JP2013204624A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の走行中にエンジンから駆動輪への動力伝達が遮断される場合にエンジンの作動の有無に応じてロックアップクラッチを適切に制御する。
【解決手段】ECUは、車両が走行状態であって(S100にてYES)、アクセルオフの状態であって(S102にてYES)、Nレンジ惰行制御が実行中である場合に(S104にてYES)、ロックアップクラッチを係合させるステップ(S106)と、フリーラン制御が実行中である場合に(S104にてNO,S108にてYES)、ロックアップクラッチを解放させるステップ(S110)と、Nレンジ惰行制御およびフリーラン制御のいずれも実行されない場合(S104にてNO,S108にてNO)、通常制御を実行するステップ(S112)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】図4

Description

本発明は、トルクコンバータを有する自動変速機を搭載した車両の走行中におけるエンジンの作動の有無に応じたロックアップクラッチの制御に関する。
特開2007−191018号公報(特許文献1)には、アクセルオフ時にエンジンを作動させた状態でエンジンから駆動輪への動力伝達経路に設けられたクラッチのスリップ状態を適切に制御するとともにロックアップクラッチを係合状態とする車両が開示される。また、特開平07−266932号公報(特許文献2)には、車両の減速時にエンジンを停止するとともに発進クラッチを断絶する車両が開示される。
特開2007−191018号公報 特開平07−266932号公報
ところで、アクセルオフ時にエンジンから駆動輪への動力伝達が遮断されるように動力伝達経路に設けられたクラッチを制御する場合には、再加速時の応答性および燃費を考慮してエンジンの作動の有無を決定することが望ましい。また、自動変速機が搭載された車両においてトルクコンバータの入力軸とエンジンの出力軸とが直結されているため、トルクコンバータの状態をエンジンの作動の有無に応じた状態にすることが望ましい。そのため、トルクコンバータの入力軸と出力軸とを直結するためのロックアップクラッチをエンジンの作動の有無に応じて適切に制御する必要がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、車両の走行中にエンジンから駆動輪への動力伝達が遮断される場合にエンジンの作動の有無に応じてロックアップクラッチを適切に制御する車両の制御装置を提供することである。
この発明のある局面に係る車両の制御装置は、エンジンと、エンジンの出力軸に連結されロックアップクラッチを有するトルクコンバータと、エンジンと駆動輪との間の動力伝達を切り離すクラッチとを備え、走行中にエンジンを作動させた状態でクラッチを切り離す第1走行制御と、走行中にエンジンを停止させた状態でクラッチを切り離す第2走行制御とを行なう車両の制御装置である。この制御装置は、第1走行制御を行なう場合のロックアップクラッチのスリップ量を第2走行制御を行なう場合のロックアップクラッチのスリップ量よりも小さくする。
好ましくは、制御装置は、第2走行制御を行なう場合にロックアップクラッチを解放する。
さらに好ましくは、制御装置は、第1走行制御を行なう場合にロックアップクラッチを係合する。
さらに好ましくは、制御装置は、第2走行制御を終了する場合にエンジンの始動後にクラッチを係合する。
さらに好ましくは、制御装置は、第1走行制御を行なう場合に複数のシフトレンジのうちのニュートラルレンジに対応する指令信号を自動変速機に送信する。
さらに好ましくは、制御装置は、第2走行制御を行なう場合には、車両の速度が低くなるほどロックアップクラッチのスリップ量を小さくする。
この発明によると、走行中にエンジンを作動させた状態でクラッチを切り離す第1走行制御を行なう場合のロックアップクラッチのスリップ量を第2走行制御を行なう場合のロックアップクラッチのスリップ量よりも小さくすることによってエンジン作動時におけるトルクコンバータの引き摺りによる損失の発生を抑制することができる。そのため、燃費の悪化を抑制することができる。さらに、走行中にエンジンを停止させた状態でクラッチを切り離す第2走行制御を行なう場合のロックアップクラッチのスリップ量を第1走行制御を行なう場合のロックアップクラッチのスリップ量よりも大きくすることによって、スタータなどによってエンジンを始動させた後にトルクコンバータのトルク増幅作用を利用して駆動輪へトルクを伝達し、速やかに車両を加速させることができる。したがって、車両の走行中にエンジンから駆動輪への動力伝達が遮断される場合にエンジンの作動の有無に応じてロックアップクラッチを適切に制御する車両の制御装置を提供することができる。
本実施の形態に係る車両のパワートレーンを示す概略構成図である。 本実施の形態に係る車両に搭載された自動変速機のスケルトン図である。 本実施の形態に係る車両に搭載されたECUの機能ブロック図である。 本実施の形態に係る車両に搭載されたECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本実施の形態に係る車両に搭載されたECUの動作を示すタイミングチャート(その1)である。 本実施の形態に係る車両に搭載されたECUの動作を示すタイミングチャート(その2)である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態は、説明される。以下の説明では、同一の部品には同一の符号が付されている。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返されない。
図1を参照して、本実施の形態に係る車両の制御装置を搭載した車両10について説明する。車両10は、FR(Front engine Rear drive)車両である。なお、車両10は、FR以外の車両(たとえば、FF(Front engine Front drive)車両)であってもよい。
車両10は、エンジン100と、自動変速機200と、ECU(Electronic Control Unit)300と、駆動輪400と、ディファレンシャルギヤ402と、ドライブシャフト404と、プロペラシャフト406とを含む。本実施の形態に係る車両の制御装置は、ECU300により実現される。
エンジン100は、インジェクタ(図示せず)から噴射された燃料とエアクリーナ104から吸気通路102を経由して吸入された空気との混合気を、シリンダの燃焼室内で燃焼させる内燃機関である。燃焼によってシリンダ内のピストンが押し下げられて、エンジン100の出力軸であるクランクシャフトが回転させられる。エンジン100の動力は、クランクシャフトを経由して自動変速機200に伝達される。
エアクリーナ104から吸入された空気の流量は、スロットルバルブ108によって調整される。スロットルバルブ108は、スロットルモータ110を動力源として作動する。スロットルモータ110は、ECU300からの制御信号に基づいて駆動する。
ECU300は、エンジン100を制御するための制御信号S1を生成して、エンジン100に送信する。ECU300は、エンジン100の始動時においては、クランクシャフトを回転させるために(クランキングするために)スタータモータ(図示せず)を駆動させる。ECU300は、エンジン100の停止時においては、インジェクタからの燃料の噴射を停止させる。
自動変速機200は、エンジン100のクランクシャフトに連結される。自動変速機200は、車両10の走行状態に応じてクランクシャフトの回転数(以下、エンジン回転数NEと記載する)を変速比に応じた回転数に変速する。
本実施の形態において、自動変速機200は、車両10の走行状態に応じて変速比を段階的に変更する有段式自動変速機であるとして説明するが、少なくとも後述するロックアップクラッチを有するトルクコンバータが設けられる自動変速機であればよい。そのため、自動変速機200は、特に有段式自動変速機に限定されるものではなく、たとえば、車両10の走行状態に応じて連続的に変速比を変更する無段式自動変速機であってもよいものとする。
自動変速機200は、変速機構202と、トルクコンバータ204と、油圧回路206と、機械式オイルポンプ208と、電動オイルポンプ209とを含む。ECU300は、自動変速機200を制御するための制御信号S2を生成して、自動変速機200に送信する。
トルクコンバータ204の内部には、ロックアップクラッチ216が設けられる。ロックアップクラッチ216は、係合状態になることによってトルクコンバータ204の入力軸と出力軸とを直結状態とし、非係合状態になることによって直結状態を解消する。本実施の形態においては、係合状態とは、ロックアップクラッチ216が完全に係合した状態をいい、非係合状態とは、ロックアップクラッチ216の半係合状態と解放状態とを含む。
ロックアップクラッチ216は、油圧回路206から供給される油圧によって係合状態になったり、解放状態になったり、あるいは、半係合状態になったりする。ECU300は、各種ソレノイド等を用いて油圧回路206からロックアップクラッチ216に供給される油圧を制御する。
機械式オイルポンプ208は、オイルパン(図示せず)内の作動油を吸引して、自動変速機200の内部の構成要素(変速機構202、トルクコンバータ204、油圧回路206)に作動油を供給する。自動変速機200の内部の構成要素に供給された作動油は、オイルパンに循環する。作動油は、たとえば、変速機構202のクラッチ要素、ブレーキ要素および遊星歯車機構のギヤ等の回転要素に供給される。
機械式オイルポンプ208は、エンジン100のクランクシャフトに連結され、エンジン100を動力源として作動する。そのため、機械式オイルポンプ208は、エンジン回転数NEが上昇するとともに吐出流量(以下、流量とも記載する)を増加させ、エンジン100が停止するとともに作動を停止する。機械式オイルポンプ208としては、たとえば、ギヤポンプやベーンポンプが用いられる。
電動オイルポンプ209は、ECU300からの制御信号S2に基づいて作動する。電動オイルポンプ209は、オイルパン内の作動油を吸引して、自動変速機200の内部の構成要素に作動油を供給する。
ECU300は、エンジン100を停止させる際に、エンジン回転数NEが低下するとともに(すなわち、機械式オイルポンプ208の作動量が低下するとともに)電動オイルポンプ209を作動させる。
ECU300は、エンジン100を始動させる際に、エンジン回転数NEが増加するとともに(すなわち、機械式オイルポンプ208の作動量が増加するとともに)電動オイルポンプ209の作動を停止させる。
ECU300は、エンジン100の始動時および停止時の機械式オイルポンプ208の作動量の変化による流量の変動分を電動オイルポンプ209の作動量を変化させることによって吸収するように電動オイルポンプ209を制御する。
このようにして、ECU300は、エンジン100の始動前後あるいは停止前後において自動変速機200の内部の構成要素に適切な流量の作動油が供給されるように電動オイルポンプ209を制御する。
自動変速機200の出力軸は、プロペラシャフト406を経由してディファレンシャルギヤ402に連結される。ディファレンシャルギヤ402にはドライブシャフト404がスプライン嵌合などによって連結される。自動変速機200からの動力は、プロペラシャフト406およびドライブシャフト404を経由して、左右の駆動輪400に伝達される。
ECU300には、エアフローメータ106と、スロットルバルブ108のスロットル開度センサ112と、アクセルポジションセンサ302と、ストップランプスイッチ304と、車輪速センサ308と、シフトレバー312のポジションスイッチ310と、エンジン回転数センサ314と、入力軸回転数センサ316と、出力軸回転数センサ318とがハーネスなどを介在させて接続されている。
エアフローメータ106は、スロットルバルブ108よりも吸気通路102の上流側に設けられる。エアフローメータ106は、エアクリーナ104から吸入される空気の流量(以下、吸入空気量Gaと記載する)を検出する。エアフローメータ106は、吸入空気量Gaを示す信号をECU300に送信する。
スロットル開度センサ112は、スロットルモータ110により開度が調整されるスロットルバルブ108の開度(以下、スロットル開度Thと記載する)を検出する。スロットル開度センサ112は、スロットル開度Thを示す信号をECU300に送信する。
アクセルポジションセンサ302は、アクセルペダル301の踏み込み量APを検出する。アクセルポジションセンサ302は、アクセルペダル301の踏み込み量APを示す信号をECU300に送信する。なお、アクセルポジションセンサ302に代えてアクセルペダル301への踏力を検出するアクセルペダル踏力センサを用いてもよい。
ストップランプスイッチ304は、ブレーキペダル303のストローク量が予め定められた量以上となるときに、ブレーキペダル303が踏み込まれたことを表すオン信号BKをECU300に送信する。なお、ストップランプスイッチ304に代えてブレーキペダル303のストローク量を検出するストロークセンサを用いてもよい。この場合、ECU300は、ストロークセンサから受信するストローク量が予め定められた量以上となるときに、ブレーキペダル303が踏み込まれたと判定すればよい。あるいは、ストップランプスイッチ304に代えてブレーキペダル303への踏力を検出するブレーキペダル踏力センサを用いてもよい。
車輪速センサ308は、ドライブシャフト404の回転数、すなわち、車輪速Nwを検出する。車輪速センサ308は、車輪速Nwを示す信号をECU300に送信する。ECU300は、受信した車輪速Nwに基づいて車両10の速度Vを算出する。なお、ECU300は、後述する出力軸回転数NOに基づいて車両10の速度Vを算出してもよい。
ポジションスイッチ310は、シフトレバー312の位置を検出する。シフトレバー312は、予め定められた形状のシフトゲートに沿って移動可能に設けられる。ポジションスイッチ310は、シフトゲート上におけるシフトレバー312の位置を示す信号をECU300に送信する。
ECU300は、自動変速機200のシフトレンジがシフトレバー312の位置に対応するシフトレンジと一致するように自動変速機200を制御する。シフトレンジとは、たとえば、ドライブ(D)レンジと、ニュートラル(N)レンジと、リバース(R)レンジと、パーキング(P)レンジとを含む。
エンジン回転数センサ314は、エンジン回転数NEを検出する。エンジン回転数センサ314は、エンジン回転数NEを示す信号をECU300に送信する。
入力軸回転数センサ316は、自動変速機200の入力軸回転数(以下、タービン回転数NTと記載する)を検出する。入力軸回転数センサ316は、タービン回転数NTを示す信号をECU300に送信する。
出力軸回転数センサ318は、自動変速機200の出力軸回転数NOを検出する。出力軸回転数センサ318は、出力軸回転数NOを示す信号をECU300に送信する。
エンジン100のクランクシャフトは、トルクコンバータ204の入力軸に接続され、トルクコンバータ204の出力軸は、変速機構202の入力軸に接続される。そのため、エンジン回転数NEは、トルクコンバータ204の入力軸の回転数と同じ回転数となる。また、変速機構202の入力軸回転数は、トルクコンバータ204の出力軸の回転数と同じ回転数となる。
ECU300は、RAM(Random Access Memory)またはROM(Read Only Memory)等のメモリ306を含み、エアフローメータ106、スロットル開度センサ112、アクセルポジションセンサ302、ストップランプスイッチ304、車輪速センサ308、ポジションスイッチ310、エンジン回転数センサ314、入力軸回転数センサ316および出力軸回転数センサ318などから送られてきた信号、メモリ306に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両10が所望の走行状態となるように、機器類(エンジン100および自動変速機200)を制御する。
運転者がシフトレバー312をシフトゲートに沿ってDレンジに対応する位置に移動させることによって、自動変速機200のシフトレンジとしてDレンジが選択される場合、ECU300は、車両10の走行状態に対応した変速段が選択されるように自動変速機200を制御する。なお、ECU300は、Dレンジが選択される場合には、Dレンジに対応する制御信号を生成して、自動変速機200に送信する。
あるいは、運転者がシフトレバー312をNレンジに対応する位置に移動させたことによって、自動変速機200のシフトレンジとしてNレンジが選択された場合、ECU300は、自動変速機200がニュートラル状態(動力伝達遮断状態)になるように、自動変速機200を制御する。なお、ECU300は、Nレンジが選択された場合には、Nレンジに対応する制御信号を生成して、自動変速機200に送信する。
図2を参照して、自動変速機200の構成について詳細に説明する。トルクコンバータ204は、ポンプインペラー210と、ステータ212と、タービンランナー214と、ロックアップクラッチ216と、ワンウェイクラッチ220とを含む。
ポンプインペラー210は、クランクシャフトに連結された入力軸218に接続される。タービンランナー214は、出力軸222に連結される。ステータ212は、ポンプインペラー210とタービンランナー214との間に設けられる。
ワンウェイクラッチ220は、ステータ212の回転方向を一方向に制限する。ワンウェイクラッチ220は、アウターレース224とインナーレース226とを含む。ワンウェイクラッチ220のアウターレース224は、ギヤケース228に固定され、インナーレース226は、ステータ212に連結される。
トルクコンバータ204の内部には、作動油が充填される。エンジン100の動力によってポンプインペラー210が回転して、ポンプインペラー210からタービンランナー214に向けて作動油が流通することによってトルクが伝達される場合に、ステータ212によって作動油が流通する方向を変えることによってトルクコンバータ204の入力軸218に入力されたトルクが増大して出力軸222に伝達される。なお、トルクコンバータ204の詳細な作動原理については周知の技術であるため、その詳細な説明は行なわない。
ロックアップクラッチ216は、係合状態になることによってトルクコンバータ204の入力軸218と出力軸222とを直結状態とし、解放状態になることによって入力軸218と出力軸222との直結状態を解消する。
変速機構202は、シンプソン型のギヤトレーンであって、遊星歯車機構の第1セット240と、遊星歯車機構の第2セット250と、出力軸230と、ギヤケース228に固定されたB1ブレーキ260と、B2ブレーキ262と、C1クラッチ264と、C2クラッチ266とを含む。なお、変速機構202は、シンプソン型のギヤトレーンに限定されるものではなく、その他の形式のギヤトレーンであってもよい。
第1セット240および第2セット250は、いずれもシングルピニオン型の遊星歯車機構である。第1セット240は、第1サンギヤ242と、第1ピニオンギヤ244と、第1リングギヤ246と、第1キャリア248とを含む。
第1サンギヤ242は、C2クラッチ266を介在してトルクコンバータ204の出力軸222に連結されている。また、第1サンギヤ242は、B2ブレーキ262が係合した場合に第1サンギヤ242の回転は制限される。第1ピニオンギヤ244は、第1キャリア248に回転自在に支持されている。第1ピニオンギヤ244は、第1サンギヤ242および第1リングギヤ246と噛合している。第1リングギヤ246は、C1クラッチ264を介在してトルクコンバータ204の出力軸222に連結されている。第1キャリア248は、第2セット250の第2リングギヤ256および変速機構202の出力軸230に連結される。
第2セット250は、第2サンギヤ252と、第2ピニオンギヤ254と、第2リングギヤ256と、第2キャリア258とを含む。
第2サンギヤ252は、第1サンギヤ242と連結されている。そのため、B2ブレーキ262が係合した場合に第2サンギヤ252の回転は制限される。第2ピニオンギヤ254は、第2キャリア258に回転自在に支持されている。第2ピニオンギヤ254は、第2サンギヤ252および第2リングギヤ256と噛合している。第2キャリア258は、B1ブレーキ260に連結されている。そのため、B1ブレーキ260が係合した場合に第2キャリア258の回転は制限される。第2リングギヤ256は、第1キャリア248および変速機構202の出力軸230に連結されている。
以上のような構成を有する変速機構202においては、少なくともC1クラッチ264およびC2クラッチ266のいずれもが開放されている場合、自動変速機200は、エンジン100の動力が変速機構202の出力軸230に伝達されない状態、すなわち、動力遮断状態(以下、ニュートラル状態と記載する)となる。
一方、B1ブレーキ260、B2ブレーキ262、C1クラッチ264およびC2クラッチ266のうちの少なくともいずれか一つが係合することによって、複数の変速段(たとえば、4速段)のうちのいずれか一つの変速段が形成される。
本実施の形態において、車両10を発進させるための変速段(1速段)が形成される場合には、C1クラッチ264が係合される。このとき、C2クラッチ266は解放状態となる。また、車両10の発進後に高速側の変速段(たとえば、4速段等)が形成される場合には、C1クラッチ264が解放され、C2クラッチ266が係合される。
このような構成を有する車両10において、ECU300は、車両10の走行中に車両10の状態について予め定められた第1実行条件が成立した場合にNレンジ惰行制御を実行する。Nレンジ惰行制御は、車両10の走行中にエンジン100を作動させた状態で、エンジン100と駆動輪400との間の動力伝達を遮断可能な摩擦係合要素を用いて動力伝達を遮断する走行制御をいう。ECU300は、Nレンジ惰行制御を実行する場合には、Nレンジに対応する指令信号を自動変速機200に送信する。
本実施の形態において、エンジン100と駆動輪400との間の動力伝達の遮断が可能な摩擦係合要素は、C1クラッチ264およびC2クラッチ266のうちの係合状態となるいずれか一方のクラッチである。なお、この摩擦係合要素は、トルクコンバータ204と、変速機構202との間に設けられる、C1クラッチ264およびC2クラッチ266と異なるクラッチであってもよい。
予め定められた第1実行条件は、たとえば、車両10が走行中であって、アクセルオフの状態であって、かつ、後述するフリーラン制御よりもNレンジ惰行制御を優先して実行する走行モードが選択されているという条件である。なお、予め定められた第1実行条件は、少なくとも上記した条件を含むものであればよく、たとえば、上記した条件に加えて、Dレンジであるという条件を含むようにしてもよい。
さらに、ECU300は、車両10の状態についての予め定められた第1終了条件が成立した場合に上述の摩擦係合要素を係合させることによって、Nレンジ惰行制御を終了する。
予め定められた第1終了条件は、たとえば、上述の予め定められた第1実行条件が成立しないという条件であってもよいし、上述の予め定められた第1実行条件に含まれるしきい値に対して制御ハンチングが生じない、一定の差を有する新たなしきい値を条件としてもよい。
ECU300は、たとえば、アクセルオンの状態となる場合に予め定められた第1終了条件が成立したと判定する。
さらに、ECU300は、車両10の走行中に車両10の状態についての予め定められた第2実行条件が成立した場合にフリーラン制御を実行する。フリーラン制御は、車両10の走行中にエンジン100を停止した状態で、エンジン100と駆動輪400との間の動力伝達を遮断が可能な摩擦係合要素を用いて動力伝達を遮断する走行制御をいう。なお、摩擦係合要素は、Nレンジ惰行制御の実行時に用いられる摩擦係合要素と同じであり、本実施の形態においては、C1クラッチ264およびC2クラッチ266のうちの係合状態となるいずれか一方のクラッチである。
予め定められた第2実行条件は、たとえば、車両10が走行中であって、アクセルオフの状態であって、かつ、上述したNレンジ惰行制御よりもフリーラン制御を優先して実行する走行モードが選択されているという条件である。なお、予め定められた第2実行条件は、少なくとも上記した条件を含むものであればよく、たとえば、上記した条件に加えて、Dレンジであるという条件を含むようにしてもよい。
さらに、ECU300は、車両10の状態についての予め定められた第2終了条件が成立した場合にエンジン100を始動させるとともに上述の摩擦係合要素を係合させることによって、フリーラン制御を終了する。
予め定められた第2終了条件は、たとえば、上述の予め定められた第2実行条件が成立しないという条件であってもよいし、上述の予め定められた第2実行条件に含まれるしきい値に対して制御ハンチングが生じない、一定の差を有する新たなしきい値を条件としてもよい。
ECU300は、たとえば、アクセルオンの状態となる場合に予め定められた第2終了条件が成立したと判定する。ECU300は、Nレンジ惰行制御またはフリーラン制御が終了する場合において、アクセルペダル301の踏み込み量APと車両10の速度Vと予め定められた変速線図とに基づいて変速段を決定し、C1クラッチ264およびC2クラッチ266のうちの決定された変速段に対応するクラッチを係合させる。
なお、ECU300は、フリーラン制御が終了する場合において、エンジン100を始動させた後にC1クラッチ264およびC2クラッチ266のうちの決定された変速段に対応するクラッチを係合させる。
以上のような構成を有する車両10において、アクセルオフ時にエンジン100から駆動輪400への動力伝達が遮断されるように摩擦係合要素(C1クラッチ264またはC2クラッチ266)を制御する場合には、再加速時の応答性および燃費を考慮してエンジン100の作動の有無を決定することが望ましい。また、トルクコンバータ204の入力軸とエンジン100のクランクシャフトとが直結されているため、トルクコンバータ204の状態をエンジン100の作動の有無に応じた状態にすることが望ましい。そのため、トルクコンバータ204の入力軸と出力軸とを直結するためのロックアップクラッチ216をエンジン100の作動の有無に応じて適切に制御する必要がある。
そこで、本実施の形態においては、ECU300が、Nレンジ惰行制御を実行する場合のロックアップクラッチ216のスリップ量をフリーラン制御を実行する場合のロックアップクラッチ216のスリップ量よりも小さくする点を特徴とする。
本実施の形態においては、ECU300は、Nレンジ惰行制御を行なう場合にロックアップクラッチ216を係合する。また、ECU300は、フリーラン制御を行なう場合にロックアップクラッチ216を解放する。
図3に、本実施の形態に係る車両10に搭載されたECU300の機能ブロック図を示す。ECU300は、走行状態判定部350と、アクセル判定部352と、モード判定部354と、Nレンジ惰行制御部356と、フリーラン制御部358と、ロックアップクラッチ制御部360とを含む。
走行状態判定部350は、車両10が走行状態であるか否かを判定する。走行状態判定部350は車両10の速度Vがしきい値V(0)よりも大きい場合には、車両10が走行状態であると判定する。しきい値V(0)は、Nレンジ惰行制御およびフリーラン制御のうちのいずれか優先されている一方の制御を実行する速度領域内であると判定するための値である。
なお、走行状態判定部350は、たとえば、車両10が走行状態であると判定した場合には走行判定フラグをオン状態にしてもよい。
アクセル判定部352は、走行状態判定部350によって車両10が走行状態であると判定された場合に、アクセルオフの状態であるか否かを判定する。アクセル判定部352は、たとえば、アクセルペダル301の踏み込み量APがしきい値AP(0)よりも小さい場合にアクセルオフの状態であると判定する。
しきい値AP(0)は、アクセルペダル301の踏み込みが解除されていると判定するための予め定められた値である。しきい値AP(0)は、たとえば、ゼロであってもよいし、アクセルポジションセンサ302の検出誤差を考慮した値であってもよい。
なお、アクセル判定部352は、たとえば、走行判定フラグがオン状態である場合にアクセルオフの状態であるか否かを判定し、アクセルオフの状態である場合にアクセルオフ判定フラグをオン状態にしてもよい。
モード判定部354は、Nレンジ惰行制御をフリーラン制御よりも優先して実行する第1走行モードが選択されているか、あるいは、フリーラン制御をNレンジ惰行制御よりも優先して実行する第2走行モードが選択されているかを判定する。
第1走行モードと第2走行モードとは、排他的に選択されるものである。すなわち、第1走行モードが選択された場合には、第2走行モードの選択が解除され、第2走行モードが選択された場合には、第1走行モードの選択が解除される。
第1走行モードは、たとえば、第2走行モードの選択時よりも再加速時の応答性を向上させるための走行モードである。第2走行モードは、第1走行モードの選択時よりも燃費を向上させるための走行モードである。
第1走行モードと第2走行モードとは、たとえば、車両10の利用者の要求によって選択されるものであってもよいし、あるいは、車両10の状態に基づいて選択されるものであってもよい。第1走行モードが選択されている場合には、第1走行モードの選択の有無を示すフラグがオン状態になる。第2走行モードが選択されている場合には、第2走行モードの選択の有無を示すフラグがオン状態になる。
モード判定部354は、上述のフラグの状態に基づいて第1走行モードが選択されているか、あるいは、第2走行モードが選択されているかを判定する。なお、モード判定部354は、たとえば、第1走行モードが選択されている場合にモード判定フラグをオン状態にし、第2走行モードが選択されている場合にモード判定フラグをオフ状態にしてもよい。
Nレンジ惰行制御部356は、走行状態判定部350によって車両10が走行状態であると判定され、アクセル判定部352によってアクセルオフの状態であると判定され、かつ、モード判定部354によって第1走行モードが選択されていると判定された場合にNレンジ惰行制御を実行する。Nレンジ惰行制御については上述したとおりであるため、その詳細な説明は繰り返されない。
なお、Nレンジ惰行制御部356は、たとえば、走行判定フラグ、アクセルオフ判定フラグおよびモード判定フラグがいずれもオン状態である場合にNレンジ惰行制御を実行してもよい。また、Nレンジ惰行制御部356は、たとえば、Nレンジ惰行制御を実行する場合にNレンジ惰行制御の実行フラグをオン状態にしてもよい。
フリーラン制御部358は、走行状態判定部350によって車両10が走行状態であると判定され、アクセル判定部352によってアクセルオフの状態であると判定され、かつ、モード判定部354によって第2走行モードが選択されていると判定された場合にフリーラン制御を実行する。フリーラン制御については上述したとおりであるため、その詳細な説明は繰り返されない。
なお、フリーラン制御部358は、たとえば、走行判定フラグおよびアクセルオフ判定フラグがオン状態であって、かつ、モード判定フラグがオフ状態である場合にフリーラン制御を実行してもよい。また、フリーラン制御部358は、たとえば、フリーラン制御を実行する場合にフリーラン制御の実行フラグをオン状態にしてもよい。
ロックアップクラッチ制御部360は、車両10が走行状態であって、アクセルオフの状態であって、かつ、Nレンジ惰行制御が実行中である場合にロックアップクラッチ216が係合状態になるようにロックアップクラッチ216を制御する。
ロックアップクラッチ制御部360は、たとえば、走行判定フラグ、アクセルオフ判定フラグおよびモード判定フラグがいずれもオン状態である場合にロックアップクラッチ216が係合状態になるようにロックアップクラッチ216を制御してもよい。
あるいは、ロックアップクラッチ制御部360は、たとえば、走行判定フラグ、アクセルオフ判定フラグおよびNレンジ惰行制御の実行フラグがオン状態である場合にロックアップクラッチ216が係合状態になるようにロックアップクラッチ216を制御してもよい。
ロックアップクラッチ制御部360は、Nレンジ惰行制御が実行される場合には、車両10の速度Vにかかわらずロックアップクラッチ216が係合状態になるようにロックアップクラッチ216を制御する。
ロックアップクラッチ制御部360は、車両10が走行状態であって、アクセルオフの状態であって、かつ、フリーラン制御が実行中である場合にロックアップクラッチ216が解放状態になるようにロックアップクラッチ216を制御する。
ロックアップクラッチ制御部360は、たとえば、走行判定フラグおよびアクセルオフ判定フラグがいずれもオン状態であって、かつ、モード判定フラグがオフ状態である場合にロックアップクラッチ216が解放状態になるようにロックアップクラッチ216を制御してもよい。
あるいは、ロックアップクラッチ制御部360は、たとえば、走行判定フラグ、アクセルオフ判定フラグおよびフリーラン制御の実行フラグがいずれもオン状態である場合にロックアップクラッチ216が解放状態になるようにロックアップクラッチ216を制御してもよい。
ロックアップクラッチ制御部360は、フリーラン制御が実行される場合には、車両10の速度Vにかかわらずロックアップクラッチ216が解放状態になるようにロックアップクラッチ216を制御する。
さらに、ロックアップクラッチ制御部360は、Nレンジ惰行制御およびフリーラン制御のうちのいずれの制御も実行されない場合には、通常のロックアップクラッチ制御(以下、通常制御と記載する)を実行する。
具体的には、ロックアップクラッチ制御部360は、車両10の速度Vとアクセルペダル301の踏み込み量APとに基づく走行状態がロックアップクラッチ216の係合領域、スリップ制御領域および解放領域のいずれの領域内であるかを特定し、特定された領域に応じてロックアップクラッチ216を制御する。
ロックアップクラッチ制御部360は、たとえば、車両10の速度Vとアクセルペダル301の踏み込み量APとに基づく走行状態が係合領域内の走行状態である場合には、ロックアップクラッチ216が係合状態になるようにロックアップクラッチ216を制御する。
ロックアップクラッチ制御部360は、たとえば、車両10の速度Vとアクセルペダル301の踏み込み量APとに基づく走行状態が解放領域内の走行状態である場合には、ロックアップクラッチ216が解放状態になるようにロックアップクラッチ216を制御する。
さらに、ロックアップクラッチ制御部360は、たとえば、車両10の速度Vとアクセルペダル301の踏み込み量APとに基づく走行状態がスリップ制御領域内の走行状態である場合には、所定のスリップ量を目標値としてロックアップクラッチ216が半係合状態になるようにロックアップクラッチ216を制御する。スリップ量は、エンジン回転数NEとタービン回転数NTとの差から算出される。
なお、アクセルオフ時においては、車両10の速度が第1しきい値よりも小さい領域が解放領域となり、車両10の速度が第2しきい値(>第1しきい値)よりも大きい領域が係合領域となり、車両10の速度が第1しきい値以上であって、かつ、第2しきい値以下となる領域がスリップ制御領域となる。そのため、ロックアップクラッチ制御部360は、アクセルオフ時において通常のロックアップクラッチ制御を実行する場合には、車両10の速度Vに応じてロックアップクラッチ216の係合力を変化させる。
本実施の形態において、走行状態判定部350と、アクセル判定部352と、モード判定部354と、Nレンジ惰行制御部356と、フリーラン制御部358と、ロックアップクラッチ制御部360とは、いずれもECU300のCPUがメモリ306に記憶されたプログラムを実行することにより実現される、ソフトウェアとして機能するものとして説明するが、ハードウェアにより実現されるようにしてもよい。なお、このようなプログラムは記憶媒体に記録されて車両に搭載される。
図4を参照して、本実施の形態に係る車両10に搭載されたECU300で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、ECU300は、車両10が走行状態であるか否かを判定する。車両10が走行状態である場合には(S100にてYES)、処理はS102に移される。もしそうでない場合(S100にてNO)、処理はS100に戻される。
S102にて、ECU300は、アクセルオフの状態であるか否かを判定する。アクセルオフの状態である場合には(S102にてYES)、処理はS104に移される。もしそうでない場合には(S102にてNO)、処理はS112に移される。
S104にて、ECU300は、Nレンジ惰行制御の実行中であるか否かを判定する。Nレンジ惰行制御の実行中である場合には(S104にてYES)、処理はS106に移される。もしそうでない場合(S104にてNO)、処理はS108に移される。
S106にて、ECU300は、ロックアップクラッチ216が係合状態になるようにロックアップクラッチ216を制御する。
S108にて、ECU300は、フリーラン制御の実行中であるか否かを判定する。フリーラン制御が実行中である場合には(S108にてYES)、処理はS110に移される。もしそうでない場合には(S108にてNO)、処理はS112に移される。
S110にて、ECU300は、ロックアップクラッチ216が解放状態になるようにロックアップクラッチ216を制御する。S112にて、ECU300はロックアップクラッチ216に対して通常制御を実行する。なお、通常制御については上述したとおりであるため、その詳細な説明は繰り返さない。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る車両10に搭載されたECU300の動作について図5および図6を参照しつつ説明する。
<Nレンジ惰行制御がフリーラン制御よりも優先される走行モードの選択時>
図5に示すように、たとえば、車両10が走行状態であって(S100にてYES)、かつ、アクセルペダル301が踏み込まれた状態である場合(S102にてNO)を想定する。また、第1走行モードが選択されているものとする。
この場合、Nレンジ惰行制御は実行されないため、Nレンジ惰行制御の実行フラグはオフ状態である。また、ロックアップクラッチ216は、車両10の速度Vに応じた通常制御によってオフ状態になるものとする(S112)。
時間T(0)にて、運転者がアクセルペダル301の踏み込みを解除した場合に、アクセルオフの状態になる(S102にてYES)。そのため、予め定められた第1実行条件が成立してNレンジ惰行制御が実行される。このとき、Nレンジ惰行制御の実行フラグがオン状態になる。
Nレンジ惰行制御の実行によってC1クラッチ264およびC2クラッチ266がいずれも解放状態になる。C1クラッチ264およびC2クラッチ266が解放状態になることにより、エンジン100と駆動輪400との間での動力伝達が遮断される。Nレンジ惰行制御が実行中であるため(S104にてYES)、ロックアップクラッチ216がオン状態になるように制御される(S106)。
Nレンジ惰行制御の実行中においては、エンジン100はアイドル状態が維持される。トルクコンバータ204の入力軸218と出力軸222とは、ロックアップクラッチ216がオン状態になることにより直結状態になる。そのため、トルクコンバータ204は、エンジン100のトルクによって入力軸218と出力軸222とが一体となって回転した状態となる。
トルクコンバータ204の入力軸218と出力軸222とが直結状態であることにより、エンジン100のアイドル回転時にトルクコンバータ204における引き摺りによる損失の発生が抑制される。
なお、運転者が再びアクセルペダル301を踏み込む場合には、アクセルオンの状態になるため(S102にてNO)、Nレンジ惰行制御が終了する。このとき、ロックアップクラッチ216の係合力は、車両10の速度Vに応じて制御される(S112)。
Nレンジ惰行制御が終了する場合には、アクセルペダル301の踏み込み量APと、車両10の速度Vと、変速線図とに基づいて変速段が決定され、決定された変速段に対応する摩擦係合要素が係合状態になるように油圧回路206が制御される。そのため、C1クラッチ264およびC2クラッチ266のうちの決定された変速段に対応するいずれか一方のクラッチが係合状態にされる。
Nレンジ惰行制御が終了する場合において、エンジン100はアイドル状態が維持されるため、フリーラン制御が終了する場合よりも再加速時の応答性が向上する。
<フリーラン制御がNレンジ惰行制御よりも優先される走行モードの選択時>
図6に示すように、たとえば、車両10が走行状態であって(S100にてYES)、かつ、アクセルペダル301が踏み込まれた状態である場合(S102にてNO)を想定する。また、第2走行モードが選択されているものとする。
この場合、フリーラン制御は実行されないため、フリーラン制御の実行フラグはオフ状態である。また、ロックアップクラッチ216は、車両10の速度Vに応じた通常制御によってオフ状態になるものとする(S112)。
時間T(1)にて、運転者がアクセルペダル301の踏み込みを解除した場合に、アクセルオフの状態になる(S102にてYES)。そのため、予め定められた第2実行条件が成立してフリーラン制御が実行される。このとき、フリーラン制御の実行フラグがオン状態になる。
フリーラン制御の実行によってエンジン100における燃料噴射が停止されるとともに、C1クラッチ264およびC2クラッチ266がいずれも解放状態になる。C1クラッチ264およびC2クラッチ266が解放状態になることにより、エンジン100と駆動輪400との間での動力伝達が遮断される。そのため、エンジン100は、回転を停止する。フリーラン制御が実行中であるため(S108にてYES)、ロックアップクラッチ216がオフ状態になるように制御される(S110)。
フリーラン制御の実行中においては、エンジン100において燃料噴射が停止される。エンジン100と駆動輪400との間での動力伝達が遮断されるため、エンジン100の回転は停止状態となる。
このようにフリーラン制御の実行時においては、エンジン100の燃料噴射が停止されるため、エンジン100のアイドル状態を維持するNレンジ惰行制御の実行時よりも燃費が向上する。
なお、運転者が再びアクセルペダル301を踏み込む場合には、アクセルオンの状態になるため(S102にてNO)、フリーラン制御が終了する。このとき、ロックアップクラッチ216の係合力は、車両10の速度Vに応じて制御される(S112)。
フリーラン制御が終了する場合には、ECU300は、エンジン100を始動させる。そして、アクセルペダル301の踏み込み量APと、車両10の速度Vと、変速線図とに基づいて変速段が決定され、決定された変速段に対応する摩擦係合要素が係合状態になるように油圧回路が制御される。そのため、エンジン100の始動後に、C1クラッチ264およびC2クラッチ266のうちの決定された変速段に対応するいずれか一方のクラッチが係合状態にされる。
以上のようにして、本実施の形態に係る車両10によると、Nレンジ惰行制御を実行する場合には、フリーラン制御の実行時よりもロックアップクラッチ216のスリップ量を小さくすることによってエンジン100の作動時におけるトルクコンバータ204の引き摺りによる損失の発生を抑制することができる。そのため、燃費の悪化を抑制することができる。さらに、フリーラン制御を実行する場合には、Nレンジ惰行制御の実行時よりロックアップクラッチ216のスリップ量を大きくすることによって、スタータなどによってエンジンを始動させた後にトルクコンバータ204のトルク増幅作用を利用して駆動輪400へトルクを伝達し、速やかに車両10を加速させることができる。したがって、車両の走行中にエンジンから駆動輪への動力伝達が遮断される場合にエンジンの作動の有無に応じてロックアップクラッチを適切に制御する車両の制御装置を提供することができる。
さらに、フリーラン制御を行なう場合にロックアップクラッチ216を解放することにより、トルクコンバータ204のトルク増幅効果を最大限利用することができる。
また、Nレンジ惰行制御を行なう場合にロックアップクラッチ216を係合することにより、トルクコンバータの引き摺りによる損失を最小にすることができる。
また、本実施の形態においては、ECU300は、フリーラン制御を終了する場合に、エンジン100の始動後に摩擦係合要素(C1クラッチ264またはC2クラッチ266)を係合させる。ECU300は、たとえば、エンジン100の始動後に摩擦係合要素の入出力回転数が一致した時点で摩擦係合要素を係合させることによって、摩擦係合要素の係合時に車両にショックが発生することを抑制して車両10の走行状態を定常走行状態等に移行させることができる。なお、ECU300は、たとえば、摩擦係合要素の入出力回転数の差の大きさがしきい値よりも小さい場合に入出力回転数が一致したと判定してもよい。しきい値は、入出力回転数が一致していると判定できる値であって、ゼロであってもよいし、ゼロよりも大きい値であってもよい。
本実施の形態においては、Nレンジ惰行制御の実行時にロックアップクラッチ216を係合し、フリーラン制御の実行時にロックアップクラッチ216を解放するとして説明したが、少なくともNレンジ惰行制御の実行のロックアップクラッチ216のスリップ量がフリーラン制御の実行時のロックアップクラッチ216のスリップ量よりも小さくなればよい。
そのため、たとえば、Nレンジ惰行制御の実行時にロックアップクラッチ216を半係合状態にし、フリーラン制御の実行時にロックアップクラッチ216を解放状態にしてもよい。あるいは、Nレンジ惰行制御の実行時にロックアップクラッチ216を係合状態にし、フリーラン制御の実行時にロックアップクラッチ216を半係合状態にしてもよい。あるいは、Nレンジ惰行制御およびフリーラン制御のうちのいずれの制御を実行する場合もロックアップクラッチ216を半係合状態にし、Nレンジ惰行制御の実行時のスリップ量がフリーラン制御の実行時のスリップ量よりも小さくなるようにロックアップクラッチ216を制御してもよい。
また、フリーラン制御を行なう場合には、車両10の速度が低くなるほどロックアップクラッチ216のスリップ量を小さくしてもよい。ロックアップクラッチのスリップ量を少なくしてトルクコンバータ204のトルク増幅効果を利用することにより、車両10を再加速させる際にエンジン100の動力を効果的に駆動輪400に伝達して車両10を速やかに加速させることができる。これにより、運転者の意図に沿った加速感を得ることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 車両、100 エンジン、102 吸気通路、104 エアクリーナ、106 エアフローメータ、108 スロットルバルブ、110 スロットルモータ、112 スロットル開度センサ、200 自動変速機、202 変速機構、204 トルクコンバータ、206 油圧回路、208 機械式オイルポンプ、209 電動オイルポンプ、210 ポンプインペラー、212 ステータ、214 タービンランナー、216 ロックアップクラッチ、218 入力軸、220 ワンウェイクラッチ、222,230 出力軸、224 アウターレース、226 インナーレース、228 ギヤケース、240 第1セット、242 第1サンギヤ、244 第1ピニオンギヤ、246 第1リングギヤ、248 第1キャリア、250 第2セット、252 第2サンギヤ、254 第2ピニオンギヤ、256 第2リングギヤ、258 第2キャリア、260 B1ブレーキ、262 B2ブレーキ、264 C1クラッチ、266 C2クラッチ、300 ECU、301 アクセルペダル、302 アクセルポジションセンサ、303 ブレーキペダル、304 ストップランプスイッチ、306 メモリ、308 車輪速センサ、310 ポジションスイッチ、312 シフトレバー、314 エンジン回転数センサ、316 入力軸回転数センサ、318 出力軸回転数センサ、350 走行状態判定部、352 アクセル判定部、354 モード判定部、356 Nレンジ惰行制御部、358 フリーラン制御部、360 ロックアップクラッチ制御部、400 駆動輪、402 ディファレンシャルギヤ、404 ドライブシャフト、406 プロペラシャフト。

Claims (6)

  1. エンジンと、前記エンジンの出力軸に連結されロックアップクラッチを有するトルクコンバータと、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達を切り離すクラッチとを備え、
    走行中に前記エンジンを作動させた状態で前記クラッチを切り離す第1走行制御と、前記走行中に前記エンジンを停止させた状態で前記クラッチを切り離す第2走行制御とを行なう車両の制御装置であって、
    前記第1走行制御を行なう場合の前記ロックアップクラッチのスリップ量を前記第2走行制御を行なう場合の前記ロックアップクラッチのスリップ量よりも小さくする、車両の制御装置。
  2. 前記制御装置は、前記第2走行制御を行なう場合に前記ロックアップクラッチを解放する、請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記制御装置は、前記第1走行制御を行なう場合に前記ロックアップクラッチを係合する、請求項1または2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記制御装置は、前記第2走行制御を終了する場合に前記エンジンの始動後に前記クラッチを係合する、請求項1〜3のいずれかに記載の車両の制御装置。
  5. 前記制御装置は、前記第1走行制御を行なう場合に複数のシフトレンジのうちのニュートラルレンジに対応する指令信号を前記自動変速機に送信する、請求項1〜4のいずれかに記載の車両の制御装置。
  6. 前記制御装置は、前記第2走行制御を行なう場合には、前記車両の速度が低くなるほど前記ロックアップクラッチのスリップ量を小さくする、請求項1〜5のいずれかに記載の車両の制御装置。
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