JP2013209666A - ポリプロピレン系樹脂フィルムおよびその用途 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂フィルムおよびその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性に優れるとともに透明性、柔軟性および耐衝撃性のいずれにも優れ、食品および医薬品容器を提供する。
【解決手段】下記要件(1)〜(3)を同時に満たす、厚さ10〜500μmのポリプロピレン系樹脂フィルム;(1)JIS K6781に準じて測定したヤング率が10〜500MPaである、(2)0℃で測定した引張衝撃強度が、50 〜1000kJ/m2である、(3)光線透過率が85〜99%であり、かつ120℃および30分間の熱水処理後の光線透過率の減少率が0〜15%の範囲にある。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリプロピレン系樹脂フィルムおよびその用途に関し、より詳細には、従来公知のポリプロピレン系フィルムと比較して、耐熱性、透明性、柔軟性および低温衝撃性に優れたポリプロピレン系フィルムならびに該フィルムを構成層とする多層フィルムに関する。
プラスチックを用いた材料は既存のプロピレン系樹脂のみでは対応し切れない多くの産業分野に進出している。これらの産業分野のなかでも、食品容器用および医薬品容器用のフィルムには、高い耐熱性、柔軟性、低温衝撃性および透明性がバランスよく優れることが要求される。
近年、レトルト食品は一般家庭のみならず業務分野にも急速に普及し始めており、そのために大量の食品を一度に包装できる包装材料(レトルトパウチ)の出現が求められている。レトルト食品は一般的に、長期間にわたって常温保存または冷蔵・冷凍保存する用途に用いられることから、その包装材料に用いられるフィルムには、包装体のヒートシール部から内容物が破損しない高いヒートシール強度と耐低温衝撃強度が求められる。さらにレトルト食品は、その食品を充填し密封した後、100〜140℃程度の高温・高圧釜を用いてレトルト殺菌処理が行われるために、その処理に耐えられるようなヒートシール部の耐熱性とヒートシール強度の保持が、食品の品質管理上必要である。一方、高温かつ短時間滅菌は、作業効率の改善につながるばかりでなく内容物の品質および機能の保持率の向上にもつながることからも、レトルトパウチのシーラント層などに用いられるプロピレン系樹脂の耐熱温度のさらなる向上が求められている(特許文献1参照)。
また、医薬品用容器としては、従来、比較的柔軟な軟質塩化ビニル樹脂およびエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂からなる容器が多用されてきた。これらの医療バッグは、点滴時に通気針を使う必要のないクローズドシステムであるため、外気からの汚染がないという利点を有するが、軟質塩化ビニル樹脂からなる容器は可塑剤や安定剤などの添加剤を含むため、その溶出を防止する必要があった。また、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂の医薬品バッグは耐熱性に劣るため、架橋する必要があった(特許文献2〜3参照)。
特開平09-216640号公報 特開2005-053131号公報 特開2004-244044号公報
本発明は、上述したような従来技術に鑑みてなされたものであり、耐熱性、透明性、柔軟性および耐衝撃性のいずれにも優れた単層および多層のポリプロピレン系樹脂フィルムを提供することを課題としている。
すなわち、本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムは、下記要件(1)〜(3)を同時に満たし、厚さが10〜500μmであることを特徴としている;
(1)JIS K6781に準じて測定したヤング率が10〜500 MPaである。
(2)0℃で測定した引張衝撃強度が、50 〜1000 kJ/m2である。
(3)光線透過率が85〜99%であり、かつ120℃での30分間の熱水処理前後での光線透過率の減少率が0〜15%の範囲にある。
前記ポリプロピレン系樹脂フィルムは、好ましくは、さらに以下の要件(4)を満たす;
(4)DSCにより測定したTmが145℃以上である。
前記ポリプロピレン系樹脂フィルムは、好ましくは、さらに以下の要件(5)を満たす;
(5)前記ポリプロピレン系樹脂フィルムは、
(A)下記要件(a)を充足するシンジオタクティックポリプロピレン重合体85重量部〜25重量部と、
(B)下記要件(b)を充足するプロピレン・α-オレフィン共重合体15重量部〜75重量部(ただし、(A)と(B)の合計を100重量部とする。)と
を含有するプロピレン系重合体組成物からなる;
(a):13C-NMRにより測定されるシンジオタクティックペンタッド分率(rrrr分率)が85%以上であり、示差走査熱量計(DSC)より求められる融点(Tm)が145℃以上であり、プロピレン単位を90モル%(ただし、該重合体(A)中の構成単位の全量を100モル%とする。)を超える量で含有する。
(b):プロピレン単位を55〜90モル%(ただし、該共重合体(B)中の構成単位の全量を100モル%とする。)含有し、炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)から選ばれる少なくとも1種のα-オレフィン単位を10〜45モル%(ただし、プロピレン単位と炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)単位との合計を100モル%とする。)含有し、JIS K−6721に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定したMFRが0.01〜100g/10分の範囲にあり、かつ下記要件(b−1)または(b−2)のいずれか1つ以上を満たす;
(b−1):13C-NMR法により測定したシンジオタクティックトライアッド分率(rr分率)が60%以上である、
(b−2):135℃デカリン中で測定した極限粘度[η](dL/g)と前記MFR(g/10分、230℃、2.16kg荷重)とが下記の関係式を満たす、
1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)
前記プロピレン系重合体組成物は、さらに下記条件(c)を充足するエチレン・α―オレフィン共重合体(C)を、(A)および(B)の合計100重量部に対し、1〜100重量部含有する請求項3に記載のプロピレン系重合体組成物を含んでいてもよい。
(c):エチレン単位を50〜99モル%、炭素原子数3〜20のα-オレフィン単位を1〜50モル%(ただし、該共重合体(C)中の構成単位の全量を100モル%とする。)含有する。
前記ポリプロピレン系樹脂フィルムは、好ましくは、さらに以下の要件(6)を満たす;
(6)前記ポリプロピレン系樹脂フィルムは、プロピレン単位濃度(Sp)が40〜95モル%、エチレン単位濃度(SE)が60〜5モル%および炭素数4〜10のα-オレフィン単位濃度(Sα)が0〜15モル%(ただし、Sp +SE +Sα=100モル%、Sp/Se>1とする。)であるポリプロピレン系樹脂からなる。
前記ポリプロピレン系樹脂フィルムは、好ましくは、さらに以下の要件(6)を満たす;
(7)室温n-デカン可溶成分(Dsol)の極限粘度が、1.5〜4.0(dl/g)である。
前記ポリプロピレン系樹脂フィルムは、インフレーションまたは押出法によって成形されることが好ましい。
本発明の多層フィルムは、上記ポリプロピレン系樹脂フィルムを基材層とし、基材層の少なくとも一方の表面に、ポリオレフィン系樹脂からなる外層を積層してなる。本発明の食品用容器は、上記ポリプロピレン系樹脂フィルムまたは上記多層フィルムからなる。
本発明の医薬用容器は、上記ポリプロピレン系樹脂フィルムまたは上記多層フィルムからなる。
本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムは、耐熱性、透明性、柔軟性および低温耐衝撃性に優れている。
本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムを用いると、高温滅菌処理によってもフィルム透明性が低下しない、低温耐衝撃性および柔軟性に優れた単層および多層のポリプロピレン系樹脂フィルムが得られる。
本発明の実施例および比較例に記載のシンジオタクティックプロピレン重合体について、特定の等温結晶化温度(Tiso)と該温度における半結晶化時間(t1/2)との関係をプロットした図である。なお太線で囲まれた部分は本発明のシンジオタクティックプロピレン重合体(A)の好ましい性質である不等式(Eq-1)の領域を示す。また参考までに実施例では使用しないが、(A)の範囲に入るポリマー(AA−2)についてもプロットが示されている。 本発明の好ましい態様である(A)成分または(B)成分に該当するポリマー(ただしAA−3、AA−6は(A)成分には該当しない)と、アイソタクティックプロピレン系重合体について、MFRと[η]との関係をプロットした図である。なお太線で囲まれた部分は、本発明の(B)成分の好ましい性質のうちの1つである(b-2)の領域を示し、破線は(b-2)の好ましい範囲を示す。
〔ポリプロピレン系樹脂フィルム〕
本発明のポリプロピレン系樹脂フィルム(通常、ポリプロピレン系樹脂単層フィルムのことを指す;なお「単層」の語は当該ポリプロピレンフィルム以外の層が積層されていることを排除するものではない。)は、以下に詳述する要件(1)〜(3)を同時に満たし、好ましくは、要件(1)〜(3)に加えて、要件(4)〜(7)から選ばれる一以上の要件を満たし、さらに好ましくは、要件(1)〜(3)に加えて、要件(4)〜(7)のいずれも満たすポリプロピレン系樹脂フィルムである。
本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムの厚さは、10〜500μmであり、好ましくは100〜400μm、さらに好ましくは100〜300μmである。上記範囲内であれば要件(1)〜(3)を同時に備えた前記ポリプロピレン系樹脂フィルムを安定的に成形できる。
<要件(1)>
本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムの、JIS K6781に準じて測定したヤング率は10〜500MPa以下、好ましくは50〜400MPaである。ヤング率がこの範囲から外れると、レトルト処理(加圧熱水滅菌処理)前後において、柔軟性を維持できない場合がある。
<要件(2)>
本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムの、0℃で測定した引張衝撃強度は、50〜1000kJ/m2、好ましくは100〜1000kJ/m2である。引張衝撃強度が50kJ/m2に満たないときは、ポリプロピレン系樹脂フィルムからなる容器に食品や医薬品を充填し、低温保存後に落下した場合に、内容物の液漏れなどが起こることがある。
<要件(3)>
本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムの光線透過率は、85〜99%、好ましくは85〜95%であり、かつ120℃での30分間の熱水処理前後での光線透過率の減少率は15%未満、好ましくは10%未満である。光線透過率が80%未満の場合、内容物によっては容器外からの目視による内容物の識別に困難を伴う場合がある。一方、光線透過率が95%を超えると、本要件以外の要件のすべてを同時に満たす本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムを製造するのは実用的に困難である。また、熱水処理後の光線透過率の減少率が15%以上の場合は、121℃の高温滅菌処理による透明度の低下が著しい。なお「光線透過率」は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。また、「光線透過率の減少率」とは、以下の式から算出される値である。
Figure 2013209666
<要件(4)>
本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムの、示差走査熱量計(DSC)により測定したTmは好ましくは145℃以上であり、より好ましくは145℃〜170℃であり、さらに好ましくは150℃〜170℃、特に好ましくは154℃以上170℃以下である。上記範囲にあれば耐熱性に優れる。
<要件(5)>
本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムを構成するポリプロピレン系樹脂は、好ましくは、(A)シンジオタクティックポリプロピレン重合体と、(B)プロピレン・α-オレフィン共重合体と、必要に応じて(C)エチレン・α−オレフィン共重合体とからなるポリプロピレン系樹脂組成物である。以下、各成分について詳細に説明する。
<(A)シンジオタクティックプロピレン重合体>
本発明で用いられるシンジオタクティックプロピレン重合体(A)は、下記の特性を有していれば、ホモポリプロピレンであっても、プロピレン・炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)ランダム共重合体であっても、プロピレンブロック共重合体であってもよいが、好ましくはホモポリプロピレンあるいはプロピレン-炭素原子数2〜20のα-オレフィンランダム共重合体である。特に好ましいのは、プロピレンとエチレンまたは炭素原子数4〜10のα-オレフィンとの共重合体、プロピレンとエチレンと炭素原子数4〜10のα-オレフィンとの共重合体であり、ホモポリプロピレンが特に耐熱性の点などから好ましい。
ここで、プロピレン以外の炭素原子数2〜20のα-オレフィンとしては、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げられる。なお通常、プロピレン単位は、炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを含む)単位の合計100モル%に対して、90モル%を超える量、好ましくは91mol%以上含んでいる。言い換えると本発明のシンジオタクティックプロピレン重合体(A)は、通常、プロピレン単位を90モル%を超えて100モル%以下の量で、および炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)単位を0モル%以上10モル%未満の量で含有する(ここでプロピレン単位と炭素数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)単位との合計を100モル%とする)が、特にプロピレン単位を91モル%以上、100モル%以下の量で、および炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)単位を0モル%以上9モル%以下の量で含有することが好ましい。
シンジオタクティックプロピレン重合体(A)がプロピレン・α-オレフィンランダム共重合体である場合には、炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)単位を0.3〜7モル%の量で、好ましくは0.3〜6モル%、更に好ましくは0.3〜5モル%の量で含有していることが好ましい。
本発明で用いられるシンジオタクティックプロピレン重合体(A)は、NMR法により測定したシンジオタクティックペンタッド分率(rrrr分率、ペンタッドシンジオタクティシテー)が85%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは93%以上、さらに好ましくは94%以上であるものであり、rrrr分率がこの範囲のシンジオタクティックプロピレン重合体(A)は成形性、耐熱性と透明性に優れ、結晶性のポリプロピレンとしての特性が良好で好ましい。なおrrrr分率の上限は特にはないが100%以下であり通常は、例えば99%以下である。
このシンジオタクティックペンタッド分率(rrrr分率)は、以下のようにして測定される。
rrrr分率は、13C-NMRスペクトルにおけるPrrrr(プロピレン単位が5単位連続してシンジオタクティック結合した部位における第3単位目のメチル基に由来する吸収強度)およびPw (プロピレン単位の全メチル基に由来する吸収強度)の吸収強度から下記式(1)により求められる。
rrrr分率(%)=100×Prrrr/Pw …(1)
NMR測定は、たとえば次のようにして行われる。すなわち、試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させる。この溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入する。そして日本電子製GX-500型NMR測定装置を用い、120℃で13C-NMR測定を行う。積算回数は、10,000回以上とする。
シンジオタクティックプロピレン重合体(A)を135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は、0.1〜10dL/g、好ましくは0.5〜10dL/gであることが望ましい。より好ましくは0.50〜8.00dL/g、さらに好ましくは0.95〜8.00dL/g、特に好ましくは1.00〜8.00、よりさらに好ましくは1.40〜8.00dL/gの範囲にあることが望ましく、なかでも1.40〜5.00dL/gの範囲にあることが好ましい。このような極限粘度[η]値のシンジオタクティックプロピレン重合体(A)は、良好な流動性を示し、他の成分と配合し易く、また得られた組成物から機械的強度に優れた成形品が得られる傾向がある。
さらに、シンジオタクティックプロピレン重合体(A)は示差走査熱量計(DSC)測定により得られる融点(Tm)が、145℃以上、好ましくは147℃以上であり、さらに好ましくは150℃以上であり、さらに好ましくは155℃以上であり、特に好ましくは156℃以上である。なおTmの上限は特にはないが、通常は、例えば170℃以下である。
さらにシンジオタクティックプロピレン重合体(A)の融解熱量(ΔH)は40mJ/mg以上好ましくは45mJ/mg以上、さらに好ましくは50mJ/mg以上、さらに好ましくは52mJ/mg以上、特に好ましくは55mJ/mg以上であることが好ましい。
示差走査熱量計による測定は、たとえば次のようにして行われる。試料5.00mg程度を専用アルミパンに詰め、パーキンエルマー社製DSCPyris1またはDSC7を用い、30℃から200℃までを320℃/minで昇温し、200℃で5分間保持したのち、200℃から30℃までを10℃/minで降温し、30℃でさらに5分間保持したのち、次いで10℃/minで昇温する際の吸熱曲線より融点(Tm)および融解熱量(ΔH)を求める。なお、DSC測定時に、複数のピークが検出される場合は、最も高温側で検出されるピークを、融点(Tm)と定義する。
融点(Tm)がこの範囲にあるシンジオタクティックプロピレン重合体(A)は成形性、耐熱性と機械特性に優れ、結晶性のポリプロピレンとしての特性が良好で好ましい。後述するような触媒系を用い、後述するような重合条件を設定することで、融点(Tm)がこの範囲にあるシンジオタクティックプロピレン重合体(A)を製造できる。
シンジオタクティックプロピレン重合体(A)は、示差走査熱量計(DSC)測定で求めた等温結晶化温度をTiso、等温結晶化温度Tisoにおける半結晶化時間をt1/2とした場合、110≦Tiso≦150(℃)の範囲において下記式(Eq-1)を満たし、
Figure 2013209666
好ましくは、下記式(Eq-2)を満たし、
Figure 2013209666
さらに好ましくは下記式(Eq-3)を満たす。
Figure 2013209666
等温結晶化測定により求められる半結晶化時間(t1/2)は等温結晶化過程でのDSC熱量曲線とベースラインとの間の面積を全熱量とした場合、50%熱量に到達した時間である。〔新高分子実験講座8 高分子の物性(共立出版株式会社)参照〕半結晶化時間(t1/2)測定は次のようにして行われる。試料5mg程度を専用アルミパンに詰め、パーキンエルマー社製DSCPyris1またはDSC7を用い、30℃から200℃までを320℃/minで昇温し、200℃で5分間保持したのち、該温度(200℃)から各等温結晶化温度までを320℃/minで降温し、その等温結晶化温度に保持して得られたDSC曲線から半結晶化時間(t1/2)を求める。ここで半結晶化時間(t1/2)は等温結晶化過程開始時間(200℃から等温結晶化温度に到達した時刻)t=0として求める。本発明で用いられるシンジオタクティックプロピレン重合体(A)については上記のようにしてt1/2を求めることができるが、ある等温結晶化温度、例えば110℃で結晶化しない場合は、便宜的に110℃以下の等温結晶化温度で測定を数点実施し、その外挿値より半結晶化時間(t1/2)を求める。
上記(Eq-1)を満たすシンジオタクティックプロピレン重合体(A)は、既存のものに比べて成形性が格段に優れる。ここで成形性が優れるとは、射出、インフレーション、ブロー、押出またはプレス等の成形を行う場合、溶融状態から固化するまでの時間が短いことを示す。また、このようなシンジオタクティックプロピレン重合体(A)は成形サイクル性、形状安定性、長期生産性などが優れる。
後述するような触媒系を用い、後述するような重合条件を設定することで、上記(Eq−1)を充足するシンジオタクティックプロピレン重合体(A)を製造できる。
本発明のシンジオタクティックプロピレン重合体(A)の好ましい態様としては、前記好ましい態様(△H≧40mJ/mg)を満たすことおよび前記(Eq−1)を満たすこと)に加えて下記要件(n−デカン可溶部量)を同時に満たす態様が挙げられる。
シンジオタクティックプロピレン重合体(A)のn-デカン可溶部量は1(wt%)以下、好ましくは0.8(wt%)以下、さらに好ましくは0.6(wt%)以下であることが望ましい。このn-デカン可溶部量はシンジオタクティックプロピレン重合体(A)乃至これから得られる成形体のブロッキング特性に密接した指標であり、通常n-デカン可溶部量が少ないということは低結晶性成分量が少ないことを意味する。すなわち、本要件(n−デカン可溶部量)をも満たすシンジオタクティックプロピレン重合体(A)は極めて良好な耐ブロッキング特性を備えるものである。
従って(A)成分の最も好ましい態様の1つは、プロピレンから導かれる構成単位を90モル%を超える量で含有し、13C-NMRにより測定されるシンジオタクティックペンタッド分率(rrrr分率)が85%以上でありかつDSCより求められる融点(Tm)が145℃以上であり、融解熱量(ΔH)が40mJ/mg以上であり、さらに前記(Eq−1)を満たし、かつn−デカン可溶部量が1wt%以下である、シンジオタクティックプロピレン重合体である。
本発明で用いられるシンジオタクティックプロピレン重合体(A)の製造にあたっては、(I)一般式[1]で表される架橋メタロセン化合物と、
(II)(II-1)有機アルミニウムオキシ化合物、
(II-2)前記架橋メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物、および
(II-3)有機アルミニウム化合物
から選ばれる少なくとも1種以上の化合物とからなる重合用触媒(cat-1)、または該触媒(cat-1)が粒子状担体に担持された重合用触媒(cat-2)が好適に利用されるが、生成する重合体がシンジオタクティックプロピレン重合体(A)としての要件を満たす限りは、シンジオタクティックポリプロピレン重合体(A)の製造に用いられる触媒は、該触媒に何ら限定されない。
Figure 2013209666
前記一般式[1]において、R1、R2、R3およびR4は水素原子、炭化水素基およびケイ素含有基から選ばれ、R2とR3とは互いに結合して環を形成していても良く、R5、R6、R8、R9、R11およびR12は水素、炭化水素基およびケイ素含有基から選ばれ、R7およびR10の2つの基は水素原子ではなく、炭化水素基およびケイ素含有基から選ばれそれぞれ同一でも異なっていてもよく、R5とR6、R7とR8、R8とR9、R9とR10、およびR11とR12から選ばれる一つ以上の隣接基組み合わせにおいて該隣接基は相互に結合して環を形成していてもよい。R17およびR18は、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基またはケイ素原子含有基であり、相互に同一でも異なっていてもよく、置換基は互いに結合して環を形成してもよい。MはTi、ZrまたはHfであり、Yは炭素であり、Qはハロゲン、炭化水素基、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組み合わせで選んでもよく、jは1〜4の整数である。
(I)架橋メタロセン化合物
以下に、前記一般式[1]で表される架橋メタロセン化合物(I)(本明細書において「成分(I)」ともいう。)の具体例を示す。
シクロプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロブチリデン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロペンチリデン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘプチリデン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジn-ブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジn-ブチルメチレン(シクロペンタジエニル(2,7-ジ(2,4,6-トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジn-ブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジn-ブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ(3,5-ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジn-ブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジn-ブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ(4-メチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジn-ブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジナフチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジn-ブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ(4-tert-ブチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソブチルメチレン(シクロペンタジエニル(2,7-ジ(2,4,6-トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ(3,5-ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ(4-メチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジナフチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ(4-tert-ブチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド[他には1,3-ジフェニルイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドとも言われる。以下については別名省略]、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル(2,7-ジ(2,4,6-トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ(3,5-ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ(4-メチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジナフチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ(4-tert-ブチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェネチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェネチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(ベンズヒドリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(ベンズヒドリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(クミル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(クミル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(1-フェニル-エチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(1-フェニル-エチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(シクロヘキシルメチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(シクロヘキシルメチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(シクロペンチルメチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(シクロペンチルメチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(ナフチルメチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(ナフチルメチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(ビフェニルメチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(ビフェニルメチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(ベンジル)(n-ブチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(ベンジル)(n-ブチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(ベンジル)(クミル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(ベンジル)(クミル)メチレンシクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロブチリデン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロブチリデン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロペンチリデン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
シクロペンチリデン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘプチリデン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘプチリデン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジメチル-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジn-ブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジメチル-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジクミル-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジn-ブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジクミル-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジ(トリメチルシリル)-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジn-ブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジ(トリメチルシリル)-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジフェニル-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジn-ブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジフェニル-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジベンジル-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジn-ブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジベンジル-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジメチル-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジn-ブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジメチル-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-tert-ブチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-tert-ブチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-n-ブチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-n-ブチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(1-ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(1-ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(2-ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(2-ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(ナフチルメチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(ナフチルメチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-イソプロピルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-イソプロピルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(ビフェニルメチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(ビフェニルメチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、等を例示することができる。
さらには上記記載化合物の「ジルコニウム」を「ハフニウム」や「チタニウム」に変えた化合物や、「ジクロリド」が「ジフロライド」、「ジブロミド」、「ジアイオダイド」や、「ジクロリド」が「ジメチル」や「メチルエチル」となったメタロセン化合物なども挙げられる。
架橋メタロセン化合物(I)は公知の方法によって製造可能であり、その製造法は特に限定されない。公知の製造方法として例えば、本出願人によるWO2001/27124号およびWO2004/087775号パンフレットに記載の製造方法を挙げることができる。
上記のような架橋メタロセン化合物(I)は、単独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。
(II-1) 有機アルミニウムオキシ化合物
シンジオタクティックプロピレン重合体(A)の製造に用いられる(II-1)有機アルミニウムオキシ化合物(本明細書において「成分(II-1)」ともいう。)としては、従来公知のアルミノキサンをそのまま使用できる。具体的には、下記一般式[2]および/または一般式[3]
Figure 2013209666
(上記式[2]において、Rは、それぞれ独立に炭素数1〜10の炭化水素基、nは2以上の整数を示す。)
(上記式[3]において、Rは炭素数1〜10の炭化水素基、nは2以上の整数を示す。)で表される化合物を挙げることができ、特にRがメチル基であり、nが3以上、好ましくは10以上のメチルアルミノキサンが利用される。これらアルミノキサン類に若干の有機アルミニウム化合物が混入していても差し支えない。
本発明では、特開平2-78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物を使用することができる。また、特開平2-167305号公報に記載されている有機アルミニウムオキシ化合物、特開平2-24701号公報、特開平3-103407号公報に記載されている二種類以上のアルキル基を有するアルミノキサンなども好適に利用できる。なお、「ベンゼン不溶性の」有機アルミニウムオキシ化合物とは、60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算で通常10%以下、好ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下であり、ベンゼンに対して不溶性または難溶性であることをいう。
また、有機アルミニウムオキシ化合物としては下記式[4]のような修飾メチルアルミノキサン等も挙げられる。
Figure 2013209666
(式[4]において、Rは炭素原子数1〜10の炭化水素基、m,nはそれぞれ独立に2以上の整数を示す。)
この修飾メチルアルミノキサンはトリメチルアルミニウムとトリメチルアルミニウム以外のアルキルアルミニウムを用いて調製される。このような修飾メチルアルミノキサン[4]は一般にMMAOと呼ばれている。このようなMMAOはUS4960878およびUS5041584で挙げられている方法で調製することができる。また、東ソー・ファインケム社等からもトリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムを用いて調製したRがイソブチル基であるものがMMAOやTMAOといった名称で商業生産されている。このようなMMAOは、各種溶媒への溶解性および保存安定性を改良したアルミノキサンであり、具体的には上記式[2]、[3]で表される化合物のようなベンゼンに対して不溶性または難溶性のアルミノキサンとは違い、脂肪族炭化水素や脂環族炭化水素に溶解する。
さらに、有機アルミニウムオキシ化合物としては、下記一般式[5]で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物を挙げることもできる。
Figure 2013209666
(式[5]中、Rcは炭素原子数1〜10の炭化水素基を示す。Rdは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数1〜10の炭化水素基を示す。)
(II-2) 架橋メタロセン化合物(a)と反応してイオン対を形成する化合物
シンジオタクティックプロピレン重合体(A)の製造に用いられる架橋メタロセン化合物(I)と反応してイオン対を形成する化合物(II-2)(以下、「イオン性化合物」、または「成分(II-2)」と称する場合がある。)としては、特開平1-501950号公報、特開平1-502036号公報、特開平3-179005号公報、特開平3-179006号公報、特開平3-207703号公報、特開平3-207704号公報、USP5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。好ましく採用されるイオン性化合物は下記一般式[6]で表される化合物である。
Figure 2013209666
式中、Re+としては、H+、カルベニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどが挙げられる。Rf〜Riは、互いに同一でも異なっていてもよく、有機基、好ましくはアリール基である。
前記カルベニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリス(メチルフェニル)カルベニウムカチオン、トリス(ジメチルフェニル)カルベニウムカチオンなどの三置換カルベニウムカチオンなどが挙げられる。
前記アンモニウムカチオンとして具体的には、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリ(n-プロピル)アンモニウムカチオン、トリイソプロピルアンモニウムカチオン、トリ(n-ブチル)アンモニウムカチオン、トリイソブチルアンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチルアニリニウムカチオン、N,N-ジエチルアニリニウムカチオン、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N-ジアルキルアニリニウムカチオン、ジイソプロピルアンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
前記ホスホニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリス(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリス(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンなどが挙げられる。
上記のうち、Re+としては、カルベニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどが好ましく、特にトリフェニルカルベニウムカチオン、N,N-ジメチルアニリニウムカチオン、N,N-ジエチルアニリニウムカチオンが好ましい。
カルベニウム塩として具体的には、トリフェニルカルベニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリス(4-メチルフェニル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(3,5-ジメチルフェニル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げることができる。
アンモニウム塩としては、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩などを挙げることができる。
トリアルキル置換アンモニウム塩として具体的には、たとえばトリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(p-トリル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(o-トリル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(2,4-ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5-ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(4-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(o-トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(p-トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(o-トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(2,4-ジメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(3,5-ジメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(4-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムなどが挙げられる。
N,N-ジアルキルアニリニウム塩として具体的には、たとえばN,N-ジメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
ジアルキルアンモニウム塩として具体的には、たとえばジ(1-プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラフェニルボレートなどが挙げられる。
その他、本出願人によって開示(特開2004-51676号公報)されているイオン性化合物も制限無く使用が可能である。
尚、上記のようなイオン性化合物(II-2)は、2種以上混合して用いることができる。
(II-3) 有機アルミニウム化合物
シンジオタクティックプロピレン重合体(A)の製造に用いられる(II-3)有機アルミニウム化合物(本明細書において「成分(II-3)」ともいう。)としては、例えば下記一般式[7]で表される有機アルミニウム化合物、下記一般式[8]で表される第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物などを挙げることができる。
Ra mAl(ORb)nHpXq ・・・・ [7]
(式[7]中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)
このような化合物の具体例として、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn-ブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどのトリn-アルキルアルミニウム;
トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリtert-ブチルアルミニウム、トリ2-メチルブチルアルミニウム、トリ3-メチルヘキシルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシルアルミニウムなどのトリ分岐鎖アルキルアルミニウム;
トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム;
トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウムなどのトリアリールアルミニウム;
ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド;
一般式(i-C49)xAly(C510)z(式中、x、y、zは正の数であり、z≦2xである。)などで表されるイソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム;
イソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニウムエトキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド;
ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;
エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;
一般式Ra2.5Al(ORb)0.5などで表される平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウム(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシド)などのアルキルアルミニウムアリーロキシド;
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;
エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;
エチルアルミニウムジクロリドなどのアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド;
エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどその他の部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。
M2AlRa 4 ・・・ [8]
(式[8]中、M2はLi、NaまたはKを示し、Raは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す。)
このような化合物としては、LiAl(C25)4、LiAl(C715)4などを例示することができる。
また、上記一般式[8]で表される化合物に類似する化合物も使用することができ、例えば窒素原子を介して2以上のアルミニウム化合物が結合した有機アルミニウム化合物を挙げることができる。このような化合物として具体的には、(C25)2AlN(C25)Al(C25)2などを挙げることができる。
(II-3)有機アルミニウム化合物としては、入手容易性の点から、トリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好んで用いられる。
また、上記各成分は、粒子状担体に担持させて用いることもできる。
(III)担体
必要に応じて用いられる担体(III)(本明細書において「成分(III)」ともいう。)は、無機または有機の化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体である。
このうち無機化合物としては、多孔質酸化物、無機ハロゲン化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が好ましい。
多孔質酸化物として、具体的にはSiO2、Al23、MgO、ZrO、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、ThO2 など、またはこれらを含む複合物または混合物、例えば天然または合成ゼオライト、SiO2-MgO、SiO2-Al23、SiO2-TiO2、SiO2-V25、SiO2-Cr23、SiO2-TiO2-MgOなどを使用することができる。これらのうち、SiO2および/またはAl23を主成分とするものが好ましい。
なお、上記無機酸化物は、少量のNa2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4、Al2(SO4)3、BaSO4、KNO3、Mg(NO3)2 、Al(NO3)3 、Na2O、K2O、Li2Oなどの炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有していても差し支えない。
このような多孔質酸化物は、種類および製法によりその性状は異なるが、好ましく用いられる担体は、粒径が3〜300μm、好ましくは10〜300μm、より好ましくは20〜200μmであって、比表面積が50〜1000m2/g、好ましくは100〜700m2/gの範囲にあり、細孔容積が0.3〜3.0cm3/gの範囲にあることが望ましい。このような担体は、必要に応じて100〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して使用される。
無機ハロゲン化物としては、MgCl2、MgBr2、MnCl2、MnBr2等が用いられる。無機ハロゲン化物は、そのまま用いてもよいし、ボールミル、振動ミルにより粉砕した後に用いてもよい。また、アルコールなどの溶媒に無機ハロゲン化物を溶解させた後、析出剤によってを微粒子状に析出させたものを用いることもできる。
粘土は、通常粘土鉱物を主成分として構成される。また、イオン交換性層状化合物は、イオン結合などによって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造を有する化合物であり、含有するイオンが交換可能なものである。大部分の粘土鉱物はイオン交換性層状化合物である。また、これらの粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物としては、天然産のものに限らず、人工合成物を使用することもできる。
また、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物として、粘土、粘土鉱物、また、六方細密パッキング型、アンチモン型、CdCl2型、CdI2型などの層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物などを例示することができる。
このような粘土、粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイトなどが挙げられ、イオン交換性層状化合物としては、α-Zr(HAsO4)2・H2O、α-Zr(HPO4)2、α-Zr(KPO4)2・3H2O、α-Ti(HPO4)2、α-Ti(HAsO4)2・H2O、α-Sn(HPO4)2・H2O、γ-Zr(HPO4)2、γ-Ti(HPO4)2、γ-Ti(NH4PO4)2・H2Oなどの多価金属の結晶性酸性塩などが挙げられる。
このような粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物は、水銀圧入法で測定した半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/g以上のものが好ましく、0.3〜5cc/gのものが特に好ましい。ここで、細孔容積は、水銀ポロシメーターを用いた水銀圧入法により、細孔半径20〜3×104Åの範囲について測定される。
半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/gより小さいものを担体として用いた場合には、高い重合活性が得られにくい傾向がある。
粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。
化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理など、何れも使用できる。化学処理として具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理などが挙げられる。酸処理は、表面の不純物を取り除くほか、結晶構造中のAl、Fe、Mgなどの陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。また、塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体などを形成し
、表面積や層間距離を変えることができる。
イオン交換性層状化合物は、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと交換することにより、層間が拡大した状態の層状化合物であってもよい。このような嵩高いイオンは、層状構造を支える支柱的な役割を担っており、通常ピラーと呼ばれる。また、このように層状化合物の層間に別の物質を導入することをインターカレーションという。インターカレーションするゲスト化合物としては、TiCl4、ZrCl4などの陽イオン性無機化合物、Ti(OR)4、Zr(OR)4、PO(OR)3、B(OR)3などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基など)、[Al134(OH)24]7+、[Zr4(OH)14]2+、[Fe3O(OCOCH3)6]+などの金属水酸化物イオンなどが挙げられる。これらの化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。また、これらの化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)4、Al(OR)3、Ge(OR)4などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基など)などを加水分解して得た重合物、SiO2などのコロイド状無機化合物などを共存させることもできる。また、ピラーとしては、上記金属水酸化物イオンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水することにより生成する酸化物な
どが挙げられる。これらのうち、粘土および粘土鉱物が好ましく、モンモリロナイト、バーミキュライト、ペクトライト、テニオライトおよび合成雲母が特に好ましい。
粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物は、そのまま用いてもよく、またボールミル、ふるい分けなどの処理を行った後に用いてもよい。また、新たに水を添加吸着させ、あるいは加熱脱水処理した後に用いてもよい。さらに、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
イオン交換性層状珪酸塩を用いた場合は、担体として機能に加えて、そのイオン交換性の性質及び層状構造を利用することにより、アルキルアルミノキサンのような有機アルミニウムオキシ化合物の使用量を減らすことも可能である。イオン交換性層状珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出されるが、特に天然産のものに限らず、人口合成物であってもよい。粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状珪酸塩の具体例としては、カオリナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ベントナイト、スメクタイト、バーミキュライト、テニオライト、合成雲母、合成ヘクトライト等を挙げることができる。
有機化合物としては、粒径が3〜300μm、好ましくは10〜300μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状固体を挙げることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテンなどの炭素原子数2〜14のα-オレフィンを主成分として生成される(共)重合体またはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される(共)重合体、もしくは共重合体、またはこれら重合体にアクリル酸、アクリル酸エステル、無水マレイン酸等の極性モノマーを共重合またはグラフト重合させて得られる極性官能基を有する重合体または変成体を例示することができる。これらの粒子状担体は、単独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。
また、上記シンジオタクティックプロピレン重合体(A)の製造に用いられるオレフィン重合用触媒は、上記各成分と共に、必要に応じて後述するような特定の有機化合物成分(IV)を含むこともできる。
(IV)有機化合物成分
本発明において、(IV)有機化合物成分(本明細書において「成分(IV)」ともいう。)は、必要に応じて、重合性能および生成ポリマーの物性を向上させる目的で使用される。このような有機化合物としては、アルコール類、フェノール性化合物、カルボン酸、リン化合物およびスルホン酸塩等が挙げられるが、この限りではない。
シンジオタクティックプロピレン重合体(A)の製造方法
重合の際には、各成分の使用法、添加順序は任意に選ばれるが、以下のような方法が例示される。
(1)成分(I)を単独で重合器に添加する方法。
(2)成分(I)をおよび成分(II)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(3)成分(I)を担体(III)に担持した触媒成分、成分(II)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(4)成分(II)を担体(III)に担持した触媒成分、成分(I)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(5)成分(I)と成分(II)とを担体(III)に担持した触媒成分を重合器に添加する方法。
上記(2)〜(5)の各方法においては、各触媒成分の少なくとも2つ以上は予め接触されていてもよい。
成分(II)が担持されている上記(4)、(5)の各方法においては、必要に応じて担持されていない成分(II)を、任意の順序で添加してもよい。この場合成分(II)は、同一でも異なっていてもよい。
また、上記の成分(III)に成分(I)が担持された固体触媒成分、成分(III)に成分(I)および成分(II)が担持された固体触媒成分は、オレフィンが予備重合されていてもよく、予備重合された固体触媒成分上に、さらに、触媒成分が担持されていてもよい。
シンジオタクティックプロピレン重合体(A)は、上記のようなオレフィン重合用触媒の存在下に、プロピレンと、炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)から選ばれる少なくとも1種のオレフィンとを重合または共重合することにより得られる。
重合は溶液重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施できる。液相重合法において用いられる不活性炭化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などを挙げることができ、オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
上記のようなオレフィン重合用触媒を用いて、プロピレンと、炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)から選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの重合を行うに際して、成分(I)は、反応容積1リットル当り、通常10-9〜10-1モル、好ましくは10-8〜10-2モルになるような量で用いられる。
成分(II-1)は、成分(II-1)と、成分(I)中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔(II-1)/M〕が通常0.01〜5000、好ましくは0.05〜2000となるような量で用いられる。成分(II-2)は、成分(II-2)と、成分(I)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(II-2)/M〕が、通常1〜10、好ましくは1〜5となるような量で用いられる。成分(II-3)は、成分(II-3)中のアルミニウム原子と、成分(I)中の全遷移金属(M)とのモル比〔(II-3)/M〕が、通常10〜5000、好ましくは20〜2000となるような量で用いられる。
成分(IV)は、成分(II)が成分(II-1)の場合には、モル比〔(IV)/(II-1)〕が通常0.01〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で、成分(II)が成分(II-2)の場合は、モル比〔(IV)/(II-2)〕が通常0.01〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で、成分(II)が成分(II-3)の場合には、モル比〔(IV)/(II-3)〕が通常0.01〜2、好ましくは0.005〜1となるような量で用いられる。
また、このようなオレフィン重合触媒を用いたオレフィンの重合温度は、通常-50〜+200℃、好ましくは0〜170℃の範囲である。重合圧力は、通常常圧〜10MPaゲージ圧、好ましくは常圧〜5MPaゲージ圧の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。得られるオレフィン重合体の分子量は、重合系に水素を存在させるか、または重合温度を変化させることによっても調節することができる。さらに、使用する成分(II)の量により調節することもできる。水素を添加する場合、その量はオレフィン1kgあたり0.001〜100NL程度が適当である。
重合反応に供給されるオレフィンは、プロピレンと、炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)から選ばれる1種以上のオレフィンである。炭素原子数4〜20のα-オレフィンとしては、炭素原子数が4〜20、好ましくは4〜10の直鎖状または分岐状のα-オレフィン、たとえば1-ブテン、2-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどである。
<(B)プロピレン・α-オレフィン共重合体>
プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)はプロピレン単位を55〜90モル%の量で含有し、炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)から選ばれる少なくとも1種のオレフィン単位を10〜45モル%の量で含有するプロピレン・α-オレフィン共重合体であって、JIS K−6721に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定したMFRが0.01〜100g/分の範囲にあり、かつ下記要件(b−1)および(b−2)のいずれか一つ以上を満たすことを特徴とする。
(b−1):13C-NMR法により測定したシンジオタクティックトライアッド分率(rr
)が60%以上である。
(b−2):135℃デカリン中で測定した極限粘度[η](dL/g)とJIS K−6721に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定したMFR(g/10分)とが下記の関係式を満たす。
1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)
プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)は、プロピレン単位を55〜90モル%の量、炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)単位を10〜45モル%の量を含有する。
ここでプロピレンから導かれる構成単位、炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)単位の合計は100モル%である。 また、炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)としては、エチレン、3-メチル-1-ブテン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げられる。特にエチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンが好ましい。
また、上記のようなプロピレン・α-オレフィン共重合体(B)のうちでも、プロピレン・エチレン共重合体が好ましい態様の一つである。
プロピレン・エチレン共重合体の場合、エチレン由来の構成単位は、好ましくは10〜35モル%、より好ましくは10〜25モル%である。ここでプロピレンから導かれる構成単位、炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)単位の合計は100モル%である。
また、上記のようなプロピレン・α-オレフィン共重合体(B)のうちでも、プロピレン単位とエチレン単位と1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテンまたは1-オクテンのいずれか(HAOコモノマーということがある)の構成単位とからなり、エチレン単位の割合(モル%)がHAOコモノマー単位の割合(モル%)よりも多いプロピレン・エチレン・HAO共重合体が好ましい態様の1つである。
またこれら好ましい範囲のポリマーであるプロピレン・エチレン共重合体やプロピレン・エチレン・HAO共重合体においては前記(b−1)および(b−2)のいずれも満たすことが好ましい。
本発明で使用するプロピレン・α-オレフィン共重合体(B)は、JIS K−6721に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定したMFRが0.01〜100g/10分の範囲にあることが好ましく、0.02〜100g/10分の範囲にあることがより好ましい。
本発明で使用するプロピレン・α-オレフィン共重合体(B)は、以下の(b−1)および(b−2)のうち少なくとも1つを満たす。
(b−1)13C−NMR法により測定したシンジオタクティックトライアッド分率(rr分率、トライアッドシンジオタクティシティー)が60%以上である。
(b−2)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η](dL/g)と、前記MFR(g/10分、230℃、2.16kg荷重)とが下記の関係式を満たす。
1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)
まず要件(b−1)について説明する。
(b−1):プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)の13C−NMR法により測定したシンジオタクティックトライアッド分率(rr分率、トライアッドシンジオタクティシテー)が60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上であり、rr分率がこの範囲にあるプロピレン・α-オレフィン共重合体(B)は、シンジオタクィックプロピレン重合体(A)と相容性が良好で好ましい。
(b−1)を満たす重合体は、例えばシンジオタクティックポリプロピレンを製造可能な触媒でプロピレンとα−オレフィンとを共重合して得ることができ、また例えば後述するような触媒を用いて製造してもよい。
rr分率は、13C-NMRスペクトルにおけるPrr(プロピレン単位が3単位連続してシンジオタクティック結合した部位における第2単位目のメチル基に由来する吸収強度)およびPw (プロピレン単位の全メチル基に由来する吸収強度)の吸収強度から下記式(2)により求められる。
rr分率(%)=100×Prr/Pw …(2)
ここで、mr由来の吸収(プロピレン単位が3単位の内、少なくともシンジオタクティック結合とアイソタクティック結合の両方から由来する吸収、Pmr(吸収強度)の決定に用いる)、rr由来の吸収(プロピレン単位が3単位連続してシンジオタクティック結合した部位における第2単位目のメチル基に由来する吸収、Prr(吸収強度)の決定に用いる)、またはmm由来の吸収(プロピレン単位が3単位連続してアイソタクティック結合した部位における第2単位目のメチル基に由来する吸収、Pmm(吸収強度)の決定に用いる)と、コモノマーに由来する吸収とが重なる場合には、コモノマー成分の寄与を差し引かずそのまま算出する。
具体的には、特開2002-097325号公報の[0018]〜[0031]までに記載された「シンジオタクティシティパラメータ(SP値)」の求め方の記載のうち、[0018]〜[0023]までを行い、第1領域、第2領域、第3領域のシグナルの積算強度から上記式(2)により計算することにより求める。
また本発明では、特にrr1値、具体的には特開2002-097325号公報の[0018]〜[0031]までに記載された「シンジオタクティシティパラメータ(SP値)」の求め方に従って求めた値が、60%以上、好ましくは65%以上、より好ましくは70%以上であるものであることがより好ましい。rr1値は、言い換えると前記rr値の計算において、mr由来の吸収(プロピレン単位が3単位の内、少なくともシンジオタクティック結合とアイソタクティック結合の両方から由来する吸収、Pmr(吸収強度)の決定に用いる)、rr由来の吸収(プロピレン単位が3単位連続してシンジオタクティック結合した部位における第2単位目のメチル基に由来する吸収、Prr(吸収強度)の決定に用いる)、またはmm由来の吸収(プロピレン単位が3単位連続してアイソタクティック結合した部位における第2単位目のメチル基に由来する吸収、Pmm(吸収強度)の決定に用いる強度)と、コモノマーに由来する吸収とが重なる場合には、コモノマー成分の寄与を差し引いたものである。
rr値およびrr1値の測定において、NMR測定は、たとえば次のようにして行われる。すなわち、試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させる。この溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入する。そして日本電子製GX-400型NMR測定装置を用い、120℃で13C-NMR測定を行う。積算回数は、8,000回以上とする。
次に要件(b−2)について説明する。
(b−2):本発明で使用するプロピレン・α-オレフィン共重合体(B)は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η](dL/g)とJIS K−6721に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定したMFR(g/10分)とが下記の関係式を満たす。
1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)
より好ましくは
1.80×MFR(-0.20)≦[η]≦2.50×MFR(-0.19)
この関係式を充足するプロピレン・α-オレフィン共重合体(B)はシンジオタクティックプロピレン重合体(A)と相容性が良好で好ましい。
上記式を満たすプロピレン・α-オレフィン共重合体(B)は、例えばシンジオタクティックプロピレンを製造可能な触媒でプロピレンとα−オレフィンとを共重合して得ることができ、また例えば後述するような触媒を用いて製造しても良い。このような材料はシンジオタクティックプロピレン重合体(A)と相容性が良好で好ましい。
(b−2)を満たすプロピレン・α-オレフィン共重合体は、従来のアイソタクティックプロピレン系共重合体に比べて同一[η]で大きなMFRを示す。
これはMacromolecules 31、1335−1340(1998)にも記載のようにアイソタクティックポリプロピレンの絡み合い点間分子量(論文ではMe=6900(g/mol)と報告されている)と、シンジオタクティックポリプロピレンの絡み合い点間分子量(論文ではMe=2170(g/mol)と報告されている)との違いに起因すると考えられる。即ち、同一[η]ではシンジオ構造を持つことにより、アイソ構造を有する材料に対して絡み合い点が多くなり、MFRが大きくなると考えられる。
以上のように(b−1)および(b−2)の内いずれか1つ以上を満たす(B)プロピレン・α−オレフィン共重合体は、アイソタクティック構造を有するプロピレン・α−オレフィン共重合体とは異なった立体規則性を有したポリマーであり、シンジオタクティック構造を有するものと考えられる。このためにプロピレン・α-オレフィン共重合体(B)は(A)成分と相溶性が良いものと考えられる。
プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)の135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は、0.1〜10dL/g、好ましくは0.5〜8.0dL/g、より好ましくは1.0〜7.0dL/g、さらに好ましくは1.0〜5.0dL/gであることが望ましい。
このプロピレン・α-オレフィン共重合体(B)は、X線回折で測定した結晶化度が好ましくは20%以下、より好ましくは0〜15%である。
このプロピレン・α-オレフィン共重合体(B)は、単一のガラス転移温度を有し、示差走査熱量計(DSC)測定により得られるガラス転移温度(Tg)が、通常は0℃以下であること好ましい。プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)のガラス転移温度(Tg)が前記範囲内にあると、耐寒性、低温特性に優れる。
示差走査熱量計は、たとえば次のようにして行われる。試料10.00mg程度を専用アルミパンに詰め、セイコーインスツルメント社製DSCRDC220を用い、30℃から200℃までを200℃/minで昇温し、200℃で5分間保持したのち、200℃から−100℃までを10℃/minで降温し、−100℃でさらに5分間保持したのち、次いで10℃/minで昇温する際の吸熱曲線より前記ガラス転移温度(Tg)を求める。
また、このプロピレン・α-オレフィン共重合体(B)のGPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn、ポリスチレン換算、Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)は好ましくは3.5以下、より好ましくは3.0以下、さらに好ましくは2.5以下である。
本発明で用いられるプロピレン・α-オレフィン共重合体(B)は、(I')下記一般式[9]で表される架橋メタロセン化合物と、(II)(II-1)有機アルミニウムオキシ化合物、(II-2)前記架橋メタロセン化合物(I')と反応してイオン対を形成する化合物、および(II-3)有機アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも1種以上の化合物とからなるオレフィン重合用触媒の存在下に、プロピレンと、炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)から選ばれる少なくとも1種オレフィンとを重合することにより製造することができるが、プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)としての要件を満たす限りは、製造方法はこれに限定されない。
Figure 2013209666
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R8、R9およびR12は、水素原子、炭化水素基およびケイ素含有基から選ばれる原子または基であり各々が同一でも異なっていてもよく、 R6とR11は、水素原子、炭化水素基およびケイ素含有基から選ばれる同一の原子または同一の基であり、R7とR10は、水素原子、炭化水素基およびケイ素含有基から選ばれる同一の原子または同一の基であり、R6、R7、R10およびR11はすべてが同時に水素原子ではなく(すなわち、R6、R7、R10およびR11のすべてが同時に水素原子であることはなく、)、R2とR3とは互いに結合して環を形成してもよく、R5〜R12のうちの隣接する基同士が互いに結合して環を形成してもよい。
13とR14は炭素数6〜18のアリール基、炭素数1〜40のアルキル基、炭素数6〜40のアルキルアリール基、炭素数6〜20のフルオロアリール基、炭素数7〜40のフルオロアルキルアリール基、炭素数6〜20のクロロアリール基、炭素数7〜40のクロロアルキルアリール基、炭素数6〜20のブロモアリール基、炭素数7〜40のブロモアルキルアリール基、炭素数6〜20のヨードアリール基および炭素数7〜40のヨードアルキルアリール基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R13とR14の少なくとも一方は、炭素数7〜18のアリール基、炭素数6〜20のクロロアリール基、炭素数7〜40のクロロアルキルアリール基、炭素数6〜20のブロモアリール基、炭素数7〜40のブロモアルキルアリール基、炭素数6〜20のヨードアリール基、炭素数7〜40のヨードアルキルアリール基および炭素数7〜40のフルオロアルキルアリール基から選ばれ、MはTi、ZrまたはHfであり、Yは炭素又はケイ素であり、Qはハロゲン、炭化水素基、炭素数が10以下の中性、共役または非共役ジエン、アニオン配位子、および孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一のまたは異なる組合せで選ばれ、jは1〜4の整数である。)。
以下に、上記一般式[9]で表される架橋メタロセン化合物(本明細書において「成分(I')」ともいう。)の具体例を示すが、特にこれによって本発明の範囲が限定されるものではない。なお、ここでオクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレンとは式[10]で示される構造を指し、オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレンとは式[11]で示される構造を指し、ジベンゾフルオレンとは式[12]で示される構造を指す。
Figure 2013209666
ジ(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p-ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m-ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ヨードフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ヨードフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ヨードフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ヨードフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p-ヨードフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ヨードフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ヨードフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ヨードフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ヨードフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ヨードフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p-トリクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-トリクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(m-トリクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p-ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p-ビフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3,5-ジトリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3,5-ジトリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3,5-ジトリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(3,5-ジトリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3,5-ジトリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3,5-ジトリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3,5-ジトリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3,5-ジトリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3,5-ジトリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3,5-ジトリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(3,5-ジクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3,5-ジクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3,5-ジクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3,5-ジクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3,5-ジクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3,5-ジクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3,5-ジクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(3,5-ジクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3,5-ジクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3,5-ジクロロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(4-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(4-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(4-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(4-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(4-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(4-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(4-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(4-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(4-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(4-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(5-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(5-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(5-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(5-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(5-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(5-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(5-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(5-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(5-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(5-クロロナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニル(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
フェニル(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニル(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニル(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニル(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニル(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニル(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジク
ロリド、フェニル(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニル(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニル(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
フェニル(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニル(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニル(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニル(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニル(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニル(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニル(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニル(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニル(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニル(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニル(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
フェニル(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニル(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニル(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニル(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニル(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニル(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニル(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
フェニル(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニル(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ナフチル(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ナフチル(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ナフチル(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ナフチル(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ナフチル(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ナフチル(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ナフチル(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ナフチル(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ナフチル(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ナフチル(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ナフチル(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ナフチル(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ナフチル(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ナフチル(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ナフチル(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ナフチル(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ナフチル(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ナフチル(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ナフチル(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ナフチル(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ナフチル(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ナフチル(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ナフチル(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ナフチル(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ナフチル(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ナフチル(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ナフチル(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ナフチル(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ナフチル(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ナフチル(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(m-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジメチル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(トリメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-(ジメチルフェニル)-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p-トリル)(m-トリフルオロメチル-フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,3,6,7-テトラtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、等。
さらには上記記載化合物の「ジルコニウム」を「ハフニウム」や「チタニウム」に変えた化合物や、「ジクロリド」が「ジフロライド」、「ジブロミド」、「ジアイオダイド」や、「ジクロリド」が「ジメチル」や「メチルエチル」となったメタロセン化合物なども同様に一般式[9]で表されるメタロセン化合物である。
上記架橋メタロセン化合物(I')は公知の方法を参考にすることによって製造可能である。公知の製造方法として例えば、本出願人によるWO04/029062号パンフレットに記載の製造方法を挙げることができる。
上記のようなメタロセン化合物は、単独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。
プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)の製造に用いられる(II-1)有機アルミニウムオキシ化合物としては、上記シンジオタクティックプロピレン重合体(A)の製造に用いられる(II-1)有機アルミニウムオキシ化合物と同じものが用いられる。
プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)の製造に用いられる(II-2)架橋メタロセン化合物(I')と反応してイオン対を形成する化合物としては、上記シンジオタクティックプロピレン重合体(A)の製造に用いられる(II-2)架橋メタロセン化合物(I)と反応してイオン対を形成する化合物と同じものが用いられる。
プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)の製造に用いられる(II-3)有機アルミニウム化合物としては、上記シンジオタクティックプロピレン重合体(A)の製造に用いられる(II-3)有機アルミニウム化合物と同じものが用いられる。
また上記各成分は、粒子状担体に担持させて用いることもできる。必要に応じて用いられる担体は、上記シンジオタクティックプロピレン重合体(A)の製造に用いられる担体と同じものが用いられる。
プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)の製造方法
重合の際には、各成分の使用法、添加順序は任意に選ばれるが、以下のような方法が例示される。
成分(I')および成分(II)を任意の順序で重合器に添加する方法。上記の方法においては、各触媒成分の少なくとも2つ以上は予め接触されていてもよい。
上記のようなオレフィン重合用触媒を用いて、オレフィンの重合を行うに際して、成分(I')は、反応容積1リットル当たり、通常10-9〜10-1モル、好ましくは10-8〜10-2モルになるような量で用いられる。
成分(II-1)は、成分(II-1)と、成分(I')中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔(II-1)/M〕が通常0.01〜5,000、好ましくは0.05〜2,000となるような量で用いられる。成分(II-2)は、成分(II-2)中のアルミニウム原子と、成分(I')中の全遷移金属(M)とのモル比〔(II-2)/M〕が、通常1〜1,000、好ましくは1〜500となるような量で用いられる。成分(II-3)は、成分(II-3)と、成分(a)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(II-3)/M〕が、通常1〜10,000、好ましくは1〜5,000となるような量で用いられる。
プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)は、上記のようなオレフィン重合用触媒の存在下に、プロピレンと、炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)から選ばれる少なくとも1種のオレフィンとを通常液相で共重合させる。この際、一般に炭化水素溶媒が用いられるが、α-オレフィンを溶媒として用いてもよい。炭化水素媒体として具体的には、上記と同様のものが挙げられる。共重合はバッチ法または連続法のいずれの方法でも行うことができる。
重合に用いることのできるα-オレフィンとしては、例えばエチレン、1-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げられる。α-オレフィンは、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
オレフィン重合用触媒を用い、共重合をバッチ法で実施する場合には、重合系内のメタロセン化合物の濃度は、重合容積1リットル当り、通常0.00005〜1ミリモル、好ましくは0.0001〜0.50ミリモルの量で用いられる。
また反応時間(共重合が連続法で実施される場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度などの条件によっても異なるが、通常5分間〜3時間、好ましくは10分間〜1.5時間である。
上記プロピレンと、炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)から選ばれる少なくとも1種のオレフィンとは、上述のような特定組成のプロピレン・α-オレフィン共重合体(B)が得られるような量でそれぞれ重合系に供給される。なお共重合に際しては、水素などの分子量調節剤を用いることもできる。
上記のようにしてプロピレンと、炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)から選ばれる少なくとも1種のオレフィンとを共重合させると、プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)は通常これを含む重合溶液として得られる。この重合溶液は常法により処理され、プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)が得られる。
共重合反応は、通常、温度が40〜200℃、好ましくは40℃〜180℃、さらに好ましくは50℃〜150℃の範囲で、圧力が0を超えて〜10Mpa、好ましくは0.5〜10Mpa、より好ましくは0.5〜7Mpaの範囲の条件下に行われる。
<エチレン・α-オレフィンランダム共重合体(C)>
本発明で用いられるエチレン・α-オレフィンランダム共重合体(C)としては、エチレン単位を50〜99mol%の量で含有し、エチレン以外の炭素原子数3〜20のα-オレフィン単位を1〜50mol%の量で含有する(エチレンとα-オレフィンの合計を100モル%とする)エチレン・α-オレフィン共重合体が望ましい。
好ましくはエチレン単位を60〜95mol%の量で含有し、エチレン以外の炭素原子数3〜20のα-オレフィン単位を5〜40モル%の量で含有する(エチレンとα-オレフィンの合計を100モル%とする)し、密度が910〜850kg/m3であり、JISK-6721に準拠して、190℃で2.16kgの荷重にて測定したMFRが0.01〜100g/10分の範囲にある。
より好ましくはエチレン単位を80〜95mol%の量で含有し、エチレン以外の炭素原子数3〜20のα-オレフィン単位を5〜20モル%の量で含有する(エチレンとα-オレフィンの合計を100モル%とする)し、密度が900〜860kg/m3であり、JIS K-6721に準拠して、190℃で2.16kgの荷重にて測定したMFRが0.05〜10g/10分の範囲にある。
エチレンと共重合させるα-オレフィンは、炭素原子数3〜20のα-オレフィンであり、具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-ヘキサドデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、4-メチル-1- ペンテンなどが挙げられる。これらの内でも、炭素原子数3〜10のα-オレフィンが好ましい。特にプロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましい。これらのα-オレフィンは、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。
また、エチレン・α-オレフィンランダム共重合体(C)は、これらの単位の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、他の重合性モノマー単位を含有していてもよい。
このような他の重合性モノマーとしては、たとえばスチレン、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボルナン等のビニル化合物類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;無水マレイン酸等の不飽和有機酸またはその誘導体;ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、2,3-ジメチルブタジエン等の共役ジエン類;1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、2-メチル-1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、5-ビニルノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、6-クロロメチル-5-イソプロペンル-2-ノルボルネン、2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-エチリデン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-プロペニル-2,2-ノルボルナジエン等の非共役ポリエン類などが挙げられる。なお非共役ジエン、非共役ポリエンを含まないことも好ましい態様の一つである。
エチレン・α-オレフィンランダム共重合体(C)は、このような他の重合性モノマー単位を、10モル%以下、好ましくは5モル%以下、より好ましくは3モル%以下の量で含有していてもよい。
エチレン・α-オレフィンランダム共重合体(C)としては、具体的には、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・1-ブテンランダム共重合体、エチレン・プロピレン・1-ブテンランダム共重合体、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネンランダム共重合体、エチレン・1-ブテン・1-オクテンランダム共重合体、エチレン・4-メチル-1-ペンテンランダム共重合体、エチレン・1-ヘキセンランダム共重合体、エチレン・1-オクテンランダム共重合体などが挙げられる。これらのうちでも、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・1-ブテンランダム共重合体、エチレン・1-ブテン・1-オクテンランダム共重合体、エチレン・1-ヘキセンランダム共重合体、エチレン・1-オクテンランダム共重合体などが特に好ましく用いられる。これらの共重合体は、2種以上併用してもよい。
また、本発明で用いられるエチレン・α-オレフィンランダム共重合体(C)は、X線回折法により測定される結晶化度が通常40%以下、好ましくは0〜39%、さらに好ましくは0〜35%である。また本発明で用いられるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(C)は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が通常0.1〜10dL/g、より好ましくは0.5〜5dL/gである。
本発明においては(C)成分を用いることで、特に耐衝撃性と透明性のバランスが向上する。
上記のようなエチレン・α-オレフィンランダム共重合体は、バナジウム系触媒、チタン系触媒またはメタロセン系触媒などを用いる従来公知の方法により製造することができる。エチレン・α-オレフィンランダム共重合体(C)として、たとえば市販品を用いてもよく、三井化学社製の商品名:「タフマーTM」などを用いてもよい。
〔ポリプロピレン系樹脂組成物〕
上記のシンジオタクティックプロピレン重合体(A)、プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)および必要に応じて使用されるエチレン・α-オレフィンランダム共重合体(C)を含有するポリプロピレン系樹脂組成物は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、造核剤、滑剤、難燃剤、アンチブロッキング剤、着色剤、無機質および有機質の充填剤ならびに種々の合成樹脂などの各種添加剤を必要に応じて配合した上で、溶融混練し、さらにペレタイズしてペレットとすることができる。
本発明に用いることのできるポリプロピレン樹脂としては、
(A)前記シンジオタクティックプロピレン重合体 85〜25重量部と、
(B)前記プロピレン・α-オレフィン共重合体 15〜75重量部(ただし、(A)と(B)の合計を100重量部とする)と、
必要に応じて(C)前記エチレン・α-オレフィン共重合体を前記(A)と(B)の合計100重量部に対し、(C)を1〜100重量部とを含んでなるものが好ましい。
各成分の含量がこの範囲にあると、特に耐熱性(フィルムのTm)に優れ、さらに透明性、柔軟性および低温耐衝撃性に優れたフィルムが得られるため好ましい。
なお柔軟性が良好で低温耐衝撃性に優れたポリプロピレン系樹脂フィルムを必要とする場合、
(A)前記シンジオタクティックプロピレン重合体 80〜25重量部と、
(B)前記プロピレン・α-オレフィン共重合体 20〜75重量部(ただし、(A)と
(B)の合計を100重量部とする)と、(A)と(B)の合計100重量部に対し、
(C)前記エチレン・α-オレフィン共重合体1〜100重量部と
を含んでなるポリプロピレン樹脂が好ましい。
より好ましくはシンジオタクティックプロピレン重合体(A)が75〜25重量部、さらに好ましくは75〜35重量部、プロピレン・α-オレフィン共重合体(B)が好ましくは25〜75重量部、より好ましくは25〜65重量部である。上記のようなポリプロピレン樹脂は、押出成形法、インフレーション成形法を採用することによって、本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムに成形することができる。
<要件(6)>
本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムを構成するポリプロピレン系樹脂の、プロピレン単位濃度(Sp)は40〜95モル%、好ましくは45〜90モル%、エチレン単位濃度(SE)は60〜5モル%、好ましくは、55〜8モル%、炭素数4〜10のα-オレフィン単位濃度(Sα)は0〜15モル%、好ましくは、2〜13モル%である(ただし、Sp+SE +Sα=100モル%であり、Sp/SE>1とする)。なお、これらの値は、後述の実施例における測定方法により測定される値である。このような濃度範囲でプロピレン単位、エチレン単位および炭素数4〜10のα-オレフィン単位を含有すると、ポリプロピレン系樹脂フィルムは、充分な透明性、柔軟性、機械強度、耐熱性および耐衝撃性を発揮する傾向がある。
<要件(7)>
本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムの、室温n-デカン可溶成分(Dsol)の極限粘度[η]は1.5〜4.0dl/g、好ましくは1.5〜3.5 dl/g、さらに好ましくは1.7〜3.2dl/gを満たす。室温n-デカン可溶成分(Dsol)の極限粘度[η]がこの範囲にあると、特に耐熱性、透明性、低温衝撃強度、柔軟性および流動性に優れ、特に低温衝撃性および透明性のバランスに優れたポリプロピレン系樹脂フィルムが得られる。
〔ポリプロピレン系樹脂フィルムの製造方法〕
本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムを構成するポリプロピレン系樹脂は、プロピレン単位を有している樹脂であればよく、たとえば結晶性プロピレン重合体とエラストマーとの組成物であってもよい。本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムは、上記特性を満たす限り、ポリプロピレン系樹脂の製造方法、ポリプロピレン系樹脂の構成およびその成形方法などには特に限定されない。
成形方法としては、衛生面および経済面を考慮すると、インフレーション法および(共)押出Tダイ法を用いることが好ましい。すなわち、前記ペレットを押出機および円形ダイスを用いて溶融押し出しし、スパイラルまたはスリットダイを介して押し出し、所定の空気流によって膨張させるインフレーション法によりフィルム作製が行なわれる。また冷却方法としては、水冷式または空冷式がある。
なお、水冷インフレーション成形法の条件は特に限定されないが、成形温度は190〜280℃、水冷温度は10〜60℃が好ましい。また、前記ペレットを押出機および円形ダイスを用いて溶融押し出しし、コートハンガーダイスおよびT-ダイスを用いて押し出し、冷却して成形する押出成形によりフィルム作製が行われる。多層にする場合は、多層Tダイ法、ドライラミネーション法、押出ラミネーション法などが用いられる。成形条件は特に限定されないが、成形温度は190〜280℃、チルロールの冷却温度は10〜80℃が好ましい。
〔多層フィルム〕
本発明のポリプロピレン系樹脂単層フィルムは、単層での使用にとどまらず、共押出製膜法による多層フィルムの製造に好適に用いられる。本発明は、このような共押出製膜法によって得られる、ポリプロピレン系樹脂単層フィルムを基材層とした、基材層の少なくとも一方の表面に、ポリオレフィン系樹脂からなる外層を積層した多層フィルムに関するものである。多層フィルムの好ましい形態は、前記本発明のポリプロピレン系樹脂単層フィルムの両外層に、厚さ10〜50μm、好ましくは15〜40μmのプロピレン系樹脂(ランダム、ホモ、シンジオ、アロイ組成物などが)が積層されることが、耐熱性と層間での融着性の観点から好ましい。また2層の前記本発明のポリプロピレン単層フィルムの間に、厚さ10〜50μm、好ましくは15〜40μmのプロピレン系樹脂(ランダム、ホモ、シンジオ、アロイ組成物などが)が積層されることが、バリヤ性の点から好ましい。
なお、多層フィルムの層構成に関しては、4層以上の層を有する場合がある。特に規定はないが、厚さ250μmの多層フィルムの場合、本発明のポリプロピレン系樹脂単層フィルムの厚さが150μm以上であることが好ましい。厚みがこの範囲内にあると、柔軟性、透明性および耐衝撃性のバランスに優れる。また層構成としては、ガスバリヤー層および接着層などを有していてもよく、ガスバリヤー層としては、たとえば、PET層、EVOH層、環状オレフィンポリマー層およびアルミ蒸着フィルムが挙げられ、また接着層としては、極性基を導入したオレフィンポリマー(アドマー)層が挙げられる。
〔食品用および医薬用容器の製造方法〕
本発明の単層および多層フィルムからなる食品用および医薬品用容器は、上記成形方法により得られたチューブ状またはシート状フィルムを、通常の方法で裁断後、ヒートシールし、さらに口部材などをヒートシールなどの方法で取り付け、所定の形状および寸法にすることにより製造される。フィルムのヒートシールの条件としては、フィルムの厚さにもよるが、通常120℃〜250℃程度の条件が好ましい。
〔実施例〕
以下実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。
本発明において使用した分析方法は以下の通りである。
[1]室温n-デカン可溶成分(Dsol)量
本発明の単層フィルム 20cm×20cmにn-デカン200mlを加え、145℃で30分間加熱溶解した。約3時間かけて、20℃まで冷却し、そのまま30分間放置した。その後、析出物(以下、「n-デカン不溶成分:Dinsol」という。)をろ別した。ろ液を約3倍量のアセトン中に入れ、n-デカン中に溶解していた成分を析出させた(これを「析出物(A)」という。)。析出物(A)とアセトンとをろ別し、析出物(A)を乾燥した。なお、ろ液側を濃縮乾固しても残渣は認められなかった。n-デカン可溶成分量は、以下の式によって求めた。
n-デカン可溶成分量(重量%)=[析出物(A)重量/サンプル重量]×100
[2]Mw/Mn測定(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)
分子量分布(Mw/Mn)は、Waters社製ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC−2000型を用い、以下のようにして測定した。分離カラムは、TSKgel GNH6−HTを2本およびTSKgel GNH6−HTLを2本であり、カラムサイズはいずれも直径7.5mm、長さ300mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo−ジクロロベンゼン(和光純薬工業)および酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は15mg/10mLとし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000およびMw>4×106 については東ソー社製を用い、1000≦Mw≦4×106についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。
[3]融点 (Tm)
パーキンエルマー社製DSCPyris1またはDSC7を用い、窒素雰囲気下(20ml/min)、約5mgの試料を200℃まで昇温、10分間保持した後、10℃/分で30℃まで冷却した。30℃で5分間保持した後、10℃/分で200℃まで昇温させた時の結晶溶融ピークのピーク頂点から融点、ピークの積算値から融解熱量を算出した。
なお、本願実施例に記載したプロピレン系組成物において、複数のピークが観測された場合、最も高温側のピークをTmとする。
[4]極限粘度[η]
デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した値である。すなわち重合パウダー、ペレットまたは樹脂塊約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定する。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定する。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として求める(下式参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
[5]プロピレン単位濃度(Sp)、エチレン単位濃度(SE)および炭素数4〜10のα-オレフィン単位濃度(Sα)
エチレン、プロピレン、α−オレフィン含量の定量化は日本電子(株)製JNM GX−500型NMR測定装置を用いて、下記のように測定した。試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させる。この溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入して、120℃で13C−NMR測定を行う。積算回数は、10,000回以上とする。得られた13C−NMRスペクトルにより、エチレン、プロピレン、α-オレフィンの組成を定量化した。
[6]MFR(メルトフローレート)
JIS K−6721に準拠して、230℃で2.16kgfの荷重にて測定した。
[7]フィルムのヤング率(=引張り弾性率)
JIS K6301に準拠して、JIS3号ダンベル用で打ち抜き、評価試料に供した。試料は、スパン間:30mmおよび引張り速度30mm/分で23℃の条件下で測定した。
[8]フィルムの引張衝撃強度
テスター産業社製ヒートシール試験機TP-701-Bを用いて、成形したフィルムを温度(上限/下限)210℃/190℃、圧力0.2MPa、時間5秒、シール幅150mm×20mmにてヒートシールして測定用サンプルとした。
上記サンプルをJIS K7160に準拠して10mmtの短冊状に切り取り、試験片とした。(株)安田製作所社製258万能衝撃試験機を用いて、ハンマー2J、ハンマー持上角149.2°、打撃速度3.0(m/秒)で引張衝撃試験を実施した。
[9]フィルムの光線透過率
JIS K7136に準拠して、溶媒をベンジルアルコールとして測定を行った。さらに該フィルムは耐圧釜にて熱水にて120℃で30分間アニール処理後に、同様の測定を行い光線透過率の減少率を求めた。
以下に実施例の詳細を示す。
[触媒合成例]
<合成例1>
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドは、特開2004-189666号の合成例3に記載された方法で製
造した。
<合成例2>
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドは以下のようにして製造した。
(Step1)2,7-Dibromo-3,6-di-tert-butyl-fluoreneの合成
窒素気流下、3,6-di-tert-butylfluorene 15.22g(54.7mmol)に炭酸プロピレン170 mLを加え攪拌を行った。この溶液にN-ブロモスクシンイミド 20.52g(115mmol)を添加した。80℃にて5時間加熱攪拌を行った。自然放冷した後、反応溶液を水800mLに加えた。室温で15分間攪拌し、桐山ロートを用いてろ過を行った。得られた白黄色粉末をエタノール 10mLで5回洗浄した。この白黄色粉末にヘキサンと少量のジクロロメタンの混合溶液を加え、60℃に加熱し全て溶解させた。-20℃で一晩静置させた。析出した結晶をヘキサン5mLで3回洗浄し、白黄色粉末として目的物を得た(収量21.16g、収率76%)。
1H NMR (270 MHz, CDCl3): δ 1.60 (s, tBu(Flu), 18H), 3.75 (s, Flu-9H, 2H), 7.73
(s, Flu, 2H), 7.81 (s, Flu, 2H).
MS (FD) : M/z 436(M+).
(Step2)3,6-Di-tert-butyl-2,7-diphenyl-fluoreneの合成
窒素気流下、2,7-dibromo-3,6-di-tert-butylfluorene 8.15g(18.7mmol)、Pd(PPh3)1.08g(0.93mmol)に無水DME 120mLを加え、室温で20分間攪拌を行った。この溶液に、フェニルほう酸5.01g(41.1mmol)のエタノール 20mL溶液を添加した。フェニルほう酸の入っていたフラスコをエタノール 4mLで2回洗浄し、これも加えた。室温で20分間攪拌した後、2.0mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液を37.4mL(74.8mmol)添加した。加熱還流を18時間行った。自然放冷した後、氷浴下で1N塩酸で反応を終了させた。エーテルを添加し分液を行い、水層をジエチルエーテルで2回抽出し、先の有機層とあわせた。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィーによる分離を行った。得られた白黄色粉末にヘキサンと少量のジクロロメタンの混合溶液を加え、60℃に加熱し全て溶解させた。室温で1時間静置した後、-20℃で13時間静置した。析出した結晶をヘキサン10mLで3回洗浄し、白色粉末として目的物を得た(収量4.36g、収率54%)。
1H NMR (270 MHz, CDCl3): δ 1.29 (s, tBu(Flu), 18H), 3.78 (s, Flu-9H, 2H), 7.16 (s, Flu, 2H), 7.34 (br, PhFlu, 10H), 7.97 (s, Flu, 2H).
MS (FD) : M/z 430(M+).
(Step3)6,6-dibenzylfulveneの合成
窒素雰囲気下で500mLの3口フラスコにシクロペンタジエン8.0g(121.0mmol)、脱水THF100mLを加えて撹拌した。この混合溶液を氷浴で冷却し、濃度1.57mol/Lのn-ブチルリチウムのヘキサン溶液80mL(125.6mmol)を加えた。その後室温で3時間攪拌し、得られた白色スラリーを氷浴で冷却した後、1,3-ジフェニル-2-プロパノン25.0g(118.0mmol)を脱水THF50mlに溶かした溶液を加えた。その後室温で12時間攪拌し、得られた黄色溶液を飽和NH4Cl水溶液でクエンチした。ヘキサン100mLを加えて可溶分を抽出し、この有機相を水、飽和食塩水で洗浄後に硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製することによって黄色固体の目的物を得た(収量3.7g、収率12%)。
1H NMR (270 MHz, CDCl3): δ 3.69 (s, PhCH2, 4H), 6.60-6.72 (m, Cp, 4H), 7.13-7.32 (m, PhCH2, 10H).
(Step4)(PhCH2)2C(Cp)(3,6-tBu2-2,7-Ph2-Flu)の合成
窒素気流下、3,6-Di-tert-butyl-2,7-diphenyl-fluorene 1.60g(3.71mmol)に無水THF 40mLを加え攪拌を行った。この溶液を氷浴で冷却し、1.56Mのn-ブチルリチウムのヘキサン溶液2.65mL(4.13mmol)を添加した。室温で2時間攪拌した。得られた赤色溶液をドライアイス-メタノールバスで-78℃に冷却し、6,6-dibenzylfulvene 1.06g(4.10mmol)のTHF 20mL溶液を20分間かけて滴下した。その後徐々に室温まで昇温しながら18時間攪拌した。得られた黒赤色溶液に1N塩酸を60mL添加して反応を終了させた。エーテル80mLを添加し分液を行い、可溶分を抽出した。この有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製することにより、白黄色粉末として目的物を得た(収量0.59g、収率23%)。
1H NMR (270 MHz, CDCl3): δ 1.25 (s, tBu(Flu), 18H), 2.66 (br, CpH, 1H), 3.22 (br, CH2Ph, 4H), 4.41 (br, Flu-9H,1H), 5.85-6.51 (m, Cp, 4H), 6.82-7.40 (m, Ph(Flu) and CH2Ph and Flu, 22H), 7.67 (s, Flu, 2H).
MS (FD) : M/z 688(M+).
(Step5)(PhCH2)2C(Cp)(3,6-tBu2-2,7-Ph2-Flu)ZrCl2の合成
窒素雰囲気下、100mLのシュレンク管に(PhCH2)2C(Cp)(3,6-tBu2-2,7-Ph2-Flu)0.59g(0.855mmol)、無水ジエチルエーテル40mLを加えて撹拌した。この混合スラリー溶液を氷浴で冷却し、濃度1.56mol/Lのn-ブチルリチウムのヘキサン溶液1.21mL(1.88mmol)を加え、徐々に室温まで昇温しながら45時間攪拌した。この赤色反応液をドライアイス/メタノールバスで冷却(-78℃)した後、四塩化ジルコニウム0.200g(0.858mmol)を加えた。その後徐々に室温まで昇温しながら42時間攪拌し、赤橙色懸濁液を得た。
溶媒を減圧乾燥した後、グローブボックス内でヘキサンに溶解させ、セライトを詰めたグラスフィルターを通してヘキサンで洗浄し、ヘキサンに溶解しなかった橙色粉末をジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン溶解部の溶媒を留去し、ジエチルエーテル/冷ペンタンで洗浄した、乾燥させて橙色粉末として目的生成物を得た(収量515mg、収率71%)。
1H NMR (270 MHz, CDCl3): δ 1.30 (s, tBu(Flu), 18H), 3.82 (d, J=15.5 Hz, CH2Ph, 2H), 3.93 (d, J=15.5 Hz, CH2Ph, 2H), 5.80 (t, J=2.6 Hz, Cp, 2H), 6.25 (t, J=2.6 Hz, Cp, 2H), 6.97-7.34 (m, Ph(Flu) and CH2Ph, 20H), 7.37 (s, Flu, 2H), 8.32 (s,Flu, 2H).
MS (FD) : M/z 848(M+).
ジ(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベ
ンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドは以下の方法で製造した。
<合成例3>
ジ(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドの合成
(i)6,6-ジ(p-クロロフェニル)フルベンの合成
滴下ロートを取りつけた反応容器に、窒素雰囲気下で脱水テトラヒドロフラン40mlおよびシクロペンタジエン2.15ml(25.9mmol)を入れ、この溶液を0℃に冷やしながら1.58mol/Lのn-ブチルリチウムのヘキサン溶液18.0ml(28.5mmol)をゆっくり滴下して攪拌した。その後滴下ロートに、脱水テトラヒドロフラン30mlに4,4'-ジクロロベンゾフェノン5.00g(19.9mmol)を溶かした溶液を入れて0℃に冷やしながらゆっくり滴下し、そのまま室温に戻して一日攪拌した。この反応液をジエチルエーテルで抽出し、有機層を1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、分取した有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、硫酸マグネシウムを濾別し、濾液の溶媒をロータリーエバポレーターで減圧留去した。シリカゲルカラムで精製を行い、目的生成物を得た(収量3.37g、収率57%)。目的物の同定は1H-NMRによって行った。
1H NMRスペクトル (270 MHz, CDCl3, TMS) : δ 6.21-6.24(m, 2H), 6.60-6.63(m, 2H), 7.23(d, 2H, J =8.1 Hz), 7.37(d, 2H, J =8.6 Hz).
(ii)オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレンの合成
充分に窒素置換した三方コックおよび滴下漏斗、磁気攪拌子を備えた500mlの三つ口フラスコに、フルオレン9.72g(58.6mmol)と2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール19.6g(134mmol)を室温で添加した。脱水ジクロロメタン85mlを添加してマグネティックスターラーで撹拌した後、アイスバスで-8℃に冷却した。ここに、粉砕した無水塩化アルミニウム38.9g(292mmol)を70分かけて添加した後、0℃で2時間撹拌し、更にアイスバスを外して室温で19時間撹拌した。G.C.でフルオレンの消失を確認後、黒褐色溶液を氷水150ml中に注いでクエンチした。ジエチルエーテル500mlで可溶分を抽出後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、水洗した。分取した有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、硫酸マグネシウムを濾別し、濾液の溶媒をロータリーエバポレーターで減圧留去した。残さを桐山ロート上に移してヘキサン10ml×6回で洗浄した後、減圧乾燥すると目的物が得られた(収量12.0g,収率53%)。目的物の同定は1H-NMR,FD-MSスペクトルによって行った。
1H-NMR (270 MHz, CDCl3,TMS):δ/ppm 1.3(s, 12H), 1.4(s, 12H), 1.7(s, 8H), 3.8(s, 2H), 7.4(s, 2H), 7.6(s, 2H).
MS (FD):M/z 386(M+).
(iii)ジ(p-クロロフェニル)シクロペンタジエニル(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)メタンの合成滴下ロートを取りつけた反応容器に、窒素雰囲気下で脱水テトラヒドロフラン40mlおよび前記オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレン2.35g(6.08mmol)を入れ、この溶液を0℃に冷やしながら1.58mol/Lのn-ブチルリチウムのヘキサン溶液4.62ml(7.30mmol)をゆっくり滴下して攪拌した。この溶液に1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン0.86ml(7.90mmol)を添加して30分攪拌した後、滴下ロートに、脱水テトラヒドロフラン30mlに6,6-ジ(p-クロロフェニル)フルベン2.00g(6.68mmol)を溶かした溶液を入れて、-78℃に冷やしながらゆっくり滴下し、そのままゆっくり室温に戻しながら一日攪拌した。この反応液をジエチルエーテルで抽出し、有機層を1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、分取した有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、硫酸マグネシウムを濾別し、濾液の溶媒をロータリーエバポレーターで減圧留去した。シリカゲルカラムで精製したのちにトルエンで再結晶を行って、目的生成物を得た(収量0.714g、収率17%)。目的物の同定は1H-NMR,FD-MSスペクトルによって行った。
1H NMRスペクトル (270 MHz, CDCl3, TMS) : δ 0.94(s, 6H), 1.14(s, 6H), 1.27(s, 12H), 1.62(s, 8H), 3.06(b, 2H), 5.30(s, 1H), 6.38-6.50(b, 3H), 7.00-7.29(m, 8H)
FD-MSスペクトル: m/z 684(M+).
(iv)ジ(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドの合成
窒素雰囲気下で脱水ジエチルエーテル15mlにジ(p-クロロフェニル)シクロペンタジエニル(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)メタン428mg(0.62mmol)を入れ、この溶液を0℃に冷やしながら1.58mol/Lのn-ブチルリチウムのヘキサン溶液0.87ml(1.37mmol)をゆっくり滴下して一晩攪拌した。その後、-78℃に冷やしながら四塩化ジルコニウム・テトラヒドロフラン錯体(1:2)224mg(0.59mmol)を入れて一晩攪拌した。このスラリーの揮発分を減圧留去後、残渣を脱水ヘキサン40mlで洗浄し、洗浄液を濾別した。濾液のヘキサン 溶解部を濃縮し、出てきた固体に脱水ヘキサンを入れて再結晶をしたところ、目的生成物を得た(収量90mg、収率18%)。目的物の同定は1H -NMR,FD-MSスペクトルによって行った。
1H NMR (スペクトル270 MHz, CDCl3) : δ 0.87(s, 6H), 0.99(s, 6H), 1.42(s, 6H), 1.49(s, 6H), 1.64-1.71(m, 8H), 5.51-5.53(m, 2H), 6.17(s, 2H), 6.29-6.31(m, 2H), 7.33(dd, 2H, J =2.16 Hz, 8.37 Hz), 7.46(dd, 2H, J =1.89 Hz, 8.64 Hz), 7.74(dd, 2H,J =2.43 Hz, 8.1 Hz), 7.88(dd, 2H, J =2.16 Hz, 8.37 Hz), 8.08(s, 2H)
FD-MSスペクトル: m/z 844(M+).
<合成例4>
ジフェニルメチレン(3-tert-ブチル-5-エチルシクロペンタジエニル)(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドの合成
(i)1−エチル−3−tert−ブチルシクロペンタジエンの合成
窒素雰囲気下、磁気攪拌子及び三方コックを備えた300ml三つ口フラスコに脱水ジエチルエーテル200ml、3.0Mエチルマグネシウムブロミドのジエチルエーテル溶液52ml(154mmol)を装入した。氷水浴下、3−tert−ブチルシクロペンテノン17.8g(129mmol)を1時間かけて滴下した。室温で20時間攪拌した後、反応溶液を2N塩酸100mlに注いだ。有機層を分離し、水層をエーテル50mlで2回抽出した。得られた有機層をあわせて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、水で2回、飽和食塩水で2回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。その後カラムクロマトグラフィーで精製し、淡黄色透明液体を20.2g(GC純度75%)得た。収率は78%であった。同定は、1H−NMRスペクトルで行った。以下にその測定結果を示す。
1H-NMRスペクトル(270MHz,CDCl3,TMS基準): δ/ppm 6.19+6.05+5.81+5.77(m+m+m+m, 2H), 2.91+2.85(m+m, 2H), 2.48−2.27(m, 2H), 1.15−1.08(s+s+m, 12H)
(ii)3−tert−ブチル−1−エチル−6,6−ジフェニルフルベンの合成
窒素雰囲気下、磁気攪拌子及び三方コックを備えた300ml三つ口フラスコに1−エチル−3−tert−ブチルシクロペンタジエン5.11g(23.9mmol)(GC純度75%)、THF150mlを装入した。ドライアイス/メタノール浴下で、1.56Mn−ブチルリチウムヘキサン溶液16ml(25.2mmol)をゆっくりと滴下し、その後20時間室温で攪拌した。得られた反応液に1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンを3.1ml(28.8mmol)添加し、続いてベンゾフェノン5.3g(28.8mmol)を装入し、還流下で48時間攪拌した。反応溶液を2N塩酸100mlに注いだ。有機層を分離し、水層をヘキサン50mlで2回抽出した。先の有機層と合わせて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。その後カラムクロマトグラフィーで精製し、橙色固体4.2gを得た。収率は56%であった。同定は1H−NMRスペクトルで行った。以下にその測定結果を示す。
1H-NMR スペクトル(270 MHz, CDCl3, TMS 基準): δ/ppm 7.2−7.4(m, 10H),6.3(m, 1H), 5.7(m, 1H), 1.70+1.85(q, 2H), 1.15(s, 9H), 0.85(t, 3H)
(iii)ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル)の合成
磁気攪拌子及び三方コックを備えた200mlの三口フラスコを充分に窒素置換し、窒素雰囲気下で3.8gの2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン(13.7mmol)を80mlの脱水ジエチルエーテルに溶解した。氷水浴下、この溶液に9.2mlのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1.56M:14.3mmol)を徐々に滴下した後、室温で100時間攪拌した。この反応溶液に4.5gの3-tert-ブチル-1-エチル-6,6-ジフェニルフルベン(14.3mmol)を加え、還流下で30時間攪拌した。反応溶液を2N塩酸水溶液100mlに氷浴中で注いだ後、ジエチルエーテルを加え有機層を分離し、水層をジエチルエーテル50mlで2回抽出した。先の有機層と合わせて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。その後カラムクロマトグラフィーで精製し、白色固体4.2gを得た。収率は53%であった。同定は、FD−質量分析スペクトル(FD−MS)で行った。以下にその測定結果を示す。
FD-MS: m/z=592(M+)
(iv)ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−エチルシクロペンタジエニル)
(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドの合成
マグネチックスターラーチップおよび三方コックを備えた100mlのシュレンクフラスコを充分に窒素置換し、窒素雰囲気下で1.0gのジフェニルメチレン(3-tert-ブチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)(1.68mmol)を、40mlの脱水ジエチルエーテルに溶解した。この溶液に1.56Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液2.2ml(3.4mmol)を氷浴中で徐々に滴下した後、室温で28時間撹拌した。この反応溶液をドライアイス/メタノール浴で充分に冷却した後、0.39gの四塩化ジルコニウム(1.68mmol)を添加した。徐々に室温に戻しながら48時間攪拌した後、溶媒を減圧留去した。ヘキサンでリスラリーし、珪藻土を充填したガラスフィルターでろ過した。フィルター上の茶色固体を少量のジクロロメタンで抽出しろ別した。得られたヘキサン溶液及びジクロロメタン溶液について各々溶媒を減圧留去した。暗橙色固体をそれぞれ少量のペンタン及びジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥することにより、橙色固体として140mg(0.186mmol)の目的化合
物を得た。同定は、1H−NMRスペクトルおよびFD−質量分析スペクトルで行った。以下にその測定結果を示す。
<重合例A−1>
シンジオタクティックプロピレン重合体(A‐1)の合成
充分に窒素置換した内容量3m3の反応槽にn-ヘプタン1000リットルを装入し、常温にてメチルアルミノキサンのトルエン溶液(Al=1.53mol/l)を610ml(0.93mol)を滴下した。一方、充分に窒素置換した内容量5リットルの枝付きフラスコにマグネチックスターラーを入れ、これにメチルアルミノキサンのトルエン溶液(Al=1.53mol/l)を610ml(0.93mol)、次いでジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド1.30g(1.86mmol)のトルエン溶液を加え、20分間攪拌した。この溶液を反応槽に加え、その後水素3200NLを19Nm3/hで10分間かけて供給した。その後プロピレンを65kg/時、水素は反応槽内の気相濃度が53mol%になるように供給しながら重合を開始した。水素の反応槽内の気相濃度53mol%を保ちながら、プロピレンを65kg/時の量で連続的に供給し、25℃で4時間重合を行った後、少量のジエチレングリコールモノイソプロピルエーテルを添加し重合を停止した。得られたポリマーをヘプタン1.8m3で洗浄し、80℃で15時間減圧乾燥を行った結果、ポリマー100kgが得られた。重合活性は13.4kg-PP/mmol-Zr・hrであり、得られたポリマーの[η]は1.90dl/g、Tm1=152℃、Tm2=159℃であり、rrrr分率=94%であった。物性を表1に示す。
<重合例A−2>
シンジオタクティクプロピレン重合体(A‐2)としては、Total社製シンジオタクティックポリプロピレン(商品名:Finaplas1471、MFR=5.0g/10分)を用いた。物性を表1に示す。
<重合例AA−1>
シンジオタクティクプロピレン重合体(AA‐1)の合成
充分に窒素置換した内容量500mlのガラス製オートクレーブにトルエン250mlを装入し、プロピレンを150リットル/時間の量で流通させ、25℃で20分間保持させておいた。一方、充分に窒素置換した内容量30mlの枝付きフラスコにマグネチックスターラーを入れ、これにメチルアルミノキサンのトルエン溶液(Al=1.53mol/l)を5.00mmol、次いでジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液5.0μmolを加え、20分間攪拌した。この溶液を、プロピレンを流通させておいたガラス製オートクレーブのトルエンに加え、重合を開始した。プロピレンガスを150リットル/時間の量で連続的に供給し、常圧下、25℃で45分間重合を行った後、少量のメタノールを添加し重合を停止した。ポリマー溶液を大過剰のメタノールに加え、ポリマーを析出させ、80℃で12時間、減圧乾燥を行った結果、ポリマー2.38gが得られた。重合活性は0.63kg-PP/mmol-Zr・hrであり、得られたポリマーの[η]は1.9dl/g、Tm=158℃(Tm1=152℃、Tm2=158℃)であり、rrrr=93.5%であり、Mw/Mn=2.0であった。物性を表3に示す。
<重合例AA−2>
シンジオタクティクプロピレン重合体(AA‐2)の合成
充分に窒素置換した内容量500mlのガラス製オートクレーブにトルエン250mlを装入し、プロピレンを150リットル/時間の量で流通させ、25℃で20分間保持させておいた。一方、充分に窒素置換した内容量30mlの枝付きフラスコにマグネチックスターラーを入れ、これにメチルアルミノキサンのトルエン溶液(Al=1.53mol/l)を5.00mmol、次いでジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジフェニル-3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液5.0μmolを加え、20分間攪拌した。この溶液を、プロピレンを流通させておいたガラス製オートクレーブのトルエンに加え、重合を開始した。プロピレンガスを150リットル/時間の量で連続的に供給し、常圧下、25℃で10分間重合を行った後、少量のメタノールを添加し重合を停止した。ポリマー溶液を大過剰のメタノールに加え、ポリマーを析出させ、80℃で12時間、減圧乾燥を行った結果、ポリマー6.95gが得られた。重合活性は7.58kg-PP/mmol-Zr・hrであり、得られたポリマーの[η]は2.9dl/g、Tm=162.0℃であり、rrrr分率=95.3%であった。物性を表3に示す。
<シンジオタクティックポリプロピレン(AA−3)>
シンジオタクティックポリプロピレン(AA−3)として、シンジオタクティックプロピレン重合体(A−2)と同じものを用いた。
物性を表3に示す。
<重合例AA−4>
シンジオタクティクプロピレン重合体(AA‐4)の合成
水素を導入すること以外は(すなわち、重合系にさらに水素を供給した以外は)重合例A−1の製造方法に準じて、前記重合体(A−1)と同じrrrr分率、Mw/Mnを有し、[η]=1.4dl/gであるシンジオタクティクプロピレン重合体(AA‐4)(プロピレンホモポリマー)を製造した。重合体(AA‐4)の物性を表3に示す。
<重合例AA−5>
シンジオタクティクプロピレン重合体(AA‐5)の合成
水素を導入する以外は(すなわち、重合系にさらに水素を供給した以外は)重合例A−1の製造方法に準じて、前記重合体(A−1)と同じrrrr分率、Mw/Mnを有し、[η]=1.2dl/gであるシンジオタクティクプロピレン重合体(AA‐5)(プロピレンホモポリマー)を製造した。重合体(AA‐5)の物性を表3に示す。
<シンジオタクティックポリプロピレン(AA−6)>
シンジオタクティックポリプロピレン(AA−6)としては、Total社製シンジオタクティックポリプロピレン(商品名:Finaplas1571、MFR=9.1g/10分)を用いた。物性を表3に示す。
<重合例B−1>
プロピレン・α-オレフィン共重合体(B−1)の合成
充分に窒素置換した4000mlの重合装置に、1834mlの乾燥ヘキサンとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を70℃に昇温し、プロピレンで系内の圧力を0.66MPaになるように加圧した後に、エチレンで、系内圧力を1.36MPaに調整した。次いで、ジ(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド 0.001mmolとアルミニウム換算で0.3mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温70℃、系内圧力を1.36MPaにエチレンで保ちながら15分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、4Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、105gであり、MFRが0.7(g/10min)であり、135℃デカリン中で測定した[η]=2.5(dL/g)であった。得られたポリマーについて測定した物性を表1に示す。またrr1値は、78%であった。この操作を繰り返して、必要な量のポリマーを得、これを溶融混練して後述する実施例に使用した。
<重合例B‐2>
プロピレン・α-オレフィン共重合体(B−2)
充分に窒素置換した4000mlの重合装置に、1834mlの乾燥ヘキサンとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を70℃に昇温し、プロピレンで系内の圧力を0.67MPaになるように加圧した後に、エチレンで、系内圧力を1.37MPaに調整した。次いで、ジ(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド 0.001mmolとアルミニウム換算で0.3mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温70℃、系内圧力を1.37MPaにエチレンで保ちながら10分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、4Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、90gであり、MFRが1.0(g/10min)であり、135℃デカリン中で測定した[η]=2.3(dL/g)であった。またrr1値は、75%であった。得られたポリマーについて測定した物性を表1に示す。この操作を繰り返して、必要な量のポリマーを得、これを溶融混練して後述する実施例に使用した。
<重合例B‐3>
プロピレン・α-オレフィン共重合体(B−3)の合成
充分に窒素置換した4000mlの重合装置に、1834mlの乾燥ヘキサンと1-ブテン20gとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を70℃に昇温し、プロピレンで系内の圧力を0.63MPaになるように加圧した後に、エチレンで、系内圧力を1.33MPaに調整した。次いで、ジ(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド 0.001mmolとアルミニウム換算で0.3mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温70℃、系内圧力を1.30MPaにエチレンで保ちながら10分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、4Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、107gであり、MFRが0.8(g/10分)であり、135℃デカリン中で測定した[η]=2.4(dL/g)であった。であった。得られたポリマーについて測定した物性を表4−1に示す。またrr1値は、79%であった。この操作を繰り返して、必要な量のポリマーを得、これを溶融混練して後述する実施例に使用した。
<重合例BB−1>
重合例B−1と同様の方法で合成した。
<重合例BB−2>
プロピレン・α-オレフィン共重合体(BB‐2)の合成
充分に窒素置換した4000mlの重合装置に、1834mlの乾燥ヘキサンとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を70℃に昇温し、プロピレンで系内の圧力を0.64MPaになるように加圧した後に、エチレンで、系内圧力を1.34MPaに調整した。次いで、ジ(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド 0.001mmolとアルミニウム換算で0.3mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温70℃、系内圧力を1.34MPaにエチレンで保ちながら15分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、4Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、109gであり、135℃デカリン中で測定した[η]=2.6(dL/g)、MFRが0.6(g/10min)であった。得られたポリマーについて測定した物性を表1に示す。またrr1値は、76%であった。この操作を繰り返して、必要量のポリマーを得て実施例に使用した。また、フィルム成形性の評価にあたっては、上記製造条件に準じてスケールアップして製造した、前記ポリマーと同じエチレン含量、rr分率、[η]、Mw/Mnを有するポリマーを用いた。
<重合例BB−3>
重合例B−2と同様の方法で合成した。
<重合例BB−4>
プロピレン・α-オレフィン共重合体(BB‐4)の合成
充分に窒素置換した4000mlの重合装置に、1834mlの乾燥ヘキサンと1-ブテン20gとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を70℃に昇温し、プロピレンで系内の圧力を0.63MPaになるように加圧した後に、エチレンで、系内圧力を1.33MPaに調整した。次いで、ジ(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド 0.001mmolとアルミニウム換算で0.3mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温70℃、系内圧力を1.33MPaにエチレンで保ちながら10分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、4Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、102gであり、135℃デカリン中で測定した[η]=2.3(dL/g)、MFRが1.0(g/10min)であった。であった。得られたポリマーについて測定した物性を表1に示す。またrr1値は、75%であった。物性を表3示す。
<重合例BB−5>
プロピレン・α-オレフィン共重合体(B‐5)の合成
充分に窒素置換した4000mlの重合装置に、1834mlの乾燥ヘキサンとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を50℃に昇温し、プロピレンで系内の圧力を0.67MPaになるように加圧した後に、エチレンで、系内圧力を1.37MPaに調整した。次いで、ジ(p-クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド 0.001mmolとアルミニウム換算で0.3mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温50℃、系内圧力を1.37MPaにエチレンで保ちながら10分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、4Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、78gであり、135℃デカリン中で測定した[η]=3.5(dL/g)であり、13C−NMRにて測定したエチレン含量は18mol%であった。得られたポリマーについて測定した物性を表4に示す。
<プロピレン重合体(D−1)〜(D−8)>
プロピレン重合体(D‐1)
プライムポリマー社製PP(商品名F102W、MFR=2.1g/10分)
プロピレン重合体(D‐2)
プライムポリマー社製PP(商品名J104W、MFR=5.2g/10分)
プロピレン重合体(D‐3)
プライムポリマー社製PP(商品名B101、MFR=0.7g/10分)
プロピレン重合体(D‐4)
プライムポリマー社製PP(商品名J106G、MFR=15.0g/10分)
プロピレン重合体(D‐5)
プライムポリマー社製PP(商品名J107G、MFR=30.0g/10分)
プロピレン重合体(D‐6) プライムポリマー社製PP(商品名J108M、MFR=45.0g/10分)
プロピレン重合体(D‐7)
プロピレン・エチレン・ブテン共重合体の合成
充分に窒素置換した4000mlの重合装置に、1834mlの乾燥ヘキサン、1-ブテン110gとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を55℃に昇温し、プロピレンで系内の圧力を0.58MPaになるように加圧した後に、エチレンで、系内圧力を0.75MPaに調整した。次いで、合成例2にて合成したジフェニルメチレン(3-tert-ブチル-5-エチルシクロペンタジエニル)(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド0.001mmolとアルミニウム換算で0.3mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温55℃、系内圧力を0.75MPaにエチレンで保ちながら25分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、4Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、120.2gであり、MFRが0.7(g/10min)であった。得られたポリマーについて測定した物性を表3に示す。
プロピレン重合体(D‐8)
重合温度を40℃とした以外は前記プロピレン重合体(D−7)の製造条件に準じて製造した、前記重合体(D−7)と同じエチレン含量、ブテン含量を有し、[η]=4.0、Mw/Mn=2.1を有するポリマー(D−8)を製造した。得られたポリマーの性質を表4示す。
アイソタクティックプロピレン系重合体(D-1)〜(D-8)と、(BB-1)〜(BB-5)、(AA-1)、(AA-3)、(AA-4)、(AA-5)、(AA-6)のMFRと、[η]とをプロットした図を図2に示す。アイソタクティックプロピレン系重合体(D-1)〜(D-8)と本発明の好ましい態様で用いるポリマー(B)とは、式(b-2)で区別されていることが分かる。
[実施例1]
<重合例(A−1)>で得られたシンジオタクティックポリプロピレン(A-1)71 重量部と、<重合例(B−2)>で得られたプロピレン・エチレン共重合体(B-2)29重量部と、エチレン・α‐オレフィン共重合体(C)43重量部と、該組成物に対する二次抗酸化剤としてトリ(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート0.1重量部と、耐熱安定剤としてn-オクタデシル-3-(4'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-ブチルフェニル)プロピネート0.1重量部とを配合した。プラボー社製2 軸押出機を用い、設定温度230℃、樹脂押出量40g/分および200rpmの条件で造粒して測定用ペレットを得た。さらに得られたペレットを使用し、サーモ社製20mmφ・L/D=28の単軸押出機に25mmφ、リップ幅250mm×0.8mmのTダイをセットして、押出機設定温度=210℃条件下、ロール温度40℃および巻き取り速度0.5m/minの条件で厚さ250μmのフィルムを押出成形した。結果を表2に示す。
[実施例2]
<重合例(A−1)>で得られたシンジオタクティックポリプロピレン(A-1)40 重量部と、<重合例(B−3)>で得られたプロピレン・エチレン共重合体(B-3)60重量部と、実施例1と同様、該組成物に対する二次抗酸化剤、耐熱安定剤とを同量配合した。プラボー社製2 軸押出機を用い、実施例1と同様の押出条件および成形条件で、ペレット化およびフィルム化を行った。結果を表2に示す。
[実施例3]
<重合例(A−1)>で得られたシンジオタクティックポリプロピレン(A-1)67 重量部と、<重合例(B−1)>で得られたプロピレン・エチレン共重合体(B-1)33重量部と、エチレン・α‐オレフィン共重合体(C)67重量部と、実施例1と同様、該組成物に対する二次抗酸化剤、耐熱安定剤を同量配合した。プラボー社製2 軸押出機を用い、実施例1と同様の押出条件および成形条件で、ペレット化およびフィルム化を行った。結果を表2に示す。
[実施例4]
<重合例(A−1)>で得られたシンジオタクティックポリプロピレン(A-1)50 重量部と、〔重合例(B−2)〕で得られたプロピレン・エチレン共重合体(B-2)50重量部と、エチレン・α‐オレフィン共重合体(C)67重量部と、実施例1と同様、該組成物に対する二次抗酸化剤、耐熱安定剤を同量配合した。プラボー社製2 軸押出機を用い、実施例1と同様の押出条件および成形条件でペレット化およびフィルム化を行った。結果を表2に示す。
[比較例1]
Total社製シンジオタクティックポリプロピレン(A-2)(商品名:Finaplas1471、MFR=5.0g/10分、)71重量部と、<重合例(B−2)>で得られたプロピレン・エチレン共重合体(B-2)29重量部と、エチレン・α‐オレフィン共重合体(C)43重量部と、実施例1と同様、該組成物に対する二次抗酸化剤、耐熱安定剤を同量配合した。プラボー社製2軸押出機を用い、実施例1と同様の押出条件および成形条件でペレット化およびフィルム化を行った。結果を表2に示す。
Figure 2013209666
Figure 2013209666
Figure 2013209666
Figure 2013209666
高温滅菌処理によってもフィルム透明性が低下しない、低温耐衝撃性および柔軟性に優れたポリプロピレン系フィルムは食品用容器および医薬用容器として有用である。

Claims (7)

  1. 下記要件(1)〜(3)を同時に満たす、厚さ10〜500μmのポリプロピレン系樹脂フィルムであって、
    (A)下記要件(a)を充足するシンジオタクティックポリプロピレン重合体85重量部〜25重量部と、
    (B)下記要件(b)を充足するプロピレン・α-オレフィン共重合体15重量部〜75重量部(ただし、(A)と(B)の合計を100重量部とする。)と
    を含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなるポリプロピレン系樹脂フィルムからなる食品用または医薬用の容器。
    (1)JIS K6781に準じて測定したヤング率が10〜500MPaである、
    (2)0℃で測定した引張衝撃強度が、50 〜1000kJ/m2である、
    (3)光線透過率が85〜99%であり、かつ120℃での30分間の熱水処理前後での光線透過率の減少率が0〜15%の範囲にある。
    (a):13C-NMRにより測定されるシンジオタクティックペンタッド分率(rrrr分率)が85%以上であり、示差走査熱量計(DSC)より求められる融点(Tm)が145℃以上であり、プロピレン単位を90モル%(ただし、プロピレン由来の構成単位と任意に含んでいてもよい炭素数2〜20のα−オレフィン(プロピレンを除く)由来の構成単位との合計を100モル%とする。)を超える量で含有する、
    (b):プロピレン単位を55〜90モル%(ただし、該共重合体(B)中の構成単位の全量を100モル%とする。)含有し、炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)から選ばれる少なくとも1種のα-オレフィン単位を10〜45モル%(ただし、プロピレン単位と炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)単位との合計を100モル%とする。)含有し、JIS K−6721に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定したMFRが0.01〜100g/10分の範囲にあり、かつ
    下記要件(b−1)または(b−2)のいずれか1つ以上を満たす;
    (b−1):13C-NMR法により測定したシンジオタクティックトライアッド分率(rr分率)が60%以上である、
    (b−2):135℃デカリン中で測定した極限粘度[η](dL/g)と前記MFR(g/10分、230℃、2.16kg荷重)とが下記の関係式を満たす。
    1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)
  2. ポリプロピレン系樹脂フィルムは、さらに以下の要件(4)を満たす、請求項1に記載の食品用または医薬用の容器;
    (4)示差走査熱量計(DSC)により測定した融点(Tm)が145℃以上である。
  3. 前記ポリプロピレン系樹脂組成物が、さらに下記条件(c)を充足するエチレン・α―オレフィン共重合体(C)を、(A)および(B)の合計100重量部に対し、1〜100重量部含有する請求項1または2に記載の食品用または医薬用の容器;
    (c):エチレン単位を50〜99モル%、炭素原子数3〜20のα-オレフィン単位を1〜50モル%(ただし、該共重合体(C)中の構成単位の全量を100モル%とする。)含有する。
  4. プロピレン単位濃度(Sp)が40〜95モル%、エチレン単位濃度(SE)が60〜5モル%および炭素数4〜10のα-オレフィン単位濃度(Sα)が0〜15モル%(ただし、Sp +SE +Sα=100モル%、Sp/SE>1とする。)であるポリプロピレン系樹脂組成物からなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の食品用または医薬用の容器。
  5. ポリプロピレン系樹脂フィルムは、室温n-デカン可溶成分(Dsol)の極限粘度が、1.5〜4.0(dl/g)である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の食品用または医薬用の容器。
  6. ポリプロピレン系樹脂フィルムは、インフレーションまたは押出法によって成形されてなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の食品用または医薬用の容器。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂フィルムを基材層とし、基材層の少なくとも一方の表面に、ポリオレフィン系樹脂からなる外層を積層してなる多層フィルムからなる食品用または医薬用の容器。
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