<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、図2及び図3に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域PEが樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。図4は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口33,下作動口34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。なお、一般入賞口31は複数設けられているとともに、スルーゲート35も複数設けられている。
各一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及び各スルーゲート35に対しては1対1で対応させて検知センサ31a,31b,31c,32d,33a,34c,35a,35bが設けられている。これら検知センサ31a〜35bはいずれも遊技盤24の背面側に配設されており、検知結果は後述する主制御装置に対して出力される。なお、検知センサ31a〜35bとしては、電磁誘導型の近接センサが用いられているが、遊技球の入賞を個別に検知できるのであれば使用するセンサは任意である。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球の発生が検知されると、所定数の賞球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、上作動口33への入球が発生した場合及び下作動口34への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば上作動口33に係る賞球個数よりも下作動口34に係る賞球個数が多いといったように、両作動口33,34の賞球個数が相違していてもよい。また、可変入賞装置32に係る賞球個数が他の賞球個数に比べて多い構成に限定されることはなく、例えば一般入賞口31に係る賞球個数よりも少ない構成としてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物34aが設けられている。
電動役物34aは遊技盤24の背面側に搭載された電動役物駆動部34bに連結されており、当該電動役物駆動部34bにより駆動されて閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)及び開放状態(サポート状態又はガイド状態)のいずれかに配置される。電動役物34aの閉鎖状態では遊技球が下作動口34に入賞できず、電動役物34aが開放状態となることで下作動口34への入賞が可能となる。
なお、これに限定されず、下作動口34への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、電動役物34aが切り換えられる構成としてもよい。また、電動役物34aを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、下作動口34自身の変位により行われる構成としてもよい。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは可変入賞装置32として一体的に設けられた可変入賞駆動部32cに連結されており(連結箇所については図示略)、当該可変入賞駆動部32cにより駆動されて、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞可能な開放状態に切り換えられるようになっている。
また、可変入賞装置32には、大入賞口32aを介して可変入賞装置32に入賞した遊技球が必ず通過する位置に大入賞口検知センサ32dが設けられている。当該大入賞口検知センサ32dによって可変入賞装置32に入賞した遊技球が個別に検知される。
メイン表示部43では、上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部43にて明示される。そして、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部43にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
なお、メイン表示部43は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部43にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット36には、上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとして表示画面Gにて図柄を変動表示する図柄表示装置41が設けられている。図柄表示装置41は8インチサイズの液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば上段、中段及び下段に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして可変表示されるようになっている。なお、図柄表示装置41は、8インチ以外の10インチ,7インチ等の液晶ディスプレイを備えたもの、ワイドサイズのディスプレイを備えたもの、又はCRT,ドットマトリックス,7セグメント等その他のタイプにより表示画面を構成したものであってもよい。さらに、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにして後述するステージ部及びワープ通路を有するセンターフレーム42が配設されている。
ここで、センターフレーム42について図5を用いて説明する。図5は、センターフレーム42の概略を示す斜視図である。
図5に示すように、センターフレーム42は、センターフレーム42の上側部分を構成する上ベース枠100と、当該上ベース枠100に対して後方から組み付けられセンターフレーム42の下側部分を構成する下ベース枠110と、からなる。上ベース枠100は、下側が開放された枠体形状をなしており、図柄表示装置41を上方から囲むとともに、図柄表示装置41の横方における縦方向の中間位置よりも上側部分を横方から囲んでいる(図4参照)。また、下ベース枠110は上側が開放された枠体形状をなしており、図柄表示装置41を下方から囲むとともに、図柄表示装置41の横方における上記中間位置よりも下側部分を横方から囲んでいる(図4参照)。そして、両ベース枠100,110が互いに組み付けられることによって、センターフレーム42は全体として前後方向に貫通した枠体形状となり、図柄表示装置41の四方を囲んでいる(図4参照)。
上ベース枠100は、上部に配設される上側装飾部材101と、当該上側装飾部材101の左右両端から下方に延在させて形成された一対の横側装飾部材102と、下側が開放された枠体形状をなしこれら各装飾部材101,102が前方から組み付けられる上フレーム103と、を備えている。上フレーム103の周縁にはフランジ103aが形成されており、上ベース枠100は、当該フランジ103aに複数形成されたネジ穴を介して遊技盤24に対して前方からネジ止め(固定)される。また、上ベース枠100における各部材101〜103は、いずれも非透明性樹脂により形成され、前面に装飾としての印刷や造形処理が施されている(図示略)。
上ベース枠100における上側装飾部材101及び横側装飾部材102は、前方に膨出させて内部空間を有するハウジング形状をなしており、上ベース枠100が遊技盤24に組みつけられると、両装飾部材101,102は遊技盤24の前面よりも前方に突出する。これにより、遊技球が図柄表示装置41の前方へ落下することが規制される。また、上側装飾部材101の上面は中央部が上方に膨出させて形成されており、遊技領域PEを流下する遊技球はセンターフレーム42の左右に振り分けられる。
一方、下ベース枠110は、下部に配設されるステージ部材111と、当該ステージ部材111の左右両端に配設され縦方向に起立させて形成された通路ユニット201と、上側が開放された枠体形状をなしこれらステージ部材111及び通路ユニット201が後方から組み付けられる下フレーム112と、を備えている。下フレーム112は、左右の上端を上ベース枠100における上フレーム103及び横側装飾部材102の下端に対して後方から組み付けることで、上ベース枠100と下ベース枠110とが組み付けられる。また、下フレーム112の周縁にもフランジ112aが形成されており、下ベース枠110は、当該フランジ112aに複数形成されたネジ穴を介して遊技盤24に対して前方からネジ止め(固定)される。下ベース枠110における各部材111,112,201はいずれも非透明性樹脂により形成され、前面には装飾としての印刷や造形処理が施されている(図示略)。
下ベース枠110におけるステージ部材111は下ベース枠110の底部において横方の略全体に亘って後方に膨出させて形成されており、下ベース枠110が遊技盤24に組み付けられると、当該ステージ部材111が遊技盤24の前面よりも後方に配置される。そして、当該ステージ部材111には上面に遊技球が転動可能なステージ111aが形成されている。また、ステージ部材111におけるステージ111aの後方には上方に起立させてステージ壁部113が一体形成されている。
ステージ111aは、中央部を中心として左右対称な形状である。具体的には、中央部が上方に盛り上がっており、その左右はステージ111aの上面において最も下側に位置する谷部111bとなっており、また左右両端は中央部よりも上方に位置する。このステージ111aの中央部には、後方に向けて下方に傾斜した形状をなす後誘導路111cが形成されている。そして、後誘導路111cの後方には遊技球を上作動口33の上方に導出する下段球通路114が形成されている。具体的には、ステージ壁部113に遊技球が通過可能な上段開口部115が形成され、下フレーム112における後誘導路111cの下方にも遊技球が通過可能な下段開口部116が形成されている。下段球通路114は、上段開口部115を入口とするとともに下段開口部116を出口とする誘導通路であり、当該出口である下段開口部116は、センターフレーム42が遊技盤24に組み付けられると上作動口33の上方に配置される。
したがって、ステージ111aに飛び乗った遊技球が下段球通路114を通過すると、上作動口33に入球しやすい。また、ステージ111aにおいて中央部の左右に位置する谷部111bは、前方に向けて下方に傾斜する形状となっている。谷部111bがこのような構成であることにより、谷部111bに案内された遊技球は前方へと導出される。
さらにセンターフレーム42には、上記ステージ111aへ遊技球を誘導する誘導通路としてワープ通路200が設けられている。
まず、ワープ通路200の概略を、図6を参照に説明する。図6は、ワープ通路200の概略を説明するための説明図である。
図6に示すように、ワープ通路200は、上ベース枠100に形成され遊技領域PEを流下する遊技球をセンターフレーム42内部に誘導する側部球通路210と、下ベース枠110に形成され当該側部球通路210を通過した遊技球を後方に誘導する後誘導部220と、同じく下ベース枠110に形成され当該後誘導部220を通過した遊技球を下方に誘導する縦球通路230と、からなり、当該縦球通路230により遊技球は上記ステージ111aへ導出されるようになっている。したがって、遊技領域PEを流下する遊技球は、ワープ通路200を通過することで、遊技領域PEよりも後方に配置されるステージ111aに導出され、当該ステージ111aから遊技領域PEに導出される。
ワープ通路200について詳細に、図5及び図6に加えて図7及び図8を参照して説明する。図7(a)及び図7(b)は、左側のワープ通路200の概略を示す斜視図である。なお、図7においては、上ベース枠100における横側装飾部材102の壁部を一部破断して示している。図8(a)及び図8(b)は、図4におけるA−A線断面図である。なお、図7及び図8においては、一部の部材を省略して示している。
ここで、一対のワープ通路200は左右対称の形状となっている。そこで以下の説明では、左側のワープ通路200について説明する。
図5〜図7に示すように、上記の側部球通路210は、上ベース枠100の横側装飾部材102の内部空間において、下ベース枠110が組み付けられる位置の前方に設けられている。
側部球通路210は、横側装飾部材102の前側の壁部と、上ベース枠100の上フレーム103と、により前後の壁部が構成され、横側装飾部材102の内部空間において前後に起立させて形成された天井部211(図5参照)及び床部212に(図7参照)より上下の壁部が構成され、1個の遊技球が横方に移動可能に形成されている。
図5に示すように、側部球通路210への入口(ワープ通路200の入口)として、横側装飾部材102における外周壁には、横方に開口させて横側開口部104が形成されている。当該横側開口部104は、横側装飾部材102の下部に形成されており、また、一対の横側装飾部材102は下方に向かうほど互いに離間する方向に傾斜させて形成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が横側装飾部材102に衝突すると、当該遊技球は横側装飾部材102の傾斜により上記横側開口部104側へ誘導され、側部球通路210(ワープ通路200)に入球しやすくなっている。さらに、上記傾斜により、横側開口部104の開口における下側の縁部は、上側の縁部よりも外方へ突出しており、側部球通路210(ワープ通路200)への入球がより容易なものとなっている。
図7(a)及び図7(b)に示すように、側部球通路210の床部212は、その上面がセンターフレーム42の内側に向かうほど下方に傾斜させて形成されている。したがって、横側開口部104から入球した遊技球は、側部球通路210によりセンターフレーム42の内側に誘導される。側部球通路210によりセンターフレーム42の内側に誘導された遊技球は、横側装飾部材102の内周壁と当接し、当該当接する位置が側部球通路210の最下流部となる。
当該側部球通路210の最下流部においては、側部球通路210の後方の壁部を構成する上フレーム103に前後方向に貫通させた後側開口部105が形成されている。当該後側開口部105は1個の遊技球が通過可能な大きさに形成されており、側部球通路210は当該後側開口部105を通じて下ベース枠110側のワープ通路200に連通されている。また、当該側部球通路210の最下流部においては、床部212の上面が後方へ向かうほど下方に傾斜させて形成されており、側部球通路210を通過した遊技球は、下ベース枠110側のワープ通路200へ誘導される。つまり、側部球通路210において横方に移動していた遊技球は、当該最下流部において方向転換して後方へ移動する。
下ベース枠110側のワープ通路200である上記の後誘導部220及び縦球通路230は、通路ユニット201により形成されている。
図7に示すように、通路ユニット201は、固定式のベース部材250と、可動式の扉部材260と、からなり、これらベース部材250及び扉部材260により後誘導部220及び縦球通路230の通路空間を生じさせている。
先ず、縦球通路230の通路空間を生じさせる構成について説明する。
ベース部材250は、下フレーム112の背面に設けられている。ベース部材250には、下フレーム112の背面から後方に起立するように設けられ縦方向に延在する通路壁部251が形成されており、当該通路壁部251により縦球通路230の外側の側壁が形成されている。通路壁部251よりもセンターフレーム42の内側に存在するようにして扉部材260が設けられている。扉部材260は、縦球通路230を形成する位置に配置された状態において、下フレーム112の背面に後方から対向して縦球通路230における奥壁を生じさせる奥壁部261と、通路壁部251に横方から対向して縦球通路230における内側の側壁を生じさせる側壁部262とが一体形成されており、全体として折れ曲がり形状とされている。当該扉部材260は、遊技球の通過を可能とするように縦球通路230を生じさせる通路形成位置と、遊技球の通過が不可となる程度に通路幅(横方の寸法)を減少させる退避位置との間で変位可能に設けられている。
この扉部材260を変位可能とする構成について説明する。
図8(a)及び図8(b)に示すように、ベース部材250は通路壁部251よりも後方に、センターフレーム42の内側にそれぞれ起立するようにして上段壁部252と下段壁部253とが一体形成されている。これら上段壁部252及び下段壁部253は、縦方向に離間させて配置されており、これら上段壁部252及び下段壁部253の間に扉部材260が配置されている。
上段壁部252の下面には下方に向けて突出させて上側軸部252aが形成されており、扉部材260の上端には当該上側軸部252aに対応させて下方に凹部を有する上側軸受け部263が形成されている。また、下段壁部253の上面には上方に向けて突出させて下側軸部253aが形成されており、扉部材260の下端には当該下側軸部253aに対応させて上方に凹部を有する下側軸受け部264が形成されている。そして、両軸部252a,253aを両軸受け部263,264に挿入させることで、扉部材260はベース部材250に対して縦方向を回動軸として回動可能となっている。なお、以下の説明では、両軸部252a,253aを扉部材260の回動軸265ともいう。
ここで、図9を参照しながら、扉部材260の回動軸265の位置、及び扉部材260の回動範囲について説明する。図9(a)〜図9(c)は、図8(a)におけるB−B線断面図であり、扉部材260の回動軸265の位置、及び扉部材260の回動範囲について説明するための説明図である。
扉部材260の回動軸265は、縦球通路230における奥壁を生じさせる奥壁部261及び縦球通路230における内側の側壁を生じさせる側壁部262のうち、奥壁部261に形成されている。つまり、図9(c)に示すように、扉部材260が通路形成位置に配置されている状況においてベース部材250の通路壁部251寄りの位置に回動軸265が存在していることになる。したがって、扉部材260が図9(c)に示す通路形成位置から図9(a)に示す退避位置に回動した場合には、扉部材260において回動軸265よりもセンターフレーム42の内側に存在している領域が通路壁部251に近付くように変位することとなり、扉部材260が退避位置に配置されている状況では、縦球通路230の横方の寸法は通路形成位置の場合よりも小さくなる。
なお、図9(c)に示すように、扉部材260の奥壁部261が通路壁部251に後方から当接して、当該方向へのそれ以上の扉部材260の回動が阻止された位置が、通路形成位置であり、図9(a)に示すように、扉部材260の側壁部262が通路壁部251に横方から当接して、当該方向へのそれ以上の扉部材260の回動が阻止された位置が、退避位置である。
上記のように奥壁部261に回動軸265が形成された構成において、当該回動軸265は奥壁部261における幅方向の中央寄りの位置に配置されている。これにより、扉部材260の縦方向の支持箇所が、扉部材260の側壁部262側に近付くこととなり、図9(c)に示すように、当該側壁部262にて遊技球が受けられた場合の扉部材260の支持強度を高めることが可能となる。また、このように回動軸265が奥壁部261における幅方向の中央寄りの位置に配置されていることで、扉部材260が回動する場合における側壁部262の回動先端部の移動量が低減される。
扉部材260が通路形成位置に配置されている状況では、図9(c)に示すように、扉部材260の側壁部262は、センターフレーム42の内側から縦球通路230の側部の全体を覆うのではなく、一部のみを覆うようにして形成されている。より具体的には、側壁部262は、当該側壁部262に当接しながら縦球通路230を落下する遊技球と接触する箇所の最も回動先端側となる部位が、当該遊技球においてセンターフレーム42の内側に位置する部位よりも外側となるように形成されている。この点からも、扉部材260が回動する場合における側壁部262の回動先端部の移動量が低減されている。その一方で、側壁部262において縦球通路230の通路面を生じさせている面は、遊技球の円形断面の外縁曲面に合わせて曲面状に形成されている。これにより、扉部材260が通路形成位置に配置されている状況において、縦球通路230を落下する遊技球と側壁部262との接触面積を広く確保することが可能となり、例えば当該側壁部262において遊技球の力を受け易くなる。
ちなみに、回動軸265は、奥壁部261において縦球通路230の通路面を生じさせないように形成されているため、回動軸265の形状の影響が、縦球通路230を通過する遊技球に及ばないようにすることが可能となる。
上記のように通路形成位置と退避位置との間で変位可能な扉部材260は、付勢手段により退避位置に向けて付勢されている。具体的には、図5に示すように、上段壁部252には、下面から下方に向けてバネ受け部252bが突出形成されており、当該バネ受け部252bと上側軸部252aと扉部材260とに連結されたねじりバネ252cにより、扉部材260は通路形成位置から退避位置に向けて付勢されている。そして、当該ねじりバネ252cの付勢力に抗する力が付与されていない状況では、扉部材260は図9(a)に示す退避位置に保持される。
図7(a)及び図7(b)に示すように、上記の退避位置に保持される扉部材260を遊技球の動作を利用して通路形成位置に向けて変位させるために、後誘導部220が設けられている。
この扉部材260を変位させる後誘導部220の構成について説明する。
図9(a)に示すように、ベース部材250には、縦球通路230における外側の側壁となる通路壁部251の上端から、センターフレーム42の外側へ延在させて誘導床部221が形成されており、当該誘導床部221により後誘導部220の床が形成されている。当該誘導床部221は、後誘導部220の上流にあたる側部球通路210の床部212に対して、上フレーム103の後側開口部105を介して連結されている。図8(a)及び図8(b)に示すように、誘導床部221の上面は、側部球通路210の最下流部における床部212の上面から連続する面となっており、後方に向けて下方に傾斜させて形成されている。この傾斜により、側部球通路210の最下流部において方向転換した遊技球は、後方へ誘導される。後誘導部220により後方へ誘導される遊技球は、上記のように扉部材260が退避位置に配置される状況では側壁部262の回動先端部が通路壁部251に対して横方から当接しているため、扉部材260における側壁部262の回動先端部に対して前方から衝突することになる。
ここで、図9(a)に示すように誘導床部221と通路壁部251との連結箇所は、側部球通路210の最下流部に到達した遊技球の中心よりもセンターフレーム42の内側に配置されている。したがって、上記のように後方へ誘導される遊技球は、側壁部262の回動先端部に対してセンターフレーム42の外側から衝突することになる。つまり、扉部材260には後方に向けて遊技球の力が付与されるとともに、センターフレーム42の内側へ向けて遊技球の力が付与される。また、上記のように扉部材260の回動軸265が、側壁部262の後方に存在する奥壁部261に設けられているので、側壁部262に対して上記遊技球の力が付与されることで、扉部材260を通路形成位置に向けて変位させることが可能となる。特に、後方へ誘導される遊技球が側壁部262の回動先端部に衝突するため、扉部材260の回動軸265から最も離れた位置に遊技球の力が付与されることなる。このため、てこの原理により扉部材260を容易に変位させることが可能となっている。
さらに、上記のように扉部材260の側壁部262は、センターフレーム42の内側から縦球通路230の側部の一部のみを覆うようにして形成されており、側部球通路210の最下流部に到達した遊技球と側壁部262の回動先端部との間には空間が生じている。側部球通路210の最下流部において遊技球が方向転換する際には遊技球の流速は減速されるものの、上記回動先端部と間に生じた空間により遊技球は再度加速して回動先端部と衝突する。この点からも遊技球の力を扉部材260に付与しやすくなっている。
上記のように本パチンコ機10のワープ通路200は、遊技領域PEを流下する遊技球を当該遊技領域PEの後方に配置されるステージ111aへ導出する構成であり、当該ワープ通路200における縦球通路230は、後方への遊技球の移動を利用して横方に通路幅を拡大する構成としている。
図7(b)に示すように、誘導床部221の後端には上方に起立させて誘導壁部222が形成されており、また、誘導床部221はセンターフレーム42の外側に向かうほど上方に向かうように傾斜させて形成されている。つまり、誘導壁部222により遊技球のそれ以上の後方への移動が規制され、また、誘導床部221の傾斜により遊技球のセンターフレーム42の外側への移動が規制されている。したがって、後誘導部220により扉部材260を回動させつつ後方へ誘導される遊技球は、外側へ移動することなく後方へ移動し縦球通路230へ導出される。
なお、誘導床部221を傾斜させずに又は傾斜角度を緩くして、後誘導部220にてセンターフレーム42の外側へ一旦移動してから扉部材260を回動させる構成としてもよい。但しこの場合、後誘導部220の横幅が広がるため、誘導通路のコンパクト化という観点からすると、上記のように外側へ移動することなく後方へ移動する構成とするほうがよい。
縦球通路230に導出された遊技球は、扉部材260の側壁部262に接触しながら落下する。この場合、上記のように縦球通路230を落下する遊技球と側壁部262との接触面積が広く確保されていることにより、当該遊技球に作用する扉部材260の付勢力が低減され、縦球通路230における球詰まりが生じにくくなっている。また、縦球通路230を構成する各部材の壁面には低摩擦化処理が施されており、この点からも縦球通路230における球詰まりが抑制されている。
縦球通路230を遊技球が通過すると、扉部材260はねじりバネ252cの付勢力により退避位置へ変位する。また、当該通過した遊技球はステージ111aへ導出され、上記の通り下段球通路114へ誘導されると上作動口33へ入球し易くなる。
以上説明したとおり、ワープ通路200における縦球通路230は、ワープ通路200に遊技球が入球しなければ扉部材260が退避位置に配置され、ワープ通路200に遊技球が入球すると、当該遊技球の動作を利用して扉部材260を通路形成位置に変位させて通過が許容される。そして、当該遊技球が縦球通路230を通過すると付勢力により扉部材260は再び退避位置に変位する。
なお、以下の説明においては、縦球通路230において扉部材260が通路形成位置に配置される状態を通路形成状態といい、扉部材260が退避位置に配置される状態を通路非形成状態ともいう。
縦球通路230の状態遷移と図柄表示装置41の関係について、図10を参照して説明する。図10(a)は、縦球通路230が通路非形成状態である状況におけるセンターフレーム42の左側の正面図であり、図10(b)は、縦球通路230が通路形成状態である状況におけるセンターフレーム42の左側の正面図である。
上記のように通路壁部251は下フレーム112の背面から後方へ起立させて設けられており、下フレーム112の内周縁から横方にずらして配置されている。当該ずらす量は、扉部材260の厚みよりも長くて遊技球の直径寸法よりも短く設定されている。したがって、図10(a)に示すように、扉部材260が退避位置に配置される状況では、扉部材260全体が下フレーム112の後方に配置される。この場合、縦球通路230は図柄表示装置41の表示画面Gと前後方向に重ならず、遊技者は表示画面G全体を視認することができる。
図10(b)に示すように、扉部材260が通路形成位置に配置される状況では、扉部材260の一部が下フレーム112の内周縁からセンターフレーム42の内側へはみ出して、扉部材260とともに縦球通路230を通過する遊技球の一部が視認することができる。この場合、縦球通路230は図柄表示装置41の表示画面Gと前後方向に重なりが生じることになる。
近年、遊技への注目度を高めるべく表示画面を大型なものにする傾向にあり、限られた遊技領域においては表示画面の大型化に伴いその分遊技球が流下する遊技領域が狭くなっている。このような状況において、誘導通路としてのワープ通路を備える構成とすると、表示画面及び遊技領域のいずれか一方の領域を占領することになり好ましくない。そこで本パチンコ機10のように、ワープ通路200の縦球通路230を通路形成状態と通路非形成状態との間を変位可能とすることで、表示画面の大型化に対応しつつ遊技領域を広く確保することが可能となる。
ここで、例えば、誘導通路の後方に表示画面を配置するとともに、当該誘導通路を全て透明性樹脂により形成する構成も考えられる。この場合であっても、遊技領域を広く確保しつつ、誘導通路が透明性樹脂により形成されていることから表示画面の視認性が確保され得る。しかし、誘導通路を含む所謂役物は、パチンコ機の装飾としての機能が求められるところ、このように誘導通路を透明性樹脂により形成すると装飾としての機能は損なわれてしまう。また、透明性樹脂により形成したとしても、樹脂の材質や光りの反射等により表示画面の視認性の低下は懸念される。これに対して本パチンコ機10では、縦球通路230における前方の壁部を構成する下フレーム112は非透明性樹脂により形成されており、役物としての装飾性を担保しつつ表示画面Gの視認性の確保が可能な構成となっている。
また、上記のように、縦球通路230を遊技球が通過している際には、当該遊技球を遊技者は視認することができる。これにより、ワープ通路200に入球した遊技球が、遊技領域PEから排出されたと錯覚してしまうことを抑制できる。これに対して、遊技球がワープ通路200に入球する前、つまり縦球通路230が通路非形成状態の場合には縦球通路230は前方から視認できない。したがって、ワープ通路200に入球した遊技球がその後何処へ誘導されるかを事前に識別しにくく、縦球通路230が視認可能となった際の意外性を高めることが可能となる。
さらに、図5に示すように、上記の扉部材260の回動機構は、ベース部材250の上下に設けられた通路装飾部材106,107により横方から視認できなくなっている。具体的には、上側の上通路装飾部材106は、上側軸部252a、上側軸受け部263、バネ受け部252b及びねじりバネ252cをセンターフレーム42の内側から覆い、これら上側の回動機構の横方からの視認を不可としている。また、下側の下通路装飾部材107は、下側軸部253a及び下側軸受け部264をセンターフレーム42の内側から覆い、これら下側の回動機構の横方からの視認を不可としている。したがって、これら扉部材260の回動機構が視認できないことから、扉部材260が回動して退避位置から通路形成位置に変位することが事前には特定されにくく、遊技球の行方の意外性をより高めることが可能となっている。
図4の説明に戻り、センターフレーム42における上側装飾部材101には、メイン表示部43及び図柄表示装置41に対応する第1保留ランプ部45と、役物用表示部44に対応する第2保留ランプ部46と、が設けられている。
第1保留ランプ部45は上側装飾部材101の前面側における左上部分に配置されている。遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
第2保留ランプ部46は上側装飾部材101の右上部分に配置されている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部45,46の機能が図柄表示装置41の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
図柄表示装置41では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて図柄の変動表示が開始される。すなわち、メイン表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。
図柄表示装置41の表示内容について、図11を参照して詳細に説明する。図11は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図11(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
図11(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。
上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて表示画面Gにおいて遊技回用の演出が行われる場合には、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1〜Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で遊技回用の演出が終了される。
また、遊技回用の演出が終了する場合、後述する最有利大当たり結果の発生に対応した遊技回であれば、いずれかの有効ラインに同一の奇数の数字が付された図柄の組み合わせが形成され、後述する低確大当たり結果の発生に対応した遊技回であれば、いずれかの有効ラインに同一の偶数の数字が付された図柄の組み合わせが形成される。
なお、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、メイン表示部43及び図柄表示装置41にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
また、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
遊技盤24には、内レール部48と外レール部49とが取り付けられており、これら内レール部48と外レール部49とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構51から発射された遊技球が遊技領域PEの上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構51は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、誘導レールに向けて延びる発射レール52と、後述する上皿61aに貯留されている遊技球を発射レール52上に供給する球送り装置53と、発射レール52上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド54と、を備えている。前扉枠14に設けられた発射ハンドル55が操作されることによりソレノイド54が駆動制御され、遊技球が発射される。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部56が形成されている。窓部56は、略楕円形状をなし、窓パネル57が嵌め込まれている。窓パネル57は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル57を通じて遊技領域PEを視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
窓部56の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。各種ランプ部の一部として表示ランプ部58aが窓部56の上方に設けられている。また、表示ランプ部58aの左右両側であって前扉枠14の上側の隅角部分には左右一対のエラーランプ部58bが設けられている。また、エラーランプ部58bに隣接させて、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部59が設けられている。
前扉枠14における窓部56の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部61と下側膨出部62とが上下に並設されている。上側膨出部61内側には上方に開口した上皿61aが設けられており、下側膨出部62内側には同じく上方に開口した下皿62aが設けられている。上皿61aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構51側へ導くための機能を有する。また、下皿62aは、上皿61a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置71と、音声やランプ表示及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声発光制御装置72と、が搭載されている。
なお、主制御装置71の基板ボックス71aに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックス71aを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックス71aを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御装置71や音声発光制御装置72を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック73を備えており、当該裏パック73に対して、払出機構部74及び制御装置集合ユニット75が取り付けられている。
払出機構部74は、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク76と、当該タンク76に貯留された遊技球を払い出すための払出装置77と、を備えている。払出装置77より払い出された遊技球は、当該払出装置77の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿61a又は下皿62aに排出される。なお、払出機構部74には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット75は、払出装置77を制御する機能を有する払出制御装置78と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射ハンドル55の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源及び発射制御装置79と、を備えている。これら払出制御装置78と電源及び発射制御装置79とは、払出制御装置78がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
裏パック73には、払出機構部74及び制御装置集合ユニット75以外にも、外部端子板81が設けられている。外部端子板81は、パチンコ機10の背面において裏パックユニット15の回動基端側であって上側の隅角部分に設置されている。外部端子板81は、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために、所定の信号出力を行うための基板である。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成を図12のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置71に設けられた主制御基板601には、MPU602が搭載されている。MPU602は、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU602が有する機能の一部、例えば、ROM603の機能やRAM604の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置71に設けられた停電監視基板605、払出制御装置78、各種検知センサなどが接続されている。この場合に、停電監視基板605には電源及び発射制御装置79が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。また、各種検知センサの一部として、遊技領域PEの一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35に対して設けられた入賞用の検知センサ31a,31b,31c,32d,33a,34c,35a,35b(以下、これらをまとめて入賞検知センサ31a〜35bという)が電気配線を介して電気的に接続されており、主制御装置71のMPU602において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU602では、上作動口33及び下作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU602の出力側には、停電監視基板605、払出制御装置78及び音声発光制御装置72が接続されている。払出制御装置78には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリアが参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、大入賞口32aへの入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口33への入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口34への入賞を特定した場合には4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
音声発光制御装置72には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリアが参照される。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。特に、遊技回用のコマンドとしての変動用コマンドには、当該各種情報として、各遊技回の遊技結果の情報及び各遊技回の変動表示時間に関する情報が含まれている。
また、MPU602の出力側には、下作動口34に付随した電動役物34aを駆動させる電動役物駆動部34b、可変入賞装置32の開閉扉32bを駆動させる可変入賞駆動部32cが接続されている。またMPU602の出力側にはメイン表示部43と、役物用表示部44と、が電気配線を介して電気的に接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602は各種駆動部32c,34bの駆動制御を実行するとともに各種表示部43,44の表示制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口32aが開閉されるように、MPU602において可変入賞装置32における可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、下作動口34の開放状態当選(サポート当選)となった場合には、電動役物34aが開閉されるように、MPU602において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU602においてメイン表示部43の表示制御が実行される。また、電動役物34aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU602において役物用表示部44の表示制御が実行される。
さらには、MPU602の出力側には、外部端子板81が接続されている。外部端子板81には、状態移行に際して信号出力するための出力端子として、大当たり信号出力端子等が設けられている。MPU602は、遊技結果が大当たり結果となった場合には、遊技ホール側の管理制御装置に対して、大当たり信号出力端子を通じて大当たり信号を出力することができる。具体的には、通常時では、大当たり信号出力端子からLOWレベル信号が出力されており、大当たり結果となった場合にはHIレベル信号が出力される。なお、この信号の出力態様は逆でもよい。
停電監視基板605は、主制御基板601と電源及び発射制御装置79とを中継し、また電源及び発射制御装置79から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置78は、主制御装置71から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置77により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置79は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置78等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置79は、遊技球発射機構51の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構51は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
<各種カウンタについて>
次に、主制御装置71のMPU602にて各種抽選を行うための電気的な構成について図13を用いて説明する。
MPU602は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図13に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、リーチ発生の有無及びその種別を振り分ける際に使用されるリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43及び図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ631に適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファ631において、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア632に格納される。
保留球格納エリア632は、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口33又は下作動口34への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ631に格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留用エリアREは、保留数記憶エリアNAを備えており、当該保留数記憶エリアNAには上作動口33又は下作動口34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア621に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について説明する。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では大当たり当選となる乱数の値は21個である。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。
なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意であり、また低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群が、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に一部のみが含まれている構成としてもよく、含まれていない構成としてもよい。
各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となる。
次に、大当たり種別カウンタC2について説明する。大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。
ここで、本パチンコ機10では、(1)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における当否抽選モード、(2)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という2つの条件に差異を設けることにより、複数種の大当たり結果が設定されている。当否抽選モードとしては、上述したとおり低確率モードと高確率モードとが設定されている。
サポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに受入状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物用抽選における電役受入状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役受入状態当選となった際に電動役物34aが受入状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の受入時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役受入状態当選となり電動役物34aの受入状態が複数回発生する場合において、1回の受入状態が終了してから次の受入状態が開始されるまでの待ち時間は、1回の受入時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物用抽選が行われてから次の電動役物用抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33の入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役受入状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物用抽選における電役受入状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、受入状態への切換回数を多くする、受入時間を長くする、1回の電動役物用抽選が行われてから次の電動役物用抽選が行われる上で最低限確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用結果表示部における1回の変動表示時間を短くする)及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。なお、終了基準回数が経過した後に、低頻度サポートモードに移行する。
確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる開閉実行モードに移行するまで継続する。
振分テーブルにおいて、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が確変大当たり結果に対応しているが、この数値の振分は任意である。また、大当たり結果の振分先は、上記の2種類に限定されることはなく、例えば、開閉実行モードにおいて遊技球の獲得期待値が高低となるように複数のモードを設定し、当該開閉実行モードの移行先のモードに差異を設けることで大当たり結果の種別を上記の2種類よりも増やす構成としてもよい。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置41における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、可変入賞装置32が開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止結果が付与対応結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示が開始されてから停止結果が導出表示される前段階で、前記付与対応結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
期待演出には、リーチ表示と、当該リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や付与対応結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
リーチ表示には、図柄表示装置41の表示画面Gに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、リーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面Gの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
予告表示には、図柄表示装置41の表示画面Gにおいて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
リーチ表示は、開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、ROM603のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。一方、予告表示を行うか否かの決定は、主制御装置71において行うのではなく、音声発光制御装置72又は表示制御装置170において行われる。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43における変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU602において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、メイン表示部43における変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の電役保留エリア633に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって下作動口34の電動役物34aを受入状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C3=0〜199であれば、電動役物34aを受入状態に制御し、C3=200〜249であれば、電動役物34aを受入状態に制御しない。
既に説明したように、MPU602では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、メイン表示部43における変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623が用いられる。また、MPU602では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、メイン表示部43における停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM603の停止結果テーブル記憶エリア624が用いられる。
<音声発光制御装置72及び表示制御装置170の電気的構成について>
再び図12のブロック図を参照して、音声発光制御装置72及び表示制御装置170の電気的構成について説明する。
音声発光制御装置72は、主制御装置71から入力した各種コマンドに基づいて前扉枠14に設けられた各種ランプ部58a,58bやスピーカ部59を制御するものである。
音声発光制御装置72はMPU652が搭載された音声発光制御基板651を有してなり、MPU652には各種制御プログラムや固定値データを記憶したROM653、そのROM653内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種データを一時的に記憶するためのメモリであるRAM654が内蔵されている。
MPU652には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU652の入力側には、主制御装置71が接続されており、主制御装置71からの各種コマンドを受信する。MPU652の出力側には、前扉枠14に設けられた各種ランプ部58a,58bやスピーカ部59が接続されているとともに表示制御装置170が接続されている。
表示制御装置170はMPU702が搭載された表示制御基板701を有してなり、MPU702には各種の制御プログラムや固定値データを記憶したプログラムROM703、そのプログラムROM703内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるワークRAM704、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)705、画像データが格納されたキャラクタROM706、キャラクタROM706から読み出した画像データを一時的に記憶するビデオRAM707などが内蔵されている。
表示制御装置170のMPU702では、音声発光制御装置72から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。この場合に、表示制御装置170では、主制御装置71から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ワープ通路200の一部である縦球通路230は、扉部材260が通路形成位置に配置されることで遊技球が通過可能な通路形成状態となり、扉部材260が退避位置に配置されることで通路幅が狭くなり通路非形成状態となる。縦球通路230が通路非形成状態の場合には、縦球通路230は図柄表示装置41の表示画面Gと前後方向に重ならない。これにより、少なくとも縦球通路230が通路非形成状態の場合には、表示画面G全体を視認することが可能とり、限られた遊技領域PE内でワープ通路200を設けるとともに、表示画面Gの視認可能な領域も広く確保することが可能となる。
縦球通路230は、通路非形成状態の場合には前方から視認できず、通路形成状態となることで前方から視認可能となる。したがって、ワープ通路200に入球した遊技球が、その後何処へ誘導されるかを識別しにくく、縦球通路230が通路形成状態となった際の意外性を高めることが可能となる。
さらに縦球通路230を構成する扉部材260の回動機構は、上下の通路装飾部材106,107によって横方から視認できなくなっている。したがって、扉部材260が回動して縦球通路230が通路形成状態となることが事前には特定されにくく、遊技球の行方の意外性をより高めることが可能となっている。
縦球通路230における外側の側壁を構成する通路壁部251は、下フレーム112の背面において下フレーム112の内周縁からの横方向の距離が遊技球の直径寸法よりも短くなるように配置されている。したがって、縦球通路230を通過する際には当該遊技球が下フレーム112の内周縁よりもセンターフレーム42の内側にはみ出て、当該はみ出た分、遊技球を視認することができる。これにより、ワープ通路200に入球した遊技球が、遊技領域PEから排出されたと錯覚してしまうことを抑制できる。
縦球通路230は、扉部材260が退避位置から通路形成位置へ移動することで、通路非形成状態から通路形成状態に状態変位する。当該状態変位は、遊技球の動作を利用して行われる構成とした。これにより、縦球通路230の状態変位を電気的な駆動制御を必要とせず、簡素な構成で実現することが可能となっている。
遊技領域PEを流下する遊技球を当該遊技領域PEの後方に配置されるステージ111aへ導出するワープ通路200において、縦球通路230は、後方への遊技球の移動を利用して横方向に通路幅を拡大する構成とした。つまり、横方向の通路幅を拡大するために遊技球が横方向へ移動するのではなく、後方へ移動する際に横方向の通路幅が拡大する構成としている。これにより、ワープ通路200の横幅を狭くすることが可能となり、ワープ通路200の占める領域を小さくすることができる。
本実施形態は、次のように変形可能である。
以下、本実施形態の第1の変形例について、図14を参照して説明する。図14は、本変形例におけるセンターフレーム42の左側部分の概略を示す斜視図である。なお、図14においては、横側装飾部材102の前側の壁部を破断して示している。
本変形例では、ワープ通路200の入口が異なっている。図14に示すように、横側装飾部材102における外周壁の上部には、縦方向に貫通させて1個の遊技球が通過可能な上側開口部108が形成されており、当該上側開口部108がワープ通路200の入口に相当する。上側開口部108から入球した遊技球は、横側装飾部材102の内部空間を通過して、側部球通路210の床部212に到達する。その後の遊技球の移動先は、上記の通りである。
次に、本実施形態の第2の変形例について、図15を参照して説明する。図15(a)は、本変形例における図4のA−A線断面図である。図15(b1)及び図15(b2)は、扉部材260が回動する様子を説明するための図15(a)におけるC−C線断面図である。
図15(a)に示すように、本変形例では、上下の通路装飾部材106,107が設けられておらず、代わりに、扉用装飾部材266が設けられている。なお、図では、扉用装飾部材266をドットハッチで示している。扉用装飾部材266は、扉部材260に対して縦球通路230において通路面を生じさせない側から連結されており、扉部材260と一体的に動作する。
さらに扉用装飾部材266は、後誘導部220及び縦球通路230の高さ方向全体に亘って延在させて形成されている。また、扉用装飾部材266は、扉部材260が退避位置に配置される状況において、前端が下フレーム112の背面と当接するまで延在させて形成されるとともに、後端が扉部材260及び回動軸265よりも後方に配置されるまで延在させて形成されている。これにより、縦球通路230が通路非形成状態である場合には、後誘導部220及び縦球通路230の全体が扉用装飾部材266によりセンターフレーム42の内側から覆われた状態となる。したがってこの場合、後誘導部220及び縦球通路230を横方から見ると、扉用装飾部材266のみが視認でき、後誘導部220及び縦球通路230を視認できない。
扉用装飾部材266におけるセンターフレーム42の内側の面には装飾としての印刷や造形処理が施されている。
したがって、例えば遊技者が、縦球通路230が通路非形成状態である状況でセンターフレーム42の側部を斜めから見ても、後誘導部220及び縦球通路230を見ることができず、ワープ通路200の通路構成を特定しにくい。これにより、ワープ通路200に入球した遊技球が、その後何処へ誘導されるかを識別しにくく、縦球通路230が通路形成状態となった際の意外性を高めることが可能となる。この場合に視認可能となっている扉用装飾部材266には装飾が施されているので、センターフレーム42を全体的に派手なものとすることができ、遊技への意欲を向上させることが可能となる。
ちなみに、扉用装飾部材266は、扉部材260が退避位置に配置される状況においては、扉用装飾部材266におけるセンターフレーム42の内側の端が、下フレーム112の内周縁よりもセンターフレーム42の内側に突出しないように形成されている。したがって、扉部材260が退避位置に配置される状況では、扉用装飾部材266を前方からは視認することはできない。
扉部材260及び扉用装飾部材266の動作について説明する。
扉部材260が退避位置に配置される状況では、図15(b1)に示すように、扉用装飾部材266も前方から視認不可であるとともに、図柄表示装置41とも前後方向に重ならない。扉部材260が通路形成位置に配置される状況では、図15(b2)に示すように、扉部材260及び扉用装飾部材266は前方から視認可能となるとともに、図柄表示装置41と前後方向に重なる。
なお、本変形例では、上段壁部252にバネ受け部252bが設けられておらず、ねじりバネ252cは上側軸部252aに連結されている。これにより、上記のように扉部材260よりも後方に延在させて扉用装飾部材266を形成してあっても、扉部材260との一体的な動作の障壁とならないようになっている。
上記の構成とすることで、縦球通路230を可動式の装飾部材としても利用可能である。特に、上述の如く、遊技機は装飾を派手にして遊技者の注目度を高める必要があり、本変形例のように装飾用の部材が可動式となっていることでその動作が派手になり注目度を高めやすい。
次に、本実施形態の第3の変形例について、図16を参照して説明する。図16は、本変形例におけるワープ通路200を説明するための概略図である。
本変形例では、扉部材260は縦球通路230の上部のみに存在する(図ではドットハッチで表示)。具体的には、後誘導部220から縦球通路230へ導出される遊技球が、内側への動作から略鉛直下方への動作へと方向転換できる程度の長さ(本変形例では遊技球の直径寸法より若干長い)で形成されている。つまり本変形例における縦球通路230は、扉部材260が設けられた方向転換部231と、遊技球が当該扉部材260により方向転換されて下方に自由落下する落下部232と、により構成されているといえる。
落下部232においては、扉部材260が設けられていないため、本変形例によれば、扉部材260と図柄表示装置41の表示画面Gとが前後方向に重なる面積を狭くすることが可能となり、表示画面Gの視認性を向上することができる。また、方向転換部231を遊技球が通過する期間も短くなるので、扉部材260が通路形成位置に配置され図柄表示装置41の表示画面Gと重なる期間も短くなる。この点からも、表示画面Gの視認性の向上が図られる。
さらに本変形例では、縦球通路230の下方に、自由落下する遊技球を受けるとともに、外側へ方向転換させる下側誘導部267が設けられている。また、下側誘導部267の下流には、再度内側へ遊技球を方向転換させるとともに、ステージ111aへ遊技球を導出するステージ導出部268が設けられている。
下側誘導部267の床は、低反発処理が施された床部材267a(図ではドットハッチで表示)により形成されており、当該床部材267aにより遊技球が受けられることにより落下する遊技球がセンターフレーム42の内側へ跳ねてしまうことが抑制されている。
次に、本実施形態の第4の変形例について、図17を参照して説明する。図17(a)及び図17(b)は、本変形例におけるセンターフレーム42の左側部分の概略を示す正面図である。なお、図17においては、横側装飾部材102の前側の壁部を一部破断して示している。
図17(a)に示すように、本変形例では、上記第1の変形例と同様にワープ通路200の入口として上側開口部108が設けられており、当該上側開口部108から下方に向けて延在する上側球通路270が形成されている。さらに、当該上側球通路270の最下流部と連通させて、傾斜球通路271が配設されている。当該傾斜球通路271は、上側球通路270を通過した遊技球を側部球通路210へ導出するものである。上側球通路270の最下流部は、側部球通路210よりもセンターフレーム42の内側に存在し、傾斜球通路271は全体的に下方に向かうほどセンターフレーム42の外側へ傾斜した通路となっている。
傾斜球通路271の通路空間を生じさせる構成は、上記縦球通路230と略同様の構成である。すなわち、上側球通路270における外側の側壁の下端から側部球通路210の床部212まで延在させて形成された第2通路壁部272により、傾斜球通路271の外側の側壁が形成される。第2通路壁部272よりもセンターフレーム42の内側に存在するようにして第2扉部材273が設けられている。第2扉部材273は、傾斜球通路271を形成する位置に配置された状態において、横側装飾部材102の背面に後方から対向して傾斜球通路271における奥壁を生じさせる第2奥壁部(図示略)と、第2通路壁部272に横方から対向して傾斜球通路271における内側の側壁を生じさせる第2側壁部(図示略)とが一体形成されており、全体として折れ曲がり形状とされている。
当該第2扉部材273は図示しない軸部によって第2通路壁部272と平行となる回動軸線を中心に回動可能となっており、扉部材260と同様に遊技球の通過を可能とする通路形成位置と、遊技球の通過が不可となる程度に通路幅を減少させる退避位置との間で変位可能となっている。そして、第2扉部材273は、図示しない付勢手段により退避位置に向けて付勢されている。この場合、第2扉部材273は横側装飾部材102と前後方向に重なり、前方から視認することができない。
第2扉部材273は第2通路壁部272よりも上方へ延在させて形成されており、上記延在させた部分により上側球通路270を落下した遊技球を受けることが可能となっている。そして、遊技球を受けることで第2扉部材273は回動し、図17(b)に示すように、通路形成位置に変位する。この場合、第2扉部材273は、横側装飾部材102の内周縁よりもセンターフレーム42の内側に突出し、図柄表示装置41の表示画面Gと前後方向に重なる。
ちなみに、横側装飾部材102の内周壁は第2扉部材273の回動に対応させて開口されており、第2扉部材273の回動の障壁とならないようになっている。
遊技球が上側開口部108から入球すると、上側球通路270を通過して第2扉部材273に衝突し第2扉部材273を通路形成位置へと変位させ、傾斜球通路271は通路形成状態となる。傾斜球通路271が通路形成状態となると、遊技球は当該傾斜球通路271を通過して側部球通路210に落下する。側部球通路210に落下した遊技球は後誘導部220へと誘導される。
本変形例によれば、両通路230,271を所定角度で傾斜させて連通することで、センターフレーム42の枠体形状に合わせて可動式の通路を設けることができる。このようなワープ通路200を遊技球が通過する場合であっても、いずれかの通路230,271が通路非形成状態となっており、表示画面Gと重なる領域を狭くすることができる。
なお、可動誘導通路を本変形例よりも多い複数個連結することで、より曲線に近いワープ通路を形成することも可能である。
<第2の実施形態>
本実施形態では、誘導通路の構成が上記第1の実施形態と異なっている。上記第1の実施形態では、縦球通路230の状態変位は電気駆動によらず行われる構成としたが、本実施形態では、電気駆動により縦球通路230の状態変位が行われる。以下、本実施形態における誘導通路の構成を、図18を参照して説明する。図18は本実施形態におけるセンターフレーム42の正面図である。
図18に示すように、左右の縦球通路230の扉部材260にはそれぞれ扉駆動部260aが接続されている(接続箇所については図示略)。そして、当該扉駆動部260aにより、扉部材260の通路形成位置と退避位置との変位が行われる。扉駆動部260aは主制御装置71と電気的に接続されており、主制御装置71のMPU602により、一対の扉駆動部260aの駆動制御が行われる。すなわち、扉駆動部260aを駆動状態とすることで、扉部材260は退避位置から通路形成位置に変位し、縦球通路230は通路形成状態となる。そして、扉駆動部260aの駆動状態を解除することで扉部材260は通路形成位置から退避位置に変位し、縦球通路230は通路非形成状態となる。なお、以下の扉部材260の変位の説明においては、退避位置に配置される場合には閉鎖状態ともいい、通路形成位置に配置される場合には開放状態ともいう。
さらに、本実施形態におけるワープ通路200は、その入口である左右の横側開口部104にスライド扉104aがそれぞれ設けられている。当該スライド扉104aは、横側装飾部材102の内部空間内に収容される開放状態と、当該開放状態からスライド移動して横側開口部104を閉鎖する閉鎖状態とに状態変位が可能となっている。そして、左右のスライド扉104aにはそれぞれスライド扉駆動部104bが接続されている(接続箇所については図示略)。スライド扉駆動部104bは主制御装置71と電気的に接続されており、主制御装置71のMPU602により、一対のスライド扉駆動部104bの駆動制御が行われる。すなわち、スライド扉駆動部104bを駆動状態とすることで、スライド扉104aは開放状態となり、スライド扉駆動部104bの駆動状態を解除することで、スライド扉104aは閉鎖状態となる。
<扉制御処理>
次に、主制御装置71のMPU602で実行される扉制御処理について、図19(a)のフローチャートを参照して説明する。当該扉制御処理は、MPU602により所定周期(4msec)ごとに実行される。
まずステップS101では、RAM604の各種カウンタエリア634に設けられた扉カウンタTCの数値情報が「0」であるか否かを判定する。扉カウンタTCは、スライド扉104a及び扉部材260の開閉処理に用いられるカウンタであり、0〜1200の間で1ずつ更新が可能な構成となっている。また、扉カウンタTCは電源投入時には「0」に設定される。
扉カウンタTCの数値情報が「0」である場合、続くステップS102にて、スライド扉104a及び扉部材260を開放状態とする処理を実行する。具体的には、スライド扉104aのスライド扉駆動部104b及び扉部材260の扉駆動部260aへの駆動信号の出力を開始し、両駆動部104b,260aを駆動状態とすることで、スライド扉104a及び扉部材260が開放状態となる。
ステップS101にて否定判定した場合、又はステップS102の処理を実行した後は、ステップS103にて、扉カウンタTCの数値情報を1加算して更新する処理を実行する。
続くステップS104では、扉カウンタTCの数値情報が「400」であるか否かを判定する。扉カウンタTCの数値情報が「400」である場合、ステップS105にて、スライド扉104aを閉鎖状態とする処理を実行する。具体的には、スライド扉104aのスライド扉駆動部104bへの駆動信号の出力を停止し、スライド扉駆動部104bを非駆動状態とすることで、スライド扉104aが閉鎖状態となる。
ステップS104にて否定判定した場合、又はステップS105の処理を実行した後は、ステップS106にて、扉カウンタTCの数値情報が「700」であるか否かを判定する。扉カウンタTCの数値情報が「700」である場合、ステップS107にて、扉部材260を閉鎖状態とする処理を実行する。具体的には、扉部材260の扉駆動部260aへの駆動信号の出力を停止し、扉駆動部260aを非駆動状態とすることで、扉部材260が閉鎖状態となる。
ステップS106にて否定判定した場合、又はステップS107の処理を実行した後は、ステップS108にて、扉カウンタTCの数値情報が「1200」であるか否かを判定する。扉カウンタTCの数値情報が「1200」である場合、ステップS109にて、扉カウンタTCを「0」にクリアする処理を実行する。これにより、次回の処理回におけるステップS102にてスライド扉104a及び扉部材260を開放状態とするための処理が行われる。ステップS108にて否定判定した場合、又はステップS109の処理を実行したあとは、本扉制御処理を終了する。
したがって、本実施形態では、ワープ通路200において入口の横側開口部104を開閉するスライド扉104aと、縦球通路230を通路形成状態と通路非形成状態とに状態変位させる扉部材260と、はいずれも周期的に駆動制御される構成としている。その周期は、スライド扉104aは1.6secの開放状態と3.2secの閉鎖状態とを繰り返し、扉部材260は2.8secの開放状態と2secの閉鎖状態とを繰り返すように設定されており、スライド扉104aが開放状態である期間よりも扉部材260が開放状態である期間のほうが長く、スライド扉104aが閉鎖状態となってから1.2sec後に扉部材260が閉鎖状態となる構成としている。
ここで、スライド扉104a及び扉部材260が開放状態と閉鎖状態とに切り換えられる様子について、図19(b)のタイミングチャートを参照して説明する。図19(b−1)は、スライド扉104aの開閉の様子を示し、図19(b−2)は、扉部材260の開閉の様子を示している。
t1のタイミングで扉カウンタTCの数値情報が「0」となると、スライド扉104a及び扉部材260が開放状態に切り換えられる。これにより、遊技球がワープ通路200に入球可能となるとともに、ワープ通路200の縦球通路230も通路形成状態となり当該縦球通路230を通過可能となる。t2のタイミングで扉カウンタTCの数値情報が「400」となると、スライド扉104aが閉鎖状態に切り換えられる。これにより、遊技球がワープ通路200に入球不可となる。一方で、扉部材260は未だ開放状態である。したがって、遊技球が縦球通路230内に滞在している場合に、扉部材260が閉鎖状態となることで縦球通路230に挟まってしまうことが抑制されている。
t3のタイミングで扉カウンタTCの数値情報が「700」となると、扉部材260が閉鎖状態に切り換えられ縦球通路230は通路非形成状態となる。t2のタイミングからt3のタイミングまでの期間は、横側開口部104から入球した遊技球が縦球通路230を通過しきるまで十分な期間であり、すでに説明した通り1.2secが当該期間の長さに相当する。
t4のタイミングで扉カウンタTCの数値情報が「1200」となると、当該扉カウンタTCは「0」にクリアされスライド扉104a及び扉部材260はいずれも開放状態に切り換えられる。そして、t5のタイミングで扉カウンタTCの数値情報が「400」となるとスライド扉104aが閉鎖状態に切り換えられ、t6のタイミングで扉カウンタTCの数値情報が「700」となると扉部材260が閉鎖状態に切り換えられる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
電動駆動によって縦球通路230を通路形成状態と通路非形成状態とに遷移させる構成としたことで、第1の実施形態のような遊技球の動作と兼ね合いで遷移させる構成と比較して、設計の自由度が向上する。
例えば第1の実施形態における縦球通路230は、遊技球が後方に動作する際の自重を利用して扉部材260を回動させ、第1の実施形態の第4変形例における傾斜球通路271は、遊技球が落下する際の自重を利用して第2扉部材273を回動させる構成としていた。したがって、可動式の各通路230,271の設置箇所は、遊技球がこのような動作を行う箇所を選択する必要がある。これに対して、本実施形態では、遊技球の動作とは関係なく縦球通路230における扉部材260の変位を行えるため、設置箇所の自由度が向上する。
ここで、縦球通路230の遷移を一定の規則性を持った遷移とすることで遊技の公平性が担保される一方で、縦球通路230を遊技球が通過中に通路非形成状態となると縦球通路230内に当該遊技球が詰まってしまう不都合が懸念される。そこで、本実施形態では、ワープ通路200の入口にスライド扉104aを設けてワープ通路200内への遊技球の入球を制限することで、上記不都合を解消することが可能となっている。
本実施形態は、次のようにも変更可能である。以下、本変形例について図20を参照に説明する。図20は、本変形例における扉制御処理を示すフローチャートである。
本変形例では、スライド扉104aのスライド扉駆動部104bと扉部材260の扉駆動部260aとは、いずれもサブ側の制御装置である音声発光制御装置72と電気的に接続され、音声発光制御装置72のMPU652により各駆動部104b,260aの駆動制御が行われる構成としている。したがって、主制御装置71のMPU602は扉制御処理を行わない。
ここで、音声発光制御装置72では、主制御装置71から受信した変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンド等の各コマンドを、コマンドを受信した際に起動するコマンド格納処理によりRAM654のコマンド格納エリアに格納する。RAM654のコマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されており、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行できるようになっている。また、音声発光制御装置72では、受信しているコマンドがいずれのコマンドであるかを定期的(例えば、4msec周期)に確認しており、この確認処理により各遊技回の遊技結果に対応する演出や開閉実行モードに対応する演出を各種ランプ部58a,58bやスピーカ部59にて行うとともに、表示制御装置170へ対応するコマンドを送信して図柄表示装置41にて対応する演出を表示させるよう制御することが可能となっている。扉制御処理は、このコマンドの確認処理が実行されるごとに行われる。つまり、扉制御処理も定期的(4msec)に実行される。
さて、本変形例における扉制御処理では、まずステップS201にて、リーチ表示を実行中か否かを判定する。かかる処理では、RAM654のリーチ開始フラグ格納エリアに「1」がセットされているか否かを確認することで、図柄表示装置41においてリーチ表示を実行中か否かを判定することができる。当該リーチ開始フラグ格納エリアには、変動用コマンドに含まれる情報をもとに、今回の遊技回にてリーチ表示を行う場合に当該リーチ表示の開始タイミングに「1」がセットされ、当該遊技回の終了に際して「0」にクリアされる。リーチ表示の開始タイミングについて具体的には、上図柄列Z1と下図柄列Z3とによりリーチラインが形成されたタイミングである。
リーチ表示を実行中でない場合には、ステップS101〜ステップS109の処理と同様に、ステップS202〜ステップS210の処理にて、スライド扉104a及び扉部材260の周期的な開閉処理を実行する。ただし、ステップS202、ステップS204、ステップS205、ステップS207、ステップS209及びステップS210では、音声発光制御装置72のRAM654に設けられた扉カウンタTCを利用して各処理を実行する。
ステップS201にてリーチ表示を実行中である場合には、ステップS211に進む。ステップS211では、スライド扉104aが開放状態であるか否かを判定する。開放状態である場合には、続くステップS212にて上記扉カウンタTCの数値情報に関わらず、スライド扉104aのスライド扉駆動部104bの駆動状態を停止させ、スライド扉104aを閉鎖状態とする。
ステップS211にて否定判定した場合、又はステップS212の処理を実行した後は、ステップS213に進む。ステップS213では、扉部材260が開放状態であるか否かを判定する。扉部材260が閉鎖状態である場合、すなわち、縦球通路230が通路非形成状態である場合には、そのまま本扉制御処理を終了する。
扉部材260が開放状態であり、縦球通路230が通路形成状態である場合には、ステップS214にてRAM654に設けられたリーチ用扉カウンタRCの数値情報を1加算して更新する処理を実行する。当該リーチ用扉カウンタRCは、リーチ表示中に扉駆動部260aの制御に用いられるカウンタであり、0〜300の間で1ずつ更新が可能な構成となっている。また、リーチ用扉カウンタRCは電源投入時には「0」に設定される。
続くステップS215では、ステップS214の処理結果に基づいて、リーチ用扉カウンタRCの数値情報が「300」であるか否かを判定する。ステップS215にて否定判定した場合は、そのまま本扉制御処理を終了する。リーチ用扉カウンタRCの数値情報が「300」である場合には、扉カウンタTCの数値情報に関わらず、ステップS216にて扉部材260の扉駆動部260aの駆動状態を停止させ、扉部材260を閉鎖状態とする。
続くステップS217では、リーチ用扉カウンタRC及び扉カウンタTCの数値情報を「0」にクリアする処理を実行し、本扉制御処理を終了する。
したがって、本変形例では、図柄表示装置41にてリーチ表示を実行中は、スライド扉104a及び扉部材260を閉鎖状態とする構成としている。リーチ表示はその後大当たり結果となる期待度が高まるため、遊技における他のタイミングよりも図柄表示装置41の表示画面Gの注目度が高まる。この場合、縦球通路230を通路非形成状態とすることで、表示画面G全体を視認することが可能となり、当該リーチ表示を視認するうえで扉部材260が邪魔になることなく、遊技者をより遊技に没頭させることが可能となる。さらに、リーチ表示は遊技回における他のタイミングの演出よりも派手な演出が行われることが一般的であり、本構成とすることで扉部材260により当該演出が隠されてしまうことを懸念する必要がなく表示画面G全体を使ってより派手な演出を行うことが可能となる。
なお、リーチ表示の実行中にスライド扉104a及び扉部材260が開放状態となることを制限する構成に限定されず、例えば、リーチ表示が開始されてから所定期間が経過した場合に上記開放状態となることを制限する構成としてもよく、リーチ表示が所定の発展演出に移行する場合に制限する構成としてもよい。
また、縦球通路230の変位を制限する期間はリーチ表示に限定されない。例えば、予告表示を行う場合に縦球通路230の変位を制限する構成としてもよく、開閉実行モード中は縦球通路230の変位を制限する構成としてもよく、高頻度サポートモード中は縦球通路230の変位を制限する構成としてもよい。さらに、これらの場合、所定の確率で縦球通路230の変位を制限する構成としてもよい。
<第3の実施形態>
本実施形態では、第2の実施形態と同様に、縦球通路230の状態遷移は電気的に制御される。以下、本実施形態における縦球通路230の構成について図21を参照に説明する。図21は、本実施形態におけるワープ通路200を説明するためのセンターフレーム42の正面図である。
図21に示すように、本実施形態では、上記第2の実施形態の変形例と同様に、扉部材260の扉駆動部260aは、サブ側の制御装置である音声発光制御装置72と電気的に接続され、音声発光制御装置72のMPU652により扉駆動部260aの駆動制御が行われる。一方、第2の実施形態と異なり、ワープ通路200への入口の開閉を行うスライド扉104a及びスライド扉駆動部104bは設けられていない。その代わり、側部球通路210を通過する遊技球を検知する入口検知センサ104cが横側装飾部材102に設けられているとともに、縦球通路230を通過した遊技球を検知する出口検知センサ260bが、扉部材260よりも下方に設けられている。
次に、本実施形態における、音声発光制御装置72のMPU652で実行される扉制御処理について、図22のフローチャートを参照して説明する。
ステップS301では、入口検知センサ104cにて遊技球の通過を検知したか否かを判定する。検知した場合には、続くステップS302にて、RAM654に設けられた通過カウンタKを「1」加算する処理を実行する。通過カウンタKは、縦球通路230内の遊技球の有無を監視するためのカウンタであり、電源投入時には「0」となっている。続くステップS303では、扉部材260を開放状態とする処理を実行する。具体的には、扉部材260の扉駆動部260aへの駆動信号の出力を開始し、扉駆動部260aを駆動状態とすることで、扉部材260が開放状態となる。
ステップS301にて否定判定した場合、又はステップS303の処理を実行した後は、ステップS304に進む。ステップS304では、出口検知センサ260bにて遊技球の通過を検知したか否かを判定する。検知した場合には、続くステップS305にて、上記通過カウンタKを「1」減算する処理を実行する。
ステップS304にて否定判定した場合、又はステップS305の処理を実行した後は、ステップS306にて通過カウンタKが「0」であるか否かを判定する。通過カウンタKが「0」である場合には、続くステップS307にて、扉部材260を閉鎖状態とする処理を実行する。具体的には、扉部材260の扉駆動部260aへの駆動信号の出力を停止し、扉駆動部260aを非駆動状態とすることで、扉部材260が閉鎖状態となる。
したがって、本実施形態によれば、遊技球がワープ通路200に入球した場合にのみ縦球通路230が通路形成状態となり、縦球通路230が通路非形成状態である期間を長くすることができる。これにより、図柄表示装置41が全体的に視認可能な期間を長くすることができる。
本実施形態は、以下のようにも変形可能である。図23は、本変形例の扉制御処理を示すフローチャートである。
図23に示すように、ステップS401では、遊技球発射機構51による遊技球の発射が停止しているか否かを判定する。係る処理では、発射停止された場合に主制御装置71から音声発光制御装置72へ送信される発射停止コマンドと発射が開始された場合に送信される発射開始コマンドのうちのいずれを最後に受信しているかを確認することで、発射停止中か否かを判定できる。なお、これに限定されず、電源及び発射制御装置79から音声発光制御装置72へ発射停止コマンド及び発射開始コマンドが送信される構成としてもよく、発射中である場合と発射中でない場合とで異なる出力態様となる信号が主制御装置71又は電源及び発射制御装置79から音声発光制御装置72へ出力される構成としてもよい。
発射停止中である場合、続くステップS402にて、通過カウンタKが「0」か否かを判定する。通過カウンタKが「0」である場合、ステップS403にて、リーチ表示を実行中であるかを判定する。リーチ表示を実行中である場合、ステップS404にて、当該リーチ表示中に、確定演出を実行するか否かを判定する。
ここで、確定演出とは、今回の遊技回の遊技結果がいずれかの大当たり結果である場合に、リーチ表示中に実行される演出であり、いずれかの大当たり結果である遊技回において所定の確率(例えば10%)で実行される演出である。当該確定演出では、通常のリーチ表示中には出現しないプレミアムキャラを、表示画面Gにおいて縦球通路230が通路形成状態となった場合に重なりが生じる領域に表示させる。
ステップS404にて確定演出を実行する場合、ステップS405にて扉部材260の扉駆動部260aの駆動状態の切り換えを所定周期(例えば0.5sec周期)で所定期間(例えば2sec)行う演出用開閉処理を実行する。
ステップS401〜ステップS404のいずれかで否定判定した場合、又はステップS405の処理を実行した後は、ステップS406に進む。ステップS406〜ステップS412の処理は、上記ステップS301〜ステップS307の処理と同様であるため、説明を省略する。
したがって、本変形例のように、縦球通路230の変位を、演出としても利用可能である。特に、確定演出を、表示画面Gにおいて縦球通路230が通路形成状態となった場合に重なりが生じる領域に表示させ、縦球通路230を通路形成状態と通路非形成状態との切り換えを繰り返すため、遊技者が当該確定演出を視認できる状況と視認できない状況とが繰り返されることになる。これにより、遊技者は確定演出に気づきやすく、当該確定演出が行われていることを見逃してしまうことを抑制することが可能となっている。
<第4の実施形態>
本実施形態は、可変表示ユニット36の構成が上記第1〜第3の実施形態と異なっている。以下、異なる内容について図24(a)を参照して説明する。図24(a)は、本実施形態における遊技盤24の正面図である。
図24に示すように、本実施形態の可変表示ユニット36はセンターフレーム42及び図柄表示装置41の他に、装飾部材90を備えている。装飾部材90は、その周縁部をセンターフレーム42の枠体に対して後方から重ねた状態で組み付けられている。そして、センターフレーム42によって囲まれた領域を介して、装飾部材90における上記周縁部以外の前面が前方から視認可能となっている。装飾部材90において上記視認可能となっている部位には、前後方向に開口させた中央開口部91が形成されており、装飾部材90は全体として枠体形状をなしている。当該中央開口部91は、少なくとも左右に前方から視認可能な部位を残すとともに、上方にも前方から視認可能な部位を残すように形成されている。そして、当該中央開口部91から前方へ露出させるように、図柄表示装置41の表示画面Gが配設されている。
装飾部材90の前面の上記視認可能な部位において表示画面Gの上方には、本パチンコ機10のキャラクタ92が装飾として印刷されている。また、装飾部材90の前面の上記視認可能な部位において表示画面Gの両側方には、それぞれ演出ランプ部93,94が配設されている。
演出ランプ部93,94についてより具体的には、装飾部材90の前面において表示画面Gの左方には、大小さまざまな円形の泡演出ランプ部93が縦方向に点在させて複数個配設されている。泡演出ランプ部93は、白色又は青色の透明性樹脂により形成されたランプカバーと、その背後に配設されたLEDランプ(図示略)とにより構成され、当該LEDランプは音声発光制御装置72に電気的に接続されている。そして、遊技回用の演出として所定のタイミングで下方の泡演出ランプ部93から上方の泡演出ランプ部93へ順に点灯制御され、あたかも水中に泡が浮遊するような演出が行われる。この演出を、泡演出(第1演出)ともいう。
装飾部材90の前面において表示画面Gの右方には、魚の外形を模した魚演出ランプ部94が縦方向に点在させて複数個配設されている。魚演出ランプ部94は、無色の透明性樹脂により形成されたランプカバーと、その背後に配設された3色発光タイプ(赤、青、緑)のLEDランプ(図示略)とにより構成され、当該LEDランプも音声発光制御装置72に電気的に接続されている。そして、遊技回用の演出として所定のタイミングで、赤、青及び緑のそれぞれの色で発光制御が行われ、3色の魚の群が表示画面Gの側方(右方)に待機しているかのような演出が行われる。この演出を、魚群演出(第2演出)ともいう。
上記のように配設された装飾部材90とワープ通路200との関係について、図24(b1)及び図24(b2)を参照して説明する。図24(b1)及び図24(b2)は、ワープ通路200の動作を説明するための図24(a)における一点鎖線部分を示す図である。
ワープ通路200における縦球通路230が通路非形成状態の場合には、図24(b1)に示すように、縦球通路230はセンターフレーム42の下フレーム112の背後に隠れて視認することができない。これは、上記第1〜第3の実施形態において説明したとおりである。縦球通路230が通路形成状態となると、図24(b2)に示すように、左側の縦球通路230における扉部材260が、泡演出ランプ部93の一部と前後方向に重なり、当該泡演出ランプ部93の一部が前方から視認できなくなる。また、右側の縦球通路230における扉部材260は、魚演出ランプ部94の一部と前後方向に重なり、当該魚演出ランプ部94の一部が前方から視認できなくなる。縦球通路230が通路形成状態となった場合、上記のように扉部材260が各演出ランプ部93,94の一部と前後方向に重なるものの、扉部材260における表示画面G側の端は中央開口部91よりも外方に配置され、扉部材260は図柄表示装置41の表示画面Gには前後方向に重ならない。
つまり、本実施形態では、縦球通路230が通路形成状態である場合には、縦球通路230の一部を形成する扉部材260が、装飾部材90における演出ランプ部93,94の一部と前後方向に重なり、縦球通路230が通路非形成状態である場合には、扉部材260が装飾部材90における演出ランプ部93,94と前後方向に重ならない構成となっている。これにより、少なくとも縦球通路230が通路非形成状態の場合には、演出ランプ部93,94の視認性が確保される。また、縦球通路230が通路形成状態の場合には、扉部材260が演出ランプ部93,94の一部と重なる一方で、扉部材260は表示画面Gとは前後方向に重ならない。これにより、表示画面Gの視認性を妨げることなく、縦球通路230を表示画面Gと並列させて設けることが可能となっている。
ここで、泡演出及び魚群演出はいずれも、大当たり当選の期待度が高い遊技回であることを示唆する演出として設定されている。より具体的には、泡演出よりも魚群演出のほうが大当たり当選となる期待度が高い演出として設定されている。したがって、遊技者は上記各演出が行われた場合には今回の遊技回が大当たり当選であることを期待し、当該各演出が行われることに対する注目度が高められている。さらに期待度の高低によって、泡演出が実行された場合よりも魚群演出が実行された場合のほうが、遊技者がその演出に対して注目することが期待される。
演出ランプ部93,94による各演出は、表示画面Gにおける各図柄列Z1〜Z3の変動表示の開始タイミングで実行される。そして、泡演出ランプ部93にて泡演出が実行された場合には、表示画面Gにおける変動表示において上下の図柄列Z1,Z3によりリーチラインが形成されたタイミングで、表示画面Gにて泡が縦方向(下から上へ)に浮遊する演出が実行される。また、魚演出ランプ部94にて魚群演出が実行された場合には、上記リーチラインが形成されたタイミングで表示画面Gにて魚の群が横方向(右から左へ)に通過する演出が実行される。表示画面Gにて実行される上記各演出は、演出ランプ部93,94における演出が実行されない遊技回においても発生する場合がある。換言すれば、表示画面Gにおいて上記各演出が実行される場合に所定の確率で事前に演出ランプ部93,94による演出が実行される。つまり、遊技者は演出ランプ部93,94による演出を確認することで、表示画面Gにおいて実行される演出を事前に認識することが可能となる。
遊技領域PEにおいてセンターフレーム42の下方に作動口33,34が配置され、左右の役物等の配置が対象となっている構成では、センターフレーム42の右側を流下するように遊技球を発射させると流下方向にバラつきが生じやすいため、一般的にはセンターフレーム42の左側を流下するように遊技球を発射させたほうが作動口33,34へ入球させやすい。したがって、釘の調整等の他の要因がない限り基本的には遊技者はセンターフレーム42の左側を流下するように遊技球を発射させることが想定される。とすると、センターフレーム42の左右に設けたワープ通路200のうち、左側のワープ通路200のほうが右側のワープ通路200よりも遊技球が入球する頻度は高いことが想定される。したがって、左側の縦球通路230のほうが右側の縦球通路230よりも頻繁に通路形成状態となりやすいといえる。換言すれば、左側の泡演出ランプ部93のほうが右側の魚演出ランプ部94よりも視認できなくなる頻度が高いといえる。つまり、上記のように泡演出よりも魚群演出のほうが注目度が高まるように設定されているところ、魚群演出を行った場合に右側の縦球通路230が通路形成状態となっていて当該魚群演出を視認できない、といった不都合の発生が抑制されている。
以上詳述した本実施形態によれば、少なくとも縦球通路230が通路非形成状態となることで、装飾が施された領域(装飾部材90の各演出ランプ部93,94)と前後方向に重ならず、当該装飾が施された領域の視認性を確保することができる。
さらに縦球通路230が通路形成状態となったとしても、扉部材260は上記装飾が施された領域と前後方向に重なるものの、表示画面Gとは前後方向に重ならない。これにより、表示画面Gの視認性を妨げることなく、縦球通路230を表示画面Gと並列させて設けることができる。
さらに、一般的には右側のワープ通路200への遊技球の入球頻度のほうが左側のワープ通路200への遊技球の入球頻度よりも低いことを前提に、右側の上記装飾が施された領域において実行される演出(魚群演出)を左側の上記装飾が施された領域において実行される演出(泡演出)よりも期待度が高くなるように設定した。これにより、せっかく期待度が高い演出が実行されても扉部材260によって当該演出が見えない、といった不都合の発生を抑制することが可能となる。
なお、本実施形態の縦球通路230の状態遷移は、第1の実施形態のように遊技球の自重を利用して実現されるものであってもよく、第2,第3の実施形態のように電気駆動により実現されるものであってもよい。
<他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を単独で上記各実施形態の構成に適用してもよく、所定の組み合わせで上記各実施形態の構成に適用してもよい。
(1)ワープ通路200の配置箇所は上記各実施形態の配置箇所に限定されず、例えば縦球通路(傾斜球通路)230,271を遊技盤24の遊技領域PE内であって通路形成状態となっても表示画面Gと重ならない位置に配置してもよい。この場合であっても、例えば、遊技領域PE内において縦球通路230,271を一対設けるとともに、振分装置等で当該縦球通路230,271をそれぞれ同時に遊技球が通過しない構成とし、互いに近付く方向にそれぞれ扉部材260,273を設けた場合には、通路を形成するための領域を2倍確保する必要が無く、設置領域を狭くすることが可能となる。
また、第1〜第3の実施形態においてワープ通路200が通路形成状態となることで表示画面Gと重なる構成に代え、第4の実施形態のように装飾が施される領域(装飾領域)に対して前後方向に重なる構成としてもよい。この場合であっても、通路非形成状態となることで当該装飾が施される領域の視認性が確保できる。
さらに、ワープ通路200の入口としては、横側開口部104や上側開口部108に限定されず、例えば、上側装飾部材101の周壁に開口部を設け、当該開口部をワープ通路200の入口としてもよい。また、ワープ通路200の出口もステージ111aに限定されず、例えば、作動口33,34に入球しにくい領域に導出するように出口を設けてもよい。
(2)縦球通路230,271を1個の遊技球が通過可能な通路形成状態と遊技球が通過できない通路非形成状態との間で遷移可能な構成としたが、例えば、通路形成状態の場合に通路幅が遊技球2個分以上となり2個の遊技球が同時に通過可能な構成としてもよく、通路非形成状態の場合に通路幅が遊技球1個分以上となり遊技球が通過可能であってもよい。但し、ワープ通路200の占める領域を、ステージ111aへ遊技球を導出するための必要最小限の領域とするという観点からすると、通路形成状態である場合の通路幅は遊技球1個分以上であって遊技球2個分未満が好ましく、通路非形成状態である場合の通路幅は遊技球1個分未満であることが好ましい。
(3)縦球通路230,271が通路形成状態となった場合には、扉部材260,273とともに当該縦球通路230,271を通過中の遊技球の一部が視認可能な構成としたが、少なくとも通路形成状態となることで扉部材260,273が通路非形成状態よりも視認しやすくなる構成であればよい。この場合であっても、扉部材260,273が視認しやすくなることで遊技球が可動誘導通路を通過していることを特定することが可能である。
(4)縦球通路230,271が通路形成状態と通路非形成状態との間を遷移する構成としては、扉部材260,273の回動により行う構成に限定されない。例えば、扉部材260,273を、通路壁部251,272に対してセンターフレーム42の内側から当接する壁部と、通路壁部251,272に対して後方から当接する壁部と、を有するような折れ曲がり形状とし、当該扉部材260,273がスライド移動することで通路形成状態となる構成としてもよい。この場合、第2,第3の実施形態のように、扉部材260,273の変位を電気駆動で制御するとよい。
(5)上記第1の実施形態において、縦球通路230は略鉛直下方に遊技球が落下する構成としたが、縦球通路230を傾斜させてもよい。例えば、第4の変形例における傾斜球通路271のように、左右の縦球通路230を下方に向かうほどセンターフレーム42の外側に向かうように傾斜させると、縦球通路230を略鉛直に設ける構成と比較して、扉部材260へ遊技球の自重が伝わる方向が変化してより大きな力が伝わることになる。この場合、遊技球から扉部材260へ伝わる力が大きくなるので、例えば、ねじりバネ252cの付勢力を上記第1の実施形態よりも強いものに変更したとしても、扉部材260を通路形成位置に保持できる。
(6)上記第2の実施形態において、スライド扉104aを開閉制御することで縦球通路230を遊技球が通過中に扉部材260を閉鎖状態としてしまうことを抑制したが、例えば、扉部材260を開放状態としてから所定期間が経過すると縦球通路230とは異なる迂回通路へ誘導する切換装置を縦球通路230の上流側に設置してもよい。
(7)上記第2の実施形態において、縦球通路230が周期的に変位する構成としたが、当該周期が遊技状態等によって異なる構成としてもよい。具体的には、例えば、いずれかの大当たり結果に基づく開閉実行モード後に、当該周期が全体的に長くなり通路形成状態である期間が長くなる構成としてもよく、当該周期が全体的に短くなり通路形成状態である期間が短くなる構成としてもよい。また、当該縦球通路230の変位を所定回数実行後は、通常遊技状態と同じ周期に戻る構成としてもよい。この場合、ワープ通路200を通過した遊技球は、当否抽選が行われる上作動口33へ入球する確率が高くなる関係上、通路形成状態である期間が長くなれば遊技者にとって有利となり、通路形成状態である期間が短くなれば遊技者にとって不利となり、縦球通路230の変位により遊技者にとっての有利度を変化させることが可能となる。これにより、遊技を多様なものとすることができる。
(8)第3の実施形態において、出口検知センサ260bにより縦球通路230内に遊技球が存在しないことを確認する構成としたが、これに限定されず、例えば、入口検知センサ104cにより遊技球の通過が検知されてから所定期間の経過後に扉部材260を閉鎖状態とする構成としてもよい。この場合であっても、縦球通路230内を遊技球が通過中に扉部材260を閉鎖状態としてしまう不都合を抑制することができる。
(9)第3の実施形態における変形例では、確定演出が行われる際に演出用開閉処理を行う構成としたが、演出用開閉処理を行うタイミングはこれに限定されない。例えば、センターフレーム42におけるワープ通路200を左右いずれかのみ設ける構成としたうえで、設けない側に遊技球が発射されている場合に演出用開閉処理が行われる構成としてもよい。この場合、遊技球の発射強度を監視することで、遊技球がいずれの方向に発射されているかを確認可能であり、例えば左右いずれにも流下する発射強度の場合には演出用開閉処理を行わない構成とするとよい。
(10)第4の実施形態において、装飾部材90において各演出ランプ93,94と縦球通路230の扉部材260とが前後方向に重なる構成としたが、各演出ランプ93,94に代えて又は加えて、装飾としての模様や造形処理が施された部位と扉部材260とが前後方向に重なる構成としてもよい。この場合であっても、少なくとも縦球通路230が通路非形成状態となることで、上記模様や造形処理が施された部位の視認性が確保される。
さらに、扉部材260と前後方向に重なる領域に可動式の部材が配置される構成としてもよい。この場合、縦球通路230が通路非形成状態となることで扉部材260と上記可動式の部材とが前後方向に重ならない又は重なる量が減少する構成とするとよい。
また、扉部材260が各演出ランプ93,94の一部と前後方向に重なる構成としたが、扉部材260が各演出ランプ93,94の全部と前後方向に重なる構成としてもよい。さらに、演出ランプ部93,94のうちの一方の一部又は全部が扉部材260と前後方向に重なり、他方は扉部材260と前後方向に重ならない構成としてもよい。
(11)第4の実施形態において、縦球通路230の状態遷移を第2、第3の実施形態のように電気駆動により実現する構成とし、縦球通路230が通路非形成状態であることを少なくとも一の条件に、各演出ランプ部93,94において演出を実行する構成としてもよい。この場合、少なくとも各演出ランプ部93,94において演出が行われている期間は、当該演出の視認性が確保される。
また、例えば、魚演出ランプ部93においてLEDランプの発光制御を行った後、表示画面Gにおいて魚群が横方向に通過する演出を開始するタイミング(リーチラインが形成されるタイミング)で右側の縦球通路230を通路形成状態として魚演出ランプ部93を扉部材260によって隠す構成としてもよい。この場合、表示画面Gの側方にて待機していた魚群が扉部材260の動作によって動き出すかのよう見せることができ、魚演出ランプ部93と表示画面Gとの演出を関連付けるとともに、これら演出を縦球通路230の状態遷移とも関連付けることができる。
(12)第4の実施形態において、一般的に左側のワープ通路200のほうが遊技球が入球しやすいことを前提として、各演出ランプ部93,94において実行される演出の期待度の高低を設定したが、例えば、遊技領域PEにおいてセンターフレーム42の左側に作動口33,34を設ける構成とすると、作動口33,34へ遊技球を入球させるためにはセンターフレーム42の左側を流下するように遊技球を発射させる必要性が生じ、上記のように演出の期待度の高低を設定した意義を高めることができる。
また例えば、センターフレーム42の右側に可変入賞装置32を設けると、開閉実行モード中はセンターフレーム42の右側を流下するように遊技球を発射させる必要性が生じる。この場合少なくとも開閉実行モード中は、左側のワープ通路200への遊技球の入球の可能性は低くなり、左側の泡演出ランプ部93を用いて開閉実行モード中の演出を行う構成としたとしても当該演出の視認性の低下は生じない。
(13)上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の特徴は、「遊技機の一種であるパチンコ遊技機は遊技盤を備えており、当該遊技盤の前面に構成された遊技領域に対して遊技球が発射される。そして、遊技領域内に設けられた各種入賞口に遊技球が入賞するとそれに伴い所定個数の遊技球が払い出される。また、当該遊技盤には各種入賞口のほか、遊技球の流下経路を多様とすべく多数の釘や役物が設けられている。その役物の一種として、所定の開口部から入球した遊技球を異なる領域に導出する誘導通路を備えているものもある。誘導通路としては、例えばセンターフレームに設けられたワープ通路が知られている。センターフレームは、遊技盤の略中央において液晶表示装置の表示面を囲むようにして設けられており、当該表示面の下方に、遊技球の転動領域としてステージを備えた構成が一般的である。ワープ通路は、例えば、センターフレームの側部等からステージ上へ遊技球の導出を可能とするように形成されている。ここで、遊技領域は限られた領域であることから誘導通路はコンパクトであることが好ましく、この点に未だ改良の余地がある。」という背景技術及び課題等を解決するためになされたものである。
特徴1.遊技球を遊技領域に向けて発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能であって、当該入球した遊技球を特定領域に導出する誘導通路(ワープ通路200)と、
を備え、
当該誘導通路は、少なくともその一部(縦球通路230又は傾斜球通路271)が、遊技球が通過可能な第1状態(通路形成状態)と当該第1状態よりも通路幅が狭い第2状態(通路非形成状態)との間で遷移することが可能な構成であることを特徴とする遊技機。
特徴1によれば、誘導通路が第1状態の場合には遊技球が特定領域へと誘導される。そして、誘導通路が第2状態の場合には、通路幅が第1状態よりも狭くなることから、誘導通路の占める領域を狭くすることができる。したがって、誘導通路のコンパクト化を好適に実現することができる。
特徴2.前記誘導通路が前記第1状態である場合、その通路幅は遊技球1個分以上であって遊技球2個分未満であり、前記誘導通路が前記第2状態である場合、その通路幅は遊技球1個分未満であることを特徴とする特徴1に記載の遊技機。
特徴2によれば、誘導通路が第2状態の場合には遊技球は通過できないものの、誘導通路が第1状態となることで遊技球は1個ずつ通過可能となる。したがって、誘導通路の占める領域を、遊技球を特定領域に導出するための必要最小限の領域とすることができる。
特徴3.前記特定領域は、演出実行手段(図柄表示装置41)により演出が実行される又は装飾手段(装飾部材90)により装飾が施される所定領域(表示画面G又は各演出ランプ部93,94)に対して下方にて設けられ、遊技球が転動する転動面を有するステージ(ステージ111a)であり、
前記誘導通路は、前記ステージよりも上方の位置において前記所定領域に並設され、入球した遊技球を前記ステージへ誘導するものであり、
当該誘導通路が前記第1状態である場合、当該誘導通路の一部を形成する変位部(扉部材260,273)が前記所定領域に対して前後方向に重なり、前記誘導通路が前記第2状態である場合、前記変位部が前記所定領域に対して前後方向に重なる量が減少する又は前記変位部が前記所定領域に前後方向に重ならないことを特徴とする特徴1又は特徴2に記載の遊技機。
特徴3によれば、誘導通路を、演出が行われる所定領域(演出領域)又は装飾が施される所定領域(装飾領域)と並設させてステージへ遊技球を誘導するように設け、第1状態の場合に変位部が所定領域に対して前後方向に重なる構成とした場合であっても、少なくとも誘導通路が第2状態となることで変位部と所定領域との重なる量が減少する又は変位部と所定領域とが重ならないため、演出又は装飾の視認性の低下を抑制することができる。
特に、演出実行手段においては、近年、遊技への注目度を高めるべく演出実行手段の大型化の傾向にあり、限られた遊技領域においては演出実行手段の大型化に伴いその分遊技球が流下する遊技領域が狭くなっている。このような状況において、誘導通路を演出実行手段により演出が行われる所定領域と並設させる場合、演出実行手段の演出の視認性の低下を抑制するためには、遊技領域をさらに狭くするか、演出実行手段を小型化するか、のいずれかの選択をする必要があり好ましくない。
そこで、本構成のように、誘導通路を第2状態に変位が可能な構成とすることで、誘導通路の占める領域を狭くすることができ、演出実行手段の大型化に対応しつつ誘導通路を設けることが可能となる。
特徴4.前記特定領域は、装飾手段(装飾部材90)により装飾が施される所定領域(各演出ランプ部93,94)に対して下方にて設けられ、遊技球が転動する転動面を有するステージ(ステージ111a)であり、
前記所定領域に並列させて前記ステージの上方に演出実行手段(図柄表示装置41)の演出領域(表示画面G)が設けられており、
当該誘導通路が前記第1状態である場合、当該誘導通路の一部を形成する変位部(扉部材260)が前記所定領域に対して前後方向に重なる一方で、当該変位部は前記演出領域とは前後方向に重ならないことを特徴とする特徴3に記載の遊技機。
特徴4によれば、特徴3の遊技機において、誘導通路の一部を形成する変位部は、所定領域とは前後方向に重なる一方で演出領域とは前後方向に重ならない。これにより、演出実行手段の演出領域の視認性を妨げることなく、誘導通路を演出領域と並列させてステージへ遊技球を誘導するように設けることができる。
特徴5.前記所定領域の側方において当該所定領域よりも前方に膨出するように設けられた側方区画部(通路ユニット201)を備え、
前記誘導通路は、前記側方区画部を通過するように形成されており、当該誘導通路が前記第2状態から前記第1状態に遷移する場合、当該誘導通路の一部を形成する変位部(扉部材260)が前記側方区画部の前記所定領域側の側部から当該所定領域側に向けて変位する構成であり、
前記誘導通路が前記第2状態である場合、前記側方区画部における前記所定領域側の側部には装飾(通路装飾部材106,107による装飾又は扉用装飾部材266による装飾)が生じる構成であることを特徴とする特徴3又は特徴4に記載の遊技機。
特徴5によれば、誘導通路が第2状態から第1状態に遷移する場合に変位部が変位する側方区画部は、所定領域の側方であって所定領域よりも前方に設けられており、遊技者が所定領域を斜めに見ることで視認可能な部位といえる。このような構成において、少なくとも誘導通路が第2状態の場合には、側方区画部における所定領域側の側部に装飾が生じる構成としていることから誘導通路の装飾性を高めることができる。
特徴6.前記誘導通路が前記第2状態である場合に前記変位部を前記所定領域側から覆い前記装飾を生じさせる被覆部(扉用装飾部材266)を備えていることを特徴とする特徴5に記載の遊技機。
特徴6によれば、被覆部により変位部が覆われているため、誘導通路が第2状態である場合には装飾を生じさせる被覆部を見せつつ変位部を見えないようにすることができる。これにより、誘導通路の装飾性をさらに高めることが可能となる。また、誘導通路が第2状態である場合には変位部が見えないことから、誘導通路が第1状態となることを事前に予測しにくくすることができ、誘導通路に入球した遊技球がその後何処に導出されるかが予測しにくく、ステージへ導出されることの意外性を高めることができる。
特徴7.前記誘導通路の一部を形成する変位部(扉部材260,273)が当該誘導通路の通路幅方向に変位することで当該誘導通路が前記第1状態と前記第2状態との間で遷移する構成であり、
前記誘導通路が前記第2状態である場合、前記変位部は遊技機前方から視認可能な装飾部(下フレーム112)の裏側に隠れることを特徴とする特徴1乃至6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴7によれば、少なくとも誘導通路が第2状態である場合には、通路幅方向に変位する変位部が装飾部によって隠されていることから、前方から視認できない。これにより、誘導通路が第1状態となることを事前に予測しにくくすることができ、誘導通路に入球した遊技球がその後何処に導出されるかが予測しにくく、ステージへ導出されることの意外性を高めることができる。
さらに、装飾部が変位部の前方に配置される構成であることから、遊技領域における変位部が配置される領域の装飾性を損なうことがない。例えば、誘導通路を設けつつ遊技領域を広く確保する一手法として、誘導通路の前面を透明性樹脂により形成して遊技領域よりも後方へ配置する構成も考えられる。しかしこの場合、透明性樹脂により形成しているため当該領域に装飾を施すことが困難となり得る。これに対して、特徴6の構成を採用することで、誘導通路の装飾性を担保しつつ、上述の如く誘導通路のコンパクト化を実現することが可能となる。
特徴8.前記誘導通路が前記第1状態である場合、前記変位部の少なくとも一部が前記装飾部の外方に変位して当該装飾部の裏側に隠れていないことを特徴とする特徴7に記載の遊技機。
特徴8によれば、特徴7の遊技機において、誘導通路が第1状態となることで変位部の少なくとも一部が視認可能となり、第1状態となったことを遊技者は認識することができる。したがって、少なくとも誘導通路が第1状態となることで、遊技者は誘導通路の存在を認識することができる。これにより、誘導通路に入球した遊技球の行方を予測しにくいものとしつつ、当該遊技球が遊技領域から排出されてしまったと誤解させずに安心して遊技を行わせることができる。
特徴9.前記誘導通路の一部を形成する変位部が当該誘導通路の通路幅方向に変位することで当該誘導通路が前記第1状態と前記第2状態との間で遷移する構成であり、
前記変位部は、前記誘導通路の入口部(横側開口部104又は上側開口部108)に入球した遊技球が流下する力を受けることで前記第2状態の位置から前記第1状態の位置に変位することを特徴とする特徴1乃至8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴9によれば、遊技球の流下する力を利用して、変位部を通路幅方向に変位させ誘導通路を第1状態とすることができる。したがって、電気的な制御を必要とせず簡素な構成で誘導通路の遷移を実現することが可能となる。
特徴10.前記誘導通路は、前記変位部よりも上流側に、前後方向の成分を含む方向に遊技球を流下させる上流領域(側部球通路210の最下流部及び後誘導部220)を有しており、
前記変位部は、前記上流領域を流下する遊技球から力を受けて横方向に変位するものであることを特徴とする特徴9に記載の遊技機。
特徴10によれば、遊技球が流下する力を利用して変位部を横方向に変位させる構成において、横方向に流下する遊技球の力を利用して変位部を変位させるのではなく、前後方向の成分を含む方向に流下する遊技球の力を利用して変位部を変位させることができる。したがって、横方向に流下する遊技球の力を利用する構成と比較して、誘導通路の横幅を狭くすることができる。
特徴11.前記上流領域は遊技球1個分よりも大きい通路長を有していることを特徴とする特徴10に記載の遊技機。
特徴11によれば、例えば上流領域に到達した遊技球の流下スピードが低下している場合であっても、上流領域において再度加速することができる。したがって、変位部に対して好適に遊技球の力を付与することが可能となり、誘導通路の遷移をスムーズにすることができる。
特徴12.前記変位部は、回動することで、前記第1状態の位置と前記第2状態の位置との間を変位するものであり、
前記誘導通路の入口部に入球した遊技球が前記第2状態の位置に配置されている前記変位部の回動先端部を押圧することで、当該変位部が前記第1状態の位置に向けて回動する構成であることを特徴とする特徴9乃至11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴12によれば、遊技球が流下する力を利用して変位部を回動させる構成において、変位部の回動先端部に力が付与されるため、てこの原理に基づいて変位部を回動させるために必要な力を小さくすることができる。これにより、変位部の変位を容易なものとして、誘導通路の遷移をスムーズにすることができる。
特徴13.前記誘導通路の一部を形成する変位部が当該誘導通路の通路幅方向に変位することで当該誘導通路が前記第1状態と前記第2状態との間で遷移する構成であり、
前記変位部を、前記第1状態の位置と前記第2状態の位置との間で変位するように駆動する駆動手段(扉駆動部260a)と、
当該駆動手段を駆動制御する駆動制御手段(主制御装置71のMPU602又は音声発光制御装置72のMPU652における扉制御処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴1乃至8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴13によれば、電気的な制御により変位部の変位を行って誘導通路の遷移を実現することができ、遊技球が流下する力を利用して変位部を変位させる構成と比較して、設計の自由度が向上する。
具体的には、遊技球が流下する力を利用して変位部を変位させる構成とすると、誘導通路の設置箇所として、遊技球が変位部を変位させ得る流下態様で流下する箇所を選択する必要が生じる。これに対して、特徴13によれば、遊技球の流下態様とは関係なく誘導通路の変位部の変位を行うことが可能となるため、設置箇所の自由度が向上する。
特徴14.前記駆動制御手段は、前記変位部の前記第2状態の位置から前記第1状態の位置への変位が定期的に行われるように前記駆動手段を制御する定期制御手段(主制御装置71のMPU602におけるステップS101、ステップS102及びステップS106〜ステップS109の処理を実行する機能、又は音声発光制御装置72のMPU652におけるステップS202、ステップS203及びステップS207〜ステップS210の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴13に記載の遊技機。
特徴14によれば、変位部の第2状態の位置から第1状態の位置への変位が定期的に行われるため、誘導通路は第2状態から第1状態へ定期的に遷移する。したがって、誘導通路が遷移するタイミングが遊技者にとって明確なものとなり、遊技の不透明性を解消し遊技ホール等に対する不信感を解消することができる。
特徴15.前記変位部が前記第2状態の位置に配置されている場合に当該変位部の上流側において遊技球が停留しないように当該遊技球を当該変位部側とは異なる側に逃がすための手段(例えば、主制御装置71のMPU602におけるステップS104及びステップS105の処理を実行する機能、又は音声発光制御装置72のMPU652におけるステップS205及びステップS206の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴13又は特徴14に記載の遊技機。
特徴15によれば、変位部が第2状態の位置に配置される場合には遊技球は変位部側と異なる側に流下して、変位部の上流側において当該遊技球が停留しない。例えば遊技球が変位部の上流側に停留する構成とすると、変位部が第2状態の位置に配置される場合に遊技球が上流側に多数流下すると球が詰まってしまう不都合が懸念される。これに対して本構成によれば、変位部の上流側で遊技球が停留しないため、上記懸念される不都合の発生を抑制することができる。
特徴16.前記誘導通路内の遊技球の有無を把握する把握手段(第2の実施形態では、主制御装置71のMPU602におけるステップS106の処理を実行する機能、又は音声発光制御装置72のMPU652におけるステップS207の処理を実行する機能であり、第3の実施形態では、音声発光制御装置72のMPU652におけるステップS306又はステップS411の処理を実行する機能)を備え、
前記駆動制御手段は、前記把握手段により前記誘導通路内に遊技球が存在すると把握される場合に、前記変位部の前記第1状態の位置から前記第2状態の位置への変位が行われないように前記駆動手段を制御する制限手段(第2の実施形態では、主制御装置71のMPU602におけるステップS106の処理にて否定判定する機能、又は音声発光制御装置72のMPU652におけるステップS207にて否定判定する機能であり、第3の実施形態では、音声発光制御装置72のMPU652におけるステップS306又はステップS411の処理にて否定判定する機能)を備えていることを特徴とする特徴13乃至15のいずれか1に記載の遊技機。
誘導通路は第1状態よりも第2状態のほうが通路幅が狭いため、誘導通路を遊技球が通過中に変位部を第2状態の位置へ変位させると、遊技球が誘導通路内に詰まってしまう不都合の発生が懸念される。これに対して、特徴16によれば、誘導通路内に遊技球が存在する場合には変位部を第2状態の位置に変位させないため、上記懸念される不具合の発生を抑制することが可能となる。
なお、把握手段の具体的な構成としては、
「前記誘導通路において前記変位部よりも上流に設けられ、遊技球の通過を検知する検知手段(入口検知センサ104c)を備え、
当該検知手段により遊技球の通過が検知されてからの所定期間の経過を把握する」構成や、
「前記誘導通路において前記変位部よりも上流に設けられ、遊技球の通過を検知する第1検知手段(入口検知センサ104c)と、
前記誘導通路において前記変位部よりも下流に設けられ、遊技球の通過を検知する第2検知手段(出口検知センサ260b)と、
を備え、
当該第2検知手段により遊技球の通過を検知した回数と前記第1検知手段により遊技球の通過を検知した回数とを把握する」構成や、
「前記誘導通路へ遊技球が入球可能な開状態と入球できない又は入球しにくい閉状態との間で遷移可能な可変入球手段(スライド扉104a)と、
当該可変入球手段を前記開状態又は前記閉状態に切り替える可変入球制御手段(主制御装置71のMPU602又は音声発光制御装置72のMPU652における扉制御処理を実行する機能)と、
を備え、
当該可変入球制御手段により前記可変入球手段が前記閉状態とされてからの所定期間の経過を把握する」構成が考えられる。
特徴17.前記特定領域は、演出実行手段の演出領域に対して下方にて並設させて設けられ、遊技球が転動する転動面を有するステージであり、
前記誘導通路は、前記ステージよりも上方の位置において前記演出領域に並設させて設けられ、入球した遊技球を前記ステージへ誘導するものであり、
当該誘導通路が前記第1状態である場合、当該誘導通路の一部を形成する変位部が前記演出領域に対して前後方向に重なり、前記誘導通路が前記第2状態である場合、前記変位部が前記演出領域に対して前後方向に重なる量が減少する又は前記変位部が前記演出領域に前後方向に重ならない構成であり、
前記駆動制御手段は、前記演出実行手段にて特定の演出(例えば、リーチ表示)が行われている場合に、前記変位部の前記第2状態の位置から前記第1状態の位置への変位が行われないように前記駆動手段を制御する特別制限手段(音声発光制御装置72のMPU652におけるステップS211〜ステップS216の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴13乃至16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴17によれば、演出実行手段において特定の演出が行われている場合には、特別制限手段によって誘導通路が第1状態とならないように制御される。誘導通路が第1状態となると変位部と演出領域と前後方向に重なるため、このように特定の演出が行われている場合には第1状態とならないようにすることで、特定の演出における視認性の低下を抑制することができる。したがって、誘導通路を演出領域と並設させて設けるとともに第1状態となることで演出領域と重なる構成としても、演出領域において演出を好適に実行することが可能となる。
特徴18.前記発射手段による遊技球の発射がなされていないことを特定する発射停止特定手段(音声発光制御装置72のMPU652におけるステップS401の処理を実行する機能)を備え、
前記駆動制御手段は、前記発射停止特定手段により遊技球の発射がなされていないことが特定された場合に、前記変位部を前記第2状態の位置と前記第1状態の位置との間で変位するように前記駆動手段を制御する特別制御手段(音声発光制御装置72のMPU652におけるステップS405の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴13乃至17のいずれか1に記載の遊技機。
特徴18によれば、発射手段による遊技球の発射がなされていない場合には、誘導通路への遊技球の入球の可能性が無いため、誘導通路を任意に遷移させても誘導通路内に遊技球が詰まってしまうことがない。この場合、例えば誘導通路の遷移を演出等に用いることができる。これにより、誘導通路の新たな機能を発掘し、斬新な遊技機とすることができる。
特徴19.前記特定領域は、演出実行手段の演出領域に対して下方にて並設させて設けられ、遊技球が転動する転動面を有するステージであり、
前記誘導通路は、前記ステージよりも上方の位置において前記演出領域に並設させて設けられ、入球した遊技球を前記ステージへ誘導するものであり、
当該誘導通路が前記第1状態である場合、当該誘導通路の一部を形成する変位部が前記演出領域に対して前後方向に重なり、前記誘導通路が前記第2状態である場合、前記変位部が前記演出領域に対して前後方向に重なる量が減少する又は前記変位部が前記演出領域に前後方向に重ならない構成であり、
前記特別制御手段は、前記発射停止特定手段により遊技球の発射がなされていないことが特定された場合であって、且つ前記演出実行手段により特定の演出(例えばリーチ表示)が行われている場合に、前記変位部を前記第1状態の位置と前記第2状態の位置との間で変位するように前記駆動手段を制御する演出対応特別制御手段(音声発光制御装置72のMPU652におけるステップS403及びステップS404)を備えていることを特徴とする特徴18に記載の遊技機。
特徴19によれば、発射手段による遊技球の発射がなされていない場合であって、且つ演出実行手段による特定の演出が行われている場合に、誘導通路が第1状態と第2状態との間で遷移する。誘導通路が第1状態となると変位部と演出領域とが前後方向に重なり、第2状態となると変位部と演出領域とが前後方向に重ならない又は重なる量が減少するため、特定の演出が行われて演出実行手段に注目している遊技者は誘導通路の遷移に気づきやすい。したがって、例えば特定の演出と誘導通路の遷移とを関連付けることで、新たな演出効果を創出することが可能となる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。