JP2013209986A - エンジン始動装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モータ通電用リレー2は、モータを起動する際に、バッテリからモータに流れる起動電流を抑制する抵抗体7を接点室39に配置すると共に、リレーコイル19の励磁状態を制御することにより抵抗体7への通電時間を設定する制御回路31(例えばIC)を筐体内部に収容している。このICを用いた制御回路31は、磁気通路を形成する金属製の隔壁部材23にICパッケージを密接させて取り付け、リレーコイル19の巻枠であるボビン33と一体に形成された樹脂部材33aにモールドされている。
【選択図】図2
Description
ところで、モータの起動時、つまり、電磁スイッチがメイン接点を閉じた時に、バッテリから突入電流と呼ばれる大電流がモータに流れる。このため、バッテリの端子電圧が大きく低下して、メータ類やオーディオ等の電気機器が瞬間的に作動停止する、いわゆる「瞬断」と言われる現象が発生することがある。
これに対し、本出願人は、モータの起動時に流れる突入電流を抑制して、「瞬断」の発生を防止できる技術を提案している(特許文献1参照)。
さらに、制御回路109を車室外に設置する場合は、制御回路109を保護するために、筐体の防水構造が必要となる。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、抵抗体への通電時間を設定する制御回路を電磁継電器に内蔵することにより、コネクタ等の接続部位を減少させて信頼性の向上を図ると共に、制御回路の耐環境性を向上できるエンジン始動装置を提供することにある。
本発明は、バッテリよりスタータのモータへ通電するためのモータ回路に設けられるメイン接点を開閉する電磁スイッチと、モータ回路に接続され、モータを起動する際にバッテリからモータに流れる起動電流を抑制するための抵抗体と、この抵抗体をバイパスしてモータ回路に接続されるリレー接点を有し、通電によって電磁石を形成するリレーコイルの励磁状態に応じてリレー接点を開閉する電磁継電器と、モータの起動時にバッテリから抵抗体を経由してモータに通電する時間を設定するために、リレーコイルの励磁状態を制御する制御回路とを備え、この制御回路が電磁継電器の筐体内部に収容されるエンジン始動装置であって、電磁継電器は、リレーコイルが非励磁の時にリレー接点が閉成する常閉接点構造を有し、制御回路は、電磁スイッチがメイン接点を閉成する前にリレー接点が開成するようにリレーコイルを励磁し、電磁スイッチがメイン接点を閉成した後にリレー接点が閉成するようにリレーコイルを非励磁とすることを特徴とする。
また、制御回路を電磁継電器の筐体内部に収容することで、電磁継電器とは別に制御回路の設置スペースを確保する必要がなく、搭載性を向上できる。
さらに、電磁継電器は、リレーコイルが非励磁の時にリレー接点が閉成する常閉接点構造を有するので、何らかの異常により制御回路の作動が停止してリレーコイルへの駆動陣号が遮断されると、リレー接点が閉成して、抵抗体をバイパスする通電経路が形成される。その結果、抵抗体を流れる電流が制限されるため、抵抗体の発熱が抑制されて、異常発熱により抵抗体が溶断することを回避できる。その後、システムが正常に戻った時に、抵抗体は溶断していないので、抵抗体を取り替える必要はなく、そのまま使用することができる。
実施例1に示すエンジン始動装置は、図1に示す様に、エンジンを始動するためのスタータ1と、このスタータ1のモータ回路に設けられる電磁継電器(以下、モータ通電用リレー2と呼ぶ)とを備える。
スタータ1は、図1に示す様に、回転力を発生するモータ3と、このモータ3に駆動されて回転する出力軸4と、この出力軸4の外周上を軸方向に移動可能に設けられたピニオン移動体(後述する)と、このピニオン移動体を反モータ方向(図示右方向)へ押し出す働きを有すると共に、モータ回路に設けられるメイン接点(後述する)を開閉する電磁スイッチ5と、モータ3を起動する際に、バッテリ6からモータ3に流れる起動電流を抑制するための抵抗体7を内蔵した上記のモータ通電用リレー2等より構成される。なお、モータ3と出力軸4との間に、モータ3の回転を減速してトルクを増幅するための減速装置(例えば、遊星歯車減速機)を設けても良い。
ピニオン移動体は、クラッチ9とピニオン10とで構成される。
クラッチ9は、出力軸4の外周にヘリカルスプライン嵌合するアウタと、ピニオン10と一体に設けられるインナと、アウタとインナとの間で回転力の伝達を断続するローラ等より構成され、このローラを介してアウタ側(出力軸4)からインナ側(ピニオン10)へ一方向のみ回転力を伝達する一方向クラッチとして構成されている。
ピニオン10は、エンジンの始動時に、出力軸4の外周上を反モータ方向へ移動してエンジンのリングギヤ11に噛み合い、モータ3の回転力をリングギヤ11に伝達して、リングギヤ11を回転させる。
メイン接点は、図示しない2本の端子ボルトを介してモータ回路に接続される一組の固定接点16、17を有し、プランジャ14の動きに連動して軸方向に可動する可動接点18が一組の固定接点16、17に当接して両固定接点16、17間が電気的に導通することで閉成(オン)し、可動接点18が一組の固定接点16、17から開離することで開成(オフ)する。なお、2本の端子ボルトは、モータ回路の高電位側(バッテリ側)に接続されるB端子ボルト、および、モータ回路の低電位側(モータ側)に接続されるM端子ボルトと呼ぶ。
モータ通電用リレー2は、抵抗体7をバイパスしてモータ回路に接続されるリレー接点(後述する)を有し、通電により電磁石を形成するリレーコイル19の励磁状態に応じてリレー接点を開閉する働きを有する。
このモータ通電用リレー2は、磁気回路を兼ねるリレーケース20と、このリレーケース20の内部に収容される上記のリレーコイル19と、このリレーコイル19の一端側(図示左側)に隣接して配置される磁性体プレート21と、リレーコイル19の内周を軸方向に可動する可動鉄心22と、リレーコイル19の他端側に隣接して配置される隔壁部材23と、可動鉄心22と軸方向に対向して配置される固定鉄心24と、リレーケース20の開口部を塞いだ状態でリレーケース20に固定される樹脂製の接点カバー25と、この接点カバー25に固定される2本の外部接続端子26、27と、この2本の外部接続端子26、27を介してモータ回路に接続される第1、第2の固定接点28、29と、この第1、第2の固定接点28、29の間を電気的に断続する可動接点30と、2本の外部接続端子26、27の間に電気的に接続される上記の抵抗体7と、リレーコイル19の励磁状態を制御する制御回路31等より構成される。
リレーケース20の底部20aの外側面には、金属製のブラケット32が溶接等により機械的に接合され、このブラケット32を介して、例えば、スタータ1のハウジング(図示せず)にモータ通電用リレー2が固定される。
リレーコイル19は、樹脂製のボビン33に巻線されて、高電位側である一方の端部が制御回路31に接続され、低電位側である他方の端部が磁性体であるリレーケース20を介してアースに接続されている(図1参照)。
可動鉄心22は、磁性体プレート21の丸孔を通り抜けてリレーコイル19の内側(ボビン33の内周)を軸方向に移動可能に設けられている。この可動鉄心22は、例えば、径方向の中心を通って軸方向に切断した断面形状(図2に示す断面形状)がH型形状に形成され、軸方向の両側に凹部を有している。また、可動鉄心22の一端側の端部は、磁性体プレート21よりリレーケース20の底部側へ突き出ている。
固定鉄心24は、隔壁部材23の内径側に連続して一体に設けられ、且つ、隔壁部材23よりリレーコイル19の内周側へ入り込んで、可動鉄心22と軸方向に対向して配置されている。なお、隔壁部材23と固定鉄心24は、必ずしも一体に設ける必要はなく、両者を別体に設けて、連続した磁気通路が形成される様に、電気的、且つ、機械的に接合しても良い。
また、磁気回路構成部品には、後述するシャフト35を通すために、径方向の中央部を軸方向に貫通する貫通孔が形成されている。
接点カバー25は、筒状の脚部25aを有する有底形状に設けられており、脚部25aの先端側がリレーケース20の開口部の内周に挿入されて、隔壁部材23の反コイル側(図2の右側)の外径部端面に当接した状態で組み付けられ、脚部25aの周方向の一部あるいは全周にリレーケース20の開口端部をかしめて固定されている。
接点カバー25とリレーケース20との間は、例えば、Oリング等のシール部材36によってシールされ、外部から水等の浸入を防止している。
第1の固定接点28は、隔壁部材23より反コイル側に形成される接点カバー25の内部空間(以下、接点室39と呼ぶ)に配置され、第1の外部接続端子26と電気的に接続され、且つ、機械的に固定されている。
第2の固定接点29は、第1の固定接点28と同様に、接点室39に配置され、第2の外部接続端子27と電気的に接続され、且つ、機械的に固定されている。
なお、第1、第2の固定接点28、29は、例えば、第1、第2の外部接続端子26、27のボルト頭部と一体に設けることも可能である。
つまり、モータ通電用リレー2は、図2に示す様に、リレーコイル19が非励磁の時にリレー接点が閉じている常閉接点構造を有している。
シャフト35の一端側の端部には、フランジ部35aが設けられ、このフランジ部35aが、可動鉄心22に形成された一方の凹部に嵌合している。また、シャフト35の他端側の端面は、リレーコイル19が非励磁の時に、可動接点30に接触することはなく、図2に示す様に、若干の隙間が確保されている。但し、接点圧スプリング40によって可動接点30と第1、第2の固定接点28、29との間に付与される接点圧に影響を生じなければ、つまり、接点圧が低下しなければ、シャフト35の他端側の端面が可動接点30の表面に軽く接触していても良い。
また、磁気回路構成部品の貫通孔の内周とシャフト35の外周との隙間には、固定鉄心24に対し可動鉄心22をセット側(反固定鉄心方向)へ引き離すためのリターンスプリング41が配設されている。このリターンスプリング41は、一端がシャフト35のフランジ部35aに支持され、他端がガイド部材33bの軸方向端面に支持されている。これにより、シャフト35は、フランジ部35aが可動鉄心22の凹部に嵌合した状態で、リターンスプリング41の荷重により可動鉄心22に押さえ付けられている。
この抵抗体7は、シャフト35の外周面と接触することはなく、且つ、抵抗体7が赤熱した時に、樹脂製である接点カバー25および樹脂部材33aが熱的ダメージを受けることがない様に、接点カバー25の内周面および樹脂部材33aの表面との間に所定の空間が確保された状態で配置されている。
なお、制御回路31は、隔壁部材23の表面にパッケージを密接させた状態で取り付けることができれば良く、例えば、図2に示す様に、隔壁部材23の反コイル側(図示右側)、あるいは、図3に示す様に、隔壁部材23のコイル側(図示左側)に配置することも出来る。
図1に示す始動スイッチ42がオンすると、スタータリレー12が閉成すると共に、制御回路31にトリガ信号が送信されて、制御回路31よりモータ通電用リレー2に駆動信号が出力される。モータ通電用リレー2は、制御回路31によって予め決められた所定時間だけ駆動信号がオンとなり、その間、リレーコイル19が励磁されてリレー接点が開成する。なお、始動スイッチ42は、例えば、ユーザによる手動操作、あるいは、アイドルストップ装置(エンジンの停止および再始動を自動制御する装置)を搭載する車両において、アイドルストップが実施されてエンジンが停止した後、または、停止するまでの減速期間中に、ユーザが車両を発進させようとする操作(例えば、ブレーキの解除操作、ドライブレンジへのシフト操作等)を行った場合にオン操作される。
なお、ピニオン10がリングギヤ11に当接することなく、そのままスムーズに噛み合うことも有り得るが、確率的には極めて小さく、通常は、リングギヤ11の端面に当接することが多い。
モータ3の回転を受けてピニオン10がリングギヤ11に噛み合った後、モータ通電用リレー2に対する駆動信号がオフとなる。これにより、リレー接点が閉成して、抵抗体7の両端を短絡する通電経路が形成される。その結果、バッテリ6の全電圧によりモータ3に通電されるため、モータ3が高速度で回転し、そのモータ3の回転がピニオン10からリングギヤ11に伝達されてエンジンをクランキングする。
クランキングからエンジンが始動すると、スタータリレー12が開成して励磁コイル13への通電が停止されるため、メイン接点が開成して、バッテリ6からモータ3への電力供給が停止される。
実施例1のエンジン始動装置は、リレーケース20と接点カバー25とで構成されるモータ通電用リレー2の筐体内部に制御回路31を収容することで、制御回路専用の筐体を必要としない。その結果、配線を接続するためのコネクタ等の接続個所を減らすことができ、且つ、モータ通電用リレー2の周辺の配線を簡素化できるので、信頼性の向上につながる。
また、制御回路31をモータ通電用リレー2の筐体内部に収容することで、制御回路31とリレーコイル19との電気的な接続を容易にでき、且つ、モータ通電用リレー2とは別に制御回路31の設置スペースを確保する必要がないので、搭載性を向上できる。
これに対し、本実施例では、制御回路31とリレーコイル19との電気的な接続をモータ通電用リレー2の筐体内部で完結できるため、制御回路31とリレーコイル19とを接続する電気配線をモータ通電用リレー2の外部に取り回す必要はなく、振動による断線の恐れもない。また、制御回路31をモータ通電用リレー2の筐体内部に収容することにより、そのモータ通電用リレー2の筐体によって防水性を確保できるので、信頼性及び耐環境性を向上できる。
これにより、環境温度及び振動の厳しい条件下でのモータ通電用リレー2の使用が可能となり、制御回路31の耐環境性を向上できる。
なお、実施例1と共通する構成部品については、実施例1と同一番号を付与し、その説明は省略する。
(実施例2)
この実施例2は、実施例1と同じく、制御回路31にICを用いたものであり、且つ、図4に示す様に、ICのパッケージを磁性体プレート21の反コイル側(図示左側)の表面に密接させて取り付けた一例である。
この実施例2の構成においても、モータ通電用リレー2の筐体内部に制御回路31を収容することにより、実施例1と同様の効果を得ることができる。
さらに、樹脂製のスペーサ部材34に制御回路31をモールド成形することで、制御回路31を確実に固定でき、且つ、リレー接点の摩耗粉等がIC端子間に堆積することがないので、IC端子間の絶縁低下を防止できる。これにより、環境温度及び振動の厳しい条件下でのモータ通電用リレー2の使用が可能となり、制御回路31の耐環境性を向上できる。
先の実施例1では、バッテリ6からリレーコイル19に電力を供給する電源ラインに対し、リレーコイル19より上流側に制御回路31を接続しているが、この実施例3では、図5に示す様に、リレーコイル19の電源ラインに対し、リレーコイル19より下流側に制御回路31を接続している。
本実施例の構成によれば、リレーコイル19を流れ出る電流を制御回路31のアース端子からアース側に流すことができる。つまり、制御回路31のアース端子とリレーコイル19のアース端子とを共通化できるので、端子数を減らすことが可能となる。
この実施例4は、図6、図7に示す様に、制御回路31に電力を供給する電源ラインと、リレーコイル19に電力を供給する電源ラインと、制御回路31を起動するためのトリガ信号を送信する信号ラインとを共通化して、バッテリ6からスタータリレー12を介して電磁スイッチ5の励磁コイル13に通電するための通電ライン45に接続し、この通電ライン45より、制御回路31、及び、リレーコイル19に対する電力の供給を受けると共に、トリガ信号を取り込む様に構成した例である。
上記の構成によれば、電源ラインと信号ラインとを共通化することで、電源専用ラインを省略できるため、モータ通電用リレー2の端子数を減らして簡素化することが可能となる。これにより、モータ通電用リレー2は、従来の車両配線を大幅に変更することなく、電磁スイッチ5の通電ライン45からの分岐信号を供給するのみで機能する。
なお、この実施例4では、図6に示すように、制御回路31をリレーコイル19の上流側に配置する、あるいは、図7に示すように、制御回路31をリレーコイル19の下流側に配置することも出来る。
この実施例5は、実施例4に記載した構成、つまり、電源ラインと信号ラインとを共通化して、電磁スイッチ5の励磁コイル13に通電するための通電ライン45に接続した構成において、図8に示す様に、制御回路31の内部にサージ吸収素子46とMOSFET47とを直列に接続して配置した一例である。
サージ吸収素子46は、例えば、ダイオードを使用することができ、リレーコイル19への通電オフ時、つまり、通電ライン45に設けられるスタータリレー12を開成した時に発生するサージを吸収する働きを有する。
この実施例6では、モータ通電用リレー2の筐体内部に収容する制御回路31が備える機能について説明する。
本実施例の制御回路31は、以下に説明する起動電流抑制禁止機能、温度保護機能、過電流保護機能、および、抵抗体通電時間調整機能の何れか一つの機能、または、複数の機能を備えている。
起動電流抑制禁止機能は、例えば、エンジンの停止および再始動を自動制御するアイドルストップ車両において、システム上、アイドルストップが禁止されている時、言い換えると、エンジンが掛かり難い冷間時には、モータ3の起動電流を抑制する働きを禁止する機能である。つまり、モータ3の起動時に抵抗体7を経由してモータ3に通電するのではなく、リレー接点を閉成して、バッテリ6の全電圧によりモータ3に通電する。これにより、エンジンが掛かり難い冷間時等においても、エンジンの始動性が向上する。
過電流保護機能は、予め設定された許容電流を超える過電流が流れた時に、制御回路31に供給される電力を自ら遮断する機能であり、過電流が流れることによる回路故障の誘発を防止できる。
抵抗体通電時間調整機能は、モータ3の起動時に抵抗体7を経由してモータ3に通電する際に、抵抗体7への通電時間を調整できる機能であり、例えば、スタータ1の高温時に抵抗体7への通電時間(リレー接点が開成している時間)を延長することで、エンジンの始動性を向上でき、且つ、スタータ電流により発生するバッテリ6の電圧降下を抑制できる様に、スタータ電流をバランス良く供給することが可能となる。
この実施例7に示すモータ通電用リレー2は、実施例1と同じく、リレーコイル19が非励磁の時に、可動接点30が第1、第2の固定接点28、29に当接してリレー接点が閉成する常閉接点構造を有している。
また、制御回路31は、接点室39内に配置され、且つ、実施例8に記載した4つの機能のうち、少なくとも温度保護機能を備えている。この制御回路31は、抵抗体7への通電時に、その抵抗体7から放射される輻射熱を受ける。但し、制御回路31は、抵抗体7の発熱によって温度保護機能が働く前に故障することがない様に、抵抗体7との間に適宜な距離を保って配置されている。言い換えると、抵抗体7が発熱した時に、温度保護機能が有効に機能する領域に配置されている。
その後、システムが正常に戻った時に、抵抗体7は溶断していないので、抵抗体7を取り替える必要はなく、そのまま使用することができ、且つ、制御回路31も故障していないので、モータ通電用リレー2は正常に機能する。
実施例1では、抵抗体7の両端を第1、第2の外部接続端子26、27のボルト頭部に接合する一例を記載したが、本発明のモータ通電用リレー2は、第1の外部接続端子26と第2の外部接続端子27との間に抵抗体7が電気的に接続されていれば良いので、必ずしも、上記の様に、抵抗体7の両端を第1、第2の外部接続端子26、27のボルト頭部に直接接合する必要はなく、間接的に接合しても良い。
実施例1に記載したモータ通電用リレー2のリレーケース20は、有底の円筒形状であるが、必ずしも外周形状が円筒形状である必要はなく、軸方向と直交する断面形状が多角形状(例えば、四角形、六角形等)であっても良い。
また、上記の各実施例では、モータ通電用リレー2を電磁スイッチ5のメイン接点より上流側に設けているが、メイン接点より下流側、つまり、M端子ボルトとモータ3との間に設けることも可能である。
2 モータ通電用リレー(電磁継電器)
3 モータ
5 電磁スイッチ
6 バッテリ
7 抵抗体
16 固定接点(メイン接点)
17 固定接点(メイン接点)
18 可動接点(メイン接点)
12 スタータリレー
13 電磁スイッチの励磁コイル
19 リレーコイル
20 リレーケース(電磁継電器の筐体)
25 接点カバー(電磁継電器の筐体)
28 第1の固定接点(リレー接点)
29 第2の固定接点(リレー接点)
30 可動接点(リレー接点)
31 制御回路
Claims (1)
- バッテリ(6)よりスタータ(1)のモータ(3)へ通電するためのモータ回路に設けられるメイン接点を開閉する電磁スイッチ(5)と、
前記モータ回路に接続され、前記モータ(3)を起動する際に前記バッテリ(6)から前記モータ(3)に流れる起動電流を抑制するための抵抗体(7)と、
この抵抗体(7)をバイパスして前記モータ回路に接続されるリレー接点を有し、通電によって電磁石を形成するリレーコイル(19)の励磁状態に応じて前記リレー接点を開閉する電磁継電器(2)と、
前記モータ(3)の起動時に前記バッテリ(6)から前記抵抗体(7)を経由して前記モータ(3)に通電する時間を設定するために、前記リレーコイル(19)の励磁状態を制御する制御回路(31)とを備え、この制御回路(31)が前記電磁継電器(2)の筐体内部に収容されるエンジン始動装置であって、
前記電磁継電器(2)は、前記リレーコイル(19)が非励磁の時に前記リレー接点が閉成する常閉接点構造を有し、
前記制御回路(31)は、前記電磁スイッチ(5)が前記メイン接点を閉成する前に前記リレー接点が開成するように前記リレーコイル(19)を励磁し、前記電磁スイッチ(5)が前記メイン接点を閉成した後に前記リレー接点が閉成するように前記リレーコイル(19)を非励磁とすることを特徴とするエンジン始動装置。
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