JP2013203617A - 13族元素窒化物結晶の製造方法および積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】欠陥密度が低く、かつ反りが小さく、かつ空隙のない13族元素窒化物を提供する。
【解決手段】種結晶基板1上にアルミニウム−チタニウム金属膜2を形成する。金属膜2を窒素ガス含有雰囲気下で熱処理することにより、アルミニウム−チタニウム窒化物膜3を生成させる。窒化物膜3上にフラックス法によって13族元素窒化物結晶4を成長させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、青色発光ダイオード(LED)、青紫レーザダイオード(LD)、白色照明用光源(LED)などに利用できる13族元素窒化物結晶の製造方法、および積層体に関するものである。
近年、窒化ガリウムなどの13族元素窒化物を用いて、青色LEDや白色LED、青紫色半導体レーザなどの半導体デバイスを作製し、その半導体デバイスを各種電子機器へ応用することが活発に研究されている。
特許文献1(特開2003‐178984)、特許文献2(特開:2002‐343728)、特許文献3(特許3886341)には、いわゆるVAS(Void-assisted-Separation)法が記載されている。この方法では、下地基板上に低温にてGaNのバッファ層を形成し、さらにバッファ層上に金属チタン膜を形成し、次いで熱処理することにより、バッファ層中に空隙を生成させるともに金属膜を窒化し、窒化チタン膜を生じさせる。この上にフラックス法によって窒化ガリウム単結晶を育成している。
また、特許文献4(特開2002-75871)、特許文献5(特開2002‐343718)、特許文献6(特開2005-012171)では、下地として窒化アルミニウム膜を形成することが記載されている。
特開2003‐178984 特開2002‐343728 特許3886341 特開2002-75871 特開2002‐343718 特開2005-012171 特開2002-033288 特許3988018
しかし、VAS法では、GaNバッファ層に空隙が存在するために、製品での熱サイクルやたわみ等の信頼性が低下する危険がある。バッファ層とともに空隙をエッチングや機械的に除去することも可能だが、コスト増となるとともに、エッチングによる汚染や機械的な除去時の応力により、製品としての信頼性低下を招くおそれがある。
また、Al金属膜を窒化してAlN下地層を形成する方法では、窒化時にAlが凝集し、その上にフラックス法で形成された窒化ガリウムの欠陥低減に限界がある。
本発明の課題は、欠陥密度が低く、かつ反りが小さい13族元素窒化物を提供することである。
本発明は、種結晶基板上にアルミニウム−チタニウム金属膜を形成する金属膜形成工程、
金属膜を窒素ガス含有雰囲気下で熱処理することにより、アルミニウム−チタニウム窒化物膜を生成させる窒化工程、および
窒化物膜上にフラックス法によって13族元素窒化物結晶を成長させる生成結晶育成工程
を有することを特徴とする、13族元素窒化物結晶の製造方法に係るものである。
また、本発明は、種結晶基板、この種結晶基板上に形成されたアルミニウム−チタニウム窒化物膜、およびこのアルミニウム−チタニウム窒化物膜上にフラックス法によって形成された13族元素窒化物結晶を有することを特徴とする、積層体に係るものである。
本発明によれば、欠陥密度が低く、かつ反りが小さい13族元素窒化物を提供することができる。
この理由は明確ではないが、前述したように、金属膜中のチタンの触媒作用により、生成する13族元素窒化物のうちチタン金属と接する部分はエッチングを受け、空隙が生じやすくなるはずである。しかし、本発明では、金属膜中にアルミニウムも添加することによって、チタンによる13族元素窒化物のエッチング効果を抑制し、空隙を抑制できるものと推定される。
チタンを添加しない窒化アルミニウム単独では、窒素雰囲気化での熱処理時にアルミニウムが凝集し、その上に形成される13族元素窒化物の欠陥低減ができない。
本発明のように、アルミニウム−チタニウム金属膜を窒化した場合には、チタニウムに対しアルミニウムの方が耐熱性が低いために、窒化時に窒化アルミニウム部が選択的に凝集するはずである。このとき、アルミニウム/チタニウム金属膜の均質性が、そのまま窒化後のマスクに形成される開孔部の均質性に引き継がれることになり、例えば図2に示すように、適度の開孔部が窒化物膜中に生成する。この結果、均質な適度の寸法の開孔部の作用によって、種結晶側からの欠陥の伝搬が抑制され、13族元素窒化物の欠陥を低減できたと考えられる。更に、13族元素窒化物の欠陥が抑制されることから、13族元素窒化物の反りも低減できることを見いだし、本発明に到達した。
(a)は、種結晶基板1上にアルミニウム−チタニウム金属膜2を形成した状態を示し、(b)は、アルミニウム−チタニウム金属膜を窒化した後の状態を示し、(c)は、窒化物膜3A上にフラックス法によって13族元素窒化物4を形成した状態を示す。 実施例A4において得られたアルミニウム−チタニウム窒化物膜のSEM写真の2値化画像である。 実施例A4において得られた、アルミニウム−チタニウム窒化物膜のX線回折ピークを示すチャートである。
(用途)
本発明の窒化物単結晶膜および積層体は、高品質であることが要求される技術分野、例えばポスト蛍光灯といわれている高演色性の白色LEDや高速高密度光メモリ用青紫レーザディスク、ハイブリッド自動車用のインバータに用いるパワーデバイスなどに用いることができる。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明を説明する。
例えば図1(a)に示すように、種結晶基板1の上にアルミニウム−チタニウム金属膜2を形成する。次いで、アルミニウム−チタニウム金属膜2を窒素ガス含有雰囲気下で熱処理することにより、アルミニウム−チタニウム窒化物膜3を形成する(図1(b))。このアルミニウム−チタニウム窒化物膜3中には微細な開孔部が形成される。次いで、アルミニウム−チタニウム窒化物膜3上にフラックス法によって13族元素窒化物結晶4を成長させる。この際、13族元素窒化物は窒化物膜の開孔部中にも成長し、開孔部を一部あるいは全部充填し、窒化物膜3Aを生成させる。
本願でいう単結晶の定義について述べておく。結晶の全体にわたって規則正しく原子が配列した教科書的な単結晶を含むが、それのみに限定する意味ではなく、一般工業的に流通している意味である。すなわち、結晶がある程度の欠陥を含んでいたり、歪みを内在していたり、不純物がとりこまれていたりしていてもよく、多結晶(セラミックス)と区別して、これらを単結晶と呼んで用いているのと同義である。
(種結晶基板)
種結晶基板は、一体の均質な単結晶からなっていてよく、あるいは支持基板上に種結晶膜を設けたものでもよい。また、他にバッファ層や中間層を有していてよい。
種結晶基板を構成する単結晶の材質は限定されないが、サファイア、AlNテンプレート、GaNテンプレート、GaN自立基板、シリコン単結晶、SiC単結晶、MgO単結晶、スピネル(MgAl)、LiAlO、LiGaO、LaAlO,LaGaO,NdGaO等のペロブスカイト型複合酸化物、SCAM(ScAlMgO)を例示できる。また組成式〔A1−y(Sr1−xBa〕〔(Al1−zGa1−u・D〕O(Aは、希土類元素である;Dは、ニオブおよびタンタルからなる群より選ばれた一種以上の元素である;y=0.3〜0.98;x=0〜1;z=0〜1;u=0.15〜0.49;x+z=0.1〜2)の立方晶系のペロブスカイト構造複合酸化物も使用できる。
種結晶膜を構成する材質は13族元素窒化物が好ましく、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)、これらの混晶(AlGaN:AlGaInN等)が挙げられる。
また、単結晶基板が13族元素窒化物の板からなる場合には、その材質は、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)、窒化タリウム(TlN)、これらの混晶(AlGaN:AlGaInN等)が挙げられる。
バッファ層、種結晶膜の形成方法は気相成長法が好ましいが、有機金属化学気相成長(MOCVD: Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、ハイドライド気相成長(HVPE)法、パルス励起堆積(PXD)法、MBE法、昇華法を例示できる。有機金属化学気相成長法が特に好ましい。
(アルミニウム−チタニウム金属膜)
アルミニウム−チタニウムとは、これら両成分からなる金属膜を意味する。これは均質な合金であって良いが、アルミニウム粒子とチタニウム粒子とが微細に混じり合った混合物をなしていてもよい。
アルミニウム−チタニウム金属を生成させるには、特にその手法は問わないが、スパッタリングが好ましい。
アルミニウム−チタニウム金属窒化物膜の厚さは、アルミニウムの凝集を抑制して、膜を貫通する適度の開孔部を形成するという観点からは、1nm以上が好ましく、3nm以上が更に好ましい。また、アルミニウム−チタニウム金属窒化物膜の厚さは、13族元素窒化物への欠陥の伝搬を抑制するという観点からは、150nm以下が好ましく、100nm以下が更に好ましい。
アルミニウム−チタニウム金属窒化物膜においては、アルミニウム/チタニウム比を自由に変えることができるので、これによって窒化物膜の微構造を容易に制御できる。具体的には、アルミニウム比率を大きくすれば窒化物膜の開孔部の最大内接円の平均直径が大きくなり、チタニウム比率を大きくすれば窒化物膜の開孔部の最大内接円の平均直径を小さくできる。
こうした観点からは、アルミニウム−チタニウム金属膜におけるアルミニウムとチタニウムとの比率は、原子数比率として、1:0.1以上が好ましく、1:0.125以上が更に好ましい。また、アルミニウム−チタニウム金属膜におけるアルミニウムとチタニウムとの比率は、原子数比率として、1:10以下が好ましく、1:8以下が更に好ましい。
(窒化処理)
次いで、アルミニウム−チタニウム金属膜を窒化処理する。金属膜を窒化し、窒化物膜に開孔部を形成するための熱処理温度は限定されないが、13族元素窒化物の生成促進という観点からは、850℃以上が好ましい。また、欠陥の伝播抑制という観点からは、1100℃以下が好ましい。
金属膜を窒化する際の雰囲気は、少なくとも窒素ガスを含有する。この雰囲気は、窒素ガスのみからなっていてよく、また他のガスを含んでいて良い。窒素ガス以外のガスは非酸化性雰囲気が好ましく、アルゴン、ヘリウム、ネオンが特に好ましい。
窒素ガスによって窒化を行うことにより、下地の種結晶をエッチングすることなく窒化できる。
(アルミニウム-チタニウム窒化物膜)
アルミニウム−チタニウム金属膜を窒化することにより、窒化物膜を得る。この窒化物膜においては、例えば図3に示すように、窒化アルミニウムのピークと窒化チタニウムのピークとが検出されるので、均質な化合物ではなく、窒化アルミニウム相と窒化チタニウム相とが微細に混合された不均質な混合物である。
ここで、窒化物膜中には窒化処理の間に開孔部が生成する。この窒化物膜の開孔部の最大内接円の平均直径は、上の13族元素窒化物への欠陥伝搬を抑制するという観点からは、1.0μm以上であることが好ましく、5.0μm以上であることが更に好ましい。また、上の13族元素窒化物の生成促進という観点からは、窒化物膜の開孔部の最大内接円の平均直径は、30μm以下が好ましく、25μm以下が更に好ましい。
開孔部の最大内接円の平均直径の定義:
窒化物膜表面のSEM画像において開孔部とそれ以外の部分が2値化されるようにする。個々の開孔部に内接する円の最大直径を求め、その平均値を“開孔部の最大内接円の平均直径”とした。
2値化は次の方法により行った。窒化処理したサンプル表面の2次電子線像(以後SEIと略す)を電子顕微鏡にて、3万倍の倍率にて撮影する。撮影した写真を米国Media
Cybernetics社のImage pro plusによって2値化処理を行う。上記のSEI写真を無圧縮(Tiff形式)で、パソコンに取り込む。圧縮(jpeg)だと画像が劣化するので好ましくない。また、画像はなるべく1Mピクセル以上の高画素数で取り込むことが好ましい。この画像を8ビットグレースケールに変換する。すなわち、画像の各画素が0〜255の階調に分類される。ソフトの強度分布機能(上述ソフトだと、「表示レンジ」)によってピーク強度を読み取る。これをXpeakとする。また、階調分布の上から99.9%に分布する階調の値を読み取る。これをX99.9とする。次に、2値化の閾値を決める。この閾値以下の階調すべてを白、閾値以上の階調をすべて黒という具合に2分する。この閾値はXpeak×2-X99.9で求める。そして、2値画像の黒色部分が開孔部である。
(フラックス法による13族元素窒化物結晶の育成)
13族元素とは、IUPACが策定した周期律表による第13族元素のことである。13族元素は、具体的にはガリウム、アルミニウム、インジウム、タリウム等である。また、添加剤としては、炭素や、低融点金属(錫、ビスマス、銀、金)、高融点金属(鉄、マンガン、チタン、クロムなどの遷移金属)及びゲルマニウムが挙げられる。低融点金属は、ナトリウムの酸化防止を目的として添加する場合がある。
13族元素窒化物のウルツ鉱構造は、c面、a面およびm面を有する。これらの各結晶面は結晶学的に定義されるものである。13族元素窒化物の表面は、非極性面であってよく、極性面であってよい。非極性面とは、表面がa面またはm面の13族元素窒化物である。また、極性面とは、13族元素窒化物のc面である。種結晶およびフラックス法によって育成される13族元素窒化物単結晶の育成方向は、a
面の法線方向であってよく、m面の法線方向であってよく、c面の法線方向であってよい。
フラックスの種類は、13族元素窒化物を生成可能である限り、特に限定されない。好適な実施形態においては、アルカリ金属とアルカリ土類金属の少なくとも一方を含むフラックスを使用し、ナトリウム金属を含むフラックスが特に好ましい。
13族元素は、特に好ましくは、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)の内の1種又は複数種である。このなかで、ガリウムが特に好ましい。また、育成する結晶は、窒化ガリウム(GaN)単結晶であることが好ましい。しかしながら、一般式AlxGayIn1-x-yN(x、y、x+yはいずれも0以上1以下)で表される任意組成比の2元系、3元系、4元系の結晶であっても良い。また、AlxGayIn1-x-yNの構成元素の一部をB、Tlで置換しても良い。
フラックスには、目的とする13族元素窒化物の原料を混合し、使用する。フラックスを構成する原料は、目的とする結晶に合わせて選択する。
例えば、ガリウム原料物質としては、ガリウム単体金属、ガリウム合金、ガリウム化合物を適用できるが、ガリウム単体金属が取扱いの上からも好適である。アルミニウム原料物質としては、アルミニウム単体金属、アルミニウム合金、アルミニウム化合物を適用できるが、アルミニウム単体金属が取扱いの上からも好適である。インジウム原料物質としては、インジウム単体金属、インジウム合金、インジウム化合物を適用できるが、インジウム単体金属が取扱いの上からも好適である。
フラックス法における13族元素窒化物の育成温度や育成時の保持時間は特に限定されず、目的とする結晶の種類やフラックスの組成に応じて適宜変更する。一例では、ナトリウムまたはリチウム含有フラックスを用いてGaN単結晶を育成する場合には、育成温度を800〜1000℃とすることができる。
フラックス法では、窒素原子を含む気体を含む雰囲気下で単結晶を育成する。このガスは窒素ガスが好ましい。雰囲気の全圧は特に限定されないが、フラックスの蒸発を防止する観点からは、10気圧以上が好ましく、30気圧以上が更に好ましい。ただし、圧力が高いと装置が大がかりとなるので、雰囲気の全圧は、2000気圧以下が好ましく、500気圧以下が更に好ましい。雰囲気中の窒素ガス以外のガスは限定されないが、非酸化性雰囲気が好ましく、アルゴン、ヘリウム、ネオンが特に好ましい。
(本発明の窒化物の加工)
図1(c)に示す積層体は、そのままでデバイス用部材として利用できる。しかし、用途によっては、種結晶基板1だけを研磨加工等で除去することができる。あるいは、種結晶基板1および膜3Aを除去し、窒化物膜4のみとし、デバイス基材として利用することができる。
(実施例A1〜A9)
2インチ種結晶基板用のGaNウェハー上に、表1に示す所定組成比になるようにアルミニウム/チタニウム膜をスパッタリング法によって形成した。また、窒化後の膜厚みが表1に示す値となるようにスパッタするアルミニウム/チタニウム膜厚みを調整している。次いで、アルミニウム/チタニウム膜を形成したGaNウェハーをカーボン容器に入れ、表1に示す圧力のN雰囲気下で、表1に示す温度にて1時間の熱処理を施し、窒化物膜を得た。
得られた窒化物膜について、以下の条件でX線回折チャートを得た。得られた代表的なX線チャートを図3に示す。
窒化物膜は薄いため、下記条件の低角入射X線法にて測定を行った。
装置:リガク株式会社製 RINT-TTRIII
管電圧:50kV
管電流:300mA
平行ビーム光学系
2θ測定固定角(入射角):1°
測定範囲(2θ):20〜80°
ステップ幅:0.02°
測定時間:3sec/step
図3に代表例を示したように(実施例A4に対応する)、得られた各チャートからは、窒化アルミニウムと窒化チタニウムとの混合物の回折ピークが観察され、アルミニウムとチタニウムがともに窒化されていることが確認された。
また、窒化物膜の開孔部の最大内接円の平均直径は1.1μm〜30μmであった。
次いで、窒化物膜上に、Naフラックス法によって窒化ガリウム単結晶を育成した。具体的には、アルゴン雰囲気のグローブボックス内で、Al2O3製ルツボの底に種結晶基板を水平に配置した。次いで、金属ナトリウム15g、金属ガリウム10g、炭素39mg(Ga/Na比は18mol%、C/Na比は、0.5mol%)をAl2O3ルツボ内に充填した。Al2O3ルツボをステンレス製の内側容器内に入れ、さらに内側容器を外側容器内に入れ、外側容器の開口を窒素導入パイプの付いた外容器蓋で閉じた。この外容器を、予め真空ベークしてある回転台の上に設置し、耐圧容器に蓋をして密閉した。
そして、耐圧容器内を真空ポンプにて0.1Pa以下まで真空引きした。次いで、加熱空間の温度を870℃に加熱しながら、4.0MPaまで窒素ガスボンベから窒素ガスを導入した。この状態で10時間保持した。その後、室温まで自然冷却したのち、耐圧容器の蓋を開けて中から坩堝を取り出し、坩堝にエタノールを投入し、金属ナトリウムをエタノールに溶かしたあと、成長した窒化ガリウム結晶板を回収した。この窒化ガリウム結晶板の大きさはφ2インチであり、種基板上に約0.1mm成長していた。
育成したGaN単結晶を、カソードルミネッセンス法(以後、CL法と略す)による欠陥密度測定、ハイトゲージによる反り測定にて評価した。結果を表1に示す。
この結果、欠陥密度はいずれも10〜10/cm台であり、低欠陥化していた。また、反りも10μm以下であり、反りが減少していた。
(比較例A1)
2インチ種基板用GaNウェハー上に、スパッタにてアルミニウム膜を形成した。次いで、アルミニウム膜を形成したGaNウェハーをカーボン容器に入れ、0.1MPaのN雰囲気下で1000℃×1時間の熱処理を施し、窒化物膜を形成した。この窒化物膜について、実施例A1〜A9と同様にしてX線回折測定を行った。この結果、窒化アルミニウムの回折ピークが観察され、アルミニウムが窒化されている膜に変わっていることが確認された。窒化アルミニウムは凝集が進み、塊状で存在していた。
得られた窒化物膜上に、実施例A1〜A9と同様にして窒化ガリウム単結晶膜を形成した。
次いで、実施例A1〜A9と同様にして、CL法による欠陥密度測定、ハイトゲージによる反り測定を行った。結果を表1に示す。
この結果、欠陥密度は2.7×10/cmとなり、実施例に対し悪化した。窒化アルミニウムが塊状にて存在するため、マスクとして機能しなかったことが原因と推定される。また、反りは153μmとなり、実施例に対し悪化した。
(比較例A2)
2インチ種基板用GaNウェハー上に、スパッタにてチタニウム膜を形成した。チタニウム膜を形成したGaNウェハーをカーボン容器に入れ、0.1MPaのN雰囲気下で1000℃×1時間の熱処理を施した。この窒化物膜について、実施例A1〜A7と同様にしてX線回折測定を行った。この結果、窒化チタニウムの回折ピークが観察され、チタニウムが窒化していることが確認された。窒化チタニウム膜中の開孔部の最大内接円の平均直径はサブミクロンのオーダーであった。
窒化チタニウム膜を形成した前記GaNウェハー上に、実施例A1〜A9と同様にして窒化ガリウム単結晶育成を試みたが、部分的にしか成長しなかった。部分的にしか成長しなかったので、反りは測定しなかった。
Figure 2013203617
(実施例B1〜B8)
実施例A1〜A9と同様にして窒化物膜を形成した。ただし、窒化後の窒化物膜の厚みが所定の厚みとなるように、アルミニウム−チタニウム金属膜の厚みを変えた。アルミニウム−チタニウム金属膜の含有比率、熱処理時の雰囲気および圧力、熱処理温度、アルミニウム−チタニウム金属膜の膜厚を、表2に示す。
得られた窒化物膜について、実施例A1〜A9と同様にしてX線回折測定を行った。この結果、窒化アルミニウムと窒化チタニウムとの混合物の回折ピークが観察され、アルミニウムとチタニウムがともに窒化されていることが確認された。
この窒化物膜上に、実施例A1〜A9と同様にして窒化ガリウム単結晶を育成した。育成した窒化ガリウム単結晶を、CL法による欠陥密度測定、ハイトゲージによる反り測定にて評価した。この結果を表2に示す。
この結果、実施例B1〜B8では、欠陥密度はいずれも10〜10/cm台であり、低欠陥化していた。また、反りも15μm以下であった。
Figure 2013203617
(実施例C1〜C5)
実施例A1〜A9と同様にして窒化物膜を形成した。ここでは、窒化時の雰囲気圧力或いは雰囲気を変えた。ただし、窒化後の窒化物膜の厚みが所定の厚みとなるように、アルミニウム−チタニウム金属膜の厚みを変えた。アルミニウム−チタニウム金属膜の含有比率、熱処理時の雰囲気および圧力、熱処理温度、アルミニウム−チタニウム金属窒化物膜の膜厚を、表3に示す。
得られた窒化物膜について、実施例A1〜A9と同様にしてX線回折測定を行った。この結果、窒化アルミニウムと窒化チタニウムとの混合物の回折ピークが観察され、アルミニウムとチタニウムがともに窒化されていることが確認された。
この窒化物膜上に、実施例A1〜A9と同様にして窒化ガリウム単結晶を育成した。育成した窒化ガリウム単結晶を、CL法による欠陥密度測定、ハイトゲージによる反り測定にて評価した。この結果を表3に示す。
この結果、実施例C1〜C5では、欠陥密度はいずれも10〜10/cm台であり、低欠陥化していた。また、反りも10μm以下であり、反りが減少していた。
(比較例C1、C2)
実施例A1〜A9と同様にしてアルミニウム−チタニウム金属膜を形成した。次いで、アルミニウム−チタニウム金属膜を形成したGaNウェハーをカーボン容器に入れ、1000℃×1時間の熱処理を施した。ただし、比較例C1では真空下で熱処理し、比較例C2では0.1MPaの水素雰囲気下で熱処理した。この結果、窒化アルミニウム、窒化チタニウムの回折ピークが観察されず、アルミニウムとはチタニウムとが塊状で存在していた。
得られた膜上に、実施例A1〜A9と同様にして窒化ガリウム単結晶を育成した。育成した窒化ガリウム単結晶を、CL法による欠陥密度測定、ハイトゲージによる反り測定にて評価した。この結果を表3に示す。
この結果、欠陥密度は2.4×10/cm、3.6×10/cmとなり、実施例に対し悪化した。Al/Tiが塊状にて存在するため、マスクとして機能しなかったことが原因と推定される。反りは163μm、251μmとなり、実施例に対し悪化した。
(比較例C3)
実施例A1〜A9と同様にしてアルミニウム−チタニウム金属膜を形成した。次いで、アルミニウム−チタニウム金属膜を形成したGaNウェハーをカーボン容器に入れ、1000℃×1時間の熱処理を施した。ただし、雰囲気圧力は0.1MPaとし、雰囲気は、水素+アンモニア(20%)とした。この結果、窒化アルミニウムと窒化チタニウムの回折ピークが観察され、窒化されて混合物膜に変わっていることが確認された。また、膜の開孔部の間隔はサブミクロンであった。マスクと接する種基板のGaN部位がエッチングされていた。
得られた膜上に、実施例A1〜A9と同様にして窒化ガリウム単結晶を育成した。育成した窒化ガリウム単結晶を、CL法による欠陥密度測定、ハイトゲージによる反り測定にて評価した。この結果を表3に示す。
この結果、欠陥密度は1.2×10/cmとなり、実施例に対し悪化した。また、結晶の反りは229μmとなり、実施例に対し悪化した。また、窒化後ウェハーは窒化物膜が脆くなっていた。
Figure 2013203617
(実施例D1〜D8)
実施例A1〜A9と同様にして窒化物膜を形成した。ここでは、窒化処理温度を変えた。ただし、窒化後の窒化物膜の厚みが所定の厚みとなるように、アルミニウム−チタニウム金属膜の厚みを変えた。アルミニウム−チタニウム金属膜の含有比率、熱処理時の雰囲気および圧力、熱処理温度、アルミニウム−チタニウム金属膜の膜厚を、表4に示す。
得られた窒化物膜について、実施例A1〜A9と同様にしてX線回折測定を行った。この結果、窒化アルミニウムと窒化チタニウムとの混合物の回折ピークが観察され、アルミニウムとチタニウムがともに窒化されているに変わっていることが確認された。
この窒化物膜上に、実施例A1〜A9と同様にして窒化ガリウム単結晶を育成した。育成した窒化ガリウム単結晶を、CL法による欠陥密度測定、ハイトゲージによる反り測定にて評価した。この結果を表4に示す。
この結果、実施例D1〜D8では、欠陥密度はいずれも10〜10/cm台であり、低欠陥化していた。また、反りも15μm以下であった。
Figure 2013203617

Claims (13)

  1. 種結晶基板上にアルミニウム−チタニウム金属膜を形成する金属膜形成工程、
    前記金属膜を窒素ガス含有雰囲気下で熱処理することにより、アルミニウム−チタニウム窒化物膜を生成させる窒化工程、および
    前記窒化物膜上にフラックス法によって13族元素窒化物結晶を成長させる結晶育成工程
    を有することを特徴とする、13族元素窒化物結晶の製造方法。
  2. 前記アルミニウム−チタニウム金属膜をスパッタリング法によって形成することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 前記窒化工程において前記窒化物膜内に開孔部が生成することを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記開孔部の最大内接円の平均直径が1.0〜30μmであることを特徴とする、請求項3記載の方法。
  5. 前記13族元素窒化物結晶が窒化ガリウム結晶であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の方法。
  6. 前記窒化物膜の厚さが3〜150nmであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つの請求項に記載の方法。
  7. 前記熱処理時における温度が850〜1100℃であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つの請求項に記載の方法。
  8. 前記窒化物膜におけるアルミニウムとチタニウムとの比率が1:0.1〜10であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つの請求項に記載の方法。
  9. 種結晶基板、
    この種結晶基板上に形成されたアルミニウム−チタニウム窒化物膜、および
    このアルミニウム−チタニウム窒化物膜上にフラックス法によって形成された13族元素窒化物結晶を有することを特徴とする、積層体。
  10. 前記窒化物膜内に開孔部が生成していることを特徴とする、請求項9記載の積層体。
  11. 前記開孔部の最大内接円の平均直径が1.0〜30μmであることを特徴とする、請求項10記載の積層体。
  12. 前記13族元素窒化物結晶が窒化ガリウム結晶であることを特徴とする、請求項9〜11のいずれか一つの請求項に記載の積層体。
  13. 前記窒化物膜におけるアルミニウムとチタニウムとの比率が1:0.1〜10であることを特徴とする、請求項9〜12のいずれか一つの請求項に記載の積層体。
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