JP6976464B2 - 窒化アルミニウムガリウム単結晶の育成方法および融液組成物 - Google Patents

窒化アルミニウムガリウム単結晶の育成方法および融液組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6976464B2
JP6976464B2 JP2020570291A JP2020570291A JP6976464B2 JP 6976464 B2 JP6976464 B2 JP 6976464B2 JP 2020570291 A JP2020570291 A JP 2020570291A JP 2020570291 A JP2020570291 A JP 2020570291A JP 6976464 B2 JP6976464 B2 JP 6976464B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
aluminum
gallium
single crystal
melt composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020570291A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2020161860A1 (ja
Inventor
孝介 丹羽
真 岩井
達也 菱木
博久 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Publication of JPWO2020161860A1 publication Critical patent/JPWO2020161860A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6976464B2 publication Critical patent/JP6976464B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B19/00Liquid-phase epitaxial-layer growth
    • C30B19/02Liquid-phase epitaxial-layer growth using molten solvents, e.g. flux
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B29/00Single crystals or homogeneous polycrystalline material with defined structure characterised by the material or by their shape
    • C30B29/10Inorganic compounds or compositions
    • C30B29/38Nitrides

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Description

本発明は、窒化アルミニウムガリウム単結晶の育成方法および融液組成物に関するものである。
窒化ガリウム単結晶は、青色半導体レーザーなどに適した材料として実用化が進んでいる。特に、ナトリウムフラックス法によって、比較的低温かつ低圧で窒化ガリウム単結晶を育成する方法が開示されている(特許文献1、特許文献2)。
一方、窒化アルミニウム単結晶のアルカリ土類フラックス法による育成に適した融液組成物が特許文献3に開示されている。また、特許文献4には、ガリウムとアルミニウムとナトリウムとを含む融液を窒素含有雰囲気中で加圧することによって、AlN単結晶を育成することを開示している。
一方、最近、深紫外線レーザー光を発振できる窒化アルミニウムガリウム単結晶(AlGaN)を高生産性で育成することが望まれており、特に窒化アルミニウムガリウム単結晶を含む基板やテンプレートの提供が望まれる。この点では、非特許文献1、非特許文献2には、気相法によって窒化アルミニウムガリウム単結晶を育成することが記載されている。
更に、非特許文献3には、アルミニウム金属、ガリウム金属およびナトリウムアジド(NaN)の融液からフラックス法によって窒化アルミニウムガリウム結晶を育成することが開示されている。
2012年1月 SEIテクニカルレビュー第180号 p83-88 「AlNを用いた高Al組成AlGaN HEMTの開発」 Journal of Crystal Growth Vol. 281, Issue 1, 2005, Pages 47-54 Phys. Stat. sol.(a) 188, No.1, 415-419 (2001)Growth of AlxGa1-xN and InyGa1-yN Single Crystals Using the Na Flux Method
特許第5289982号 特許第5735420号 特開2008-266067 特許第4780720号
しかし,品質の良い窒化アルミニウムガリウム単結晶を育成することは困難であった。例えば、非特許文献1、2では、MOVPE法やHVPE法のような気相法によって窒化アルミニウムガリウム単結晶の薄膜をエピタキシャル成長させているが、高品質の単結晶を得ることが難しく、かつ育成速度も低い。
非特許文献3記載の方法では、結晶育成時の圧力を100気圧と超高圧にする必要があった。また、窒化アルミニウムガリウム結晶は確かに得られているが、しかし粒径300〜500ミクロンの粉末状の結晶しか得られておらず、まとまった膜状、あるいは板状の窒化アルミニウムガリウム単結晶は得られていない。粉末状の窒化アルミニウムガリウム単結晶は、それ自体で各種デバイスの下地や素材となるものではなく、膜状や板状の窒化アルミニウムガリウム結晶を得る製法が要望される。
本発明の課題は、膜状や板状の窒化アルミニウムガリウム単結晶を育成する方法を提供することである。
本発明は、融液組成物中で種結晶上にナトリウムフラックス法によって窒化アルミニウムガリウム結晶を育成する方法であって、
前記融液組成物が、ナトリウム金属、ガリウム金属およびアルミニウム金属を含有しており、前記ナトリウム金属、前記ガリウム金属および前記アルミニウム金属の組成をmol%単位で表示する三成分系図において、前記ナトリウム金属、前記ガリウム金属および前記アルミニウム金属のモル比率(Na:Ga:Al)が、(80:15:5)、(60:30:10)、(47:13:40)および(67:8:25)の四点を頂角とする四辺形によって包囲された領域中に存在することを特徴とする。
また、本発明は、融液組成物中でナトリウムフラックス法によって窒化アルミニウムガリウム結晶を育成するための融液組成物であって、
前記融液組成物が、ナトリウム金属、ガリウム金属およびアルミニウム金属を含有しており、前記ナトリウム金属、前記ガリウム金属および前記アルミニウム金属の組成をmol%単位で表示する三成分系図において、前記ナトリウム金属、前記ガリウム金属および前記アルミニウム金属のモル比率(Na:Ga:Al)が、(80:15:5)、(60:30:10)、(47:13:40)および(67:8:25)の四点を頂角とする四辺形によって包囲された領域中に存在することを特徴とする。
本発明者は、ルツボ中でアルミニウム金属、ガリウム金属、ナトリウム金属を混合および溶融させて融液とし、ナトリウムフラックス法によって窒化アルミニウムガリウム単結晶を育成することを検討した。その際、当初、Naに対する原料金属(Ga+Al)の比(mol%)を一定にして育成することを検討してきたが、種結晶膜上には窒化アルミニウムガリウム結晶は形成されなかった。
このため、本発明者は、Na:Gaのモル比率を4:1近傍にすると高品質のGaN単結晶を育成し易いことに着目した。その上で、Alを追加する(Al/(Al+Ga)比を高める)ことによって、膜状や板状などの窒化アルミニウムガリウム単結晶が析出することを発見した。その上で各金属の組成を変化させて検討を続けた結果として、上述したような組成範囲で、窒化アルミニウムガリウム単結晶を育成可能なことを見いだし、本発明に到達した。
融液組成物の三成分系図を示す。 本発明の組成範囲を示す融液組成物の三成分系図である。 本発明および好適実施形態の組成範囲を示す融液組成物の三成分系図である。 実施例1で得られた窒化アルミニウムガリウム単結晶の表面を示す顕微鏡写真である。 実施例1の結晶のX線回折測定結果を示す。 実施例1の結晶の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果を示す写真である。 図6の写真のうち枠で包囲した部分の拡大写真である。 実施例1の結晶のSIMS分析結果を示す。 実施例2の結晶の顕微鏡写真を示す。 実施例6の結晶の顕微鏡写真を示す。
本発明においては、融液組成物中で種結晶上にナトリウムフラックス法によって窒化アルミニウムガリウム結晶を育成する方法を提供する。
本発明の融液組成物は、ナトリウム金属(Na)、ガリウム金属(Ga)およびアルミニウム金属(Al)を含有している。ここで、図1〜図3は、それぞれ、ナトリウム金属、ガリウム金属およびアルミニウム金属の組成をmol%単位で表示する三成分系図を示すものである。ただし、図1は、Na、Ga、Alのそれぞれについて0〜100モル%の範囲の組成を示しており、図2、図3は、図1の組成図の一部を拡大して示す。また、A〜Mの符号は,それぞれ各組成を示す点である。
ここで、本発明により、ナトリウム金属、ガリウム金属およびアルミニウム金属のモル比率(Na:Ga:Al)が、A(80:15:5)、B(60:30:10)、C(47:13:40)およびD(67:8:25)の四点を頂角とする四辺形によって包囲された領域T中に存在するようにする。(80:15:5)、(60:30:10)、(47:13:40)および(67:8:25)は、図1〜図3において、点A、点B、点C、点Dに対応している。また、四辺形は、点A、点B、点Cおよび点Dの四点を頂角としている。斜線で示される領域Tは、この四辺形によって包囲された領域である。このような組成範囲の融液組成物を用いることによって、ナトリウムフラックス法で、品質の良い窒化アルミニウムガリウム単結晶を育成可能である。
好適な実施形態においては、前記三成分系図において、ナトリウム金属、ガリウム金属およびアルミニウム金属のモル比率(Na:Ga:Al)が、点J(72:12:16)、点K(55:12:33)、点L(55:23:22)および点M(72:2:7)の四点を頂角とする四辺形によって包囲された領域W中に存在する(図3参照)。これによって、窒化アルミニウムガリウム単結晶の品質が更に向上し、膜状や板状のまとまった形態を有する単結晶が一層形成され易くなる。
融液組成物中には、アルミニウム金属、ガリウム金属、ナトリウム金属以外に添加物を添加することができる。
特に亜鉛を添加することによって、得られる窒化アルミニウムガリウム単結晶におけるアルミニウムの組成比率を向上させることができる。特に、アルミニウム金属100mol%に対し、亜鉛を1〜40mol%添加することが好ましい。
好適な実施形態においては、本発明により、窒化アルミニウムガリウム単結晶が、AlGa1−xN(x=0.1〜0.9)の組成を有する。更に好ましくは、xを0.25以上、0.75以下とすることができる。
単結晶の定義について述べておく。結晶の全体にわたって規則正しく原子が配列した教科書的な単結晶を含むが、それのみに限定する意味ではなく、一般工業的に流通している単結晶という意味である。すなわち、結晶がある程度の欠陥を含んでいたり、歪みを内在していたり、不純物がとりこまれていたりしていてもよく、多結晶(セラミックス)と区別して、これらを単結晶と呼んで用いているのと同義である。
好適な実施形態においては、種結晶が、AlGa1−zN(z=0.05〜0.80)の組成を有する単結晶である。これによって、種結晶上に窒化アルミニウムガリウム結晶が特に成長し易くなる。本発明の観点からは、は、zは0.3以上であることが更に好ましく、また,0.7以下であることが更に好ましい。
種結晶は、バルク状の基板であってよく、あるいは、別体の支持基板上に形成された種結晶膜であってもよい。
支持基板の材質は、特には限定されないが、サファイア、AlNテンプレート、GaNテンプレート、GaN自立基板、シリコン単結晶、SiC単結晶、MgO単結晶、スピネル(MgAl)、LiAlO、LiGaO、LaAlO,LaGaO,NdGaO等のペロブスカイト型複合酸化物、SCAM(ScAlMgO)を例示できる。また組成式〔A1−y(Sr1−xBa〕〔(Al1−zGa1−u・D〕O(Aは、希土類元素である;Dは、ニオブおよびタンタルからなる群より選ばれた一種以上の元素である;y=0.3〜0.98;x=0〜1;z=0〜1;u=0.15〜0.49;x+z=0.1〜2)の立方晶系のペロブスカイト構造複合酸化物も使用できる。支持基板の材質は、特に好ましくは酸化アルミニウムとする。ここで、支持基板を構成する酸化アルミニウムは、単結晶(サファイア)であってよく、多結晶アルミナであってよく、結晶配向性アルミナであってよく、またアモルファスアルミナであってもよい。
好適な実施形態においては、支持基板上に、窒化アルミニウムガリウム結晶からなる種結晶膜を設ける。種結晶膜を形成する際には、まず支持基板上にバッファ層を設け、続けて種結晶膜を育成することが好ましい。
こうしたバッファ層の形成方法は気相成長法が好ましく、有機金属化学気相成長(MOCVD: Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、ハイドライド気相成長(HVPE)法、MBE法、昇華法を例示できる。
種結晶膜は、一層であってよく、あるいは支持基板側のバッファ層を含んでいて良い。種結晶膜の形成方法は気相成長法を好ましい一例として挙げることができ、有機金属化学気相成長(MOCVD: Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、ハイドライド気相成長(HVPE)法、パルス励起堆積(PXD)法、MBE法、昇華法を例示できる。有機金属化学気相成長法が特に好ましい。
種結晶層の厚さは、結晶育成時のメルトバックや消失を防止するという観点からは、0.5μm以上が好ましく、2μm以上が更に好ましい。また、種結晶層の厚さは、生産性の観点からは15μm以下が好ましく、4μm以下が更に好ましい。
次いで、種結晶上に窒化アルミニウムガリウム単結晶をナトリウムフラックス法によって育成する。この際、結晶育成温度を780〜950℃とすることが好ましく、800〜900℃とすることが更に好ましい。
フラックス法では、窒素原子を含む気体を含む雰囲気下で窒化アルミニウムガリウム単結晶を育成する。このガスは窒素ガスが好ましいが、アンモニアでもよい。雰囲気の圧力は特に限定されないが、フラックスの蒸発を防止する観点からは、10気圧以上が好ましく、30気圧以上が更に好ましい。ただし、圧力が高いと装置が大がかりとなるので、雰囲気の全圧は、2000気圧以下が好ましく、500気圧以下が更に好ましい。雰囲気中の窒素原子を含む気体以外のガスは限定されないが、不活性ガスが好ましく、アルゴン、ヘリウム、ネオンが特に好ましい。
窒化アルミニウムガリウム単結晶を支持基板からの剥離後に自立させるという観点からは、窒化アルミニウムガリウム単結晶の厚さは、300μm以上であることが好ましく、500μm以上であることが更に好ましい。
支持基板上に窒化アルミニウムガリウム単結晶を形成した状態で、その上に更に機能素子構造を設けるテンプレート基板として用いることができる。あるいは、窒化アルミニウムガリウム単結晶を支持基板から分離し、自立基板として用いることができる。13族元素窒化物結晶を支持基板から加工によって分離するには、レーザリフトオフ法(LLO)や研削加工が好ましい。
こうして得られた13族元素窒化物結晶上に機能素子構造を形成する。この機能素子構造は、高輝度・高演色性の白色LEDや高速高密度光メモリ用青紫レーザディスク、ハイブリッド自動車用のインバータ用のパワーデバイスなどに用いることができる。
(実施例1)
ナトリウム金属15.1g、ガリウム金属11.8g、およびアルミニウム金属3.1gをグローブボックス内で秤量した。この原料を、内径φ84mmのアルミナ製坩堝(育成容器)に充填した。充填に際して、坩堝の底部に種結晶基板を設置した。種結晶基板としては、φ2インチのテンプレート基板を用いた。ここでテンプレートとは、サファイア基板上に種結晶膜がエピタキシャル成長されたものを言う。種結晶膜は、AlGa1−zN薄膜(z=0.5:厚さ2ミクロン)とした。育成容器の底に、テンプレートの種結晶膜が上向きとなるように基板を水平に配置した。
次いで、坩堝を育成装置内にセットし、真空引きした後に窒素ガスを導入し、加熱を開始すると共にすこしずつ圧力を上げ、800℃到達時に4.0MPaとなるように加圧スピードを調整した。ついで、800℃一定に保持したまま48時間育成容器を回転することで原料を攪拌し、窒化アルミニウムガリウム単結晶を育成した。室温まで自然放冷した後、育成装置から育成容器を取り出し、エタノール中で処理することにより、Na、Ga、Alおよびその合金を溶解させた。その後、蒸留水をエタノールに少しずつ加え、溶解速度が遅くなったら温水に漬け、溶け残ったGa、Alを除去して、窒化アルミニウムガリウム単結晶を分離、回収した。窒化アルミニウムガリウム単結晶がテンプレートの略全面に成長しており、厚さは約40ミクロンであった。
窒化アルミニウムガリウム単結晶の表面を顕微鏡で観察したところ、50ミクロン程度の六角形を敷き詰めたような表面モフォロジーが観察された。この写真を図4に示す。
また、この結晶のX線回折測定(BRUKER D8 DISCOVER)を行った。図5にX線ロッキングカーブを示す。回折角34.6度付近に、AlxGa1-xN由来のピーク(図5中のピーク4)が観測されており、回折角から求めたxの値はx=0.06であり、すなわちAl組成は6mol%となった。
また、結晶の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、サファイア層およびHVPE-AlGaN薄膜上に、厚さ約40μmのAlGaNが成長していた(図6、図7参照)。ただし、図7は、図6の表面付近の領域(枠内の領域)を拡大した写真である。下から見て、サファイア層(sapphire)、HVPE-AlGaN薄膜、AlGaNが確認される。更に二次イオン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectrometry:SIMS)分析により、AlとGaの比を測定したところ、Alの比率は10モル%であった(図8参照)。SIMS分析の方が精度が高いため、回折角から求められるAl組成は、少し低くなることがわかった。
(実施例2)
実施例1と同様にして窒化アルミニウムガリウム単結晶を育成した。ただし、各原料の質量比率を、表1に示すように変更し、また育成温度を860℃にした。これ以外は実施例1と同様にして窒化アルミニウムガリウム単結晶を育成した。得られた窒化アルミニウムガリウム単結晶は略六角形であり、厚さは約0.03mmであった。この顕微鏡写真を図9に示す。
この結晶のX線回折測定(BRUKER D8 DISCOVER)を行った。X線ロッキングカーブからは、回折角34.817度付近に、AlxGa1-xN由来のピークが観測されており、このピークのxはx=0.17であることから、Alが17%となるAlGaN結晶が得られたことを確認した。
(実施例3)
育成温度を900℃にした以外は実施例2と同様に育成したところ、得られた単結晶の組成はAlGaNであることを確認した。
(実施例4)
育成温度を800℃にした以外は実施例2と同様に育成したところ、得られた単結晶の組成はAlGaNであることを確認した。
(実施例5)
育成温度を895℃にした以外は実施例2と同様に育成したところ、得られた単結晶の組成はAlGaNであることを確認した。
(実施例6)
原料に亜鉛0.15g(Al 100mol%に対して2mol%)、2.7g(同36mol%)を添加した以外は実施例2と同様に育成したところ、得られた単結晶は略六角形であり、厚さは約0.03mmであった。この写真を図10に示す。
また、この結晶のX線回折測定(BRUKER D8 DISCOVER)を行った。X線ロッキングカーブからは、回折角34.915度付近に、AlxGa1-xN由来のピークが観測されており、このピークのxはx=0.246であることから、Alが25%程度となるAlGaN結晶が得られたことを確認した。
(実施例7〜14、比較例1〜3)
窒化アルミニウムガリウム単結晶を育成可能な融液組成範囲を確認するため、各原料の質量を表1、表2記載の数値とし、それ以外の条件は実施例2と同様に育成した。
Figure 0006976464
Figure 0006976464
この結果、実施例7〜14では、いずれも略六角形の単結晶が得られ、このX線回折測定により、いずれの結晶もAlGaNであることが確認できた。
一方、比較例1〜3ではテンプレート表面のAlGaN単結晶の育成を確認することができなかった。
なお、三成分系図における各組成に対応する点A〜Mは図2、図3に示す。これらの実施例、比較例からわかるように、モル比率(Na:Ga:Al)が、A(80:15:5)、B(60:30:10)、C(47:13:40)およびD(67:8:25)の四点を頂角とする四辺形によって包囲された領域中に存在する場合、特に好ましくはJ(72:12:16)、K(55:12:33)、L(54:22:24)およびM(72:2:7)の四点を頂角とする四辺形によって包囲された領域中に存在する場合には、良好なAlGaN膜が生成することがわかった。

Claims (7)

  1. 融液組成物中で種結晶上にナトリウムフラックス法によって窒化アルミニウムガリウム結晶を育成する方法であって、
    前記融液組成物が、ナトリウム金属、ガリウム金属およびアルミニウム金属を含有しており、前記ナトリウム金属、前記ガリウム金属および前記アルミニウム金属の組成をmol%単位で表示する三成分系図において、前記ナトリウム金属、前記ガリウム金属および前記アルミニウム金属のモル比率(Na:Ga:Al)が、(80:15:5)、(60:30:10)、(47:13:40)および(67:8:25)の四点を頂角とする四辺形によって包囲された領域中に存在することを特徴とする、窒化アルミニウムガリウム結晶の育成方法。
  2. 前記三成分系図において、前記ナトリウム金属、前記ガリウム金属および前記アルミニウム金属のモル比率(Na:Ga:Al)が、(72:12:16)、(55:12:33)、(55:23:22)および(72:2:7)の四点を頂角とする四辺形によって包囲された領域中に存在することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 前記窒化アルミニウムガリウム結晶が、AlGa1−xN(x=0.1〜0.9)の組成を有することを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記融液組成物が亜鉛を含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の方法。
  5. 融液組成物中でナトリウムフラックス法によって窒化アルミニウムガリウム結晶を育成するための融液組成物であって、
    前記融液組成物が、ナトリウム金属、ガリウム金属およびアルミニウム金属を含有しており、前記ナトリウム金属、前記ガリウム金属および前記アルミニウム金属の組成をmol%単位で表示する三成分系図において、前記ナトリウム金属、前記ガリウム金属および前記アルミニウム金属のモル比率(Na:Ga:Al)が、(80:15:5)、(60:30:10)、(47:13:40)および(67:8:25)の四点を頂角とする四辺形によって包囲された領域中に存在することを特徴とする、融液組成物。
  6. 前記三成分系図において、前記ナトリウム金属、前記ガリウム金属および前記アルミニウム金属のモル比率(Na:Ga:Al)が、(72:12:16)、(55:12:33)、(55:23:22)および(72:2:7)の四点を頂角とする四辺形によって包囲された領域中に存在することを特徴とする、請求項5記載の融液組成物。
  7. 前記融液組成物が亜鉛を含有することを特徴とする、請求項5または6記載の融液組成物。
JP2020570291A 2019-02-07 2019-02-07 窒化アルミニウムガリウム単結晶の育成方法および融液組成物 Active JP6976464B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2019/004431 WO2020161860A1 (ja) 2019-02-07 2019-02-07 窒化アルミニウムガリウム単結晶の育成方法および融液組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2020161860A1 JPWO2020161860A1 (ja) 2021-09-30
JP6976464B2 true JP6976464B2 (ja) 2021-12-08

Family

ID=71947678

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020570291A Active JP6976464B2 (ja) 2019-02-07 2019-02-07 窒化アルミニウムガリウム単結晶の育成方法および融液組成物

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6976464B2 (ja)
WO (1) WO2020161860A1 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4493427B2 (ja) * 2003-07-29 2010-06-30 日本碍子株式会社 Iii族窒化物単結晶の製造方法
JP2005187317A (ja) * 2003-12-03 2005-07-14 Ngk Insulators Ltd 単結晶の製造方法、単結晶および複合体
EP1806439A4 (en) * 2004-09-16 2010-03-24 Ngk Insulators Ltd METHOD OF MANUFACTURING MONOCRYSTALS OF AlN AND MONOCRYSTAL OF AlN
WO2009047894A1 (ja) * 2007-10-09 2009-04-16 Panasonic Corporation Iii族窒化物結晶基板の製造方法、iii族窒化物結晶基板、iii族窒化物結晶基板を用いた半導体装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2020161860A1 (ja) 2021-09-30
WO2020161860A1 (ja) 2020-08-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5553273B2 (ja) 窒化物半導体の製造方法、結晶成長速度増加剤、窒化物単結晶、ウエハ及びデバイス
JP2009533303A (ja) 大表面積窒化ガリウム結晶の成長
JP5396569B1 (ja) 13族元素窒化物結晶の製造方法および融液組成物
JP4780720B2 (ja) AlN単結晶の製造方法およびAlN単結晶
KR20110093855A (ko) 에치백된 씨드 결정 상에 성장하고 개선된 결정 품질을 가지는 ⅲ족 질화물 단결정 및 그 제조 방법
JP2008120672A (ja) 窒化物半導体の製造方法、結晶成長速度増加剤、窒化物単結晶、ウエハ及びデバイス
JP2009184847A (ja) Iii族窒化物単結晶の製造方法
JP4825747B2 (ja) 非極性面iii族窒化物単結晶の製造方法
JP2006131454A (ja) Iii属窒化物単結晶およびその製造方法
US20120125255A1 (en) Method and apparatus for producing crystal of metal nitride of group 13 of the periodic table
JP6976464B2 (ja) 窒化アルミニウムガリウム単結晶の育成方法および融液組成物
JP4089398B2 (ja) AlN単結晶の製造方法
CN103534391A (zh) 第13族金属氮化物的制造方法及用于该方法的晶种基板
JP2005082439A (ja) AlN単結晶の製造方法
JP6211087B2 (ja) 13族元素窒化物の製造方法および融液組成物の製造方法
JP5573225B2 (ja) 第13族金属窒化物結晶の製造方法、該製造方法により得られる第13族金属窒化物結晶および半導体デバイスの製造方法
JP5224713B2 (ja) 窒化アルミニウム単結晶の製造方法
JP7491942B2 (ja) 13族元素窒化物結晶層、自立基板および機能素子
JP6986024B2 (ja) 複合基板および機能素子
JP2010111556A (ja) GaN結晶の成長方法
WO2018123153A1 (ja) 13族元素窒化物の製造方法
JP2011256055A (ja) 第13族金属窒化物結晶の製造方法、該製造方法によって得られた第13族金属窒化物結晶、半導体デバイス、および半導体デバイスの製造方法
JP2019189479A (ja) Iii族窒化物結晶の製造方法
JP2013203617A (ja) 13族元素窒化物結晶の製造方法および積層体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210608

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20210608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210812

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210924

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211015

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211109

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6976464

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150