JP2013214612A - 配線装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】絶縁材1または配線材2の少なくとも一方よりなる柱部4を介して電気部品3を支持することにより、絶縁材1が熱膨張や熱収縮を生じた際に柱部4が撓んで配線材2と電気部品3の結合部に加わる応力を緩和できる。これにより、長期に亘って絶縁材1が温度負荷変動を繰り返し受けても、配線材2と電気部品3の結合の破損を回避することができる。また、電気部品3が柱部4の上部に支持されるため、絶縁材1と電気部品3の間に空間αが形成される。このため、接合時に「溶けた半田5」が毛細管現象により2つの配線材2を短絡させる不具合を回避できる。
【選択図】 図1
Description
背景技術を図11に示す具体的な一例を用いて説明する。
図11に示す配線装置は、絶縁材1の表面に2つの配線材2(複数の配線材2の一例)を備えている。この2つの配線材2は、絶縁材1にインサートされて固定支持されている。そして、2つの配線材2は、電気部品3(例えば、チップ型部品)を介して橋渡結合される。
なお、橋渡結合は、
・電気部品3の一方の電極を一方の配線材2に電気的且つ機械的に結合するとともに、
・電気部品3の他方の電極を他方の配線材2に電気的且つ機械的に結合するものである。
絶縁材1は、環境温度の影響や受熱等の影響により、熱膨張や熱収縮が生じる。
すると、絶縁材1の熱膨張や熱収縮に伴って、図11の矢印Aに示すように、2つの配線材2の間隔が変化する。その結果、配線材2と電気部品3の結合部(半田5を用いる場合には、配線材2と半田5の結合箇所、および電気部品3と半田5の結合箇所)に応力(物理的な力)が発生する。
そのため、絶縁材1が温度負荷変動を繰り返して受けると、配線材2と電気部品3の結合部に応力が繰り返し発生することになり、長期に亘って使用されると配線材2と電気部品3の結合が破損する可能性があり、故障を招く要因になってしまう。
また、図11に示すように、配線材2を絶縁材1にインサートすると、電気部品3が絶縁材1の表面L0に接触する、あるいは電気部品3と絶縁材1の隙間距離が極めて小さくなる。
すると、配線材2と電気部品3の結合手段として半田5を用いる場合、接合時に「溶けた半田5」が毛細管現象により「電気部品3と絶縁材1の隙間」や「電気部品3と絶縁材1による角部」に沿って流れる可能性があり、2つの配線材2が半田5を介して短絡する懸念がある。
しかしながら、特許文献1の技術には、絶縁材の熱膨張によって溶接や半田による結合箇所に加わる応力について何ら言及されていない。
これにより、環境温度の影響や受熱等の影響を受けて、絶縁材が熱膨張や熱収縮を生じても、電気部品を支持する柱部が変形(撓むなど)して、配線材と電気部品の結合部に加わる応力を緩和する。
その結果、長期に亘って絶縁材が温度負荷変動を繰り返し受けても、配線材と電気部品の結合の破損を回避することができ、信頼性を高めることができる。
本発明の配線装置は、表面L0(平面に限定しない)を備える絶縁性の絶縁材1(樹脂、セラミック等)と、この絶縁材1の表面L0に沿って設けられる導電性の配線材2とを備える。
そして、複数の配線材2が電気部品3(コンデンサ、抵抗体、ダイオード、導電性バーなど、限定されるものではない)を介して橋渡結合される構造を採用する。
・絶縁材1の表面L0に対して電気部品3が搭載される方向を上とし、
・絶縁材1の表面L0に対して電気部品3が搭載される方向と異なる方向を下とする。
なお、この上下方向は、搭載方向(実装方向)に関わらないことは言うまでも無い。
そして、電気部品3は、「絶縁材1の一部」または「配線材2」の少なくとも一方によって形成されて、絶縁材1の表面L0より上方へ向かう柱部4の上部に支持される。即ち、電気部品3は、柱部4の上部に支持されて複数の配線材2を橋渡結合する。
なお、実施例において、上記[発明を実施するための形態]と同一機能物には同一符号を付して説明するものである。
図1を参照して実施例1を説明する。
この実施例は、車両に搭載される装置に本発明を適用するものである。
具体的に、電子スロットル、電動EGRバルブ、電動スワール流コントロールバルブ、電動タンブル流コントロールバルブ、シフトバイワイヤ等に用いられる電動式の回転アクチュエータに本発明を適用するものである。
さらに具体的に説明すると、回転アクチュエータにおける2つの部材(例えば固定部材とシャフト)の相対回転を非接触で検出する磁気型の回転角センサにおいて、磁気検出を行う磁気センサ(ホール素子を用いたホールIC、MR素子を用いたMRセンサ等)を搭載する配線装置に本発明を適用するものである。
そして、上述した磁気センサがカバーに搭載される場合、カバーの一部が配線装置として用いられる。
この配線材2は、絶縁材1に固定されるものであり、具体的な一例として配線材2の一部が絶縁材1にインサートされて配線材2が絶縁材1に固定されるものである。
具体的には、図1における
・一方の配線材2と、電気部品3の一方の電極とが半田5を用いて電気的に接続されるとともに、
・他方の配線材2と、電気部品3の他方の電極とが半田5を用いて電気的に接続される。
その結果、図1に示す2つの配線材2が、電気部品3によって電気的且つ機械的に結合される。
このように、配線装置が温度変化を受けると、温度変化によって絶縁材1が熱膨張や熱収縮を生じる。
すると、絶縁材1の熱膨張や熱収縮に伴って、図1(b)の矢印Aに示すように、2つの配線材2の間隔が変化し、配線材2と電気部品3の半田箇所(結合部)に応力(物理的な力)が発生し、故障(配線材2と電気部品3の断線)を招く要因になってしまう。
そこで、この実施例の配線装置は、柱部4を介して電気部品3を支持するように設けられている。
ここで、図1(b)に示すように、
・絶縁材1の表面L0に対して電気部品3が搭載される方向を上と称し、
・絶縁材1の表面L0に対して電気部品3が搭載される方向と異なる方向を下と称して、
以下を説明する。
なお、この実施例で用いる上下方向は、説明のための方向であり、搭載方向を限定するものでないことは言うまでもない。
具体的に、この実施例の柱部4は、図1(b)に示すように、絶縁材1の一部と配線材2の両方を用いて形成される。
その結果、長期に亘って絶縁材1が温度負荷変動を繰り返し受けても、配線材2と電気部品3の断線を回避することができ、配線装置の信頼性(即ち、回転角センサの長期信頼性)を高めることができる。
配線材2と電気部品3は、上述したように、半田5を用いて電気的に接続される。
一方、電気部品3は、上述したように、柱部4の上部に支持された状態で2つの配線材2を橋渡結合する。
このため、接合時に「溶けた半田5」が毛細管現象により2つの配線材2を短絡させる不具合が生じない。その結果、配線装置の信頼性(即ち、回転角センサの長期信頼性)を高めることができる。
図2を参照して実施例2を説明する。なお、以下の各実施例において上記実施例1と同一符号は同一機能物を示すものである。
この実施例2は、柱部4を配線材2のみで形成するものである。
このように設けても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
図3を参照して実施例3を説明する。
この実施例3は、「柱部4を成す絶縁材1の幅W1」を「絶縁材1に支持される配線材2の幅W2」より大きく設けるものである(W1>W2)。
このように設けても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
図4を参照して実施例4を説明する。
この実施例4は、「絶縁材1に支持される配線材2の一部(配線材2の下側)」が「柱部4を成す絶縁材1」にインサートされるものである。
このように設けても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
図5を参照して実施例5を説明する。
この実施例5は、配線材2のうち、電気部品3に接続される部位の近傍のみに柱部4を設けたものである。
このように設けても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
図6を参照して実施例6を説明する。
この実施例6は、上記実施例5と同様、配線材2のうち、電気部品3に接続される部位の近傍のみに柱部4を設けたものである。
さらにこの実施例6は、柱部4を成す部位の配線材2に曲折部βを形成したものである。
このように設けても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
また、曲折部βを用いて配線材2が上方へ立ち上がるため、柱部4(配線材2が上方へ立ち上がる範囲)によって大きな応力吸収効果が期待できる。
図7を参照して実施例7を説明する。
この実施例7は、上記実施例6と同様、柱部4を成す部位の配線材2に曲折部βを設けたものである。
具体的な一例として、柱部4を成す部位の配線材2に、断面が略クランク形状を呈する曲折部βを設けたものである。
このように設けても、実施例1および実施例6と同様の効果を得ることができる。
図8を参照して実施例8を説明する。
この実施例8は、柱部4の製造方法の一例を示すものである。
具体的な一例として、この実施例8の柱部4は、
・柱部4を成す絶縁材1の幅をW1、
・絶縁材1に支持される配線材2の幅をW2、
とした場合、図8に示すように、
W1=W2
の関係に設けられる。
W1=W2
の関係に設ける例を示すが、
W1≧W2
の関係であれば良い。
W1≧W2
の関係を満足することにより、図8に示すように、成形時において、絶縁材1を形成する際に用いられる成形型Xを、絶縁材1に対して真上に引き抜くことができる。
これにより、絶縁材1の成形時における工程数の増加を防ぐことができ、柱部4を設けることによるコスト上昇を防ぐことができる。
図9を参照して実施例9を説明する。
この実施例9は、電気部品3を橋渡結合させる2つの柱部4の間の絶縁材1に、配線材2の下面L1より下方へ窪む凹部γを設けるものである。
具体的な一例として、この実施例9の凹部γは、
・断面形状が矩形形状を呈するものであり、
・凹部γの下端位置L2が絶縁材1の表面L0と同じレベルに設けられるものである。
図10を参照して実施例10を説明する。
この実施例10は、上記実施例9と同様、2つの柱部4の間の絶縁材1に、配線材2の下面L1より下方へ窪む凹部γを設けるものである。
そして、この実施例10の凹部γは、
・断面形状がV字形状を呈するものであり、
・凹部γの下端位置L2が絶縁材1の表面L0より下方に設けられるものである。
このように設けても、実施例9と同様の効果を得ることができる。
2 配線材
3 電気部品
4 柱部
L0 絶縁材の表面
Claims (5)
- 表面(L0)を備える絶縁性の絶縁材(1)と、この絶縁材(1)の表面(L0)に沿って設けられる導電性の配線材(2)とを備え、
複数の前記配線材(2)が電気部品(3)を介して橋渡結合される配線装置において、
前記絶縁材(1)の表面(L0)に対して前記電気部品(3)が搭載される方向を上とし、
前記絶縁材(1)の表面(L0)に対して前記電気部品(3)が搭載される方向と異なる方向を下とした場合、
前記電気部品(3)は、前記絶縁材(1)の一部または前記配線材(2)の少なくとも一方によって形成されて、前記絶縁材(1)の表面(L0)より上方へ向かう柱部(4)に支持されることを特徴とする配線装置。 - 請求項1に記載の配線装置において、
前記配線材(2)と前記電気部品(3)は、半田(5)を用いて電気的に接続されることを特徴とする配線装置。 - 請求項1または請求項2に記載の配線装置において、
前記柱部(4)を成す部位における前記配線材(2)は、前記絶縁材(1)と前記電気部品(3)との間に曲折部(β)を備えることを特徴とする配線装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の配線装置において、
前記柱部(4)を成す前記絶縁材(1)の幅をW1、
前記絶縁材(1)に支持される前記配線材(2)の幅をW2、
とした場合、
W1≧W2
の関係を満足することを特徴とする配線装置。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の配線装置において、
前記電気部品(3)を橋渡結合させる2つの前記柱部(4)の間の前記絶縁材(1)には、前記配線材(2)の下面(L1)より下方へ窪む凹部(γ)が設けられることを特徴とする配線装置。
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- 2012-04-02 JP JP2012083955A patent/JP2013214612A/ja active Pending
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