JP2013204886A - 空調室内機及び空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、室温の誤検出を抑制できる空調室内機を提供することである。
【解決手段】本体ケーシング11と、熱交換器13と、温度センサと、を備える。本体ケーシング11は、下吸込口21が下部に、上吸込口22が前部及び/又は上部に設けられている。熱交換器13は、本体ケーシング11内に設けられ、下吸込口21及び/又は上吸込口22から吸い込まれた空気の熱交換を行う。温度センサは、下吸込口21から熱交換器に至る下吸込経路16及び上吸込口22から熱交換器13に至る上吸込経路20に設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、空調室内機及び空調システムに関する。
特許文献1(特開2001−311530号公報)には、本体の前部、上部及び下部にそれぞれ吸込口を有している空調室内機が開示されている。各吸込口から流入した空気は熱交換機により熱交換された後、吹出流路を介して吹出口から吹き出される。このような空調室内機では、一般的に、吸込口から吸い込まれた空気の温度を測定することで室温を検出し、室温を設定温度に近づけるように運転が制御される。
暖房運転時においては、吹出口から吹き出す空気は、室温よりも温度が高いために室内の上部、例えば天井付近に溜まりやすい。よって、本体の前部及び上部の吸込口から吸い込まれる空気の温度は高く、この空気の温度に基づいて室温を検出すると、室温を正確に測定することができない。そのため、空調室内機は室内が暖まったと判断し、暖房運転を緩めてしまう。前述の特許文献1にはこのような問題に着目した構成は開示されていない。
そこで、本発明の目的は、室温の誤検出を抑制できる空調室内機を提供することである。
本発明の第1観点に係る空調室内機は、本体ケーシングと、熱交換器と、温度センサと、を備える。本体ケーシングには、第1吸込口が下部に、第2吸込口が前部及び/又は上部に設けられている。熱交換器は、本体ケーシング内に設けられ、第1吸込口及び/又は第2吸込口から吸い込まれた空気の熱交換を行う。温度センサは、第1吸込口から熱交換器に至る第1吸込経路及び第2吸込口から熱交換器に至る第2吸込経路に設けられている。
この空調室内機によれば、温度センサは、本体ケーシング下部の第1吸込口から吸い込まれた空気の温度を測定することで正しい室温を検出する。よって、暖房運転時に室内上部に溜まった暖気の温度を測定してしまうことによる室温の誤検出を抑制できる。温度センサは1つであってもよいし、吸込経路ごとに設けられていてもよい。
本発明の第2観点に係る空調室内機は、第1観点に係る空調室内機において、温度センサは第1吸込経路及び第2吸込経路それぞれに設けられている。
この空調室内機によれば、第1吸込口から吸い込まれた空気の温度は第1吸込経路の温度センサにより測定され、第2吸込口から吸い込まれた空気の温度は第2吸込経路の温度センサにより測定される。よって、第1吸込口から吸い込まれた空気及び第2吸込口から吸い込まれた空気の温度をそれぞれ別個に測定することができる。
本発明の第3観点に係る空調室内機は、第1観点に係る空調室内機において、第1吸込口を開閉するシャッターと、第1吸込口から吸い込まれた空気の温度を測定する場合に、シャッターを開く開閉制御部と、をさらに備える。
この空調室内機によれば、開閉制御部が第1吸込口のシャッターを開閉することにより、温度センサは第1吸込経路又は第2吸込経路からの空気の温度を選択的に測定することができる。
本発明の第4観点に係る空調室内機は、第2観点に係る空調室内機において、本体ケーシングに設けられた吹出口を開閉するフラップと、室温を制御する室温制御部と、をさらに備えている。室温制御部は、暖房運転時において、フラップと鉛直方向下方とのなす角度が、所定の閾値角度よりも大きい場合には、第1吸込経路の温度センサにより測定した温度に基づいて室温を制御する。一方、室温制御部は、フラップと鉛直方向下方とのなす角度が、閾値角度よりも小さい場合には、第2吸込経路の温度センサにより測定した温度に基づいて室温を制御する。
この空調室内機によれば、室温制御部は、フラップの角度に応じて、第1吸込経路の温度センサが測定した温度及び第2吸込経路の温度センサが測定した温度のうち、より室温に近いと推定される方を室温と判断する。よって、室温をより精度良く特定することができる。
本発明の第5観点に係る空調システムは、一の空調室外機と、一の空調室外機に接続されている複数の空調室内機と、を備える。複数の空調室内機には、暖房運転されている運転室内機と、運転されていない非運転室内機とが含まれ、非運転室内機は、暖房運転を開始する場合、第1吸込経路から吸い込まれた空気の温度を測定する。
この空調システムにおいて、非運転室内機は暖房運転されていないものの、その配管には、運転室内機により暖められた冷媒が一の空調室外機を通じて供給されている。よって、非運転室内機が設けられた室内の上部には暖気が溜まっている。よって、非運転室内機は、暖気による室温の誤検出を抑制するため、暖房運転の開始時は本体ケーシング下部の第1吸込口から吸い込まれた空気の温度を測定することで室温を検出する。
本発明の第1観点に係る空調室内機では、温度センサは、本体ケーシング下部の第1吸込口から吸い込まれた空気の温度を測定することで正しい室温を検出することができる。
本発明の第2観点に係る空調室内機では、第1吸込口から吸い込まれた空気の温度は第1吸込経路の温度センサにより測定することができ、第2吸込口から吸い込まれた空気の温度は第2吸込経路の温度センサにより測定することができる。
本発明の第3観点に係る空調室内機では、開閉制御部が第1吸込口のシャッターを開閉することにより、温度センサは第1吸込経路又は第2吸込経路からの空気の温度を選択的に測定することができる。
本発明の第4観点に係る空調室内機では、室温をより精度良く特定することができる。
本発明の第5観点に係る空調システムでは、非運転室内機において、暖房運転の開始時は、本体ケーシング下部の第1吸込口から吸い込まれた空気の温度を測定することで暖気による室温の誤検出を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る空調室内機の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る空調室内機の断面図である。 制御部の機能構成及びハードウェア構成を示すブロック図である。 フラップの角度θfが所定の閾値角度θthよりも大きい場合にシャッターが開かれている様子を示す模式図である。 フラップの角度θfが所定の閾値角度θth以下である場合にシャッターが閉じられている様子を示す模式図である。 制御部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。 温度センサの設置位置を説明する模式図である。 温度センサの設置位置の変形例を示す断面図である。 1つの温度センサを設けた空調室内機10の断面図である。 1台の空調室外機に複数台の空調室内機が接続されている空調システムの構成図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
<実施形態例>
(1)全体構成
図1、図2を用いて空調室内機10の全体構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る空調室内機の斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係る空調室内機の断面図である。
本発明の一実施形態に係る空調室内機10は壁掛けタイプであり、本体ケーシング11、熱交換器13、室内ファン15、第1フレーム17、第2フレーム27、フィルタ25及び制御部41が搭載されている。
本体ケーシング11は、前面グリル11a及び前面パネル11bを有し、取付板11cを介して設置側壁45(図3参照)に取り付けられる。前面グリル11a、前面パネル11b及び第1フレーム17によって形成される立体空間内に、熱交換器13、室内ファン15、フィルタ25及び制御部41が収まっている。第1フレーム17の背面には、取付板11cとの間に第2フレーム27が設けられている。前面パネル11bは、前面グリル11aの前面を覆っており、上端が前面グリル11aに回動自在に支持され、ヒンジ式に動作することができる。
熱交換器13は、通過する空気との間で熱交換を行う。また、熱交換器13は、側面視において両端が下方に向いて屈曲する逆V字状の形状を成し、第1フレーム17に取り付けられている。
室内ファン15は熱交換器13の下方に位置する。室内ファン15は、クロスフローファンであり、室内から取り込んだ空気を、熱交換器13に当てて通過させた後、室内に吹き出す。
本体ケーシング11の下面部には、吹出口19が設けられている。吹出口19には、吹出口19から吹き出される空気を案内するフラップ29が回動自在に取り付けられている。フラップ29は、モータ(図示せず)によって駆動し、空気の吹出方向を変更するだけでなく、吹出口19を開閉することもできる。吹出口19は、吹出経路18を介して本体ケーシング11の内部と繋がっており、熱交換器13において熱交換された空気を吹き出す。吹出経路18は吹出口19から第1フレーム17に沿って形成されている。
さらに本体ケーシング11の下面部には、下吸込口21が吹出口19よりも壁側に設けられている。下吸込口21は、第1フレーム17と第2フレーム27との下部の開口により形成されており、下吸込経路16を介して本体ケーシング11の内部と繋がっている。下吸込口21には、開閉機構32の回動により下吸込口21を開閉するシャッター31が設けられている。下吸込経路16は、第1フレーム17と第2フレーム27との間に沿って形成されている。よって、下吸込経路16は、第1フレーム17を挟んで吹出経路18と隣接している。
第1フレーム17には連通口17eが設けられており、第2フレーム27は、連通口17eを覆うように第1フレーム17の背面側から装着されている。よって、下吸込口21近傍の室内空気は、室内ファン15の稼動によって下吸込口21及び下吸込経路16、連通口17e、フィルタ25及び熱交換器13を経て室内ファン15に吸い込まれ、室内ファン15から吹出経路18を経て吹出口19から吹き出される。
本体ケーシング11の前面グリル11aと熱交換器13との間にはフィルタ25が配置されている。フィルタ25は、熱交換器13に向って流入してくる空気に含まれる塵埃を除去する。
前面グリル11aの前上部には、上吸込口22が設けられている。上吸込口22からフィルタ25までの経路が上吸込経路20であり、上吸込口22は上吸込経路20を介して本体ケーシング11の内部と繋がっている。上吸込口22近傍の室内空気は、室内ファン15の稼動によって上吸込口22、上吸込経路20、フィルタ25及び熱交換器13を経て室内ファン15に吸い込まれ、室内ファン15から吹出経路18を経て吹出口19から吹き出される。
上部温度センサ50及び下部温度センサ51は空気の温度を測定するためのセンサである。上部温度センサ50は上吸込経路20のうち上吸込口22の近傍に設けられており、上吸込口22から吸い込まれた空気の温度を測定する。下部温度センサ51は下吸込経路16の例えば中間付近に設けられており、下吸込口21から吸い込まれた空気の温度を測定する。
制御部41は、本体ケーシング11の前方部分に収まっており、吹出口19の開度調節、下吸込口21の開度調節及び室内ファン15の回転数制御のための指令を行う。
(2)制御部の構成
暖房運転時は、吹出口19から吹き出される空気は室温よりも高いために、暖められた暖気が室内の上部に溜まる。一般的に空調室内機10は室内上部に設けられており、上吸込口22からは室内上部に溜まった暖気が吸い込まれる。この暖気の温度を上部温度センサ50が測定してしまうと室温の誤検出が発生してしまう。また、暖房運転時に吹出口19の開閉を行うフラップ29が下向きに開いている場合、下部温度センサ51が下吸込口21からの空気の温度を測定した場合も誤検出が発生し得る。なぜなら、フラップ29に沿って吹出口19から下向きに吹き出された空気が直に下吸込口21に吸い込まれる現象(いわゆるショートサーキット)が発生し得るからである。
そこで、制御部41は、暖房運転時においてフラップ29の角度に応じて下吸込口21の開閉を制御する。そして、制御部41は、フラップ29の角度に応じて、上部温度センサ50が測定した温度又は下部温度センサ51が測定した温度のいずれかを室温と推定し、推定した室温及び設定温度に基づいて室温を制御する。
このような制御を行う制御部41の機能構成及びハードウェア構成について図3を用いて以下に説明する。図3は制御部の機能構成及びハードウェア構成を示すブロック図である。
制御部41は、CPU(Central Processing Unit)60、RAM(Random Access Memory)61及びROM(Read Only Memory)62を有している。
ROM62は、空調室内機10の全体を制御するための制御プログラム74を格納している。
RAM61は閾値角度テーブル73を有している。閾値角度テーブル73には、フラップ29の角度θfとの比較対象となる閾値角度θthが記憶されている。その他、RAM61は、上部温度センサ50及び下部温度センサ51が測定した温度、フラップ29の角度θf、シャッター31の開閉状態、冷房及び暖房などの運転状態などの情報を記憶している。また、RAM61は、CPU60がROM62から読み出した制御プログラムを一時的に記憶し、CPU60が各種機能を実行するための作業領域を提供する。
CPU60は、開閉制御部71及び室温制御部72を含む。開閉制御部71は室温制御部72からの制御に応じて、開閉機構32を駆動させて下吸込口21のシャッター31を開閉する。また、開閉制御部71は、使用者の要求に応じてシャッター31を開閉することもできる。
室温制御部72は室温制御の全般を行う。特に、暖房運転時においては、室温制御部72は、フラップ29と鉛直方向下方とのなす角度θfと、所定の閾値角度θthとを比較し、比較結果に基づいて上部温度センサ50が測定した温度又は下部温度センサ51が測定した温度のいずれかを室温と推定する。具体的には、室温制御部72は、フラップ29の角度θfが所定の閾値角度θthよりも大きい場合には、下吸込経路16の下部温度センサ51により測定した温度を室温と推定して室温制御を行う。一方、室温制御部72は、フラップ29の角度θfが所定の閾値角度θthよりも小さい場合には、上吸込経路20の上部温度センサ50により測定した温度を室温と推定して室温制御を行う。
さらに、室温制御部72は、暖房運転時において室温を推定する際に、フラップ29の角度θfに基づいて下吸込口21のシャッター31の開閉を制御する。図4及び図5を用いてこのようなシャッター31の開閉制御について説明する。図4は、フラップの角度θfが所定の閾値角度θthよりも大きい場合にシャッターが開かれている様子を示す模式図である。図5は、フラップの角度θfが所定の閾値角度θth以下である場合にシャッターが閉じられている様子を示す模式図である。
図4に示すように、フラップ29と鉛直方向下方とのなす角度θfが所定の閾値角度θthよりも大きい場合には、吹出経路18からの空気は、吹出口19からフラップ29に沿って前方方向(矢印参照)に吹き出される。よって、吹出口19から吹き出された空気が直に下吸込口21に吸い込まれるショートサーキットは発生しにくい。また、暖房運転時には室内上部に暖気が溜まり、上吸込口22から暖気が吸い込まれやすくなっている。そこで、室温制御部72は、フラップ29の角度θfが所定の閾値角度θthよりも大きい場合には、開閉制御部71を制御して下吸込口21のシャッター31開く。これにより、下部温度センサ51は下吸込口21から吸い込まれた空気の温度を測定することができる。そして、室温制御部72は、下部温度センサ51が測定した温度を室温と推定する。
一方、図5に示すように、フラップ29と鉛直方向下方とのなす角度θfが所定の閾値角度θth以下の場合には、吹出経路18からの空気は、吹出口19からフラップ29に沿って下方向(矢印参照)に吹き出される。よって、吹出口19から吹き出された空気が直に下吸込口21に吸い込まれるショートサーキットが発生しやすい。そこで、室温制御部72は、フラップ29の角度θfが所定の閾値角度θth以下の場合には、開閉制御部71を制御して下吸込口21のシャッター31閉じる。これにより下吸込口21からは空気が取り込まれないのでショートサーキットを防止することができる。この場合には、室温制御部72は、上部温度センサ50が測定した温度を室温と推定する。
(3)処理の流れ
次に、図6を用いて空調室内機の制御部が実行する処理の流れについて説明する。図6は、制御部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1:室温制御部72は暖房運転されているか否かを判定する。例えば室温制御部72はRAM61に記憶されている運転状態に基づいて、暖房運転の有無を判定する。暖房運転されている場合(Yes)にはステップS2が実行される。一方、暖房運転されていない場合(No)には室温制御部72は待機する。
ステップS2:室温制御部72はRAM61からフラップ29の角度θfを読み出し、閾値角度テーブル73の所定の閾値角度θthと比較する。角度θfが所定の閾値角度θthよりも大きい場合(Yes)にはステップS3が実行される。一方、角度θfが所定の閾値角度θth以下の場合(No)にはステップS6が実行される。
ステップS3:室温制御部72はRAM61を参照して、下吸込口21のシャッター31が閉じているか否かを判定する。シャッター31が閉じている場合(Yes)にはステップS4が実行される。一方、シャッター31が開いている場合(No)にはステップS5が実行される。
ステップS4:室温制御部72は開閉制御部71を制御して閉じているシャッター31開く。
ステップS5:下吸込口21のシャッター31が開かれており、下部温度センサ51は下吸込口21から吸い込まれた空気の温度を測定している。室温制御部72は、下部温度センサ51により測定した温度を室温と推定して室温制御を行う。
ステップS6:室温制御部72はRAM61を参照して、下吸込口21のシャッター31が閉じているか否かを判定する。シャッター31が開いている場合(No)にはステップS7が実行される。一方、シャッター31が閉じている場合(Yes)にはステップS8が実行される。
ステップS7:室温制御部72は開閉制御部71を制御して開いているシャッター31閉じる。
ステップS8:下吸込口21のシャッター31が閉じられており、上部温度センサ50は上吸込口22から吸い込まれた空気の温度を測定している。室温制御部72は、上部温度センサ50により測定した温度を室温と推定して室温制御を行う。
(4)特徴
(4−1)
暖房運転時は、吹出口19から吹き出される空気は室温よりも高いために、暖められた暖気が室内の上部に溜まる。一般的に空調室内機10は室内上部に設けられており、上吸込口22からは室内上部に溜まった暖気が吸い込まれる。この暖気の温度を温度センサが測定してしまうと室温の誤検出が発生してしまう。
そこで、空調室内機10は、本体ケーシング11下部の下吸込口21から吸い込まれた空気の温度を下部温度センサ51により測定することで正しい室温を検出する。よって、暖房運転時に室内上部に溜まった暖気の温度を測定してしまうことによる室温の誤検出を抑制できる。
(4−2)
上吸込経路20には上部温度センサ50が設けられており、下吸込経路16には下部温度センサ51が設けられている。よって、上吸込口22から吸い込まれた空気及び下吸込口21から吸い込まれた空気の温度をそれぞれ別個に測定することができる。
(4−3)
通常の暖房運転時には、室内上部に溜まった暖気の温度を測定しないように、開閉制御部71は下吸込口21のシャッター31を開き、本体ケーシング11下部の下吸込口21から吸い込まれた空気の温度が室温として測定される。一方、暖房運転時において、吹出口のフラップ29が下向きに開いている場合には、開閉制御部71は下吸込口21のシャッター31を閉じてショートサーキットの影響を避ける。このとき、本体ケーシング11前部及び/又は上部の上吸込口22から吸い込まれた空気の温度が室温として測定される。
(4−4)
暖房運転時においては、室温制御部72は、フラップ29と鉛直方向下方とのなす角度θfと、所定の閾値角度θthとを比較し、比較結果に基づいて上部温度センサ50が測定した温度又は下部温度センサ51が測定した温度のいずれかを室温と推定する。具体的には、室温制御部72は、フラップ29の角度θfが所定の閾値角度θthよりも大きい場合には、下吸込経路16の下部温度センサ51により測定した温度を室温と推定して室温制御を行う。一方、室温制御部72は、フラップ29の角度θfが所定の閾値角度θthよりも小さい場合には、上吸込経路20の上部温度センサ50により測定した温度を室温と推定して室温制御を行う。
(4−5)
空調システム100においては、1台の空調室外機80に複数台の空調室内機10が接続され得る。このような空調システム100において、複数台の空調室内機10のうち一部の空調室内機10のみが暖房運転している場合がある。運転されていない非運転の空調室内機10は暖房運転されていないものの、その配管81には、運転されている空調室内機10により暖められた冷媒が一の空調室外機80を通じて供給されている。よって、非運転の空調室内機10が設けられた室内の上部には暖気が溜まっている。そこで、非運転の空調室内機10は、暖気による室温の誤検出を抑制するため、暖房運転の開始時は下吸込口21から吸い込まれた空気の温度を測定することで室温を検出する。
(5)変形例
(5−1)変形例1A
上記実施形態では、上吸込口22の近傍に上部温度センサ50を設けている。しかし、上部温度センサ50は、上吸込口22から吸い込まれる空気の温度を測定できればその設置位置は上吸込口22の近傍に限定されない。同様に、下部温度センサ51の位置も下吸込口21から吸い込まれる空気の温度を測定できればその位置は限定されない。
図7、図8を用いて具体的に説明する。図7は温度センサの設置位置を説明する模式図である。図8は温度センサの設置位置の変形例を示す断面図である。
上吸込経路20は、上吸込口22から吸い込まれた空気がフィルタ25を介して熱交換器13に至る経路である。一方、下吸込経路16は、下吸込口21から吸い込まれた空気がフィルタ25を介して熱交換器13に至る経路である。また、合流部Aは、上吸込経路20からの空気と下吸込経路16から空気とが合流する領域である。
上部温度センサ50は図7に示される上吸込経路20のいずれかの位置に設けられればよい。ただし、熱交換器13からの輻射熱の影響により上吸込口22から吸い込まれた空気の温度を正確に測定できない可能性がある。よって、上部温度センサ50は熱交換器13からの輻射熱の影響が少ない位置に設けるのが好ましい。さらに、上部温度センサ50そのものの大きさ、上部温度センサ50の接続配線用の空間及び空調室内機10全体の大きさ等を考慮して、上部温度センサ50は上吸込経路20の他の部材が設けられていない空きスペースに設けるのがよい。
例えば、上部温度センサ50の位置は図2に示す位置に限定されず、図8に示すように前面グリル11a、第1フレーム17及びフィルタ25により囲まれた三角形状の領域であってもよい。また、三角形状の領域のうち熱交換器13から離れた角部に上部温度センサ50設けると、熱交換器13からの輻射熱の影響が少ないのでさらに好ましい。
また、下部温度センサ51は下吸込経路16のいずれかの位置に設けられればよい。例えば、図8に示すように下吸込口21の近傍に下部温度センサ51を設けてもよい。ただし、上部温度センサ50と同様に、下吸込経路16の空きスペースのうち、熱交換器13からの輻射熱の影響が少ない位置に下部温度センサ51を設けるのがより好ましい。
上記実施形態では、上部温度センサ50により上吸込口22からの空気の温度を測定し、下部温度センサ51により下吸込口21からの空気の温度を測定するために、各吸込経路毎にそれぞれ温度センサを設けている。よって、上部温度センサ50及び下部温度センサ51は、上吸込口22からの空気と下吸込口21からの空気とが混じり合っている合流部Aを除く位置に配置するのが好ましい。
なお、上記実施形態では2つの温度センサを設けたが、さらに3つ以上の温度センサを設けてもよい。
(5−2)変形例1B
上記実施形態では、上部温度センサ50及び下部温度センサ51の2つの温度センサを設けている。しかし、温度センサは1つであってもよい。図9は1つの温度センサを設けた空調室内機10の断面図である。1つの温度センサ52は、第1フレーム17の連通口17eの近傍に設けられている。つまり、温度センサ52は、図7に示す合流部Aに設けられている。ここで、合流部Aは上吸込経路20からの空気と下吸込経路16から空気が合流する領域である。開閉機構32の回動により下吸込口21を開閉することによって、上吸込経路20からの空気又は下吸込経路16から空気の温度を測定可能である。
例えば、上吸込口22から吸い込まれた空気の温度を測定する場合には、制御部41は開閉機構32を駆動してシャッター31を閉じる。下吸込口21からは空気が取り込まれないため、温度センサ52は上吸込口22から吸い込まれた空気の温度を測定する。一方、下吸込口21から吸い込まれた空気の温度を測定する場合には、制御部41は開閉機構32を駆動してシャッター31を開ける。このとき、下吸込口21から空気が取り込まれているが、上吸込口22からも空気は取り込まれている。そのため合流部Aでは上吸込口22からの空気及び下吸込口21からの空気が混ざり合う。しかし、温度センサ52は連通口17eの近傍に設けられているため、概ね下吸込口21からの空気の温度に近い温度を測定可能である。
このように温度センサが1つの場合には、温度センサを複数設ける場合よりも、温度センサの個数及び温度センサまでの配線経路の削減などにより、温度センサの設置に必要なスペース及び製造コストを削減できる。
(5−3)変形例1C
上記実施形態では、1台の空調室外機80に接続されている空調室内機10の数は特定されていない。しかし、1台の空調室外機80に1台の空調室内機10のみが接続されてもよいし、複数台の空調室内機10が接続されてもよい。
以下に、1台の空調室外機80に複数台の空調室内機10が接続されている場合に本実施形態を適用する例を説明する。図10は1台の空調室外機に複数台の空調室内機が接続されている空調システムの構成図である。
図10に示すように、空調システム100は、1台の空調室外機80と、空調室外機80に配管81を介して接続されている複数台の空調室内機10a、10b・・・と、を含む。このような空調システム100においては、複数台の空調室内機10のうち一部の空調室内機10のみが暖房運転している場合がある。非運転の空調室内機10は暖房運転されていないものの、その配管81には、運転されている空調室内機10により暖められた冷媒が一の空調室外機80を通じて供給されている。よって、非運転の空調室内機10が設けられた室内の上部には暖気が溜まっている。そこで、非運転の空調室内機10は、暖気による室温の誤検出を抑制するため、暖房運転の開始時は下吸込口21から吸い込まれた空気の温度を測定することで室温を検出する。
(5−4)変形例1D
上記実施形態では、制御部41は、フラップ29の角度に応じて、上部温度センサ50が測定した温度又は下部温度センサ51が測定した温度のいずれかを室温と推定して制御を行う。しかし、制御部41は、上部温度センサ50が測定した温度と、下部温度センサ51が測定した温度との温度差を比較し、比較結果に応じていずれの温度を室温とするかを推定してもよい。
例えば、暖房運転時において、制御部41の開閉制御部71は下吸込口21のシャッター31を開くように開閉機構32を制御する。よって、上部温度センサ50は上吸込口22からの空気の温度を測定し、下部温度センサ51は下吸込口21からの空気の温度を測定している。次に、制御部41の室温制御部72は、上部温度センサ50が測定した温度と、下部温度センサ51が測定した温度との温度差を算出する。室温制御部72は、上部温度センサ50が測定した温度が下部温度センサ51が測定した温度よりも所定の閾値温度差以上大きいと判断したとする。この場合、上部温度センサ50は室内上部に溜まった暖気の温度を測定していると考えられる。よって、室温制御部72は、下部温度センサ51が測定した下吸込口21からの空気の温度を室温と推定する。一方、室温制御部72が温度差が所定の閾値温度差より小さいと判断したとする。この場合、室温制御部72は、上部温度センサ50が測定した温度又は下部温度センサ51が測定した温度のいずれを室温と推定する。
以上の通り、本発明によれば室温の誤検出を抑制できる空調室内機を提供することができるので、壁掛け式の空調室内機に有用である。
10 空調室内機
11 本体ケーシング
11a 前面グリル
11b 前面パネル
11c 取付板
13 熱交換器
15 室内ファン
16 下吸込経路 (第1吸込経路)
17 第1フレーム
17e 連通口
18 吹出経路
19 吹出口
20 上吸込経路(第2吸込経路)
21 下吸込口(第1吸込口)
22 上吸込口(第2吸込口)
25 フィルタ
27 第2フレーム
29 フラップ
31 シャッター
32 開閉機構
41 制御部
45 設置側壁
50 上部温度センサ
51 下部温度センサ
52 温度センサ
60 CPU
61 RAM
62 ROM
71 開閉制御部
72 室温制御部
73 閾値角度テーブル
74 制御プログラム
80 空調室外機
81 配管
100 空調システム
特開2001−311530号公報

Claims (5)

  1. 第1吸込口(21)が下部に、第2吸込口(22)が前部及び/又は上部に設けられている本体ケーシング(11)と、
    前記本体ケーシング内に設けられ、前記第1吸込口及び/又は前記第2吸込口から吸い込まれた空気の熱交換を行う熱交換器(13)と、
    前記第1吸込口から前記熱交換器に至る第1吸込経路(16)及び前記第2吸込口から前記熱交換器に至る第2吸込経路(20)に設けられている温度センサと、
    を備える空調室内機(10)。
  2. 前記温度センサは前記第1吸込経路及び前記第2吸込経路それぞれに設けられている、請求項1に記載の空調室内機。
  3. 前記第1吸込口を開閉するシャッター(31)と、
    前記第1吸込口から吸い込まれた空気の温度を測定する場合に、前記シャッターを開く開閉制御部(71)と、
    をさらに備える、請求項1に記載の空調室内機。
  4. 前記本体ケーシングに設けられた吹出口を開閉するフラップ(29)と、
    室温を制御する室温制御部(72)と、をさらに備え、
    前記室温制御部は、
    暖房運転時において、
    前記フラップと鉛直方向下方とのなす角度が、所定の閾値角度よりも大きい場合には、前記第1吸込経路の温度センサにより測定した温度に基づいて室温を制御し、
    前記フラップと鉛直方向下方とのなす角度が、前記閾値角度よりも小さい場合には、前記第2吸込経路の温度センサにより測定した温度に基づいて室温を制御する、請求項2に記載の空調室内機。
  5. 一の空調室外機(80)と、
    前記一の空調室外機に接続されている複数の請求項1に記載の空調室内機と、
    を備える空調システム(100)であって、
    前記複数の空調室内機には、暖房運転されている運転室内機と、運転されていない非運転室内機とが含まれ、前記非運転室内機は、暖房運転を開始する場合、前記第1吸込経路から吸い込まれた空気の温度を測定する、空調システム。
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