JP2013212906A - シート搬送装置、画像形成装置およびシート搬送装置におけるモーターのクリーニング方法 - Google Patents

シート搬送装置、画像形成装置およびシート搬送装置におけるモーターのクリーニング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ブラシモーターを駆動源として使用するシート搬送装置を低速で駆動する場合において、搬送効率を低下させることなくブラシモーターのブラシと整流子間の導電不良の発生を防止する。
【解決手段】ピックアップローラー211と給紙ローラー212はワンウェイクラッチを介してブラシモーターにより回転駆動されるように構成されており、厚紙の搬送のためシステム速度が低速に設定されている場合において、ブラシモーターで低速で正転駆動された給紙ローラー212により搬送されている記録シートの先端が下流側の搬送ローラー対214のニップ部を通過してPの位置に到達した時刻t2の後に、当該ブラシモーターに印加する電圧と正負を逆転させた高い電圧を印加して反転駆動させることにより(時刻t3から時刻t4まで)、ブラシモーターの整流子やブラシの表面に堆積した絶縁被膜を除去する。
【選択図】図5

Description

本発明は、シート搬送装置、特に、ブラシモーターを駆動源として有するシート搬送装置、当該シート搬送装置を備えた画像形成装置および当該シート搬送装置におけるモーターのブラシと整流子の接触面のクリーニング方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置においては、感光体の表面に形成したトナー像を、給紙装置により搬送されてきた記録シート上に転写して画像が形成される。
このような給紙装置では、給紙カセットに収納された記録シートをピックアップローラーで繰り出した後、複数対の搬送ローラー対を介して、上記トナー像の転写位置まで搬送するように構成される。
上記ピックアップローラーや各搬送ローラー対などの給紙系の駆動源として、ブラシモーターが使用される場合が多い。ブラシモーターは、比較的安価でありながら駆動トルクが大きく、印加する電圧の大きさに比例して回転速度が変化するので、駆動制御が容易であるという利点があるからである。
特開昭59−136094号公報
ところで、ブラシモーターは、上記のような利点がある一方で、その構造上、ブラシや整流子(コミュテーター)の表面に放電生成物として黒鉛状の絶縁被膜が発生しやすいという短所がある。
周知の通り、典型的なブラシモーターは、ローター側にコイルを巻回し、ローター軸と共に回転する一対の整流子にブラシを接触させて当該コイルに給電する構造となっており、特に、整流子からブラシにスパーク放電が十分発生しないときに、整流子やブラシの表面に絶縁被膜が形成されていく。
このような絶縁被膜は、ブラシモーターに一定以上の電圧を印加して駆動している間は、当該電圧により絶縁破壊が生じて絶縁被膜が除去されるので、特に支障は生じない。
しかし、例えば、画像形成装置において、厚紙などに印字する場合には、定着装置において厚紙に供給する熱量が不足して定着不良とならないように、システム速度を低速に切り換えるように構成されており、この際、給紙系のブラシモーターに印加する電圧も低くなるように制御するので、上記絶縁破壊による被膜除去が生じにくい。
そのため、システム速度を低速で駆動する時間が長くなれば、徐々に絶縁被膜が整流子やブラシ表面に堆積して、やがて導電不良となって、ブラシモーターを適切に駆動できなくなってしまう。
そこで、例えば、システム速度が低速のジョブを実行する直前に、ブラシモーターに所定時間だけ高い電圧を印加して空回転させ、上記整流子やブラシの接触面に形成された絶縁皮膜を絶縁破壊により除去する処理(以下、ブラシモーターに高電圧を印加して絶縁皮膜を除去する処理を、「クリーニング処理」という。)を実行することが考えられるが、ジョブの実行開始がそれだけ遅れると共に、実際に給紙を開始していないにも拘わらずクリーニング処理のためのモーターの回転音が発生するため、ユーザーに違和感を与えるおそれがある。
また、仮に、ジョブの実行前にクリーニング処理を実行したとしても、厚紙でのジョブ量が多く、低速での連続駆動時間が長時間に及ぶと、その間に絶縁不良が発生してしまうため、ジョブを途中で中断してクリーニング処理を実行しなければならず、これにより搬送効率(生産性)が低下する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ブラシモーターを駆動源とする場合に、生産性を低下させることなく、また、不自然なタイミングでモーターの回転音も発生させずに、導電不良の発生を効果的に防止して低速でも安定的に駆動制御できるシート搬送装置、画像形成装置、および当該シート搬送装置におけるブラシモーターのクリーニング方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係るシート搬送装置は、シートを搬送するシート搬送装置であって、第1のローラー対を、シート搬送方向にのみ駆動力を伝達するワンウェイクラッチを介して駆動する第1のモーターと、第1のローラー対のシート搬送方向下流側に配された第2のローラー対を駆動する第2のモーターと、第1と第2のモーターの駆動をそれぞれ制御する駆動制御手段と、を備え、前記第1のモーターは、ブラシモーターであって、前記駆動制御手段は、第1のローラー対により搬送されているシートの先端が第2のローラー対のニップ部に突入した後に、第1のモーターに、シート搬送時に印加する第1の電圧と正負が逆で、かつその絶対値が第1の電圧より大きな第2の電圧を印加して反転駆動させることにより、第1のモーターにおけるブラシと整流子の接触面のクリーニング処理を実行することを特徴とする。
上記構成のように、ブラシモーターである第1のモーターの駆動力は、ワンウェイクラッチを介して搬送ローラー対に連結されているので、シート先端部が搬送方向下流側の第2のローラー対のニップ部に突入した後は、第1のモーターを逆転させてもシートの搬送状態に悪影響を及ぼさない。そのため、第1モーターに、搬送時とは正負が逆であって絶対値の大きな電圧を印加して、整流子表面に付着した放電生成物を絶縁破壊して除去するクリーニング処理を実行することができる。また、この第1のモーターの逆転は、給紙の開始後であって、シート搬送のため下流側の搬送ローラー対の駆動中に行えるので、その駆動音などがユーザーに違和感を与えることもなく、給紙開始前や給紙中断してクリーニング処理を実行することもないので、搬送効率を低下させることもない。
また、シートが連続して搬送される場合において、前記駆動制御手段は、第1のモーターにより駆動されるローラーのうちシート搬送方向最上流側に位置するローラーによって次のシートを搬送するタイミングに至るまでに、前記クリーニング処理を終了させることとしてもよい。
ここで、「第1のモーターにより駆動されるローラーのうちシート搬送方向最上流側に位置するローラー」とは、第1のモーターでシート搬送方向に沿って並んだ複数のローラーを駆動するような場合には、そのうちのシート搬送方向の最上流側のローラーを意味し、もし、駆動対象が第1のローラー対のみであれば、当該第1のローラー対自身が最上流側のローラーとなる。また、「最上流側に位置するローラーによって次のシートを搬送するタイミングに至るまで」とは、具体的には、当該最上流側に位置するローラー(最上流側ローラー)の種類と機能によって異なる。例えば、当該最上流側ローラーがピックアップローラーの場合は、給紙カセット内に収納されている次のシートの搬送(繰出し)のタイミングまでという意味であり、当該最上流側ローラーが搬送路途中に配設された一対の搬送ローラー対である場合には、次のシートの先端が当該搬送ローラー対のニップ部に到達する直前のタイミングまでであることを意味する。
また、前記第1のモーターのブラシと整流子のクリーニングに必要なクリーニング時間を取得するクリーニング時間取得手段を備え、前記制御手段は、前記クリーニング時間が経過すると、直ちにクリーニング処理を終了させることを特徴としてもよい。
ここで、前記クリーニング時間取得手段は、前記第1のモーターの整流子とブラシの各接触面に堆積する絶縁被膜の量を推定し、前記推定された絶縁被膜の堆積量に基づいて前記クリーニング時間を取得することとしてもよい。
ここで、また、前記クリーニング時間取得手段は、第1のモーターの回転速度と、当該回転速度における累積駆動時間とに基づき、前記絶縁被膜の堆積量を推定することとしてもよい。
また、前記推定された絶縁皮膜の堆積量が、所定の閾値未満の場合には、前記クリーニング処理を禁止する禁止手段を備えることとしてもよい。
さらに、また、シートの搬送速度は、第1と第2のモーターに印加する電圧を変更することにより、第1の搬送速度と、第1の搬送速度よりも遅い第2の搬送速度とに選択的に切り換え可能であって、前記駆動制御手段は、前記第2の搬送速度に設定されている場合においてのみ、当該第2の搬送速度時に印加される電圧を前記第1の電圧とし、この第1の電圧と正負が逆で、かつその絶対値が第1の電圧より大きな所定電圧を前記第2の電圧として前記クリーニング処理を実行することとしてもよい。
また、本発明の別の態様は、給紙カセットから給紙された記録シートに画像を形成する画像形成装置であって、前記記録シートを給紙する装置として、上記のシート搬送装置が用いられていることを特徴とする。
本発明のさらに別の態様は、第1の搬送ローラー対をシート搬送方向にのみ駆動力を伝達するワンウェイクラッチを介して駆動する第1のモーターと、第1の搬送ローラー対のシート搬送方向下流側に配された第2の搬送ローラー対を駆動する第2のモーターとを備えたシート搬送装置において、第1のモーターがブラシモーターである場合の当該第1のモーターのブラシと整流子の接触面のクリーニング方法であって、第1の搬送ローラー対により搬送されてくるシートの先端が、第2の搬送ローラー対のニップ部に突入した後、第1のモーターにシート搬送時に印加する電圧と正負を逆転させた所定電圧を印加して反転駆動することにより第1のモーターのクリーニングを実行することを特徴とする。
本発明の実施の形態に係るプリンターの全体構成を示す概略図である。 上記プリンターにおける給紙部のうち、上側の給紙カセットからレジストローラー対までの給紙経路における構成を示す図である。 上記プリンターの制御部の構成を示すブロック図である。 (1)は、給紙モーターのドライバーICにおける駆動回路の要部を示す図であり、(2)の(a)〜(c)は、制御部のCPUからドライバーICに付与されるパルス波形の例を示す図である。 (a)は、記録シートの先端の移動状態を示す図であり、(b)は、上記移動状態に対応する給紙モーターの駆動制御の内容を示すタイムチャートである。 上記制御部で実行される給紙モーターの駆動制御の内容を示すフローチャートである。 図6のフローチャートにおけるステップS103の反転駆動時間取得処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 用紙の種類とモーターの回転速度(印加電圧)等との関係を示すテーブルである。
以下、本発明に係るシート搬送装置の実施の形態を、タンデム型カラープリンター(以下、単に「プリンター」という。)の給紙部に適用した場合を例にして説明する。
(1)プリンターの全体構成
図1は、本実施の形態に係るプリンター1の全体構成を示す概略図である。
プリンター1は、公知の電子写真方式により記録シート上に画像を形成するものであり、画像形成部10と、給紙部20、定着部30および制御部40を備え、通信ネットワーク(例えばLAN)を介して外部の端末装置(不図示)から受け付けたプリントジョブに基づき、カラーもしくはモノクロのプリントを選択的に実行する。
画像形成部10は、中間転写ベルト110の走行方向に沿って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の現像色に対応した作像ユニット101Y〜101Kを列設してなる。
作像ユニット101Y〜101Kは、いずれも同様の構成を備えており、円筒形状の感光体ドラム102の外周面を帯電器103にて一様に帯電させて所定の電位とした後、その帯電領域を、画像データに基づき露光器104により露光走査して静電潜像を形成する。現像器105の現像ローラー105aによって感光体ドラム102の外周面上に供給して静電潜像を現像し、トナー像を形成する。
各作像ユニット101Y〜101Kの現像器105内のトナー残量が、所定値以下となった場合には、それぞれの上方に配されたトナーカートリッジ108Y〜108KからYMCK各色のトナーが補充されるようになっている。
一次転写ローラー106Y〜106Kには、一次転写電圧が印加されており、トナーを静電吸着することによって、各感光体ドラム102の外周面上のトナー像を中間転写ベルト110上に一次転写する。
一次転写後、各感光体ドラム102の外周面に残留するトナーは、クリーナー107により除去される。
中間転写ベルト110は、駆動ローラー111と従動ローラー112とに張架されており、駆動ローラー111を不図示の駆動源により回転駆動することにより、図の矢印A方向に回転走行する。
カラーのプリント(カラーモード)を実行する場合には、作像部101Y〜101K毎に、対応する色のトナーが感光体ドラム102上に作像され、その作像されたトナー像それぞれが中間転写ベル110上に転写される。このY〜Kの各色の作像動作は、各色のトナー像が、走行する中間転写ベルト110の同じ位置に重ね合わせて転写されるようにベルト走行方向の上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。
給紙部20は、上記の作像タイミングに合わせて、ユーザーにより指定された給紙カセット21(または22)から、ピックアップローラー211(または221)により記録シートSを1枚ずつ繰り出する。
繰り出された記録シートSが、搬送ローラー対214、レジストローラー対215などを介して二次転写ローラー113と中間転写ベルト110と対向する位置(二次転写位置)まで搬送され、中間転写ベルト110上に形成された各色トナー像が2次転写ローラー113の静電作用により記録シートSに一括して二次転写される。
各色のトナー像が二次転写された後の記録シートSは、定着部30まで搬送され、定着部30において加熱、加圧されることにより、その表面のトナーが記録シートSの表面に融着して定着された後、排出ローラー対216を介して排紙トレイ217上に排出される。
上記では、カラーモードを実行する場合の動作を説明したが、モノクロ、例えばブラック色のプリント(モノクロモード)を実行する場合には、ブラック色用の作像部101Kだけが駆動され、上記と同様の動作によりブラック色に対する帯電、露光、現像、転写、定着の各工程を経て記録シートSにブラック色の画像形成(プリント)が実行される。
なお、中間転写ベルト110上の、記録シートSに転写しきれなかったトナーは、中間転写ベルト110を挟んで従動ローラー112に対向する位置に配されたクリーニング装置109により除去される。
装置本体の正面側かつ上側であり、ユーザーの操作し易い位置に、操作パネル50(図1では不図示。図3参照)が配置される。操作パネル50は、ユーザーからの各種指示を受け付けるボタンやタッチパネル式の液晶表示部などを備えており、当該受け付けた指示内容を制御部40に伝え、あるいはプリンター1の状態を示す情報などを液晶表示部に表示する。
制御部40は、通信ネットワークを介して外部の端末装置から受け付けたプリントジョブのデータに基づき画像形成部10、給紙部20、定着部30などを制御して円滑なプリント動作を実行させる。
(2)給紙部
図2は、上記プリンター1の給紙部20のうち、給紙カセット21のピックアップローラー211、給紙ローラー212、搬送ローラー対214、レジストローラー対215により形成されるシート搬送経路を拡大して示す図である。
ピックアップローラー211により繰り出された記録シートSは、給紙ローラー212と捌きローラー213のニップ部(捌きニップ部)を通過する。捌きローラー213には、不図示のトルクリミッターにより搬送方向(矢印B方向)と反対方向に作用する所定の負荷トルクが与えられており、もし、ピックアップローラー211により記録シートSの二重送りが生じた場合には、捌きニップ部において1枚に捌かれる。
給紙ローラー212・捌きローラー213で捌かれた記録シートSは、搬送ローラー対214を介して、記録シートの搬送方向下流側のレジストローラー対215まで搬送される(以下、本明細書において、記録シートの搬送方向における下流側、上流側を、それぞれ単に「下流側」、「上流側」という。)。
このときレジストローラー対215は、回転を停止しており、記録シートSの先端がレジストローラー対215のニップ部に当接した後、そのまま所定時間搬送ローラー対214の回転を継続させると、搬送ローラー対214とレジストローラー対215間の記録シートSに所定量のループが生成され、記録シートSの腰の強さにより、記録シートSの先端がレジストローラー対215のニップ部に沿った状態になる。
その後、所定のタイミングでレジストローラー対215を回転させて記録シートSを送り出すことにより、記録シートのスキュー(斜行)が補正された状態でさらに下流側の二次転写ローラー113(図1)に向けて搬送される。
なお、ピックアップローラー211と、給紙ローラー212はそれぞれ、ワンウェイクラッチ231、232を介して同一の給紙モーター221により回転駆動される。
搬送ローラー対214、レジストローラー対215も、それぞれワンウェイクラッチ233、234を介して搬送モーター222、タイミングモーター223によりそれぞれ回転駆動される。なお、上記給紙モーター221、搬送モーター222、タイミングモーター223は全てブラシモーターが使用されている。また、本実施の形態では、「ローラー対」を回転駆動する場合は、どちらか一方のローラーのみをモーターで駆動し、他方は従動駆動されるものとする。
ワンウェイクラッチ231〜234は、それぞれ一方の回転方向のみ動力を伝達する周知のものであり、本実施の形態では、記録シートを下流側(二次転写ローラー113(図1)側)に搬送すべく、各ブラシモーター221〜223を所定方向に回転(以下、「正転」という。)させたとき、その回転力が対応するローラー211、212、214、215の回転軸に伝達されるが、停止もしくは逆転のときには空回転するようになっている。
また、符号241は、搬送センサー、符号242はタイミングセンサーであり、それぞれ、例えば、発光素子と、発光素子から射出された光の記録シートSからの反射光を検出する受光素子を備える反射型光電センサーからなり、それぞれの検出位置にて、記録シートSの先端もしくは後端を検出するために使用される。
制御部40は、例えば、搬送センサー241の検出信号がOFFからONに立ち上がったとき、記録シートSの先端が搬送センサー241の検出位置を通過したものと判定し、ONからOFFに立ち上がったとき、記録シートSの後端が搬送センサー241の検出位置を通過したものと判定する。
制御部40は、上記搬送センサー241、タイミングセンサー242により検出結果に基づき、円滑な給紙制御を実行する。
(3)制御部40の構成
図3は、制御部40の主要な構成を示すブロック図である。なお、図3では、説明の便宜上、被制御対象である画像形成部10、給紙部20、定着部30などは、図示を省略し、給紙部20のモーターのうち、特に図2で図示した各モーター、センサーと制御部40の関係を中心に示している。
図3に示すように、制御部40は、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403、NIC(Network Interface Card)404、データ記憶部405、および各ブラシモーターを駆動するためのドライブIC(Integrated Circuit)などを備える。
CPU401は、プリンター1への電源投入時などにおいてリセットされると、ROM402から、制御プログラムを読み出し、RAM403を作業用記憶領域として、当該制御プログラムを実行する。
また、CPU401は、制御プログラムの実行に必要なデータを不揮発性のデータ記億部405から読み出したり、データ記億部405に記録したりする。更に、CPU401は、NIC404により、LANなどの通信ネットワークを介して他の装置とデータの送受信を行う。これによって、CPU401は、他の装置から印刷データを含む印刷指示(プリントジョブ)を受信し、印刷データをデータ記億部405を格納する。
CPU401は、上記受信した印刷指示に基づき、取得した印刷データに基づき、タイミングを計りながら上記画像形成部10、給紙部20、定着部30の動作を統一的に制御し、画像形成動作を円滑に実行させる。
制御部40には、ドライバーIC(Integrated Circuit)411〜413が搭載されており、CPU401から回転方向信号とPWM(Pulse width Modulation)信号との入力を受けて、それぞれ給紙部20における給紙モーター221、搬送モーター222、タイミングモーター223を回転駆動する。
ドライバーIC411〜413は、公知のブラシモーター用ドライバーICである。
図4(1)は、例えば、ドライバーIC411に含まれるブラシモーターの駆動回路420の構成を示す図であり、図4(2)は、CPU401によりドライバーIC411に出力されるPWM言号の波形を示す図である。
図4(1)に示されるように、当該駆動回路は、4つの半導体スイッチ素子、ここではMOSFET(Meta1 0xide Semiconductor Field Effect Transistor)421〜424を備えている。
4つのMOSFETのうち、MOSFET421、424をオンさせると共に、MOSFET422、423をオフさせて図の実線矢印方向にPWM信号を流すと、ブラシモーターである給紙モーター221を正転させることができる。
また、MOSFET421、424をオフさせると共に、MOSFET422、423をオンさせて図中の破線矢印方向にPWM信号を流すと、電圧の正負が逆転して給紙モーター221を反転させることができる。
給紙モーター221の回転速度は、PWM信号のデューティ比を変化させることによって制御される。正転時にオンデューティ(本実施の形態においては、PWM信号の電圧値がHi(24V)となるデューティ比。)を小さくすると、給紙モーター221に印加される平均電圧が低くなって、給紙モーター221の回転速度が低くなる(図4(2)の(a))。
一方、オンデューティを大きくすると、回転速度を高くすることができる(図4(2)の(b))。なお、本実施の形態におけるPWM信号のオフ電圧は0Vである。
反転時にも給紙モーター221の回転速度はデューティ比によって制御される。すなわち、PWM信号が24[V]となるオンデューティが大きければ、回転速度は高くなり、オンデューティが小さければ、回転速度は低くなる(図4(2)の(c))。
他のドライバーIC412、413についても回路構成と動作はドライバーIC411と全く同様である。
このように、CPU401は、各給紙モーター221、搬送モーター222、タイミングモーター223の回転方向を指示する回転方向信号をドライバーIC411〜413に入力することによって、MOSFET401〜404のオンオフを制御する。また、CPU401は、PWM信号をドライバーIC411〜413に入力することによって、各モーター221〜223に印加される平均電圧を制御して、回転速度を制御する。
既述のように、普通紙に画像を形成する場合と、厚紙に画像を形成する場合とでは、システム速度が異なり、記録シートSの種類に応じて給紙部20におけるブラシモーターの回転速度が制御される。
すなわち、普通紙に画像形成する場合には、システム速度を早くするためにオンデューティが大きく、平均電圧が高くなるように、また、厚紙に画像形成する場合には、システム速度を遅くするためにオンデューティが小さく、平均電圧が低くなるようにCPU401からPWM信号が出力される。
普通紙に画像形成する際にはブラシモーター400の整流子に印加される平均電圧が高くなるので、整流子やブラシの相互の接触面に絶縁被膜が形成されても、直ちに絶縁破壊され除去される。
一方、厚紙に画像形成する際には、各ブラシモーターに印加される平均電圧が低くなるので、上記絶縁被膜はそのままでは容易に除去されない。
そのため、本実施の形態において、制御部40は、厚紙の記録シートに画像形成する際に、給紙後の搬送に寄与しない期間内においてブラシモーターを強制的に高速で反転させてクリーニング処理を実行するようにしている。
(4)制御部40による給紙制御
(4−1)給紙制御の概要
次に、制御部40による給紙制御の概要について、特に、厚紙の記録シートを給紙すべく低速駆動されている場合に実行されるクリーニング処理に着目して説明する。
図5(a)は、搬送対象となる記録シートのピックアップローラー211からレジストローラー対215のニップ部下流側までの移動状態を示すものであり、縦軸は、記録シート先端の搬送経路上の位置を表しており、下側が搬送経路上の上流側(ピックアップローラー211側)を、上側が下流側(レジストローラー対215側)をそれぞれ示す。横軸は経過時間を表す。
また、図中、実線は1枚目の記録シートの先端位置を表し、破線は1枚目の記録シートに引き続いて搬送される2枚目の記録シートの先端位置を表している。
図5(b)は、上記記録シートの給紙動作における給紙モーター221の制御内容を説明するためのタイミングチャートであり、横軸の上方が正転駆動、下方が反転駆動を示している。
図5(a)、(b)に示されるように、時刻t0で、給紙モーター221を正回転駆動開始してピックアップローラー211、給紙ローラー212を回転させて記録シートを繰り出す。
時刻t1で搬送ローラー対214のニップ部に到達し、記録シートの先端が当該ニップ部を通過して位置Pに到達したとき(時刻t2)に給紙モーター221の回転を停止させる。
上述のように給紙モーター221が停止しても、給紙モーター221とピックアップローラー211、給紙ローラー212はワンウェイクラッチ231、232を介して連結されているので、ピックアップローラー211、給紙ローラー212は空回りし、記録シートはそのまま搬送ローラー対214によって下流側に搬送され続ける。
そして、給紙モーター221が完全に停止した直後の時刻t3に、給紙モーター221に、正転時と逆方向の電圧であって、その絶対値が、正転時の低速駆動時の電圧よりも大きく絶縁膜を絶縁破壊するに足る電圧(以下、「クリーニング電圧」という。本実施の形態では、−24Vとしている。)を印加して整流子およびブラシのクリーニング処理を実行する。上述のようにワンウェイクラッチ231、232の介在により、給紙モーター221が逆転してもピックアップローラー211、給紙ローラー212は空回転しているため、記録シートの搬送に支障は生じない。
このクリーニング処理は、次の記録シートの給紙開始時刻t5の直前の時刻t4まで行われる。
時刻t6に先の記録シートの先端が、停止中のレジストローラー対215のニップ部に到達して、ここで先端は停止し、搬送ローラー対214との間でループを形成してスキュー補正を行う。本実施の形態では、例えば、記録シートSの先端が、タイミングセンサー242で検出されてから上記所定量のループが形成されるまでの時間が、予め計算もしくは実験などで求められてROM402などに格納されており、制御部40はタイミングセンサー242での記録シートSの先端検出後、上記時間が経過するまで搬送ローラー対214を回転させた後、停止させるようにしている。
その後、時刻t7のタイミングでレジストローラー対215の正転を開始して、記録シートを二次転写ローラー113方向に送り出す。
一方、時刻t5に、給紙モーター221を低速で正転させピックアップローラー211により、2枚目の記録シートを繰り出し、以後上記と同様な制御を繰り返して下流側に搬送していく。3枚目以降の給紙も同様である。
このように厚紙の給紙時には、給紙モーター221を低速駆動し、記録シートの先端が、下流側のローラー対(搬送ローラー対214)のニップ部を通過した後、速やかに給紙モーター221を高速で反転駆動させるような絶対値の大きなクリーニング電圧を印加して、ブラシのクリーニング処理が実行されるので、ブラシと整流子間の常に良好な導電状態を維持することができる。
この際、給紙モーター221の駆動対象となるローラー(ピックアップローラー211、給紙ローラー212)とは、ワンウェイクラッチを介して接続されているので、逆転させても記録シートの搬送に支障は生ずることはない。そして、次の記録シートの給紙のタイミングまでにクリーニング処理を終了して、通常の給紙動作に移行するので、連続して給紙する際にも支障なくクリーニング処理を実行することができる。
なお、後述するように、絶縁膜の堆積量が少ない場合には、クリーニング処理の時間を短縮してもよいし、場合によっては記録シート搬送毎にクリーニング処理を実行しなくてもよい。これにより、無駄な電力消費をなくし、節電に寄与することができる。
(4−2)給紙モーターの駆動制御のフローチャート
以下、給紙時における給紙部20による各ブラシモーターの具体的な駆動制御の内容について、制御対象が給紙モーター221の場合について説明する。
本実施の形態では、ユーザーが操作パネル50から給紙カセットごとに、収納されている記録シートの種類(厚紙(本例では表面に光沢加工などしたコート紙も含む)か普通紙)について予め登録できるようになっている。
また、外部端末のプリンタードライバーからプリントジョブを発行する際に、給紙カセットを指定できるようになっており、プリンター1の制御部40は、NIC404を介して受信したプリンタジョブを受信したとき、そのヘッダに含まれる指示に基づき給紙カセットを選択して給紙する構成とする。
なお、本実施の形態では、図8のテーブルに示すように、普通紙は、その用紙の坪量が48g/m2〜90g/m2のものをいい、厚紙は、91g/m2〜300g/m2のものをいう。
普通紙の場合にブラシモーターに定格電圧24Vが印加され、その際のモーター回転速度は、3200回転/分となる高速駆動が行われ、厚紙の場合には、印加する電圧が6Vとなり、800回転/分の低速駆動が行われるようになっている。
図6は、プリントジョブにおいて給紙カセット21が選択されたときの制御部40により実行される給紙モーター221の駆動制御の内容を示すフローチャートである。
このフローチャートは、例えば、プリンター1全体の動作を制御するメインフローチャート(不図示)における給紙処理の実行時にコールされて実行される。
まず、給紙カセット21に収納されている記録シートが普通紙であるか否かを判定する(ステップS101)。上述のように、予めユーザーが操作パネル50から、給紙カセット毎に用紙の種類を入力して、データ記憶部405内のテーブルに登録しているので、このテーブルを参照して、ステップS101の判定を行う。
もし、給紙カセット21に収納されている記録シートが、普通紙でなく厚紙であれば(ステップS101:NO)、給紙モーター221に電圧6Vを印加して、低速で正転駆動して、ピックアップローラー211により給紙カセット21の記録シートを繰出し、給紙ローラー212と捌きローラー213の捌きニップ部で捌きながら、下流側に搬送する(ステップS102)。
次に、給紙モーター221のクリーニング処理を実行する時間(反転駆動時間tc)を求める反転駆動時間取得処理を実行する(ステップS103)。
図7は、この反転駆動時間取得処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
まず、ステップS201において、前回のクリーニング後(ここでは、低速駆動時における、高速反転駆動による積極的なクリーニング処理のほか、普通紙のプリントの際における高速正転駆動により実行されるクリーニングも含むものとする)に電圧給紙モーター221を低速駆動した累積時間Tdを取得する。
この累積時間Tdは、例えば、給紙モーター221を低速駆動するごとにその回転時間をCPU401で計時して加算していくことに得られる。累積時間Tdは、データ記憶部405に記憶されて更新されていき、一連のクリーニング処理や、普通紙のプリントジョブを実行する度にリセットされるようになっている。
次に、上記低速回転の累積時間Tdに基づき、整流子表面やブラシの表面における絶縁被膜の堆積量(被膜堆積量)Dを推定する(ステップS202)。
絶縁被膜は、整流子の回転時に、整流子とブラシとの接触面で生じる微小放電によって生成されると考えられるので、その被膜堆積量Dは、整流子が、その回転によりブラシと接触した延べ面積に比例すると解される。当該延べ面積は、ブラシモーターの回転速度×回転時間に比例するので、本実施の形態では、被膜堆積量Dを次式により求めている。
D=K1×V1×Td
係数K1は、比例係数であって、予め実験を繰り返すことにより求めることができる。V1は、低速駆動時の回転速度(本実施の形態では、800回転/分)である。Tdは、上述のように前回のクリーニング後に実行された低速駆動の累積時間(分)である。
そして、クリーニング処理時に給紙モーター221を高速で反転駆動すべき時間(反転駆動時間)tcを演算で求める(ステップS203)。
この時間は、クリーニング電圧(−24V)を印加した整流子の周方向の単位時間の延べ長さに反比例すると考えられ、当該延べ長さは、回転速度に比例するので、本実施の形態では、次式により、反転駆動時間tcを求めている。
tc=K2×D/V3
係数K2は、予め実験を繰り返すことにより求めることができる。V3は、高速反転時の回転速度(本実施の形態では、3200回転/分)である。
ステップS203の完了後、図6のフローチャートにリターンする。
なお、ステップS202、ステップS203でそれぞれ得られた被膜堆積量D、反転駆動時間tcは、例えば、RAM403に一時的に保存される。
図6のステップS104において、記録シートの先端が、下流側の搬送ローラー対214にニップ部を通過して位置P(図2参照)に到達したか否かを判定する。
この判定は、記録シートの先端が搬送センサー241により検出された後、次式で求まる時間tpが経過したか否かで判断できる。
tp=(搬送センサー241の検出位置から位置Pまでの搬送路上の距離)/(低速駆動時におけるシート搬送速度)
このような時間tpの値が、予め求められてROM402内に格納されており、制御部40はこれを参照して、ステップS104の判定を行う。
記録シートの先端が、位置Pに到達していなければ(ステップS104:NO)、ステップS103に戻って、被膜堆積量Dと反転駆動時間tcを更新する。
記録シートの先端が、搬送ローラー対214の位置Pに到達すると(ステップS104:YES)、給紙モーター221の正転駆動を停止する(ステップS105)。
そして、ステップS103で求めた被膜堆積量Dが、所定の閾値以上であるか否か判定する(ステップS106)。被膜堆積量Dが少なく、ブラシから整流子への給電に支障の生じない場合には、直ちにクリーニング処理を実行する必要はなく、節電の方を優先するためである。
したがって、当該閾値の値もこの観点から予め実験により決定される。もっとも、本実施の形態では、安全率を見越して、実験により確実に絶縁不良が発生すると想定される堆積量よりも、例えば、10分間連続駆動した場合の堆積量に相当する値を減じて設定されている。
ステップS106において、被膜堆積量Dが閾値以上であると判定されたら(ステップS106:YES)、給紙モーター221に−24Vの電圧を印加して高速で反転駆動させ、クリーニングを開始する(ステップS107)。
その後、ステップS103で求めた反転駆動時間tcが経過すると(ステップS108:YES)、給紙モーター221の反転駆動を停止し、クリーニングを終了する(ステップS109)。
まだ、プリントジョブが終了しておらず、次の記録シートを搬送する必要がある場合には(ステップS110:YES)、ステップS102に戻り、所定のタイミングで給紙モーター221を低速正転駆動させて、次の記録シートの給紙を開始し、以下ステップS103〜S110の処理をジョブが終了するまで繰り返し実行する。
ジョブが終了し、上記ステップS110で次の記録シートを搬送する必要がないと判定された場合には(ステップS110:NO)、給紙モーター駆動制御を終了してメインフローチャートにリターンする。
また、ステップS101で、選択された給紙カセット21に普通紙が収納されていると判断された場合には、給紙のタイミングで給紙モーター221に定格電圧24Vを印加して高速正転駆動を開始し(ステップS111)、その後、ステップS112において、上記ステップS104と同じようにして記録シートの先端が、搬送ローラー対214にニップ部を通過して位置Pに到達したか否かを判定する(ステップS112)。
記録シートの先端が、位置Pに到達すると(ステップS112:YES)、給紙モーター221の正転駆動を停止する(ステップS113)。
上述のように普通紙の場合には、給紙モーター221に定格電圧24Vを印加して高速駆動するので、その駆動中は、常時クリーニング処理を行っているに等しく、厚紙の給紙の場合のように別途反転駆動してクリーニング処理を実行する必要はない。
そして、ステップS114で、次の記録シートを搬送する必要があるか否かを判定し、まだ、プリントジョブが終了しておらず、次の記録シートを搬送する必要がある場合には(ステップS114:YES)、ステップS111に戻り、所定のタイミングで給紙モーター221を低速正転駆動させて、次の記録シートの給紙を開始し、以下ステップS111〜S114の処理を、ジョブが終了するまで繰り返し実行する。
ジョブが終了し、上記ステップS114で次の記録シートを搬送する必要がないと判定された場合には(ステップS114:NO)、給紙モーター駆動制御を終了してメインフローチャートにリターンする。
なお、図6、図7のフローチャートでは、給紙モーター221の給紙制御のみについて説明したが、他の給紙カセット22に対応してもけられたピックアップローラー251、給紙ローラー252、搬送ローラー対254(図1)や、その他のブラシモーターを駆動源とする他の給紙系のローラー対による給紙についても上記と同様な制御を行うことにより、低速駆動の際に生じる絶縁被膜を適切に除去することができるものである。
もっとも、レジストローラー対215の直前に配された搬送ローラー対214の給紙制御については、まず、停止状態のレジストローラー対215と搬送ローラー対214間にループを形成してスキュー補正する制御が加わる。
したがって、例えば、厚紙の記録シートの場合、その先端が、レジストローラー対215のニップ部に当接した後も所定時間搬送ローラー対214を正転させてループを形成し、その後、所定のタイミングでレジストローラー対215が正転駆動されて、記録シートの先端が、しっかりレジストローラー対215のニップ部を通過して搬送されるようになった後に、被膜堆積量Dと閾値との比較結果に基づき、クリーニング処理を実行することになる。
また、クリーニング処理の実行は、制御対象となるブラシモーターにより駆動されるローラーが複数ある場合には、そのうち「最上流側のローラーによる次の記録シートの給紙のタイミングまで」までに、クリーニング処理を完了する必要がある。
上記のように制御対象が給紙モーター221の場合には、ピックアップローラー211と給紙ローラー212が同一の給紙モーター221により駆動されているので、ピックアップローラー211による次の記録シートの繰出しのタイミングまでが、「最上流側のローラーによる次の記録シートの給紙のタイミングまで」に該当する。
制御対象が、搬送モーター222の場合には、次の記録シートが搬送ローラー対214(もし、搬送モーター222により駆動される搬送ローラー対が複数対あれば、そのうち最上流側の搬送ローラー対)のニップ部に到着する直前までが「最上流側のローラーによる次の記録シートの給紙のタイミングまで」に該当する。
なお、本実施の形態によるブラシモーターを駆動源とする給紙制御は、さらに搬送路下流側に、独立して制御される別の駆動源によるローラー対が存在する場合に適用される(下流側のローラー対の駆動源は、必ずしもブラシモーターである必要はない。)。
搬送路の最下流側にある排出ローラー対216についても駆動源としてブラシモーターを使用する場合には、その下流側には、搬送ローラー対が控えていないので、クリーニング処理は、記録シートの後端が排出ローラー対216のニップ部から離れた後、次の記録シートの先端が排出ローラー対216のニップ部(もしくは、排出ローラー対216と駆動源を同一にするローラー対が上流側にある場合にはそのうち最上流側のローラー対のニップ部)に到達するまでの時間内に高速駆動してクリーニング処理を実行することになる。この場合には、正転・反転を問わないが、より短時間でクリーニング処理を実行するため、上記の定格電圧よりも絶対値がさらに大きな電圧を印加するのが望ましい。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、クリーニング電圧として−24Vの電圧を印加して高速反転駆動したが、この電圧の大きさは必ずしも−24Vである必要はない。本願発明者らの実験によれば、絶対値が約21.6Vの負の電圧を印加してもクリーニング効果は得られることが実証されている。
(2)上記実施の形態においては、図5(a)(b)に示すように記録シートの先端が、搬送ローラー対214のニップ部を通過して位置Pに到達したときに給紙モーター221を停止させていたが、必ずしもこのタイミングでなくても、記録シートの先端が搬送ローラー対214のニップ部に突入して挟持された時点で、搬送ローラー対214により搬送されるので、早ければこの時点で給紙モーター221を停止させクリーニング処理を開始させることも可能である。そのようにすれば、高速での反転駆動の開始をそれだけ早くでき、クリーニング処理時間を長くとることができる。
(3)図6のステップS106では、被膜堆積量Dと閾値を比較して、閾値よりも多いときのみクリーニング処理を実施するようにしたが、ステップS106の処理を廃して、常にクリーニング処理を実行するようにしても構わない。
また、同図のステップS103において反転駆動時間tsを所得し、その時間だけクリーニング処理を実行するようにしたが(ステップS107、S108参照)、給紙モーター221を停止させてから、次の給紙のため正転駆動するまでの時間Ta(図5参照。給紙モーター221の正転駆動を停止させてから(時刻t3)、次の記録シートの給紙のため正転駆動するまで(時刻t5)の間)内で可能な限り長くしてもよい。
(4)図6のステップS103で求めた反転駆動時間tsが、上記時間Taよりも短い場合には、時間Ta内に収まれば、どのタイミングでクリーニング処理を開始しても構わない。
反対に、ステップS103で取得した反転駆動時間tsが、時間Taよりも長くなるような場合には、時刻t5(図5参照)の直前でクリーニング処理を一旦中断して、残りのクリーニング時間を次の記録シートの給紙制御の際に実行することも可能である。
また、できるだけ1枚の給紙制御の際にクリーニング処理を完了できるように、クリーニング電圧の絶対値を大きくしたり、ステップS106における閾値を低く設定するようにしてもよい。クリーニング電圧の絶対値を大きくすればするほど、絶縁被膜の除去力が大きくなるし、閾値を小さくすればするほど、クリーニング処理の実行頻度が多くなり、1回で実行すべき反転駆動時間tsを短くできるからである。
(5)上記実施の形態では、本発明に係るシート搬送装置を、タンデム型カラープリンターの給紙部に適用した例として説明したが、適用される画像形成装置は、例えば、複写機、ファクシミリ装置や多機能な複合機(MFP:Multiple Function Peripheral)等にも適用でき、また、カラーやモノクロの画像形成を問わない。
さらには、画像形成装置以外でも、複数のローラー対を介してシートを搬送する装置であって、その上流側の少なくとも一対のローラー対の駆動源としてブラシモーターを使用しているシート搬送装置に適用することができる。
また、上記実施の形態及び変形例の内容を可能な限り組み合わせても構わない。
本発明は、駆動源としてブラシモーターを有するシート搬送装置における当該ブラシモーターの整流子やブラシなどの電気的接触面のクリーニング処理の技術として好適である。
1 プリンター
10 画像形成部
20 給紙部
30 定着部
40 制御部
50 操作パネル
211、251 ピックアップローラー
212、252 給紙ローラー
213、253 捌きローラー
214、254 搬送ローラー対
215 レジストローラー対
221 給紙モーター
222 搬送モーター
223 タイミングモーター
231〜234 ワンウェイクラッチ
241 搬送センサー
242 タイミングセンサー
411〜413 ドライバーIC

Claims (9)

  1. シートを搬送するシート搬送装置であって、
    第1のローラー対を、シート搬送方向にのみ駆動力を伝達するワンウェイクラッチを介して駆動する第1のモーターと、
    第1のローラー対のシート搬送方向下流側に配された第2のローラー対を駆動する第2のモーターと、
    第1と第2のモーターの駆動をそれぞれ制御する駆動制御手段と、
    を備え、
    前記第1のモーターは、ブラシモーターであって、
    前記駆動制御手段は、
    第1のローラー対により搬送されているシートの先端が第2のローラー対のニップ部に突入した後に、第1のモーターに、シート搬送時に印加する第1の電圧と正負が逆で、かつその絶対値が第1の電圧より大きな第2の電圧を印加して反転駆動させることにより、第1のモーターにおけるブラシと整流子の接触面のクリーニング処理を実行する
    ことを特徴とするシート搬送装置。
  2. シートが連続して搬送される場合において、前記駆動制御手段は、第1のモーターにより駆動されるローラーのうちシート搬送方向最上流側に位置するローラーによって次のシートを搬送するタイミングに至るまでに、前記クリーニング処理を終了させる
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
  3. 前記第1のモーターのブラシと整流子のクリーニングに必要なクリーニング時間を取得するクリーニング時間取得手段を備え、
    前記制御手段は、前記クリーニング時間が経過すると、直ちにクリーニング処理を終了させることを特徴とする請求項1または2に記載のシート搬送装置。
  4. 前記クリーニング時間取得手段は、
    前記第1のモーターの整流子とブラシの各接触面に堆積する絶縁被膜の量を推定し、
    前記推定された絶縁被膜の堆積量に基づいて前記クリーニング時間を取得する
    ことを特徴とする請求項3に記載のシート搬送装置。
  5. 前記クリーニング時間取得手段は、
    第1のモーターの回転速度と、当該回転速度における累積駆動時間とに基づき、前記絶縁被膜の堆積量を推定する
    ことを特徴とする請求項4に記載のシート搬送装置。
  6. 前記推定された絶縁皮膜の堆積量が、所定の閾値未満の場合には、前記クリーニング処理を禁止する禁止手段を
    備えることを特徴とする請求項4または5に記載のシート搬送装置。
  7. シートの搬送速度は、第1と第2のモーターに印加する電圧を変更することにより、第1の搬送速度と、第1の搬送速度よりも遅い第2の搬送速度とに選択的に切り換え可能であって、
    前記駆動制御手段は、前記第2の搬送速度に設定されている場合においてのみ、
    当該第2の搬送速度時に印加される電圧を前記第1の電圧とし、この第1の電圧と正負が逆で、かつその絶対値が第1の電圧より大きな所定電圧を前記第2の電圧として前記クリーニング処理を実行する
    ことを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  8. 給紙カセットから給紙された記録シートに画像を形成する画像形成装置であって、
    前記記録シートを給紙する装置として、請求項1から7のいずれか1項に記載のシート搬送装置が用いられていることを特徴とする画像形成装置。
  9. 第1の搬送ローラー対をシート搬送方向にのみ駆動力を伝達するワンウェイクラッチを介して駆動する第1のモーターと、第1の搬送ローラー対のシート搬送方向下流側に配された第2の搬送ローラー対を駆動する第2のモーターとを備えたシート搬送装置において、第1のモーターがブラシモーターである場合の当該第1のモーターのブラシと整流子の接触面のクリーニング方法であって、
    第1の搬送ローラー対により搬送されてくるシートの先端が、第2の搬送ローラー対のニップ部に突入した後、第1のモーターにシート搬送時に印加する電圧と正負を逆転させた所定電圧を印加して反転駆動することにより第1のモーターのクリーニングを実行する
    ことを特徴とするクリーニング方法。
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