JP2013204486A - 吸気流量制御装置 - Google Patents

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JP2013204486A JP2012073241A JP2012073241A JP2013204486A JP 2013204486 A JP2013204486 A JP 2013204486A JP 2012073241 A JP2012073241 A JP 2012073241A JP 2012073241 A JP2012073241 A JP 2012073241A JP 2013204486 A JP2013204486 A JP 2013204486A
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Junya Ono
潤也 小野
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Abstract

【課題】複数の吸気口のうち良好な空気を吸気し得る吸気口の流入量を増やすべく吸気口の流入断面積を変動させることで流量調整が可能な吸気流量制御装置を提供する。
【解決手段】任意の前記吸気口4b、4dの近傍上流側の風速及び温度を検知するセンサと、前記センサで検出した風速及び温度から算出される風速/温度に基づいて前記吸気口4b、4dで開口する断面積を変化させるように制御する可変手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンコンパートメント(以下、「エンコパ」と称する)内の良好な空気を吸気することができるように吸気口から流入する流量を調整し得る吸気流量制御装置に関する。
本来、車両のエンジン吸気に必要な空気は、低温でその流量が大きいほど好ましい。燃費等向上のためである。しかしながら、エンジン吸気はエンコパ内の吸気口からの空気をエンジン内に取り込むことで行うため車両の使用状態及び外部環境により常時に好ましい吸気を得ているとは必ずしも言えない。とりわけエンジンに吸気される空気の良否は温度及び風速に大きく依存するものであるが、エンコパ内の空気の風速や温度は場所によって変動するものであり、従来のエンジン吸気ダクトではこの風速、温度及び場所による空気の違いを考慮できていない。
したがって、従来のエンジン吸気ダクトの場合、吸気口が1つでありそこから流入する空気がエンコパ内の最適なものでなくても常に吸気せざるを得なく、この点では燃費向上の弊害となっていることがわかってきた。
例えば、特許文献1や特許文献2では、天候や異常発生によって通常の吸気ダクトからの吸気から他のダクトからの吸気に切り替える構成が開示されており、その意味では複数の吸気口を有していると言えるが、エンコパ内の良好な空気を有する領域を選んで吸気制御するような技術が開示されているわけではない。
実開昭59−126166 特開2009−174497
本発明は、以上の事情に鑑みて創作されたものであり、複数の吸気口のうち良好な空気を吸気し得る吸気口の流入量を増やすべく吸気口の流入断面積を変動させることで流量調整が可能な吸気流量制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明では、複数のエンジンの吸気口から流入する空気流量を調製可能な吸気量制御装置を提供する。本吸気流量制御装置では、
任意の前記吸気口の近傍上流側の風速及び温度を検知するセンサと、
前記センサで検出した風速及び温度から算出される風速/温度に基づいて前記吸気口で開口する断面積を変化させるように制御する可変手段とを備える。
本発明の吸気量制御装置によれば、エンコパ内の風速及び温度を検知するセンサを吸気口の入口など吸気口の近傍上流側に配設している。エンジンへの吸気空気の良否はその風速と温度との相関に依存するものであり、詳細には後述するが例えば風速が大きいほど良好である。
したがって、前記センサをモニタリングすれば、吸気口が異なる場所で複数有する場合にどの吸気口に流入する空気がエンジンに良好かを検知することができ、本吸気量制御装置ではこの検知結果に基づいて吸気口の流入断面積を調製する。これによりエンコパ内の最適な吸気口を選択し、その吸気口の流入量を多くすることで良好な空気をエンジンに吸気することが可能となる。その結果、エンジン燃費の向上にも有利である。
このような本吸気ダクトの構成により車速を問わずエンジンに冷却空気を吸気することができ、燃費向上にも資することとなる。
車両のエンコパ内を示す平面図である。 図1に示す点線領域Xの拡大図が示されており、(a)は低速又は停止時の場合、(b)は中高速の場合を示している。 エアシリンダの作動の様子を示した模式図であり、(a)はロッドが最も前進した状態、(b)はロッドが中程度も前進した状態、(c)はロッドが最も後退した状態を示している。 図3のエアシリンダの作動状態に応じて吸気口の流入断面積が変化する様子を示した模式図である。(a)は図3(a)に対応しており、(b)は図3(b)に対応しており、(c)は図3(c)に対応している。 図4(a)の左側視である。 吸気ダクトを用いたエンコパ内の冷却装置が示されている。(a)は吸気ダクトを上流側と下流側とで分離し、これを入れ子状に連結した例が示されており、(b)は吸気ダクトの外周に穴’を設けた例が示されている。(c)は(b)のラインL−Lに沿った略断面図である。 図6に示す吸気ダクトの冷却装置の効果を促進させるべく開閉手段とこれを作動するエアシリンダをダクト内に配設した様子を示している。 図7(a)の下流側ダクトの左側視である。
図1に示すように、車両1のエンジンルーム2内には、車両の前方右側にラジエータ3やトランスミッション8が配置され、吸気ダクト4、エアクリーナ5、スロットルボディ(図示せず)等の吸気系がエンコパ2内に配置されている。車両前方にはフロントグリル9が設けられ、フロントグリル9に設けられた開口(図示せず)、やフロントグリル9とボンネットフード(図示せず)との隙間からエンコパ2内に導入される。
フロントグリル9から導入された走行流は、矢印Aに示すよう、ラジエータ3を通過しながら温度上昇した後にエンジンルーム2内を進行し、エンジン6やエアクリーナ5、トランスミッション8等に衝突し、これらを冷却する。また、エンコパ2内には床下の走行流Aからも導入してこれを各種機器5,6,8等に衝突させ、エンジンルーム2内を進行する走行流の対流を促進する。エンジン6の吸気ダクト4は一般にこの走行流Aを取り込むことができるようにエンコパ2の前方に位置するメインダクト4aが配設されており、その吸気口4bの流入口は前向き(紙面下向き)である。車速が中高速の場合、走行流Aがメインダクト4aの吸気口4bからエンジン6内に流入することでエンジン6を冷却する。これによりエンジン6の燃費性能を向上する。
また、エンコパ2内で対流した後の熱気は外部に排出される。図1では図示しないが、軽自動車等の小型車両ではエンコパ2内が狭いため排出流はエンコパ2内の前方から排出する場合が多い。排気が前方の場合、低車速のときはエンコパ2の前方は走行流Aの影響が少なくなるので非常に熱くなる。また、ラジエータ3はエンコパ2内の前方にあり、エンコパ2が狭いとラジエータ3のファンから出た熱い空気が回り、エンコパ2から熱量が抜けにくいのでエンコパ2前方の空気は熱くなり易い。
したがって、低車速時又は停車時にはエンコパ2前方の温度環境が不良である。その一方、低車速であってもそもそも走行流の影響が少なく比較的冷たいエンコパ2内の領域も存在する。例えばランプ10の後方などであり、低速時又は停車時はこのような領域から空気を取り込んだ方が望ましい。
図1に示す吸気ダクト4では走行流Aを取り入れるメインダクト4a以外にサブダクト4cをも設けている。サブダクト4cはメインダクト4aから分岐しており(分岐部4e参照)、その先端の吸気口4dはメインダクト4aの吸気口4cと離れた位置、例えば上記ランプ10の後方などに配設される。また、サブダクト4cの吸気口4dはメインダクト4aの吸気口4bとは異なる方向(例えば紙面左向き)に開口を向けている。これにより低速時又は停止時であっても比較的冷たい空気を吸気し得る。
図2には図1に示す点線領域Xのメインダクト4aとサブダクト4cとの分岐部4e近傍の拡大図が示されており、(a)は低速又は停止時の場合、(b)は中高速の場合を示している。また、矢印Aは図1同様にメインダクト4aの吸気口4bからの走行流を示しており、矢印Bはサブダクト4cの吸気口4dからの空気流を示している。メインダクト4aとサブダクト4cとは分岐部4eで2つのダクトに分岐され、その内部では空気流が合流するように構成されている。そして、分岐部4eはしきり板4gによりメインダクト4a又はサブダクト4cいずれか一方の空気流が流れるようになっている。図2(a)に示すように、しきり板4gは、その一端がメインダクト4aとサブダクト4cと接合部4fで取り付けられる。しきり板4gは、概ねゴムその他樹脂製のごとき復元性のある弾性材で構成された板状部材であり、接合部4fを中心に開閉可能である。
しきり板4eに何も力が作用しない場合には図2(a)に示すようにメインダクト4aを塞ぐように位置決めされる。車両1の車速が低速又は停止時には走行流Aの影響は少なくしきり板4gはメインダクト4aを塞いだ状態のままであり、ダクト4内はエンジン6の負圧のみが作用する。したがって、図2(a)に示すように吸気口4dから吸気されたサブダクト4cの空気流Bが優先して流れている。
次に、車両1の車速が中高速になると前方からある程度の速度及び風量の走行流Aがエンコパ2内に導入され、この走行流Aがメインダクト4aの吸気口4bからも吸気される。このときしきり板4gには前方(紙面下方)から大きな風圧が作用することとなり、図2(b)に示すようにしきり板4gが開放される。これによりダクト4内の空気流は、サブダクト4cの空気流Bから切り替えられて吸気口4bから吸気されたメインダクト4aの走行流Aが優先して流れることとなる。
したがって、このような吸気ダクト4の場合、車速に応じてメインダクトからのものとサブダクトからのものとを切り替えることができ、常にエンコパ2内の冷却空気をエンジン6に吸気することができる。なお、図1、図2の吸気ダクト4ではメインダクト4aに対してサブダクト4cが1つ有する場合について説明したが、メインダクト4aとサブダクト4cとは複数あっても良く、それぞれの分岐部に同様のしきり板4gが有する場合も考えられる。
次に、図1のようにエンジン6の吸気ダクト4が複数分岐する場合、それぞれの吸気口4b、4dの流入断面積を調整することで良好な空気を吸気し得る吸気口4b、4dからなるべくたくさんの風量を吸気することとしている。一般に、温度が低ければ低いほど、風速が高ければ高いほどエンジン6に吸気するには良好な空気である。すなわち風速/温度が大きいほど、そこに吸気口があった場合、エンジン6に吸気したい空気であると判断できる。これを利用すべく例えばメインダクト4aの吸気口4bの流入口近傍(手前上流側)に温度センサや風速センサを取り付けてこれのセンサにより検出された温度や風速をモニタリングする。
具体的には、風速/温度について所定の閾値を設定しておいて、この閾値を用いて吸気口4bの流量を制御する。例えば、風速/温度(=v/t)について定数α<β<γの3つの閾値を設定しておき、
v/t < α の場合は、吸気口4bの流入断面積が 小 ・・・式(1)
α ≦ v/t < β の場合は、吸気口4bの流入断面積が 中 ・・・式(2)、
β ≦ v/t < γ の場合は、吸気口4bの流入断面積が 大 ・・・式(3)
となるように設定する。
そして、吸気口4bの流入断面積がこの3段階になるようにエアシリンダ11を作動する。
図3にはエアシリンダ11の作動の様子を示した模式図であり、(a)はロッド11aが最も前進した状態、(b)はロッド11aが中程度も前進した状態、(c)はロッド11aが最も後退した状態を示している。エアシリンダ11は、複数の電磁石12のうち通電する電磁石に対応してロッド11aを進退させるマグネット式エアシリンダであり、シリンダ本体11bの進退方向に3つの電磁石12a〜12cが配設されている。また、ロッド11aは少なくともその後端が磁性材料である。(a)の場合、左端の電磁石12aを通電させるとロッド11aの後端が電磁石12aに引き寄せられることで図の位置に位置決められる。また、(b)の場合、真ん中の電磁石12bを通電させるとロッド11aの後端が電磁石12bに引き寄せられることによって図の位置に位置決められる。(c)の場合、右端の電磁石12cを通電させるとロッド11aの後端が電磁石12cに引き寄せられることで図の位置に位置決めされる。
そして、吸気口4bの上流側の風速/温度が上述の式(1)に該当するときには、エアシリンダ11を図3(a)の状態に作動する。また、吸気口4bの上流側の風速/温度が式(2)に該当するときには、エアシリンダ11を図3(b)の状態に作動する。さらに、吸気口4bの上流側の風速/温度が式(3)に該当するときには、エアシリンダ11を図3(c)の状態に作動する。
図4はエアシリンダ11の作動状態に応じて吸気口4bの流入断面積が変化する様子を示した模式図である。図4(a)は式(1)及び図3(a)に対応しており、図4(b)は式(2)及び図3(b)に対応しており、図4(c)は式(3)及び図3(c)に対応している。図4(a)に示すように吸気口4bの流入直前の上流側には吸気口4bの周壁から下方に支持部材13が延びており、吸気口4bの軸中心近傍で温度センサ及び速度センサ13aが取り付けられている。この温度センサ及び速度センサ13aは吸気口4bに流入する空気流の温度及び速度が検知できるものであれば他の取付方法や取付場所であっても差し支えない。
図4(a)に示すようにエアシリンダ11のロッド11aの先端には傘構造に類似する開閉手段14が連結される。開閉手段14は、概ね梁14a、14bと軸部材14b、スライダ14dを枢結等するリンク機構を形成する。梁14aは吸気口4bの径方向に開くように互いに中心で枢結されて径方向に延びている、図5では図4(a)の左側視であり、この図からも梁14aが互いに中心で枢結され径方向に延びていることがわかるであろう。
再び図4(a)を見れば、梁14aはその径方向端部においてそれぞれ梁14bに枢結され、梁14bの他の端部はスライダ14dに枢結される。また、スライダ14dは軸部材14c上を進退方向(紙面左右方向)にスライド可能であり、その軸部材14cは吸気口4b側で前述する梁14aと枢結する。この機構においてスライダ14dを進退させると梁14bを介して梁14aが開閉する。図3(a)〜(c)は、(a)からスライダを後退させると梁14aが順次閉鎖していき、(c)において完全に閉鎖する様子が示されている。このようなスライダ14dの進退はエアシリンダ11のロッド11aの作動に従っている。そして前述するように式(1)〜(3)及び図3(a)〜(c)に対応している。
図4(a)に示すように式(1)のロッド11aが一番進出した状態では、スライダ14dは紙面左にスライドし、梁14bにより梁14aは最も開閉された状態になる。図4(a)の左側面視である図5に示すように梁14aには膜部材14eが貼り付けられており、梁14aが最も開いた状態では吸気口4bの流入断面の大半を膜部材14eが塞いでしまう。膜部材14eには軸線方向(図4紙面右方向)に貫通する穴4b−2が設けられ、この穴4b−2と、メインダクト4aの内壁と膜部材4b−1との隙間4b−1とから空気流(走行風)Aがメインダクト4a内に導入される。この穴4b−2と隙間4b−1はその断面積の合計が非常に小さく流量断面積としても非常に小さい。したがって、良好でないメインダクト4aの空気流を避けて他のダクト4c等からの吸気をエンジン6に送り込むようにする。
図4(b)は式(2)のロッド11aの進出途中の段階であり、図4(a)よりもスライダ14dは右に後退し、梁14bも後退して梁14aは半ば閉鎖した状態となる。スライダ14dは、紙面右にスライドし梁14bを介して梁14aは半ば開閉された状態になる。この場合、図4(a)と場合と相違し隙間4b−1が大きくなっており、そこから空気流(走行風)Aがダクト内に導入する。これにより図4(a)よりも流量断面積が大きくなる。
図4(c)は式(3)のロッド11aが最も後退した状態であり、図4(a)(b)よりもスライダ14dは右に後退し、梁14bも後退して梁14aは閉鎖した状態となる。スライダ14dは、紙面右にスライドし梁14bを介して梁14aは略閉鎖した状態になる。この場合、隙間4b−1がさらに大きくなっており、そこから空気流(走行風)Aがダクト内に導入する。これにより図4(a)よりも大幅に流量断面積が大きくなる。
このように温度センサ及び速度センサ13aをモニタリングしつつエアシリンダ11の作動を制御すれば、吸気口4b、4dが異なる場所で複数有する場合にどの吸気口に流入する空気がエンジンに良好かを検知しながらその検知結果に基づいて吸気口4a、4bの流入断面積を調製することができる。これによりエンコパ2内の最適な吸気口4b,4dを選択し、その吸気口の流入量を多くすることで良好な空気をエンジン6に吸気し得る。
次に、図6には吸気ダクト4を用いたエンコパ2内の点線領域Zに配設した冷却装置が示されている。図6(a)は吸気ダクト4を上流側ダクト4hと下流側ダクト4iとで分離し、これを入れ子状に連結した例が示されており、図6(b)は吸気ダクト4の外周に穴4k’を設けた例が示されている。図6(c)は図6(b)のラインL−Lに沿った略断面図である。図6の装置では、吸気ダクト4は吸気口4b、4dから所定の助走区間を設けた位置で上流側ダクト4hと下流側ダクト4iとに分断され、上流側ダクト4hに下流側ダクト4iが入れ子状に挿入されて両者は連結されている。上流側ダクト4hはその下流側端部の内径が拡大した拡大部4jを有している。この拡大部4jは上流側ダクト4h自体の端部形状を変形したものであっても良く、別途、上流側ダクト4hの端部に取り付ける樹脂製等のスカート状の部材であっても良い。
そして、内径の小さい上流側ダクト4iを拡大部4jに入れ子状に挿入して連結する。このように吸気ダクト4の一部に図6(a)の構成を採用すると、上流側ダクト4h内の空気流A(又は空気流B)の一部が拡大部4jと上流側ダクト4hとの隙間4k内に流れ込み、ダクト4の外部(エンコパ2内)に放出される。この放出された空気流Aは吸気口4b、4dから助走区間流れてきたものであるのである程度冷却されたものである。したがって、この空気流Aを少しでもエンコパ2内に放出してやるとエンコパ2内が冷却し得る。
図6(b)は図6(a)の構成の変形例であり、上流側ダクト4hと下流側ダクトiとの境界に穴4k’を配設している。具体的には、図6(c)の側面視からも明らかなように穴4k’はダクト4(4h、4iの境界)の周囲に複数設けられている。この穴4k’も図6(a)の隙間4kと同様に上流ダクト4h内の空気流の一部を外部に排出し、エンコパ2内を冷却し得る。なお、図6(b)(c)の構成例の場合、上流側ダクト4hと下流側ダクト4iとは分断される必要はなく、単にダクト4の一部の外周面に貫通穴を複数設けることで十分である。
図7は図6に示す吸気ダクトの冷却装置の効果を促進させるべく図4の開閉手段14とこれを作動するエアシリンダ11をダクト4内に配設している。エアシリンダ11の作動も図3と同様であり、その作動機構も同様である。エアシリンダ11が、複数の電磁石12のうち通電する電磁石に対応してロッド11aを進退させるマグネット式エアシリンダである点も同様である。また、図示しないが上流側ダクト4hと下流側ダクト4iとの間では軸中心近傍で温度センサ及び速度センサ13aが取り付けられている。この温度センサ及び速度センサ13aは上流ダクト4hに流入する空気流の温度及び速度が検知できるものであれば取付方法や取付場所は自由である。
温度が低ければ低いほど、風速が高ければ高いほどエンジン6に吸気するには良好な空気であることは前述する通りである。したがって、温度センサや風速センサ13aで温度や風速をモニタリングし、上記式(1)〜(3)のように風速/温度について所定の閾値を設定しておいて、この閾値を用いて隙間4kや下流側ダクト4iに流入する流量を制御する。
例えば、風速/温度(=v/t)について定数θ<λ<ψの3つの閾値を設定しておき、
v/t < θ の場合は、下流側ダクト4iの流入断面積が 小 ・・・式(4)
θ ≦ v/t < λ の場合は、下流側ダクト4iの流入断面積が 中 ・・・式(5)、
λ ≦ v/t < ψ の場合は、下流側ダクト4iの流入断面積が 大 ・・・式(6)
となるように設定する。
そして、下流側ダクト4iの流入断面積がこの3段階になるようにエアシリンダ11を作動する。
温度センサ及び速度センサ13aで検出する風速/温度が上述の式(4)に該当するときには、エアシリンダ11を図3(a)の状態に作動する。また、風速/温度が式(5)に該当するときには、エアシリンダ11を図3(b)の状態に作動する。さらに、風速/温度が式(6)に該当するときには、エアシリンダ11を図3(c)の状態に作動する。
図7はエアシリンダ11の作動状態に応じて吸気口4bの流入断面積が変化する様子を示した模式図である。図7(a)は式(4)及び図3(a)に対応しており、図7(b)は式(5)及び図3(b)に対応しており、図7(c)は式(6)及び図3(c)に対応している。図7(a)に示すようにエアシリンダ11のロッド11aの先端には傘構造に類似する開閉手段14が連結される。開閉手段14は、概ね梁14a、14bと軸部材14b、スライダ14dを枢結等するリンク機構を形成する。梁14aは吸気口4bの径方向に開くように互いに中心で枢結されて径方向に延びている、図8では図7(a)の下流側ダクト4iの左側視であり、この図からも梁14aが互いに中心で枢結され径方向に延びていることがわかるであろう。
再び図7(a)を見れば、梁14aはその径方向端部においてそれぞれ梁14bに枢結され、梁14bの他の端部はスライダ14dに枢結される。また、スライダ14dは軸部材14c上を進退方向(紙面左右方向)にスライド可能であり、その軸部材14cは吸気口4b側で前述する梁14aと枢結する。この機構においてスライダ14dを進退させると梁14bを介して梁14aが開閉する。図7(a)〜(c)は、(a)からスライダを後退させると梁14aが順次閉鎖していく、(c)において完全に閉鎖する様子が示されている。このようなスライダ14dの進退はエアシリンダ11のロッド11aの作動に従っている。そして前述するように式(4)〜(6)及び図3(a)〜(c)に対応している。
図7(a)に示すように式(4)のロッド11aが一番進出した状態では、スライダ14dは紙面左にスライドし、梁14bにより梁14aは最も開閉された状態になる。図8に参照するとおり梁14aには膜部材14eが貼り付けられており、梁14aが最も開いた状態では上流側ダクト4iの流入断面の大半を膜部材14eが塞いでしまう。膜部材14eの中心には軸線方向(図7紙面右方向)に貫通する穴4b−2が設けられる。上流側ダクト4hの空気流Aは拡大部材4jの隙間4kに流入して外部放出されるもの以外は下流側ダクト4iに流入する。下流側ダクト4iに流入した空気流Aは、穴4b−2と、下流ダクト4iの内壁と膜部材4b−1との隙間4b−1と、から下流側ダクト4iひいてはエンジン6に導入される。この穴4b−2と隙間4b−1はその流量断面積が小さいが反面、その分速度が上昇するため温度は低下していく。したがって、エンジン6に良好な冷却空気を吸気することができる。
図7(b)は式(5)のロッド11aの進出途中の段階であり、図7(a)よりもスライダ14dは右に後退し、梁14bも後退して梁14aは半ば閉鎖した状態となる。スライダ14dは、紙面右にスライドし梁14bにより梁14aは半ば開閉された状態になる。この場合、図7(a)と場合と相違し隙間4b−1が大きくなっており、そこから空気流(走行風)Aが下流側ダクト4i内に流入する。これにより図7(a)よりも流量断面積が大きくなる。図7(c)は式(6)のロッド11aが最も後退した状態であり、図7(a)(b)よりもスライダ14dは右に後退し、梁14bも後退して梁14aは閉鎖した状態となる。スライダ14dは、紙面右にスライドし梁14bにより梁14aは略閉鎖した状態になる。この場合、隙間4b−1が大きくなっており、図7(a)よりもさらに大幅に流量断面積が大きくなる。このように風量が大きくなる又は温度が低くなるにつれエンジン6にそのまま吸気し得る好ましい空気流であり、これを多くエンジン6に吸気し得る。
以上、本発明におけるエンジン吸気口を複数備えた吸気ダクトについての実施形態およびその概念及び周辺技術について説明してきたが本発明はこれに限定されるものではなく特許請求の範囲および明細書等に記載の精神や教示を逸脱しない範囲で他の変形例、改良例が得られることが当業者は理解できるであろう。
1 車両
2 エンジンコンパートメント(エンコパ)
3 ラジエータ
4 吸気ダクト
4a メインダクト
4b 吸気口
4c サブダクト
4d 吸気口
4e 分岐部
4f 接合部
4g しきり板
4h 上流側ダクト
4i 下流側ダクト
4j 拡大部
4k 隙間(穴)
5 エアクリーナ
6 エンジン
7 車輪
8 トランスミッション
9 フロントグリル
10 ランプ
11 エアシリンダ
13 支持部材
13a 温度センサ及び速度センサ
14 開閉手段

Claims (1)

  1. 複数のエンジンの吸気口
    から流入する空気流量を調製可能な吸気量制御装置であって、
    任意の前記吸気口の近傍上流側の風速及び温度を検知するセンサと、
    前記センサで検出した風速及び温度から算出される風速/温度に基づいて前記吸気口で開口する断面積を変化させるように制御する可変手段とを備える、
    ことを特徴とする吸気流量制御装置。

JP2012073241A 2012-03-28 2012-03-28 吸気流量制御装置 Pending JP2013204486A (ja)

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