JP2013205135A - 試料分析装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】短時間でフォーカシング動作を行い蛍光の退色を防止する。
【解決手段】試料分析装置は、試験片を支持する試料台と、光源と、試験片で生じる光を検出する複数に分割されたセンサーと、光源から出射された光を斜め上方から試験片に入射させる照射光学系と、試験片で生じる光をセンサーへ導く検出光学系と、試料台を移動させ試験片とセンサーとの間隔を変更させる昇降装置と、制御部と、センサーの出力信号から取得される特性データと昇降装置が行うべき補正量とを対応付けたデフォーカス特性データ記憶テーブルとを備える。制御部は、センサーの出力信号から特性データを取得し、このデータに対応付けられた補正量に基づき昇降装置により間隔を変更する。
【選択図】図2
【解決手段】試料分析装置は、試験片を支持する試料台と、光源と、試験片で生じる光を検出する複数に分割されたセンサーと、光源から出射された光を斜め上方から試験片に入射させる照射光学系と、試験片で生じる光をセンサーへ導く検出光学系と、試料台を移動させ試験片とセンサーとの間隔を変更させる昇降装置と、制御部と、センサーの出力信号から取得される特性データと昇降装置が行うべき補正量とを対応付けたデフォーカス特性データ記憶テーブルとを備える。制御部は、センサーの出力信号から特性データを取得し、このデータに対応付けられた補正量に基づき昇降装置により間隔を変更する。
【選択図】図2
Description
本発明は、試料分析装置に関するものである。
従来、成人病・腫瘍などの疾患マーカやウィルス・細菌の検体検査では、省力化によるコスト削減の観点から、専ら大規模病院や検査センタに設置された集中検査装置が利用されてきた。ところが、90年代後半に抗インフルエンザウィルス薬が開発され、診療現場においてウィルス種を同定し、その場で抗ウィルス薬を処方する迅速性が必要になった。この要求に、簡便性と一定の感度を備えた安価なイムノクロマト法が応え、急速に普及した。現場における検査(POCT;Pointof Care Testing)は、感染症をはじめ心筋梗塞などの生活習慣病の予防、治療などの分野において、将来にわたる拡大が予想され、イムノクロマトはPOCTの有力デバイスのひとつとして期待されている。
このようなイムノクロマト法には、板状のクロマトグラフィー試験片が用いられている。クロマトグラフィー試験片には、上方に開口したケースと、当該ケース内に収容されたメンブレンシート(膜部材)とが具備されている。メンブレンシートには、検体中の抗原(分析対象物)と色素標識抗体との免疫複合体を特異的に捕捉する抗原特異的抗体が固定化されたテストラインが短冊状に設けられている。このクロマトグラフィー試験片においては、一端に液状の検体が滴下されると、色素標識抗体と抗原との結合が促された後、毛細管現象により免疫複合体と色素標識抗体がクロマトグラフィー試験片上を他端に向かって移動する結果、テストラインで免疫複合体が捕捉されるので、当該テストラインの呈色を試料分析装置で光学的に検出することによって、分析対象物が定性的あるいは定量的に検出される。
ここで、テストラインの呈色を検出するにあたり、色素標識抗体に蛍光材料を使用する場合には、試料分析装置は、照射光学系からクロマトグラフィー試験片に励起光を照射し、分析対象物と色素標識抗体との免疫複合体から生じる蛍光を、検出光学系により受光素子に集光して検出することとなる。このような試料分析装置としては、検出精度を向上させるべく、励起光の光路と蛍光の光路とをずらし、クロマトグラフィー試験片に対して斜め方向から励起光を入射させるようになっているものが知られている(例えば特許文献1参照)。
ところで、励起光を照射されるクロマトグラフィー試験片は、通常、製品単価を低く抑えるべく大量生産されているため、厚み等にばらつきを持っている。このようなクロマトグラフィー試験片に対して斜め方向から励起光を入射させると、分析対象物の量が一定であっても試験片ごとに照射スポットの位置がずれたり、検出光学系のフォーカス位置から試験片の位置がずれたりする結果、検出信号の波形が変化してしまう(図4参照)。
一方、分光エリプソメータの技術分野においては、偏光解析に利用する光学系をフォーカス調整に利用する光学系と共通に用いる技術が知られている(例えば特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献2に記載の技術では、フォーカシングのために、測定面を所定範囲にわたって移動させつつ、光の照射及び受光器による反射光の受光を行う必要があるため、時間がかかってしまう。
このようなフォーカシング方法を上述のイムノクロマト法のクロマトグラフィー試験片に対して適用すると、フォーカシング動作の間、励起光を照射し続けなければならないため、蛍光の退色を引き起こしてしまう。なお、フォーカシング動作を行うのに別途PSD(Position Sensitive Detector)等の位置検出素子を用いた光学系を配置すれば、励起光の照射が必要なくなる分、退色の問題は解消するものの、部品点数が増加してコストがかかるため、好ましくない。
このようなフォーカシング方法を上述のイムノクロマト法のクロマトグラフィー試験片に対して適用すると、フォーカシング動作の間、励起光を照射し続けなければならないため、蛍光の退色を引き起こしてしまう。なお、フォーカシング動作を行うのに別途PSD(Position Sensitive Detector)等の位置検出素子を用いた光学系を配置すれば、励起光の照射が必要なくなる分、退色の問題は解消するものの、部品点数が増加してコストがかかるため、好ましくない。
そこで、本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、フォーカシングのための素子や光学系等を別途用いることなく、短時間でフォーカシング動作を行い、蛍光の退色を防止することのできる試料分析装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本発明の試料分析装置は、
試験片に供給された試料における分析対象物の状態を検知する試料分析装置において、
前記試験片を支持する試料台と、
光を出射する光源と、
前記光源から出射された光に起因して前記試験片で生じる光を検出する、複数に分割されたセンサーと、
前記光源から出射された光を、前記試験片の斜め上方から照射する照射光学系と、
前記照射光学系により照射された光に起因して前記試験片で生じる光を前記センサーへ導く検出光学系と、
前記光源、前記センサー、前記照射光学系及び前記検出光学系の前記検出光学系の光軸方向への一体的移動と、前記試料台の前記検出光学系の光軸方向への移動との少なくとも一方により前記試験片と前記センサーとの間隔を変更させる移動手段と、
前記移動手段を制御する制御手段と、
前記光源から前記試験片に光が照射されたときの前記センサーの出力信号から取得される特性データと、前記試験片の表面位置を前記センサー上に合焦させるために前記移動手段が行うべき移動の量及び方向とを対応付けて予め記憶するデフォーカス特性データ記憶テーブルと、
を備え、
前記制御手段は、
前記光源から前記試験片に光が照射されたときの前記センサーの出力信号から特性データを取得し、前記デフォーカス特性データ記憶テーブルにおいて当該特性データに対応付けられた前記移動の量及び方向に基づいて前記移動手段により前記間隔を変更することを特徴とする。
試験片に供給された試料における分析対象物の状態を検知する試料分析装置において、
前記試験片を支持する試料台と、
光を出射する光源と、
前記光源から出射された光に起因して前記試験片で生じる光を検出する、複数に分割されたセンサーと、
前記光源から出射された光を、前記試験片の斜め上方から照射する照射光学系と、
前記照射光学系により照射された光に起因して前記試験片で生じる光を前記センサーへ導く検出光学系と、
前記光源、前記センサー、前記照射光学系及び前記検出光学系の前記検出光学系の光軸方向への一体的移動と、前記試料台の前記検出光学系の光軸方向への移動との少なくとも一方により前記試験片と前記センサーとの間隔を変更させる移動手段と、
前記移動手段を制御する制御手段と、
前記光源から前記試験片に光が照射されたときの前記センサーの出力信号から取得される特性データと、前記試験片の表面位置を前記センサー上に合焦させるために前記移動手段が行うべき移動の量及び方向とを対応付けて予め記憶するデフォーカス特性データ記憶テーブルと、
を備え、
前記制御手段は、
前記光源から前記試験片に光が照射されたときの前記センサーの出力信号から特性データを取得し、前記デフォーカス特性データ記憶テーブルにおいて当該特性データに対応付けられた前記移動の量及び方向に基づいて前記移動手段により前記間隔を変更することを特徴とする。
本発明によれば、フォーカシングのための素子及び光学系等を別途用いることなく短時間でフォーカシング動作を行い、蛍光の退色を防止した試料分析装置を提供することができる。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。なお、図中、同一あるいは同等の部分には同一の番号を付与し、重複する説明は省略する。
(クロマトグラフィー試験片)
まず、本実施の形態におけるクロマトグラフィー試験片について、図1を用いて説明する。
まず、本実施の形態におけるクロマトグラフィー試験片について、図1を用いて説明する。
図1(a)はクロマトグラフィー試験片(以下、試験片とする)2の外観構成の一例を示す上面図であり、図1(b)は試験片2の内部構成の一例を示す側面図である。
これらの図に示すように、試験片2は、試料としての検体溶液K(図1(b)参照)が供給されるものであり、検体溶液Kを展開させる方向(以下、展開方向Aとする)に長尺な矩形板状のケース20と、当該ケース20内に収容されたシート部3とを備えている。ここで、検体溶液Kを展開させるとは、検体溶液Kを行き渡らせることを言う。
ケース20は、上面の一端部に試料添加窓21を有するとともに、上面の中央部に開口窓22を有している。
試料添加窓21は、検体溶液Kをシート部3に供給するための開口である。また、開口窓22は、シート部3における後述のテストライン31a,コントロールライン31b(図1(b)参照)を外部に露出させるための開口である。
シート部3は、図1(b)に示すように、展開方向Aに長尺なメンブレンシート30を有している。
メンブレンシート30は、検体を展開可能なシート状に形成されている。このメンブレンシート30は、ニトロセルロース等によって形成されている。
メンブレンシート30は、検体を展開可能なシート状に形成されている。このメンブレンシート30は、ニトロセルロース等によって形成されている。
このメンブレンシート30における展開方向Aの中途部には、当該展開方向Aの直交方向、つまり試験片2の幅方向にそれぞれ延在した状態で、テストライン31a及びコントロールライン31bが所定の幅で短冊状に設けられている。
このうち、テストライン31aは、検体溶液K中の分析対象物(例えばウイルスなどの抗原)、或いは当該分析対象物を含む複合物を特異的に捕捉して固定するようになっている。本実施の形態においては、このテストライン31aには、分析対象物と色素標識抗体との免疫複合体を特異的に捕捉する抗原特異的抗体が配設されている。但し、分析対象物を特異的に補足する物質がテストライン31aに配設されることとしても良い。
また、コントロールライン31bは、色素標識抗体を結合させるようになっている。本実施の形態においては、このコントロールライン31bには、色素標識抗体を特異的に捕捉する標識抗体特異的抗体が固定化されている。
以上のメンブレンシート30の上面における一端部(展開方向Aの上流側)には、サンプルパッド32が設けられ、他端部(展開方向Aの下流側)には吸収パッド33が設けられている。
このうち、サンプルパッド32は、検体溶液Kが滴下されて供給される部分である。また、吸収パッド33は、サンプルパッド32に滴下された検体溶液Kを吸収することにより、当該検体溶液Kを毛細管現象によって展開方向Aに流させる部分である。
サンプルパッド32に対して展開方向Aの下流側には、コンジュゲートパッド(図示せず)が配設されている。このコンジュゲートパッドは、検体溶液K中に含まれる分析対象物と結合する色素標識抗体を含んでおり、サンプルパッド32から供給される検体溶液Kを展開方向Aの下流側に移動させつつ、検体溶液K内の分析対象物を色素標識抗体と結合させるようになっている。
また、メンブレンシート30の下部には、支持シート35が配設されている。この支持シート35は、メンブレンシート30における下面に当接して当該メンブレンシート30を下方から支持するとともに、メンブレンシート30の反りや波打ちを防止するようになっている。また、この支持シート35は、検体溶液Kの下方への漏れを防止することにより、検体溶液Kをメンブレンシート30内に押し留め、メンブレンシート30内で展開させるようになっている。以上の支持シート35は、ポリエステルやポリ塩化ビニル等のラミネートフィルムによって形成されている。
なお、以上のような試験片2としては、公知のクロマトグラフィー試験片を用いることができる。
(第1の実施の形態に係る試料分析装置)
続いて、第1の実施の形態に係る試料分析装置の構成について、図2を用いて説明する。
図2は試料分析装置1の概略構成の一例を示す模式図である。なお、この図では、試験片2を簡略化して図示している。また、複数に分割されたセンサーとして、ラインセンサーを用いる場合の例を示している。
続いて、第1の実施の形態に係る試料分析装置の構成について、図2を用いて説明する。
図2は試料分析装置1の概略構成の一例を示す模式図である。なお、この図では、試験片2を簡略化して図示している。また、複数に分割されたセンサーとして、ラインセンサーを用いる場合の例を示している。
この図に示すように、試料分析装置1は、光源10と、照射光学系11と、ラインセンサー12と、検出光学系13と、走査装置15と、昇降装置16と、デフォーカス特性データ記憶テーブル17と、制御部18とを備えている。
光源10は、光を出射するものであり、本実施の形態においては、主として励起光を出射するレーザ光源となっている。このレーザ光源の波長は、使用する色素標識抗体の種類に依存するものの、例えば630nm〜780nm程度の範囲である場合が多い。
照射光学系11は、光源10から出射された光を試験片2に導く光学系である。本実施の形態においては、光源10から出射される光は、照射光学系11により、試験片2に対し、ラインセンサー12の含まれる平面(図中のYZ平面)内またはYZ平面と略平行な平面内で、かつ斜め上方から入射させるようになっている。また、図示X方向の照射位置は、照射光に起因して試験片2で生じる光が検出光学系13を介してラインセンサー12上に導かれるよう設定されている。この照射光学系11は、レンズ110,112と、バンドパスフィルター111と、アパーチャ114とを有している。
レンズ110は、光源10から出射された光を平行光に変換してバンドパスフィルター111に入射させるようになっている。
バンドパスフィルター111は、光源10から出射された光の波長成分のうち、試験片2の色素標識抗体などを励起して蛍光を生じさせる波長成分のみを通過させるようになっている。なお、本実施の形態においては、波長660nmの光によって色素標識抗体から生じる蛍光の波長は700nm付近となっている。
レンズ112は、バンドパスフィルター111を通過した光を試験片2上に集光するようになっている。
アパーチャ114は、レンズ112から出射される収束光の周辺部分を遮ることにより、試験片2上の所望の領域のみに光を照射させるようになっている。
ラインセンサー12は、ライン状に複数の受光素子(それぞれ光電変換を行う受光センサー。以下、画素ともいう)が配列されており、光源10から出射される光に起因して試験片2で生じる光を検出するようになっている。より詳細には、本実施の形態におけるラインセンサー12は、照射光学系11から出射される励起光に起因して試験片2で発生する蛍光を検出するようになっている。このラインセンサー12の延在方向(図中のY方向)は、走査装置15による走査方向Xと直交している。なお、以上のようなラインセンサー12としては、ラインCCDやラインCMOSなど、公知のものを用いることができる。また、1次元に配列されたフォトダイオードや2次元のエリアセンサーを用いてもよい。
検出光学系13は、照射光学系11により入射された光に起因して試験片2で生じる光をラインセンサー12に導く光学系である。この検出光学系13は、レンズ130,132と、バンドパスフィルター131とを有している。
レンズ130は、照射光学系11により入射された光に起因して試験片2で生じる光を平行光に変換してバンドパスフィルター131に入射させるようになっている。
バンドパスフィルター131は、照射光学系11により入射された光に起因して試験片2で生じる光の各波長成分のうち、色素標識抗体などで生じた蛍光の波長成分のみを通過させるようになっている。
レンズ132は、バンドパスフィルター131を通過した光をラインセンサー12上に集光するようになっている。
走査装置15は、試験片2を走査方向Xに走査させることで試験片2の面内で照射スポット位置を変更するための装置であり、本実施の形態においては、試験片2を下方から支持する板状の試料台150と、当該試料台150を走査方向Xに往復運動させる走査用モータ151とを有している。なお、走査用モータ151としてはステッピングモータやボイスコイルモータ、DCモータなど、公知のモータを用いることができる。また、本実施の形態においては、走査方向Xは試験片2の展開方向Aと平行になっている。
昇降装置16は、試料台150を上下方向Z(試験片2の厚み方向)に移動させることで試験片2とラインセンサー12との間隔Dを変更させるものであり、本実施の形態においては試料台150を上下方向Zに往復運動させる駆動用モータ161を有している。なお、駆動用モータ161としてはステッピングモータやボイスコイルモータ、DCモータなど、公知のモータを用いることができる。
デフォーカス特性データ記憶テーブル17は、光源10から試験片2に光が照射されたときのラインセンサー12の出力信号から取得される特性データと、試験片2の表面位置をラインセンサー12上に合焦させるために移動手段である昇降装置16が行うべき移動の量及び方向とを対応付けて予め記憶しているものである。
なお、本実施の形態においては、図3に示すように、ラインセンサー12の出力信号から取得される特性データとして、試験片2のコントロールライン31b付近に光を照射した場合にラインセンサー12から得られる各画素の出力信号値を用いており、より具体的には、ラインセンサー12を構成する画素のうち受光出力のあった画素領域と、受光出力のあった画素領域のY方向における中心位置と、受光出力のあった画素のY方向での位置と各画素の出力信号値との関係を表すグラフ中、受光出力に起因する領域についての重心位置に対応するY方向での位置とのうち、少なくとも1つについてのデータ等を用いている。また、本実施の形態においては、昇降装置16が行うべき移動の方向を正負の符号(移動の方向が間隔Dを大きくする方向である場合には正の符号、小さくする方向である場合には負の符号)として移動の量(ここでは絶対値)に付すことにより、移動の量及び方向を1つの値(以下、補正量とする)として表している。
ここで、図3は間隔Dの値ごとにラインセンサー12の出力信号から取得される特性データと、補正量とを示す図である。具体的には、検出光学系13のフォーカス位置と試験片2の位置とが一致するときの間隔Dの値を「L」とした場合に、図3(a)は、間隔D=L−500(μm)のときの特性データと、補正量「+500μm」(=−(−500))とを示す図である。同様に、図3(b)は間隔D=L−300(μm)のときの特性データと、補正量「+300μm」(=−(−300))とを示す図であり、図3(c)は間隔D=Lのときの特性データと、補正量「0μm」とを示す図である。また、図3(d)は間隔D=L+300(μm)のときの特性データと、補正量「−300μm」(=−(+300))とを示す図であり、図3(e)は間隔D=L+500(μm)のときの特性データと、補正量「−500μm」(=−(+500))とを示す図である。以上の特性データは、同一機種の他の試料分析装置1において取得されたデータであっても良いし、自機の試料分析装置1において取得されたデータであっても良いが、本実施の形態においては、後者のデータとなっている。
図3の横軸はY方向におけるラインセンサー12の各画素の位置を示しており、縦軸は各画素の出力信号値を示している。
図3(a)〜(e)に示すように、コントロールライン31bに励起光を照射した際のラインセンサー12における各画素のうち、受光出力のある画素領域(図中の領域Tを参照)の位置は、間隔Dに対応して、画素の配列方向にずれるように変化する。すなわち、受光出力のある画素領域Tの位置から間隔Dを検知することができるということである。この特性データを用いる場合には、受光出力のある画素領域Tの位置と昇降装置16が行うべき移動の量及び方向とが予め対応付けられてデフォーカス特性データ記憶テーブル17に記憶される。
また、図3(a)〜(e)に示すように、コントロールライン31bに励起光を照射した際のラインセンサー12における各画素のうち、受光出力のある画素領域TのY方向における中心線(図中の線Cを参照)の位置は、間隔Dに対応して、画素の配列方向にずれるように変化する。すなわち、受光出力のある画素領域Tの中心線Cの位置から間隔Dを検知することができるということである。この特性データを用いる場合には、受光出力のある画素領域Tの中心線Cの位置と昇降装置16が行うべき移動の量及び方向とが予め対応付けられてデフォーカス特性データ記憶テーブル17に記憶される。
また、図3(a)〜(e)に示すように、コントロールライン31bに励起光を照射した際のラインセンサー12における各画素のうち、受光出力のY方向における重心位置(受光出力のあった画素のY方向での位置と各画素の出力信号値との関係を表すグラフ中、受光出力に起因する領域についての重心位置に対応するY方向での位置。図中の重心線Gを参照)は、間隔Dに対応して、画素の配列方向にずれるように変化する。すなわち、受光出力の重心線Gの位置から間隔Dを検知することができるということである。この特性データを用いる場合には、受光出力の重心線Gの位置と昇降装置16が行うべき移動の量及び方向とが予め対応付けられてデフォーカス特性データ記憶テーブル17に記憶される。
このように間隔Dの値によって受光出力のある画素領域がY方向に移動する理由は、図2及び図4に示すように、ラインセンサー12の画素がY方向に並ぶよう配置され、照射光学系11が試験片2に対しYZ平面内又はYZ平面と略平行な平面内の斜め上方から光を入射させているためであり、試験片2の厚みのばらつきによって間隔Dが変動し、試験片2上の照射スポット位置がY方向に沿って変化するためである。
制御部18は、試料分析装置1の各機能部への指示やデータの転送等を行い、試料分析装置1を統括的に制御するとともに、種々の演算を行うものである。例えば、この制御部18は、ラインセンサー12からの出力信号に基づいて分析対象物の状態を特定するようになっており、本実施の形態においては、検体溶液K中での分析対象物の有無を特定するようになっている。また、この制御部18は、光源10から試験片2に光が出射されたときのラインセンサー12の出力信号から上述の特性データを取得し、デフォーカス特性データ記憶テーブル17において当該特性データに対応付けられた補正量に基づいて、昇降装置16により間隔Dを変更するようになっている。
続いて、試料分析装置1が試験片2の位置を検出光学系13のフォーカス位置に合わせるために行う処理について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、図5に示すように、制御部18は走査装置15をX方向に駆動させて試験片2のコントロールライン31bを照射光学系11の照射位置に移動させる(ステップS1)。この後、制御部18は光源10を点灯させて光を照射させる(ステップS2)。これにより、照射光学系11を介して試験片2のコントロールライン31b付近に励起光が照射され、試験片2のコントロールライン31bで蛍光が生じる。また、試験片2で生じた蛍光が、検出光学系13を介してラインセンサー12に入射する。
制御部18は、ラインセンサー12の出力信号から上述の特性データを取得する(ステップS3)。
次に、制御部18は、デフォーカス特性データ記憶テーブル17を参照し、取得した特性データに対しデフォーカス特性データ記憶テーブル17において対応付けられた補正量(昇降装置16を移動させる量及び方向)を決定する(ステップS4)。
そして、制御部18は、決定した移動量及び方向に基づいて昇降装置16により試料台150をZ方向に移動させて間隔Dを変更し、試験片2の位置を検出光学系13のフォーカス位置に合わせる(ステップS5)。これにより、1回の光照射のみで試験片2の表面へのフォーカシングを行うことができる。
次いで、走査装置15をX方向に駆動させて試験片2のテストライン31aを照射光学系11の照射位置に移動させ(ステップS6)、光照射して試料分析を行う(ステップS7)。この試料分析時には、ラインセンサー12から得られる各画素出力より、測定仕様に応じて適宜、総和、ピーク値、中央値、平均値等を用いて分析が行われる。
以上が、第1の実施の形態に係る試料分析装置1の1試験片に対する試料分析のシーケンスである。
以上が、第1の実施の形態に係る試料分析装置1の1試験片に対する試料分析のシーケンスである。
以上のように、本実施形態によれば、間隔Dの値ごとに、光源10から試験片2に光が出射されたときにラインセンサー12の出力信号から取得された特性データと、試験片2の表面位置をラインセンサー15上に合焦させるための昇降装置16による補正量とが対応付けられて予め記憶されており、光源10から試験片2に光が照射されたときのラインセンサー12の出力信号から特性データが取得され、当該特性データに対応付けられた補正量に基づいて昇降装置16により間隔Dが変更されるので、試験片2で生じる光をラインセンサー12へ導く検出光学系13を用いて、1回の光照射のみで試験片2の表面へのフォーカシング動作を行うことができる。これにより、フォーカシングのための素子や光学系を別途用いることなく、従来の場合と比較して短時間でフォーカシング動作を行うことができ、その結果、蛍光の退色を防止することができる。
また、分析対象物の状態を検知するための光源10の他に、フォーカシングを行うための光源を備える場合と比較して、試料分析装置1を低廉化することができる。
また、デフォーカス特性データ記憶テーブル17には、自機の試料分析装置1において光源10から試験片2に励起光が照射されるときにラインセンサー12の出力信号から取得されるべき特性データが間隔Dの値ごとに記憶されるので、試料分析装置1の固体差に応じてデフォーカス特性データ記憶テーブル17を設定し、精度良くフォーカシングを行うことができる。
(第2の実施の形態に係る試料分析装置)
図6は、第2の実施の形態に係る試料分析装置1Aの概略構成について示した図である。
図6は、第2の実施の形態に係る試料分析装置1Aの概略構成について示した図である。
本例では、センサーとして、2分割のセンサーを用いる場合の例を示している。すなわち、本例は図2に示す試料分析装置1のラインセンサー12を2分割のフォトダイオード22に置き換えたものであり、その他の構成は同様である。図6に示すように、2分割のフォトダイオード22は、分割線がX方向となるよう配置され、2つのフォトダイオード22L,22Rは、図2に示すラインセンサー12の画素の並び方向と同じ方向に並んで配置されている。
図7は、図6に示す第2の実施の形態に係る試料分析装置1Aにおいて、試験片2に励起光が照射された際の、間隔Dの変化と2分割センサー22上に形成されるスポット像の位置との関係を示す模式図である。
図7に示すように、2分割センサー22上に形成されるスポット像の位置は、図7(a)に示す間隔Dの小さい状態から、間隔Dが広がるに従い、図7(b)〜図7(e)に示す状態に変化する。この場合、センサー22から得る特性データとしては、2分割センサー22の左側のフォトダイオード22Lと右側のフォトダイオード22Rの出力比を用いる。
すなわち、当該出力比と、昇降装置16が行うべき移動の量及び方向とを対応付けてデフォーカス特性データ記憶テーブル17に記憶させておけば、第1の実施の形態と同様に、1回の光照射のみで試験片2の表面へのフォーカシングを行うことができる。なお、第2の実施の形態の試料分析装置1Aの1試験片に対する試料分析のシーケンスは、図5に示すフローチャートと同様であり、試料分析時には、2分割センサー22の2つのフォトダイオードの出力の総和を用いて分析を行なえばよい。
なお、第2の実施の形態においては、2分割センサーを用いた例で説明したが、これに限るものでなく、3分割以上のセンサーを用いても同様に各フォトダイオードの出力比と、昇降装置16が行うべき移動の量及び方向とを対応付けてデフォーカス特性データ記憶テーブル17に記憶させておくことで、同様に1回の光照射のみで試験片2の表面へのフォーカシングを行うことができるのはいうまでもない。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
また、第1及び第2の実施の形態においては、昇降装置16は試験片2を上下方向(Z方向)に移動させることとして説明したが、試験片2を上下方向に移動させずに光源10、ラインセンサー12(2分割センサー22)、照射光学系11及び検出光学系13を纏めて上下方向に移動させることとしても良いし、試験片2を移動させるとともに、光源10、ラインセンサー12(2分割センサー22)、照射光学系11及び検出光学系13を纏めて移動させることとしても良い。
また、走査方向Xは試験片2の展開方向Aと平行であることとして説明したが、直交であることとしても良い。
また、制御部18は分析対象物の有無を特定することとして説明したが、分析対象物の濃度を特定することとしても良いし、他の状態を特定することとしても良い。
1 試料分析装置
2 クロマトグラフィー試験片
10 光源
11 照射光学系
12 ラインセンサー
13 検出光学系
16 昇降装置(移動手段)
17 デフォーカス特性データ記憶テーブル
22 2分割センサー
150 試料台
2 クロマトグラフィー試験片
10 光源
11 照射光学系
12 ラインセンサー
13 検出光学系
16 昇降装置(移動手段)
17 デフォーカス特性データ記憶テーブル
22 2分割センサー
150 試料台
Claims (4)
- 試験片に供給された試料における分析対象物の状態を検知する試料分析装置において、
前記試験片を支持する試料台と、
光を出射する光源と、
前記光源から出射された光に起因して前記試験片で生じる光を検出する、複数に分割されたセンサーと、
前記光源から出射された光を、前記試験片の斜め上方から照射する照射光学系と、
前記照射光学系により照射された光に起因して前記試験片で生じる光を前記センサーへ導く検出光学系と、
前記光源、前記センサー、前記照射光学系及び前記検出光学系の前記検出光学系の光軸方向への一体的移動と、前記試料台の前記検出光学系の光軸方向への移動との少なくとも一方により前記試験片と前記センサーとの間隔を変更させる移動手段と、
前記移動手段を制御する制御手段と、
前記光源から前記試験片に光が照射されたときの前記センサーの出力信号から取得される特性データと、前記試験片の表面位置を前記センサー上に合焦させるために前記移動手段が行うべき移動の量及び方向とを対応付けて予め記憶するデフォーカス特性データ記憶テーブルと、
を備え、
前記制御手段は、
前記光源から前記試験片に光が照射されたときの前記センサーの出力信号から特性データを取得し、前記デフォーカス特性データ記憶テーブルにおいて当該特性データに対応付けられた前記移動の量及び方向に基づいて前記移動手段により前記間隔を変更することを特徴とする試料分析装置。 - 請求項1記載の試料分析装置において、
前記光源は、
励起光を出射し、
前記センサーは、
前記励起光に起因して前記試験片で発生する蛍光を検出することを特徴とする試料分析装置。 - 請求項1または2記載の試料分析装置において、
前記センサーは所定方向に配設されたラインセンサーであり、
前記特性データは、
前記ラインセンサーを構成する画素のうちの受光出力のあった画素領域と、
受光出力のあった画素領域の前記所定方向における中心位置と、
受光出力のあった画素の前記所定方向での位置と各画素の出力信号値との関係を表すグラフ中、受光出力に起因する領域についての重心位置に対応する前記所定方向での位置と、の少なくとも1つについてのデータであることを特徴とする試料分析装置。 - 請求項1または2記載の試料分析装置において、
前記センサーは2分割されたフォトダイオードであり、
前記特性データは、前記2分割されたフォトダイオードの出力比であることを特徴とする試料分析装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012072813A JP2013205135A (ja) | 2012-03-28 | 2012-03-28 | 試料分析装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012072813A JP2013205135A (ja) | 2012-03-28 | 2012-03-28 | 試料分析装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013205135A true JP2013205135A (ja) | 2013-10-07 |
Family
ID=49524372
Family Applications (1)
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JP2012072813A Pending JP2013205135A (ja) | 2012-03-28 | 2012-03-28 | 試料分析装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013205135A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110234399A (zh) * | 2017-11-08 | 2019-09-13 | 首尔伟傲世有限公司 | 医疗用胶囊装置 |
-
2012
- 2012-03-28 JP JP2012072813A patent/JP2013205135A/ja active Pending
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