JP2013207538A - 回路装置、発振装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】広い温度範囲に亘って広範囲の発振周波数に対応可能な発振動作を実現する回路装置、発振装置及び電子機器等の提供。
【解決手段】回路装置は、発振子XTALの発振用トランジスターBTを有する発振回路10と、発振回路10に対して電流を供給する電流供給回路20を含む。電流供給回路20は、発振回路10のバイポーラ型の発振用トランジスターBTのコレクターに対してコレクター電流供給用のバイアス電流IDを供給すると共に、電流値が負の温度特性を有するベース電流IBを、発振用トランジスターBTのベースに対して供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、回路装置、発振装置及び電子機器等に関する。
従来より、TCXO(temperature compensated crystal oscillator)と呼ばれる温度補償型水晶発振装置が知られている。このTCXOは、例えば携帯端末などの無線機器のRF回路の基準信号源等として用いられている。TCXOを実現する回路装置の従来技術としては例えば特許文献1に開示される技術がある。
この従来技術では、回路装置に内蔵したメモリーからの制御信号に基づいて、発振周波数に適したコレクター電流供給用のバイアス電流を、バイポーラ型の発振用トランジスターに供給する。そして、発振用トランジスターのコレクター電圧(コレクター電位)と電源電圧(電源電位)との間の電圧差が確保できるように、コレクター・エミッター間に設けられる帰還抵抗の値を、コレクター電流に応じて調整することで、安定した発振条件を得ている。
しかしながら、発振用トランジスターの温度特性が原因で、特に低温ほどコレクター電圧が上昇してしまう。一方、高い周波数で安定的に発振させるためには、発振用トランジスターへ供給するバイアス電流を増加させる必要があるが、帰還抵抗に流れるベース電流もそれに伴って増加してしまう。このため、コレクター電圧は更に増加してしまい、バイアス電流供給用トランジスターのドレイン・ソース間電圧を確保するのが困難になる。この結果、バイアス電流が飽和してしまい、安定した発振を実現できなくなるという課題がある。
特開2009−124214号公報
本発明の幾つかの態様によれば、広い温度範囲に亘って広範囲の発振周波数に対応可能な発振動作を実現する回路装置、発振装置及び電子機器等を提供できる。
本発明の一態様は、発振子の発振用トランジスターを有する発振回路と、前記発振回路に対して電流を供給する電流供給回路とを含み、前記電流供給回路は、前記発振回路のバイポーラ型の前記発振用トランジスターのコレクターに対してコレクター電流供給用のバイアス電流を供給すると共に、電流値が負の温度特性を有するベース電流を、前記発振用トランジスターのベースに対して供給する回路装置に関係する。
本発明の一態様によれば、発振回路の発振用トランジスターのコレクターに対してコレクター電流供給用のバイアス電流が供給されると共に、負の温度特性を有するベース電流が、発振用トランジスターのベースに対して供給される。このようにすれば、例えば温度変動等により発振用トランジスターの特性が変化し、所望の発振周波数の発振動作に必要なベース電流が増減した場合等に、このベース電流の増減に連動して発振用トランジスターのベースに供給されるベース電流を増減させることが可能になる。従って、広い温度範囲に亘って広範囲の発振周波数に対応可能な発振動作を実現できるようになる。
また本発明の一態様では、前記電流供給回路は、少なくとも1つのバイポーラ型の基準電流生成トランジスターにより構成され、少なくとも1つの前記基準電流生成トランジスターのベースに流れる電流に基づいて、第1の基準電流を生成する基準電流生成回路を含み、前記電流供給回路は、前記第1の基準電流に基づき生成される前記ベース電流を、前記発振用トランジスターの前記ベースに対して供給してもよい。
このようにすれば、バイポーラ型の基準電流生成トランジスターのベースに流れる電流を用いて、第1の基準電流を生成し、この第1の基準電流に基づき生成されるベース電流を、発振用トランジスターのベースに対して供給することが可能になる。従って、基準電流生成トランジスターのベース電流の増減に連動して、発振用トランジスターのベースに供給されるベース電流も増減させることが可能になり、発振用トランジスターの特性等の変動による悪影響を効果的に低減できる。
また本発明の一態様では、前記基準電流生成回路は、少なくとも1つの前記基準電流生成トランジスターとして、制御信号に基づいてオン・オフ制御されるバイポーラ型の第1〜第Mのトランジスターを含んでもよい。
このようにすれば、制御信号に基づいて第1の基準電流の電流値を調整し、調整後の第1の基準電流に基づくベース電流を、発振用トランジスターのベースに対して供給できるため、より柔軟なベース電流の調整が可能になる。
また本発明の一態様では、前記基準電流生成回路は、少なくとも1つの前記基準電流生成トランジスターのコレクターに流れる電流に基づいて、第2の基準電流を生成し、前記電流供給回路は、前記第2の基準電流に基づき生成される前記バイアス電流を、前記発振用トランジスターの前記コレクターに対して供給してもよい。
このようにすれば、バイポーラ型の基準電流生成トランジスターのコレクターに流れる電流を用いて、第2の基準電流を生成し、この第2の基準電流に基づき生成されるバイアス電流を、発振用トランジスターのコレクターに対して供給することが可能になる。
また本発明の一態様では、前記電流供給回路は、前記ベース電流を供給する第1のカレントミラー回路と、前記バイアス電流を供給する第2のカレントミラー回路とを含み、前記第1のカレントミラー回路は、前記第1の基準電流が流れる第1の基準電流トランジスターと、前記第1の基準電流トランジスターのゲート及びドレインにそのゲートが接続され、前記ベース電流を供給する第1の電流供給トランジスターとを含み、前記第2のカレントミラー回路は、前記第2の基準電流が流れる第2の基準電流トランジスターと、前記第2の基準電流トランジスターのゲート及びドレインにそのゲートが接続され、前記バイアス電流を供給する第2の電流供給トランジスターとを含んでもよい。
このような第1のカレントミラー回路を設けれることで、負の温度特性を有する第1の基準電流をカレントミラーすることにより、負の温度特性を有するベース電流を生成して、発振用トランジスターのベースに供給できるようになる。また、このような第2のカレントミラー回路を設けることで、例えばフラットな温度特性を有する第2の基準電流のカレントミラーすることにより、フラットな温度特性を有するバイアス電流を生成して、発振用トランジスターのコレクターに供給できるようになる。
また本発明の一態様では、前記基準電流生成回路は、基準バイアス電流が流れるバイポーラ型の基準バイアス電流トランジスターと、前記基準バイアス電流トランジスターのコレクターに、そのゲートが接続され、前記基準バイアス電流トランジスターのベース及び少なくとも1つの前記基準電流生成トランジスターの前記ベースに、そのソースが接続され、前記第1の基準電流が流れる調整トランジスターとを含んでもよい。
このようにすれば、ベース電流の補償用の調整トランジスターを有効活用して、第1の基準電流に負の温度特性を持たせ、これにより、発振用トランジスターのベースに供給されるベース電流にも負の温度特性を持たせることが可能になる。
また本発明の一態様では、前記基準電流生成回路は、少なくとも1つの前記基準電流生成トランジスターと並列に設けられ、前記第1の基準電流の初期電流がベースに流れるバイポーラ型の初期電流トランジスターと、高電位側電源ノードと前記初期電流トランジスターのコレクターとの間に設けられ、前記初期電流トランジスターのコレクターに対して電流を供給するダイオードとを含んでもよい。
このようにすれば、初期電流トランジスターのサイズ等によって、第1の基準電流の初期電流値を制御することで、ベース電流の電流値を柔軟に設定することが可能になる。
また本発明の一態様では、前記発振回路は、前記発振用トランジスターのコレクター・ベース間に設けられる帰還抵抗を含み、前記電流供給回路は、前記バイアス電流に基づき前記帰還抵抗を介して前記発振用トランジスターの前記ベースへと供給される電流を補助する補助ベース電流を、前記ベース電流として、前記発振用トランジスターの前記ベースに対して供給してもよい。
このように補助ベース電流によりベース電流を補充すれば、例えばプロセス変動や周囲温度の変化に起因して発振用トランジスターの特性が変動した場合にも、発振用トランジスターのコレクター電圧の上昇を抑制し、安定した発振動作を実現できるようになる。
また本発明の一態様では、前記発振回路は、前記補助ベース電流の供給ノードと前記発振用トランジスターの前記ベースとの間に設けられる抵抗を含んでもよい。
このような抵抗を設ければ、補助ベース電流の供給ノードの寄生容量等に起因して、発振の閉ループ内のインピーダンスが低下してしまうなどの事態を効果的に抑制できる。
また本発明の一態様では、前記発振回路は、前記発振子の一端にその一端が接続される第1のキャパシターと、前記発振子の他端が接続される第2のキャパシターとを含んでもよい。
このような第1のキャパシターと第2のキャパシターを発振子の一端と他端に設けることで、発振用トランジスターを用いた安定した発振動作を実現できる。
また本発明の一態様では、前記電流供給回路は、制御信号に基づいて電流値が可変に制御される前記ベース電流を、前記発振用トランジスターの前記ベースに対して供給してもよい。
このようにベース電流の電流値を可変に設定すれば、発振用トランジスターの特性のバラツキに対してベース電流の電流値を最適に制御することが可能になる。
また本発明の他の態様は、上記のいずれかに記載の回路装置と、前記発振子とを含む発振装置に関係する。
また本発明の他の態様は、上記のいずれかに記載の回路装置を含む電子機器に関係する。
本実施形態の回路装置及び発振装置の基本的な構成例。 本実施形態の回路装置の詳細な第1の構成例。 本実施形態の比較例の回路装置の構成例。 図4(A)〜図4(C)は比較例の問題点についての説明図。 図5(A)〜図5(C)は本実施形態の回路装置の動作説明図。 図6(A)、図6(B)は本実施形態の回路装置の有利点についての説明図。 本実施形態の回路装置の詳細な第2の構成例。 本実施形態の回路装置の詳細な第3の構成例。 本実施形態の電子機器の構成例。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.基本構成
図1に本実施形態の回路装置及びこれを含む発振装置の基本的な構成例を示す。本実施形態の回路装置は、発振回路10、電流供給回路20を含む。また回路装置は、温度補償電圧発生回路28、制御回路30、メモリー40を含むことができる。なお、本実施形態の回路装置の構成は図1の構成には限定されず、その一部の構成要素(例えば温度補償電圧発生回路)を省略・変更したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
また本実施形態の発振装置は、発振回路10や電流供給回路20等で構成される回路装置と、発振子XTAL(振動子、圧電振動子、水晶振動子)を含む。例えば本実施形態の回路装置がICチップにより実現される場合には、発振子XTALは、回路装置であるICチップの外付け部品とすることができる。或いは発振子XTALと回路装置を1つのパッケージに収容した構成としてもよい。
発振回路10は、発振子XTAL(圧電振動子、水晶振動子)に接続される。具体的には第1、第2の発振子用端子TX1、TX2(発振子用パッド)を介して発振子XTALに接続される。発振回路10は、電圧を印加することで固有振動を起こす発振子XTALを一定の周波数で発振させるための回路である。
電流供給回路20(定電流生成回路)は発振回路10に対して電流を供給する。例えばバイアス電流等の発振用の各種電流を供給する。
温度補償電圧発生回路28は、TCXOを実現するための温度補償電圧を発生して、発振回路10に出力する。これにより発振周波数の温度補償が実現される。
制御回路30は、発振回路10、電流供給回路20、温度補償電圧発生回路28、メモリー40の制御を行う。また外部とのインターフェース処理なども行う。この制御回路30は、例えばスタンダードセルやゲートアレイ等のロジック回路により実現できる。
メモリー40は、回路装置の動作に必要な各種の情報を記憶する。例えば電流供給回路20の電流調整に必要な情報や、温度補償電圧発生回路28が温度補償処理を行うために必要な情報などを記憶する。このメモリー40は例えば不揮発性メモリーなどにより実現できる。或いはメモリー40の機能をトリミング回路(ヒューズ回路)などにより実現してもよい。
そして本実施形態では発振回路10は、発振子XTALの発振用トランジスターBTを有する。そして電流供給回路20は、発振回路10のバイポーラ型の発振用トランジスターBTのコレクターに対してコレクター電流供給用のバイアス電流IDを供給すると共に、電流値が負の温度特性を有するベース電流IBを、発振用トランジスターBTのベースに対して供給する。
例えば高い発振周波数での安定した発振動作を実現するためには、一定電流値以上のコレクター電流が必要である。従って、周囲温度が変化して低温状態になったとしても、一定電流値以上のコレクター電流を発振用トランジスターBTに流すことが望ましい。
ところが、発振用トランジスターBTの電流増幅率hfeは正の温度特性を有しており、低温状態になると、電流増幅率hfeが減少してしまう。このため、発振用トランジスターBTの電流増幅が不足して、一定電流値以上のコレクター電流を流すのが困難になる。
この点、本実施形態では電流供給回路20が、電流値が負の温度特性を有するベース電流IBを発振用トランジスターBTのベースに対して供給する。従って、例えば低温状態において電流増幅率hfeが減少したとしても、これを補うように、電流供給回路20から供給されるベース電流IBの電流値が、その負の温度特性により増加するようになる。従って、周囲温度が変化して低温状態になったとしても、一定電流値以上のコレクター電流を発振用トランジスターBTに流すことが可能になり、高い発振周波数での安定した発振動作を実現できるようになる。即ち、広い温度範囲に亘って広範囲の発振周波数に対応した発振動作を実現できるようになる。
2.第1の構成例
図2に本実施形態の回路装置の詳細な第1の構成例を示す。なお、本実施形態の回路装置の構成は図2の構成には限定されず、その一部の構成要素を省略・変更したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
図2の発振回路10は、第1、第2のキャパシターC1、C2を含む。また第3のキャパシターC3を含むことができる。第1のキャパシターC1は、発振子XTAL(圧電振動子)の一端(第1の発振子用端子)にその一端が接続される。第2のキャパシターC2は、発振子XTALの他端(第2の発振子用端子)が接続される。第3のキャパシターC3は、発振子XTALの一端にその一端が接続される。
具体的には、キャパシターC1は、発振子XTALの一端側のノードN1とVSSノード(広義には低電位側電源ノード)との間に設けられる。キャパシターC2は、発振子XTALの他端側のノードN2とVSSノードとの間に設けられる。このノードN2は発振用トランジスターBTのベースに接続される。キャパシターC3は、バイアス電流IDの供給ノードNSDとノードN1との間に設けられる。
発振用トランジスターBTは、エミッター接地のバイポーラ型トランジスターであり、そのコレクターはバイアス電流IDの供給ノードNSDに接続され、そのエミッターはVSSノードに接続される。またベースはノードN2に接続され、ノードN2の電圧VBがバッファー回路BUFに入力されて、発振回路10の出力信号SQ(発振クロック信号)として出力される。
発振回路10は、発振用トランジスターBTのコレクターとベースとの間に設けられる帰還抵抗RFを含む。この帰還抵抗RFを介して、電流供給回路20からのバイアス電流IDから分流したベース電流IB1が、発振用トランジスターBTのベースに供給されることになる。即ち、電流供給回路20が、発振回路10の発振用トランジスターBTのコレクターに対してコレクター電流供給用のバイアス電流IDを供給すると、このバイアス電流IDの一部がベース電流IB1として、発振用トランジスターBTのベースに供給されるようになる。
そして更に電流供給回路20は、図1で説明した負の温度特性を有するベース電流IBとして、補助ベース電流IB2を発振用トランジスターBTのベースに対して供給する。この補助ベース電流IB2は、バイアス電流IDに基づき帰還抵抗RFを介して発振用トランジスターBTのベースへと供給される電流IB1(バイアス電流から分流したベース電流)を補助(補充)する電流である。なお、以下では、負の温度特性を有するベース電流IBが補助ベース電流IB2である場合を主に例にとり説明する。但し、負の温度特性を有する本実施形態のベース電流IBは、このような補助ベース電流IB2に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。
発振回路10は抵抗R1を含む。この抵抗R1は、補助ベース電流IB2の供給ノードNSBと発振用トランジスターBTのベースとの間に設けられる。このような抵抗R1を設けることで、補助ベース電流IB2の電流供給トランジスターTB3を設けたことによる悪影響を低減できる。即ち、抵抗R1を設けないと、ノードN2が電流供給トランジスターTB3のオン抵抗を介してVCCノードに接続されて、発振回路10の負性抵抗の低下を発生させるなど、発振動作に悪影響を及ぼすおそれがある。この点、抵抗R1を設ければ、ノードN2とVCCノードが高抵抗により分離され、R1の抵抗値により、このようなインピーダンスの低下を抑制できるため、発振動作への悪影響を低減できるようになる。即ち、発振の閉ループ内のインピーダンス低下を抑制でき、発振電力の低下や位相雑音特性の劣化等の発生を抑制できる。
電源供給回路20は基準電流生成回路24を含む。この基準電流生成回路24は、少なくとも1つのバイポーラ型の基準電流生成トランジスター(BA1〜BAM等)により構成され、この少なくとも1つの基準電流生成トランジスターのベースに流れる電流に基づいて、第1の基準電流IRF1を生成する。そして電流供給回路20は、第1の基準電流IRF1に基づき生成される補助ベース電流IB2(広義にはベース電流)を、発振用トランジスターBTのベースに対して供給する。
また基準電流生成回路24は、少なくとも1つの基準電流生成トランジスター(BA1〜BAM等)のコレクターに流れる電流に基づいて、第2の基準電流IRF2を生成する。そして電流供給回路20は、第2の基準電流IRF2に基づき生成されるバイアス電流IDを、発振用トランジスターBTのコレクターに対して供給する。
具体的には図2では、基準電流生成回路24は、少なくとも1つの基準電流生成トランジスターとして、制御信号GA1〜GAM(第1〜第Mの制御信号)に基づいてオン・オフ制御されるバイポーラ型の第1〜第M(Mは2以上の整数)のトランジスターBA1〜BAMを含む。また基準電流生成回路24は、第1、第2の基準電流IRF1、IRF2のデフォルト電流(デフォルトのベース電流、デフォルトのコレクター電流)を流すためのバイポーラ型のトランジスターBTRを含む。
例えばトランジスターBA1〜BAMのベースとノードNBSとの間には、スイッチ素子SA1〜SAMが設けられている。これらのスイッチ素子SA1〜SAMは、メモリー40の記憶内容に基づき生成される制御信号GA1〜GAMによりオン・オフ制御され、これによりトランジスターBA1〜BAMがオン・オフ制御される。またトランジスターBA1〜BAMのコレクターはノードNBRFに接続されている。
例えば制御信号GA1がアクティブになって、スイッチ素子SA1がオンになると、トランジスターBA1のベースがノードNBSに接続され、これによりトランジスターBA1がオンになる。また制御信号GA2がアクティブになって、スイッチ素子SA2がオンになると、トランジスターBA2のベースがノードNBSに接続され、これによりトランジスターBA2がオンになる。トランジスターBA3〜BAM、スイッチ素子SA1〜SAMの動作も同様である。
そして、第1の基準電流IRF1は、基準電流生成トランジスターBA1〜BAMのうちオンになったトランジスターのベースに流れるベース電流と、トランジスターBTRのベースに流れるデフォルトのベース電流により生成される。
また第2の基準電流IRF2は、基準電流生成トランジスターBA1〜BAMのうちオンになったトランジスターのコレクターに流れるコレクター電流と、トランジスターBTRのコレクターに流れるデフォルトのコレクター電流により生成される。
例えば制御信号GA1によりスイッチ素子SA1がオンとなり、他のスイッチ素子SA2〜SAMがオフとなる場合を考える。この場合には、第1の基準電流IRF1は、トランジスターBTRに流れるデフォルトのベース電流に対して、オンとなったトランジスターBA1に流れるベース電流を加算した電流となる。また第2の基準電流IRF2は、トランジスターBTRに流れるデフォルトのコレクター電流に対して、オンとなったトランジスターBA1に流れるコレクター電流を加算した電流となる。
また制御信号GA1、GA2によりスイッチ素子SA1、SA2がオンとなり、他のスイッチ素子SA3〜SAMがオフとなる場合を考える。この場合には、第1の基準電流IRF1は、トランジスターBTRに流れるデフォルトのベース電流に対して、オンとなったトランジスターBA1及びBA2に流れるベース電流を加算した電流となる。また第2の基準電流IRF2は、トランジスターBTRに流れるデフォルトのコレクター電流に対して、オンとなったトランジスターBA1及びBA2に流れるコレクター電流を加算した電流となる。
なお図2等では、制御信号GA1〜GAMをメモリー40を用いて生成しているが、本実施形態はこれに限定されず、トリミング回路(ヒューズ回路)やレジスタ設定等により制御信号GA1〜GAMを生成してもよい。
また図2に示すように基準電流生成回路24は、基準バイアス電流IBSが流れるバイポーラ型の基準バイアス電流トランジスターBTBと、第1の基準電流IRF1が流れる調整トランジスターTCを含む。調整トランジスターTCは、基準バイアス電流トランジスターBTBのコレクターに、そのゲートが接続され、基準バイアス電流トランジスターBTBのベース及び少なくとも1つの基準電流生成トランジスター(BA1〜BAM等)のベースに、そのソースが接続される。この調整トランジスターTCは、ベース電流の補償用のトランジスターであり、例えばN型のMOSトランジスターにより実現される。また基準バイアス電流トランジスターBTBに流れる基準バイアス電流IBSは、電流源ISにより生成される。この基準バイアス電流IBSは、例えば温度変動に対して電流値が一定に保たれるフラットな温度特性の電流(定電流)である。
図2のような調整トランジスターTCを用いてフィードバック制御を行うことで、ベース電流の補償が行われるようになる。そして、調整トランジスターTCに流れる電流を、第1の基準電流IRF1として用いることで、第1の基準電流IRF1に負の温度特性を持たせることが可能になり、これにより補助ベース電流IB2にも負の温度特性を持たせることが可能になる。
また電流供給回路20は、補助ベース電流IB2(広義にはベース電流)を供給する第1のカレントミラー回路CM1と、バイアス電流IDを供給する第2のカレントミラー回路CM2を含む。
第1のカレントミラー回路CM1は、第1の基準電流IRF1が流れる第1の基準電流トランジスターTB1と、第1の基準電流トランジスターTB1のゲート及びドレインにそのゲートが接続され、ベース電流IB2を供給する第1の電流供給トランジスターTB3を含む。これらのトランジスターTB1、TB3は、例えばP型のMOSトランジスターである。
また第2のカレントミラー回路CM2は、第2の基準電流IRF2が流れる第2の基準電流トランジスターTB4と、第2の基準電流トランジスターTB4のゲート及びドレインにそのゲートが接続され、バイアス電流IDを供給する第2の電流供給トランジスターTB2を含む。これらのトランジスターTB4、TB2は、例えばP型のMOSトランジスターである。
具体的には、電流供給トランジスターTB3は、電源電圧VCCのノードとベース電流供給ノードNSBとの間に設けられる。また基準電流トランジスターTB1は、VCCのノード(広義には高電位側電源ノード、第1の高電位側電源ノード)と、調整トランジスターTCとの間に設けられる。
一方、電流供給トランジスターTB2は、VCCをレギュレート(降圧)した電源電圧であるVREGのノード(広義には高電位側電源ノード、第2の高電位側電源ノード)とバイアス電流供給ノードNSDとの間に設けられる。また基準電流トランジスターTB4は、VREGのノードと、ノードNBRFとの間に設けられる。なお、電源電圧VREGは、定電圧源22(定電圧生成回路、レギュレーター)が電源電圧VCCに基づいて生成する。
図2のような第1のカレントミラー回路CM1を設けることで、負の温度特性を有する第1の基準電流IRF1のカレントミラーにより、負の温度特性を有する補助ベース電流IB2(ベース電流)を生成して、発振用トランジスターBTのベースに供給できるようになる。また第2のカレントミラー回路CM2を設けることで、フラットな温度特性を有する第2の基準電流IRF2のカレントミラーにより、フラットな温度特性を有するバイアス電流IDを生成して、発振用トランジスターBTのコレクターに供給できるようになる。
図3に本実施形態の比較例の回路装置を示す。図3の比較例では、図2の本実施形態の回路装置とは異なり、負の温度特性を有するベース電流の生成回路は設けられていない。具体的には、負の温度特性を有する補助ベース電流の生成回路や、補助ベース電流の供給経路は設けられていない。そして発振用トランジスターBTのコレクター・ベース間に設けられる帰還抵抗RFにより、バイアス電流IDの一部が、ベース電流IB1として発振用トランジスターBTのベースに供給される。
そして、前述したように発振用トランジスターBTの温度特性が原因で、特に低温ほどコレクター電圧VCが上昇してしまうという課題がある。例えば図3において、ベース電圧VBはベース・エミッター間電圧VBEと等しく、VBEは負の温度特性を有しているため、低温になるとベース電圧VB=VBEは上昇する。そして、コレクター電圧は、VC=VBE+IB1×RF=VB+IB1×RFの関係式で表されるため、低温になるとコレクター電圧VCも上昇してしまう。
一方、高い周波数で安定的に発振動作を行わせるためには、発振用トランジスターBTへ供給するバイアス電流ID(コレクター電流)を増加させる必要がある。しかしながら、バイアス電流IDを増加させると、それに伴って、帰還抵抗RFに流れるベース電流IB1も増加してしまう。このため、コレクター電圧VCは更に上昇してしまい、電流供給トランジスターTB2のドレイン・ソース間電圧VDSを確保するのが難しくなる。
この点、図3の比較例では、発振用トランジスターBTに流すバイアス電流IDに応じて、帰還抵抗RFの抵抗値を調整することで、コレクター電圧VCの上昇を抑制している。
しかしながら、回路装置のプロセス変動や周囲温度の変化が原因で、発振用トランジスターBTの電流増幅率hfeが低下した場合等には、コレクター電圧VCの上昇を抑えることが難しくなり、回路装置の電源電圧の低電圧化の妨げとなる。
例えば図4(A)に示すように、電流増幅率hfeは正の温度特性を有しており、低温になるとhfeは減少する。ここで、電流増幅率hfeは、コレクター電流ICとベース電流IB1により、hfe=IC/IB1と表されるため、ID=IC+IB1=hfe×IB1+IB1=(hfe+1)×IB1となる。従って、hfeが減少した場合に、十分なバイアス電流ID(コレクター電流)を流すためには、hfeが減少した分だけベース電流IB1を増加させる必要がある。ところが、ベース電流IB1を増加させると、ベース電流IB1が流れる帰還抵抗RFでの電圧降下が大きくなり、コレクター電圧VCは更に上昇してしまう。例えば図4(B)のように、低温になってコレクター電圧VCが上昇すると、電流供給トランジスターTB2のドレイン・ソース間電圧VDSを確保するのが難しくなる。従って、図4(C)に示すように、低温においては、トランジスターTB2から十分なバイアス電流IDを供給することが困難になり、安定した発振動作を維持できなくなってしまう。
一方、コレクター電圧VCの上昇を抑えるために、帰還抵抗RFの抵抗値を低く設定すると、発振の閉ループ内のインピーダンス低下を招き、発振電力の低下、更には位相雑音特性の劣化等の問題を招いてしまう。即ち、帰還抵抗RFの抵抗値が低くなると、電流供給トランジスターTB2の寄生容量(ドレイン・サブストレート間容量等)が原因で、発振周波数でのインピーダンスが低下してしまい、発振余裕度が低下するなどして発振動作に悪影響を及ぼしてしまう。
このため図2では、発振用トランジスターBTに対してバイス電流IDを供給すると共に、補助ベース電流IB2を供給する。このようにすれば、高い周波数の発振のためにバイアス電流IDを増やした場合にも、帰還抵抗RFを大きな抵抗値にしたままで、コレクター電圧VCの上昇を抑えることが可能になる。即ち、帰還抵抗RFの抵抗値を高くできることで、発振の閉ループ内のインピーダンス低下を抑制することが可能になる。また、コレクター電圧VCの上昇を抑えることで、電流供給トランジスターTB2のドレイン・ソース間電圧VDSを確保することができるため、バイアス電流IDが飽和して安定発振が維持できなくなる事態を抑止できるようになる。
次に図2の本実施形態の回路装置について詳細に説明する。図2では、メモリー40の記憶データに基づく制御信号GA1〜GAMにより、基準電流IRF2の電流値が設定される。具体的には、トランジスターBA1〜BAM、BTRのコレクター電流により基準電流IRF2が生成される。この基準電流IRF2は、フラットな温度特性の基準バイアス電流IBSから、トランジスターBTBとトランジスターBA1〜BAM、BTRにより構成されるカレントミラー回路のカレントミラーにより生成される電流であるため、フラットな温度特性を有する。従って、この基準電流IRF2から、カレントミラー回路CM2のカレントミラーにより生成されるバイアス電流IDも、フラットな温度特性を有することになる。
また図2では、メモリー40の記憶データに基づく制御信号GA1〜GAMにより、基準電流IRF1の電流値が設定される。具体的には、トランジスターBA1〜BAM、BTRのベース電流により基準電流IRF1が生成される。この基準電流IRF1は、負の温度特性を有するベース電流により生成されるため、負の温度特性を有する。従って、この基準電流IRF1から、カレントミラー回路CM1のカレントミラーにより生成される補助ベース電流IB2も、負の温度特性を有することになる。これにより、負の温度特性の補助ベース電流IB2を、発振用トランジスターBTのベースに供給できるようになる。
例えばTCXOにおいては、電源電圧VCCの変動があった場合にも、発振周波数を高い精度で安定させる必要がある。このため図2では、定電圧源22(レギュレーター、定電圧生成回路)により電源電圧VCCから生成された定電圧のVREGが、電源供給回路20のバイアス電流用のトランジスターTB2、TB4の電源として供給される。従って、このレギュレーターからの電源電圧VREGが例えば1.5Vというような低い電圧であっても、トランジスターTB2のドレイン・ソース間電圧VDSを十分に確保して、発振用トランジスターBTのバイアス電流IDを飽和させないようにすることが望まれる。
また、図2において、基準電流IRF1は、電流供給回路20のトランジスターBA1〜BAM、BTR等のベース電流を補償する働きがあるが、温度変動やプロセス変動によってトランジスターの電流増幅率hfeが変動すると、それに連動して基準電流IRF1の電流値も変化する。従って、発振用トランジスターBTの温度特性を補正する形態で、発振用トランジスターBTのベースに補助ベース電流IB2を供給できるようになる。
さて、図2の本実施形態の回路装置では、電流供給回路20が、バイアス電流IDに加えて、補助ベース電流IB2を発振回路10に供給することで、上述のように発振用トランジスターBTのコレクター電圧VCの上昇を抑制している。
この場合に本実施形態では、上述のように補助ベース電流IB2に対して負の温度特性を持たせているが、ここでは、まず、図5(A)を用いて、負の温度特性を有しない補助ベース電流IB2を供給した場合について説明する。
例えば発振周波数が38.4MHzであり、この周波数での安定発振に必要なコレクター電流が400μAである場合を想定する。このとき、電流増幅率のティピカル値がhfe=80であったとすると、38.4MHzの周波数での安定発振に必要なベース電流は、図5(A)に示すように5μAとなる。そして図5(A)では、トランジスターTB3から抵抗R1を介して発振用トランジスターBTのベースに対して、5μAの補助ベース電流IB2を供給している。例えば基準電流IRF1=20μAとし、トランジスターTB1とTB3のサイズ比(W/L比)を4:1に設定すれば、トランジスターTB3から発振用トランジスターBTのベースに対して、5μAの補助ベース電流IB2が供給されるようになる。
そして上述のように、38.4MHzの安定発振に必要なベース電流は5μAであるため、バイアス電流IDから帰還抵抗RFを介して発振用トランジスターBTのベースに分流されるベース電流IB1は、図5(A)では例えば0μAになる。従って、帰還抵抗RFでの電圧降下は生じず、コレクター電圧VCを低い電圧に維持できる。例えば前述のように、VC=VBE+IB1×RF=VB+IB1×RFと表される。従って、ベース電圧がVB=VBE=0.6Vである場合には、コレクター電圧もVC=VB+0×RF=VB=0.6Vとなる。このため、例えば電源電圧VREGが1.5Vというように低い電圧であったとしても、トランジスターTB2のドレイン・ソース間電圧VDSを確保できる。
また、例えば低温状態(−40度)になり、ベース・エミッター間電圧VBEが例えば0.6Vから0.8Vに上昇したとしても、コレクター電圧VCは0.8Vとなるため、トランジスターTB2のドレイン・ソース間電圧VDSを確保できる。
また、プロセス変動や低温状態において、電流増幅率がhfe=40というように低めに振れたとする。この場合には、38.4MHzの周波数での安定発振に必要なベース電流は、図5(A)に示すように10μAとなる。そして、この10μAのベース電流のうち、5μAは補助ベース電流IB2により補充されるため、帰還抵抗RFに流れるベース電流IB1は5μAになる。このため、帰還抵抗RFでの電圧降下は、RF=50KΩとすると、0.25Vとなる。従って、コレクター電圧はVC=VBE+IB1×RF=0.6+0.25=0.85Vとなるため、VDSを確保できる。
更に、低温状態において、ベース・エミッター間電圧VBEが0.8Vに上昇したとしても、VC=0.8+0.25=1.05Vとなるため、電源電圧VREGが1.5Vであったとしても、安定したバイアス電流IDの供給が可能になる。また本実施形態によれば、帰還抵抗RFを、50KΩというように十分に大きな抵抗値に確保できるため、トランジスターTB2の寄生容量に起因する、発振の閉ループ内のインピーダンス低下を抑止することができ、安定した発振余裕度を確保することができる。
一方、プロセス変動や高温状態において、電流増幅率がhfe=160というように高めに振れたとする。この場合には、38.4MHzの周波数での安定発振に必要なベース電流は、図5(A)に示すように2.5μAとなる。そして、5μAの補助ベース電流IB2が供給されるため、ベース電流が2.5μAだけ過剰になり、帰還抵抗RFを介してベース側からコレクター側にIB1=2.5μAの電流が流れる。これにより、コレクター電圧VCがベース電圧VBよりも0.125Vだけ低下するが、発振用トランジスターBTの発振動作を継続することは可能になる。
以上のように、図5(A)のように補助ベース電流IB2が負の温度特性を持たず、フラットな温度特性であったとしても、コレクター電圧VCの上昇を抑制して、トランジスターTB2のドレイン・ソース間電圧VDSもある程度確保できるようになる。
しかしながら、発振周波数の範囲が広範囲になった場合や、電流増幅率hfe等のプロセス変動や温度変動が大きい場合には、図5(A)のように補助ベース電流IB2の温度特性がフラットのままであると、これに対応できないおそれがある。例えば図5(A)において、高温状態になって電流増幅率hfeが大きくなった場合には、発振用トランジスターBTのベース側からコレクター側に電流が逆流するようになり、コレクター電圧VCが低下してしまう。そして、このコレクター電圧VCの電圧降下が大きいと、発振用トランジスターBTの飽和動作を保証できなくなるおそれがある。
そこで本実施形態では図5(B)、図5(C)に示すように、補助ベース電流IB2(広義にはベース電流)に対して負の温度特性を持たせている。
図5(B)は、発振周波数が例えば38.4MHzであり、この周波数での安定発振に必要なコレクター電流が例えば400μAである場合の例である。このとき、電流増幅率hfeがティピカル値である80である場合には、この周波数での安定発振に必要なベース電流は5μAとなる。そして図5(B)に示すように、この5μAのベース電流のうちの4μAが、補助ベース電流IB2により供給され、残りの1μAが、帰還抵抗RFを介したベース電流IB1により供給されることになる。
一方、低温状態において、電流増幅率hfeが低めに振れて例えば40になると、38.4MHzの周波数での安定発振に必要なベース電流は10μAになる。そして図5(B)に示すように、この10μAのベース電流のうちの9μAが、補助ベース電流IB2により供給され、残りの1μAが、帰還抵抗RFを介したベース電流IB1により供給されることになる。
この場合に図5(A)のように補助ベース電流IB2の温度特性がフラットであると、ベース電流IB1は5μAとなり、帰還抵抗RF(=50KΩ)での電圧降下により、コレクター電圧VCが0.25Vだけ上昇してしまう。
この点、図5(B)のように補助ベース電流IB2に負の温度特性を持たせれば、低温状態では補助ベース電流IB2が4μAから9μAというように増加するため、帰還抵抗RFに流れるベース電流IB1の電流値を、1μAというように図5(A)に比べて低い値に抑えることができる。従って、帰還抵抗RF(=50KΩ)での電圧降下は0.05Vとなり、図5(A)に比べてコレクター電圧VCの上昇を更に抑制することが可能になる。これにより、トランジスターTB2のドレイン・ソース間電圧VDSを十分に確保できるようになる。
また、高温状態において、電流増幅率hfeが高めに振れて例えば160になると、38.4MHzの周波数での安定発振に必要なベース電流は2.5μAになる。そして図5(B)に示すように、この2.5μAのベース電流のうちの1.5μAが、補助ベース電流IB2により供給され、残りの1μAが、帰還抵抗RFを介したベース電流IB1により供給されることになる。
この場合に図5(A)のように補助ベース電流IB2の温度特性がフラットであると、ベース電流IB1が−2.5μというように負の電流値となり、発振用トランジスターBTのベース側からコレクター側にベース電流IB1が逆流して、コレクター電圧VCが不必要に低下してしまうおそれがある。
この点、図5(B)のように補助ベース電流IB2に負の温度特性を持たせれば、高温状態では補助ベース電流IB2が4μAから1.5μAというように減少するため、図5(A)のようにベース電流IB1が逆流してしまう事態を防止できる。従って、コレクター電圧VCが不必要に低下して、発振用トランジスターBTの飽和動作を維持できなくなるような事態の発生を、効果的に防止できるようになる。
図5(C)は、発振周波数が例えば52MHzであり、この周波数での安定発振に必要なコレクター電流が例えば800μAである場合の例である。このとき、電流増幅率hfeがティピカル値である80である場合には、この周波数での安定発振に必要なベース電流は10μAとなる。そして図5(C)に示すように、この10μAのベース電流のうちの8μAが、補助ベース電流IB2により供給され、残りの2μAが、帰還抵抗RFを介したベース電流IB1により供給されることになる。
一方、低温状態において、電流増幅率hfeが低めに振れて例えば40になると、52MHzの周波数での安定発振に必要なベース電流は20μAになる。そして図5(C)に示すように、この20μAのベース電流のうちの18μAが、補助ベース電流IB2により供給され、残りの2μAが、帰還抵抗RFを介したベース電流IB1により供給されることになる。
そして、このようにベース電流IB1が2μAであれば、帰還抵抗RF(=50KΩ)での電圧降下は0.1Vとなり、コレクター電圧VCの上昇を十分に抑制することが可能になる。従って、発振周波数が38.4MHzから52MHzというように上昇した場合にも、トランジスターTB2のドレイン・ソース間電圧VDSを十分に確保して、安定した発振動作を実現できるようになる。
また、高温状態において、電流増幅率hfeが高めに振れて例えば160になると、52MHzの周波数での安定発振に必要なベース電流は5μAになる。そして図5(C)に示すように、この5μAのベース電流のうちの3μAが、補助ベース電流IB2により供給され、残りの2μAが、帰還抵抗RFを介したベース電流IB1により供給されることになる。
従って、発振周波数が38.4MHzから52MHzというように上昇した場合においても、ベース電流IB1の逆流によりコレクター電圧VCが不必要に低下して、発振用トランジスターBTの飽和動作を維持できなくなるような事態の発生を、効果的に防止できるようになる。
例えば図6(A)では、外部の電源電圧VCCから定電圧源22により生成された電源電圧VREGは1.5Vとなっている。この場合に、従来では図6(A)のB1に示すように、低温状態になった場合に、コレクター電圧VCが高くなって、電源電圧VREGに近づいてしまい、トランジスターTB2のドレイ・ソース間電圧VDSを確保できなくなってしまう。このため図6(B)のB2、B3に示すように、バイアス電流IDが飽和してしまい、安定した発振動作を実現できなくなってしまう。
この点、本実施形態によれば、例えば図6(A)のA1に示すように、低温状態でのコレクター電圧VCの上昇を抑制できるため、トランジスターTB2のドレイ・ソース間電圧VDSを十分に確保することが可能になる。このため図6(B)のA2、A3に示すように、バイアス電流IDが飽和してしまう事態を抑制することができ、安定した発振動作を実現できるようになる。
特に本実施形態によれば、図6(B)のA2、A3に示すように、発振周波数が38.4MHzである場合のみならず、発振周波数が52MHzである場合にも、バイアス電流IDが飽和してしまう事態を効果的に抑制できる。即ち、38.4MHzよりも高い52MHzの発振周波数で動作させるために、バイアス電流IDを例えば400μから800μAに増加させた場合に、本実施形態では、基準電流IRF1自体もそれに連動して増加する。従って、補助ベース電流IB2の供給能力が低下することなく、コレクター電圧VCの上昇を抑制することが可能となり、広範囲の発振周波数において、安定したバイアス電流IDを供給して、安定した発振動作を維持できるようになる。
以上のように本実施形態によれば、プロセス変動や周囲温度の変化に起因して、発振用トランジスターBTの電流増幅率hfeが大きく変動した場合にも、発振用トランジスターBTのコレクター電圧VCの上昇を低く抑えることができ、電源電圧の低電圧化等を図れるようになる。
また、発振用トランジスターBTの補助ベース電流IB2(ベース電流)に負の温度特性を持たせているため、帰還抵抗RFに流れる電流IB1を、広い温度範囲に亘って軽減することが可能になる。これにより、帰還抵抗RFの抵抗値を高くすることができ、発振の閉ループ内のインピーダンス低下を抑えることができる。従って、十分な発振電力を得ることができる。また、発振電力が上がることから、位相雑音のノイズフロアーを低減することができ、低ノイズ化等も実現できるようになる。
また本実施形態では、基準電流IRF1については、バイポーラ型のトランジスターBA1〜BAM等のベース電流により生成している。そして、この基準電流IRF1を、カレントミラー回路CM1によりカレントミラーすることで、補助ベース電流IB2を生成して、発振用トランジスターBTのベースに対して供給している。
また本実施形態では、基準電流IRF2については、バイポーラ型のトランジスターBA1〜BAM等のコレクター電流により生成している。そして、この基準電流IRF2を、カレントミラー回路CM2によりカレントミラーすることで、バイアス電流IDを生成して、発振用トランジスターBTのコレクターに対して供給している。
即ち、本実施形態では、トランジスターBA1〜BAM等のベース電流により生成された補助ベース電流IB2が、発振用トランジスターBTのベースに供給され、トランジスターBA1〜BAM等のコレクター電流により生成されたバイアス電流IDが、発振用トランジスターBTのコレクターに供給されるようになる。従って、プロセス変動や温度変動によるトランジスターの特性の変化を効果的に相殺することが可能になる。
また本実施形態では、ベース電流の補償用に用いられる調整トランジスターTCを有効活用して、基準電流IRF1に負の温度特性を持たせて、補助ベース電流IB2に負の温度特性を持たせることに成功している。従って、補助ベース電流IB2の負の温度特性を、最小限の回路追加で実現することが可能になる。そして補助ベース電流IB2に負の温度特性を持たせることで、図5(B)、図5(C)等で説明したように、より広範囲の発振周波数に対応して、より広い温度範囲で安定した発振動作を維持することに成功している。
3.第2の構成例
図7に本実施形態の回路装置の詳細な第2の構成例を示す。なお、本実施形態の回路装置の構成は図7の構成には限定されず、その一部の構成要素を省略・変更したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
図7の第2の構成例では、補助ベース電流を供給するトランジスターのサイズが調整可能になっている点が、図2の第1の構成例と異なっている。なお、図2の第1の構成例と同様の部分については、同じ符号を付けて詳細な説明を適宜省略する。
図7の第2の構成例では、電流供給回路20は、制御信号GB1〜GBNに基づいて電流値が可変に制御される補助ベース電流IB2(広義にはベース電流)を、発振用トランジスターBTのベースに対して供給する。即ち、電流供給回路20は、メモリー40からの制御信号GB1〜GBNの設定により、補助ベース電流IB2の電流値を可変に制御する。
具体的には、電流供給回路20は、少なくとも1つの電流供給トランジスターTB3として、VCCのノードと、補助ベース電流IB2の供給ノードNSBとの間に並列に設けられる第1〜第N(Nは2以上の整数)のトランジスターTB31〜TB3Nを含む。これらの第1〜第NのトランジスターTB31〜TB3Nは例えばP型のMOSトランジスターである。
また、電流供給回路20は、第1〜第NのトランジスターTB31〜TB3Nに対して直列に設けられ、制御信号GB1〜GBNに基づいてオン・オフ制御される第1〜第Nのスイッチ素子SB1〜SBNを含む。これらのスイッチ素子は例えばMOSトランジスターなどにより実現できる。
例えばトランジスターTB31とスイッチ素子SB1は、VCCのノードとノードNSBの間に直列に設けられる。トランジスターTB32〜TB3Nとスイッチ素子SB2〜SBNの接続関係も同様である。そして、制御信号GB1によりスイッチ素子SB1がオンになると、トランジスターTB31からの電流が、補助ベース電流IB2として供給されるようになる。また制御信号GB1、GB2によりスイッチ素子SB1、SB2がオンになると、トランジスターTB31及びTB32の両方からの電流が、補助ベース電流IB2として供給されるようになり、補助ベース電流IB2の電流値を増やすことが可能になる。
なお図7ではメモリー40の記憶内容に基づいて制御信号GB1〜GBNを生成しているが、トリミング回路やレジスター設定により制御信号GB1〜GBNを生成してもよい。
以上に説明した図7の第2の構成例によれば、補助ベース電流IB2の電流値を、制御信号GB1〜GBNの設定により可変に制御することが可能になる。これにより、発振用トランジスターBTの電流増幅率hfeのバラツキに応じて、補助ベース電流IB2の電流値を最適に設定することが可能になる。例えば電流増幅率hfeがプロセス変動等によりばらついた場合にも、補助ベース電流IB2の電流値を最適に設定して、コレクター電圧VC等を最適に設定することが可能になる。
例えば電流増幅率hfeが低くなった場合には、基準電流IRF1の電流値が増えるため、ノードNSBに接続されるトランジスターTB31〜TB3Nの個数を減らして、TB31〜TB3Nにより構成されるトランジスターTB3のサイズを小さくする。これにより、電流増幅率hfeが低くなった場合にも、所望の補助ベース電流IB2を得ることが可能になる。
一方、電流増幅率hfeが高くなった場合には、基準電流IRF1の電流値が減少するため、ノードNSBに接続されるトランジスターTB31〜TB3Nの個数を増やして、TB31〜TB3Nにより構成されるトランジスターTB3のサイズを大きくする。これにより、電流増幅率hfeが高くなった場合にも、所望の補助ベース電流IB2を得ることが可能になる。
4.第3の構成例
図8に本実施形態の回路装置の詳細な第3の構成例を示す。なお、本実施形態の回路装置の構成は図8の構成には限定されず、その一部の構成要素を省略・変更したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
図8の第3の構成例では、電流供給回路20の基準電流生成回路24に、初期電流トランジスターBAIとダイオードDIを設けた点が、図2の第1の構成例と異なっている。なお、図2、図7の第1、第2の構成例と同様の部分については、同じ符号を付けて詳細な説明を適宜省略する。また本実施形態の回路装置は、図2、図7、図8の特徴を組み合わせた構成であってもよい。
図8の第3の構成例の初期電流トランジスターBAIは、トランジスターSA1〜SAM等(広義には少なくとも1つの基準電流生成トランジスター)と並列に設けられる。そして初期電流トランジスターBAIは、第1の基準電流IRF1の初期電流IRF0が、そのベースに流れるバイポーラ型のトランジスタである。
また、ダイオードDIは、VREGのノード(広義には高電位側電源ノード)と初期電流トランジスターBAIのコレクターとの間に設けられ、初期電流トランジスターBAIのコレクターに対して電流(初期電流生成のための電流)を供給する。
この第3の構成例によれば、基準バイアス電流トランジスターBTBと初期電流トランジスターBAIのサイズ比によって、基準電流IRF1の初期電流値を制御することで、補助ベース電流IB2の電流値を柔軟に設定することが可能になる。ここで初期電流値は、例えばトランジスターBA1〜BAMに接続されるスイッチ素子SA1〜SAMが全てオフ状態である時の電流値である。
例えば電流増幅率hfeが高くなったことで基準電流IRF1の電流値を増やせないような場合に、初期電流トランジスターBAIによるカレントミラー回路を追加することで、基準電流IRF1の電流値を実質的に増やすことが可能になる。そして、基準電流IRF1の電流値を増やすことができれば、トランジスターTB3のサイズをそれほど増やすことなく、十分な補助ベース電流IB2を発振用トランジスターBTのベースに対して供給できるようになる。そして、トランジスターTB3のサイズを小さくできれば、トランジスターTB3の寄生容量(ドレイン・サブストレート間容量等)を減らすことができる。これにより、この寄生容量に起因する発振動作への悪影響を低減できるようになる。即ち、発振の閉ループ内のインピーダンス低下を抑制でき、発振電力の低下や位相雑音特性の劣化等の発生を抑制できるようになる。
5.電子機器
図9に本実施形態の回路装置を含む電子機器の構成例を示す。この電子機器は、本実施形態の回路装置500、水晶振動子等の発振子XTAL、アンテナATN、通信部510、処理部520を含む。また操作部530、表示部540、記憶部550を含むことができる。なおこれらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
図9の電子機器としては、例えば携帯型情報端末(携帯電話、スマートフォーン)、生体計測機器(脈拍計、歩数計等)、映像機器(デジタルカメラ、ビデオカメラ)などの種々の機器を想定できる。
通信部510(無線回路)は、アンテナANTを介して外部からデータを受信したり、外部にデータを送信する処理を行う。処理部520は、電子機器の制御処理や、通信部510を介して送受信されるデータの種々のデジタル処理などを行う。この処理部520の機能は、例えばマイクロコンピューターなどのプロセッサーにより実現される。
操作部530は、ユーザーが入力操作を行うためのものであり、操作ボタンやタッチパネルディスプレイをなどにより実現できる。表示部540は、各種の情報を表示するものであり、液晶や有機ELなどのディスプレイにより実現できる。なお操作部530としてタッチパネルディスプレイを用いる場合には、このタッチパネルディスプレイが表示部540の機能を兼ねることになる。記憶部550は、データを記憶するものであり、その機能はRAMやROMなどの半導体メモリーやHDD(ハードディスクドライブ)などにより実現できる。
図9の電子機器に本実施形態の回路装置を適用すれば、例えば高周波数で高精度の発振クロック信号を電子機器の各部に供給して動作させることが可能になる。そして、温度変動やプロセス変動によっても、高精度で安定した発振クロック信号を供給できるため、電子機器の性能や信頼性等を向上できるようになる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本発明の範囲に含まれる。また回路装置、発振装置、電子機器の構成・動作や、ベース電流・バイアス電流の供給手法・調整手法等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
XTAL 発振子、BT 発振用トランジスター、RF 帰還抵抗、R1 抵抗、
ID バイアス電流、IB、IB1 ベース電流、IB2 補助ベース電流、
C1〜C3 第1〜第3のキャパシター、BUF バッファー回路、
CM1、CM2 カレントミラー回路、TB1、TB4 基準電流トランジスター、
TB2、TB3(TB31〜TB3N) 電流供給トランジスター、
BA1〜BAM トランジスター、SA1〜SAM、SB1〜SBN スイッチ素子、
GA1〜GAM、GB1〜GBN 制御信号、
TC 調整トランジスター、IS 電流源、
BTB 基準バイアス電流トランジスター、
BTI 初期電流トランジスター、DI ダイオード、
10 発振回路、20 電流供給回路、22 定電圧源、24 基準電流生成回路、
28 温度補償電圧発生回路、30 制御回路、40 メモリー、
500 回路装置、510 通信部、520 処理部、530 操作部、
540 表示部、550 記憶部

Claims (13)

  1. 発振子の発振用トランジスターを有する発振回路と、
    前記発振回路に対して電流を供給する電流供給回路とを含み、
    前記電流供給回路は、
    前記発振回路のバイポーラ型の前記発振用トランジスターのコレクターに対してコレクター電流供給用のバイアス電流を供給すると共に、電流値が負の温度特性を有するベース電流を、前記発振用トランジスターのベースに対して供給することを特徴とする回路装置。
  2. 請求項1において、
    前記電流供給回路は、
    少なくとも1つのバイポーラ型の基準電流生成トランジスターにより構成され、少なくとも1つの前記基準電流生成トランジスターのベースに流れる電流に基づいて、第1の基準電流を生成する基準電流生成回路を含み、
    前記電流供給回路は、
    前記第1の基準電流に基づき生成される前記ベース電流を、前記発振用トランジスターの前記ベースに対して供給することを特徴とする回路装置。
  3. 請求項2において、
    前記基準電流生成回路は、
    少なくとも1つの前記基準電流生成トランジスターとして、制御信号に基づいてオン・オフ制御されるバイポーラ型の第1〜第Mのトランジスターを含むことを特徴とする回路装置。
  4. 請求項2又は3において、
    前記基準電流生成回路は、
    少なくとも1つの前記基準電流生成トランジスターのコレクターに流れる電流に基づいて、第2の基準電流を生成し、
    前記電流供給回路は、
    前記第2の基準電流に基づき生成される前記バイアス電流を、前記発振用トランジスターの前記コレクターに対して供給することを特徴とする回路装置。
  5. 請求項4において、
    前記電流供給回路は、
    前記ベース電流を供給する第1のカレントミラー回路と、
    前記バイアス電流を供給する第2のカレントミラー回路とを含み、
    前記第1のカレントミラー回路は、
    前記第1の基準電流が流れる第1の基準電流トランジスターと、
    前記第1の基準電流トランジスターのゲート及びドレインにそのゲートが接続され、前記ベース電流を供給する第1の電流供給トランジスターとを含み、
    前記第2のカレントミラー回路は、
    前記第2の基準電流が流れる第2の基準電流トランジスターと、
    前記第2の基準電流トランジスターのゲート及びドレインにそのゲートが接続され、前記バイアス電流を供給する第2の電流供給トランジスターと、
    を含むことを特徴とする回路装置。
  6. 請求項2乃至5のいずれかにおいて、
    前記基準電流生成回路は、
    基準バイアス電流が流れるバイポーラ型の基準バイアス電流トランジスターと、
    前記基準バイアス電流トランジスターのコレクターに、そのゲートが接続され、前記基準バイアス電流トランジスターのベース及び少なくとも1つの前記基準電流生成トランジスターの前記ベースに、そのソースが接続され、前記第1の基準電流が流れる調整トランジスターと、
    を含むことを特徴とする回路装置。
  7. 請求項2乃至6のいずれかにおいて、
    前記基準電流生成回路は、
    少なくとも1つの前記基準電流生成トランジスターと並列に設けられ、前記第1の基準電流の初期電流がベースに流れるバイポーラ型の初期電流トランジスターと、
    高電位側電源ノードと前記初期電流トランジスターのコレクターとの間に設けられ、前記初期電流トランジスターのコレクターに対して電流を供給するダイオードと、
    を含むことを特徴とする回路装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
    前記発振回路は、
    前記発振用トランジスターのコレクター・ベース間に設けられる帰還抵抗を含み、
    前記電流供給回路は、
    前記バイアス電流に基づき前記帰還抵抗を介して前記発振用トランジスターの前記ベースへと供給される電流を補助する補助ベース電流を、前記ベース電流として、前記発振用トランジスターの前記ベースに対して供給することを特徴とする回路装置。
  9. 請求項8において、
    前記発振回路は、
    前記補助ベース電流の供給ノードと前記発振用トランジスターの前記ベースとの間に設けられる抵抗を含むことを特徴とする回路装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかにおいて、
    前記発振回路は、
    前記発振子の一端にその一端が接続される第1のキャパシターと、
    前記発振子の他端が接続される第2のキャパシターと、
    を含むことを特徴とする回路装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれかにおいて、
    前記電流供給回路は、
    制御信号に基づいて電流値が可変に制御される前記ベース電流を、前記発振用トランジスターの前記ベースに対して供給することを特徴とする回路装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の回路装置と、
    前記発振子と、
    を含むことを特徴とする発振装置。
  13. 請求項1乃至11のいずれかに記載の回路装置を含むことを特徴とする電子機器。
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