JP2013209871A - 浮上型水害シェルター - Google Patents

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Abstract

【課題】百人規模の人を内部空間に収容することができ、かかる人たちを収容した状態において、水面に浮上することによって、津波などの水害から内部に収容した人を保護することができる浮上型水害シェルターを提供する。
【解決手段】水害時に人が避難するためのシェルターであって、内部に多数の人を収容し得る中空な空間を有する収容部102と、収容部102の底面110usに沿って設けられた一対の脚部130、130と、を備えており、一対の脚部130、130は、一対の脚部間に隙間を形成するように互いに間隔をあけて設けられている。収容部102の中空な空間内には数百人の人を収容することができ、水害時において、水を一対の脚部間に容易に誘導できる。すると、確実に本発明の浮上型水害シェルターを浮かばせることができ、かつ浮かんだ状態で水害を回避することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、浮上型水害シェルターに関する。さらに詳しくは、地震等により発生した津波などの水害が襲来した際に内部に人を収容し、かつ浮上して水害を回避することができる構造を有する浮上型水害シェルターに関する。
近年、世界の各地において巨大地震が頻発するようになってきている。巨大地震のうちとくに海底で起こる海溝型地震は、巨大な津波を引き起こす。
日本においては、太平洋沿岸部が、海溝型地震が発生する可能性がある帯状部分に沿って存在している。この帯状部分では、一の小さな地震が発生することによって他の地震を誘発することにより、結果的に巨大な地震が発生する可能性がある。つまり、日本の太平洋沿岸部では、常に巨大な津波の危機にさらされているというのが実情である。
津波は、押し波によって地上の建造物を破壊したり地上の物(人や車など)を波に飲み、これらを引き波によって海に引き込む。しかも、津波は、その高さが高くなるにつれて進行方向の動きが大きくなるが、その高さが、高さが30cm程度の場合であっても、人を
波に飲み込むだけのエネルギーを有している。また、沿岸部近くで発生した津波の到達速度は、地震発生時から数十分以内(例えば、約5分〜約30分の間)に第1波が到達すると言われている。しかも、津波は、その高さの数倍の海抜の高さの内陸まで遡上するとも言われている。
したがって、地震が発生した場合には、沿岸部の人たちのみならず、沿岸部に接しており海抜がそれほど高くない地域の人は、津波が襲来することを予想して、短時間の間にできるだけ高い高台などに避難する必要がある。
しかし、高齢者や病院等などに入院中の患者、保育園や小学校等にいる小さな子供達などは、短時間のうちに自力で海岸などから遠くの高台等に避難することは困難であり、しかも、その数が多くなればなるほど避難に要する時間が長くなるといった、問題が生じている。
また、近くに高台がない場合には、高齢者や子供、病人などの弱者のみならず、大人であっても短時間のうちに津波の襲来から逃れることが難しくなる。
かかる短時間の間に、複数の人を、津波に飲み込まれることなく、かつ津波の引き波によっても海に引き込まれるのを防止する技術が提案されている(例えば特許文献1〜5)。
特許文献1には、一対のガイド支柱の長手方向に沿って上下にスライド可能なコンテナ型のシェルターが開示されている。コンテナ型のシェルターは、その入り口扉を閉じた状態においてコンテナ型のシェルターの内部空間を密閉可能な状態に維持できる旨の記載がある。
特許文献2には、内部に中空な空間を有する環状のシェルターと、このシェルターの貫通穴に挿通されたポール部材が開示されている。そして、環状のシェルターの底部には、複数のフィンが設けられているので、環状のシェルターが水に浮いた状態において、水の抵抗を小さくすることができ、しかも、漂流物を回避することができる旨が記載されている。
特許文献3では、大人数を収容することができる船型のシェルターが開示されている。このシェルターは、水に浮いた状態において、かかるシェルターが流されないように地面に立設したポールに係留されているものである旨が記載されている。
特許文献4および5では、シェルターの内部の下方に浮力室を有し、この浮力室の上方に人を収容するための避難室を有し、避難室には常時開放された一対の開口部を有する球体状のシェルターが開示されている。また、球体状のシェルターが水面に浮いた状態において、一定の範囲からシェルターが離脱しないためのひも状の連結部材(連結索)を設けた構造や、シェルターの安定性を制御するための舵、方向安定板や揺動抑止板等を設けた構造が開示されている。また、これらの文献には、平常時では人が集まりやすい公園等に球体状のシェルターを配置することにより、緊急時に多くの人命をシェルター内部の空間に収容できる旨が記載されている。
特開2011−106142号公報 特開2008−174949号公報 特開2006−193133号公報 特開2008−74385号公報 特開2006−226099号公報
しかしながら、特許文献1〜2には、人が津波から避難するためのシェルターが記載されているものの、かかるシェルターの具体的な構成は全く記載されていない。
また、特許文献3のシェルターでは、あくまで船を地上に設置しただけにすぎない技術であり、特許文献4および5では、あくまで球体状のシェルターが開示されているにすぎず、収容できる人数も15人程度にすぎない。
上述した技術はいずれも、複数の人を津波から守るためのシェルターに係るアイデアは記載されているものの、これらのシェルターを具現化するための具体的な構成や技術は全く開示されていない。しかも、上述した特許文献では、収容することができる人数はせいぜい十数人程度であり、百人規模の人を収容して、津波から守ることができるシェルターを実現化するための具体的な構成はなんら開示されていない。
以上のごとき事情もあり、津波が発生したときに、百人規模の人を確実に収容することができ、津波に飲み込まれることなく、かつ津波の引き波によっても海に引き込まれるのを防止することができる実現可能な構造を有するシェルターの開発が望まれている。とくに病院等においてベッドが必要な病人や老人なども速やかに収容することができるシェルターの開発が望まれている。
本発明は上記事情に鑑み、百人規模の病人や老人、子供などの弱者を短時間に確実に収容することができ、かかる人たちを収容した状態において、津波に飲み込まれることなく、かつ津波の引き波によっても海に引き込まれるのを防止することができるシェルターを提供することを目的とする。
第1発明の浮上型水害シェルターは、水害時に人が避難するためのシェルターであって、内部に多数の人を収容し得る中空な空間を有する収容部と、該収容部の底面に沿って設けられた一対の脚部と、を備えており、該一対の脚部は、該一対の脚部間に隙間を形成するように互いに間隔をあけて設けられていることを特徴とする。
第2発明の浮上型水害シェルターは、第1発明において、前記収容部は、側面に前記一対の脚部間に位置する前記収容部の底面に向かって下傾し、かつ該底面と連続する面を有することを特徴とする。
第3発明の浮上型水害シェルターは、第1または第2発明において、前記収容部は、胴体部と、該胴体部の上方に設けられた屋根部と、を備えており、該屋根部は、略平坦な上面を有する略接頭四角錐状に形成されていることを特徴とする。
第4発明の浮上型水害シェルターは、第3発明において、前記収容部は、その内部が外部から液密に遮断された箱状の構造を有しており、前記胴体部には、内部と外部を連通する開口部と、該開口部を開閉するハッチと、が設けられており、該ハッチを閉じると、内部を外部から液密に遮断するシール機構が設けられていることを特徴とする。
第5発明の浮上型水害シェルターは、第3発明において、前記収容部は、その内部が外部から液密に遮断された箱状の構造を有しており、前記屋根部には、内部と外部を連通する開口部と、該開口部を開閉するハッチと、が設けられており、該ハッチを閉じると、内部を外部から液密に遮断するシール機構が設けられていることを特徴とする。
第1発明によれば、収容部内に形成された中空な空間内に多数の人を収容することができる。例えば、収容部を鋼製で形成すれば、強度を高くできるので、寸法を長さ約20m、幅約8m、高さ約3mに形成することができる。すると、内部に収容可能な人数も数百人(例えば100〜300人)程度収容することができる。
また、本発明の浮上型水害シェルターを地面に設置した場合、収容部の底面に設けられた一対の脚部によって、地面と収容部の底面の間に空間を形成することができる。すると、水害時において、水を一対の脚部間に容易に誘導できるので、確実に本発明の浮上型水害シェルターを浮かばせることできる。つまり、本発明の浮上型水害シェルターを水面に浮かせることによって水害を回避することができる。しかも、収容部の内空間に、水、毛布、蓄電池、医療器具、薬、食料等の多数の防災品などを備蓄すれば、津波などの水害の水が引いたのち、災害前と同じ人たちとコミュニティを維持することができるのでるので、被災者の精神を安定させることができる。
第2発明によれば、収容部の側面に一対の脚部間に位置する底面に向かって下傾する面を有する。このため、かかる下傾面の傾斜に沿って一対の脚部間に位置する底面に向かって水を容易に案内できる。すると、津波や洪水などの水害が発生し、かかる水害による水が本発明の浮上型水害シェルターに襲来した場合、一対の脚部間に案内された水の水面を、本発明の浮上型水害シェルターの周囲の水面の上昇とほぼ同じレベルで上昇させ易くなる。すると、浮上するときの衝撃(例えば、収容部の長手方向の軸に対して上下に移動するピッチングなど)を少なくできるから、より安定した状態でスムースに本発明の浮上型水害シェルターを浮上させることができる。
第3発明によれば、屋根部の上面が略平坦に形成されているので、緊急時では災害ヘリのヘリポートに使用することができる。しかも、屋根部は、略接頭角錐状に形成されているので、屋根部まで襲来するような水害(例えば、波高が屋根部の高さと同等またはそれ以上あるような津波)の場合、かかる水の力を側面の傾斜に沿って逃がすことができる。すると、本発明の浮上型水害シェルターに加わる津波の衝撃を小さくできるので、内部に収容した人をより安全に想定外の水害から保護することができる。さらに、その側面の傾斜面が車等が登れる程度の角度に形成されていれば、通常時では、駐車場や駐輪場などに使用することが可能であるので、本発明の浮上型水害シェルターを緊急時のみならず、通常時でも有効に利用することができる。
第4発明によれば、収容部の胴体部に形成された内部と外部を連通する開口部には、ハッチが設けられているので、人がかかる開口部を通って出入することができる。しかも、ハッチを閉じると、内部を外部から液密に遮断するシール機構が設けられているので、水害によって水が内部へ侵入するのを防止できる。さらに、開口部の間口幅をベッド等が通過可能な大きさに形成すれば、一度に大人数の人が、この開口部から開口部を通って内部に避難することができる。そして、要介護者(病人、高齢者、子供)も速やかに内部に避難することができるし、ベッドのままでも開口部を通って内部に避難させることができる。すると、病院や老人施設、保育園、小学校など多くの要介護者がいる場合、短い時間内で確実に本発明の浮上型水害シェルター内に避難することができる。
第5発明によれば、収容部の屋根部に形成された内部と外部を連通する開口部には、ハッチが設けられているので、人がかかる開口部を通って出入することができる。また、ハッチを閉じると、内部を外部から液密に遮断するシール機構が設けられているので、水害によって水が内部へ侵入するのを防止できる。しかも、このハッチは屋根部に設けられているので、水害によって水が内部へ侵入するのをより防止することができる。さらに、開口部の間口幅をベッド等が通過可能な大きさに形成すれば、一度に大人数の人が、この開口部から開口部を通って内部に避難することができる。そして、要介護者(病人、高齢者、子供)も速やかに内部に避難することができるし、ベッドのままでも開口部を通って内部に避難させることができる。すると、病院や老人施設、保育園、小学校など多くの要介護者がいる場合、短い時間内で確実に本発明の浮上型水害シェルター内に避難することができる。
本実施形態の浮上型水害シェルター101を地面GLに設置した状態の概略説明図であり、(A)は概略側面図であり、(B)は概略正面図であり、(C)は概略平面図である。 水害時において、本実施形態の浮上型水害シェルター101の挙動を説明した概略説明図である。 他の実施形態の浮上型水害シェルター201を地面GLに設置した状態の概略説明図であり、(A)は概略側面図であり、(B)は概略正面図であり、(C)は概略平面図である。 他の実施形態の浮上型水害シェルター201を使用している状況の概略説明図であり、(A)は津波の波高が屋根部の上面近傍まで達した状況における浮上型水害シェルター201の状態を示した概略説明図であり、(B)は屋根部の上面近傍の津波を屋根部上面に沿って後方(図4では左から右へ)に逃がす状況を示した概略説明図であり、(C)はその後の浮上型水害シェルター201の挙動を示した概略説明図である。
本発明の浮上型水害シェルターは、津波や洪水などの水害時に百人規模の人を短時間に確実に収容部内に収容することができ、津波の水面の上昇に併せて収容部を浮かせる構成を有し、かかる状態によって津波に飲み込まれることなく、かつ津波の引き波によっても海に引き込まれるのを防止することによって津波を回避するタイプのシェルターであり、津波の水面が収容部の底面に到達した後、スムースに浮かせる構成を備えていることに特徴を有する。
なお、以下では、本発明の浮上型水害シェルターに津波が襲来した場合について説明するが、本発明の浮上型水害シェルターを使用することができる水害は津波に限定されず、例えば、台風などの高潮や集中豪雨などの洪水時の避難用シェルターとしても使用することができるのは言うまでもない。
また、本発明の浮上型水害シェルターは、通常、陸上(例えば地上)に設置して使用するものであるが、設置場所はとくに限定されない。例えば、病院や学校の敷地など多くの弱者が集う場所に設置すれば、より多くの人を水害から守ることができるので好ましい。
また、本明細書中では液密とは、完全に水が外部から内部に侵入するのを防止した状態だけでなく、略液密の状態を含む概念である。略液密の状態とは、日本鋼船工作法制度標準(JSQS)や日本海事協会(NK)に準拠した検査を満たすレベルの液密性を意味している。例えば、収容部に形成された開口部に設けられたハッチを閉じた状態において、外部からハッチに水をかけた程度では水が内部に侵入しない程度の液密性が保たれる状態が相当する。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1において、符号101は、本実施形態の浮上型水害シェルターを示しており、符号GLは地面を示している。
図1に示すように、本実施形態の浮上型水害シェルター101は、内部に中空な空間(以下、収容空間102hという)を有する箱状の収容部102を備えた構造を有し、箱状の収容部102の底面110usには、一対の脚部130が設けられている。
(収容部102の説明)
図1に示すように、収容部102は、内部に中空な空間(以下、胴体部収容空間という)を有する胴体部110と、胴体部110の上方に設けられた屋根部120と、を備えている。つまり、胴体部110と屋根部120の両者の内部に形成された中空な空間によって上述した収容部102の内部の収容空間が形成されているのである。なお、収容部102内に形成された収容空間は、外部から液密に遮断された構造となっている。
(胴体部110について)
まず、胴体部110について、説明する。
胴体部110は、内部に中空な空間を有する箱状の部材であって、その内部には、上述したように収容部102の収容空間のうち胴体部110分の空間に相当する胴体部収容空間を形成している。この胴体部収容空間には、その内底部に床110FLが設けられている。床110FLは、その面積が数百人規模の人を収容できる大きさとなるように形成されている。言い換えれば、胴体部110は、その床110FL面積が数百人規模の人を収容できる大きさであれば、高さについてはとくに限定されない。つまり、胴体部110の高さが人の背丈よりも高い場合には、内部に収容した人の居住空間として胴体部収容空間だけを使用可能である。一方、胴体部110の高さが人の背丈よりも低い場合には、胴体部収容空間と後述する屋根部120の屋根部収容空間の両者を居住空間として使用することが可能となるように形成されている。
(胴体部110の形状について)
胴体部110は、内部に形成した胴体部収容空間内に多数の人を収容することができるものであれば、その形状は、略多角形状や平面視略正方形、平面視略長方形、変面視略円形など、とくに限定されない。具体的には、胴体部110は、内部に胴体部収容空間を有する長尺な略矩形状に形成することができる。
例えば、図1に示すように、胴体部110は、一対の長手方向の長尺な側壁110wa(以下、単に長尺側壁110waという)と、この一対の長尺側壁110wa間に設けられ、かつ両端間を連結する一対の短尺な側壁110wb(以下、単に短尺側壁110wbという)と、底壁と、から形成されている。そして、胴体部110がかかる形状に形成されている場合、内部の胴体部収容空間を胴体部110の形状と略相似形の略矩形状になるように形成してもよいが、その形状は、とくに限定されない。
(胴体部110の寸法について)
また、胴体部110の寸法は、上述したように内部の胴体部収容空間の床110FLの面積が数百人規模の人を収容できる大きさであれば、とくに限定されない。
例えば、胴体部収容空間だけを居住空間として使用可能な場合について説明する。
図1に示すように、胴体部110は、長尺な略矩形状に形成されている場合、その寸法が、その長手方向の長さ(図1(A)では、長尺側壁110waの左右方向の距離)が約20m、その幅方向の長さ(図1(B)では、短尺側壁110wbの左右方向の距離)が約8m、その高さ(図1(A)では、長尺側壁110waの上下方向の距離、図1(B)では、底壁の内底面110usから長尺側壁110waの上端縁までの距離)が約3mとなるように形成されている。かかる場合、内部の胴体部収容空間は、一対の短尺側壁110wbの内壁間距離(長手方向の長さ)が約17m、一対の長尺側壁110waの内壁間距離(幅方向の長さ)が約7m、高さ(内底面から側壁上端縁までの距離)が約2mとなるように形成できるので、床110FL面積を約119mとなるように形成できる。この場合、胴体部収容空間内だけを居住空間として使用することが可能である。
(屋根部120について)
つぎに、屋根部120について、説明する。
屋根部120は、胴体部110の上方に設けられた内部に中空な空間を有する箱状の部材である。
屋根部120は、その内部に収容空間のうち胴体部収容空間に連通する屋根部分の空間(以下、屋根部収容空間という)を形成することができる形状であればよく、その形状はとくに限定されない。例えば、略多角形状や略接頭四角錐状、平面視略正方形、平面視略長方形、変面氏略円形などを採用することができる。
例えば、図1に示すように、屋根部120は、一対の長手方向の長尺な側壁120wa(以下、長尺屋根側壁120waという)と、この一対の長尺屋根側壁120wa間に設けられ、かつ両端間に連結した一対の短尺な側壁120wb(以下、短尺屋根側壁120wbという)と、一対の長尺屋根側壁120waと一対の短尺屋根側壁120wbの上端縁を覆うように設けられた天井壁120TSと、から形成されている。そして、天井に連結するように設けられた各側壁は、外方に向かって下傾するように形成されており、屋根部120を胴体部110に取り付けたときに、下端部が上述した胴体部110の各側壁の上端部と接するように形成されている。つまり、屋根部120は、断面略台形状に形成された略接頭四角錐状に形成することができる。
(ハッチ115の説明)
収容部102の胴体部110の側壁および/または屋根部120の側壁には、上述したように外部から胴体部収容空間内に人が出入可能な開口部が形成されている。この開口部には、開口部を開閉するためのハッチ115が設けられている。ハッチ115は、閉じた状態において外部から液密に遮断できる構造であれば、とくに限定されない。例えば、ハッチ115は、開口部の内径と略相似形であって、その大きさが開口部の内径よりもやや大きくなるように形成されている。
例えば、図1(A)および(B)に示すように、胴体部110の高さが収容部102全体の高さに対して約7割の場合、外部から胴体部収容空間内に人が入り易いように、胴体部110の短尺側壁110wbに平面視略略長方形の開口部を形成すること、が好ましい。そして、この開口部には、開口部の周囲を覆うように開閉することができる揺動可能なハッチ115を設ける。例えば、ハッチ115の基端部を連結手段によって開口部の下端縁に連結し、開閉機構によってこの基端部を支点として先端部が上下方向に揺動可能となるようにする。つまり、ハッチ115の基端部を支点として先端部を上下方向に揺動させることによって、ハッチ115を開閉することができるようにする。言い換えれば、ハッチ115の先端部を下げることによって、ハッチ115を開くことができるようにするのである。この場合、ハッチ115を開いたときに、ハッチ115の先端部と地面GLが接するように配置すれば、このハッチ115の内面を橋桁の替りに使用して人が内部に避難することができる。
なお、ハッチは、上述したように先端部を下げることによってハッチ115を開く構造とは逆の構造、つまり、先端部を持ち上げることによってハッチを開く構造を採用してもよい。例えば、図3(A)に示すように、ハッチ215は、その基端部が連結手段によって開口部の上端縁に連結しているので、先端部を持ち上げることによってハッチを開くことができる。
また、ハッチを設けるための開口部は、人が開口部を通って収容部空間102h内に出入可能であれば、その数や形状または大きさなどもとくに限定されないのは、言うまでもない。また、開口部の間口幅をベッドが通過可能な大きさに形成すれば、ベッドのままでも開口部を通って内部に避難させることができる。
(脚部130の説明)
脚部130は、長尺な略板状の部材であって、その基端が胴体部110の底壁の底面110usに取り付けることができるように形成されている。
例えば、図1(B)に示すように、断面略二等辺三角形状に形成された長尺部材であれば、底辺側を基端として胴体部110の底面110usに取付けることができる。また、脚部130は、胴体部110の底面110usに取付けた状態において、浮上型水害シェルター101を地面GLに設置したとき、浮上型水害シェルター101が、安定した状態で地面GL上に自立できるものであれば、その取り付け位置は、とくに限定されない。
例えば、図1(A)および(B)に示すように、一対の脚部130、130は、それぞれ胴体部110の底面110usの両端部に、胴体部110の長手方向に沿って設けられている。より具体的には、胴体部110の寸法が、長手方向の長さが約20m、長手方向に直交する幅方向の長さが約7.5m、高さが約2.8mである場合、脚部130の先端部(地面GLに接する部分)から基部(底面110usに連結する部分)までの距離が約500mm、基部の厚さが約1000mm、一対の脚部130の内端面間の距離が約6mとなるように形成する。
以上のごとき構成であるので、図1に示すように、本実施形態の浮上型水害シェルター101を地面GLに設置すれば、収容部102の胴体部110の底面110usに取り付けられた一対の脚部130、130によって、地面GLと底面110usの間に隙間が形成されるように浮上型水害シェルター101を安定した状態で地面GL上に自立して配置させることができる。かかる状態において、胴体部110の短尺側壁110wbに形成された開口部に設けられたハッチ115を開けば、開口部を通って胴体部収容空間内に多数の人を収容することができる。
例えば、収容部102の寸法を、長手方向の長さが約20m、長手方向に直交する幅方向の長さが約8m、高さが約3mの長尺な略矩形状に形成すれば、胴体部収容空間の床110FL面積を約119mに形成できるので、その収容空間102h内に約300人の人を収容することができる。しかも、かかる大きさであれば、収容空間102h内に約100人の人を収容した状態において、さらに胴体部収容空間の床110FL上に約100床のベッドを並べることも可能である。
しかも、図1(B)に示すように、胴体部110は、その底面110usに一対の脚部130、130を有しているので、収容部102の底面110usを一対の脚部130、130によって地面GLから離間させた状態に維持できる。かかる状態において、津波が襲来した場合、図2(A)の上図および図2(B)の上図に示すように、襲来とほぼ同時に、一対の脚部130、130と底面110usで囲まれた空間(以下、底部空間という)に津波の水を容易に誘導することができる。そして、この底部空間に誘導された水の水面を、浮上型水害シェルター101の周囲に存在する水の水面とほぼ同じレベルで上昇させることができる。
図2(A)の上図および図2(B)の上図に示すように、水面WLが、一対の脚部130、130の基部(脚部130が胴体部110の底面110usに連結する部分)よりも下方に位置する場合には、胴体部110の底面110us全体が地面GLに接触する場合に比べて抵抗をより小さくできるので、浮上型シェルター101を設置した安定した状態で維持することができる。しかも、脚部130の高さが約300mmに形成されているだけで、子供やお年寄りのみならず、大人であっても足をさらわれるおそれがある津波(地上から数約150mmの高さの津波)を回避できるので、より安心して避難することができる。
一方、図2(A)の下図および図2(B)の下図に示すように、水面WLが一対の脚部130、130の基部よりも上方まで上昇すれば、胴体部110に対して浮力を発生させることができる。つまり、確実に浮上型水害シェルター101を水面WL浮かばせることできるのである。このため、胴体部110の底面110usのほぼ全体を地面GL等に接した状態で配置する場合に比べて、確実に浮上型水害シェルター101を浮かばせることできる。しかも、胴体部110の底面110usのほぼ全体を地面GL等に接して配置した状態から浮上する場合に比べて、浮上型水害シェルター101を浮上させる初期に急激な浮き上がり挙動を防止できるので、内部に収容(避難)している人が転倒等するのを防止でき、病人や子供等をより安全に津波から保護することができる。すると、津波が襲来したときに、浮上型水害シェルター101の周囲にいる人が数百人レベルであっても、ほぼ全員を浮上型水害シェルター101内に避難させることができ、かつ津波が襲来した状況において、浮上型水害シェルター101を水面に浮かばせることによって、津波から内部の人を保護することができる。
また、浮上型水害シェルター101を、上述した大きさに胴体部110を形成すれば、内部に収容した人が数日間暮らせるだけの水、毛布、蓄電池、医療器具、薬や食料等の多数の防災品などを備蓄することができる。すると、津波が引いた後では、浮上型水害シェルター101を避難所としてしても使用できる。また、浮上型水害シェルター101の胴体部110内の胴体部収容空間を複数の部屋に分割すれば、収容部102内の収容空間102h内を複数の人または家族が個人用の仮設住宅としても使用することができる。
また、図2(B)に示すように、浮上型水害シェルター101を水面WLに浮上させた場合、浮上型水害シェルター101が流れないように胴体部110と地面などの間を連結するようなチェーンCを設けておくのが好ましい。この場合、津波がさった後、浮上型水害シェルター101を設置場所周辺にとどまらせておくことができる。
(胴体部110の側壁構造について)
とくに、胴体部110を、その側壁が底面110usに向かって下傾した面を有する側壁を備えた構造とすれば、よりスムースに浮上型水害シェルター101を浮上させることができるので、好適である。
例えば、図1または図2に示すように、胴体部110は、その短尺側壁110wbをその上端部(つまり屋根部120との連結部)から下端部(つまり底面110usとの連結部)に向かって内方に傾斜するように形成している。つまり、短尺側壁110wbは、その上端部が下端部よりも外方に位置するように形成しており、かつ短尺側壁110wbと底面110usが連続するように形成している。そして、この短尺側壁110wbから連続した底面110usの両端部には、一対の脚部130、130が設けられている。このため、脚部130の高さよりも若干高い津波が襲来した場合、津波の水は、短尺側壁110wbに接触するが、短尺側壁110wbが底面110usに向かって下傾しているので、短尺側壁110wbの面に沿って短尺側壁110wbに接触した水を底部空間に迅速に誘導することができる。すると、ある程度の高さの波高を有する津波が襲来した場合であっても、その衝撃(波力)を分散させることができるので、内部の収容空間102h内への衝撃をより少なくすることができる。しかも、ある程度の波高の津波が襲来した場合でも、津波の水を迅速に底部空間に誘導できるので、よりスムースに浮上型水害シェルターを浮上させることができ、しかも浮上型水害シェルターを浮上させる際に収容部内にかかる衝撃(例えば、上下移動による上下加速度など)をより小さくできる。
言い換えれば、上記のごとき構造を有していれば、水面がゆっくりと上昇する津波(いわゆる、遠隔地津波)が襲来した場合、よりスムースに浮上型水害シェルター101を浮上させることができるという利点がある。
なお、浮上型水害シェルター101を形成する方法や素材などについては、とくに限定されないが、鋼製の板状鋼板を使用すれば、隣接する板状鋼板を溶接等によって液密性を保った構造とすることができる。とくに、かかる板状鋼板を用いた2層構造(いわゆるダブルハル構造)とすれば、より剛性を有する構造とすることができるので好適である。また、この2層構造とすれば、両者間に空間を形成することができるので、かかる空間を防水シート等で覆えば飲料水等を蓄えるタンクとしても使用できる。
また、胴体部110の底面110usに設けられる脚部130は、その本数はとくに限定されない。例えば、一対の脚部130、130を不連続に複数、収容部110の長手方向に沿って底面110usに取り付けてもよい。また、底面110usに複数本の脚部130を設けた構造であれば浮上型水害シェルター101をより安定して設置することができる。しかも、底面110usを地面GL等から離間した状態を維持できれば一本の脚部130を取り付けた構造を採用してもよい。例えば、胴体部110の一の端部底面と地面との間にブロックの配置し、他の胴体部110の一の端部底面に脚部130を設けてもよい。
さらになお、脚部130は、その内部に外部から液密に遮断された中空な空間を有する構造としてもよい。この場合、かかる空間に飲料水、食料品などの備品の他、排水を貯水するタンクとしても使用することが可能である。
また、開口部の間口幅をベッドが通過可能な大きさに形成すれば、一度に多くの人がかかる開口部を通って内部に避難することができ、かつベッドのままでも開口部を通って内部に避難させることができる。つまり、病人や高齢者、子供などの要介護者を迅速に内部に避難することができるのである。この場合、病院や老人施設、保育園、小学校など多くの要介護者がいる場合、短い時間内で確実に多くの要介護者を収容部102の収容空間102h内に避難させることができる。例えば、図1に示すように、胴体部110の短尺側面110wbの長手方向の長さ(図1(B)では、左右方向の距離)が約7.5m、高さ(図1(B)では、上下方向の距離)が約2.8mの場合、開口部の開口幅を約3m、高さ約2mとなるように形成すれば、よりスムースにベッドを内部へ搬入できる。
また、収容部102には、開口部に設けられたハッチ115を閉じると、開口部の内部を外部から液密に遮断するシール機構が設けられているのが好ましい。かかるシール機構を有する構造であれば、より収容空間102hを外部から液密に遮断した状態を維持できるので、開口部が水面よりも下方に位置する状態であっても内部に水が浸入する可能性が低くすることができる。
また、ハッチ115の先端部が地面GLに接するようにハッチ115を開いた状態において、傾斜したハッチ115内面と床110FLが連続するように形成されていれば、避難する人が安全に内部に避難でき、ベッド等をよりスムースに収容空間102h内に搬入することができる。
なお、胴体部110の一対の短尺側面120wb、120wbに開口部をそれぞれ形成する場合、開口部が対向しない位置に形成されている、のが好ましい。この場合、開口部から内部に避難する人が互いに衝突しないので、スムースに両側の開口部から内部に避難することができる。
また、図1に示すように、屋根部120は、その天井壁120TSの上面が略平坦になるように形成されている、のが好ましい。この場合、この上面を緊急時における災害ヘリのヘリポート等に使用することができる。
(他の実施形態の浮上型水害シェルター201の説明)
上述した例では、胴体部が収容部の大部分を占める大きさ、例えば、胴体部の高さが収容部の約7割となるような大きさの場合について説明した。かかる構成を有する浮上型水害シェルター101は、胴体部110の胴体部収容空間を広くかつ使い勝手のよい空間に形成することができ、かつゆるやかに水面が上昇する津波(いわゆる遠隔地津波)などの場合によりスムースに浮上型水害シェルター101を浮上させることができるという、利点がある。
しかし、波高が高く、しかも波力も大きい津波の場合には、かかる構成を有する浮上型水害シェルター101では、津波の影響によって収容部102に激しい衝撃が加わるおそれがある。そこで、波高が高く、しかも波力も大きい津波が襲来した場合であっても、収容部内の収容空間内がより安定した状態で維持することができる構成を有する浮上型水害シェルター201について、以下説明する。
この浮上型水害シェルター201は、胴体部110が収容部101の大部分を占める構成とは逆に、屋根部220が収容部202の大部分を占める大きさである。そして、この屋根部220が収容部の大部分を占める構成の場合、ある程度の波高を有する津波が襲来した場合、一時的に、津波の水を受け流したのち、浮上型水害シェルター201を水面に浮かせることができるという点に特徴を有する。
この浮上型水害シェルター201は、一時的に、津波の水を受け流すための構成以外は、上述した浮上型水害シェルター101と実質的に同様の構成である。したがって、以下、上述した浮上型水害シェルター101と実質的に同様の構造を有する部分については割愛し、浮上型シェルター201に特徴的な津波の水を受け流すための構成について説明する。
図3に示すように、屋根部220は、上述した屋根部120と同様に略平坦な天井壁220TSの上面を有する略接四角錐状に形成されている。しかも、屋根部220は、その高さが収容部202全体に対して約7割となるように形成されている。つまり、浮上型水害シェルター201は、全体的に見て略接頭四角錐状に形成されているのである。
例えば、浮上型水害シェルター201は、脚部130の高さが約500mm、胴体部210の高さが約1m、屋根部220の高さが約2mとなるように形成すれば、屋根部220の高さを、収容部202全体の高さに対して約7割となるように形成できる。つまり、浮上型シェルター201は、上述した浮上型水害シェルター101の収容部102の高さに対する胴体部110の高さ割合が約7割となるように形成された場合と構成が異なり、収容部202高さに対する屋根部220の高さ割合が約7割となるように形成されているのである。
上記のごとき構造を有する浮上型水害シェルター201を地面GLに設置した状態において、ある程度の波高を有する津波、例えば、水面が急激に上昇し、その波高がメートル(m)単位の津波T(いわゆる近地津波)が襲来した場合について、図4に基づいて以下説明する。
図4(A)に示すように、浮上型水害シェルター201を地面GLに設置した状態で、一の側壁(短尺側壁210wbおよび短尺屋根側壁220wb)に対向する方向から津波Tが襲来する(図4(A)では左から右方向に向かって)。そして、津波Tの先端部が浮上型水害シェルター201の胴体部210の短尺側壁210wbと屋根部220の短尺屋根側壁220wbの連結部に接触すると、この連結部よりも上方に位置する津波部分は、屋根部220の短尺屋根側壁220wbの上傾した傾斜面に沿って上方に誘導される(図4(B)では上方に向かった矢印)。そして、上方に誘導された水は、屋根部220の短尺屋根側壁220wbおよび天井壁220TSの上面に沿って他方の側(図4では津波Tが襲来する側とは反対の短尺屋根側壁220wb側)に向かって押し流される。一方、かかる連結部よりも下方に位置する津波部分は、胴体部210の短尺側壁210wbの底面210usに向かって下傾した傾斜面に沿って下方に誘導される(図4(B)では下方に向かった矢印)。そして、下方に誘導された水は、短尺側壁210wbおよび底面210us(とくに一対の脚部130間に形成された底部空間の底面210us)に沿って他方の側(図4では津波Tが襲来する側とは反対の短尺側壁210wb側)に向かって押し流される。
このため、図4に示すような高い波高を有する津波Tが襲来した場合であっても、津波Tの大部分を受け流すことができる。また、屋根部220上方に誘導した津波部分によって、一時的に屋根部220に対して鉛直方向への押圧力が加わるので、一時的に浮上型水害シェルター201が浮上するのを防止できる。言い換えれば、波力の強い津波が襲来した場合でも、浮上型水害シェルター201を地上に接した状態を維持することによって、その波力を受け流し流すことができるのである。そして、図4(C)に示すように、波高の高い津波Tが一旦去ったのち、自動的に屋根部220に対する鉛直方向の押圧力が解除されれば、スムースに浮上型水害シェルターを浮上させることができる。
つまり、浮上型水害シェルター201は、波高の高い津波Tが襲来した場合、地面GLに設置した状態で津波Tの衝撃(波力)を受け流すとともに、一時的に、津波Tの一部を浮上型水害シェルター201の浮上防止に利用するのである。すると、浮上型水害シェルター201は、波高が高く、かつ波力の強い津波が襲来しても、かかる津波によって浮上型水害シェルター201に対して加えられる衝撃(例えば、上下移動による上下加速度など)をより確実に回避することができる。つまり、収容部202内の収容空間202h内に収容した人を安全かつ確実に津波から守ることができる。
なお、浮上型水害シェルター201は、胴体部210に内部と外部とを連通する開口部を形成し、この開口部に上述した浮上型水害シェルター101で説明したハッチ115と同様の構成を有するハッチ215を開口部に設けてもよいが、屋根部220に開口部を形成した構造を採用する、のが好ましい。なぜなら、図3に示すように、屋根部220が収容部202の大部分を占める大きであり、地上GLから屋根部220までの距離がさほど高くなく、しかも屋根部220が略接頭四角錐状に形成されているので、胴体部210の短尺側面210wbに開口部を形成する場合に比べて、屋根部220の短尺屋根側壁220wbに開口部を形成するのが容易だからである。
また、図3に示すように、屋根部220の短尺屋根側壁220wbに開口部を形成し、この開口部にハッチ215を設けた場合、短尺屋根側壁220wbは、その傾斜が浮上型水害シェルター101の胴体部101の短尺側面110wbの傾斜とは全く逆の傾きの傾斜となる。このため、浮上型水害シェルター201の屋根部220の短尺屋根側壁220wbに形成された開口部に設けるハッチは、図3に示すようなハッチ215が好ましい。かかるハッチ215を採用すれば、ハッチ115を採用する場合に比べて先端部の移動距離を短くできるので、ハッチ215の開閉時間を短くできるので好ましい。
例えば、図3に示すように、ハッチ215は、その上端部が連結手段によって開口部の上端縁に連結されており、開閉機構によってこの上端部を支点として上下方向に揺動可能に設けられている。つまり、ハッチ215の上端部を支点として下端部を上下方向に揺動させることによって、ハッチ215を開閉することができるのである。
なお、図示しないが、屋根部220の他の側壁、例えば、長手方向に沿った長尺屋根側面220waに上記のごとき構造を有するハッチ215を設けた開口部を形成してもよい。この場合、短尺屋根側壁220wbに加えて長尺屋根側面220waにも避難口である開口部が形成されているので、外部の人をより迅速に収容空間202h内に収容することができる。
また、屋根部220の側壁の傾斜を車等が登れる程度の角度(例えば、3〜10%勾配)に形成すれば、通常時では、駐車場や駐輪場などに使用することができる。すると、浮上型水害シェルター201を緊急時のみならず、通常時でも有効に利用することができる。
上述したように本発明の浮上型水害シェルターは、設置する場所において、襲来が予想される津波の種類(上述した例では、遠隔地津波または近地津波)に併せて、浮上型水害シェルター101、201を使用すれば、内部に収容した人をより安全に津波から保護することができる。
本発明の浮上型水害シェルターは、津波などの水害の際に人が避難するめのシェルターに適している。また、本発明の浮上型水害シェルターは、水害地域において、内部に装置や機材などを収容しておくことができるので、工場の建屋としても使用できる。
101 浮上型水害シェルター
102 収容部
110 胴体部
110us 底面
115 ハッチ
120 屋根部
130 脚部
GL 地面

Claims (5)

  1. 水害時に人が避難するためのシェルターであって、
    内部に多数の人を収容し得る中空な空間を有する収容部と、
    該収容部の底面に沿って設けられた一対の脚部と、を備えており、
    該一対の脚部は、
    該一対の脚部間に隙間を形成するように互いに間隔をあけて設けられている
    ことを特徴とする浮上型水害シェルター。
  2. 前記収容部は、
    側面に前記一対の脚部間に位置する前記収容部の底面に向かって下傾し、かつ該底面と連続する面を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の浮上型水害シェルター。
  3. 前記収容部は、
    胴体部と、該胴体部の上方に設けられた屋根部と、を備えており、
    該屋根部は、
    略平坦な上面を有する略接頭四角錐状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の浮上型水害シェルター。
  4. 前記収容部は、
    その内部が外部から液密に遮断された箱状の構造を有しており、
    前記胴体部には、
    内部と外部を連通する開口部と、
    該開口部を開閉するハッチと、が設けられており、
    該ハッチを閉じると、内部を外部から液密に遮断するシール機構が設けられている
    ことを特徴とする請求項3記載の浮上型水害シェルター。
  5. 前記収容部は、
    その内部が外部から液密に遮断された箱状の構造を有しており、
    前記屋根部には、
    内部と外部を連通する開口部と、
    該開口部を開閉するハッチと、が設けられており、
    該ハッチを閉じると、内部を外部から液密に遮断するシール機構が設けられている
    ことを特徴とする請求項3記載の浮上型水害シェルター。
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