた粉体を、メノウ乳鉢で粉砕することにより、PdおよびCTABが担持された多孔体A〜Cを得た。
比較例1
実施例1の(1)で得られた未焼成メソポーラスシリカAを、オーブン中、773Kの温度で5時間、焼成することにより、焼成メソポーラスシリカDを得た。
未焼成メソポーラスシリカAに代えて、得られた焼成メソポーラスシリカDを用いる以外は、実施例1の(2)と同様にして、Pdを担持させた多孔体Dを得た。
実施例1〜3および比較例1で得られた多孔体A〜Dについて、下記の評価を行った。
(a)FT−IRスペクトルの測定
多孔体A〜Dについて、FT−IRスペクトル(日本分光製、フーリエ変換赤外分光光度計、KBr法)を測定した。また、同様にして、CTAB単独のFT−IRスペクトルの測定も行った。これらの結果を図1に示す。
図1から明らかなように、未焼成メソポーラスシリカA〜Cを用いた多孔体A〜Cでは、2800〜3000cm-1付近に、CTABに由来する特徴的な吸収が確認された。これに対し、焼成メソポーラスシリカDを用いた多孔体Dでは、CTABに由来する上記の吸収は、全く見られず、CTABが全く残存していないことが確認された。
(b)熱重量分析(TG)測定
熱重量分析装置(リガク製、ThermoPlus)を用いて、多孔体A〜Dの熱重量分析測定を行った。
未焼成メソポーラスシリカA〜Cを用いた多孔体A〜Cには、多量の水分が含まれていると考えられる。一方、焼成メソポーラスシリカDを用いた多孔体Dの熱重量分析結果では、373K以下の重量減少がほとんど見られなかった。そのため、多孔体A〜Cの熱重量分析結果において、373K以下の重量減少は水分によるものであり、373Kを超える温度での重量減少を、CTABに由来するものであると判断した。
多孔体A〜DにおけるCTABの残存率は、それぞれ、40.1質量%(A)、39.5質量%(B)、37.4質量%(C)および0質量%(D)であった。
なお、CTABは、メソポーラスシリカの形成において、筒状のメソ細孔を形成するための構造規制剤として機能する。そのため、残存したCTABのほとんどは、メソ細孔内に担持されていると考えられる。
ただし、洗浄に使用するイオン交換水の量を多くするにつれて、CTABの残存率は少なくなる。このことから、洗浄の程度を制御することにより、CTABの担持量を制御することができることが分かる。
(c)担持されたPdの平均粒径の測定
TEMを用いて、多孔体Bの画像を撮影し、多孔体Bのメソ細孔内に担持されたPdの粒径を測定した。その結果、担持されたPdは、1.5〜4nmの粒径を有しており、平均粒径は、2.5nmであった。撮影したTEM画像を図2に示す。
実施例4〜7
実施例1の(2)において、塩化パラジウム(II)アンモニウムに代えて、塩化ルテニウム水和物、塩化ロジウム水和物、塩化白金酸、または塩化ロジウムを用いる以外は、実施例1と同様にして、Ru、Rh、PtまたはIrが、それぞれ担持された多孔体を合成した。得られた多孔体でも、実施例1と同様に、CTABおよび遷移金属成分がメソ細孔内に担持されていると考えられる。
実施例8〜10および比較例2
実施例1〜3および比較例1で得られた多孔体A〜Dをそれぞれ触媒系として用いて、下記の手順により、フェノールの水素化を行った。
パイレックス(登録商標)製の反応容器に、触媒系(多孔体)0.05g、溶媒としてのアセトニトリル20ml、基質としてのフェノール1mmolおよび内部標準試薬としてのビフェニル0.3mmolを入れ、60℃で、6時間撹拌させることにより、反応を行った。反応は、酸素ガスおよび水素ガスを、それぞれ、20ml/分の供給量で供給しながら行った。
得られた反応混合物を、ガスクロマトグラフ−質量分析装置(GC/MS,SHIMADZU GC-2010およびSHIMADZU GCMS-2010plus、GCカラム:GLScience製のTC−5HT)により分析することにより、生成物を同定し、内部標準試薬の濃度を基準に、生成物の定量を行った。結果を表1に示す。
比較例3
多孔体Dに代えて、多孔体DとCTABとの混合物を、フェノールの反応に用いる以外は、比較例2と同様に操作を行い、反応混合物のGC/MS分析を行った。多孔体DとCTABとの混合比(質量比)は、10:1とした。
結果を表1に示す。
表1から明らかなように、多孔体Dを用いた比較例2では、反応は進行するものの、フェノールの転化率および目的化合物である2−シクロヘキセン−1−オンの収率が低かった。これに比べて、実施例8〜10では、フェノールの転化率が高くなり、2−シクロヘキセン−1−オンの収率は、比較例2の2倍以上に向上した。また、実施例8〜10では、CTABの担持量が多くなると、転化率および2−シクロヘキセン−1−オンの収率が向上することが分かる。このような結果から、フェノールの反応性や2−シクロヘキセン−1−オンへの選択性には、CTABが大きく影響していると考えられる。
しかし、多孔体DとCTABの混合物を用いた比較例3では、2−シクロヘキセン−1−オンおよびシクロヘキサノンのいずれも検出されなかった。つまり、メソ細孔を有する多孔質基材にPdが担持された従来の触媒と、CTABとを単に混合しただけでは、フェノールから2−シクロヘキセン−1−オンへの転化は、全く起こらなかった。
これらの結果から、フェノールから2−シクロヘキセン−1−オンへの反応は、CTABの存在により顕著に促進されるものの、メソ細孔を有する多孔質基材と、Pd触媒と、CTABとの相互作用が重要であり、この相互作用がない場合には、反応が進行しないことが分かる。
なお、比較例2では、フェノールの反応により、2−シクロヘキセン−1−オンが低い収率ながら得られるのに対し、比較例3では、全く得られていない。これは、多孔体Dの周囲にCTABが存在するため、Pd触媒近傍の反応場に、基質のフェノールが接近できないことによるものと考えられる。
また、多孔体Aと、多孔体Dとで、フェノールの吸着性の違いを調べた。具体的には、アセトニトリルの量を1mlに、フェノールの量を0.05mmolに、ビフェニルの量を0.02mmolにそれぞれ変更し、酸素ガスおよび水素ガスの供給を行うことなく、試験管中で反応を行う以外は、上記の実施例の手順と同様に反応を行った。多孔体Aと多孔体Dとで、フェノールの吸着率の違いを調べたところ、CTABが担持されていない多孔体Dでは、フェノールがほとんど吸着されなかったのに対し、CTABが担持された多孔体Aでは、40%近くのフェノールが吸着されていた。
つまり、CTABが担持された多孔体Aでは、フェノールが吸着されることにより、Pdの近傍にフェノールを長時間保持できると考えられる。そのため、フェノールの水素化の反応速度が比較的遅いにも拘わらず、反応を効果的に進行させることができると考えられる。なお、フェノールは、酸性のフェノール性ヒドロキシル基を有するため、CTABが担持された多孔体に吸着されやすいと考えられる。一方、得られる2−シクロヘキセン−1−オンやシクロヘキサノンは、このような酸性基を有さないため、多孔体から解放され易い。そのため、これらの生成物を容易に回収できる。
比較例4〜9
多孔体Aに代えて、表2に示す多孔質基材に、Pd触媒を担持させたものを、フェノールの反応の触媒系として用いる以外は、実施例8と同様に操作を行い、反応混合物のGC/MS分析を行った。
なお、触媒系は、多孔質基材に、塩化パラジウム(II)アンモニウム水溶液を含浸させた後、室温で真空乾燥させることにより得た。多孔質基材に担持されるPd量を、0.5重量%に調節した。
結果を表2に示す。
Pdを担持されたAl23を触媒系として用いた比較例4では、フェノールの転化率は高いものの、2−シクロヘキセン−1−オンの選択率は実施例8に比べて低く、シクロヘキサノンの選択率が高かった。比較例4において、フェノールの反応がある程度進行したのは、Al23の場合、イオン交換により、Pdが化学的に担持されるため、フェノールの反応場が形成されることによるものと考えられる。また、シクロヘキサノンは、2−シクロヘキセン−1−オンがさらに水素化することにより生成すると考えられる。Al23は、筒状のメソ細孔を有さないため、Pdの粒子成長が促進されたと考えられる。また表面の塩基性が強いため、2−シクロヘキセン−1−オンの水素化がさらに進行し、シクロヘキサノンが多く生成したと考えられる。
HY型ゼオライトであるH−USYゼオライトの場合、イオン交換により、Pdを化学的に担持されるが、フェノールの反応性が低かった。これは、H−USYゼオライトでは、細孔径が非常に小さいため、フェノールを細孔内部に取り込むことができなかったためと考えられる。その他の多孔質基材は、イオン交換されないため、Pdが担持されても、物理的に付着した状態であるため、良好な反応場が形成されず、活性が極めて低かったと考えられる。
実施例11
実施例3の(2)において、得られた粉体(a)を、化学還元に代えて、水素還元に供する以外は実施例3と同様の操作を行うことにより、Pdが担持された多孔体を得た。
粉体(a)の水素還元は、粉体(a)を、水素ガス雰囲気下(水素分圧:約1.0MPa)、473Kで加熱することにより行った。
実施例3で得られた多孔体Cに代えて、上記の水素還元で得られた多孔体を用いる以外は、実施例10と同様にして、フェノールの水素化を行った。その結果、フェノールの転化率は、低かったが、シクロヘキサノンは、ほとんど副生せずに、2−シクロヘキセン−1−オンへの選択率は極めて高かった(選択率98%)。
ただし、実施例10と比較すると、実施例11では、フェノールの転化率自体が低いため、2−シクロヘキセン−1−オンの収率自体は低くなった。このような結果から、Pdを担持させる際の還元は、ヒドリド還元剤を用いた化学還元が好ましい。なお、実施例11で、フェノールの転化率が低くなったのは、水素還元の際に、473Kの温度で加熱するため、CTABの担持量が減少したり、Pdが凝集したりすることによるものと考えられる。
そのため、実施例11の多孔体、および多孔体Cを、K-edge X線吸収微細構造(XAFS)測定を行ったところ、多孔体Cに比べて、実施例11の多孔体では、Pd−Pdピークが増大しており、Pdの凝集が確認された。つまり、フェノールの転化率や2−シクロヘキセン−1−オンの収率には、担持されたPdの凝集の程度やPdの粒子径が影響することが示唆された。
実施例12〜13および比較例10〜11
酸素ガスおよび水素ガスの供給量を表3に示すように変更する以外は、実施例10と同様にフェノールの水素化を行った。結果を表3に示す。
表3から明らかなように、水素ガスと酸素ガスの共存下では、水素ガスの供給量が少なくなると、フェノールの転化率は低くなるものの、2−シクロヘキセン−1−オンの選択率は向上した(実施例12)。水素ガスの供給量が多くなると、シクロヘキサノンの選択率が、実施例12に比べると高くなったが、2−シクロヘキセン−1−オンの収率は高くなった(実施例10および13)。
一方、水素ガスおよび酸素ガスのいずれか一方の存在下で、反応を行った場合、シクロヘキセン−1−オンおよびシクロヘキサノンのいずれも得られなかった(比較例10および11)。
フェノールの水素化では、フェノールが還元されて2−シクロヘキセン−1−オンに転換される第1段階と、2−シクロヘキセン−1−オンがさらに還元されてシクロヘキサノンに転換される第2段階とを含むと考えられる。つまり、目的化合物である、2−シクロヘキセン−1−オンは、水素化反応における中間生成物である。
比較例10および11で、2−シクロヘキセン−1−オンが全く得られていないため、第1段階の反応には、水素と酸素の共存が必須であると考えられる。また、実施例10、12および13の結果から、第2段階の反応は、水素が多く、酸素が少ない方が、有利に進行すると考えられる。また、フェノールの転化率や2−シクロヘキセン−1−オンの収率は、酸素とともに、水素がある程度の量で存在する方が高くなる。
実施例14
本実施例では、フェノールの水素化における上記の第1段階および第2段階の反応への、酸素の影響を調べた。
具体的には、酸素ガスの供給を、反応開始から2時間の時点で止め、反応開始から4時間の時点で再開する以外は、実施例10と同様の条件で、フェノールの水素化を行った。つまり、反応開始から2〜4時間の間は、水素ガスのみを供給した。結果を図3に示す。
図3から明らかなように、フェノールの転化率は、反応開始から上昇し続けるが、酸素ガスの供給を止めてからは、転化率の上昇は止まり、2−シクロヘキセン−1−オンの選択率は、急激に低下した。
反応開始から4時間後に、酸素ガスの供給を再開すると、フェノールの転化率は、再び上昇し、2−シクロヘキセン−1−オンの選択率も再び向上した。
これらの結果から、フェノールの転化には、水素ガスだけでなく、酸素ガスの存在が必須であることが分かる。また、酸素ガスを供給しない場合に、2−シクロヘキセン−1−オンの選択率が急激に低下したことから、酸素が存在せず、水素が存在する条件では、2−シクロヘキセン−1−オンからシクロヘキサノンへの第2段階の反応が優先的に進行すると言える。
また、フェノールの水素化に要する活性化エネルギー、および2−シクロヘキセン−1−オンの水素化に要する活性化エネルギーを、それぞれ算出した。その結果、酸素の存在により、フェノールの水素化に要する活性化エネルギーは低下し、2−シクロヘキセン−1−オンの水素化に要する活性化エネルギーは高まるということが確認された。
なお、第2段階の反応に酸素が及ぼす影響を調べるため、2−シクロヘキセン−1−オンの水素化を、水素ガスの存在下、および水素ガスおよび酸素ガスの共存下の双方で行い、2−シクロヘキセン−1−オンの転化率の推移を調べた。反応は、フェノールに代えて、2−シクロヘキセン−1−オンを用いるとともに、水素ガスのみを20ml/分の供給量で供給しながら行うか、水素ガスと酸素ガスとをそれぞれ20ml/分の供給量で供給しながら行う以外は、上記のフェノールの水素化と同様に行った。結果を、図4に示す。
図4から明らかなように、2−シクロヘキセン−1−オンの還元は、水素のみの存在下では、極めて速い速度で進行して、反応開始から約1時間でほぼ完全にシクロヘキサノンに変換された。一方、水素と酸素の共存下で反応を行うと、2−シクロヘキセン−1−オンが、シクロヘキサノンに還元される速度は非常に遅くなり、2−シクロヘキセン−1−オンの収率を高く維持できることが分かった。図4から、第2段階の反応において、水素に加え、酸素を共存させることにより、2−シクロヘキセン−1−オンが還元される速度を、約20倍遅延できることがわかった。
実施例15〜16
フェノールに代えて、o−ヒドロキシトルエンまたはm−ヒドロキシトルエンを用いる以外は、実施例8と同様に反応を行った。結果を表4に示す。
表4に示すように、いずれのフェノール化合物を用いた場合にも、シクロヘキセノン化合物を得ることができた。
本発明の多孔体は、メソ細孔内に遷移金属成分および界面活性剤を担持するため、界面活性剤の作用により、遷移金属成分の近傍に有機化合物を効率よく保持することができる。そのため、遷移金属成分として、例えば、触媒、分解剤などの機能を有するものを使用すれば、保持した有機化合物を反応させたり、分解したりすることができる。特に、遷移金属成分として遷移金属触媒を用いた多孔体は、有機化合物を基質とする各種反応の触媒系として有用である。また、Pd触媒を用いた多孔体は、フェノール化合物から6員脂環族ケトン化合物を製造する触媒系として有用である。

Claims (10)

  1. 規則的に配列した複数の筒状のメソ細孔を有する多孔質基材と、
    遷移金属成分と、
    界面活性剤と、を含み、
    前記遷移金属成分および前記界面活性剤が、前記多孔質基材の前記メソ細孔内に担持されている、多孔体。
  2. 前記多孔質基材が、シリカまたは、AlおよびTiからなる群より選択される少なくとも一種を含む珪酸塩を含む、請求項1に記載の多孔体。
  3. 前記界面活性剤が、炭素数12〜20の疎水性基を有するカチオン界面活性剤である、請求項1または2に記載の多孔体。
  4. 前記多孔質基材100重量部当たり、
    前記界面活性剤の割合が、10〜100重量部であり、
    前記遷移金属成分の割合が、0.1〜10重量部である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔体。
  5. 前記遷移金属成分が、パラジウム触媒であり、
    前記多孔体が、分子状酸素および分子状水素の存在下で、フェノール化合物を水素化して、6員脂環族ケトン化合物を生成させる反応に使用される触媒系である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多孔体。
  6. 前記多孔質基材に担持された前記遷移金属成分の平均粒径が、1〜10nmであり、前記多孔質基材のメソ細孔の平均細孔径よりも小さい、請求項1〜5のいずれか1項に記載の多孔体。
  7. 分子状酸素および分子状水素の存在下、請求項5に記載の多孔体を用いて、フェノール化合物を水素化し、6員脂環族ケトン化合物を生成させる工程を含む、6員脂環族ケトン化合物の製造方法。
  8. 前記フェノール化合物が、アルキル基を置換基として有していてもよいフェノールであり、
    前記6員脂環族ケトン化合物が、アルキル基を置換基として有していてもよい2−シクロヘキセン−1−オン、およびアルキル基を置換基として有していてもよいシクロヘキサノンからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項7に記載の6員脂環族ケトン化合物の製造方法。
  9. 前記分子状酸素と前記分子状水素との体積比が、5/95〜95/5である、請求項7または8に記載の6員脂環族ケトン化合物の製造方法。
  10. 前記水素化が、常圧下、20〜80℃で行われる、請求項7〜9のいずれか1項に記載の6員脂環族ケトン化合物の製造方法。
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JP2012086565A Pending JP2013215648A (ja) 2012-04-05 2012-04-05 遷移金属成分および界面活性剤がメソ細孔内に担持された多孔体、およびそれを用いた6員脂環族ケトン化合物の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016047504A (ja) * 2014-08-28 2016-04-07 宇部興産株式会社 水素化方法、水素化触媒の前処理方法及びこれを用いた水素化触媒

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