JP2013207241A - 半導体発光装置、半導体発光システムおよび照明器具 - Google Patents

半導体発光装置、半導体発光システムおよび照明器具 Download PDF

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義人 佐藤
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Abstract

【課題】相関色温度が1600K以上であって2400K以下であり、発光効率が高く、Raが高い光を発する半導体発光装置、並びに当該半導体発光装置を備えた半導体発光システム、及び照明装置を提供する。
【解決手段】青色領域の光を放出する青色半導体発光素子と、赤色蛍光体、及び発光スペクトルのピークの半値幅が65nm以上である緑色蛍光体を含み、相関色温度が1600K以上であって2400K以下である光を発することを特徴とする半導体発光装置により課題を解決する。
【選択図】図5

Description

本発明は、半導体発光装置、当該半導体発光装置を備えた半導体発光システムおよび当該半導体発光装置を備えた照明器具に関し、特に、相関色温度が1600K以上であって2400K以下である光を発する半導体発光装置、当該半導体発光装置を備えた半導体発光システムおよび当該半導体発光装置を備えた照明器具に関する。
照明装置の光源として白熱電球や蛍光灯が従来から広く用いられている。近年では、これらに加え、LEDや有機EL(OLED)等の半導体発光素子を光源とした照明装置が開発され使用されつつある。これらの半導体発光素子では、様々な発光色を得ることが可能であるため、発光色の異なる複数の半導体発光素子を組み合わせ、それぞれの発光色を合成して所望の色の放射光を得るようにした照明装置も開発され使用され始めている。
特許文献1には、紫色発光ダイオード素子が用いられ、相関色温度が2700K程度以上であって4000K以下であり、平均演色評価数Ra(以下、単にRaという)が80以上である光を発する半導体発光装置の例が記載されている。
特許文献2には、ろうそくの炎の形状に似せた外形の芯部、内炎部、および外炎部を有する疑似炎型発光装置が記載されている。特許文献2に記載されている装置の外炎部の色温度は、1000〜2200Kである。そして、特許文献2に記載されている装置は、外炎部の色温度を1000〜2200Kの範囲にするために、芯部に青色に発光する発光素子を備え、外炎部に黄色乃至黄赤色に発光する蛍光体(具体的には、YAG(Yttrium Alminum Garnet)系蛍光体)を備えることが記載されている。
特許文献3には、相関色温度が1500K程度の光を発し、ろうそくおよび当該ろうそくの炎に似せた外形の照明装置が記載されている。特許文献3に記載されている照明装置は、2つの発光素子からなる光源モジュールを含む。当該2つの発光素子は、それぞれ種々の波長の単色光を発する複数の発光単位層を有しており、発光単位層の層数や層厚に応じた各波長における発光強度を調整することで、発光スペクトルの分布を太陽光スペクトルにおける分布に近づけて、Raを高めている。
特許文献4には、ピーク波長が470〜480nmの青色LEDとピーク波長が600±3nmの蛍光物質とを備え、1900〜2100Kの色温度の光を発する発光装置が記載されている。
特許文献5には、青色GaN(Gallium Nitride)LED、赤色量子ドット物質、およびイエローグリーン蛍光体物質を備えた光源であって、1000〜16000Kの色温度の光を発する光源が記載されている。また、特許文献5には、LED、量子ドット物質、および蛍光体物質の選択と構成とによって、演色評価数(CRI(Color Rendering Index))を望ましい値に設定することができることが記載されている。
特許文献6には、ピーク波長が480nm程度の3つ青色LEDを発光源とし、各青色LEDに塗布された蛍光体がそれぞれ蛍光を発するLED照明灯具について記載されている。特許文献6に記載されているLED照明灯具において、3つの青色LEDのうち2つの青色LEDに緑色蛍光体と赤色蛍光体とが混合されて塗布され、残り1つの青色LEDに黄色蛍光体が塗布されている。そして、特許文献6に記載されているLED照明灯具は
、各青色LEDが発する青色光と各蛍光体が発する蛍光との合成光を外部に放射する。
特許文献7には、紫色LEDと、当該紫色LEDが発した光の一部を波長変換した蛍光をそれぞれ発する青色蛍光体と緑色蛍光体と赤色蛍光体とが混合された発光体とを備えた照明装置について記載されている。特許文献7に記載されている照明装置は、紫色LEDが発した光と発光体が発した蛍光との合成光を外部に放射する。
国際公開第2011/024818号 特開2005−78905号公報 特開2004−128443号公報 特開2009−64999号公報 特表2008−544553号公報 特開2009−123429号公報 国際公開第2008/001799号
LED等の半導体発光素子を光源とする半導体発光装置を間接照明等の屋内照明用の照明装置として用いる場合に、高い値のRaでろうそく色の光(具体的には、相関色温度が1600K以上であって2400K以下である光)を発することが求められる。
しかし、特許文献1には、相関色温度が1600K以上であって2400K以下である光を発する装置については記載されていない。
また、特許文献2および特許文献4には、Raを高めるための構成や、そのような構成のための検討について記載されていない。
特許文献3に記載されている照明装置は、特殊な発光素子のみによって発せられた光を放出するので、当該発光素子の出力を制御するための回路が必要になり、製造等の費用がかかるという問題がある。また、当該発光素子によって発せられる光は指向性が強いので、色分離しやすいという問題がある。
特許文献5には、相関色温度が1600K以上であって2400K以下である光を発する装置におけるRaを高めるための構成や、そのような構成のための検討について記載されていない。
特許文献6に記載されているLED照明灯具は、青色LEDが用いられており発光効率が低いという問題がある。また、一の青色LEDに赤色成分を多く含む光が発せられるように混合された蛍光体が塗布されているので、Raが十分に高いろうそく色の光を発することができない。
特許文献7に記載されている照明装置は、赤色領域の演色性は向上されているが、より低い相関色温度の光であるろうそく色の光の演色性をより向上させるための方法については記載されていない。
特許文献1〜7に記載されている技術は、光源の見えとしての感覚が本物のろうそくに比して不十分であり、青色を帯びたりする等して、ろうそく色としては不自然に感じられる光を発する。
一方、本発明のように、青色領域の光を放出する青色半導体発光素子を光源として用いて、ろうそく色の光等の相関色温度が2400K以下となるような光を発するような発光装置を作成した場合、発光効率が低下する傾向にある。
本発明はこれらのような課題に鑑みてなされたものであり、相関色温度が1600K以上、2400K以下であって、青色領域にピーク波長を有する青色半導体発光素子を用いた場合であっても、ろうそく色として自然に感じられる程度に高い演色性を有し、かつ、発光効率が高い光を発する半導体発光装置、当該半導体発光装置を備えた半導体発光システムおよび当該半導体発光装置を備えた照明器具を提供することにある(本発明の第一の課題)。
また、本発明の別の課題は、相関色温度が1600K以上、2400K以下である半導体発光装置であって、Raが極めて高い光、すなわち演色性に非常に優れた半導体発光装置、当該半導体発光装置を備えた半導体発光システムおよび当該半導体発光装置を備えた照明器具を提供することにある(本発明の第二の課題)。
上記第一の課題を解決するため、本発明の半導体発光装置は、青色領域に発光ピークを有する光を放出する青色半導体発光素子と、半導体発光素子を励起源として発光する蛍光体とを備え、蛍光体は、少なくとも赤色蛍光体及び発光スペクトルのピークの半値幅が65nm以上である緑色蛍光体を含み、当該半導体発光装置が発する光の相関色温度が1600K以上であって2400K以下であることを特徴とする(以下、本発明の第一の態様ともいう。)。また、赤色蛍光体は、発光ピーク波長が625nm以上、640nm以下である赤色蛍光体を含むことが好ましい。
上記第二の課題を解決するため、本発明の半導体発光装置は、青色領域に発光ピークを有する光を放出する青色半導体発光素子と、半導体発光素子を励起源として発光する蛍光体とを備え、蛍光体は、少なくとも発光ピーク波長が625nm以上、660nm以下である赤色蛍光体を含み、当該半導体発光装置が発する光の相関色温度が1600K以上であって2400K以下であることを特徴とする(以下、本発明の第二の態様ともいう。)。また、赤色蛍光体は、発光ピーク波長が640nm以上、660nm以下である赤色蛍光体を含むことが好ましい。
また、本発明の第一の態様では、緑色蛍光体は、発光ピークが500nm以上、525nm以下である緑色蛍光体を含むことが好ましい。
また、本発明の第二の態様では、発光ピークが500nm以上、525nm以下である緑色蛍光体を含むことが好ましい。
また、本発明の第一の態様、及び第二の態様では、緑色蛍光体としては、CSMS、LuAG、G−YAG、CSO、BSS、BSON、SAS−SrSiAlON、短波SiONからなる群から選択される少なくとも1つの蛍光体を含むことが好ましい。
また、本発明の第一の態様、及び第二の態様では、YAG、LSN、BOSE、αサイアロンからなる群から選択される少なくとも1つの黄色蛍光体を含むことが好ましい。
また、本発明の第一の態様、及び第二の態様では、半導体発光装置から発せられた光のスペクトルにおいて、前記半導体発光素子によって発せられた光のピーク強度の値が、前記蛍光体が発した光の最大ピーク強度の15%以下であることが好ましい。
また、本発明の第一の態様、及び第二の態様では、半導体発光装置が発する光の相関色温度が2000K未満である光を発することが好ましく、CIE(1931)XYZ表色系のXY色度図において、半導体発光装置が発する光の色度座標が、黒体輻射軌跡曲線からの偏差duvの値が−0.02以上であって0.02以下であることが好ましい。
また、蛍光体を保持する保持部材を備え、保持部材が蛍光体を保持して蛍光体層を形成し、蛍光体層が、半導体発光素子との間の距離が0.1mm以上であって500mm以下であるように支持されていることが好ましい。
本発明の別の態様は半導体発光システムであり、本発明の半導体発光システムは、第1の半導体発光装置として、上述した特徴のいずれかを有する半導体発光装置を備え、第2の半導体発光装置として、第1の半導体発光装置が発する光とは相関色温度が異なる光を発する半導体発光装置を備えていることを特徴とする(以下、本発明の第三の態様ともいう。)。
また、本発明の第三の態様では、第1の半導体発光装置の平均演色評価数Raの値が70以上であり、かつ、第2の半導体発光装置の平均演色評価数Raの値が70以上であることが好ましい。
加えて、本発明の別の態様は照明器具であり、本発明の照明器具は、上述した特徴のいずれかを有する半導体発光装置を備えていることを特徴とする。
本発明による第一の態様の半導体発光装置によれば、相関色温度が1600K以上、2400K以下であって、青色領域にピーク波長を有する青色半導体発光素子を用いた場合であっても、ろうそく色として自然に感じられる程度に高い演色性を有し、かつ、発光効率が高い光を発する半導体発光装置を提供することが可能となる。
また、本発明による第二の態様の半導体発光装置によれば、相関色温度が1600K以上、2400K以下であって、Raの値が大きい光、すなわち演色性に優れた光を発し、青色を帯びたりせず、ろうそく色として不自然に感じさせない光を発することができる。
本発明による半導体発光装置の構成例を示す概略説明図である。 蛍光体層が形成された半導体発光装置の構成を示す概略図である。 互いに相関色温度が異なる光を発する半導体発光装置を含む半導体発光システムの例を示す概略説明図である。 互いに相関色温度が異なる光を発する半導体発光装置を含む半導体発光システムの他の例を示す説明図である。 上述した実施形態の半導体発光装置を含む照明器具の構成例を示す概略断面図である。
本発明の第一、第二の態様の半導体発光装置は、430nm以上であって、480nm以下に発光ピークを有する光を放出する半導体発光素子、すなわち青色半導体発光素子を発光源として用いた半導体発光装置であって、蛍光体を備え、相関色温度が1600K以上であって2400K以下、すなわち所謂ろうそく色の光を発する半導体発光装置である。
通常、蛍光ランプとして使用される照明において、電球色といわれる低色温度照明であっても下限が2500Kであり、本発明はこれよりも低い超低色温度照明を、青色半導体発光素子を用いて実現するものである。
本発明の半導体発光装置に用いる半導体発光素子は、430nm以上であって、480nm以下に発光ピークを有する光を放出する半導体発光素子、いわゆる青色半導体発光素子である。青色半導体発光素子としては、460nm以下に発光ピークを有することが、
発光効率の観点から好ましい。
また、本発明の半導体発光装置に用いる半導体発光素子は、半値幅が5nm以上30nm以下であることが、発光効率の点から好ましい。
半導体発光素子は、窒素ガリウム系、酸化亜鉛系または炭化ケイ素系の半導体で形成されたpn接合形の発光部を有する発光ダイオード素子であることが好ましい。
本発明の第一の態様の半導体発光装置は、蛍光体として、少なくとも赤色蛍光体、及び発光スペクトルのピーク波長の半値幅が65nm以上である緑色蛍光体、いわゆる広帯域緑色蛍光体、を含む。本発明の第一の態様の半導体発光装置は、広帯域緑色蛍光体と赤色蛍光体を含む蛍光体を用いて、ろうそく色の光となる色温度を達成することで、ろうそく色として自然に感じられる程度に高い演色性を有し、かつ、青色半導体発光素子を用いた場合であっても、発光効率が高い光を発する半導体発光装置を提供することが可能となった。
好ましくは、赤色蛍光体の発光ピーク波長が625nm以上、640nm以下であることであり、広帯域緑色蛍光体と短波長赤色蛍光体とを組み合わせることで高演色、高発光効率となり好ましい。
一方、本発明の第二の態様の半導体発光装置は、蛍光体として、少なくとも発光ピーク波長が625nm以上、660nm以下である赤色蛍光体を含む。本発明の第二の態様の半導体発光装置は、赤色蛍光体、特に長波長赤色蛍光体を用いて、ろうそく色の光となる色温度を達成することで、Raの値が大きい光、すなわち演色性に優れた光を発し、青色を帯びたりせず、ろうそく色として不自然に感じさせない光を発する半導体発光装置を提供することが可能となった。
好ましくは、赤色蛍光体の発光ピーク波長が640nm以上、660nm以下であることであり、このような長波長赤色蛍光体を用いることで、より演色性の高い光を発する半導体発光装置とすることができる。
本発明において、赤色蛍光体の発光ピーク波長は、通常は570nm以上、好ましくは580nm以上、より好ましくは585nm以上で、通常は780nm以下、好ましくは700nm以下、より好ましくは680nm以下の波長範囲にあるものが好適である。赤色蛍光体として、例えば、CaAlSiN3:Eu(以下、「CASN」と呼ぶことがあ
る。)、CaAlSi(N1−x,O3:Eu(xは0<x<0.5)(以下、「C
ASON」蛍光体と呼ぶことがある。(CaAlSiN31-x(Si22O)x:Eu(
xは0<x<0.5)と記載することがある。)、(Ca1−x,Sr)AlSiN3
:Eu(xは0<x<1)(以下、「SCASN」蛍光体と呼ぶことがある。(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O)3:Euと記載することがある。)、(Ca,Sr,Ba
2Si5(N,O)8:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si(N,O)2:Eu、(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O)3:Eu、(Sr,Ba)3SiO5:Eu、(Ca,Sr
)S:Eu、SrAlSi47:Eu、(La,Y)22S:Eu、Eu(ジベンゾイルメタン)3・1,10−フェナントロリン錯体などのβ−ジケトン系Eu錯体、カルボン
酸系Eu錯体、K2SiF6:Mn、Mn付活ジャーマネートが好ましく例示される。
このうち、発光ピーク波長が640nm以上660nm以下である長波長赤色蛍光体としては、CASN、Mn付活ジャーマネートが挙げられる。また、発光ピーク波長が625nm以上、640nm以下である短波長赤色蛍光体としては、SCASN、CASON、(La,Y)22S:Eu、K2SiF6:Mn、(Ca,Sr,Ba)2Si5(N,O)8:Eu、SrAlSi47:Euが挙げられる。
また、赤色蛍光体の半値幅は、通常1nm以上80nm以下の範囲である。
本発明において、第一の態様の半導体発光装置は、ピーク波長の半値幅が65nm以上
である緑色蛍光体、いわゆる広帯域緑色蛍光体、を含む。また、発光ピーク波長が500nm以上、525nm以下である緑色蛍光体を含むことが好ましい。広帯域緑色蛍光体としては、半値幅が80nm以上であることが好ましく、90nm以上であることがより好ましく、100nm以上であることが更に好ましい。
一方、第二の態様の半導体発光装置は、緑色蛍光体の含有は必須ではないが、緑色蛍光体を含有することが好ましく、発光ピーク波長が500nm以上、525nm以下である緑色蛍光体を含むことがさらに好ましい。
半導体発光装置が緑色蛍光体を含有することで、半導体発光装置から放射される光における視感度の高い領域のスペクトルを増強させることができるので、半導体発光装置の発光効率を高めることができ、好ましい。発光ピーク波長が500nm以上、525nm以下である緑色蛍光体を含むことで半導体発光装置から放射される光の演色性を高めることとなり、好ましい。
本発明において、緑色蛍光体の発光ピーク波長は、通常は500nm以上、好ましくは510nm以上、より好ましくは515nm以上で、通常は550nm未満、好ましくは542nm以下の波長範囲にあるものが好適である。中でも、緑色蛍光体として、例えば、(Y,Lu)3(Al,Ga)512:Ce(以下、「LuAG」と呼ぶことがある。)、CaSc24:Ce(以下、「CSO」蛍光体と呼ぶことがある。)、Ca3(Sc,
Mg)2Si312:Ce(以下、「CSMS」蛍光体と呼ぶことがある。)、(Sr,Ba)2SiO4:Eu(以下、「BSS」蛍光体と呼ぶことがある。)、(Si,Al)6
(O,N)8:Eu(以下、「β−サイアロン」蛍光体と呼ぶことがある。)、Sr3l3Si13221、(Ba,Sr)3Si6122:Eu(以下、「BSON」蛍光体と呼
ぶことがある。)、SrGa24:Eu、BaMgAl1017:Eu,Mn(以下、「G−BAM」と呼ぶことがある。)、SrSiAlON、SrSi:Eu(以下、「短波SiON」と呼ぶことがある。)が例示される。
このうち、ピーク波長の半値幅が65nm以上である緑色蛍光体としては、CSMS、CSO、LuAG、GYAG、SrSiON、BSS、BSONが挙げられ、ピーク波長の半値幅が70nm以上である緑色蛍光体としては、CSMS、CSO、LuAG、GYAG、SrSiONがより好ましく挙げられる。発光ピーク波長が500nm以上、525nm以下である緑色蛍光体としては、CSMS、CSO、LuAGが挙げられる。
本発明の半導体発光装置は、上記赤色蛍光体、緑色蛍光体の他、本発明の効果を阻害しない程度に他の蛍光体を含有することができる。このような蛍光体としては、青色蛍光体、黄色蛍光体が挙げられる。
青色蛍光体の発光ピーク波長は、通常は420nm以上、好ましくは430nm以上、より好ましくは440nm以上で、通常は500nm未満、好ましくは490nm以下、より好ましくは480nm以下、更に好ましくは470nm以下、特に好ましくは460nm以下の波長範囲にある。青色蛍光体として例えば、(Ca,Sr,Ba)MgAl1017:Eu、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46(Cl,F)2:Eu、(Ba,
Ca,Mg,Sr)2SiO4:Eu、(Ba,Ca,Sr)3MgSi28:Euが例示
される。
黄色蛍光体の発光ピーク波長は、通常は530nm以上、好ましくは540nm以上、より好ましくは550nm以上で、通常は620nm以下、好ましくは600nm以下、より好ましくは580nm以下の波長範囲にある。黄色蛍光体として例えば、Y3Al512:Ce、(Y,Gd)3Al512:Ce(以下、「YAG」蛍光体と呼ぶことがある。)、(Sr,Ca,Ba,Mg)2SiO4:Eu、(Ca,Sr)Si222:Eu、
α−サイアロン、La3Si611:Ce(以下、「LSN」蛍光体と呼ぶことがある。但
し、その一部がCaやOで置換されていてもよい)、(Sr,Ca,Ba)SiO;Eu2+(以下、「BOSE」蛍光体と呼ぶことがある。)が例示され、好ましくはYAG、LSN、BOSE、α−サイアロンが例示される。
本発明では、上記蛍光体を用いて色温度を調整することで、相関色温度1600K以上、2400K以下の光を発する半導体発光装置を達成するが、演色性が高く、発光効率の高い光を発するためには、半導体発光装置が発する光の励起光比率を適当なもの、具体的には15%以下とすることが好ましい。
光の励起光比率とは、発光スペクトルにおいて、半導体発光素子によって発せられた光(励起光ともいう)のピーク強度と、当該励起光によって励起された蛍光体が発した光(蛍光ともいう)の最大ピーク強度の比の値をいい、この励起光比率が所定の範囲になるように半導体発光素子と蛍光体とを構成することにより、演色性を向上させることが可能となる。なお、蛍光の最大ピーク強度に対する励起光のピーク強度の比率の百分率を励起光比率という。
励起光比率を調整することで、半導体発光装置が発する光の演色性を高めることができる理由について以下説明する。
白色光源によって発せられる光の相関色温度を低下させると、当該白色光源の発する光が赤みを帯び、発光スペクトルにおいて短い波長領域(例えば、波長が450nm以下である領域)のスペクトルの割合が低下する。このことを、基準光である黒体放射のスペクトルの可視光領域において、相関色温度が2700Kの光のスペクトルにおける450nm以下のスペクトルの割合と、相関色温度が1900Kの光の発光スペクトルにおける450nm以下のスペクトルの割合とを比較して説明する。なお、相関色温度が2700Kの光とは、例えば、照明で使用される白熱電球によって発せられる光(以下、電球色の光ともいう)である。また、相関色温度が1900Kの光とは、例えば、ろうそくの炎によって発せられる光(以下、ろうそく色の光ともいう)である。
Figure 2013207241
上記式(1)において、
λ:波長[m]
T:色温度[K]
k:ボルツマン定数[J・K-1
h:プランク定数[J・s]
c:光速度[m/s]
であるとする。
上記式(1)を用いて、可視光領域におけるスペクトルの積分値に占める450nm以下の波長のスペクトルの積分値の割合を算出すると、相関色温度が2700Kである光の450nm以下の波長のスペクトルの積分値の割合は2.5%であり、相関色温度が1900Kである光の450nm以下の波長のスペクトルの積分値の割合は0.4%である。つまり、相関色温度が1900Kである光の450nm以下の波長のスペクトルの積分値の割合は、相関色温度が2700Kである光の450nm以下の波長のスペクトルの積分値の割合の6分の1以下であり、電球色の光と比べてろうそく色の光は450nm以下という短い波長の光のスペクトルの割合が低い。
従って、青色発光ダイオード素子や紫色発光ダイオード素子を励起源として使用した白色ランプを作成する場合に、電球色の合成光とろうそく色の合成光との励起強度(励起源によって発されれた光の強度)を同じにすると、450nm以下の波長のスペクトルのうち、励起光のスペクトルの割合は、電球色の合成光における割合よりもろうそく色の合成光における割合の方が高くなる。換言すれば、ろうそく色の合成光において励起光が相関色温度に与える影響は、電球色の合成光において励起光が相関色温度に与える影響よりも大きい。よって、ろうそく色の合成光において励起光の調整は重要である。
相関色温度が1600K以上であって2400K以下であるろうそく色の光を発する半導体発光装置の場合には、相関色温度が6500K程度の昼光色の合成光を発する場合や2700K程度の電球色の合成光を発する場合に採用可能な方法である赤色蛍光体と緑色蛍光体との混合比の調整や各蛍光体の選択という方法では演色性を高めることは困難であり、励起光比率を調整して演色性を高めることが好ましい。
本発明の半導体発光装置では、半導体発光装置から発せられた光のスペクトルにおいて、前記半導体発光素子によって発せられた光のピーク強度の値が、前記蛍光体が発した光の最大ピーク強度の15%以下であることが、演色性を高め、光源の見た目を自然なろうそくらしくするうえでは好ましい。より好ましくは10%以下であり、更に好ましくは5%以下である。
本発明の半導体発光装置が発する光は、相関色温度が1600K以上、2400K以下の、いわゆるろうそく色の光であるが、相関色温度が2000K以下であることが好ましく、2000K未満であることがより好ましい。
また、本発明の半導体発光装置が発する光は、CIE(1931)XYZ表色系のXY色度図において、半導体発光装置が発する光の色度座標が、黒体輻射軌跡曲線からの偏差duvの値が−0.02以上であって0.02以下であることが好ましい。
また、本発明の半導体発光装置が発する光は、平均演色評価数Raの値が75以上であることが好ましく、85以上であることがさらに好ましい。
本発明の半導体発光装置は、上記説明した要件を満たす限り、その製造方法も特段限定されない。例えば、図1は、本発明の半導体発光装置1の構成例を示す概略説明図である。図1に示すように、本発明の半導体発光装置1は、青色半導体発光素子であるLEDチップ10と、当該LEDチップ10が発した光の波長を変換する蛍光体20とを含む。そして、相関色温度が1600K以上であって2400K以下である光を発する。
蛍光体20は、パウダー状であってもよいし、セラミック組織中に蛍光体相を含有する発光セラミックであってもよい。パウダー状の蛍光体は、好ましくは、高分子材料またはガラスからなる透明な固定マトリクス中に蛍光体粒子を分散させて固定化されるか、または適当な部材の表面に電着やその他の方法で蛍光体粒子を層状に堆積させて固定化される。LEDチップ10によって発せられた光(具体的には、励起光)が半導体発光装置1の外部に放出される場合に、蛍光体20は当該光を所定の透過率で透過させている。従って、励起光比率を、励起光透過率ともいう。
以上に例示した蛍光体等を適宜組み合わせることで、半導体発光装置1が発する光のスペクトルにおける最大ピークの波長及び強度を調整することが可能である。本発明に係る半導体発光装置1が発する光のスペクトルにおける最大ピークの波長及び強度は、本発明の特定の励起光比率を満たせば特段限定されないが、半導体発光装置1が発する光のスペクトルにおける最大ピークの波長が600nm以上660nm以下であることで、いわゆるろうそく色の合成光を達成しやすくなり、好ましくは最大ピーク波長が610nm以上
660nm以下である。
半導体発光装置1によって発せられる合成光における励起光比率を調整する方法として、LEDチップ10に応じて、緑色蛍光体と赤色蛍光体の配合比を変更する方法、および蛍光体20の総量と蛍光体20を半導体発光装置1の内部に封止するための樹脂の量との割合を調整する方法などが挙げられる。その他、例えば、半導体発光装置1における半導体発光装置1が発した合成光が外部に放出される経路や励起光が通過する経路に、励起光の波長以外の波長の光を通過させるフィルタ(バンドパスフィルタ)や、励起光の波長よりも短い波長の光を通過させないフィルタ(UVカットフィルタ)、励起光の波長の光を通過させないまたは所定の割合で減じて通過させるフィルタ(バンドエリミネーションフィルタ)が設置されていてもよい。
図2は、蛍光体層20Lが形成された半導体発光装置11の構成を示す概略図である。図2(a)は、蛍光体層20Lが形成された半導体発光装置11の構成を示す概略断面図である。図2(b)は、蛍光体層20Lが形成された半導体発光装置11の構成を示す概略斜視図である。図2(a),(b)に示すように、蛍光体層20Lは、それぞれ複数の緑色蛍光体部20gと赤色蛍光体部20rとを含む。各蛍光体部は、基板20k上に載置されたLEDチップ10の上面10aに向かい合う第1の面21を有するように膜状または板状に成形された保持部材20hに形成される。つまり、蛍光体層20Lは、第2の面22に各蛍光体部が形成された保持部材20hを含む。
保持部材20hには、例えば、透明樹脂材やガラス材等が用いられる。なお、透明樹脂材として、例えば、熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等が用いられるが、LEDチップ10から発せられる光に対して十分な透明性と耐久性とを有した材料が用いられることが好ましい。
そのような材料に、ポリ(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレンやスチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアルコール、エチルセルロースやセルロースアセテートやセルロースアセテートブチレート等のセルロース系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等がある。また、無機系材料に、例えば、金属アルコキシド、セラミックス前駆体ポリマー、もしくは金属アルコキシドを含有する溶液をゾル−ゲル法により加水分解重合してなる溶液、またはこれらの組み合わせを固化した無機系材料、例えば、シロキサン結合を有する無機系材料やガラスがある。
そして、蛍光体層20Lにおいて保持部材20h上には、隣接する各色の蛍光体部20r,20gの境界に設けられた仕切り部20sが形成されている。つまり、複数の赤色蛍光体部20rと複数の緑色蛍光体部20gとが仕切り部20sを挟んで並設されている。
本実施形態において、保持部材20hにおける厚さ方向に向く一方の面(例えば、LEDチップ10の上面10aに向かい合う第1の面21の反対側の第2の面22)に、仕切り部20sによって仕切られた各領域に所定の充填剤と混合された各色の蛍光体部20r,20gがスクリーン印刷等で塗布されることにより複数の複数の赤色蛍光体部20rと複数の緑色蛍光体部20gとが仕切り部20sを挟んで並設されている。つまり、複数の赤色蛍光体部20rと複数の緑色蛍光体部20gは、膜状または板状の蛍光体層20Lの厚さ方向に向く面に並べられている。なお、保持部材20hにおける第1の面21に、仕切り部によって仕切られた各領域に所定の充填剤と混合された各色の蛍光体部20r,20gがスクリーン印刷等で塗布されていてもよい。また、保持部材20hが仕切り部20sを構成する仕切り部材によって複数の領域に仕切られ、当該仕切り部材によって仕切られた各領域に、赤色蛍光体が充填剤と混合された赤色蛍光体部20rと緑色蛍光体が充填
剤と混合された緑色蛍光体部20gとが形成されてもよい。
そして、本実施形態の蛍光体層20Lにおいて、保持部材20hの第2の面22における各蛍光体部の面積は、励起光比率にもとづいて決定される。なお、蛍光体部の色毎に領域の大きさを異ならせることによって各蛍光体部の面積比を異ならせてもよいし、蛍光体部の色毎に領域の数を異ならせることによって各蛍光体部の面積比を異ならせてもよい。また、励起光比率にもとづいて各蛍光体と充填剤との混合割合を互いに異ならせてもよい。
また、蛍光体層20Lの第1の面21とLEDチップ10の上面10aとの間には、例えば、封止材20jが0.1mm以上であって500mm以下の厚さで充填されている。そして、蛍光体層20Lは、LEDチップ10の上面10aとの間の距離が0.1mm以上であって500mm以下であるように保持部材20hによって支持されている。
なお、仕切り部には、例えば、アルミナ系セラミックや、セラミック、樹脂、ガラスエポキシ、樹脂中にフィラーを含有した複合樹脂などから選択された材料が用いられてもよい。なお、各色の蛍光体部内に光を反射させて戻すために、アルミナ粉末、シリカ粉末、酸化マグネシウム、酸化チタンなどの白色顔料を含むシリコーン樹脂が用いられてもよい。
以下、実施例を用いて、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明が実施例の具体的態様にのみ限定されないことはいうまでもない。
<実施例1>
半導体発光装置1は、励起源として青色LED(発光ピーク波長450nm)6個が5050MD型アルミセラミックパッケージに実装され、蛍光体層として、蛍光体をバインダー樹脂(三菱化学製 シリコーン樹脂N113D)中に均一に分散保持されたもので封止されている。蛍光体層に含まれる蛍光体としては、緑色蛍光体として組成式Ca(Sc,Mg)Si12:Ce3+で表わされるCSMS蛍光体(ピーク波長510nm、半値幅110nm)、赤色蛍光体として組成式(Sr,Ca)AlSiN:Euで表わされるSCASN蛍光体(ピーク波長630nm、半値幅90nm)を、1900Kの相関色温度の光を発するように、表1に示す配合比率(重量%)で混合した。半導体発光装置1の発光効率、変換効率(発光装置から放射される光の光束/半導体発光素子から放射される光の放射束)、相関色温度、Ra、励起光比率(蛍光体が発した光の最大ピーク強度に対する、蛍光体層を透過した半導体発光素子が放出した光のピーク強度の比)を表2に示す。
Figure 2013207241
Figure 2013207241
<実施例2>
半導体発光装置2は、励起源として青色LED(発光ピーク波長450nm)6個が5050MD型アルミセラミックパッケージに実装され、蛍光体層として、蛍光体をバインダー樹脂(三菱化学製 シリコーン樹脂N113D)中に均一に分散保持されたもので封止されている。蛍光体層に含まれる蛍光体としては、緑色蛍光体として組成式Ca(Sc,Mg)Si12:Ce3+で表わされるCSMS蛍光体(ピーク波長510nm、半値幅110nm)、赤色蛍光体として組成式CaAlSiN:Euで表わされるCASN蛍光体(ピーク波長650nm、半値幅90nm)を、1900Kの相関色温度の光を発するように、表3に示す配合比率(重量%)で混合した。半導体発光装置2の発光効率、変換効率、相関色温度、Ra、励起光比率(蛍光体が発した光の最大ピーク強度に対する、蛍光体層を透過した半導体発光素子が放出した光のピーク強度の比)を表4に示す。
Figure 2013207241
Figure 2013207241
本発明の半導体発光装置1及び2が発した光を観察したところ、発光装置から放出される光の均一性が高く、自然な光に感じられた。これは、半導体発光素子から放射される光の配光と蛍光体から放射される光の配光が異なるので、発光装置から放出される光のうち、半導体発光素子から放射される光の割合が少ないためと考えられる。
半導体発光装置の発光ダイオード素子を封止するための封止材には、例えば、透明樹脂材やガラス材等が用いられる。なお、透明樹脂材として、例えば、熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等が用いられるが、発光ダイオード素子から発せられる近紫外光に対して十分な透明性と耐久性とを有した材料が用いられることが好ましい。そのような材料に、ポリ(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレンやスチ
レン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアルコール、エチルセルロースやセルロースアセテートやセルロースアセテートブチレート等のセルロース系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等がある。また、無機系材料に、例えば、金属アルコキシド、セラミックス前駆体ポリマー、もしくは金属アルコキシドを含有する溶液をゾル−ゲル法により加水分解重合してなる溶液、またはこれらの組み合わせを固化した無機系材料、例えば、シロキサン結合を有する無機系材料やガラスがある。
また、封止材に、光散乱剤が含まれていてもよい。封止材に含まれる光散乱剤は、無機粒子であることが好ましく、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムである。封止材に光散乱剤が含まれている場合には、封止材に含まれる光散乱剤の量を調整すれば、封止材に含まれる蛍光体の総量や、各蛍光体の配合比を大きく変化させることなく、励起光比率を調整することができる。
次に、本発明の第三の態様は、これらの半導体発光装置を用い、互いに相関色温度が異なる光を発する半導体発光装置を含む半導体発光システムである。
図3は、互いに相関色温度が異なる光を発する半導体発光装置を含む半導体発光システムの例を示す概略説明図である。図3に示す例では、互いに相関色温度が異なる光を発する半導体発光装置1aと半導体発光装置1bとが並んで設置されている。半導体発光装置1aは、LEDチップ10aと蛍光体20aとを含む。半導体発光装置1bは、LEDチップ10bと蛍光体20bとを含む。
図3に示す半導体発光装置1aは、前述の実施形態の半導体発光装置1における構成と同様な構成で、例えば、相関色温度が1900K(つまり、ろうそく色)の光を発し、半導体発光装置1bは、例えば、相関色温度が1900K以外の相関色温度(つまり、ろうそく色以外の色)である2000K以上、好ましくは2400K以上であって6700K以下のいずれかの相関色温度の光を発する。なお、半導体発光装置1aが発する光の相関色温度と、半導体発光装置1bが発する光の相関色温度との差である相関色温度差は、2000K以上であることが好ましく、3000K以上であることがより好ましく、3500K以上であることが特に好ましい。具体的には、例えば、半導体発光装置1aが発する光の相関色温度が1900Kであり、半導体発光装置1bが発する光の相関色温度が2700K、5000K、または6700Kのいずれかである。そのような構成によれば、例えば、それぞれの半導体発光装置におけるLEDチップに流れる電流量を制御することにより、半導体発光装置1aが発する光の強度と半導体発光装置1bが発する光の強度とを調整して、それぞれの光の合成により得られる合成光の相関色温度を、半導体発光装置1aが発する光の相関色温度(例えば、1900K)と半導体発光装置1bが発する光の相関色温度(例えば、2700K、5000Kまたは6700Kのいずれか)との間で調整可能な半導体発光システムを実現することができる。
図3に示すような半導体発光装置1aおよび半導体発光装置1bを有した半導体発光システムのもう1つの例を図4に示す。図4に示す例では、半導体発光システム101は、電気絶縁性に優れて良好な放熱性を有したアルミナ系セラミックからなる配線基板102のチップ実装面102aに4個ずつ2列に実装されたLEDチップ103を備えている。更に、配線基板102のチップ実装面102aには、これらLEDチップ103を取り囲むように、環状且つ円錐台形状のリフレクタ(壁部材)104が設けられている。
なお、半導体発光装置1a又は1bのいずれかが、平均演色評価数Raの値が70以上であることが好ましく、80以上であることがより好ましく、86以上であることがさらに好ましく、92以上であることが特に好ましい。さらには、半導体発光装置1bも、平
均演色評価数Raの値が70以上であることが好ましく、80以上であることがより好ましく、88以上であることがさらに好ましく、92以上であることが特に好ましい。特に、半導体発光装置1aの平均演色評価数Raの値を上記の好ましい値のいずれかとし、かつ、半導体発光装置1bの平均演色評価数Raの値を上記の好ましい値のいずれかとすることで、色温度を調整した際の平均演色評価数Raの変動を小さくすることができる。
リフレクタ104の内側は、仕切り部材105によって第1領域106と第2領域107とに分割され、各領域にはそれぞれ蛍光体が充填剤に混合された状態で充填されている。具体的には、第1領域106には、前述の実施形態における半導体発光装置1および前述の半導体発光装置1aと同様に、例えば、相関色温度が1900Kの光を発するための蛍光体が充填され、第2領域107には、前述の半導体発光装置1bと同様に、例えば、相関色温度が2700K、5000Kまたは6700Kのいずれかの光を発するための蛍光体が充填されている。従って、第1領域106には、LEDチップ103と第1の領域106に充填された蛍光体とによって半導体発光装置1aが構成され、第2領域107には、LEDチップ103と第2の領域107に充填された蛍光体とによって半導体発光装置1bが構成されていることになる。なお、リフレクタ104および仕切り部材105は、樹脂、金属、セラミックなどで形成することができ、接着剤などを用いて配線基板102に固定される。また、リフレクタ104および仕切り部材105に導電性を有する材料を用いる場合は、配線パターンに対して電気的な絶縁性を持たせるための処理が必要となる。
なお、図4に示すLEDチップ103の数は一例であって、必要に応じて増減可能であり、第1領域106と第2領域107とに1個ずつとすることも可能であり、またそれぞれの領域で数を異ならせることも可能である。また、配線基板102の材質についても、アルミナ系セラミックに限定されるものではなく、様々な材質を適用可能であり、例えば、セラミック、樹脂、ガラスエポキシ、樹脂中にフィラーを含有した複合樹脂などから選択された材料を用いてもよい。更に、配線基板102のチップ実装面102aにおける光の反射性を良くして半導体発光システムの発光効率を向上させる上では、アルミナ粉末、シリカ粉末、酸化マグネシウム、酸化チタンなどの白色顔料を含むシリコーン樹脂を用いるのが好ましい。一方、銅製基板やアルミ製基板などのような金属製基板を用いて放熱性を向上させることも可能である。但し、この場合には、電気的絶縁を間に介して配線基板に配線パターンを形成する必要がある。
また、上述したリフレクタ104及び仕切り部材105の形状も一例を示すものであって、必要に応じて様々に変更可能である。例えば、予め成形したリフレクタ104及び仕切り部材105に代えて、ディスペンサなどを用い、配線基板102のチップ実装面102aにリフレクタ104に相当する環状壁部(壁部材)を形成し、その後に仕切り部材105に相当する仕切り壁(仕切り部材)を形成するようにしてもよい。この場合、環状壁部及び仕切り壁部に用いる材料には、例えばペースト状の熱硬化性樹脂材料またはUV硬化性樹脂材料などがあり、無機フィラーを含有させたシリコーン樹脂が好適である。
図4に示すような構成によれば、半導体発光装置1aおよび半導体発光装置1bに流す電流量を制御して、第1領域106に設置されている半導体発光装置1aが発する光の相関色温度(例えば、1900K)と第2領域107に設置されている半導体発光装置1bが発する光の相関色温度(例えば、2700K、5000Kまたは6700Kのいずれか)との間で、半導体発光システムによって発せられる合成光の相関色温度を調整することができる。
なお、図4に示す構成において、第1領域106および第2領域107への蛍光体の充填に代えて、透明な板材に蛍光体を塗布し、LEDチップ103の上方に配置するように
してもよい。
図5は、上述した実施形態の半導体発光装置1を含む照明器具200の構成例を示す概略断面図である。図5に示す例の照明器具200は、ベース部材201の上面に半導体発光装置1が設置されている。そして、半導体発光装置1から発せられた光が通過する位置に、カバー部材202が設置されている。図5に示す例では、カバー部材202は、ろうそくの炎の形状を摸した外形形状であり、底面に上方に向かう凹部203が設けられている。そして、カバー部材202の底面とベース部材201の上面との間において、カバー部材202に凹部203が設けられていることによって生じた当該カバー部材202の内壁と凹部203の天面とに囲まれた部分に半導体発光装置1が設置されている。
そして、LEDチップ10には、電線204によって発光するための電力が供給される。すると、LEDチップ10は光を発し、蛍光体20は、当該LEDチップ10が発した光によって励起されて蛍光を発する。そして、LEDチップ10と蛍光体20とを含む半導体発光装置1は、LEDチップ10が発した光と蛍光との合成光であるろうそく色の光を、カバー部202を介して外部に放射する。
そのような構成によれば、半導体発光装置1が発したろうそく色の光がカバー部材202を通過して外部に放射されるので、照明器具200にろうそく色の光を発させて、ろうそくの炎の外形形状を摸したカバー部材202がろうそく色の光を発しているように見せることができる。従って、照明器具200を、ろうそくの炎に摸した点灯状態にすることができる。
なお、図5には、各色の蛍光体が混合された蛍光体20を含む半導体発光装置1が設置されることが例示されているが、図2に示すような各色の蛍光体が塗り分けられて蛍光体層20Lが形成された半導体発光装置11が設置されてもよい。
1,1a,1b,11 半導体発光装置
10,10a,10b,103 LEDチップ
20,20a,20b 蛍光体
20r 赤色蛍光体
20g 緑色蛍光体
20b 青色蛍光体
20L 蛍光体層
20k 基板
20h 保持部材
20s 仕切り部
20j 封止材
101 半導体発光システム
102 配線基板
102a チップ実装面
104 リフレクタ
105 仕切り部材
106 第1領域
107 第2領域
200 照明器具
201 ベース部材
202 カバー部材
203 凹部
204 電線

Claims (15)

  1. 430nm以上であって、480nm以下に発光ピークを有する光を放出する半導体発光素子と、前記半導体発光素子を励起源として発光する蛍光体とを備える半導体発光装置において、
    前記蛍光体は、少なくとも赤色蛍光体、及び発光スペクトルのピークの半値幅が65nm以上である緑色蛍光体を含み、
    相関色温度が1600K以上であって2400K以下である光を発することを特徴とする半導体発光装置。
  2. 430nm以上であって、480nm以下に発光ピークを有する光を放出する半導体発光素子と、前記半導体発光素子を励起源として発光する蛍光体とを備える半導体発光装置において、
    前記蛍光体は、少なくとも発光ピーク波長が625nm以上、660nm以下である赤色蛍光体を含み、
    相関色温度が1600K以上であって2400K以下である光を発することを特徴とする半導体発光装置。
  3. 前記赤色蛍光体は、発光ピーク波長が625nm以上、640nm以下である赤色蛍光体を含む、請求項1に記載の半導体発光装置。
  4. 前記赤色蛍光体は、発光ピーク波長が640nm以上、660nm以下である赤色蛍光体を含む、請求項2に記載の半導体発光装置。
  5. 前記半導体発光装置から発せられた光のスペクトルにおいて、前記半導体発光素子によって発せられた光のピーク強度の値が、前記蛍光体が発した光の最大ピーク強度の15%以下である、請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  6. 前記緑色蛍光体は、発光ピーク波長が500nm以上、525nm以下である緑色蛍光体を含む、請求項1に記載の半導体発光装置。
  7. 前記蛍光体は、発光ピーク波長が500nm以上、525nm以下である緑色蛍光体を含む、請求項2に記載の半導体発光装置。
  8. 前記緑色蛍光体はCSMS、LuAG、GYAG、CSO、BSS、BSON、SAS−SrSiAlON、短波SiONからなる群から選択される少なくとも1つの蛍光体を含む、請求項6または7に記載の半導体発光装置。
  9. 前記蛍光体は、YAG、LSN、BOSE、αサイアロンからなる群から選択される少なくとも1つの黄色蛍光体を含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  10. 相関色温度が2000K未満である光を発する、請求項1から9のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  11. CIE(1931)XYZ表色系のXY色度図において、当該半導体発光装置が発する光の色度座標は、黒体輻射軌跡曲線からの偏差duvの値が−0.02以上であって0.02以下である、請求項1から10のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  12. 前記蛍光体を保持する保持部材を備え、
    前記保持部材は、前記蛍光体を保持して蛍光体層を形成し、
    前記蛍光体層は、前記半導体発光素子との間の距離が0.1mm以上であって500mm以下であるように支持されている請求項1から11のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  13. 第1の半導体発光装置として、請求項1から12のいずれか1項に記載の半導体発光装置を備え、第2の半導体発光装置として、前記第1の半導体発光装置が発する光とは相関色温度が異なる光を発する半導体発光装置を備える半導体発光システム。
  14. 前記第1の半導体発光装置の平均演色評価数Raの値が70以上であり、かつ、前記第2の半導体発光装置の平均演色評価数Raの値が70以上である請求項13に記載の半導体発光システム。
  15. 請求項1から12のいずれか1項に記載の半導体発光装置を備える照明器具。
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