JP2013204111A - 溶融亜鉛めっき鋼管の製造方法 - Google Patents

溶融亜鉛めっき鋼管の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電縫鋼管に溶融亜鉛めっきを施す場合に、フレア加工時のめっき皮膜の剥離を防止でき、RoHS指令の規制にも対応できる溶融亜鉛めっき鋼管の製造方法を提供する。
【解決手段】溶融亜鉛めっき鋼管の製造方法は、帯鋼を加熱し、加熱された帯鋼を一群のロールによって円筒状に成形し、その継目部を熱間で電気抵抗溶接することにより接合し、続いて絞り圧延を行って電縫鋼管を造管する造管工程と、造管工程の後に電縫鋼管を酸洗しスケールを除去する酸洗工程と、スケールを除去された電縫鋼管に溶融亜鉛めっきを施すめっき工程と、を含み、造管工程にて帯鋼を1000℃±20℃に加熱して電縫鋼管を造管し、酸洗工程で酸洗を行う前の電縫鋼管の表面粗度を中心線平均粗さで2.0μm以上とし、酸洗を行った後の電縫鋼管の表面粗度を中心線平均粗さで4.0μm以上とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、溶融亜鉛めっき鋼管の製造方法に関し、特に、めっきを施す対象の鋼管として、熱間での電気抵抗溶接によって継目部が接合されてなる電縫鋼管(以下、単に「電縫鋼管」という)を採用した溶融亜鉛めっき鋼管の製造方法に関する。
通常、電縫鋼管は、以下のようにして造管される。素材である帯鋼を加熱炉で900〜960℃に加熱し、加熱された帯鋼を一群の成形ロールによって円筒状に連続成形し、その継目部をそのまま熱間で電気抵抗溶接することにより接合し、続いて絞り圧延を行って所定の外径および肉厚の電縫鋼管に仕上げる。絞り圧延後、電縫鋼管を所定の長さに切断し、さらに曲がりを矯正する。
このようにして造管された電縫鋼管は、溶融亜鉛めっきを施すに際し、表面に付着しているスケールを酸洗によって除去され、フラックス処理が施される。スケールを除去された電縫鋼管は、約460℃の溶融亜鉛めっき浴に浸漬し所定時間経過後に引き上げられ、外面および内面の順で余剰の溶融亜鉛をエアーワイピングなどで除去した後、冷却される。こうして、電縫鋼管の表面に亜鉛めっき皮膜が形成された溶融亜鉛めっき鋼管が製造される。
溶融亜鉛めっき鋼管は、JIS G 3442で規定される水配管用亜鉛めっき鋼管や、JIS G 3452で規定される配管用炭素鋼鋼管の白管として使用される。従来、溶融亜鉛めっき鋼管を配管として成り立たせるため、管端同士を溶接接合したり、管端部にねじ切り加工を施して管端部同士をねじ接合したりして接続するのが主流であった。しかし、近年では、鋼管を接続する際の施工効率の要請から、管端部を鍔状に広げるフレア加工を施し、その鍔状の管端部同士をフランジおよびボルトを用いて接続するジョイント工法が一般化している。
図1は、フレア加工された溶融亜鉛めっき鋼管をジョイント工法で接続した状態を示す断面図である。同図に示すように、溶融亜鉛めっき鋼管1は、フレア加工により、管端部1aが概ね90°に広がる鍔状に形成される。そして、ジョイント工法では、溶融亜鉛めっき鋼管1の鍔状管端部1a同士を間にガスケット4を挟んで突き合わせ、突き合わせた鍔状管端部1aを一対のフランジ2によって挟み込み、フランジ2同士をボルト3で締結する。
このように、ジョイント工法においては、溶融亜鉛めっき鋼管に予めフレア加工を施すことが不可欠である。
しかし、フレア加工は、溶融亜鉛めっき鋼管に著しい塑性変形を与える加工である。このため、特許文献1に記載されるように、フレア加工時に溶融亜鉛めっき鋼管のめっき皮膜が剥離することがある。めっき皮膜が鋼管母材表面から剥離し、脱落した場合(いわゆる、皮膜の剥がれが発生した場合)、その溶融亜鉛めっき鋼管は製品として出荷することができない。めっき皮膜が脱落するまでに至らなくとも膨れた状態で鋼管母材表面に残っている場合(いわゆる、皮膜の膨れが発生した場合)には、めっき皮膜の膨れが例えば2箇所以上発生していると、その溶融亜鉛めっき鋼管は製品として出荷することができない。
ここで、前記特許文献1に記載されるように、2006年に、欧州連合により、電子・電気機器における特定有害物質の使用を制限するRoHS(Restriction of Hazardous Substances)指令が施行され、このRoHS指令では、対象製品中のPb(鉛)の含有率が0.1質量%以下、Cd(カドミウム)の含有率が0.01質量%以下に制限されている。通常、電縫鋼管の溶融亜鉛めっきに用いる亜鉛には蒸留亜鉛が使用されており、溶融亜鉛めっき鋼管は、RoHS指令で規定される基準値を超えて、Pbを0.3〜1.3質量%程度、Cdを0.03〜0.1質量%程度含有する溶融亜鉛めっき浴から製造される。これに対し、溶融亜鉛めっきの亜鉛として最純亜鉛を使用すれば、溶融亜鉛めっき鋼管は、Pbを0.1質量%以下、Cdを0.01質量%以下で含有する溶融亜鉛めっき浴から製造され、RoHS指令の規制に対応することができる。
上記したフレア加工時のめっき皮膜の剥離は、蒸留亜鉛を使用した溶融亜鉛めっき浴から製造された溶融亜鉛めっき鋼管であっても、最純亜鉛を使用した溶融亜鉛めっき浴から製造され、RoHS指令の規制に対応した溶融亜鉛めっき鋼管であっても、発生し得る。
特開2011−89175号公報
本発明の目的は、次の特性を有する溶融亜鉛めっき鋼管の製造方法を提供することである:
(1)熱間での電気抵抗溶接によって継目部が接合されてなる電縫鋼管に溶融亜鉛めっきを施す場合に、フレア加工時のめっき皮膜の剥離を防止できること;
(2)RoHS指令の規制にも対応した溶融亜鉛めっき鋼管を製造できること。
本発明の要旨は、次の通りである。
帯鋼を加熱し、加熱された帯鋼を一群のロールによって円筒状に成形し、その継目部を熱間で電気抵抗溶接することにより接合し、続いて絞り圧延を行って電縫鋼管を造管する造管工程と、
造管工程の後に電縫鋼管を酸洗しスケールを除去する酸洗工程と、
スケールを除去された電縫鋼管に溶融亜鉛めっきを施すめっき工程と、を含む溶融亜鉛めっき鋼管の製造方法であって、
当該溶融亜鉛めっき鋼管の製造方法は、
造管工程にて帯鋼を1000℃±20℃に加熱して電縫鋼管を造管し、
酸洗工程で酸洗を行う前の電縫鋼管の表面粗度を中心線平均粗さで2.0μm以上とし、酸洗を行った後の電縫鋼管の表面粗度を中心線平均粗さで4.0μm以上とすること、
を特徴とする溶融亜鉛めっき鋼管の製造方法。
この溶融亜鉛めっき鋼管の製造方法は、めっき工程において、Pb:0.1質量%以下およびCd:0.01質量%以下を含有する溶融亜鉛めっき浴を用いて電縫鋼管に溶融亜鉛めっきを施すことが好ましい。
本発明の溶融亜鉛めっき鋼管の製造方法は、下記の顕著な効果を有する:
(1)熱間での電気抵抗溶接によって継目部が接合されてなる電縫鋼管に溶融亜鉛めっきを施す場合に、フレア加工時のめっき皮膜の剥離を防止できること;
(2)RoHS指令の規制にも対応した溶融亜鉛めっき鋼管を製造できること。
フレア加工された溶融亜鉛めっき鋼管をジョイント工法で接続した状態を示す断面図である。
本発明者は、上記目的を達成するため、熱間での電気抵抗溶接によって継目部が接合されてなる電縫鋼管に溶融亜鉛めっきを施すことを前提とし、鋭意検討を重ねた。その結果、以下の知見を得た。
(a)溶融亜鉛めっきを施すに際し、スケールを除去された電縫鋼管の母材表面が、平滑な状態ではなく、むしろ適度な凹凸で肌荒れしている状態であると、鋼管母材表面に形成された亜鉛めっき皮膜の剥離を防止することができる。これは、鋼管母材表面の適度な凹凸により、亜鉛めっき皮膜を構成するζ(ツェータ)相の結合が強固になり、めっき皮膜と鋼管母材表面との密着性が向上することによる。
(b)電縫鋼管の母材表面に適度な凹凸を生じさせるには、電縫鋼管を造管する際に、素材である帯鋼の加熱温度を高めるのが有効である。帯鋼の加熱温度を高めると、造管中にスケールの生成が促進するため、このスケールを最終的に酸洗によって除去すれば、電縫鋼管の母材表面に適度な凹凸が現れるからである。
(c)ただし、帯鋼の加熱温度を高め過ぎると、スケールの生成が過度になることから、得られる電縫鋼管の肉厚が減少し、要求される肉厚寸法を満たさなくなる。このため、帯鋼の加熱温度は、高めるにしても制限がある。
本発明は、上記(a)〜(c)の知見に基づき完成させたものである。すなわち、本発明の溶融亜鉛めっき鋼管の製造方法は、
帯鋼を加熱し、加熱された帯鋼を一群のロールによって円筒状に成形し、その継目部を熱間で電気抵抗溶接することにより接合し、続いて絞り圧延を行って電縫鋼管を造管する造管工程と、
造管工程の後に電縫鋼管を酸洗しスケールを除去する酸洗工程と、
スケールを除去された電縫鋼管に溶融亜鉛めっきを施すめっき工程と、を含み、
造管工程にて帯鋼を1000℃±20℃に加熱して電縫鋼管を造管し、
酸洗工程で酸洗を行う前の電縫鋼管の表面粗度を中心線平均粗さで2.0μm以上とし、酸洗を行った後の電縫鋼管の表面粗度を中心線平均粗さで4.0μm以上とすること、を特徴とする。
以下に、本発明の溶融亜鉛めっき鋼管の製造方法を上記のように規定した理由および好ましい態様について説明する。
本発明では、電縫鋼管を造管する際に、帯鋼を1000℃±20℃に加熱する。帯鋼の加熱温度をこのような範囲に規定する理由は、次のとおりである。
帯鋼の加熱温度が980℃以上である場合、造管時にスケールの生成が促進するため、造管された電縫鋼管を酸洗しスケールを除去すると、電縫鋼管の母材表面に適度な凹凸が現れる。具体的には、酸洗を行う前にあっては、スケールが付着した状態の電縫鋼管の表面粗度を中心線平均粗さ(Ra)で2.0μm以上とすることができ、さらに酸洗を行ってスケールを除去した後にあっては、電縫鋼管の表面粗度を中心線平均粗さ(Ra)で4.0μm以上とすることができる。酸洗によるスケール除去後に、電縫鋼管の母材表面が中心線平均粗さ(Ra)4.0μm以上の表面粗度の凹凸であれば、溶融亜鉛めっき後に、めっき皮膜と鋼管母材表面との密着性が向上し、フレア加工時のめっき皮膜の剥離を防止することができる。
ただし、帯鋼の加熱温度が1020℃を超えた場合、造管時にスケールの生成が過度になり、これに伴って、得られる電縫鋼管の肉厚が過剰に減少するため、要求される肉厚寸法を満たさなくなるおそれがある。このとき、電縫鋼管の表面粗度は、酸洗を行う前のスケールが付着した状態では、中心線平均粗さ(Ra)で4.5μmを超え、さらに酸洗を行ってスケールを除去した状態では、中心線平均粗さ(Ra)で8.0μmを超える。
したがって、フレア加工時のめっき皮膜の剥離を防止すると同時に、電縫鋼管の肉厚を要求される寸法内に確保するため、帯鋼の加熱温度は1000℃±20℃とする。
本発明において、酸洗は、電縫鋼管に付着したスケールを完全に除去し、鋼管母材表面の面粗度を中心線平均粗さ(Ra)で4.0μm以上とすることができる限り、その条件に特に限定はなく、慣用される方法を適用できる。例えば、酸洗浴として、硫酸を15〜17質量%程度、Fe(鉄)を1.8〜4.3質量%程度含み、温度が70〜85℃程度の硫酸浴を用い、この酸洗浴に、造管された電縫鋼管を20〜30分間浸漬する。浸漬中、電縫鋼管を遥動させてもよいし、酸洗浴を撹拌してもよい。
また、本発明において、溶融亜鉛めっきは、スケールを除去された電縫鋼管の母材表面に所望の目付け量で亜鉛めっき皮膜を形成することができる限り、その条件に特に限定はなく、慣用される方法を適用できる。例えば、温度が460〜470℃程度の溶融亜鉛めっき浴を用い、このめっき浴に、スケールを除去された電縫鋼管を浸漬する。浸漬時間は30〜225秒程度である。このときのめっき浴は、蒸留亜鉛を使用し、Pbを0.3〜1.3質量%程度、Cdを0.03〜0.1質量%程度含有するものであってもよいし、最純亜鉛を使用し、Pbを0.1質量%以下、Cdを0.01質量%以下で含有するものであってもよい。後者のように最純亜鉛を使用した溶融亜鉛めっき浴の場合、RoHS指令の規制に対応した溶融亜鉛めっき鋼管を製造できる点で有用である。
さらに、溶融亜鉛めっきの際、めっき浴から鋼管を引き上げ、内外面の余剰の溶融亜鉛を除去した後の冷却は、60〜85℃程度の温水に浸漬して行うのが好ましい。温水による緩冷却により、亜鉛めっき皮膜の硬さが低下し、これに伴ってめっき皮膜中の残留応力やひずみが低減するため、フレア加工時のめっき皮膜の剥離が生じ難くなるからである。
帯鋼の加熱温度を種々変更して電縫鋼管を造管し、溶融亜鉛めっき鋼管を製造する試験を実施した。この試験では、下記の表1に示すとおり、帯鋼の加熱温度ごとに試験No.1〜9に区分し、試験No.1〜9それぞれで20本ずつ電縫鋼管を造管し、溶融亜鉛めっき鋼管を製造した。
Figure 2013204111
[試験条件]
(1)帯鋼の加熱温度
上記の表1に示すとおり、900℃から1050℃の範囲内で変更した。
(2)電縫鋼管の仕様
・材質:低炭素鋼(C:0.05〜0.10質量%、Mn:0.20〜0.60質量%、Si:0.18〜0.23質量%、P≦0.35質量%、S≦0.005質量%、その他:Feおよび不純物)
・寸法:外径114.3mm、肉厚4.5mm、長さ300mm
(3)酸洗条件
・酸洗浴:硫酸を15〜17質量%、Feを1.8〜4.3質量%含む硫酸浴
・酸洗浴の温度:70〜85℃
・酸洗浴への浸漬時間:20〜30分
・酸洗後のフラックス処理:ZnCl2−NH4Cl浴に0.1〜5分間浸漬
(4)溶融亜鉛めっき条件
・めっき浴:Pbを0.002質量%、Cdを0質量%、Feを0.026質量%で含有する溶融亜鉛めっき浴
・めっき浴の温度:460〜470℃
・めっき浴への浸漬時間:30〜60秒
・めっき後の管外面の余剰溶融亜鉛の除去:1.2〜2.2kgf/cm2の常温の圧縮空気を噴射
・めっき後の管内面の余剰溶融亜鉛の除去:120〜180℃の蒸気を0.5〜2秒間、6〜11kgf/cm2の圧力で吹付け
・めっき皮膜の目標目付け量:400g/m2
・余剰溶融亜鉛除去後の冷却:60〜85℃の温水に0.5分間浸漬
[評価方法]
(1)電縫鋼管の表面粗度
酸洗を行う前と行った後で電縫鋼管の表面粗度を調査した。その際、試験No.1〜9それぞれの20本全ての電縫鋼管について、各々の外面(ただし、継目部を除く部分)で長手方向に沿った表面変位を計測し、中心線平均粗さ(Ra)を算出した。そして、各試験No.1〜9では、得られた20本の中心線平均粗さ(Ra)の平均値を表面粗度として算出した。上記の表1に、その結果を示す。
(2)電縫鋼管の肉厚
スケールを除去した電縫鋼管の肉厚を調査した。その際、試験No.1〜9それぞれの20本全ての溶融亜鉛めっき鋼管について、継目部分を除き周方向全域にわたって肉厚を計測し、所望の肉厚寸法を満たしているか否かを評価した。なお、肉厚計測には、マイクロメータを用いた。
上記の表1中で、「肉厚」の欄の記号の意味は、次の通りである。
○:良。20本の全てで、所望の肉厚寸法を満足したことを示す。
×:不可。所望の肉厚寸法を満足しないものが、20本のうちで1本でも認められたことを示す。
(3)溶融亜鉛めっき鋼管のめっき皮膜の耐剥離性
スケールを除去した電縫鋼管に溶融亜鉛めっきを施し、溶融亜鉛めっき鋼管のめっき皮膜の耐剥離性を調査した。その際、試験No.1〜9それぞれの20本全ての溶融亜鉛めっき鋼管について、フレア加工を行い、めっき皮膜の剥がれおよび膨れの発生状況を評価した。上記の表1に、その評価結果を示す。
上記の表1中で、「めっき皮膜の耐剥離性」の欄の記号の意味は、次の通りである。
○:良。20本の全てで、剥がれおよび膨れのいずれも認められなかったことを示す。
△:可。剥がれは認められないが、膨れが1箇所以内で認められたものが、20本のうちで1本でもあったことを示す。
×:不可。剥がれが1箇所以上で認められるか、膨れが2箇所以上で認められたものが、20本のうちで1本でもあったことを示す。
[評価結果]
表1に示すように、帯鋼の加熱温度が本発明の規定範囲(1000℃±20℃)を満足する試験No.3、6、7および8では、酸洗前後の電縫鋼管の表面粗度が本発明の規定範囲内となり、溶融亜鉛めっき鋼管におけるめっき皮膜の耐剥離性が良好であった。これと同時に、鋼管の肉厚も良好であった。
帯鋼の加熱温度が本発明の規定範囲の下限(980℃)を下回る試験No.1、2、4および5では、酸洗前後の電縫鋼管の表面粗度が本発明の範囲に到達せず、鋼管の肉厚が良好であったものの、溶融亜鉛めっき鋼管におけるめっき皮膜の耐剥離性が不芳であった。
帯鋼の加熱温度が本発明の規定範囲の上限(1020℃)を上回る試験No.9では、酸洗前後の電縫鋼管の表面粗度が本発明の規定範囲内となり、溶融亜鉛めっき鋼管におけるめっき皮膜の耐剥離性が良好であったものの、鋼管の肉厚が不芳であった。
なお、試験No.1〜9のいずれでも、溶融亜鉛めっき鋼管におけるめっき皮膜は、所望の目付け量を満たし、良好に形成できた。
本発明は、フレア加工を実施する溶融亜鉛めっき鋼管の製造に有効に利用できる。
1:溶融亜鉛めっき鋼管、 1a:鍔状管端部、
2:フランジ、 3:ボルト、 4:ガスケット

Claims (2)

  1. 帯鋼を加熱し、加熱された帯鋼を一群のロールによって円筒状に成形し、その継目部を熱間で電気抵抗溶接することにより接合し、続いて絞り圧延を行って電縫鋼管を造管する造管工程と、
    造管工程の後に電縫鋼管を酸洗しスケールを除去する酸洗工程と、
    スケールを除去された電縫鋼管に溶融亜鉛めっきを施すめっき工程と、を含む溶融亜鉛めっき鋼管の製造方法であって、
    当該溶融亜鉛めっき鋼管の製造方法は、
    造管工程にて帯鋼を1000℃±20℃に加熱して電縫鋼管を造管し、
    酸洗工程で酸洗を行う前の電縫鋼管の表面粗度を中心線平均粗さで2.0μm以上とし、酸洗を行った後の電縫鋼管の表面粗度を中心線平均粗さで4.0μm以上とすること、
    を特徴とする溶融亜鉛めっき鋼管の製造方法。
  2. めっき工程において、Pb:0.1質量%以下およびCd:0.01質量%以下を含有する溶融亜鉛めっき浴を用いて電縫鋼管に溶融亜鉛めっきを施すこと、
    を特徴とする請求項1に記載の溶融亜鉛めっき鋼管の製造方法。
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