JP2013206733A - 導光板及びこれを備えたバックライトユニット並びにディスプレイ - Google Patents
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Abstract
【課題】輝度ムラを低減しつつ光源の影を隠蔽することができる導光板を提供する。
【解決手段】光出射面側と反対側の面に、一次元方向に疎密パターニングされたマイクロレンズアレイを備え、マイクロレンズアレイは、短軸方向断面形状が菱形状をなすマイクロレンズと短軸方向断面形状が略半球状をなすマイクロレンズとを含むように、短軸方向断面形状が互いに異なる光学形状をなすマイクロレンズを2種類以上備えており、長軸方向に、同種類の前記光学形状の短軸方向断面を有するマイクロレンズが複数配置されるとともに、一次元方向に、交互に異なる光学形状の短軸方向断面を有するマイクロレンズが配置されている。
【選択図】図2
【解決手段】光出射面側と反対側の面に、一次元方向に疎密パターニングされたマイクロレンズアレイを備え、マイクロレンズアレイは、短軸方向断面形状が菱形状をなすマイクロレンズと短軸方向断面形状が略半球状をなすマイクロレンズとを含むように、短軸方向断面形状が互いに異なる光学形状をなすマイクロレンズを2種類以上備えており、長軸方向に、同種類の前記光学形状の短軸方向断面を有するマイクロレンズが複数配置されるとともに、一次元方向に、交互に異なる光学形状の短軸方向断面を有するマイクロレンズが配置されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、主に照明光路制御に使用される導光板、及びこれを備えたバックライトユニット並びにディスプレイに関するものである。
最近の大型液晶テレビやフラットディスプレイパネル等においては主に、直下型方式の照明装置と、エッジライト方式の照明装置とが採用されている。直下型方式の照明装置では、光源として複数の冷陰極管やLED(Light Emitting Diode)が、パネルの背面に規則的に配置される。液晶パネル等の画像表示素子と光源との間には、光散乱性の強い拡散板が用いられ、光源としての冷陰極管やLEDが視認されないようにしている。
一方、エッジライト方式の照明装置は、複数の冷陰極管やLEDが、導光板と呼ばれる透光性の板の端面に配置される。一般的に、導光板の射出面(画像表示素子と対向する面)の逆側の面(光偏向面)には、該導光板の端面から入射する入射光を効率良く射出面へと導く光偏向要素が形成される。現在、光偏向面に形成される光偏向要素としては白色のインキがドット状に印刷されたものが一般的(例えば特許文献1)である。しかし、白色ドットに入射した光はほぼ無指向に拡散反射されるため、導光板の射出面側への光取出し効率は低い。白色インキによる光吸収も無視することはできない。
そこで最近では、マイクロレンズをインクジェット法によって導光板の光偏向面へと形成する方法や、レーザーアブレーション法によって光偏向要素を形成する方法などが提案されている。白色インキと違い、導光板の樹脂と空気との屈折率差による反射、屈折、透過を利用しているため、光吸収はほとんど生じない。そのため、白色インキに比べて光取出し効率の高い導光板を得ることができる。
しかしながら、インクジェット法やレーザーアブレーション法による光偏向要素の形成は、白色インキの印刷と同様、導光板を平板成形した後に別工程で形成されるため、作製工程数が減る訳ではない。むしろ、白色インキの印刷工程よりもタクトタイムが長く、また、設備のイニシャルコストが高いなど、高コストとなる問題がある。
そこで、導光板を射出成形法や押出成形法により成形し、光偏向要素を押出時にダイレクトに賦形する方法も提案されている(例えば特許文献2)。導光板の成形と同時に光偏向要素も形成されるため工程数が減り、低コスト化が実現できる。
しかしながら、射出成形法で導光板を作製する場合、サイズが大きくなるほど射出成形機には高い圧力が必要となるため、携帯電話やノートパソコンなどの比較的小型な表示装置用の導光板製作には適しているものの、テレビ等の大型な表示装置への適用は難しい。一方で押出成形法は、大型の導光板製作に適した製造方法ではあるが、円筒状の金型ロールを用いたRoll to Rollでの成形が基本であるため、以下に示すような課題がある。
導光板の光偏向面に形成される光偏向要素は、二次元的な疎密配置とする必要がある。図8は、導光板7の上下2辺に、1つ、または複数の光源6を配し、光源の光軸方向(すなわち上下方向の一次元)に光偏向要素を疎密パターニングした際の面内輝度分布を示している。端面から入射した光7Lが導光板内で扇状に広がり、複数の光源の重なりの影響や、光源が配されない左右の側端面での反射や漏れ光などの影響により、面内左右に三角形の輝度が低い領域Dが生じる。
特許文献3には、一次元方向に光偏向要素を疎密パターニングした例として、一方向に延在するプリズム溝を有した導光板が示されている。このような一次元方向のみの疎密パターニングされた導光板は、上述した輝度が低い領域Dが生じるため好ましくない。
このような面内の輝度ムラを低減するには、疎密パターニングを上下方向の一次元だけでなく、面内二次元的に疎密パターニングする必要がある。しかしながら、金型ロールを用いる押出成形法においては、光偏向要素を二次元的な疎密配置として形成することは難しい。一方向であれば、金型ロールの幅方向には疎密パターニング可能であるが、金型ロール周方向に疎密を形成すると、光偏向要素のシームレス化ができない。こうした場合、光偏向要素の周方向のパターン幅と、金型ロールの直径との整合を取らないと、押出成形時に余白が生じてしまう。しかしながら、テレビのサイズは例えば小型サイズとしては19インチから、大型サイズでは60インチ以上となり、全てのサイズに合わせて直径の異なる金型ロールを準備することは現実的ではない。
ディスプレイのバックライトに用いる導光板は、光学性能によってディスプレイの外観、すなわち商品価値に大きな影響を与える。一般的には輝度が高いものが望まれる一方で、光源の影を消すための拡散性能も必要とされる。拡散性能は輝度を落とす原因にもなるため、両立は非常に難しい。
本発明は、輝度ムラを低減しつつ光源の影を隠蔽することのできる導光板、及びこれを備えたバックライトユニット並びにディスプレイを提供することを目的とする。
第1の発明に係る導光板は、光出射面側と反対側の面に、一次元方向に疎密パターニングされたマイクロレンズアレイを備え、前記マイクロレンズアレイは、短軸方向断面形状が菱形状をなすマイクロレンズと短軸方向断面形状が略半球状をなすマイクロレンズとを含むように、短軸方向断面形状が互いに異なる光学形状をなすマイクロレンズを2種類以上備えており、長軸方向に、同種類の前記光学形状の短軸方向断面を有するマイクロレンズが複数配置されるとともに、前記一次元方向に、交互に異なる前記光学形状の短軸方向断面を有するマイクロレンズが配置されていることを特徴とする。
第2の発明に係る導光板は、第1の発明の導光板において、前記菱形状の短軸方向断面を有するマイクロレンズ及び略半球状の短軸方向断面を有するマイクロレンズの短軸方向の大きさは10μm〜25μmであることを特徴とする。
第3の発明に係る導光板は、第1の発明または第2の発明の導光板において、前記菱形状の短軸方向断面を有するマイクロレンズ及び略半球状の短軸方向断面を有するマイクロレンズの長軸方向の大きさは50μm〜200μmであることを特徴とする。
第4の発明に係る導光板は、第1の発明から第3の発明のいずれか1つの導光板において、前記菱形状の短軸方向断面形状は頂角が60°〜90°の範囲にある三角形であり、前記略半球状の短軸方向断面形状は半径が60μm〜100μmの範囲にある半球面を切断して得られる円弧であることを特徴とする。
第5の発明に係るバックライトユニットは、表示画像を規定する画像表示素子の背面に、光源と、第1の発明から第3の発明のいずれか1つの導光板を備えることを特徴とする。
第6の発明に係るディスプレイは、画素単位での透過及び遮光に応じて表示画像を規定する液晶表示素子からなる画像表示素子と、光源と、第5の発明に係るバックライトユニットとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、一次元方向に疎密パターニングされ、短軸方向断面形状が菱形状及び略半球状の2種類以上の異なった光学形状を有するマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイを備えた導光板であるので、輝度ムラを低減しつつ光源の影を隠蔽することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
まず、本発明に係る導光板を成形するための型を用意する。型材としては円筒状の金型ロールを用いれば連続シート状の成型が可能であり、平板状の金型とすればプレス法やインジェクション法などによる板やシートの形成が可能となる。円筒状型を採用した場合に連続的な生産が可能であり、パターンの継ぎ目がない型材とする事で、連続パターンのフィルムを得ることが出来るため、切り出しの寸法を調整するだけで多くの画面サイズへの対応が可能となるため生産性が良い。また、平型とした場合には枚葉となるものの、板材への形状転写が容易であり、小ロット多品種への対応に向いている。金型ロールの下地素材は、耐久性やハンドリングを加味し、鉄やSUS、アルミなどを下地とし、形状を形成する表面層として銅や真鍮をメッキするのが一般的である。
型の表面層の素材は転写成型できれば特に限定されるものではないが、光学用途に用いる場合にはある程度の平滑性が必要なことから、銅や真鍮を用いるのが好適である。高精度な精密切削機に金型ロールをセットし、ダイヤモンドバイトを使用し、所望の位置、深さ、切込となるように形状を加工する。導光板を成型する際に使用する金型は導光板の凹凸反転形状である。形状を加工した金型ロールは、耐擦性を考慮し、銅や真鍮の表面にCrメッキやNiメッキを施しても良い。
金型ロールの凹凸形状を反転した導光板は押し出し法もしくはキャスト法、もしくはインジェクション法で製造される。
導光板の基材としては、当該分野でよく知られたPET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネート、アクリル、ポリプロピレンのフィルムなどが使用できる。
導光板の主となる材質としては、例えば、ポリカーボネートもしくはアクリル−スチレン共重合体もしくはポリスチレンもしくはスチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体もしくはシクロオレフィンポリマーを使用しても良い。また、主となる材質の中に分散された透明粒子を具備していてもよく、これら主となる材質の屈折率と透明粒子の屈折率とが異なるものである。主となる材質の屈折率と透明粒子の屈折率との差は0.01以上であることが望ましい。屈折率の差がこれより小さいと十分な光散乱性能が得られない。また、その屈折率差は0.5以下で十分である。
前記透明粒子の平均粒径は0.5〜30.0μmであることが望ましい。透明粒子としては、無機酸化物からなる透明粒子又は樹脂からなる透明粒子が使用できる。例えば、無機酸化物からなる透明粒子としてはシリカやアルミナ等からなる粒子を挙げることができる。また、樹脂からなる透明粒子としては、アクリル粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子及びその架橋体;メラミン?ホルマリン縮合物の粒子、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(ペルフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDF(ポリフルオロビニリデン)、及びETFE(エチレン?テトラフルオロエチレン共重合体)等の含フッ素ポリマー粒子、シリコーン樹脂粒子等を挙げることができる。これら透明粒子は、2種以上を混合して使用してもよい。または、板状の部材は主となる材質中に空気を含む微細な空洞を有した構造をしており、主となる材質と空気との屈折率差で拡散性能を得ても良い。導光板の基材は単層構造でも複層構造でもよく、透明層を含んでいても良い。
図6(a)〜(d)は導光板の射出面側の形状例である。本発明における導光板の特性は射出面側の形状には寄らず、図6に示した形状以外を用いることも可能である。図6(a)の導光板は、基材31の光出射面側に、断面三角形状の単位プリズム33aが複数配列されたパターン中に光学素子33bが設けられた構成のレンズ33を備える構成である。図6(b)の導光板は、基材31の光出射面側に、断面三角形状の単位プリズムからなるレンズ33が一方向に周期的に配列された構成である。図6(c)の導光板は、基材31の光出射面側にレンチキュラーレンズからなるレンズ33を備える構成である。図6(d)の導光板は、基材31の光出射面側に、断面三角形状の単位プリズム33aが複数配列されたパターン中に、単位プリズム33aの長さ方向に間隔をおいて形成された複数の凸部33bが設けられた構成のレンズ33を備える構成である。
光学シートや拡散板は、導光板と同様の主となる材質を使用することができ、同様に前述した透明粒子を具備して構成されていてもよく、また、表面に反射パターンや幾何学構造が付与されていても良い。
本発明の導光板とあわせて使用する光学部材は、当業界でよく知られた反射型偏光分離シート、拡散板、光学シートなどを適宜使用する。
図1は、本発明の導光板を使用したバックライトユニット3を備える、ディスプレイ装置1の構成例を示す断面である。以降、図1の上側を上、下側を下とし、上側に相対している面を表面、下側に相対している面を裏面、と表現する。図1はエッジライト型のバックライト構成例を示している。バックライトユニット3は、反射板5、光源6、導光板7、拡散板8、光学シート20、および、反射型偏光分離シート28を備えている。左右の各サイドエッジに隣接して光源6が配置された導光板7は、側方および下方を反射板5で囲まれた形に設けられている。導光板7の光出射面側と反対側の面である裏面にはマイクロレンズアレイが設けられている。マイクロレンズアレイは、菱形状マイクロレンズ17と略半球状マイクロレンズ18とを含むように、短軸方向断面形状(短軸に垂直な面で切断した断面の形状)が互いに異なる光学形状をなすマイクロレンズを2種類以上備えている。ここでは、マイクロレンズアレイは、菱形状マイクロレンズ17と略半球状マイクロレンズ18との2種類を含んでいるものとする。菱形状マイクロレンズ17は短軸方向断面形状が菱形状をなすマイクロレンズであり、略半球状マイクロレンズ18は短軸方向断面形状が略半球状をなすマイクロレンズである。
光源6から導光板7への入射光7Lは、導光板7の出射面から拡散板8、光学シート20、反射型偏光分離シート28を透過する。最終的に光は反射型偏光分離シート28の射出面から光Kとして出射される。光Kは、下側の偏光板9と上側の偏光板10とに液晶層11がはさまれた構成を有する液晶装置2に到達する。ここを透過した光は出射光Fとして上側へ進み、観察者に視認される。なお、構成例にあげたもののみではなく、適宜光学シートを増減しても良い。
図2に本発明の導光板7の斜視図を、図3(a)に導光板7の裏面側における菱形状マイクロレンズ17及び略半球状マイクロレンズ18の配置をマイクロレンズの長軸方向xから見た概略図、図3(b)に当該マイクロレンズの配置をマイクロレンズの短軸方向zから見た概略図を、それぞれ示す。x、y、およびzは3次元直交座標軸の方向とする。図2に示すように、導光板7は所定のバックライトに組み込めるようサイズや形状が調整されている。菱形状マイクロレンズ17及び略半球状マイクロレンズ18を導光板7の裏面側に設けることにより、レンズ効果で導光板射出面での反射光が減少し、導光板入射面側の光量を増加させることが出来る。なお、レンズ効果を発揮するのは菱形状マイクロレンズ17及び略半球マイクロレンズ18の傾斜した側面部であり、菱形状マイクロレンズ17のみでは指向性が強くなり、略半球状マイクロレンズ18と組み合わせる事で指向性を緩和させる効果がある。
菱形状マイクロレンズ17及び略半球状マイクロレンズ18と導光板基材平面との高低差を深さ、菱形状マイクロレンズ17及び略半球状マイクロレンズ18の短軸に沿った大きさを幅、長軸に沿った大きさを長さと表現する。菱形状マイクロレンズ17及び略半球状マイクロレンズ18の幅は精密切削機にセットするダイヤモンドバイトの先端形状により決まる。例えば、金型上に菱形状マイクロレンズを彫刻するには、菱形状の短軸方向断面形状が頂角θが60〜90°の範囲にある三角形となるような先端形状を持つダイヤモンドバイトを使用し、略半球状マイクロレンズを彫刻するには、略半球状の短軸方向断面形状が半径rが60〜100μmの範囲にある半球面を切断して得られる円弧となるような先端形状を持つダイヤモンドバイトを使用する。これにより、当該先端形状と同形状の光学形状を有するマイクロレンズが得られる。菱形状マイクロレンズ17及び略半球状マイクロレンズ18の長さは200μmまでが好適である。200μm以上に大きいと菱形状マイクロレンズ17及び略半球状マイクロレンズ18そのものが点欠陥のように見えてしまう。菱形状マイクロレンズ17及び略半球状マイクロレンズ18の短軸方向zの大きさである深さは10〜25μm、長軸方向xの大きさである長さは50〜200μmが好適であり、長さが短く、かつ、深さが深い菱形状マイクロレンズ17及び略半球状マイクロレンズ18の製造は困難になってくる。
本発明における菱形状マイクロレンズ17及び略半球状マイクロレンズ18のパターニングは図3(a)、(b)に示すように、菱形状マイクロレンズ17及び略半球状マイクロレンズ18の短軸方向z及び長軸方向xのいずれについても方向yに沿って光源から近い側から遠い側にかけて疎から密と、つまり光源から遠くになるに従いマイクロレンズの数が増加するように配置する。長軸方向xには、同種類の光学形状の短軸方向断面を有する複数の菱形状マイクロレンズ17どうしあるいは略半球状マイクロレンズ18どうしが配置されている。互いに光学形状の異なる短軸方向断面を有する菱形状マイクロレンズ17と略半球状マイクロレンズ18とは、長軸方向xを行方向として1行毎に、すなわちy方向に、交互に配列されている。1行当たりにおけるマイクロレンズの深さ、及び、長さは、前記範囲内であれば任意で良く、1個当りのマイクロレンズの長さが短いほどより光源の影を隠蔽することができる。
菱形状マイクロレンズ17は光取り出し効率を高める特性を持つ一方で、取り出した光は指向性が強く輝度ムラとして視認されやすいため、近接行に形状の異なる略半球状マイクロレンズ18を配列することで指向性を緩和し、輝度ムラを低減させる。菱形状マイクロレンズ17の頂角θが前記範囲内で鋭角形状を持つとき、略半球状マイクロレンズ18の半径rは前記範囲内で大きい形状を持つものと組合せることが好ましい。また、菱形状マイクロレンズ17及び略半球状マイクロレンズ18のいずれも微小なマイクロレンズとして配置するので、光源の影を隠蔽することができる。従って本発明における、一次元方向(y方向)に疎密パターニングしたマイクロレンズを備え、マイクロレンズ短軸方向断面形状が菱形状及び略半球状の2種類以上の異なった光学形状を有する導光板7は、輝度ムラを低減しつつ光源の影を隠蔽することができる。
(導光板の製造方法)
図5に示すように導光板裏面用の金型ロール25を高精度な精密切削機にセットし、先端が90°にカットされたダイヤモンドバイトを使用して菱形状マイクロレンズパターン17Aの加工を行った後、先端が60μmの円弧状にカットされたダイヤモンドバイトを使用して略半球状マイクロレンズパターン18Aの加工を行った。同金型ロールの加工スタート側は導光板7の光源6から近い側に相当し、加工エンド側は導光板7の光源6から遠い側に相当する。
図5に示すように導光板裏面用の金型ロール25を高精度な精密切削機にセットし、先端が90°にカットされたダイヤモンドバイトを使用して菱形状マイクロレンズパターン17Aの加工を行った後、先端が60μmの円弧状にカットされたダイヤモンドバイトを使用して略半球状マイクロレンズパターン18Aの加工を行った。同金型ロールの加工スタート側は導光板7の光源6から近い側に相当し、加工エンド側は導光板7の光源6から遠い側に相当する。
実施例1の導光板7用の金型ロール25では、菱形状マイクロレンズパターン17A及び略半球状マイクロレンズパターン18Aの深さを20μm、長さを180μmとし、それぞれ加工エンドにかけ金型ロール幅方向及び回転方向に疎から密になるよう所望の配置条件で加工を行った。菱形状マイクロレンズパターン17Aと略半球状マイクロレンズパターン18Aとは一行毎に交互に配置されるように加工し、また、充填率を高めるため菱形状マイクロレンズパターン17Aに対し、略半球状マイクロレンズパターン18Aはマイクロレンズ半個分ずらした配置で加工を行った。
実施例2の導光板7用の金型ロール25には実施例1と同じダイヤモンドバイトを使用し、実施例1と同配置ではあるが、菱形状マイクロレンズパターン17A及び略半球状マイクロレンズパターン18Aの深さが20μmで長さが180μmのものと、深さが10μmで長さが100μmのものとを1行の中で交互に配置されるように加工を行った。
実施例3の導光板7用の金型ロール25には実施例1と同じダイヤモンドバイトに加え、菱形状マイクロレンズパターン17A用として先端が60°にカットされたものと、略半球状マイクロレンズパターン18A用として先端が100μmの円弧状にカットされたものとの、計4本のダイヤモンドバイトを使用しマイクロレンズの加工を行った。菱形状マイクロレンズパターン17A及び略半球状マイクロレンズパターン18Aの深さを20μm、長さを180μmとし、先端形状が90°の菱形状マイクロレンズパターン17Aの行に対しては、先端形状が60μmの円弧状の略半球状マイクロレンズパターン18Aの行が両隣になるよう一行毎に交互に配置し、先端形状が60°の菱形状マイクロレンズパターン17Aの行に対しては、先端形状が100μmの円弧状の略半球状マイクロレンズパターン18Aの行が両隣になるよう一行毎に交互に配置した。その際、60μm及び100μmの円弧状の略半球状マイクロレンズパターン18Aの行が隣接することになるが、それにより本発明における性能が損なわれることはない。
比較対象となる比較例1の導光板用の金型ロール25には先端が90°にカットされたダイヤモンドバイトを使用し、菱形状マイクロレンズパターン17Aのみからなるように、実施例1と同様の配置で加工を行った。次に比較例2の導光板用の金型ロール25には先端が60μmの円弧状にカットされたダイヤモンドバイトを使用し、略半球状マイクロレンズパターン18Aのみからなるように、実施例1と同様の配置で加工を行った。比較例1の菱形状マイクロレンズパターン17A及び比較例2の略半球状マイクロレンズパターン18Aの深さを20μm、長さを180μmとした。
導光板7の表面用の金型ロールとして図6(c)に示すような金型ロール幅方向と水平になるようにレンチキュラーレンズが彫刻されているものを準備した。導光板表面用の金型ロールの彫刻は前記形状に限定されるものではない。本発明の導光板7は裏面用及び表面用の所望の形状が加工された金型ロールを用い押し出し法により作製した。図4は本発明の導光板7の作製を実現する押し出し機(製造装置)50の構成を示す図である。図4に示すように、押し出し機50には、前記裏面用金型ロール51と表面用金型ロール52とが装着されており、押し出し法により導光板7を作製するように構成されている。すなわち、押し出し機50では、ダイ53内において溶融された光透過性の有る熱可塑性ポリカーボネート樹脂シートを溶融し、冷却固化する前に、裏面用金型ロール51と表面用金型ロール52とで挟持して押し出すことで、本発明のような両面に賦形された導光板7が得られた。熱可塑性ポリカーボネートは帝人化成(株)のM1201を使用した。各裏面用金型ロールを都度、装着して、実施例1〜3、比較例1及び2の導光板を準備した。また、従来技術との比較のため導光板の裏面側に白色印刷ドットがパターニングされた導光板を比較例0とし、準備した。すべての導光板は730mm×310mmの真四角に切り取り評価に使用した。
(導光板の輝度測定、及び隠蔽性評価)
準備した導光板をディスプレイに組み込み、白画面を表示し、トプコン製SR−3Aで画面の法線方向50cmの距離から中心の輝度を測定した。比較例0の中心輝度を1.00とし、実施例1〜3、比較例1及び2につき、それぞれ中心輝度比を算出した。また、輝度ムラの評価として、図7のように光学シートを縦方向と横方向とのそれぞれに、4分割及び12分割した。縦方向の中心分割線1/2V、縦方向の4分の1分割線1/4V、縦方向の4分の3分割線3/4Vと、横方向の中心分割線1/2H、横方向の4分の1分割線1/4H、及び横方向の4分の3分割線3/4Hとの各交点からなる9点とについて輝度測定を行った。また、当該9点に、縦方向の中心分割線1/2Vと横方向の12分の1分割線1/12H及び横方向の12分の11分割線11/12Hとの各交点、縦方向の12分の1分割線1/12V及び縦方向の12分の11分割線11/12Vと、横方向の中心分割線1/2H、横方向の12分の1分割線1/12H、及び横方向の12分の11分割線11/12Hとの各交点を加えた17点にて輝度測定を行った。上記の9点輝度測定および17点輝度測定の結果について、各Min/Maxの比を算出した。構成は帝人化成製拡散板65HLWと光学シートとした。隠蔽性の評価は光源として左一辺配置のLEDを使用し、輝度測定系と同様の構成でディスプレイに組み込み、白画面を表示して目視観察した。目視評価は個人差があるため、被験者3名以上で実施した。結果を表1に示す。
準備した導光板をディスプレイに組み込み、白画面を表示し、トプコン製SR−3Aで画面の法線方向50cmの距離から中心の輝度を測定した。比較例0の中心輝度を1.00とし、実施例1〜3、比較例1及び2につき、それぞれ中心輝度比を算出した。また、輝度ムラの評価として、図7のように光学シートを縦方向と横方向とのそれぞれに、4分割及び12分割した。縦方向の中心分割線1/2V、縦方向の4分の1分割線1/4V、縦方向の4分の3分割線3/4Vと、横方向の中心分割線1/2H、横方向の4分の1分割線1/4H、及び横方向の4分の3分割線3/4Hとの各交点からなる9点とについて輝度測定を行った。また、当該9点に、縦方向の中心分割線1/2Vと横方向の12分の1分割線1/12H及び横方向の12分の11分割線11/12Hとの各交点、縦方向の12分の1分割線1/12V及び縦方向の12分の11分割線11/12Vと、横方向の中心分割線1/2H、横方向の12分の1分割線1/12H、及び横方向の12分の11分割線11/12Hとの各交点を加えた17点にて輝度測定を行った。上記の9点輝度測定および17点輝度測定の結果について、各Min/Maxの比を算出した。構成は帝人化成製拡散板65HLWと光学シートとした。隠蔽性の評価は光源として左一辺配置のLEDを使用し、輝度測定系と同様の構成でディスプレイに組み込み、白画面を表示して目視観察した。目視評価は個人差があるため、被験者3名以上で実施した。結果を表1に示す。
表1より一次元方向に疎密パターニングしたマイクロレンズからなり、マイクロレンズ短軸方向断面形状が菱形状及び略半球状の2種類以上の異なった光学形状を有する実施例1〜3の導光板7は比較例0及び2に比べ高輝度であり、かつ、比較例0及び1に比べ輝度ムラの指標となる9点比及び17点比の値が低く、より輝度ムラが少ないことが分かった。また、実施例1〜3の導光板7は光源の影を隠蔽することができる隠蔽性が損なわれていないことがわかった。この結果、一次元方向に疎密パターニングしたマイクロレンズからなり、マイクロレンズ短軸方向断面形状が菱形状及び略半球状の2種類以上の異なった光学形状を有し、輝度ムラを低減しつつ光源の影を隠蔽することができる導光板が得られた。実施例では最も単純な比較のためバックライトの構成は帝人化成製拡散板65HLWと導光板7としたが、本発明の導光板は他の光学部材と合わせて用いても、その特性が損なわれることは無い。
本発明は、液晶ディスプレイのバックライト等に利用することができる。
1 ディスプレイ装置
2 液晶装置
3 バックライトユニット
5 反射板
6 光源
7 導光板
7L 入射光
8 拡散板
9 偏光板
10 偏光板
11 液晶層
17 菱形状マイクロレンズ
18 略半球状マイクロレンズ
20 光学シート
25 金型ロール
28 反射型偏光分離シート
31 基材
33 レンズ
50 押し出し機
51 導光板裏面用金型ロール
52 導光板表面用金型ロール
53 ダイ
D 輝度ムラ領域
K 光
F 出射光
2 液晶装置
3 バックライトユニット
5 反射板
6 光源
7 導光板
7L 入射光
8 拡散板
9 偏光板
10 偏光板
11 液晶層
17 菱形状マイクロレンズ
18 略半球状マイクロレンズ
20 光学シート
25 金型ロール
28 反射型偏光分離シート
31 基材
33 レンズ
50 押し出し機
51 導光板裏面用金型ロール
52 導光板表面用金型ロール
53 ダイ
D 輝度ムラ領域
K 光
F 出射光
Claims (6)
- 光出射面側と反対側の面に、一次元方向に疎密パターニングされたマイクロレンズアレイを備え、
前記マイクロレンズアレイは、短軸方向断面形状が菱形状をなすマイクロレンズと短軸方向断面形状が略半球状をなすマイクロレンズとを含むように、短軸方向断面形状が互いに異なる光学形状をなすマイクロレンズを2種類以上備えており、
長軸方向に、同種類の前記光学形状の短軸方向断面を有するマイクロレンズが複数配置されるとともに、前記一次元方向に、交互に異なる前記光学形状の短軸方向断面を有するマイクロレンズが配置されていることを特徴とする導光板。 - 前記菱形状の短軸方向断面を有するマイクロレンズ及び略半球状の短軸方向断面を有するマイクロレンズの短軸方向の大きさは10μm〜25μmであることを特徴とする請求項1に記載の導光板。
- 前記菱形状の短軸方向断面を有するマイクロレンズ及び略半球状の短軸方向断面を有するマイクロレンズの長軸方向の大きさは50μm〜200μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の導光板。
- 前記菱形状の短軸方向断面形状は頂角が60°〜90°の範囲にある三角形であり、前記略半球状の短軸方向断面形状は半径が60μm〜100μmの範囲にある半球面を切断して得られる円弧であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の導光板。
- 表示画像を規定する画像表示素子の背面に、光源と、請求項1から4までのいずれか1項に記載の導光板を備えることを特徴とするバックライトユニット。
- 画素単位での透過及び遮光に応じて表示画像を規定する液晶表示素子からなる画像表示素子と、光源と、請求項5に記載のバックライトユニットとを備えることを特徴とするディスプレイ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012074770A JP2013206733A (ja) | 2012-03-28 | 2012-03-28 | 導光板及びこれを備えたバックライトユニット並びにディスプレイ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012074770A JP2013206733A (ja) | 2012-03-28 | 2012-03-28 | 導光板及びこれを備えたバックライトユニット並びにディスプレイ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013206733A true JP2013206733A (ja) | 2013-10-07 |
Family
ID=49525610
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012074770A Pending JP2013206733A (ja) | 2012-03-28 | 2012-03-28 | 導光板及びこれを備えたバックライトユニット並びにディスプレイ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013206733A (ja) |
-
2012
- 2012-03-28 JP JP2012074770A patent/JP2013206733A/ja active Pending
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