JP2013208971A - タイヤ除泥装置及び除泥方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 農用タイヤ200に付着した泥を掻き落とす泥掻き落とし部1A〜Eと、泥掻き落とし部1A〜Eを農用タイヤ200表面方向に付勢するコイルバネ3とを備えている除泥装置であって、除泥ユニット10の本体部4に回動軸5を介して設けられた支持部2A〜Eの先端に設けられている泥掻き落とし部1A〜Eが所定方向に回動可能に構成されている。
【選択図】 図1
Description
全国の地方公共団体(47都道府県)及び農業者(45道府県)を対象に行ったアンケート調査(2010生研センター)によれば、市民等から道路汚染被害の苦情・相談を受けたことが「有る」という自治体が全体の18%(207団体)であった。また、泥を路上に落下させた経験のある農業者は全体の94%(656人)であり、このうち9%が「清掃する暇がない(35%)」「面倒臭い(25%)」を理由に「全く清掃したことがない」という回答であった。また、自治体側からは原状回復を巡り原因者と通報者の調整や対処に苦慮した、さらに農業者側からは機械的な方法で清掃しなくても泥が落とせる仕組みが必要といった意見が寄せられている。
こうした背景からトラクタのタイヤに付着した士壌をほ場内作業時またはほ場退出時などに強制的に除去することによって、ほ場内からの耕作土の持ち出しを最小限に抑えて舗装路面の汚染を軽減できる除泥装置の開発が必要と考えられる。ただし、農用タイヤは乗用車のタイヤと異なり、軟弱なほ場内をスリップせずに走行できるようラグが設置されており、ラグとラグの間に入り込んだ土壌を除去することは簡単ではないため、それに対応した除泥装置とする必要がある。
しかし、特許文献1に開示の技術には、装置の装着に車両改造を要するという問題がある。また、特許文献2に記載されている泥落とし装置は、車輪が回転すると、弾性体の撓みと形状復元とをもって、掻泥体と車輪との接触および車輪からの外れが繰り返される構成である。しかし、この泥落とし装置は、掻泥体がコイルスプリングに直接設けられていることから、掻泥体のコイル軸芯と車輪に対する角度が変化する結果、農用タイヤ特有のラグ間の泥を十分に取り除く作用が十分ではない。このため、従来、例えば、ラグ間の泥を取り除くための泥落とし具(例えば、特許文献3)を用いてラグ間に付着した泥を落とす作業が必要であった。
この構成によれば、所定方向にのみ動くように掻き落とし部の動きを規制した状態で、弾性体で農用タイヤ表面方向に付勢することができる。このため、タイヤ表面の曲面(走行面、側面とも)に対する泥掻き落とし部は、その角度が所定範囲内となるように規制された状態で、農用タイヤの回転に伴ってその表面にラグが形成されているタイヤ曲面に追従することとなる。したがって、泥掻き落とし部の農用タイヤ表面に対する角度を除泥作用が良好な範囲に維持して、効果的な除泥を実現することができる。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載のタイヤ除泥装置において、前記掻き落とし部が、前記除泥ユニットに、前記農用タイヤ表面と前記掻き落とし部の角度を所定範囲内に維持可能にしている。この構成によれば、掻き落とし部の移動方向を回動方向に規制し、農用タイヤ表面と前記掻き落とし部の角度を除泥に好適な範囲内に維持することができる。
請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載のタイヤ除泥装置において、前記掻き落とし部が複数に分割されており、かつ、分割された前記各掻き落とし部のそれぞれが個別に回動可能に設けられている。この構成により、農用タイヤの幅方向の各領域を効率良く除泥することができる。
請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載のタイヤ除泥装置において、前記除泥ユニットを除泥フレームに対して平行に回動可能に支持する収納用回動軸を備えており、前記収納用回動軸を中心軸として、前記前記除泥ユニットを回動させることにより、前記除泥ユニットを前記農用タイヤ後方の除泥位置と、前記農用タイヤの内側の格納位置とに移動可能である。この構成によれば、除泥装置を常時備えておき、除泥位置と格納位置とを、必要に応じて容易に移動させることができる。
請求項5に記載の本発明は、請求項4に記載のタイヤ除泥装置において、前記農用タイヤの内側のトラクタ本体内側の下部リンク上方に、落下土回収袋を係止するための袋係止部を備えている。この構成によれば、農用タイヤの内側から除かれた泥を袋係止部に係止した落下土回収袋に回収することができる。このため、除泥により生じた泥の回収作業および除泥後のトラクタ本体から泥を取り除く作業を容易にすることができる。
請求項6に記載の本発明は、請求項5に記載の除泥装置において、前記泥掻き落とし部として、熱可塑性樹脂を用いている。
請求項7に記載の本発明は、請求項6に記載のタイヤ除泥装置において、前記弾性体の付勢力を変化させる付勢力調整手段を備えている。この構成により、農用タイヤのラグ形状と用いられるほ場の泥質に応じて付勢力を調整することができる。
請求項8に記載の本発明は、請求項1〜7の何れか1項に記載のタイヤ除泥装置において、前記除泥ユニットを固定するフレームを備えており、前記フレームをオートヒッチに固定するための固定手段を備えている。この構成によれば、除泥装置の取付構造を簡略化することができる。ここで、「オートヒッチ(クイックヒッチ)」と呼ぶ装置は、油圧装置により昇降させることが可能な、作業機を取り付けるために用いられるものをいう。このオートヒッチ(クイックヒッチ)に固定する除泥フレームを介して除泥装置を取付けることにより、除泥装置の取付構造を簡易にすることができる。
請求項9に記載の本発明の除泥方法は、請求項1〜8の何れか1項に記載のタイヤ除泥装置を用いて行う除泥方法であって、作業現場において、除泥装置を格納位置から除泥位置へ切り替えて、農作業と平行して除泥作業を実施する。このように、農用タイヤのラグの間に泥が詰まってその駆動力が減少した場合に農作業と平行して除泥作業を実施することで、駆動力の維持、向上を実現することができる。
本発明の除泥方法によれば、必要に応じてタイヤ除泥装置を農作業と平行して用いることにより、農用タイヤへの泥の付着を防止し付着土の成長を抑制し、これによる駆動力の低下を抑制して、作業効率を向上させることが可能となる。
本発明の第1の実施形態について、図1〜図9を参酌して、以下に説明する。
図1は本実施形態のタイヤ除泥装置を前方側から見た前方斜視図であり、図2は図1のタイヤ除泥装置を後方側から見た後方斜視図であり、図3は図1のタイヤ除泥装置が取付けられた状態を示す後方斜視図である。
同図に示すように、オートヒッチ(クイックヒッチ)300は、トラクタ本体が備えている油圧装置により昇降させることが可能な、複数の作業機を取付けるために用いられる部材である。そして、オートヒッチ(クイックヒッチ)300は、トラクタのメーカーに共通のものとして寸法が規定されている。このため、オートヒッチ(クイックヒッチ)300にフレーム6を取付けることにより、タイヤ除泥装置100の取付構造を簡易なものとすることができる。
また、ラグ201の側面の水平面Lに対する角度に幅がある場合、回転方向上流側においては泥掻き落とし部1と接する範囲において最も大きい角度をR(201−1)とし、回転方向下流側においては、泥掻き落とし部1と接する範囲において最も小さい角度をR(201−2)とする。
上述したように、本実施形態の除泥ユニット10は、ボルト21とナット22という簡単な機構により泥掻き落とし部1の付勢力調整機構を実現している。泥掻き落とし部1の付勢力を調整することにより、農用タイヤ200の種類や用いられる場所の泥の質などに応じて、除泥力を向上させることができる。
図9は、除泥ユニット10の格納機構を説明する要部斜視図である。同図に示すように、除泥ユニット10をフレーム6に固定するボルト7(図3参照)が外された状態において、除泥ユニット10は収納用回動軸11を中心としてフレーム6のベースプレート61面に対して略平行に回動可能に構成されている。収納用回動軸11を中心にして除泥ユニット10をフレーム6に対して回動させることにより、農用タイヤ200後方の除泥位置と農用タイヤ200の内側の格納位置との間で、除泥ユニット10を容易に移動させることができる。
除泥ユニット10を格納位置から除泥位置に戻す際は、スナップピン12を孔70・72から外し、格納位置への移動と反対の手順により行えば良い。
農作業と平行して除泥作業を行う本発明の除泥方法によれば、ラグ201の間に泥が詰まることを防止できる。したがって、必要に応じて本発明の除泥方法を用いることにより、農用タイヤ200の駆動力を維持、向上させることが可能となる。
本実施形態においては、上述した実施形態の除泥ユニットに、落下土回収袋を係止するための袋係止部を備えた構成について説明する。この構成以外については、上述した実施形態において説明したものと同様である。
2A〜E 支持部
3 コイルバネ(弾性体)
4 本体部
5 回動軸
6 フレーム
7 ボルト
8 上部係止部(固定手段)
9 センタブラケット(固定手段)
91 孔(固定手段)
10 除泥ユニット
11 収納用回動軸
12 スナップピン
100、110 タイヤ除泥装置
111 袋係止部
112 落下土回収袋
200 農用タイヤ
201 ラグ
300 オートヒッチ(クイックヒッチ)
301 上部リンク
303 下部リンク
Claims (9)
- 農用タイヤに付着した泥を掻き落とす泥掻き落とし部と、前記泥掻き落とし部を前記農用タイヤ表面方向に付勢する弾性体部とを備えている除泥装置であって、
前記掻き落とし部が所定方向に回動可能に除泥ユニットに設けられていることを特徴とする除泥装置。 - 前記掻き落とし部が、前記除泥ユニットに、回動軸により回動可能に設けられ、前記農用タイヤ表面と前記掻き落とし部の角度を所定範囲内に維持可能にしていることを特徴とする請求項1に記載の除泥装置。
- 前記掻き落とし部が複数に分割されており、かつ、分割された前記掻き落とし部のそれぞれが個別に回動可能に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の除泥装置。
- 前記除泥ユニットを除泥フレームに対して平行に回動可能に支持する収納用回動軸を備えており、
前記収納用回動軸を中心軸として、前記前記除泥ユニットを回動させることにより、前記除泥ユニットを前記農用タイヤ後方の除泥位置と、前記農用タイヤの内側の格納位置とに移動可能であることを特徴とする請求項3に記載の除泥装置。 - 前記農用タイヤの内側のトラクタ本体内側の下部リンク上方に、落下土回収袋を係止するための袋係止部を備えていることを特徴とする請求項4に記載の除泥装置。
- 前記泥掻き落とし部として、熱可塑性樹脂を用いていることを特徴とする請求項5に記載の除泥装置。
- 前記弾性体の付勢力を変化させる付勢力調整手段を備えていることを特徴とする請求項6に記載の除泥装置。
- 前記除泥ユニットを固定するフレームを備えており、前記フレームをオートヒッチに固定するための固定手段を備えていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の除泥装置。
- 請求項1〜8の何れか1項に記載の除泥装置を用いて行う除泥方法であって、
作業現場において、除泥装置を格納位置から除泥位置へ切り替えて、農作業と平行して除泥作業を実施することを特徴とする除泥方法。
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