JP2013205708A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温定着性、耐熱保存性、耐ホットオフセット、省エネ及び高速性に優れる画像形成方法、及び画像形成装置。
【解決手段】加熱ローラとこれと平行に配置された弾性層を有する定着ローラと、加熱ローラと定着ローラとに張り渡された無端帯状のトナー加熱媒体と、トナー加熱媒体を介して定着ローラに押圧するとともに回転して定着ニップ部を形成する弾性層を有する加圧ローラとを有する定着装置を用い、静電荷像現像用トナーは結晶性ポリエステル樹脂、非結晶性樹脂、及び複合樹脂を含むトナーバインダーを有し、非結晶性樹脂はクロロホルム不溶分を含有する非結晶性樹脂(B)と非結晶性樹脂(B)よりも軟化温度が25℃以上低く両者ガラス転移温度(Tg)の差が10℃以下でありる非結晶性樹脂(C)とを含み、複合樹脂は縮重合系樹脂ユニットと付加重合系樹脂ユニットとを有する複合樹脂(D)である画像形成方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像形成方法及び該画像形成方法を用いる画像形成装置に関する。
プリンタ、複写機、ファクシミリなどの画像形成装置に対し、近年、省エネルギー化・高速化についての市場要求が強くなってきている。これらの要求性能を達成するためには、画像形成装置に用いられる定着装置の熱効率の改善が重要である。
画像形成装置では、電子写真記録・静電記録・磁気記録等の画像形成プロセスにより、画像転写方式もしくは直接方式により未定着トナー画像が記録材シート・印刷紙・感光紙・静電記録紙などの記録材に形成される。未定着トナー画像を定着させるための定着装置としては、熱ローラ方式、フィルム加熱方式、電磁誘導加熱方式等の接触加熱方式の定着装置が広く採用されている。
熱ローラ方式の定着装置は、内部にハロゲンランプ等の熱源を有し所定の温度に温調される加熱・定着ローラと、これに押圧された加圧ローラとの回転ローラ対を基本構成としている。これらの回転ローラ対の接触部いわゆる定着ニップ部に記録材を導入して搬送させ、定着ローラおよび加圧ローラからの熱および圧力により未定着トナー画像を溶融させて定着させる。
また、フィルム加熱方式の定着装置は、支持部材に固定支持された加熱体に耐熱性を有する薄肉の定着フィルムを介して記録材を密着させ、定着フィルムを加熱体に対して摺動移動させながら加熱体の熱を、フィルム材を介して記録材に供給するものである(例えば、特許文献1の特開昭63−313182号公報、特許文献2の特開閉1−263679号公報参照)。
この定着装置は、加熱体として、例えば、耐熱性・絶縁性・良熱伝導性等の特性を有するアルミナや窒化アルミニウム等のセラミック基板上に抵抗層を備えたセラミックヒータを使用する。この定着装置は、定着フィルムとして薄膜で低熱容量のものを用いることができるために、熱ローラ方式の定着装置よりも伝熱効率が高く、ウォームアップ時間の短縮が図れ、クイックスタート化や省エネルギー化が可能になる。
電磁誘導加熱方式の定着装置としては、例えば、特許文献3の特開平8−22206号公報に開示されているような、交番磁界により磁性金属部材に発生した渦電流でジュール熱を生じさせ、金属部材を含む加熱体を電磁誘導発熱させる技術がある。
以下に、電磁誘導加熱方式の定着装置の構成について説明する。
図1は従来の電磁誘導加熱方式による定着装置を示す模式図である。
図1に示すように、従来の定着装置は、励磁コイルユニット(18)と加熱部である磁性金属部材(19)とからなる加熱体(20)が装着されたフィルム内面ガイド(21)と、磁性金属部材(19)に当接した状態でフィルム内面ガイド(21)を包む耐熱性を備えた円筒状フィルム(17)と、磁性金属部材(19)位置でフィルム(17)に圧接してこのフィルム(17)との間に定着ニップ部Nを形成するとともに当前記フィルム(17)を回転させる加圧ローラ22とから構成されている。
フィルム(17)は、膜厚が100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上の耐熱性を有するPTFE、PFA、FEPの等の単層フィルム、あるいはポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等のフィルムの外周表面にPTFE、PFA、FEP等をコーティングした複合層フィルムが使用されている。
また、フィルム内面ガイド(21)はPEEK、PPS等の樹脂より形成された剛性・耐熱性を有する部材からなり、加熱体(20)はこのようなフィルム内面ガイド(21)の長手方向の略中央部に嵌め込まれている。
加圧ローラ(22)は、芯(22a)と、その周囲に設けられたシリコーンゴム等の離型性の良い耐熱ゴム層(22b)からなり、軸受や付勢手段(何れも図示せず)により所定の押圧力を持ってフィルム(17)を挟んで加熱体(20)の磁性金属部材(19)に圧接するように配設されている。そして加圧ローラ(22)は駆動手段(図示せず)により反時計回りに回転駆動される。
加圧ローラ(22)の回転駆動により、加圧ローラ(22)とフィルム(17)との間に摩擦力が発生してフィルム(17)に回転力が作用し、フィルム(17)は加熱体(20)の磁性金属部材(19)に密着しながら摺動回転する。
加熱体(20)が所定の温度に達した状態において、定着ニップ部Nのフィルム(17)と加圧ローラ(22)との間に、画像形成部(図示せず)で形成された未定着トナー画像Tを有する記録材(11)を導入する。記録材(11)は加圧ローラ(22)とフィルム(17)とに挟まれて定着ニップ部Nを搬送されることにより磁性金属部材(19)の熱がフィルム(17)を介して記録材(11)に付与され、未定着トナー像Tが記録材(11)上に溶融定着される。
なお、定着ニップ部Nの出口においては、通過した記録材(11)はフィルム(17)の表面から分離されて排紙トレイ(図示せず)に搬送される。
このような、電磁誘導加熱方式の定着装置では、渦電流の発生を利用することで、誘導加熱手段としての磁性金属部材(19)を、フィルム(17)を介して記録材(11)のトナー像Tに近くに配置することができ、フィルム加熱方式の定着装置よりもさらに加熱効率がアップする。
近年、画像形成装置においては、更なる高速化が求められ、定着時のトナーの加熱時間が短くなる一方で、特にフルカラーの画像形成装置では、4層以上に積層された厚みのあるトナー像を短時間で充分に加熱溶融させる能力が要求される。
しかしながら、トナー像を十分包み込んで均一に加熱溶融するためには、ニップ幅を確保するためフィルムの表面にある程度の厚さを有するゴム弾性層を設けることが必要となり、弾性層の低い熱伝導性のために熱応答性が悪くなり、高速での画像形成に対応できず、また、電磁誘導加熱方式による省エネルギー化が充分図れない。
特許文献4の特開2005−173445号公報、特許文献5の特開2005−173446号公報には、弾性層を有する定着ローラと弾性層を有する加圧ローラとが、定着ベルトを介してニップ部を形成し、該定着ベルトを電磁誘導により加熱された加熱ローラで加熱することで、薄い定着ベルトでもニップ幅を確保でき、高速な画像形成と省エネルギー化とを両立させた画像形成装置が開示されている。
しかし、この画像形成装置は、熱容量が小さい定着ベルトを用いるものであるため、トナー量の多い画像を形成すると、ベルト温度が急速に低下し、定着性能を十分に確保することができず、所謂コールドオフセットが発生するという特有の問題がある。
一方、トナーについては、例えば、トナーの定着性能を向上させるため、トナーバインダーのガラス転移温度(Tg)や軟化温度(T1/2)に代表される、樹脂そのものの熱特性をコントロールする方法が知られている。
しかしながら、樹脂の低Tg化は耐熱保存性を悪化させる原因となり、また樹脂の低分子量化等によるT1/2温度の低下では、ホットオフセットの発生等の問題が生じる。そのため、樹脂そのものの熱特性をコントロールするだけでは、低温定着性、耐熱保存性、耐ホットオフセット性の全てが良好なトナーを得るには至っていない。
低温定着化に対応すべく、従来、多用されてきたスチレン−アクリル系樹脂に代えて、低温定着性に優れ、耐熱保存性も比較的良いポリエステル樹脂の使用が試みられている(特許文献6の特開昭60−90344号公報、特許文献7の特開昭64−15755号公報、特許文献8の特開平2−82267号公報、特許文献9の特開平3−229264号公報、特許文献10の特開平3−41470号公報、特許文献11の特開平11−305486号公報)。
また、低温定着性の改善を目的にバインダー中にガラス転移温度でシャープメルト性を有する特定の非オレフィン系結晶性重合体を添加する試み(特許文献12の特開昭62−63940号公報)がある。しかし、これらは分子構造、分子量について最適化がされているとはいえない。
特許文献13の特許第2931899号公報及び特許文献14の特開2001−222138号公報では、上記した特定の非オレフィン系結晶性重合体と同様にシャープメルト性を有する結晶性ポリエステルをトナーに用いることで、定着性を向上させる技術が開示されている。
しかしながら、特許文献13に記載の結晶性ポリエステルを用いたトナーは、酸価、水酸基価がそれぞれ5以下、20以下と低く、紙と結晶性ポリエステルとの親和性が低いため充分な低温定着性を有しない。
また、特許文献14に記載の結晶性ポリエステルを用いたトナーは、最終的に得られるトナーの分子量や結晶性ポリエステルの存在状態について最適化がなされていない。そのため、特許文献14に記載の結晶性ポリエステルを用いたトナーは、実際にトナー化した後に結晶性ポリエステルに起因する優れた低温定着性、耐熱保存性が十分に発揮されるとは限らない。
また、耐ホットオフセットに対する対応がとられておらず、良好な画像の定着が可能な温度幅が確保できるとは限らない。
特許文献15の特開2004−46095号公報では、非相溶である結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性ポリエステル樹脂を海島状の相分離構造とする技術が提案されている。しかし、特許文献15に記載のトナーは、樹脂として結晶性ポリエステル樹脂を含む3種類の樹脂を使用しているが、この技術で結晶性ポリエステル樹脂の海島構造を維持しようとすると、結晶性ポリエステル樹脂の分散径が大きくなりすぎ、耐熱保存性に支障をきたしたり、電気抵抗が低くなりすぎて転写工程において転写不良が発生し、最終的に得られる画像が荒れる原因になったりすることがある。
特許文献16の特開2007−33773号公報では、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、吸熱側に出現するピークの吸熱量を規定することにより、結晶性ポリエステル樹脂の存在状態を制御し、結晶性ポリエステル樹脂の効果を有意に発揮させ、トナーに低温定着性と耐熱保存性を付与する技術が提案されている。しかし、特許文献14では結晶性ポリエステル樹脂と併用する非結晶性ポリエステル樹脂として、比較的軟化温度の高い樹脂を用いることが想定されており、低温定着性の役割は結晶性ポリエステル樹脂に担保させることになるため、必然的に結晶性ポリエステル樹脂の使用量が多くなり、非結晶性樹脂との相溶により耐熱保存性が悪化するリスクが高くなる。
特許文献17の特開2005−338814号公報では、トナーが結晶性ポリエステル樹脂を多く含有する技術が提案されているが、結晶性ポリエステル樹脂が非常に多いため、非結晶性樹脂との相溶により耐熱保存性が悪化するリスクが高い。
特許文献18の特許第4118498号公報では、トナーの分子量分布のピーク及び半値幅、クロロホルム不溶分の量を規定したり、結着樹脂として軟化温度が異なる2種類以上の樹脂を使用したりする技術が提案されている。しかし、結晶性ポリエステル樹脂を使用していないため、結晶性ポリエステル樹脂を用いた場合と比較して低温定着性が不十分となる。
特許文献19の特開2005−181848号公報には、非晶質樹脂及び結晶性樹脂を含む結着樹脂と、ラジカル重合性単量体とスルホン酸系単量体とが重合した共重合体粒子とを含み、低温定着性、耐オフセット性、及び耐ブロッキング性に優れるとされるトナーが記載されている。このトナーは共重合体粒子を微粒子化し分散性を高めるものであるが、結着樹脂との親和性が低く、共重合体粒子によりシャープメルト性が低下してしまう。
特許文献20の特開2011−123352号公報には、縮合系樹脂成分とスチレン系樹脂成分とを含む複合樹脂と非晶質樹脂からなる結着樹脂を含むトナーは、帯電安定性が優れる旨が記載されているが、結晶性ポリエステルを含むものではなく、シャープメルト性が充分でない。
このように、トナーの低温定着性を向上させるため、様々な検討がなされているが、前記特許文献4,5に記載される定着装置で定着が可能なシャープメルト性を有し、かつ良好な耐熱保存性、耐ホットオフセット性を有するトナーが得られていない。
本発明は上記従来技術を鑑みてなされたものであり、省エネルギーかつ高速での画像形成が可能であり、低温定着性、耐熱保存性、及び耐ホットオフセットに優れ、高品質な画像を形成することができる画像形成方法、及び、該画像形成方法を用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題は、本発明の、下記(1)〜(12)によって解決される。
(1)「像担持体上に静電潜像を形成する工程と、静電潜像を静電荷像現像用トナーを含む現像剤で現像してトナー画像を形成する工程と、トナー画像を被転写体上に転写する工程と、被転写体上のトナー画像を定着する工程とを含む画像形成方法であって、
前記定着工程は、加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された弾性層を有する定着ローラと、前記加熱ローラと前記定着ローラとに張り渡された無端帯状のトナー加熱媒体と、前記トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに押圧するとともに回転して定着ニップ部を形成する、弾性層を有する加圧ローラとを有する定着装置を用いるものであり、
前記現像工程で使用される静電荷像現像用トナーは、結晶性樹脂、非結晶性樹脂、及び複合樹脂を含むトナーバインダーを有するものであり、
前記結晶性樹脂は、結晶性を有するポリエステル樹脂(A)であり、
前記非結晶性樹脂は、クロロホルム不溶分を含有する非結晶性樹脂(B)と該非結晶性樹脂(B)よりも軟化温度(T1/2)が25℃以上低い非結晶性樹脂(C)とを含み、前記非結晶性樹脂(C)のガラス転移温度(Tgc)と前記該非結晶性樹脂(B)のガラス転移温度(Tgb)の差の絶対値|Tgc−Tgb|が10℃以下であり、
前記複合樹脂は、縮重合系樹脂ユニットと付加重合系樹脂ユニットとを有する複合樹脂(D)であり、
前記トナーは、THF可溶分により求められたGPCによる分子量分布が1000〜10000の間にメインピークを有し、該分子量分布の半値幅が15000以下であることを特徴とする画像形成方法」、
(2)「前記加熱ローラ及び/またはトナー加熱媒体は、電磁誘導により加熱されるものであることを特徴とする前記第(1)項に記載の画像形成方法」、
(3)「前記トナーは、DSCによる吸熱ピーク測定において、90〜130℃の範囲に吸熱ピークを有するものであることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載の画像形成方法」、
(4)「前記トナーは、トナーのDSCによる吸熱ピーク測定において、吸熱ピークの吸熱量が1J/g以上15J/g以下であることを特徴とする前記第(3)項に記載の画像形成方法」、
(5)「前記非結晶性樹脂(C)が、THF可溶分により求められたGPCによる分子量分布が1000〜10000の間にメインピークを有し、該分子量分布の半値幅が15000以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の画像形成方法」、
(6)「前記非結晶性樹脂(B)が、クロロホルム不溶分を5〜40質量%含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の画像形成方法」、
(7)「前記結晶性ポリエステル(A)が、分子主鎖中に下記一般式で表されるエステル結合を含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の画像形成方法;
Figure 2013205708

(式中、Rは炭素数2〜20の直鎖状不飽和脂肪族2価カルボン酸残基を示し、nは2〜20の整数を示す。)」、
(8)「前記複合樹脂(D)が、ポリエステルの縮重合系樹脂ユニットとビニル系樹脂の付加重合系ユニットを有する複合樹脂であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)のいずれかに記載の画像形成方法」、
(9)「前記トナーバインダーは、結晶性ポリエステル(A)の含有量が1〜15質量%、非結晶性樹脂(B)の含有量が10〜40質量%、非結晶性樹脂(C)の含有量が50〜90質量%、複合樹脂(D)の含有量が3〜20質量%であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の画像形成方法」、
(10)「前記トナーが、脂肪酸アミド化合物を含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)のいずれかに記載の画像形成方法」、
(11)「前記トナーが、サリチル酸金属化合物を含有することを特徴とする前記第(1)乃至第(10)項のいずれかに記載の画像形成方法」、
(12)「像担持体上に静電潜像を形成する手段と、静電潜像を静電荷像現像用トナーを含む現像剤で現像してトナー画像を形成する手段と、トナー画像を被転写体上に転写する手段と、被転写体上のトナー画像を定着する手段とを有する画像形成装置であって、
前記定着手段は、
加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、前記加熱ローラと前記定着ローラとに張り渡された無端帯状のトナー加熱媒体と、前記トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに押圧するとともに回転して定着ニップ部を形成する加圧ローラとを有するものであり、
前記現像手段で使用される静電荷像現像用トナーは、
結晶性樹脂、非結晶性樹脂、及び複合樹脂を含むトナーバインダーを有するものであり、
前記結晶性樹脂は、結晶性を有するポリエステル樹脂(A)であり、
前記非結晶性樹脂は、クロロホルム不溶分を含有する非結晶性樹脂(B)と該非結晶性樹脂(B)よりも軟化温度(T1/2)が25℃以上低い非結晶性樹脂(C)とを含み、前記非結晶性樹脂(C)のガラス転移温度(Tgc)と前記該非結晶性樹脂(B)のガラス転移温度(Tgb)の差の絶対値|Tgc−Tgb|が10℃以下であり、
前記複合樹脂は、縮重合系樹脂ユニットと付加重合系樹脂ユニットとを有する複合樹脂(D)であり、
前記トナーは、THF可溶分により求められたGPCによる分子量分布が1000〜10000の間にメインピークを有し、該分子量分布の半値幅が15000以下であることを特徴とする画像形成装置」。
以下の詳細かつ具体的な説明から理解されるように、本発明によれば、特定の定着装置と特定のトナーとを組合せることにより、低温定着性、耐熱保存性、及び耐ホットオフセットに優れ、高品質な画像を省エネルギーかつ高速で形成可能な画像形成方法、及び、該画像形成方法を用いた画像形成装置を提供できる。
従来の電磁誘導加熱方式による定着装置の概略構成図である。 本発明の一実施の形態の定着装置の概略構成図である。 励磁コイルの配置の概略構成図である。 実施例で用いた結晶性ポリエステル樹脂a6のX線回折結果を示すグラフである。 実施例33で用いたトナー43のX線回折結果を示すグラフの一例である。 本発明における電子写真現像装置の一例を示す概略図である。 本発明で用いられる現像装置の一例を示す概略図である。 図7の現像装置を有する画像形成装置の一例を示す図である。 本発明で用いられる画像形成装置の他の例を示す図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例を示す図である。
本発明の画像形成方法及び画像形成装置について詳細に説明する。
なお、以下の説明はこの発明の最良の形態の例であって、いわゆる当業者は特許請求の範囲内で、変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、以下の説明が特許請求の範囲を限定するものではない。
本発明の画像形成方法は、像担持体上に静電潜像を形成する工程と、静電潜像を静電荷像現像用トナーを含む現像剤で現像してトナー画像を形成する工程と、トナー画像を被転写体上に転写する工程と、被転写体上のトナー画像を定着する工程とを有する。
図2に本発明おける定着装置の例を示す。図2において、加熱手段(6)により加熱される加熱ローラ(1)と、該加熱ローラ(1)と平行に配置された定着ローラ(2)と、加熱ローラ(1)と定着ローラ(2)とに張り渡され、加熱ローラ(1)により加熱されるとともに、ローラの回転により矢印A方向に回転する無端帯状の耐熱性ベルト(トナー加熱媒体)(3)と、ベルト(3)を介して定着ローラ(2)に押圧する加圧ローラ(4)とから構成されている。
前記加熱手段(6)は、加熱ローラ及び/または無端帯状の耐熱性ベルトなどの発熱部材を電磁誘導によって直接発熱させるのであることが好ましい。電磁誘導によって直接発熱するものであると、導電体以外の部材を加熱することを防げるので、必要のないところを加熱することがないため、ヒータランプ加熱方式と比較して熱変換効率が高く、より小さい電力で定着ローラ、無端帯状の耐熱性ベルトの表面を定着温度まで迅速に昇温させることができる。
前記加熱ローラ(1)は、例えば、鉄、コバルト、ニッケルまたはこれら金属の合金等の中空円筒状の磁性金属部材からなり、外径をたとえば20mm、肉厚をたとえば0.1mmとして、低熱容量で昇温の速い構成となっている。
定着ローラ(2)は、たとえばステンレススチール等の金属製の芯金(2a)と、耐熱性を有するシリコーンゴムをソリッド状または発泡状にして芯金(2a)を被覆した弾性部材(2b)とからなり、加圧ローラ(4)からの押圧力でこの加圧ローラ(4)と定着ローラ(2)との間に所定幅の接触部を形成するために外径を40mm程度として、加熱ローラ(1)より大きくしている。
弾性部材(2b)はその肉厚を3〜6mm程度、硬度を40〜60°(Asker硬度)程度としている。この構成により、加熱ローラ(1)の熱容量は定着ローラ(2)の熱容量より小さくなるので、加熱ローラ(1)が急速に加熱されてウォームアップ時間が短縮される。
加熱ローラ(1)と定着ローラ(2)とに張り渡されたベルト(3)は、誘導加熱手段(6)により加熱される加熱ローラ(1)との接触部位W1で加熱される。そして、ローラ(1)、(2)の回転によってベルト(3)が連続的に加熱され、結果としてベルト全体に渡って加熱される。
ベルト(3)は、基材(3a)と離型層(3b)とからなる。離型層(3b)の厚さとしては、50μmから500μm程度が望ましく、150μmから250μmであることがより好ましい。
離型層(3b)を有することで、ベルト(3)が記録材(11)上に形成されたトナー像Tを十分に包み込むため、弾性層を有する定着ローラ及び弾性層を有する加圧ローラと相俟って、トナー像Tを均一に加熱溶融することが可能になる。
離型層(3b)の厚さが50μmよりも小さい場合には、ベルト(3)の熱容量が小さくなってトナー定着工程においてベルト表面温度が急速に低下し、定着性能を十分確保できないことがある。
また、離型層(3b)の厚さが500μmよりも大きい場合には、ベルト(3)の熱容量が大きくなってウォームアップにかかる時間が長くなり、また、トナー定着工程においてベルト表面温度が低下しにくくなって、定着部出口における融解したトナーの凝集効果が得られず、ベルトの離型性が低下してトナーがベルトに付着するいわゆるホットオフセットが発生することがある。
前記基材(3a)は、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂などの耐熱性を有する樹脂を使用することができるが、電磁誘導によって発熱する磁性金属であると基材(3a)が発熱層となり、ベルト自体が発熱するため好ましい。
加圧ローラ(4)は、例えば、銅またはアルミ等の熱伝導性の高い金属製の円筒部材からなる芯金(4a)と、この芯金(4a)の表面に設けられた耐熱性およびトナー離型性の高い弾性部材(4b)とから構成されている。芯金(4a)には上記金属以外にSUSを使用してもよい。
加圧ローラ(4)はベルト(3)を介して定着ローラ(2)を押圧して定着ニップ部Nを形成しているが、本実施の形態では、加圧ローラ(4)の硬度を定着ローラ(2)に比べて硬くすることによって、加圧ローラ(4)が定着ローラ(2)及びベルト(3)へ食い込む形となり、この食い込みにより、記録材(11)が加圧ローラ(4)表面の円周形状に沿うため、記録材(11)がベルト(3)表面から離れやすくなる効果を持たせている。
この加圧ローラ(4)の外径は定着ローラ(2)と同じ40mm程度であるが、肉圧は1〜3mm程度で定着ローラ(2)より薄く、また硬度は50〜70°(Asker硬度)程度で前述したとおり定着ローラ(2)より硬く構成されている。
電磁誘導により加熱ローラ(1)及びまたはベルト(3)を加熱する誘導加熱手段(6)は、図2および図3(a)、(b)に示すように、磁界発生手段である励磁コイル(7)と、この励磁コイル(7)が巻き回されたコイルガイド板(8)とを有している。
コイルガイド板(8)は加熱ローラ(1)の外周面に近接配置された半円筒形状をしており、図3(b)に示すように、励磁コイル(7)は長い一本の励磁コイル線材をこのコイルガイド板(8)に沿って加熱ローラ(1)の軸方向に交互に巻き付けたものである。
なお、励磁コイル(7)は、発振回路が周波数可変の駆動電源(図示せず)に接続されている。
励磁コイル(7)の外側には、フェライト等の強磁性体よりなる半円筒形状の励磁コイルコア(9)が、励磁コイルコア支持部材(10)に固定されて励磁コイル(7)に近接配置されている。なお、本実施の形態において、励磁コイルコア(9)は比透磁率が2500のものを使用している。
励磁コイル(7)には駆動電源から10kHz〜1MHzの高周波交流電流、好ましくは20kHz〜800kHzの高周波交流電流が給電され、これにより交番磁界を発生する。そして、加熱ローラ(1)と耐熱性ベルト(3)との接触領域W1およびその近傍部においてこの交番磁界が加熱ローラ(1)及び/またはベルト(3)の発熱層(3a)に作用し、これらの内部では交番磁界の変化を妨げる方向に渦電流が流れる。
この渦電流が加熱ローラ(1)及び/またはベルト(3)の発熱層(3a)の抵抗に応じたジュール熱を発生させ、主として加熱ローラ(1)とベルト(3)との接触領域およびその近傍部において加熱ローラ(1)および発熱層(3a)を有するベルト(3)が電磁誘導加熱される。
このようにして加熱されたベルト(3)は、定着ニップ部Nの入口側近傍においてベルト(3)の内面側に当接して配置されたサーミスタなどの熱応答性の高い感温素子からなる温度検出手段(5)により、ベルト内面温度が検知される。
次に、本発明のトナーについて説明する。
前記定着装置と組み合わせるトナーは、低温定着化が求められる。
単にトナーを低温定着化するには、トナーバインダーの軟化温度(T1/2)を低いものにすればよいが、軟化温度を低くするとガラス転移温度も低下し、耐熱保存性が悪化してしまう。
また、画像品質に問題の発生しない定着可能な温度の下限(定着下限温度)の低下と共に定着可能な温度の上限(定着上限温度)も低下してしまうため、耐ホットオフセット性も損ね、また、耐熱保存性も低下してしまう。
そのため、低温定着性と耐熱保存性、耐ホットオフセット性の三者を両立させることは電子写真画像形成用トナーの設計者にとって非常に難しい命題である。
本発明者らは、上記命題に対し、鋭意検討を行なった結果、結晶性樹脂、非結晶性樹脂、及び複合樹脂を含むトナーバインダーを有し、前記結晶性樹脂は、結晶性を有するポリエステル樹脂(A)であり、前記非結晶性樹脂は、クロロホルム不溶分を含有する非結晶性樹脂(B)と該非結晶性樹脂(B)よりも軟化温度(T1/2)が25℃以上低い非結晶性樹脂(C)とを含とを含み、前記非結晶性樹脂(C)のガラス転移温度(Tgc)と前記該非結晶性樹脂(B)のガラス転移温度(Tgb)の差の絶対値|Tgc−Tgb|が10℃以下であり、前記複合樹脂は、縮重合系樹脂ユニットと付加重合系樹脂ユニットとを有する複合樹脂(D)であり、前記トナーは、THF可溶分により求められたGPCによる分子量分布が1000〜10000の間にメインピークを有し、該分子量分布の半値幅が15000以下であるトナーを用いることで、定着装置による省エネルギーを図りつつ、耐ホットオフセット性に優れ、かつ定着不良によるスミアが発生しない高品質な画像を形成できることを見出した。
本発明のトナーバインダーについて説明する。
トナーバインダーは、結晶性ポリエステル(A)を用いることで、結晶性であることによるシャープメルト性により、トナーに低温定着性及び耐熱保存性を付与することができる。
しかし、トナーバインダーとして結晶性ポリエステル(A)を単体で使用したのでは、耐ホットオフセット性が非常に悪くなるため、定着温度幅が非常に狭くなり実用に耐えられない。
そこで、結晶性ポリエステル樹脂(A)と共に、クロロホルム不溶分を含む非結晶性樹脂(B)を用いることで、耐ホットオフセット性を向上させ、定着可能な温度幅を広げることが可能になる。
ところが、結晶性ポリエステル(A)と非結晶性樹脂(B)だけを処方した場合、非結晶性樹脂(B)が多くなると結晶性ポリエステル(A)による効果が薄れ、低温定着性が低下し、逆に、結晶性ポリエステル(A)が多いと、溶融混練を施した際に、結晶性ポリエステル(A)が非結晶性樹脂(B)のクロロホルム不溶分以外の成分と相溶してしまい、非結晶性樹脂(B)のガラス転移温度の低下により、耐熱保存性が極端に悪化する。
本発明者らが検討したところ、結晶性ポリエステル(A)と非結晶性樹脂(B)だけを処方する場合は、結晶性ポリエステル(A)と非結晶性樹脂(B)の配分をどのよう変化させても、前記定着装置と組み合わせ省エネルギー化を図ることができ、低温定着性、耐熱保存性、及び耐ホットオフセットのすべてを満足する混合比は存在しなかった。
そこで、更に、非結晶性樹脂(B)よりも軟化温度が25℃以上低い非結晶性樹脂(C)を併用することで、結晶性ポリエステル(A)の配分を少なくして、結晶性ポリエステル(A)と非結晶性樹脂(B)ののクロロホルム不溶分以外の成分との相溶によるガラス転移温度の低下を抑制させ、かつ、結晶性ポリエステル(A)の低温定着性を非結晶性樹脂(C)で補助させることで、非結晶性樹脂(B)による耐ホットオフセット性が阻害されないことが分かった。
しかし、結晶性ポリエステル(A)と非結晶性樹脂(B)に加え、非結晶性樹脂(C)を用いても、耐熱保存性を満足させることはできない。
すなわち、結晶性ポリエステル(A)と非結晶性樹脂(B)のクロロホルム不溶分以外の成分との相溶が抑制され、トナーバインダーのガラス転移温度低下が抑えられても、結晶性ポリエステル(A)が、分散径が大きいままで存在すると、粉砕工程の際に、結晶性ポリエステル(A)と非結晶性樹脂との界面が粉砕されやすく、結果として結晶性ポリエステル(A)がトナー粒子表面に現れやすくなる。
結晶性ポリエステル(A)は、シャープメルトな材料であるため、トナー粒子内部に存在する場合は前記のように優れた耐熱保存性を発揮するが、トナー粒子表面に存在すると、トナーバインダーのガラス転移温度以下の温度でも僅かに結晶が崩れるため、結晶性ポリエステル(A)がトナー粒子間でバインダーとして働き、結果としてトナーの耐熱保存性を悪化させる。この現象は、特に、結晶化度の低い結晶性ポリエステル樹脂で顕著となる。
また、非結晶性樹脂(C)を加え、結晶性ポリエステル(A)と非結晶性樹脂(B)ののクロロホルム不溶分以外の成分との相溶を抑制すると、溶融混練の際、非結晶性樹脂(C)の粘度が低いため、該非結晶性樹脂(C)を含むトナー材料にシェアがかかり難くなり、前記結晶性ポリエステル樹脂(A)の分散径が大きくなる傾向がある。
前記結晶性ポリエステル樹脂(A)は比較的電気抵抗が低いものであり、また、着色剤、離型剤、抵抗調整剤等の他のトナー材料は、結晶性ポリエステル樹脂(A)のドメイン中に入り込めないため、非結晶性樹脂(B)及び非結晶性樹脂(C)の中に比較的濃度の高い状態で存在することになり、結晶性ポリエステル樹脂(A)の分散径が大きくなるとトナー粒子中での不均一化が生じ、さらに該結晶性ポリエステル樹脂(A)の粒子が非結晶性樹脂(B)または非結晶性樹脂(C)いずれかに偏在することがあり、電気抵抗等のトナー特性の制御が困難になる。
ところが、縮重合系樹脂ユニットと付加重合系樹脂ユニットとを有する複合樹脂(D)を処方することで、複合樹脂(D)は、前記非結晶樹脂樹脂(C)よりも硬く、溶融混練時に適度なシェアが掛かるため、結晶性ポリエステル(A)の分散性が向上し、前記非結晶性樹脂の非結晶性樹脂(C)のガラス転移温度(Tgc)と非結晶性樹脂(B)のガラス転移温度(Tgb)の差の絶対値|Tgc−Tgb|が10℃以下であることで、トナー材料を溶融混練した後の冷却時に、トナー材料中の非結晶性樹脂(C)と非結晶性樹脂(B)とのガラス転移がほぼ同時に起こり、結晶性ポリエステル樹脂(A)の粒子がどちらかの樹脂中に偏ることなく微分散状態を維持することが可能となり、不均一化が防止され電気抵抗低下防止等、トナー特性の制御が容易になる。
加えて、複合樹脂(D)は、硬く粉砕時に界面に表れ易いため、軟化温度の低い非結晶樹脂(C)がトナー粒子表面に表れる確率を低減させ、耐熱保存性の向上に貢献する。
また、複合樹脂(D)を処方することで、トナー粒子表面の硬度が高くなるため、物理的なストレスによるトナー劣化が防止され、帯電付与剤、流動性付与剤等の外添剤を添加する場合、外添剤のトナー粒子中への埋没が防止され、ストレスによる帯電特性等のトナー特性の変化が少なくなり、長期に渡って安定した画質を提供することが可能となる。
本発明におけるトナーバインダーは、上記のように、結晶性ポリエステル樹脂(A)、非結晶性樹脂(B)、非結晶性樹脂(C)、及び複合樹脂(D)それぞれが補完し合い、低温定着性、耐熱保存性、及び耐ホットオフセット性を両立させるものであるが、トナーは、THF可溶分により求められたGPCによるトナーの分子量分布が1000〜10000の間にメインピークを有し、かつ、分子量分布の半値幅が15000以下である必要がある。
特に、非結晶性樹脂(B)に含有されるクロロホルム不溶分の分子の繋がりが短く、トナーバインダー全体の分子量分布がブロードになると、軟化温度が低い非結晶性樹脂(C)に起因して低温定着性が低下してしまう。
次にトナーバインダーを構成する各樹脂について説明する。
<結晶性ポリエステルA>
本発明における結晶性ポリエステル樹脂(A)は従来公知のものを使用することが可能ではあるが、その酸成分として、直鎖状不飽和脂肪族ジカルボン酸を用いることで、芳香族ジカルボン酸を用いた場合よりも結晶構造を形成し易いという利点があり、結晶性ポリエステル樹脂の機能をより効果的に発揮させることができる。
ポリエステル樹脂(A)は、例えば、(i)直鎖状不飽和脂肪族2価カルボン酸またはその反応性誘導体(酸無水物、炭素数1〜4の低級アルキルエステル、酸ハライド等)からなる多価カルボン酸成分と、(ii)直鎖状脂肪族ジオールからなる多価アルコール成分とを、重縮合反応をさせることによって製造することができ、分子主鎖中に下記一般式(A)で表わされるエステル結合を含有することが好ましい。
Figure 2013205708

(式中、Rは炭素数2〜20の直鎖状不飽和脂肪族2価カルボン酸残基を示し、nは2〜20の整数を示す。)
一般式(A)の構造の存在は固体C13NMRにより確認することができる。
前記直鎖状不飽和脂肪族基の具体例としては、マレイン酸、フマル酸、1,3−n−プロペンジカルボン酸、1,4−n−ブテンジカルボン酸等の直鎖状不飽和2価カルボン酸由来の直鎖状不飽和脂肪族基が挙げられる。
前記一般式(A)において、(CHは、直鎖状脂肪族2価アルコール残基を示す。この場合の直鎖状脂肪族2価アルコール残基の具体例としては、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の直鎖状脂肪族2価アルコールから誘導されたものが挙げられる。
前記多価カルボン酸成分に加えて、必要に応じ、少量の他の多価カルボン酸を添加してもよい。
前記他の多価カルボン酸としては、(i)分岐鎖を有する不飽和脂肪族二価カルボン酸、(ii)飽和脂肪族2価カルボン酸や、飽和脂肪族3価カルボン酸等の飽和脂肪族多価カルボン酸、(iii)芳香族2価カルボン酸や芳香族3価カルボン酸等の芳香族多価カルボン酸等が包含され、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シトラコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の2価カルボン酸;無水トリメット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等の3価以上の多価カルボン酸等が挙げられる。
これら他の多価カルボン酸の添加量は、全カルボン酸に対して、通常、30モル%以下、好ましくは10モル%以下であり、得られるポリエステルが結晶性を有する範囲内で適宜添加される。
前記多価アルコール成分に加えて、必要に応じ、他の多価アルコール成分を加えてもよく、他の多価アルコール成分としては、脂肪族系の分岐鎖2価アルコールや環状2価アルコール、3価以上の多価アルコールが挙げられ、例えば、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ポリエチレングリコール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、グリセリン等が挙げられる。
これら他の多価アルコール成分の添加量は、全アルコールに対して、30モル%以下、好ましくは10モル%以下であり、得られるポリエステルが結晶性を有する範囲内で適宜添加される。
本発明の結晶性ポリエステル樹脂(A)の分子量分布は、低温定着性の観点からシャープであることが好ましい。
横軸をlog(M:分子量)とし、縦軸を質量%とする分子量分布図において、本発明で用いる結晶性ポリエステル樹脂(A)は、3.5〜4.0(質量%)の範囲に分子量ピークを有し、かつ、そのピークの半値幅が1.5以下であることが好ましい。
また、本発明の結晶性ポリエステル樹脂(A)の分子量は、比較的低分子量であることが好ましく、o−ジクロルベンゼン可溶分のGPCによる分子量分布において、重量平均分子量(Mw)が5500〜6500、数平均分子量(Mn)が1300〜1500であり、Mw/Mn比が2〜5であることが好ましい。
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)は次のようにして測定される。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6質量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。
試料(トナー)の分子量測定に当たっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により、作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。
検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical Co.あるいは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
また、本発明の結晶性ポリエステル樹脂(A)は、ガラス転移温度(Tg)および軟化温度(T1/2)が、トナーの耐熱保存性が悪化しない範囲で低いことが望ましい。
結晶性ポリエステル樹脂(A)のTgは、80〜130℃であることが好ましく、80〜125℃であることがより好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂(A)の軟化温度(T1/2)は、80〜130℃が好ましく、80〜125℃であることがより好ましい。
ガラス転移温度(Tg)および軟化温度(T1/2)が前記範囲より高くなると、トナーの定着下限温度が高くなり、低温定着性が悪化する。
結着樹脂の軟化温度(T1/2)は、高架式フローテスターCFT-500(島津製作所製)を用い、ダイス穴径1mm、加圧20kg/cm、昇温速度6℃/minの条件下で1cmの試料を溶融流出させたときの流出開始点から流出終了点までの1/2に相当する温度により測定される。
なお、ガラス転移温度Tgの測定法については後述する。
また、本発明におけるポリエステル樹脂が結晶性を有するか否かは、粉末X線回折装置によるX線回折パターンにピークが存在するかどうかで確認できる。
本発明で用いる結晶性ポリエステル樹脂(A)は、その回折パターンにおいて、2θが19°〜25°の位置に少なくとも1つの回折ピークが存在すること、より好ましくは2θが(i)19°〜20°、(ii)21°〜22°、(iii)23°〜25°および(iv)29°〜31°の位置に回折ピークが存在することが好ましい。
トナー化後にも、2θ=19°〜25°の位置に回折ピークが存在すると、即ちそれは、結晶性ポリエステル樹脂(A)が結晶性を維持していることを示しており、結晶性ポリエステル樹脂(A)の機能を確実に発揮させることができる。
前記粉末X線回折測定は、理学電機RINT1100を用い、管球をCu、管電圧−電流を50kV〜30mAの条件で広角ゴニオメーターを用いて測定した。
図4に、実施例で用いた結晶性ポリエステル樹脂a6のX線回折結果を、図5に実施例で得られたトナー35のX線回折結果を示す。
<非結晶性樹脂>
本発明の非結晶性樹脂は、クロロホルム不溶分を含有する非結晶性樹脂(B)と該非結晶性樹脂(B)よりも軟化温度(T1/2)が25℃以上低い非結晶性樹脂(C)とを含み、前記非結晶性樹脂(C)のガラス転移温度(Tgc)と前記該非結晶性樹脂(B)のガラス転移温度(Tgb)との差の絶対値|Tgc−Tgb|が10℃以下である。
該非結晶性樹脂により、耐オフセット性と低温定着性とが両立され、非結晶性樹脂(C)と非結晶性樹脂(B)とのガラス転移がほぼ同時に起こり、結晶性ポリエステル樹脂(A)の粒子を、偏ることなく微分散することが可能になり、さらに、非結晶性樹脂(B)のガラス転移温度を定着下限に有効な該非結晶性樹脂(C)のガラス転移温度に近づけることで、より低温定着性が向上する。
ガラス転移温度差の絶対値が10℃以下であると、結晶性ポリエステル樹脂(A)の偏在を防止してを微分散でき、かつシャープメルト性・低温定着性が向上する。ガラス転移温度差の絶対値が10℃より大きくなると、混練・冷却時のトナー中での非結晶性樹脂(C)と非結晶性樹脂(B)の冷却状態が異なり、結晶性ポリエステル樹脂(A)の凝集が起こり、耐熱保存性の悪化や電気抵抗が低下する。
非結晶性樹脂(B)及び非結晶性樹脂(C)としては、クロロホルム不溶分の含有量及び非結晶性樹脂(B)と非結晶性樹脂(C)の軟化温度の大小関係、及び、ガラス転移温度の差の絶対値|Tgc−Tgb|の範囲が満たされていれば従来公知の材料を用いることができる。
例えば、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、スチレン/クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/塩化ビニル共重合体、スチレン/酢酸ビニル共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体(スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン/メタクリル酸エステル共重合体(スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン/α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル/アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレン又はスチレン置換体を含む単独重合体又は共重合体)、塩化ビニル樹脂、スチレン/酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン/エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等、石油系樹脂、水素添加された石油系樹脂等が挙げられ、これらの樹脂は単独使用に限らず、二種以上併用することも可能であるが、低温定着性の観点からポリエステル樹脂であることが好ましい。
また、これらの樹脂の製造法は、特に限定されるものではなく、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合のいずれも利用できる。
前記ポリエステル樹脂は、アルコールとカルボン酸との縮重合によって通常得られるものを使用することができる可能である。
前記アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、1.4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、及びビスフェノールA等のエチル化ビスフェノール類、その他二価のアルコール単量体、三価以上の多価アルコール単量体を挙げることができる。
また、前記カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、マロン酸等の二価の有機酸単量体、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等の三価以上の多価カルボン酸単量体を挙げることができる。
前記非結晶性樹脂がポリエステル樹脂である場合は、耐熱保存性の関係から、ガラス転移温度Tgが55℃以上のものが好ましく、60℃以上80℃以下のものがより好ましい。
本発明の非結晶性樹脂(B)は、クロロホルム不溶分を含有するものであり、耐ホットオフセット性を向上させるものである。
クロロホルム不溶分の含有量は、5〜40質量%であると耐ホットオフセット性が発現しやすくなるため好ましい。
また、トナー化後に、トナー中のクロロホルム不溶分が2〜20質量%となるようにすると、耐ホットオフセット性を維持しつつ、非結晶性樹脂(B)以外の樹脂の配分も確保できるため好ましい。トナー中のクロロホルム不溶分が2質量%より少なくなると、クロロホルム不溶分に起因する耐ホットオフセット性が希薄になり、20質量%よりも多くなると、低温定着性に寄与する分の結着樹脂の配分が相対的に少なくなるため、低温定着性が悪化する。
前記クロロホルム不溶分は以下のように測定される。
トナー(もしくは結着樹脂)約1.0gを秤量し、これにクロロホルムを約50g加える。十分に溶解させた溶液を遠心分離で分け、JIS規格(P3801)5種Cの定性濾紙を用いて常温で濾過する。濾紙残渣が不溶分であり、用いたトナー質量と濾紙残渣質量の比(質量%)でクロロホルム不溶分の含有量を表わす。
なお、トナーとしたときのクロロホルム不溶分を測定する場合には、トナー約1.0gを秤量して結着樹脂と同様の方法で行なうが、濾紙残渣の中には顔料などの固形物が存在するので、熱分析により別途求める。
本発明の非結晶性樹脂(C)は、前記結晶性ポリエステル樹脂(A)の低温定着性を補助し、低温定着性に寄与するものである。
非結晶性樹脂(C)は、前記非結晶性樹脂(B)よりも軟化温度(T1/2)が25℃以上低いものであり、35℃以上50℃以下低いものであることが好ましい。
非結晶性樹脂(C)は、THF可溶分により求められたGPCによる分子量分布が1000〜10000の間にメインピークを有し、該分子量分布の半値幅が15000以下であることが好ましい。
このような非結晶性樹脂(C)は非常に良好な低温定着性を示すため、トナーに処方した際に結晶性ポリエステル樹脂(A)を減量しても十分に低温定着性を補助することができる。
また、逆説的ではあるが、上記の分子量分布を持つ非結晶性樹脂(C)を用いても、トナーの分子量分布が1000〜10000の間にメインピークを有し、半値幅が15000以下となるのであれば、トナーを構成する結着樹脂のうち非結晶性樹脂(C)の占める割合は高くなる。
<複合樹脂>
前記複合樹脂(D)は、縮重合系モノマーと付加重合系モノマーとが化学的に結合した樹脂(ハイブリッド樹脂と称することもある)であり、結晶性ポリエステル(A)及び他のトナー材料の分散性を向上させ、トナー粒子中の不均一化を防止する。
また、複合樹脂(D)は、縮重合系モノマーと付加重合系モノマーとが化学的に結合することで、縮重合系モノマー成分由来の部位と付加重合系モノマー由来の部位とが均一に分散され、複合樹脂(D)のTgが、縮重合系モノマー成分由来の部位のTgと付加重合系モノマー由来の部位とのTgに分かれずにシャープメルト性を発現する。
前記複合樹脂(D)は、原料となる縮重合系モノマーと付加重合系モノマーを含む混合物を、同一反応容器中で縮重合反応と付加重合反応を同時に並行反応して行うか、縮重合反応と付加重合反応、又は付加重合反応と縮重合反応を順次行うことによって得ることができる。
前記複合樹脂(D)における縮重合系モノマーとしては、ポリエステル樹脂ユニットを形成する多価アルコールと多価カルボン酸、ポリアミド樹脂ユニットもしくはポリエステル−ポリアミド樹脂ユニットを形成する多価カルボン酸とアミン、又はアミノ酸が挙げられるが、ポリエステルの縮重合系樹脂ユニットとビニル系樹脂の付加重合系ユニットを有する複合樹脂であるとポリエステル樹脂と親和性を有し、トナー粒子中での分散性に優れるため、複合樹脂(D)の機能をより効果的に発揮させることができ好ましい。
前記多価アルコールとしては、2価のアルコール、3価以上のアルコールを用いることができ、2価のアルコールとしては、例えば1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素添加ビスフェノールA、又は、ビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテルが重合して得られるジオールなどが挙げられる。
3価以上のアルコールとしては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、などが挙げられる。
これらの中でも、水素添加ビスフェノールA、又はビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテルが重合して得られるジオール等のビスフェノールA骨格を有するアルコール成分は、樹脂に耐熱保存性や機械的強度を付与するので好適に用いることができる。
前記多価カルボン酸としては、2価のカルボン酸、3価以上カルボン酸を用いることができ、2価のカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のべンゼンジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸類又はその無水物;マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸等の不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物等の不飽和二塩基酸無水物、などが挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸としては、例えばトリメット酸、ピロメット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、又はこれらの無水物、部分低級アルキルエステル、などが挙げられる。
これらの中でも、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の芳香族多価カルボン酸化合物が、樹脂の耐熱保存性、機械的強度の観点から好適に用いられる。
前記アミン成分もしくはアミノ酸成分としては、例えば、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
前記ジアミン(B1)としては、例えば、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等)、脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン等)、脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)などが挙げられる。
前記3価以上のポリアミン(B2)としては、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
前記アミノアルコール(B3)としては、例えばエタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
前記アミノメルカプタン(B4)としては、例えばアミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、例えばアミノプロピオン酸、アミノカプロン酸、ε−カプロラクタムなどが挙げられる。
前記(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記(B1)〜(B5)のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。
前記複合樹脂(D)中における縮重合系モノマー成分のモル比率は、5モル%〜40モル%であることが好ましく、10モル%〜25モル%がより好ましい。
前記モル比率が、5モル%未満であると、ポリエステル系樹脂との分散性が悪化し、50モル%を超えると、離型剤の分散が悪化する傾向が現れる。
また、縮重合反応を行う際にはエステル化触媒等を使用してもよい。
前記複合樹脂(D)における付加重合系モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ビニル系モノマーが代表的である。
前記ビニル系モノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フエニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−アミルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−へキシルスチレン、p−n−4−ジクロロスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン等のスチレン系ビニルモノマー;アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸n−ノマー;メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸系ビニルモノマー;その他のビニルモノマー又は共重合体を形成する他のモノマー、などが挙げられる。
前記その他のビニルモノマー又は共重合体を形成する他のモノマーとしては、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフイン類;ブタジエン、イソプレン等のポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体;マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸等の不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物等の不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル、シトラコン酸モノメチルエステル、シトラコン酸モノエチルエステル、シトラコン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、アルケニルコハク酸モノメチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、メサコン酸モノメチルエステル等の不飽和二塩基酸のモノエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸等の不飽和二塩基酸エステル;クロトン酸、ケイヒ酸等のα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物等のα,β−不飽和酸無水物;該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物、アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物又はこれらのモノエステル等のカルボキシル基を有するモノマー;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルへキシル)スチレン等のヒドロキシ基を有するモノマー、などが挙げられる。
これらの中でも、スチレン、アクリル酸、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等が好適に用いられ、少なくともスチレンとアクリル酸を含む組合せで用いると、離型剤の分散性が極めて良好であるので特に好ましい。
更に必要に応じて付加重合系モノマーの架橋剤を添加することができる。
該架橋剤としては以下の架橋剤が挙げられる。
芳香族ジビニル化合物として、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、などが挙げられる。
アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として、例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6へキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、これらの化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの、などが挙げられる。
エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、これらの化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたもの、などが挙げられる。
その他、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物、ジメタクリレート化合物も挙げられる。
ポリエステル型ジアクリレート類として、例えば、商品名MANDA(日本化薬株式会社製)が挙げられる。
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの、トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
前記架橋剤の添加量は、使用される付加重合系モノマー100質量部に対して、0.01質量部〜10質量部が好ましく、0.03質量部〜5質量部がより好ましい。
付加重合系モノマーを重合させる際に用いられる重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤;メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、n−ブチル−4,4−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)バレレート等の過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
これらは、樹脂の分子量及び分子量分布を調節する目的で二種類以上を混合して用いることが可能である。
前記重合開始剤の添加量は、使用される付加重合系モノマー100質量部に対して、0.01質量部〜15質量部が好ましく、0.1質量部〜10質量部がより好ましい。
縮重合系樹脂ユニットと、付加重合系樹脂ユニットを化学的に結合するには、例えば、縮重合と付加重合のいずれでも反応可能なモノマーを用いる。
このような両反応性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物;ヒドロキシ基を有するビニル系モノマーなどが挙げられる。
前記両反応性モノマーの添加量は、使用される付加重合系モノマー100質量部に対して、1質量部〜25質量部が好ましく、2質量部〜20質量部がより好ましい。
前記複合樹脂(D)は、同一反応容器内であれば、縮重合反応と付加重合反応の両反応の進行及び/又は完了を同時に行う他、それぞれの反応温度、時間を選択して、独立に反応の進行を完了することができる。
例えば、反応容器中に縮重合系モノマーの混合物中に、付加重合系モノマー及び重合開始剤からなる混合物を滴下してあらかじめ混合し、最初にラジカル重合反応により付加重合を完了させ、次いで反応温度を上昇させることにより縮重合を行う方法がある。
このように、反応容器中で独立した二つの反応を進行させることにより、二種の樹脂ユニットを効果的に分散、結合させることが可能である。
前記複合樹脂(D)の軟化温度(T1/2)としては、90℃〜130℃が好ましく、100℃〜120℃がより好ましい。
前記軟化温度(T1/2)が、90℃より低い場合は、耐熱保存性、耐オフセット性が悪化することがあり、130℃より高い場合は、低温定着性を悪化させることがある。
また、前記複合樹脂(D)のガラス転移温度は、定着性、保存性及び耐久性の観点から、45℃〜80℃が好ましく、50℃〜70℃がより好ましく、53℃〜65℃が更に好ましい。
前記複合樹脂(D)の酸価は、帯電性と環境安定性の観点から、5mgKOH/g〜80mgKOH/gが好ましく、15mgKOH/g〜40mgKOH/gがより好ましい。
本発明のトナーバインダーは、結晶性ポリエステル樹脂(A)、非結晶性樹脂(B)、非結晶性樹脂(C)、複合樹脂(D)を組み合わせたものであり、これらの樹脂を含むトナーバインダーは、非結晶性樹脂(B)の割合を高めた場合が最もバランスがよく、過剰な結晶性ポリエステル樹脂や過剰なTHF不溶分による副作用や、複合樹脂(D)の硬さによる定着下限への悪影響が顕在化せず、それぞれの樹脂の機能が有効に発揮され、低温定着性、耐熱保存性、耐ホットオフセット性が良好になる。
したがって、トナーバインダー中の結晶性ポリエステル(A)の含有量は、1〜15質量%が好ましく、より好ましくは1〜10質量%であり、前記非結晶性樹脂(B)の含有量は10〜40質量%が好ましく、前記非結晶性樹脂(C)の含有量は50〜90質量%が好ましく、前記複合樹脂(D)の含有量は3〜20質量%が好ましい。
本発明のトナーは、必要に応じて、着色剤、離型剤、帯電制御剤、脂肪酸アミド化合物等を使用することができる。
前記着色剤としては、例えば、カーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6Cレーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料等の染顔料など、従来公知のいかなる染顔料をも単独あるいは混合して使用することが可能であり、ブラックトナーとしてもフルカラートナーとしても使用できる。
特に、カーボンブラックは良好な黒色着色力を持つ。しかし、同時に、良好な導電性材料でもあるため、使用量が多かったり、トナー粒子中に凝集状態で存在したりすると電気抵抗が低下し、転写工程において転写不良を招く原因になる。
特に、結晶性ポリエステル樹脂(A)と併用した場合、カーボンブラック粒子は結晶性ポリエステル樹脂のドメイン中に入り込めないため、結晶性ポリエステル樹脂が大きな分散径をもってトナー中に存在したとき、結晶性ポリエステル樹脂以外の樹脂中に比較的濃度の高い状態で存在することになる。そのため、凝集体のままトナー粒子中に閉じ込められやすくなり、抵抗が過剰に低下しやすくなる。
本発明の場合、複合樹脂(D)と併用するため、カーボンの分散も良好となり、上記のリスクは軽減することができる。また、カーボンブラックを含有すると、記録媒体へトナーを定着する際に、溶融したトナーの粘性を高いものにすることができるため、非結晶性樹脂(C)を多く処方した場合に、粘性低下に起因して発生するホットオフセットを抑制できるという効果も付与することができる。
これらの着色剤の使用量はトナー樹脂成分に対して、通常1〜30質量%、好ましくは3〜20質量%である。
前記離型剤としては、従来公知のものが使用できる。例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等の低分子量ポリオレフィンワックスやフィッシャー・トロプシュワックス等の合成炭化水素系ワックスや蜜ロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、モンタンワックス等の天然ワックス類、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油ワックス類、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等の高級脂肪酸及び高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸アミド、合成エステルワックス等及びこれらの各種変性ワックスが挙げられる。
これら離型剤の中でも、カルナウバワックス及びその変性ワックスやポリエチレンワックス、合成エステル系ワックスが好適に用いられる。特にカルナウバワックスは、ポリエステル樹脂やポリオール樹脂に対して適度に微分散し、耐ホットオフセット性と転写性・耐久性ともに優れたトナーとすることが容易なため非常に好適である。また、脂肪酸アミド化合物と併用した場合、定着画像表面に留まる効果が非常に強くなり、耐スミア性が更に向上する。
これら離型剤は、1種又は2種以上を併用して用いることができる。また、これらの離型剤の使用量は、トナーに対して2〜15質量%が好適である。2質量%未満ではホットオフセット防止効果が不十分であり、15質量%を超えると転写性、耐久性が低下する。
離型剤の融点は70〜150℃であることが好ましい。70℃より低いとトナーの耐熱保存性が低下する。150℃より高いと離型性が十分に果たせない。
前記帯電制御剤としては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、ホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類、有機金属錯体、キレート化合物、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体、第四級アンモニウム塩、サリチル酸金属化合物等がある。他にも、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェノール誘導体類等があり、これら従来公知のいかなる極性制御剤も、単独あるいは混合して使用できる。これらの極性制御剤の使用量は、トナー樹脂成分に対し、0.1〜10質量部、好ましくは1〜5質量部である。
これら帯電制御剤の中でも、サリチル酸金属化合物を含有させると、同時に耐ホットオフセット性を改良できるため好ましい。特に、6配位の構成を取りうる3価以上の金属を有する錯体は、樹脂とワックスの反応性が高い部分と反応し、軽度の架橋構造を作るため、耐ホットオフセットへの効果が大きい。また、樹脂(D)と併用することで分散性が向上し、帯電極性制御の機能をより有効に発揮させることができる。
ここで、3価以上の金属の例としては、Al,Fe,Cr,Zr等が挙げられる。
また、サリチル酸金属化合物としては、下式で表される化合物を用いることができ、Mが亜鉛である金属錯体としてボントロンE−84 オリエント化学工業(株)製を挙げることができる。
Figure 2013205708

(式中、R、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、直鎖又は分枝鎖状の炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数2〜10のアルケニル基、Mはクロム、亜鉛、カルシウム、ジルコニウム又はアルミニウム、mは2以上の整数、nは1以上の整数を示す)
本発明のトナーは、脂肪酸アミド化合物を含有することが好ましい。
トナー製造時に溶融混練工程を含む粉砕トナーに対し、結晶性ポリエステル樹脂と共に脂肪酸アミド化合物を配合すると、混練時に溶融していた結晶性ポリエステル樹脂が冷却される際の混練物中での再結晶が促進されるため、樹脂との相溶が少なくなり、トナーのガラス転移温度の低下を抑えることができるため、耐熱保存性を改善することができる。また、離型剤と併用した場合には、離型剤を定着画像表面に留めることが可能となるため、擦れに強く(耐スミア性の向上)なる。
トナーにおける脂肪酸アミド化合物の含有量は、0.5〜10質量%が好ましい。
脂肪酸アミド化合物としては、下記一般式(I)で表わされる化合物、及び、アルキレンビス脂肪酸アミドを使用でき、アルキレンビス脂肪酸アミドであることが好ましい。
Figure 2013205708

一般式(I)中、Rは、炭素数10〜30の脂肪族炭化水素基であり、R、Rは各々独立して水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、又は炭素数7〜10のアラルキル基である。ここで、R、Rのアルキル基、アリール基、アラルキル基は、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基等の通常不活性な置換基で置換されていても良い。より好ましくは無置換のものである。
具体的には、ステアリン酸アミド、ステアリン酸メチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミド、ステアリン酸ベンジルアミド、ステアリン酸フェニルアミド、ベヘン酸アミド、ベヘン酸ジメチルアミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド等が挙げられ、これらは好ましく使用できる。
前記アルキレンビス脂肪酸アミドは、下記の一般式(II)で示される化合物である。
Figure 2013205708

(式中R、Rは炭素数5〜21のアルキル基またはアルケニル基、Rは炭素数1〜20のアルキレン基を示す。)
上記一般式(II)で示されるアルキレンビス飽和脂肪酸アミドとしては、例えば、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスパルミチン酸アミド、エチレンビスパルミチン酸アミド、メチレンビスベヘン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサエチレンビスパルミチン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド等を挙げることができる。これらのうちでは、エチレンビスステアリン酸アミドが最も好ましい。
これら脂肪酸アミド化合物は、軟化温度(T1/2)が、定着時の定着部材表面の温度より低いと、定着部材表面で離型剤としての効果も果たすことができる。
上記の他に使用できるアルキレンビス脂肪酸アミド系の化合物として、具体的には、プロピレンビスステアリン酸アミド、ブチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、プロピレンビスオレイン酸アミド、ブチレンビスオレイン酸アミド、メチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、プロピレンビスラウリン酸アミド、ブチレンビスラウリン酸アミド、メチレンビスミリスチン酸アミド、エチレンビスミリスチン酸アミド、プロピレンビスミリスチン酸アミド、ブチレンビスミリスチン酸アミド、プロピレンビスパルミチン酸アミド、ブチレンビスパルミチン酸アミド、メチレンビスパルミトレイン酸アミド、エチレンビスパルミトレイン酸アミド、プロピレンビスパルミトレイン酸アミド、ブチレンビスパルミトレイン酸アミド、メチレンビスアラキジン酸アミド、エチレンビスアラキジン酸アミド、プロピレンビスアラキジン酸アミド、ブチレンビスアラキジン酸アミド、メチレンビスエイコセン酸アミド、エチレンビスエイコセン酸アミド、プロピレンビスエイコセン酸アミド、ブチレンビスエイコセン酸アミド、メチレンビスベヘニン酸アミド、エチレンビスベヘニン酸アミド、プロピレンビスベヘニン酸アミド、ブチレンビスベヘニン酸アミド、メチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、プロピレンビスエルカ酸アミド、ブチレンビスエルカ酸アミド等の、飽和または1〜2価の不飽和の脂肪酸のアルキレンビス脂肪酸アミド系の化合物を挙げることができる。
本発明における電子写真画像形成用トナーは、DSCによるトナーの吸熱ピーク測定にて、90〜130℃の範囲に結晶性ポリエステル樹脂(A)に起因する吸熱ピークを有することが好ましい。結晶性ポリエステル樹脂(A)に起因する吸熱ピークが90〜130℃の範囲に存在すると、結晶性ポリエステル樹脂が常温では溶融せず、かつ、比較的低温な定着温度領域でトナーが溶融し、記録媒体に定着できるため、耐熱保存性と低温定着性をより効果的に発現させることができる。
また、吸熱ピークの吸熱量が1J/g以上15J/g以下であることが好ましい。
吸熱量が1J/g未満であると、トナー粒子中で有効にはたらく結晶性ポリエステル樹脂の量が少なすぎるため、結晶性ポリエステル樹脂の機能が十分に発揮されない。吸熱量が15J/gより多いと、トナー粒子中で有効な結晶性ポリエステル樹脂の量が過剰であるため、非結晶性ポリエステル樹脂と相溶する絶対量が多くなり、トナーのガラス転移温度が低下し、耐熱保存性の低下を招く。
本発明におけるDSC測定(吸熱ピーク、ガラス転移温度Tg)は、示差走査熱量計(「DSC−60」;島津製作所製)を用い、10℃/分で20〜150℃まで昇温して測定する。
本発明では結晶性ポリエステル由来の吸熱ピークは、結晶性ポリエステルの融点である
80〜130℃付近に存在するものであり、吸熱量はベースラインと吸熱曲線で囲まれた範囲の面積から求められる。一般的に、DSC測定における吸熱量は温度上昇を二度行い測定を行なうことが多いが、本発明における吸熱ピーク及びガラス転移温度の測定は一度目の昇温の際の吸熱曲線を用いて導き出す。
結晶性ポリエステル(A)由来の吸熱ピークがワックスの吸熱ピークと重なる場合には、重なったピークの吸熱量からワックス分の吸熱量を減算する。ワックス分の吸熱量は、ワックス単独の吸熱量とトナー中のワックス含有量から計算される。
本発明のトナーの粒径については、特に限定的でないが、細線再現性等に優れた高画質を得るためには、体積平均粒径が4〜10μmであることが好ましい。
4μmより小さいと現像工程におけるクリーニング性、転写工程における転写効率に支障をきたし、画像品質が低下する。10μmより大きいと、画像の細線再現性が低下する。
ここで、トナー体積平均粒径の測定は、種々の方法によって測定可能であるが、本発明では米国コールター・エレクトロニクス社製のコールターカウンターTAIIが用いられる。
本発明のトナーは、製造工程に少なくとも溶融混練工程を含む、所謂粉砕法を用いて製造された粉砕トナーであることが好ましい。
粉砕法は、結晶性ポリエステル樹脂(A)、非結晶性樹脂(B)、非結晶性樹脂(C)、複合樹脂(D)、着色剤、及び離型剤を少なくとも含有するトナー材料を乾式混合し、混練機にて溶融混練し、粉砕して粉砕トナーを得る方法である。
まず、トナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。該溶融混練機としては、例えば、一軸の連続混練機、二軸の連続混練機、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。具体的な例としては、神戸製鋼所社製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、池貝鉄工所社製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。
溶融混練は、バインダー樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は結着樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると分子鎖の切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
粉砕工程では、前記混練で得られた混練物を粉砕する。この粉砕においては、まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
分級工程では、前記粉砕工程にて得られた粉砕物を分級し、所定粒径の粒子に調整する。分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中にて分級し、所定の粒径のトナーを製造する。
本発明のトナーは、製造工程において溶融混練工程を経る粉砕トナーであるが、原材料を溶融混練させた後の冷却工程にて、混練物の厚さを2.5mm以上にすると、混練物の冷却速度が遅くなり、混練物中で溶融している結晶性ポリエステル樹脂(A)の再結晶行なわれる時間が長くなるため、再結晶が促進され、結晶性ポリエステル樹脂(A)の機能をより効果的に発揮させることができる。再結晶を促進させるには前述のように脂肪酸アミドを配合するのも有効な手段ではあるが、このように製造工程を調整することでも効果が得られる。混練物の厚さに上限はないが、8mmより厚くすると、粉砕工程において効率が著しく低下するため、8mm以下の厚さに留めることが好ましい。
トナーの流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、上記のようにして製造されたトナー母体粒子に更に疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。
このような添加剤の混合は、一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。添加剤に与える負荷の履歴を変えるには、例えば、途中又は漸次に添加剤を加えていけばよい。
混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを適宜変化させてもよい。また、初めに強い負荷を与え、次いで、比較的弱い負荷を与えてもよいし、その逆でもよい。
外添剤混合工程に使用できる混合設備としては、例えば、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。
混合工程を施した後に、250メッシュ以上の篩を通過させ、粗大粒子や凝集粒子を除去してもよい。
本発明のトナーを現像剤として使用する際は、トナーのみにて構成される一成分現像剤として用いても、キャリアと混合して二成分現像剤として用いてもよく、特に限定はされないが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の観点から、二成分現像剤として用いることが好ましい。
本発明における像担持体上に静電潜像を形成する工程、静電潜像を静電荷像現像用トナーを含む現像剤で現像してトナー画像を形成する工程、及び、トナー画像を被転写体上に転写する工程は、従来公知の方法を用いることができる。
本発明における電子写真現像装置の一例を図6に示す。
図6の符号(101A)は駆動ローラ、(101B)は従動ローラ、(102)は感光体ベルト、(103)は帯電器、(104)はレーザー書き込み系ユニット、(105A)〜(105D)はそれぞれイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの各色のトナーを収容する現像ユニット、(106)は給紙カセット、(107)は中間転写ベルト、(107A)は、中間転写ベルト駆動用の駆動軸ローラ、(107B)は中間転写ベルトを支持する従動軸ローラ、(108)はクリーニング装置、(109)は定着ローラ、(109A)は加圧ローラ、(110)は排紙トレイ、(113)は紙転写ローラを示している。
このカラー画像形成装置では、前記転写ドラムに対して可撓性の中間転写ベルト(107)が使用されており、該中間転写体たる中間転写ベルト(107)は駆動軸ローラ(107A)と一対の従動軸ローラ(107B)に張架されて時計方向に循環搬送されていて、一対の従動軸ローラ(107B)間のベルト面を駆動ローラ(101A)の外周の感光体ベルト(102)に対して水平方向から当接させた状態としている。
通常のカラー画像出力時は、感光体ベルト(102)上に形成される各色のトナー像は、形成の都度前記中間転写ベルト(107)に転写されて、カラーのトナー像を合成し、これを給紙カセット(106)から搬送される転写紙に対し紙転写ローラ(113)によって一括転写し、転写後の転写紙は定着装置の定着ローラ(109)と加圧ローラ(109A)の間へと搬送され、定着ローラ(109)と加圧ローラ(109A)による定着後、排紙トレイ(110)に排紙される。
(105A)〜(105E)の現像ユニットがトナーを現像すると、現像ユニットに収容されている現像剤のトナー濃度が低下する。現像剤のトナー濃度の低下はトナー濃度センサ(図示せず)により検知される。トナー濃度の低下が検知されると、各現像ユニットにそれぞれ接続されているトナー補給装置(図示せず)が稼動し、トナーを補給してトナー濃度を上昇させる。このとき、補給されるトナーは、現像ユニットに現像剤排出機構が備わっていれば、キャリアとトナーが混合されている所謂トリクル現像方式用現像剤であってもよい。
図6では中間転写ベルト上にトナー像を重ねて画像を形成しているが、中間転写ベルトを用いることなく転写ドラムから直接に記録媒体へ転写を行なうシステムにおいても、同様に本発明の電子写真画像形成装置とすることができる。
図7は、本発明で用いられる現像装置の一例を示す図であり、後述するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図7において、潜像担持体である感光体(20)に対向して配設された現像装置(40)は、現像剤担持体としての現像スリーブ(41)、現像剤収容部材(42)、規制部材としてのドクターブレード(43)、支持ケース(44)等から主に構成されている。
感光体(20)側に開口を有する支持ケース(44)には、内部にトナー(21)を収容するトナー収容部としてのトナーホッパー(45)が接合されている。トナーホッパー(45)に隣接した、トナー(21)と、キャリア(23)からなる現像剤を収容する現像剤収容部(46)には、トナー(21)とキャリア(23)を撹拌し、トナー(21)に摩擦/剥離電荷を付与するための、現像剤撹拌機構(47)が設けられている。
トナーホッパー(45)の内部には、図示しない駆動手段によって回動されるトナー供給手段としてのトナーアジテータ(48)及びトナー補給機構(49)が配設されている。トナーアジテータ(48)及びトナー補給機構(49)は、トナーホッパー(45)内のトナー(21)を現像剤収容部(46)に向けて撹拌しながら送り出す。
感光体(20)とトナーホッパー(45)との間の空間には、現像スリーブ(41)が配設されている。図示しない駆動手段で図の矢印方向に回転駆動される現像スリーブ(41)は、キャリア(23)による磁気ブラシを形成するために、その内部に現像装置(40)に対して相対位置不変に配設された、磁界発生手段としての図示しない磁石を有する。
現像剤収容部材(42)の、支持ケース(44)に取り付けられた側と対向する側には、ドクターブレード(43)が一体的に取り付けられている。ドクターブレード(43)は、この例では、その先端と現像スリーブ(41)の外周面との間に一定の隙間を保った状態で配設されている。
このような装置を非限定的に用い、本発明の画像形成方法は、次のように遂行される。即ち、上記構成により、トナーホッパー(45)の内部からトナーアジテータ(48)、トナー補給機構(49)によって送り出されたトナー(21)は、現像剤収容部(46)へ運ばれ、現像剤撹拌機構(47)で撹拌されることによって、所望の摩擦/剥離電荷が付与され、キャリア(23)と共に現像剤として、現像スリーブ(41)に担持されて感光体(20)の外周面と対向する位置まで搬送され、トナー(21)のみが感光体(20)上に形成された静電潜像と静電的に結合することにより、感光体(20)上にトナー像が形成される。
図8は、図7の現像装置を有する画像形成装置の一例を示す図である。ドラム状の感光体(20)の周囲に、帯電部材(32)、像露光系(33)、現像装置(40)、転写装置(50)、クリーニング装置(60)、除電ランプ(70)が配置されていて、この例の場合、帯電部材(32)の表面は、感光体(20)の表面とは約0.2mmの間隙を置いて非接触状態にあり、帯電部材(32)により感光体(20)に帯電を施す際、帯電部材(32)に図示してない電圧印加手段によって直流成分に交流成分を重畳した電界により、感光体(20)を帯電させることにより、帯電ムラを低減することが可能であり、効果的である。現像方法を含む画像形成方法は、以下の動作で行われる。
画像形成の一連のプロセスは、ネガ−ポジプロセスで説明を行うことができる。有機光導電層を有する感光体(OPC)に代表される感光体(20)は、除電ランプ(70)で除電され、帯電チャージャ、帯電ローラ等の帯電部材(32)で均一にマイナスに帯電され、レーザー光学系等の像露光系(33)から照射されるレーザー光で潜像形成(この例では、露光部電位の絶対値は、非露光部電位の絶対値より低電位となる)が行われる。
レーザー光は、半導体レーザーから発せられて、高速で回転する多角柱の多面鏡(ポリゴン)等により、感光体(20)の表面を、感光体(20)の回転軸方向に走査する。このようにして形成された潜像が、現像装置(40)にある現像剤担持体である現像スリーブ(41)上に供給されたトナー及びキャリアの混合物からなる現像剤により現像され、トナー像が形成される。潜像の現像時には、電圧印加機構(図示せず)から現像スリーブ(41)に、感光体(20)の露光部と非露光部の間に、ある適当な大きさの直流電圧又はこれに交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される。
一方、転写媒体(例えば紙)(80)が、給紙機構(図示せず)から給送され、上下一対のレジストローラ(図示せず)で画像先端と同期をとって、感光体(20)と転写装置(50)との間に給送され、トナー像が転写される。このとき、転写装置(50)には、転写バイアスとして、トナー帯電の極性と逆極性の電位が印加されることが好ましい。その後、転写媒体(80)は、感光体(20)より分離され、転写像が得られる。
また、感光体(20)上に残存するトナーは、クリーニング部材としてのクリーニングブレード(61)により、クリーニング装置(60)内のトナー回収室(62)に回収される。
回収されたトナーは、トナーリサイクル手段(図示せず)により現像剤収容部(46)及び/又はトナーホッパー(45)に搬送され、再使用されてもよい。
画像形成装置は、上述の現像装置を複数配置し、転写媒体上へトナー像を順次転写した後、定着機構へ送り、熱等によってトナーを定着する装置であってもよく、一端中間転写媒体上へ複数のトナー像を転写し、これを一括して転写媒体に転写後同様の定着を行う装置であってもよい。
図9には、本発明で用いられる画像形成装置の他の例を示す。感光体(20)は、導電性支持体上に少なくとも感光層が設けられており、駆動ローラ(24a)、(24b)により駆動され、帯電部材(32)による帯電、像露光系(33)による像露光、現像装置(40)による現像、転写装置(50)を用いる転写、クリーニング前露光光源(26)によるクリーニング前露光、ブラシ状クリーニング手段(64)及びクリーニングブレード(61)によるクリーニング、除電ランプ(70)による除電が繰り返し行われる。図9においては、感光体(20)(勿論この場合は支持体が透光性である)に支持体側よりクリーニング前露光が行われる。
図10には、本発明のプロセスカートリッジの一例が示される。このプロセスカートリッジは、本発明の現像剤を使用し、感光体(20)と、近接型のブラシ状接触帯電手段(32)、本発明の現像剤を収納せる現像手段(40)、クリーニング手段としてのクリーニングブレード(61)を少なくとも有するクリーニング手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジである。本発明においては、上述の各構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成することができる。
以下、本発明を実施例および比較例を挙げて説明する。なお、本発明はここに例示される実施例に限定されるものではない。また、以下において「部」は質量部を表す。
<結晶性ポリエステル樹脂>
アルコール成分として1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールから選択される化合物を用い、カルボン酸成分としてフマル酸、コハク酸、トリメリット酸、テレフタル酸から選択される化合物を用いて、結晶性ポリエステルa1〜a6を得た。
上記結晶性ポリエステルa1〜a6は、粉末X線回折装置によるX線回折パターンにおいて、2θ=19°〜25°の位置に少なくとも1つの回折ピークが存在し、結晶性ポリエステルであることを確認した。結晶性ポリエステル樹脂a6のX線回折結果を図4に示す。
また、結晶性ポリエステルa1〜a6のガラス転移温度(Tg)及び軟化温度(T1/2)を表1に示す。
Figure 2013205708
<非結晶性樹脂>
芳香族ジオール成分及びエチレングリコール、グリセリン、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、イタコン酸より選ばれた単量体を、常圧下、170〜260℃、無触媒の条件でエステル化反応せしめた後、反応系に全カルボン酸成分に対し400ppmの3酸化アンチモンを加え3Torrの真空下でグリコールを系外へ除去しながら250℃で重縮合を行い樹脂を得た。尚、架橋反応は撹拌トルクが10kg・cm(100ppm)となるまで実施し、反応は反応系の減圧状態を解除して停止させ、非結晶性樹脂b1〜b5、c1、c3を得た。
非結晶性樹脂b1〜b10及びc1〜c3はX線回折パターンにより、回折ピークが存在せず、非結晶性であることを確認した。
また、非結晶性樹脂b1〜b10及びc1〜c3の物性を表2、表3に示す。
Figure 2013205708
Figure 2013205708
(複合樹脂d1の作製)
縮重合系モノマーとして、テレフタル酸、フマル酸、無水トリメット酸、ビスフェノールA(2,2)プロピレンオキサイド、ビスフェノールA(2,2)エチレンオキサイドを用い、付加重合系モノマーとして、スチレン、アクリル酸、2−エチルヘキシルアクリレートを用い、軟化温度115℃、ガラス転移温度58℃、酸価25mgKOH/gの複合樹脂d1を得た。
(複合樹脂d2の作製)
縮重合系モノマーとして、ヘキサメチレンジアミン、ε−カプロラクタムを用い、付加重合系モノマー:スチレン、アクリル酸、2−エチルヘキシルアクリレートを用い、複合樹脂d2を得た。

複合樹脂d1、d2のユニット構成を表4に示す。
Figure 2013205708
<マスターバッチ作製>
非結晶性樹脂:c3 100質量部
着色剤:p2 50質量部
純水 50質量部

上記材料を用いて予備混練を行い、マスターバッチを作製した。
[実施例1]
結晶性ポリエステル樹脂:a1 4質量部
非結晶性樹脂:b1 35質量部
非結晶性樹脂:c1 55質量部
複合樹脂:d1 10質量部
着色剤:p1(カーボンブラック) 14質量部
離型剤:カルナウバワックス(融点:81℃) 6質量部
帯電制御剤:モノアゾ金属錯体
(クロム系錯塩染料(ボントロンS−34 オリエント化学工業(株)製)2質量部
上記トナー原材料を、へンシェルミキサー(三井三池化工機株式会社製、FM20B)を用いて予備混合した後、二軸混練機(株式会社池貝製、PCM−30)で100〜130℃の温度で、溶融、混練した。得られた混練物はローラーにて2.8mmの厚さに圧延した後にベルトクーラーにて室温まで冷却し、ハンマーミルにて200〜300μmに粗粉砕した。
次いで、超音速ジェット粉砕機ラボジェット(日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて微粉砕した後、気流分級機(日本ニューマチック工業株式会社製、MDS−I)で重量平均粒径が5.6±0.2μmとなるようにルーバー開度を適宜調整しながら分級し、トナー母体粒子を得た。次いで、トナー母体粒子100質量部に対し、添加剤(HDK−2000、クラリアント株式会社製)1.0質量部をヘンシェルミキサーで撹拌混合し、粉砕トナー1を作製した。
作製した粉砕トナー1を5質量%と、コーティングフェライトキャリア95質量%を、ターブラーミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製)を用いて48rpmで5分間均一混合し、粉砕トナー現像剤1を作製した。
[実施例2〜33、比較例1〜10]
下記表6に記載の原材料に代える他は実施例1と同様に溶融、混練し、トナー2〜43を得、現像剤2〜43を作製した。
なお、トナー38〜43で用いた帯電制御剤のサリチル酸金属化合物は、サリチル酸亜鉛化合物である金属錯体(ボントロンE−84 オリエント化学工業(株)製)を使用した。
また、トナー31においては、樹脂中での顔料の分散が悪いため、マスターバッチを用いたトナーを作製した。トナー化にあたっては、マスターバッチ中に含有されている非結晶性樹脂c3の量から逆算し、最終的に配合される原材料比率が表5の分量となるように調整した。
作製した粉砕トナーの分子量メインピーク、分子量分布の半値幅、結晶性ポリエステル樹脂(A)に起因する90〜130℃の範囲におけるDSCピーク温度・吸熱量、X線回折測定における19〜25°の範囲での回折ピークの有無、体積平均粒径を表6、7に示す。
Figure 2013205708
Figure 2013205708
現像剤1〜43を図6に示す画像形成装置の定着装置を、図1に示す定着装置(B)及び図2に示す定着装置(A)に代え、それぞれの現像ユニット105D内に収容し画像を形成した。現像ユニット(105A)〜(105C)は使用しなかった。
<低温定着性、耐ホットオフセット性、細線再現性(初期)>
上記画像形成装置を用い、現像剤1〜43で画像出力を行なった。付着量0.4mg/cmのベタ画像を、露光、現像、転写工程を経ることで紙(リコー製Type6200)上に出力した。定着の線速は160mm/秒とした。定着温度を5℃刻みで順次出力し、コールドオフセットが発生しない下限温度(定着下限温度:低温定着性)と、ホットオフセットが発生しない上限温度(定着上限温度:耐ホットオフセット性)を測定した。

また、別途、定着下限温度+20℃の定着温度にて粉砕トナーによる画像面積率5%の文字チャート(1文字の大きさが2mm×2mm程度)を出力し、目視による判定を行なうことで細線再現性評価とした。

◆低温定着性
◎:130℃未満
○:130℃以上140℃未満
□:140℃以上150℃未満
△:150℃以上160℃未満
×:160℃以上
◆耐ホットオフセット性
◎:200℃以上
○:190℃以上200℃未満
□:180℃以上190℃未満
△:170℃以上180℃未満
×:170℃未満
◆細線再現性
◎:非常に良好
○:良好
□:一般的な水準
△:実用上は問題ない
×:許容できない
<耐スミア性>
前記定着下限温度において、紙(リコー製 Type6200紙)上に0.40±0.1mg/cmのトナー付着量で画像面積率が60%であるハーフトーン画像を出力し、定着画像部を、クロックメータを用いて白綿布(JIS L0803 綿3号)で10回摺擦し、布に付着した汚れのID(以後スミアIDと呼ぶ)を測定した。スミアIDは、測色計(X−Rite938)で測定した。粉砕トナー31はシアンで測色し、それ以外のトナーはブラックで測色した。
◎:スミアIDが0.20以下
○:スミアIDが0.21〜0.35
△:スミアIDが0.36〜0.55
×:スミアIDが0.56以上
<細線再現性(経時)>
初期の細線再現性を評価した後、トナーを補給しながら画像面積率5%のチャートを100k枚連続で出力し、その後、再度、定着下限温度+20℃の定着温度にて粉砕トナーによる画像面積率5%の文字チャート(1文字の大きさが2mm×2mm程度)を出力し、目視による判定を行なうことで、経時での細線再現性評価とした。判定基準は初期の細線再現性評価と同じとした。
<耐熱保存性>
それぞれのトナー10gを30mlのスクリューバイアル瓶に入れ、タッピングマシンで100回タッピングした後、50℃環境の恒温槽で24時間保管し、室温に戻した後、針入度試験機で針入度を測定し、耐熱保存評価とした。
◎:貫通
○:20mm以上
□:15mm以上20mm未満
△:10mm以上15mm未満
×:10mm未満
各評価の結果を表8に示す。
Figure 2013205708
(図1について)
11 記録材
17 円筒状フィルム
18 励磁コイルユニット
19 磁性金属部
20 加熱体
21 フィルム内面ガイド
22 加圧ローラ

(図2について)
1 加熱ローラ
2 定着ローラ
3 ベルト
4 加圧ローラ
5 温度検出手段
6 誘導加熱手段
7 励磁コイル
8 コイルガイド板
9 励磁コイルコア
10 励磁コイルコア支持部材
11 記録材

(図3について)
1 加熱ローラ
7 励磁コイル
8 コイルガイド板

(図6について)
101A 駆動ローラ
101B 従動ローラ
102 感光体ベルト
103 帯電器
104 レーザー書き込み系ユニット
105A〜105D それぞれイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの各色のトナー
を収容する現像ユニット
106 給紙カセット
107 中間転写ベルト
107A 中間転写ベルト駆動用の駆動軸ローラ
107B 中間転写ベルトを支持する従動軸ローラ
108 クリーニング装置
109 定着ローラ
109A 加圧ローラ
110 排紙トレイ
113 紙転写ローラ

(図7について)
20 感光体
21 トナー
23 キャリア
41 現像スリーブ
42 現像剤収容部材
43 現像剤供給規制部材
44 支持ケース
45 トナーホッパー
46 現像剤収容部
47 現像剤撹拌機構
48 トナーアジテータ
49 トナー補給機構
(図8について)
20 感光体
32 帯電部材
33 像露光系
40 現像装置
41 現像スリーブ
45 トナーホッパー
47 現像剤撹拌機構
50 転写装置
60 クリーニング装置
61 クリーニングブレード
62 トナー回収室
70 除電ランプ
80 転写媒体
(図9について)
20 感光体
24a 駆動ローラー
24b 駆動ローラー
26 クリーニング前露光光源
32 帯電部材
33 像露光系
40 現像装置
50 転写装置
61 クリーニングブレード
64 ブラシ状クリーニング手段
70 除電ランプ
(図10について)
20 感光体
32 帯電手段
40 現像手段
61 クリーニング手段
特開昭63−313182号公報 特開平1−263679号公報 特開平8−22206号公報 特開2005−173445号公報 特開2005−173446号公報 特開昭60−90344号公報 特開昭64−15755号公報 特開平2−82267号公報 特開平3−229264号公報 特開平3−41470号公報 特開平11−305486号公報 特開昭62−63940号公報 特許第2931899号公報 特開2001−222138号公報 特開2004−46095号公報 特開2007−33773号公報 特開2005−338814号公報 特許第4118498号公報 特開2005−181848号公報 特開2011−123352号公報

Claims (10)

  1. 像担持体上に静電潜像を形成する工程と、静電潜像を静電荷像現像用トナーを含む現像剤で現像してトナー画像を形成する工程と、トナー画像を被転写体上に転写する工程と、被転写体上のトナー画像を定着する工程とを含む画像形成方法であって、
    前記定着工程は、
    加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された弾性層を有する定着ローラと、前記加熱ローラと前記定着ローラとに張り渡された無端帯状のトナー加熱媒体と、前記トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに押圧するとともに回転して定着ニップ部を形成する、弾性層を有する加圧ローラとを有する定着装置を用いるものであり、
    前記現像工程で使用される静電荷像現像用トナーは、
    結晶性樹脂、非結晶性樹脂、及び複合樹脂を含むトナーバインダーを有するものであり、
    前記結晶性樹脂は、結晶性を有するポリエステル樹脂(A)であり、
    前記非結晶性樹脂は、クロロホルム不溶分を含有する非結晶性樹脂(B)と該非結晶性樹脂(B)よりも軟化温度(T1/2)が25℃以上低い非結晶性樹脂(C)とを含み、前記非結晶性樹脂(C)のガラス転移温度(Tgc)と前記該非結晶性樹脂(B)のガラス転移温度(Tgb)の差の絶対値|Tgc−Tgb|が10℃以下であり、
    前記複合樹脂は、縮重合系樹脂ユニットと付加重合系樹脂ユニットとを有する複合樹脂(D)であり、
    前記トナーは、THF可溶分により求められたGPCによる分子量分布が1000〜10000の間にメインピークを有し、該分子量分布の半値幅が15000以下であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記加熱ローラ及び/またはトナー加熱媒体は、電磁誘導により加熱されるものであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 像担持体上に静電潜像を形成する工程と、静電潜像を静電荷像現像用トナーを含む現像剤で現像してトナー画像を形成する工程と、トナー画像を被転写体上に転写する工程と、被転写体上のトナー画像を定着する工程とを含む画像形成方法であって、
    前記定着工程は、
    磁性金属から構成され、電磁誘導により加熱される加熱ローラと、
    前記加熱ローラと定着ニップ部を形成する加圧ローラとを有する定着装置を用いるものであり、
    前記現像工程で使用される静電荷像現像用トナーは、
    結晶性樹脂、非結晶性樹脂、及び複合樹脂を含むトナーバインダーを有するものであり、
    前記結晶性樹脂は、結晶性を有するポリエステル樹脂(A)であり、
    前記非結晶性樹脂は、クロロホルム不溶分を含有する非結晶性樹脂(B)と該非結晶性樹脂(B)よりも軟化温度(T1/2)が25℃以上低い非結晶性樹脂(C)とを含み、前記非結晶性樹脂(C)のガラス転移温度(Tgc)と前記該非結晶性樹脂(B)のガラス転移温度(Tgb)の差の絶対値|Tgc−Tgb|が10℃以下であり、
    前記複合樹脂は、縮重合系樹脂ユニットと付加重合系樹脂ユニットとを有する複合樹脂(D)であり、
    前記トナーは、THF可溶分により求められたGPCによる分子量分布が1000〜10000の間にメインピークを有し、該分子量分布の半値幅が15000以下であることを特徴とする画像形成方法。
  4. 前記トナーは、DSCによる吸熱ピーク測定において、90〜130℃の範囲に吸熱ピークを有するものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成方法。
  5. 前記トナーは、トナーのDSCによる吸熱ピーク測定において、吸熱ピークの吸熱量が1J/g以上15J/g以下であることを特徴とする、請求項4に記載の画像形成方法。
  6. 前記非結晶性樹脂(C)が、THF可溶分により求められたGPCによる分子量分布が1000〜10000の間にメインピークを有し、該分子量分布の半値幅が15000以下であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成方法。
  7. 前記非結晶性樹脂(B)が、クロロホルム不溶分を5〜40質量%含有することを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成方法。
  8. 前記結晶性ポリエステル(A)が、分子主鎖中に下記一般式(A)で表されるエステル結合を含有することを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成方法。
    Figure 2013205708
    (式中、Rは炭素数2〜20の直鎖状不飽和脂肪族2価カルボン酸残基を示し、nは2〜20の整数を示す。)
  9. 前記複合樹脂(D)が、ポリエステルの縮重合系樹脂ユニットとビニル系樹脂の付加重合系ユニットを有する複合樹脂であることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成方法。
  10. 像担持体上に静電潜像を形成する手段と、静電潜像を静電荷像現像用トナーを含む現像剤で現像してトナー画像を形成する手段と、トナー画像を被転写体上に転写する手段と、被転写体上のトナー画像を定着する手段とを有する画像形成装置であって、
    前記定着手段は、
    加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、前記加熱ローラと前記定着ローラとに張り渡された無端帯状のトナー加熱媒体と、前記トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに押圧するとともに回転して定着ニップ部を形成する加圧ローラとを有するものであり、
    前記現像手段で使用される静電荷像現像用トナーは、
    結晶性樹脂、非結晶性樹脂、及び複合樹脂を含むトナーバインダーを有するものであり、
    前記結晶性樹脂は、結晶性を有するポリエステル樹脂(A)であり、
    前記非結晶性樹脂は、クロロホルム不溶分を含有する非結晶性樹脂(B)と該非結晶性樹脂(B)よりも軟化温度(T1/2)が25℃以上低い非結晶性樹脂(C)とを含み、前記非結晶性樹脂(C)のガラス転移温度(Tgc)と前記該非結晶性樹脂(B)のガラス転移温度(Tgb)の差の絶対値|Tgc−Tgb|が10℃以下であり、
    前記複合樹脂は、縮重合系樹脂ユニットと付加重合系樹脂ユニットとを有する複合樹脂(D)であり、
    前記トナーは、THF可溶分により求められたGPCによる分子量分布が1000〜10000の間にメインピークを有し、該分子量分布の半値幅が15000以下であることを特徴とする画像形成装置。
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