JP2013200181A - ビームコンディションモニタ装置、ビームコンディションモニタ方法およびパターン計測方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成または方法で、かつ、高い精度でビームコンディションをモニタすることができるビームコンディションモニタ装置、ビームコンディションモニタ方法、および該ビームコンディションモニタ方法を用いたパターン計測方法を提供する。
【解決手段】実施形態のビームコンディションモニタ装置は、ステージと検出手段とモニタ手段とを持つ。前記ステージは、周期構造のパターンが形成された基体を支持するとともに前記基体の位置を制御する。前記検出手段は、前記基体を透過し、または前記基体で反射した電磁波を検出し、回折強度の信号として出力する。前記モニタ手段は、前記ステージおよび前記電磁波照射手段を制御して前記電磁波照射手段と前記検出手段の間で任意の間隔毎に前記基体を移動させながら前記信号を複数回取得し、前記基体の位置に対応付けて前記回折強度の変動を解析することにより、前記電磁波のビームコンディションをモニタする。
【選択図】図1
【解決手段】実施形態のビームコンディションモニタ装置は、ステージと検出手段とモニタ手段とを持つ。前記ステージは、周期構造のパターンが形成された基体を支持するとともに前記基体の位置を制御する。前記検出手段は、前記基体を透過し、または前記基体で反射した電磁波を検出し、回折強度の信号として出力する。前記モニタ手段は、前記ステージおよび前記電磁波照射手段を制御して前記電磁波照射手段と前記検出手段の間で任意の間隔毎に前記基体を移動させながら前記信号を複数回取得し、前記基体の位置に対応付けて前記回折強度の変動を解析することにより、前記電磁波のビームコンディションをモニタする。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、ビームコンディションモニタ装置、ビームコンディションモニタ方法およびパターン計測方法に関する。
半導体集積回路は、高性能化の達成のために、回路パターンの微細化が進行している。回路パターンの微細化に伴って、回路パターンの計測に要求される精度は厳しさを増している。従来の半導体製造プロセスでは、例えば周期的構造を構成するラインパターンについて、主として幅や高さなどの比較的大まかな寸法が管理の対象とされてきた。その一方で、回路パターンの微細化の進行に従って、側壁角、トップラウンディングと呼ばれるライン上部の丸み、ボトムラウンディングと呼ばれるライン下部の丸みなど、形状の詳細な寸法についても厳密に計測する必要が生じている。
構造体の断面形状を精密に観察する手法のうち、CD−SAXS(Critical Dimension Small Angle X−ray Scattering)は、試料にX線を照射し、反射および透過されたX線の干渉により得られる散乱プロファイルから試料表面のパターン形状を測定する手法であり、非破壊及び非接触で、微細形状に対する良好な感度を有する。
一般に、CD−SAXSを用いたパターン計測装置は、X線を凹面鏡に反射させることでステージ上のサンプルや検出器上に焦点を合わせており、X線ビームは光軸に平行でなく一定の広がり角を有する。そのため、X線発生源の特性や凹面鏡の形状等が設計値からずれた場合、広がり角やビームの形状などのビームコンディションが変わる。広がり角が大きくなると、同じ波長を持った光がさまざまな角度から入射してそれらがお互いに干渉するので、お互い弱め合い、測定で得られる干渉縞の山と谷の振幅が変わってしまう。干渉縞を解析する際、モデルから予想されるシミュレーションプロファイルと実際の測定で得られる散乱プロファイルとのつき合わせを行う際に両者の合わせこみ精度が低くなる。所定の値からの実際の広がり角のずれが解析のエラー成分となり、現実の断面形状とは異なる値を算出してしまう。広がり角は、同一装置での経時による変動の他、異なる装置間で差異が生ずることで測定精度の低下をもたらす。そのため、広がり角をモニタすることは非常に重要である。
本発明が解決しようとする課題は、簡易な構成または方法で、かつ、高い精度でビームコンディションをモニタすることができるビームコンディションモニタ装置、ビームコンディションモニタ方法、および該ビームコンディションモニタ方法を用いたパターン計測方法を提供することである。
実施形態のビームコンディションモニタ装置は、ステージと検出手段とモニタ手段とを持つ。前記ステージは、周期構造のパターンが形成された基体を支持するとともに前記基体の位置を制御する。前記検出手段は、前記基体を透過し、または前記基体で反射した電磁波を検出し、回折強度の信号として出力する。前記モニタ手段は、前記ステージおよび前記電磁波照射手段を制御して前記電磁波照射手段と前記検出手段の間で任意の間隔毎に前記基体を移動させながら前記信号を複数回取得し、前記基体の位置に対応付けて前記回折強度の変動を解析することにより、前記電磁波のビームコンディションをモニタする。
以下、実施の形態のいくつかについて図面を参照しながら説明する。図面において、同一の部分には同一の参照番号を付してその重複説明は適宜省略する。
(A)実施形態1
(1)ビームコンディションモニタ装置の構成
図1は、実施形態1によるビームコンディションモニタ装置の概略構成を示すブロック図である。本実施形態のビームコンディションモニタ装置は、回折格子ステージ21と、回折格子ステージ21を制御するステージ制御部13と、管球4と、管球4を制御する光源制御部11と、二次元検出器3と、データ処理部12と、コンピュータ14と、を備える。
(1)ビームコンディションモニタ装置の構成
図1は、実施形態1によるビームコンディションモニタ装置の概略構成を示すブロック図である。本実施形態のビームコンディションモニタ装置は、回折格子ステージ21と、回折格子ステージ21を制御するステージ制御部13と、管球4と、管球4を制御する光源制御部11と、二次元検出器3と、データ処理部12と、コンピュータ14と、を備える。
管球4は、光源制御部11を介してコンピュータ14に接続される。二次元検出器3は、データ処理部12を介してコンピュータ14に接続される。コンピュータ14はまた、ステージ制御部13に接続される。
管球4は、本実施形態において例えば電磁波照射手段に対応し、X線源51および凹面鏡52(図2参照)を含む。X線源51としてはX線を発するものであれば何を用いてもよいが、本実施形態ではCuのKα線を発するものを使用する。管球4は、光源制御部11から制御信号を与えられて、例えば1nm以下の波長のX線Liを生成して二次元検出器3の検出面に向けて出射する。なお、電磁波としてはX線に限ることなく、回折格子23の周期構造のピッチが例えば1μm以上と広い場合には、300nm〜700nmの可視光を用いてもよい。
図2は、管球4のより具体的な構成を示す模式図である。X線源51から発したX線Liは、凹面鏡52によって光路が調整され、所定の広がり角DAで管球4を出射して回折格子23のパターンを照射する。図2では特に詳細には記載しないが、凹面鏡52としては縦方向(垂直方向)の広がり角に対応するものに加えて横方向(水平方向)の広がり角に対応したものが管球4内に配置される。
図1に戻り、回折格子ステージ21は回転ホルダ22を支持するとともに、ステージ制御部13から送られる指令信号により水平方向(X−Y平面)および垂直方向(Z方向)に移動して回転ホルダ22の位置を制御する。
ステージ制御部13はコンピュータ14から送られる制御信号により指令信号を生成して回折格子ステージ21に与える。
回転ホルダ22は、図1中符号φ1で示すように、管球4のX線出射面と二次元検出器3の検出面とを結ぶ線分に直交する平面(以下、「垂直面」という)内で回転可能な状態で回折格子23を保持する。垂直面は本実施形態において例えば第1の平面に対応する。
回折格子23は、所定ピッチで周期的に配置されたラインとスペースによって構成される既知の形状の構造体であり、ラインの周期は、計測装置であるCD−SAXS装置(図9参照)で使用されるX線波長と二次元検出器3の素子の配列周期に応じて最適なものが選ばれる。回折格子23は、そのパターンにX線Liが入射するように、垂直面内に配置される。本実施形態では回折プロファイルを取得するための構造体として回折格子23を採用したが、これに限ることなく、ラインとスペースの周期的な配列によって構成されているパターンであればよい。回折格子23は本実施形態において例えば基体または第1の基体に対応する。
二次元検出器3は、X線Liが照射した回折格子23を透過したX線Ltを受光素子で検出する。データ処理部12は、二次元検出器3から透過X線Ltの検出信号を受け取り、回折強度のプロファイルを作成する。二次元検出器3およびデータ処理部12は本実施形態において例えば検出手段に対応する。
コンピュータ14は、光源制御部11、データ処理部12およびステージ制御部13を制御して複数回に亘って回折強度のプロファイルを取得し、後に詳述するように管球4および二次元検出器3内での回折格子23の位置に対応付けて回折強度の変動を解析することにより、X線Liのビームコンディションをモニタする。コンピュータ14は本実施形態において例えばモニタ手段に対応する。
以下、図1に示すビームコンディションモニタ装置を用いたビームコンディションのモニタ方法について図3乃至図9を参照しながら説明する。以下ではビームコンディションとしてX線Liの広がり角をモニタする方法を取り挙げる。
(2)ビームコンディションモニタ方法
以下では、X線源51から出射したX線は凹面鏡52で反射することによりビーム束が絞られて二次元検出器3の検出面に焦点が合うものとする。
以下では、X線源51から出射したX線は凹面鏡52で反射することによりビーム束が絞られて二次元検出器3の検出面に焦点が合うものとする。
まず、モニタしたい広がり角の方向に合わせて回転ホルダ22により回折格子23の向きを調整して固定する。
次に、管球4の出射面と二次元検出器3の受光面との間の任意の範囲を所定数のステップで区切り、回折格子ステージ21により回折格子23を移動させて各ステップ毎にX線Liを照射して回折プロファイルを取得する。
次に、管球4の出射面と二次元検出器3の受光面との間の任意の範囲を所定数のステップで区切り、回折格子ステージ21により回折格子23を移動させて各ステップ毎にX線Liを照射して回折プロファイルを取得する。
図3は、管球4の出射面(位置Xo)と二次元検出器3の受光面(位置Xd)との間で回折格子23の位置を変えて測定したときのX線のビーム軌跡の例を示す。本実施形態において、管球4の出射面の位置Xoは例えば第1の位置に対応し、二次元検出器3の受光面の位置Xdは例えば第2の位置に対応する。
管球4から出射したX線Liは回折格子23に入射してこれを透過する。透過したX線Ltは回折して二次元検出器3により検出される。二次元検出器3の検出信号をデータ処理部12で処理することにより、ブラックの回折の式
dsinθ=nλ (d:周期、θ:回折角、n:回折次数)
により回折格子23の構造体の周期dおよびX線の波長λから決定される角度θに回折ピークを持つ回折プロファイルが取得される。
dsinθ=nλ (d:周期、θ:回折角、n:回折次数)
により回折格子23の構造体の周期dおよびX線の波長λから決定される角度θに回折ピークを持つ回折プロファイルが取得される。
図4はこのような回折プロファイルの例を示す図である。図4に示すように、横軸が二次元検出器3の受光素子の位置を表し、縦軸が回折強度を表すグラフにデータ処理部12により測定結果がプロットされて回折プロファイルが記録される。
コンピュータ14は、データ処理部12から回折プロファイルの情報を与えられ、回折格子23の位置と受光素子3のサイズのデータを用い、回折格子23と二次元検出器3の受光面との距離と受光素子3のサイズとで決まる角度φ3を算出し、横軸が角度φ3を表し、縦軸が回折強度を表すプロファイルに変換する。
コンピュータ14は、光源制御部11、データ処理部12およびステージ制御部13を制御することにより、上述した一連の処理を回折格子23の位置を変えて複数回行う。図4は、図3のX1〜X3の各位置で0次回折ピーク41、1次回折ピーク42および2次回折ピーク43の回折プロファイルを取得した例を示し、図5は、図4の回折プロファイルに対して横軸の指標を変換した例を示す。
図4に示すように、回折格子23の位置を変えて回折強度を測定すると、回折角度は一定であるため、回折格子23と検出器3までの距離に応じて回折ピークが現れる場所が変わる。図4で示すように、検出器3上に現れる回折ピークにおいて、回折ピークの間隔は回折格子23の位置に依存するが、ピークの幅は一定となる。
図5に示す回折プロファイルの例において、回折ピークの間隔は一定であるが、グラフの横軸をピクセルから角度φ3に変換したため、回折ピークの幅は回折格子23と検出器3までの距離に依存して変化する。回折格子23が検出器3に近づくほど回折ピークの幅は大きくなり、遂には隣り合うピーク同士が重なり合う。
回折格子23と検出器3までの距離が離れている場合、検出器3上でのピークとピークの間隔が離れているため、回折プロファイルを角度φ3に変換したときでも隣り合うピークは重ならない。しかしながら、回折格子23を検出器3に近づけた場合、検出器3上でのピーク間隔が小さくなるため、回折プロファイルを角度φ3に変換したときには隣り合うピークが重なり合う。さらに近づけると、検出器3上で観察されるピークが重なり合って区別がつかなくなる。
コンピュータ14は、回折格子23の位置毎に回折プロファイルの変換処理を行って図5の斜線部のような重なり部分OPを割り出す。次いでコンピュータ14は、回折格子23の位置が横軸で、重なりOPの面積が縦軸となるグラフを作成し、得られたグラフからピーク同士の重なりOPが生じる回折格子23の位置を特定する。このようなグラフの一例を図6に示す。図6から分かるように、位置X2と位置X3との間で回折ピーク同士の重なりOPが生じている。コンピュータ14は、重なりOPの面積>0となるときの回折格子23の位置を算出し、ビームの広がり角の指標として出力する。
通常、CD−SAXS装置は水平面方向と垂直方向に凹面鏡を設置してビームの焦点を調整する。それぞれの方向で、焦点距離や広がり角の異なる凹面鏡を使用する場合があり、2方向の広がり角をモニタする必要がある。
そこで、本実施形態のビームコンディションモニタ装置でも、それぞれ水平面方向と垂直方向に設置された凹面鏡52を管球4内に設けている。
そして、回折格子23を固定している回転ホルダ22を垂直面内で回転させて回折格子23の長手方向を変えて上述の処理を同じ処理をすれば、所望の方向におけるビームの広がり角をモニタすることができる。
(B)実施形態2
上述の実施形態1では、回折格子23をX線Liに対して垂直に設置し、透過光Ltの回折ピークの重なりOPをビームコンディションの指標として出力する手法について述べた。回折格子23を管球4のX線出射面と二次元検出器3の検出面とを結ぶ線分に水平な面(以下、「水平面」という)内に設置してX線Liを反射させて得られる回折プロファイルを取得し、隣り合う回折ピークの重なり開始位置をモニタすることも可能である。このような手法を実現する態様について実施形態2として説明する。
上述の実施形態1では、回折格子23をX線Liに対して垂直に設置し、透過光Ltの回折ピークの重なりOPをビームコンディションの指標として出力する手法について述べた。回折格子23を管球4のX線出射面と二次元検出器3の検出面とを結ぶ線分に水平な面(以下、「水平面」という)内に設置してX線Liを反射させて得られる回折プロファイルを取得し、隣り合う回折ピークの重なり開始位置をモニタすることも可能である。このような手法を実現する態様について実施形態2として説明する。
(1)ビームコンディションモニタ装置の構成
図7は、実施形態2によるビームコンディションモニタ装置の概略構成を示すブロック図である。
図1との対比により明らかなように、本実施形態のビームコンディションモニタ装置は、回折格子ステージ21に代えてステージ31を備える。ステージ31は、回折格子ステージ21と同様に、ステージ制御部13から送られる指令信号により水平方向(X−Y平面)および垂直方向(Z方向)に移動する。しかしながら、ステージ31は、回転ホルダ22を介することなく回折格子23を直接その上面に載置する。これにより、ステージ31は、回折格子23を水平面内に設置する。水平面は、本実施形態において例えば第2の平面に対応する。
図7は、実施形態2によるビームコンディションモニタ装置の概略構成を示すブロック図である。
図1との対比により明らかなように、本実施形態のビームコンディションモニタ装置は、回折格子ステージ21に代えてステージ31を備える。ステージ31は、回折格子ステージ21と同様に、ステージ制御部13から送られる指令信号により水平方向(X−Y平面)および垂直方向(Z方向)に移動する。しかしながら、ステージ31は、回転ホルダ22を介することなく回折格子23を直接その上面に載置する。これにより、ステージ31は、回折格子23を水平面内に設置する。水平面は、本実施形態において例えば第2の平面に対応する。
管球4は、所望の仰角αで回折格子23へX線Liを照射する。仰角αとしては、X線Liが回折格子23を透過することなく全反射が生じる全反射角近傍の1°以下の角度が選択される。仰角αは、凹面鏡52と図示しないアームの制御とによって調整されるが、ゴニオメータを設けてアームに代えて、またはこれと併用して調整することとしてもよい。
二次元検出器3は、本実施形態においてX線Liが照射した回折格子23から反射したX線Ltを受光素子で検出し、その回折強度を測定する。
図7に示すビームコンディションモニタ装置のその他の構成は、図1に示す装置と実質的に同一であるので、その説明は省略する。
(2)実施形態2によるモニタ方法
本実施形態におけるビームコンディションモニタ方法は、回折格子23を水平面内に設置すること、回折格子23からの反射光Lrの回折プロファイルを取得する点を除いて上述した実施形態1と実質的に同一である。
本実施形態におけるビームコンディションモニタ方法は、回折格子23を水平面内に設置すること、回折格子23からの反射光Lrの回折プロファイルを取得する点を除いて上述した実施形態1と実質的に同一である。
図8は、本実施形態において管球4の出射面と二次元検出器3の受光面との間で回折格子23の位置を変えて測定したときのX線のビーム軌跡の例を示す。水平面内に設置された回折格子23に照射したX線Liは、図3の透過の場合と同様に、回折を受ける。したがって、管球4の出射面(位置Xo)と二次元検出器3の受光面(位置Xd)との間で回折格子23の位置を所定ステップ毎に変更しながら各々の位置で回折プロファイルを取得し、回折格子23の位置を角度φ3に変換して回折ピーク同士の重なりOPの面積を算出し、重なりOPの面積>0となるときの回折格子23の位置を割り出せば、ビームの広がり角の指標が得られる。
なお、本実施形態においては、前述した実施形態1のように、回折格子23を回転させて2方向に亘ってビーム広がり角をモニタする必要は無い。
以上述べた少なくともひとつの実施形態のビームコンディションモニタ装置によれば、光源制御部11、データ処理部12およびステージ制御部13を制御して複数回に亘って回折強度のプロファイルを取得し、管球4と二次元検出器3との間での回折格子23の位置に対応付けて回折強度の変動を解析するコンピュータ14を持つことにより、簡易な構成で、かつ、高い精度でビームコンディションをモニタすることができる。
また、以上述べた少なくともひとつの実施形態のビームコンディションモニタ方法によれば、管球4の出射面Xoと二次元検出器3の受光面Xdとの間で回折格子23の位置を所定ステップ毎に変更しながら各々の位置で回折プロファイルを取得し、管球4および二次元検出器3内での回折格子23の位置に対応付けて回折強度の変動を解析する工程を持つことにより、簡易な方法で、かつ、高い精度でビームコンディションをモニタすることができる。
(C)ビームコンディションのモニタ結果を利用したパターン計測
(1)装置構成
上述したビームコンディションモニタ装置および方法により得られたモニタ結果を利用してパターンの形状計測を行えば、長期間に亘り高い精度でパターン形状を計測することが可能になる。
(1)装置構成
上述したビームコンディションモニタ装置および方法により得られたモニタ結果を利用してパターンの形状計測を行えば、長期間に亘り高い精度でパターン形状を計測することが可能になる。
図9は、図7のビームコンディションモニタ装置によりビームコンディションをモニタした後に、同一の装置を用いてパターン形状を計測する方法を示す。ここでは、ステージ31をそのまま利用し、回折格子23に代えてウェーハWをステージ31の上面に載置する。なお、図1に示すビームコンディションモニタ装置についても、回折格子ステージ21を図9のステージ31に取り替えれば、パターン形状の計測が可能である。
図10に示すように、ウェーハWの表面には、検査対象である周期構造のパターンPsが形成されている。周期構造としては、図10に示すライン・アンド・スペース構造の他、例えば一方向もしくは互いに直交する2方向に所定ピッチで配置された穴パターン構造、または穴パターンとラインパターンとが混在する構造などが含まれる。ウェーハW1は、本実施形態において例えば第2の基体に対応する。基体としては、ウェーハWに限ることなく、例えばガラス基板、化合物半導体基板、セラミック基板なども含まれる。本実施形態において、パターンPsは例えば第2の周期構造に対応する。
二次元検出器3の受光部の外観を図11の斜視図に示す。二次元検出器3の受光部では受光素子が二次元に配置され、各受光素子は、パターンにより回折されたX線Lsの強度を測定して信号として出力し、この信号を自身の位置に対応付けることにより、受光部全体としてX線散乱強度の二次元画像を作成する。測定中は、ステージ31を0°〜10°の回転角φ2で回転させながらX線Liを照射するので(図10参照)、散乱されたX線Lsの露光が継続しており、受光部は、継続して検出されるX線Lsの散乱強度を積算する。
図9に戻り、データ処理部12は、二次元検出器3からX線散乱強度の二次元画像を取り込み、二次元のX線散乱プロファイルを作成する。
取り込まれる散乱強度の画像には、方位角方向、仰角方向にブラッグの回折条件で決まる角度に干渉縞が現れている。データ処理部12は、二次元の散乱強度画像を方位角方向、仰角方向に分割し、それぞれの方向での散乱プロファイルを算出する。ここで、方位角方向のプロファイルとは入射X線Liの仰角と散乱X線Lsの仰角が等しいときの散乱プロファイルをいい、仰角方向のプロファイルとは回折ピークの仰角方向の強度変化をいう。本実施形態において、計測対象のパターンについて実測により得られた散乱プロファイルは、例えば第1の散乱プロファイルに対応する。
ラインパターンの長手方向に対して平行に近い方位角で、かつ、0.2°以下の仰角を持ったX線Liをラインパターンに照射させると、X線Liはパターンによって散乱される。散乱されたX線Lsが干渉することにより、方位角方向の散乱プロファイルには回折ピークが現われ、仰角方向にはその回折ピークごとに干渉縞が現われる。
干渉縞を含む散乱プロファイルは、光学条件とパターン情報から予め計算することが可能である。光学条件は、例えば入射X線Liの波長や入射角(方位角方向、仰角方向)を含み、パターン情報は、パターンの断面形状と材料を含む。
断面形状はパターン断面の輪郭部分を意味しており、ピッチ、CD、高さ、側壁角、トップラウンディング、ボトムラウンディングの形状パラメータよって表わされる関数である。断面形状を体積積分することによりX線Lsの散乱プロファイルをシミュレーションにより求めることができる。本実施形態において、計測対象のパターンについてシミュレーションにより予め得られた散乱プロファイルは、例えば第2の散乱プロファイルに対応する。
コンピュータ14は、シミュレーションで予め得られたプロファイルと測定で得られた散乱プロファイルとを照合し、両者の差が最小になるようにフィッティングを行う。
そして、コンピュータ14は、フィッティング誤差が最小となるときの形状パラメータの値を計測値として出力する。
そして、コンピュータ14は、フィッティング誤差が最小となるときの形状パラメータの値を計測値として出力する。
(2)パターン計測方法
上述した実施形態のビームコンディションのモニタ方法により得られたモニタ結果を利用したパターン計測方法について図12乃至図14のフローチャートを参照しながら説明する。
上述した実施形態のビームコンディションのモニタ方法により得られたモニタ結果を利用したパターン計測方法について図12乃至図14のフローチャートを参照しながら説明する。
図12は、本実施形態のパターン計測方法の概略手順を示す。
まず、上述した実施形態のビームコンディションモニタ方法を用いて、パターン形状計測装置、例えば図9に示す装置についてビームコンディションをモニタする(ステップS100)。
次いで、パターン計測を行う。パターン計測は前述した通り、図9の装置を使用しても可能であるが、ステップS100によりビームコンディションのモニタ結果がそれぞれ記録されていれば、複数のパターン形状計測装置を使用することができる。
まず、上述した実施形態のビームコンディションモニタ方法を用いて、パターン形状計測装置、例えば図9に示す装置についてビームコンディションをモニタする(ステップS100)。
次いで、パターン計測を行う。パターン計測は前述した通り、図9の装置を使用しても可能であるが、ステップS100によりビームコンディションのモニタ結果がそれぞれ記録されていれば、複数のパターン形状計測装置を使用することができる。
図13は、上述した実施形態のビームコンディションモニタ方法のより具体的な手順を示す。
まず、広がり角をモニタしたい向きに回折格子23の長手方向を合わせ(ステップS101)、回折格子23の移動範囲とステップ数を設定する(ステップS102)。回折格子23の移動範囲は、前述した通り、X線管球4と二次元検出器3との間の範囲である。
まず、広がり角をモニタしたい向きに回折格子23の長手方向を合わせ(ステップS101)、回折格子23の移動範囲とステップ数を設定する(ステップS102)。回折格子23の移動範囲は、前述した通り、X線管球4と二次元検出器3との間の範囲である。
そして、n=1とし(ステップS103)、回折格子ステージ21またはステージ31により回折格子23を最初の回折プロファイル取得位置へ移動し(ステップS104)、X線Liを照射して透過光または反射光を二次元検出器3で検出し、出力された信号からコンピュータ14により、横軸が回折格子23の位置であり縦軸が回折強度の第1回折プロファイルを作成する(ステップS105)。
次いで、コンピュータ14により、第1回プロファイルから、データ変換により、横軸が角度φ3で縦軸が回折強度の第2回折プロファイルを作成し(ステップS106)、各n次光の回折ピークとそれぞれの中間点を割り出す(ステップS107)。本実施形態においては第0次光から第2次光の回折ピークについて行う。
続いて、図5に示す回折プロファイルの重なり部分OPの面積を算出し(ステップS108)、図6に示すように、横軸が回折格子の位置、縦軸が重なり部分OPの面積となるグラフを作成し、重なりが部分OPの面積を求める(ステップS109)。
そして、重なりが部分OPの面積>0となるまで、n=n+1として(ステップS110)、上述したステップS104〜S110までの手順を繰り返す。
重なりが部分OPの面積が0を超えたら、その時の回折格子の位置を算出し、ビームの広がり角の指標として出力し、保存する(ステップS111)。
実施形態1のように回折格子23を垂直面に設置して透過光Ltの回折強度を測定する場合は、垂直面内で回折格子23の角度を90°回転させて上述した手順を繰り返す。
図14は、パターン計測方法のより具体的な手順を示す。まず、上述したモニタ方法により得られたビームコンディションのモニタ結果に基づいて管球4内における凹面鏡52の配置等を調整することにより、ビームコンディションを調整する(ステップS201)。
次いで、計測対象である周期構造のパターンPsについて、断面形状と材料を含むパターン情報と光学条件から断面モデルを設定する(ステップS202)。
続いて、断面形状を体積積分することにより断面モデルからX線散乱プロファイルをシミュレーションにより求める(ステップS202)。このようにして作成されたX線散乱プロファイルは、本実施形態において、例えば第2の散乱プロファイルに対応する。
次いで、ステージ31の高さを調整した後(ステップS10)、検査対象の周期構造パターンPsが形成されたウェーハWをステージ31に載置して全反射となる低い仰角αでX線Liを照射する(ステップS205)。
続いて、ウェーハWからの散乱光を二次元検出器3で検出し、その強度を測定する(ステップS206)。
続いて、ウェーハWからの散乱光を二次元検出器3で検出し、その強度を測定する(ステップS206)。
次いで、測定された強度を検出位置毎に積算し、実測値による散乱プロファイルを作成する(ステップS207)。ステップS205乃至ステップS207の手順により作成されたX線散乱プロファイルは、本実施形態において、例えば第1の散乱プロファイルに対応する。
最後に、実測値による散乱プロファイルとシミュレーションプロファイルとを比較してフィッティングを行い、フィッティング誤差が最小となる時の形状パラメータの値を計測対象パターンの計測値として出力する(ステップS208)。
一般に、CD−SAXSで使われている凹面鏡はシリコンと金属の多層膜に力を加えて曲げて作成されている。そのため、加工精度にばらつきがあるため、CD−SAXS装置が異なると、広がり角も異なる。図13に示す手順により、回折格子23の位置を指標として同一装置について長期間にわたり回折格子23の位置をモニタすることで長期間に亘って安定したパターン計測が可能になる。また、複数の計測装置での広がり角の値をモニタして広がり角の装置間差を測定すれば、装置間でばらつきがあっても高い精度でパターンを計測することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
4…X線管球、21,31…回折格子ステージ、3…二次元検出器、51…X線源、52…凹面鏡、11…光源制御部、12…データ処理部、13…ステージ制御部、14…コンピュータ、22…回転ホルダ、23…回折格子、41…0次回折ピーク、42…1次回折ピーク、43…2次回折ピーク、OP…回折ピークの重なり、Xo…X線の出射位置、Xd…X線の検出位置、Bs…ビームスポット、Li…X線(入射光)、Ls…X線(散乱光)、Lt…X線(透過光)、Lr…X線(反射光)、Ps…パターン、W…ウェーハ、φ1…光軸に垂直な平面内の回転角、φ2…光軸に水平な平面内の回転角
Claims (9)
- 周期構造のパターンが形成された基体を支持するとともに前記基体の位置を制御するステージと、
電磁波を生成して前記基体へ照射する電磁波照射手段と、
前記基体を透過し、または前記基体で反射した電磁波を検出し、回折強度の信号として出力する検出手段と、
前記ステージおよび前記電磁波照射手段を制御して前記電磁波照射手段と前記検出手段の間で任意の間隔毎に前記基体を移動させながら前記信号を複数回取得し、前記基体の位置に対応付けて前記回折強度の変動を解析することにより、前記電磁波のビームコンディションをモニタするモニタ手段と、
を備えるビームコンディションモニタ装置。 - 前記モニタ手段は、前記信号から回折プロファイルを作成して回折ピークの重なりを算出し、前記重なりが発生する前記基体の位置を管理指標として出力することを特徴とする請求項1に記載のビームコンディションモニタ装置。
- 前記ステージに設置され、前記電磁波の光軸に直交する平面内で前記基体を回転可能に保持する基体ホルダをさらに備え、
前記ビームコンディションは前記電磁波の広がり角を含み、
前記検出手段は前記基体を透過した光を検出し、
前記基体ホルダは、所望の向きの前記広がり角に対応して前記パターンの長手方向が配置されるように前記基体を回転させることを特徴とする請求項1または2に記載のビームコンディションモニタ装置。 - 前記基体は、前記電磁波の光軸に平行な平面内に設置され、
前記検出手段は前記基体で反射した光を検出する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のビームコンディションモニタ装置。 - 電磁波を生成して第1の周期構造のパターンが形成された第1の基体へ照射する工程と、
前記第1の基体を透過し、または前記第1の基体で反射した電磁波を検出し、回折強度の信号として出力する工程と、
前記電磁波が出射する第1の位置から前記電磁波が検出される第2の位置までの間で任意の間隔毎に前記第1の基体を移動させながら前記信号を複数回取得し、前記第1の基体の位置に対応付けて前記回折強度の変動を解析することにより、前記電磁波のビームコンディションをモニタする工程と、
を備えるビームコンディションモニタ方法。 - 前記ビームコンディションをモニタする工程は、前記信号から回折プロファイルを作成して回折ピークの重なりを算出し、前記重なりが発生する前記第1の基体の位置を管理指標として出力する工程を含む、ことを特徴とする請求項5に記載のビームコンディションモニタ方法。
- 前記第1の基体は、前記電磁波照射手段と前記検出手段とを結ぶ線分に直交する第1の平面内に配置され、
前記ビームコンディションは前記電磁波の広がり角を含み、
所望の向きの前記広がり角に対応して前記パターンの長手方向が配置されるように前記第1の基板を回転させる工程をさらに備える、
ことを特徴とする請求項5または6に記載のビームコンディションモニタ方法。 - 前記第1の基体は、前記電磁波照射手段と前記検出手段とを結ぶ線分に平行な第2の平面内に設置されることを特徴とする請求項5または6に記載のビームコンディションモニタ方法。
- 請求項5乃至8のいずれかに記載のビームコンディションモニタ方法によるモニタ結果を用いてビームコンディションを調整する工程と、
計測対象である第2の周期構造のパターンが形成された第2の基体に前記電磁波を照射する工程と、
前記第2の基体からの散乱光を検出して第1の散乱プロファイルを作成する工程と、
前記第2の周期構造のパターンについてシミュレーションにより第2の散乱プロファイルを取得する工程と、
前記第1の散乱プロファイルと前記第2の散乱プロファイルとを照合することにより、前記第2の周期構造の単位構造の断面形状を算出する工程と、
を備えるパターン計測方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012068036A JP2013200181A (ja) | 2012-03-23 | 2012-03-23 | ビームコンディションモニタ装置、ビームコンディションモニタ方法およびパターン計測方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012068036A JP2013200181A (ja) | 2012-03-23 | 2012-03-23 | ビームコンディションモニタ装置、ビームコンディションモニタ方法およびパターン計測方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013200181A true JP2013200181A (ja) | 2013-10-03 |
Family
ID=49520541
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012068036A Pending JP2013200181A (ja) | 2012-03-23 | 2012-03-23 | ビームコンディションモニタ装置、ビームコンディションモニタ方法およびパターン計測方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013200181A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2015133332A1 (ja) * | 2014-03-04 | 2017-04-06 | Dic株式会社 | メソゲン基を有する化合物を含有する重合性組成物及びその重合体 |
KR20180079733A (ko) * | 2017-01-02 | 2018-07-11 | 한국수력원자력 주식회사 | 쉐도우콘 위치이동수단을 이용한 중성자선량계 교정 방법 및 교정 장치 |
-
2012
- 2012-03-23 JP JP2012068036A patent/JP2013200181A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2015133332A1 (ja) * | 2014-03-04 | 2017-04-06 | Dic株式会社 | メソゲン基を有する化合物を含有する重合性組成物及びその重合体 |
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KR101929646B1 (ko) * | 2017-01-02 | 2019-03-14 | 한국수력원자력 주식회사 | 쉐도우콘 위치이동수단을 이용한 중성자선량계 교정 방법 및 교정 장치 |
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