JP2013202433A - 有機廃棄物拡散処理装置、有機廃棄物発酵処理製品の製造方法 - Google Patents

有機廃棄物拡散処理装置、有機廃棄物発酵処理製品の製造方法 Download PDF

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栄 岡田
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Abstract

【課題】有機廃棄物の発酵分解処理の低コスト化を容易に実現できる技術の開発。
【解決手段】有機廃棄物Mが投入される槽形ボディ20に、搬送部材33の循環駆動によって有機廃棄物を装置後側へ向かって送給する廃棄物送り装置30と、この廃棄物送り装置30によって送給された有機廃棄物を拡散放出用回転体50の回転駆動によって跳ね飛ばして拡散、搬送するとともに槽形ボディ20後端部の放出口26aから放出する拡散放出装置とを具備し、槽形ボディ下側の自走用装置60によって自走可能とされた有機廃棄物拡散処理装置10、これを用いた有機廃棄物発酵処理製品の製造方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、畜糞、家庭から排出される生ごみ、下水の汚泥等の有機廃棄物の発酵分解を促進するために前記有機廃棄物を攪拌処理する有機廃棄物拡散処理装置、該有機廃棄物拡散処理装置を用いる有機廃棄物発酵処理製品の製造方法に関する。
畜糞、家庭から排出される生ごみ、下水の汚泥等の有機廃棄物を発酵分解処理(例えば堆肥化)する処理施設(有機廃棄物処理施設)にあっては、数十mあるいはそれ以上の量の有機廃棄物を貯留可能な発酵槽に、該発酵槽内の有機廃棄物を攪拌する攪拌機(例えば、いわゆるスクープ式攪拌機、攪拌用スクリュー等)を設けた構成の発酵分解処理装置が広く用いられている(例えば特許文献1、2)。この発酵分解処理装置は、前記攪拌機によって発酵槽内の有機廃棄物を攪拌し、好気性発酵による有機廃棄物の分解を促進する。また、発酵分解処理装置は、前記攪拌機を発酵槽上のレールを走行する走行台車に設けて、発酵槽内全体にわたって有機廃棄物を攪拌可能とした構成が一般的である。攪拌機は、走行台車下側の発酵槽内の有機廃棄物を攪拌するべく、走行台車にその下方に張り出した状態に設けられる。
また、有機廃棄物処理施設にあっては、貯留槽内側(廃棄物積み上げ領域)に積み上げた有機廃棄物を、貯留槽上のレールを走行する走行台車に設けたスクープ式等の攪拌機によって攪拌する前処理を行う前処理設備を備え、この前処理設備から前処理の完了した有機廃棄物を発酵分解処理装置に移送して発酵槽に投入し発酵分解処理することが広く行われている。有機廃棄物の前処理は、散水による含水率調整等を含んでいても良い。
なお、前処理設備としては、貯留槽を用いる構成に限定されない。前処理設備としては、平坦な床上に有機廃棄物を積み上げる廃棄物積み上げ領域を確保し、前記床に、前記廃棄物積み上げ領域を跨ぐ門形構造の走行台車が走行する一対のレールを取り付け、前記走行台車の上部にその下方に張り出すように支持した攪拌機によって、廃棄物積み上げ領域の有機廃棄物を攪拌する構成のものもある。
特開2000−037680号公報 特開2002−066596号公報
前処理設備の攪拌機は、走行台車の走行による移動方向前側に積み上げ状態の有機廃棄物を順次、削り取るようにして上方へ搬送し、移動方向後側へ落下させて積み替える。有機廃棄物は、攪拌機による積み替えの過程で攪拌される。前処理設備は、廃棄物積み上げ領域の有機廃棄物に所定の積み上げ高さが確保された状態で、攪拌機による有機廃棄物の積み替えを効率良く行える設計とされることが一般的である。
有機廃棄物処理施設にあっては、有機廃棄物処理施設に搬入される有機廃棄物の搬入量の増減に対応するべく、前処理設備の廃棄物積み上げ領域に投入前の有機廃棄物を仮置きするストックヤードを設け、前処理設備の廃棄物積み上げ領域への有機廃棄物の投入量の安定化(有機廃棄物の積み上げ高さの確保)を図る、といった対策が多く採用されている。しかしながら、前処理設備の廃棄物積み上げ領域の有機廃棄物の積み上げ高さの安定確保には、比較的大規模なストックヤードの確保を必要とするため、ストックヤードの用地確保の問題があり、有機廃棄物処理施設全体の建設コスト上昇の原因ともなっていた。
また、前処理設備自体についても、小型化、低コスト化の要求があるが、これまで、これを実現する好適な手段が無いのが実情である。
本発明は、前記課題に鑑みて、有機廃棄物処理施設全体の小規模化、建設コストの低減を容易に実現できる有機廃棄物拡散処理装置、有機廃棄物発酵処理製品の製造方法の提供を目的としている。
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
第1の発明は、有機廃棄物が上部開口部から投入される槽形ボディに、該槽形ボディの前側部分に投入された有機廃棄物を搬送部材の循環移動によって前記槽形ボディの後側部分へ搬送する廃棄物送り装置と、前記廃棄物送り装置によって送給された有機廃棄物を、回転軸に拡散用突出部材が複数突設され前記槽形ボディの後側部分に設けられた拡散放出用回転体の回転駆動によって跳ね飛ばして攪拌、拡散し、前記槽形ボディの後側部分に設けられた放出口から放出する拡散放出装置とを具備し、前記槽形ボディ下側に自走用装置を有することを特徴とする有機廃棄物拡散処理装置。
第2の発明は、前記廃棄物送り装置は、前記槽形ボディの内側底部にて前記槽形ボディの底壁に沿って延在された下部張設部と、該下部張設部の後端から上方へ延在する後側縦張設部と、該後側縦張設部の上端から前記下部張設部の前端に至る戻り延在部とを確保して設けた無端条体に前記搬送部材を取り付けた無端搬送条体を有し、前記無端搬送条体の循環駆動によって、前記下部張設部を移動する搬送部材が前記槽形ボディの前側部分内の有機廃棄物を前記下部張設部の後側へ搬送することを特徴とする第1の発明の有機廃棄物拡散処理装置を提供する。
第3の発明は、さらに、前記廃棄物送り装置及び拡散放出装置の駆動を制御する制御部に入力する動作指令として送信機から出力された無線信号を受信する受信器を有することを特徴とする第1又は2の発明の有機廃棄物拡散処理装置を提供する。
第4の発明は、第1〜3のいずれか1つの発明の廃棄物拡散処理装置を用いた有機廃棄物発酵処理製品の製造方法であって、前記有機廃棄物拡散処理装置の前記拡散放出用回転体の放出口からの有機廃棄物の放出と前記有機廃棄物拡散処理装置の移動とによって、積み上げ床上に前記有機廃棄物を積み上げた有機廃棄物積み上げ層を前記積み上げ床に沿って形成することを特徴とする有機廃棄物発酵処理製品の製造方法を提供する。
本発明に係る有機廃棄物拡散処理装置によれば、槽形ボディに投入された有機廃棄物を、回転駆動した拡散放出用回転体が、拡散用突出部材の衝突によって攪拌し拡散させるとともに、前記有機廃棄物を前記拡散用突出部材が跳ね飛ばして放出口から放出することによっても拡散させる。このため、この有機廃棄物拡散処理装置は、有機廃棄物に効率良く空気を含ませる(有機廃棄物の固形物間に空気を介在させる)ことができる。したがって、本発明によれば、例えば、有機廃棄物拡散処理装置の槽形ボディに投入して拡散放出用回転体の回転駆動によって放出口から放出、拡散させた有機廃棄物を積み上げ床上に落下させて積み上げるだけで、有機廃棄物の好気性発酵を促進でき、有機廃棄物の発酵分解処理を短期間で行える。本発明によれば、発酵槽内にて有機廃棄物の発酵分解処理を行う構成の発酵分解処理装置(以下、発酵槽内にて有機廃棄物を攪拌機によって攪拌して発酵分解処理する発酵分解処理装置(以下、槽内攪拌発酵装置とも言う)を用いなくても有機廃棄物の発酵分解処理を実現できる。
また、本発明によれば、有機廃棄物拡散処理装置の槽形ボディに投入して放出口から放出、拡散させた有機廃棄物を、槽内攪拌発酵装置の発酵槽に投入して分解処理することも可能である。この場合は、有機廃棄物拡散処理装置にて有機廃棄物の前処理を行えるため、有機廃棄物処理施設に設けられる従来構成の前処理設備が不要となる。
本発明に係る有機廃棄物拡散処理装置は、槽形ボディに投入された有機廃棄物を、回転駆動した拡散放出用回転体によって攪拌、拡散し、放出口から放出する構成であるため、有機廃棄物処理施設に設けられる従来構成の前処理設備、すなわち積み上げ状態の有機廃棄物をレールを走行する走行台車に設けた攪拌機によって攪拌し積み替える構成の前処理設備のように、有機廃棄物の積み上げ高さを確保する必要が無い。本発明に係る有機廃棄物拡散処理装置の槽形ボディに投入する有機廃棄物は、ストックヤードに搬入して仮置きした後に該ストックヤードから槽形ボディに投入しても良いが、これ以外に、ストックヤードを介することなく、トラック等の搬入用車両などから、直接、槽形ボディに投入することも可能である。本発明によれば、有機廃棄物拡散処理装置の槽形ボディに投入する有機廃棄物の仮置き用のストックヤードを、従来構成の前処理設備の廃棄物積み上げ領域への有機廃棄物の投入量の安定化(有機廃棄物の積み上げ高さの確保)のためのストックヤードに比べて小規模化、あるいは省略することができる。
本発明によれば、有機廃棄物の仮置き用のストックヤードを小型化あるいは省略でき、有機廃棄物処理施設全体の小規模化、建設コストの低減を容易に実現できる。
また、本発明によれば、従来、有機廃棄物処理施設に設けられる前処理設備や、発酵槽を有する槽内攪拌発酵装置の省略も可能である。このことも、有機廃棄物処理施設全体の小規模化、建設コストの低減に有効に寄与する。
本発明の1実施形態の有機廃棄物拡散処理装置の構造を示す正断面図である。 図1の有機廃棄物拡散処理装置の平面図である。 図1の有機廃棄物拡散処理装置をその後側から見た構造を示す図である。 図1の有機廃棄物拡散処理装置の廃棄物送り装置の無端搬送条体の上部張設部における無端条体に対する搬送部材の取り付け構造を示す拡大図である。 図1の有機廃棄物拡散処理装置を用いた有機廃棄物発酵処理製品の製造方法の一例を説明する図である。 図1の有機廃棄物拡散処理装置を該有機廃棄物拡散処理装置から離隔した位置から遠隔操作するための指令送信機、及び有機廃棄物拡散処理装置に設けられた受信器、制御装置を示す図である。
以下、本発明に係る1実施形態の有機廃棄物拡散処理装置、有機廃棄物発酵処理製品の製造方法について、図面を参照して説明する。
なお、有機廃棄物拡散処理装置10について、図1、図3〜図6において上側を上、下側を下、図1、図2、図5において左側を前、右側を後として説明する。
図1、図2に示すように、ここで説明する実施形態の有機廃棄物拡散処理装置10(以下、単に拡散処理装置とも言う)は、有機廃棄物Mが上部開口部21から投入される槽形ボディ20に、後述する廃棄物送り装置30、拡散放出用回転体50、走行用ユニット60を設けた概略構成になっている。
走行用ユニット60は、走行車輪61と該走行車輪61を回転駆動する走行用駆動部としての電動モータ62とを有する。拡散処理装置10は、槽形ボディ20下側に設けられた走行用ユニット60の走行車輪61の回転駆動によって自走可能となっている。
図1、図2に示すように、前記槽形ボディ20は、平面視長方形状の底壁22上にその外周に沿う平面視長方形枠状の側壁部23を立設した構成の槽形ボディ本体24を有する。
前記側壁部23は、前記底壁22外周の互いに平行な一対の長辺に沿って立設された一対の側板部23a、23bと、前記底壁22の長手方向両端の一対の短辺に沿って立設された端板部23c、23dとで構成されている。側板部23a、23b及び拡散処理装置10前側の端板部23cは、前記底壁22に対して垂直に立設された板状壁である。
槽形ボディ本体24は、前記廃棄物送り装置30が設けられている前側槽部24A(槽形ボディ20の前側部分)と、この前側槽部24Aから後側の後側槽部24Bとを有する。拡散放出用回転体50は後側槽部24Bに設けられている。前記拡散放出用回転体50は廃棄物送り装置30の後側に設けられている。
前記廃棄物送り装置30は、無端搬送条体34(後述)の循環駆動によって、前側槽部24Aに投入された有機廃棄物Mを後側槽部24Bへ送り出し、拡散放出用回転体50へ送給する。
拡散放出用回転体50は、後側槽部24Bの両側の側板部23a、23bの上部に支持されて架設状態に設けられた回転軸51の外周の複数箇所に棒状の拡散用突出部材52を突設した構成となっている。この拡散放出用回転体50は、槽形ボディ20に設けられた駆動モータ37の駆動力によって回転駆動されることで、廃棄物送り装置30から送給された有機廃棄物Mを攪拌し、拡散させる。
また、拡散処理装置10の槽形ボディ20は、槽形ボディ本体24の後側槽部24Bと該後側槽部24B上に取り付けられて前記拡散放出用回転体50上を覆う上部カバー25とからなる後側カバー部26(槽形ボディ20の後側部分)を有している。この後側カバー部26の後部には、拡散放出用回転体50が回転駆動によって跳ね飛ばした有機廃棄物Mを後側カバー部26外側に放出させるための放出口26aが開口されている。
拡散処理装置10は、拡散放出用回転体50の回転駆動によって有機廃棄物Mを跳ね飛ばして、有機廃棄物Mを前記放出口26aから後側カバー部26後方へ放出できる。
なお、前記上部カバー25は、槽形ボディ本体24と別体のものに限定されず、槽形ボディ本体24に一体に形成されたものであっても良い。
拡散放出用回転体50の回転軸51は、後側槽部24Bの両側の側板部23a、23bの上部に軸回り回転自在に支持されて、後側槽部24B両側の側板部23a、23bの間隔方向(以下、幅方向あるいは装置幅方向とも言う)に延在配置されている。装置幅方向は、図1紙面奥行き方向、図2上下方向、図3左右方向を指す。拡散放出用回転体50は、前記駆動モータ37の駆動力によって装置幅方向の回転軸線を以て回転駆動される。
拡散用突出部材52は、回転軸51の、後側槽部24B両側の側板部23a、23bの間に位置する部分の外周に突設されている。また、図示例の拡散放出用回転体50の各拡散用突出部材52は、拡散放出用回転体50を回転駆動したときに、その先端が後側槽部24Bの内側底部を通るように、回転軸51からの突出寸法が調整されている。拡散放出用回転体50の回転軸線から各拡散用突出部材52先端までの距離、すなわち拡散放出用回転体50を回転駆動したときの各拡散用突出部材52先端の回転半径は、互いに同じに揃えられている。
図示例の拡散処理装置10において、拡散放出用回転体50を回転駆動したときの拡散用突出部材52の回転範囲は、後側槽部24B内のみならず、後側槽部24B上にも張り出すように存在する。
上部カバー25は、拡散放出用回転体50を回転駆動したときの拡散用突出部材52の回転範囲外周に沿って湾曲する円弧板状の湾曲板25aの湾曲軸線方向両側に、湾曲軸線方向に垂直のカバー側板25bを一体化した概略構成になっている。カバー側板25bは、前記湾曲板25aの内側空間であり前記湾曲板25aの湾曲軸線に沿って延在する凹溝部の断面(湾曲板25aの湾曲軸線の垂直の断面)形状に対応する概ね半円形の板状に形成されている。このカバー側板25bは、湾曲板25aの湾曲軸線方向両端に取り付けられて、前記凹溝部の延在方向両端を塞いでいる。
図1、図3等に示すように、この上部カバー25は、両側のカバー側板25bを槽形ボディ本体24の側板部23a、23bの後側槽部24Bに位置する部分の上に該部分を延長するように設けて、槽形ボディ本体24上に取り付けられている。
なお、上部カバー25の湾曲板25aは、その全体にわたって、拡散放出用回転体50の回転軸線からの距離が、拡散放出用回転体50の拡散用突出部材52の回転半径よりも大きく確保されているため、回転駆動した拡散放出用回転体50の拡散用突出部材52が衝突することはない。
図1、図3に示すように、後側槽部24B上に取り付けられた上部カバー25は、両側のカバー側板25bからその下部を装置後側へ延長した一対の張り出し壁25cの上端同士をカバー天板部25dによって連結した断面コ字形のダクト部25eを有する。このダクト部25eの一対の張り出し壁25cとカバー天板部25dとによって3方が囲まれた内側の空間は、後側カバー部26内側空間に連通されており、その全体が前記放出口として機能する。
上部カバー25の湾曲板25aは、その湾曲軸線を中心とする周方向一端が前記ダクト部25eのカバー天板部25dに一体化された後端とされている。湾曲板25aの周方向の他端は、前記周方向一端(後端)よりも装置前側にて、カバー側板25b下端に位置する前端とされている。
図示例の拡散処理装置10において、後側カバー部26の放出口26aは、槽形ボディ本体24後端の端板部23d(以下、後板部とも言う)と、前記ダクト部25eにおいて前記後板部23d上方に位置するカバー天板部25dとの間に開口する開口部である。
なお、図示例の拡散処理装置10において、槽形ボディ本体24の後板部23dの高さは、側板部23a、23bの高さに比べて低くしてある。このため、この拡散処理装置10における後側カバー部26の放出口26aは、上部カバー25のダクト部25eの内側空間のみならず、ダクト部25e内側空間から槽形ボディ本体24にわたって開口する構成となっている。
槽形ボディ20は、前記槽形ボディ本体24の後側槽部24B上に取り付けられた上部カバー25を含む。上部カバー25は、槽形ボディ本体24の後側槽部24B上に取り付けられて拡散放出用回転体50上を覆い、また、後側槽部24B上全体を覆っている。
図1、図2、図4に示すように、前記廃棄物送り装置30は、装置幅方向に互いに離隔させて互いに平行に設けられた一対の無端条体31、32(図示例では具体的には無端チェーン)を、有機廃棄物Mを搬送するための棒状の搬送部材33を介して互いに連結してなる無端搬送条体34を有する。搬送部材33は、無端搬送条体34の長手方向複数箇所に、それぞれ槽形ボディ20(詳細には槽形ボディ本体24)の幅方向に沿う向きで、一対の無端条体31、32の間に架設状態に設けられている。
無端搬送条体34は、前記槽形ボディ本体24の4箇所に設けられた巻き掛け用回転部材39に巻き掛けて、槽形ボディ20の槽形ボディ本体24内に概ね矩形状に張設されている。そして、廃棄物送り装置30は、前記無端搬送条体34を、槽形ボディ20に搭載した駆動モータ37の駆動力によって循環駆動させることで、槽形ボディ本体24内の有機廃棄物Mを、該廃棄物送り装置30の後側へ送り出すようになっている。
なお、図1等においては、4つの巻き掛け用回転部材39に、区別のため、互いに異なる符号39a、39b、39c,39dを付記している。
各巻き掛け用回転部材39は、槽形ボディ本体24の一対の側板部23a、23bに回転自在に支持されて前記一対の側板部23a、23bに架設状態に設けられた軸体36に、プーリあるいはスプロケットである巻き掛け用リング部材35を固定した構造になっている。前記軸体36は、装置幅方向に延在配置され、槽形ボディ本体24の一対の側板部23a、23bに装置幅方向の回転軸線を以て軸回り回転自在に支持されている。
前記巻き掛け用リング部材35は、軸体36にその軸線方向(装置幅方向)に互いに離隔した2箇所に固定して、それぞれ槽形ボディ本体24内に設けられている。各巻き掛け用リング部材35は、前記軸体36に対してその回転軸線に同軸に設けられている。
各巻き掛け用回転部材39の一対の巻き掛け用リング部材35は、その一方が符号23aの側板部近傍、他方が符号23bの側板部近傍に配置されている。槽形ボディ本体24の側板部23a、23bの互いに対面する内面近傍には、それぞれ巻き掛け用リング部材35が4つずつ配置されている。
図1、図2に示すように、廃棄物送り装置30の無端搬送条体34の一対の無端条体31、32は、装置幅方向に互いに離隔させて側板部23a、23b近傍に配置され、それぞれ、側板部23a、23b近傍の4箇所に設けられた巻き掛け用リング部材35に巻き掛けて概ね矩形状に張設されている。一対の無端条体31、32は、互いに平行に設けられている。
図2、図4に示すように、前記搬送部材33は、その長手方向両端を無端条体31、32に取り付けて、無端条体31、32に架設状態に設けられている。また、前記搬送部材33は、その長手方向を槽形ボディ20の幅方向(装置幅方向)に揃えて、無端搬送条体34の延在方向複数箇所に設けられている。
図1に示すように、4つの巻き掛け用回転部材39は、槽形ボディ本体24の上部と下部とに、それぞれ、前後方向に互いに離隔する2カ所ずつ設けられている。槽形ボディ本体24上部の2つの巻き掛け用回転部材39は、槽形ボディ本体24の前端部と、槽形ボディ本体24の前後方向中央部とに設けられている。槽形ボディ本体24の前後方向中央部の上部に設けられた巻き掛け用回転部材39を、以下、第1巻き掛け用回転部材39a、槽形ボディ本体24の前端部の上部に設けられた巻き掛け用回転部材39を、以下、第2巻き掛け用回転部材39bとも言う。また、槽形ボディ本体24下部の2つの巻き掛け用回転部材39について、前側に位置する巻き掛け用回転部材39を、以下、第3巻き掛け用回転部材39c、後側に位置する巻き掛け用回転部材39を、以下、第4巻き掛け用回転部材39dとも言う。
図示例の拡散処理装置10において、第3巻き掛け用回転部材39cは第2巻き掛け用回転部材39bの下方、第4巻き掛け用回転部材39dは第1巻き掛け用回転部材39aの下方に配置されている。
前記無端搬送条体34は、第1巻き掛け用回転部材39aと第2巻き掛け用回転部材39bの間に張設された部分である上部張設部34Aと、第2巻き掛け用回転部材39bと第3巻き掛け用回転部材39cとの間に張設された部分である前側縦張設部34Bと、第3巻き掛け用回転部材39cと第4巻き掛け用回転部材39dとの間に張設された部分である下部張設部34Cと、第4巻き掛け用回転部材39dと第1巻き掛け用回転部材39aとの間に張設された部分である後側縦張設部34Dとを有する。
前記下部張設部34Cは、槽形ボディ20の内側底部に槽形ボディ20(具体的には槽形ボディ本体24)の底壁22に沿って張設されている。
前側縦張設部34B及び後側縦張設部34Dは上下方向に延在している。前側縦張設部34Bは槽形ボディ本体24前端の端板部23c(以下、前板部とも言う)に沿って設けられている。
なお、図1において、第1巻き掛け用回転部材39aの軸体36に符号36a、第2巻き掛け用回転部材39bの軸体36に符号36b、第3巻き掛け用回転部材39cの軸体36に符号36c、第4巻き掛け用回転部材39dの軸体36に符号36dを付記している。
また、本明細書にあっては、無端条体31、32について、無端搬送条体34の上部張設部34A、前側縦張設部34B、下部張設部34C、後側縦張設部34Dに対応する部分を、上部張設部、前側縦張設部、下部張設部、後側縦張設部として扱う。
この実施形態の拡散処理装置10の無端搬送条体34の一対の無端条体31、32は具体的には無端チェーンである。以下、無端条体を無端チェーンとも言う。
第1巻き掛け用回転部材39aの巻き掛け用リング部材35(第1巻き掛け用リング部材35a)及び第4巻き掛け用回転部材39dの巻き掛け用リング部材35(第4巻き掛け用リング部材35d)はスプロケットであり、無端搬送条体34の無端チェーン31、32と噛み合わされている。第2巻き掛け用回転部材39bの巻き掛け用リング部材35(第2巻き掛け用リング部材35b)及び第3巻き掛け用回転部材39cの巻き掛け用リング部材35(第3巻き掛け用リング部材35c)はプーリである。
但し、第2巻き掛け用回転部材39b及び第3巻き掛け用回転部材39cの巻き掛け用リング部材35は、必ずしもプーリである必要は無く、無端チェーン31、32に噛み合わせ可能なスプロケットを採用しても良い。
図1、図2等に示すように、この拡散処理装置10の前記無端搬送条体34の上部張設部34Aは、拡散処理装置10の前後方向において、槽形ボディ20の前記上部カバー25よりも前側に位置する。
図6に示すように、図示例の拡散処理装置10を用いて攪拌処理する有機廃棄物Mは、パワーショベル等を用いて無端搬送条体34の上部張設部34Aの上方から投下して、槽形ボディ本体24に投入する。
図1に示すように、無端搬送条体34の上部張設部34Aの上方から投下した有機廃棄物Mは、無端搬送条体34の上部張設部34Aの無端条体31、32及び搬送部材33を避けた箇所から上部張設部34Aを通過してその下方へ落下させることができる。無端搬送条体34は、上部張設部34Aの上方から投下された有機廃棄物Mの上部張設部34Aの通過を円滑にするために、一対の無端条体31、32間、及び無端搬送条体34の延在方向複数箇所の搬送部材33間に例えば500mm以上の離隔距離を確保することが好ましい。
図1に示すように、前記廃棄物送り装置30は、前記第1巻き掛け用回転部材39aを、槽形ボディ20上に設けられた駆動モータ37の駆動力によって回転させることで、無端搬送条体34が回転駆動される。
図示例の駆動モータ37は、槽形ボディ20上に設けられた発電機E(図2参照)からの給電によって駆動される電動モータである。図1、図2に示すように、電動モータ37及び発電機Eは、槽形ボディ20(具体的には前側槽部24A)の両側の側板部23a、23bの上端間に架設した架台部24a上に設置されている。
第1巻き掛け用回転部材39aは、その軸体36(以下、駆動用軸体36aともいう)の槽形ボディ本体24外側に突出された端部に固定された軸体駆動用スプロケット36eを有する。この第1巻き掛け用回転部材39aは、前記軸体駆動用スプロケット36eと前記駆動モータ37の駆動軸37aに固定された出力用スプロケット37bとに巻き掛けられたチェーン38を介して駆動モータ37の回転駆動力が伝達されて回転駆動される。
無端搬送条体34の循環駆動は、前記上部張設部34Aにある搬送部材33が、前側縦張設部34B、下部張設部34C、後側縦張設部34Dをこの順で経由して上部張設部34Aに復帰する向き、すなわち、図1において反時計回りの向きで行われる。
前記廃棄物送り装置30の無端搬送条体34の下部張設部34Cは、無端搬送条体34の循環駆動時に、搬送部材33が槽形ボディ本体24の内側底部を底壁22に沿って移動して槽形ボディ本体24内の有機廃棄物Mを搬送する廃棄物送り部として機能する。
また、無端搬送条体34の後側縦張設部34Dは、無端搬送条体34の循環駆動時に、前記搬送部材33が前記下部張設部34Cにおける無端搬送条体34送り方向下流端から上方へ移動する搬送部材上昇部として機能する。無端搬送条体34の上部張設部34A及び前側縦張設部34Bは、無端搬送条体34のうち、下部張設部34Cから後側縦張設部34Dへ移動した部分を後側縦張設部34D上端から下部張設部34Cへ戻す、戻り延在部として機能する。
図4に示すように、図示例の廃棄物送り装置30の無端搬送条体34の搬送部材33は長板状の部材である。この搬送部材33は、その長手方向両端部を、それぞれ金属製の無端チェーン31、32に溶接によって固定して、装置幅方向に延在する向きで無端チェーン31、32に架設状態に取り付けられている。
但し、前記搬送部材33の無端条体に対する固定手法としては溶接に限定されず、ねじ止め等も採用可能である。
図示例の廃棄物送り装置30の無端搬送条体34において、前記搬送部材33は、矩形状に張設された各無端条体31、32に対してその内周側とは反対の外周側に突出されている。また、前記搬送部材33は、一対の無端条体31、32から、その循環駆動時の移動方向前側へ傾斜して無端条体31、32外周側に突出されている。
この搬送部材33は、無端搬送条体34の後側縦張設部34Dを移動するとき、一対の無端条体31、32からその外周側へ突出する先端が、槽形ボディ本体24前端の前板部23cに摺動、あるいは僅かなクリアランスを介してその近傍を移動する。
また、この搬送部材33は、無端搬送条体34の下部張設部34Cを移動するとき、一対の無端条体31、32からその外周側へ突出する先端が、槽形ボディ本体24の底壁22に摺動、あるいは僅かなクリアランスを介してその近傍を移動する。
槽形ボディ20の内側の領域のうち、廃棄物送り装置30の無端搬送条体34の後側縦張設部34Dから前側の領域を、以下、廃棄物投入領域20A、後側縦張設部34Dから後側の領域を、以下、攪拌拡散領域20Bとも言う。図示例の拡散処理装置10の槽形ボディ本体24の前側槽部24Aは、装置前後方向において、槽形ボディ本体24の前記後側縦張設部34Dから前側の部分を指す。攪拌拡散領域20Bは、後側槽部24Bとその上側に固定された上部カバー25とで構成される後側カバー部26の内側を指す。
図1に示すように、図示例の拡散処理装置10を用いて攪拌処理する有機廃棄物Mは、廃棄物送り装置30の無端搬送条体34の上部張設部34Aの上方から投下して、槽形ボディ本体24の前側槽部24A内側、すなわち廃棄物投入領域20Aに投入する。
前記拡散処理装置10は、上部張設部34Aを通過してその下側へ落下した有機廃棄物Mを、無端搬送条体34の下部張設部34Cの無端条体31、32及び搬送部材33が存在しない箇所から槽形ボディ20の底壁22(槽形ボディ本体24の底壁)上に落下させることが可能である。
なお、槽形ボディ20内への有機廃棄物Mの投入は、無端搬送条体34を循環駆動していない状態、循環駆動した状態のいずれでも行うことが可能である。
廃棄物送り装置30は、駆動モータ37の駆動力によって無端搬送条体34を循環駆動することで、特に無端搬送条体34の下部張設部34Cを移動する搬送部材33が前側槽部24A内の有機廃棄物Mの搬送に有効に寄与する。廃棄物送り装置30は、無端搬送条体34の循環駆動によって、槽形ボディ20の廃棄物投入領域20A内の有機廃棄物Mを該廃棄物送り装置30の後側(装置後側。図1において廃棄物送り装置30から右側)の攪拌拡散領域20Bへ送給する機能を果たす。
また、廃棄物送り装置30は、無端搬送条体34を循環駆動したときに下部張設部34Cを移動する搬送部材33によって、槽形ボディ20の前側槽部24Aの内側底部に積み上げ状態の有機廃棄物Mを攪拌できる。
廃棄物送り装置30は、無端搬送条体34の循環駆動によって、無端搬送条体34の搬送部材33が無端搬送条体34の下部張設部34Cを移動することで、槽形ボディ20の廃棄物投入領域20A内の有機廃棄物Mを攪拌拡散領域20Bへ送給するものである。
棒状の搬送部材としては長板状のものに限定されない。搬送部材としては、その断面形状がL字状のもの、コ字状のもの、断面矩形のもの等も採用可能であり、その断面形状に限定は無い。また、無端搬送条体としては、例えば、一対の無端条体に架設状態に設けられる搬送部材を、一対の無端条体に対して、該一対の無端条体の間隔方向(装置幅方向)の回転軸線を以て軸回り回転自在に取り付けた構成も採用可能である。
既述のように、拡散放出用回転体50は、前記拡散放出用回転体50は、槽形ボディ本体24両側の側板部23a、23bの後側槽部24Bに位置する部分に架設状態に設けられた回転軸51の外周に棒状の拡散用突出部材52を複数突設した構成になっている。
図示例の拡散放出用回転体50の拡散用突出部材52は、回転軸51外周から突出する棒状部52aの先端に、該棒状部52aの延在方向に垂直の方向に張り出す突片52bを突設した構成になっている。拡散用突出部材52は、回転軸51の攪拌拡散領域20B内に位置する部分の外周の多数箇所に突設され分散配置されている。
図2、図3に示すように、拡散放出用回転体50は、回転軸51に固定されたスプロケット53(以下、回転体スプロケットとも言う)を含む。図示例の拡散処理装置10において、前記回転体スプロケット53は、前記回転軸51の槽形ボディ本体24外側に突出された部分に固定されている。
そして、拡散放出用回転体50は、図1〜図3に示すように、前記回転体スプロケット53と、駆動モータ37の駆動軸37aに固定された第2出力用スプロケット37c(図2、図3参照)とに巻き掛けられた無端チェーン72を介して駆動モータ37の回転駆動力が伝達されることで回転駆動される。
拡散放出用回転体50は、駆動モータ37の回転駆動力が伝達されることで、その前側で前記拡散用突出部材52が下降、後側で前記拡散用突出部材52が上昇する向き、すなわち図1において反時計回りに回転駆動される。回転駆動された拡散放出用回転体50は、廃棄物送り装置30から送給された有機廃棄物Mを、拡散用突出部材52の衝突によって跳ね飛ばして攪拌、拡散するとともに、後側カバー部26後側の放出口26aから槽形ボディ20後方へ放出する。
拡散放出用回転体50は後側カバー部26内側で回転駆動される。後側カバー部26は、拡散放出用回転体50の拡散用突出部材52の衝突によって跳ね飛ばされた有機物廃棄物Mが、前記放出口26a以外から槽形ボディ20外側へ放出されることを防ぐ。
回転駆動された拡散放出用回転体50によって跳ね飛ばされた有機物廃棄物Mは、前記放出口26aから、装置後方に向かって斜め上方に放出される。
図1、図3に示すように、図示例の攪拌処理装置10において、前記放出口26aの下端は、拡散放出用回転体50の回転軸線(回転軸51の回転軸線)よりも下方に位置する。また、槽形ボディ本体24の後板部23dは、拡散放出用回転体50を回転駆動したときの拡散用突出部材52先端の回転軌跡に沿って湾曲する円弧板状に形成されている。これらの構成は、拡散放出用回転体50によって跳ね飛ばされた有機物廃棄物Mを、前記放出口26aから装置後方に向かって斜め上方に放出させることに有効に寄与するものである。
図示例の拡散処理装置10は、拡散放出用回転体50の回転駆動により円形の回転軌跡を以て回転移動(循環移動)される拡散用突出部材52先端が、廃棄物送り装置30の搬送部材33の移動速度に比べて格段に速い移動速度で移動される構成となっている。拡散放出用回転体50の回転駆動による拡散用突出部材52先端の移動速度は、例えば、廃棄物送り装置30の無端搬送条体34の循環駆動による搬送部材33の移動速度の4〜8倍程度とされる。
また、前記拡散処理装置10は、拡散放出用回転体50の回転駆動による放出口26aからの有機廃棄物Mの放出能力が、廃棄物送り装置30による拡散放出用回転体50への有機廃棄物Mの搬送能力よりも高い構成となっている。ここで放出能力とは、単位時間あたりの放出口からの有機廃棄物の放出量、搬送能力とは、単位時間あたりの有機廃棄物の搬送量を指す。
図1に示すように、この拡散処理装置10は、その運転中に、廃棄物送り装置30の搬送部材33と拡散放出用回転体50との間に確保された空間である一時貯留攪拌領域S1の底部に、ある程度の量の有機廃棄物Mが滞留した状態が生じ得る。但し、既述のように、図示例の拡散処理装置10は、拡散放出用回転体50の回転駆動による放出口26aからの有機廃棄物Mの放出能力が、廃棄物送り装置30による拡散放出用回転体50への有機廃棄物Mの搬送能力よりも高い構成となっているため、拡散処理装置10の運転中に一時貯留攪拌領域S1の底部に滞留する有機廃棄物Mの量(滞留量の上限値)は制限される。
拡散放出用回転体50は、その回転駆動によって移動する拡散用突出部材52が、廃棄物送り装置30の無端搬送条体34の循環駆動によって後側縦張設部34Dを移動する搬送部材33と衝突しないように、拡散用突出部材52の回転範囲を後側縦張設部34Dから装置後側へ若干離隔させて設けられている。
廃棄物送り装置30の無端搬送条体34の循環駆動によって装置後側へ向かって搬送される有機廃棄物Mは、無端搬送条体34の下部張設部34C後端から前記一時貯留攪拌領域S1に送り込まれる。図示例の拡散処理装置10において、拡散放出用回転体50を回転駆動したときの拡散用突出部材52の回転範囲と、廃棄物送り装置30の無端搬送条体34の後側縦張設部34Dとの間の離隔距離は、後側縦張設部34Dの上端部で最も狭く、その下方へ行くほど増大する。前記一時貯留攪拌領域S1は、廃棄物送り装置30の後側縦張設部34Dと拡散用突出部材52の回転範囲との間の全体にわたって確保されている。
一時貯留攪拌領域S1に入り込んだ有機廃棄物Mは、廃棄物送り装置30の無端搬送条体34の下部張設部34C後端から一時貯留攪拌領域S1への有機廃棄物Mの送り込みが継続されることで、拡散放出用回転体50へ押し出され、拡散放出用回転体50の拡散用突出部材52の衝突によって拡散、攪拌されつつ搬送される。また、この拡散処理装置10は、一時貯留攪拌領域S1の底部に滞留する有機廃棄物Mが存在するとき、下部張設部34Cから後側縦張設部34Dへ移動して上昇する搬送部材33が、一時貯留攪拌領域S1内の有機廃棄物Mを掻き上げて攪拌し、これにより有機廃棄物Mに空気を効率良く含ませることができる。
また、一時貯留攪拌領域S1では、有機廃棄物Mの固形物同士が結着してなる有機廃棄物塊を、拡散放出用回転体50の拡散用突出部材52の衝突によって破砕、細粒化することも可能である。有機廃棄物塊の破砕、細粒化は、一時貯留攪拌領域S1からの拡散放出用回転体50の拡散用突出部材52による有機廃棄物塊の搬送途中においても実現される。
また、攪拌処理装置10は、槽形ボディ20(具体的には廃棄物投入領域20A)に投入され底壁22上に積み上がった有機廃棄物Mのうち、廃棄物送り装置30の無端搬送条体34の下部張設部34C上方に位置するものが,後側縦張設部34Dの前側から後側縦張設部34Dを通過して一時貯留攪拌領域S1へ移動可能となっている。この攪拌処理装置10は、下部張設部34C上方から後側縦張設部34Dを通過した有機廃棄物Mが、一時貯留攪拌領域S1の上下方向中央部あるいはそれよりも上方の領域に入り込んだ場合でも、この一時貯留攪拌領域S1に入り込んだ有機廃棄物Mを効率良く攪拌できる。一時貯留攪拌領域S1の底部から上方の領域(上下方向中央部及びその上方領域)は、底部に比べて、拡散用突出部材52の回転範囲と、廃棄物送り装置30の無端搬送条体34の後側縦張設部34Dとの間の離隔距離が狭くなっている。このため、一時貯留攪拌領域S1の底部よりも上方の領域に入り込んだ有機廃棄物Mは、後側縦張設部34Dを上昇移動する搬送部材33と拡散放出用回転体50の回転駆動によってその前側を下降する拡散用突出部材52とによって効率良く攪拌できる。一時貯留攪拌領域S1の上下方向中央部あるいはそれよりも上方の領域に入り込んだ有機廃棄物塊の破砕、細粒化も効率良く行える。
前記拡散処理装置10は、前記放出口26aから装置後方に向かって斜め上方に放出させた有機廃棄物Mを、平坦な積み上げ床G(図5参照)上に落下させて該積み上げ床G上に積み上げたり、槽内に投入するといったことを容易に行うことができる。
前記放出口26aから放出された有機廃棄物Mは、積み上げ床G等に落下するまで大気中を飛行することで拡散が進行する。この拡散処理装置10は、拡散放出用回転体50の回転駆動によって有機廃棄物Mを前記放出口26aから放出させる構成自体も、有機廃棄物Mの拡散に有効に寄与する。
図5に例示したように、前記放出口26aから放出して積み上げ床G上に落下させた有機廃棄物Mは、充分に空気を含ませた状態で積み上げ状態とすることができる。
このため、この拡散処理装置10は、前記放出口26aから放出した有機廃棄物Mを積み上げ床G上に積み上げるだけで、有機廃棄物Mの好気性発酵を促進でき、有機廃棄物の発酵分解処理を短期間で行える。
拡散処理装置10の槽形ボディ20(具体的には廃棄物投入領域20A)に投入した有機廃棄物Mを、廃棄物送り装置30によって搬送し、拡散放出用回転体50の回転駆動によって拡散して放出口26aから放出する処理を、以下、拡散処理とも言う。
畜糞、家庭から排出される生ごみ、下水の汚泥等の有機廃棄物を、前記拡散処理装置10を用いて拡散処理して好気性発酵を促進して得られる有機廃棄物発酵処理製品としては、堆肥の他、燃料ガス(いわゆるバイオガス)発生用材料、液肥製造用原料等を挙げることができる。
前記拡散処理装置10は、図5に示すように、前記放出口26aからの有機廃棄物Mの放出と該拡散処理装置10の前進動とによって、有機廃棄物Mを積み上げ床G上に積み上げた層(有機廃棄物積み上げ層MA)を積み上げ床G上面に沿って形成することができる。
図示例の拡散処理装置10は、槽形ボディ20下側に設けられた走行用駆動部(電動モータ62)が走行車輪61を回転駆動することで自走可能に構成されている。前記拡散処理装置10は、例えば、前記放出口26aからの有機廃棄物Mの放出を継続したまま一定速度での前進動を継続することで、積み上げ床G上に一定の積み上げ高さの有機廃棄物積み上げ層MAを連続的に形成することが可能である。
図5、図6に示すように、拡散処理装置10は、走行用ユニット60(自走用装置)を、槽形ボディ20下部の6箇所に具備し、自走可能となっている。
走行用ユニット60は、走行車輪61が取り付けられた車輪支持部材63に前記走行車輪61の回転駆動用の電動モータ62を固定した構成の車輪付き駆動ユニット64と、この車輪付き駆動ユニット64を槽形ボディ20に対して槽形ボディ20の高さ方向(図5、図6上下方向)の回転軸線を以て回動させて前記走行車輪61の向きを変更する走行方向変更部65とを有する。
図3、図5に示すように、車輪付き駆動ユニット64の車輪支持部材63は、槽形ボディ20の下側に槽形ボディ20高さ方向の回転軸線を以て回転自在に軸支された天板部63aの下側に、前記天板部63aから下方へ互いに平行に延出された一対の車軸支持板部63bと該車軸支持板部63bに垂直の一対の連結板部63cとからなる角筒状の車輪カバー部63dが一体化された構成となっている。
前記走行車輪61は、一対の車軸支持板部63bの下端部に架設状態に設けられた回転軸61aに固定されており、一対の車軸支持板部63bに対して、前記回転軸61aとともに槽形ボディ20高さ方向に垂直の回転軸線を以て回転可能に支持されている。また、走行車輪61は、前記車輪カバー部63d内側に収納された部分と、車輪支持部材63から下側に突出する部分とを有する。但し、走行車輪61は、車輪支持部材63の天板部63aから下方に離隔させて設けられている。
図3、図5、図6において、前記走行方向変更部65は具体的には電動モータである。以下、前記走行用駆動部である電動モータ62を走行用電動モータ、走行方向変更部65である電動モータを走行方向変更用電動モータとも言う。
図3、図5に示すように、前記走行用電動モータ62は、その駆動軸先端に固定されたギア62a(図示例では傘歯車)を、前記回転軸61aにその回転軸線に同軸に固定されたリング状のギア61b(図示例では傘歯車)に噛み合わせてある。走行用ユニット60は、前記走行用電動モータ62の駆動軸の回転駆動によって前記走行車輪61を回転駆動できる。
図示例の拡散処理装置10において、前記走行用電動モータ62は車輪支持部材63の外側に固定されている。また、走行車輪61の回転軸61aに固定されたギア61bは、前記回転軸61aの車輪支持部材63外側に突出された端部に取り付けられており、車輪支持部材63外側に配置されている。
但し、車輪付き駆動ユニット64は、走行用電動モータ62の回転駆動力を走行車輪61に伝達して走行車輪61を回転駆動可能な構成であれば良く、図示例の構成に限定されない。この点、車輪支持部材63に対する走行用電動モータ62の固定位置及び車輪付き駆動ユニット64における走行車輪61側のギア61bの配置位置も、図示例に限定されない。
走行方向変更用電動モータ65は槽形ボディ20の外側、図示例では側壁部23の外周面に固定されている。この走行方向変更用電動モータ65は、その駆動軸65a先端に固定されたギア65bを、車輪支持部材63上部にその槽形ボディ20に対する回転軸線に同軸として固定されたリング状のギア63eに噛み合わせてあり、前記駆動軸65aの回転駆動によって槽形ボディ20に対して車輪支持部材63を回動させ、走行車輪61の向きを変更する。
なお、走行方向変更用電動モータ65の槽形ボディ20に対する固定位置は図示例の位置に限定されず、適宜変更可能である。
図6に示すように、この拡散処理装置10は、前記走行用駆動部62及び走行方向変更部65の駆動を制御する制御装置66(制御部)と、可搬形の指令送信機68から無線信号によって送信された動作指令を受信する受信器67とを具備する。前記受信器67は図示略の信号線によって制御装置66と結線されており、指令送信機68から無線入力された動作指令を前記信号線に伝送可能な伝送信号(例えば電気信号)に変換して前記信号線を介して制御装置66に入力する。
前記制御装置66は、前記受信器67を介して指令送信機68から入力された動作指令に基づいて走行用駆動部(電動モータ62)及び走行方向変更部65の駆動を制御する。
動作指令を無線出力する指令送信機68としては、例えば動作指令を電波信号(無線信号)によって出力する構成のものを好適に用いることができる。但し、動作指令を無線出力する指令送信機68としてはこれに限定されず、例えば動作指令を音波信号(超音波を含む)によって出力するもの、赤外線等の光信号によって出力するもの等も採用可能である。
受信器67としては、指令送信機68の構成に対応して、指令送信機68が動作指令として出力する無線信号を受信可能な構成のものを採用する。この受信器67としては、指令送信機68が動作指令として出力する無線信号が電波信号である場合は電波信号を受信可能なアンテナを具備するもの、前記無線信号が音波信号である場合はマイクロホンを具備するもの、前記無線信号が光信号である場合は受光素子を具備するものを採用する。
信号線としては、例えば前記動作指令を電気信号として伝送可能な電線であるが、これに限定されず、例えば光信号を伝送する光ファイバ等も採用可能である。
前記制御装置66は、槽形ボディ20に搭載された発電機Eと接続されており、走行用電動モータ62、走行方向変更用電動モータ65への給電を制御することで、走行用電動モータ62、走行方向変更用電動モータ65の駆動を制御する給電制御装置である。
前記制御装置66は、走行用電動モータ62、走行方向変更用電動モータ65について個々に給電のオン、オフ切り換えを行える。また、制御装置66は、走行用電動モータ62及び走行方向変更用電動モータ65への給電制御によって、走行用電動モータ62及び走行方向変更用電動モータ65について個々に回転方向の正逆切り換えを行える。
この拡散処理装置10は、前記制御装置66が受信器67から入力された指令送信機68からの動作指令に基づいて走行用電動モータ62及び走行方向変更用電動モータ65の駆動を制御する。したがって、この拡散処理装置10は、指令送信機68から受信器67に動作指令を無線入力することで、走行状態と停止(走行停止)状態との切り換え、走行方向の設定、変更といった操作(以下、走行操作とも言う)を行える。
この拡散処理装置10は、制御装置66が、指令送信機68から受信器67に無線入力された動作指令に応じて、各走行用ユニット60の走行用駆動部62及び走行方向変更部65の駆動を個々に制御することで、例えば前進走行時の直進、右折、左折、後進走行時の直進、右折、左折の選択及び切り換えが可能である。また、この拡散処理装置10は、槽形ボディ20の平面視中央部を中心とする旋回動も可能である。拡散処理装置10の走行は前記旋回動も含むものとする。
指令送信機68は、拡散処理装置10の前進走行時の直進、右折、左折、後進走行時の直進、右折、左折、右旋回、左旋回といった動作指令を無線出力できる。
この拡散処理装置10においては、廃棄物送り装置30、拡散放出用回転体50の駆動源である駆動モータ37の駆動制御(駆動のオン、オフ切り換え)も、前記制御装置66によって行われる。制御装置66による駆動モータ37の駆動制御は、指令送信機68から受信器67への動作指令の無線入力によって制御装置66が作動して実現される。
駆動モータ37は具体的には電動モータであり、前記制御装置66は、前記駆動モータ37への給電制御(オン、オフ切り換え)によって、駆動モータ37の駆動制御(駆動のオン、オフ切り換え)を行える。
駆動モータ37、走行用ユニット60の走行用駆動部62及び走行方向変更部65としては、電動モータに限定されず、例えば油圧モータ等も採用可能である。
油圧モータの場合、制御装置66としては、例えば、駆動モータ37、走行用駆動部62、走行方向変更部65の個々に設けられた油圧回路に介在配置した切換弁及び該切換弁を作動させる弁駆動機構からなる制御ユニット等を採用できる。
また、走行用ユニット60の走行方向変更部65としては、例えば流体圧シリンダや電磁石を駆動源として、車輪付き駆動ユニット64の向きを特定の複数方向に選択的に切り換え可能な構成のものも採用可能である。
前記指令送信機68は、拡散処理装置10とは別体であり、かつ作業者が携帯可能な可搬性を有している。このため、拡散処理装置10は、指令送信機68を所持した作業者が拡散処理装置10から離れた所から指令送信機68を操作して、その走行操作や、廃棄物送り装置30、拡散放出用回転体50の駆動のオン、オフ切り換えといった駆動操作を行うことが可能である。
図6に示すように、この拡散処理装置10を用いた有機廃棄物発酵処理製品の製造方法としては、例えば、槽形ボディ20(詳細には廃棄物投入領域20A)に有機廃棄物Mを投入する投入装置80(図示例ではパワーショベル)を操作する作業者が指令送信機68を操作して、拡散処理装置10の駆動操作を行っても良い。この場合は、一人の作業者が、投入装置80及び拡散処理装置10の両方を操作できるから、有機廃棄物発酵処理製品の製造に要する作業者の人数を少なく抑えることができる。
なお、指令送信機68は可搬性のものに限定されず、例えば、前記投入装置80等の、前記拡散処理装置10とは別体の機器に取り付けられたものであっても良い。
また、拡散処理装置10とは別体の指令送信機68は、例えば、前記積み上げ床Gから離隔した位置にある建物内に設置されていても良い。
また、拡散処理装置10は、制御装置66へ動作指令を入力するための操作盤を槽形ボディ20に取り付けた構成も採用可能である。拡散処理装置10としては、操作盤及び/又は指令送信機68から、制御装置66への動作指令の入力を可能とした構成を採用できる。
槽内攪拌発酵装置及び前処理設備を具備する従来構成の有機廃棄物処理施設としては、前処理設備の廃棄物積み上げ領域に搬入前の有機廃棄物を仮置きするストックヤード(以下、投入物ストックヤードとも言う)を設けた構成が多く採用されている。
拡散処理装置10を用いる有機廃棄物処理施設としては、例えば、前処理設備にかえて、前記拡散処理装置10を用いて拡散処理を行った有機廃棄物を前記積み上げ床G(図5参照)上に積み上げ状態のまま発酵進行させる処理ヤードを確保した構成を採用できる。前記処理ヤードとしては例えば積み上げ床G上に屋根を設けた構成のものを採用できる。
この構成の有機廃棄物処理施設にあっては、拡散処理装置10を用いて拡散処理した有機廃棄物Mを、拡散処理装置10の拡散放出用回転体50の放出口26aから槽内攪拌発酵装置の発酵槽に直接、あるいはコンベア、油圧ショベル等の投入機器を用いて投入して、堆肥等の有機廃棄物発酵処理製品を製造する方法(有機廃棄物発酵処理製品の製造方法)を採用できる。この構成の有機廃棄物処理施設は、施設に搬入された有機廃棄物を直ちに拡散処理装置10を用いて拡散処理して処理ヤードに保管(発酵させる)できるため、拡散処理装置10の槽形ボディ20に投入前の有機廃棄物を仮置きする投入物ストックヤードの小型化あるいは省略が可能である。
投入物ストックヤードの小型化あるいは省略は、有機廃棄物処理施設の敷地面積の縮小(小規模化)に有効であり、用地確保のコストを低減できるため、有機廃棄物処理施設の建設コストの低減を容易に実現できる。
拡散処理装置10を用いる有機廃棄物発酵処理製品の製造方法としては、拡散処理装置10を用いて拡散処理して積み上げ床G上に積み上げた有機廃棄物を、再度、拡散処理装置10の槽形ボディ20の廃棄物投入領域20Aに投入して拡散処理を行っても良い。
拡散処理装置10を用いた有機廃棄物の拡散処理は3回以上行っても良い。有機廃棄物を拡散処理装置10を用いて、複数回、拡散処理することは、有機廃棄物の好気性発酵による分解処理時間の短縮に有効に寄与する。
前記拡散処理装置10は、槽内攪拌発酵装置を用いなくても有機廃棄物の発酵分解処理、堆肥化を効率良く行える。
拡散処理装置10を用いる有機廃棄物処理施設としては、処理ヤードを確保し、槽内攪拌発酵装置及び前処理設備を省略した構成も採用できる。処理ヤードは、拡散処理装置10によって拡散処理した有機廃棄物を積み上げ床G上に積み上げるだけ発酵分解できる構成であるので、槽内攪拌発酵装置及び前処理設備にて用いられている、攪拌機を支持する大掛かりな走行台車を必要としない。処理ヤードは、槽内攪拌発酵装置及び前処理設備に比べて、低コストで設けることができる。また、槽内攪拌発酵装置の省略は、有機廃棄物処理施設の敷地面積の縮小(小規模化)に有効であり、用地確保のコストを低減できるため、有機廃棄物処理施設の建設コストの低減を容易に実現できる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、その主旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能である。
上述の実施形態では、無端搬送条体として、棒状の搬送部材を一対の無端条体に架設状態に取り付けた構成を例示したが、無端搬送条体としては1又は3以上の無端条体に搬送部材を取り付けた構成のものも採用可能である。無端搬送条体としては、1又は複数の無端条体に、棒状の搬送部材を、槽形ボディの幅方向(装置幅方向と一致)に延在する向きで取り付けた構成を採用できる。
無端搬送条体の無端条体を巻き掛ける巻き掛け用リング体は、槽形ボディにその幅方向の回転軸線を以て回転自在に設けられていれば良く、上述の実施形態のように第1〜4巻き掛け用回転部材、下側、上側巻き掛け用部材の一部である構成に限定されない。
無端搬送条体の無端条体は、無端チェーンに限定されず、例えばベルト(歯付きベルトを含む)等も採用可能である。また、巻き掛け用リング体は、無端チェーンの構成に応じて、巻き掛け状態を安定に維持できるものを適宜選択使用する。
無端搬送条体は、槽形ボディ20に対して、後側縦張設部34D上端と下部張設部34C前端との間の部分(以下、搬送用戻り部とも言う)が前記下部張設部34Cの上側に位置する形態に張設される。
上述の実施形態の拡散処理装置の無端搬送条体34において、上部張設部34A及び前側縦張設部34Bは、前記搬送用戻り部を構成する。但し、無端搬送条体の搬送用戻り部は、上部張設部34A及び前側縦張設部34Bとからなる構成に限定されない。前記搬送用戻り部は、例えば、後側縦張設部34D上端と下部張設部34C前端との間に真っ直ぐに張設された構成、延在方向中央部に頂部又は谷部を有するV字形に張設された構成、さらに頂部及び谷部をそれぞれ1以上有する構成、も採用可能である。
図示例の拡散処理装置10は、廃棄物送り装置30の無端搬送条体34の循環駆動と、拡散放出用回転体50の回転駆動とを、ひとつの駆動モータ37の駆動力によって行う構成になっている。図示例の拡散処理装置10は、拡散放出用回転体50と、該拡散放出用回転体50を回転駆動させる駆動モータ37とからなる拡散放出装置を有する。駆動モータ37は、廃棄物送り装置30の無端搬送条体34の循環駆動用の駆動装置(送り装置用駆動装置)と、拡散放出装置の拡散放出用回転体50を回転駆動させる駆動装置(拡散放出用駆動装置)とを兼ねる。
但し、拡散処理装置は、例えば、槽形ボディ20外側に、送り装置用駆動装置として機能する駆動モータと、攪拌搬送用駆動装置として機能する駆動モータと、拡散放出用駆動装置として機能する駆動モータとを取り付けた構成としても良い。また、拡散処理装置としては、送り装置用駆動装置、攪拌搬送用駆動装置、拡散放出用駆動装置から選択される2つを兼ねる駆動モータ(複数動作兼用駆動モータ)と、残り1つとして機能する駆動モータ(単一動作用駆動モータ)とを槽形ボディ20外側に設けた構成も採用可能である。
廃棄物送り装置30としては、槽形ボディの前側部分内の有機廃棄物を搬送部材の循環移動によって前記槽形ボディの後側部分へ搬送可能な構成であれば良く、図示例のように、無端搬送条体34が循環駆動されることで槽形ボディの前側部分内の有機廃棄物を槽形ボディの後側部分へ送給する構成に限定されない。
攪拌搬送装置としては、有機廃棄物を攪拌、搬送するための攪拌搬送部材を、攪拌搬送用駆動装置(駆動モータ)の回転駆動力によって、該攪拌搬送装置の前側で下降、後側で上昇するように循環移動させることで、廃棄物送り装置によって送給された有機廃棄物を攪拌しつつ該攪拌搬送装置の後側へ搬送する構成が採用させる構成であれば良く、例えば、回転軸外周の複数箇所に攪拌用部材を突設した構成の攪拌用回転部材の回転駆動によってその前側から後側へ有機廃棄物の攪拌、搬送を行う構成も採用可能である。
拡散処理装置10を自走可能とする自走用装置としては、上述の実施形態の走行用ユニット60のように、複数の車輪付き駆動ユニット64の個々に走行方向変更部65を設けた構成に限定されない。自走用装置は、複数の車輪付き駆動ユニット64と、2以上の車輪付き駆動ユニット64の向きを一括して変更可能な走行方向変更部とを具備する構成であっても良い。
自走用装置は、複数の走行車輪を一括して回転駆動する走行用駆動部を具備する構成であっても良い。
前記自走用装置は、拡散処理装置10の前進、後進(後退)のみが可能な構成であっても良い。拡散処理装置は、例えば、既述の車輪付き駆動ユニット64を槽形ボディ20下側に複数固定した構成も採用可能である。
10…有機廃棄物拡散処理装置、20…槽形ボディ、24A…前側部分(前側槽部)、21…上部開口部、22…底壁、23…側壁部、23a、23b…側板部、23c…端板部、24…槽形ボディ本体、26…後側部分(後側カバー部)、30…廃棄物送り装置、31、32…無端条体(無端チェーン)、33…搬送部材、34…無端搬送条体、34C…下部張設部、34D…後側縦張設部、50…拡散放出用回転体、60…自走用装置(走行用ユニット)、66…制御部(制御装置)、67…受信器、68…送信機(指令送信機)、M…有機廃棄物。

Claims (4)

  1. 有機廃棄物が上部開口部から投入される槽形ボディに、該槽形ボディの前側部分に投入された有機廃棄物を搬送部材の循環移動によって前記槽形ボディの後側部分へ搬送する廃棄物送り装置と、前記廃棄物送り装置によって送給された有機廃棄物を、回転軸に拡散用突出部材が複数突設され前記槽形ボディの後側部分に設けられた拡散放出用回転体の回転駆動によって跳ね飛ばして攪拌、拡散し、前記槽形ボディの後側部分に設けられた放出口から放出する拡散放出装置とを具備し、前記槽形ボディ下側に自走用装置を有することを特徴とする有機廃棄物拡散処理装置。
  2. 前記廃棄物送り装置は、前記槽形ボディの内側底部にて前記槽形ボディの底壁に沿って延在された下部張設部と、該下部張設部の後端から上方へ延在する後側縦張設部と、該後側縦張設部の上端から前記下部張設部の前端に至る戻り延在部とを確保して設けた無端条体に前記搬送部材を取り付けた無端搬送条体を有し、前記無端搬送条体の循環駆動によって、前記下部張設部を移動する搬送部材が前記槽形ボディの前側部分内の有機廃棄物を前記下部張設部の後側へ搬送することを特徴とする請求項1に記載の有機廃棄物拡散処理装置。
  3. さらに、前記廃棄物送り装置及び拡散放出装置の駆動を制御する制御部に入力する動作指令として送信機から出力された無線信号を受信する受信器を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の有機廃棄物拡散処理装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機廃棄物拡散処理装置を用いた有機廃棄物発酵処理製品の製造方法であって、前記有機廃棄物拡散処理装置の前記拡散放出用回転体の放出口からの有機廃棄物の放出と前記有機廃棄物拡散処理装置の移動とによって、積み上げ床上に前記有機廃棄物を積み上げた有機廃棄物積み上げ層を前記積み上げ床に沿って形成することを特徴とする有機廃棄物発酵処理製品の製造方法。
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