JP2013211616A - 端末装置、端末制御方法、プログラム、および情報処理システム - Google Patents

端末装置、端末制御方法、プログラム、および情報処理システム Download PDF

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    • G06NCOMPUTING ARRANGEMENTS BASED ON SPECIFIC COMPUTATIONAL MODELS
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Abstract

【課題】各端末装置が、多数の端末装置で収集したデータを効率よく利用することができるようにする。
【解決手段】端末装置の取得部は、現時刻における現在地のローカル情報を取得する。蓄積部は、取得したローカル情報を所定期間蓄積する。通信部は、蓄積した所定期間のローカル情報を、情報処理装置に送信するとともに、情報処理装置が複数の端末装置から取得したローカル情報を用いて学習された統計モデルのパラメータを情報処理装置から受信する。予測部は、受信した統計モデルのパラメータを用いて、任意の時刻および場所におけるローカル情報を予測する。本技術は、例えば、現在地とは別の場所におけるローカルな情報を予測して、また、共有する端末装置に適用できる。
【選択図】図2

Description

本技術は、端末装置、端末制御方法、プログラム、および情報処理システムに関し、特に、各端末装置が、多数の端末装置で収集したデータを効率よく利用することができるようにする端末装置、端末制御方法、プログラム、および情報処理システムに関する。
近年、スマートフォンなど、大容量のデータを通信できる携帯型の無線通信端末の急速な普及に伴い、通信回線の混雑度が問題となってきている。
本出願人は、回線の混雑度を、基地局のスクランブルコードに対する受信信号の相関出力aと、他のスクランブルコードに対する相関出力の最小値bを用いた指標b/aを用いて推定する方法を提案している(例えば、特許文献1、2参照)。また、本出願人は、回線混雑度から、通信レートを推定することも提案している(例えば、特許文献2参照)。
さらに、本出願人は、ユーザの現在地から、目的地とそこまでの移動ルートを予測し、通信を行う時刻、場所、通信システム、伝送レートなどを選択する技術を提案している(例えば、特許文献3参照)。
特開2011−10267号公報(0110段落) 特開2012−9987号公報(0062,0073,0077段落) 特開2010−211425号公報(0121ないし0130段落)
しかしながら、特許文献3の技術では、多数のクライアント端末(端末装置)からサーバに収集された、目的地や移動ルートにおける通信環境に関する通信情報を利用することは記載されているものの、どのように利用するかについては明らかではない。多数のクライアント端末で収集された通信情報をすべて取得したのでは、通信回線も混雑し、クライアント端末に必要な記憶容量も大きくなる。
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、各端末装置が、多数の端末装置で収集したデータを効率よく利用することができるようにするものである。
本技術の第1の側面の端末装置は、現時刻における現在地のローカル情報を取得する取得部と、取得した前記ローカル情報を所定期間蓄積する蓄積部と、蓄積した所定期間の前記ローカル情報を、情報処理装置に送信するとともに、前記情報処理装置が複数の端末装置から取得した前記ローカル情報を用いて学習された統計モデルのパラメータを前記情報処理装置から受信する通信部と、受信した前記統計モデルのパラメータを用いて、任意の時刻および場所におけるローカル情報を予測する予測部とを備える。
本技術の第1の側面の端末制御方法は、端末装置が、現時刻における現在地のローカル情報を取得し、取得した前記ローカル情報を所定期間蓄積し、蓄積した所定期間の前記ローカル情報を、情報処理装置に送信するとともに、前記情報処理装置が複数の端末装置から取得した前記ローカル情報を用いて学習された統計モデルのパラメータを前記情報処理装置から受信し、受信した前記回帰モデルのパラメータを用いて、任意の時刻および場所におけるローカル情報を予測するステップを含む。
本技術の第1の側面のプログラムは、コンピュータを、現時刻における現在地のローカル情報を取得する取得部と、取得した前記ローカル情報を所定期間蓄積する蓄積部と、蓄積した所定期間の前記ローカル情報を、情報処理装置に送信するとともに、前記情報処理装置が複数の端末装置から取得した前記ローカル情報を用いて学習された統計モデルのパラメータを前記情報処理装置から受信する通信部と、受信した前記回帰モデルのパラメータを用いて、任意の時刻および場所におけるローカル情報を予測する予測部として機能させるためのものである。
本技術の第1の側面においては、現時刻における現在地のローカル情報が取得され、取得された前記ローカル情報が所定期間蓄積され、蓄積された所定期間の前記ローカル情報が、情報処理装置に送信されるとともに、前記情報処理装置が複数の端末装置から取得した前記ローカル情報を用いて学習された統計モデルのパラメータが前記情報処理装置から受信され、受信された前記回帰モデルのパラメータを用いて、任意の時刻および場所におけるローカル情報が予測される。
本技術の第2の側面の情報処理システムは、端末装置と情報処理装置とからなり、前記端末装置が、現時刻における現在地のローカル情報を取得する取得部と、取得した前記ローカル情報を所定期間蓄積する蓄積部と、蓄積した所定期間の前記ローカル情報を、前記情報処理装置に送信するとともに、前記情報処理装置が複数の端末装置から取得した前記ローカル情報を用いて学習された統計モデルのパラメータを前記情報処理装置から受信する通信部とを備え、前記情報処理装置が、前記端末装置から送信されてくる所定期間の前記ローカル情報を受信するとともに、前記統計モデルのパラメータを前記端末装置に送信する通信部と、複数の端末装置から受信した前記ローカル情報を用いて、前記統計モデルのパラメータを学習する学習部とを備え、前記端末装置または前記情報処理装置のいずれかが、受信した前記統計モデルのパラメータを用いて、任意の時刻および場所におけるローカル情報を予測する予測部を備える。
本技術の第2の側面においては、端末装置において、現時刻における現在地のローカル情報が取得され、取得された前記ローカル情報が所定期間蓄積され、蓄積された所定期間の前記ローカル情報が、情報処理装置に送信されるとともに、前記情報処理装置が複数の端末装置から取得した前記ローカル情報を用いて学習された統計モデルのパラメータが前記情報処理装置から受信され、前記情報処理装置において、前記端末装置から送信されてくる所定期間の前記ローカル情報が受信されるとともに、前記統計モデルのパラメータが前記端末装置に送信され、複数の端末装置から受信した前記ローカル情報を用いて、前記統計モデルのパラメータが学習され、前記端末装置または前記情報処理装置のいずれかにおいて、前記統計モデルのパラメータを用いて、任意の時刻および場所におけるローカル情報が予測される。
なお、プログラムは、伝送媒体を介して伝送することにより、又は、記録媒体に記録して、提供することができる。
端末装置および情報処理装置は、独立した装置であっても良いし、1つの装置を構成している内部ブロックであっても良い。
本技術の第1の側面によれば、各端末装置が、多数の端末装置で収集したデータを効率よく利用することができる。
本技術の第2の側面によれば、各端末装置に、多数の端末装置で収集したデータを効率よく利用させることができる。
本技術が適用された情報処理システムの一実施の形態の構成例を示す図である。 携帯端末とサーバの機能的な構成例を示すブロック図である。 混雑度データの例を示す図である。 所定期間に収集した混雑度をグラフ化した図である。 混雑度の移動平均として算出した平均化混雑度を示す図である。 1日ごとの平均化混雑度を1か月間について示した図である。 サポートベクタ回帰におけるε許容誤差関数を示す図である。 連立方程式によるパラメータ算出処理のフローチャートである。 勾配法によるパラメータ算出処理のフローチャートである。 サポートベクタ回帰モデルのパラメータanとan~の例を示す図である。 サポートベクタ回帰モデルのパラメータ更新を行うデータ更新処理について説明するフローチャートである。 混雑度を予測する予測処理を説明するフローチャートである。 サポートベクタ回帰モデルのパラメータを学習する学習処理について説明するフローチャートである。 サポートベクタ回帰モデルにより混雑度を予測した予測結果について説明する図である。 サポートベクタ回帰モデルにより混雑度を予測した予測結果について説明する図である。 サポートベクタ回帰モデルにより混雑度を予測した予測結果について説明する図である。 関連ベクタ回帰モデルについて説明する図である。 関連ベクタ回帰モデルのパラメータmとΣの例を示す図である。 関連ベクタ回帰モデルにより混雑度を予測した予測結果を示す図である。 サポートベクタ回帰モデルと関連ベクタ回帰モデルの予測性能を比較した比較結果の例を示す図である。 サポートベクタ回帰モデルと関連ベクタ回帰モデルのデータの個数を比較した図である。 予測結果画面の例を示す図である。 隠れマルコフモデルを説明する図である。 ユーザの移動履歴の学習結果を示す図である。 移動経路と目的地を予測して混雑度を予測する予測処理のフローチャートである。 予測処理による予測結果の例を示す図である。 予測処理による予測結果の例を示す図である。 予測処理による予測結果の例を示す図である。 ローカル情報を入力する入力画面の例を示す図である。 ローカル情報を予測する予測結果画面の例を示す図である。 本技術が適用されたコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
<情報処理システムの実施の形態>
[情報処理システムの構成例]
図1は、本技術が適用された情報処理システムの一実施の形態の構成例を示している。
図1の情報処理システム1は、複数の携帯端末(端末装置)11と、携帯端末11で取得された所定のデータを収集し、解析するサーバ12と、携帯端末11がサーバ12とデータ通信を行う際に接続する基地局(基地局)13とで構成される。
なお、図1においては、3台の携帯端末11−1乃至11−3と、6基の基地局13−1乃至13−6が示されているが、携帯端末11と基地局13の数がこれに限定されるものではない。
携帯端末11は、ユーザの現在地から接続可能な基地局13として検出された複数の基地局13のうち、例えば、最も近い基地局13を、接続する基地局13(以下、自セル13という。)として決定する。なお、自セル13をどのようにして決定するかは任意である。
また、携帯端末11は、自セル13を介して、サーバ12と所定のデータを送受信する。本実施の形態では、携帯端末11は、自セル13の通信回線の混雑度を所定の時間間隔で計測し、混雑度データとして蓄積しておき、蓄積された混雑度データをサーバ12に送信する。さらに、携帯端末11は、サーバ12が多数の携帯端末11から収集した混雑度データに基づいて学習して得られたパラメータを、サーバ12から受信する。なお、ここでいう回線の混雑度とは、多重化された無線通信における通信帯域の占有度合いを示す指標である。
携帯端末11は、サーバ12から受信したパラメータを用いて、自セル13以外の所定の基地局13の混雑度を推定する。基地局13の混雑度を推定した推定結果は、現時点以降に接続する基地局13を決定するために利用できる。例えば携帯端末11は、ユーザの移動経路と目的地を予測し、移動経路および目的地で接続する基地局13を、受信したパラメータに基づいて混雑度を推定してから決定する。
携帯端末11は、本実施の形態では、スマートフォンと呼ばれる携帯電話である。携帯端末11は、例えば、タブレット端末、携帯型のPC(Personal Computer)、携帯型オーディオプレーヤなどでもよい。携帯端末11が、携帯電話通信網の基地局13に接続できない場合には、基地局13は、Wi-Fiなどの無線通信のアクセスポイントでもよい。
サーバ12は、複数の携帯端末11から収集した基地局13の混雑度を、回帰モデルで学習する(統計モデルでモデル化する)。本実施の形態では、回帰モデルとして、カーネル回帰モデル、特に、後述するように、サポートベクタ回帰モデル、または、関連ベクタ回帰モデルを採用する。
そして、サーバ12は、学習により得られた回帰モデルのパラメータ(モデルパラメータ)を、携帯端末11へ送信する。携帯端末11は、例えば、1分間隔で取得する混雑度の時系列データ(混雑度データ)を、1日分だけ蓄積し、1日に1回の割合でサーバ12へ接続して送信する。サーバ12は、収集された混雑度データに基づいて学習を実行し、携帯端末11が次に接続して混雑度データを送信してきたときに、更新された学習モデルのモデルパラメータを、携帯端末11に送信する。携帯端末11が蓄積した混雑度データをサーバ12へ送信したり、サーバ12から更新されたモデルパラメータを受信する間隔、サーバ12が回帰モデルのモデルパラメータを更新するタイミングは任意である。
[携帯端末とサーバの機能構成例]
図2は、携帯端末11とサーバ12の機能的な構成例を示すブロック図である。
携帯端末11は、混雑度取得部41、混雑度データ蓄積部42、サーバ通信部43、パラメータ記憶部44、予測部45、入力部46、および表示部47を有する。
携帯端末11の混雑度取得部41は、所定の時間間隔で自セル13の混雑度を計算するか、または、図示せぬブロックで計算された混雑度を取得し、混雑度データ蓄積部42に供給する。混雑度を取得するタイミングは必ずしも一定間隔である必要はない。
混雑度データ蓄積部42は、サーバ通信部43がサーバ12に接続し、混雑度データを送信するまでの間、混雑度取得部41から供給される混雑度を蓄積する。
サーバ通信部43は、一日一回程度など、混雑度データ蓄積部42にある程度の混雑度のデータが蓄積された所定のタイミングで、サーバ12に接続し、混雑度データ蓄積部42に蓄積されている混雑度データをサーバ12に送信する。
また、サーバ通信部43は、サーバ12に接続したときに、回帰モデルの更新されたパラメータがサーバ12にある場合には、そのパラメータを受信し、パラメータ記憶部44に記憶させる。パラメータ記憶部44は、サーバ12から取得した回帰モデルのパラメータを記憶し、必要に応じて予測部45に供給する。
予測部45は、パラメータ記憶部44に記憶されている回帰モデルのパラメータを用いて、自セル13以外の所定の基地局13の混雑度を予測(推定)する。
入力部46は、自セル13以外の所定の基地局13の混雑度を予測するための条件を予測部45に入力する。例えば、入力部46は、ユーザに、どの基地局13のいつの混雑度を予測するかを指定(入力)させ、指定された基地局13を特定する情報と時刻を予測部45に供給する。また例えば、ユーザの移動経路と目的地を予測し、移動経路および目的地で接続する基地局13を予測する場合には、入力部46は、ユーザの移動経路と目的地を予測するブロックに相当し、当該ブロックで予測した移動経路と目的地の周辺に位置する基地局13を特定する情報を予測部45に供給する。ここで、予測部45に入力される基地局13を特定する情報としては、例えば、基地局13を特定するIDである。
表示部47は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイなどで構成され、予測部45の予測結果を表示する。
サーバ12は、混雑度データ取得部61、データ前処理部62、回帰モデル学習部63、およびパラメータ送信部64を有する。
混雑度データ取得部61は、複数の携帯端末11それぞれから所定のタイミングで送信されてくる混雑度データを取得(受信)し、データ前処理部62に供給する。
データ前処理部62は、多数の携帯端末11で取得された混雑度データを、回帰モデル学習部63が学習するのに適したデータとなるような所定の前処理を行い、処理後のデータを、回帰モデル学習部63に供給する。例えば、データ前処理部62は、多数の携帯端末11で取得された混雑度データをマージし、時系列、および、基地局IDごとに並べ替える処理を、前処理として行う。データ前処理部62により、多数の携帯端末11で取得された混雑度データがマージされることで、携帯端末11を所有するユーザのプライバシーの問題を軽減することができる。
回帰モデル学習部63は、多数の携帯端末11により収集された混雑度データに基づいて、各基地局13の混雑度を所定の回帰モデルで学習し、学習結果としてのモデルパラメータを生成する。混雑度データを学習する回帰モデルとしては、サポートベクタモデルか、または、関連ベクタ回帰モデルが採用される。学習処理は、予め定めた所定のタイミング(例えば、一日一回)で行われ、その時点までに蓄積された学習用データに基づいて、回帰モデル(のパラメータ)が更新される。学習処理は、その時点で蓄積されている全データを用いて再度学習してもよいし、新たに蓄積された学習用データのみを用いて追加的に学習するものでもよい。以下では、回帰モデル学習部63が、サポートベクタ回帰モデルにより学習するものとして説明し、その後で、関連ベクタ回帰モデルについても後述する。
パラメータ送信部64は、携帯端末11が混雑度データを送信するため接続してきたときに、学習モデルの更新されたモデルパラメータを携帯端末11に送信する。なお、更新後の新たなモデルパラメータの送信は、混雑度データの受信とは別のタイミングで実行してもよい。
携帯端末11とサーバ12は以上のように構成される。以下、携帯端末11とサーバ12それぞれが行う処理の詳細についてさらに説明する。
[混雑度データの例]
図3は、携帯端末11で取得され、混雑度データ蓄積部42に蓄積される混雑度データの例を示している。
混雑度データは、図3に示すように、混雑度が取得(計算)された日付と時刻、自セル13の基地局ID、および、混雑度の組(セット)のデータである。
日付と時刻は、携帯端末11のシステムクロックから取得される。日付と時刻の他に、曜日、平日か休日(祝祭日を含む)であるか、などの情報もデータとして含めてもよい。あるいは、気象情報(気温、湿度、降雨量、降雪量など)、周辺状況(明るさ、騒音など)、何らかのイベントが発生する情報などを含めて良い。また、基地局IDは、基地局13を識別するIDである。基地局IDは、現在地のエリアを推定する情報となる。基地局IDの代わりに、スクランブルコードを用いてもよいし、基地局IDとスクランブルコードの両方を基地局ID13の識別データとして記憶してもよい。スマートフォンのアプリケーションなどでは、自セル13の基地局IDを取得するようなAPIが用意されている。
混雑度は、自セル13の通信回線の混雑度を表す。例えば、符号分割多重接続(CDMA)方式では、多重化されるDPCHの数(Dedicated Physical Channel)、すなわち、自セル13に属するユーザ数、若しくは、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)において複数のユーザが共有する高速下り共有チャンネルの数(HS-DSCHの数)が多くなると、各DPCH、あるいは、各HS-DSCHは拡散されているものの、各スクランブルコードの相関出力を少なからず増加させる。このため、最も大きかったスクランブルコードの相関出力をaとし、他のスクランブルコードの相関出力のうちで最も小さい相関出力をbとすると、ユーザ数が増えて空き容量が減少するにつれ、または干渉が大きくなるにつれ、相関出力b/相関出力aが大きくなると考えられる。そこで、混雑度取得部41は、相関出力aと相関出力bの比率b/aを、混雑度(を示す指標)として利用できる。なお、混雑度の算出方法は、上述の例に限らず、通信方式等の所定の条件に従って適宜決定することができる。
図4は、携帯端末11に、ある基地局13の混雑度を、15秒間隔で所定期間(約2か月)計測したときのデータを1日分ごとに重ね書きして示したグラフである。このデータは、一つの基地局13の混雑度を1台の携帯端末11で計測したデータであるが、複数の携帯端末11で取得された混雑度を、データ前処理部62によりマージし、ある一つの基地局13について混雑度を集計した場合も、図4に示されるようなデータとなる。
図4の横軸は、1日内の時刻(0時から24時)を示し、縦軸は、混雑度を示す。混雑度は、その値が大きいほど混雑していることを表す。
図4の混雑度を見ると、混雑度が「0.3」付近の「混雑状態」と、混雑度が「0.1」付近の「非混雑状態」という2つの状態がかすかに分かる。図4は、「混雑状態」と「非混雑状態」の2つの状態が観測される確率が、時間的に変化しているとも言える。予測部45は、「混雑状態」と「非混雑状態」の2つの状態が観測される確率を予測できればよい。しかし、図4の状態では、2つの状態の観測確率の変遷をダイレクトに捉えることは難しい。
図5は、図4に示した混雑度のデータを、前後20分ずつの計40分間のデータの移動平均として算出した平均化混雑度のデータを示している。
図5のように平均化混雑度でプロットしてみると、図4における場合よりも時間的な変遷が分かりやすい。例えば、0時から8時ごろまでの平均化混雑度は、毎日似た傾向を示している。一方、8時から24時までの平均化混雑度には、おおまかに2通りの変遷がある。このデータを取得した基地局13がある場所がオフィス街であるので、8時から24時までの混雑度が高い傾向のデータは平日のデータであり、混雑度が低い傾向のデータは、休日のデータであることが想像される。
そこで、例えば、図5に示したデータ取得期間のうち、11月の1か月について日付別に、平均化混雑度を分類してみると、図6のようになる。
図6において、土曜日と日曜日、および、祝祭日(11/3,11/23)の日の平均化混雑度が、太線の枠で囲んで示されている。図6を見ると、土日、および、祝祭日の日の平均化混雑度は、平日の平均化混雑度と異なる傾向を示していることが分かる。すなわち、図5において、8時から24時までの平均化混雑度に見られた2通りの変遷は、平日と休日の違いであることが分かった。
以上から、混雑度は、平日と休日とで傾向が異なることがわかった。したがって、例えば、学習するモデルとして、平日と休日とでデータを分けて、学習させる(パラメータを求める)ことが考えられる。この場合、学習モデルとして混雑度を予測する場合には、平日か休日かによって使用するモデルを変えることになる。
しかし、そのように、何らかの条件で場合分けをして学習することには、いくつか問題がある。例えば、混雑度のパターンが、本当に平日か休日かだけに依るものかどうかが確実ではなく、他の要因で様々なパターンが存在する可能性がある。すなわち、収集するデータの傾向を完全に把握した上で、モデル化する必要があり、また場合分けが多数になった場合には、演算処理も膨大となる。
換言すれば、曜日や、休日、平日などの必要となりそうな条件を入力でき、一つの学習モデルで学習することができる学習モデルが好ましい。このような学習モデルとして、本実施の形態では、カーネル回帰モデルの一種であり、サポートベクタ回帰モデルが採用される。サポートベクタ回帰モデルは、一般的なカーネル回帰モデルよりもパラメータの数を少なくすることができるという特徴を有している。これにより、パラメータ送受信時の携帯端末11とサーバ12間の通信容量、および、携帯端末11のパラメータ記憶部44の記憶容量を削減することができる。
[サポートベクタ回帰モデル]
サポートベクタ回帰モデルについて説明する。
サポートベクタ回帰は、線形基底の重みパラメータに、コスト関数を最適化するパラメータを用いる回帰分析の一種である。コスト関数としては、普通の回帰モデルでは二乗誤差がよく用いられるが、サポートベクタ回帰では、図7に示されるようなε許容誤差関数が使用される。
サポートベクタ回帰については、C.M.ビショップ著,パターン認識と機械学習(下),シュプリンガー出版に詳細が記載されている。
サポートベクタ回帰モデルでは、入力の説明変数xに対して、出力の目的変数y(x)が、次式(1)で表される。
Figure 2013211616
即ち、目的変数y(x)は、M個の基底関数φm(x)(m=1,・・,M)と重み係数wmの積和で表される。なお、Mは、ここではデータ数Nとの大小関係で明確な関係はない。ここで、基底関数φm(x)は、例えば、予め決められたパラメータの正規分布を基底とするガウス基底で与えられる。式(1)のbは、バイアス項であり、学習により求めるパラメータは、式(1)の重み係数wmである。
式(1)の目的変数y(x)は、本実施の形態では、混雑度であり、図3に示した“日付”、“時刻”、“基地局ID”が説明変数xとなる。
したがって、説明変数xは、D次元(D≧1)のデータであり、m番目の基底関数φm(x)のD次元のデータを区別して示す場合には、xm,1:D={xm,1,xm,2,・・・,xm,D-1,xm,D}のように表す(1:Dは、1からDまで全てを、略記している)。xが、例えば、“時刻”、“曜日”、“平日or休日”、“基地局ID”の組の混雑度データであるとすると、xは、4次元のデータとなる。“時刻”の情報は、たとえば、時間表示として、分や秒を小数点で表すことができる。“曜日”の情報は、各曜日に1から7のいずれかを割り当てて表すことができる。“平日or休日”の情報は、例えば、平日に「0」、休日に「1」を割り当てて表すことができる。
説明変数xの次元数Dは、入力できる他の情報があれば、さらに拡大することができる。例えば、気温、湿度、日照、降水量、降雪量、風向、風速などの気象状況が混雑度に関連するのであれば、このような気象情報を入力してもよい。また、ユーザが移動したときの位置に関係すると思われる交通状況なども入力してもよい。ただし、相関がないものを説明変数xとして入力すると、予測精度を劣化させることがある。したがって、説明変数xは、目的変数y(x)と相関が予想されるもののみとすることが望ましい。
サーバ12の回帰モデル学習部63では、上述した式(1)の重み係数wmが回帰モデルのパラメータとして求められる。
重み係数wmは、説明変数xと目的変数y(x)の観測値tのセットである学習データセットと、基底ベクトルφが与えられたときに、以下の誤差関数E(w)を最小化する係数として求められる。誤差関数E(w)は、学習データセットの説明変数xから予測した目的変数y(xn)と、その観測値tnとの偏差(y(xn)−tn)のコスト関数Ec(y(xn)−tn)を、学習データセット全体で加算したものとして表される。
Figure 2013211616
しかし、誤差関数E(w)を最小化する重み係数wmは、極端に大きな値になることでも、学習データセットに対する誤差関数E(w)を小さくすることがある。しかし、極端に大きな値になることで誤差関数E(w)が小さくなった場合には、未知のデータに対する予測性能はよくない。このような状態は、一般に、「過学習する」、あるいは、「汎化しない」などと呼ばれる。
そこで、このような汎化しない重み係数wmを求めることがないようにするため、重み係数wmに対して、式(2)に対して正則化とよばれる制約を付加した誤差関数E(w)を最小化することで、重み係数wmが求められる。
Figure 2013211616
式(2)の正則化の方法は、重み係数wmの二乗和を誤差関数に追加する方法である。二乗和は、計算が容易になりやすいことから、このような方法が採用されている。また、コスト関数Ec(y(xn)−tn)のサメーションに乗算されるC(>0)は、正則化の強さを決定するための定数である。
サポートベクタ回帰で用いられる式(2)のコスト関数Ec(y(xn)−tn)は、許容誤差εを導入し、目的変数y(xn)と、その観測値tnとの偏差の絶対値|y(xn)−tn|が許容誤差εよりも小さければ0、許容誤差ε以上であれば線形なコストが発生するとしたε許容誤差関数で表される。
以下の式(3)は、ε許容誤差関数の定義式であり、図7は、式(3)で表されるε許容誤差関数Ec(y(xn)−tn)を示している。
Figure 2013211616
式(3)の絶対値を処理するために、以下のスラック変数ξおよびξ~を導入すると(ξ>0,ξ~>0)、
Figure 2013211616
のように表すことができるので、式(2)は、
Figure 2013211616
のように表すことができる。
したがって、式(2’)が最小化する誤差関数E(w)となる。
以上より、回帰モデル学習部63は、式(4)、ξ,ξ~>0の制約条件の下で、式(2’)の誤差関数E(w)を最小化する重み係数wmを求めることを行う。回帰モデル学習部63は、この最小化問題を解くために、ラグランジュの未定乗数法を用いる。
式(4)、ξ,ξ~>0の制約条件の下での式(2’)は、ラグランジュの未定乗数μ,μ~,a,a~を用いると、式(5)のように書くことができる。
Figure 2013211616
式(5)の第三項は、ξ,ξ~>0の制約に対応し、第四項および第五項は、式(4)の制約に対応する。
式(5)のラグランジュ関数を最小化するように、w,b,ξ,ξ~の偏微分を0として、これらの変数を消去すると、結局、未定の変数は、ラグランジュの未定乗数aとa~のみとなり、式(5)は、その双対関数である以下の関数(式(3’))を最小化することになる。
Figure 2013211616
ただし、式(5)のk(xn,xm)は、k(xn,xm)=k(x,y)として、基底関数の全要素を縦に並べた基底関数ベクトルφ(x)を用いて、
Figure 2013211616
と表すことができるカーネル関数である。φ(x)Tは、φ(x)の転置を表す。
式(6)のカーネル関数k(x,y)は、基底関数ベクトルφが既知であれば当然定まるが、基底関数ベクトルφが未定であっても、例えば、式(7)のように定義することができる。
Figure 2013211616
式(7)のカーネル関数k(x,y)は、ガウスカーネルと呼ばれ、Dは入力の説明変数xの次元である。σは、たとえば、入力の説明変数xの標準偏差をそのまま使うことができる。
式(7)のカーネル関数k(x,y)を用いると、式(1)は、次式(8)のように書き直すことができる。
Figure 2013211616
ここで、式(8)のバイアス項bは、
Figure 2013211616
などで予め計算して与えておくことができる。なお、このようにカーネル表記する場合、式(1)のMを、データ数Nとすることで、式(1)と等価な表現となる。
このようにすると、サポートベクタ回帰は、式(1)の重み係数wmを求めるかわりに、式(8)のパラメータ(ラグランジュ未定乗数)anとan~を求めることに帰着する。
ここで、式(8)のパラメータanとan~を求める方法として、(1)連立方程式により解く方法と、(2)勾配法により解く方法の2つの方法を説明する。
[連立方程式によるパラメータ算出処理]
図8は、連立方程式により回帰モデルのパラメータanとan~を求めるパラメータ算出処理のフローチャートである。
初めに、ステップS1において、回帰モデル学習部63は、パラメータanとan~の初期値を所定の方法で決定する(n=1,・・・,N)。
ステップS2において、回帰モデル学習部63は、学習データセットの各混雑度データを、式(8)に代入し、予測値yi=y(xi)を計算する。
ステップS3において、回帰モデル学習部63は、目的変数tiが予測値yiに対して許容誤差εより大きい混雑度データ、すなわち、(ti−yi)>εを満たすデータを、グループAとする。また、回帰モデル学習部63は、目的変数tiが予測値yiに対して許容誤差εより小さい混雑度データ、すなわち、(ti−yi)<εを満たすデータを、グループBとする。
ステップS4において、回帰モデル学習部63は、混雑度データがグループAに含まれるか、または、グループBに含まれるかによって式を切り分けながら連立方程式を立てて、パラメータakとak~(k=1,・・・,N)について解く。
すなわち、グループAに含まれる混雑度データは、以下の式(10−1)が成立し、グループBに含まれる混雑度データは、以下の式(10−2)が成立する。したがって、回帰モデル学習部63は、混雑度データがグループAに含まれるか、または、グループBに含まれるかに応じて式(10−1)または式(10−2)に代入した連立方程式を立てて、パラメータakとak~(k=1,・・・,N)について解く。
Figure 2013211616
ここで、vk=ak−ak~である。なお、混雑度データがグループAまたはグループBのいずれでもない場合には、vkはゼロとされ(vk=0)、サメーション(Σ)の項は省略される。
ステップS5において、回帰モデル学習部63は、連立方程式を解くことにより得られたvkから、パラメータakとak~を決定する。すなわち、グループAに属するvkについては以下の式(11−1)、グループBに属するvkについては以下の式(11−2)により、パラメータakとak~が決定される。
Figure 2013211616
ステップS6において、回帰モデル学習部63は、決定されたパラメータakとak~が以下の制約を満たすか否かを判定する。
Figure 2013211616
ステップS6で、決定されたパラメータakとak~が制約を満たさないと判定された場合、処理はステップS2に戻り、それ以降の処理が繰り返される。すなわち、決定されたパラメータakとak~を用いてステップS2乃至S6の処理が再度実行される。
一方、ステップS6で、決定されたパラメータakとak~が制約を満たすと判定された場合、処理は終了する。
[勾配法によるパラメータ算出処理]
図9は、勾配法により回帰モデルのパラメータanとan~を求めるパラメータ算出処理のフローチャートである。
この処理では、初めに、ステップS11において、回帰モデル学習部63は、パラメータanとan~の初期値を所定の方法で決定する(n=1,・・・,N)。
ステップS12において、回帰モデル学習部63は、パラメータanとan~を、以下の式(12)に代入して更新し、更新後のパラメータan’とan’~を取得する。
Figure 2013211616
ステップS13において、回帰モデル学習部63は、パラメータanとan~の更新を、予め設定した所定の回数繰り返したか否かを判定する。
ステップS13で、回帰モデル学習部63は、パラメータanとan~の更新を所定回数繰り返していないと判定した場合、処理をステップS12に戻し、パラメータanとan~の更新を繰り返す。
一方、ステップS13で、パラメータanとan~の更新を所定回数繰り返したと判定された場合、回帰モデル学習部63は処理を終了する。
なお、ステップS13の終了条件は、パラメータ更新の繰り返し回数ではなく、パラメータanとan~の更新による式(3’)のラグランジュ関数の変化分が所定の閾値(収束幅)以下となったかどうかで判定してもよい。
図10は、上述したいずれかの方法により算出されたサポートベクタ回帰モデルのパラメータanとan~の例を示している。
図10に示されるパラメータanとan~が、回帰モデルの学習結果として、回帰モデル学習部63内に記憶されている。なお、パラメータanとan~は、説明変数xn,1:Dと対応しているので、パラメータanとan~は、説明変数xn,1:Dおよび目的変数tnとセットで記憶されている。
なお、回帰モデル学習部63に回帰モデルのパラメータを記憶する際には、パラメータanとan~のうち、anとan~の両方がゼロのパラメータは省略することができる。サポートベクタ回帰では、anとan~の両方がゼロのパラメータが多数出現するという特徴があり、サポートベクタ回帰モデルを学習モデルとして採用することにより、記憶容量を削減することができる。
[データ更新処理の説明]
図11のフローチャートを参照して、携帯端末11が、自セル13の混雑度の取得と、サポートベクタ回帰モデルのパラメータ更新を行うデータ更新処理について説明する。
初めに、ステップS21において、携帯端末11の混雑度取得部41は、自セル13の混雑度を取得(計算)する。自セル13の混雑度は、予め定めた一定間隔で取得するようにしてもよいし、例えば、ユーザが混雑度の計測を指示したときなど、不定期に取得するようにしてもよい。混雑度取得部41によって取得された混雑度は、“時刻”、“曜日”、“平日or休日”、“基地局ID”の説明変数とともに混雑度データ蓄積部42に供給され、蓄積される。
ステップS22において、サーバ通信部43は、サーバ12に接続するタイミングとなったかを判定する。携帯端末11では、混雑度データ蓄積部42に蓄積された混雑度データを送信するタイミングが一日一回などのように予め設定されており、サーバ通信部43は、そのタイミング(設定時刻)となったかどうかを判定する。
ステップS22で、サーバ12に接続するタイミングではないと判定された場合、処理はステップS21に戻る。一方、ステップS22で、サーバ12に接続するタイミングとなったと判定された場合、処理はステップS23に進む。
ステップS23において、サーバ通信部43は、混雑度データ蓄積部42に蓄積された混雑度データをサーバ12に送信する。
ステップS24において、サーバ通信部43は、サーバ12から、サポートベクタ回帰モデルの更新されたパラメータanとan~、及びその説明変数xkを受信し、パラメータ記憶部44に記憶させる(n=1,・・・,N)。パラメータanとan~がまだ更新されていない場合には、ステップS24の処理はスキップされる。
更新されたパラメータanとan~、及びその説明変数xkがパラメータ記憶部44に記憶されると、処理はステップS21に戻り、それ以降の処理が再び実行される。これにより、携帯端末11が電源オフされるまで、自セル13の混雑度が取得され、混雑度データが蓄積される。
[予測処理の説明]
図12は、携帯端末11が取得したサポートベクタ回帰モデルのパラメータを用いて、自セル13以外の所定の基地局13の混雑度を予測する予測処理を説明するフローチャートである。
初めに、ステップS41において、携帯端末11の入力部46は、混雑度を予測する時刻と基地局13をユーザに指定させ、指定された時刻と基地局13を予測部45に入力する。
ステップS42において、予測部45は、パラメータ記憶部44に記憶されているサポートベクタ回帰モデルのパラメータを用いて、ユーザに指定された時刻と基地局13の混雑度を予測(推定)する。
ステップS43において、予測部45は、予測結果を表示部47に供給し、表示部47で表示させる。表示部47は、予測部45から供給された予測結果を表示して、処理を終了する。
なお、一般に、ユーザは、基地局13の位置や基地局IDなどを把握していない。したがって、携帯端末11の内部メモリに、基地局IDと、そのカバーエリアとを対応付けた基地局IDテーブルを記憶し、ユーザには、混雑度を予測したい場所(住所)または地名などを入力させ、入力部46または予測部45が、入力された場所または地名を、記憶している基地局IDテーブルに基づいて基地局IDに変換するようにしてもよい。
[学習処理の説明]
次に、図13のフローチャートを参照して、サーバ12がサポートベクタ回帰モデルのパラメータを学習(更新)する学習処理について説明する。
初めに、ステップS61において、混雑度データ取得部61は、各携帯端末11から所定のタイミングで送信されてくる混雑度データを取得(受信)し、データ前処理部62に供給する。
ステップS62において、データ前処理部62は、各携帯端末11で取得された混雑度データをマージし、ステップS63において、時系列に並べ替える。
そして、ステップS64において、データ前処理部62は、基地局ごとにサポートベクタ回帰モデルのパラメータを求めるかを判定する。基地局ごとにサポートベクタ回帰モデルのパラメータを求めるか否かは、例えば、設定ファイルによって予め設定されている。
ステップS64で、基地局ごとにパラメータを求めると判定された場合、処理はステップS65に進み、データ前処理部62は、時系列に並べ替えた混雑度データを基地局別に分類する。すなわち、データ前処理部62は、時系列に並べ替えられた混雑度データを基地局IDで分類する。
そして、ステップS66において、データ前処理部62は、時系列に並んだ混雑度データに対して所定の時間幅で混雑度の移動平均を基地局ごとに算出し、移動平均化された混雑度(すなわち、平均化混雑度)を算出する。混雑度の項目(の値)が平均化混雑度に置き換えられた混雑度データが、新たな学習用データとして、データ前処理部62から回帰モデル学習部63に供給される。
ステップS67において、回帰モデル学習部63は、図8または図9を参照して説明した手法を用いて、基地局ごとに、サポートベクタ回帰モデルのパラメータを求める。すなわち、回帰モデル学習部63は、データ前処理部62から供給された新たな学習用データと、それまでに蓄積されている学習用データを学習データセットとして、混雑度を推定するサポートベクタ回帰モデルのパラメータを基地局ごとに求める。
一方、ステップS64で、サポートベクタ回帰モデルのパラメータを学習用データ全体で求めると判定された場合、処理はステップS68に進み、データ前処理部62は、時系列に並べ替えた混雑度データを基地局別に分類する。そして、ステップS69において、データ前処理部62は、時系列に並んだ混雑度データに対して所定の時間幅で混雑度の移動平均を基地局ごとに算出し、平均化混雑度を算出する。
そして、ステップS70において、データ前処理部62は、混雑度の項目(の値)が平均化混雑度に置き換えられた混雑度データが時系列に並んだ、基地局ごとの混雑度データを再びマージする。
ステップS71において、回帰モデル学習部63は、図8または図9を参照して説明した手法を用いて、新たな学習用データと、それまでの学習用データを学習データセットとして、サポートベクタ回帰モデルのパラメータを求める。
ステップS72において、回帰モデル学習部63は、学習により得られたサポートベクタ回帰モデルのパラメータを圧縮する。例えば、図10を参照して説明したように、サポートベクタ回帰モデルのパラメータには、anとan~の両方がゼロのパラメータが多数出現する。したがって、anとan~の両方がゼロの項目を削除し、anとan~の両方がゼロではないパラメータを送信対象のデータとすることにより、パラメータを圧縮することができる。また、基地局ごとにパラメータを求めている場合には、ユーザが使用する基地局のパラメータのみを集めることにより、パラメータを圧縮することができる。
ステップS73において、パラメータ送信部64は、更新されたパラメータを携帯端末11に送信して、処理を終了する。
なお、図13では、混雑度データの受信(ステップS61)、データ前処理およびパラメータ学習(ステップS62乃至S72)、および、パラメータの送信(ステップS73)が、一連の処理として説明されている。しかし、混雑度データの受信およびパラメータの送信は、携帯端末11が接続するタイミングに依存するので、実際には別々のタイミングで実行される。
図13の処理では、サポートベクタ回帰モデルのパラメータを基地局ごとに求めるか、学習用データ全体として求めるかを選択できるようにしたが、どちらか一方のみが実行できるようにしてもよい。学習用データ全体として求めるのみである場合には、学習用データとして蓄積される混雑度データの“基地局ID”の項目は省略可能である。
また、携帯端末11またはサーバ12の少なくとも一方に、各基地局の基地局IDと座標(所在地)とを対応付けたテーブルを記憶するようにして、混雑度データの説明変数“基地局ID”の項目の値を、基地局の座標として蓄積することができる。“基地局ID”では、互いの基地局の隣接度(距離)が分からないが、基地局の座標を用いることで、互いの基地局の隣接度(距離)も分かるようになる。したがって、例えば、基地局13−4の混雑度を推定した推定結果が“混雑している”場合に、次に、隣接する基地局13−3または13−5の混雑度を推定するような処理も可能となる。
[予測結果の例]
図14乃至図16を参照して、サポートベクタ回帰モデルにより混雑度を予測した予測結果について説明する。
図14と図15それぞれは、ある一日の混雑度を実際に計測した実測値(Real)と、サポートベクタ回帰モデルにより予測した予測値(Prediction)を重ねて比較した図である。図14は、平日の金曜日の一日のデータであり、図15は、休日の日曜日の一日のデータである。なお、サポートベクタ回帰モデルの説明変数xには、{“時刻”,“曜日”,“平日or休日”}が含まれている。
図14と図15の実測値を比較して分かるように、平日と休日では、混雑度のパターン(傾向)が異なるが、そのように混雑度のパターンが異なる場合であっても、学習により得られたサポートベクタ回帰モデルが実測値をよく表現していることが分かる。すなわち、平日と休日の両方で、予測値が実測値をよく表現している。
図16は、図14の平日の一日について、予測値と実測値の一致度を1時間単位で計算したグラフである。
図16において、予測値と実測値の一致度は、実測値と予測値との差の最小値を、実測値と予測値との差の最大値で除算した値として求めた。すなわち、一致度は、
一致度 = MIN(実測値、予測値)/MAX(実測値、予測値)
とした。この算出方法によれば、一致度は、実測値と予測値が一致すれば100%となり、実測値が予測値よりも大きい場合と、実測値が予測値よりも小さい場合のいずれも、100%を下回る値となる。したがって、1時時間単位、1日単位、1か月単位などの平均を取った場合に、予測値と実測値との誤差の正負が異なっても打ち消しあうことがなく、重なり具合を評価することができる。
図14の平日の一日について、一致度の平均値であるoverlapは、図14に示されるように、94.6%であり、3か月間の一致度の平均値であるaccumは、図14に示されるように90%である。
図15の休日の一日について、一致度の平均値であるoverlapは、図15に示されるように、91.6%であり、3か月間の一致度の平均値であるaccumは、図15に示されるように90%である。
このように、平日と休日のように、混雑度のパターン(傾向)が異なる場合であっても、サポートベクタ回帰モデルは、精度よく混雑度を予測することができると言える。
[関連ベクタ回帰モデル]
次に、関連ベクタ回帰モデルについて説明する。
サポートベクタ回帰では、anとan~の両方がゼロのパラメータが多数出現するという特徴があり、パラメータの記憶容量を削減することができるという特徴があった。関連ベクタ回帰モデルは、後述するように、サポートベクタ回帰モデルよりもさらにパラメータ数を少なくすることができる。
関連ベクタ回帰では、説明変数xに対して目的変数yを回帰する式が、サポートベクタ回帰と同様に、次式(13)で表すことができる。
Figure 2013211616
ここで、k(x,xn)は、カーネル関数であり、式(7)で与えられる。また、bはバイアス項であり、式(9)で与えられる。サポートベクタ回帰の場合と同様、説明変数xは、“時刻”、“曜日”、“平日or休日”、“基地局ID”などの情報であり、また、目的変数y(x)は混雑度である。
サポートベクタ回帰では、上述したように、重み係数wmが極端に大きな値になることを避けるために正則化と呼ばれる制約が付加された。これに対して、関連ベクタ回帰では、重み係数wmが極端に大きな値になることを避けるため、重み係数wmは小さい値であるという仮定が重み係数wmの事前分布により付加される。そのため、重み係数wmを確率的に取り扱うことが必要となる。
まず、重み係数ベクトルwと説明変数Xが与えられたときに、目的変数tを生成する尤度を考える。学習データセットの尤度p(t|X,w,β)は、次式(14)で与えられる。
Figure 2013211616
式(14)の左辺のXは、学習データセット中のD次元ベクトルの説明変数xを、N列並べた行列である。左辺のwは、重み係数wmのベクトルである。βは正の実数であり、tは目的変数y(x)の真値(実測値)である。式(14)の右辺は、学習データセットの真値tは、予測y(x)を中心として、各混雑度データで独立に、同一の分散をもつ正規分布に従って生成されると仮定した式である。N(tn|y(Xn,w)、β-1)は、正規分布である。y(Xn,w)は、式(13)で計算される。tnは目的変数である。また、β-1は、正規分布ノイズの分散の逆数である。
重み係数ベクトルwの値が大きくならないという仮定は、以下の事前分布で取り込まれる。
Figure 2013211616
式(15)では、重み係数wmが、0を中心に、分散αn -1で正規分布する値と仮定することで、小さい値であるという仮定が取り込まれている。
以上の尤度と、事前分布を利用すると、重み係数ベクトルwの事後分布も正規分布で表すことができて、式(16)のように表すことができる。
Figure 2013211616
式(16)の重み係数ベクトルwの平均mと分散Σは、学習データセットと、αやβを用いて、
Figure 2013211616
で与えられる。ここでは、Φはカーネル、Φnm=k(xn,xm)である。
よって、重み係数ベクトルwは、パラメータαとβが決まれば、与えられた学習データセットとカーネルΦ(Φnm=k(xn,xm))によって一意に決まる。
そこで、最後に、このパラメータαとβを求めることを考える。パラメータαとβの尤度は、式(14)、式(15)を重み係数ベクトルwについて周辺化することで求められる。
Figure 2013211616
パラメータα、βの値は、最尤推定によって求めるが、式(18)の尤度を最大化するα、βは直接求められないので、以下のような逐次推定を行うことで求められる。
Figure 2013211616
式(19)のm,Σは、上述した式(17)のm,Σである。この逐次推定を、尤度の変化分が所定の収束条件を満たすまで繰り返すことで、パラメータαとβの値が求められる。
以上のようにして求められたαとβを用いると、式(17)のように、重み係数ベクトルwの中心値と分散値が求められる。最後に、重み係数ベクトルwの値を、中心値で代用することで、式(13)の回帰が可能になる。
関連ベクタ回帰のパラメータαとβの値を求める学習処理は、上述した図13の処理と同様である。
図17は、関連ベクタ回帰のグラフィカルモデルである。
図17のグラフィカルモデルでは、関連ベクタ回帰において、重み係数wi(i=1,・・・,K)は、確率変数であり、パラメータαi(i=1,・・・,K)に依存して決められることを表している。また、目的変数y(x)の実測値tn(n=1,・・・,N)は、重み係数wiの組み合わせと、ノイズβ、および、図示せぬ所定の基底関数ベクトルφと、説明変数xで決まることを表している。前述のように、基底関数φとして、カーネル関数k(x,xn)を用いても良い。この場合は、K=Nである。そして、αとβを最尤推定することで、重み係数wiの平均miと分散Σiを求めて、重み係数wiの平均miを利用して、説明変数xに対する実測値tの予測値y(x)が求められる。
関連ベクタ回帰のグラフィカルモデルについては、C.M.Bishop, M.E.Tipping, Variagtion Relevance Vector Machines, Uncertainty in artificial intelligence proceedings 2000,などで詳細が説明されている。
図18は、学習により求められた関連ベクタ回帰モデルのパラメータmとΣの例を示している。
関連ベクタ回帰モデルでは、式(1)の重み係数wmの代わりに、式(13)の重み係数wnの平均mnと分散Σnが、パラメータとして回帰モデル学習部63内に記憶される。なお、重み係数wnの分散Σnは、予測の範囲などの正確さを知りたいときに必要となり、上述したように、説明変数xに対する実測値tの予測値y(x)を求めるだけであれば、省略することができる。図18では、図10に示したサポートベクタ回帰の場合と同様、説明変数xn,1:Dおよび目的変数tnもセットで記憶されている。
図18から、関連ベクタ回帰モデルのパラメータは、平均mn、分散Σn、説明変数xn,1:D(D次元)、目的変数tnの(3+D)×N個のパラメータが必要である。しかし、関連ベクタ回帰モデルでは、上述のパラメータαnに非常に大きな値と推定されるものが多数あることが知られており、大きな値と推定されたαnは平均mnと分散Σnが0になる。そこで、大きな値と推定されたαnに対応する平均mnと分散Σnを省略することで、関連ベクタ回帰モデルのパラメータの個数を非常に少なくすることができる。
[予測結果の例]
図19は、関連ベクタ回帰モデルにより混雑度を予測した予測結果を示している。
図19は、サポートベクタ回帰モデルのときに図14や図15で示したのと同様に、ある一日の混雑度を関連回帰モデルにより予測した予測値(Prediction)と、実測値(Real)とを重ねて比較した図である。
図19の一日について、一致度の平均値であるoverlapは、図19に示されるように、94.8%であり、3か月間の一致度の平均値であるaccumは、図19に示されるように88%である。
[サポートベクタ回帰モデルと関連ベクタ回帰モデルの比較例]
図20は、サポートベクタ回帰モデルと関連ベクタ回帰モデルの予測性能を比較した比較結果の例を示している。
図20は、横軸を日付(Date)、縦軸をoverlapとして、計測した1日目から35日目までの、サポートベクタ回帰モデルと関連ベクタ回帰モデルそれぞれのoverlapを示している。図20において、点(・)の折れ線が、サポートベクタ回帰モデル(SVR)のoverlapを示しており、丸(○)の折れ線が、関連ベクタ回帰モデルのoverlapを示している。
図20を見ると、計測を開始してから、7日程度で、関連ベクタ回帰モデルのoverlapが、安定してきている。サポートベクタ回帰モデルと関連ベクタ回帰モデルでは、関連ベクタ回帰モデルの方が若干性能が劣るが、10日目以降になると、その差は2%未満となり、ほとんどないと言っていい。したがって、2%未満の値を許容するかどうかにもよるが、多くのアプリケーションでは、関連ベクタ回帰モデルを用いても十分であると考えられる。
図21は、サポートベクタ回帰モデルと関連ベクタ回帰モデルの非0の重みデータの個数を比較した図である。
図21は、学習データセットの個数、サポートベクタ回帰で重みが0でなかったデータの個数、関連ベクタ回帰で重みが0にならなかったデータの個数の履歴を示している。
図21において、横軸は日数を表し、1日目から35日目までを示している。また、縦軸は、データの個数を示している。なお、35日目のデータ個数は、欄外にはみ出ているが、学習データセットが約3000個、サポートベクタ回帰モデルが約2200個、関連ベクタ回帰モデルが約60個となっている。
図21を参照すると、35日間で収集された3000個の学習データセットのうち、サポートベクタ回帰モデルでは2200個のデータを記憶しておく必要があるが、関連ベクタ回帰モデルでは、60個のデータを記憶するだけで足りる。また、関連ベクタ回帰モデルのデータ個数は、10日目以降からほとんど変化がない。このように、学習データセットが増えても、関連ベクタ回帰モデルで必要とされるデータ数は非常に少ない。したがって、関連ベクタ回帰モデルによるモデル化は、学習データセットを携帯端末11に送信して、計算リソースの少ない携帯端末11で予測処理を行うために適している。
関連ベクタ回帰モデルで、必要となるデータサイズを見積もる。
収集する混雑度データの個数をNとすると、説明変数:D(次元数)×N、目的変数:1×Nであわせて、学習データセットのデータ個数は、(D+1)×N程度必要である。以下では、Dは、“時刻”、“曜日”、“平日or休日”として、D=3とする。
一日あたり1基地局で24時間、1時間あたり10点(6分間隔)とすると、一日の混雑度データの個数は、24×10=240個となる。この条件で一ヶ月分(30日分)収集すると、混雑度データの全個数Nは240×30=7200個となる。よって、学習データセットのデータ個数は、(D+1)×N=(3+1)×7200=28800個となる。この学習データセットの各データを、全てダブル精度(4バイト)のデータ形式で記憶すると、必要となるデータサイズは、28800×4B=115.2kBとなる。つまり1基地局、1ヶ月あたり、約100kBが必要となる。
これに対して、関連ベクタ回帰モデルで学習して、モデルパラメータを利用する場合は、図21の結果から、記憶する混雑度データの全個数Nは、60/3000=1/50で済むから、7200÷50=144個でよい。そして、1個の混雑度データあたりのパラメータの数は、説明変数D=3個、目的変数1個、重みの平均1個で、D+2個のデータが必要なので、144×5=720個のデータ個数を記憶することになる。この結果、必要となるデータサイズは、720×4B=2.9kBとなる。したがって、関連ベクタ回帰モデルによれば、約100kBのデータ量を、約2.9kBに圧縮することができる。そして、例えば、1000基地局のデータを集めたとしても、関連ベクタ回帰モデルでは、2.9MBのデータベースで予測が可能となる。^
<応用例>
[周辺基地局情報アプリケーション]
これまでの説明では、携帯端末11において、ユーザが混雑度を知りたい基地局13を指定して、予測部45が、指定された基地局13の混雑度を回帰モデルにより予測して出力する例について説明した。
しかし、「混雑度」という指標は、ユーザにとって理解し易いものではない。また、自セル13の混雑度が高いときに、代替となる基地局13を提示することができれば、ユーザにとって便利である。
そこで、自セル13の「混雑度」という指標の代わりに「通信レート」を提示するとともに、自セル13の周辺の基地局13の「通信レート」と、そのカバレージエリア(あるいは、ハンドオーバーして自セル13になると見込まれる)までの距離を提示するアプリケーションが考えられる。
図22は、そのようなアプリケーションにより携帯端末11の表示部47に表示された予測結果画面の例を示している。
図22において、「CurrentPosition」は、ユーザの携帯端末11の現在地を示しており、[A1,4Mbps]で示される基地局13が現在地に対応する自セル13である。[A1,4Mbps]は、通信事業者Aの基地局13であり、現在の通信レートが4Mbpsであることを示している。
携帯端末11の現在地に対して、自セル13以外の基地局13としては、[B2,10Mbps@NW400m]、[B1,2Mbps@SW100m]、[A2,13Mbps@SE300m]で示される3つの基地局13がある。
[B2,10Mbps@NW400m]で示される基地局13は、通信事業者Bの基地局13であり、カバレージエリアまでの距離が北西(NW)に400mであり、通信レートが10Mbpsであることを示している。[B1,2Mbps@SW100m]で示される基地局13は、通信事業者Bの基地局13であり、カバレージエリアまでの距離が南西(SW)に100mであり、通信レートが2Mbpsであることを示している。また、[A2,13Mbps@SE300m]で示される基地局13は、通信事業者Aの基地局13であり、カバレージエリアまでの距離が南東(SE)に300mであり、通信レートが13Mbpsであることを示している。
自セル13に対する周辺の基地局13は、例えば、基地局13ごとに周辺の基地局13を記憶させたテーブルを保持することで認識することができる。また、各基地局13を基地局IDではなく、座標(位置)で記憶している場合には、その位置情報を利用してもよい。また、通信レートは、基地局13の混雑度、パイロット信号のSIR(Signal to Interference Ratio)および拡散率などを用いて推定することができる。通信レートの算出方法については、上述した特許文献2に記載されている。
以上のように、このアプリケーションによれば、どちらの方角にどれだけ移動すると、どれくらいの通信レートになるかを予測して表示することができる。また、この予測結果に基づいて、基地局13や事業者を切り替えるなどの制御を行うことも可能である。
なお、基地局13の通信レート、カバレージエリアなどの情報の提供方法は、図22のように地図上に表示する方法に限らず、単純にリストアップして提供する方法、音声案内により提供する方法など任意である。また、このようなアプリケーションが他のアプリケーションの一部として組み込まれていてもよい。
[移動予測機能と連携したアプリケーション]
その他のアプリケーション例について説明する。
本出願人は、ユーザの移動経路と目的地を所定の学習モデルで学習し、その学習結果に基づいて、ユーザの移動経路および目的地を予測する技術を、特開2011−059924、特開2011−252844などで提案している。この移動予測機能と、本明細書で提案する所定の時刻および位置における混雑度予測機能とを連携することにより、予測した移動経路と目的地で接続可能な基地局13の混雑度を予測し、自セル13を適切に選択するアプリケーションが実現可能である。
特開2011−059924、特開2011−252844などで提案している移動予測機能では、ユーザの移動経路と目的地を学習する学習モデルとして、隠れマルコフモデルが採用されている。そこで、隠れマルコフモデルについて簡単に説明する。
図23は、隠れマルコフモデルの状態遷移図を示している。
隠れマルコフモデルは、時系列データを、隠れ層における状態の遷移確率と観測確率によってモデル化する確率モデルである。ユーザの移動経路と目的地を学習する学習モデルとする場合は、GPSセンサなどにより得られたユーザの移動履歴を示すデータが学習用の時系列データとなる。隠れマルコフモデルの詳細は、例えば、上坂吉則/尾関和彦著,「パターン認識と学習のアルゴリズム」,文一総合出版、C.M.ビショップ著,「パターン認識と機械学習」,シュプリンガー・ジャパンなどに記載されている。
図23では、状態S1、状態S2、および状態S3の3つの状態と、遷移T1乃至T9の9つの遷移Tが示されている。遷移Tそれぞれは、遷移前の状態を表す始状態、遷移後の状態を表す終状態、および、始状態から終状態に遷移する確率を表す遷移確率の、3つのパラメータで定義される。また、状態それぞれは、データが予め決められた離散シンボルのどれかを取るものとして、各シンボルを取る確率を表す観測確率を、パラメータとして有する。
図24は、ユーザの移動履歴を隠れマルコフモデルにより学習した学習結果を示している。
図24において、学習用データは、ユーザの過去の移動履歴であり、ユーザが過去に移動したときGPSセンサで計測された時刻、経度、および緯度の時系列データである。また、図24において、移動経路を覆うように配置されている複数の楕円それぞれは、隠れマルコフモデルの状態から生成される計測データの確率分布の等高線を示している。また、図24では、理解を容易にするために、学習用データを記録したときのユーザの目的地を、楕円より少し大きめの円で明示した。
図24に示される複数の楕円それぞれに対応する状態の中心値と分散値が、隠れマルコフモデルのパラメータとして学習されている。また、図24に示される複数の楕円それぞれに対応する状態間の遷移確率も、隠れマルコフモデルのパラメータとして学習されている。目的地は、学習により得られた隠れマルコフモデルの複数の状態のうち、滞在時間の長い状態ノードが目的地ノードとして設定されている。
[移動経路と目的地を予測して混雑度を予測する予測処理]
図25は、移動予測機能と連携したアプリケーションにより実行される、移動経路と目的地を予測して、その予測結果に応じて混雑度を予測する予測処理のフローチャートである。図25では、この移動予測機能と連携したアプリケーションを、携帯端末11の予測部45が行い、予測部45は、移動予測機能を実行する移動予測部と、混雑度の予測を行う混雑度予測部を有するものとして、説明する。
初めに、ステップS101として、予測部45の移動予測部は、GPSセンサ等により現在地を取得し、現在地に対応する隠れマルコフモデルの状態ノードを推定する。
ステップS102において、予測部45の移動予測部は、現在地からユーザが移動する目的地と、そこまでの移動経路を予測する。移動予測部は、学習により得られた隠れマルコフモデルを用いて、現在の状態ノードから連なる状態遷移図をツリー探索して、目的地に対応する目的地ノードを探索する。目的地と、そこまでの移動経路は、複数検出される場合もある。例えば、移動予測部は、目的地への到達確率が高い順に所定数の目的地をリストアップするとともに、目的地へ行く経路のうち最も生起確率の高い経路を代表経路として決定する。
ステップS103において、予測部45の移動予測部は、予測した目的地の目的地ポイントと、そこまでの移動経路のうちの所定地点を移動経路ポイントとして、予測部45の混雑度予測部に入力する。目的地ポイントは、目的地ノードの状態パラメータである中心値で与えられ、移動経路ポイントは、例えば、移動経路を一定時間または一定区間で区切ったときの各区間を代表する状態ノードの中心値などで与えることができる。また、移動予測部は、目的地や移動経路とともに、各状態ノードに到達するときの到達時間(到達予定時刻)も予測することができるので、その時刻も、目的地ポイントや移動経路ポイントともに混雑度予測部に入力される。
ステップS104にいて、予測部45の混雑度予測部は、入力された時刻における目的地ポイントと移動経路ポイントの混雑度を予測する。そして、ステップS105において、混雑度予測部は、予測結果を表示部47に表示させて、処理を終了する。
以上のようにして、移動予測機能と混雑度予測機能とを連携することにより、予測した移動経路と目的地において接続可能な基地局13の混雑度を予測することができる。なお、図25の処理では、目的地と移動経路のポイントを同時に求めたが、現時点から所定時間内に到達可能な目的地と移動経路の少なくとも一つを求めるようにしてもよい。また、移動先に応じて予測した混雑度を利用して、接続する基地局13を選択することも勿論可能である。移動予測機能の詳細については、本出願人による特開2011−059924、特開2011−252844などに説明されている。
図26は、図25で説明した予測処理による予測結果の例を示している。また、図27は、推定して得られた混雑度から通信レートを求め、通信レートで表示するようにした予測結果の例を示している。なお、図26と図27の予測結果に関連はない。
図26と図27は、1つの目的地に対して1つの移動経路を抽出した例であるが、図28は、1つの目的地に対して、複数の経路を抽出し、抽出された経路それぞれで混雑度を表示するようにした例を示している。
[混雑度以外の情報適用例]
上述した実施の形態では、基地局13の混雑度データを用いて回帰モデルで学習し、時間的または空間的に離れた基地局13の混雑度を予測(推定)する例について説明した。
しかし、本技術は、混雑度という情報に限定されず、現時点または現在位置で得られるローカル情報から、時間的または空間的に離れた位置で得られるローカル情報を予測する予測処理全般に適用することができる。
例えば、携帯端末11が温度計、湿度計、気圧計などのセンサを装備して、取得部(混雑度取得部41に相当)が、センサにより計測された気温や湿度、気圧などをローカル情報として取得し、計測結果の時系列データをサーバ12に送信して、回帰モデルによりサーバ12に学習させる。そして、携帯端末11の予測部45が学習結果(回帰モデルのパラメータ)を取得し、未来の時刻の、あるいは、異なる場所の気温や湿度、気圧などをローカル情報として予測することができる。
また、携帯端末11が、照度計やマイクを装備して、周囲の人間活動(交通状況や騒音状況、街の明るさなどの人間活動の活性状況)をローカル情報として計測して、回帰モデルに学習させてもよい。
なお、携帯端末11が取得するローカル情報は、装置内に装備されるセンサ等で取得するものに限定されず、GUI等によりユーザが入力する方法により取得するものでもよい。
図29は、ユーザが入力する方法により取得するローカル情報の例として、ユーザがいる現在地周辺の混雑度をユーザに入力させる例を示している。
図29は、携帯端末11の表示部47に表示される画面例を示しており、ユーザは、自分がいる現在地周辺の混雑度を、5段階評価で入力する。携帯端末11は、5段階評価で入力された混雑度を、場所、時刻とともに記録し、サーバ12に送信する。
図30は、図29に示したローカル情報で学習した回帰モデルを用いて、所定の場所の混雑度を予測した予測結果の画面例を示している。
例えば、ユーザが、画面に表示されている地図のなかで、混雑度を知りたい場所をタッチすると、図30に示されるように、「指定された場所の混雑度は3.2です。」のように予測結果が表示される。
なお、ユーザが入力するローカル情報は、混雑度以外にも様々考えられる。例えば、現在地(ローカルエリア)における男女比、年齢層などをローカル情報として入力してもよい。図29のような画面において、1.男男男、2.男男女、3.男女、4.女女男、5.女女女、などのように男女比を5段階評価で提示して、ユーザに入力させることができる。また例えば、1.70歳以上、2.50〜70歳、3.35〜50歳、4.20〜35歳、5.0〜20歳、などのように年齢層を5段階評価で提示して、ユーザに入力させることができる。その他、街の活性度(街の明るい時間帯、店が閉まる時間帯)などや、道路の車種の比率(トラックが多いのか、自家用車が多いのか、バスが多いのか、タクシーが多いのか)なども入力可能なローカル情報として考えられる。ここに挙げたローカル情報は一例であって、これらに限られるものではない。
このようなローカル情報は、ユーザのこれからの行動のモチベーションになったり、あるいは、広告を対象にあわせて適切に表示するために重要である。従来は、このようなローカル情報を収集するために、人手をかけて調査を行なっていた。しかし、知りたい情報が細分化されるにつれて、そのような調査は困難になることが予想される。このような方法であれば、簡単にローカル情報を収集することができるとともに、任意のローカル情報を予測することが可能となる。
複数の携帯端末11それぞれが、異なる時刻で、異なるローカル情報を取得して、サーバ12に送信し、サーバ12が、多数の携帯端末11で収集されたローカル情報を集合知として回帰モデルで学習する。サーバ12で学習されたモデルパラメータを受信して利用する携帯端末11は、自身が取得していない場所や未来の時刻のローカル情報も予測することが可能となる。
また、サーバ12は、多数の携帯端末11で収集されたローカル情報(の時系列データ)を、サポートベクタ回帰モデルまたは関連ベクタ回帰モデルで学習することにより、パラメータの容量を削減して、モデルパラメータを各携帯端末11へ送信することができる。これにより、各携帯端末11は、多数の携帯端末11で収集したローカル情報を効率よく利用することができる。
上述した例では、携帯端末11が回帰モデルのパラメータを受信して、ローカル情報を予測するようにしたが、ローカル情報の推定はサーバ12が行うようにしてもよい。すなわち、携帯端末11が予測したい時刻および場所をサーバ12に送信して、サーバ12が送信されてきた時刻および場所のローカル情報を回帰モデルにより予測し、予測結果を携帯端末11に送信するようにしてもよい。
[コンピュータの構成例]
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
図31は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)101,ROM(Read Only Memory)102,RAM(Random Access Memory)103は、バス104により相互に接続されている。
バス104には、さらに、入出力インタフェース105が接続されている。入出力インタフェース105には、入力部106、出力部107、記憶部108、通信部109、及びドライブ110が接続されている。
入力部106は、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる。出力部107は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部108は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部109は、インターネット、携帯電話回線網、無線LAN、衛星放送回線などを介して他の通信機器または基地局と通信を行う通信モジュールなどよりなる。センサ112は、ローカル情報を取得するためのセンサである。ドライブ110は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体111を駆動する。
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU101が、例えば、記憶部108に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース105及びバス104を介して、RAM103にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブル記録媒体111をドライブ110に装着することにより、入出力インタフェース105を介して、記憶部108にインストールすることができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部109で受信し、記憶部108にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM102や記憶部108に、あらかじめインストールしておくことができる。
なお、本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる場合はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで実行されてもよい。
なお、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
現時刻における現在地のローカル情報を取得する取得部と、
取得した前記ローカル情報を所定期間蓄積する蓄積部と、
蓄積した所定期間の前記ローカル情報を、情報処理装置に送信するとともに、前記情報処理装置が複数の端末装置から取得した前記ローカル情報を用いて学習された統計モデルのパラメータを前記情報処理装置から受信する通信部と、
受信した前記統計モデルのパラメータを用いて、任意の時刻および場所におけるローカル情報を予測する予測部と
を備える端末装置。
(2)
前記統計モデルは、少なくとも時刻とエリアを説明変数として、ローカル情報を目的変数とする回帰モデルである
前記(1)に記載の端末装置。
(3)
前記通信部は、前記回帰モデルの重みパラメータのうち、重みパラメータがゼロでないパラメータのみを受信する
前記(2)に記載の端末装置。
(4)
前記ローカル情報は、前記端末装置が通信するために接続している基地局の混雑度を示す情報である
前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の端末装置。
(5)
前記予測部は、ユーザによって指定された時刻および場所におけるローカル情報を予測する
前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の端末装置。
(6)
前記予測部は、さらに、前記端末装置の移動経路を予測する機能と、前記移動経路上の少なくとも一地点の位置と到達時刻を予測する機能を備え、予測した前記位置と到達時刻における前記ローカル情報を予測する
前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の端末装置。
(7)
所定のデータを取得するセンサをさらに備え、
前記ローカル情報は、前記センサにより取得された前記データである
前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の端末装置。
(8)
前記ローカル情報は、前記端末装置を保持するユーザによって評価されて入力された所定の指標における評価情報である
前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の端末装置。
(9)
端末装置が、
現時刻における現在地のローカル情報を取得し、
取得した前記ローカル情報を所定期間蓄積し、
蓄積した所定期間の前記ローカル情報を、情報処理装置に送信するとともに、前記情報処理装置が複数の端末装置から取得した前記ローカル情報を用いて学習された統計モデルのパラメータを前記情報処理装置から受信し、
受信した前記統計モデルのパラメータを用いて、任意の時刻および場所におけるローカル情報を予測する
ステップを含む端末制御方法。
(10)
コンピュータを、
現時刻における現在地のローカル情報を取得する取得部と、
取得した前記ローカル情報を所定期間蓄積する蓄積部と、
蓄積した所定期間の前記ローカル情報を、情報処理装置に送信するとともに、前記情報処理装置が複数の端末装置から取得した前記ローカル情報を用いて学習された統計モデルのパラメータを前記情報処理装置から受信する通信部と、
受信した前記統計モデルのパラメータを用いて、任意の時刻および場所におけるローカル情報を予測する予測部
として機能させるためのプログラム。
(11)
端末装置と情報処理装置とからなり、
前記端末装置が、
現時刻における現在地のローカル情報を取得する取得部と、
取得した前記ローカル情報を所定期間蓄積する蓄積部と、
蓄積した所定期間の前記ローカル情報を、前記情報処理装置に送信するとともに、前記情報処理装置が複数の端末装置から取得した前記ローカル情報を用いて学習された統計モデルのパラメータを前記情報処理装置から受信する通信部と
を備え、
前記情報処理装置が、
前記端末装置から送信されてくる所定期間の前記ローカル情報を受信するとともに、前記統計モデルのパラメータを前記端末装置に送信する通信部と、
複数の端末装置から受信した前記ローカル情報を用いて、前記統計モデルのパラメータを学習する学習部と
を備え、
前記端末装置または前記情報処理装置のいずれかが、
前記統計モデルのパラメータを用いて、任意の時刻および場所におけるローカル情報を予測する予測部
を備える
情報処理システム。
1 情報処理システム, 11 携帯端末, 12 サーバ, 13 基地局, 41 混雑度取得部, 42 混雑度データ蓄積部, 43 サーバ通信部, 44 予測部, 61 混雑度データ取得部, 63 回帰モデル学習部

Claims (11)

  1. 現時刻における現在地のローカル情報を取得する取得部と、
    取得した前記ローカル情報を所定期間蓄積する蓄積部と、
    蓄積した所定期間の前記ローカル情報を、情報処理装置に送信するとともに、前記情報処理装置が複数の端末装置から取得した前記ローカル情報を用いて学習された統計モデルのパラメータを前記情報処理装置から受信する通信部と、
    受信した前記統計モデルのパラメータを用いて、任意の時刻および場所におけるローカル情報を予測する予測部と
    を備える端末装置。
  2. 前記統計モデルは、少なくとも時刻とエリアを説明変数として、ローカル情報を目的変数とする回帰モデルである
    請求項1に記載の端末装置。
  3. 前記通信部は、前記回帰モデルの重みパラメータのうち、重みパラメータがゼロでないパラメータのみを受信する
    請求項2に記載の端末装置。
  4. 前記ローカル情報は、前記端末装置が通信するために接続している基地局の混雑度を示す情報である
    請求項1に記載の端末装置。
  5. 前記予測部は、ユーザによって指定された時刻および場所におけるローカル情報を予測する
    請求項1に記載の端末装置。
  6. 前記予測部は、さらに、前記端末装置の移動経路を予測する機能と、前記移動経路上の少なくとも一地点の位置と到達時刻を予測する機能を備え、予測した前記位置と到達時刻における前記ローカル情報を予測する
    請求項1に記載の端末装置。
  7. 所定のデータを取得するセンサをさらに備え、
    前記ローカル情報は、前記センサにより取得された前記データである
    請求項1に記載の端末装置。
  8. 前記ローカル情報は、前記端末装置を保持するユーザによって評価されて入力された所定の指標における評価情報である
    請求項1に記載の端末装置。
  9. 端末装置が、
    現時刻における現在地のローカル情報を取得し、
    取得した前記ローカル情報を所定期間蓄積し、
    蓄積した所定期間の前記ローカル情報を、情報処理装置に送信するとともに、前記情報処理装置が複数の端末装置から取得した前記ローカル情報を用いて学習された統計モデルのパラメータを前記情報処理装置から受信し、
    受信した前記統計モデルのパラメータを用いて、任意の時刻および場所におけるローカル情報を予測する
    ステップを含む端末制御方法。
  10. コンピュータを、
    現時刻における現在地のローカル情報を取得する取得部と、
    取得した前記ローカル情報を所定期間蓄積する蓄積部と、
    蓄積した所定期間の前記ローカル情報を、情報処理装置に送信するとともに、前記情報処理装置が複数の端末装置から取得した前記ローカル情報を用いて学習された統計モデルのパラメータを前記情報処理装置から受信する通信部と、
    受信した前記統計モデルのパラメータを用いて、任意の時刻および場所におけるローカル情報を予測する予測部
    として機能させるためのプログラム。
  11. 端末装置と情報処理装置とからなり、
    前記端末装置が、
    現時刻における現在地のローカル情報を取得する取得部と、
    取得した前記ローカル情報を所定期間蓄積する蓄積部と、
    蓄積した所定期間の前記ローカル情報を、前記情報処理装置に送信するとともに、前記情報処理装置が複数の端末装置から取得した前記ローカル情報を用いて学習された統計モデルのパラメータを前記情報処理装置から受信する通信部と
    を備え、
    前記情報処理装置が、
    前記端末装置から送信されてくる所定期間の前記ローカル情報を受信するとともに、前記統計モデルのパラメータを前記端末装置に送信する通信部と、
    複数の端末装置から受信した前記ローカル情報を用いて、前記統計モデルのパラメータを学習する学習部と
    を備え、
    前記端末装置または前記情報処理装置のいずれかが、
    前記統計モデルのパラメータを用いて、任意の時刻および場所におけるローカル情報を予測する予測部
    を備える
    情報処理システム。
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