JP2013200486A - 光学素子および発光パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、拡散光を放射する発光素子を有する発光パネルに用いた場合に正面輝度を向上させることが可能な光学素子を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、透明基板と、上記透明基板上に形成され、複数の凹レンズ部を有する光学部材とを有する光学素子であって、上記凹レンズ部の側面が上記透明基板の表面に対して傾斜しており、上記凹レンズ部の側面と上記透明基板の表面とのなす傾斜角度が鋭角であることを特徴とする光学素子を提供することにより、上記目的を達成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネッセンス素子、プラズマディスプレイ等の拡散光を放射する発光素子を備える発光パネルに関するものである。
有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネッセンス素子、プラズマディスプレイ等の拡散光を放射する発光素子においては、発光に指向性がないため、光取り出し効率の改善が検討されている。例えば、有機EL素子を用いた発光パネルにおいては、有機EL素子の発光に指向性がないために光損失が大きく、光取り出し効率は20%〜30%程度であるといわれている。なお、エレクトロルミネッセンスをELと略す場合がある。
そこで、光取り出し効率の向上を目的として、種々の検討がなされている。例えば、発光素子の観察側にプリズムやマイクロレンズ等の光学素子を設けることが提案されている(特許文献1〜4参照)。プリズムやマイクロレンズ等の光学素子による光の屈折効果によって発光素子からの光が集光され外部に取り出されるので、光取り出し効率を向上させることができる。
また、特許文献5には、発光層および色変換層を有する発光素子において、発光効率の向上を目的として、発光素子の観察側にマイクロキャビティを設けることが提案されている。特許文献5においては、マイクロキャビティによって発光層からの励起光を反射させ色変換層に戻すことで、発光効率を向上させている。
また、特許文献6には、立体画像を表示する表示装置において、光の利用効率の向上を目的として、発光素子の観察側にプリズムを設けることが提案されている。特許文献6においては、プリズムによって発光素子からの光を屈折させ所定の開口部に導きやすくすることで、光の利用効率を高めている。
同様に、特許文献7には、立体画像を表示する表示装置において、光の利用効率の向上を目的として、発光素子の観察側にプリズムやレンチキュラーレンズを設けることが提案されている。特許文献7においては、プリズムやレンチキュラーレンズによって発光素子からの光を屈折させることで、指向性を高め、光の利用効率を向上させている。
また、拡散光を放射する発光素子ではないが、発光ダイオードにおいて、照射の均一性を向上させるために、レンズやプリズム等を用いることが提案されている(例えば特許文献8、9参照)。同様に、液晶表示装置等に用いられる面光源においても、均一な光を出射させるために、レンズやプリズム等を用いることが提案されている(例えば特許文献10、11参照)。
特開2007−25546号公報 特開2009−158181号公報 特開2011−204384号公報 特開2010−266829号公報 特開2007−207633号公報 特開2009−163088号公報 特開2010−117398号公報 特開2010−15898号公報 特開2009−170205号公報 特開平7−104271号公報 特開2003−215350号公報
例えば特許文献1、2、5においては、レンズやプリズム等の光学素子は、レンズ面やプリズム面等の凹凸面が発光素子の観察側を向くように配置されている。しかしながら、この場合、発光層および凹凸面の距離が遠くなってしまい、光学素子による効果が得られにくい。
近年、発光パネルの画面上に入力手段としてタッチパネルを装着することが広く行われている。タッチパネルは、発光パネルの観察側の最表面に設けられるため、光学素子上に配置される。この際、光学素子の凹凸面が発光パネルの観察側を向くように配置されていると、タッチパネルを光学素子上に直に形成することは困難であるため、接着剤等を介して貼付することになる。しかしながら、この場合にはタッチパネルを別途形成する必要があり、製造工程が煩雑になる。
一方、特許文献3には、レンズやプリズム等の光学素子を凹凸面が発光素子側を向くように配置することが提案されている。しかしながら、光学素子が三角プリズムや四角錐プリズム等の頂部が尖った形状を有するものである場合には、輝度分布のピークが複数になり、高い正面輝度が得られないという問題がある。また、光学素子が凸レンズである場合には、正面方向への光の集光が強くなるものの、集光しすぎることで高角度側では暗くなり、視野角が狭くなるという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、拡散光を放射する発光素子を有する発光パネルに用いた場合に高い正面輝度を実現可能な光学素子を提供することを主目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、透明基板と、上記透明基板上に形成され、複数の凹レンズ部を有する光学部材とを有する光学素子であって、上記凹レンズ部の側面が上記透明基板の表面に対して傾斜しており、上記凹レンズ部の側面と上記透明基板の表面とのなす傾斜角度が鋭角であることを特徴とする光学素子を提供する。
本発明の光学素子は、拡散光を放射する発光素子を有する発光パネルに用いられるものであって、光学部材が発光素子側を向くように配置されて用いられるものである。本発明の光学素子をこのように発光パネルに用いた場合には、凹レンズ部の側面が透明基板表面に対して鋭角に傾斜した傾斜面であり、発光素子からの光が凹レンズ部に入射する入射面が凹レンズ面であるので、発光素子からの光を凹レンズ部の側面で全反射もしくは反射させることができ、正面輝度を高めることが可能になる。
上記発明においては、上記光学部材は、基底部と、上記基底部上に形成された上記複数の凹レンズ部とを有することが好ましい。本発明の光学素子を上述のように発光パネルに用いた場合には、基底部が形成されていることにより、発光素子からの光が斜め方向に通過するようになるので、視野角を広げることができるからである。
また本発明においては、上記光学部材が、上記凹レンズ部の側面の傾斜角度が異なる上記複数の凹レンズ部を有することが好ましい。この場合には、本発明の光学素子を、発光色の異なる複数の発光部を有する発光素子を備える発光パネルに用いた場合において、発光部の発光色に応じて凹レンズ部の側面の傾斜角度を調整することができる。したがって、発光色に応じて発光素子からの光を斜め方向に通過しにくくすることができ、斜め方向から見たときの色味を調整することができ、本発明の光学素子を表示装置に用いた場合には良好な表示が可能になる。
本発明は、支持基板、および上記支持基板上に形成され、拡散光を放射する発光素子を有する発光素子基板と、透明基板、および上記透明基板上に形成され、複数の凹レンズ部を有する光学部材を有し、上記光学部材が上記発光素子基板と対向するように配置された光学素子とを有する発光パネルであって、上記凹レンズ部の側面が上記透明基板の表面に対して傾斜しており、上記凹レンズ部の側面と上記透明基板の表面とのなす傾斜角度が鋭角であることを特徴とする発光パネルを提供する。
本発明においては、光学部材が発光素子基板側を向くように光学素子が配置されており、凹レンズ部の側面が透明基板表面に対して鋭角に傾斜した傾斜面であり、発光素子からの光が凹レンズ部に入射する入射面が凹レンズ面であるので、発光素子からの光を凹レンズ部の側面で全反射もしくは反射させることができ、正面輝度を高めることが可能になる。
上記発明においては、上記発光素子が複数の発光部を有し、上記凹レンズ部が上記発光部毎に形成されていることが好ましい。正面輝度を効果的に高めることができるからである。
上記の場合、上記発光素子が発光色の異なる複数の上記発光部を有し、上記凹レンズ部の側面の傾斜角度が上記発光部の発光色に応じて異なることが好ましい。このような構成にすることにより、発光色に応じて発光素子からの光を斜め方向に通過しにくくすることができ、斜め方向から見たときの色味を調整することができるからである。本発明の発光パネルが表示装置である場合には良好な表示が可能になる。
また本発明においては、上記光学部材は、基底部と、上記基底部上に形成された上記複数の凹レンズ部とを有することが好ましい。基底部が形成されていることにより、発光部からの光が斜め方向に通過するようになるので、視野角を広げることができるからである。例えば発光素子が有機EL素子である場合には、視野角の広さを保ちつつ、正面輝度を高めることが可能になる。
本発明においては、発光素子からの光を凹レンズ部の側面で全反射もしくは反射させることにより、正面輝度を高めることが可能になるという効果を奏する。
本発明の光学素子の一例を示す概略断面図である。 本発明の発光パネルの一例を示す概略断面図である。 入射面が平面である光学素子の一例を示す概略断面図である。 本発明の光学素子の他の例を示す概略断面図である。 本発明の光学素子の他の例を示す概略断面図である。 本発明の発光パネルの他の例を示す概略断面図である。 本発明の光学素子の他の例を示す概略断面図である。 本発明の発光パネルの他の例を示す概略断面図である。 本発明の光学素子における凹レンズ部の一例を示す概略斜視図である。 本発明の光学素子の他の例を示す概略断面図である。 本発明の発光パネルの他の例を示す概略断面図である。 本発明の発光パネルの他の例を示す概略断面図である。 本発明の光学素子の他の例を示す概略斜視図である。 本発明の発光パネルにおける発光素子基板の一例を示す概略平面図である。 本発明の発光パネルの他の例を示す概略断面図である。 本発明の光学素子の他の例を示す概略断面図である。 本発明の発光パネルの他の例を示す概略断面図である。 本発明の光学素子の他の例を示す概略断面図である。 本発明の光学素子の他の例を示す概略断面図である。 実施例1、2および比較例1の有機ELパネルの放射光強度を示すグラフである。 実施例3および比較例2のLEDパネルの放射光強度を示すグラフである。
以下、本発明の光学素子および発光パネルについて詳細に説明する。
A.光学素子
本発明の光学素子は、透明基板と、上記透明基板上に形成され、複数の凹レンズ部を有する光学部材とを有する光学素子であって、上記凹レンズ部の側面が上記透明基板の表面に対して傾斜しており、上記凹レンズ部の側面と上記透明基板の表面とのなす傾斜角度が鋭角であることを特徴とするものである。
本発明の光学素子について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の光学素子の一例を示す概略断面図である。図1に例示する光学素子11においては、透明基板12上に複数の凹レンズ部13を有する光学部材14が形成されている。凹レンズ部13の側面Sは透明基板12表面に対して鋭角に傾斜した傾斜面になっており、すなわち凹レンズ部13の側面Sと透明基板12表面とのなす傾斜角度ωが鋭角になっている。
本発明の光学素子は、拡散光を放射する発光素子を有する発光パネルに用いられるものであって、光学部材側に発光素子が配置されて用いられるものである。
図2は本発明の光学素子を備える発光パネルの一例を示す概略断面図であり、図1に示す光学素子を用いた例である。図2に例示するように、発光パネル1は、発光素子基板10と光学素子11とを有している。発光素子基板10では、支持基板2上に、背面電極層3と発光層4と透明電極層5とが積層された発光素子9が形成されている。発光層4は、赤色発光層4R、緑色発光層4G、青色発光層4Bを有しており、絶縁層6で区画された複数の発光部Pを有している。また、光学素子11では、凹レンズ部13が発光部P毎に形成されている。これらの発光素子基板10および光学素子11は、発光素子基板10の発光素子9と光学素子11の光学部材14とが対向するように配置されている。この発光パネル1においては、光学素子11側から光Lが取り出される。
発光パネルにおいて、通常、光学部材は樹脂やガラス等で構成されており、基板間は空気や硬化性樹脂等の媒質が充填されている。そのため、図2に示す発光パネル1においては、光学部材14を構成する樹脂やガラスと、発光素子基板10および光学素子11の間に充填されている媒質との屈折率比により、発光素子9からの光のうち、凹レンズ部13の凹レンズ面を透過し、凹レンズ部13の側面Sに臨界角よりも大きい入射角で入射した光Lは全反射される。よって、発光素子9からの光の一部は、凹レンズ部13によってその進行方向が変更され、透明基板12側から出射するようになる。したがって本発明の光学素子は、発光パネルに用いた場合に正面輝度を高めることが可能になる。
この際、発光素子9からの光Lが凹レンズ部13に入射する入射面が凹レンズ面であるので、発光素子9からの光Lを、凹レンズ部13の凹レンズ面で屈折させ、凹レンズ部13の側面Sに入射させやすくすることができ、凹レンズ部13の側面Sで全反射される光を増やすことができる。
ここで、入射面が凹レンズ面の場合と平面の場合とを比較する。図3は入射面が平面の場合、図4(a)、(b)は入射面が凹レンズ面の場合である。なお、図4(b)は図4(a)の拡大図である。
図3に例示するように、入射面が平面の場合、発光素子9からの光Lの少なくとも一部が光学部材113の側面Sにあたる条件は下記式(1)〜(3)で示される。簡単のため、発光点Oは発光素子9における発光層の中心点とする。
tanθ1=X/Y (1)
sinθ1/sinθ2=n1/n0 (2)(スネルの式)
θ2>φ (3)
ただし、n1:光学部材の屈折率
n0:発光素子基板および光学素子の間に充填されている媒質の屈折率
φ:光学部材の側面の角度
θ1:空気中の光線の角度
θ2:光学部材中の光線の角度
X:水平方向における発光点から光線が光学部材に入射する点までの距離
Y:垂直方向における発光点から光線が光学部材に入射する点までの距離
である。なお、上記角度は基板の法線に対する角度である。
上記式(1)〜(3)を満たす例を表1に示す。
一方、図4(a)、(b)に例示するように、入射面が凹レンズ面の場合、入射面の端部において、発光点Oから光Lが凹レンズ部13に入射する点における凹レンズ面の法線と基板の法線とのなす角度をαとすると、発光素子9からの光Lの少なくとも一部が凹レンズ部13の側面Sにあたる条件は下記式(4)〜(6)で示される。簡単のため、発光点Oは発光素子9における発光層の中心点とする。
tanθ1=X/Y (4)
sin(θ1−α)/sin(θ2−α)=n1/n0 (5)
θ2>φ (6)
ただし、n1:光学部材の屈折率
n0:発光素子基板および光学素子の間に充填されている媒質の屈折率
φ:凹レンズ部の側面の角度
θ1:空気中の光線の角度
θ2:凹レンズ部中の光線の角度
α:発光点から光線が凹レンズ部に入射する点における凹レンズ面の法線と基板の法線とのなす角度
X:水平方向における発光点から光線が凹レンズ部に入射する点までの距離
Y:垂直方向における発光点から光線が凹レンズ部に入射する点までの距離
である。なお、上記角度は基板の法線に対する角度である。
上記式(4)〜(6)を満たす例を表2に示す。ここでは、表1と同じX、Y、nの条件で、αが10度の場合の例を示す。
表1および表2より、入射面が凹レンズ面の場合には平面の場合と比較してθ2が増加している。これは、光が凹レンズ面で屈折するため、光の進行方向に広がりを持つようになり、凹レンズ部の側面にあたる光線の範囲が広くなることを示している。したがって、入射面が凹レンズ面である本発明は、入射面が平面である場合と比較して、正面輝度をより高めることが可能になる。
また、従来のように発光パネルの観察側にレンズやプリズム等の光学素子を配置する場合においては、光の屈折を利用して、光取り出し効率を向上させている。光は、入射角が臨界角未満の場合には屈折し、入射角が臨界角よりも大きい場合には全反射する。そのため、光の屈折と全反射とでは、光の進路方向の変化の度合いに差がある。上述のように入射角が臨界角よりも大きい場合に全反射が起こることから、全反射の場合には、屈折の場合と比較して、光の進路方向が大きく変化する、すなわち光の入射方向に対する光の出射方向の角度が大きくなる。したがって、光の全反射を利用する本発明は、光の屈折を利用するものと比較して、正面輝度を効果的に高めることが可能になる。
また本発明においては、凹レンズ部が側面に反射構造を有していてもよい。
図5は本発明の光学素子の他の例を示す概略断面図である。図5に例示する光学素子11において、凹レンズ部13は、透明基板12上に形成された台座部13aと、台座部13aの側面に形成された異屈折率反射層13bとを有している。この異屈折率反射層13bは光を反射するものである。なお、光学素子の他の構成は、上記図1に例示する光学素子と同様である。
図6は本発明の光学素子を備える発光パネルの他の例を示す概略断面図であり、図5に示す光学素子を用いた例である。なお、発光パネルの構成は、上記図2に例示する発光パネルと同様である。
図6に示す発光パネル1において、例えば、異屈折率反射層13bが多層膜ミラーやダイクロイックミラーである場合には、異屈折率反射層13bによって発光素子9からの光Lが反射され、透明基板12側から出射する。ダイクロイックミラーの場合は、特定の波長の光を全反射させることもできる。
また、異屈折率反射層13bがAl、Ag等の金属層である場合にも、異屈折率反射層13bによって発光素子9からの光Lが反射され、透明基板12側から出射する。
さらに、異屈折率反射層13bがSiN、SiON等の無機層である場合には、異屈折率反射層13bと基板間に充填されている空気や硬化性樹脂等の媒質との界面で発光素子9からの光Lが反射され、透明基板12側から出射する。異屈折率反射層13bの屈折率および基板間に充填されている媒質の屈折率に応じて、発光層4からの光Lを全反射させることもできる。
したがって、上記図2に示す発光パネルと同様に、正面輝度を高めることが可能になる。凹レンズ部が側面に異屈折率反射層を有する場合には、入射光の角度依存性を低減することができ、凹レンズ部の側面に比較的小さい入射角で入射した光も反射することが可能になる。また、異屈折率反射層が金属層である場合には、臨界角がなくなるので、正面方向の光の強度をさらに向上させることが可能である。
図7は本発明の光学素子の他の例を示す概略断面図である。図7に例示する光学素子11において、凹レンズ部13は側面に凹凸形状13dを有している。この凹凸形状13dは光を散乱するものである。なお、光学素子の他の構成は、上記図1に例示する光学素子と同様である。
図8は本発明の光学素子を備える発光パネルの他の例を示す概略断面図であり、図7に示す光学素子を用いた例である。なお、発光パネルの構成は、上記図2に例示する発光パネルと同様である。
図8に示す発光パネル1においては、凹レンズ部13の側面Sに設けられた凹凸形状13dによって、発光素子9からの光Lが拡散反射され、透明基板12側から出射する。したがって、上記図2に示す発光パネルと同様に、正面輝度を高めることが可能になる。凹レンズ部が側面に凹凸形状を有する場合には、光の屈折を利用するものと比較して、散乱効果により透明基板側から出射される光の配光分布をなだらかにすることが可能になる。
なお、本願明細書において、「発光層」とは、発光素子を構成する部材の一つであって、発光材料を含有する部材をいう。一方、「発光部」とは、発光領域を構成する最小単位をいう。
「発光部」とは、上述のように発光領域を構成する最小単位をいう。例えば、本発明の光学素子を表示装置に用いる場合、発光部は画素である。
「画素」とは、画像を構成する最小単位である。例えば赤・緑・青の3個の副画素で1個の画素が構成されている場合、本発明においては1個の副画素を画素という。
具体的には、図2に示すように、発光素子9は赤色発光層4R、緑色発光層4G、青色発光層4Bで構成される発光層4を有しており、発光層4は絶縁層6で区画された複数の発光部Pを有している。図2において、発光パネル1が表示装置である場合は、この発光部Pが画素になる。
以下、本発明の光学素子における各構成について説明する。
1.光学部材
本発明における光学部材は、透明基板上に形成され、複数の凹レンズ部を有するものである。
光学部材は、複数の凹レンズ部を有していればよく、複数の凹レンズ部のみを有していてもよく、基底部と基底部上に形成された複数の凹レンズ部とを有していてもよい。
以下、光学部材における各構成について説明する。
(1)凹レンズ部
本発明における光学部材は複数の凹レンズ部を有しており、凹レンズ部の側面は透明基板表面に対して傾斜し、凹レンズ部の側面と透明基板表面とのなす傾斜角度は鋭角である。
凹レンズ部は、表面が凹レンズ面であり、側面が透明基板表面に対して傾斜しており、側面の傾斜角度が鋭角であれば特に限定されるものではない。
ここで、本発明の光学素子を発光パネルに用いた場合に正面輝度を高めるには、発光素子からの光の少なくとも一部が凹レンズ部の側面にあたる必要がある。この条件は上記式(4)〜(6)で示される。したがって、凹レンズ部は、上記式(4)〜(6)を満たすことが好ましい。
上記式(6)は、発光素子からの光が凹レンズ部に入射する入射面の端部において、凹レンズ部中の光線の角度θ2が凹レンズ部の側面の角度φよりも大きいことを示している。上述の説明においては、入射面の端部における光線を考えたが、実際には、入射面の所定の領域を通過する光線が凹レンズ部の側面にあたる。この入射面の所定の領域は、凹レンズ部中の光線の角度θ2と凹レンズ部の側面の角度φとの差が大きいほど、大きくなる。したがって、凹レンズ部中の光線の角度θ2と凹レンズ部の側面の角度φとの差は大きいほうが好ましい。
また、凹レンズ部の側面の傾斜角度は、鋭角、すなわち0度超90度未満であり、本発明の光学素子を発光パネルに用いた場合に発光素子からの光を凹レンズ部の側面で全反射もしくは反射させることが可能な角度であれば特に限定されるものではないが、60度〜85度の範囲内であることが好ましく、より好ましくは65度〜80度の範囲内、さらに好ましくは72度〜78度の範囲内である。凹レンズ部の側面の傾斜角度が上記範囲よりも大きく90度近傍になると、凹レンズ部の側面で光が全反射した際に、透明基板に対する光の入射方向の角度と出射方向の角度とがほぼ同じになってしまい、正面輝度の向上効果が得られないからである。
なお、凹レンズ部の側面の傾斜角度とは、図1に例示するような透明基板12表面と凹レンズ部13の側面Sとのなす角度ωをいう。
凹レンズ部の形状としては、表面が凹レンズ面であり、側面が透明基板表面に対して傾斜しており、側面の傾斜角度が鋭角である形状であれば特に限定されるものではなく、例えば、図9(a)に示すような四角錐台状、図9(b)に示すような円錐台状、図9(c)に示すような平凹シリンドリカルレンズ状等にすることができる。
凹レンズ部が複数の側面を有する場合には、少なくとも対向する2つの側面の傾斜角度が鋭角であればよい。例えば、図9(a)においては、4つの側面S1、S2、S3、S4のすべての傾斜角度が鋭角になっている。一方、図9(c)においては、対向する2つの側面S2、S4の傾斜角度が鋭角になっており、他の側面S1、S3と透明基板表面とのなす角度は直角になっている。図9(c)に例示するように、凹レンズ部13の形状が平凹シリンドリカルレンズ状である場合には、凹レンズ部13の長さ方向に平行な側面S2、S4の傾斜角度が鋭角であることが好ましい。
凹レンズ部の凹レンズ面の曲率半径としては、本発明の光学素子を発光パネルに用いた場合において発光素子からの光を凹レンズ部の側面で全反射もしくは反射させることが可能であり、上記凹レンズ部の側面の傾斜角度を満たすことが可能な曲率半径であれば特に限定されるものではないが、5μm〜2000μmの範囲内であることが好ましく、中でも7μm〜1500μmの範囲内、特に10μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。凹レンズ面の曲率半径が上記範囲内であれば、発光素子からの光を凹レンズ部の側面にあてやすくすることができるからである。凹レンズ面の曲率半径が上記範囲よりも小さいと、凹レンズ部の中心部分の厚みが厚くなってしまい、凹レンズ面に入射した光を拡散させる効果が大きくなり、発光素子からの光が凹レンズ部の側面に入射する角度が全反射が起こる臨界角よりも小さくなるため、正面方向の光の強度を向上させることが困難になる。また、凹レンズ面の曲率半径が上記範囲よりも大きいと、凹レンズ面が平面に近くなってしまい、凹レンズ面に入射した光を拡散させる効果が小さくなり、発光素子からの光が凹レンズ部の側面にあたりにくくなり、正面方向の光の強度を向上させることが困難になる。
なお、凹レンズ部の凹レンズ面の曲率半径とは、図10に例示するような凹レンズ部13の曲率半径rをいう。
また、本発明の光学素子を発光パネルに用いる場合には、凹レンズ面の曲率半径は、発光素子の発光点から凹レンズ面の最深部までの距離を1としたとき、1.25〜7.5の範囲内であることが好ましく、中でも1.75〜6.25の範囲内、特に2.5〜5.0の範囲内であることが好ましい。凹レンズ面の曲率半径が上記範囲内であれば、発光素子からの光を凹レンズ部の側面にあてやすくすることができるからである。
なお、発光素子の発光点から凹レンズ面の最深部までの距離とは、図11に例示するように、発光素子9の発光層4の1/2厚みの位置から、凹レンズ部13の凹レンズ面の最深部、すなわち凹レンズ面の頂点までの距離r0をいう。
凹レンズ部の高さとしては、本発明の光学素子を発光パネルに用いた場合に発光素子からの光を凹レンズ部の側面で全反射もしくは反射させることが可能であり、上記凹レンズ部の側面の傾斜角度を満たすことが可能な高さであれば特に限定されるものではなく、凹レンズ部の側面の傾斜角度や凹レンズ面の曲率半径等に応じて適宜調整される。具体的には、凹レンズ部の高さは40μm〜1000μm程度にすることができる。凹レンズ部の高さが上記範囲よりも低いと、凹レンズ部の側面の傾斜角度が小さくなる傾向にあり、発光素子からの光が凹レンズ部の側面にあたりにくくなるおそれがあるからである。また、凹レンズ部の高さが上記範囲よりも高いと、凹レンズ部の側面の傾斜角度が大きくなる傾向にあり、凹レンズ部の側面で光が全反射した際に透明基板に対する光の入射方向の角度と出射方向の角度とがほぼ同じになってしまい、正面輝度の向上効果が得られない場合があるからである。
なお、凹レンズ部の高さとは、図10に例示するような透明基板12表面から凹レンズ部13の最も高い部分までの距離hをいう。通常は凹レンズ面の端部が凹レンズ部の最も高い部分になる。
凹レンズ部の凹レンズ面の幅としては、本発明の光学素子を発光パネルに用いた場合に発光素子からの光を凹レンズ部の側面で全反射もしくは反射させることが可能であり、上記凹レンズ部の側面の傾斜角度を満たすことが可能な幅であれば特に限定されるものではなく、凹レンズ部の側面の傾斜角度や凹レンズ面の曲率半径等に応じて適宜調整される。具体的には、凹レンズ部の凹レンズ面の幅は、5μm〜800μmの範囲内であることが好ましく、中でも10μm〜650μmの範囲内、特に20μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。凹レンズ面の幅が上記範囲よりも狭いと、発光素子からの光が凹レンズ面に入射しにくくなったり、凹レンズ部の側面の傾斜角度が小さくなる傾向にあり発光素子からの光が凹レンズ部の側面にあたりにくくなったりするおそれがあるからである。また、凹レンズ面の幅が上記範囲よりも広いと、凹レンズ部の側面の傾斜角度が大きくなる傾向にあり、凹レンズ部の側面で光が全反射した際に透明基板に対する光の入射方向の角度と出射方向の角度とがほぼ同じになってしまい、正面輝度の向上効果が得られない場合があるからである。
なお、凹レンズ部の凹レンズ面の幅とは、図10に例示するような曲面で構成される面の幅w1をいう。例えば、図9(a)に示すように凹レンズ面の平面視形状が四角形である場合には凹レンズ面の幅は四角形の幅を指し、図9(b)に示すように凹レンズ面の平面視形状が円形である場合には凹レンズ面の幅は円形の直径を指す。また、図9(c)に例示するように凹レンズ部13の形状が平凹シリンドリカルレンズ状である場合には、凹レンズ面の幅は凹レンズ部13の幅方向における凹レンズ面の長さを指す。
また、本発明の光学素子を、複数の発光部を有する発光素子を備える発光パネルに用いる場合には、凹レンズ面の幅は、発光部の幅以上であることが好ましく、発光部の幅よりも大きいことが好ましい。発光部からの光を凹レンズ面に入射しやすくし、凹レンズ部の側面にあてやすくすることができるからである。
なお、発光部の幅とは、図11に例示するような発光部Pの幅w3をいう。例えば、発光部の平面視形状が四角形である場合には発光部の幅は四角形の幅を指し、発光部の平面視形状が円形である場合には発光部の幅は円形の直径を指す。
また、凹レンズ部の下底面の幅としては、上記凹レンズ部の側面の傾斜角度を満たすことが可能な幅であれば特に限定されるものではなく、凹レンズ部の側面の傾斜角度等に応じて適宜調整される。具体的には、凹レンズ部の下底面の幅は、30μm〜1150μmの範囲内であることが好ましく、中でも35μm〜1000μmの範囲内、特に45μm〜850μmの範囲内であることが好ましい。凹レンズ部の下底面の幅が上記範囲よりも狭いと、凹レンズ部の側面の傾斜角度が大きくなる傾向にあり、凹レンズ部の側面で光が全反射した際に透明基板に対する光の入射方向の角度と出射方向の角度とがほぼ同じになってしまい、正面輝度の向上効果が得られない場合があるからである。また、凹レンズ部の下底面の幅が上記範囲よりも広いと、凹レンズ部の側面の傾斜角度が小さくなる傾向にあり、発光素子からの光が凹レンズ部の側面にあたりにくくなるおそれがあるからである。また、本発明の光学素子を発光パネルに用いた場合において発光素子からの光を凹レンズ部の側面にあてやすくするために、図11に例示するように凹レンズ部13が発光部P毎に形成されていることが好ましい。そのため、凹レンズ面の幅が上記範囲よりも広いと、凹レンズ部を発光部毎に形成するのが困難になる場合がある。
なお、凹レンズ部の下底面の幅とは、図10に例示するような凹レンズ部13の透明基板12側の面の幅w2をいう。例えば、図9(a)に示すように凹レンズ部13の下底面の平面視形状が四角形である場合には下底面の幅は四角形の幅を指し、図9(b)に示すように凹レンズ部13の下底面の平面視形状が円形である場合には下底面の幅は円形の直径を指す。
複数の凹レンズ部において、上記の凹レンズ部の側面の傾斜角度、凹レンズ面の曲率半径、高さ、凹レンズ面の幅、下底面の幅等の寸法は、すべて同じであってもよく異なっていてもよい。
中でも、上記の凹レンズ部の側面の傾斜角度、凹レンズ面の曲率半径、高さ、凹レンズ面の幅、下底面の幅等の寸法が異なる複数の凹レンズ部が形成されていることが好ましい。例えば、本発明の光学素子を発光パネルに用いた場合、図12に例示するように、発光素子9が赤色発光層4R、緑色発光層4G、青色発光層4Bで構成される発光層4を有し、発光層4が絶縁層6で区画された発光色の異なる複数の発光部Pを有しており、凹レンズ部13が発光部P毎に形成されている場合には、凹レンズ部13の寸法を発光部Pの発光色に応じて異ならせることができる。
特に、本発明の光学素子を、発光色の異なる複数の発光部を有する発光素子を備える発光パネルに用いる場合には、上記凹レンズ部の寸法は、発光部の発光色に応じて異なることが好ましい。
ここで、発光パネルにおいては、正面方向からの光の位相差と斜め方向からの光の位相差とは異なるため、斜め方向から見ると色味が変化してしまう場合がある。
したがって、凹レンズ部の寸法が異なる複数の凹レンズ部が形成されていることで、凹レンズ部の寸法を発光部の発光色に応じて適宜調整することができ、これにより、例えば赤色発光層および緑色発光層からの光と比較して、青色発光層からの光を斜め方向に抜けにくくすることができる。よって、斜め方向から見たときの色味を調整し、良好な表示が可能になる。
具体的には、赤色発光層に対応する赤色発光部に対して形成される凹レンズ部を赤色用凹レンズ部、緑色発光層に対応する緑色発光部に対して形成される凹レンズ部を緑色用凹レンズ部、青色発光層に対応する青色発光部に対して形成される凹レンズ部を青色用凹レンズ部としたとき、青色用凹レンズ部の側面の傾斜角度を、赤色用凹レンズ部および緑色用凹レンズ部の側面の傾斜角度よりも大きくすることにより、赤色発光層および緑色発光層からの光と比較して、青色発光層からの光を斜め方向に抜けにくくすることができる。青色用凹レンズ部の側面の傾斜角度が、赤色用凹レンズ部および緑色用凹レンズ部の側面の傾斜角度よりも大きい場合には、図12に示すように発光点を赤色発光層4R、緑色発光層4G、青色発光層4Bのそれぞれ中心点としたとき、赤色発光層4Rおよび緑色発光層4Gからの光Lが赤色用凹レンズ部13Rおよび緑色用凹レンズ部13Gの凹レンズ面から入射して下底面から出射する範囲と比較して、青色発光層4Bからの光Lが青色用凹レンズ部13Bの凹レンズ面から入射して下底面から出射する範囲を狭くすることができる。したがって、青色発光層からの光を斜め方向に抜けにくくすることができるのである。
例えば図12においては、青色用凹レンズ部13Bの側面の傾斜角度ωBが、赤色用凹レンズ部13Rの側面の傾斜角度ωRおよび緑色用凹レンズ部13Gの側面の傾斜角度ωGよりも大きくなっている。
また、青色用凹レンズ部の凹レンズ面の幅を、赤色用凹レンズ部および緑色用凹レンズ部の凹レンズ面の幅も小さくすることにより、赤色発光層および緑色発光層からの光と比較して、青色発光層からの光を斜め方向に抜けにくくすることができる。同様に、青色用凹レンズ部の下底面の幅を、赤色用凹レンズ部および緑色用凹レンズ部の下底面の幅も小さくすることにより、赤色発光層および緑色発光層からの光と比較して、青色発光層からの光を斜め方向に抜けにくくすることができる。これらの場合には、発光点を赤色発光層、緑色発光層、青色発光層のそれぞれ中心点としたとき、赤色発光層および緑色発光層からの光が赤色用凹レンズ部および緑色用凹レンズ部の凹レンズ面から入射して下底面から出射する範囲と比較して、青色発光層からの光が青色用凹レンズ部の凹レンズ面から入射して下底面から出射する範囲を狭くすることができる。したがって、青色発光層からの光を斜め方向に抜けにくくすることができるのである。
凹レンズ部の配置としては、本発明の光学素子の用途等に応じて適宜選択される。
例えば、本発明の光学素子を、複数の発光部を有する発光素子を備える発光パネルに用いる場合には、図11に例示するように凹レンズ部13が発光部P毎に形成されていることが好ましい。正面輝度をより高めることができるからである。
なお、「凹レンズ部が発光部毎に形成されている」とは、図13(a)に例示するように1つの発光部Pに対して1つの凹レンズ部13が形成されている場合だけでなく、図14に例示するように同色の発光層、例えば赤色発光層4R、緑色発光層4G、青色発光層4Bがストライプ状に形成されている場合には図13(b)に例示するように1列の発光部Pに対して1つの凹レンズ部13が形成されている場合も含むものである。
ここで、図13(a)、(b)は本発明の光学素子の一例を示す概略斜視図である。また、図14は発光素子基板10における発光層4および発光部Pの配置を示す概略平面図である。
中でも、凹レンズ部が発光部毎に形成されている場合には、1つの発光部に対して1つの凹レンズ部が形成されていることが好ましい。凹レンズ部によって発光部からの光を全反射もしくは反射させることにより正面輝度を効果的に高めることができるからである。
また、図15に例示するように、本発明の光学素子11を、発光層4が全面に形成されている発光素子9を備え、発光領域が複数の発光部に区画されていないような発光パネル1に用いる場合には、発光層4全面に対して複数の凹レンズ部13を配置することができる。例えば、発光パネルが照明装置である場合には、発光層が全面に形成される場合がある。
また、凹レンズ部は、隣接する凹レンズ部同士が接するように形成されていてもよく、隣接する凹レンズ部同士が接しないように形成されていてもよい。例えば図1において隣接する凹レンズ部13は接するように形成されており、図12において隣接する緑色用凹レンズ部13Gおよび青色用凹レンズ部13Bは離れて形成されている。このような凹レンズ部の形成位置は、上述の凹レンズ部の寸法に応じて適宜選択される。
凹レンズ部は、単一層であってもよく、側面に反射構造を有していてもよい。
以下、凹レンズ部が単一層である第1実施態様と、凹レンズ部が側面に反射構造を有す第2実施態様とに分けて説明する。
(a)第1実施態様
本実施態様においては、図1に例示するように凹レンズ部13は単一層である。
凹レンズ部の形成材料としては、上記寸法を満たす凹レンズ部を形成可能な材料であれば特に限定されるものではなく、有機材料、無機材料、有機−無機ハイブリッド材料のいずれも用いることができる。有機材料としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリアクリルニトリル、ポリイミド、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、感光性アクリル樹脂、感光性ポリイミド、ポジレジスト、カルド樹脂、ポリシロキサン、ベンゾシクロブテン等が挙げられる。有機−無機ハイブリッド材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等の有機材料に、シリカ等の無機材料を含有させたものが挙げられる。
また、凹レンズ部の屈折率としては、本発明の光学素子を発光パネルに用いた場合において、発光素子基板および光学素子の間に充填される媒質の屈折率よりも大きく、発光素子からの光を全反射させることが可能であれば特に限定されるものではないが、発光素子基板および光学素子の間に充填される媒質の屈折率/凹レンズ部の屈折率の比が0.8以下であることが好ましい。屈折率比が上記範囲内であれば、臨界角を小さくすることができ、全反射を起こりやすくすることができるからである。具体的には、凹レンズ部の屈折率は、1.5〜2.2程度にすることができる。
また、本実施態様における凹レンズ部は散乱剤を含有していてもよい。散乱剤が含有されている場合には、透明基板側から出射される光の配光分布をなだからにすることができるからである。
散乱剤には、光散乱性微粒子を用いることができる。光散乱性微粒子としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の無機物の微粒子、アクリル系樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、スチレン系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の有機物の微粒子、あるいは、これらの2種以上の混合系等の微粒子を挙げることができる。
光散乱性微粒子の平均粒径は、0.1μm〜5.0μm程度である。
光散乱性微粒子の形状は、散乱効果を上げるため、球状であることが好ましい。
凹レンズ部の形成方法としては、上記寸法等を満たす凹レンズ部を形成可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、インプリント法、フォトリソグラフィー法、印刷法等が挙げられる。また、後述するように光学部材が透明基板と一体に形成されている場合には、ブラスト、エッチング、切削等により透明基板を加工する方法も用いることができる。
(b)第2実施態様
本実施態様における凹レンズ部は、側面に反射構造を有するものである。
反射構造は、発光素子からの光を反射可能なものであればよく、凹レンズ部が側面に反射構造を有する態様としては、例えば、凹レンズ部が台座部と台座部の側面に形成された異屈折率反射層とを有する第1態様と凹レンズ部が側面に凹凸形状を有する第2態様とが挙げられる。
以下、各態様に分けて説明する。
(i)第1態様
本態様における凹レンズ部は、台座部と、台座部の側面に形成された異屈折率反射層とを有するものである。この異屈折率反射層は、発光素子からの光を反射するものである。例えば図5において、凹レンズ部13は台座部13aと台座部13aの側面に形成された異屈折率反射層13bとを有している。
(台座部)
台座部の形成材料としては、上記第1実施態様の凹レンズ部と同様の材料を用いることができる。
台座部の側面の傾斜角度、凹レンズ面の曲率半径、高さ、凹レンズ面の幅、下底面の幅等の寸法としては、台座部上に異屈折率反射層を形成した際に、上記の凹レンズ部の側面の傾斜角度、凹レンズ面の曲率半径、高さ、凹レンズ面の幅、下底面の幅等の寸法と同様の寸法であればよい。
また、本態様における台座部は散乱剤を含有していてもよい。散乱剤を含有する場合には、透明基板側から出射される光の配光分布をなだからにすることができるからである。
散乱剤としては、上記第1実施態様の凹レンズ部に用いられる散乱剤と同様である。
台座部の形成方法としては、上記第1実施態様の凹レンズ部の形成方法と同様である。
(異屈折率反射層)
異屈折率反射層としては、発光素子からの光を反射可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、多層膜ミラー、ダイクロイックミラー、金属層、無機層等を挙げることができる。
多層膜ミラーは、屈折率の異なる複数の薄膜が積層されたものである。多層膜ミラーとしては、発光素子からの光を反射可能であれば特に限定されるものではなく、例えば、Cr、Al、Ag、Au、Ni、Cr23、Al23、Cu、In、Pt、ITO等の金属膜や金属酸化物膜が積層された多層膜を用いることができる。
ダイクロイックミラーは、特定の波長の光を反射し、その他の波長の光を透過するものである。ダイクロイックミラーとしては、発光素子から放射される光の波長を反射するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、屈折率の異なる誘電体の多層膜を用いることができ、具体的には、SiO2、TiO2、HfO2、Ta25、Al23、Cr23、MgF2、ZrO2、Ti35、TiO、Nb25、CeO2、ZnS、SiOF、SiOC等の膜が積層された多層膜を用いることができる。
金属層としては、発光素子からの光を反射可能であれば特に限定されるものではない。
金属層の反射率としては、具体的には、50%以上であることが好ましく、より好ましくは75%以上、さらに好ましくは90%以上である。金属層の反射率の上限値としては特に限定されるものではなく、通常100%である。なお、反射率は、顕微分光装置OSP−SP2000(OLYMPUS社製)を用いて校正用アルミ基板を100%とした際の反射スペクトルとして測定することができる。
金属層に用いられる材料としては、上記反射率を満たすものであれば特に限定されるものではなく、例えば、アルミニウム、銀、スズ、クロム、ニッケル、チタン等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機層としては、発光素子からの光を反射可能であれば特に限定されるものではないが、発光素子からの光を全反射させることが可能であることが好ましい。
無機層の屈折率としては、台座部の屈折率よりも大きく、また本発明の光学素子を発光パネルに用いた場合において発光素子基板および光学素子の間に充填される媒質の屈折率よりも大きいことが好ましい。無機層と発光素子基板および光学素子の間に充填されている媒質との界面で、発光素子からの光を全反射させることができるからである。
なお、発光素子基板および光学素子の間に充填される媒質の屈折率/無機層の屈折率の比については、上記第1実施態様における発光素子基板および光学素子の間に充填される媒質の屈折率/凹レンズ部の屈折率の比と同様である。また、無機層の屈折率としては、上記第1実施態様の凹レンズ部の屈折率と同様である。
無機層に用いられる材料としては、上記屈折率を満たすことが好ましく、例えば、SiN、SiON等が挙げられる。
また、異屈折率反射層には、有機材料や有機−無機ハイブリッド材料も用いることができる。有機材料および有機−無機ハイブリッド材料の屈折率としては、台座部の屈折率よりも大きく、また発光素子基板および光学素子の間に充填されている媒質の屈折率よりも大きいことが好ましい。異屈折率反射層と発光素子基板および光学素子の間に充填されている媒質との界面で、発光素子からの光を全反射させることができるからである。
有機材料としては、上記屈折率を満たすものであることが好ましく、例えば、チオウレタン樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリレート樹脂、メタクリレート樹脂等が挙げられる。また、有機−無機ハイブリッド材料としては、上記屈折率を満たすものであることが好ましく、例えば、ジルコニウムおよびハフニウムを含む有機金属モノマー、ZrO2およびTiOを分散させた有機−無機コンポジット材料等が挙げられる。
異屈折率反射層の厚みとしては、発光素子からの光を全反射可能であれば特に限定されるものではなく、異屈折率反射層の種類に応じて適宜選択される。
例えば、多層膜ミラーやダイクロイックミラーの厚みは、100nm〜2000nmの範囲内であることが好ましい。また、金属層の厚みは、10nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。厚みが上記範囲に満たないと十分な反射率が得られない場合があり、厚みが上記範囲を超えると形成が困難になったり発光パネルの視認性が損なわれたりするおそれがあるからである。
また、無機層の厚みは、100nm〜2000nmの範囲内であることが好ましい。厚みが上記範囲に満たないと十分に全反射が起こらない場合があり、厚みが上記範囲を超えると形成が困難になる場合があるからである。
異屈折率反射層の形成方法としては、台座部の側面に異屈折率反射層を形成可能な方法であれば特に限定されるものではなく、異屈折率反射層の種類に応じて適宜選択される。例えば、マスクを介して異屈折率反射層を蒸着する方法、異屈折率反射層形成用塗工液をパターン状に塗布する方法等が挙げられる。
(ii)第2態様
本態様における凹レンズ部は、側面に凹凸形状を有するものである。例えば図7において、凹レンズ部13は側面に凹凸形状13dを有している。この凹凸形状は光を散乱させるものである。
凹凸形状としては、発光素子からの光を反射可能であれば特に限定されないが、具体的には、表面粗さRmaxが0.5nm〜2.5nmの範囲内であることが好ましい。表面粗さRmaxが上記範囲よりも小さいと十分に拡散反射が起こらない場合があり、表面粗さRmaxが上記範囲よりも大きいと凹凸形状の形成が困難になるからである。
なお、表面粗さRmaxは最大高さであり、測定用基材の表面に凹レンズ部と同様の材料からなる上記凹凸形状を形成したときの表面粗さRmaxを測定することにより求めることができる。表面粗さRmaxは、ULVAC社製の触針式表面形状測定器Dektakにより測定することができる。
凹レンズ部の形成材料としては、上記第1実施態様の凹レンズ部と同様の材料を用いることができる。
また、本態様における凹レンズ部は散乱剤を含有していてもよい。凹レンズ部が光散乱性を有することにより、光取り出し効率を向上させることができるからである。なお、散乱剤については、上記第1実施態様の凹レンズ部に用いられる散乱剤と同様である。
凹レンズ面の側面に凹凸形状を形成する方法としては、上記表面粗さを満たす凹凸形状を形成可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、インプリント法、凹レンズ部に微粒子を含有させる方法を用いることができる。凹レンズ部に微粒子を含有させる方法の場合、微粒子としては上記散乱剤を使用することができる。
(2)基底部
本発明における光学部材は、基底部と、基底部上に形成された複数の凹レンズ部とを有していてもよい。例えば図16において、光学部材14は基底部15と基底部15上に形成された複数の凹レンズ部13とを有している。
本発明においては、中でも、光学部材は基底部上に複数の凹レンズ部が形成されたものであることが好ましい。図16に例示するように基底部15上に複数の凹レンズ部13が形成されている場合には、図17に例示するように本発明の光学素子11を発光パネル1に用いた場合において、基底部15によって発光素子9からの光Lを斜め方向にも抜けるようにすることができ、視野角を広げることができる。特に、発光素子が有機EL素子である場合には、広い視野角を維持しつつ、正面輝度を高めることが可能になる。
図16に例示するように、通常、凹レンズ部13および基底部15は一体に形成されている。そのため、凹レンズ部および基底部の屈折率は等しく、光学部材内において発光素子からの光を屈折させることなく斜め方向に出射させることができる。
なお、「凹レンズ部および基底部が一体に形成されている」とは、凹レンズ部および基底部が単一の部材として形成されていることをいい、凹レンズ部が台座部と台座部の側面に形成された異屈折率反射層とを有する場合には台座部および基底部が単一の部材として形成されていることをいう。
基底部の厚みとしては、上述の寸法を満たす凹レンズ部を基底部上に形成可能であれば特に限定されるものではなく、適宜調整される。具体的には、1μm〜500μm程度にすることができる。基底部の厚みが上記範囲よりも薄いと、視野角の広さを維持することが困難になる場合があるからである。
また、図18に例示するように、光学部材14は透明基板12と一体に形成されていてもよい。この場合、光学部材および透明基板の屈折率は等しく、光学部材および透明基板内において発光素子からの光を屈折させることなく斜め方向に出射させることができる。したがって、光学部材および透明基板が一体に形成されている場合には、透明基板は光学部材における上記基底部になり得る。
なお、「光学部材および透明基板が一体に形成されている」とは、光学部材および透明基板が単一の部材として形成されていることをいい、凹レンズ部が台座部と台座部の側面に形成された異屈折率反射層とを有する場合には台座部および透明基板が単一の部材として形成されていることをいう。
さらに、光学部材および透明基板の屈折率がほぼ等しい場合にも、光学部材および透明基板内において発光素子からの光をほとんど屈折させることなく斜め方向に出射させることができる。したがって、光学部材および透明基板の屈折率がほぼ等しい場合にも、透明基板は光学部材における上記基底部になり得る。この場合、透明基板の屈折率と光学部材の屈折率との差は0.01〜0.1の範囲内であることが好ましい。このとき、光学部材の屈折率が透明基板の屈折率よりも大きくてもよく小さくてもよい。なお、上記の透明基板の屈折率と光学部材の屈折率との差は、凹レンズ部が台座部と台座部の側面に形成された異屈折率反射層とを有する場合には、透明基板の屈折率と台座部の屈折率との差になる。
2.透明基板
本発明に用いられる透明基板は、上記光学部材を支持するものである。
本発明おいては、上述のように、透明基板は上記光学部材と一体に形成されたものであってもよい。
透明基板は光透過性を有するものである。透明基板の光透過性としては、可視光領域の波長に対して透過性を有していればよく、具体的には、可視光領域の全波長範囲に対する光透過率が80%以上であることが好ましく、中でも85%以上、特に90%以上であることが好ましい。
なお、光透過率は、例えば島津製作所製紫外可視光分光光度計UV−3600により測定することができる。
透明基板の形成材料としては、例えば、ガラスや樹脂等が挙げられる。
透明基板の厚みとしては、透明基板の材料および発光パネルの用途により適宜選択される。具体的に、透明基板の厚みは0.005mm〜5mm程度である。
3.用途
本発明の光学素子は、拡散光を放射する発光素子を有する発光パネルに用いられるものであって、光学部材側に発光素子が配置されて用いられるものである。
なお、発光パネルについては、後述するのでここでの説明は省略する。
B.発光パネル
本発明の発光パネルは、支持基板、および上記支持基板上に形成され、拡散光を放射する発光素子を有する発光素子基板と、透明基板、および上記透明基板上に形成され、複数の凹レンズ部を有する光学部材を有し、上記光学部材が上記発光素子基板と対向するように配置された光学素子とを有する発光パネルであって、上記凹レンズ部の側面が上記透明基板の表面に対して傾斜しており、上記凹レンズ部の側面と上記透明基板の表面とのなす傾斜角度が鋭角であることを特徴とするものである。
本発明においては、上述の「A.光学素子」の項に記載したように、例えば図2、図6、図8に示すように上記光学素子を用いるので、発光素子からの光を凹レンズ部の側面で全反射もしくは反射させることにより正面輝度を高めることが可能になる。
以下、本発明の発光パネルにおける各構成について説明する。
1.光学素子
本発明における光学素子は、透明基板と、透明基板上に形成され、複数の凹レンズ部を有する光学部材とを有するものであり、光学部材が発光素子基板と対向するように配置されるものである。
なお、光学部材および透明基板については、上記「A.光学素子」に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
本発明において、光学素子は、光学部材が発光素子基板と対向するように配置される。光学素子および発光素子基板間の距離としては、凹レンズ部の側面で発光素子からの光を全反射もしくは反射させることが可能であれば特に限定されるものではないが、中でも、20μm以下であることが好ましく、中でも10μm以下、特に5μm以下であることが好ましい。光学素子および発光素子基板が近接しているほど、発光素子からの光を効率良く凹レンズ部に入射させることができるからである。光学素子および発光素子基板は密着していてもよい。
なお、光学素子および発光素子基板間の距離とは、図11に例示するような光学素子11の凹レンズ部13の最も高い部分から発光素子基板10の最表面までの距離dをいう。
2.発光素子基板
本発明における発光素子基板は、支持基板と、支持基板上に形成され、拡散光を放射する発光素子とを有するものである。
以下、発光素子基板における各構成について説明する。
(1)発光素子
本発明に用いられる発光素子は、支持基板上に形成されるものであり、拡散光を放射するものである。
発光素子としては、拡散光を放射するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、有機EL素子、無機EL素子、プラズマディスプレイ、LED光源および拡散部材を組み合わせた素子、LED光源および液晶素子を組み合わせた素子等が挙げられる。
中でも、発光素子は有機EL素子であることが好ましい。一般に、有機EL素子を有する発光パネルの光取り出し効率は20%〜30%程度であるといわれている。これは、有機EL素子の発光に指向性がないため、光損失が大きいからである。これに対し本発明においては上記光学素子を用いることにより、光取出し効率を向上させ、高い正面輝度を達成することが可能である。
また、発光素子は複数の発光部を有することが好ましい。凹レンズ部を発光部毎に形成することにより、正面輝度を効果的に高めることができるからである。
発光素子は、単色の発光層を有していてもよく、複数色の発光層を有していてもよく、本発明の発光パネルの用途に応じて適宜選択される。
以下、発光素子の例として有機EL素子について説明する。
(a)有機EL素子
本発明に用いられる有機EL素子は、支持基板上に形成された背面電極層と、背面電極層上に形成され、複数の発光部を有する発光層を含む有機EL層と、有機EL層上に形成された透明電極層とを有するものである。
以下、有機EL素子における各構成について説明する。
(i)有機EL層
本発明における有機EL層は、背面電極層上に形成され、少なくとも発光層を含むものである。
有機EL層を構成する層としては、発光層の他に、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層等が挙げられる。
以下、有機EL層における各構成について説明する。
(発光層)
本発明に用いられる発光層は、単色の発光層であってもよく、複数色の発光層であってもよく、本発明の発光パネルの用途に応じて適宜選択される。本発明の発光パネルが表示装置である場合には、通常、複数色の発光層が形成される。
発光層に用いられる発光材料としては、蛍光もしくは燐光を発するものであればよく、例えば、色素系材料、金属錯体系材料、高分子系材料等を挙げることができる。
色素系材料としては、例えば、シクロペンタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー等を挙げることができる。
金属錯体系材料としては、例えば、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体、あるいは、中心金属にAl、Zn、Be等またはTb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体を挙げることができる。具体的には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq3)を用いることができる。
高分子系材料としては、例えば、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリフルオレノン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、ポリジアルキルフルオレン誘導体、およびそれらの共重合体等を挙げることができる。また、高分子系材料として、上記の色素系材料および金属錯体系材料を高分子化したものも用いることができる。
また、燐光材料としては、例えば、イリジウム錯体、プラチナ錯体、あるいは、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Au等のスピン軌道相互作用が大きい重金属を中心金属とする金属錯体等を用いることができる。具体的には、フェニルピリジンやチエニルピリジンなどを配位子とするイリジウム錯体、プラチナポルフィリン誘導体等が挙げられる。
これらの発光材料は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、発光材料には、発光効率の向上、発光波長を変化させる等の目的で、蛍光もしくは燐光を発するドーパントを添加してもよい。このようなドーパントとしては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン、キノキサリン誘導体、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体を挙げることができる。
発光層の厚みとしては、電子および正孔の再結合の場を提供して発光する機能を発現することができる厚みであれば特に限定されるものではなく、例えば10nm〜500nm程度にすることができる。
発光層の形成方法としては、上述の発光材料等を溶媒に溶解もしくは分散させた発光層形成用塗工液を塗布するウェットプロセスであってもよく、真空蒸着法等のドライプロセスであってもよい。中でも、効率およびコストの面から、ウェットプロセスが好ましい。
発光層形成用塗工液の塗布方法としては、例えば、インクジェット法、スピンコート法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法等を挙げることができる。
(正孔注入輸送層)
本発明においては、発光層と陽極との間に正孔注入輸送層が形成されていてもよい。
正孔注入輸送層は、正孔注入機能を有する正孔注入層であってもよく、正孔輸送機能を有する正孔輸送層であってもよく、正孔注入層および正孔輸送層が積層されたものであってもよく、正孔注入機能および正孔輸送機能の両機能を有するものであってもよい。
正孔注入輸送層に用いられる材料としては、発光層への正孔の注入、輸送を安定化させることができる材料であれば特に限定されるものではなく、上記発光層の発光材料に例示した化合物の他、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレンおよびそれらの誘導体等の導電性高分子等を用いることができる。具体的には、ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニル)ベンジジン(α−NPD)、4,4,4−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、ポリ3,4エチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホン酸(PEDOT−PSS)、ポリビニルカルバゾール等が挙げられる。
正孔注入輸送層の厚みとしては、正孔注入機能や正孔輸送機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されないが、具体的には0.5nm〜1000nmの範囲内、中でも10nm〜500nmの範囲内であることが好ましい。
正孔注入輸送層の形成方法としては、上述の材料等を溶媒に溶解もしくは分散させた正孔注入輸送層形成用塗工液を塗布するウェットプロセスであってもよく、真空蒸着法等のドライプロセスであってもよく、材料の種類等に応じて適宜選択される。
(電子注入輸送層)
本発明においては、発光層と陰極との間に電子注入輸送層が形成されていてもよい。
電子注入輸送層は、電子注入機能を有する電子注入層であってもよく、電子輸送機能を有する電子輸送層であってもよく、電子注入層および電子輸送層が積層されたものであってもよく、電子注入機能および電子輸送機能の両機能を有するものであってもよい。
電子注入層に用いられる材料としては、発光層への電子の注入を安定化させることができる材料であれば特に限定されるものではなく、上記発光層の発光材料に例示した化合物の他、アルミリチウム合金、ストロンチウム、カルシウム、リチウム、セシウム、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化セシウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の金属、合金、化合物、有機錯体等を用いることができる。
また、電子輸送性の有機材料にアルカリ金属またはアルカリ土類金属をドープした金属ドープ層を形成し、これを電子注入層にすることもできる。電子輸送性の有機材料としては、例えば、バソキュプロイン、バソフェナントロリン、フェナントロリン誘導体等を挙げることができ、ドープする金属としては、Li、Cs、Ba、Sr等が挙げられる。
電子輸送層に用いられる材料としては、陰極から注入された電子を発光層へ輸送することが可能な材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、バソキュプロイン、バソフェナントロリン、フェナントロリン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq3)の誘導体等を挙げることができる。
電子注入輸送層の厚みとしては、電子注入機能や電子輸送機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されない。
電子注入輸送層の形成方法としては、上述の材料等を溶媒に溶解もしくは分散させた電子注入輸送層形成用塗工液を塗布するウェットプロセスであってもよく、真空蒸着法等のドライプロセスであってもよく、材料の種類等に応じて適宜選択される。
(ii)透明電極層
本発明における透明電極層は、有機EL層上に形成されるものである。
透明電極層は陽極および陰極のいずれであってもよい。
陽極は、抵抗が小さいことが好ましく、一般的には導電性材料である金属材料が用いられるが、有機化合物または無機化合物を用いてもよい。
陽極には、正孔が注入しやすいように仕事関数の大きい導電性材料を用いることが好ましい。例えば、Au、Ta、W、Pt、Ni、Pd、Cr、Cu、Mo、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の金属;これらの金属の酸化物;AlLi、AlCa、AlMg等のAl合金、MgAg等のMg合金、Ni合金、Cr合金、アルカリ金属の合金、アルカリ土類金属の合金等の合金;酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛、酸化インジウム等の無機酸化物;金属ドープされたポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリアルキルチオフェン誘導体、ポリシラン誘導体等の導電性高分子;α−Si、α−SiC;等が挙げられる。これらの導電性材料は、単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。2種類以上を用いる場合には、各材料からなる層を積層してもよい。
陰極は、抵抗が小さいことが好ましく、一般的には導電性材料である金属材料が用いられるが、有機化合物または無機化合物を用いてもよい。
陰極には、電子が注入しやすいように仕事関数の小さい導電性材料を用いることが好ましい。例えば、MgAg等のマグネシウム合金、AlLi、AlCa、AlMg等のアルミニウム合金、Li、Cs、Ba、Sr、Ca等のアルカリ金属類およびアルカリ土類金属類の合金等が挙げられる。
透明電極層の形成方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、EB蒸着法、イオンプレーティング法等のPVD法、またはCVD法等を挙げることができる。
(iii)背面電極層
本発明における背面電極層は、支持基板上に形成されるものである。
背面電極層は、光透過性を有していてもよく有さなくてもよいが、本発明においては透明電極層側から光を取り出すため、通常は光透過性を有さないものとされる。
背面電極層は陽極および陰極のいずれであってもよい。
なお、陽極および陰極の材料については上記透明電極層の項に記載し、背面電極層の形成方法については上記透明電極層の形成方法と同様であるので、ここでの説明は省略する。
(iv)絶縁層
本発明に用いられる有機EL素子においては、図2に例示するように、背面電極層3上に絶縁層6がパターン状に形成されていてもよい。絶縁層は、発光部を画定するように形成されるものである。
絶縁層のパターンとしては、発光部の配列に応じて適宜選択されるものであり、例えば格子状にすることができる。
絶縁層の材料としては、有機EL素子における一般的な絶縁層の材料を用いることができ、例えば、感光性ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂等の光硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、無機材料等を挙げることができる。
絶縁層の厚みとしては、発光部を画定し、透明電極層および背面電極層を絶縁することができれば特に限定されるものではない。
絶縁層の形成方法としては、有機EL素子における一般的な絶縁層の形成方法を適用することができ、例えば、フォトリソグラフィー法等が挙げられる。
(v)隔壁
本発明に用いられる有機EL素子においては、絶縁層上に隔壁がパターン状に形成されていてもよい。隔壁は、透明電極層のパターンを画定するように形成されるものである。隔壁が形成されている場合には、メタルマスク等を用いなくとも透明電極層をパターン状に形成することが可能になる。
隔壁のパターンとしては、透明電極層のパターンに応じて適宜選択される。
隔壁の材料としては、有機EL素子における一般的な隔壁の材料を用いることができ、例えば、感光性ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂等の光硬化型樹脂、または熱硬化型樹脂、および無機材料等を挙げることができる。
また、発光層をパターン状に形成するに際して、隔壁には表面エネルギーを変化させる表面処理を予め行ってもよい。
隔壁の高さとしては、透明電極層のパターンを画定し、隣接する透明電極層同士を絶縁することができれば特に限定されるものではない。
隔壁の形成方法としては、有機EL素子における一般的な隔壁の形成方法を適用することができ、例えば、フォトリソグラフィー法等が挙げられる。
(2)支持基板
本発明に用いられる支持基板は、上記発光素子を支持するものである。
支持基板は、光透過性を有していてもよく有さなくてもよい。
支持基板の形成材料としては、例えば、ガラスや樹脂が挙げられる。
支持基板の厚みとしては、支持基板の材料および発光パネルの用途により適宜選択され、具体的には0.005mm〜5mm程度である。
3.発光素子基板および光学素子の間に充填された媒質
本発明において、発光素子基板および光学素子の間に充填される媒質としては、発光パネルに一般的に使用されるものを適用することができ、例えば、空気、不活性ガス、硬化性樹脂等が挙げられる。
不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスを用いることができる。
硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂および光硬化性樹脂のいずれも用いることができ、具体的には、アクリレート系オリゴマー、メタクリレート系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化および熱硬化型接着剤、エポキシ系等の熱および化学硬化型(二液混合)接着剤を挙げることができる。
媒質の屈折率としては、特に限定されるものではなく、上記凹レンズ部の構成に応じて適宜選択される。
上記凹レンズ部が単一層である場合には、媒質の屈折率は、凹レンズ部の屈折率よりも小さく、凹レンズ部および媒質の界面で発光素子からの光を全反射することが可能であれば特に限定されるものではない。なお、媒質の屈折率/凹レンズ部の屈折率の比については、上述したのでここでの説明は省略する。
上記凹レンズ部が台座部と異屈折率反射層とを有する場合であって、異屈折率反射層が無機層である場合には、媒質の屈折率は、異屈折率反射層の屈折率よりも小さく、異屈折率反射層および媒質の界面で発光素子からの光を全反射することが可能であれば特に限定されるものではない。なお、媒質の屈折率/異屈折率反射層の屈折率の比については、上述したのでここでの説明は省略する。
具体的には、媒質が硬化性樹脂の場合、硬化性樹脂の屈折率は、1.5〜1.65程度にすることができる。
また、媒質が硬化性樹脂の場合、硬化性樹脂は光透過性を有するものである。硬化性樹脂の光透過性としては、可視光領域の波長に対して透過性を有していればよく、具体的には、可視光領域の全波長範囲に対する光透過率が80%以上であることが好ましく、中でも85%以上、特に90%以上であることが好ましい。
なお、光透過率は、例えば島津製作所製紫外可視光分光光度計UV−3600により測定することができる。
媒質の封入方法としては、一般的な方法を採用することができ、媒質の種類に応じて適宜選択される。
4.発光パネル
本発明の発光パネルは、表示装置、照明装置、光源等として用いることができる。中でも、表示装置が好適である。
本発明の発光パネルが表示装置である場合、その駆動方法としては、アクティブマトリクス駆動およびパッシブマトリクス駆動のいずれであってもよい。
また、本発明の発光パネルは、発光素子基板および光学素子のいずれかにカラーフィルタ層が形成されていてもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明する。
[実施例1]
(光学素子の作製)
厚み0.7μm、屈折率1.51のガラス基板上に、屈折率1.49のUV硬化型アクリルポリマーを100μmの厚みになるよう塗布した。次いで、塗布面に、図19に例示するように凹レンズ部13の断面形状を台形形状Tに近似した場合に、その台形形状Tが上底幅x1:30μm、下底幅x2:50μm、高さy:50μmであり、表面に曲率半径20μmの凹レンズ面を有する凹レンズ部を形成するための金型を貼り合せ、UVを照射した。その後、金型を剥離し、ガラス基板上に、図19に例示するように凹レンズ部13の断面形状を台形形状Tに近似した場合に、その台形形状Tが上底幅x1:30μm、下底幅x2:50μm、高さy:50μmであり、表面に曲率半径20μmの凹レンズ面を有する凹レンズ部を形成した。この凹レンズ部の側面の傾斜角度は78.7度であった。
(有機ELパネルの作製)
次に、RGB各々の発光層を有し、幅20μmの画素を有する有機EL素子が形成された有機EL素子基板を準備した。有機EL素子基板を光学素子に対して貼り合せ方向にRGB各々の発光層が並ぶように配置し、かつ、有機EL素子基板における画素と光学素子における凹レンズ部の凹レンズ面とが向かい合うように配置した。次いで、有機EL素子基板の最表面と、光学素子における凹レンズ部の最も高い部分、すなわち凹レンズ面の端部との距離が5μmになるように、有機EL素子基板および光学素子の貼り合せを行った。このようにして、トップエミッション型の有機ELパネルを作製した。
[実施例2]
(光学素子の作製)
厚み0.7μm、屈折率1.51のガラス基板上に、屈折率1.49のUV硬化型アクリルポリマーを100μmの厚みになるよう塗布した。次いで、塗布面に、図19に例示するように凹レンズ部13の断面形状を台形形状Tに近似した場合に、その台形形状Tが上底幅x1:30μm、下底幅x2:50μm、高さy:50μmであり、表面に曲率半径10μmの凹レンズ面を有する凹レンズ部を形成するための金型を貼り合せ、UVを照射した。その後、金型を剥離し、ガラス基板上に、図19に例示するように凹レンズ部13の断面形状を台形形状Tに近似した場合に、その台形形状Tが上底幅x1:30μm、下底幅x2:50μm、高さy:50μmであり、表面に曲率半径10μmの凹レンズ面を有する凹レンズ部を形成した。この凹レンズ部の側面の傾斜角度は78.7度であった。
(有機ELパネルの作製)
次に、RGB各々の発光層を有し、幅20μmの画素を有する有機EL素子が形成された有機EL素子基板を準備した。有機EL素子基板を光学素子に対して貼り合せ方向にRGB各々の発光層が並ぶように配置し、かつ、有機EL素子基板における画素と光学素子における凹レンズ部の凹レンズ面とが向かい合うように配置した。次いで、有機EL素子基板の最表面と、光学素子における凹レンズ部の最も高い部分、すなわち凹レンズ面の端部との距離が0μmになるように、有機EL素子基板および光学素子の貼り合せを行った。このようにして、トップエミッション型の有機ELパネルを作製した。
[比較例1]
光学素子の替わりに、凹レンズ部を形成していないガラス基板を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてトップエミッション型の有機ELパネルを作製した。
[評価]
実施例1〜2の有機ELパネルの放射光強度、および、比較例1の有機ELパネルの放射光強度を図20に示す。実施例1〜2の有機ELパネルにおいては、正面方向と正面方向からの視野角±45度において放射光強度が向上していることが確認された。比較例1の有機ELパネルでは、凹レンズ部が形成されていないため、集光効果がないことが確認された。
[実施例3]
(光学素子の作製)
厚み0.7μm、屈折率1.51のガラス基板上に、厚み1000μm、屈折率1.52の熱可塑性樹脂エチレンビニルアセテートフィルムを貼り合わせた。次いで、図19に例示するように凹レンズ部13の断面形状を台形形状Tに近似した場合に、その台形形状Tが上底幅x1:500μm、下底幅x2:833μm、高さy:833μmであり、表面に曲率半径100μmの凹レンズ面を有する凹レンズ部を形成するための金型を用い、熱プレス法により凹レンズ部を形成した。凹レンズ部は、図19に例示するように凹レンズ部13の断面形状を台形形状Tに近似した場合に、その台形形状Tが上底幅x1:500μm、下底幅x2:833μm、高さy:833μmであり、表面に曲率半径100μmの凹レンズ面を有し、側面の傾斜角度は78.7度であった。
次に、単辺500μmの発光領域を持つチップLEDが基板上に配置されたLED基板を準備した。LED基板におけるチップLEDと、光学素子における凹レンズ部の凹レンズ面とが向かい合うように配置し、チップLEDの発光が凹レンズ部に入射するように貼り合わせ、LEDパネルを作製した。
[比較例2]
光学素子の替わりに、凹レンズ部を形成していないガラス基板を用いたこと以外は、実施例3と同様にしてLEDパネルを作製した。
[評価]
実施例3のLEDパネルの放射光強度、および、比較例2のLEDパネルの放射光強度を図21に示す。実施例3のLEDパネルにおいては、正面方向と正面方向からの視野角±45度において放射光強度が向上していることが確認された。比較例2のLEDパネルでは、凹レンズ部が形成されていないため、集光効果がないことが確認された。
1 … 発光パネル
2 … 支持基板
3 … 背面電極層
4 … 発光層
4R … 赤色発光層
4G … 緑色発光層
4B … 青色発光層
5 … 透明電極層
10 … 発光素子基板
11 … 光学素子
12 … 透明基板
13 … 凹レンズ部
14 … 光学部材
15 … 基底部
L … 光
P … 発光部
S … 凹レンズ部の側面
ω … 凹レンズ部の側面の傾斜角度

Claims (7)

  1. 透明基板と、前記透明基板上に形成され、複数の凹レンズ部を有する光学部材とを有する光学素子であって、
    前記凹レンズ部の側面が前記透明基板の表面に対して傾斜しており、前記凹レンズ部の側面と前記透明基板の表面とのなす傾斜角度が鋭角であることを特徴とする光学素子。
  2. 前記光学部材は、基底部と、前記基底部上に形成された前記複数の凹レンズ部とを有することを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記光学部材が、前記凹レンズ部の側面の傾斜角度が異なる前記複数の凹レンズ部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学素子。
  4. 支持基板、および前記支持基板上に形成され、拡散光を放射する発光素子を有する発光素子基板と、
    透明基板、および前記透明基板上に形成され、複数の凹レンズ部を有する光学部材を有し、前記光学部材が前記発光素子基板と対向するように配置された光学素子と
    を有する発光パネルであって、
    前記凹レンズ部の側面が前記透明基板の表面に対して傾斜しており、前記凹レンズ部の側面と前記透明基板の表面とのなす傾斜角度が鋭角であることを特徴とする発光パネル。
  5. 前記発光素子が複数の発光部を有し、前記凹レンズ部が前記発光部毎に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の発光パネル。
  6. 前記発光素子が発光色の異なる複数の前記発光部を有し、前記凹レンズ部の側面の傾斜角度が前記発光部の発光色に応じて異なることを特徴とする請求項5に記載の発光パネル。
  7. 前記光学部材は、基底部と、前記基底部上に形成された前記複数の凹レンズ部とを有することを特徴とする請求項4から請求項6までのいずれかに記載の発光パネル。
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