本発明は、被乾燥物を加熱して乾燥させるための複数のヒータを備えた乾燥装置及びその制御方法に関する。
従来、この種の乾燥装置を備えたものとしては、インクジェット印刷装置がある。インクジェット印刷装置は、印刷媒体(例えば連続紙)に対してインク滴を吐出するインクジェットヘッドと、インクジェットヘッドと印刷媒体とを相対的に移動させる機構と、印刷媒体に付着したインク滴を乾燥させる乾燥装置とを備えている(例えば特許文献1参照)。
乾燥装置は、印刷媒体、例えば連続紙のインク滴が付着した面およびその反対面のうち少なくとも一方から乾燥処理を行う。乾燥装置は、図15に示すように、例えばヒートドラム(ヒートローラともいう)131を備えている。ヒートドラム131は、予め設定された温度に加熱されている。連続紙WPは、そのインク滴が付着した面の反対側の面がヒートドラム131と接して、ヒートドラム131の外縁131aに巻き付けられる。これにより、インク滴の溶媒が揮発して乾燥が行われる。
ヒートドラム131は、その内部に複数(例えば9本)の加熱用ランプ133a〜135cを備えている。9本の加熱用ランプ133a〜135cは、円筒状に沿って環状に配置されている。加熱用ランプ133a〜135cは、複数で1ユニットを構成し、例えば3本の加熱用ランプで1つのランプユニットを構成する。ヒートドラム131は、例えば3つのランプユニット133,134,135で構成される。これにより、3つのランプユニットを使用する場合、2つのランプユニットを使用する場合、1つのランプユニットを使用する場合の3段階の出力(加熱強度)が設定できるようになっている。
しかしながら、このような構成には次の問題がある。すなわち、例えば3つのランプユニット133,134,135において、使用の優先順位が設定されている。例えば、ランプユニット133は、1つ以上のランプユニットで加熱する際に常に使用するものである。ランプユニット134は、2つ以上のランプユニットで加熱する際に常に使用するものである。そして、ランプユニット135は、3つのランプユニットで加熱する際に使用するものである。すなわち、ランプユニット133,134,135を使用する優先順位は、高い方から、ランプユニット133、ランプユニット134、ランプユニット135の順番に並べられる。
これらのランプユニット133,134,135により、ヒートドラム131を予め設定された温度に加熱する。ランプユニット133,134,135の全てを使用状態(ON)にする。まず、第1の設定温度に達すると優先順位の最も低いランプユニット135をOFFにする。また、第2の設定温度に達するとランプユニット134をOFFにする。そして、第3の設定温度に達すると、ランプユニット133をOFFにすることで、全てOFFになる。そして、温度を一定に保つために、1つのみランプユニットで加熱する場合には、優先順位の高いランプユニット133をONにする。
ランプユニット133,134,135を個別に構成する加熱用ランプ133a〜135cは、点灯時間により寿命が短くなる。ランプユニット133,134,135の一部を偏って使用すると、加熱用ランプ133a〜135cが切れてしまった際に、乾燥装置の仕様を満たす乾燥性能が得られなくなる。そのため、加熱用ランプ133a〜135cの交換が必要となる。加熱用ランプ133a〜135cの交換は、インクジェット印刷装置を停止させて行わなくてはならないので、停止時間を要する。また、個別に加熱用ランプ133a〜135cの交換を行うと、交換頻度が増える。そのため、停止時間が増えると共に、加熱用ランプ交換133a〜135cのメンテナンス費用が増加するという問題が生じる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ヒータの交換による装置の停止時間を削減することが可能な乾燥装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわち、本発明に係る乾燥装置は、被乾燥物を乾燥する乾燥装置において、被乾燥物を加熱する複数のヒータユニットと、前記複数のヒータユニットを使用するときの優先順位を変更する乾燥制御部と、を備えていることを特徴とするものである。
本発明に係る乾燥装置によれば、乾燥制御部は、被乾燥物を加熱する複数のヒータユニットを使用するときの優先順位を変更する。これにより、ヒータユニットを平均的に使用することができる。そのため、ヒータの交換を一度にまとめて行うなど、ヒータの交換による装置の停止時間および交換費用を削減することができる。
また、本発明に係る乾燥装置において、前記複数のヒータユニット毎に設けられ、前記ヒータユニット毎の使用時間を計測する時間計測部を備え、前記乾燥制御部は、前記時間計測部で計測された前記ヒータユニット毎の使用時間に応じて、前記複数のヒータユニットを使用するときの優先順位を変更することが好ましい。ヒータユニット毎に使用時間を測定し、ヒータユニット毎の使用時間に応じて優先順位を変更するので、ヒータユニットをさらに平均的に使用することができる。
また、本発明に係る乾燥装置において、前記乾燥制御部の一例は、前記時間計測部で計測された使用時間が最も短い前記複数のヒータユニットのいずれかを選択して使用状態にすることである。使用時間が最も短いヒータユニットを優先的に選択して使用状態にするので、ヒータユニットを平均的に使用することができる。
また、本発明に係る乾燥装置において、前記乾燥制御部の一例は、前記時間計測部で計測された使用時間が最も長い前記複数のヒータユニットのいずれかを選択して停止状態にすることである。使用時間が最も長いヒータユニットを優先的に選択して停止状態にするので、ヒータユニットを平均的に使用することができる。
また、本発明に係る乾燥装置において、前記ヒータユニットは、複数のヒータで構成されており、前記時間計測部は、前記複数のヒータユニット毎および前記複数のヒータ毎に設けられており、前記乾燥制御部は、さらに、前記時間計測部で計測された複数のヒータ毎の使用時間に応じて、前記ヒータユニットを個別に構成する複数のヒータを使用するときの優先順位を変更することが好ましい。これにより、ヒータ単位で使用した場合でも、ヒータユニットを構成する複数のヒータを平均的に使用することができる。
また、本発明に係る乾燥装置において、前記ヒータユニットは、複数のヒータで構成されており、前記時間計測部は、前記複数のヒータ毎に設けられており、前記乾燥制御部は、前記時間計測部で計測された複数のヒータ毎の使用時間における前記ヒータユニット単位の代表値に応じて、前記複数のヒータユニットを使用するときの優先順位を変更することが好ましい。複数のヒータ毎の使用時間のヒータユニット単位の代表値に応じて、複数のヒータユニットを使用するときの優先順位を変更する。そのため、ヒータユニットを平均的に使用することができる。
また、本発明に係る乾燥装置において、前記乾燥制御部は、さらに、前記時間計測部で計測された複数のヒータ毎の使用時間に応じて、前記ヒータユニットを個別に構成する複数のヒータを使用するときの優先順位を変更することが好ましい。これにより、ヒータ単位で使用した場合でも、ヒータユニットを構成する複数のヒータを平均的に使用することができる。
また、本発明に係る乾燥装置において、前記ヒータユニットは、複数のヒータで構成されており、前記乾燥制御部は、さらに、前記ヒータユニットを個別に構成する複数のヒータを使用するときの優先順位を変更することが好ましい。これにより、ヒータ単位で使用した場合でも、ヒータユニットを構成する複数のヒータを平均的に使用することができる。
また、本発明に係る乾燥装置の一例において、被乾燥物は、印刷装置より印刷されてインクが付着した印刷媒体であり、前記ヒータユニットは、前記印刷媒体のインクが付着した反対側の面が接するヒートドラムを加熱することにより、前記印刷媒体を加熱することである。これにより、印刷装置より印刷されてインクが付着した印刷媒体を乾燥する乾燥装置であって、ヒートドラムを加熱することにより印刷媒体を加熱するものにおいて、ヒータユニットおよびヒータの少なくともいずれかを平均的に使用することができる。
また、本発明に係る乾燥装置の制御方法は、被乾燥物を乾燥する乾燥装置の制御方法において、被乾燥物を加熱する複数のヒータユニットを使用するときの優先順位を変更することを特徴とするものである。
本発明に係る乾燥装置の制御方法によれば、被乾燥物を加熱する複数のヒータユニットを使用するときの優先順位を変更する。これにより、ヒータユニットを平均的に使用することができる。そのため、ヒータの交換を一度にまとめて行うなど、ヒータの交換による装置の停止時間および交換費用を削減することができる。
本発明に係る乾燥装置及びその制御方法によれば、被乾燥物を加熱する複数のヒータユニットを使用するときの優先順位を変更する。これにより、ヒータユニットを平均的に使用することができる。そのため、ヒータの交換を一度にまとめて行うなど、ヒータの交換による装置の停止時間および交換費用を削減することができる。
実施例1に係るインクジェット印刷装置の概略構成図である。
実施例1に係る乾燥部の概略構成図である。
実施例1に係るランプユニット(加熱用ランプ)の制御系を示すブロック図である。
実施例1に係るランプユニット(加熱用ランプ)の動作の一例を示す図である。
実施例1に係るランプユニット(加熱用ランプ)の動作の一例を示す図である。
実施例2に係るランプユニット(加熱用ランプ)の制御系を示すブロック図である。
実施例2に係るランプユニット(加熱用ランプ)の動作の一例を示す図である。
実施例3に係るランプユニット(加熱用ランプ)の制御系を示すブロック図である。
実施例3に係る乾燥制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
実施例3に係るランプユニット(加熱用ランプ)の動作の一例を示す図である。
実施例3に係るランプユニット(加熱用ランプ)の動作の一例を示す図である。
実施例5に係るランプユニット(加熱用ランプ)の動作の一例を示す図である。
変形例に係る乾燥部の概略構成図である。
変形例に係る乾燥部の概略構成図である。
従来の乾燥部の概略構成図である。
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。図1は、実施例1に係るインクジェット印刷装置の概略構成図である。図2は、実施例1に係る乾燥部の概略構成図である。図3は、実施例1に係るランプユニット(加熱用ランプ)の制御系を示すブロック図である。図4および図5は、実施例1に係るランプユニット(加熱用ランプ)の動作の一例を示す図である。
図1を参照する。インクジェット印刷装置1は、シート状の連続紙WPに印刷を行うインクジェット印刷部2と、インクジェット印刷部2に連続紙WPを供給する給紙部3と、印刷を終えた連続紙WPをロール状に巻き取る排紙部4とを備えている。なお、連続紙WPは本発明の被乾燥物および印刷媒体に相当し、インクジェット印刷装置1は、本発明の印刷装置に相当する。
給紙部3は、ロール状の連続紙WPを水平軸周りに回転可能に保持し、インクジェット印刷部2に対して連続紙WPを巻き出して供給する。また、排紙部4は、インクジェット印刷部2で印刷された連続紙WPを水平軸周りに巻き取る。連続紙WPの供給側を上流とし、連続紙WPの排紙側を下流とすると、給紙部3はインクジェット印刷部2の上流側に配置されており、排紙部4はインクジェット印刷部2の下流側に配置されている。
インクジェット印刷部2は、給紙部3からの連続紙WPを取り込むための駆動ローラ7を上流側に備えている。駆動ローラ7によって給紙部3から巻き出された連続紙WPは、駆動機構を有さない回転可能な搬送ローラ9等に沿って下流側の排紙部4に向かって搬送される。後述する検査部21と排紙部4との間には、駆動ローラ11が配置されている。この駆動ローラ11は、後述する検査部21を通過した連続紙WPを排紙部4に向かって送り出す。
インクジェット印刷部2は、駆動ローラ7と駆動ローラ11との間に、エッジ位置制御部13と、駆動ローラ15と、印刷ユニット17と、乾燥部19と、検査部21とを上流側からその順番で備えている。エッジ位置制御部13は、連続紙WPが蛇行すると自動で調整し、連続紙WPが正しい位置に流れるようにする。駆動ローラ15は、一定速度で回転し、他の駆動ローラ7,11および後述するヒートドラム31の回転数の基準となる。なお、乾燥部19は本発明の乾燥装置に相当する。
なお、駆動ローラ7,11,15には、個別にニップローラ23が回転可能に設けられている。ニップローラ23は、連続紙WPを挟んで反対側から駆動ローラ7,11,15を押圧することで、連続紙WPの搬送力を与えている。押圧力は、例えばエアシリンダで与えられる。また、ニップローラ23は、例えばゴム等の弾性体で構成される。
印刷ユニット17は、インク滴を吐出するインクジェットヘッド25を備えている。印刷ユニット17は、連続紙WPの搬送方向(副走査方向)201と直交する連続紙WPの幅方向(主走査方向)202に複数のインクジェットヘッド25が千鳥配列で配置されている。これにより、インクジェットヘッド25を、連続紙WPの搬送方向201と直交する連続紙WPの幅方向202に移動させることなく、位置固定のままで連続紙WPを送りながら連続紙WPに対してインク滴の吐出を行っている。
なお、以下においては、連続紙WPの幅方向202に千鳥配列で配置された複数のインクジェットヘッド25を1つのインクジェットヘッド25として説明する。印刷ユニット17は、連続紙WPの搬送方向に沿って複数個のインクジェットヘッド25が配置されている。例えば、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)について個別に4個のインクジェットヘッド25を備えている。印刷ユニット17には、図示しないインク供給部が接続されており、印刷ユニット17に必要に応じてインク滴を供給する。
乾燥部19は、インクジェットヘッド25から吐出されて連続紙WPに付着したインク滴(インク)を乾燥させる。乾燥部19については後述する。検査部21は、印刷された部分に汚れや抜け等がないか検査する。検査後の連続紙WPは、排紙部4にロール状に巻き取られる。
また、インクジェット印刷装置1は、主制御部27と操作部29とを備えている。主制御部27は、インクジェット印刷装置1の各構成を統括的に制御し、中央演算処理装置(CPU)などで構成される。操作部29は、インクジェット印刷装置1を操作するものであり、例えば、タッチパネルや各種スイッチで構成される。また、操作部29は、パーソナルコンピュータで構成され、マウスやキーボード等で操作を入力するものであってもよい。なお、駆動ローラ7,11,15および後述するヒートドラム31は、図示しないモータやギア等の駆動機構により回転駆動する。
〔乾燥部〕
図2を参照する。乾燥部19は、例えばヒートドラム31を備えている。ヒートドラム31は、上述のように、例えば3つの第1ランプユニット33、第2ランプユニット34、第3ランプユニット35を内部に備えている。第1〜第3ランプユニット33,34,35は、以下適宜、「第1ユニット33」、「第2ユニット34」、「第3ユニット35」と称する。第1〜第3ユニット33,34,35は、内部からヒートドラム31を予め設定された温度に加熱する。ヒートドラム31は、ステンレスなどの金属で構成されている。ヒートドラム31は、連続紙WPのインク滴の付着した面の反対側の面(裏面)と接し、ヒートドラム31の外縁31aに連続紙WPが巻き付けられる。ヒートドラム31は、連続紙WPの裏面側から加熱してインク滴を乾燥させる。なお、第1〜第3ユニット33,34,35は本発明のヒータユニットに相当する。
第1〜第3ユニット33,34,35は、それぞれ複数の加熱用ランプ33a〜33c,34a〜34c,35a〜35cで構成される。すなわち、第1ユニット33は、3本の加熱用ランプ33a,33b,33cで構成される。第2ユニット34は、3本の加熱用ランプ34a,34b,34cで構成される。そして、第3ユニット35は、3本の加熱用ランプ35a,35b,35cで構成される。なお、ユニットおよび加熱用ランプは、3ユニットおよび3本以外の複数で構成されていてもよい。また、加熱用ランプ33a〜35cは本発明のヒータに相当する。
例えば、第1ユニット33の3本の加熱用ランプ33a,33b,33cは、ヒートドラム31の円筒形状に沿ってほぼ等間隔に配置されている。第2・第3ユニット34,35も同様である。加熱用ランプ33a〜35cは、図2に示すように、第1〜第3ユニット33,34,35毎に順番に配置されている。なお、加熱用ランプ33a〜35cは、図2以外の順番に配置されていてもよい。また、加熱用ランプ33a〜35cは、例えばハロゲンランプなどの赤外線等を照射するランプで構成される。非接触の温度センサ37は、回転駆動するヒートドラム31の外縁31aの表面温度を測定する。なお、符号203は、連続紙WPの搬送経路を示す。
図3を参照する。第1〜第3ユニット33,34,35は、乾燥制御部39により制御される。乾燥制御部39は、乾燥部19に設けられ、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)等で構成される。乾燥制御部39は、第1〜第3ユニット33,34,35を使用する優先順位を変更する。具体的には、乾燥制御部39は、第1〜第3ユニット33,34,35のうち少なくともいずれかを使用状態(ON)にし、全てを停止状態(OFF)にした場合に、優先順位を変更する。なお、初期の優先順位は、例えば、高い方から、第1ユニット33、第2ユニット34、第3ユニット35の順番になっているものとする。
次に、インクジェット印刷装置1の乾燥部19の動作を説明する。図1を参照する。駆動ローラ7,9,15およびヒートドラム31(図2)により連続紙WPが搬送される。連続紙WPは、印刷ユニット17を通過した際に、インクジェットヘッド25によりインク滴が吐出されて印刷される。この状態では、インク滴が連続紙WPに定着しておらず、インク滴が付着した連続紙WPは、乾燥部19に搬送される。
図2に示す乾燥部19において、連続紙WPは、その裏面がヒートドラム31と接して、ヒートドラム31の外縁31aに巻き付けられた状態で搬送される。このとき、ヒートドラム31は、予め設定された温度に加熱されているので、連続紙WPは、裏面側から加熱されて乾燥が行われる。
次に、ヒートドラム31の内部に設けられた第1〜第3ユニット33,34,35により、予め設定された温度まで加熱する場合の動作の一例を説明する。ヒートドラム31の連続紙WPと接する外縁31aの表面温度は、図2に示す非接触式の温度センサ37で計測される。図4は、縦軸に温度を示し、横軸に時間を示す。図5は、図4の温度に応じた第1〜第3ユニット33,34,35の動作の一例を示す図である。図5は、横軸に時間を示す。図5において、第1〜第3ユニット33,34,35は、ONで使用状態を示し、OFFで停止状態を示す。
なお、図4において、時間t0と時間t1との間、時間t2と時間t3との間、時間t4と時間t5との間、時間t6と時間t7との間、時間t8以降の領域は、斜線で示す。図5に示す斜線は、図4に示す斜線に対応するものとする。なお、後述する図7に示す斜線は、図4に示す斜線と対応するものとする。
乾燥制御部39は、第1〜第3ユニット33,34,35を制御して、予め設定された温度T3までヒートドラム31を加熱させる。加熱の途中には、加熱を緩やかにするために、設定温度T1およびT2が設けられている。初期の優先順位は、高い方から、第1ユニット33、第2ユニット34、第3ユニット35の順番になっているものとする。優先順位は、「第1、第2、第3」→「第2、第3、第1」→「第3、第1、第2」→「第1、第2、第3」→・・・と、循環するように乾燥制御部39により制御される。
時間t0〜t3までは、予め設定された温度T3まで加熱する工程であり、時間t3〜t8は、温度T3を一定の状態に保つための工程である。
時間t0において、第1〜第3ユニット33,34,35の全てをONにして加熱を開始する。時間t1において、ヒートドラム31が温度T1に達すると、優先順位の低い第3ユニット35をOFFにし、加熱強度を弱くする。時間t2において、ヒートドラム31が温度T2に達すると、次に優先順位の低い第2ユニット34をOFFにし、加熱強度を弱くする。時間t3において、ヒートドラム31が温度T3に達すると、第1ユニット33をOFFにし、全ての加熱を停止する。
ここで、乾燥制御部39は、第1〜第3ユニット33,34,35の全てがOFFになったので、優先順位を変更する。すなわち、乾燥制御部39は、優先順位を、「第1ユニット33、第2ユニット34、第3ユニット35」から、「第2ユニット34、第3ユニット35、第1ユニット33」に変更する。時間t4において、ヒートドラム31が温度T3を下回ったので、優先順位の高い第2ユニット34をONにし、加熱を開始する。時間t5において、ヒートドラム31が温度T3に達すると、第2ユニット34をOFFにし、全ての加熱を停止する。
また、ここで、乾燥制御部39は、優先順位を、「第2ユニット34、第3ユニット35、第1ユニット33」から、「第3ユニット35、第1ユニット33、第2ユニット34」に変更する。時間t6において、ヒートドラム31が温度T3を下回ったので、優先順位の高い第3ユニット35をONにし、加熱を開始する。時間t7において、ヒートドラム31が温度T3に達すると、第3ユニット35をOFFにし、全ての加熱を停止する。
また、ここで、乾燥制御部39は、優先順位を、「第3ユニット35、第1ユニット33、第2ユニット34」から、「第1ユニット33、第2ユニット34、第3ユニット35」に変更する。これにより、優先順位が循環される。
なお、乾燥制御部39は、仮に1つずつ第1〜第3ユニット33,34,35をONにする場合、優先順位の高いものからONにする。例えば、優先順位が、「第1ユニット33、第2ユニット34、第3ユニット35」の場合は、乾燥制御部39は、第1ユニット33、第2ユニット34、第3ユニット35の順番にONにする。
本実施例によれば、乾燥制御部39は、連続紙WPを加熱する第1〜第3ユニット33,34,35を使用するときの優先順位を変更する。すなわち、乾燥制御部39は、第1〜第3ユニット33,34,35のうち少なくともいずれかをONにし、全てをOFFにした場合に使用する優先順位を変更する。これにより、第1〜第3ユニット33,34,35を平均的に使用することができる。そのため、加熱用ランプ33a〜35cの交換を一度にまとめて行うなど、加熱用ランプ33a〜35cの交換による装置の停止時間および交換費用を削減することができる。
次に、図面を参照して本発明の実施例2を説明する。図6は、実施例2に係るランプユニット(加熱用ランプ)の制御系を示すブロック図である。図7は実施例2に係るランプユニット(加熱用ランプ)の動作の一例を示す図である。なお、実施例1と重複する説明は省略する。
図6を参照する。乾燥部19は、第1〜第3ユニット33,34,35と、乾燥制御部39とを備え、さらに、時間カウンタ43,44,45を備えている。すなわち、乾燥部19は、第1〜第3ユニット33,34,35毎に設けられ、第1〜第3ユニット33,34,35毎の使用時間を計測する時間カウンタ43,44,45を備えている。
時間カウンタ43は、第1ユニット33の使用時間(点灯時間)を計測(カウント)する。時間カウンタ44は、第2ユニット34の使用時間を計測する。時間カウンタ45は、第3ユニット35の使用時間を計測する。使用時間は、積算の使用時間である。時間カウンタ43〜45は、例えば、自ら使用時間を計測して使用時間(積算時間)を記憶するもの、あるいは、計測された使用時間を積算して記憶するもので構成される。なお、時間カウンタ43,44,45は本発明の時間計測部に相当する。
乾燥制御部39は、時間カウンタ43,44,45で計測された第1〜第3ユニット33,34,35毎の使用時間に応じて、第1〜第3ユニット33,34,35を使用するときの優先順位を変更する。
具体的には、乾燥制御部39は、時間カウンタ43,44,45で計測された使用時間が最も短い第1〜第3ユニット33,34,35のいずれかを選択して使用状態(ON)にする。また、乾燥制御部39は、時間カウンタ43,44,45で計測された使用時間が最も長い第1〜第3ユニット33,34,35のいずれかを選択して停止状態(OFF)にする。
次に、ヒートドラム31の内部に設けられた第1〜第3ユニット33,34,35により、予め設定された温度まで加熱する場合の動作の一例を説明する。図7を参照する。
時間t0において、第1〜第3ユニット33,34,35の全てをONにして加熱を開始する。時間t1において、ヒートドラム31が温度T1に達すると、乾燥制御部39は、時間カウンタ43,44,45で計測された使用時間が最も長い第1〜第3ユニット33,34,35のいずれかを選択してOFFにする。このとき、例えば、第3ユニット35の使用時間が最も長いとする。乾燥制御部39は、第3ユニット35を選択してOFFにする。これにより、加熱強度が弱くなる。
時間t2において、ヒートドラム31が温度T2に達すると、同様に、乾燥制御部39は、使用時間が次に長い第1・第2ユニット33,34のいずれかを選択してOFFにする。このとき、例えば、第2ユニット34の使用時間が長いとする。乾燥制御部39は、第2ユニット34を選択してOFFにする。時間t3において、ヒートドラム31が温度T3に達すると、第1ユニット33をOFFにし、全ての加熱を停止する。
時間t4において、ヒートドラム31が温度T3を下回ったので、第1〜第3ユニット33,34,35のいずれか1つを選択して加熱する。乾燥制御部39は、時間カウンタ43,44,45で計測された使用時間が最も短い第1〜第3ユニット33,34,35のいずれかを選択してONにする。このとき、例えば、第3ユニット35の使用時間が最も短いとする。乾燥制御部39は、第3ユニット35を選択してONにする。時間t5において、ヒートドラム31が温度T3に達すると、第3ユニット35をOFFにし、全ての加熱を停止する。
時間t6において、ヒートドラム31が温度T3を下回ったので、同様に、第1〜第3ユニット33,34,35のいずれか1つを選択して加熱する。このとき、例えば、第2ユニット34の使用時間が最も短いとする。乾燥制御部39は、第2ユニット34を選択してONにする。時間t7において、ヒートドラム31が温度T3に達すると、第3ユニット35をOFFにし、全ての加熱を停止する。時間t8以降も同様の処理が行われる。図7において、時間t8では、第3ユニット35が選択されている。
なお、乾燥制御部39は、仮に1つずつ第1〜第3ユニット33,34,35をONにする場合、優先順位の高いものからONにする。例えば、使用時間が最も短い第1ユニット33をONにし、使用時間が次に短い第2ユニット34をONにし、使用時間の最も長い第3ユニット35を最後にONにする。また、図7において、例えば、時間カウンタ44は、第2ユニット44がONになっている期間、時間t0と時間t2との間、および時間t6と時間t7との間で使用時間(積算時間)を計測するように乾燥制御部39により制御される。
本実施例によれば、第1〜第3ユニット33,34,35毎に設けられ、第1〜第3ユニット33,34,35毎の使用時間を計測する時間カウンタ43〜45を備えている。乾燥制御部39は、時間カウンタ43〜45で計測された第1〜第3ユニット33,34,35毎の使用時間に応じて、第1〜第3ユニット33,34,35を使用するときの優先順位を変更する。第1〜第3ユニット33,34,35毎に使用時間を測定し、第1〜第3ユニット33,34,35毎の使用時間に応じて優先順位を変更するので、第1〜第3ユニット33,34,35をさらに平均的に使用することができる。
すなわち、加熱用ランプ33a〜35cは、点灯時間により寿命が短くなる。そのため、第1〜第3ユニット33,34,35単位で使用時間を管理することにより、第1〜第3ユニット33,34,35を実施例1よりもさらに平均的に使用することができる。
また、乾燥制御部39は、時間カウンタ43〜45で計測された使用時間が最も短い第1〜第3ユニット33,34,35のいずれかを選択して使用状態にする。使用時間が最も短いユニットを優先的に選択して使用状態(ON)にするので、第1〜第3ユニット33,34,35を平均的に使用することができる。
また、乾燥制御部39は、時間カウンタ43〜45で計測された使用時間が最も長い第1〜第3ユニット33,34,35のいずれかを選択して停止状態にする。使用時間が最も長いユニットを優先的に選択して停止状態(OFF)にするので、第1〜第3ユニット33,34,35を平均的に使用することができる。
次に、図面を参照して本発明の実施例3を説明する。図8は、実施例3に係るランプユニット(加熱用ランプ)の制御系を示すブロック図である。図9は、実施例3に係る乾燥制御部の動作の一例を示すフローチャートである。図10および図11は、実施例3に係るランプユニット(加熱用ランプ)の動作の一例を示す図である。なお、各実施例と重複する説明は省略する。
実施例2では、第1〜第3ユニット33,34,35毎に使用時間を計測していた。しかしながら、実施例3では、第1〜第3ユニット33,34,35毎に加えて、第1〜第3ユニット33,34,35を構成する加熱用ランプ33a〜35c毎に使用時間を計測する。
図8を参照する。上述のように、第1〜第3ユニット33,34,35は、それぞれ複数(例えば3本)の加熱用ランプ33a〜33c,34a〜34c,35a〜35cで構成されている。時間カウンタ43,44,45,43a〜45cは、3つの第1〜第3ユニット毎、および3本の加熱用ランプ33a〜35c毎に設けられている。例えば、第1ユニット33において、第1ユニット33の使用時間を計測する時間カウンタ43が設けられている。これに加え、加熱用ランプ33aには時間カウンタ43aが、加熱用ランプ33bには時間カウンタ43bが、加熱用ランプ33cには時間カウンタ43cが、個別に設けられている。
時間カウンタ43,44,45は、時間カウンタ43a〜45cと重複して計測する。例えば、第1ユニット33内の加熱用ランプ33aのみが使用されている場合、時間カウンタ43aは、加熱用ランプ33aの使用時間(積算時間)を計測する。これと共に、時間カウンタ43は、加熱用ランプ33aを含む第1ユニット33の使用時間(積算時間)を計測する。
加熱用ランプ33a〜33c,34a〜34c,35a〜35cを個別に点灯させることにより、加熱強度を細かく調整することができる。また、個別に点灯させることで使用時間に偏りが生じてしまう。これを抑えるために、乾燥制御部39により点灯時間管理を行う。
乾燥制御部39は、図9に示すように、時間カウンタ43,44,45で計測された第1〜第3ユニット33,34,35毎の使用時間に応じて、第1〜第3ユニット33,34,35を使用するときの優先順位を変更する。すなわち、第1〜第3ユニット33,34,35のいずれかを選択する(ステップS01)。そして、乾燥制御部39は、さらに、時間カウンタ43a〜45cで計測された加熱用ランプ33a〜35c毎の使用時間に応じて、例えば、第1ユニット33を構成する加熱用ランプ33a〜33cを使用するときの優先順位を変更する。例えば、第1ユニット33を構成する加熱用ランプ33a〜33cのいずれかを選択する(ステップS02)。
また、例えば、第1ユニット33を使用する場合において、乾燥制御部39は、時間カウンタ43a〜43cで計測された使用時間が最も短い加熱用ランプ33a〜33cのいずれかを選択して使用状態(ON)にする。また、乾燥制御部39は、時間カウンタ43a〜43cで計測された使用時間が最も長い加熱用ランプ33a〜33cのいずれかを選択して停止状態(OFF)にする。なお、第2・第3ユニット34、35を使用する場合も同様とする。
次に、第1〜第3ユニット33,34,35の加熱用ランプ33a〜35cにより、予め設定された温度まで加熱する場合の動作の一例を説明する。図10は、上述の図4の温度T2と温度T3との間をさらに細かく制御するために、設定温度T31,T32,T33(T31<T32<T33(=T3))が設けられている。
なお、図10において、時間t0と時間t1との間、時間t2と時間t31との間、時間t32と時間t33との間、時間t4と時間t5との間、時間t6と時間t7との間、時間t8以降の領域は、斜線で示す。図11に示す斜線は、図10に示す斜線に対応するものとする。なお、後述する図12に示す斜線は、図10に示す斜線と対応するものとする。
時間t2までは、実施例2の通りである。すなわち、第2・第3ユニット34,35がOFFとなり、第1ユニット33のみが使用状態(ON)である。時間t31において、ヒートドラム31が温度T31に達すると、乾燥制御部39は、第1ユニット33を選択し、第1ユニット33の加熱用ランプ33a〜33cの使用時間に応じて、使用時間が最も長い加熱用ランプ33a〜33cのいずれかを選択してOFFにする。すなわち、時間t31において、使用時間が最も長い加熱用ランプ33cをOFFにする。
また、時間t32においてヒートドラム31が温度T32に達すると、加熱用ランプ33a,33bのうち使用時間が長い加熱用ランプ33bを選択してOFFにする。そして、時間t33において、ヒートドラム31が温度T33(=T3)に達すると、加熱用ランプ33aをOFFにし、全ての加熱を停止する。
時間t4において、ヒートドラム31が温度T3を下回ったので、例えば、第1〜第3ユニット33,34,35のいずれか1つであって、加熱用ランプ33a〜35cのいずれか1つを加熱する。
乾燥制御部39は、時間カウンタ43,44,45で計測された第1〜第3ユニット33,34,35毎の使用時間に応じて、第1〜第3ユニット33,34,35を使用するときの優先順位を変更する。また、乾燥制御部39は、さらに、時間カウンタ43a〜45cで計測された加熱用ランプ33a〜35c毎の使用時間に応じて、第1〜第3ユニット33,34,35を個別に構成する加熱用ランプ33a〜35cを使用するときの優先順位を変更する。
時間t4では、第1〜第3ユニット33,34,35のうち、使用時間が最も短い第3ユニット35を選択し、加熱用ランプ35a〜35cのうち、使用時間が最も短い加熱用ランプ35cを選択してONにする。加熱用ランプ35cによる加熱は、時間t5のヒートドラム31が温度T33まで達するまで行われる。
時間t6では、同様に、第1〜第3ユニット33,34,35のうち、使用時間が最も短い第2ユニット34を選択し、加熱用ランプ34a〜34cのうち、使用時間が最も短い加熱用ランプ34bを選択してONにする。加熱用ランプ35cによる加熱は、時間t7のヒートドラム31が温度T33まで達するまで行われる。また、時間t8では、同様に、乾燥制御部39は、使用時間の最も短い第3ユニット35を選択し、使用時間の最も短い加熱用ランプ35cを選択してONにする。
本実施例によれば、第1〜第3ユニット33,34,35は、それぞれ加熱用ランプ33a〜33c,34a〜34c,35a〜35cで構成されている。時間カウンタ43〜45,43a〜45cは、第1〜第3ユニット33,34,35毎、および加熱用ランプ34a〜34c毎に設けられている。乾燥制御部39は、時間カウンタ43,44,45で計測された第1〜第3ユニット33,34,35毎の使用時間に応じて、第1〜第3ユニット33,34,35を使用するときの優先順位を変更する。これに伴い、乾燥制御部39は、さらに、時間カウンタ43a〜45cで計測された加熱用ランプ33a〜35c毎の使用時間に応じて、例えば第1ユニット33を個別に構成する加熱用ランプ33a〜33cを使用するときの優先順位を変更する。これにより、加熱ランプ33a〜35c単位で使用した場合でも、第1〜第3ユニット33,34,35を個別に構成する加熱ランプ33a〜35cを平均的に使用することができる。
次に、本発明の実施例4を説明する。なお、各実施例と重複する説明は省略する。実施例3では、時間カウンタ43,44,45,43a〜45cは、3つの第1〜第3ユニット毎、および3本の加熱用ランプ33a〜35c毎に設けられていた。しかしながら、時間カウンタ43,44,45を設けないようにしてもよい。
すなわち、乾燥制御部39は、時間カウンタ43a〜45cで計測された9本の加熱用ランプ33a〜35c毎の使用時間における第1〜第3ユニット33,34,35単位の代表値に応じて、第1〜第3ユニット33,34,35を使用するときの優先順位を変更する。すなわち、乾燥制御部39は、第1ユニット33の加熱用ランプ33a〜33c毎の使用時間の代表値、第2ユニット34の加熱用ランプ34a〜34c毎の使用時間の代表値、および第3ユニット35の加熱用ランプ35a〜35c毎の使用時間の代表値に応じて、第1〜第3ユニット33,34,35を使用するときの優先順位を変更する。代表値は、例えば、最大値や最小値、平均値、中央値などが用いられる。
例えば、乾燥制御部39は、使用時間の平均値が最も短い第1〜第3ユニット33,34,35のいずれかを選択してONにするように制御してもよい。また、乾燥制御部39は、使用時間の平均値が最も長い第1〜第3ユニット33,34,35のいずれかを選択してOFFにするように制御してもよい。
動作の説明は、実施例3の通りである。しかしながら、第1〜第3ユニット33,34,35のいずれかを選択する際には、乾燥制御部39は、時間カウンタ43,44,45で計測された使用時間に応じて判断しない。すなわち、乾燥制御部39は、時間カウンタ43a〜45cで計測された9本の加熱用ランプ33a〜35c毎の使用時間における第1〜第3ユニット33,34,35単位の代表値(例えば平均値)に応じて、第1〜第3ユニット33,34,35を使用するときの優先順位を変更する。
本実施例によれば、第1〜第3ユニット33,34,35は、それぞれ加熱用ランプ33a〜33c,34a〜34c,35a〜35cで構成されている。時間カウンタ43a〜45cは、加熱用ランプ33a〜35c毎に設けられている。乾燥制御部39は、時間カウンタ43a〜45cで計測された加熱用ランプ34a〜34c毎の使用時間における第1〜第3ユニット33,34,35単位の代表値に応じて、第1〜第3ユニット33,34,35を使用するときの優先順位を変更する。すなわち、加熱用ランプ34a〜34c毎の使用時間の第1〜第3ユニット33,34,35単位の代表値に応じて、第1〜第3ユニット33,34,35を使用するときの優先順位を変更する。そのため、第1〜第3ユニット33,34,35を平均的に使用することができる。
また、乾燥制御部39は、さらに、時間カウンタ43a〜45cで計測された加熱用ランプ33a〜35c毎の使用時間に応じて、例えば第1ユニット33を個別に構成する加熱用ランプ33a〜33cを使用するときの優先順位を変更する。これにより、加熱ランプ33a〜35c単位で使用した場合でも、第1〜第3ユニット33,34,35を個別に構成する加熱ランプ33a〜35cを平均的に使用することができる。
次に、図面を参照して本発明の実施例5を説明する。図12は、実施例5に係るランプユニット(加熱用ランプ)の動作の一例を示す図である。なお、各実施例と重複する説明は省略する。
実施例1では、第1〜第3ユニット33,34,35単位で優先順位を変更していた。しかしながら、実施例3のように、第1〜第3ユニット33〜35を個別に構成する加熱用ランプ33a〜35c単位で優先順位を変更してもよい。
すなわち、図3に示すように、第1〜第3ユニット33,34,35は、それぞれ3本の加熱用ランプ33a〜33c,34a〜34c,35a〜35cで構成されている。乾燥制御部39は、さらに、第1〜第3ユニット33,34,35を個別に構成する加熱用ランプ33a〜35cを使用するときの優先順位を変更する。例えば、乾燥制御部39は、第1〜第3ユニット33,34,35を個別に構成する加熱用ランプ33a〜35c単位で使用した場合、ONにした例えば加熱用ランプ33a〜33cを含む例えば第1ユニット33の加熱用ランプ33a〜33cの優先順位を変更する。
例えば、第1ユニット33において、加熱用ランプ33a〜33cの初期の優先順位は、加熱用ランプ33a、加熱用ランプ33b、加熱用ランプ33cとする。この場合、優先順位は、「(加熱用ランプ)33a、33b、33c」→「33b、33c、33a」→「33c、33a、33b」→「33a、33b、33c」→・・・と、循環するように乾燥制御部39により制御される。第2・第3ユニット34、35も同様である。
次に、第1〜第3ユニット33,34,35の加熱用ランプ33a〜35cにより、予め設定された温度まで加熱する場合の動作の一例を説明する。上述のように、図12に示す斜線は、図10に示す斜線に対応するものとする。図10は、上述の図4の温度T2と温度T3の間をさらに細かく制御するために、設定温度T31,T32,T33(T31<T32<T33(=T3))が設けられている。
時間t2までは、実施例1の通りである。時間t31において、ヒートドラム31が温度T31に達すると、乾燥制御部39は、第1ユニット33内の優先順位の低い加熱用ランプ33cをOFFにし、加熱強度を弱くする。時間t32において、ヒートドラム31が温度T32に達すると、乾燥制御部39は、優先順位が次に低い加熱用ランプ33bをOFFにし、加熱強度を弱くする。時間t33において、ヒートドラム31が温度T33に達すると、乾燥制御部39は、加熱用ランプ33aをOFFにし、全ての加熱を停止する。
ここで、乾燥制御部39は、第1〜第3ユニット33,34,35の優先順位を、「第1ユニット33、第2ユニット34、第3ユニット35」から、「第2ユニット34、第3ユニット35、第1ユニット33」に変更する。また、乾燥制御部39は、加熱用ランプ33a〜35c単位で使用したので、加熱用ランプ33a〜33cの優先順位を、「加熱用ランプ33a、加熱用ランプ33b、加熱用ランプ33c」から、「加熱用ランプ33b、加熱用ランプ33c、加熱用ランプ33a」に変更する。
なお、このとき、第2ユニット34の加熱用ランプ34a〜34cの優先順位は、「(加熱用ランプ)34a、34b、34c」であり、第3ユニット35の加熱用ランプ35a〜35cの優先順位は、「(加熱用ランプ)35a、35b、35c」である。
時間t4において、ヒートドラム31が温度T33を下回ったので、図9に示すように、優先順位の最も高い第2ユニット34を選択し、優先順位の最も高い加熱用ランプ34aを選択してONする。時間t5において、ヒートドラム31が温度T33に達すると、加熱用ランプ34aをOFFにし、全ての加熱を停止する。
また、ここで、乾燥制御部39は、第1〜第3ユニット33,34,35の優先順位を、「第2ユニット34、第3ユニット35、第1ユニット33」から、「第3ユニット35、第1ユニット33、第2ユニット34」に変更する。さらに、乾燥制御部39は、加熱用ランプ33a〜35c単位で使用したので、加熱用ランプ34a〜34cの優先順位を、「加熱用ランプ34a、加熱用ランプ34b、加熱用ランプ34c」から、「加熱用ランプ34b、加熱用ランプ34c、加熱用ランプ34a」に変更する。
なお、このとき、第1ユニット33の加熱用ランプ33a〜33cの優先順位は、「(加熱用ランプ)33b、33c、33a」であり、第3ユニット35の加熱用ランプ35a〜35cの優先順位は、「(加熱用ランプ)35a、35b、35c」である。
時間t6において、ヒートドラム31が温度T33を下回ると、優先順位の最も高い第3ユニット35を選択し、優先順位の最も高い加熱用ランプ35aを選択してONする。時間t7において、ヒートドラム31が温度T33に達すると、加熱用ランプ35aをOFFにし、全ての加熱を停止する。
乾燥制御部39は、同様に、第1〜第3ユニット33,34,35の優先順位を、「第3ユニット35、第1ユニット33、第2ユニット34」から、「第1ユニット33、第2ユニット34、第3ユニット35」に変更する。さらに、乾燥制御部39は、加熱用ランプ33a〜35c単位で使用したので、加熱用ランプ35a〜35cの優先順位を、「加熱用ランプ35a、加熱用ランプ35b、加熱用ランプ35c」から、「加熱用ランプ35b、加熱用ランプ35c、加熱用ランプ35a」に変更する。
なお、このとき、第1ユニット33の加熱用ランプ33a〜33cの優先順位は、「(加熱用ランプ)33b、33c、33a」であり、第2ユニット34の加熱用ランプ34a〜34cの優先順位は、「(加熱用ランプ)34b、34c、34a」である。
時間t8において、ヒートドラム31が温度T33を下回ると、優先順位の最も高い第1ユニット33を選択し、優先順位の最も高い加熱用ランプ35bを選択してONする。
本実施例によれば、第1〜第3ユニット33,34,35は、加熱用ランプ33a〜35cで構成されている。乾燥制御部39は、さらに、例えば第1ユニット33を個別に構成する加熱用ランプ33a〜33cを使用するときの優先順位を変更する。すなわち、乾燥制御部39は、第1〜第3ユニット33,34,35を個別に構成する加熱用ランプ33a〜35c単位で使用した場合、使用状態(ON)にした例えば加熱用ランプ33a〜33cを含む例えば第1ユニット33の加熱用ランプ33a〜33cの優先順位を変更する。これにより、加熱ランプ33a〜35c単位で使用した場合でも、第1〜第3ユニット33,34,35を個別に構成する加熱ランプ33a〜35cを平均的に使用することができる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した各実施例では、図3、図6および図8に示すようにハードウェアで構成されていた。しかしながら、ソフトウェアで構成してもよい。例えば、主制御部27や操作部29を構成するパーソナルコンピュータで用いられるソフトウェア上で、時間カウンタ43〜45,43a〜45cを設ける。主制御部27やパーソナルコンピュータのCPU等の制御部(図示しない)は、例えば、時間カウンタ43,44,45で計測された使用時間が最も短い第1〜第3ユニット33,34,35のいずれかを選択してONにする。また、その制御部は、時間カウンタ43,44,45で計測された使用時間が最も長い第1〜第3ユニット33,34,35のいずれかを選択してOFFにする。
(2)上述した各実施例および変形例(1)では、図2に示すように、第1〜第3ユニット33,34,35の加熱用ランプ33a〜35cは、ヒートドラム31の内部に沿って環状に設けられていた。しかしながら、図13に示すように、第1〜第3ユニット33,34,35の加熱用ランプ33a〜35cは、搬送経路203に沿って、直線状または曲線状に設けられた照射型のものであってもよい。
(3)上述した各実施例および各変形例では、例えば第1ユニット33をONおよびOFFのいずれか一方にする場合ごと、あるいは、例えば第1〜第3ユニット33,34,35を全てOFFにする場合ごとに優先順位を変更していた。しかしながら、優先順位変更の判断頻度を少なくするようにしてもよい。
(4)上述した各実施例および各変形例では、乾燥制御部39は、ヒートドラム31の内部に設けられた第1〜第3ユニット33,34,35(加熱用ランプ33a〜35c)を使用する優先順位を変更していた。しかしながら、乾燥制御部39は、図14に示すように、乾燥部51に設けられた複数(6個)の温風(熱風)乾燥ユニット53、および温風乾燥ユニット53の設けられた3本(複数)のヒータ55を使用する優先順位を変更してもよい。
温風乾燥ユニット53は、ヒータ55、送風源(ファン)57、ヒータ筐体59、吸気ダクト61、および排気ダクト63を備えている。温風乾燥ユニット53は、連続紙WPを挟んでヒートドラム31の反対側に設けられている。温風乾燥ユニット53は、連続紙WPが搬送される搬送経路203に対向して設けられたヒータ55と、ヒータ55に向けて送風する送風源57と、ヒータ55を囲うヒータ筐体59を備え、ヒータ筐体59は、送風源57から送られた風を流入させる流入口59aと、ヒータ筐体59の外側にある搬送経路203に向けてヒータ55で加熱した温風を搬送経路203に沿った方向に絞って吹き付ける吹き付け口59bとを有している。なお、符号59cは隔壁を示す。
(5)上述した各実施例および各変形例では、第1〜第3ユニット33,34,35は、それぞれ3本(複数)の加熱用ランプ33a〜33c,34a〜34c,35a〜35cで構成されている。しかしながら、第1〜第3ユニット33,34,35は、それぞれ、1本の加熱用ランプで構成されていてもよい。
(6)上述した各実施例および各変形例では、インクジェット印刷装置1は、インクジェット印刷部2に連続紙WPを供給していた。しかしながら、分離した紙を供給してもよい。また、紙に限定されず、プラスチックフィルムであってもよい。
(7)上述した各実施例および各変形例では、インクジェット印刷装置1の乾燥部19についてであった。しかしながら、乾燥部は、オフセット印刷やグラビア印刷用の輪転機に用いられるものであってもよい。この場合、被乾燥物は、オフセット印刷やグラビア印刷に用いられる輪転機により印刷されてインクが付着した印刷媒体となる。なお、輪転機は、本発明の印刷装置に相当する。
1 … インクジェット印刷装置
2 … インクジェット印刷部
19,51 … 乾燥部
25 … インクジェットヘッド
31 … ヒートドラム
33 …第1ランプユニット
34 …第2ランプユニット
35 …第3ランプユニット
33a,33b,33c … 加熱用ランプ
34a,34b,34c … 加熱用ランプ
35a,35b,35c … 加熱用ランプ
37 … 温度センサ
39 … 乾燥制御部
43,43a,43b,43c … 時間カウンタ
44,44a,44b,44c … 時間カウンタ
45,45a,45b,45c … 時間カウンタ
55 … ヒータ