以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1〜図11を用いて、本発明に係る遊技機の一例であるスロットマシン1の構成について説明する。ここで、図1はスロットマシン1の正面図であり、図2はスロットマシン1の機能の概略を示すブロック図であり、図3はリール外周面の図柄配列の一例を示す説明図であり、図4は役と図柄の組み合わせを示す説明図であり、図5はこのスロットマシン1における制御システムを示すブロック図であり、図6は操作手段の操作とリールの作動のタイミングを示す説明図であり、図7は最小遊技時間を説明するための説明図であり、図8はストップボタンの押し順と入賞との関係を示す説明図であり、図9は各遊技状態に対して設定された役抽選テーブルの当選確率を示す説明図であり、図10は電源投入時の設定値設定手段150の処理を示すフローチャートであり、図11はこのスロットマシン1における遊技状態の遷移を示す説明図である。
このスロットマシン1は、図1に示すように、3個のリール21a〜21cに表示されている図柄を所定のライン上に揃えることにより、所定の枚数の遊技メダルを獲得する遊技を提供するものであり、図2に示すように、リール21a〜21cにより図柄を表示する図柄表示手段20と、遊技者の操作を受け付ける操作手段30と、遊技の制御を行うメイン制御基板100と、遊技に対する演出を行う演出手段40と、この演出手段40を制御するサブ制御基板200と、から構成されている。
(メイン制御基板100)
メイン制御基板100は、スロットマシン1における遊技の進行や演出等を含む全体を統括制御する手段であり、役の抽選を行う役抽選手段110、図柄表示手段20の駆動(回転及び停止)制御を行うリール制御手段120、図柄表示手段20が停止したときの図柄の判定を行う停止図柄判定手段130、入賞時の遊技メダルの払出し等を制御する払出し制御手段140、出玉率に関する設定値を設定する設定値設定手段150、役抽選手段110の抽選結果等を記憶するフラグ情報記憶手段160、役抽選手段110で特別役に当選したときに、後述する有効ライン上に対応する図柄の組み合わせが停止するまで(入賞するまで)当選した状態を保持する特別役持ち越し手段170、遊技の進行や状態を制御する遊技状態制御手段180、及び、後述するフリーズ制御を行うフリーズ制御手段190を有して構成されている。このメイン制御基板100は、図5に示すように、演算等を行うメインCPU101と、役の抽選を行うための乱数発生器102と、メインCPU101が各種制御を行うときに、取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM103と、遊技の進行等に必要なプログラムを記憶しておくROM104と、サブ制御基板200と通信を行うI/F回路105と、を有しており、これらはバス106で接続されてデータの送受信が可能に構成されている。このメイン制御基板100において、メインCPU101は、ROM104に記録された遊技用制御プログラムをRAM103に展開して実行し、遊技の制御を行うように構成されている。
このメイン制御基板100の出力側(図2中、右側)には、図柄表示手段20が電気的に接続されている。この図柄表示手段20は、円筒外周面に沿って多種の図柄が描かれた回転可能な3個のリール21(左リール21a、中リール21b、右リール21c)、リール駆動手段22(左リール駆動手段22a、中リール駆動手段22b、右リール駆動手段22c)、及び、リール位置検出手段23(左リール位置検出手段23a、中リール位置検出手段23b、右リール位置検出手段23c)を有して構成されている。3個のリール21a〜21cは、左右方向に並列に設けられており、スロットマシン1の前扉3に形成されたリール表示窓11から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、これらのリール21a〜21cは、スロットマシン1のリール表示窓11からは、合計9個の図柄が見えるように配置されている。このリール21a〜21cの各々には、例えば、図3に示すように0番から20番までの21個の図柄が表示されており、番号が増加する順で変動表示される。なお、この図3において、赤7、青7、及び、特別図柄は、このスロットマシン1の後述する特別役に特に関係する図柄である。また、ブランクは役を構成しない図柄である。また、リール駆動手段22a〜22cは、ステッピングモータ等で構成され、リール21a〜21cの各々の回転中心部に連結され、その作動はメイン制御基板100のリール制御手段120により制御される。さらに、リール位置検出手段23a〜23cは、各々のリール21a〜21cの停止位置を検出し、有効ライン上に表示されている図柄を判定するためのものであり、このリール位置検出手段23a〜23cによる検出値はメイン制御基板100により読み出され停止図柄判定手段130に渡される。また、このメイン制御基板100の出力側には、遊技メダルを払出すホッパー装置50が接続されており、その動作は払出し制御手段140により制御される。
また、メイン制御基板100の入力側(図2中、左側)には、操作手段30が電気的に接続されており、この操作手段30はベットボタン31(1ベットボタン31a及びMAXベットボタン31b)、スタートレバー32、ストップボタン33(左ストップボタン33a、中ストップボタン33b、右ストップボタン33c)、及び、精算ボタン34を有している。スタートレバー32は、図柄表示手段20として設けられたリール21a〜21cを始動させるときに操作するレバーであって、始動手段としての機能を有している。また、ストップボタン33(33a〜33c)は、回転しているリール21a〜21cの各々を停止させるときに遊技者が操作するボタンであって、停止手段としての機能を有している。また、ベットボタン31は、遊技者が貯留メダル(クレジット)をスロットマシン1に投入する(ベットする)ときに操作するスイッチであって、その操作によって図柄組み合わせラインが有効化される。なお、図1に示すメダル投入口51は、ベットボタン31と同様に、有効ラインを有効化するために遊技メダルを投入する部分であり、このメダル投入口51からの遊技メダルの投入は、ベットボタン31の操作に含まれるものである。なお、1回の単位遊技にベット可能な枚数を超えて遊技メダルが投入された場合には、所定の枚数の範囲内でこのスロットマシン1の内部(遊技媒体貯留手段141)に貯留されるように構成されている。また、精算ボタン34は、スロットマシン1の内部に貯留された遊技メダル及びベットされている遊技メダルを払い出すためのボタンである。
(役抽選手段110)
役抽選手段110は、乱数値を発生させる乱数発生手段111と、この乱数発生手段111から乱数値を抽出する乱数抽出手段112と、複数の役の各々の当選確率が乱数値の取り得る範囲に対応して定義された役抽選テーブルを記憶する役抽選テーブル記憶手段114と、乱数抽出手段112により取得された乱数値及び役抽選テーブルにより役に当選したか否かを判定する乱数判定手段113と、を有して構成されている。ここで、役としては、図4に示すように、複数種類の特別役、複数種類の小役、及び、リプレイが設けられている。この役抽選手段110は、何らかの役に当選したときは、後述するフラグ情報記憶手段160に対して当選した役のフラグをオンにする。このように、役抽選手段110は、当選役を決定する役決定手段としての機能を有している。
ここで、特別役とは、その役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止(入賞)すると、遊技メダルは払い出されないが、特別遊技状態(通常遊技以上に遊技メダルの獲得が期待できる、遊技者にとって有利となる特別遊技が実行される状態)に移行されるという役であり、BB(ビッグボーナス)、RB(レギュラーボーナス)及びMB(ミドルボーナス)が設けられている。BBは、特別遊技の1つであるBB遊技(いわゆる、第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する遊技)に移行させる役であり、RBは特別遊技の他の1つであるRB遊技(いわゆる、第一種特別役物に係る条件作動装置が作動する遊技)に移行させる役であり、MBは特別遊技の他の1つであるMB遊技(いわゆる、第二種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する遊技)に移行させる役である。例えば、本実施形態に係るスロットマシン1においては、遊技メダルが3枚投入されて遊技が行われた場合には、図4に示す特別役の何れかに対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止(入賞)すると、BB遊技、RB遊技若しくはMB遊技に移行するように構成されている。なお、BB遊技は、一般遊技と所定小役が高確率で当選するボーナスゲームとを、遊技メダルの払出枚数が所定枚数(例えば、345枚)を超えるまで繰り返し行うことができる遊技である。また、RB遊技は、所定小役が高確率で当選するボーナスゲームを12回行うか、8回入賞するまで繰り返し行うことができる遊技である。また、MB遊技は、全ての小役が、抽選が行われることなく当選した状態となり、遊技メダルの払出枚数が所定枚数(例えば、253枚)を超えるまで繰り返し行うことができる遊技である。なお、このMB遊技においては、後述するリール制御手段120は、3つのリール21a〜21cのうちの少なくとも1つのリールに対して、ストップボタン33(33a〜33c)が押されたときから、1コマ分以内で、そのリール21a〜21cの回転を停止させるよう定められている(本実施形態に係るスロットマシン1では、左リール21aが該当する)。
また、特別役はこれらのBB、RB及びMBに限定されることはなく、SB(シングルボーナス)等を設けることもできる。SBの図柄の組合せが有効ライン上に揃うと1遊技のSB遊技が行われるが、このSBは遊技状態を制御するための役として用いられることもある。
また、小役とは、その図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、予め定められた枚数の遊技メダルが払い出される役であり、小役の種類に応じて、その役に対応する図柄の組み合わせ及び払出される遊技メダルの枚数が異なるように設定されている。本実施形態に係るスロットマシン1においては、図4に示すように小役1〜小役3が設定されている(小役1に対しては小役1A〜小役1Fが設定されている)。なお、小役1A及び小役3における「any」とは、任意の図柄を意味する。このスロットマシン1において、小役1A〜小役1Fの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと3枚の遊技メダルが払い出される。また、小役2の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと6枚の遊技メダルが払い出され、小役3の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと2枚の遊技メダルが払い出される。さらに、リプレイとは、再遊技役であって、当該遊技で投入したメダル枚数を維持して再度遊技が行えるようにした役である。本実施形態に係るスロットマシン1においては、図4に示すようにリプレイ1〜リプレイ10が設定されている。
(リール制御手段120)
リール制御手段120は、操作手段30のスタートレバー32及びストップボタン33が操作されたタイミングに応じて、リール21a〜21cの回転の開始及び停止の制御を行う。より具体的には、図6に示すように、リール制御手段120は、時刻t0においてスタートレバー32が操作されると、リール21a〜21cを回転させ、その後、時刻t1〜t3においてストップボタン33a〜33cが操作される毎に、後述する遊技状態制御手段180で管理されている遊技状態(例えば、通常遊技状態、特別遊技状態等)、役抽選手段110による抽選の結果、並びに、ストップボタン33(左ストップボタン33a、中ストップボタン33b、右ストップボタン33c)が操作されたタイミングに基づいて、当該操作がされたストップボタン33a〜33cに対応するリール21a〜21cの停止位置を決定すると共に、リール駆動手段(ステッピングモータ)22a〜22cの駆動を制御して、その決定した位置でリール21a〜21cの各々の回転を停止させる。このように、リール制御手段120は、リール21a〜21cにより複数の図柄が表示された表示領域を変動表示させる変動表示手段としての機能を有している。
ここで、スロットマシン1のリール表示窓11を含む部分には、図示しないが、図柄組み合わせラインが設けられている。この「図柄組み合わせライン」とは、リール21a〜21cの停止時における図柄の並びラインであって、図柄の組み合わせを形成させるラインである。本実施形態では、上述のようにリール表示窓11に表示される3×3の図柄に対して、水平方向の中段、上段及び下段にそれぞれ設けられたラインと、右下がり及び左下がりの斜め方向の各ラインの合計5本から構成されている。そして、各リール21a〜21cの上下に連続する3図柄は、それぞれ1以上の図柄組み合わせライン上に位置している。なお、この図柄組み合わせラインの構成は一例であって、本発明がこの構成に限定されることはない。
さらに、5本の図柄組み合わせラインのうち、遊技者によって投入された遊技メダルの枚数に応じて、図柄組み合わせラインの中から、有効ラインと無効ラインとが設定される。「有効ライン」とは、本実施形態では、いずれかの役に対応する図柄の組み合わせがそのライン上に停止したときに、入賞と判定されその役に応じた利益が遊技者に付与されるラインである。一方、「無効ライン」とは、図柄組み合わせラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組み合わせがそのライン上に停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(遊技メダルの払い出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組み合わせの成立対象となっていないラインである。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、下段ラインを除く4本が有効ラインとして設定されるように構成されている。
このリール制御手段120は、回転しているリール21a〜21cに対してストップボタン33a〜33cが押されると、その時点から所定の範囲内で対応するリール21a〜21cを停止するように構成されている。具体的には、ストップボタン33a〜33cの各々が押されると、対応するリール21a〜21cの回転を所定の時間Ts内で停止させるように構成されている。この時間Tsは、例えば0.19秒であって、これは、リール21a〜21cに表示されている図柄の4コマ分に相当する。すなわち、リール制御手段120は、ストップボタン33a〜33cが操作された時点で、その操作がされたストップボタン33a〜33cに対応するリール21a〜21cを、当該リールの有効ライン上に位置する図柄を含めて5図柄以内に停止させることができる。そのため、リール制御手段120は、役抽選手段110による抽選の結果、いずれの役にも当選していないときは、いずれかの役を構成する図柄が有効ライン上にあるときにストップボタン33a〜33cが押されたとしても、有効になっている図柄組み合わせライン(有効ライン)上にどの役の図柄の組み合わせも停止しないように、各リール21a〜21cの停止位置を定める。一方、何らかの役に当選している場合には、リール制御手段120は、上記所定の範囲内において、対応する図柄がある場合には有効になっている図柄組み合わせライン(有効ライン)上に当選した役の図柄の組み合わせが停止するように、各リール21a〜21cの停止位置を定める。
また、リール制御手段120は、特別役に当選し、後述する特別役持ち越し手段170によりその特別役が持ち越されている遊技において、小役やリプレイに当選しているときは、これらの小役やリプレイを優先して有効ライン上に停止させるようにリール21a〜21cの作動を制御するように構成されている。なお、このようなリール21a〜21cを停止させる際の制御は、リール制御用のテーブルを用いて行ってもよい。
また、リール制御手段120は、前の遊技と次の遊技との間隔が所定の時間(最小遊技時間)T0以上になるようにリール21a〜21cの作動を制御するように構成されている。すなわち、図6に示すように、時刻t0においてスタートレバー32が操作されてリール21a〜21cが回転を開始したときから最小遊技時間T0が経過した後に次の遊技が開始されたとき(時刻t0から時間T0が経過した時刻t4よりも後の時刻t5において再びスタートレバー32が操作されたとき)は、そのスタートレバー32の操作に応じてリール21a〜21cの回転を開始させる(時刻t5にリール21a〜21cの回転を開始させる)。しかし、図7に示すように、最小遊技時間T0が経過する時刻t4より前の時刻t5′においてスタートレバー32が操作されたときは、リール制御手段120は、スタートレバー32が操作された時点(時刻t5′)ではリール21a〜21cの回転は開始させず、最小遊技時間T0が経過した時点(時刻t4)においてリール21a〜21cの回転を開始させる。なお、この最小遊技時間T0としては、例えば、4.1秒が設定される。
ここで、上述した小役1は、6つの小役1A〜小役1Fから構成されている。この小役1A〜1Fは、図4に示すようにそれぞれの図柄の組み合わせが異なるように構成されている。なお、この小役1A〜小役1Fに対しては、図8(a)に示すように、上述の小役1Aに加えて、小役1AB〜小役1AFの、合計で6つの当選役が割り当てられている。また、この図8(a)において、当選役の括弧内は、小役1AB〜小役1AFに割り当てられた小役1A〜1Fを示し、例えば、当選役として小役1ABが当選したときは、小役1A及び小役1Bが重複して当選することを示している。そして、小役1AB〜小役1AFに対して、ストップボタン33a〜33cの押し順が割り当てられており、例えば、小役1ABが当選したときに、左中右の順でストップボタン33a〜33cが操作されると、リール制御手段120は、中リール21bの中段にベルの図柄を停止させる、すなわち、中段及び2本の斜めの有効ライン上に小役1Aの図柄の組み合わせが3重複で表示させるように構成されている(図8(a)の「○」であって、この図柄の組み合わせを「高目ベル」と呼ぶ)。また、それ以外の押し順でストップボタン33a〜33cが操作されると、リール制御手段120は、中リール21bの上段にベルの図柄を表示させる、すなわち、上段の有効ライン上に小役1Aの図柄を単独表示させるように構成されている(図8(a)の「×」であって、この図柄の組み合わせを「安目ベル」と呼ぶ)。小役1AC〜小役1AFについても同様である。なお、当選役として小役1Aが単独当選したときは、リール制御手段120は、どの順番でストップボタン33a〜33cを操作しても、中リール21bの中段にベルの図柄を表示させるように構成されている。また、上述したように、小役1Aの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、1つの有効ラインに対して3枚の遊技メダルが払い出されるため、小役1Aの図柄が3重複で表示されたときは9枚の遊技メダルが払い出され、単独表示されたときは3枚の遊技メダルが払い出される。なお、小役1ADに当選したときは、最初に中ストップボタン33bが操作されると、中リール21bの中段にベルの図柄が停止し、その後は、左ストップボタン33a又は右ストップボタン33cのいずれを先に操作しても同じ結果であるため、図8(a)におけるストップボタンの押し順を「中−−」と表示している。
また、リプレイは、上述したように10のリプレイ1〜リプレイ10から構成されており、図4に示すようにそれぞれ図柄の組み合わせが異なるように割り当てられている。また、これらのリプレイ1〜10に対しては、図8(b)に示すように、単独のリプレイ1、リプレイ1及びリプレイ2が含まれるリプレイ12A〜リプレイ12F、並びに、リプレイ3及びリプレイ4が含まれるリプレイ34A〜リプレイ34Fが当選役として割り当てられている。このリプレイにおいても図8(b)に示す当選役の括弧内は、上述した小役1の説明と同様である。
これらのリプレイの当選役に対してもストップボタン33a〜33cの押し順が割り当てられており、例えば、リプレイ12Aが当選したときは、ストップボタン33a〜33cが左中右の順で操作がされればリプレイ2の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させ(図8(b)の「2」)、それ以外の押し順で操作がされればリプレイ1の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させる(図8(b)の「1」)ように構成されている。同様に、リプレイ34Aが当選したときは、ストップボタン33a〜33cが左中右の順で操作がされればリプレイ3の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させ(図8(b)の「3」)、それ以外の押し順で操作がされればリプレイ4の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させる(図8(b)の「4」)ように構成されている。リプレイ12B〜リプレイ12F及びリプレイ34B〜リプレイ34Fも同様である。なお、当選役としてリプレイ1が単独当選したときは、リール制御手段120は、どの順番でストップボタン33a〜33cを操作しても、リプレイ1の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させるように構成されている。
また、図9には、後述する各遊技状態における役の当選確率も示している。ここで、各役に示される「−」は、その遊技状態では当該役の抽選は行われないことを示している。なお、MBが当選してその図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったときの特別遊技状態においては、役の抽選が行われた後、全ての小役が当選した状態に書き替えられて遊技が行われる。さらに、どの役にも当選しない確率(いわゆる「ハズレ」の場合の確率)は、特別役、小役及びリプレイ(再遊技役)の当選確率の合計を1から引いた確率である。
ここで、上述したように、リール制御手段120は、ストップボタン33a〜33cの各々が操作されると、対応するリール21a〜21cを、その操作がされたときに有効ライン上に位置する図柄を含めて5図柄以内に停止するように構成されている。図3に示すように、本実施形態に係るスロットマシン1では、リール21a〜21cの何れにおいても、リプレイの図柄は、互いの間隔が5コマ以内になるように配置されている。そのため、リール21a〜21cの各々がどのような回転位置にあったとしても、ストップボタン33a〜33cの操作がされると、リール制御手段120は、有効ライン上にリプレイの図柄を引き込むことができる。同様に、リール制御手段120は、リール21a〜21cのベルの図柄もストップボタン33a〜33cの操作タイミングに関わらず、有効ライン上に引き込むことができる。また、右リール21cのチェリーの図柄も同様である。そのため、これらの図柄で構成されたリプレイ1〜4が当選すると、リール制御手段120は、これらの図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えるように制御する。なお、上述した当選役である小役1A及び小役1AB〜小役1AFに対しては、リール制御手段120は、ストップボタン33a〜33cの押し順により、中リール21bの中段又は上段にベルの図柄が停止するように制御するが、ベルの図柄が揃ったことを遊技者が認識しやすいようにするために、中リール21bの中段にベルの図柄を停止させるときは、左リール21a及び右リール21cの中段にもベルの図柄を停止させ、中リール21bの上段にベルの図柄を停止させるときは、左リール21a及び右リール21cの上段にもベルの図柄を停止させるように構成されている。
(停止図柄判定手段130)
停止図柄判定手段130は、リール21a〜21cの全てが停止したときに、上述の有効ライン上のいずれかに役の図柄の組み合わせが並んでいるか否かを判定し、並んでいるものがあれば当該遊技でその役が成立した(入賞した)と判定する。このとき、停止図柄判定手段130は、リール位置検出手段23a〜23cを用いて、例えばステッピングモータの停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ライン上に位置する図柄を判定し、これに基づいて、役の成立(入賞)の有無を判定する。なお、リール21a〜21cを停止させる際の制御にテーブルを用いている場合には、リール21a〜21cが実際に停止してから停止図柄判定手段130が図柄の組み合わせを判定するのではなく、リール制御手段120によってテーブルを用いてリール21a〜21cの停止位置が定められた時に、有効ライン上に停止する図柄の組み合わせを判定するようにしてもよい。
(払出し制御手段140)
払出し制御手段140は、停止図柄判定手段130による判定の結果、成立(入賞)している役(本実施形態に係るスロットマシンにおいては小役1〜3)に応じたメダルの払出しを行う。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1においては、払出し制御手段140に設けられた遊技媒体貯留手段141により、内部に所定の枚数(例えば50枚)の遊技メダルを貯留することができる(以下、このスロットマシン1の内部に貯留されている遊技メダルを「クレジット」と呼ぶ)。メダル投入口51から最大のベット数(本実施の形態では3枚)以上の遊技メダルが投入されるか、若しくは、遊技メダルが払い出される役に入賞すると、払出し制御手段140は、その遊技メダルを遊技媒体貯留手段141に記憶(内部に貯留)する。なお、貯留されている遊技メダル(クレジット)の枚数が所定の枚数(上述の場合50枚)を超えると、払出し制御手段140は、超えた枚数の遊技メダルの払出しを、ホッパー装置50に行わせるように構成されている。また、払出し制御手段140は、精算ボタン34が操作されると、ベットされている遊技メダル及び貯留されている遊技メダル(クレジット)の払出しを、ホッパー装置50に行わせるように構成されている。このとき、ベットされている遊技メダル及び遊技媒体貯留手段141の貯留数は0になる。
(設定値設定手段150)
設定値設定手段150は、図示しない設定キーの操作により、本実施形態に係るスロットマシン1における役の抽選や払い出しに関する設定等を行うものである。このスロットマシン1においては、電源がオフされている状態で設定キーをオンにして電源を投入し、所定の操作を行って設定値を入力した後、設定キーをオフすると、この設定値が設定値記憶手段151に記憶されるように構成されている。例えば、1〜6までの6段階の設定値を設定することができ、役抽選手段110は、当該設定値に応じて役の当選確率を変化させ、これにより、払い出される遊技メダルの出玉率(払出し率)を変化させるように構成されている。したがって、図9に示す当選確率は一例である。また、本実施形態においては設定値の変更が行われると遊技に関する情報のうちの一部(特別役の当選フラグや通常遊技状態、再遊技確率変動遊技状態などの遊技状態)は保持される一方、他の情報(リールの駆動状態や小役の当選フラグなど)は初期化される。なお、本実施形態に係るスロットマシン1においては、特別遊技状態RT6にあるときは、上記操作を行っても設定値の変更ができないように構成されている。また、ボーナス内部中状態RT4においても設定値の変更ができないように構成しても良い。
図10に示すように、設定値設定手段150は、電源が投入されると、前扉3が開放されていて、且つ、設定キーがオンになっているかを判定する(ステップS530)。さらに、設定値設定手段150は、前扉3が開放された状態で設定キーがオンになっていると判断すると、RAM103の状態をチェックする(ステップS531)。例えば、RAM103が、記憶しているデータのチェックサムを生成してこれらのデータとともに記憶する機能を有する場合、設定値設定手段150は、RAM103の現在のデータから求められるチェックサムと、RAM103に記憶されているチェックサムとを比較し、一致をすればRAM103が正常であると判断し、一致しなければ異常であると判断する。設定値設定手段150は、このRAM103の状態のチェックの結果から(ステップS532)、正常であると判断すると正常な状態で設定値の変更が開始される旨の制御コマンド(正常設定値変更開始コマンド)をサブ制御基板200に送信し(ステップS533)、異常であると判断すると異常がある状態で設定値の変更が開始される旨の制御コマンド(異常設定値変更開始コマンド)をサブ制御基板200に送信する(ステップS534)。そして、設定値設定手段150は、設定キーがオフされるのを監視し(ステップS535)、設定キーがオフされると、設定された設定値を設定値記憶手段151に記憶させるとともに、この設定値を含む制御コマンド(設定値変更終了コマンド)をサブ制御基板200に送信する(ステップS536)。また、ステップS530で設定キーがオフであると判断すると、設定値設定手段150はサブ制御基板200に対して電源断復帰時コマンドを送信する(ステップS537)。
(フラグ情報記憶手段160)
フラグ情報記憶手段160は、役抽選手段110によって何らかの役に対するフラグがオンになった場合に、当選した役の種類及びそのフラグがオンになったことを記憶する。なお、後述するように、フラグ情報記憶手段160に記憶されている情報が消去されるタイミング(当選フラグがオフとなるタイミング)は、特別役とそれ以外の役とで異なっている。すなわち、特別役の場合、フラグ情報記憶手段160に記憶されている情報は、特別遊技の図柄が有効ライン上に揃ったことを条件として消去され、特別役の図柄が有効ライン上に揃わなければ次遊技以降、当該図柄が有効ライン上に揃うまで持ち越されるのに対し、それ以外の役の場合には、その役に対する図柄が有効ライン上に揃うか否かに関わらず、当該遊技の終了の際に消去され、次遊技まで持ち越されることはない。
(特別役持ち越し手段170)
特別役持ち越し手段170は、役抽選手段110により特別役に当選し、フラグ情報記憶手段160に、この特別役に対するフラグが立てられると、当選した特別役の図柄が有効ライン上に揃うまで、その当選役を持ち越し(フラグが立てられた状態を維持し)、特別役の図柄が有効ライン上に揃うと特別役の持ち越しを終了する(フラグが下げられる)。なお、その他の役は、当選した遊技で図柄を揃えることができないと、フラグは下げられる(次遊技に持ち越すことはできない)。
(遊技状態制御手段180)
遊技状態制御手段180は、このスロットマシン1における遊技状態を制御するものであり、通常遊技制御手段181、特別遊技制御手段182、及び、再遊技確率変動遊技制御手段183を有して構成される。図11に示すように、このスロットマシン1の電源が投入されたときやリセットされたとき(「RAMクリア」とも呼ばれる)のような初期状態において、遊技状態制御手段180は、通常遊技制御手段181を実行し、このスロットマシン1は、通常遊技状態(非内部中)RT0になる。ここで、「非内部中」とは、電源投入やRAMクリア時のように特別役に当選していない状態のことを指す。
そして、この通常遊技状態RT0において、役抽選手段110により小役1AB〜小役1AFのいずれかに当選し、当選した役に対応する押し順以外の操作がされると、小役1Aの図柄の組み合わせが有効ラインの上段に単独表示された状態、言い換えると、操作が一致しなかったときの図柄の組み合わせである「安目ベル」が有効ライン上に揃うと、遊技状態制御手段180は、再遊技確率変動遊技制御手段183を起動し、このスロットマシン1は、第1再遊技確率変動遊技状態RT1になる。再遊技確率変動遊技とは、リプレイ(再遊技役)の当選確率が通常遊技状態RT0とは異なるように構成された遊技である。図9に示すように、本実施形態に係るスロットマシン1では、通常遊技状態RT0のときも、第1再遊技確率変動遊技状態RT1のときも、リプレイ(リプレイ1及びリプレイ12A〜リプレイ12Fの合算)の当選確率はほぼ同じである。
このスロットマシン1においては、再遊技確率変動遊技制御手段183は、図11に示すように、リプレイの当選確率が異なる4つの遊技状態を有している。この図11に示すように、第1再遊技確率変動遊技状態RT1のときに、リプレイ2の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、再遊技確率変動遊技制御手段183は、遊技状態を第2再遊技確率変動遊技状態RT2に移行させる。また、第2再遊技確率変動遊技状態RT2のときに、リプレイ3の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、再遊技確率変動遊技制御手段183は、遊技状態を第3再遊技確率変動遊技状態RT3に移行させ、リプレイ4の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、第1再遊技確率変動状態RT1に移行させる。また、第2及び第3再遊技確率変動遊技状態RT2,RT3において、上述の安目ベルが有効ライン上に揃うと、再遊技確率変動遊技制御手段183は、遊技状態を第1再遊技確率変動遊技状態RT1に移行させる。なお、図9に示す第2及び第3再遊技確率変動遊技状態RT2,RT3のように、リプレイ(再遊技役)の当選確率が通常遊技状態よりも高く設定されている遊技状態を「リプレイタイム(RT)」とも呼ぶ。
一方、通常遊技状態RT0及び第1〜第3再遊技確率変動遊技状態RT1〜RT3において、役抽選手段110により特別役に当選すると、ボーナス内部中状態RT4に移行する。ここで、「内部中」とは、特別役に当選はしているが、有効ライン上にこの特別役に対応する図柄の組み合わせを揃えていない状態のことである。本実施形態に係るスロットマシン1の遊技状態制御手段180においては、再遊技確率変動遊技制御手段183が実行される。なお、ボーナス内部中状態RT4に移行すると、特別役持ち越し手段170により、当選した特別役の図柄が有効ライン上に揃うまで当選役が持ち越される(すなわち、ボーナス内部中状態RT4が継続される)。
ボーナス内部中状態RT4において、当選した特別役に対応する図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えると、遊技状態制御手段180は特別遊技制御手段182を実行し(作動させ)、このスロットマシン1は、特別遊技状態RT5になる。特別遊技状態RT5に移行すると、所定の終了条件を満たすまで通常遊技以上の遊技メダルの獲得を期待できる遊技者にとって有利な遊技(特別遊技)が実行される。ここで、所定の終了条件とは、上述したように、例えばその特別遊技状態において、遊技者に対して所定の枚数以上の遊技メダルが払い出された場合である。この特別遊技状態RT5において所定の終了条件が満たされると、特別遊技制御手段182の作動が終了し、通常遊技制御手段181が実行されて通常遊技状態RT0に移行する。
なお、いずれの遊技状態においても、小役に当選して対応する図柄の組み合わせを有効ライン上に揃える(入賞する)と払出し制御手段140により所定の枚数の遊技メダルが払い出され(若しくは貯留され)、リプレイ(再遊技役)に当選して対応する図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えると再遊技が実行されるように構成されている。また、以上の遊技状態の説明は一例であり、本発明がこの遊技状態の遷移に限定されることはない。
また、本実施形態に係るスロットマシン1は、特別役MBに当選してその図柄の組み合わせが有効ライン上に揃って実行される特別遊技状態RT5の遊技において特別役RBに当選すると、当該遊技の最後の処理(リール21a〜21cの全てが停止した後の処理)において、MB遊技の終了条件に関わりなくMB遊技が終了し、ボーナス内部中状態RT4に移行するように構成されている。なお、RBが当選した時点で、MB遊技を終了するように構成しても良い。また、図9には示していないが、MB遊技中の特別役RBの当選確率を通常遊技状態RT0や第1〜第3再遊技確率変動遊技状態RT1〜RT3の場合と同じ当選確率にしても良いし、これらの遊技状態とは異なる当選確率にしても良い。
(フリーズ制御手段190)
フリーズ制御手段190は、所定の条件を満たしたときに、遊技の進行を所定時間不能にする(一時停止状態にする)フリーズを行う。例えば、スロットマシン1の操作手段30の機能を一時停止状態にする「フリーズ演出」としては、遊技媒体の受け付け、または予めクレジットされた遊技媒体のベット数を定めるためのベットボタン31の操作を一時停止状態にすることも考えられるし、遊技を開始するためのスタートレバー32の操作を一時停止状態にすることも考えられるし、ストップボタン33a〜33cによるリール21a〜21cの停止操作を一時停止状態にすることも考えられる。ここで、操作手段30の機能を一時停止状態にする態様としては、遊技者の操作に基づく信号(例えば、遊技媒体の投入を感知するセンサからの信号、ベットボタン31、スタートレバー32またはストップボタン33a〜33cの操作に基づき操作手段30から送信される信号)の受け付けを所定期間行なわない場合があり得る。この場合、所定期間以内に遊技者の操作に基づいて送信された信号を受け付けたときは、受け付けた信号を無効にする制御処理を行なうことも考えられるし、所定期間以内に遊技者の操作に基づいて送信された信号を検知したときであっても、受け付け処理自体を行わないことも考えられる。また、所定期間以内に遊技者の操作に基づいて送信された信号を受け付けたときは、遊技者の操作に基づく信号の受け付けは行なうが、受け付けた信号に基づいて実施する操作手段30の制御処理を所定期間実行せずに、所定期間経過後に受け付けた信号に基づいた制御処理を開始させる場合もあり得る。なお、スタートレバー32のフリーズに関しては、スタートレバー32を操作しても、所定期間リール21a〜21cの回転が開始されない場合や、所定期間、役抽選が開始されない場合を例示することができる。また、このようなフリーズ制御はスタートレバー32の操作時に限定されることはなく、例えば、全てのリール21a〜21cが停止したときに有効ライン上に特別役の図柄の組み合わせが揃っていた場合に(すなわち、次の遊技から特別遊技が行われることが確定したときに)、予め決められた時間だけフリーズ制御を行うように構成することができる。
本実施形態に係るスロットマシン1においては、フリーズ制御の一つとして、予め定められた特定役(ここでは特別役RB)に当選してその図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えることができる遊技において、スタートレバー32の操作後の遊技の進行を所定の時間不能にする制御が行われる。ここで、RBの図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えることができる遊技とは、上述した小役1Aのように必ず揃えることができる役(引込可能役)が当選していない遊技のことである。RBが当選しているボーナス内部中状態RT4において、このような小役1Aが当選すると、遊技者のストップボタン33a〜33cの操作に関わらず、小役1Aの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃い、RBの図柄の組み合わせが当該遊技で揃うことは無くなる。また、小役1Aだけでなく、リプレイ1のようにストップボタン33a〜33cの操作に関わらず揃えることができる役が当選しているときもRBの図柄の組み合わせを揃えることはできず、はずれの場合や小役2,小役3に当選した遊技において、RBを構成する図柄を狙ってストップボタン33a〜33cを操作することにより、このRBの図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えることができる。そのため、本実施形態に係るスロットマシン1においては、RBに当選した遊技以降の遊技において、小役2又は小役3に当選するか又はいずれの役にも当選しない最初の遊技において上述したフリーズを行うように構成されている。このようなフリーズが行われると、遊技者は、特別役であるRBの図柄を狙ってストップボタン33a〜33cを操作しようと試みることができる。
なお、以上の説明では、小役2又は小役3に当選したとき及びいずれの役にも当選しなかったとき(はずれのとき)にフリーズを実行するように構成した場合について説明したが、はずれのときにのみフリーズを行うように構成しても良い。この場合、フリーズが実行される前にRBの図柄の組み合わせが揃ってしまったときは、フリーズの実行をキャンセルするように構成することが好ましい。また、特別役であるRBに当選し、当該遊技でこのRBの図柄の組合せが有効ライン上に揃ってしまうとフリーズを行う意味が無くなるため、このRBが当選するときは、例えば小役1Aのように必ず揃えることができる役が重複して当選するように構成しても良い。なお、入賞したときに遊技メダルの払い出しのある小役2及び小役3については、ベットした枚数と当該小役が入賞したときの払い出し枚数とを比較して、払い出し枚数の方が多い小役についてはフリーズを行わず、少ない小役についてはフリーズを行うようにしても良い。これにより、当選した小役を揃えた方が遊技者に利益があるときはフリーズを行わず、特別役RBを揃えた方が利益があるときはフリーズをして報知するように構成することができる。また、RBが当選した遊技から所定の遊技数が経過するまでは、たとえ引込可能役が当選してもフリーズは行わず、この所定の遊技数の遊技が終了した以降の遊技において、引込可能役が当選したときにフリーズを行うように構成しても良い。また、フリーズを実行可能な状態になっても所定の遊技数の間、引込可能役が当選しないときは、当選役の種類に関わらずフリーズを行うようにしても良い。また、図4に示す小役3のように、左リール21aの上段、中段又は下段のいずれにもチェリーの図柄を停止させることができないと、中リール21b及び右リール21cにリプレイの図柄を引き込んだとしてもこの小役3を入賞させることができないため、左リール21aにチェリー以外の図柄とBB1の図柄が停止したときに、フリーズ制御を発生させてRBの図柄の組み合わせを入賞させることができることを報知するように構成しても良い。
(サブ制御基板200)
このようなスロットマシン1においては、遊技の結果に外部からの影響を加えることができないように、遊技を制御するメイン制御基板100とその遊技に対する演出を制御するサブ制御基板200とは分離して構成されている。そのため、メイン制御基板100は、サブ制御基板200で実行される演出を制御するために、上述の当選結果や遊技状態等の遊技に関する情報(制御状態)を含む制御コマンドをサブ制御基板200に送信するように構成されており、サブ制御基板200の演出制御基板300は、この制御コマンドを受信してその演出の態様を決定し、演出手段40を構成する画像表示装置41、各種演出用ランプ42、及び、放音部(スピーカー)43により映像、光及び音響効果を用いて演出を行うように構成されている。
このサブ制御基板200において演出制御基板300と画像音響生成基板400とは、図5に示すように、バス210に接続されている。演出制御基板300には、サブCPU310、乱数発生器320、RAM330、ROM340及びI/F回路350が設けられており、これらはバス210に接続されている。一方、画像音響生成基板400には、上述のバス210に接続された画像制御IC410及び音源IC440が設けられている。さらに、画像制御IC410には、ビデオRAM420及び画像ROM430と、画像表示装置41が接続されている。また、音源IC440には音源ROM450及びアンプ460が接続され、アンプ460には上部及び下部スピーカー43(43a,43b)が接続されている。また、バス210には、上述の各種演出用ランプ42(42a,42b)も接続されてその点灯・消灯動作が演出制御基板300により制御される。さらにバス210には、サブ入力手段44が接続されている。このサブ入力手段44は、サブ制御基板200で実行される演出に対して遊技者からの指示を与えるものであり、例えば、ボタン及び方向キーから構成されている。このサブ入力手段44は、例えば、図1に示すように、ストップボタン33a〜33cの上方に配置されている。
サブCPU310は、ROM340に記録された演出用制御プログラムをRAM330に展開して実行し、画像音響生成基板400に設けられた画像制御IC410及び音源IC440を制御して、画像表示装置41やスピーカー43(43a,43b)を用いて映像や音響効果による遊技の演出を行うように構成されている。なお、画像表示装置41に表示される映像は、画像制御IC410が、画像ROM430に記憶された画像情報をビデオRAM420に展開して実行することにより表示され、また、スピーカー43(43a,43b)から出力される音響効果(音楽、音声、効果音等)は、音源IC440が音源ROM450から取り出した音響情報から再生され、アンプ460を介してスピーカー43(43a,43b)から出力される。
なお、このサブCPU310で実行される演出は、上述のように、メイン制御基板100から送信される制御コマンドを、サブCPU310がI/F回路350を介して受信し、この制御コマンドに応じて決定・制御されるが、この演出の態様(パターン)の一部は、演出制御基板300に設けられた乱数発生器320で発生された乱数値を用いて決定されるように構成されている。
(メイン制御基板100での処理)
次に、図12〜図18を合わせて用いてメイン制御基板100で制御される各遊技における処理について説明する。ここで、図12は遊技開始時に遊技者がベット操作及びスタートレバー操作をするまでの処理の流れを示すフローチャートであり、図13はリールの回転から停止までの処理の流れを示すフローチャートであり、図14はリール停止後の処理の流れを示すフローチャートであり、図15は役抽選処理のうち特別遊技が実行されているときのフローチャートであり、図16は役抽選処理のうち内部中の遊技及び通常遊技が実行されているときのフローチャートであり、図17はフリーズ実行処理のフローチャートであり、図18は、1回の単位遊技において、メイン制御基板100からサブ制御基板200(演出制御基板300)に送信される制御コマンドの流れの一例を示す説明図である。なお、以降の説明において、メイン制御基板100のメインCPU101で実行される遊技用制御プログラムによる機能を「メイン制御手段」と呼ぶ。
図12に示すように、遊技が開始されると、メイン制御手段は、遊技状態制御手段180により、遊技状態を管理する(ステップS500)。すなわち、前回の遊技において特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったときは、当該特別役に対応する特別遊技の開始のための処理(初期設定等)を行う。そして、メイン制御手段は、遊技の実行が可能になると、現在の遊技状態及び遊技メダルの受付(ベット)が可能になったことを示す遊技状態コマンドC1000をサブ制御基板200に送信する(ステップS501)。
遊技の開始時には、遊技者は、メダル投入ロ51から遊技メダルを投入するか、若しくは、ベットボタン31(1ベットボタン31a又はMAXベットボタン31b)を操作して遊技者の望む遊技メダルの数のベットを行う。メイン制御手段は、このベット操作が行われることを監視し(ステップS502)、ベット操作が行われると、メダル投入口51から投入された遊技メダルの枚数か若しくはベットボタン31の操作によりベットされた遊技メダルの枚数等の情報を含むベット情報をベットコマンドC1001としてサブ制御基板200に送信する(ステップS503)。なお、前の遊技でリプレイ(再遊技役)の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったときは、遊技メダルが自動投入されたことを示すベットコマンドC1001が送信される。
さらに、メイン制御手段は、遊技者によりスタートレバー32が操作されたか否かを監視する(ステップS504)。そして、スタートレバー32が操作されると、役抽選手段110により役の抽選を行う(ステップS505)。この役抽選手段110により役抽選処理は、図15及び図16に示すように、現在の遊技状態に応じて抽選テーブルを切り換えて抽選を行うとともに、特定役であるRBに当選したときはフリーズ制御の設定を行うように構成されている。まず、メイン制御手段は、現在の遊技状態がBBによる特別遊技状態RT5であるか否かを判断し(ステップS5051)、BB中であると判断すると、BB中の抽選テーブルを用いて役の抽選を行い、当選した役があるときはフラグ情報記憶手段160の当該役のフラグをセットし(ステップS5052)、この抽選処理を終了する。また、ステップS5051でBB中でないと判断すると、メイン制御手段は、現在の遊技状態がRBによる特別遊技状態RT5であるか否かを判断し(ステップS5053)、RB中であると判断すると、RB中の抽選テーブルを用いて役の抽選を行い、当選した役があるときはフラグ情報記憶手段160の当該役のフラグをセットし(ステップS5054)、この抽選処理を終了する。また、ステップS5053でRB中でないと判断すると、メイン制御手段は、現在の遊技状態がMBによる特別遊技状態RT5であるか否かを判断し(ステップS5055)、MB中であると判断すると、MB中の抽選テーブルを用いて役の抽選を行う(ステップS5056)。このとき、役抽選手段110は、当選した役があるときはフラグ情報記憶手段160の当該役のフラグをセットするとともに、抽選結果によらずフラグ情報記憶手段160の全ての小役のフラグをセットする(ステップS5057)。さらに、メイン制御手段は、ステップS5056の抽選においてRBに当選したと判断したときは(ステップS5058)、以降の遊技でフリーズを実行することを示すフラグ(以下、「フリーズフラグF1」と呼ぶ)をオン(セット)し(ステップS5059)、この抽選処理を終了する。一方、ステップS5058でRBに当選していないと判断したときは、そのままこの役抽選処理を終了する。なお、図15には図示していないが、メイン制御手段は、このMB遊技中の役抽選でRBに当選すると、遊技状態制御手段180により、遊技状態を特別遊技状態RT5からボーナス内部中状態RT4に切り換える。すなわち、本実施形態に係るスロットマシン1では、MB遊技中にRBに当選すると、当該遊技の最後にMB遊技状態は終了する。
また、ステップS5055でMB中でないと判断すると、メイン制御手段は、現在の遊技状態がボーナス内部中状態RT4であるか否かを判断し(ステップS5060)、内部中であると判断すると、内部中の抽選テーブルを用いて役の抽選を行い、当選した役があるときはフラグ情報記憶手段160の当該役のフラグをセットする(ステップS5061)。そして、役抽選手段110による抽選結果が上述した引込可能役であるか否かを判断し(ステップS5062)、引込可能役でないと判断するとフリーズフラグF1がオンであるかを判断し(ステップS5063)、フリーズフラグF1がオンである場合は、当該遊技でフリーズを実行することを示すフラグ(以下、「フリーズ実行フラグF2」と呼ぶ)をオン(セット)し、また、フリーズフラグF1をオフして(ステップS5064)、この抽選処理を終了する。一方、ステップS5062で当選役が引込可能役であると判断したとき、又は、ステップS5063でフリーズフラグF1がオンされていないと判断したときはそのままこの役抽選処理を終了する。
また、ステップS5060でボーナス内部中状態RT4でないと判断すると、メイン制御手段は、通常遊技の抽選テーブル(通常遊技状態RT0又は第1〜第3再遊技確率変動遊技状態RT1,RT2,RT3のいずれかに対応した抽選テーブル)を用いて役の抽選を行い、当選した役があるときはフラグ情報記憶手段160の当該役のフラグをセットする(ステップS5065)。そして、メイン制御手段は、ステップS5065の抽選においてRBに当選したと判断したときは(ステップS5066)、フリーズフラグF1をオン(セット)し(ステップS5067)、この抽選処理を終了し、RB当選していないと判断したときはそのままこの抽選処理を終了する。
図12に戻り、役抽選手段110による役の抽選が行われると、メイン制御手段は、スタートレバー32が操作された情報(始動操作情報)をスタートレバー受付コマンドC1002としてサブ制御基板200に送信し(ステップS506)、また、例えば、スタートレバー32が操作されたときに、所定時間だけリール21a〜21cの少なくとも一部の回転開始を遅らせる制御(フリーズ制御)が行われる場合には、メイン制御手段のフリーズ制御手段190はサブ制御基板200に対して待機演出コマンドC1003を送信し(ステップS507)、さらに役の抽選結果である当選情報を含み演出態様の決定を指示するための条件装置状態番号コマンドC1004をサブ制御基板200に送信する(ステップS508)。
続いて、メイン制御手段は、リール制御手段120により、リール駆動手段22a〜22cを駆動制御して、すべてのリール21a〜21cを回転させるように制御するが、図13に示すように、まず、所定の条件を満たすと判定したときは(例えば、特別役の一種であるRBに当選し、フリーズ実行フラグF2がオンされていると判定したときは)、フリーズ制御を実行する(ステップS509)。具体的には、図17に示すように、メイン制御手段は、フリーズ実行フラグF2がオンされているか否かを判断し(ステップS5091)、このフリーズ実行フラグF2がオンされていなければ、当該遊技でフリーズは実行しないと判断し、このフリーズ実行処理を終了する。一方、ステップS5091でフリーズ実行フラグF2がオンされていると判断すると、フリーズ制御を実行し、例えば、所定の時間だけリール21a〜21cの回転開始を遅延させる(ステップS5092)。そして、メイン制御手段はフリーズ実行フラグF2をオフして(ステップS5093)、このフリーズ実行処理を終了する。
図13に戻って、メイン制御手段は、前の遊技の開始(リール21a〜21cの回転開始)から最小遊技時間が経過しているかを監視し(ステップS510)、最小遊技時間を経過しているときはこの最小遊技時間のカウントを0にセットして再度計時を開始する(ステップS511)とともに、全てのリール21a〜21cを回転させる(ステップS512)。なお、このステップS512においてリール制御手段120は、各リール21a〜21cの回転を開始させたときに、変動開始情報である第1〜第3回胴回転開始コマンドC1005〜C1007をサブ制御基板200に送信する。ここで、3つのリール21a〜21cのうち、左リール21aの回転が開始すると第1回胴回転開始コマンドC1005が送信され、中リール21bの回転が開始すると第2回胴回転開始コマンドC1006が送信され、右リール21cの回転が開始されると第3回胴回転開始コマンドC1007が送信される。そのため、第1〜第3回胴回転開始コマンドC1005〜C1007は、必ずしも図18に示される順番で送信されるわけではない。このようにして、リール21a〜21cがリール駆動手段22a〜22cによって回転されることで、リール21a〜21c上の図柄は、所定の速度でリール表示窓11内において上下方向に変動表示される。
遊技者が、各ストップボタン33a〜33cを操作すると、そのときに発生する操作信号がメイン制御基板100に入力される。リール21a〜21cが変動表示されている状態で、メイン制御手段は、遊技者のストップボタン33a〜33cに対する停止操作によりこの操作信号が入力されるのを監視し(ステップS513)、この操作信号を受信すると、リール制御手段120により、役の抽選結果とストップボタン33a〜33cが操作されたときのリール21a〜21c上の図柄の位置(受付位置)により、一意の停止位置を決め、ストップボタン33a〜33cに対応するリール駆動手段22a〜22cを駆動制御することにより、そのリール駆動手段22a〜22cに係るリール21a〜21cの停止制御を行う(ステップS514)。ここで、回転する3つのリール21a〜21cに対する停止操作のうち、3つのストップボタン33a〜33cがどの順序で操作されたとしても、最初の操作を第1停止と呼び、次の操作を第2停止と呼び、最後の操作を第3停止と呼ぶ。また、メイン制御手段は、3つのストップボタン33a〜33cが遊技者により押されて、対応するリール21a〜21cの回転が停止される毎に、ストップボタン33a〜33cの操作情報として、第1停止受付コマンドC1008及び回胴回転停止コマンドC1009、第2停止受付コマンドC1010及び回胴回転停止コマンドC1011、並びに、第3停止受付コマンドC1012及び回胴回転停止コマンドC1013をサブ制御手段に送信する(ステップS515)。これらの制御コマンドのうち、第1〜第3停止受付コマンドC1008,C1010,C1012は、ストップボタン33a〜33cの操作を受け付けたことを示すコマンドであり、また、(第1〜第3)回胴回転停止コマンドC1009,C1011,C1013は、リール21a〜21cが停止したこと示すコマンドである。また、このストップボタン33a〜33cの操作情報には、3つのストップボタン33a〜33cのうちの操作されたストップボタンの順番や、中段に停止した図柄の情報(停止位置)、及び、ストップボタン33a〜33cが押されたときのリール21a〜21c各々の位置の情報であって、リール表示窓11の中段にある図柄に関する情報(図柄受付位置情報)が含まれる。このステップS512〜S514の処理は、全てのリール21a〜21cの回転が停止するまで繰り返される(ステップS516)。
次に、図14に示すように、メイン制御手段は、停止図柄判定手段130により、有効ライン上にいずれかの役(抽選により当選した役)に対応する図柄が停止したか否かを判定し(ステップS517)、リール21a〜21cに停止した図柄に応じた演出の開始を指示するための、表示されている図柄の組み合わせに関する情報を示す作動図柄表示コマンドC1014をサブ制御基板200に送信する(ステップS518)。この作動図柄表示コマンドC1014は、例えば、特別役やリプレイの図柄が有効ライン上に揃った場合に、対応する演出の実行をサブ制御基板200に指示するためのコマンドであり、図柄に応じた演出が無い場合も送信される。また、メイン制御手段は、遊技メダルの払出しが開始されたことを示す情報をメダル払出開始コマンドC1015としてサブ制御基板200に送信する(ステップS519)。このメダル払出開始コマンドC1015には、払出されるメダルの枚数が設定されており、遊技メダルが払出される小役以外の図柄が有効ライン上に揃っているときは0枚が設定される。そして、以上の判定の結果、有効ライン上に特別役に対応する図柄(ボーナス図柄)が表示されていると判定したときは(ステップS520)、メイン制御手段は、フリーズ制御手段190により予め決められた時間だけフリーズ制御を行う(ステップS521)。また、有効ライン上にボーナス図柄が揃っていない場合に、小役1〜3に対応する図柄(小役図柄)が揃っている(入賞している)と判定したときは(ステップS522)、メイン制御手段は、払出し制御手段140により入賞した小役に対応する遊技メダルの払い出しを行い(ステップS523)、遊技メダルの払出しが終了するとメダル払出終了コマンドC1016をサブ制御基板200に送信する(ステップS524)。さらに、有効ライン上に小役図柄が揃っていない場合に、有効ライン上にリプレイ1〜4(再遊技役)に対応する図柄(リプレイ図柄)が揃っていると判定したときは(ステップS525)、メイン制御手段は、再遊技を実行する制御を行う(ステップS526)。
また、メイン制御手段は、図11に示す条件に従って、遊技状態制御手段180により遊技状態を設定する(ステップS527)。例えば、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃った場合には、特別遊技制御手段182を実行し、特別遊技状態RT5(上述の場合、BB遊技、RB遊技若しくはMB遊技)に移行させる。また、通常遊技状態RT0や第2又は第3再遊技確率変動遊技状態RT2,RT3のときに安目ベルの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃った場合及び第2再遊技確率変動遊技状態RT2のときにリプレイ4の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃った場合は、再遊技確率変動遊技制御手段183を実行し、第1再遊技確率変動遊技状態RT1に移行させる(その他の再遊技確率変動遊技状態間の移行も同様である)。また、メイン制御手段は、特別遊技状態RT5のときに、上述したような所定の終了条件を満足したと判断すると、通常遊技制御手段181を実行し、通常遊技状態RT0に移行させる。こうして、一回の遊技に対する処理が終了すると、メイン制御手段はその情報を作動終了コマンドC1017としてサブ制御基板200に送信する(ステップS528)。
なお、図18には図示していないが、このスロットマシン1においてエラーが発生したことをメイン制御基板100が検知すると、サブ制御基板200に対してエラー通知コマンドが送信される。例えば、前扉3が開放されたことを検知すると、その旨を通知する制御コマンドとしてエラー通知コマンドがサブ制御基板200に対して送信される。また、エラー状態から正常な状態に復帰したことを検知すると、その旨を通知する制御コマンドとしてエラー解除コマンドがサブ制御基板200に対して送信される。例えば、前扉3が閉じられるとその旨を通知するエラー解除コマンドが送信される。また、メイン制御基板100は、ホッパー装置50において、遊技メダルが詰まったり、払い出す遊技メダルが無いために、遊技メダルの払出しに所定の時間以上を要していたりすることを検知すると、このホッパー装置50に異常がある旨を通知するエラー通知コマンドをサブ制御基板200に送信し、異常状態が解除されてエラー前の状態に戻ると、その旨を通知するエラー解除コマンドが送信される。また、遊技中に何らかの理由により電源が切断された場合には、再度電源が投入されたときに、図10を用いて説明したように、その旨を通知するエラー解除コマンドがサブ制御基板200に対して送信される。さらに、前回の遊技が終了してから次の遊技のスタートレバー32が操作されるまでの間に精算ボタン34が操作されると、精算が開始されたことを精算が終了したことを示す制御コマンドがメイン制御基板100からサブ制御基板200に送信される。
(演出制御基板300による演出)
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1では、メイン制御基板(メイン制御手段)100で制御される遊技の進行に応じて、単位遊技ごとに、サブ制御基板200の演出制御基板300で実行される演出制御手段により演出パターンが選択され、画像表示装置41、演出用ランプ42、放音部43等からなる演出手段40を用いた演出が実行される。具体的には、メイン制御基板100から送信される制御コマンドに基づいて、スタートレバー32が操作されてから第3停止のストップボタン33(33a〜33cのいずれか)が操作されて全てのリール21a〜21cが停止するまでの間に行う演出パターン、全てのリールが停止したときに何らかの役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃っていた(入賞していた)場合に行う演出パターン、及び、次の遊技のベットボタン31の操作時に行う演出パターンを決定し、この演出パターンに基づいて演出を行う。以下、この演出制御手段による演出実行処理について図19〜図21を用いて説明する。ここで、図19は、演出実行処理を示すフローチャートであり、図20は、演出状態決定処理を示すフローチャートであり、図21は、演出状態終了処理を示すフローチャートである。
演出制御手段は、図19に示すように、メイン制御基板100から送信されるスタートレバー受付コマンドC1002を監視する(ステップS600)。そして、スタートレバー受付コマンドC1002を受信してスタートレバー32が操作されたと判断すると、遊技状態コマンドC1000に含まれる遊技状態、待機演出コマンドC1003に含まれるフリーズ制御の有無、場合によってはフリーズ制御の種類、フリーズ時間、及び、条件装置状態番号コマンドC1004に含まれる条件装置状態番号(役抽選手段110による役の抽選結果)等の遊技情報を取得し(ステップS601)、これらに基づいて演出状態を決定する(ステップS602)。
ここで、演出状態としては、通常の遊技状態(図11における通常遊技状態RT0や第1再遊技確率変動遊技状態RT1)での演出を実行する通常演出状態、フリーズ制御手段190でフリーズ制御が行われるときの演出を実行するフリーズ演出状態、役抽選手段により特別役が当選してボーナス内部中状態RT4となったときの演出を実行する内部中演出状態、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃って特別遊技状態RT5となり特別遊技が実行されるときの演出を実行する特別演出状態、この演出制御手段で管理する演出条件に基づいて実行される演出であって、AT遊技とRT遊技とが組み合わされたART遊技のための演出を実行するART演出状態等がある。なお、AT遊技とは、上述した小役1AB〜小役1AFやリプレイ12A〜リプレイ12F並びにリプレイ34A〜リプレイ34Fのようにストップボタン33a〜33cの押し順を伴う役が当選したときに、その押し順を上述の画像表示装置41等を用いて遊技者に報知することにより(以下、「アシスト」と呼ぶ)、遊技者に有利な遊技を提供するものである。また、RT遊技とは、遊技状態制御手段180により制御される再遊技確率変動遊技状態のうち、とくに、リプレイ(再遊技役)の当選確率が通常遊技状態RT0よりも高く設定されている遊技状態(第2及び第3再遊技確率変動遊技状態RT2,RT3)において行われる遊技である。なお、AT遊技として、ストップボタン33a〜33cの押し順を報知するのではなく、当選した小役の種類を報知するように構成することも可能である。なた、内部中演出状態の演出としては、特別役に当選して特別遊技が実行されることが確定していることを報知する演出、又は、当選している特別役の種類を報知する演出が含まれる。
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1においては、特別役であるMBに当選し、その図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、次の遊技から所定の終了条件を満たすまで(遊技メダルの払出枚数が所定枚数(例えば、253枚)を超えるまで)、特別遊技の一種であるMB遊技が実行される。しかしながら、このMB遊技において特別役であるRBに当選すると、当該遊技の最後でMB遊技が終了し、ボーナス内部中状態RT4に移行してしまう。一方、演出制御手段は、上述したようにメイン制御基板100における遊技状態に応じた演出が実行されている。そのため、MB遊技が実行されているときは、このMB遊技に対応した演出が実行されている。例えば、演出として登場するキャラクタやストーリーの紹介映像等の実行や当該MB遊技で獲得した遊技メダルの合計枚数の表示、あるいは、当該MB遊技で獲得することができる残り遊技メダルの枚数の表示、又は、当該MB遊技で実行された遊技数の表示が演出として実行される。ここで、RB当選によるMB遊技の終了とともに、MB遊技に対応する演出も終了してしまうと、遊技者はRBに当選していることを容易に知ることができる。そのため、RBに当選してその図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えることができるときにフリーズを行ったとしても、遊技者は既にRBの当選を知っており、フリーズが遊技者に与える効果(驚きや、RB当選への期待・喜び)はほとんど無くなってしまう。
そこで、本実施形態に係るスロットマシン1において、演出制御基板300で実行される演出制御手段は、MB遊技が実行されている遊技においてRBに当選したときは、そのRBに対するフリーズが実行される遊技まではMB遊技に対する演出を継続するように構成されている。上述した演出実行処理では、ステップS602で決定される演出状態により演出パターンが選択されるため、本実施形態においては、MBに対する特別演出状態のときにRBに当選しても、次の遊技からすぐに内部中演出状態に移行するのではなく、RBに対するフリーズが実行される遊技まではMBに対する特別演出状態を継続するように構成されている。ここでは、MB遊技に対する特別演出状態(MB演出状態)を中心に、演出状態決定処理S602について説明する。なお、演出制御手段は、演出状態を演出制御基板300のRAM330等に記憶して管理しているものとする。
この演出状態決定処理S602において、図20に示すように演出制御手段は、現在の演出状態がMB演出状態であるか否かを判断し(ステップS6021)、MB演出状態であると判断すると、次に、条件装置状態番号コマンドC1004に含まれる条件装置状態番号がRBの当選を示すものであるか否かを判断する(ステップS6022)。演出制御手段は、MB演出状態にあるときにRBに当選したと判断すると、MB継続フラグF3をオンにし(ステップS6023)、この演出状態決定処理を終了する。一方、ステップS6022でRBに当選していないと判断すると、MB演出状態を継続してこの演出状態決定処理を終了する。また、ステップS6021でMB演出状態でないと判断すると、演出制御手段は、MB継続フラグF3がオンであるか否かを判断し(ステップS6024)、MB継続フラグF3がオンであると判断すると、次に、待機演出コマンドC1003から現在の遊技でフリーズが実行されるか否かを判断し(ステップS6025)、フリーズが実行されると判断すると、MB継続フラグF3をオフし(ステップS6026)、フリーズ演出状態に設定して(ステップS6027)、この演出状態決定処理を終了する。一方、ステップS6025において現在の遊技でフリーズが実行されないと判断すると、そのままこの演出状態決定処理を終了する。また、ステップS6024でMB継続フラグF3がオフであると判断すると、遊技状態コマンドC1000に含まれる遊技状態、及び、この演出制御手段で管理されている演出条件に応じて演出状態を設定し(ステップS6028)、この演出状態決定処理を終了する。
図19に戻って、演出制御手段は、遊技情報等から演出状態を決定すると、その演出状態に応じた抽選テーブルを選択し、選択した抽選テーブルを用いて演出パターンを抽選により決定する(ステップS603)。ここで、演出制御手段は、上述の演出状態ごとに抽選テーブルが設けられており、演出状態に応じた抽選テーブルを選択することにより、演出状態に応じた演出パターンを選択することができる。なお、演出制御手段は、演出状態が内部中演出状態であっても、MB継続フラグF3がオンであるときは、MB演出状態のときの抽選テーブルを用いて演出パターンの抽選を行うように構成されている。そして、抽選により決定された演出パターンに基づいて、演出制御手段は、スタートレバー32が操作されてから全てのリール21a〜21cが停止するまでの間の演出(演出1)を実行する(ステップS604)。例えば、MB演出状態であるとき、又は、MB継続フラグF3がオンであるときは、上述したように、MB遊技に対応する演出として、キャラクタやストーリーを紹介する演出(動画)が実行され、また、フリーズ演出状態であるときは、メイン制御基板100におけるフリーズの実行に対応して、特別役RBが当選していることを報知する演出が実行される。なお、上述したようにフリーズが実行されるとMB継続フラグF3はオフされるため、当該遊技でRBの図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えることができなかったときは、次遊技以降において、内部中演出状態の演出が実行される(例えば、RBの当選を報知する演出(ボーナス確定演出)が実行される)。
次に、演出制御手段は、メイン制御基板100から送信される回胴回転停止コマンドC1009,C1011,C1013を監視し(ステップS605)、全てのリール21a〜21cが停止したと判断すると、作動図柄表示コマンドC1014より有効ライン上に停止した図柄の組み合わせを取得し(ステップS606)、その図柄の状態及び遊技メダルの払い出し枚数や現在の演出状態、特に特別演出状態やART演出状態の終了判定を行い、所定の条件を満たすときは現在の演出状態を終了する(ステップS607)。具体的には、図21に示すように、演出制御手段は、現在の演出状態がMB演出状態であるか否かを判断し(ステップS6071)、MB演出状態であると判断すると、次に、当該MB遊技において払い出された遊技メダルの総枚数が上限値を超えたか(MB遊技の終了条件を満たしたか)を判断し(ステップS6072)、満たしたと判断するとMB演出状態を終了して(ステップS6073)、この演出状態終了処理を終了する。また、ステップS6072で終了条件を満たしていないと判断すると、MB演出状態を継続して演出状態終了処理を終了する。一方、ステップS6071でMB演出状態でないと判断すると、次に、MB継続フラグF3がオンであるか否かを判断し(ステップS6074)、MB継続フラグがオンであると判断すると、この演出状態終了処理を終了する。また、ステップS6074でMB継続フラグF3がオフであると判断すると、遊技状態や遊技メダルの払出枚数、その他、現在実行している演出状態の終了条件を満たしたか否かを判断し(ステップS6075)、終了条件を満たしたと判断すると、現在の演出状態を終了する(ステップS6076)。例えば、BB又はRBに対応する特別演出状態であるときは、それぞれの特別遊技の終了条件を満たしているかをメイン制御基板100から送信される制御コマンドに基づいて判定する。また、ART遊技の場合には、この演出制御手段で管理されている演出条件により終了を判断する。一方、ステップS6075で終了条件を満たしていないと判断すると、現在の演出状態を継続してこの演出状態終了処理を終了する。
そして、図19に戻って、演出制御手段は、ステップS606で取得した停止図柄の状態に応じた演出や、上述の演出状態の終了に応じた演出(演出2)を実行する(ステップS608)。例えば、小役1〜小役3の図柄の組み合わせが揃ったときやリプレイ1〜リプレイ4の図柄の組み合わせが揃ったときは、当該役に対応する演出を実行し、いずれの役の図柄の組み合わせも揃わなかったときは、ハズレのときの演出を実行する。また、特別役の図柄の組み合わせが揃ったときは、次の遊技から特別遊技が実行されることを報知する演出を実行する。また、特別遊技やART遊技が終了する(上述した特別演出状態やART演出状態が終了する)と判断したときは、その旨を報知する演出を実行する。このとき、上述したように、MB遊技中に当選した特別役RBと、MB遊技中でないときに当選した特別役RBとでは、対応する特別遊技における演出が異なっているため(例えば、AT演出が実行される確率が異なっている)、この終了演出も特別役RBが当選したときの状態に応じて異なるように構成しても良い。
さらに、演出制御手段はメイン制御基板100から送信されるベットコマンドC1001を監視し(ステップS609)、ベット操作がされたときは、次遊技のスタートレバー32が操作されるまでの間の演出(演出3)を実行し(ステップS610)、一回の遊技に対する演出の実行を終了する。なお、MB継続フラグF3がオンの状態で、RBの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったときは、ステップS607においてこのMB継続フラグをオフにする。
このように、メイン制御手段(メイン制御基板100)においては、MB遊技が実行されているとき(特別遊技状態RT5にあるとき)にRBが当選すると、当該遊技の最後に、MB遊技が終了してボーナス内部中状態RT4に移行するが、演出制御基板300で実行される演出制御手段は、RBが当選してもMB遊技に対応する演出をフリーズが実行される遊技まで継続するため、遊技者に対してRBの当選を察知されにくくすることができる。そのため、RBの図柄の組み合わせを有効ライン上に揃える事ができる状態になってフリーズが実行されると、遊技者は、RBの当選及びその図柄を揃えることができる状態であることを知るため、このスロットマシン1に対する遊技者の興味を惹きつけることができる。
ここで、本実施形態に係るスロットマシン1において、演出制御手段は、RB遊技に対応する演出において、押し順が割り当てられている小役1AB〜小役1AFが当選した場合には、抽選を行い、当選した場合にはその押し順を報知するAT演出を実行するように構成されている。上述したように、MB遊技中にRBが当選してMB遊技が終了すると、メイン制御基板100においては、特別遊技状態RT5が終了してボーナス内部中状態RT4に移行するため、本来、MB遊技で得られる利益を失ってしまうことになる。そのため、MB遊技中にRBが当選したときは、そのRB遊技において、AT演出の当選確率を高くすることが望ましい。あるいは、MB遊技中にRBが当選したときは、上述したAT演出が実行される権利を、演出制御手段で付与するように構成しても良い。これにより、MB遊技で得ることができなかった利益を補填することができる。このように、MB遊技中に特別役であるRBに当選すると、MB遊技中でないときにRBに当選するよりも、その特別遊技において遊技者が得ることができる利益が多くなる。そのため、MB遊技中に当選したRBによる特別遊技がMB遊技中でないときに当選したRBによる特別遊技に比べて有利な遊技であることを報知するために、MB遊技中に当選したRBとMB遊技中以外で当選したRBとで、実行されるフリーズを異なる制御にしたり(異なるフリーズ制御の種類や時間にする)、フリーズに対応して演出制御手段で実行される演出を異なる演出にしても良い。また、MB遊技中にRBに当選したときは、このRBの図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えることができる遊技においてフリーズを実行し、MB遊技中以外でRBに当選したときは、たとえその図柄の組み合わせ有効ライン上に揃えることができる遊技であってもフリーズを実行しないように構成しても良い。なお、MB遊技中に特別役RBに当選してフリーズが実行されるときに演出制御手段で実行される演出(フリーズ演出)は、MB遊技の演出に関連する演出を実行することが好ましい。
また、図5等には図示していないが、メイン制御基板100には、このメイン制御基板100で実行されている遊技の遊技状態に応じて、スロットマシン1に取り付けられたランプ又はホールに設置されたデータ表示器を点灯するための外部出力手段が設けられており、この外部出力手段から出力される信号によりランプやデータ表示器が点灯・消灯するように構成されている。例えば、特別遊技状態の時に点灯するランプ又はデータ表示器が設けられている。このとき、上述したように、MB遊技中にRBに当選してボーナス内部中状態RT4に移行してランプ又はデータ表示器が消灯してしまうと、演出制御基板300(演出制御手段)側でMB遊技に対応する演出を継続してもこのランプ又はデータ表示器の状態によって遊技者が現在の状態を知ってしまうことになる。そのため、メイン制御基板100は、RBに対応するフリーズが実行される遊技又はRBの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うまではこのランプ又はデータ表示器の点灯状態を継続するように、外部出力手段に対する信号出力を継続するように構成することが好ましい。
また、上述したように、特別役であるRBに当選し、全てのリール21a〜21cが停止したときに有効ライン上にRBの図柄の組み合わせが揃っていたときは、遊技の進行を所定時間不能にする(一時停止状態にする)フリーズを実行するように構成しても良い。また、RB遊技の終了条件を満たしたとき(ボーナスゲームを12回行うか、8回入賞したとき)に、フリーズを実行するように構成しても良い。また、RB以外の特別役の図柄が揃ったとき(入賞したとき)や、その特別遊技が終了するときも同様のフリーズを実行するように構成することができる。この場合、MB遊技中に当選したRBに対するフリーズの時間(入賞時や終了時のフリーズ時間)を、MB中にRBを狙ってその図柄を揃えることができるときのフリーズ時間(スタートレバー操作時に実行されるフリーズの時間)に置き換えるように構成しても良い。スタートレバー操作時のフリーズと入賞時や終了時のフリーズの時間が異なる場合には、このように置き換えることにより、特別な特別役(MB遊技中に当選したRB)に対する遊技者に有利な特別遊技であることを報知することができる。