JP2013201843A - 駆動装置とその製造方法、レンズ鏡筒及びカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】被駆動体への駆動特性に悪影響を及ぼすことを抑制できる駆動装置を提供する。
【解決手段】第1の方向に振動をする第1振動素子61と、第1の方向とは異なる第2の方向に沿って振動をする第2振動素子71と、第1振動素子及び第2振動素子の振動により駆動面に振動波を生じさせる第1弾性体31aとを有する第1振動部31と、第3の方向に振動をする第3振動素子62と、第3の方向とは異なる第4の方向に沿って振動をする第4振動素子72と、第3振動素子及び第4振動素子の振動により駆動面に振動波を生じさせる第2弾性体32aとを有する第2振動部32と、第1振動部を保持する第1保持部2aと、第2振動部を保持する第2保持部2aと、第1振動部と第2振動部との間に備えられたスリット部SLとを有する。
【選択図】図1
【解決手段】第1の方向に振動をする第1振動素子61と、第1の方向とは異なる第2の方向に沿って振動をする第2振動素子71と、第1振動素子及び第2振動素子の振動により駆動面に振動波を生じさせる第1弾性体31aとを有する第1振動部31と、第3の方向に振動をする第3振動素子62と、第3の方向とは異なる第4の方向に沿って振動をする第4振動素子72と、第3振動素子及び第4振動素子の振動により駆動面に振動波を生じさせる第2弾性体32aとを有する第2振動部32と、第1振動部を保持する第1保持部2aと、第2振動部を保持する第2保持部2aと、第1振動部と第2振動部との間に備えられたスリット部SLとを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、駆動装置とその製造方法、レンズ鏡筒及びカメラに関するものである。
従来、圧電素子を用いた駆動装置が知られている。このような駆動装置においては、複数の圧電素子を駆動させ、被駆動体に接触する部分を楕円運動させることで、被駆動体を駆動させるものがある。
例えば、特許文献1の駆動装置では、被駆動体を支持する弾性体の先端部と、一対の第1圧電素子に挟み込まれた弾性体の基部と、先端部と基部との間に設けられた第2圧電素子と、からなる駆動駒を備え、駆動駒の先端部の楕円運動を、それぞれ独立した異なる2方向の振動により実現している。複数の駆動駒は円環状に配置されており、複数の駆動駒を円周方向から挟んで保持する複数の突起を有するベース部が設けられている。
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
上記のベース部には、2方向に振動する弾性体の組が周方向に複数設けられるため、各組の弾性体の影響を他の組の弾性体が受けることにより、振動のばらつきや低減、異モードの混入等の問題が生じ、被駆動体への駆動特性に悪影響を及ぼす可能性がある。
上記のベース部には、2方向に振動する弾性体の組が周方向に複数設けられるため、各組の弾性体の影響を他の組の弾性体が受けることにより、振動のばらつきや低減、異モードの混入等の問題が生じ、被駆動体への駆動特性に悪影響を及ぼす可能性がある。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、被駆動体への駆動特性に悪影響を及ぼすことを抑制できる駆動装置とその製造方法、レンズ鏡筒及びカメラ駆動装置とその製造方法、レンズ鏡筒及びカメラを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、第1の方向に振動をする第1振動素子と、第1の方向とは異なる第2の方向に沿って振動をする第2振動素子と、第1振動素子及び第2振動素子の振動により駆動面に振動波を生じさせる第1弾性体とを有する第1振動部と、第3の方向に振動をする第3振動素子と、第3の方向とは異なる第4の方向に沿って振動をする第4振動素子と、第3振動素子及び第4振動素子の振動により駆動面に振動波を生じさせる第2弾性体とを有する第2振動部と、第1振動部を保持する第1保持部と、第2振動部を保持する第2保持部と、第1振動部と第2振動部との間に備えられたスリット部とを有することを特徴とする駆動装置が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、第1の方向に厚みすべり振動をする第1圧電素子と、第1の方向とは異なる第2の方向に沿って厚みすべり振動をする第2圧電素子と、第1圧電素子及び第2圧電素子の作動により、駆動面に振動波を生じさせる弾性体と、駆動面に加圧接触されて駆動される被駆動体と、弾性体を複数保持するとともに、複数の弾性体を振動的に互いに独立させるように、隣り合う弾性体を分離するスリット部を有するベース部と、を備える駆動装置が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、第1の方向に厚みすべり振動をする第1圧電素子と、第1の方向とは異なる第2の方向に沿って厚みすべり振動をする第2圧電素子と、第1圧電素子及び第2圧電素子の作動により、駆動面に振動波を生じさせる弾性体と、駆動面に加圧接触されて駆動される被駆動体と、弾性体を複数保持するベース部とを備える駆動装置の製造方法であって、複数の弾性体を振動的に互いに独立させるように、隣り合う弾性体を分離するスリット部をベース部に形成する工程を含むことを特徴とする駆動装置の製造方法が提供される。
本発明の第4の態様に従えば、本発明の第1の態様の駆動装置と、駆動装置によって駆動されるカム筒と、カム筒に移動可能に保持されて焦点調整を行うレンズと、を備えたレンズ鏡筒が提供される。
本発明の第5の態様に従えば、本発明の第3の態様のレンズ鏡筒と、レンズ鏡筒に設けられたレンズによって撮像面に被写体像が結像される撮像素子と、を備えたカメラが提供される。
本発明では、被駆動体への駆動特性に悪影響を及ぼすことを抑制でき、安定して被駆動体を駆動することが可能になる。
以下、本発明の駆動装置とその製造方法、レンズ鏡筒及びカメラの実施の形態を、図1ないし図7を参照して説明する。
かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
(第1実施形態)
本実施形態の駆動装置は、ベース部に対してロータを相対的に変位させる相対駆動を行い、ロータによってカメラのレンズ鏡筒等の光学機器や電子機器を駆動する。
本実施形態の駆動装置は、ベース部に対してロータを相対的に変位させる相対駆動を行い、ロータによってカメラのレンズ鏡筒等の光学機器や電子機器を駆動する。
図1は、本発明に係る一実施形態の駆動装置1の正面図である。図2は、駆動装置1の平面図である。図3は、駆動装置1の斜視図である。なお、図2及び図3においては便宜上ロータ4の図示を省略している。
図1に示すように、駆動装置1は、ベース部2と、駆動駒3と、ロータ(被駆動体)4と、支持軸5と、を備えている。
ベース部2は、導電性を有する弾性体であり、例えばステンレス鋼を含む材料によって形成されている。ベース部2は、中央部に軸方向の貫通穴を有する中空円筒形状に形成されている。ベース部2の表面には、例えば絶縁膜(図示略)が形成されることにより絶縁処理が施されている。ベース部2の貫通穴には、支持軸5が挿通されている。
ベース部2の一方の端部(上端部)には、ロータ4の回転軸線(支持軸53の軸線;図1では上下方向に延びる軸線、以下、単に回転軸線と称する)周りに複数(ここでは6つ)の保持部(第1保持部、第2保持部)2aがベース部2の周方向に間隔をあけて設けられている。保持部2aは、凹形状に形成されている。保持部2aは、駆動駒3をベース部2の周方向の両側から挟み込むように保持する。
ベース部2は、他方の端部(下端部)において、回転軸線周りの周方向に連続する溝部2dによって形成された小径部80を介してハウジング部Hに支持されることで、ハウジング部Hとは振動的に略独立した構成となっている。ハウジング部Hは、例えばボルト等の締結部材(図示略)により、取付部101aに固定されている。
また、ベース部2は、図3に示すように、周方向で隣り合う保持部2aの中間位置にて、回転軸線を含む径方向及び回転軸線方向を含む平面と平行に形成されたスリット部SLによって、周方向に6つに分割されている。スリット部SLは、下端部において溝部2dに連通して形成されている。スリット部SLの幅は、駆動駒(弾性体)3(先端部3a)の振動時の周方向の最大振幅の二倍以上(例えば、駆動駒3の最大振幅が20μm程度の場合は、スリット部SLの幅は50μm)に設定されている。
従って、ベース部2は、それぞれが保持部2aに駆動駒3を保持した状態で周方向に互いに分離され、下端部で小径部80を介してハウジング部Hに支持される。
従って、ベース部2は、それぞれが保持部2aに駆動駒3を保持した状態で周方向に互いに分離され、下端部で小径部80を介してハウジング部Hに支持される。
駆動装置1は、所定の位相差で駆動する3つの駆動駒3の組を2組有している。本実施形態では、ベース部2の周方向に等間隔に配置された6つの駆動駒3のうち、3つの駆動駒(第1振動部)31が第1組に属し、3つの駆動駒(第2振動部)32が第2組に属している。各組の駆動駒31と駆動駒32とは、ベース部2の周方向、すなわちロータ4の回転方向Rに交互に配置されている。
各々の駆動駒3は、基部3bと、先端部3aと、第1の方向(ここでは、ほぼ鉛直方向)に沿って厚みすべり振動をする第1圧電素子6と、第1の方向とは異なる第2の方向(ここでは水平方向)に沿って厚みすべり振動をする第2圧電素子7と、それぞれ組をなして備えている。
各々の駆動駒3は、第1の方向(ここでは、ほぼ鉛直方向)に沿って厚みすべり振動をする第1圧電素子6と、基部(第1部材)3bと先端部(第2部材)3aと第1の方向とは異なる第2の方向(ここでは水平方向)に沿って厚みすべり振動をする第2圧電素子7とが組をなす構造体3Gと、を備えている。
基部3bは、導電性を有しており、例えば軽金属合金により形成されている。基部3bは、ベース部2の周方向に位置する一対の側面3f1、3f3が下方に向かうに従って互いに接近するようにやや傾斜した略直方体形状に形成されている。基部3bは、保持部2aによって支持軸5と平行な方向に駆動可能に支持されている。基部3bは、第1圧電素子6によって駆動され、支持軸5と平行な方向に振動する。
基部3bには複数(4つ)の第1圧電素子6が設けられている。基部3bは、2つの第1圧電素子6を第1の面3f1で支持するとともに残りの2つの第1圧電素子6を第1の面3f1と対向する第3の面(側面)3f3で支持している。
先端部3aは、導電性を有しており、例えばステンレス鋼により形成されている。先端部3aは、断面視において山形の六角形形状に形成されている。先端部3aは、基部3bとロータ4との間に配置されている。先端部3aは、保持部2aから突出し、上面35でロータ4を接触支持している。先端部3aは、第2圧電素子7によって駆動され、第2の方向に沿って振動する。
ロータ4は、ベアリング(図示略)を介して支持軸5に取り付けられている。ロータ4は、支持軸5を中心として、回転方向Rの前方又は後方に回転可能に設けられている。ロータ4の外周面には、例えばカメラのレンズ鏡筒等を駆動するための歯車4aが形成されている。ロータ4のベース部2に対向する面は、複数の駆動駒3によって支持されている。
支持軸5は、中心軸線がロータ4の回転軸と一致するように配置された丸棒状の部材である。支持軸5は、一方の端部(下端部)が取付部101aに固定されている。支持軸5は、ベース部2とロータ4を貫通している。支持軸5は、ロータ4の回転方向Rに沿って配置された複数の駆動駒3の中心に配置されている。
第1圧電素子6は、例えばジルコン酸チタン酸塩(PZT)を含む材料により形成されている。第1圧電素子6は、ベース部2の保持部2aの内側の面と、駆動駒3の基部3bの側面との間に配置されている。第1圧電素子6は、駆動駒3の基部3bをロータ4の回転方向Rの前方及び後方(周方向の両側)から挟みこむように配置されている。
第1圧電素子6は、支持軸5のほぼ軸方向に長手を有して形成されている。複数(4つ)の第1圧電素子6は、それぞれ基部3bの側面3f1,3f3に沿って第1の方向に厚みすべり振動をする。各第1圧電素子6は、支持軸5のほぼ軸方向に沿う長手方向に厚みすべり振動をするように設けられている。各第1圧電素子6は、導電性を有する接着剤により、ベース部2の保持部2aの内側の面と、駆動駒3の基部3bの側面3f1,3f3との双方に接着されている。
第1圧電素子6は、支持軸5のほぼ軸方向に長手を有して形成されている。複数(4つ)の第1圧電素子6は、それぞれ基部3bの側面3f1,3f3に沿って第1の方向に厚みすべり振動をする。各第1圧電素子6は、支持軸5のほぼ軸方向に沿う長手方向に厚みすべり振動をするように設けられている。各第1圧電素子6は、導電性を有する接着剤により、ベース部2の保持部2aの内側の面と、駆動駒3の基部3bの側面3f1,3f3との双方に接着されている。
第2圧電素子7は、例えばジルコン酸チタン酸塩(PZT)を含む材料により形成されている。第2圧電素子7は、各駆動駒3の中心を通る中心円の接線方向、すなわち各駆動駒3の中心におけるロータ4の回転円の接線方向に長手を有して形成されている。第2圧電素子7は、基部3bの上面3f2沿って第2の方向に厚みすべり振動をする。第2圧電素子7は、各駆動駒3の中心を通る中心円の接線方向に厚みすべり振動をするように設けられている。すなわち、第2圧電素子7は、各駆動駒3の中心におけるロータ4の回転円の接線方向に沿って厚みすべり振動をするように設けられている。第2圧電素子7は、導電性を有する接着剤により、駆動駒3の先端部3aの底面と基部3bの上面3f2との双方に接着されている。
図2に示すように、ベース部2は、円周方向(ロータ4の回転方向R)に配置された各駆動駒3の一方を第1の支持面2f1で支持するとともに、他方を第2の支持面2f2で支持している。具体的には、ベース部2は、円周方向に配置された各駆動駒3の基部3bの側面3f3を第1圧電素子6を挟んで第1の支持面2f1で支持するとともに、基部3bの側面3f1を第1圧電素子6を挟んで第2の支持面2f2で支持している。
図4は、駆動装置1の回路図である。図4(a)は第1圧電素子6と電源部(印加装置)10との接続状態を示す図であり、図4(b)は第2圧電素子7と電源部10との接続状態を示す図である。なお、便宜上、図4(a)においては第2圧電素子7の図示を省略し、図4(b)においては第1圧電素子6の図示を省略している。
図4(a)及び図4(b)に示すように、駆動装置1は、第1圧電素子6及び第2圧電素子7の各々に電圧を供給する電源部10を備えている。電源部10は、第1端子T1、第2端子T2、第3端子T3及び第4端子T4を備えている。端子T1〜T4は、それぞれ所定の周波数の正弦波状の電圧を各圧電素子に供給する。電源部10は、第1端子T1及び第2端子T2の各端子間、並びに、第3端子T3及び第4端子T4の各端子間で、所定の位相差を有する同一波形の正弦波状の電圧を各圧電素子に供給する。
図1及び図4(a)に示すように、複数の第1圧電素子6のうち、第1組に属する3つの駆動駒31とベース部2との間に配置された12の第1圧電素子(第1振動素子)61は、配線11を介して第1端子T1に電気的に接続されている。複数の第1圧電素子6のうち、第2組に属する3つの駆動駒32とベース部2との間に配置された12の第1圧電素子(第3振動素子)62は、配線12を介して第2端子T2に電気的に接続されている。
上記構成の駆動装置1は、例えばベース部2に保持部2aを形成した後に、スリット部SLを順次形成する。スリット部SLを形成した後に保持部2aを形成することも可能であるが、スリット部SLが形成され立設された保持部2aを切削や研削等で形成する場合には、強度上の問題が生じる可能性があるため保持部2aを先に形成することが好ましい。保持部2aが形成されると、第1、第2圧電素子6、7、基部3b及び先端部3aを当該保持部2aに装着する。
このとき、各保持部2aは、周方向で隣り合う保持部2aとの間にスリット部SLが形成されて分離されているため、第1圧電素子61及び基部3bを装着した際に、ベース部2の先端部が周方向に膨らんでも、接触して振動特性に悪影響を及ぼすことを回避できる。
そして、駆動装置1においては、駆動駒3を動作させてロータ4を回転させる。
駆動駒3によりロータ4を回転させる際には、第1組の3つの駆動駒31を同期して駆動させる。そして、第1組の駆動駒31と所定の位相差を有して、第2組の3つの駆動駒32を、第1組の3つの駆動駒31と同様に同期して駆動させる。これにより、第1組の3つの駆動駒31と第2組の3つの駆動駒32とが、ロータ4を交互に支持して回転させる。
駆動駒3によりロータ4を回転させる際には、第1組の3つの駆動駒31を同期して駆動させる。そして、第1組の駆動駒31と所定の位相差を有して、第2組の3つの駆動駒32を、第1組の3つの駆動駒31と同様に同期して駆動させる。これにより、第1組の3つの駆動駒31と第2組の3つの駆動駒32とが、ロータ4を交互に支持して回転させる。
具体的には、電源部10の第1端子T1は、第1圧電素子61に正弦波状の電圧を供給する。すると、第1圧電素子61は、支持軸5の軸方向に沿う第1の方向に厚みすべり振動を開始する。駆動駒31は、第1圧電素子61の変形によって駆動され、ベース部2から離間する方向へ移動する。
このとき、電源部10の第3端子T3は、第2圧電素子(第2振動素子)71に正弦波状の電圧を供給している。すると、第2圧電素子71は、各駆動駒3の中心を通る中心円の接線方向、すなわち各駆動駒3の中心におけるロータ4の回転円の接線方向(第2の方向)において、ロータ4の回転方向Rの前方向へ厚みすべり振動を開始する。駆動駒31の先端部(第1弾性体)31aは、第2圧電素子71の変形によって第2の方向に駆動される。このとき、駆動駒31の先端部31aは、ロータ4との間に作用する摩擦力によってロータ4を回転方向Rの前方へ回転させる。
その後、第1圧電素子61は、電源部10の第1端子T1によって供給された正弦波状の電圧により、ロータ4から離れる逆方向の変形を開始する。第1組の駆動駒31は、第1圧電素子61の逆方向の変形により、ロータ4から離間する方向に移動する。
このとき、第2圧電素子71は、電源部10の第3端子T3によって供給された正弦波状の電圧により、ロータ4の回転方向Rの後方側への逆方向の変形を開始する。第1組の駆動駒31の先端部31aは、ロータ4から離れた状態で、第2圧電素子71の逆方向の変形により、ロータ4の回転方向Rの後方側へ向けて移動する。
その後、第1組の駆動駒31は、ロータ4への先端部31aの接触、ロータ4の回転方向Rの前方側への先端部31aの移動、ロータ4からの先端部31aの離間、ロータ4の回転方向Rの後方側への先端部31aの駆動、を繰り返す。すなわち、駆動駒31の基部31b、第2圧電素子71、及び先端部31aは、第1圧電素子61により駆動され、支持軸5の軸方向に沿って振動する。また、駆動駒31の先端部31aは、第2圧電素子71により駆動され、基部31b及びベース部2に対して、各駆動駒3の中心におけるロータ4の回転円の接線方向(第2の方向)に沿って振動する。これにより、第1組の駆動駒31は、先端部31aが円軌道または楕円軌道を描くように駆動する。
第2の駆動駒32は、第1組の駆動駒31と所定の位相差を有しており、第1組の駆動駒31と同様に駆動する。すなわち、電源部10の第2端子T2は、第1端子T1が供給する電圧と同様の波形を有し、第1端子T1が供給する電圧と所定の位相差を有する正弦波状の電圧を、第1圧電素子62に供給する。また、電源部10の第4端子T4は、第3端子T3が供給する電圧と同様の波形を有し、第3端子T3が供給する電圧と所定の位相差を有する正弦波状の電圧を、第2圧電素子(第4振動素子)72に供給する。
第2組の3つの駆動駒32の先端部(第2弾性体)32aは、第1組の3つの駆動駒31の先端部31aがロータ4から離間する前にロータ4に接触し、第1組の3つの駆動駒31の先端部31aがロータ4に接触した後にロータ4から離間する。したがって、ロータ4は、第1組の3つの駆動駒31と第2組の3つの駆動駒32とにより交互に支持されて駆動され、支持軸5の軸方向における位置をほぼ一定に保った状態で所定の回転速度で回転方向Rの前方又は後方へ回転する。
上記駆動駒31、32にの駆動時には、各駆動駒31、32を保持するベース部2が隣り合う保持部2aの間にスリット部SLが介在することで、各駆動駒31、32が振動的に互いに独立しているため、隣り合う駆動駒32、31の振動の悪影響を受けることなく所定の振動特性で振動する。
以上説明したように、本実施形態では、各駆動駒31、32が振動的に互いに独立するようにベース部2をスリット部SLで分離しているため、他の駆動駒の振動に伴って生じる悪影響を受けることなく各駆動駒31、32を振動させることが可能となり、ロータ4を所定の駆動特性で駆動することができる。また、本実施形態では、スリット部SLが各駆動駒31、32の振動時の最大振幅の二倍以上の幅で形成されているため、駆動駒31、32が最大振幅で同期して振動した場合でも、ベース部2同士が接触してしまうことを防止でき、ロータ4の駆動に悪影響が及ぶことを防止できる。さらに、本実施形態では、スリット部SLが溝部2dに連通して形成されているため、駆動駒31、32の振動的独立性をより高めることが可能になる。
(第2実施形態)
次に、駆動装置1の第2実施形態について、図5及び図6を参照して説明する。
上記第1実施形態では、ベース部2を保持部2a毎にスリット部SLで分離し、小径部80及びハウジング部Hで一括的に支持させる構成としたが、本実施形態では小径部80及びハウジング部Hについても分離する構成について説明する。
この図において、図1乃至図4に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
次に、駆動装置1の第2実施形態について、図5及び図6を参照して説明する。
上記第1実施形態では、ベース部2を保持部2a毎にスリット部SLで分離し、小径部80及びハウジング部Hで一括的に支持させる構成としたが、本実施形態では小径部80及びハウジング部Hについても分離する構成について説明する。
この図において、図1乃至図4に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
図5は、第2実施形態に係る駆動装置1の正面図であり、図6はロータ4を除いた駆動装置1の外観斜視図である。
これらの図に示すように、本実施形態における駆動装置1では、小径部80及びハウジング部Hはスリット部SLに含まれる分割面DFを結合部として周方向に分割され、ハウジング部Hにおいて接着剤や締結ねじ等で連結されている。
これらの図に示すように、本実施形態における駆動装置1では、小径部80及びハウジング部Hはスリット部SLに含まれる分割面DFを結合部として周方向に分割され、ハウジング部Hにおいて接着剤や締結ねじ等で連結されている。
すなわち、本実施形態では、周方向に分割された複数(ここでは6つ)の駆動装置構成体1Dが結合部DFで一体的に結合されて駆動装置1が構成される。各駆動装置構成体1Dは、分割されたベース部2に駆動駒31または駆動駒32が保持され、ハウジング部Hで周方向に一体的に連結したときに周方向で隣り合うベース部2の間にスリット部SLが介在する。
本実施形態では、上記第1実施形態と同様の作用・効果が得られることに加えて、例えば、複数の駆動装置構成体1Dを固有振動数等の駆動特性で管理しておき、当該駆動特性の差が小さい駆動装置構成体1Dを6つ選択して一体的に連結することにより、振動特性の差が小さく高精度でロータ4を駆動できる高性能の駆動装置1を得ることができる。
(レンズ鏡筒及びカメラ)
次に、本実施形態の駆動装置1を備えたレンズ鏡筒及びカメラの一例について説明する。本実施形態の交換レンズは、カメラボディとともにカメラシステムを形成するものである。交換レンズは、公知のAF(オートフォーカス)制御に応じて合焦動作を行うAFモードと、撮影者からの手動入力に応じて合焦動作を行うMF(マニュアルフォーカス)モードとが切り替え可能になっている。
次に、本実施形態の駆動装置1を備えたレンズ鏡筒及びカメラの一例について説明する。本実施形態の交換レンズは、カメラボディとともにカメラシステムを形成するものである。交換レンズは、公知のAF(オートフォーカス)制御に応じて合焦動作を行うAFモードと、撮影者からの手動入力に応じて合焦動作を行うMF(マニュアルフォーカス)モードとが切り替え可能になっている。
図7は、図1に示す駆動装置1を備えたレンズ鏡筒及びカメラの概略構成図である。図7に示すように、カメラ101は、撮像素子108が内蔵されたカメラボディ102と、レンズ107を有するレンズ鏡筒103とを備えている。
レンズ鏡筒103は、カメラボディ102に着脱可能な交換レンズである。レンズ鏡筒103は、レンズ107、カム筒106、駆動装置1等を備えている。駆動装置1は、カメラ101のフォーカス動作時にレンズ107を駆動する駆動源として用いられている。駆動装置1のロータ4から得られた駆動力は、直接、カム筒106に伝えられる。レンズ107は、カム筒106に保持されており、駆動装置1の駆動力により、光軸方向Lに略平行に移動して、焦点調節を行うフォーカスレンズである。
カメラ101の使用時には、レンズ鏡筒103内に設けられたレンズ群(レンズ107を含む)によって、撮像素子108の撮像面に被写体像が結像される。撮像素子108によって、結像された被写体像は電気信号に変換され、その信号をA/D変換することによって、画像データが得られる。
以上説明したように、カメラ101及びレンズ鏡筒103は、上述の駆動装置1を備えているため、高精度で、且つ安定してフォーカス動作を実行できる。
なお、本実施形態では、レンズ鏡筒103は、交換レンズである例を示したが、これに限らず、例えば、カメラボディと一体型のレンズ鏡筒としてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、ロータ4が回転軸線周りに回転し、複数の駆動駒3がベース部2に当該回転軸線周りに配置される構成を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば複数の駆動駒が直線上に配置され、被駆動体が直線移動(往復移動)する構成であっても適用可能である。
また、上記実施形態で示した駆動駒の個数は一例であり、他の個数であっても適用可能であることは言うまでもない。
1…駆動装置、 3…駆動駒(弾性体)、 3a…先端部(弾性体)、 3b…基部(第1部材)、 4…ロータ(被駆動体)、 6…第1圧電素子、 7…第2圧電素子、 32…駆動駒(第1振動部)、 31a…先端部(第1弾性体)、 32…駆動駒(第2振動部)、 32a…先端部(第2弾性体)、 61…第1圧電素子(第1振動素子)、 62…第1圧電素子(第3振動素子)、 71…第2圧電素子(第2振動素子)、 72…第2圧電素子(第4振動素子)、 101…カメラ、 103…レンズ鏡筒、 106…カム筒、 107…レンズ、 108…撮像素子、 DF…結合部、 H…ハウジング部
Claims (13)
- 第1の方向に振動をする第1振動素子と、前記第1の方向とは異なる第2の方向に沿って振動をする第2振動素子と、前記第1振動素子及び前記第2振動素子の振動により駆動面に振動波を生じさせる第1弾性体とを有する第1振動部と、
第3の方向に振動をする第3振動素子と、前記第3の方向とは異なる第4の方向に沿って振動をする第4振動素子と、前記第3振動素子及び前記第4振動素子の振動により駆動面に振動波を生じさせる第2弾性体とを有する第2振動部と、
前記第1振動部を保持する第1保持部と、前記第2振動部を保持する第2保持部と、前記第1振動部と前記第2振動部との間に備えられたスリット部とを有することを特徴とする駆動装置。 - 前記第1保持部と前記第2保持部とを結合させる結合部を有することを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
- 前記結合部は、接着剤又はねじであることを特徴とする請求項2記載の駆動装置。
- 第1の方向に厚みすべり振動をする第1圧電素子と、
前記第1の方向とは異なる第2の方向に沿って厚みすべり振動をする第2圧電素子と、
前記第1圧電素子及び前記第2圧電素子の作動により、駆動面に振動波を生じさせる弾性体と、
前記駆動面に加圧接触されて駆動される被駆動体と、
前記弾性体を複数保持するとともに、前記複数の弾性体を振動的に互いに独立させるように、隣り合う弾性体を分離するスリット部を有するベース部と、
を備えることを特徴とする駆動装置。 - 前記複数の弾性体は、前記ベース部に所定の回転軸線周りに配置され、
前記ベース部は、前記所定の回転軸線周りに形成された溝部を介してハウジング部に支持されるとを特徴とする請求項4記載の駆動装置。 - 前記ベース部及び前記ハウジング部は、前記複数の弾性体のそれぞれに対応して、前記スリット部に含まれる分割面で複数に分割され、
複数に分割された前記ベース部は、前記ハウジング部で一体的に連結されることを特徴とする請求項5記載の駆動装置。 - 前記複数のハウジング部は、接着によって一体的に連結されることを特徴とする請求項6記載の駆動装置。
- 前記スリット部は、前記溝部に連通して形成されることを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の駆動装置。
- 前記スリット部の幅は、前記弾性体の最大振幅の二倍以上の値であることを特徴とする請求項4から8のいずれか一項に記載の駆動装置。
- 第1の方向に厚みすべり振動をする第1圧電素子と、前記第1の方向とは異なる第2の方向に沿って厚みすべり振動をする第2圧電素子と、前記第1圧電素子及び前記第2圧電素子の作動により、駆動面に振動波を生じさせる弾性体と、前記駆動面に加圧接触されて駆動される被駆動体と、前記弾性体を複数保持するベース部とを備える駆動装置の製造方法であって、
前記複数の弾性体を振動的に互いに独立させるように、隣り合う弾性体を分離するスリット部を前記ベース部に形成する工程を含むことを特徴とする駆動装置の製造方法。 - 前記ベース部は、前記所定の回転軸線周りに形成された溝部を介してハウジング部に支持され、
前記複数の弾性体のそれぞれに対応して、前記スリット部に含まれる分割面で複数に分割した前記ベース部及び前記ハウジング部を、該ハウジング部で一体的に連結する工程を含むことを特徴とする請求項10記載の駆動装置の製造方法。 - 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の駆動装置と、
前記駆動装置によって駆動されるカム筒と、
前記カム筒に移動可能に保持されて焦点調整を行うレンズと、
を備えたレンズ鏡筒。 - 請求項12に記載のレンズ鏡筒と、
前記レンズ鏡筒に設けられた前記レンズによって撮像面に被写体像が結像される撮像素子と、
を備えたカメラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012069091A JP2013201843A (ja) | 2012-03-26 | 2012-03-26 | 駆動装置とその製造方法、レンズ鏡筒及びカメラ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012069091A JP2013201843A (ja) | 2012-03-26 | 2012-03-26 | 駆動装置とその製造方法、レンズ鏡筒及びカメラ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2013201843A true JP2013201843A (ja) | 2013-10-03 |
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ID=49521651
Family Applications (1)
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JP2012069091A Pending JP2013201843A (ja) | 2012-03-26 | 2012-03-26 | 駆動装置とその製造方法、レンズ鏡筒及びカメラ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2013201843A (ja) |
-
2012
- 2012-03-26 JP JP2012069091A patent/JP2013201843A/ja active Pending
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