JP6031789B2 - 回路装置、発振装置及び電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、回路装置、発振装置及び電子機器等に関する。
従来より、TCXO(temperature compensated crystal oscillator)と呼ばれる温度補償型水晶発振装置が知られている。このTCXOは、例えば携帯端末などの無線機器のRF回路の基準信号源等として用いられている。TCXOを実現する回路装置の従来技術としては例えば特許文献1に開示される技術がある。
この従来技術では、回路装置に内蔵したメモリーからの制御信号に基づいて、発振周波数に適したコレクター電流供給用のバイアス電流を、バイポーラ型の発振用トランジスターに供給する。そして、発振用トランジスターのコレクター電圧(コレクター電位)と電源電圧(電源電位)との間の電圧差が確保できるように、コレクター・エミッター間に設けられる帰還抵抗の値を、コレクター電流に応じて調整することで、安定した発振条件を得ている。
しかしながら、発振用トランジスターの温度特性が原因で、特に低温ほどコレクター電圧が上昇してしまう。一方、高い周波数で安定的に発振させるためには、発振用トランジスターへ供給するバイアス電流を増加させる必要があるが、帰還抵抗に流れるベース電流もそれに伴って増加してしまう。このため、コレクター電圧は更に増加してしまい、バイアス電流供給用トランジスターのドレイン・ソース間電圧を確保するのが困難になる。この結果、バイアス電流が飽和してしまい、安定した発振を実現できなくなるという課題がある。
特開2009−124214号公報
本発明の幾つかの態様によれば、発振用トランジスターのコレクター電圧の上昇を抑制して安定した発振動作を実現できる回路装置、発振装置及び電子機器等を提供できる。
本発明の第1の態様は、発振子を発振させるバイポーラ型の発振用トランジスターと、前記発振用トランジスターのコレクター・ベース間に設けられる帰還抵抗とを有する発振回路と、前記発振回路に対して電流を供給する電流供給回路と、を含み、前記電流供給回路は、前記発振回路の前記発振用トランジスターのコレクターにバイアス電流を供給すると共に、補助ベース電流を、前記発振用トランジスターの前記ベースに対して供給する回路装置に関係する。
本発明の第1の態様によれば、発振回路の発振用トランジスターのコレクターに対してコレクター電流供給用のバイアス電流が供給され、このバイアス電流に基づいて、帰還抵抗を介して発振用トランジスターのベースに対して電流が供給される。そして、この電流を補助する補助ベース電流が、発振用トランジスターのベースに対して供給される。このように補助ベース電流によりベース電流を補充すれば、例えばプロセス変動や周囲温度の変化に起因して発振用トランジスターの特性が変動した場合にも、発振用トランジスターのコレクター電圧の上昇を抑制し、安定した発振動作を実現できるようになる。
また本発明の第2の態様では、第1の態様において、前記発振回路は、前記補助ベース電流の供給ノードと前記発振用トランジスターの前記ベースとの間に設けられる抵抗を含んでもよい。
このような抵抗を設ければ、補助ベース電流の供給ノードの寄生容量等に起因して、発振の閉ループ内のインピーダンスが低下してしまうなどの事態を効果的に抑制できる。
また本発明の第3の態様では、第1の態様または第2の態様において、前記発振回路は、前記発振子の一端にその一端が接続される第1のキャパシターと、前記発振子の他端にその一端が接続される第2のキャパシターとを含んでもよい。
このような第1のキャパシターと第2のキャパシターを発振子の一端と他端に設けることで、発振用トランジスターを用いた安定した発振動作を実現できる。
また本発明の第4の態様では、第1の態様乃至第3の態様のいずれかにおいて、前記電流供給回路は、前記バイアス電流及び前記補助ベース電流を供給するカレントミラー回路を含み、前記カレントミラー回路は、基準電流が流れる基準電流トランジスターと、前記基準電流トランジスターのゲート及びドレインにそのゲートが接続され、前記バイアス電流を供給する第1の電流供給トランジスターと、前記基準電流トランジスターのゲート及びドレインにそのゲートが接続され、前記補助ベース電流を供給する少なくとも1つの第2の電流供給トランジスターと、を含んでもよい。
このようにすれば、第1の電流供給トランジスターと第2の電流供給トランジスターのサイズ比により、バイアス電流と補助ベース電流の電流比を設定することが可能になり、好適な電流比での電流供給を簡易に実現できるようになる。
また本発明の第5の態様では、第1の態様乃至第3の態様のいずれかにおいて、前記電流供給回路は、前記バイアス電流を供給する第1のカレントミラー回路と、前記補助ベース電流を供給する第2のカレントミラー回路と、を含み、前記第1のカレントミラー回路は、第1の基準電流が流れる第1の基準電流トランジスターと、前記第1の基準電流トランジスターのゲート及びドレインにそのゲートが接続され、前記バイアス電流を供給する第1の電流供給トランジスターと、を含み、前記第2のカレントミラー回路は、第2の基準電流が流れる第2の基準電流トランジスターと、前記第2の基準電流トランジスターのゲート及びドレインにそのゲートが接続され、前記補助ベース電流を供給する第2の電流供給トランジスターと、を含んでもよい。
このようにバイアス電流供給用の第1のカレントミラー回路と補助ベース電流供給用の第2のカレントミラー回路とを別個に設ければ、補助ベース電流の電流値を、バイアス電流の電流値に依存せずに、柔軟に設定することが可能になる。
また本発明の第6の態様では、第1の態様乃至第5の態様のいずれかにおいて、制御信号を出力する制御回路を有し、前記電流供給回路は、前記制御信号に基づいて前記発振回路に供給する電流が制御されてもよい。
このようにすれば、電流供給回路から出力される種々の電流、例えば、補助ベース電流やバイアス電流やの大きさについて、好適な電流値に容易に設定できるようになる。
また本発明の第7の態様は、上記のいずれかに記載の回路装置と、前記発振子とを含む発振装置に関係する。
また本発明の第8の態様は、上記のいずれかに記載の回路装置を含む電子機器に関係する。
本発明の一態様は、発振子の発振用トランジスターと、バイポーラ型の前記発振用トランジスターのコレクター・ベース間に設けられる帰還抵抗とを有する発振回路と、前記発振回路に対して電流を供給する電流供給回路とを含み、前記電流供給回路は、前記発振回路の前記発振用トランジスターのコレクターに対してコレクター電流供給用のバイアス電流を供給すると共に、前記バイアス電流に基づき前記帰還抵抗を介して前記発振用トランジスターのベースへと供給される電流を補助する補助ベース電流を、前記発振用トランジスターの前記ベースに対して供給する回路装置に関係する。
本発明の一態様によれば、発振回路の発振用トランジスターのコレクターに対してコレクター電流供給用のバイアス電流が供給され、このバイアス電流に基づいて、帰還抵抗を介して発振用トランジスターのベースに対して電流が供給される。そして本発明の一態様では、この電流を補助する補助ベース電流が、発振用トランジスターのベースに対して供給される。このように補助ベース電流によりベース電流を補充すれば、例えばプロセス変動や周囲温度の変化に起因して発振用トランジスターの特性が変動した場合にも、発振用トランジスターのコレクター電圧の上昇を抑制し、安定した発振動作を実現できるようになる。
また本発明の一態様では、前記発振回路は、前記補助ベース電流の供給ノードと前記発振用トランジスターの前記ベースとの間に設けられる抵抗を含んでもよい。
このような抵抗を設ければ、補助ベース電流の供給ノードの寄生容量等に起因して、発振の閉ループ内のインピーダンスが低下してしまうなどの事態を効果的に抑制できる。
また本発明の一態様では、前記発振回路は、前記発振子の一端にその一端が接続される第1のキャパシターと、前記発振子の他端にその一端が接続される第2のキャパシターとを含んでもよい。
このような第1のキャパシターと第2のキャパシターを発振子の一端と他端に設けることで、発振用トランジスターを用いた安定した発振動作を実現できる。
また本発明の一態様では、前記電流供給回路は、制御信号に基づいて電流値が可変に制御される前記補助ベース電流を、前記発振用トランジスターの前記ベースに対して供給してもよい。
このように補助ベース電流の電流値を可変に設定すれば、発振用トランジスターの特性のバラツキに対して補助ベース電流の電流値を最適に制御することが可能になる。
また本発明の一態様では、前記電流供給回路は、前記バイアス電流及び前記補助ベース電流を供給するカレントミラー回路を含み、前記カレントミラー回路は、基準電流が流れる基準電流トランジスターと、前記基準電流トランジスターのゲート及びドレインにそのゲートが接続され、前記バイアス電流を供給する第1の電流供給トランジスターと、前記基準電流トランジスターのゲート及びドレインにそのゲートが接続され、前記補助ベース電流を供給する少なくとも1つ第2の電流供給トランジスターとを含んでもよい。
このようにすれば、第1の電流供給トランジスターと第2の電流供給トランジスターのサイズ比により、バイアス電流と補助ベース電流の電流比を設定することが可能になり、好適な電流比での電流供給を簡易に実現できるようになる。
また本発明の一態様では、前記電流供給回路は、前記基準電流の電流値を、制御信号に基づいて可変に制御してもよい。
このようにすれば、補助ベース電流やバイアス電流の大きさについても、好適な電流値に容易に設定できるようになる。
また本発明の一態様では、前記カレントミラー回路は、少なくとも1つの前記第2の電流供給トランジスターとして、高電位側電源ノードと前記補助ベース電流の供給ノードとの間に並列に設けられる第1〜第Nのトランジスターを含むと共に、前記第1〜第Nのトランジスターに対して直列に設けられ、制御信号に基づいてオン・オフ制御される第1〜第Nのスイッチ素子を含んでもよい。
このようにすれば、補助ベース電流の電流値を、制御信号の設定により可変に制御することが可能になる。これにより、発振用トランジスターの特性のバラツキに応じて、補助ベース電流の電流値を最適に設定することが可能になる。
また本発明の一態様では、前記電流供給回路は、前記バイアス電流を供給する第1のカレントミラー回路と、前記補助ベース電流を供給する第2のカレントミラー回路とを含み、前記第1のカレントミラー回路は、第1の基準電流が流れる第1の基準電流トランジスターと、前記第1の基準電流トランジスターのゲート及びドレインにそのゲートが接続され、前記バイアス電流を供給する第1の電流供給トランジスターとを含み、前記第2のカレントミラー回路は、第2の基準電流が流れる第2の基準電流トランジスターと、前記第2の基準電流トランジスターのゲート及びドレインにそのゲートが接続され、前記補助ベース電流を供給する第2の電流供給トランジスターとを含んでもよい。
このようにバイアス電流供給用の第1のカレントミラー回路と補助ベース電流供給用の第2のカレントミラー回路とを別個に設ければ、補助ベース電流の電流値を、バイアス電流の電流値に依存せずに、柔軟に設定することが可能になる。
また本発明の一態様では、前記電流供給回路は、前記第2の基準電流の電流値を、制御信号に基づいて可変に制御してもよい。
このようにすれば、補助ベース電流やバイアス電流の大きさについても、好適な電流値に容易に設定できるようになる
また本発明の他の態様は、上記のいずれかに記載の回路装置と、前記発振子とを含む発振装置に関係する。
また本発明の他の態様は、上記のいずれかに記載の回路装置を含む電子機器に関係する。
本実施形態の回路装置及び発振装置の基本的な構成例。 本実施形態の回路装置の詳細な第1の構成例。 本実施形態の比較例の回路装置の構成例。 図4(A)〜図4(C)は比較例の問題点についての説明図。 本実施形態の回路装置の動作説明図。 本実施形態の回路装置の詳細な第2の構成例。 本実施形態の回路装置の詳細な第3の構成例。 本実施形態の電子機器の構成例。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.基本構成
図1に本実施形態の回路装置及びこれを含む発振装置の基本的な構成例を示す。本実施形態の回路装置は、発振回路10、電流供給回路20を含む。また回路装置は、温度補償電圧発生回路28、制御回路30、メモリー40を含むことができる。なお、本実施形態の回路装置の構成は図1の構成には限定されず、その一部の構成要素(例えば温度補償電圧発生回路)を省略・変更したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
また本実施形態の発振装置は、発振回路10や電流供給回路20等で構成される回路装置と、発振子XTAL(振動子、圧電振動子、水晶振動子)を含む。例えば本実施形態の回路装置がICチップにより実現される場合には、発振子XTALは、回路装置であるICチップの外付け部品とすることができる。或いは発振子XTALと回路装置を1つのパッケージに収容した構成としてもよい。
発振回路10は、発振子XTAL(圧電振動子、水晶振動子)に接続される。具体的には第1、第2の発振子用端子TX1、TX2(発振子用パッド)を介して発振子XTALに接続される。発振回路10は、電圧を印加することで固有振動を起こす発振子XTALを一定の周波数で発振させるための回路である。
電流供給回路20(定電流生成回路)は発振回路10に対して電流を供給する。例えばバイアス電流等の発振用の各種電流を供給する。
温度補償電圧発生回路28は、TCXOを実現するための温度補償電圧を発生して、発振回路10に出力する。これにより発振周波数の温度補償が実現される。
制御回路30は、発振回路10、電流供給回路20、温度補償電圧発生回路28、メモリー40の制御を行う。また外部とのインターフェース処理なども行う。この制御回路30は、例えばスタンダードセルやゲートアレイ等のロジック回路により実現できる。
メモリー40は、回路装置の動作に必要な各種の情報を記憶する。例えば電流供給回路20の電流調整に必要な情報や、温度補償電圧発生回路28が温度補償処理を行うために必要な情報などを記憶する。このメモリー40は例えば不揮発性メモリーなどにより実現できる。或いはメモリー40の機能をトリミング回路(ヒューズ回路)などにより実現してもよい。
そして本実施形態では発振回路10は、発振子XTALの発振用トランジスターBTと、バイポーラ型の発振用トランジスターBTのコレクター・ベース間に設けられる帰還抵抗RFを有する。そして電流供給回路20は、発振回路10の発振用トランジスターBTのコレクターに対してコレクター電流供給用のバイアス電流IDを供給する。このバイアス電流IDの一部はベース電流IB1として、発振用トランジスターBTのベースに供給される。更に電流供給回路20は、補助ベース電流IB2を発振用トランジスターBTのベースに対して供給する。この補助ベース電流IB2は、バイアス電流IDに基づき帰還抵抗RFを介して発振用トランジスターBTのベースへと供給される電流IB1(バイアス電流から分流したベース電流)を補助(補充)する電流である。
2.第1の構成例
図2に本実施形態の回路装置の詳細な第1の構成例を示す。なお、本実施形態の回路装置の構成は図2の構成には限定されず、その一部の構成要素を省略・変更したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
図2の発振回路10は、第1、第2のキャパシターC1、C2を含む。また第3のキャパシターC3を含むことができる。第1のキャパシターC1は、発振子XTAL(圧電振動子)の一端(第1の発振子用端子)にその一端が接続される。第2のキャパシターC2は、発振子XTALの他端(第2の発振子用端子)にその一端が接続される。第3のキャパシターC3は、発振子XTALの一端にその一端が接続される。
具体的には、キャパシターC1は、発振子XTALの一端側のノードN1とVSSノード(広義には低電位側電源ノード)との間に設けられる。キャパシターC2は、発振子XTALの他端側のノードN2とVSSノードとの間に設けられる。このノードN2は発振用トランジスターBTのベースに接続される。キャパシターC3は、バイアス電流IDの供給ノードNSDとノードN1との間に設けられる。
発振用トランジスターBTは、エミッター接地のバイポーラ型トランジスターであり、そのコレクターはバイアス電流IDの供給ノードNSDに接続され、そのエミッターはVSSノードに接続される。またベースはノードN2に接続され、ノードN2の電圧VBがバッファー回路BUFに入力されて、発振回路10の出力信号SQ(発振クロック信号)として出力される。
発振用トランジスターBTのコレクターとベースの間には帰還抵抗RFが設けられる。この帰還抵抗RFを介して、電流供給回路20からのバイアス電流IDから分流したベース電流IB1が、発振用トランジスターBTのベースに供給されることになる。
また発振回路10は抵抗R1を含む。この抵抗R1は、補助ベース電流IB2の供給ノードNSBと発振用トランジスターBTのベースとの間に設けられる。このような抵抗R1を設けることで、補助ベース電流IB2の電流供給トランジスターTB3を設けたことによる悪影響を低減できる。即ち、抵抗R1を設けないと、ノードN2が電流供給トランジスターTB3のオン抵抗を介してVREGノードに接続されて、発振回路10の負性抵抗の低下を発生させるなど、発振動作に悪影響を及ぼすおそれがある。この点、抵抗R1を設ければ、ノードN2とVREGノードが高抵抗により分離され、R1の抵抗値により、このようなインピーダンスの低下を抑制できるため、発振動作への悪影響を低減できるようになる。即ち、発振の閉ループ内のインピーダンス低下を抑制でき、発振電力の低下や位相雑音特性の劣化等の発生を抑制できる。
電源供給回路20は、バイアス電流ID及び補助ベース電流IB2を供給するカレントミラー回路CMを含む。このカレントミラー回路CMは、基準電流トランジスターTB1と、第1、第2の電流供給トランジスターTB2、TB3を含む。これらのトランジスターTB1、TB2、TB3は、例えばP型のMOSトランジスターである。
基準電流トランジスターTB1には基準電流IRFが流れる。この基準電流トランジスターTB1は、電源電圧VREGのノード(広義には高電位側電源ノード)とノードNRFとの間に設けられ、そのゲートとドレインが接続されている。VREGは、高電位側の電源電圧VCCを、図示しないレギュレーター(定電圧源)によりレギュレート(降圧)した電源電圧である。
第1の電流供給トランジスターTB2は、基準電流トランジスターTB1のゲート及びドレインにそのゲートが接続され、バイアス電流IDを供給する。この第1の電流供給トランジスターTB2は、VREGのノードとバイアス電流供給ノードNSDとの間に設けられる。
第2の電流供給トランジスターTB3は、基準電流トランジスターTB1のゲート及びドレインにそのゲートに接続され、補助ベース電流IB2を供給する。この第2の電流供給トランジスターTB3は、VREGのノードと補助ベース電流供給ノードNSBとの間に設けられる。なお、後述するように第2の電流供給トランジスターTB3として、並列接続された複数のトランジスターを設けるようにしてもよい。
基準電流IRFは、バイポーラ型の基準電流生成トランジスターBTR、BA1〜BAMにより生成される。具体的には、電流源ISからの基準バイアス電流IBSが、基準バイアス電流用のバイポーラ型のトランジスターBTBに流れる。そして、トランジスターBTBと、トランジスターBTR、BA1〜BAMとは、カレントミラー回路を構成しており、基準バイアス電流IBSに応じた電流が、基準電流IRFとして基準電流トランジスターTB1に流れるようになる。
この場合に、電流供給回路20は、基準電流IRFの電流値を、制御信号GA1〜GAM(第1〜第Mの制御信号。Mは2以上の整数)に基づいて可変に制御する。具体的には、トランジスターTB1のドレインが接続されるノードNRFと、トランジスターBA1〜BAM(バイポーラ型の第1〜第Mのトランジスター)のベースとの間には、それぞれ、スイッチ素子SA1〜SAM(第1〜第Mのスイッチ素子)が設けられている。これらのスイッチ素子SA1〜SAMは、制御信号GA1〜GAM(第1〜第Mの制御信号)によりオン・オフ制御され、これにより基準電流IRFの電流値を可変に制御できるようになる。
例えばスイッチ素子SA1がオンになり、その他のスイッチ素子SA2〜SAMがオフになると、トランジスターBTRに流れるデフォルトの電流に対して、トランジスターBA1に流れる電流が加算された電流が、基準電流IRFとしてトランジスターTB1に流れることになる。そして、この基準電流IRFの電流値と、トランジスターTB1とTB2のサイズ比(W/L比)とに応じた電流が、バイアス電流IDとして供給されるようになる。また基準電流IRFの電流値と、トランジスターTB1とTB3のサイズ比とに応じた電流が、補助ベース電流IB2として供給されるようになる。
なお図2等では、制御信号GA1〜GAMをメモリー40を用いて生成しているが、本実施形態はこれに限定されず、トリミング回路(ヒューズ回路)やレジスタ設定等により制御信号GA1〜GAMを生成してもよい。
図3に本実施形態の比較例の回路装置を示す。図3の比較例では、図2の本実施形態の回路装置とは異なり、補助ベース電流の生成回路や、補助ベース電流の供給経路は設けられていない。そして発振用トランジスターBTのコレクター・ベース間に設けられる帰還抵抗RFにより、バイアス電流IDの一部が、ベース電流IB1として発振用トランジスターBTのベースに供給される。
そして、前述したように発振用トランジスターBTの温度特性が原因で、特に低温ほどコレクター電圧VCが上昇してしまうという課題がある。例えば図3において、ベース電圧VBはベース・エミッター間電圧VBEと等しく、VBEは負の温度特性を有しているため、低温になるとベース電圧VB=VBEは上昇する。そして、コレクター電圧は、VC=VBE+IB1×RF=VB+IB1×RFの関係式で表されるため、低温になるとコレクター電圧VCも上昇してしまう。
一方、高い周波数で安定的に発振動作を行わせるためには、発振用トランジスターBTへ供給するバイアス電流ID(コレクター電流)を増加させる必要がある。しかしながら、バイアス電流IDを増加させると、それに伴って、帰還抵抗RFに流れるベース電流IB1も増加してしまう。このため、コレクター電圧VCは更に上昇してしまい、電流供給トランジスターTB2のドレイン・ソース間電圧VDSを確保するのが難しくなる。
この点、図3の比較例では、発振用トランジスターBTに流すバイアス電流IDに応じて、帰還抵抗RFの抵抗値を調整することで、コレクター電圧VCの上昇を抑制している。
しかしながら、回路装置のプロセス変動や周囲温度の変化が原因で、発振用トランジスターBTの電流増幅率hfeが低下した場合等には、コレクター電圧VCの上昇を抑えることが難しくなり、回路装置の電源電圧の低電圧化の妨げとなる。
例えば図4(A)に示すように、電流増幅率hfeは正の温度特性を有しており、低温になるとhfeは減少する。ここで、電流増幅率hfeは、コレクター電流ICとベース電流IB1により、hfe=IC/IB1と表されるため、ID=IC+IB1=hfe×IB1+IB1=(hfe+1)×IB1となる。従って、hfeが減少した場合に、十分なバイアス電流ID(コレクター電流)を流すためには、hfeが減少した分だけベース電流IB1を増加させる必要がある。ところが、ベース電流IB1を増加させると、ベース電流IB1が流れる帰還抵抗RFでの電圧降下が大きくなり、コレクター電圧VCは更に上昇してしまう。例えば図4(B)のように、低温になってコレクター電圧VCが上昇すると、電流供給トランジスターTB2のドレイン・ソース間電圧VDSを確保するのが難しくなる。従って、図4(C)に示すように、低温においては、トランジスターTB2から十分なバイアス電流IDを供給することが困難になり、安定した発振動作を維持できなくなってしまう。
一方、コレクター電圧VCの上昇を抑えるために、帰還抵抗RFの抵抗値を低く設定すると、発振の閉ループ内のインピーダンス低下を招き、発振電力の低下、更には位相雑音特性の劣化等の問題を招いてしまう。即ち、帰還抵抗RFの抵抗値が低くなると、電流供給トランジスターTB2の寄生容量(ドレイン・サブストレート間容量等)が原因で、発振周波数でのインピーダンスが低下してしまい、発振動作に悪影響を及ぼしてしまう。
そこで本実施形態では、発振用トランジスターBTに対してバイス電流IDを供給すると共に、補助ベース電流IB2を供給する。このようにすれば、高い周波数の発振のためにバイアス電流IDを増やした場合にも、帰還抵抗RFを大きな抵抗値にしたままで、コレクター電圧VCの上昇を抑えることが可能になる。即ち、帰還抵抗RFの抵抗値を高くできることで、発振の閉ループ内のインピーダンス低下を抑制することが可能になる。また、コレクター電圧VCの上昇を抑えることで、電流供給トランジスターTB2のドレイン・ソース間電圧VDSを確保することができるため、バイアス電流IDが飽和して安定発振が維持できなくなる事態を抑止できるようになる。
次に図2の本実施形態の回路装置について詳細に説明する。図2では、メモリー40の記憶データに基づく制御信号GA1〜GAMにより、カレントミラー回路CMの基準電流IRFの電流値が設定される。発振用トランジスターBTに供給されるバイアス電流IDは、カレントミラー回路CMにより、基準電流IRFの例えば20倍程度の電流値に設定される。またトランジスターTB3に流れる補助ベース電流IB2と、トランジスターTB2に流れるバイアス電流IDの電流比は、発振用トランジスターBTの電流増幅率hfe程度に設定される。例えばIRF=20μAであり、hfe=80とすると、補助ベース電流IB2は例えば5μA程度に設定され、バイアス電流IDは例えば400μA程度に設定される。
本実施形態では、バイアス電流IDの供給に加えて、トランジスターTB1と対となってカレントミラー回路CMを構成するトランジスターTB3により、発振用トランジスターBTのベースに対して補助ベース電流IB2を供給している。
例えばTCXOにおいては、外部電源電圧の変動があった場合にも、発振周波数を高い精度で安定させる必要がある。このため図2では、レギュレーター(定電圧生成回路)により生成された定電圧のVREGが、電源供給回路20の電源として供給される。従って、このレギュレーターからの電源電圧VREGが例えば1.5Vというような低い電圧であっても、トランジスターTB2のドレイン・ソース間電圧VDSを十分に確保して、発振用トランジスターBTのバイアス電流IDを飽和させないようにすることが望まれる。
例えば発振周波数が38.4MHzであり、この周波数での安定発振に必要なコレクター電流が400μAである場合を想定する。このとき、電流増幅率のティピカル値がhfe=80であったとすると、38.4MHzの周波数での安定発振に必要なベース電流は、図5に示すように5μAとなる。
この場合に本実施形態では、トランジスターTB3から抵抗R1を介して発振用トランジスターBTのベースに対して、5μAの補助ベース電流IB2が供給される。例えば基準電流IRF=20μAとし、トランジスターTB1とTB3のサイズ比(W/L比)を4:1に設定すれば、トランジスターTB3から発振用トランジスターBTのベースに対して、5μAの補助ベース電流IB2が供給されるようになる。
そして上述のように、38.4MHzの安定発振に必要なベース電流は5μAであるため、バイアス電流IDから帰還抵抗RFを介して発振用トランジスターBTのベースに分流されるベース電流IB1は、図5に示すように例えば0μAになる。従って、帰還抵抗RFでの電圧降下は生じず、コレクター電圧VCを低い電圧に維持できる。例えば前述のように、VC=VBE+IB1×RF=VB+IB1×RFと表される。従って、ベース電圧がVB=VBE=0.6Vである場合には、コレクター電圧もVC=VB+0×RF=VB=0.6Vとなる。このため、例えば電源電圧VREGが1.5Vというように低い電圧であったとしても、トランジスターTB2のドレイン・ソース間電圧VDSを十分に確保でき、バイアス電流IDの飽和を抑止できるため、安定した発振動作を実現できる。
また、例えば低温状態(−40度)になり、ベース・エミッター間電圧VBEが例えば0.6Vから0.8Vに上昇したとしても、コレクター電圧VCは0.8Vとなるため、トランジスターTB2のドレイン・ソース間電圧VDSを十分に確保でき、安定したバイアス電流IDの供給が可能になる。
また、プロセス変動や低温状態において、電流増幅率がhfe=40というように低めに振れたとする。この場合には、38.4MHzの周波数での安定発振に必要なベース電流は、図5に示すように10μAとなる。そして、この10μAのベース電流のうち、5μAは補助ベース電流IB2により補充されるため、帰還抵抗RFに流れるベース電流IB1は5μAになる。このため、帰還抵抗RFでの電圧降下は、RF=50KΩとすると、0.25Vとなる。従って、コレクター電圧はVC=VBE+IB1×RF=0.6+0.25=0.85Vとなるため、VDSを十分に確保できる。更に、低温状態において、ベース・エミッター間電圧VBEが0.8Vに上昇したとしても、VC=0.8+0.25=1.05Vとなるため、電源電圧VREGが1.5Vであったとしても、広い温度範囲で安定したバイアス電流IDの供給が可能になる。また本実施形態によれば、帰還抵抗RFを、50KΩというように十分に大きな抵抗値に確保できるため、トランジスターTB2の寄生容量に起因する、発振の閉ループ内のインピーダンス低下を抑止でき、安定した発振余裕度を確保することができる。
一方、プロセス変動や高温状態において、電流増幅率がhfe=160というように高めに振れたとする。この場合には、38.4MHzの周波数での安定発振に必要なベース電流は、図5に示すように2.5μAとなる。そして、5μAの補助ベース電流IB2が供給されるため、ベース電流が2.5μAだけ過剰になり、帰還抵抗RFを介してベース側からコレクター側にIB1=2.5μAの電流が流れる。これにより、コレクター電圧VCがベース電圧VBよりも0.125Vだけ低下するが、発振用トランジスターBTは飽和することなく発振動作を継続できる。
以上のように本実施形態によれば、プロセス変動や周囲温度の変化に起因して、発振用トランジスターBTの電流増幅率hfeが大きく変動した場合にも、発振用トランジスターBTのコレクター電圧VCの上昇を低く抑えることができ、電源電圧の低電圧化等を図れるようになる。
また、発振用トランジスターBTのベース電流を補助する回路を設けているため、帰還抵抗RFの抵抗値を高くすることができ、発振の閉ループ内のインピーダンス低下を抑えることができる。従って、十分な発振電力を得ることができる。また、発振電力が上がることから、位相雑音のノイズフロアーを低減することができ、低ノイズ化等も実現できるようになる。
また本実施形態では、図2に示すように、補助ベース電流IB2の供給経路に抵抗R1を設けているため、補助ベース電流IB2の供給トランジスターTB3の寄生容量に起因する発振の閉ループ内のインピーダンス低下も抑止できる。
また本実施形態では、図2に示すように、バイアス電流IDと補助ベース電流IB2とを、基準電流IRFに基づきカレントミラー回路CMにより生成している。従って、トランジスターTB2とTB3のサイズ比により、バイアス電流IDと補助ベース電流IB2の電流比を設定することが可能になり、好適な電流比での電流供給を簡易に実現できる。例えばトランジスターTB3に対するTB2のサイズ比を、電流増幅率hfeに相当するサイズ比にすることで、好適な電流比での電流供給を実現できる。
また、基準電流IRFの電流値を、制御信号GA1〜GAMに基づいて可変に制御することで、補助ベース電流IB2やバイアス電流IDの大きさについても、好適な電流値に容易に設定できるようになる。
3.第2の構成例
図6に本実施形態の回路装置の詳細な第2の構成例を示す。なお、本実施形態の回路装置の構成は図6の構成には限定されず、その一部の構成要素を省略・変更したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
図6の第2の構成例では、補助ベース電流を供給するトランジスターのサイズが調整可能になっている点が、図2の第1の構成例と異なっている。なお、図2の第1の構成例と同様の部分については、同じ符号を付けて詳細な説明を適宜省略する。
図6の第2の構成例では、電流供給回路20は、制御信号GB1〜GBNに基づいて電流値が可変に制御される補助ベース電流IB2を、発振用トランジスターBTのベースに対して供給する。即ち、電流供給回路20は、メモリー40からの制御信号GB1〜GBNの設定により、補助ベース電流IB2の電流値を可変に制御する。
具体的には、電流供給回路20のカレントミラー回路CMは、少なくとも1つの第2の電流供給トランジスターTB3として、VREGのノード(高電位側電源ノード)と、補助ベース電流IB2の供給ノードNSBとの間に並列に設けられる第1〜第N(Nは2以上の整数)のトランジスターTB31〜TB3Nを含む。これらの第1〜第NのトランジスターTB31〜TB3Nは例えばP型のMOSトランジスターである。
また、カレントミラー回路CMは、第1〜第NのトランジスターTB31〜TB3Nに対して直列に設けられ、制御信号GB1〜GBNに基づいてオン・オフ制御される第1〜第Nのスイッチ素子SB1〜SBNを含む。これらのスイッチ素子は例えばMOSトランジスターなどにより実現できる。
例えばトランジスターTB31とスイッチ素子SB1は、VREGのノードとノードNSBの間に直列に設けられる。トランジスターTB32〜TB3Nとスイッチ素子SB2〜SBNの接続関係も同様である。そして、制御信号GB1によりスイッチ素子SB1がオンになると、トランジスターTB31からの電流が、補助ベース電流IB2として供給されるようになる。また制御信号GB1、GB2によりスイッチ素子SB1、SB2がオンになると、トランジスターTB31及びTB32の両方からの電流が、補助ベース電流IB2として供給されるようになり、補助ベース電流IB2の電流値を増やすことが可能になる。
なお図6ではメモリー40の記憶内容に基づいて制御信号GB1〜GBNを生成しているが、トリミング回路やレジスター設定により制御信号GB1〜GBNを生成してもよい。
以上に説明した図6の第2の構成例によれば、補助ベース電流IB2の電流値を、制御信号GB1〜GBNや制御信号GA1〜GAMの設定により可変に制御することが可能になる。また、
以上に説明した図6の第2の構成例によれば、補助ベース電流IB2の電流値を、制御信号GB1〜GBNの設定により可変に制御することが可能になる。また基準電流IRFの電流値についても、制御信号GA1〜GAMの設定により可変に制御できる。従って、発振用トランジスターBTの電流増幅率hfeのバラツキに応じて、補助ベース電流IB2の電流値を最適に設定することが可能になる。例えば電流増幅率hfeがプロセス変動等によりばらついた場合にも、補助ベース電流IB2の電流値を最適に設定して、コレクター電圧VC等を最適に設定することが可能になる。
例えば、電流増幅率hfeが想定以上に大きくなると、発振用トランジスターBTのベース側からコレクター側に電流が流れることで、コレクター電圧VCが想定以上に低下してしまうおそれがある。このような場合には、制御信号GB1〜GBNの設定により、補助ベース電流IB2の電流値を小さくすることで、コレクター電圧VCの想定以上の低下を抑えることが可能になる。逆に、電流増幅率hfeが想定以上に小さくなると、コレクター電圧VCが上昇して、十分なバイアス電流IDを確保できなくなるおそれがある。このような場合には、制御信号GB1〜GBNの設定により、補助ベース電流IB2の電流値を大きくすることで、コレクター電圧VCの想定以上の増加を抑えることが可能になる。
4.第3の構成例
図7に本実施形態の回路装置の詳細な第3の構成例を示す。なお、本実施形態の回路装置の構成は図7の構成には限定されず、その一部の構成要素を省略・変更したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
図7の第3の構成例では、補助ベース電流を第2のカレントミラー回路により生成する点が、図2の第1の構成例と異なっている。なお、図2、図6の第1、第2の構成例と同様の部分については、同じ符号を付けて詳細な説明を適宜省略する。また本実施形態の回路装置は、図2、図6、図7の特徴を組み合わせた構成であってもよい。
図7の第3の構成例では、バイアス電流用の第1のカレントミラー回路CM1と、補助電流用の第2のカレントミラー回路CM2が設けられている。
具体的には、電流供給回路20は、バイアス電流IDを供給する第1のカレントミラー回路CM1と、補助ベース電流IB2を供給する第2のカレントミラー回路CM2を含む。
そして第1のカレントミラー回路CM1は、第1の基準電流トランジスターTB11と、第1の電流供給トランジスターTB2を含む。第1の基準電流トランジスターTB11には、第1の基準電流IRF1が流れる。第1の電流供給トランジスターTB2は、第1の基準電流トランジスターTB11のゲート及びドレインにそのゲートが接続され、バイアス電流IDを供給する。例えば第1の基準電流トランジスターTB11は、VREGのノードとノードNRFとの間に設けられる。第1の電流供給トランジスターTB2は、VREGのノードとノードNSDとの間に設けられる。これらのトランジスターTB11、TB2は例えばP型のMOSトランジスターである。
第2のカレントミラー回路CM2は、第2の基準電流トランジスターTB12と、第2の電流供給トランジスターTB3を含む。第2の基準電流トランジスターTB12には、第2の基準電流IRF2が流れる。第2の電流供給トランジスターTB3は、第2の基準電流トランジスターTB12のゲート及びドレインにそのゲートが接続され、補助ベース電流IB2を供給する。例えば第2の基準電流トランジスターTB12は、VREGのノードと、可変抵抗RRとの間に設けられる。第2の電流供給トランジスターTB3は、VREGのノードとノードNSBとの間に設けられる。これらはトランジスターTB12、TB3は例えばP型のMOSトランジスターである。
また図7では、第2の基準電流IRF2の電流値が、制御信号GRに基づいて可変に制御される。具体的には、第2の基準電流トランジスターTB12と直列に可変抵抗RRが設けられ、この可変抵抗RRの抵抗値が制御信号GRに基づき可変に設定されることで、トランジスターTB12及び可変抵抗RRを流れる第2の基準電流IRF2の電流値が、可変に制御される。
図7の第3の構成例によれば、可変抵抗RRの設定により得られる第2の基準電流IRF2と、トランジスターTB12、TB3により構成される第2のカレントミラー回路CM2とにより、補助ベース電流IB2の電流値を、バイアス電流ID(第1の基準電流IRF1)の電流値に依存せずに、柔軟に設定できるようになる。即ち、第2のカレントミラー回路CM2のトランジスターTB12とTB3のサイズ比を小さく保ったまま、第2の基準電流IRF2の電流値を可変抵抗RRにより設定できる。従って、発振回路10側から見たトランジスターTB3の寄生容量(ドレイン・サブストレート間容量等)を減らすことができ、発振の閉ループ内のインピーダンス低下を抑止できるようになる。
5.電子機器
図8に本実施形態の回路装置を含む電子機器の構成例を示す。この電子機器は、本実施形態の回路装置500、水晶振動子等の発振子XTAL、アンテナATN、通信部510、処理部520を含む。また操作部530、表示部540、記憶部550を含むことができる。なおこれらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
図8の電子機器としては、例えば携帯型情報端末(携帯電話、スマートフォーン)、生体計測機器(脈拍計、歩数計等)、映像機器(デジタルカメラ、ビデオカメラ)などの種々の機器を想定できる。
通信部510(無線回路)は、アンテナANTを介して外部からデータを受信したり、外部にデータを送信する処理を行う。処理部520は、電子機器の制御処理や、通信部510を介して送受信されるデータの種々のデジタル処理などを行う。この処理部520の機能は、例えばマイクロコンピューターなどのプロセッサーにより実現される。
操作部530は、ユーザーが入力操作を行うためのものであり、操作ボタンやタッチパネルディスプレイをなどにより実現できる。表示部540は、各種の情報を表示するものであり、液晶や有機ELなどのディスプレイにより実現できる。なお操作部530としてタッチパネルディスプレイを用いる場合には、このタッチパネルディスプレイが表示部540の機能を兼ねることになる。記憶部550は、データを記憶するものであり、その機能はRAMやROMなどの半導体メモリーやHDD(ハードディスクドライブ)などにより実現できる。
図8の電子機器に本実施形態の回路装置を適用すれば、例えば高周波数で高精度の発振クロック信号を電子機器の各部に供給して動作させることが可能になる。そして、温度変動やプロセス変動によっても、高精度で安定した発振クロック信号を供給できるため、電子機器の性能や信頼性等を向上できるようになる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本発明の範囲に含まれる。また回路装置、発振装置、電子機器の構成・動作や、補助ベース電流・バイアス電流の供給手法・調整手法等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
XTAL 発振子、BT 発振用トランジスター、RF 帰還抵抗、R1 抵抗、
ID バイアス電流、IB1 ベース電流、IB2 補助ベース電流、
C1〜C3 第1〜第3のキャパシター、BUF バッファー回路、
CM、CM1、CM2 カレントミラー回路、
TB1、TB11、TB12 基準電流トランジスター、
TB2、TB3(TB31〜TB3N) 電流供給トランジスター、
BA1〜BAM トランジスター、SA1〜SAM、SB1〜SBN スイッチ素子、
GA1〜GAM、GB1〜GBN 制御信号、
10 発振回路、20 電流供給回路、28 温度補償電圧発生回路、
30 制御回路、40 メモリー、
500 回路装置、510 通信部、520 処理部、530 操作部、
540 表示部、550 記憶部

Claims (6)

  1. 発振子を発振させるバイポーラ型の発振用トランジスターと、前記発振用トランジスターのコレクター・ベース間に設けられる帰還抵抗とを有する発振回路と、
    前記発振回路に対して電流を供給する電流供給回路と、を含み、
    前記電流供給回路は、
    バイアス電流及び補助ベース電流を供給するカレントミラー回路を含み、
    前記カレントミラー回路は、
    基準電流が流れる基準電流トランジスターと、
    前記基準電流トランジスターのゲート及びドレインにそのゲートが接続され、前記バイアス電流を供給する第1の電流供給トランジスターと、
    前記基準電流トランジスターのゲート及びドレインにそのゲートが接続され、前記補助
    ベース電流を供給する少なくとも1つの第2の電流供給トランジスターと、
    を含み、
    前記発振回路の前記発振用トランジスターのコレクターにバイアス電流を供給すると共
    に、
    補助ベース電流を、前記発振用トランジスターの前記ベースに対して供給することを特
    徴とする回路装置。
  2. 請求項1において、
    前記発振回路は、
    前記補助ベース電流の供給ノードと前記発振用トランジスターの前記ベースとの間に設
    けられる抵抗を含むことを特徴とする回路装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記発振回路は、
    前記発振子の一端にその一端が接続される第1のキャパシターと、
    前記発振子の他端にその一端が接続される第2のキャパシターと、
    を含むことを特徴とする回路装置。
  4. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    制御信号を出力する制御回路を有し、
    前記電流供給回路は、前記制御信号に基づいて前記発振回路に供給する電流が制御され
    ることを特徴とする回路装置。
  5. 請求項1乃至のいずれかに記載の回路装置と、
    前記発振子と、
    を含むことを特徴とする発振装置。
  6. 請求項1乃至のいずれかに記載の回路装置を含むことを特徴とする電子機器。
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