JP2013202206A - ペーパータオルの積層体及びその製造方法 - Google Patents

ペーパータオルの積層体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ペーパータオルの積層体をCD方向に引き出すときの破れを防止しつつ、ペーパータオルを確実に1枚ずつ取り出すことができ、使用強度及び加工適性を向上させたペーパータオルの積層体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】単一シートを1プライまたは2〜4プライ重ねてなるシート状のペーパータオルの積層体であって、ペーパータオルを1枚ずつポップアップ式に連続して引き出せるよう、1枚のペーパータオルがそれぞれMD方向に平行に折り畳まれつつ互いに会合して積層され、ペーパータオル1枚あたりの坪量が35〜55g/m、密度が0.1〜0.3g/m、紙厚が120〜300μm、吸水度が50秒以下であり、ペーパータオル1枚あたりのDMDT/DCDT=1.0〜2.5、かつWMDT/WCDT=1.0〜2.5であり、ペーパータオルのCD方向の表面静摩擦係数が0.6〜1.5である。
【選択図】図1

Description

本発明は、手拭等に使用されるペーパータオルの積層体及びその製造方法に関する。
食中毒、インフルエンザ対策など衛生環境改善の要望が求められる中、ハンドタオルの需要が増えている。ハンドタオルは一般には専用のディスペンサー(収納容器)に収納されており、1枚のペーパータオルを引き出すと次のペーパータオルが取出し口から連続的に(いわゆるポップアップ式に)引き出せるよう、各ペーパータオルを折畳んで互いに会合しつつ積層束にしている。このディスペンサーは、洗面台等に据え置くタイプで各ペーパータオルを上方向に引っ張り出すものや、壁に固定してペーパータオルを下方向に引張り出すものがある。
又、各ペーパータオルの折畳み及び積層は、一般にロータリーインターフォルダー(RIF)を用いて行われている。RIFは、2つの原反ロールから切り出した連続シートを、向い合って回転する1対のフォルディングロールにそれぞれ沿わせ、各フォルディングロール上でそれぞれ製品幅のシート(各ペーパータオル)にカットしつつ保持する。そして、各フォルディングロールの溝に設けたバイスで相手方のフォルディングロール上のシートを挟持することで、各フォルディングロールの回転に伴って、各フォルディングロールに対向するシートが交互に2つ折りしつつ折重ねられ、上記したポップアップ式の積層体を製造するものである(特許文献1,2)。
一方、上記したポップアップ式の積層体をマルチフォルダ式折機(MF)により製造することもできる(特許文献3,4)。ここで、MFとはPR(ペアレントロール)スタンドを多数(3つ以上)有し、PRスタンドから繰り出されたウェッブを、折板を有するフォルディング部で折畳んで積み重ねる。この一繋がりの積層体はバンドルと呼ばれ、搬送するコンベア上を流れて、カットオフソーと呼ばれる刃物で製品長さ(シート長さ)にカットされる。
特開平6−48652号公報 特開平7−291527号公報 特許第4317539号公報 特開2011−121764号公報 特開2009−28458号公報
しかしながら、RIFは、MFに比べて生産能力が1/10〜1/20と小さい欠点があり、量産には適していない。一方、MFはシートの折畳み方向が、原紙ウェッブのMD方向(抄紙機のタテ方向)に沿う2つ折(C折)となるため、各シートはCD方向に沿ってポップアップ式に引き出されることになる。ところで、通常はウェッブ抄紙時の繊維配向の影響で、MD方向がCD方向に比べて強度が高くなる。MD/CDの引張強度比は、抄紙機の抄紙条件、原料配合等によって変わるが、通常は2〜4である。そのため、MFで折畳み及び積層されたペーパータオルの積層体を1枚ずつ引き出すと、引き出し時に破れる恐れがある。
なお、上記特許文献5記載の発明は、ペーパータオルの積層体をCD方向に引き出すときの破れを防止すべく、引き出し方向における一枚のシートの乾燥引張強度、及び一枚のシートの伸び率を規定している。しかしながら、この技術は、ディスペンサーからのペーパータオルの取り出し性に関連するペーパータオルの強度や柔らかさについて開示しているに過ぎない。そして、ペーパータオルの使用用途に応じて、使い易さや製造加工適性を配慮した強度や伸び等の物性が重要であり、またペーパータオルを引き出す際に、複数枚がまとまって取り出されたり、取り出し口時に詰まることがなく、確実に1枚ずつ取り出せることも重要である。
従って本発明は、ペーパータオルの積層体をCD方向に引き出すときの破れを防止しつつ、ペーパータオルを確実に1枚ずつ取り出すことができ、使用強度及び加工適性に優れたペーパータオルの積層体及びその製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のペーパータオルの積層体は、単一シートを1プライまたは2〜4プライ重ねてなるシート状のペーパータオルの積層体であって、前記ペーパータオルを1枚ずつポップアップ式に連続して引き出せるよう、1枚の前記ペーパータオルがそれぞれMD方向に平行に折り畳まれつつ互いに会合して積層され、前記ペーパータオル1枚あたりの坪量が35〜55g/m、密度が0.1〜0.3g/m、紙厚が120〜300μm、吸水度が50秒以下であり、JIS P 8113に基づくMD方向の乾燥引張り強度をDMDT、MD方向の湿潤引張り強度をWMDT、CD方向の乾燥引張り強度をDCDT、CD方向の湿潤引張り強度をWCDTでそれぞれ表したとき、前記ペーパータオル1枚あたりのDMDT/DCDT=1.0〜2.5、かつWMDT/WCDT=1.0〜2.5であり、前記ペーパータオルのCD方向の表面静摩擦係数が0.6〜1.5である。
プライ重ねする前の前記単一シート1枚のMD方向の伸び率が15〜35%であることが好ましい。
前記ペーパータオルの全面に20/100〜150/100mm深さのエンボスが施され、かつ前記ペーパータオルにおける折畳み方向に平行な端縁に、プライ剥がれを防止するナーリングが施されていることが好ましい。
本発明のペーパータオルの積層体の製造方法は、前記ペーパータオルの積層体の製造方法であって、前記ペーパータオルとなるウェッブをプライマシンにてエンボス加工、ナーリング加工、及び前記ペーパータオルの製品幅へスリット加工した後、マルチフォルダ式折機のフォールディング部で、前記ウェッブを交互に会合するように折込んで積層する。
又、本発明のペーパータオルの積層体の製造方法は、前記ペーパータオルの積層体の製造方法であって、前記ペーパータオルとなるウェッブのエンボス加工、ナーリング加工、及び前記ペーパータオルの製品幅へのスリット加工の少なくとも1つを、マルチフォルダ式折機内でフォールディング部の手前で行い、前記フォールディング部で、前記ウェッブを交互に会合するように折込んで積層する。
この発明によれば、ペーパータオルの積層体をCD方向に引き出すときの破れを防止しつつ、ペーパータオルを確実に1枚ずつ取り出すことができ、使用強度及び加工適性を向上させることができる。
静摩擦係数を測定するための摩擦計の概略斜視図である。 摩擦計の接触子の縦断面図である。 第1の実施形態におけるフォールディング部の構成を示す図である。 フォールディング部を構成する個々の折り畳みプレート装置を示す図である。
以下に本発明の実施形態について説明する。
本発明の実施形態に係るペーパータオルの積層体は、単一シートを1プライまたは2〜4プライ重ねてなるシート状をなし、ペーパータオルを1枚ずつポップアップ式に連続して引き出せるよう、1枚のペーパータオルがそれぞれMD方向に平行に折り畳まれつつ互いに会合して積層されている。
ペーパータオルは、二つ折り(C折り)の他、三つ折り(Z折り)等の公知の折り構造であってもよい。
なお、ペーパータオルを抄紙した際の流れ方向を「縦(MD)方向」とし、流れ方向に直角な方向を「横(CD)方向」とする。
<表面静摩擦係数>
ペーパータオルのCD方向の表面静摩擦係数が0.6〜1.5、好ましくは0.7以上1.5未満である。ペーパータオルのCD方向の表面静摩擦係数が0.6未満であると、ペーパータオルが連続してポップアップ式に引き出せなくなり、表面静摩擦係数が1.5を超えるとペーパータオルを1枚ずつ取り出すことができずに複数枚がまとまって取り出される。
表面静摩擦係数を0.6〜1.5に管理する方法としては、ペーパータオル原紙の抄造時にクレープ形状(粗さ)を調整するか、製品加工時にペーパータオル原紙にエンボス加工を施す方法が考えられる。
表面静摩擦係数は、JIS P 8147(1998)に準じ、下記の方法で測定する。又、測定環境は、JIS P 8111(1998)の条件下(23±1℃、50±2%相対湿度)で行う。
(i) ペーパータオルを製品形状のまま(1プライ場合は1PLYで、2プライの場合は、2PLYで)、傾斜板に張り付ける。
(ii)(i)とは別のペーパータオルを製品形状のまま(1プライ場合は1PLYで、2プライの場合は、2PLYで)200gの接触子に巻きつけ、傾斜板上の(i)の単一シート上に乗せる(このときの圧力を0.48kPaとする)。
(iii)傾斜板を水平状態から6度/秒で傾け、接触子が滑り落ちる角度を測定する。
(iv)角度の測定を、(i)及び(ii)のペーパータオルのCD方向同士で5回行い、その平均角度を算出し、該平均角度のタンジェント値を静摩擦係数とする。
なお、測定時の圧力は、JIS P8147では1.64±0.24KPaとされているが、ペーパータオルの場合、嵩高で柔らかいことから接触子の圧力が高すぎるとペーパータオルに埋もれ、ペーパータオル表面の滑らかさを正確に計測できない。本発明では次に示す条件で測定し、表面の滑らかさを評価した。
図1は、上記静摩擦係数を具体的に測定するための摩擦計150(協和界面科学社製の製品名「ポータブル摩擦計」)の概略斜視図である。図2は、接触子10の縦断面図である。
図1において、摩擦計150は、傾斜板20、試料固定具21、止めネジ22、センサー23、及び接触子10を有する。又、図2において、接触子10は、下部板12、固定ネジ13、上部固定板14、及びセンサー23に接触する感知ピン11を有する。感知ピン11は、上部固定板14の一方の長辺の中央部から上側に突出する。
まず、120mm×90mmにカットしたシート状のペーパータオル30を、製品形状のまま(1プライ場合は1PLYで、2プライの場合は、2PLYで)、しわ等が生じないようにしつつ、ペーパータオル30の長手方向が傾斜板20の長手方向に沿うように、試料固定具21に止めネジ22にて固定する。又、ペーパータオル30の固定されていない箇所はテープ等で傾斜板20に張り付ける。
次に、図2に示すように、95mm×90mmにカットした別のペーパータオル31を、製品形状のまま(1プライ場合は1PLYで、2プライの場合は、2PLYで)、底面が65mm×63mmの下部板12の底面側に、しわ等が生じないようにしつつ、ペーパータオル31のCD方向が下部板12の長手方向に沿うように巻きつける。このとき、ペーパータオル31の下部板12からはみ出したペーパータオル31の縁部を上側に折り返して下部板12の上面側に巻く。そして、下部板12の上面側に巻かれたペーパータオル31の縁部を、固定ネジ13を介して上部固定板14で挟みつつ固定し、傾斜板上20のペーパータオル30の上に乗せる。このとき、接触子10全体の重量が200gとなり、その圧力は、0.48KPaであり、各ペーパータオル30、31の表面同士が接することになる。
尚、ペーパータオルが1プライの場合、ヤンキードライヤー面を斜面側に、フード面側を接触子側にして同様に測定する。MFでは表裏面(ヤンキー面とフード面)が交互に接して折畳まれるためである。
そして、図1の矢印の方向に、傾斜板20を水平状態から6度/秒で傾け、接触子10が滑り落ちる角度のタンジェント値を測定する。接触子10が滑り落ちるタイミングはセンサー23にて感知して、そのときのタンジェント値は自動計算して表示される。なお、センサー23は、感知ピン11を挟むようにして、試料固定具21の長手方向に沿って1対設けられ、試料固定具21の長手方向が上部固定板14の一方の長辺に対向している。そして、傾斜板20の斜面は試料固定具21の長手方向に垂直であるので、接触子10が滑り落ち始めると、1対のセンサー23の間から感知ピン11が下方に逃げる。従って、例えば1対のセンサー23間で赤外線を照射させることで、接触子10(=感知ピン11)が滑り落ち始めるタイミングを検知できる。
測定は、各ペーパータオル30、31のCD方向が斜面方向に沿うように貼り付け、接触子10に巻き付けたシートがCD方向に滑り落ちるように5回測定する。これらの平均を算出し、角度θのタンジェント値(tanθ)を静摩擦係数とする。
<坪量>
ペーパータオル1枚あたりの坪量が35〜55g/mである。
ペーパータオル1枚あたりの坪量が35g/m未満であると強度が低下し、坪量が55g/mを超えると柔らかさに劣る。
なお、坪量は、JIS P 8124(1998)の坪量測定方法によって測定する。
<密度>
ペーパータオル1枚あたりの密度が0.1〜0.3g/mである。
ペーパータオル1枚あたりの密度が0.1g/m未満であると嵩が高くなり過ぎる。密度が0.3g/mを超えると圧縮が強くなり過ぎて、ペーパータオルのボリューム感が損なわれる。
なお、密度は、後述する紙厚と、ペーパータオル1枚あたりの質量とに基づいて算出する。
<紙厚>
ペーパータオル1枚あたりの紙厚が120〜300μmである。
ペーパータオル1枚あたりの紙厚が120μm未満であると強度が低下し、紙厚が300μmを超えると柔らかさに劣る。
なお、紙厚測定は、JIS P 8111(1998)の条件下(23±1℃、50±2%相対湿度でシックネスゲージ(例えば、尾崎製作所製のダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK」)を用いて測定する。測定条件は、プランジャーの測定荷重3.71kPa、直径30mmで、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上に下ろし、ダイヤルゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせる。次いで、プランジャーを上げて試料を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろしそのときのゲージを読み取る。このとき、プランジャーの底面が試料の平面に対し垂直に当たるようにする。なお、1回の測定は試料を5組(例えば、2プライであれば、合計10枚の単一シート)重ねて行い、測定を10回繰り返して測定結果を平均する。
<吸水度>
ペーパータオル1枚あたりの吸水度が50秒以下である。
ペーパータオル1枚あたりの吸水度が50秒を超えると、ペーパータオルとしての吸水性が劣化する。
吸水性(秒)は、JIS S3104に準じて測定する。
<伸び率>
ペーパータオルの原紙(プライ重ねする前の単一シート1枚)のMD方向の伸び率が15〜35%であることが好ましい。ペーパータオルの原紙のMD方向の伸び率を上記範囲に規定することにより、MFにおける加工適性、操業性が向上する。
ペーパータオルの原紙のMD方向の伸び率が15%未満であると、MFでの折畳み加工時に折板部でシートの破断が生じ、伸び率が35%を超えると折板部でシートの蛇行が生じやすい。
伸び率の測定は、JIS P8113に準じ、25mm幅のペーパータオル原紙の試験片を引張試験機(テンシロン)で引張強度を測定し、試験片が破断するときまでの試験片の伸びから、初期試験片の長さ(通常スパン長100mm)に対する破断時までの伸び(引張り距離)を百分率で表して伸び率を求める。
<引張り強度>
ペーパータオル1枚あたりのCD方向の乾燥引張り強度(DCDT(Dry Cross Direction Tensile strength))が3.5N/25mm以上、CD方向の湿潤引張り強度(WCDT(Wet Cross Direction Tensile strength))が2.0N/25mm以上であることが好ましい。上記した各引張り強度が上記下限より小さい場合、破れ易く使用に適さない。上記した各引張り強度が高すぎても(例えばDMDTが30N/25mmを超え、DCDTが15N/25mmを超える)、剛性が高くなり、ゴワツキ感が生じる。
又、ペーパータオル1枚あたりのMD方向の乾燥引張り強度をDMDT(Dry Machine Direction Tensile strength))で表し、MD方向の湿潤引張り強度をWMDT(Wet Machine Direction Tensile strength))で表したとき、DMDT/DCDT及びWMDT/WCDTがいずれも1.0〜2.5であることが好ましい。これらの比は、ペーパータオルのタテヨコの強度比を表しており、上記比が2.5を超えるとシートがMD方向に裂けやすくなり、使い勝手が悪くなる。特に、ペーパータオルは力を入れて使用する場合が多いことから、タテヨコの強度比が小さいこと(1に近いこと)が好ましい。
引張り強度の測定は、JIS P 8113(1998)の引張試験方法に準じて行う。
<ペーパータオルの原料>
ペーパータオルは木材パルプ100%から成っていてもよく、古紙パルプ、非木材パルプを含んでも良い。例えば、NBKP:LBKP=10:90〜70:30(質量比)の木材パルプを原料としてもよく、又は、このパルプ比率の木材パルプに対し、古紙パルプを含むことができる。古紙パルプ100%としてもよい。
<ペーパータオルの製造>
本発明の実施の形態に係るペーパータオルは、抄紙機を用いて常法により抄造することができる。なお、抄造時の、抄き出し水流速度/ワイヤー速度(J/W比)は公知の技術に基づいて0.9〜1.00にして抄紙するとよい。ペーパータオルでは、湿潤紙力が重要であるため、ポリアミン・ポリアミドエピクロルヒドリン系の湿潤紙力増強剤を紙料スラリーに添加するとよい。
又、ペーパータオルに柔らかさと嵩を付与するため、クレープ処理を施すとよい。ここで、クレープ処理とは、紙をMD方向(マシン走行方向)に機械的に圧縮してクレープと称される波状の皺を形成する方法であり、嵩(バルク感)、柔らかさ、吸水性、表面の滑らかさ、美観(クレープの形状)などを付与する。具体的には、抄造後の乾燥工程にて、ヤンキードライヤーとリールの速度差(リールの速度がヤンキードライヤーより遅い)により、クレーピングドクターでクレープが形成される。
ヤンキードライヤーとリールの速度差に基づくクレープ率は次式により定義される。
クレープ率(%)=100×(ヤンキードライヤー速度(m/分)−リール速度(m/分))÷リール速度(m/分)
本発明においては、クレープ率を20〜40%とするのが好ましく、25〜35%がより好ましい。なお、上記したペーパータオルのMD方向の伸び率は、クレープ率と正の相関があり、クレープ率を20〜40%とすることで、MD方向の伸び率を15〜35%に調整することができる。
なお、ペーパータオルが単一シートを2プライ以上に重ねてなる場合は、プライマシンにて複数プライに積層する。この際、積層したウェッブの全面にエンボスを施し、ペーパータオル製品の寸法の複数倍のスリットを入れた後、ペーパータオル製品の少なくとも折畳み方向(つまり、ペーパータオルのMD方向)に平行な端縁にナーリング(エッジエンボス)を施すと、プライ剥がれを防止するので好ましい。
ペーパータオル(ウェッブ)全面にエンボスを施す際は、ロール表面にエンボス加工したスチールロールと、表面がフラットなラバーロール又はペーパーロールとのロール対を用いて行う。エンボスの山の高さは0.2〜1.5mmとするのが好ましい。又、エンボスの表裏差を少なくするために、エンボスの山頂部形状は平坦がであることが好ましい。このエンボスによりプライが密着するので、MFのフォルディングプレート(折板)でのシートのズレやシワの発生が回避できる。
なお、上記したエンボス方法は、特開2003−73999号公報に記載されている。
<ペーパータオルの積層>
そして、必要に応じてプライマシンにて複数プライに積層され、ペーパータオルの製品幅のウェッブを、MFにて交互に会合するように折込んで積層する。
図3は、マルチフォルダ式折機(MF)のフォールディング部50の構成を示す。フォールディング部50は、個々の折り畳みプレート装置50a〜50cを一列に並べて構成され、例えばペーパータオルを200組積層する場合、折り畳みプレート装置50a〜50cが一列に200個並ぶことになる。つまり、個々の折り畳みプレート装置50a〜50cは、それぞれ1対の連続シート(上記ウェッブ)7を互い違いに折り畳んで1組の折り畳み積層体9を製造し、折り畳みプレート装置50aで折り畳まれた1組の積層体に対し、次の折り畳みプレート装置50bの1組の積層体がかみ合い、さらにこれに対して次の折り畳みプレート装置50cの積層体がかみ合うように連続的に折り畳まれてコンベア90で次々と積層され、長手方向に裁断されることにより、最終的に200組のポップアップ式のペーパータオルの積層体が製造される。そして、ペーパータオルの積層体を適宜梱包して製品となる。
ここで、複数の連続シート7は、1組ずつ個々の折り畳みプレート装置50a〜50cに導入され、ガイドロール51にて繰出し方向を変化させられた後、1組の連続シート7が接触するようにガイドロール52で方向付けられ、最後に折り板53に案内されて互いに折り畳まれて長尺の折り畳み積層体を形成する(図3参照)。
なお、上述の特許文献3,4に記載されているように、MFは、フォールディング部50の前段にPR(ペアレントロール)スタンドを多数(3つ以上)有し、PRスタンドからウェッブをフォールディング部50に繰り出している。従って、上記したプライマシンを、MFと一体とし、プライ工程をMFのPRスタンドで同時に行うと、プライマシンの設備が省略できるメリットがある。
又、製品幅にスリットされたウェッブをPRスタンドに取り付ける場合と、PRスタンドに製品幅の複数倍のウェッブを取り付け、フォルディング部50の直前で製品幅にスリットする場合がある。
本発明は上記した実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
パルプ組成(質量%)をNBKP50%、LBKP50%としたウェッブを抄紙し、さらに乾燥後のウェッブを所定のクレープ率でクレープ処理した。次に、このウェッブを適宜プライマシンにて複数プライに積層し、ウェッブ全面にエンボスを施すエンボスは、スチールtoラバー方式であり、エンボス形状は山頂部が25mm2のブロック形状で0.4mm高さ、かつエンボス深さ50%(ラバーへのかみこみ)とした。
次に、ウェッブを製品幅にスリットし、図2、図3に示すMFのフォールディング部50で、ペーパータオルを所定の数の組積層した。
1枚のペーパータオルにつき、以下の評価を行った。
坪量:JIS P8124に基づいて測定した。
引張強さDCDT及びWCDT:JIS P8113に基づいて測定した。
紙厚:シックネスゲージ(尾崎製作所製のダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK」)を用いて測定した。測定条件は、測定荷重250gf、測定子直径30mmで、測定子と測定台の間に試料を置き、測定子をゆっくりと下ろしたときのゲージを読み取った。このとき、測定子をのせるだけとした。なお、1回の測定は試料を5組(例えば、2プライであれば、合計10枚の単一シート)重ねて行い、測定を10回繰り返して測定結果を平均した。そして、得られた1回当りの平均値を組み数で割って1枚のペーパータオル当りの紙厚とした。
吸水度:旧JIS−S3104法に従い、温度23±1℃、湿度50±2%の状態で、0.1ml精製水を滴下し、水滴がウェッブに吸収される時間(秒)を測定した。
静摩擦係数:上記のとおり、摩擦計(協和界面科学社製の製品名「ポータブル摩擦計」)を用い、図1、図2に従って測定した。
なお、坪量、引張強度、紙厚、静摩擦係数の測定は、JIS−P8111に規定する温湿度条件下で行った。
又、ペーパータオルの積層体からペーパータオルを1枚ずつポップアップ式に連続して引き出し、引出し状態を評価した。
得られた結果を表1に示す。
表1から明らかなように、ペーパータオルのCD方向の表面静摩擦係数が0.6〜1.5である各実施例の場合、ペーパータオルを1枚ずつポップアップ式に連続して引き出すことができた。
一方、ペーパータオルのCD方向の表面静摩擦係数が0.6未満である比較例1の場合、各ペーパータオル間の摩擦が少なく、10回引き出したうち、1回は連続して取り出せなかった。
ペーパータオルのCD方向の表面静摩擦係数が1.5を超えた比較例2の場合、各ペーパータオル間の摩擦が強くなり過ぎ、複数枚が同時に取り出された。
10 接触子
20 傾斜板
30 ペーパータオル(傾斜板側)
31 ペーパータオル(接触子側)
50 フォールディング部
150 摩擦計

Claims (5)

  1. 単一シートを1プライまたは2〜4プライ重ねてなるシート状のペーパータオルの積層体であって、
    前記ペーパータオルを1枚ずつポップアップ式に連続して引き出せるよう、1枚の前記ペーパータオルがそれぞれMD方向に平行に折り畳まれつつ互いに会合して積層され、
    前記ペーパータオル1枚あたりの坪量が35〜55g/m、密度が0.1〜0.3g/m、紙厚が120〜300μm、吸水度が50秒以下であり、
    JIS P 8113に基づくMD方向の乾燥引張り強度をDMDT、MD方向の湿潤引張り強度をWMDT、CD方向の乾燥引張り強度をDCDT、CD方向の湿潤引張り強度をWCDTでそれぞれ表したとき、
    前記ペーパータオル1枚あたりのDMDT/DCDT=1.0〜2.5、かつWMDT/WCDT=1.0〜2.5であり、
    前記ペーパータオルのCD方向の表面静摩擦係数が0.6〜1.5である、ペーパータオルの積層体。
  2. プライ重ねする前の前記単一シート1枚のMD方向の伸び率が15〜35%である請求項1記載のペーパータオルの積層体。
  3. 前記ペーパータオルの全面に20/100〜150/100mm深さのエンボスが施され、かつ前記ペーパータオルにおける折畳み方向に平行な端縁に、プライ剥がれを防止するナーリングが施されている請求項1又は2記載のペーパータオルの積層体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のペーパータオルの積層体の製造方法であって、
    前記ペーパータオルとなるウェッブをプライマシンにてエンボス加工、ナーリング加工、及び前記ペーパータオルの製品幅へスリット加工した後、
    マルチフォルダ式折機のフォールディング部で、前記ウェッブを交互に会合するように折込んで積層するペーパータオルの積層体の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のペーパータオルの積層体の製造方法であって、
    前記ペーパータオルとなるウェッブのエンボス加工、ナーリング加工、及び前記ペーパータオルの製品幅へのスリット加工の少なくとも1つを、マルチフォルダ式折機内でフォールディング部の手前で行い、
    前記フォールディング部で、前記ウェッブを交互に会合するように折込んで積層するペーパータオルの積層体の製造方法。
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