JP2013201250A - 窒化物系化合物半導体層、窒化物半導体発光デバイス、窒化物系化合物半導体層の製造方法および窒化物半導体発光デバイスの製造方法 - Google Patents

窒化物系化合物半導体層、窒化物半導体発光デバイス、窒化物系化合物半導体層の製造方法および窒化物半導体発光デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】窒化物系化合物半導体を用いて高い発光効率を有する窒化物系化合物半導体層、窒化物半導体発光デバイス、窒化物系化合物半導体層の製造方法および窒化物半導体発光デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の窒化ガリウム系化合物半導体層は、(101)面又は(011)面を有するペロブスカイト型の結晶構造を有する基板をリン酸及び硫酸の混合溶液を用いて表面処理した後に、前記基板上に形成される(11−24)面を層面とすることを特徴とする。これにより、NdGaO3基板から(0001)面と異なる結晶面である(11−24)面の半極性面を層面とするGaN系化合物半導体を形成することができるため、高い発光効率を有する窒化物半導体発光デバイスを得ることが可能となる。
【選択図】なし

Description

本発明は、窒化物系化合物半導体を用いた高い発光効率を有する発光素子が得られる窒化物系化合物半導体(AlGaInN(0≦X≦1,0≦Y≦1,0≦Z≦1,X+Y+Z=1))層、窒化物半導体発光デバイス、窒化物系化合物半導体層の製造方法および窒化物半導体発光デバイスの製造方法に関する。
現在、青色発光ダイオード(LED)、白色LED、青色レーザーダイオード(LD)等の半導体発光デバイスに使用されているAlGaInN(0≦X≦1,0≦Y≦1,0≦Z≦1,X+Y+Z=1)の化学式で表される窒化物系化合物半導体は、六方晶系に属するウルツ鉱型結晶と呼ばれ、図15に示すような結晶構造を有している。なお、図15中、矢印Aの方向は方位[0001]を示し、Bは面方位(0001)を示す。以下、本文にて窒化物系化合物半導体とはAlGaInN(0≦X≦1,0≦Y≦1,0≦Z≦1,X+Y+Z=1)の化学式で表される物質を指し、窒化物系半導体発光デバイスとは、窒化物系化合物半導体を使用した半導体発光デバイスを指す。
窒化ガリウム等に代表される窒化物系化合物半導体の結晶成長は、従来のSi、GaAs等の結晶成長とは異なり、高温で一度溶融させた後に徐冷していくことで単結晶を得る融液成長を行う場合には、非常に高い温度及び圧力を必要とするため、融液成長によって単結晶を得ることは困難である。
そのため、従来、窒化物系化合物半導体を使用する発光デバイス等は、サファイヤ、Si、GaAs等の異なる材質の基板上に有機金属気相エピタキシー(MOVPE)法、分子線エピタキシー(MBE)法等の気相成長法を用いて窒化物系化合物半導体の層を成長させて作製する。もしくはサファイヤ、GaAs等の異なる材質の基板上にMOVPE、ハイドライド気相エピタキシー(HVPE)法等の気相成長法を用いて窒化物系化合物半導体の層を成長させた後に基板を切り離し、残った層を基板としてMOVPE、MBE等の気相成長法を用いて窒化物系化合物半導体の層を成長させて作製していた(例えば、特許文献1〜特許文献3参照)。
国際公開第95/27815号パンフレット 特開平8−186078号公報 特開平8−186329号公報
こうした異なる材質の基板から窒化物系化合物半導体の結晶を成長させる方法では、良好な結晶は[0001]方向に対して成長させた場合に得られることが多い。そのため、従来の発光デバイスは(0001)面を層面とするように形成されることが多い。
こうした(0001)面を層面とする窒化物系化合物半導体の半導体発光デバイスは、窒化物系化合物半導体の各層の材質の違いに起因して生じる応力により[0001]方向に自発分極が発生する。この自発分極は正の電荷を持つ正孔と負の電荷を持つ電子を互いに反対の方向に動かそうとする力になり、正孔と電子が結合した際に発生する光を用いる発光デバイスの本来の機能からすれば発光効率を低下させ、エネルギーの損失につながる要因である。
そのため、こうした自発分極が発生しにくい結晶面を層面とする窒化物系化合物半導体の発光デバイスを作製することが望ましい。しかし、従来より使用されているサファイヤ、Si、GaAs等の基板上に窒化物系化合物半導体の結晶を成長させた場合、デバイスの使用に耐えうる良好な結晶性を有する窒化物系化合物半導体を得るためには、窒化物系化合物半導体の層面を(0001)面とせざるを得なかった。そのため、窒化物系化合物半導体の自発分極により、得られるデバイスの発光効率の低下を引き起こしていた。
そのため、異なる材質の基板から(0001)面と異なる結晶面を層面とする窒化物系化合物半導体を形成し、発光効率の高い窒化物系化合物半導体層、窒化物半導体発光デバイスの出現が求められている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、窒化物系化合物半導体を用いて高い発光効率を有する窒化物系化合物半導体層、窒化物半導体発光デバイス、窒化物系化合物半導体層の製造方法および窒化物半導体発光デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明者らは窒化物系化合物半導体層及び窒化物半導体発光デバイスに適した層面の面方位とそうした層面を成長させるのに適した基板について鋭意研究をした。その結果、窒化物半導体発光デバイスに適した層面として(11−24)面があり、窒化ガリウム(GaN)結晶の(11−24)面とペロブスカイト型結晶構造を有する結晶の(011)面又は(101)面との間において格子不整合率が比較的小さい方位関係が存在し、特にリン酸及び硫酸の混合溶液で予め表面処理を施すことで、(11−24)面の優先的な成長を果たす可能性があり、成長方位が半極性面に成長するといえることに着目した。そして、リン酸及び硫酸の混合溶液で表面処理を施したペロブスカイト型の結晶構造を有する基板は特定の面方位を有し、そのペロブスカイト型の結晶構造を有する基板の表面に成長させた結晶の成長に与える影響について解明した。この得られた知見に基づいて、ペロブスカイト型の結晶構造を有する基板の表面をリン酸と硫酸の混合溶液により表面処理を行うことで、特定の面方位を有するペロブスカイト型の結晶構造を有する基板が得られ、その基板上に成長した結晶は、特定の面方位、特に(11−24)面に優先的に成長することを見出した。本発明は、係る知見に基づいて完成されたものである。
本発明の窒化物系化合物半導体層は、(101)面又は(011)面を有するペロブスカイト型の結晶構造を有する基板をリン酸及び硫酸の混合溶液を用いて表面処理した後に、前記基板上に形成される(11−24)面を層面とすることを特徴とする。
本発明の好ましい態様として、前記窒化物系化合物半導体層が、MOVPE法、MBE法、HVPE法の何れか1つを用いて形成されることが好ましい。
本発明の好ましい態様として、前記混合溶液は、リン酸と硫酸とを1:2以上1:5以下で混合して得られることが好ましい。
本発明の窒化物半導体発光デバイスは、(101)面又は(011)面を有するペロブスカイト型の結晶構造を有し、リン酸及び硫酸の混合溶液を用いて表面処理された基板と、前記基板上に形成され、(11−24)面を層面とする窒化物系化合物半導体層が少なくとも1つ積層された積層構造体と、を有し、前記窒化物系化合物半導体層はp型又はn型であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様として、前記積層構造体が複数の窒化物系化合物半導体層で形成されている場合、前記積層構造体の各窒化物系化合物半導体層はp型又はn型であることが好ましい。
本発明の窒化物半導体発光デバイスは、(101)面又は(011)面を有するペロブスカイト型の結晶構造を有し、リン酸及び硫酸の混合溶液を用いて表面処理された基板上に形成された(11−24)面を層面とする窒化物系化合物半導体層が少なくとも1つ積層された積層構造体を前記基板から剥離して得られる第1の層と、前記第1の層上にGaN系化合物半導体をエピタキシャル成長させ、(11−24)面を層面とする窒化物系化合物半導体層が少なくとも1つ積層して得られる第2の層と、を有し、前記第1の層及び第2の層の窒化物系化合物半導体層はp型又はn型であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様として、前記第1の層及び第2の層が複数の窒化物系化合物半導体層で形成されている場合、前記第1の層及び第2の層の各窒化物系化合物半導体層はp型又はn型であることが好ましい。
本発明の好ましい態様として、前記窒化物系化合物半導体層が、MOVPE法、MBE法、HVPE法の何れか1つを用いて形成されることが好ましい。
本発明の好ましい態様として、前記混合溶液は、リン酸と硫酸とを1:2以上1:5以下で混合して得られることが好ましい。
本発明の窒化物系化合物半導体層の製造方法は、リン酸及び硫酸の混合溶液で表面処理を行ったペロブスカイト型の結晶構造を有し、リン酸及び硫酸の混合溶液を用いて表面処理された基板上に、GaN系化合物半導体をエピタキシャル成長させ、(11−24)面を層面とするGaN系化合物半導体層を少なくとも1層以上形成した後、前記基板を剥離して窒化物系化合物半導体層を得ることを特徴とする。
本発明の好ましい態様として、前記GaN系化合物半導体層を、MOVPE法、MBE法、HVPE法の何れか1つを用いて形成することが好ましい。
本発明の窒化物半導体発光デバイスの製造方法は、リン酸及び硫酸の混合溶液で表面処理を行ったペロブスカイト型の結晶構造を有する基板上に、GaN系化合物半導体をエピタキシャル成長させ、(11−24)面を層面とする窒化物系化合物半導体層を少なくとも1層以上形成し、前記窒化物系化合物半導体層はp型又はn型であることを特徴とする。
本発明の窒化物半導体発光デバイスの製造方法は、リン酸及び硫酸の混合溶液で表面処理を行ったペロブスカイト型の結晶構造を有する基板上に、GaN系化合物半導体をエピタキシャル成長させ、(11−24)面を層面とする窒化物系化合物半導体層を少なくとも1層以上形成した後、前記基板から剥離して得られる窒化物系化合物半導体層を第1の層として用い、前記第1の層の上に、GaN系化合物半導体をエピタキシャル成長させ、(11−24)面を層面とするGaN系化合物半導体層を少なくとも1層以上形成した第2の層を形成し、前記第1の層及び第2の層の窒化物系化合物半導体層はp型又はn型であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様として、前記第1の層及び第2の層が、複数の前記窒化物系化合物半導体層で形成されている場合、前記第1の層及び第2の層の各窒化物系化合物半導体層はp型又はn型であることが好ましい。
本発明の好ましい態様として、前記窒化物系化合物半導体層を、MOVPE法、MBE法、HVPE法の何れか1つを用いて形成することが好ましい。
本発明の好ましい態様として、前記混合溶液は、リン酸と硫酸とを1:2以上1:5以下で混合して得ることが好ましい。
本発明によれば、異なる材質の基板から(0001)面と異なる結晶面を層面とするGaN系化合物半導体を形成することができるため、窒化物系化合物半導体を用いて高い発光効率を有することができる。
図1は、本発明の実施形態の窒化ガリウム系化合物半導体層を製造する方法の一例を示す図である。 図2は、(101)面のNdGaO3と(11−24)面のGaNの格子配置を示す説明図である。 図3は、c軸と発光効率及び自発分極との関係の一例を示す図である。 図4は、本発明の実施形態に係る窒化物半導体発光デバイスの構成を簡略に示す図である。 図5は、周期層の説明図である。 図6は、本発明の実施形態に係る窒化物半導体発光デバイスの他の構成を簡略に示す図である。 図7は、本発明の実施形態に係る窒化物半導体発光デバイスを製造する方法の一例を示すフローチャートである。 図8は、本発明の実施形態に係る窒化物半導体発光デバイスの製造工程の一部を示す図である。 図9は、本発明の実施形態に係る窒化物半導体発光デバイスの製造工程の一部を示す図である。 図10は、本発明の実施形態に係る窒化物半導体発光デバイスの他の構成の製造法の一例を示すフローチャートである。 図11は、本発明の実施形態に係る窒化物半導体発光デバイスの製造工程の一部を示す図である。 図12は、本発明の実施形態に係る窒化物半導体発光デバイスの製造工程の一部を示す図である。 図13は、本発明の実施形態に係る窒化物半導体発光デバイスの製造工程の一部を示す図である。 図14は、本発明の実施形態に係る窒化物半導体発光デバイスの製造工程の一部を示す図である。 図15は、ウルツ鉱型結晶の結晶構造を示す図である。
以下、本発明を好適に実施するための形態(以下、実施形態という。)につき、詳細に説明する。尚、本発明は以下の実施形態および実施例に記載した内容により限定されるものではない。また、以下に記載した実施形態および実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。更に、以下に記載した実施形態および実施例で開示した構成要素は適宜組み合わせてもよいし、適宜選択して用いてもよい。
<窒化物系化合物半導体層>
本実施形態に係る窒化物系化合物半導体層について説明する。本実施形態に係る窒化物系化合物半導体層は、(11−24)面を層面とするものである。本実施形態に係る窒化物系化合物半導体層は1層で構成されていても、複数層で構成されていてもよい。本実施形態に係る窒化物系化合物半導体層は後述するように、(101)面又は(011)面を有するペロブスカイト型の結晶構造を有する基板(本実施形態では、NdGaO3基板(以下、「NGO基板」、という)をリン酸及び硫酸の混合溶液を用いて表面処理した後に、前記基板上に形成されるものである。
<窒化物系化合物半導体層の製造方法>
図1は、本実施形態の窒化物系化合物半導体層を製造する方法の一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態の窒化物系化合物半導体層の製造方法は、以下の工程を含む。
A) NdGaO3基板(以下、「NGO基板」、という)11をリン酸及び硫酸の混合溶液で表面処理を施す表面処理工程(ステップS11)
B) 表面処理を行ったNGO基板11上に、GaN系化合物半導体をエピタキシャル成長させ、(11−24)面を層面とする窒化物系化合物半導体層12を形成するGaN系化合物半導体形成工程(ステップS12)
C) 窒化物系化合物半導体層12をNGO基板11から剥離する基板剥離工程(ステップS13)
NGO基板11を準備し、アセトン溶液中で超音波洗浄して脱脂した後、メタノール、超純水中で超音波洗浄し、NGO基板11の表面に付着している異物を除去する。その後、NGO基板11をリン酸及び硫酸の混合溶液で表面処理を行う(ステップS11)。リン酸及び硫酸の混合溶液でNGO基板11を表面処理した後、再度、アセトン溶液中で超音波洗浄して脱脂し、メタノール、超純水中で超音波洗浄し、NGO基板11の表面に付着している異物を除去する。NdGaO3(011)はGaのみの面とNd−Oのみの面とが交互に現れる面方位を有する構造となっている。NGO基板11の面方位は(0001)面であるが、NGO基板11をリン酸及び硫酸の混合溶液で表面処理を施すことで、Gaが飛ばされNd−Oのみの面が出現し、NGO基板11の表面を特定の面方位とすることができる。
リン酸及び硫酸の混合溶液で表面処理とは、混合溶液にNGO基板11を所定時間浸漬して、NGO基板11の表面を混合溶液と接触させることをいう。また、特定の面方位とは、(101)面、(011)面である。
GaN系化合物半導体をエピタキシャル成長させることができる基板としては、一般的に、例えば、シリコン(Si)基板、サファイア(Al23)基板、ヒ化ガリウム(GaAs)基板、窒化ガリウム(GaN)基板、窒化アルミニウム(AlN)基板などのIII族窒化物下地基板、NdGaO3基板(以下、NGO基板、という)などのペロブスカイト型の結晶構造を有する基板等が挙げられる。本実施形態では、エピタキシャル成長させることができる基板は、ペロブスカイト型の結晶構造を有する基板であればよいが、中でもGaN系化合物半導体層との格子整合性が高い観点から、NGO基板が好適に用いられる。
混合溶液中のリン酸と硫酸との混合比は、1対2以上1対5以下が好ましく、より好ましくは、1対2.5以上1対4以下である。リン酸と硫酸との混合溶液で、NGO基板11を前処理していない場合、リン酸と硫酸との混合比を上記範囲外の混合溶液を用いて前処理した場合には、NGO基板11上には安定して半極性面の窒化物系化合物半導体層を形成することができない。よって、混合溶液中のリン酸と硫酸との混合比を上記範囲内とすることで、表面処理されたNGO基板11上には、GaN系化合物半導体が(11−24)面方位にエピタキシャル成長した窒化物系化合物半導体層12を形成することができる。
混合溶液の温度は、90℃以上150℃以下が好ましく、より好ましくは100℃以上120℃以下である。混合溶液への浸漬時間は、5分以上30分以下が好ましく、より好ましくは10分以上20分以下である。
NGO基板11は、混合溶液で表面処理してGaN系化合物半導体の単結晶を成長させる観点から、NGO基板11の表面の清浄度が重要である。特に、NGO基板11の表面(成長炉の内壁に接しない基板の面をいう。以下同じ。)は成長炉内で混合溶液で表面処理することができず、NGO基板11の裏面(成長炉の内壁に接する基板の面をいう。以下同じ。)は成長炉内でエッチングすることができないので、成長炉内に投入する前に清浄度を上げる必要がある。そのため、基板裏面をエッチング、混合溶液による表面処理をしてから成長炉内に投入することが好ましい。エッチング方法としてはアルカリ溶剤によるエッチングや、ハロゲン系ガスによるエッチングなどが挙げられる。
表面処理を行ったNGO基板11上に、GaN系化合物半導体をエピタキシャル成長させ、(11−24)面を層面とする窒化物系化合物半導体層12を形成する(GaN系化合物半導体形成工程:ステップS12)。
GaN系化合物半導体を成長させる方法は、エピタキシャル成長ができる方法であれば特に限定されるものではなく、従来より公知のものが挙げられるが、結晶性の高いGaN系化合物半導体を成長させる観点から、窒化物系化合物半導体層12の形成方法としては、例えば、有機金属気相成長(MOVPE:Metal-Organic Vapor Phase Epitaxy)法、有機金属化学気相堆積(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、分子線成長(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法、ハイドライド気相成長(HVPE:Hydride Vapor Phase Epitaxy)法などの気相法が挙げられる。窒化物系化合物半導体層12はこれらのMOVPE法、MBE法、HVPE法の何れか1つ又は複数を用いて成長させることができる。中でも結晶成長速度が高い観点からHVPE法が特に好ましい。
その後、窒化物系化合物半導体層12をNGO基板11から剥離する(基板剥離工程:ステップS13)。これにより、窒化物系化合物半導体層12が得られる。
本実施形態の窒化物系化合物半導体層の製造方法では、窒化物系化合物半導体層12を作製する際に、NGO基板11をリン酸及び硫酸の混合溶液で予め表面処理を施し、表面処理したNGO基板11上にGaN系化合物半導体をエピタキシャル成長させることで、(11−24)面を層面とする窒化物系化合物半導体層12が得られる。
すなわち、(101)面又は(011)面のNdGaO3は、その表面上に(0001)面の極性面にGaNを成長した場合、(101)面又は(011)面のNdGaO3と(0001)面のGaNの格子定数は2%程度しか差がないため、GaNは極性面である(0001)面に成長し易いことが知られている。図2は、(101)面のNdGaO3と(11−24)面のGaNとの格子配置を示す説明図である。図2に示すように、NdGaO3[10−1]方向において(011)面のNdGaO3と半極性面である(11−24)面のGaNとの格子定数の差(ε//[10−1])を比較した場合、ε//[10−1]は比較的大きい(約12.8%程度)。一方、[01−1]方向において、(101)面のNdGaO3と(11−24)面のGaNとの格子定数の差(ε//[01−1])を比較した場合、ε//[01−1]はほとんどなく(例えば、−0.48%程度)、極めて一致している。NGO基板11をリン酸及び硫酸の混合溶液で予め表面処理を施すことで、半極性面である(11−24)面に優先的に成長させることができ、成長方位が半極性面成長するといえる。
よって、本実施形態に係る窒化物系化合物半導体層の製造方法によれば、表面処理したNGO基板11から(0001)面と異なる結晶面である、(11−24)面の半極性面を層面とする窒化物系化合物半導体層12を容易に得ることができる。図3は、c軸と発光効率及び自発分極との関係の一例を示す図である。なお、図3は、GaN層とInGaN層とGaN層とを積層し、InGaN層を3nmとしてInを10%程度含むものを用いた時の自発分極及び発光効率の一例を示すものである。図3に示すように、自発分極は0に近いほど良く、発光効率が高くなる。半極性面である(11−24)面は、c軸から約40°の角度であり、非極性面(例えば、(11−20)面)の約70%程度の発光効率を有する。また、半極性面である(11−24)面は、極性面である(0001)面よりも高い発光効率を有する。このため、表面処理したNGO基板11上に、半極性面である(11−24)面を層面とする窒化物系化合物半導体層12を形成することにより、窒化物系化合物半導体層12を用いて高い発光効率を有する発光素子を容易に得ることができる。この結果、後述するように、半極性面である(11−24)面の窒化物系化合物半導体層12を含む窒化物半導体発光デバイスを緑色LED、LDに適用した場合、従来、発光効率の低かった緑色系InGaN層を用いたLED、LDの発光効率を著しく向上させることができる。
<窒化物半導体発光デバイス>
次に、本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイスをLEDとして適用する場合について説明する。図4は、本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイスの構成を簡略に示す図である。図4に示すように、本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイス20は、表面処理されたNGO基板11と、NGO基板11の一方の主表面11a上に形成され、(11−24)面を層面とする窒化物系化合物半導体層が複数積層された積層構造体21と、を有するものである。
表面処理されたNGO基板11は、上述の通り、(101)面又は(011)面を有し、リン酸及び硫酸の混合溶液を用いて表面処理されたNGO基板である。
積層構造体21は、(11−24)面を層面とする窒化物系化合物半導体層が複数積層されて構成されるものである。窒化物系化合物半導体層は、表面処理されたNGO基板11の一方の主表面11a上に形成される各層であり、窒化物系化合物半導体層はp型又はn型である。NGO基板11上には、NGO基板11側から順に、GaN層からなるバッファ層22、n型のGaN層23、n型のGaN層/InGaN層が10層積層された周期層24、p型のAlGaN層25及びp型のGaN層26が積層されて構成されている。本実施形態においては、窒化物系化合物半導体層は、これら各層をいう。また、本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイス20は、p型のGaN層26の最外層上に形成される第1電極27と、n型のGaN層23の露出した主表面上に形成される第2電極28とを有する。これらバッファ層22は、n型のGaN層23、p型のAlGaN層25、p型のGaN層26は単層としているが、複数層で形成されていてもよい。
周期層24は、図5に示すように、n型のGaN層24−1とInGaN層24−2とを一組で一層として、一組のn型のGaN層/InGaN層が10層積層されて構成されている。本実施形態では、n型のGaN層/InGaN層が10層積層されているが、これに限定されるものではなく、適宜任意の積層数とすることができる。
第1電極27は、例えば、パラジウム(Pd)金(Au)合金、第2電極28は、例えば、チタン(Ti)アルミニウム(Al)合金で形成される。
本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイス20は、NGO基板11をリン酸及び硫酸の混合溶液で予め表面処理を施しており、その上に形成されるバッファ層22、n型のGaN層23、周期層24、p型のAlGaN層25及びp型のGaN層26は、いずれも(11−24)面を層面とするGaN系化合物半導体である。よって、本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイス20は、表面処理したNGO基板11から(0001)面と異なる結晶面である(11−24)面を層面とするGaN系化合物半導体を含んで形成されるものである。そのため、本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイス20は、積層構造体21を用いて高い発光効率を有する発光素子とすることができる。
また、本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイス20は、NGO基板11と表面処理されたNGO基板11上に形成された積層構造体21とを有しているが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、NGO基板11のない積層構造体21と、第1電極27と、第2電極28とからなるものであってもよい。
図6は、本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイスの他の構成を簡略に示す図である。図6に示すように、本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイス30は、窒化物系化合物半導体層12が第1の層31と第2の層32とを有するものである。本実施形態では、第1の層31は、GaN層からなるバッファ層22と、n型のGaN層23とが積層された積層構造体である。第2の層32は、周期層24と、p型のAlGaN層25と、p型のGaN層26とが積層された積層構造体である。第1の層31及び第2の層32を構成する窒化物系化合物半導体層(バッファ層22、n型のGaN層23、周期層24、p型のAlGaN層25、p型のGaN層26)はp型又はn型である。
<窒化物半導体発光デバイスの製造方法>
次に、本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイス20の製造方法について説明する。図7は、本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイス20を製造する方法の一例を示すフローチャートである。図7に示すように、本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイス20の製造方法は、以下の工程を含む。
A) NGO基板11をリン酸及び硫酸の混合溶液で表面処理を施す表面処理工程(ステップS21)
B) 表面処理を行ったNGO基板11上に、GaN系化合物半導体をエピタキシャル成長させ、(11−24)面を層面とするバッファ層22、n型のGaN層23、周期層24、p型のAlGaN層25及びp型のGaN層26を形成し、積層構造体21を作製する積層構造体形成工程(ステップS22)
C) p型のGaN層26の表面に一部をレジストで保護した後、n型のGaN層23の一部が露出するまでエッチングするエッチング工程(ステップS23)
D) n型のGaN層23及びp型のGaN層26の表面に電極27、28を形成する電極形成工程(ステップS24)
表面処理工程(ステップS21)は、上述の表面処理工程(ステップS11)と同様であるため、説明は省略する。
図8に示すように、リン酸及び硫酸の混合溶液で表面処理を行ったNGO基板11上に、GaN系化合物半導体の単結晶をエピタキシャル成長させ、(11−24)面を層面とする窒化物系化合物半導体層を複数積層した積層構造体21を形成する(ステップS22)。積層構造体21は、NGO基板11側から順に、GaN層からなるバッファ層22、n型のGaN層23、n型のGaN/InGaNが10層積層された周期層24、p型のAlGaN層25及びp型のGaN層26をエピタキシャル成長させ、順に積層して構成されている。
その後、図9に示すように、p型のGaN層26の表面に一部をレジストで保護した後、n型のGaN層23の一部が露出するまでエッチングする(エッチング工程:ステップS23)。その後、レジストをスパッタで除去すると共に、p型のGaN層26の最外層上に第1電極27を形成し、n型のGaN層23の露出した主表面上に第2電極28を形成する(電極形成工程:ステップS24)。これにより、図4に示すような本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイス20が得られる。
本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイス20の製造方法では、NGO基板11をリン酸及び硫酸の混合溶液で予め表面処理を施しており、表面処理したNGO基板11上に形成されるバッファ層22、n型のGaN層23、周期層24、p型のAlGaN層25及びp型のGaN層26の層面を、(0001)面と異なる結晶面である(11−24)面の半極性面とすることができる。よって、本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイス20の製造方法によれば、表面処理したNGO基板11上にNGO基板11から半極性面である(11−24)面を層面とする窒化物系化合物半導体層を備えた積層構造体を有する発光デバイスを容易に得ることができる。半極性面である(11−24)面の発光効率は、上述の通り、非極性面(例えば、(11−20)面)の発光効率に近く、極性面(例えば(0001)面)の発光効率よりも高い。よって、本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイス20は、半極性面である(11−24)面の窒化物系化合物半導体層を有するため、GaN系化合物半導体を用いて高い発光効率を有する発光素子とすることができる。この結果、本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイス20を緑色LED、LDとして適用した場合、従来、発光効率の低かった緑色系InGaN層を用いたLED、LDの発光効率を著しく向上させることができる。
(他の窒化物半導体発光デバイスの製造方法)
また、図6に示すような、NGO基板11がない、窒化物系化合物半導体層12が第1の層31と第2の層32とを有する本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイス30の製造方法について説明する。図11は、本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイス30の構成の製造法の一例を示すフローチャートである。図10に示すように、本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイス30の製造方法は、以下の工程を含む。
A) NGO基板11をリン酸及び硫酸の混合溶液で表面処理を施す表面処理工程(ステップS31)
B) 表面処理を行ったNGO基板11上に、GaN系化合物半導体をエピタキシャル成長させ、(11−24)面を層面とするバッファ層22、n型のGaN層23のGaN系化合物半導体層を有する積層構造体を第1の層31として形成する第1の層形成工程(ステップS32)
C) 第1の層31をNGO基板11から剥離する基板剥離工程(ステップS33)
D) 第1の層31上に窒化ガリウム系化合物半導体をエピタキシャル成長させ、(11−24)面を層面とする周期層24、p型のAlGaN層25及びp型のGaN層26のGaN系化合物半導体層を有する積層構造体を第2の層32として形成する第2の層形成工程(ステップS34)
E) p型のGaN層26の表面に一部をレジストで保護した後、n型のGaN層23の一部が露出するまでエッチングするエッチング工程(ステップS35)
F) n型のGaN層23及びp型のGaN層26の表面に電極27、28を形成する電極形成工程(ステップS36)
表面処理工程(ステップS31)は、上述の表面処理工程(ステップS11)と同様であるため、説明は省略する。
図11に示すように、ペロブスカイト型の結晶構造を有する基板上に窒化物系化合物半導体層をエピタキシャル成長させ、(11−24)面を層面とする窒化物系化合物半導体層としてバッファ層22、n型のGaN層23を有する積層構造体を第1の層31として形成する(ステップS32)。
その後、図12に示すように、第1の層31からNGO基板11を剥離する(ステップS33)。剥離する方法としては、上述と同様に、例えば、外周刃、内周刃、ワイヤーソー、レーザーなどを用いて剥離する方法等がある。
その後、図13に示すように、第1の層31を基板として、その上にGaN系化合物半導体をエピタキシャル成長させ、周期層24、p型のAlGaN層25及びp型のGaN層26を有する積層構造体を第2の層32として形成する(第2の層形成工程:ステップS34)。第2の層32は、p型、n型の両方のGaN系化合物半導体層を有するが、第1の層31がp型又はn型を有する場合には、第2の層32は、第1の層31が有する電極とは異なる側の電極のp型又はn型を有するようにしてもよい。
その後、図14に示すように、n型のGaN層23の一部が露出するまでエッチングする(エッチング工程:ステップS35)。エッチング工程(ステップS35)は、上述のエッチング工程(ステップS23)と同様であるため、説明は省略する。
その後、p型のGaN層26の最外層上に第1電極27を形成し、n型のGaN層23の露出した主表面上に第2電極28を形成する(電極形成工程:ステップS36)。電極形成工程(ステップS36)は、上述の電極形成工程(ステップS24)と同様であるため、説明は省略する。
これにより、図6に示すような本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイス30が得られる。
本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイス30の製造方法では、NGO基板11をリン酸及び硫酸の混合溶液で予め表面処理を施しており、表面処理したNGO基板11上に形成される第1の層31及び第2の層32の層面を、(0001)面と異なる結晶面である、(11−24)面の半極性面とすることができる。よって、本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイス30の製造方法によれば、表面処理したNGO基板11上にNGO基板11から半極性面である(11−24)面を層面とする窒化物系化合物半導体層を備えた積層構造体を有する発光デバイスを容易に得ることができる。半極性面である(11−24)面の発光効率は、上述の通り、非極性面(例えば、(11−20)面)の発光効率に近く、極性面(例えば(0001)面)の発光効率よりも高い。よって、本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイス30は、半極性面である(11−24)面の窒化物系化合物半導体層を有するため、高い発光効率を有する発光素子とすることができる。この結果、本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイス30を緑色LED、LDとして適用した場合、従来、発光効率の低かった緑色系InGaN層を用いたLED、LDの発光効率を著しく向上させることができる。
このように、本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイス20、30は、上述の通り、本実施形態に係るGaN系化合物半導体層を複数を備えた積層構造体を含むものである。本実施形態に係る窒化物系化合物半導体層は、上述の通り、リン酸及び硫酸の混合溶液で予め表面処理を施したNGO基板11上に形成されるものであるため、本実施形態に係るGaN系化合物半導体層の層面は(11−24)面となっている。よって、本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイス20、30は、表面処理したNGO基板11上に基板12から(0001)面と異なる結晶面である(11−24)面を層面とする窒化物系化合物半導体層を備えた積層構造体を有する発光デバイスであるため、高い発光効率を有する発光素子として用いることができる。
本実施形態に係る窒化物半導体発光デバイス20、30は、窒化物半導体発光デバイスを半導体レーザとして用いた場合について説明したが、本実施形態は特にこれに限定されるものではなく、例えば発光ダイオード等にも好適に用いることができる。
本発明の内容を実施例及び比較例を用いて以下に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<LEDの作製>
[実施例1]
図4に示す構造を有するLEDを作製した。アセトン溶液で超音波洗浄し、予め脱脂したNGO基板11をリン酸と硫酸との混合溶液(リン酸:硫酸=1:3)を100℃に加熱したものに10分浸漬した上で超純水で洗いスピン乾燥機で乾燥させたものを用意した。NdGaO3基板の面方位は(101)面であった。NGO基板11をMOVPE炉のサセプタに置き、MOVPE法を用いて、順次、GaN層からなるバッファ層22、n型のGaN層23、n型のGaN/InGaNが10層積層された周期層24、p型のAlGaN層25及びp型のGaN層26をNGO基板11上に形成し、積層構造体21を作製した。その後、一部をレジストで保護した上でRIE(反応性イオンエッチング)によりn型のGaN層23が露出するまで削った。その後、n型のGaN層23の露出部分を一部開口したレジストで保護し、スパッタで第2電極28を形成した。その後、p型のGaN層26を保護していたレジスト部を除去し、p型のGaN層26の露出部分を一部開口したレジストで保護し、スパッタで第1電極27を形成した。
[実施例2]
混合溶液のリン酸と硫酸との比を1:3から1:2に変更したこと以外は、実施例1と同様にして行った。このとき、NdGaO3基板の面方位は(011)面であった。
[実施例3]
混合溶液のリン酸と硫酸との比を1:3から1:4に変更したこと以外は、実施例1と同様にして行った。このとき、NdGaO3基板の面方位は(011)面であった。
[実施例4]
混合溶液のリン酸と硫酸との比を1:3から1:5に変更したこと以外は、実施例1と同様にして行った。このとき、NdGaO3基板の面方位は(011)面であった。
[比較例1]
NGO基板11をリン酸と硫酸との混合溶液に浸漬せず、脱脂後、超純水で洗いスピン乾燥機で乾燥させたものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして行った。このとき、NdGaO3基板の面方位は(011)面であった。
[比較例2]
混合溶液のリン酸と硫酸との比を1:3から1:1に変更したこと以外は、実施例1と同様にして行った。このとき、NdGaO3基板の面方位は(011)面であった。
[比較例3]
混合溶液のリン酸と硫酸との比を1:3から1:7に変更したこと以外は、実施例1と同様にして行った。このとき、NdGaO3基板の面方位は(011)面であった。
<評価>
実施例1〜4、比較例1〜3におけるLEDの各層の結晶方位と、発光特性を測定した。
[各層の結晶方位]
予備実験で各層毎に成長を止めて、X線回折を行い、結晶方位を調べた。実施例1〜4では、傾き誤差が±2°で成長面とほぼ平行に(11−24)面が出現していた。比較例1では、傾き誤差が±1°であり、成長面とほぼ平行に(0001)面が出現していた。また、比較例2、3では、場所によって(0001)面と(11−24)面の両方が出現していた。
[発光特性]
実施例1〜4、比較例1〜3において作製したLDに定電流電源で20mAの電流を印加し、発光の有無と、発光した光を分光器に導入しスペクトルを測定した。実施例1〜4では、緑色の発光を示した。この光を分光器に導入しスペクトルを測定した結果、510nm程度に発光ピークをもつスペクトルが得られた。一方、比較例1では、青色の発光(420nm)を示し、比較例2、3では発光を示さなかった。
よって、NGO基板11をリン酸及び硫酸の混合溶液で予め表面処理を施し、表面処理したNGO基板11上に(11−24)面を層面とするGaN系化合物半導体を形成することにより、高い発光効率を有する発光素子を得ることができるといえる。したがって、半極性面のGaN基板上に緑色LEDを作製した場合、従来、発光効率の低かった緑色系InGaNのLEDの発光効率を著しく向上させることができるため、緑色系のLED、LDとして好適に用いることができることが判明した。
11 NGO基板
12 窒化物系化合物半導体層
20、30 窒化物半導体発光デバイス
21 積層構造体
22 バッファ層
23 n型のGaN層
24 周期層
25 p型のAlGaN層
26 p型のGaN層
27 第1電極
28 第2電極
31 第1の層
32 第2の層

Claims (16)

  1. (101)面又は(011)面を有するペロブスカイト型の結晶構造を有する基板をリン酸及び硫酸の混合溶液を用いて表面処理した後に、前記基板上に形成される(11−24)面を層面とすることを特徴とする窒化物系化合物半導体層。
  2. 請求項1において、
    前記窒化物系化合物半導体層が、MOVPE法、MBE法、HVPE法の何れか1つを用いて形成されることを特徴とする窒化物系化合物半導体層。
  3. 請求項1又は2において、
    前記混合溶液は、リン酸と硫酸とを1:2以上1:5以下で混合して得られることを特徴とする窒化物系化合物半導体層。
  4. (101)面又は(011)面を有するペロブスカイト型の結晶構造を有し、リン酸及び硫酸の混合溶液を用いて表面処理された基板と、
    前記基板上に形成され、(11−24)面を層面とする窒化物系化合物半導体層が少なくとも1つ積層された積層構造体と、
    を有し、
    前記窒化物系化合物半導体層はp型又はn型であることを特徴とする窒化物半導体発光デバイス。
  5. 請求項4において、
    前記積層構造体が複数の窒化物系化合物半導体層で形成されている場合、前記積層構造体の各窒化物系化合物半導体層はp型又はn型であることを特徴とする窒化物半導体発光デバイス。
  6. (101)面又は(011)面を有するペロブスカイト型の結晶構造を有し、リン酸及び硫酸の混合溶液を用いて表面処理された基板上に形成された(11−24)面を層面とする窒化物系化合物半導体層が少なくとも1つ積層された積層構造体を前記基板から剥離して得られる第1の層と、
    前記第1の層上にGaN系化合物半導体をエピタキシャル成長させ、(11−24)面を層面とする窒化物系化合物半導体層が少なくとも1つ積層して得られる第2の層と、
    を有し、
    前記第1の層及び第2の層の窒化物系化合物半導体層はp型又はn型であることを特徴とする窒化物半導体発光デバイス。
  7. 請求項6において、
    前記第1の層及び第2の層が複数の窒化物系化合物半導体層で形成されている場合、前記第1の層及び第2の層の各窒化物系化合物半導体層はp型又はn型であることを特徴とする窒化物半導体発光デバイス。
  8. 請求項3乃至6の何れか1つにおいて、
    前記窒化物系化合物半導体層が、MOVPE法、MBE法、HVPE法の何れか1つを用いて形成されることを特徴とする窒化物半導体発光デバイス。
  9. 請求項4乃至8の何れか1つにおいて、
    前記混合溶液は、リン酸と硫酸とを1:2以上1:5以下で混合して得られることを特徴とする窒化物半導体発光デバイス。
  10. リン酸及び硫酸の混合溶液で表面処理を行ったペロブスカイト型の結晶構造を有し、リン酸及び硫酸の混合溶液を用いて表面処理された基板上に、GaN系化合物半導体をエピタキシャル成長させ、(11−24)面を層面とするGaN系化合物半導体層を少なくとも1層以上形成した後、前記基板を剥離して窒化物系化合物半導体層を得ることを特徴とする窒化物系化合物半導体層の製造方法。
  11. 請求項10において、
    前記GaN系化合物半導体層を、MOVPE法、MBE法、HVPE法の何れか1つを用いて形成することを特徴とする窒化物系化合物半導体層の製造方法。
  12. リン酸及び硫酸の混合溶液で表面処理を行ったペロブスカイト型の結晶構造を有する基板上に、GaN系化合物半導体をエピタキシャル成長させ、(11−24)面を層面とする窒化物系化合物半導体層を少なくとも1層以上形成し、前記窒化物系化合物半導体層はp型又はn型であることを特徴とする窒化物半導体発光デバイスの製造方法。
  13. リン酸及び硫酸の混合溶液で表面処理を行ったペロブスカイト型の結晶構造を有する基板上に、GaN系化合物半導体をエピタキシャル成長させ、(11−24)面を層面とする窒化物系化合物半導体層を少なくとも1層以上形成した後、前記基板から剥離して得られる窒化物系化合物半導体層を第1の層として用い、
    前記第1の層の上に、GaN系化合物半導体をエピタキシャル成長させ、(11−24)面を層面とするGaN系化合物半導体層を少なくとも1層以上形成した第2の層を形成し、
    前記第1の層及び第2の層の窒化物系化合物半導体層はp型又はn型であることを特徴とする窒化物半導体発光デバイスの製造方法。
  14. 請求項13において、
    前記第1の層及び第2の層が、複数の前記窒化物系化合物半導体層で形成されている場合、前記第1の層及び第2の層の各窒化物系化合物半導体層はp型又はn型であることを特徴とする窒化物半導体発光デバイスの製造方法。
  15. 請求項12乃至14の何れか1つにおいて、
    前記窒化物系化合物半導体層を、MOVPE法、MBE法、HVPE法の何れか1つを用いて形成することを特徴とする窒化物半導体発光デバイスの製造方法。
  16. 請求項12乃至15の何れか1つにおいて、
    前記混合溶液は、リン酸と硫酸とを1:2以上1:5以下で混合して得ることを特徴とする窒化物半導体発光デバイスの製造方法。
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