JP2013199790A - 防水ねじ及びこれを使用した防水方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】防水ねじは、ねじ先に封止剤を設け、前記封止剤の周囲に拘束フィルムを設ける。防水ねじ6は、ねじ先6fに封止剤側が内側になるようにテープ7を巻き付けて構成する。テープ7は、透明樹脂フィルム上に粘弾性を有する封止剤を積層して構成する。また、防水方法は、封止剤に拘束フィルムを積層して構成したテープを、前記封止剤側が内側となるようにしてねじ先に巻いて、ねじ止めすることにより、ねじ先6fの周りを防水する。
【選択図】図3
Description
(1)ねじ先にコーキング剤を塗布して屋根面にねじ止めすると、コーキング剤が硬化した後にねじが動いてコーキング剤が切れたり、ねじ溝から剥がれて漏水するという問題があった。
(2)屋根面のねじ先がねじ込まれる位置の周囲にコーキング剤を山盛りに塗布してねじ止めしても上記(1)と同様の問題があった。
(3)屋根面のねじ先がねじ込まれる位置の周囲に、厚さ数ミリ程度の粘着性を有するブチルゴムテープを貼着してねじ止めすると、ねじ止め時にテープが持ち上がってしまい、ねじ孔にブチルゴムがうまく入らないという問題があった。
このため、図1に示す止水部材1を使用を検討した。この止水部材1は、弾性部材2の中央部に貫通孔3を設け、貫通孔3内に粘弾性を有する封止剤4を充填して構成したものである。
しかしながら、止水部材1の貫通孔3にねじ5を挿通させると、図2のように、ブチルゴム4は頭部5h側へ移動してしまうことがわかった。
第2の解決手段は、第1の解決手段において、前記封止剤は、未加硫のブチルゴムであることを特徴とする。
本発明の防水方法は、第3の解決手段として、封止剤に拘束フィルムを積層して構成したテープを、前記封止剤側が内側となるようにしてねじ先に巻いて、ねじ止めすることにより、前記ねじ先の周りを防水することを特徴とする。
第4の解決手段は、第3の解決手段において、前記封止剤は、未加硫のブチルゴムであることを特徴とする。
第5の解決手段は、第3又は第4の解決手段において、前前記ねじ先は第1の壁面を通って、その先の第2の壁面に固定されることを特徴とする。
第6の解決手段は、第3乃至第5の解決手段の何れかにおいて、第1の壁面は断面が波状の屋根面であり、第2の壁面は平面状の屋根の下地であり、第1の壁面である屋根面の頂部の上方に、太陽電池のパネルを取り付けるための足場となる金属板を置き、前記屋根面の頂部と前記金属板との間に、平板状の弾性部材を配置し、前記ねじ先を前記金属板、前記弾性部材及び前記屋根面を通過させて、前記屋根の下地に固定することを特徴とする。
第7の解決手段は、第6の解決手段において、前記弾性部材は、加硫したゴム板の中央部に貫通孔を設けて、前記貫通孔内に未加硫のブチルゴムを設けて構成したことを特徴とする。
図3の防水ねじ6は、ねじ先6fに封止剤側が内側になるように図4で示すテープ7を巻き付けて構成したものである。テープ7は、拘束フィルム8上に粘弾性を有する封止剤9を積層して構成したものである。
上記のようにして構成された防水ねじ6は、図5(a)に示すようにねじ止めされる。図5(a)に示す通り、封止剤9は図5(b)のようにねじ頭6f側に巻き上がることはない。理由は、図5(c)に示すように、ねじ先6fが下地に接した際に、拘束フィルム8が円錐状に変形して封止剤9をねじ先6f側へ押圧して、ねじ先6f側に封止剤9が接触する面積を増加させる一方で、封止剤9を頭部6h側へ移動させないように拘束する。更に、ねじ込むと、ねじ6の回転でねじ先6f付近の封止剤9に延伸がかかり封止剤9が高温になって軟化するので、ねじ6がねじ孔へ入る時に一緒に大量の封止剤9が孔に流入するためである。その結果として、ねじ先6f周りが封止されることになる。
このため、施工時に人がねじ先6fの封止剤9を手で抑える等する必要がなくても確実にねじ先6f周りの防水施工が可能となる。また、封止剤9がねじ頭部6h側に移動することがないので、封止剤9の使用量を少なくすることができる。
即ち、図6に示すように、第1の壁面10及び第2の壁面11を所定の間隔で設けた構造において、第1の壁面10側に防水ねじのねじ先6f(テープ7が設けられている。)が通過できる程度の孔10bを設けておいて、防水ねじ6を第1の壁面10を通して第2の壁面11にねじ止めする場合に有効である。尚、この場合に、第1の壁面10の孔10bに蓋をするように防水ねじ6の頭部6hを第1の壁面10に当接させるように施工すればより望ましい。
尚、図7では、下地12上に瓦13が置いてあり、この瓦13の波形の頂部を覆うことができるようにして構成された、太陽光電池パネルの足場となる取付治具14が配置されている。この取付金具14は、瓦13の頂部13tの上方に、頂部13tと対向するようにして位置する平板部14t(金属板)と、平板部14tから両側下方に延出する側辺部14s、14sと、側辺部の下端から互いに離れる方向に延出する脚部14f、14fとから構成される。尚、瓦の頂部13t及び平板部14tには、防水ねじ6を挿通するための貫通孔が設けられている。
そして、瓦13の頂部13tと、取付治具14の平板部14tとの間に、図1で説明した止水部材1を介挿した。この止水部材1は、弾性を有する平板2の中央部に貫通孔3を設けて、貫通孔3内に封止剤4を設けたものである。
以上の構造において、防水ねじ6を取付治具14の平板部14tに設けられた貫通孔、止水部材1の貫通孔3及び瓦13の頂部13tに設けられた貫通孔に防水ねじ6を通して、ねじ先6fを下地12にねじ止めすると、瓦13及び取付治具14に設けられた貫通孔内には、止水部材1の封止剤4が浸入して防水することができる。また、防水ねじ6のねじ先6fと下地12とは、ねじ先6fに設けられた拘束フィルム8及び封止剤9により防水できることになる。
拘束フィルム8は、封止剤9の巻き上がりを防止できるような機能を有するものであれば特に制限するものではないが、破断強度20〜50N程度のものが望ましく、材料としてはキャスティングポリプロピレン、ポリエチレン、オリエンテッドポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂、アルミニウム箔等の金属箔、紙やゴムシート等を使用することができる。
2 弾性部材
3 貫通孔
4 封止剤
5 ねじ
6 防水ねじ
7 テープ
8 拘束フィルム
9 封止剤
10 第1の壁面
11 第2の壁面
12 屋根の下地
13 屋根面(瓦)
14 取付治具
Claims (7)
- ねじ先に封止剤を設け、ねじ止め時にねじ頭部側に前記封止剤が巻き上がらないように前記封止剤の周囲に拘束フィルムを設けたことを特徴とする防水ねじ。
- 前記封止剤は、未加硫のブチルゴムであることを特徴とする請求項1に記載の防水ねじ。
- 封止剤に拘束フィルムを積層して構成したテープを、前記封止剤側が内側となるようにしてねじ先に巻いて、ねじ止めすることにより、前記ねじ先の周りを防水することを特徴とする防水方法。
- 前記封止剤は、未加硫のブチルゴムであることを特徴とする請求項3に記載の防水方法。
- 前記ねじ先は第1の壁面を通って、その先の第2の壁面に固定されることを特徴とする請求項3又は4に記載の防水方法。
- 第1の壁面は断面が波状の屋根面であり、第2の壁面は平面状の屋根の下地であり、第1の壁面である屋根面の頂部の上方に、太陽電池のパネルを取り付けるための足場となる金属板を置き、前記屋根面の頂部と前記金属板との間に、平板状の弾性部材を配置し、前記ねじ先を前記金属板、前記弾性部材及び前記屋根面を通過させて、前記屋根の下地に固定することを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項に記載の防水方法。
- 前記弾性部材は、加硫したゴム板の中央部に貫通孔を設けて、前記貫通孔内に未加硫のブチルゴムを設けて構成したことを特徴とする請求項6に記載の防水方法。
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