JP2013207075A - 太陽電池用保護シートおよびその製造方法、ならびに太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、太陽電池モジュールの受光面側の保護部材または裏面側の保護部材として用いられる太陽電池用保護シートおよびその製造方法、ならびにそのような太陽電池用保護シートを用いた太陽電池モジュールに関するものである。
太陽の光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池モジュールは、大気汚染や地球温暖化などの環境問題に対応して、二酸化炭素を排出せずに発電できるクリーンなエネルギー源として注目されている。
一般に太陽電池モジュールは、受光面側の保護部材(例えば、ガラス板)、太陽電池セル、封止材および裏面側の保護部材(例えば、バックシートとも呼ばれる樹脂系材料を備えるシート部材)から概略構成される。太陽電池セルが、結晶シリコンのように剛直である場合には、受光面側の保護部材としてガラス板が用いられる。光電変換セルがCIGS(銅、インジウム、ガリウム、セレン)のように柔軟な場合には、受光面側の保護部材として樹脂系材料を備える部材が用いられる。本明細書において、太陽電池モジュールにおける受光面側または裏面側の保護部材のうち、樹脂系材料を備えるものを「太陽電池用保護シート」という。
屋外および屋内において長期間の使用に耐えうる耐候性および耐久性を太陽電池モジュールに持たせるためには、太陽電池セルおよび封止材を風雨、湿気、砂埃、機械的な衝撃などから守り、太陽電池モジュールの内部を外気から遮断して密閉した状態に保つことが必要である。このため、太陽電池用保護シートには、長期間の使用に耐え得る耐湿性と耐候性とが要求される。
これら太陽電池用保護シートに求められる特性のうち、特に耐候性の観点からフッ素を含有する樹脂を主成分とする材料(以下、「フッ素含有材料」ともいう。)が太陽電池用保護シートの構成材料として使用される場合がある。フッ素を含有する樹脂の主鎖の結合エネルギーは、通常、太陽光における紫外線の最大波長エネルギー(411kJ/mol)よりも高いため、太陽光が照射されてもフッ素を含有する樹脂は分解・変質しにくい。それゆえ、フッ素含有材料を太陽電池用保護シートの構成材料として使用することにより、特に耐候性に優れる太陽電池用保護シートが得られる。
そのようなフッ素含有材料を用いる太陽電池用保護シートとして、例えば、特許文献1には、水不透過性シートの少なくとも一方の面に硬化性官能基含有含フッ素ポリマー塗料の硬化塗膜が形成されてなる太陽電池モジュールの裏面側の太陽電池用保護シート(本明細書において「裏面保護シート」ともいう。)が開示されている。
ところが、上記の特許文献1において使用される硬化剤はイソシアネート系など熱硬化性のものであり、硬化に要する時間が長い。このため、裏面保護シートにはブロッキングが発生しやすいなどの問題があった。この点に関し、例えば特許文献2には、フルオロオレフィンに基づく重合単位および紫外線硬化性官能基を有する重合単位を含む紫外線硬化性の被覆用組成物が開示されている。
ところが、このようなフッ素含有材料を含む塗膜(以下、「フッ素含有塗膜」ともいう。)を基材上に備える構成を有する裏面保護シートは、そのフッ素含有塗膜が紫外線を透過するため、基材が紫外線によって黄変するなどの問題を生ずる場合があった。
このような紫外線による基材の変色の問題を解決するための手段の一つとして、二酸化チタン粒子のような無機系粒子からなる紫外線を遮断する材料をフッ素含有塗膜内に含有させることが考えられる。しかしながら、太陽電池用保護シートの色調の制御性が低下するという問題を有するため、そのような材料を含有するシートは、裏面保護シートとして使用しにくい。また、かかる材料が光を散乱させるため、この材料を含有する太陽電池用保護シートは、太陽光に対する高い透過率が求められる受光面側の太陽電池用保護シート(本明細書において「表面保護シート」ともいう。)としては採用不可能であった。
二酸化チタン粒子のような材料ではなく、ベンゾフェノンなどの有機系の紫外線吸収剤をフッ素含有塗膜内に含有させることも考えられるが、特許文献2などに開示されるようにフッ素含有塗膜が紫外線硬化性の被覆用組成物から形成される場合には、こうした有機系の紫外線吸収剤が、その組成物を硬化させるために照射した紫外線を吸収して硬化阻害剤として機能し、フッ素含有塗膜の形成が適切に行われないという問題があった。
かかる現状を鑑み、本発明は、紫外線などのエネルギー線を照射することにより速やかに硬化されてなるフッ素含有材料からなる層を基材上に備え、その基材が紫外線照射によっても黄変しにくい太陽電池用保護シートおよびその製造方法を提供することを課題とする。また、本発明は、そのような太陽電池用保護シートが組み込まれた太陽電池モジュールを提供することも課題とする。
上記目的を達成するために提供される本発明は、第1に、基材と、当該基材の少なくとも一方の面に積層されたフッ素樹脂層とを備える太陽電池用保護シートであって、前記フッ素樹脂層は、エネルギー線硬化性官能基を有するフッ素含有重合体と、下記構造式(a)から(d)で示されるエネルギー線重合開始剤からなる群から選ばれる一種または二種以上からなる重合開始剤(α)とを含有する組成物が、エネルギー線の照射により硬化したことにより得られたものであることを特徴とする太陽電池用保護シートを提供する(発明1)。
(式(a)中、R1〜R10は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはフェノキシ基を示し、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
(式(b)中、XはSまたはOを示し、R1〜R10は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはフェノキシ基を示し、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
(式(c)中、XはSまたはOを示し、R1〜R8は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはフェノキシ基を示し、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
(式(d)中、R1〜R8は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはフェノキシ基を示し、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
(式(a)中、R1〜R10は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはフェノキシ基を示し、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
(式(b)中、XはSまたはOを示し、R1〜R10は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはフェノキシ基を示し、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
(式(c)中、XはSまたはOを示し、R1〜R8は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはフェノキシ基を示し、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
(式(d)中、R1〜R8は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはフェノキシ基を示し、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
上記発明に係る太陽電池用保護シートは、重合開始剤(α)により適切に硬化されたフッ素含有重合体の硬化物を含有するフッ素樹脂層を備える。このため、上記発明に係る太陽電池用保護シートは、ブロッキングの問題が発生しにくく、使用時の耐候性にも優れる。また、フッ素樹脂層は重合開始剤(α)に由来する紫外線吸収剤(β)を含有するため、基材が黄変しにくい。なお、上記のエネルギー線の照射により硬化する前の組成物の状態は任意であり、流体(液状体)の状態であってもよいし、流動性が低下したゲル状であってもよいし、固体状であってもよい。また、その形状も任意であり、不定形であってもよいし、層状体であってもよい。
本発明は、第2に、基材と、当該基材の少なくとも一方の面に積層されたフッ素樹脂層とを備える太陽電池用保護シートであって、前記フッ素樹脂層は、エネルギー線硬化性官能基を有するフッ素含有重合体の硬化物と、請求項1に記載される構造式(a)から(d)で示されるエネルギー線重合開始剤からなる群から選ばれる一種または二種以上からなる重合開始剤(α)に由来する紫外線吸収剤(β)とを含有することを特徴とする太陽電池用保護シートを提供する(発明2)。
かかる太陽電池用保護シートも、上記発明(発明1)に係る太陽電池用保護シートと同様に、フッ素樹脂層の硬化不良に起因するブロッキングの問題が発生しにくく、基材が黄変しにくい。
上記発明(発明1または2)において、前記エネルギー線硬化性官能基を有するフッ素含有重合体における当該エネルギー線硬化性官能基は、エポキシ基、エーテル基、エステル基およびエチレン性不飽和結合を有する基からなる群から選ばれる一種または二種以上を含むことが好ましい(発明3)。これらの基を有する場合には、エネルギー線の照射により適切に硬化したフッ素樹脂層が得られやすい。
上記発明(発明3)において、前記エネルギー線硬化性官能基を有するフッ素含有重合体は、水酸基を含有するフッ素含有重合体と、水酸基との反応性を有する反応性基およびエネルギー線硬化性官能基を有する化合物とが、前記水酸基と前記反応性基とにおいて結合したものであることが好ましい(発明4)。この場合には、エネルギー線硬化性官能基を有するフッ素含有重合体の設計自由度が高く、得られるフッ素樹脂層の生産性を高めることができる。
上記発明(発明4)において、前記水酸基を含有するフッ素含有重合体の水酸基価は、15mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることが好ましい(発明5)。この場合には、ブロッキングが発生したり耐候性が低下したりする問題が生じにくい。
上記発明(発明4または5)において、前記水酸基との反応性を有する反応性基はイソシアネート基であり、前記エネルギー線硬化性官能基はエチレン性不飽和結合を有する基であることが好ましい(発明6)。イソシアネート基は、水酸基との反応の制御性に優れる。また、エチレン性不飽和結合を有する基は、加熱により反応する可能性が低く、取り扱い性に優れる。
上記発明(発明1から6)において、前記フッ素樹脂層の厚さは2μm以上50μm以下であることが好ましい(発明7)。フッ素樹脂層の厚さを上記範囲とすることにより、耐候性、耐薬品性、軽量化などのバランスに優れる太陽電池用保護シートを得ることが容易となる。
上記発明(発明1から7)において、前記基材はポリエステル系樹脂を含有するフィルムからなることが好ましい(発明8)。ポリエステル系樹脂は、耐湿性などの特性に優れ、その中でもポリエチレンテレフタレート(PET)は、特性とコストとのバランスに優れる。
上記発明(発明1から8)において、前記基材と前記フッ素樹脂層との間に少なくとも一つ以上の層からなる介在層を備えることが好ましい(発明9)。介在層を備えることにより、太陽電池用保護シートに様々な機能をさらに付与することが可能となる。
上記発明(発明9)において、前記介在層が、前記基材および前記フッ素樹脂層の少なくとも一方に対する接着性を有する接着層を一層または二層以上含むことが好ましい(発明10)。かかる接着層を備えることにより、フッ素樹脂層と基材とが剥離する可能性がさらに低減される。
上記発明(発明9または10)において、前記介在層が、蒸着層および金属シートから選ばれる一つ以上の金属性材料層を含むことが好ましい(発明11)。かかる金属性材料層を備えることにより、太陽電池用保護シートに防湿性(水蒸気バリア性)およびさらなる耐候性を付与することができる。
本発明は、第3に、上記発明(発明1から8)のいずれかに係る太陽電池用保護シートの製造方法であって、前記フッ素樹脂層のエネルギー線照射前の状態に相当する層であって、前記エネルギー線硬化性官能基を有するフッ素含有重合体と前記重合開始剤(α)とを含有する未硬化層に対して、エネルギー線を照射して前記フッ素樹脂層を形成し、前記基材の少なくとも一方の面に、前記フッ素樹脂層を積層することを特徴とする太陽電池用保護シートの製造方法を提供する(発明12)。
本発明は、第4に、上記発明(発明9から11)のいずれかに係る太陽電池用保護シートの製造方法であって、前記フッ素樹脂層のエネルギー線照射前の状態に相当する層であって、前記エネルギー線硬化性官能基を有するフッ素含有重合体と前記重合開始剤(α)とを含有する未硬化層に対して、エネルギー線を照射して前記フッ素樹脂層を形成し、前記介在層の前記基材と反対側の面に、前記フッ素樹脂層を積層することを特徴とする太陽電池用保護シートの製造方法を提供する(発明13)。
本発明は、第5に、上記発明(発明1から8)のいずれかに係る太陽電池用保護シートの製造方法であって、前記フッ素樹脂層のエネルギー線照射前の状態に相当する層であって、前記エネルギー線硬化性官能基を有するフッ素含有重合体と前記重合開始剤(α)とを含有する未硬化層を、前記基材の少なくとも一方の面に積層し、前記基材に積層された前記未硬化層にエネルギー線を照射して、前記フッ素樹脂層を形成することを特徴とする太陽電池用保護シートの製造方法を提供する(発明14)。
本発明は、第6に、上記発明(発明9から11)のいずれかに係る太陽電池用保護シートの製造方法であって、前記フッ素樹脂層のエネルギー線照射前の状態に相当する層であって、前記エネルギー線硬化性官能基を有するフッ素含有重合体と前記重合開始剤(α)とを含有する未硬化層を、前記介在層の前記基材と反対側の面に積層し、前記基材に積層された前記未硬化層にエネルギー線を照射して、前記フッ素樹脂層を形成することを特徴とする太陽電池用保護シートの製造方法を提供する(発明15)。
上記発明(発明12から15)において、前記エネルギー線硬化性官能基を有するフッ素含有重合体と前記重合開始剤(α)とを含有する塗工液からなる塗液層を乾燥、加熱して、前記未硬化層を形成することが好ましい(発明16)。
上記発明(発明12から15)において、前記重合開始剤(α)、水酸基を含有するフッ素含有重合体、および前記水酸基への反応性を有する反応性基とエネルギー線硬化性官能基とを有する化合物を含有する塗工液からなる塗液層を乾燥、加熱して、前記未硬化層を形成することが好ましい(発明17)。
本発明は、第7に、太陽電池セル、前記太陽電池セルを包容する封止材、および前記封止材の主面のそれぞれに積層される二つの保護部材を備える太陽電池モジュールであって、前記保護部材の少なくとも一方は上記発明(発明1から11)のいずれかに係る太陽電池用保護シートからなることを特徴とする太陽電池モジュールを提供する(発明18)。
本発明は、第8に、太陽電池セル、前記太陽電池セルを包容する封止材、および前記封止材の主面のそれぞれに積層される二つの保護部材を備える太陽電池モジュールであって、前記太陽電池モジュールにおける少なくとも受光面側に積層される前記保護部材は上記発明(発明1から11)のいずれかに係る太陽電池用保護シートからなることを特徴とする太陽電池モジュールを提供する(発明19)。
本発明に係る太陽電池用保護シートはフッ素含有重合体の硬化物を含有するフッ素樹脂層を備えるため、耐候性に優れる。また、フッ素樹脂層は太陽光に含まれる紫外線を吸収する紫外線吸収剤(β)を含有するため、基材が黄変しにくい。しかも、かかる紫外線吸収剤(β)は、フッ素樹脂層を形成するための組成物がエネルギー線により硬化される前の状態ではエネルギー線重合開始剤として機能する重合開始剤(α)に由来するため、上記の組成物のエネルギー線照射による硬化が不十分となって、巻き取られた太陽電池用保護シートを繰り出した際にブロッキングが生じるなどの問題が発生する可能性が低減されている。
以下、本発明の実施形態について説明する。
1.太陽電池用保護シート
(1)基本構成
図1に示すように、本実施形態に係る太陽電池用保護シート1は、その基本構成として、基材11、および基材11の一方の面(図1中では上面)にフッ素樹脂層12を備えている。本発明に係る太陽電池用保護シート1が備えるフッ素樹脂層12は太陽電池用保護シート1に優れた耐候性を付与するとともに、基材11が黄変する可能性を低減させる。
1.太陽電池用保護シート
(1)基本構成
図1に示すように、本実施形態に係る太陽電池用保護シート1は、その基本構成として、基材11、および基材11の一方の面(図1中では上面)にフッ素樹脂層12を備えている。本発明に係る太陽電池用保護シート1が備えるフッ素樹脂層12は太陽電池用保護シート1に優れた耐候性を付与するとともに、基材11が黄変する可能性を低減させる。
(A)基材
基材11としては、電気絶縁性を有し、かつフッ素樹脂層12が積層可能なものであればよく、通常は、樹脂フィルムを主体とするものが用いられる。
基材11としては、電気絶縁性を有し、かつフッ素樹脂層12が積層可能なものであればよく、通常は、樹脂フィルムを主体とするものが用いられる。
基材11に用いられる樹脂フィルムとしては、一般に太陽電池モジュールに使用される裏面保護シートにおける樹脂フィルムとして用いられているものが選択される。このような樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ナイロン(商品名)等のポリアミド系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリアクリロニトリル系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリビニルアセタール系樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂などの樹脂からなるフィルムが用いられる。これらの樹脂フィルムのなかでも、耐湿性などの特性に優れることからポリエステル系樹脂からなるフィルムが好ましく、その中でもポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)またはポリブチレンテレフタレート(PBT)からなるフィルムがより好ましく、特性とコストとのバランスに優れることからPETフィルムが特に好ましい。
こうしたPETフィルムの中でも、耐加水分解性に優れるものが好ましく、フィルム中にオリゴマーの含有量が少ない場合にフィルムの耐加水分解性が向上することが知られている。そのような耐加水分解性に優れるPETフィルムとして、ルミラー(登録商標)X10S(東レ社製)、メリネックス(登録商標)238(帝人デュポンフィルム社製)が例示される。
なお、上記樹脂フィルムは、必要に応じて、着色材料、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤などの各種添加剤を含んでいてもよい。着色材料としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。
ここで、本実施形態に係る太陽電池用保護シート1を太陽電池モジュールの裏面保護シートとして使用する場合には、樹脂フィルムは、可視光を反射させる着色材料を含有することが好ましい。また、本実施形態に係る太陽電池用保護シート1を太陽電池モジュールの表面保護シートとして使用する場合であって当該シート1に着色材料を含有させるときには、着色材料を可視光領域の光の透過率を低下させにくいものとするが好ましい。
基材11が樹脂フィルムから構成される場合において、その樹脂フィルムのフッ素樹脂層12が積層される側の面には、フッ素樹脂層12が基材11から剥離する可能性を低減するために、コロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理などの表面処理(易接着処理)を施すことが好ましい。これらの表面処理の中でも、処理が容易であることおよび基材11へのダメージが少ないことなどの観点からコロナ処理が特に好ましい。
基材11の厚さは、太陽電池用保護シートの剛性に基づいて適宜設定される。例えば、基材11が樹脂フィルムである場合、その厚さは10μm以上300μm以下であることが好ましい。より具体的に説明すれば、基材11がPETフィルムである場合には、剛性および軽量化の観点から、その厚さは30μm以上250μm以下であることが好ましく、40μm以上200μm以下であることがより好ましく、50μm以上150μm以下であることが特に好ましい。
(B)フッ素樹脂層
本実施形態に係る太陽電池用保護シート1は、基材11の一方の面、好ましくは上記のような易接着処理が施された面に、フッ素樹脂層12を備える。フッ素樹脂層12は、エネルギー線硬化性官能基を有するフッ素含有重合体(本実施形態において、「硬化性フルオロポリマー」ともいう。)における当該エネルギー線硬化性官能基がエネルギー線照射により硬化したことに基づく硬化物(本実施形態において、この硬化物を「フルオロポリマー硬化物」ともいう。)と、構造式(a)から(d)で示されるエネルギー線重合開始剤からなる群から選ばれる一種または二種以上からなる重合開始剤(本実施形態において、「重合開始剤(α)」と略記する場合もある。)に由来する紫外線吸収剤(本実施形態において、「紫外線吸収剤(β)」と略記する場合もある。)とを含有する。
本実施形態に係る太陽電池用保護シート1は、基材11の一方の面、好ましくは上記のような易接着処理が施された面に、フッ素樹脂層12を備える。フッ素樹脂層12は、エネルギー線硬化性官能基を有するフッ素含有重合体(本実施形態において、「硬化性フルオロポリマー」ともいう。)における当該エネルギー線硬化性官能基がエネルギー線照射により硬化したことに基づく硬化物(本実施形態において、この硬化物を「フルオロポリマー硬化物」ともいう。)と、構造式(a)から(d)で示されるエネルギー線重合開始剤からなる群から選ばれる一種または二種以上からなる重合開始剤(本実施形態において、「重合開始剤(α)」と略記する場合もある。)に由来する紫外線吸収剤(本実施形態において、「紫外線吸収剤(β)」と略記する場合もある。)とを含有する。
(i)硬化性フルオロポリマー
本実施形態に係る硬化性フルオロポリマーは、骨格を構成する炭素−炭素結合における炭素にフッ素が結合した構造を有する重合体である。フッ素が結合していることにより、炭素−炭素結合の結合エネルギーは太陽光に含まれる紫外線の最大エネルギー411kJ/molよりも高くなるため、硬化性フルオロポリマーは太陽光によって分解したり変性したりしにくい。それゆえ、硬化性フルオロポリマーが硬化してなるフルオロポリマー硬化物を含有する本実施形態に係るフッ素樹脂層12を備える太陽電池用保護シート1は、太陽光に長期間曝されても耐候性が低下しにくい。
本実施形態に係る硬化性フルオロポリマーは、骨格を構成する炭素−炭素結合における炭素にフッ素が結合した構造を有する重合体である。フッ素が結合していることにより、炭素−炭素結合の結合エネルギーは太陽光に含まれる紫外線の最大エネルギー411kJ/molよりも高くなるため、硬化性フルオロポリマーは太陽光によって分解したり変性したりしにくい。それゆえ、硬化性フルオロポリマーが硬化してなるフルオロポリマー硬化物を含有する本実施形態に係るフッ素樹脂層12を備える太陽電池用保護シート1は、太陽光に長期間曝されても耐候性が低下しにくい。
本実施形態に係る硬化性フルオロポリマーの骨格構造は、上記の特徴を有する限り特に限定されない。テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレンなどのフルオロオレフィンと、ビニルエーテルなどのエチレン性不飽和結合を有する化合物との共重合体が例示される。なお、硬化性フルオロポリマーがビニルエーテルに基づく構成単位を有する場合には、その構成単位がエネルギー線硬化性官能基を有していてもよい。
本実施形態に係る硬化性フルオロポリマーの分子量(重量平均分子量)は特に限定されない。分子量が過度に小さい場合には硬化性フルオロポリマーが軟質化して、巻き取られた太陽電池用保護シート1を繰り出すときにブロッキングなどの問題が生じることが懸念される。一方、分子量が過度に大きい場合には、フッ素樹脂層12の厚さを薄くすることが困難となることが懸念される。こうした問題が発生する可能性を安定的に低減する観点から、硬化性フルオロポリマーの分子量(ISO16014-4:2003に準じて測定される重量平均分子量)は1,000以上100,000以下とすることが好ましく、1,000以上60,000以下とすることがさらに好ましい。
本実施形態に係る硬化性フルオロポリマーが含有するエネルギー線硬化性官能基は、紫外線や電子などエネルギー線が照射されることにより他の材料と結合反応をすることができる限り具体的な構造は特に限定されない。そのような反応性基として、エポキシ基、エーテル基、エステル基及びエチレン性不飽和結合などが例示される。これらの中でも、加熱により反応する可能性が低く、取り扱い性に優れる観点から、エネルギー線硬化性官能基はエチレン性不飽和結合を有する基であることが好ましく、そのような基の具体例として(メタ)アクリロイル基が例示される。なお、本明細書において、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基およびメタクリロイル基の両方を意味する。他の類似用語も同様である。
本実施形態に係る硬化性フルオロポリマーにおけるエネルギー線硬化性官能基の量は特に限定されない。この量が過度に少ない場合にはフルオロポリマー硬化物が軟質化して、巻き取られた太陽電池用保護シート1を繰り出すときにブロッキングなどの問題が生じることが懸念され、一方、上記の水酸基価が過度に高い場合には得られたフルオロポリマー硬化物の架橋度が高くなり、基材への密着性が低下することが懸念されることを考慮して、適宜設定すればよい。
ここで、本実施形態に係る硬化性フルオロポリマーにおけるエネルギー線硬化性官能基の量を規定するための手法の一つとして、フルオロポリマー硬化物を含むフッ素樹脂層12のゲル分率が挙げられる。フッ素樹脂層12のゲル分率が所定の範囲となるように硬化性フルオロポリマーにおけるエネルギー線硬化性官能基の量を設定すればよい。
ゲル分率の取るべき数値範囲は測定方法に依存するため確定的には決定されない。ゲル分率が後述する実施例における試験例2の方法で測定される場合には、そのゲル分率は85%以上98%以下とすることが好ましく、88%以上94%以上とすることがより好ましく、90%以上92%以下とすることが特に好ましい。
本実施形態に係る硬化性フルオロポリマーは、水酸基を含有するフッ素含有重合体(以下、「ヒドロキシフルオロポリマー」ともいう。)における水酸基と、水酸基との反応性を有する反応性基およびエネルギー線硬化性官能基を有する化合物(以下、「反応性化合物(I)」ともいう。)における上記の反応性基とが結合してなるものであることが、硬化性フルオロポリマーの設計自由度の高さおよびフッ素樹脂層12の生産性の高さの観点から好ましい。
ヒドロキシフルオロポリマーの具体例としては、旭硝子社製の「LUMIFLON」(商品名)、セントラル硝子社製の「CEFRAL COAT」(商品名)、DIC社製の「FLUONATE」(商品名)などのクロロトリフルオロエチレンに由来する構成単位を有する共重合体を含有するものや、ダイキン工業社製の「ZEFFLE」(商品名)などのテトラフルオロエチレンに由来する構成単位を有する共重合体を含有するものなどが挙げられる。
ヒドロキシフルオロポリマーの水酸基価は、15mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることが好ましい。この水酸基価が過度に低い場合には、得られた硬化性フルオロポリマーに含有されるエネルギー線硬化性官能基の含有量が過少となってフルオロポリマー硬化物が軟質化し、ブロッキングなどの問題が生じることが懸念される。こうした問題が生じる可能性を安定的に低減する観点から、上記の水酸基価は15mgKOH/g以上であることが好ましく、25mgKOH/g以上であることがより好ましい。一方、上記の水酸基価が過度に高い場合には、得られたフルオロポリマー硬化物が過度に硬質化して可撓性を失ったり、フッ素樹脂層12のフッ素含有量が過少となっての耐候性が低下したりすることが懸念される。こうした問題が生じる可能性を安定的に低減する観点から、上記の水酸基価は100mgKOH/g以下であることが好ましく、80mgKOH/g以下であることがより好ましい。
反応性化合物(I)における水酸基との反応性を有する反応性基の種類は特に限定されない。具体例として、エポキシ基、カルボキシル基、無水カルボン酸基、エステル基、イソシアネート基などが挙げられる。これらの中でも、水酸基との反応の制御性に優れるため、イソシアネート基が好ましい。
前述のように、反応性化合物(I)が有するエネルギー線硬化性官能基はエチレン性不飽和結合を有する基であることが好ましいことから、反応性化合物(I)の好ましい具体例として、(メタ)アクリロイルオキシメチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネートのようなエチレン性不飽和基含有モノイソシアネート化合物が挙げられる。
(ii)紫外線吸収剤
本実施形態に係るフッ素樹脂層は、次に説明するエネルギー線重合開始剤(重合開始剤(α))に由来する紫外線吸収剤(紫外線吸収剤(β))を含有する。
本実施形態に係るフッ素樹脂層は、次に説明するエネルギー線重合開始剤(重合開始剤(α))に由来する紫外線吸収剤(紫外線吸収剤(β))を含有する。
重合開始剤(α)としては、第1に、下記構造式(a)で示されるエネルギー線重合開始剤(α1)を使用することができる。
(式(a)中、R1〜R10は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはフェノキシ基を示し、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
(式(a)中、R1〜R10は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはフェノキシ基を示し、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
アルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基、特に炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる(以下同様)。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられるが、中でも塩素原子が好ましい(以下同様)。
アルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられる(以下同様)。
フェノキシ基としては、例えば、フェノキシ基、o−メチルフェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基、p−ニトロフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基等が挙げられる(以下同様)。
上記エネルギー線重合開始剤(α1)の中でも、構造式(a)中のR1〜R10の全てが水素原子である化合物、または構造式(a)中のR1〜R5のいずれか1つがアルコキシ基であり、R6〜R10のいずれか1つがアルコキシ基であり、その他が水素原子である化合物が好ましく、特に当該アルコキシ基がメトキシ基である化合物が好ましい。特に好ましい化合物としては、ベンジルおよびp−アニシルが挙げられる。
重合開始剤(α)としては、第2に、下記構造式(b)で示されるエネルギー線重合開始剤(α2)を使用することができる。
(式(b)中、XはSまたはOを示し、R1〜R10は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはフェノキシ基を示し、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
(式(b)中、XはSまたはOを示し、R1〜R10は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはフェノキシ基を示し、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
上記エネルギー線重合開始剤(α2)の中でも、構造式(b)中のR1〜R10のいずれか1つがアルキル基であり、その他が水素原子である化合物が好ましく、さらには、構造式(b)中のR10がアルキル基(特にメチル基)であり、R1〜R9が水素原子である化合物が好ましい。特に好ましい化合物としては、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィドが挙げられる。
重合開始剤(α)としては、第3に、下記構造式(c)で示されるエネルギー線重合開始剤(α3)を使用することができる。
(式(c)中、XはSまたはOを示し、R1〜R8は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはフェノキシ基を示し、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
(式(c)中、XはSまたはOを示し、R1〜R8は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはフェノキシ基を示し、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
上記エネルギー線重合開始剤(α3)の中でも、第1に、構造式(c)中のR1〜R8のいずれか1つまたは2つがアルキル基であり、その他が水素原子である化合物が好ましく、さらには、当該アルキル基がエチル基またはプロピル基(特にイソプロピル基)である化合物が好ましい。構造式(c)中のR1〜R8のいずれか2つがアルキル基である場合、それらアルキル基は同じ環に位置することが好ましい。また、第2に、構造式(c)中のR1〜R8のいずれか1つがハロゲン原子、特に塩素原子であり、その他が水素原子である化合物が好ましい。
特に好ましい化合物としては、2,4−ジエチルチオキサンテン−9−オン、2−イソプロピルチオキサントンおよび2−クロロチオキサントンが挙げられる。
重合開始剤(α)としては、第4に、下記構造式(d)で示されるエネルギー線重合開始剤(α4)を使用することができる。
(式(d)中、R1〜R8は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはフェノキシ基を示し、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
(式(d)中、R1〜R8は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはフェノキシ基を示し、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
上記エネルギー線重合開始剤(α4)の中でも、構造式(d)中のR1〜R8のいずれか1つがアルキル基であり、その他が水素原子である化合物が好ましく、特に当該アルキル基がエチル基である化合物が好ましい。特に好ましい化合物としては、2−エチルアントラキノンが挙げられる。
重合開始剤(α)は、上記のエネルギー線重合開始剤(α1)〜(α4)の1種単独から構成されていてもよいし、2種以上から構成されていてもよい。
上記の重合開始剤(α)は、紫外線などのエネルギー線が照射されると、重合開始剤として機能し、その後、重合開始剤(α)に由来する物質は紫外線吸収剤(β)となる。その物質は、エネルギー線重合開始剤(α1)〜(α4)そのものである場合もあれば、これらのダイマーである場合もあり、これらが他の化合物と結合してなる物質である場合もある。
このように、本実施形態に係るフッ素樹脂層12は重合開始剤(α)に由来する紫外線吸収剤(β)を含有するため、フッ素樹脂層12を形成する過程において別途紫外線吸収剤を含有させる必要がない。それゆえ、フッ素樹脂層12を形成するために硬化性フルオロポリマーに対して紫外線などのエネルギー線を照射しても硬化阻害が発生せず、得られるフルオロポリマー硬化物を含有するフッ素樹脂層12を備える太陽電池用保護シート1にはブロッキングの問題が発生しにくい。しかも、そのフッ素樹脂層12には紫外線吸収剤(β)が含有されているため、太陽電池用保護シート1の基材11が使用中に黄変する可能性も十分に低減されている。
本実施形態に係るフッ素樹脂層12における紫外線吸収剤(β)の含有量(固形分換算)は特に限定されない。この含有量が過度に多い場合には経済的観点から不利益となり、紫外線吸収剤(β)の構造によっては太陽電池セルの光電変換効率を低下させることが懸念されること、およびこの含有量が過度に少ない場合には基材11の黄変を防止する機能が十分に得られなくなることが懸念されることを考慮して設定すればよい。太陽電池セルの光電変換効率を低下させることなく基材11の黄変を防止することを安定的に達成する観点から、本実施形態に係るフッ素樹脂層12における紫外線吸収剤(β)の含有量は、紫外線吸収剤(β)を与える重合開始剤(α)の固形分換算として、当該フッ素樹脂層12に含有されるフルオロポリマー硬化物100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、特に1〜10質量部であることが好ましい。
(iii)その他の成分
本実施形態に係るフッ素樹脂層12は上記のフルオロポリマー硬化物および紫外線吸収剤(β)以外の成分を含有してもよい。そのような成分として、染料、顔料等の着色材料、アニリド系、フェノール系等の酸化防止剤、タルク、二酸化チタン、シリカ、でんぷんなどのフィラー成分、可塑剤、酸化防止剤、分散剤、レベリング剤などが挙げられる。これらの成分の含有量は任意であるが、これらの成分全体として、フッ素樹脂層12全体に対して10質量%を超えないこと好ましい。フッ素樹脂層12の厚さを薄くする場合には、これらの成分、特にフィラー成分を含有しないことが好ましい。
本実施形態に係るフッ素樹脂層12は上記のフルオロポリマー硬化物および紫外線吸収剤(β)以外の成分を含有してもよい。そのような成分として、染料、顔料等の着色材料、アニリド系、フェノール系等の酸化防止剤、タルク、二酸化チタン、シリカ、でんぷんなどのフィラー成分、可塑剤、酸化防止剤、分散剤、レベリング剤などが挙げられる。これらの成分の含有量は任意であるが、これらの成分全体として、フッ素樹脂層12全体に対して10質量%を超えないこと好ましい。フッ素樹脂層12の厚さを薄くする場合には、これらの成分、特にフィラー成分を含有しないことが好ましい。
(iv)フッ素樹脂層の厚さ
本実施形態に係る太陽電池用保護シート1が備えるフッ素樹脂層12の厚さは特に限定されず、耐候性、耐薬品性、軽量化などを考慮して設定される。通常、2μm以上50μm以下であることが好ましく、特に5μm以上30μm以下であることが好ましい。
本実施形態に係る太陽電池用保護シート1が備えるフッ素樹脂層12の厚さは特に限定されず、耐候性、耐薬品性、軽量化などを考慮して設定される。通常、2μm以上50μm以下であることが好ましく、特に5μm以上30μm以下であることが好ましい。
(2)介在層
本実施形態に係る太陽電池用保護シート1が備えるフッ素樹脂層12と基材11とは直接接していてもよいし、図2に示されるように、これらの間に一つ以上の層からなる介在層13が設けられていてもよい。介在層13は様々な機能を有する層から構成されていてもよい。
本実施形態に係る太陽電池用保護シート1が備えるフッ素樹脂層12と基材11とは直接接していてもよいし、図2に示されるように、これらの間に一つ以上の層からなる介在層13が設けられていてもよい。介在層13は様々な機能を有する層から構成されていてもよい。
(i)接着層
介在層13は、フッ素樹脂層12と基材11とが剥離する可能性を低減するために、フッ素樹脂層12および基材11の少なくとも一方に対する接着性を有する層(以下、「接着層」ともいう。)を含んでいてもよい。フッ素樹脂層12があらかじめシート状に形成されており、これを基材11に積層する場合には、上記の接着層を介して基材11にシート状のフッ素樹脂層12が積層されることもある。
介在層13は、フッ素樹脂層12と基材11とが剥離する可能性を低減するために、フッ素樹脂層12および基材11の少なくとも一方に対する接着性を有する層(以下、「接着層」ともいう。)を含んでいてもよい。フッ素樹脂層12があらかじめシート状に形成されており、これを基材11に積層する場合には、上記の接着層を介して基材11にシート状のフッ素樹脂層12が積層されることもある。
接着層は、基材11およびシート状のフッ素含有樹脂12に対して接着性を有する接着剤から構成される。かかる接着剤としては、例えば、アクリル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ポリエステル系、ポリエステルポリウレタン系、ポリエーテル系などが用いられる。これらの接着剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
接着層の厚さは特に限定されず、接着層を構成する接着剤の特性などに応じて適宜設定される。通常、1μm以上20μm以下であることが好ましく、3μm以上10μm以下であることがより好ましい。
介在層13が多層構造からなり接着層が複数ある場合には、接着層のうちの一つは基材11と他の介在層13の一つとを接着させるものであって、接着層のうちの別の一つはフッ素樹脂層12と他の介在層13の一つとを接着させるものであってもよい。
(ii)金属性材料層
介在層が、蒸着層および金属シートから選ばれる一つ以上の金属性材料層を含んでいてもよい。このように蒸着層および/または金属シートを介在層13とすることで、太陽電池用保護シート1の防湿性および耐候性を向上させることができる。なお、本実施形態において「金属シート」とは、金属系材料(すなわち金属元素を含む材料)からなるシート状の部材を意味する。
介在層が、蒸着層および金属シートから選ばれる一つ以上の金属性材料層を含んでいてもよい。このように蒸着層および/または金属シートを介在層13とすることで、太陽電池用保護シート1の防湿性および耐候性を向上させることができる。なお、本実施形態において「金属シート」とは、金属系材料(すなわち金属元素を含む材料)からなるシート状の部材を意味する。
基材11が樹脂フィルムからなり、金属性材料層が基材11に直接積層される場合には、樹脂フィルムの金属性材料層が積層される側の面は、金属性材料層との密着性を向上させるために、コロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理等の表面処理(易接着処理)が施されることが好ましい。
蒸着層は、金属もしくは半金属、または金属もしくは半金属の酸化物、窒化物、珪化物などの無機材料から構成され、かかる材料から構成されることで、太陽電池用保護シート1に防湿性(水蒸気バリア性)およびさらなる耐候性を付与することができる。
蒸着層を形成する蒸着方法としては、例えば、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法などの化学気相法、または真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理気相法が用いられる。これらの方法の中でも、操作性や層厚の制御性を考慮した場合、真空蒸着法が好ましい。
この蒸着層の原料となる金属としては、例えば、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトウリム(Na)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)などが挙げられる。半金属としては、例えば、ケイ素(Si)、ホウ素(B)などが挙げられる。これらの金属または半金属の酸化物、窒化物、酸窒化物としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸窒化アルミニウムなどが挙げられる。
蒸着層は、一種の無機材料からなるものであっても、複数種の無機材料からなるものであってもよい。蒸着層が複数種の無機材料からなる場合、各無機材料からなる層が順に蒸着された積層構造の蒸着層であってもよいし、複数種の無機材料が同時に蒸着された蒸着層であってもよい。
蒸着層の厚さは、水蒸気バリア性を考慮して適宜設定され、用いる無機材料の種類や蒸着密度などによって変更される。通常、蒸着層14の厚さは、5nm以上200nm以下であることが好ましく、10nm以上100nm以下であることがより好ましい。
一方、金属シートも、上記蒸着層と同様に、基材11(太陽電池用保護シート1)に防湿性(水蒸気バリア性)および耐候性を付与することができる。金属シートの材料としては、かかる機能を有するものであれば特に制限されず、例えば、アルミニウム、アルミニウム−鉄合金等のアルミニウム合金などの金属が挙げられる。
金属シートの厚さは、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、ピンホール発生頻度の低さ、機械強度の強さ、水蒸気バリア性の高さ、および軽量化などの観点から、5μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下であることがより好ましい。
金属シートは単独では太陽電池用保護シート1を構成する他の層に対して付着できないため、前述の接着層を介して基材11、フッ素樹脂層12、介在層13を構成する他の層に対して接着される。
(3)封止材接着層
本実施形態に係る太陽電池用保護シート1は、図3に示すように、基材11における使用時に封止材と対向する側の面に、基材11が封止材から剥離する可能性をより低減させるための封止材接着層14を備えていてもよい。封止材接着層14は熱可塑性樹脂に基づく成分を含有し、その成分によって封止材に対して熱融着する。好ましい一態様においては基材11および封止材のそれぞれに対して封止材接着層14は化学的に相互作用する。その結果、封止材接着層14によって基材11と封止材とが剥離する可能性は低減する。
本実施形態に係る太陽電池用保護シート1は、図3に示すように、基材11における使用時に封止材と対向する側の面に、基材11が封止材から剥離する可能性をより低減させるための封止材接着層14を備えていてもよい。封止材接着層14は熱可塑性樹脂に基づく成分を含有し、その成分によって封止材に対して熱融着する。好ましい一態様においては基材11および封止材のそれぞれに対して封止材接着層14は化学的に相互作用する。その結果、封止材接着層14によって基材11と封止材とが剥離する可能性は低減する。
封止材接着層14を形成するために用いられる熱可塑性樹脂を構成する樹脂の種類は特に限定されない。かかる樹脂の具体例を示せば、ポリオレフィン系樹脂;ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリエステル系熱可塑性エラストマー;エポキシ化などにより変性した各種熱可塑性エラストマー;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン46、芳香族ナイロン等のポリアミド系樹脂;ポリビニルブチラール樹脂;ポリアリレート系樹脂;ポリアミドイミド系樹脂;ポリエーテルイミド系樹脂;ポリエーテルケトン系樹脂などを挙げることができる。熱可塑性樹脂は一種類の樹脂により構成されていてもよいし、複数種類の樹脂により構成されていてもよい。
これらの樹脂の中でも、ポリオレフィン系樹脂、すなわち、オレフィンからなる単量体が重合した構成を有するホモポリマーおよびコポリマー、ならびにオレフィンとオレフィン以外の分子とからなる単量体が重合した構成を有するコポリマーであって重合後の樹脂におけるオレフィンに由来する構成単位の質量比率が1.0質量%以上である熱可塑性樹脂が好ましい。ポリオレフィン系樹脂は、その優れた熱融着作用により、太陽電池モジュールの封止材に対する接着性が高い。
ポリオレフィン系樹脂の具体例として、高密度ポリエチレン(HDPE,密度:942kg/m3以上)、中密度ポリエチレン(MDPE,密度:930kg/m3以上、942kg/m3未満)、低密度ポリエチレン(LDPE,密度:910kg/m3以上、930kg/m3未満)、超低密度ポリエチレン(VLDPE,密度:870kg/m3以上、910kg/m3未満)、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン−ポリプロピレン重合体、オレフィン系エラストマー(TPO)、シクロオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、アイオノマー、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体などが挙げられる。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸の両方を意味する。他の類似用語も同様である。
また、封止材接着層14が含有する熱可塑性樹脂は、当該樹脂を構成する重合体が架橋剤と反応してなる架橋構造を有していてもよい。この架橋構造を与える架橋剤は任意であり、ジクミルパーオキサイドのような有機過酸化物、エポキシ基を有する化合物、イソシアネート基を有する化合物などが例示されるである。架橋構造の存在密度、すなわち架橋の程度は任意であるが、存在密度が過度に高まると封止材接着層14は熱可塑性を失うことが懸念されるため、このような問題が発生しないようにすることが好ましい。
封止材接着層14は、複数の層が積層してなる構造を有していてもよい。その場合の各層の具体的な構成は任意であるが、一例を挙げれば、基材11に最も近位な層は基材11に対する接着性が高く、基材11から遠位になるほど層の特性を封止材の特性に近似させ、基材11から最も遠位の層は封止材に対する接着力が高い、という構成を備える封止材接着層14は特に優れた機能を有する場合がある。
基材11と封止材接着層14との間に、前述の介在層13の具体例として示された金属性材料層や接着層が設けられていてもよい。一具体例として、図4に示される太陽電池用保護シート1では、基材11と封止材接着層14とが分離する可能性を低減させるために、タイレイヤー15としての接着層がこれらの間に配置されている。
2.太陽電池用保護シートの製造方法
本実施形態に係る太陽電池用保護シート1の製造方法は特に限定されない。太陽電池用保護シート1を構成する層のそれぞれを適宜積層すればよい。その積層方法も任意であって、その層の材料特性に合わせて、塗布、押出コーティング、加熱圧着、蒸着(蒸着層)などの方法から適宜選択すればよい。
本実施形態に係る太陽電池用保護シート1の製造方法は特に限定されない。太陽電池用保護シート1を構成する層のそれぞれを適宜積層すればよい。その積層方法も任意であって、その層の材料特性に合わせて、塗布、押出コーティング、加熱圧着、蒸着(蒸着層)などの方法から適宜選択すればよい。
以下、フッ素樹脂層12を基材11等の上に製造する方法について説明する。その方法を大別すれば、フッ素樹脂層12をあらかじめ形成してから、フッ素樹脂層12が積層されるべき面であって具体的には基材11の少なくとも一方の面または介在層13の基材と反対側の面(以下、これらを「被着面」と総称する。)に積層する方法(以下、「製造方法1」ともいう。)、およびフッ素樹脂層12のエネルギー線照射前の状態に相当する層(本実施形態において、「未硬化層」ともいう。)を被着面に積層し、その未硬化層にエネルギー線を照射してフッ素樹脂層12とする方法(以下、「製造方法2」ともいう。)が挙げられる。なお、未硬化層は、硬化性フルオロポリマーおよび重合開始剤(α)を含有するものであるから、エネルギー線が照射されることによって、硬化性フルオロポリマーが硬化するとともに、重合開始剤(α)から紫外線吸収剤(β)が得られ、フルオロポリマー硬化物および紫外線吸収剤(β)を含有するフッ素樹脂層12となる。
製造方法2の具体例として、未硬化層を形成するにあたり、次の製造方法2−1および製造方法2−2が挙げられる。
製造方法2−1:硬化性フルオロポリマーおよび重合開始剤(α)を含有する組成物からなる塗工液を被着面の上に塗布する工程を含む方法。
製造方法2−2:重合開始剤(α)、ならびに硬化性フルオロポリマーの前駆体としてのヒドロキシフルオロポリマーおよび反応性化合物(I)を含有する組成物からなる塗工液を被着面の上に塗布する工程を含む方法。
以下、これらの製造方法1,2,2−1および2−2について説明する。
製造方法2−1:硬化性フルオロポリマーおよび重合開始剤(α)を含有する組成物からなる塗工液を被着面の上に塗布する工程を含む方法。
製造方法2−2:重合開始剤(α)、ならびに硬化性フルオロポリマーの前駆体としてのヒドロキシフルオロポリマーおよび反応性化合物(I)を含有する組成物からなる塗工液を被着面の上に塗布する工程を含む方法。
以下、これらの製造方法1,2,2−1および2−2について説明する。
(1)製造方法1
製造方法1では、まず、フルオロポリマー硬化物と紫外線吸収剤(β)とを含有するフッ素樹脂層12を作製する。具体的な一例を挙げれば次のとおりである。
製造方法1では、まず、フルオロポリマー硬化物と紫外線吸収剤(β)とを含有するフッ素樹脂層12を作製する。具体的な一例を挙げれば次のとおりである。
硬化性フルオロポリマーと重合開始剤(α)とを含有する組成物からなる塗工液を工程材料上に積層するなどの方法を行うことにより、硬化性フルオロポリマーと重合開始剤(α)とを含有する未硬化層を得る。次に、この未硬化層に対してエネルギー線を照射してフッ素樹脂層12を形成する。
こうして形成されたフッ素樹脂層12を被着面に積層する。なお、被着面が介在層13の基材11と反対側の面である場合には、その面は接着層の一方の面である場合が多い。
硬化性フルオロポリマーを硬化させるためのエネルギー線としては、電離放射線、すなわち、X線、紫外線、電子線などが挙げられる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、取り扱いのしやすさから波長200〜380nm程度の紫外線を含む近紫外線を用いればよい。紫外線量としては、硬化性フルオロポリマーの種類や層状体の厚さに応じて適宜選択すればよく、通常50〜500mJ/cm2程度であり、100〜450mJ/cm2が好ましく、200〜400mJ/cm2がより好ましい。また、紫外線照度は、通常50〜500mW/cm2程度であり、100〜450mW/cm2が好ましく、200〜400mW/cm2がより好ましい。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどが用いられる。
電離放射線として電子線を用いる場合には、その加速電圧については、硬化性フルオロポリマーの種類や層状体の厚さに応じて適宜選定すればよく、通常加速電圧10〜1000kV程度であることが好ましい。また、照射線量は、硬化性フルオロポリマーが適切に硬化する範囲に設定すればよく、通常10〜1000kradの範囲で選定される。電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
(2)製造方法2
製造方法2では、製造方法1と異なり、その内部にエネルギー線硬化性官能基を含む未硬化層を基材接着面に積層する。そして、この未硬化層にエネルギー線を照射して、フッ素樹脂層12が基材11に積層された構成の太陽電池用保護シート1を得る。
製造方法2では、製造方法1と異なり、その内部にエネルギー線硬化性官能基を含む未硬化層を基材接着面に積層する。そして、この未硬化層にエネルギー線を照射して、フッ素樹脂層12が基材11に積層された構成の太陽電池用保護シート1を得る。
ここで、被着面に存在する樹脂材料の種類によっては、エネルギー線を照射した際に、その樹脂材料と未硬化層に含まれるエネルギー線硬化性官能基との結合反応が進行して、結果的に、基材11に対するフッ素樹脂層12の接着力が高まる場合もある。
なお、基材11へのダメージを少なくする観点から、上記の積層体にエネルギー線を照射する際には、その積層体の未硬化層側から照射することが好ましい。
(i)製造方法2−1
製造方法2−1では、被着面に積層させる未硬化層を形成するための組成物として、硬化性フルオロポリマーと重合開始剤(α)とを含有する組成物を用いる。本実施形態において、製造方法2−1において用いるこの組成物を「第一の組成物」という。この第一の組成物の具体的な組成は、上記の硬化性フルオロポリマーおよび重合開始剤(α)を含有する限り、溶媒を含め特に限定されない。第一の組成物は、例えば、次に説明する第二の組成物から調製することができる。
製造方法2−1では、被着面に積層させる未硬化層を形成するための組成物として、硬化性フルオロポリマーと重合開始剤(α)とを含有する組成物を用いる。本実施形態において、製造方法2−1において用いるこの組成物を「第一の組成物」という。この第一の組成物の具体的な組成は、上記の硬化性フルオロポリマーおよび重合開始剤(α)を含有する限り、溶媒を含め特に限定されない。第一の組成物は、例えば、次に説明する第二の組成物から調製することができる。
第二の組成物は、重合開始剤(α)、ならびに、硬化性フルオロポリマーの前駆体としてのヒドロキシフルオロポリマーおよび反応性化合物(I)を含有する組成物である。
第二の組成物は、さらに必要に応じてその他の成分(例えば酸化防止剤など)を含有していてもよい。また、第二の組成物の溶媒を構成する化合物は特に限定されない。ヒドロキシフルオロポリマーを含有することから極性が高い液状有機化合物を含有することが好ましく、そのような化合物として、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メタノール、イソプロパノール、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、n−ブチルアルコールが挙げられる。第一の組成物の溶媒は一種類の化合物から構成されていてもよいし、複数種類の化合物から構成されていてもよい。複数種類の化合物からなる場合には、上記の極性の高い化合物と、トルエン、キシレン、ヘプタンなどの極性が低い溶剤との組み合わせであってもよい。
第二の組成物におけるヒドロキシフルオロポリマーの含有量は任意である。フッ素樹脂層12を特に薄膜にするためなど第二の組成物の粘度を低下させることが求められる場合には、その含有量を低下させればよい。一方、フッ素樹脂層12を特に厚膜にするためなど第二の組成物の粘度を高めることが求められる場合や、生産性を高める観点から溶媒の含有量を低減させることが求められる場合には、その含有量を高めればよい。
第二の組成物における反応性化合物(I)の含有量および重合開始剤(α)の含有量は、第二の組成物におけるヒドロキシフルオロポリマーの含有量との関係で適宜設定される。
これらのうち、反応性化合物(I)の含有量は、第二の組成物におけるヒドロキシフルオロポリマーの水酸基の量との関係で設定することが好ましい。具体的には、反応性化合物(I)における水酸基との反応性を有する反応性基が、ヒドロキシフルオロポリマーの水酸基の量に対して0.1当量以上1.5当量以下となる量になるように、反応性化合物(I)の含有量を設定することが好ましい。本実施形態において、反応性化合物(I)における上記の反応性基の量のヒドロキシフルオロポリマーの水酸基の量に対する比率(当量比)を「結合部当量比」ともいう。
結合部当量比が過度に小さい場合には反応性化合物(I)の含有量が過度に少なくなってフッ素樹脂層12が過度に軟質化したり、ブロッキングが発生しやすくなったりするなどの問題が発生することが懸念される。一方、結合部当量比が過度に大きい場合には未反応の反応性化合物(I)がフッ素樹脂層12内に多量に残留するため、可塑化効果により、太陽電池用保護シート1にブロッキングが発生しやすくなることが懸念される。こうした問題を安定的に回避する観点から、結合部当量比は0.5以上5.0以下とすることが好ましく、1.0以上2.0以下とすれば特に好ましい。
第二の組成物は、反応性化合物(I)における水酸基との反応性を有する反応性基とヒドロキシフルオロポリマーの水酸基との結合反応を促進する観点から反応促進剤を含有することが好ましい。反応促進剤の種類は反応性化合物(I)における水酸基との反応性を有する反応性基に応じて適宜設定されるべきものであり、例えば、上記の反応性基がイソシアネート基である場合には、ジメチルスズジクロライド、2−エチルヘキシル酸亜鉛、オクチル酸ビスマスなどの金属有機化合物が例示される。反応促進剤の含有量は、第二の組成物に含有されるヒドロキシフルオロポリマー、反応性化合物(I)などの他の成分の含有量に応じて適宜設定すればよい。
こうして第二の組成物が得られたら、この第二の組成物に含有されるヒドロキシフルオロポリマーおよび反応性化合物(I)を反応させて組成物中に硬化性フルオロポリマーを形成し、第一の組成物を得る。この反応条件は、ヒドロキシフルオロポリマーおよび反応性化合物(I)の種類や含有量、第二の組成物にさらに含有される成分の種類や含有量などに応じて適宜設定される。通常の環境(例えば23℃程度)下に密封状態で数日間静置することによって反応を進行させる場合もあれば、高温環境下にて第二の組成物を攪拌することで反応を短期間(例えば数時間)で完了させる場合もある。
次に、得られた第一の組成物を塗工液として被着面に塗布し、基材11上に塗液層を形成する。ここで、塗液層は、基材11の少なくとも一方の面の上に直接形成されている場合もあれば、その面の上に設けられた介在層13を介して形成されている場合もある。エアドクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、リバースロールコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、キャストコーター、スプレイコーター、カーテンコーター、カレンダコーター、押出コーター、スピンコーターなどが例示される。
続いて、得られた基材11上の塗液層を乾燥して塗膜を形成する。その乾燥方法は任意であり、例えば100℃程度に加熱されたオーブン内で基材11ごと塗液層を乾燥させてもよいし、雰囲気を減圧環境として塗液層に含有される溶媒を揮発させてもよい。あるいは大気中に放置して塗液層を乾燥させてもよい。乾燥時間は乾燥方法に応じて適宜設定される。製造方法2−1では、こうして得られた塗膜が未硬化層となる。
以上の工程を行うことより得られた基材11および未硬化層を備える積層体について、製造方法1の場合と同様に、エネルギー線を照射することによって、フッ素樹脂層12が基材11上に積層された構成を備える太陽電池用保護シート1を得ることができる。
なお、上記の説明では、第二の組成物をまず調製し、この組成物が含有するヒドロキシフルオロポリマーおよび反応性化合物(I)を反応させることにより第一の組成物を得たが、これに限定されない。例えば、ヒドロキシフルオロポリマーおよび反応性化合物(I)を反応させて硬化性フルオロポリマーを別途生成させ、その硬化性フルオロポリマーを、重合開始剤(α)、さらに必要に応じて溶媒を含む他の成分と混合させることにより、第一の組成物を得てもよい。
(ii)製造方法2−2
製造方法2−2では、製造方法2−1において第一の組成物を得るために調製した第二の組成物を塗工液として被着面に塗布し、基材11上に塗液層を形成、これを乾燥して塗膜を得る。その塗布方法および乾燥方法の詳細は製造方法2−1と同様であるから記載を省略する。
製造方法2−2では、製造方法2−1において第一の組成物を得るために調製した第二の組成物を塗工液として被着面に塗布し、基材11上に塗液層を形成、これを乾燥して塗膜を得る。その塗布方法および乾燥方法の詳細は製造方法2−1と同様であるから記載を省略する。
上記の方法の実施により基材11および塗膜を備える積層体を得たら、その積層体上の塗膜を加熱して、塗膜に含有されるヒドロキシフルオロポリマーと反応性化合物(I)との結合反応、具体的には、ヒドロキシフルオロポリマーにおける水酸基と反応性化合物(I)における反応性基との結合反応を進行させて、未硬化層を得る。その加熱温度は塗膜に含有される反応性化合物(I)の種類によって適宜設定されるべきものであるが、例えば反応性化合物(I)がイソシアネート化合物を含有する場合には、150℃程度とすることが好ましい場合が多い。加熱時間も任意であるが、通常20分から数時間の範囲である。必要に応じてさらに養生してもよい。なお、この結合反応を進行させるための加熱は、単独の加熱工程として実施してもよいし、他の工程、例えば乾燥工程の実施の際に塗膜を加熱することにより未硬化層を形成してもよい。
このように、基材11上でヒドロキシフルオロポリマーと反応性化合物(I)との結合反応を進行させることにより、被着面に存在する樹脂材料の種類によっては、その樹脂材料と反応性化合物(I)との結合反応が進行する場合もある。その場合には、基材11から未硬化層が剥離する可能性がより低減し、その結果、基材11とフッ素樹脂層12とがより強固に接着することになる。例えば、基材11がポリエステル系樹脂フィルムからなり、イソシアネート基を有する反応性化合物(I)を含有する塗工液が基材11の一方の面に直接塗布される場合には、ポリエステル系樹脂フィルムを構成するポリエステルの残留水酸基と反応性化合物(I)のイソシアネート基とが反応することが期待される。
以上の工程を行うことより得られた基材11および未硬化層を備える積層体について、製造方法2−1の場合と同様に、エネルギー線を照射することによって、フッ素樹脂層12が基材11上に積層された構成を備える太陽電池用保護シート1を得ることができる。
なお、製造方法1においてフッ素樹脂層12を得るために使用される組成物は限定されず、上記の第一の組成物であってもよいし、第二の組成物であってもよい。
3.太陽電池モジュール
図5は、本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの概略断面図である。本実施形態に係る太陽電池モジュール10は、光電変換素子である結晶シリコン、アモルファスシリコン等からなる複数の太陽電池セル21と、太陽電池セル21を封止する電気絶縁体からなる封止材22と、封止材22の一方の面(図5中では上面)に積層された受光面側の保護部材23と、封止材22の他方の面(図5中では下面)に積層された裏面側の保護部材24を備え、図5に示される太陽電池モジュール10では、受光面側の保護部材23が本実施形態に係る太陽電池用保護シート1から構成されている。
図5は、本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの概略断面図である。本実施形態に係る太陽電池モジュール10は、光電変換素子である結晶シリコン、アモルファスシリコン等からなる複数の太陽電池セル21と、太陽電池セル21を封止する電気絶縁体からなる封止材22と、封止材22の一方の面(図5中では上面)に積層された受光面側の保護部材23と、封止材22の他方の面(図5中では下面)に積層された裏面側の保護部材24を備え、図5に示される太陽電池モジュール10では、受光面側の保護部材23が本実施形態に係る太陽電池用保護シート1から構成されている。
なお、太陽電池用保護シート1は、フッ素樹脂層12の基材11と反対側の面が外気に接するように配置される。このフッ素樹脂層2がフルオロポリマー硬化物を含有するため、太陽電池モジュール10が備える太陽電池用保護シート1側から太陽光が入射しても、フッ素樹脂層2は分解・変質しにくい。したがって、本実施形態に係る太陽電池用保護シート1は優れた耐候性が長期にわたって維持され、本実施形態に係る太陽電池モジュール10は性能の経時劣化が生じにくい。また、太陽電池用保護シート1のフッ素樹脂層2は紫外線吸収剤(β)も備えるため、太陽光に長期間曝されても、太陽電池用保護シート1の基材11は黄変しにくい。黄変すると外観不良をもたらすばかりでなく、太陽電池としての発電性能の低下をもたらす可能性もあるため、本実施形態に係る太陽電池モジュール10は、この観点からも性能の経時劣化が生じにくい。
封止材22の材料は特に限定されない。生産性の観点からエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が主材として使用される場合が多いが、近年、紫外線により変質しやすい性質を有することや、さらに高い生産性への要求への対応が容易でないことなどから、EVA以外の材料を主材とする場合もある。そのようなEVA以外の材料として、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体(EBA)などの他のポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール、ウレタン系樹脂、アイオノマー系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系材料などが例示される。
上記太陽電池モジュール10を製造する方法は特に限定されない。例えば、封止材22を構成する2枚のシートで太陽電池セル21をはさみ、その一方の面に受光面側の保護部材23としての太陽電池用保護シート1を、他方の面に裏面側の保護部材24を配置し、こうして得られた重積体全体を真空状態で脱気した後、加熱しながらプレスして一体化するラミネーション工程を実施することにより、太陽電池モジュール10を製造することができる。
なお、裏面側の保護部材24の具体的な構成は限定されない。裏面側の保護部材24を本実施形態に係る太陽電池用保護シート1により構成してもよい。この場合、太陽電池セル21にフレキシブル基板を用いれば、フレキシブル性を有する太陽電池モジュール10を得ることができる。このように、太陽電池モジュール10をフレキシブル化することにより、ロール・トゥ・ロールで大量生産することが可能となる。また、フレキシブル性を有する太陽電池モジュール10は、アーチ状や放物線状の壁面を有する物体にもフィットさせることができるので、ドーム状の建築物や高速道路の防音壁などに設置することが可能となる。あるいは別の構成として、受光面側の保護部材23は光透過性のガラス板から構成し、裏面側の保護部材24を本実施形態に係る太陽電池用保護シート1から構成してもよい。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。例えば、基材11の両方の面にフッ素樹脂層12が積層されていてもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(1)塗工液の調製
水酸基を含有するフッ素含有重合体(ヒドロキシフルオロポリマー)として水酸基価が32mgKOH/gのフッ素含有重合体(旭硝子社製 ルミフロン(登録商標)LF−200、固形分60質量%)を100質量部、水酸基との反応性を有する反応性基およびエネルギー線硬化性官能基を有する化合物(反応性化合物(I))としてエチレン性不飽和基含有モノイソシアネート化合物である2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、カレンズAOI(登録商標)、固形分100質量%)を8質量部、および重合開始剤(α)としてエネルギー線重合開始剤(α1)であるp−アニシルを5質量部含有し、150質量部の酢酸エチルを希釈溶剤とする液状の組成物(第二の組成物)を調製した。この組成物中の反応性化合物(I)のイソシアネート基の量のヒドロキシフルオロポリマーの水酸基の量に対する比率(結合部当量比)は1.65であった。この組成物を密封状態で23℃の環境下に7日間静置してヒドロキシフルオロポリマーと反応性化合物(I)との反応を進行させた。こうして硬化性フルオロポリマーと重合開始剤(α)とを含有する第一の組成物を得て、塗工液とした。
(1)塗工液の調製
水酸基を含有するフッ素含有重合体(ヒドロキシフルオロポリマー)として水酸基価が32mgKOH/gのフッ素含有重合体(旭硝子社製 ルミフロン(登録商標)LF−200、固形分60質量%)を100質量部、水酸基との反応性を有する反応性基およびエネルギー線硬化性官能基を有する化合物(反応性化合物(I))としてエチレン性不飽和基含有モノイソシアネート化合物である2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、カレンズAOI(登録商標)、固形分100質量%)を8質量部、および重合開始剤(α)としてエネルギー線重合開始剤(α1)であるp−アニシルを5質量部含有し、150質量部の酢酸エチルを希釈溶剤とする液状の組成物(第二の組成物)を調製した。この組成物中の反応性化合物(I)のイソシアネート基の量のヒドロキシフルオロポリマーの水酸基の量に対する比率(結合部当量比)は1.65であった。この組成物を密封状態で23℃の環境下に7日間静置してヒドロキシフルオロポリマーと反応性化合物(I)との反応を進行させた。こうして硬化性フルオロポリマーと重合開始剤(α)とを含有する第一の組成物を得て、塗工液とした。
(2)太陽電池用保護シートの作製
厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製ルミラーX10、)からなる基材の一方の面にコロナ処理(出力2000W)を施し、そのコロナ処理が施された面に、上記の塗工液をロッドコーターにて、最終的に得られるフッ素樹脂層の厚さが5μmとなるように塗布した。得られた塗液層を基材ごと120℃のオーブン内に1分間静置することにより塗液層を乾燥することにより、基材と未硬化層とからなる積層体を得た。その積層体の未硬化層側から光量500mJ/cm2となるように紫外線(i線、365nm)を照射して、基材とフッ素樹脂層とからなる太陽電池用保護シートを得た。
厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製ルミラーX10、)からなる基材の一方の面にコロナ処理(出力2000W)を施し、そのコロナ処理が施された面に、上記の塗工液をロッドコーターにて、最終的に得られるフッ素樹脂層の厚さが5μmとなるように塗布した。得られた塗液層を基材ごと120℃のオーブン内に1分間静置することにより塗液層を乾燥することにより、基材と未硬化層とからなる積層体を得た。その積層体の未硬化層側から光量500mJ/cm2となるように紫外線(i線、365nm)を照射して、基材とフッ素樹脂層とからなる太陽電池用保護シートを得た。
〔実施例2〕
塗工液に含有される重合開始剤(α)をエネルギー線重合開始剤(α2)である4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィドに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、太陽電池用保護シートを得た。
塗工液に含有される重合開始剤(α)をエネルギー線重合開始剤(α2)である4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィドに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、太陽電池用保護シートを得た。
〔実施例3〕
塗工液に含有される重合開始剤(α)をエネルギー線重合開始剤(α3)である2,4−ジエチルチオキサンテン−9−オンに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、太陽電池用保護シートを得た。
塗工液に含有される重合開始剤(α)をエネルギー線重合開始剤(α3)である2,4−ジエチルチオキサンテン−9−オンに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、太陽電池用保護シートを得た。
〔実施例4〕
塗工液に含有される重合開始剤(α)をエネルギー線重合開始剤(α4)である2−エチルアントラキノンに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、太陽電池用保護シートを得た。
塗工液に含有される重合開始剤(α)をエネルギー線重合開始剤(α4)である2−エチルアントラキノンに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、太陽電池用保護シートを得た。
〔比較例1〕
実施例1において、塗工液に重合開始剤(α)を含有させず、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロへキシル−フェニル−ケトン(BASF社製、イルガキュア(登録商標)184、固形分100質量%)5質量部を含有させた以外は、実施例1と同様の操作を行い、太陽電池用保護シートを得た。
実施例1において、塗工液に重合開始剤(α)を含有させず、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロへキシル−フェニル−ケトン(BASF社製、イルガキュア(登録商標)184、固形分100質量%)5質量部を含有させた以外は、実施例1と同様の操作を行い、太陽電池用保護シートを得た。
〔比較例2〕
実施例1において、塗工液に重合開始剤(α)を含有させず、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロへキシル−フェニル−ケトン(BASF社製、イルガキュア(登録商標)184、固形分100質量%)5質量部を含有させ、さらに紫外線吸収剤として2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)を1.0質量部含有させた以外は、実施例1と同様の操作を行い、太陽電池用保護シートを得た。
実施例1において、塗工液に重合開始剤(α)を含有させず、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロへキシル−フェニル−ケトン(BASF社製、イルガキュア(登録商標)184、固形分100質量%)5質量部を含有させ、さらに紫外線吸収剤として2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)を1.0質量部含有させた以外は、実施例1と同様の操作を行い、太陽電池用保護シートを得た。
〔試験例1〕<ゲル分率の測定>
実施例および比較例により作製した保護シートのそれぞれをメッシュ#200で包み、トルエン100ccが入ったビーカに全体を浸漬させた。24時間経過後、フィルムに包まれた保護シートをビーカから取り出し、保護シートを乾燥させ、乾燥した保護シートの重量を測定した。
下記の式によりゲル分率(単位:%)を求めた。
ゲル分率=(浸漬後の保護シートの重量−基材の重量)/(浸漬前の保護シートの重量−基材の重量)×100
測定結果を表1に示す。
実施例および比較例により作製した保護シートのそれぞれをメッシュ#200で包み、トルエン100ccが入ったビーカに全体を浸漬させた。24時間経過後、フィルムに包まれた保護シートをビーカから取り出し、保護シートを乾燥させ、乾燥した保護シートの重量を測定した。
下記の式によりゲル分率(単位:%)を求めた。
ゲル分率=(浸漬後の保護シートの重量−基材の重量)/(浸漬前の保護シートの重量−基材の重量)×100
測定結果を表1に示す。
〔試験例2〕<ワイピング試験>
実施例および比較例により作製した保護シートのそれぞれのフッ素樹脂層側の面に対して、イソプロピルアルコール(IPA)を染み込ませた綿布を用いて、荷重1kg/cm2にてワイピング(拭き取り)を5往復実施した。ワイピング後の保護シートのフッ素樹脂層側の面を目視で観察し、IPAにより溶解した部分があるか否かを評価した。その結果を表1に示す。表1にて、溶解部分が観察された場合には「S」とし、溶解部分が観察されなかった場合には「R」とした。
実施例および比較例により作製した保護シートのそれぞれのフッ素樹脂層側の面に対して、イソプロピルアルコール(IPA)を染み込ませた綿布を用いて、荷重1kg/cm2にてワイピング(拭き取り)を5往復実施した。ワイピング後の保護シートのフッ素樹脂層側の面を目視で観察し、IPAにより溶解した部分があるか否かを評価した。その結果を表1に示す。表1にて、溶解部分が観察された場合には「S」とし、溶解部分が観察されなかった場合には「R」とした。
〔試験例3〕<耐候性試験>
実施例および比較例1により作製した保護シートを、次の条件に設定された耐候性試験機(スガ試験機社製、スーパーキセノンウェザーメーター SX75)内に、それぞれの保護シートのフッ素樹脂層側が照射面となるようにして配置した。なお、比較例2の保護シートは、ワイピング試験により良好な結果が得られなかったため、耐候性試験には供さなかった。
・ブラックパネル温度…63℃(槽内湿度50%RH)
・放射照度…60W/m2(波長300〜400nm)
・水スプレー方法…12分スプレー実施、48分停止の繰り返し
耐候性試験機内への投入から500時間経過した後、保護シートを取り出し、基材を目視にて観察して、黄変しているか否かを評価した。その結果を表1に示す。表1にて、基材の黄変が観察された場合には「Y」とし、黄変が観察されなかった場合には「C」とした。
実施例および比較例1により作製した保護シートを、次の条件に設定された耐候性試験機(スガ試験機社製、スーパーキセノンウェザーメーター SX75)内に、それぞれの保護シートのフッ素樹脂層側が照射面となるようにして配置した。なお、比較例2の保護シートは、ワイピング試験により良好な結果が得られなかったため、耐候性試験には供さなかった。
・ブラックパネル温度…63℃(槽内湿度50%RH)
・放射照度…60W/m2(波長300〜400nm)
・水スプレー方法…12分スプレー実施、48分停止の繰り返し
耐候性試験機内への投入から500時間経過した後、保護シートを取り出し、基材を目視にて観察して、黄変しているか否かを評価した。その結果を表1に示す。表1にて、基材の黄変が観察された場合には「Y」とし、黄変が観察されなかった場合には「C」とした。
表1から分かるように、本発明の条件を満たす実施例の太陽電池用保護シートは、そのフッ素樹脂層が十分に硬化されているため、ブロッキングの問題が発生しにくい。また、そのフッ素樹脂層は有機溶剤に対する耐溶解性にも優れる。さらに、そのフッ素樹脂層には紫外線吸収剤(β)が含まれるため、太陽電池用保護シートの耐候性試験を行っても黄変は確認されなかった。したがって、施例の太陽電池用保護シートは優れた耐候性を有する。
本発明に係る耐候性基材を備える太陽電池用保護シートは、例えば太陽電池モジュールの表面保護シート(フロントシート)または裏面保護シート(バックシート)として好適に用いられる。
1…太陽電池用保護シート
11…基材
12…フッ素樹脂層
13…介在層
14…封止材接着層
15…タイレイヤー
10…太陽電池モジュール
21…太陽電池セル
22…封止材
23…受光面側の保護部材
24…裏面側の保護部材
11…基材
12…フッ素樹脂層
13…介在層
14…封止材接着層
15…タイレイヤー
10…太陽電池モジュール
21…太陽電池セル
22…封止材
23…受光面側の保護部材
24…裏面側の保護部材
Claims (19)
- 基材と、当該基材の少なくとも一方の面に積層されたフッ素樹脂層とを備える太陽電池用保護シートであって、
前記フッ素樹脂層は、エネルギー線硬化性官能基を有するフッ素含有重合体と、下記構造式(a)から(d)で示されるエネルギー線重合開始剤からなる群から選ばれる一種または二種以上からなる重合開始剤(α)とを含有する組成物が、エネルギー線の照射により硬化したことにより得られたものであること
を特徴とする太陽電池用保護シート。
(式(a)中、R1〜R10は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはフェノキシ基を示し、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
(式(b)中、XはSまたはOを示し、R1〜R10は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはフェノキシ基を示し、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
(式(c)中、XはSまたはOを示し、R1〜R8は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはフェノキシ基を示し、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
(式(d)中、R1〜R8は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはフェノキシ基を示し、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。) - 基材と、当該基材の少なくとも一方の面に積層されたフッ素樹脂層とを備える太陽電池用保護シートであって、
前記フッ素樹脂層は、エネルギー線硬化性官能基を有するフッ素含有重合体の硬化物と、請求項1に記載される構造式(a)から(d)で示されるエネルギー線重合開始剤からなる群から選ばれる一種または二種以上からなる重合開始剤(α)に由来する紫外線吸収剤(β)とを含有すること
を特徴とする太陽電池用保護シート。 - 前記エネルギー線硬化性官能基を有するフッ素含有重合体における当該エネルギー線硬化性官能基は、エポキシ基、エーテル基、エステル基およびエチレン性不飽和結合を有する基からなる群から選ばれる一種または二種以上を含む、請求項1または2に記載の太陽電池用保護シート。
- 前記エネルギー線硬化性官能基を有するフッ素含有重合体は、水酸基を含有するフッ素含有重合体と、水酸基との反応性を有する反応性基およびエネルギー線硬化性官能基を有する化合物とが、前記水酸基と前記反応性基とにおいて結合したものである、請求項3に記載の太陽電池用保護シート。
- 前記水酸基を含有するフッ素含有重合体の水酸基価は、15mgKOH/g以上100mgKOH/g以下である、請求項4に記載の太陽電池用保護シート。
- 前記水酸基との反応性を有する反応性基はイソシアネート基であり、前記エネルギー線硬化性官能基はエチレン性不飽和結合を有する基である、請求項4または5に記載の太陽電池用保護シート。
- 前記フッ素樹脂層の厚さは2μm以上50μm以下である、請求項1から6のいずれか一項に記載の太陽電池用保護シート。
- 前記基材はポリエステル系樹脂を含有するフィルムからなる、請求項1から7のいずれか一項に記載の太陽電池用保護シート。
- 前記基材と前記フッ素樹脂層との間に少なくとも一つ以上の層からなる介在層を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の太陽電池用保護シート。
- 前記介在層が、前記基材および前記フッ素樹脂層の少なくとも一方に対する接着性を有する接着層を一層または二層以上含む、請求項9に記載の太陽電池用保護シート。
- 前記介在層が、蒸着層および金属シートから選ばれる一つ以上の金属性材料層を含む、請求項9または10に記載の太陽電池用保護シート。
- 請求項1から8のいずれか一項に記載される太陽電池用保護シートの製造方法であって、
前記フッ素樹脂層のエネルギー線照射前の状態に相当する層であって、前記エネルギー線硬化性官能基を有するフッ素含有重合体と前記重合開始剤(α)とを含有する未硬化層に対して、エネルギー線を照射して前記フッ素樹脂層を形成し、
前記基材の少なくとも一方の面に、前記フッ素樹脂層を積層すること
を特徴とする太陽電池用保護シートの製造方法。 - 請求項9から11のいずれか一項に記載される太陽電池用保護シートの製造方法であって、
前記フッ素樹脂層のエネルギー線照射前の状態に相当する層であって、前記エネルギー線硬化性官能基を有するフッ素含有重合体と前記重合開始剤(α)とを含有する未硬化層に対して、エネルギー線を照射して前記フッ素樹脂層を形成し、
前記介在層の前記基材と反対側の面に、前記フッ素樹脂層を積層すること
を特徴とする太陽電池用保護シートの製造方法。 - 請求項1から8のいずれか一項に記載される太陽電池用保護シートの製造方法であって、
前記フッ素樹脂層のエネルギー線照射前の状態に相当する層であって、前記エネルギー線硬化性官能基を有するフッ素含有重合体と前記重合開始剤(α)とを含有する未硬化層を、前記基材の少なくとも一方の面に積層し、
前記基材に積層された前記未硬化層にエネルギー線を照射して、前記フッ素樹脂層を形成すること
を特徴とする太陽電池用保護シートの製造方法。 - 請求項9から11のいずれか一項に記載される太陽電池用保護シートの製造方法であって、
前記フッ素樹脂層のエネルギー線照射前の状態に相当する層であって、前記エネルギー線硬化性官能基を有するフッ素含有重合体と前記重合開始剤(α)とを含有する未硬化層を、前記介在層の前記基材と反対側の面に積層し、
前記基材に積層された前記未硬化層にエネルギー線を照射して、前記フッ素樹脂層を形成すること
を特徴とする太陽電池用保護シートの製造方法。 - 前記エネルギー線硬化性官能基を有するフッ素含有重合体と前記重合開始剤(α)とを含有する塗工液からなる塗液層を乾燥、加熱して、前記未硬化層を形成する、請求項12から15のいずれか一項に記載の太陽電池用保護シートの製造方法。
- 前記重合開始剤(α)、水酸基を含有するフッ素含有重合体、および前記水酸基への反応性を有する反応性基とエネルギー線硬化性官能基とを有する化合物を含有する塗工液からなる塗液層を乾燥、加熱して、前記未硬化層を形成する、請求項12から15のいずれか一項に記載の太陽電池用保護シートの製造方法。
- 太陽電池セル、前記太陽電池セルを包容する封止材、および前記封止材の主面のそれぞれに積層される二つの保護部材を備える太陽電池モジュールであって、
前記保護部材の少なくとも一方は請求項1から11のいずれか一項に記載される太陽電池用保護シートからなること
を特徴とする太陽電池モジュール。 - 太陽電池セル、前記太陽電池セルを包容する封止材、および前記封止材の主面のそれぞれに積層される二つの保護部材を備える太陽電池モジュールであって、
前記太陽電池モジュールにおける少なくとも受光面側に積層される前記保護部材は請求項1から11のいずれか一項に記載される太陽電池用保護シートからなること
を特徴とする太陽電池モジュール。
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