JP2013212625A - 印刷システム、印刷方法および印刷媒体 - Google Patents

印刷システム、印刷方法および印刷媒体 Download PDF

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秀範 臼田
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Abstract

【課題】透明媒体の両側のうち明るい側と印刷画像の視認位置といった位置関係を考慮して、印刷画像の視認性を向上させることが可能な印刷システム、印刷方法および印刷媒体を提供する。
【解決手段】透明媒体10に印刷画像を形成する印刷システム20であって、透明媒体10に印刷を行う印刷手段44と、印刷手段を制御する制御部55と、を具備し、印刷画像には、各色のインクの噴射によって形成される絵柄用画像と、絵柄用画像に対して重ねて配置されると共に白色インクの噴射によって形成される下地層とが設けられていて、印刷画像を視認する場合には透明媒体10を挟んで光の明るさが明るい側とそれとは逆の暗い側とが形成される状態において、制御部55は、明るい側と印刷画像の視認位置との相関関係に応じて、下地層P2の白色度を変更するための印刷制御を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、印刷システム、印刷方法および印刷媒体に関する。
インク滴の噴射により、印刷媒体に印刷画像を形成するものとしては、以下の特許文献1〜7に開示のものがある。特許文献1には、ノズル内のインクリフレッシュのための予備吐出において、高い明度のインクのドットが形成される領域に、低い明度のインクの予備吐出が行われると判断される場合には、高い明度のインクに関するデータを削除する技術内容について開示されている。また、特許文献2には、入力された画像データの隣接する画素に注目し、その注目画素が黒文字である場合に、その黒文字の画素のレベルを下地量に応じた信号に置き換えるといった技術内容について開示されている。また、特許文献3には、透明基材の裏面側から視認される第1の画像層を形成し、その第1の画像層を覆う被覆層を形成し、さらに透明基材の一方の面側から視認される第2の画像を形成する場合において、非画像部における被覆層の厚みを画像部よりも大きくすることで、被覆層の上面の平坦化を図る内容について開示されている。
また、特許文献4には、インクの温度が閾値よりも高い場合に比べて、インクの温度が閾値以下であるときの方が、単位面積当たりの顔料インクの吐出量に対する染料インクの吐出量の割合を大きくするように、印刷を制御する技術内容について開示されている。また、特許文献5には、粘度の低いインクで印字層を形成した後に、粘度の高いインクで印字層を形成して滲みが発生するのを防止する技術内容について開示されている。また、特許文献6には、顔料が相対的に低濃度である薄い顔料インクの平均粒径が、顔料が相対的に高濃度である濃いインクに含まれる平均粒径よりも大きいものとし、高濃度の顔料インクの粒子の会合による吐出不良を抑えつつ、耐光性を向上させた技術内容について開示されている。また、特許文献7には、先に濃度の濃い濃インクのインク滴を噴射させ、その後に濃度の淡い淡インクのインク滴を噴射させて、印刷画像における粒状性の悪化を防止する技術内容について開示されている。
特開2007−165039号公報 特開平7−226842号公報 特開2011−164379号公報 特開2011−56868号公報 特開2009−292138号公報 特開2004−82712号公報 特開2009−190394号公報
ところで、たとえば屋外サイン、ウインドウサインといったサイン系と呼ばれる印刷分野においては、透明媒体に印刷画像を形成するものがある。そのような透明媒体に印刷画像を形成する場合、光の明るさが明るい側と視認する者(視認者)とが、透明媒体の同じ側(たとえば表面等)にある場合もあれば、それとは逆に透明媒体を挟んで、明るい側と視認者とが異なる側に位置する場合もある。
上述のような場合には、透明媒体に対する明るい側と視認者との位置関係が異なり、視認者において印刷画像の見え方が異なってくる。そして、視認者が良好に視認可能とするためには、それらの位置関係を考慮した印刷を行うことが好ましい。
しかしながら、上述の特許文献1〜7に開示の技術内容においては、透明媒体に対して視認者が位置する側と、透明媒体を挟んでどちらの側が明るい側であるのかといった位置関係を考慮して印刷画像を形成する、といった技術内容は存在していない。
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、透明媒体の両側のうち明るい側と印刷画像の視認位置といった位置関係を考慮して、印刷画像の視認性を向上させることが可能な印刷システム、印刷方法および印刷媒体を提供しよう、とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の印刷システムは、透明媒体に印刷画像を形成する印刷システムであって、透明媒体に印刷を行う印刷手段と、印刷手段を制御する制御部と、を具備し、印刷画像には、各色のインクの噴射によって形成される絵柄用画像と、絵柄用画像に対して重ねて配置されると共に白色インクの噴射によって形成される下地層とが設けられていて、印刷画像を視認する場合には透明媒体を挟んで光の明るさが明るい側とそれとは逆の暗い側とが形成される状態において、制御部は、明るい側と印刷画像の視認位置との相関関係に応じて、下地層の白色度を変更するための印刷制御を行う、ものである。
このように構成する場合には、透明媒体の両側のうち光の明るさが明るい側と印刷画像の視認位置との相関関係に応じて下地層の白色度を変更するための印刷制御がなされた状態で、透明媒体に印刷画像が形成される。そのため、下地層の白色度は、明るい側と印刷画像の視認位置との相関関係に応じて最適化することが可能となる。それにより、透明媒体における印刷画像の視認性を向上させることが可能となる。
また、本発明の他の側面は、上述の発明において、明るい側と視認位置とが透明媒体を挟んで異なる側に位置する場合には、制御部は、絵柄用画像のうち明度の高い部分では、当該明度が低い部分よりも下地層の白色度を低くする印刷制御を行い、絵柄用画像のうち明度の低い部分では、当該明度が高い部分よりも下地層の白色度を高くする印刷制御を行う、ことが好ましい。
このように構成する場合には、明るい側と視認位置とが透明媒体を挟んで異なる側に位置する場合(バックライト光の場合)には、絵柄用画像のうち明度の高い部分では、下地層の白色度が低くなり、散乱されるバックライト光の比率が小さくなるため、下地層を透過するバックライト光の比率が大きくなる。それにより、絵柄用画像のうち明度の高い部分(明るい部分)は明るくなる。一方、絵柄用画像のうち明度の低い部分では、下地層の白色度が高くなり、散乱されるバックライト光の比率が大きくなるため、下地層を透過するバックライト光の比率が小さくなる。そのため、絵柄用画像のうち明度の低い部分では、不要な透過光を抑えることが可能となり、その部分の色を忠実に再現することが可能となる。以上のようにして、絵柄用画像のうち明度の高い部分と低い部分とで、下地層の白色度を変えることにより、絵柄用画像を視認する場合のコントラストを向上させることが可能となる。
さらに、本発明の他の側面は、上述の発明において、明るい側と視認位置とが透明媒体の同じ側にある場合には、制御部は、絵柄用画像のうち明度の高い部分では、当該明度が低い部分よりも下地層の白色度を高くする印刷制御を行い、絵柄用画像のうち明度の低い部分では、当該明度が高い部分よりも下地層の白色度を低くする印刷制御を行う、ことが好ましい。
このように構成する場合には、明るい側と視認位置とが透明媒体の同じ側にある場合(正面光の場合)には、絵柄用画像のうち明度の高い部分では、下地層の白色度が高くなり、下地層を正面光が透過しなくなり、透過できない光の散乱が多くなる。そのため、明度の高い部分では、より明るくなり、また発色も良好となる。一方、絵柄用画像のうち明度の低い部分では、下地層の白色度が低くなり、下地層を正面光が透過し易くなり、その下地層での光の散乱が少なくなる。そのため、下地層の白色度が高い部分と比較して暗くなる。そのため、絵柄用画像のうち明度の低い部分での階調差を良好に表現することが可能となる(いわゆる階調が出る状態となる)。また、明度の低い部分では、光の散乱が抑えられるため、たとえば黒の再現性は良好となる。以上のようにして、絵柄用画像のうち明度の高い部分と低い部分とで、下地層の白色度を変えることにより、絵柄用画像を視認する場合のコントラストを向上させることが可能となる。
また、本発明の他の側面は、上述の発明において、白色インクには、第1白色インクと第2白色インクとが存在し、第1白色インクの粒子の粒子径は、第2白色インクの粒子の粒子径よりも大きく設けられていて、制御部は、明るい側と視認位置との相関関係に応じて、第1白色インクと第2白色インクのうちのいずれか一方の噴射とするように制御して、下地層の白色度を変更するための印刷制御を行う、ことが好ましい。
このように構成する場合には、粒子の粒子径の異なる第1白色インクと第2白色インクのうちのいずれか一方の噴射とするように制御することで、下地層の白色度を変更することが可能となる。すなわち、粒子の粒子径の大きな第1白色インクを噴射させて下地層を形成する場合には、下地層の白色度が高くなる。一方、第1白色インクの粒子よりも、粒子の粒子径が小さな第2白色インクを噴射させて下地層を形成する場合には、下地層の白色度が低くなる。
さらに、本発明の他の側面は、上述の発明において、制御部は、下地層の白色度を高くする場合には、下地層の白色度を低くする場合よりも白色インクの噴射によって形成される印刷層の数を増加させる制御を行う、ことが好ましい。
このように構成する場合には、下地層の白色度を高くする場合には、白色インクの噴射によって形成される印刷層の数を増やすように制御し、逆に下地層の白色度を低くする場合には、白色インクの噴射によって形成される印刷層の数を減らすように制御する。それにより、印刷層の数を増減させることが可能となり、下地層の白色度を適切に変更することが可能となる。
また、本発明の他の側面は、上述の発明において、制御部は、下地層の白色度を高くする場合には、下地層の白色度を低くする場合よりも白色インクの噴射量を多くする制御を行う、ことが好ましい。
このように構成する場合には、下地層の白色度を高くする場合には、白色インクの噴射量を多くするように制御し、逆に下地層の白色度を低くする場合には、白色インクの噴射量を少なくするように制御する。それにより、白色インクの噴射量を増減させることが可能となり、下地層の白色度を適切に変更することが可能となる。
さらに、本発明の他の側面である印刷方法は、透明媒体に印刷画像を形成する印刷方法であって、透明媒体に印刷を行う印刷手段を制御する制御工程と、制御工程での印刷手段の制御に基づいて、各色のインクの噴射によって形成される絵柄用画像と、絵柄用画像に対して重ねて配置されると共に白色インクの噴射によって形成される下地層とが設けられる印刷画像を前記透明媒体を形成する印刷工程と、を具備し、印刷画像を視認する場合には透明媒体を挟んで光の明るさが明るい側とそれとは逆の暗い側とが形成される状態において、制御工程では、明るい側と印刷画像の視認位置との相関関係に応じて、下地層の白色度を変更するための印刷制御を行う、ことが好ましい。
このように構成する場合には、制御工程では、透明媒体の両側のうち光の明るさが明るい側と印刷画像の視認位置との相関関係に応じて下地層の白色度を変更するための印刷制御を行い、その印刷制御に基づいて、印刷工程において透明媒体に印刷画像が形成される。そのため、下地層の白色度は、光源の透明媒体に対する位置と印刷画像の視認位置との相関関係に応じて最適化することが可能となる。それにより、透明媒体における印刷画像の視認性を向上させることが可能となる。
さらに、本発明の他の側面である透明媒体は、上述の印刷方法で印刷されたことを特徴とする。
このように構成する場合には、印刷画像のうち下地層の白色度は、透明媒体の両側のうち光の明るさが明るい側と印刷画像の視認位置との相関関係に応じて最適化することが可能となる。それにより、印刷画像が形成された透明媒体においては、印刷画像の視認性を向上させることが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る印刷画像および透明媒体を示す側面図である。 裏刷りかつ正面光の場合における透明媒体を示す側面図である。 表刷りかつバックライト光の場合における透明媒体を示す側面図である。 表刷りかつ正面光の場合における透明媒体を示す側面図である。 印刷システムの概略的な構成を示すブロック図である。 オブジェクト部分の白色度変更による視認のイメージを示す斜視図である。 プリンターの概略的な構成を示す斜視図である。
以下、本発明の一実施の形態に係る印刷システム20および印刷方法について、図面を参照しながら説明する。
<1.概要>
本実施の形態においては、透明な印刷対象物(以下、透明媒体10とする)に印刷画像Pを形成する場合に、透明媒体10の両側のうち光の明るさが明るい側と印刷画像Pの視認位置との相関関係に応じて、透明媒体10には異なる印刷画像Pが形成されるものとしている。すなわち、透明媒体10を挟んで、視認者と明るい側とが異なる側に位置する場合(バックライト光の場合)と、視聴者と明るい側とが、透明媒体10の同じ側にある場合(正面光の場合)とで、透明媒体10に異なる印刷画像Pを形成するようにしている。
より具体的には、透明媒体の両側のうち光の明るさが明るい側と印刷画像Pの視認位置との相関関係に応じて、同じく透明媒体10に形成される下地層P2の白色度を変更するようにしている。以下、その詳細について説明する。
なお、透明媒体10に印刷画像Pが形成されたものは、請求項でいう印刷媒体に対応する。また、ここでいう印刷画像Pとは、後述する印刷ヘッド44を駆動させてインク滴の着弾により形成される画像のことを指すが、その印刷画像Pには、視認者にとって絵柄として認識される絵柄用画像P1と、その絵柄用画像P1の下地となるための印刷部分(下地層P2)とが存在するが、下地層P2は白色インクの噴射によって形成される。また、透明媒体10を挟んでの光の明るさが明るい側と暗い側とは、たとえば昼光の場合に太陽が位置する側が明るい側に該当すると共に、それとは逆の太陽が位置しない側が暗い側に該当する。また、たとえば夜等のように周囲が暗い場合には、透明媒体10の両側のうち光源が位置する側が明るい側に該当し、それとは逆の光源が位置しない側が暗い側に該当する。
(1−1)裏刷りかつバックライト光で印刷画像Pを見る場合について
図1は、透明媒体10に裏刷りの状態で印刷画像Pが形成された状態を示す図であり、かかる印刷画像Pをバックライト光で視認する場合の状態を示している。ここで、裏刷りとは、図1に示すように、印刷画像Pよりも透明媒体10が視認者側に位置している状態を指し、視認者が印刷画像Pを視認する場合には、その印刷画像Pは透明媒体10を介して視認される状態となっている。また、図1では、透明媒体10の両側のうちバックライト光の光源Lが位置する側が明るい側に該当する。
かかる図1に示す場合には、まず、透明媒体10側に各色のインクを噴射することによって絵柄用画像P1が形成される。また、その絵柄用画像P1の後に、絵柄用画像P1よりも透明媒体10から離れる側(バックライトの光源L側;裏面側)に白色インクを噴射することによって、下地層P2が形成される。ここで、本実施の形態では、絵柄用画像P1のうち、明度の高い部分は、下地層P2の白色度を低下させるようにしている。一方、絵柄用画像P1のうち、明度の低い部分は、下地層P2の白色度を高くするようにしている。
なお、白色度とは、L*a*b*色空間におけるL*座標の値(L値)で表すことが可能であり、一般的にはL値が75以上となっている。また、白色であるとは無彩色である(すなわち、a*の座標およびb*の座標の双方の値が0である)ことが好ましいが、a*の座標とb*の座標のうちの少なくとも一方の値が0近傍の若干の値を有していても良い。
ところで、白色度が高い場合と、白色度が低い場合とでは、以下のように、たとえば白色インクに含まれる粒子の粒径の大小、白色インクを一度噴射して印刷層を形成した後にさらに噴射による着弾箇所にインクを噴射するか否か(複数の印刷層を形成するか否か;いわゆる多層塗りを行うか否か)、インクの打ち込み量を多くするか否か、といった点で相違がある。
まず、白色インクに含まれる粒子について説明する。白色インクには、金属酸化物粒子または中空構造を有する有機粒子が溶媒に含有させられている。このような金属酸化物粒子としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、酸化マグネシウム等の粒子が挙げられる。また、金属酸化物粒子の平均粒子径は、好ましくは30nm以上600nm以下であり、より好ましくは200nm以上400nm以下である。
また、中空構造を有する有機粒子は、特に限定されず、スチレン−アクリル樹脂から形成されるものなど公知のものを用いることができる。ここで、中空構造とは、粒子に少なくとも屈折率の異なる物質が内包される構造のことを指し、例えば、いわゆるコア・シェル構造、すなわち空間がシェル(殻)によって取り囲まれた構造のことを指す。また、中空構造のコア(殻によって取り囲まれた内側)の物質は、液体でも気体でもよい。中空構造を有する粒子は、コアとシェルとの間に屈折率差が生じることで光を散乱させることができる。これにより、中空構造を有する粒子は、記録媒体に付着されたときに、白色のような無彩色を呈することができる。
中空構造を有する有機粒子の平均粒子径(上述したシェルの外径)は、好ましくは200nm以上1,000nm以下であり、より好ましくは400nm以上800nm以下である。また、中空構造を有する有機粒子の内径(すなわち、上述したコアの外径)は、100nm以上800nm以下程度が適当である。
次に、白色インクに含まれる粒子の粒径の大小に関して説明する。白色インクに含まれる粒子の粒径が大きい場合には、白色インクに含まれる粒子の粒径が小さい場合と比較して、バックライト光が下地層P2を透過し難くなる。また、白色インクに含まれる粒子の粒径が大きい場合には、透過できない光が散乱するが、一般に、光が散乱する比率が増すにつれて白色度が高くなる。そのため、白色インクに含まれる粒子の粒子径が大きい場合、白色度が高い場合に該当する。一方、白色インクに含まれる粒子の粒径が小さい場合には、バックライト光が下地層P2を透過し易くなり、その透過した光の比率が増える分だけ、散乱する光の比率が減少する。それにより、白色インクに含まれる粒子の粒径が小さい場合には、白色度が低くなる。このようにして、白色インクに含まれる粒子の粒径を変更することにより、白色インクの白色度を変更することができる。
次に、白色インクの多層塗りを行うか否か(印刷層の数を増やすか否か)に関して説明する。白色インクの多層塗りを行う場合には、バックライト光が下地層P2を透過し難くなる。それにより、透過できない光が散乱する。そのため、多層塗りを行う場合(複数の印刷層が形成される場合)には、多層塗りを行わない場合(印刷層が1つだけ形成される場合)と比較して、白色度が高くなる。一方、白色インクを一度だけ噴射した状態(印刷層が1つだけ形成される状態;多層塗りを行わない状態)では、多層塗りを行う場合と比較して、バックライト光が下地層P2を透過し易くなり、その透過した光の比率が増える分だけ、散乱する光の比率が減少する。それにより、多層塗りを行わない状態では、多層塗りを行う場合と比較して、白色度が低くなる。
次に、白色インクの打ち込み量を多くするか否かに関してであるが、白色インクの打ち込み量を多くする場合には、上述した多層塗りを行う場合と同様の理由により、白色度を高くなる。一方、インクの打ち込み量を少なくする場合には、上述した多層塗りを行わない場合と同様の理由により、白色度が低くなる。
なお、白色インクの打ち込み量を多くするか否かという概念には、上述した白色インクの多層塗りを行うか否かという概念が含まれるようにしても良いが、白色インクの打ち込み量を多くするか否かという概念に、白色インクの多層塗りを行うか否かという概念が含まれないものとしても良い。白色インクの打ち込み量を多くするか否かという概念に、白色インクの多層塗りを行うか否かという概念が含まれない場合には、白色インクの打ち込み量を多くするか否かの決定は、たとえば大インク、中インク、小インクといった体積の異なるインク滴を選択することで、決定用にしても良く、印刷ヘッド44の移動速度を早くするか遅くするかによって、白色インクの打ち込み量を多くするか否かを決定するようにしても良い。
以上のように、絵柄用画像P1のうち、明度の高い部分は、下地層P2の白色度を低下させるようにする一方、絵柄用画像P1のうち、明度の低い部分は、下地層P2の白色度を高くするようにしている。このようにする場合、印刷画像Pの視認性は、以下のようになる。すなわち、バックライト光が下地層P2に到達すると、白色度の低いところでは、散乱されるバックライト光の比率が小さくなるため、下地層P2を透過するバックライト光の比率が大きくなる。ここで、下地層P2のうち白色度の低いところは、絵柄用画像P1のうち明度の高い部分に対応している。そのため、絵柄用画像P1のうち明度の高い部分では、その部分を透過するバックライト光の比率が高くなり、明るく視認される状態となり、絵柄用画像P1の発色も良好となる。
逆に、白色度の高いところでは、散乱されるバックライト光の比率が大きくなるため、下地層P2を透過するバックライト光の比率が小さくなる。ここで、下地層P2のうち白色度の高いところは、絵柄用画像P1のうち明度の低い部分に対応している。そのため、絵柄用画像P1のうち明度の低い部分では、その部分を透過するバックライト光の比率が低くなる。そのため、絵柄用画像P1のうち明度の低い部分では、不要な透過光を抑えることが可能となり、その部分の色を忠実に再現することが可能となる。
また、バックライト光で視認する場合、絵柄用画像P1のうち明度の高い部分(明るい部分)は明るくなり、絵柄用画像P1のうち明度の低い部分はさほど明るくならなくなる。そのため、絵柄用画像P1を視認する場合のコントラストを向上させることが可能となる。
(1−2)裏刷りかつ正面光で印刷画像Pを見る場合について
図2は、透明媒体10に裏刷りの状態で印刷画像Pが形成された状態を示す図であり、かかる印刷画像Pを正面光で視認する場合の状態を示している。すなわち、図2では、裏刷りにおいて、視認者と明るい側(正面光の光源Lが位置する側)とが、透明媒体10の同じ側にある場合の状態を示している。
かかる図2に示す場合においても、まず透明媒体10側に絵柄用画像P1を形成し、その後、絵柄用画像P1よりも透明媒体10から離れる側(裏面側)に白色インクを噴射することによって、下地層P2が形成される。
しかしながら、図2に示す下地層P2は、図1に示す下地層P2とは異なるものとなっている。すなわち、図2に示す下地層P2では、絵柄用画像P1のうち、明度の高い部分は、下地層P2の白色度を高くするようにしている。一方、絵柄用画像P1のうち、明度の低い部分は、下地層P2の白色度を低くするようにしている。
すなわち、正面光の状態では、印刷画像Pは光の反射によって視認されることになる。その場合において、絵柄用画像P1のうち明度の高い部分を正面光が透過してしまうと、反射される光が低減してしまうため、当該明度の高い部分が暗く視認されてしまう。そこで、図2に示す下地層P2では、絵柄用画像P1のうち、明度の高い部分は、下地層P2の白色度を高くするようにしている。それにより、下地層P2を正面光が透過しなくなり、透過できない光の散乱が多くなる。そのため、より明るくなり、また発色も良好となる。
一方、絵柄用画像P1のうち明度の低い部分では、下地層P2の白色度を低くするようにしている。それにより、下地層P2を正面光が透過し易くなり、その下地層P2での光の散乱が少なくなる。そのため、下地層P2の白色度が高い部分と比較して暗くなる。そして、印刷画像Pにおいては、絵柄用画像P1のうち明度の低い部分での階調差を良好に表現することが可能となる(いわゆる階調が出る状態となる)。また、明度の低い部分では、光の散乱が抑えられるため、たとえば黒の再現性は良好となる(締まった黒となる)。
以上のようにして、裏刷りかつ正面光で印刷画像Pを見る場合にも、色の再現性を良好にすることが可能となり、印刷画像Pのガマットを広げることが可能となる。また、正面光で視認する場合においても、絵柄用画像P1のうち明度の高い部分(明るい部分)は明るくなり、絵柄用画像P1のうち明度の低い部分はさほど明るくならなくなる。そのため、絵柄用画像P1を視認する場合のコントラストを向上させることが可能となる。
(1−3)表刷りかつバックライト光で印刷画像Pを見る場合について
図3は、透明媒体10に表刷りの状態で印刷画像Pが形成された状態を示す図であり、かかる印刷画像Pをバックライト光で視認する場合の状態を示している。すなわち、図3では、表刷りにおいて、視認者とバックライト光の光源とが、透明媒体10を挟んで異なる側にある場合の状態を示している。ここで、表刷りとは、図3に示すように、印刷画像Pが透明媒体10よりも視認者側に位置している状態を指し、視認者が印刷画像Pを視認する場合には、その印刷画像Pは透明媒体10を介さずに視認される状態となっている。
この場合には、透明媒体10のうち視認者が視認する側に、白色インクを噴射することによって、下地層P2が形成される。次に、下地層P2よりも透明媒体10から離れる側に、各色のインクを噴射することによって絵柄用画像P1が形成される。ここで、本実施の形態では、図1に示す場合(裏刷りかつバックライト光の場合)と同様に、絵柄用画像P1のうち、明度の高い部分は、下地層P2の白色度を低下させるようにしている。一方、絵柄用画像P1のうち、明度の低い部分は、下地層P2の白色度を高くするようにしている。
それにより、印刷画像Pの視認性は、図1に示す場合と同様となる。すなわち、絵柄用画像P1のうち明度の高い部分には下地層P2のうち白色度の低いところが対応し、その明度の高い部分では、その部分を透過するバックライト光の比率が高くなり、明るく視認される状態となり、絵柄用画像P1の発色も良好となる。逆に、絵柄用画像P1のうち明度の低い部分には下地層P2のうち白色度が高いところが対応し、その明度の低い部分では、その部分を透過するバックライト光の比率が低くなる。そのため、絵柄用画像P1のうち明度の低い部分では、不要な透過光を抑えることが可能となり、その部分の色を忠実に再現することが可能となる。
また、表刷りにおいても、バックライト光で視認する場合には、絵柄用画像P1のうち明度の高い部分(明るい部分)は明るくなり、絵柄用画像P1のうち明度の低い部分はさほど明るくならなくなる。そのため、絵柄用画像P1を視認する場合のコントラストを向上させることが可能となる。
(1−4)表刷りかつ正面光で印刷画像Pを見る場合について
図4は、透明媒体10に表刷りの状態で印刷画像Pが形成された状態を示す図であり、かかる印刷画像Pを正面光で視認する場合の状態を示している。すなわち、図4では、表刷りにおいて、視認者と明るい側(正面光の光源Lが位置する側)とが、透明媒体10の同じ側にある場合の状態を示している。
かかる図4に示す場合においても、まず透明媒体10のうち視認者が視認する側に下地層P2を形成し、その後、下地層P2よりも透明媒体10から離れる側に、各色のインクを噴射することによって絵柄用画像P1が形成される。
しかしながら、図4に示す下地層P2では、図2に示す場合(裏刷りかつ正面光の場合)と同様に、絵柄用画像P1のうち、明度の高い部分は、下地層P2の白色度を高くするようにしている。一方、絵柄用画像P1のうち、明度の低い部分は、下地層P2の白色度を低くするようにしている。
それにより、印刷画像Pの視認性は、図2に示す場合と同様となる。すなわち、絵柄用画像P1のうち明度の高い部分には下地層P2のうち白色度の高いところが対応し、その明度の高い部分では、その部分を透過する正面光の比率が低くなり、透過できない光の散乱が多くなる。そのため、より明るくなり、また発色も良好となる。逆に、絵柄用画像P1のうち明度の低い部分には下地層P2のうち白色度が低いところが対応し、その明度の低い部分では、その部分を透過する正面光の比率が高くなる。そのため、絵柄用画像P1のうち明度の低い部分では、下地層P2での光の散乱が少なくなり、下地層P2の白色度が高い部分と比較して暗くなる。そのため、絵柄用画像P1のうち明度の低い部分での階調差を良好に表現することが可能となる(いわゆる階調が出る状態となる)。また、明度の低い部分では、光の散乱が抑えられるため、たとえば黒の再現性は良好となる(締まった黒となる)。
以上のようにして、表刷りかつ正面光で印刷画像Pを見る場合にも、色の再現性を良好にすることが可能となり、印刷画像Pのガマットを広げることが可能となる。また、正面光で視認する場合においても、絵柄用画像P1のうち明度の高い部分(明るい部分)は明るくなり、絵柄用画像P1のうち明度の低い部分はさほど明るくならなくなる。そのため、絵柄用画像P1を視認する場合のコントラストを向上させることが可能となる。
以上が、本発明の概要である。
<2.透明媒体について>
続いて、透明媒体10について説明する。透明媒体10は、透明性を有する材料を薄板状に形成したものであり、例えばPET−G(Polyethylene Terephtalate Glycol)樹脂、PET(Polyethylene
Terephtarate)樹脂、PVC(Polyvinyl Chloride)等を用いることが可能である。しかしながら、透明基材11の材質としては、その他の透明性を有する材料を用いても良い。そのような透明性を有する材料としては、たとえば、APET(Amorphous Polyethylene Terephthalate)、PP(Polypropylene)、PS(Polystyrene)、アクリル、UV(Ultraviolet)樹脂等を材質として形成されている。
ただし、透明媒体10は、透明性を有する材料を薄板状にしたもの(透明基材)以外の透明材質を有する構成としても良い。また、染料インクを用いる場合においては、透明媒体10は、透明なインク吸収層を備える構成としても良い。
<3.印刷システム20およびデータ処理について>
(3−1)印刷システム20の構成について
図5は、本発明の一実施の形態に係る印刷システムの概略的な構成を示すブロック図である。この印刷システム20は、コンピューター30とプリンター40とを有していて、コンピューター30にプリンター40が接続されている。しかしながら、コンピューター30の各機能が、プリンター40内に組み込まれるものであっても良い。また、コンピューター30は、プリンター40の制御部55と共に、請求項における制御部に対応するが、コンピューター30が請求項における制御部に対応するものとしても良く、制御部55が請求項における制御部に対応するものとしても良い。
図5において、コンピューター30はCPU31とRAM32とROM33と外部記憶装置34と外部インターフェース35とビデオインターフェース36と入力インターフェース37とバス38とから構成されている。バス38は、コンピューター30を構成する各要素31〜37の間でのデータ通信を実現するものであり、図示しないチップセット等によって通信が制御されている。
外部記憶装置34には、オペレーティングシステム(OS)を含む各種プログラムやデータが記憶されており、その中にはアプリケーションプログラム34aとプリンタードライバープログラム34bとが存在する。そして、HDDやフラッシュメモリーといった外部記憶装置34に記憶されているプログラムやデータをRAM32に展開しながらCPU31がプログラムやデータに準じた演算を実行する。
外部インターフェース35は、プリンターやネットワーク等の外部装置に接続され、その外部装置からの印刷データや制御データの受け取ると共に、外部装置への各種データの通知を行う。そのような外部インターフェース35としては、例えばUSB規格に準じたものがある。ビデオインターフェース36はコンピューター30を外部のディスプレイ60に接続し、ディスプレイ60に画像を表示するためのインターフェースである。入力インターフェース37はコンピューター30を外部のキーボード70とマウス80等のような入力手段に接続し、それらの入力手段からの入力信号をコンピューター30が取得するためのインターフェースである。
アプリケーションプログラム34aは、例えば、外部インターフェース35を通じて、図示外のスキャナー装置やデジタルカメラ等から元画像データを入力する。このアプリケーションプログラム34aは、図示外のビデオドライバーを介して、順列画像データによって表される画像をディスプレイ60に表示させる。また、アプリケーションプログラム34aは、プリンタードライバープログラム34bを介して順列画像データを処理し、その処理した後の印刷データをプリンター40に出力する。
上述のプリンタードライバープログラム34bは、画像取得モジュール341、色変換モジュール342、ハーフトーンモジュール343、白色度変更モジュール344、印刷データ出力モジュール345、送信モジュール346、3D−LUT347、記録率テーブル348を有している。
これらのうち、画像取得モジュール341は、アプリケーションプログラム34aから、印刷の対象となる画像データ)の取得を行う。色変換モジュール342は、RGB(Red, Green, Blue)表色系によって表現された画像データを、3D−LUT347を参照して、例えば、CMYK(Cyan, Magenta, Yellow, Black)表色系の画像データに変換する処理を実行する。
ハーフトーンモジュール343は、たとえばディザ処理により、CMYK表色系によってたとえば1画素が256階調によって表現される画像データを、記録率テーブル348を参照して、大、中、小の3種類のドットの組み合わせからなるビットマップデータに変換する。
白色度変更モジュール344は、CMYK表色系の画像データに基づいて、L*a*b*色空間におけるL*座標の値(L値)を算出する。すなわち、白色度に対応する印刷画像Pの明るさは、一般的には印刷Duty(インクの打ち込み量)で決定されるが、上述したような3D−LUT347に基づいて変換されたCMYK表色系の画像データによって、インクの打ち込み量が判明し、L*座標の値(L値)が予測可能となる。そして、白色度変更モジュール344では、予測されたL値に基づいて、白色インクの噴射に基づく白色度を変更するようにしている。
なお、白色度変更モジュール344では、L値の算出に際して、以下のようにしても良い。すなわち、白色度変更モジュール344はCMYK表色系の画像データの画素毎にL値を算出し、その画素毎に白色度を変更するようにしても良い。また、白色度変更モジュール344は、CMYK表色系の画像データを所定のエリア毎に区分し、そのエリア毎にL値を算出し、そのエリア毎に白色度を変更するようにしても良い。また、白色度変更モジュール344は、CMYK表色系の画像データからオブジェクトを抽出し、そのオブジェクト毎にL値を算出し、そのオブジェクト毎に白色度を変更するようにしても良い。図6では、バックライト光で視認する場合において、オブジェクトOJの部分の白色度を変更するイメージを示しているが、図6では、裏刷りおよび表刷のどちらでも良いものとなっている。図6では、背景が夜景であり、オブジェクトOJの部分がライトアップされているイメージを示している。このオブジェクトOJに対応する下地層P2(図示省略)の部分では、白色度が低くなるように設けられている。
また、白色度変更モジュール344における白色度の変更は、以下のようにしても良い。すなわち、白色インクとして、粒子の粒径が大きな第1白色インクと、粒子の粒径が第1白色インクの粒子の粒径よりも小さな第2白色インクを用いる場合において、L値が所定の閾値を超える場合には、白色度変更モジュール344は、第1白色インクを用いるように決定する。また、L値が所定の閾値を超えない場合には、白色度変更モジュール344は第2白色インクを用いるように決定する。なお、L値が所定の閾値に等しい場合には、白色度変更モジュール344は第1白色インクを用いるものと決定しても良いし、第2白色インクを用いるものと決定しても良い(以下の場合でも同様)。また、第1白色インクおよび第2白色インクとは異なる他の白色インクを用いるようにしても良い。すなわち、他の白色インクの粒子の粒径は、第1白色インクおよび第2白色インクの粒子の粒径と異なるものとなっていて、上述した所定の閾値と共に他の閾値を用いて、より細かく白色度の変更を行えるものとしても良い。
また、白色度変更モジュール344における白色度の変更は、以下のようにしても良い。すなわち、L値が所定の閾値を超えない場合には、白色度変更モジュール344は、下地層P2の形成において単層塗りとなるように白色インクを噴射する。一方、L値が所定の閾値を超える場合には、白色度変更モジュール344は、下地層P2の形成において多層塗りとなるように白色インクを噴射する。このようにして、白色度変更モジュール344が白色度を変更するようにしても良い。なお、上述の単層塗りに代えてM層塗りとすると共に、上述の多層塗りに代えてN層塗りとし、M層とN層との間にN>Mの関係が成り立つものとしても良い。
また、白色度変更モジュール344における白色度の変更は、以下のようにしても良い。すなわち、L値が所定の閾値を超える場合には、白色度変更モジュール344は、インクの打ち込み量を多くするように決定する。一方、L値が所定の閾値を超えない場合には、白色度変更モジュール344は、L値が所定の閾値を超える場合よりもインクの打ち込み量を少なくするように決定する。このようにして、白色度変更モジュール344が白色度を変更するようにしても良い。
印刷データ出力モジュール345は、ハーフトーンモジュール343から出力されたビットマップデータから、各主走査時のドットの記録状態を示すラスタデータと、副走査送り量を示すデータとを含む印刷データを生成する。送信モジュール346は、印刷データ出力モジュール345によって生成された印刷データを、プリンター40に対して送信するモジュールである。
続いて、プリンター40の構成について説明する。なお、以下の説明においては、プリンター40はインクジェット式のプリンターであるが、かかるインクジェット式プリンターは、インクを噴射して印刷可能な装置であれば、いかなる噴射方法を採用した装置でも良い。また、プリンター40は、例えばレーザ方式(感光ドラム等が請求項でいう印刷手段の一例に対応)、昇華型熱転写方式(サーマルヘッドが請求項でいう印刷手段の一例に対応)、ドットインパクト方式(印字するためのピンを有するプリントヘッドが請求項でいう印刷手段の一例に対応)等のインクジェット式以外のプリンターについても、本発明は適用可能である。
図7に示すように、プリンター40は、プラテン41を有し、このプラテン41に対してキャリッジ42が往復移動自在に構成されている。キャリッジ42は、シアン(C)のインク、マゼンタ(M)のインク、イエロー(Y)のインク、ブラック(K)のインク、および白色インクが内部に貯留されたインクカートリッジ43を保持している。なお、白色インクとして、上述したような粒子の粒径の異なる第1白色インクおよび第2白色インクを備える場合には、第1白色インクが内部に貯留されたインクカートリッジ43および第2白色インクが内部に貯留されたインクカートリッジ43がキャリッジ42に搭載される。
キャリッジ42の下方側には、透明媒体10に対向するように、印刷ヘッド44(請求項でいう印刷手段の一例に対応)が設けられており、インクカートリッジ43に貯留されているインクを吸引し、微小なインク滴として吐出可能としている。なお、搭載されるインクカートリッジ43は、上述のインクを貯留するものに限られるものではなく、シアン、マゼンタ、イエロー、および白色の4色、あるいは6色以上等、何色分であっても良い。また、インクカートリッジ43に充填されるインクは、顔料系インクとなっている。ただし、たとえば透明媒体10がインクを吸収すると共に透明なインク吸収層を備える場合には、染料系インクを用いるようにしても良い。また、印刷ヘッド44は、インク量の異なる複数種類(大、中、小)のインク滴を噴射することで、複数種類のサイズのドットを形成することを可能としても良い。
キャリッジ42には、タイミングベルト45の一部が固着されている。タイミングベルト45は、プーリー46,47を連接するように架張されている。プーリー46には、キャリッジモーター48の駆動軸が接続されている。したがって、キャリッジモーター48が回転されると、キャリッジ42が図7中に矢印で示すX方向(主走査方向)に往復動作する。
キャリッジ42が往復動作する経路上には、リニアエンコーダーを構成するスケール51が配置されている。キャリッジ42のスケール51に対向する面には、リニアエンコーダーを構成する不図示の光学センサーが配置されており、当該光学センサーによってスケール51に印刷されたパターンを検出することにより、キャリッジ42の主走査経路上における位置を特定する。
プラテン41の上流側(紙面の奥側)には、円柱形状を有する紙送りローラー53が設けられている。紙送りローラー53には、搬送手段の一部としての紙送りモーター(PFモーター)54の駆動力が伝達される。したがって、紙送りモーター54が回転されると、紙送りローラー53が回転され、透明媒体10がプラテン41上を、Y方向(図中矢印で示す方向)の排紙側に向けて搬送される。
また、図5に示すように、プリンター40には、制御部55が設けられている。制御部55は印刷データ出力モジュール345から受け取った印刷データに基づいて、印刷ヘッド44を駆動させるための駆動信号を作成する。そして、この駆動信号に基づいて印刷ヘッド44が制御駆動され、透明媒体10にインクを噴射して所望の印刷画像Pを形成することが可能となっている。
(3−2)印刷画像Pを形成するための処理について
続いて、印刷画像Pを形成するための処理について説明する。
画像取得モジュール341がアプリケーションプログラム34aからRGB表色系の順列画像データを受け取ると、解像度変換等の所定の処理後に、色変換モジュール342では、3D−LUT347を参照して、プリンター40で印刷可能な色成分(たとえばシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色)に色変換する。
その後に、ハーフトーンモジュール343は、たとえばディザ処理により、CMYK表色系の画像データを、記録率テーブル348を参照して、大、中、小の3種類のドットの組み合わせからなるビットマップデータに変換する。
また、白色度変更モジュール344は、CMYK表色系によって表された画像データから、L*a*b*色空間におけるL*座標の値(L値)を算出する。そして、白色度変更モジュール344では、算出されたL値に基づいて、白色インクの噴射に基づく白色度を変更する。
その後、印刷データ出力モジュール345は、ハーフトーン処理がなされたビットマップデータから、印刷ヘッド44によるドットの形成順序に合わせて並び替えた印刷データを生成する。そして、送信モジュール346は、並び替えられた印刷データをプリンター40に向けて送信する。また、送信モジュール346は、白色度に関する情報についても、プリンター40に向けて送信する。なお、印刷データには、上述した白色度に関する情報を含めるようにしても良い。
そして、かかるデータ処理が行われた印刷データおよび白色度に関する情報を受け取ったプリンター40は、図1〜図4に示すような状態の印刷画像Pを透明媒体10に形成する。この場合において、プリンター40の制御部55は、裏刷りの場合には、下地層P2よりも先に、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色のインクの噴射による絵柄用画像P1を透明媒体10に形成し、その後に、透明媒体10のうち絵柄用画像P1よりも透明媒体10から離れる側に白色インクの噴射による下地層P2を形成する。また、表刷りの場合には、プリンター40の制御部55は、絵柄用画像P1よりも先に白色インクの噴射による下地層P2を透明媒体10に形成し、その後に、下地層P2よりも透明媒体10から離れる側に絵柄用画像P1を形成する。なお、このときに形成される下地層P2は、上述した白色度の変更を反映させたものとなっている。
<4.本実施の形態における効果>
以上のような構成の印刷システム20および印刷方法によると、透明媒体10の両側のうち明るい側と印刷画像Pの視認位置との相関関係に応じて下地層P2の白色度を変更するための印刷制御がなされた状態で、透明媒体10に印刷画像Pが形成される。そのため、下地層P2の白色度は、透明媒体10の両側のうち明るい側と印刷画像Pの視認位置との相関関係に応じて最適化することが可能となる。それにより、透明媒体10における印刷画像Pの視認性を向上させることが可能となる。すなわち、印刷画像Pが形成された透明媒体10では、印刷画像Pの視認性を向上させることが可能となる。
また、本実施の形態では、明るい側と視認位置とが透明媒体10を挟んで異なる側に位置する場合(バックライト光の場合)には、絵柄用画像P1のうち明度の高い部分では、下地層P2の白色度が低くなり、散乱されるバックライト光の比率が小さくなるため、下地層P2を透過するバックライト光の比率が大きくなる。それにより、絵柄用画像P1のうち明度の高い部分(明るい部分)は明るくなる。一方、絵柄用画像P1のうち明度の低い部分では、下地層P2の白色度が高くなり、散乱されるバックライト光の比率が大きくなるため、下地層P2を透過するバックライト光の比率が小さくなる。そのため、絵柄用画像P1のうち明度の低い部分では、不要な透過光を抑えることが可能となり、その部分の色を忠実に再現することが可能となる。以上のようにして、絵柄用画像P1のうち明度の高い部分と低い部分とで、下地層P2の白色度を変えることにより、絵柄用画像P1を視認する場合のコントラストを向上させることが可能となる。
さらに、本実施の形態では、明るい側と視認位置とが透明媒体10の同じ側にある場合(正面光の場合)には、絵柄用画像P1のうち明度の高い部分では、下地層P2の白色度が高くなり、下地層P2を正面光が透過しなくなり、透過できない光の散乱が多くなる。そのため、明度の高い部分では、より明るくなり、また発色も良好となる。一方、絵柄用画像P1のうち明度の低い部分では、下地層P2の白色度が低くなり、下地層P2を正面光が透過し易くなり、その下地層P2での光の散乱が少なくなる。そのため、下地層P2の白色度が高い部分と比較して暗くなる。そのため、絵柄用画像P1のうち明度の低い部分での階調差を良好に表現することが可能となる(いわゆる階調が出る状態となる)。また、明度の低い部分では、光の散乱が抑えられるため、たとえば黒の再現性は良好となる。以上のようにして、絵柄用画像P1のうち明度の高い部分と低い部分とで、下地層P2の白色度を変えることにより、絵柄用画像P1を視認する場合のコントラストを向上させることが可能となる。
また、本実施の形態では、粒子の粒子径の異なる第1白色インクと第2白色インクのうちのいずれか一方の噴射とするように制御するようにしても良い。このようにする場合、下地層P2の白色度を変更することが可能となる。すなわち、粒子の粒子径の大きな第1白色インクを噴射させて下地層P2を形成する場合には、下地層P2の白色度が高くなる。一方、第1白色インクの粒子よりも、粒子の粒子径が小さな第2白色インクを噴射させて下地層P2を形成する場合には、下地層P2の白色度が低くなる。
さらに、本実施の形態では、下地層P2の白色度を高くする場合には、白色インクの噴射によって形成される印刷層の数を増やす(多層塗りを行う)ように制御し、逆に下地層P2の白色度を低くする場合には、白色インクの噴射によって形成される印刷層に関して多層塗りを行わないように制御しても良い。このようにする場合、印刷層の数を増減させることが可能となり、下地層P2の白色度を適切に変更することが可能となる。
また、本実施の形態では、下地層P2の白色度を高くする場合には、白色インクの噴射量を多くするように制御し、逆に下地層P2の白色度を低くする場合には、白色インクの噴射量を少なくするように制御しても良い。このようにする場合には、白色インクの噴射量を増減させることが可能となり、下地層P2の白色度を適切に変更することが可能となる。
<5.変形例>
以上、本発明の一実施の形態について述べたが、本発明は、種々変形可能である。以下、それについて述べる。
(5−1)変形例その1
上述の実施の形態では、白色度変更モジュール344は、CMYK表色系の画像データに基づいて、L*a*b*色空間におけるL*座標の値(L値)を算出している。そして、白色度変更モジュール344は、その算出されたL値に基づいて、白色インクの噴射に基づく下地層P2の白色度を変更するようにしている。しかしながら、白色度変更モジュール344は、CMYK表色系の画像データではなく、ハーフトーンモジュール343でハーフトーン処理が行われた後の画像データ(ビットマップデータ)に基づいて、L*a*b*色空間におけるL*座標の値(L値)を算出し、その算出されたL値に基づいて、白色インクの噴射に基づく下地層P2の白色度を変更するようにしても良い。
すなわち、ハーフトーン処理が行われた後の画像データは、ドットのオン・オフに関する情報となっているため、ハーフトーン処理後の画像データは、よりダイレクトにインクの打ち込み量に対応する。そのため、ハーフトーン処理後の画像データに基づいてL値を算出し、そのL値に基づいて白色インクの噴射を制御するようにしても、下地層P2の白色度を良好に変更することが可能となる。
(5−2)変形例その2
また、白色度変更モジュール344は、CMYK表色系の画像データではなく、RGB表色系の画像データに基づいて、L*a*b*色空間におけるL*座標の値(L値)を算出し、その算出されたL値に基づいて、白色インクの噴射に基づく下地層P2の白色度を変更するようにしても良い。
すなわち、RBG表色系とXYZ表色系との間では、たとえば以下のような所定の変換式により、RBG表色系における画像データをXYZ表色系における画像データへと変換することが可能である。
X=2.7689R+1.7517G+1.1302B
Y=R+4.5907G+0.0601B
Z=0.0565R+5.5943B
また、XYZ表色系とL*a*b*表色系とでは、たとえば以下のような所定の変換式により、XYZ表色系における画像データをL*a*b*表色系の画像データへと変換することが可能である。
L*=116f(Y/Yn)−16
a*=500[f(X/Xn)−f(Y/Yn)]
b*=200[f(Y/Yn)−f(Z/Zn)]
ここで、t=(6/29)のとき、
f(t)=t1/3
であり、tがそれ以外のとき、
f(t)=(1/3)・(6/29)t+4/29
また、Xn,Yn,Znは、基準となっているホワイトポイントのCIE XYZでの三刺激値である。
すなわち、上述のようなRBG表色系とXYZ表色系の間の変換式を用い、さらにXYZ表色系とL*a*b*表色系の間の変換式を用いることにより、RBG表色系の画像データは、L*a*b*表色系の画像データとして表すことが可能となり、それによってそのL*a*b*表色系の画像データから、L値を算出することが可能となる。そして、白色度変更モジュール344では、このようにしてRGB表色系の画像データに基づいて、L*a*b*色空間におけるL*座標の値(L値)を算出し、その算出されたL値に基づいて、白色インクの噴射に基づく下地層P2の白色度を変更するようにしても良い。
(5−3)変形例その3
また、上述の実施の形態においては、裏刷りかつバックライト光の場合および表刷りかつバックライト光の場合において、絵柄用画像P1のうち明度の高い部分よりも、その明度の高い部分に対応する下地層P2の白色度を低くする部分の大きさを若干大きくするようにしても良い。すなわち、絵柄用画像P1のうち明度の高い部分は目立つため、その目立つ部分に暗い部分が差し掛かると、明るい部分と暗い部分の変化は、視認者にとって気づき易いものとなる。そのため、絵柄用画像P1のうち明度の高い部分では下地層P2の白色度を高くする部分が介在しないように、その明度の高い部分に対応する下地層P2の白色度を低くする部分の大きさを若干大きくするようにしても良い。
また、同様の考え方で、裏刷りかつ正面光の場合および表刷りかつ正面光の場合において、絵柄用画像P1のうち明度の高い部分よりも、その明度の高い部分に対応する下地層P2の白色度を高くする部分の大きさを若干大きくするようにしても良い。この場合にも、絵柄用画像P1のうち明度の高い部分に暗い部分が差し掛からないように、絵柄用画像P1のうち明度の高い部分では下地層P2の白色度を低くする部分が介在しないように、その明度の高い部分に対応する下地層P2の白色度を高くする部分の大きさを若干大きくするようにしても良い。
(5−4)変形例その4
また、上述の実施の形態においては、予め透明基材11を備える透明媒体10に、印刷画像Pを形成するものとしている。しかしながら、透明基材11を後に形成することによって、印刷画像Pが形成された透明媒体を構成するようにしても良い。たとえば、後に剥がすと共に印刷画像Pに対する接着性がUV樹脂の硬化後のものよりも劣るシート上に印刷画像Pを形成し、その印刷画像P上に透明性を有するUV樹脂を噴射し、そのUV樹脂の硬化後にシートを剥がすことによって、印刷画像Pが形成された透明媒体を構成するようにしても良い。なお、シートが透明である場合、あるいはシートが白色であるが下地層P2よりも薄く、かつシートが下地層P2の白色度に大きな影響を及ぼさない場合には、シートを剥がさないようにしても良い。
(5−5)変形例その5
また、上述の実施の形態においては、予め透明基材11を備える透明媒体10に、印刷画像Pを形成するものとしている。しかしながら、印刷画像Pが形成されたシート上に、透明フィルムを貼り合わせ、それによって印刷画像Pが形成された透明媒体を構成するようにしても良い。この場合においては、透明フィルムの貼り合わせ後にシートを剥がすことによって、印刷画像Pが形成された透明媒体を構成するようにしても良い。なお、シートが透明である場合、あるいはシートが白色であるが下地層P2よりも薄く、かつシートが下地層P2の白色度に大きな影響を及ぼさない場合には、シートを剥がさないようにしても良い。
(5−6)変形例その6
また、上述の実施の形態において、プリンター40の概念には、インク以外の他の液体(液体そのものや、機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体、ゲルのような流動性を有する材質を含む)を噴射したり噴射したりする流体噴射装置を含むようにすることもできる。そのようなものとしては、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液体を噴射する液状体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する流体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する流体噴射装置等がある。
(5−7)変形例その7
さらに、本発明のプリンター40の概念に含まれるものとしては、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する流体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する流体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する流体噴射装置、ゲル(例えば物理ゲル)などの流状体を噴射する流状体噴射装置等がある。
10…透明媒体、11…透明基材、12…インク吸収層、20…印刷システム、30…コンピューター(制御部の一部に対応)、31…CPU、32…RAM、33…ROM、34…外部記憶装置、34a…アプリケーションプログラム、34b…プリンタードライバープログラム、35…外部インターフェース、36…ビデオインターフェース、37…入力インターフェース、38…バス、40…プリンター、41…プラテン、42…キャリッジ、43…インクカートリッジ、44…印刷ヘッド(印刷手段の一例に対応)、45…タイミングベルト、46,47…プーリー、48…キャリッジモーター、51…スケール、53…紙送りローラー、54…紙送りモーター、55…制御部(制御部の一部に対応)、341…画像取得モジュール、342…色変換モジュール、343…ハーフトーンモジュール、344…白色度変更モジュール、345…印刷データ出力モジュール、346…送信モジュール、347…3D−LUT、348…記録率テーブル、L…光源、P…印刷画像、P1…絵柄用画像、P2…下地層

Claims (8)

  1. 透明媒体に印刷画像を形成する印刷システムであって、
    前記透明媒体に印刷を行う印刷手段と、
    前記印刷手段を制御する制御部と、
    を具備し、
    前記印刷画像には、各色のインクの噴射によって形成される絵柄用画像と、前記絵柄用画像に対して重ねて配置されると共に白色インクの噴射によって形成される下地層とが設けられていて、
    前記印刷画像を視認する場合には前記透明媒体を挟んで光の明るさが明るい側とそれとは逆の暗い側とが形成される状態において、前記制御部は、前記明るい側と前記印刷画像の視認位置との相関関係に応じて、前記下地層の白色度を変更するための印刷制御を行う、
    ことを特徴とする印刷システム。
  2. 請求項1記載の印刷システムであって、
    前記明るい側と前記視認位置とが前記透明媒体を挟んで異なる側に位置する場合には、前記制御部は、前記絵柄用画像のうち明度の高い部分では、当該明度が低い部分よりも前記下地層の白色度を低くする印刷制御を行い、前記絵柄用画像のうち明度の低い部分では、当該明度が高い部分よりも前記下地層の白色度を高くする印刷制御を行う、
    ことを特徴とする印刷システム。
  3. 請求項1または2記載の印刷システムであって、
    前記明るい側と前記視認位置とが前記透明媒体の同じ側にある場合には、前記制御部は、前記絵柄用画像のうち明度の高い部分では、当該明度が低い部分よりも前記下地層の白色度を高くする印刷制御を行い、前記絵柄用画像のうち明度の低い部分では、当該明度が高い部分よりも前記下地層の白色度を低くする印刷制御を行う、
    ことを特徴とする印刷システム。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の印刷システムであって、
    前記白色インクには、第1白色インクと第2白色インクとが存在し、
    前記第1白色インクの粒子の粒子径は、前記第2白色インクの粒子の粒子径よりも大きく設けられていて、
    前記制御部は、前記明るい側と前記視認位置との相関関係に応じて、前記第1白色インクと前記第2白色インクのうちのいずれか一方の噴射とするように制御して、前記下地層の白色度を変更するための印刷制御を行う、
    ことを特徴とする印刷システム。
  5. 請求項1から3のいずれか1項に記載の印刷システムであって、
    前記制御部は、前記下地層の白色度を高くする場合には、前記下地層の白色度を低くする場合よりも前記白色インクの噴射によって形成される印刷層の数を増加させる制御を行う、
    ことを特徴とする印刷システム。
  6. 請求項1から3のいずれか1項に記載の印刷システムであって、
    前記制御部は、前記下地層の白色度を高くする場合には、前記下地層の白色度を低くする場合よりも前記白色インクの噴射量を多くする制御を行う、
    ことを特徴とする印刷システム。
  7. 透明媒体に印刷画像を形成する印刷方法であって、
    前記透明媒体に印刷を行う印刷手段を制御する制御工程と、
    前記制御工程での前記印刷手段の制御に基づいて、各色のインクの噴射によって形成される絵柄用画像と、前記絵柄用画像に対して重ねて配置されると共に白色インクの噴射によって形成される下地層とが設けられる前記印刷画像を前記透明媒体を形成する印刷工程と、
    を具備し、
    前記印刷画像を視認する場合には前記透明媒体を挟んで光の明るさが明るい側とそれとは逆の暗い側とが形成される状態において、前記制御工程では、前記明るい側と前記印刷画像の視認位置との相関関係に応じて、前記下地層の白色度を変更するための印刷制御を行う、
    ことを特徴とする印刷方法。
  8. 請求項7記載の印刷方法で前記透明媒体に前記印刷画像が形成されたことを特徴とする印刷媒体。
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