JP2013212489A - ブロックコポリマーを含む層のパターン形成方法、及び下地剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブロックコポリマーの相分離を利用して、基板表面に、位置及び配向性がより自在にデザインされたナノ構造体を備える基板を製造することができるブロックコポリマーを含む層のパターン形成方法の提供。
【解決手段】基板1上に樹脂成分を含有する下地剤を塗布し、該下地剤からなる層2を形成する工程(1)と、複数種類のブロックが結合したブロックコポリマーを含む層3を前記下地剤2からなる層表面に形成した後、前記ブロックコポリマーを含む層3を相分離する工程(2)と、前記ブロックコポリマーを含む層3のうち、前記ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロックのうちの少なくとも一種類のブロックからなる相3aを選択的に除去する工程(3)と、を有することを特徴とするブロックコポリマーを含む層のパターン形成方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板上に形成した複数種類のブロックが結合したブロックコポリマーを含む層のパターン形成方法、ブロックコポリマーを含む層を相分離させるために用いられる下地剤に関する。
近年、大規模集積回路(LSI)のさらなる微細化に伴い、より繊細な構造体を加工する技術が求められている。このような要望に対して、互いに非相溶性のブロック同士を結合させたブロックコポリマーの自己組織化により形成される相分離構造を利用して、より微細なパターンを形成する試みが始まっている。
ブロックコポリマーの相分離を利用するためには、ミクロ相分離により形成された自己組織化ナノ構造を特定の領域のみに形成し、かつ所望の方向へ配列させることが必須となる。これらの位置制御及び配向制御を実現するために、ガイドパターンによって、相分離パターンを制御するグラフォエピタキシーと、基板の化学状態の違いによって相分離パターンを制御するケミカルエピタキシーといった方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
これらに好適に用いられる方法として、基板の上に2つのブロック鎖の表面自由エネルギーの中間の値の表面自由エネルギーとされた中性層を形成することで、基板の上のブロック共重合体が接触する面が、2つのブロック鎖の表面自由エネルギーの中間の値の表面自由エネルギーとされている状態とする方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−36491号公報
プロシーディングスオブエスピーアイイ(Proceedings of SPIE),第7637巻,第76370G−1(2010年).
しかしながら、中性層を構成する下地剤がエポキシ基を有する構成単位を含有する場合には、この構成単位の開環重合の進行度によって、中性層の接触角が低下してしまう、即ち、中性層の最適状態にずれが生じることが本発明者により明らかとなった。
特に、基板上に酸性触媒を用いた反射防止膜(BARC)等が設けられている場合には、中性層が酸性触媒の影響を受け、エポキシ基を有する構成単位の開環重合が進行しやすくなってしまう。
また、下地剤は、エポキシ基に限られず、重合性基を有する構成単位を含有するものであれば、その重合度により、中性層の最適状態に影響を与える。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ブロックコポリマーの相分離を利用して、基板表面に、位置及び配向性がより自在にデザインされたナノ構造体を備える基板を製造し得るブロックコポリマーを含む層のパターン形成方法、及び下地剤を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の一態様は、基板上に樹脂成分を含有する下地剤を塗布し、該下地剤からなる層を形成する工程(1)と、複数種類のブロックが結合したブロックコポリマーを含む層を前記下地剤からなる層表面に形成した後、前記ブロックコポリマーを含む層を相分離する工程(2)と、前記ブロックコポリマーを含む層のうち、前記ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロックのうちの少なくとも一種類のブロックからなる相を選択的に除去する工程(3)と、を有し、前記樹脂成分が、芳香族環含有構成単位を10〜90モル%有し、且つ、エポキシ基、オキセタニル基、及びエチレン性不飽和二重結合含有基からなる群から選ばれる1種以上の重合性基を含有する構成単位を5〜20モル%有することを特徴とするブロックコポリマーを含む層のパターン形成方法である。
本発明の第二の態様は、基板上に形成した複数種類のブロックが結合したブロックコポリマーを含む層を相分離させるために用いられる下地剤であって、樹脂成分を含有し、該樹脂成分が、芳香族環含有構成単位を10〜90モル%有し、且つ、エポキシ基、オキセタニル基、及びエチレン性不飽和二重結合含有基からなる群から選ばれる1種以上の重合性基を含む構成単位を5〜20モル%有することを特徴とする下地剤である。
本明細書および本特許請求の範囲において、「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
また、「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「ハロゲン化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「構成単位」とは、高分子化合物(重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
「(メタ)アクリル酸」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸と、α位にメチル基が結合したメタクリル酸の一方あるいは両方を意味する。
「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。
「(メタ)アクリレート」とは、α位に水素原子が結合したアクリレートと、α位にメチル基が結合したメタクリレートの一方あるいは両方を意味する。
本発明によれば、ブロックコポリマーの相分離を利用して、基板表面に、位置及び配向性がより自在にデザインされたナノ構造体を備える基板を製造することができる。
本実施形態におけるブロックコポリマーを含む層のパターン形成方法の各工程図である。 本実施形態におけるブロックコポリマーを含む層のパターン形成方法の各工程図である。 本実施形態におけるブロックコポリマーを含む層のパターン形成方法の各工程図である。 実施例におけるシリコン基板の表面の走査型電子顕微鏡像である。
<ブロックコポリマーを含む層のパターン形成方法>
図1に示されるように、本発明のブロックコポリマーを含む層のパターン形成方法は、基板1上に樹脂成分を含有する下地剤を塗布し、該下地剤からなる層2を形成する工程(1)と、複数種類のブロックが結合したブロックコポリマーを含む層3を前記下地剤からなる層2表面に形成した後、前記ブロックコポリマーを含む層3を相分離する工程(2)と、前記ブロックコポリマーを含む層3のうち、前記ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロックのうちの少なくとも一種類のブロックからなる相3aを選択的に除去する工程(3)と、を有し、前記樹脂成分が、芳香族環含有構成単位を10〜90モル%有し、且つ、エポキシ基、オキセタニル基、及びエチレン性不飽和二重結合含有基からなる群から選ばれる1種以上の重合性基を含有する構成単位を5〜20モル%有する。
複数種類のブロックが結合したブロックコポリマーを含む層は、相分離により、各ブロックを主成分とする相に分離することができる。本発明においては、まず、基板1の表面を中性化し、相分離を制御するために、芳香族環含有構成単位を有する樹脂成分を含有する下地剤を塗布し、該下地剤からなる層2を形成する。
該相分離において相の位置及び配向性を制御するために、前記下地剤は、芳香族環含有構成単位を有する樹脂成分を含有する。前記樹脂成分全体の構成単位のうち芳香族環含有構成単位の占める割合は10モル%〜90モル%である。上記範囲を外れると、基板1の表面の中性化ができず、相分離形成を自在に制御できない。
前記樹脂成分全体の構成単位のうち芳香族環含有構成単位の占める割合としては、35モル%〜90モル%が好ましく、40モル%〜90モル%がより好ましい。
また、前記樹脂成分は、更に、エポキシ基、オキセタニル基、及びエチレン性不飽和二重結合含有基からなる群から選ばれる1種以上の重合性基を含有する構成単位を有する。前記樹脂成分全体の構成単位のうち前記重合性基を含有する構成単位の占める割合は5モル%〜20モル%である。上記範囲を外れると、前記重合性基を含有する構成単位の重合度が適切なものとならず、基板1の表面の中性化の最適状態にずれが生じ、相分離形成を自在に制御できない。
前記樹脂成分全体の構成単位のうち前記重合性基を含有する構成単位の占める割合としては、8モル%〜20モル%が好ましく、10モル%〜20モル%がより好ましい。
次に、構造中の少なくとも一の相が残存するように、当該相分離構造中の一又は複数の相を選択的に除去することにより、ブロックコポリマーを含む層のパターン形成をすることができる。
すなわち、基板表面上の構造体の位置及び配向性は、ブロックコポリマーを含む層の相分離構造のうち、選択的に除去される相の位置及び配向性により規定される。つまり、基板表面に形成させる相分離構造の位置及び配向性を適宜調整することにより、所望の位置及び配向性のナノ構造体を基板表面に形成させることができる。特に、従来のレジストパターンよりも微細なパターンを形成することが可能な相分離構造を鋳型として用いることにより、非常に微細な形状のナノ構造体を備える基板を形成することができる。
以下、各工程とそこで用いられる材料について、より詳細に説明する。
<ブロックコポリマー>
ブロックコポリマーは、複数種類のブロックが結合した高分子である。ブロックコポリマーを構成するブロックの種類は、2種類であってもよく、3種類以上であってもよい。本発明においては、ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロックは、相分離が起こる組み合わせであれば特に限定されるものではないが、互いに非相溶であるブロック同士の組み合わせであることが好ましい。また、ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロック中の少なくとも1種類のブロックからなる相が、他の種類のブロックからなる相よりも、容易に選択的に除去可能な組み合わせであることが好ましい。
ブロックコポリマーとしては、例えば、スチレン又はその誘導体を構成単位とするポリマーと(メタ)アクリル酸エステルを構成単位とするブロックとを結合させたブロックコポリマー、スチレン又はその誘導体を構成単位とするブロックとシロキサン又はその誘導体を構成単位とするブロックとを結合させたブロックコポリマー、及びアルキレンオキシドを構成単位とするブロックと(メタ)アクリル酸エステルを構成単位とするブロックとを結合させたブロックコポリマー等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸のカルボキシ基末端に、アルキル基、ヒドロキシアルキル基等が結合しているものが挙げられる。
アルキル基としては、炭素原子数1〜10の直鎖状、分岐鎖状、又は環状のアルキル基が挙げられる。
ヒドロキシアルキル基としては、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基が好ましく、具体的には、上記の炭素数1〜10のアルキル基の水素原子の一部または全部がヒドロキシ基で置換された基が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとして、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸アントラセン、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメタン、(メタ)アクリル酸プロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
スチレンの誘導体としては、例えば、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−n−オクチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−ニトロスチレン、3−ニトロスチレン、4−クロロスチレン、4−フルオロスチレン、4−アセトキシビニルスチレン、ビニルシクロへキサン、4−ビニルベンジルクロリド、1−ビニルナフタレン、4−ビニルビフェニル、1−ビニルー2−ピロリドン、9−ビニルアントラセン、ビニルピリジン等が挙げられる。
シロキサンの誘導体としては、例えば、ジメチルシロキサン、ジエチルシロキサン、ジフェニルシロキサン、メチルフェニルシロキサン等が挙げられる。
アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソプロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられる。
本発明においては、スチレンから誘導される構成単位を有するブロックと(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を有するブロックとを結合させたブロックコポリマーを用いることが好ましい。具体的には、ポリスチレン−ポリメチルメタクリレート(PS−PMMA)ブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリエチルメタクリレートブロックコポリマー、ポリスチレン−(ポリ−t−ブチルメタクリレート)ブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリメタクリル酸ブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリメチルアクリレートブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリエチルアクリレートブロックコポリマー、ポリスチレン−(ポリ−t−ブチルアクリレート)ブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリアクリル酸ブロックコポリマー等が挙げられる。本発明においては、特に、PS−PMMAブロックコポリマーを用いることが好ましい。
ブロックコポリマーを構成する各ブロックの質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、相分離を起こすことが可能な大きさであれば特に限定されるものではないが、5000〜500000が好ましく、10000〜400000がより好ましく、20000〜300000がさらに好ましい。
またブロックコポリマーの分散度(Mw/Mn)は1.0〜3.0が好ましく、1.0〜1.5がより好ましく、1.0〜1.2がさらに好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
なお、以下において、ブロックコポリマーを構成するブロックのうち、後の工程で選択的に除去されないブロックをPブロック、選択的に除去されるブロックをPブロックという。例えば、PS−PMMAブロックコポリマーを含む層を相分離した後、当該層に対して酸素プラズマ処理や水素プラズマ処理等を行うことにより、PMMAからなる相が選択的に除去される。この場合、PSがPブロックであり、PMMAがPブロックである。
本発明において、選択的に除去される相(すなわち、Pブロックからなる相)の形状や大きさは、ブロックコポリマーを構成する各ブロックの成分比や、ブロックコポリマーの分子量により規定される。例えば、ブロックコポリマー中に占めるPブロックの体積当たりの成分比を比較的小さくすることにより、Pブロックからなる相中にPブロックからなる相がシリンダー状に存在するシリンダー構造を形成させることができる。一方で、ブロックコポリマー中に占めるPブロックとPブロックの体積当たりの成分比を同程度にすることにより、Pブロックからなる相とPブロックからなる相とが交互に積層されたラメラ構造を形成させることができる。また、ブロックコポリマーの分子量を大きくすることにより、各相の大きさを大きくすることができる。
<基板>
本発明において用いられる基板としては、下地剤およびブロックコポリマーを塗布する際に溶解あるいは混和するものでなければ特に限定されず、例えば、シリコンウェーハ、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属製の基板、ガラス基板などの金属酸化物からなる基板、ポリマーフィルム(ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリイミド、ベンゾシクロブテン等)等が挙げられる。また、前記基板の大きさや形状は、特に限定されるものではなく、平板状であること以外は、適宜選択することができる。
本発明において、基板に無機系および/または有機系の膜を設けてもよい。無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)や多層レジスト法における下層有機膜等の有機膜が挙げられる。
ここで、多層レジスト法とは、基板上に、少なくとも一層の有機膜(下層有機膜)と、少なくとも一層のレジスト膜(上層レジスト膜)とを設け、上層レジスト膜に形成したレジストパターンをマスクとして下層有機膜のパターニングを行う方法であり、高アスペクト比のパターンを形成できるとされている。すなわち、多層レジスト法によれば、下層有機膜により所要の厚みを確保できるため、レジスト膜を薄膜化でき、高アスペクト比の微細パターン形成が可能となる。
多層レジスト法には、基本的に、上層レジスト膜と、下層有機膜との二層構造とする方法(2層レジスト法)と、上層レジスト膜と下層有機膜との間に一層以上の中間層(金属薄膜等)を設けた三層以上の多層構造とする方法(3層レジスト法)とに分けられる。
<基板洗浄処理>
ブロックコポリマーを含む層を形成する前に、基板表面を洗浄してもよい。基板表面を洗浄することにより、後の中性化反応処理が良好に行える場合がある。
洗浄処理としては、従来公知の方法を利用でき、例えば酸素プラズマ処理、オゾン酸化処理、酸アルカリ処理、化学修飾処理等が挙げられる。例えば、基板を硫酸/過酸化水素水溶液等の酸溶液に浸漬させた後、水洗し、乾燥させる。その後、当該基板の表面に、ブロックコポリマーを含む層を形成することができる。
<中性化処理>
中性化処理とは、基板表面を、ブロックコポリマーを構成するいずれのブロックとも親和性を有するように改変する処理をいう。中性化処理を行うことにより、相分離によって特定のブロックからなる相のみが基板表面に接することを抑制することができる。本発明においては、ブロックコポリマーを含む層を形成する前に、基板表面に、用いるブロックコポリマーの種類に応じた中性化処理を行っておく。該処理工程は、相分離によって基板表面に対して自在に配向されたシリンダー構造、ドット構造、ジャイロイド構造等を形成させるに必要な工程である。
具体的には、中性化処理としては、基板表面に、ブロックコポリマーを構成するいずれのブロックとも親和性を有する下地剤を含む薄膜(中性化膜)を形成する処理を行う。
<下地剤>
このような中性化膜としては、樹脂組成物からなる膜を用いることができる。下地剤として用いられる樹脂組成物は、ブロックコポリマーを構成するブロックの種類に応じて、薄膜形成に用いられる従来公知の樹脂組成物の中から適宜選択することができるが、本発明においては、樹脂成分全体の構成単位のうち10〜90モル%が芳香族環含有構成単位である。すなわち、本発明の下地剤は、芳香族環含有構成単位と、該芳香族環含有構成単位以外の構成単位である芳香族環非含有構成単位と、を含有する樹脂成分全体の構成単位のうち、上記割合の芳香族環含有構成単位を含有することでブロックコポリマーを構成するいずれのブロックとも親和性を有する。
また、前記樹脂成分は、更に、エポキシ基、オキセタニル基、及びエチレン性不飽和二重結合含有基からなる群から選ばれる1種以上の重合性基を含有する構成単位を5〜20モル%有する。重合性基を含有する構成単位の割合が、かかる範囲内にあることにより、重合性基を含有する構成単位の重合度を適切に調整し、中性化膜を最適なものとすることができる。
本発明の下地剤としては、例えば、ブロックコポリマーを構成する各ブロックの構成単位をいずれも含む樹脂組成物や、ブロックコポリマーを構成する各ブロックと親和性の高い構成単位をいずれも含む樹脂等が挙げられる。
例えば、PS−PMMAブロックコポリマーを用いる場合には、下地剤として、PSから誘導される構成単位とPMMAから誘導される構成単位の両方を含む樹脂組成物や、芳香環のPSと親和性が高い部位と、極性の高い官能基等のPMMAと親和性の高い部位の両方を含む化合物又は組成物を用いることが好ましい。
PSとPMMAの両方を構成単位として含む樹脂組成物としては、例えば、PSとPMMAのランダムコポリマー、PSとPMMAの交互ポリマー(各モノマーが交互に共重合しているもの)等が挙げられる。
以下、下地剤として用いられる樹脂組成物について詳細に説明する。
芳香族環含有構成単位は、芳香族環含有モノマーから誘導される構成単位である。
該芳香族環含有モノマーとしては、ビニル基を有する炭素数6〜18の芳香族化合物、(メタ)アクリロイル基を有する炭素数6〜18の芳香族化合物が好ましく挙げられる。
ビニル基を有する炭素数6〜18の芳香族化合物としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族環の水素原子をビニル基に置換した基、及びこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等を有するモノマーが挙げられる。これらは、ビニル基以外に置換基を有していてもよい。
例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−n−オクチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−ニトロスチレン、3−ニトロスチレン、4−クロロスチレン、4−フルオロスチレン、4−アセトキシビニルスチレン、ビニルシクロへキサン、4−ビニルベンジルクロリド、1−ビニルナフタレン、4−ビニルビフェニル、1−ビニル−2−ピロリドン、9−ビニルアントラセン、ビニルピリジン等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有する炭素数6〜18の芳香族化合物としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族環の水素原子を(メタ)アクリロイル基に置換した基、及びこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等を有するモノマーが挙げられる。これらは、(メタ)アクリロイル基以外に置換基を有していてもよい。
例えば、メタクリル酸ベンジル、1−(メタ)アクリル酸−ナフタレン、(メタ)アクリル酸4−メトキシナフタレン、9−(メタ)アクリル酸アントラセン、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記樹脂成分は、芳香族環非含有モノマーから誘導される芳香族環非含有構成単位を含有する。芳香族環非含有構成単位は、極性の高い置換基を有するものとして、硫黄原子、酸素原子、窒素原子、リン原子及びケイ素原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含むものであることが好ましい。
前記芳香族環非含有モノマーは、ビニル化合物又は(メタ)アクリル化合物であることがより好ましく、トリメトキシシリル基、トリクロロシリル基、カルボキシ基、水酸基、シアノ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等を有するモノマーが挙げられる。
具体的には、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、及びtert−ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、アリルトリメトキシシラン等のシロキサン系化合物;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、及びビニルシクロヘキサン等のビニル系化合物が挙げられる。
前記樹脂成分全体の構成単位のうち、芳香族環非含有構成単位の占める割合は、5モル%〜85モル%であることが好ましく、5モル%〜55モル%であることがより好ましく、5モル%〜35モル%であることが特に好ましい。
前記樹脂成分と、ブロックコポリマーを構成する各ブロックとの親和性のバランスの観点から、芳香族環非含有構成単位の占める割合が、上記範囲内にあることが好ましい。
前記樹脂成分は、更に、エポキシ基、オキセタニル基、及びエチレン性不飽和二重結合含有基からなる群から選ばれる1種以上の重合性基を含有する構成単位を5〜20モル%有する。
[エポキシ基含有構成単位]
エポキシ基含有構成単位は、エポキシ基含有モノマーから誘導される構成単位である。
エポキシ基含有モノマーとしては、下記一般式(I)〜(XVII)で表される化合物が挙げられる。
ここで、Rは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5ハロゲン化アルキル基である。アルキル基、ハロゲン化アルキル基については後述する。
は、それぞれ独立に炭素数1〜6の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
およびXは、それぞれ独立に炭素数1〜10の2価の炭化水素基である。
lは、0〜10の整数である。
としては、直鎖又は分枝状のアルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が好ましい。XおよびXとしては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、シクロへキシレン基が好ましい。
R’は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基又はアシル基であって、水素原子が好ましい。
上記式の中でも、(I)〜(X)、(XIII)、(XVI)および(XVII)で表される化合物が好ましい。
[オキセタニル基含有構成単位]
オキセタニル基含有構成単位は、オキセタニル基含有モノマーから誘導される構成単位である。
オキセタニル基含有モノマーとしては、下記一般式(g2−4)で表される化合物が挙げられる。
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5ハロゲン化アルキル基であり;R’はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、シアノ基、水酸基、炭素数1〜5のアルコキシ基または−COOR”であり;R29は単結合または2価の連結基である。]
一般式(g2−4)において、Rの炭素数1〜5のアルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜5のアルキル基が挙げられる。
また、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基として、上記炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。ここでハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
R’の炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン化アルキル基としては、Rと同様のものが挙げられる。
R’の炭素数1〜5のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。
−COOR”におけるR”は、水素原子または炭素数1〜15の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基である。
R”が直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基の場合は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましく、メチル基またはエチル基であることが特に好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は、炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカンや、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
29は単結合または2価の連結基である。2価の連結基としては、アルキレン基、2価の脂肪族環式基またはヘテロ原子を含む2価の連結基が挙げられる。
29がアルキレン基である場合、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜6であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが特に好ましく、炭素数1〜3であることが最も好ましい。
29が2価の脂肪族環式基である場合、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、イソボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンから水素原子が2個以上除かれた基であることが特に好ましい。
29がヘテロ原子を含む2価の連結基である場合、ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−、「−A−O(酸素原子)−B−(ただし、AおよびBはそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。)」、「−A−O−C(=O)−B−」等が挙げられる。
Aにおける炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。
Aにおける脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
Aにおける脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8がより好ましく、2〜5がさらに好ましく、2が最も好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基、エチレン基[−(CH−]、トリメチレン基[−(CH−]、テトラメチレン基[−(CH−]、ペンタメチレン基[−(CH−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−等のアルキルエチレン基;−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
鎖状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
環を含む脂肪族炭化水素基としては、環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を2個除いた基)、該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合するか又は鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。
多環式基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
Aとしては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数2〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、エチレン基が最も好ましい。
Bにおける炭化水素基としては、前記Aで挙げたものと同様の2価の炭化水素基が挙げられる。
Bとしては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基またはアルキルメチレン基が特に好ましい。
アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
以下に、前記一般式(g2−4)で表されるモノマーの具体例を例示する。以下の式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
[エチレン性不飽和二重結合含有基含有構成単位]
エチレン性不飽和二重結合含有基含有構成単位は、エチレン性不飽和二重結合含有基含有モノマーから誘導される構成単位である。
エチレン性不飽和二重結合含有基含有モノマーとしては、下記の化合物が挙げられる。
エチレン性不飽和二重結合が2つの重合性化合物:
2価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステルである2官能(メタ)アクリレートを用いることができる。2官能(メタ)アクリレートの好ましい例としては、次式で示される化合物が挙げられる。
CH=CHCO−(OCn−O−paraC−C(R12−paraC−O−(CO)−COCH=CH
(但しn=0〜8、m=0〜8、R12はHもしくはCH
これらの具体例として、市販品のアロニックスM−210(n≒2、m≒2、R=CH)(東亜合成化学工業(株)製)、KAYARAD R−551(n+m≒4、R=CH)、同R−712(n+m≒4、R=H)(以上日本化薬(株)製)が挙げられる。
また、次式で示される化合物も好適に使用できる。
CH=CHCOO−R−COCH=CH
(但しR=炭素数2〜8のオキシアルキル基もしくはエチレングリコール基、プロピレングリコール基を1〜10繰り返したもの)
これらの具体例として、市販品のアロニックスM−240(R=−(CHCHO)−、n≒4)、同M−245(R=−(CHCHO)n−、n≒9)(東亜合成化学工業(株)製)、KAYARAD
HDDA(R=−(CHCHCHCHCHO)−)、同NPGDA(R=−(CHC(CHCHO)−)、同TPGDA(R=−(CHCH(CH)O−)、同PEG400DA(R=−(CHCHO)n−、n≒8)、同MANDA(R=−(CHC(CHCHO)−)、同HX−220(R=−(CHCHCHCHCHO)−CH−C(CHCOOCHC(CHCHO(COCHCHCHCHCHO)n−、m+n=2)、同HX−620(R=−(CHCHCHCHCHO)−CH−C(CHCOOCHC(CHCHO(COCHCHCHCHO)n−、m+n=4)(日本化薬(株)製))を挙げることができる。
また、次式で示される化合物も好適に使用できる。
A−(M−N)n−M−A(但し、Aは(メタ)アクリル酸残基(CH=C(HまたはCH)COO−)、Mは2価のアルコール残基、Nは2塩基酸残基を示し、n=0〜15)
これらの具体例として、オリゴエステルアクリレート(市販品としてM−6100、同M−6200、同M−6250、同M−6300、同M−6400、同M−6500(東亜合成化学工業(株)製)を挙げることができる。またその他の例として市販品のR−604(日本化薬(株)製)、V260、V312、V335HP(以上大阪有機化学工業(株)製)等を挙げることができる。
エチレン性不飽和二重結合が3つ以上の重合性化合物:
3価以上のアルコールの(メタ)アクリル酸エステルを用いることができる。構造としては次式に示されるような化合物を使用できる。
[CH=CHCO−(OC−OCH−CCH(但しnは0〜8、RはH、OH、CHから選ばれる基)
これらの具体例として、市販品のアロニックスM−309(n=0、R=CH)、同M−310(n≒1、R=CH)(東亜合成化学工業(株)製)、KAYARAD TMPTA(n=0、R=CH)(日本化薬(株)製)、V−295(n=0、R=CH)、V−300(n=0、R=OH)(大阪有機化学工業(株)製)を挙げることができる。
また次式に示されるような化合物も好適に使用できる。
[(CH=CHCOOCH−CCH−R(R=O、CH
これらの具体例としては、市販品のアロニックスM−400(東亜合成化学工業(株)製)を挙げることができる。同様に次式に示されるような化合物も好適に使用できる。
A−(X(A)−Y)n−XA(但しAは(メタ)アクリル酸、Xは多価アルコール、Yは多塩基酸を示し、n=0〜15)
具体例としては市販品のアロニックスM−7100、同M−8030、同M−8060、同M−8100、同M−9050(東亜合成化学工業(株)製))を挙げることができる。
また次式に示されるような化合物も好適に使用することができる。
[CH=CHCO−(OC10CO)−]a[−(OCHCCHOCHC(CHO)−](COCH=CH
(但しm≒1もしくは2、a≒2〜6の整数、b≒0〜6の整数)
市販品としてはKAYARAD DPCA−20(m≒1、a≒2、b≒4)、同DPCA−30(m≒1、a≒3、b≒3)、同DPCA−60(m≒1、a≒6、b≒0)、同DPCA−120(m≒2、a≒6、b≒0)(以上日本化薬(株)製))が挙げられる。その他にV−360、同−GPT、同−3PA、同−400(大阪有機化学工業(株)製)等を挙げることができる。
また次式に示されるような化合物も好適に使用できる。
[CH=CHCO−(OCn−OCH−CCH(但し個々のnは異なってもよく、nの総和は0〜24、RはH、OH、CHから選ばれる基)
これらの具体例として、市販品のアロニックスM−350(nの総和=3、R=CH)、同M−360(nの総和=6、R=CH)(東亜合成化学工業(株)製)、SR−502(nの総和=9、R=CH)、SR−9035(nの総和=15、R=CH)、SR−415(nの総和=20、R=CH)(化薬サートマー(株)製)を挙げることができる。
また、他のエチレン性不飽和二重結合含有基モノマーとしては、グリシジルメタクリレート変性メタクリル酸、ベンゾシクロブテン等を挙げることができる。
[重合性モノマー]
本発明の下地剤は、任意成分として重合性モノマーを含有していてもよい。重合性モノマーとして以下のものが挙げられる。
オキセタンモノマー:
3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(OXT−101:東亞合成)、2−エチルヘキシルオキセタン(OXT−212:東亞合成)、キシリレンビスオキセタン(OXT−121:東亞合成)、3−エチル−3−{[3−エチルオキセタン−3−イル]メトキシメチル}オキセタン(OXT−221:東亞合成)等のオキセタンモノマーを挙げることができる。
エポキシモノマー:
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(jER828:三菱化学)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(jER807:三菱化学)、ビフェニル型エポキシ樹脂(YX4000H:三菱化学)、ナフタレン型エポキシ樹脂(EPICLON HP−4032D,EPICLON HP−4700:DIC)、脂環式エポキシ樹脂(GT−401:ダイセル化学)等のエポキシモノマーを挙げることができる。
下地剤における重合性モノマーの含有量は、樹脂成分100質量部に対して、1〜30質量部が好ましく、5〜15質量部であることがより好ましい。上記範囲内であれば、下地剤からなる層の良好な成膜性及び経時安定性が得られる。
[重合開始剤]
下地剤は、重合開始剤を含有することが好ましい。重合開始剤としては、熱酸発生剤、熱硬化触媒、光酸発生剤等が挙げられる。
熱酸発生剤としては、例えば、サンエイドSI−45、同左SI−47、同左SI−60、同左SI−60L、同左SI−80、同左SI−80L、同左SI−100、同左SI−100L、同左SI−145、同左SI−150、同左SI−160、同左SI−110L、同左SI−180L(以上、三新化学工業社製品、商品名)、CI−2921、CI−2920、CI−2946、CI−3128、CI−2624、CI−2639、CI−2064(以上、日本曹達(株)社製品、商品名)、CP−66、CP−77(旭電化工業社製品、商品名)、FC−520(3M社製品、商品名)などに代表されるジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩、オキソニウム塩、アンモニウム塩等を使用できる。
熱硬化触媒としては、酸無水物が挙げられる。酸無水物としては、多塩基酸無水物が挙げられ、具体的には、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、Δ4−テトラヒドロ無水フタル酸、4−メチル−Δ4−テトラヒドロ無水フタル酸、3−メチル−Δ4−テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、水素化メチルナジック酸無水物、4−(4−メチル−3−ペンテニル)テトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水アジピン酸、無水マレイン酸、無水セバシン酸、無水ドデカン二酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、ドデセニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、アルキルスチレン無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
光酸発生剤としては、例えば、サイラキュアUVI−6970、サイラキュアUVI−6974、サイラキュアUVI−6990、サイラキュアUVI−950(以上、米国ユニオンカーバイド社製、商品名)、イルガキュア261(BASF社製、商品名)、SP−150、SP−151、SP−170、オプトマーSP−171(以上、旭電化工業株式会社製、商品名)、CG−24−61(BASF社製、商品名)、DAICATII(ダイセル化学工業社製、商品名)、UVAC1591(ダイセル・サイテック(株)社製、商品名)、CI−2064、CI−2639、CI−2624、CI−2481、CI−2734、CI−2855、CI−2823、CI−2758(以上、日本曹達社製品、商品名)、PI−2074(ローヌプーラン社製、商品名、ペンタフルオロフェニルボレートトルイルクミルヨードニウム塩)、FFC509(3M社製品、商品名)、BBI−102、BBI−101、BBI−103、MPI−103、TPS−103、MDS−103、DTS−103、NAT−103、NDS−103(ミドリ化学社製、商品名)、CD−1012(米国、Sartomer社製、商品名)などに代表されるジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩、オキソニウム塩、アンモニウム塩等のオニウム塩系酸発生剤を使用できる。
また、光酸発生剤として、オキシムスルホネート系酸発生剤が挙げられる。オキシムスルホネート系酸発生剤としては、[2−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−2,3−ジヒドロチオフェン−3−イリデン](o−トリル)アセトニトリル、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル等が挙げられる。
重合開始剤の含有量は、樹脂成分に対して0.1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。重合開始剤の含有量を上記範囲内のものとすることにより、樹脂成分の感度を良好なものとすることができ、硬化不良を抑制することができる。
[溶剤]
溶剤としては、従来、樹脂成分の溶剤として公知のものを特に制限されずに用いることができる。
具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;ブチルカルビトール等のカルビトール類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル等の乳酸エステル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;γ−ブチロラクン等のラクトン類等が挙げられる。
これらの溶剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶剤成分の含有量は、特に限定されないが、一般には樹脂成分が10〜60質量%となる量が好ましく、20〜50質量%となる量がより好ましい。
[その他の成分]
下地剤は、所望により、付加的樹脂、安定剤、着色剤、界面活性剤等を含有していてもよい。
下地剤において、芳香族環含有構成単位と、エポキシ基、オキセタニル基、及びエチレン性不飽和二重結合含有基からなる群から選ばれる1種以上の重合性基を含有する構成単位とを有する樹脂成分1種を単独で用いても良く、樹脂成分全体の構成単位のうち10〜90モル%が芳香族環含有構成単位であり、且つ、5〜20モル%が、エポキシ基、オキセタニル基、及びエチレン性不飽和二重結合含有基からなる群から選ばれる1種以上の重合性基を含有する構成単位であれば、2種以上を併用して用いてもよい。
下地剤における樹脂成分の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、特に限定されるものではないが、3000〜300000が好ましく、3000〜300000がより好ましく、3000〜300000が最も好ましい。この範囲であればスピンコートによる成膜性が良好であり、溶剤溶解性が良く液調整が容易である。
また、分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
<ガイドパターンの形成1(グラフォエピタキシー)>
また、本発明においては、図2に示されるように、基板11に本発明の下地剤を塗布し、該下地剤からなる層を形成する工程(1)(中性化処理)を行った後に、下地剤からなる層12(中性化膜)の表面にガイドパターン14を形成することが好ましい。下地剤からなる層12(中性化膜)の表面は、ブロックコポリマーを含む層13を形成する前に、予めパターンが形成されたガイドパターン14を有していてもよい。これにより、ガイドパターン14の形状・表面特性に応じた相分離構造の配列構造制御が可能となる。例えば、ガイドパターン14がない場合にはランダムな指紋状の相分離構造が形成されるブロックコポリマーであっても、下地剤からなる層12(中性化膜)の表面にレジスト膜の溝構造を導入することにより、その溝に沿って配向した相分離構造が得られる。このような原理でガイドパターン14を導入してもよい。またガイドパターン14の表面が、ブロックコポリマーを構成するいずれかのブロック(13a)と親和性を備えることにより、基板11の表面に対して垂直方向に配向されたラメラ構造からなる相分離構造を形成しやすくすることもできる。
下地剤からなる層12(中性化膜)の表面にガイドパターン14を備える基板としては、リソグラフィー法やインプリント法により下地剤からなる層12(中性化膜)の表面にパターンを形成したものを用いることもできる。これら中でも、リソグラフィー法を用いたものが好ましい。例えば、下地剤からなる層12(中性化膜)の表面に、ブロックコポリマーを構成するいずれかのブロックと親和性を有するレジスト組成物からなる膜を形成した後、所定のパターンが形成されたマスクを介して、光、電子線等の放射線にて選択的露光を行い、現像処理を施すことにより、ガイドパターン14を形成することができる。
ガイドパターン14に用いられるレジスト組成物は、ブロックコポリマーを構成するいずれかのブロックと親和性を有するものであれば、特に限定されず、ポジ型レジスト組成物であっても、ネガ型レジスト組成物であってもよい。
ポジ型レジスト組成物は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する基材成分、及び露光により酸を発生する酸発生剤成分を含有するレジスト組成物である。かかるポジ型レジスト組成物においては、放射線が照射(露光)されると、酸発生剤成分から酸が発生し、該酸の作用により極性が増大してアルカリ現像液に対する溶解性が増大する。そのため、ガイドパターン14の形成において、当該レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜に対して選択的露光を行うと、当該レジスト膜における露光部の、前記アルカリ現像液に対する溶解性が増大する一方で、未露光部はアルカリ難溶性のまま変化しないため、アルカリ現像を行うことにより露光部が除去されてガイドパターン14が形成される。なお、該ポジ型レジスト組成物としては、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大し、且つ、露光により酸を発生する基材成分を含有するものも用いることができる。
ネガ型レジスト組成物は、アルカリ現像液に可溶性の基材成分と、露光により酸を発生する酸発生剤成分と、架橋剤とを含有するレジスト組成物である。かかるネガ型レジスト組成物においては、露光により酸発生剤成分から酸が発生すると、当該酸が作用して基材成分と架橋剤成分との間で架橋が起こり、アルカリ現像液に対して難溶性へ変化する。そのため、ガイドパターン14の形成において、当該レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜に対して選択的露光を行うと、当該レジスト膜における露光部はアルカリ現像液に対して難溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ現像液に対して可溶性のまま変化しないため、アルカリ現像することにより未露光部が除去されてガイドパターン14が形成できる。
ガイドパターン14の具体的な形成方法としては、例えば、基板表面上に、前記ポジ型レジスト組成物又はネガ型レジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベーク(ポストアプライベーク(PAB))を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、これに例えばArF露光装置などにより、ArFエキシマレーザー光を所望のマスクパターンを介して選択的に露光した後、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。次いでこれを現像処理する。現像方法としては、有機溶剤、例えば酢酸ブチル、2−ヘプタノンやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて現像処理してもよいし、アルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いて現像処理してもよい。現像処理後、好ましくは純水を用いて水リンスを行い、乾燥を行う。また、場合によっては、上記現像処理後にベーク処理(ポストベーク)を行ってもよい。このようにして、マスクパターンに忠実なガイドパターン14を形成することができる。
また、上述した有機溶剤を用いた現像方法を含むガイドパターン14の形成方法として、酸の作用により極性が増大し、有機溶剤を含有する現像液に対する溶解性が減少する基材成分、及び露光により酸を発生する酸発生剤成分を含有するネガ型現像用レジスト組成物を用いる方法が挙げられる。
かかるネガ型現像用レジスト組成物においては、放射線が照射(露光)されると、基材成分から酸が発生し、該酸の作用により基材成分の有機溶剤に対する溶解性が減少する。そのため、ガイドパターン14の形成において、当該レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜に対して選択的露光を行うと、当該レジスト膜における露光部の、前記有機溶剤を含有する有機系現像液に対する溶解性が減少する一方で、未露光部の該有機系現像液に対する溶解性は変化しないため、該有機系現像液を用いたネガ型現像を行うことにより未露光部が除去されてガイドパターン14が形成される。
かかるネガ型現像用レジスト組成物の基材成分としては、例えば、4〜12員環のラクトン含有環式基を含み、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位、及び/又は3〜7員環のエーテル含有環式基を含み、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位からなる構成単位(a2)と、酸の作用により極性が増大する酸分解性基を含み、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)と、を有する樹脂成分(A1)を含有するものが挙げられる。
また、前記基材成分は、極性基含有脂肪族炭化水素基を含み、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を含んでいてもよい。
樹脂成分(A1)として、例えば、下記一般式(A1−13)に示す構成単位の組合せを含むものが挙げられる。
[式中、RおよびR29はそれぞれ前記と同じであり、R12は炭素数1〜7のアルキル基であり、s”は0または1〜2の整数であり、hは1〜6の整数であり、jは1〜3の整数である。]
また、前記ネガ型現像用レジスト組成物の酸発生剤成分としては、例えば、これまで化学増幅型レジスト用酸発生剤に用いられてきたオニウム塩系酸発生剤が挙げられる。
ガイドパターン14の下地剤からなる層12(中性化膜)の表面からの高さは、基板11の表面に形成されるブロックコポリマーを含む層の厚み以上であることが好ましい。ガイドパターンの下地剤からなる層12(中性化膜)の表面からの高さは、例えば、ガイドパターン14を形成するレジスト組成物を塗布して形成されるレジスト膜の膜厚によって適宜調整することができる。
ガイドパターン14を形成するレジスト組成物は、一般的にレジストパターンの形成に用いられるレジスト組成物やその改変物の中から、ブロックコポリマーを構成するいずれかのブロックと親和性を有するものを適宜選択して用いることができる。当該レジスト組成物としては、ポジ型レジスト組成物とネガ型レジスト組成物のいずれであってもよいが、ネガ型レジスト組成物であることが好ましい。
また、ガイドパターン14が形成された下地剤からなる層12の表面上にブロック共重合体の有機溶剤溶液が流し込まれた後、相分離を起こすために、熱処理がなされる。このため、ガイドパターン14を形成するレジスト組成物としては、耐溶剤性と耐熱性に優れたレジスト膜を形成し得るものであることが好ましい。
<ガイドパターンの形成2(ケミカルエピタキシー)>
また、本発明においては、図3に示されるように、基板21の表面は、前記のような物理的に凹凸のある構造からなるガイドパターンに代えて、より平面的なガイドパターンを形成してもよい。具体的には、ブロックコポリマーを構成するいずれかのブロックと親和性を有する領域と、その他の領域とからなるガイドパターン22’を有していてもよい。
平面的なガイドパターン22’は、例えば、以下のようにして形成することができる。まず、下地剤として、重合開始剤を含有することが好ましく、感光性重合開始剤を含有することがより好ましい。当該下地剤を基板21表面に塗布してレジスト膜(下地剤からなる層22)を形成した後(工程(1))、所定のパターンが形成されたマスクを介して、光、電子線等の放射線にて選択的露光を行い、現像処理を施す工程(2’)により、基板21表面に、ブロックコポリマーを構成するいずれかのブロックと親和性を有する薄膜が所定のパターンに配置される。これにより、下地剤から形成された領域と下地剤が除去された領域とが所定のパターンに配された平面的なガイドパターン22’を形成することができる。
<ブロックコポリマーを含む層の相分離構造の形成>
まず、基板表面にブロックコポリマーを含む層を形成する。具体的には、適用な有機溶剤に溶解させたブロックコポリマーを、スピンナー等を用いて基板表面に塗布する。
ブロックコポリマーを溶解させる有機溶剤としては、用いるブロックコポリマーを溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、ブロックコポリマーを構成する各ブロックのいずれとも相溶性の高いものを用いることができる。有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
ブロックコポリマーを溶解させる有機溶剤としては、例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;
エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、又はジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類又は前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテル又はモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];
ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;
アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
例えば、ブロックコポリマーとしてPS−PMMAブロックコポリマーを用いる場合には、トルエン等の芳香族系有機溶剤に溶解させることが好ましい。
また、基板表面に形成されるブロックコポリマーを含む層の厚みは、ブロックコポリマーの分子量 (ポリマー周期)に依存し、一般にポリマー周期の0.5〜4.0倍の範囲で塗布する。
本発明においては、ブロックコポリマーを含む層の厚さは、相分離が起こるために十分な厚みであればよく、該厚さの下限値としては、特に限定されないが、ナノ構造体の強度、ナノ構造体が形成された基板の均一性等を考慮すると、3nm以上であることが好ましく、5nm以上であることがさらに好ましい。
ブロックコポリマーを含む層が形成された基板を熱処理し、後工程におけるブロックコポリマーの選択除去によって基板表面の少なくとも一部が露出するような相分離構造を形成させる。熱処理の温度は、用いるブロックコポリマーのガラス転移温度以上であり、かつ熱分解温度未満で行うことが好ましい。
例えば、PS−PMMAブロックコポリマーを用いる場合には、熱処理温度は、180℃〜240℃が好ましく、200℃〜240℃がより好ましい。また、熱処理時間としては、1分〜60分が好ましく、1分〜30分がより好ましい。本発明の下地剤によれば、かかる高温・長時間の熱処理によっても、中性層の最適状態にずれが生じていることがない。
<相分離構造中のPポリマーからなる相の選択除去>
次いで、相分離構造を形成させた後の基板上のブロックコポリマーを含む層のうち、露出しているPブロックからなる相(図1の3a、図2の13a、図3の23a)を選択的に除去する(工程(3))。これにより、Pブロックからなる相(図1の3b、図2の13b、図3の23b)のみが、基板の露出面に残る。これにより、Pブロックからなる相のうち、基板表面からブロックコポリマーを含む層の表面まで連続して形成されていた相が除去され、基板表面が露出する。
このような選択的除去処理は、Pブロックに対しては影響せず、Pブロックを分解除去し得る処理であれば、特に限定されるものではなく、樹脂膜の除去に用いられる手法の中から、PブロックとPブロックの種類に応じて、適宜選択して行うことができる。また、基板表面に予め中性化膜が形成されている場合には、当該中性化膜もPブロックからなる相と同様に除去される。また、基板表面に予めガイドパターンが形成されている場合には、当該ガイドパターンは、Pブロックと同様に除去されない。このような除去処理としては、例えば、酸素プラズマ処理、オゾン処理、UV照射処理、熱分解処理、及び化学分解処理等が挙げられる。
以上説明した、本発明のブロックコポリマーを含む層のパターン形成方法によれば、ブロックコポリマーの相分離を利用して、基板表面に、位置及び配向性がより自在にデザインされたナノ構造体を備える基板を製造することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[下地剤]
表1、2にポリマー1〜16の合成に用いたモノマー及びその構成比(単位はモル%)、合成したポリマーの分子量(Mw)及び分散度(PDI)を示す。
表3〜表6の成分表に従って、実施例1〜27、比較例1〜4の下地剤を調製した(単位は質量部)。
表3〜6中、(M)−1〜(M)−5、(BQ)−1〜(BQ)−3、(P)−1を以下に示す。
[垂直ラメラ形成能の評価]
<実験方法1>
8インチシリコン基板上に、有機系反射防止膜組成物「ARC−29A」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンコートし、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚82nmの有機系反射防止膜を形成した。
次いで、PGMEAを用いて、0.5〜2%濃度に調製した実施例1〜27、比較例1〜4の下地剤を膜厚10nmになるように回転数を調整し、有機系反射防止膜上にスピンコートした。
次いで、250℃で600秒間のベーク処理を行った。
実施例1、3〜20、22〜27、比較例1〜4においては、この基板に、PS−PMMAブロックコポリマー1(Polymer Source社製、PSの分子量:18000、PMMAの分子量:18000、分散度(Poly dispersity index:PDI):1.07)のPGMEA溶液1.9wt%を、膜厚60nmになるようにスピンコート(回転数:1000rpm、60秒間)した後、110℃で60秒間加熱乾燥した。
実施例2、21においては、この基板に、PS−PMMAブロックコポリマー2(Polymer Source社製、PSの分子量:45000、PMMAの分子量:20000、分散度(Poly dispersity index:PDI):1.07)のPGMEA溶液1.9wt%を、膜厚60nmになるようにスピンコート(回転数:1000rpm、60秒間)した後、110℃で60秒間加熱乾燥した。
次いで、当該基板を、大気下、240℃で600秒加熱し、相分離構造を形成させた。
その後、実施例1、3〜20、22〜27、比較例1〜4においては、TCA−3822(東京応化工業製)を用いて、当該基板を酸素プラズマ処理(40℃、40Pa、200W、20秒間)を行い、PMMAからなる相を選択的に除去した。
実施例2、21においては、オゾンレス低圧水銀ランプ(254nm)(SUV110GS−36;セン特殊光源社製)を用いて、当該基板に対して、UV露光量が16mJ/cmとなるように、大気下、UVを2分間照射した。その後、当該基板をトルエンに15秒浸漬させ、PMMAからなる相を選択的に除去した後、窒素ガスで風乾した。
このようにして得られた基板の表面を走査型電子顕微鏡SU−8000(日立製作所)で観察した。ライン幅14nm、スペース間隔14nmのL/Sパターン、ホール直径20nmのコンタクトホールパターンが形成されたものを〇、形成されなかったものを×、と評価した。結果を表3〜6の[垂直相分離観察(BARC)]に示す。
この結果から、芳香族環含有構成単位を10〜90モル%有し、且つ、エポキシ基、オキセタニル基、及びエチレン性不飽和二重結合含有基からなる群から選ばれる1種以上の重合性基を含有する構成単位を5〜20モル%有する樹脂成分を含有する下地剤を用い、所定の工程を経ることにより、基板上に選択的に垂直ラメラを形成できることが明らかである。
<実験方法2>
8インチシリコン基板(以下、Bare Siという。)上に、有機系反射防止膜組成物「ARC−29A」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンコートし、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚82nmの有機系反射防止膜(BARC)を形成した(以下、w/BARCという。)。
次いで、PGMEAを用いて、0.5〜2%濃度に調製した実施例1、比較例1の下地剤を膜厚10nmになるように回転数を調整し、Bare Si上、又はw/BARC上にスピンコートした。
次いで、250℃又は300℃で、1分、5分、10分ベーク処理を行った。
このようにして得られた基板の表面に水を滴下し、DROP MASTER−700(製品名、協和界面科学株式会社製)を用いて、接触角の測定を行った(接触角の測定:水2μL)。結果を表8に示す。
実施例1の下地剤を処理した基板においては、下地処理のいずれの温度・時間においても、基板表面に有機系反射防止膜を形成するか否かによる接触角の差(Bare Siとw/BARCにおける接触角の差)は観察されなかった。
一方、比較例1の下地剤を処理した基板においては、下地処理のいずれの温度・時間においても、w/BARCにおける接触角は、Bare Siにおける接触角に対して低下していることが観察された。このことから、比較例1の下地剤を用いて形成した中性層の最適状態にずれが生じていることが確認された。
特に比較例1においては、高温下における接触角の低下が顕著である一方、実施例1においては、高温下においても接触角の顕著な低下が観察されなかった。このことから、実施例1の下地剤を用いて形成した中性層の熱マージンが広いことが確認された。
また、上記実験方法2と同様にして、Bare Si又はw/BARC上に実施例1又は比較例1の下地剤を塗布し、250℃で10分間のベーク処理を行った。その後、該基板上にPS−PMMAブロックコポリマー1(Polymer Source社製、PSの分子量:18000、PMMAの分子量:18000、分散度(Poly dispersity index:PDI):1.07)のトルエン溶液(17.5mg/ml)を、膜厚30nmになるようにスピンコート(回転数:1000rpm、60秒間)した後、110℃で60秒間加熱乾燥した。
次いで、当該基板を、大気下、240℃で600秒加熱し、相分離構造を形成させた。
このようにして得られた基板の表面を走査型電子顕微鏡SU−8000(日立ハイテクノロジー社製)で観察した。結果を図4に示す。
図4(a)に示すように、実施例1においては、Bare Si、w/BARCのいずれにも、ラメラパターンが観察された。図4(b)に示すように、比較例1においては、Bare Siにおいて、ラメラパターンが観察されたが、w/BARCにおいては、下地処理を250℃1分にしてもラメラパターンが観察されなかった。
この結果から、芳香族環含有構成単位を10〜90モル%有し、且つ、エポキシ基、オキセタニル基、及びエチレン性不飽和二重結合含有基からなる群から選ばれる1種以上の重合性基を含有する構成単位を5〜20モル%有する樹脂成分を含有する下地剤を用い、所定の工程を経ることにより、中性層の最適状態にずれが生じることなく、基板上に選択的に垂直ラメラを形成できることが明らかである。
[ガイドパターン形成による相分離構造の配列構造制御の評価(グラフォエピタキシー)]
[製造例1]
ホールパターンを形成させるレジスト膜を形成するためのレジスト組成物溶液を製造した。
具体的には、下記式(A)−1で表されるポリマー(Mw:10000、分散度(Poly dispersity index:PDI):1.7)を100質量部、下記式(B)−1で表される光酸発生剤(和光純薬社製)を10質量部、トリ−n−アミルアミンを1.2質量部、サリチル酸を2.0質量部、及びPGMEAを2500質量部混合し、溶解してレジスト組成物溶液を調製した。なお、式(A)−1中、( )の右下の数値は各構成単位の割合(モル%)を示す。
(実施例28)
まず、有機系反射防止膜組成物「ARC−29」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて8インチシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚82nmの有機系反射防止膜を形成した。
該有機系反射防止膜上に、実施例3の下地剤をスピンナーを用いて塗布し、250℃10分間焼成して乾燥させることにより、膜厚10nmの膜を形成した。この膜上に、製造例1により製造されたレジスト組成物溶液を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、80℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚100nmのL/Sパターン形成用レジスト膜を形成した。
次いで、当該ホールパターン形成用レジスト膜に対して、ArF露光装置NSR−S302A(ニコン社製;NA(開口数)=0.60)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、L/S200/200nmのパターンを形成するためのマスクパターン(6%ハーフトーン)を介して選択的に照射した。そして、125℃、60秒間の条件で露光後加熱(PEB)処理を行い、さらに酢酸ブチルで16秒間の条件で現像し、振り切り乾燥を行った。
次いで100℃、1分間、その後200℃、5分間の条件でポストベーク処理を行った。
この基板に、PS−PMMAブロックコポリマー1(Polymer Source社製、PSの分子量:18000、PMMAの分子量:18000、分散度(Poly dispersity index:PDI):1.07)のPGMEA溶液1.9wt%を、膜厚60nmになるようにスピンコート(回転数:1000rpm、60秒間)した後、110℃で60秒間加熱乾燥した。
次いで、当該基板を、大気下、240℃で600秒加熱し、相分離構造を形成させた。
その後、TCA−3822(東京応化工業製)を用いて、当該基板を酸素プラズマ処理(40℃、40Pa、200W、20秒間)を行い、PMMAからなる相を選択的に除去した。
(実施例29)
実施例28で用いたPS−PMMAブロックコポリマーを、PS−PMMAブロックコポリマー2(Polymer Source社製、PSの分子量:45000、PMMAの分子量:20000、分散度(Poly dispersity index:PDI):1.07)に代え、オゾンレス低圧水銀ランプ(254nm)(SUV110GS−36;セン特殊光源社製)を用いて、相分離構造を形成させた基板に対して、UV露光量が16mJ/cmとなるように、大気下、UVを2分間照射し、当該基板をトルエンに15秒浸漬させ、PMMAからなる相を選択的に除去した以外は、実施例28と同様の方法を行った。
(比較例5)
下地剤を用いず、BARC上に直接ガイドパターンを形成した以外は、実施例28と同様の方法を行った。
(比較例6)
下地剤を用いず、BARC上に直接ガイドパターンを形成した以外は、実施例25と同様の方法を行った。
実施例28〜29の方法においては、200nmのスペースに8周期のPS−PMMAのラメラパターンが観察された。一方、比較例5〜6の方法においては、200nmのスペースにおいて、ガイドレジスト側から2周期ずつ計4周期のラメラパターンが観察されたが、中央に出来るべき4周期のラメラパターンが観察されなかった。
この結果から、芳香族環含有構成単位を10〜90モル%有し、且つ、エポキシ基、オキセタニル基、及びエチレン性不飽和二重結合含有基からなる群から選ばれる1種以上の重合性基を含有する構成単位を5〜20モル%有する樹脂成分を含有する下地剤を用い、所定の工程を経ることにより、中性層の最適状態にずれが生じることなく、ガイドパターンの形状・表面特性に応じた相分離構造の配列構造制御が可能となることが明らかである。
1、11、21…基板、2、12、22…下地剤からなる層、14、22’…ガイドパターン、3、13、23…ブロックコポリマーを含む層、3a、13a、23a…Pブロックからなる相層、3b、13b、23b…Pブロックからなる相

Claims (4)

  1. 基板上に樹脂成分を含有する下地剤を塗布し、該下地剤からなる層を形成する工程(1)と、
    複数種類のブロックが結合したブロックコポリマーを含む層を前記下地剤からなる層表面に形成した後、前記ブロックコポリマーを含む層を相分離する工程(2)と、
    前記ブロックコポリマーを含む層のうち、前記ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロックのうちの少なくとも一種類のブロックからなる相を選択的に除去する工程(3)と、を有し、
    前記樹脂成分が、芳香族環含有構成単位を10〜90モル%有し、且つ、エポキシ基、オキセタニル基、及びエチレン性不飽和二重結合含有基からなる群から選ばれる1種以上の重合性基を含有する構成単位を5〜20モル%有することを特徴とするブロックコポリマーを含む層のパターン形成方法。
  2. 工程(1)の後、前記下地剤からなる層を選択的露光し、現像して、前記基板上に下地剤からなる層のパターンを形成する工程(2’)を有し、
    前記下地剤は、重合開始剤を含有する請求項1記載のブロックコポリマーを含む層のパターン形成方法。
  3. 前記樹脂成分が、さらに、硫黄原子、酸素原子、窒素原子、リン原子及びケイ素原子からなる群から選ばれる1種以上の原子を含む芳香族環非含有構成単位を5〜85モル%有する請求項1又は2に記載のブロックコポリマーを含む層のパターン形成方法。
  4. 基板上に形成した複数種類のブロックが結合したブロックコポリマーを含む層を相分離させるために用いられる下地剤であって、
    樹脂成分を含有し、該樹脂成分が、芳香族環含有構成単位を10〜90モル%有し、且つ、エポキシ基、オキセタニル基、及びエチレン性不飽和二重結合含有基からなる群から選ばれる1種以上の重合性基を含む構成単位を5〜20モル%有することを特徴とする下地剤。
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