JP2013199578A - 記録材料用白色ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】宣伝広告の内照式電飾看板の記録材料の基材に使用した際に色相が優れ、また、解像性をバランスよく満たす光学特性を兼ね備えた白色ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】白色のポリエステルフィルムであり、当該フィルムの全光線透過率が30〜50%の範囲であり、Lab表色系におけるb値が−4〜5の範囲であり、当該フィルム表面の二次元算術平均粗さ(Ra)が21〜50nmの範囲であることを特徴とする内照式電飾看板の記録材料用白色ポリエステルフィルム。
【選択図】なし
【解決手段】白色のポリエステルフィルムであり、当該フィルムの全光線透過率が30〜50%の範囲であり、Lab表色系におけるb値が−4〜5の範囲であり、当該フィルム表面の二次元算術平均粗さ(Ra)が21〜50nmの範囲であることを特徴とする内照式電飾看板の記録材料用白色ポリエステルフィルム。
【選択図】なし
Description
本発明は、特に宣伝広告の内照式電飾看板の記録材料の基材として好適に利用できる白色ポリエステルフィルムに関するものである。
近年、インクジェットプリンタの技術が急速に進歩し、一般的な銀塩写真法によるものと同等以上の画像品質を有する記録物が得られるようになってきた。これに伴い、インクジェット記録材料にも、銀塩写真法に用いられるものと同等の質感を有するものが求められている。このような要求を満たすインクジェット記録材料として、紙やプラスチックフィルム等の基材上に、多孔質のインク吸収層を設けた記録材料が用いられている。
また一方、溶剤インクを用いた大型インクジェットプリンタ(以下、溶剤インクプリンタという。)も登場してきており、塩化ビニルフィルムやターポリン等のポリマーフィルムシートに記録されたものが耐水性、耐候性が必要となる看板や垂れ幕広告等の屋外表示材料として使用されてきている。溶剤インクは色材顔料を有機溶剤に分散させたものである。当初は記録後の乾燥時間短縮と塩化ビニル記録材料との固着性を確保するために、沸点が低く溶解力の高い溶媒が使用されていたが、環境負荷が高いことから溶媒成分の見直しが進められ、近年では臭気や皮膚刺激が非常に少なく、環境負荷も抑えられた溶剤インクが導入され溶剤インクプリンタが使われる範囲が広がってきている。
このような中、紙支持体を用いた記録材料が溶剤インクプリンタで記録される様になってきている。これは塩化ビニルフィルムの環境負荷が大きいことから、これを避ける動きがあることが理由であると考えられる。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その解決課題は、特に宣伝広告の内照式電飾看板の記録材料の基材に使用した際に視認する角度によって色相が優れ、また、解像性をバランスよく満たす光学特性を兼ね備えた白色ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有するフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、白色のポリエステルフィルムであり、当該フィルムの全光線透過率が30〜50%の範囲であり、Lab表色系におけるb値が−4〜5の範囲であり、当該フィルム表面の二次元算術平均粗さ(Ra)が21〜50nmの範囲であることを特徴とする内照式電飾看板の記録材料用白色ポリエステルフィルムに存する。
本発明のフィルムは、解像性をバランスよく満たす光学特性を兼ね備え、光学製品の品質向上に寄与することができるものであり、記録材料として用いた際にその高度な特性が発揮され、工業的価値は極めて高い。
本発明の白色ポリエステルフィルムを構成するポリエステルとしては、代表的には、例えば、構成単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートであるポリエチレンテレフタレート、構成単位の80モル%以上がエチレン−2,6−ナフタレートであるポリエチレン−2,6−ナフタレート、構成単位の80モル%以上が1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートであるポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート等が挙げられる。その他にも、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
上記の優位構成成分以外の共重合成分としては、例えば、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール成分、イソフタル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびオキシモノカルボン酸などのエステル形成性誘導体を使用することができる。また、ポリエステルとしては、単独重合体または共重合体のほかに、他の樹脂との小割合のブレンドも使用することができる。
本発明の白色ポリエステルフィルムは、白色および隠蔽性を発現するためにフィルム中に無機顔料粒子を含有させる方法が好ましく用いられる。粒子としては、従来公知のものを使用することができ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、二酸化珪素等が例示されるが、使用される粒子の種類は上記例に限定されるものではない。
本発明で用いる無機顔料の平均粒子径は、通常0.1〜1.0μmの範囲であり、さらに好ましくは0.2〜0.6μmの範囲である。無機顔料の平均粒子径が小さすぎると、ポリエステルフィルムの隠蔽性が不足することがある。一方、無機顔料の平均粒子径が大きすぎると、ポリエステルフィルムの表面から粒子が脱落する傾向がある。ここで、無機顔料は1種単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
本発明におけるポリエステル層中には、易滑性付与を主たる目的として粒子を配合してもよい。配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、酸化珪素、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
なお、本発明で用いるポリエステルは、溶融重合後これをチップ化し、必要に応じて加熱減圧下または窒素等不活性気流中にさらに固相重合を施してもよい。得られるポリエステルの固有粘度は0.40dl/g以上であることが好ましく、0.40〜0.90dl/gであることがさらに好ましい。
固有粘度が低すぎると、フィルムの機械的強度が低下する傾向にある。また、固有粘度が高すぎると、フィルムの製膜時における溶融押出工程での負荷が大きく、生産性が低下する傾向にある。
本発明においては、特に宣伝広告の内照式電飾看板の記録材料の基材に使用した際に視認する角度によって優れた色相を得、また、解像性をバランスよく満たすために、フィルム中に蛍光増白剤を含有させることが可能である。蛍光増白剤の含有量が0.01重量%未満では、輝度向上の効果が不足する場合があり、一方、1.0重量%を超えると、効果は飽和してしまうことに加え、フィルムの色調が変化することや、フィルムの表面にブリードアウトして使用時に悪影響を与える等の問題が発生することがある。
本発明において好適に使用し得る蛍光増白剤の例としては、チバスペシャリティケミカルズ社製の商品「ユビテック」、イーストマン社製の商品「OB−1」等が挙げられる。 本発明の白色ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの全光線透過率が30〜50%の範囲であり、より好ましくは35〜45%の範囲であり、Lab表色系におけるb値が−4〜5の範囲であり、二次元算術平均粗さ(Ra)が21〜50nmの範囲であることが必要である。
全光線透過率が30%未満の場合は、本発明における記録材料の基材としての解像性が低くなり、光学特性の明るさが低くなるので不適切であり、また50%を超える場合は、明るさが強く記録材料の基材として使用した場合、画像の色調が劣る。
b値が−4未満の場合は、基材としてのフィルムの青み強く、また、5を超える場合は基材としてのフィルムの黄色身が強くなり基材として用いた際に解像性をバランスよく満たせない。
二次元算術平均粗さ(Ra)が21nm未満では、光沢度が上がり視認性が劣る。一方、二次元算術平均粗さ(Ra)が50nmを超える場合は、表面性状が粗くなり、印刷解像度が低下し視認性が劣る。
本発明においては、単一層からなるポリエステルフィルムに白色顔料を含有することが好ましい。白色顔料としては、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、硫酸バリウム等が例示でき、これらの中でアナターゼ型酸化チタンが好ましい。ここで白色顔料は、その平均粒子径は、通常0.1〜1.0μmの範囲のものであり、含有量は通常1〜35重量%である。平均粒子径が0.1μm未満では、フィルムの隠蔽性が劣る傾向があり、一方、1.0μmを超えると製膜連続性が劣ることがある。また、含有量が1重量%未満では、フィルムの白色度と隠蔽性が劣る傾向があり、一方、35重量%を超えると製膜連続性が劣る傾向がある。
本発明のポリエステルフィルムには、上記成分に加えて、平均粒子径0.1〜5.0μmの不定形シリカ粒子を0.01〜1.0重量%含有させることが好ましい。平均粒子径が0.1μm未満または含有量が0.01重量%未満であると、フィルムの搬送性が劣る傾向がある。一方、平均粒子径が5.0μmを超えるまたは含有量が1.0重量%を超えると、フィルムの製膜連続性が低下と、フィルムの二次元算術平均粗さ(Ra)が高くなるため好ましくない。
本発明のポリエステルフィルムには、上記の顔料、シリカ粒子以外にも、必要に応じて従来公知の酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、蛍光増白剤、染料、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤等の添加剤を添加することができる。
本発明のポリエステルフィルムの厚さは特に限定されるわけではないが、フィルムの加工適性として、適度の腰強度を有することが好ましく、通常50〜200μmの範囲であり、好ましくは75〜175μmの範囲内である。厚さが50μm未満では記録材料として腰がなくなると共に、所望の隠蔽性を確保できないことがある。一方、厚さが200μmを超えると面積当たりのコストアップとなる。
以下、本発明のポリエステルフィルムの製造方法に関して具体的に説明するが、本発明の要旨を満足する限り、本発明は以下の例示に限定されるものではない。
まず、公知の手法により乾燥したまたは未乾燥のポリエステルチップを溶融押出装置に供給し、それぞれのポリマーの融点以上である温度に加熱し溶融する。次いで、溶融したポリマーをダイから押出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
本発明においては、このようにして得られたシートを2軸方向に延伸してフィルム化する。延伸条件について具体的に述べると、前記未延伸シートを、好ましくは縦方向に70〜145℃で2〜6倍に延伸し、縦1軸延伸フィルムとした後、横方向に90〜160℃で2〜6倍延伸を行い、150〜240℃で1〜600秒間熱処理を行うことが好ましい。さらにこの際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましい。また、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加することも可能である。
また、前記のポリエステルフィルムは、単層であっても多層であっても構わない。
本発明のフィルムは、記録材料用として使用されたときに特にその優れた効果を発揮するが、特に宣伝広告の内照式電飾看板の記録材料の基材に使用した際に視認する角度によって色相が優れたポリエステルフィルムを提供することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法は次のとおりである。
(1)フィルム厚み
フィルムを電子マイクロメーター(アンリツ製 K−402B)にて、10点厚みを測定し、平均値をフィルムの厚みとした。
フィルムを電子マイクロメーター(アンリツ製 K−402B)にて、10点厚みを測定し、平均値をフィルムの厚みとした。
(2)ポリエステルの固有粘度の測定
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(3)添加粒子の平均粒径(d50:μm)の測定
(株)島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−CP3型を用いて、ストークスの抵抗則に基づく沈降法によって粒子の大きさを測定した。測定により得られた粒子の等価球形分布における積算(体積基準)50%の値を用いて平均粒径とした。
(株)島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−CP3型を用いて、ストークスの抵抗則に基づく沈降法によって粒子の大きさを測定した。測定により得られた粒子の等価球形分布における積算(体積基準)50%の値を用いて平均粒径とした。
(4)色調測定(L値、a値、b値)
日本電色工業社製、測色色差計DN−300Aを用いて、JIS Z−8722の方法に準じて、色調をL値、a値、b値として測定した。尚、C光源、2度視野で測定した。
日本電色工業社製、測色色差計DN−300Aを用いて、JIS Z−8722の方法に準じて、色調をL値、a値、b値として測定した。尚、C光源、2度視野で測定した。
(5)全光線透過率
日本電色工業社製、濁度計NDH2000を用いて、JIS―K7136に準じ、全光線透過率を測定した。
日本電色工業社製、濁度計NDH2000を用いて、JIS―K7136に準じ、全光線透過率を測定した。
(6)フィルムの表面粗さ(二次元算術平均粗さ:Ra)
小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE3500)を用い、JIS−B−0601−1994に準じて測定した。尚、カットオフ値は0.08mmとした。
小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE3500)を用い、JIS−B−0601−1994に準じて測定した。尚、カットオフ値は0.08mmとした。
(7)光沢度
日本電色工業製、光沢計VG−2000を用いて、JIS-Z8741に準じ、鏡面光沢度で、入射角と受光角を共に60度として測定した。
日本電色工業製、光沢計VG−2000を用いて、JIS-Z8741に準じ、鏡面光沢度で、入射角と受光角を共に60度として測定した。
(8)画像視認性
セイコーエプソン社製のインクジェットプリンタPM−700Cにてチェックパターンの画像出力を行い、反射光および透過光により透明支持体側からの画像視認性を3m離れた位置から目視観察し、以下の基準にしたがって評価した。
◎:反射光での視認性および透過光での視認性ともに良好でありバランスがとれている ○:反射光での視認性および透過光での視認性ともに良好であるが、バランスがやや劣る
×:反射光での視認性または透過光での視認性が良好でない
ここでいう、反射光の視認性は昼間フィルム背面からの無灯時に印刷正面からの画像読み取り性をいう。また透過光での視認性は夜間フィルム背面からの光源透過時に印刷正面からの画像読み取り性をいう。
セイコーエプソン社製のインクジェットプリンタPM−700Cにてチェックパターンの画像出力を行い、反射光および透過光により透明支持体側からの画像視認性を3m離れた位置から目視観察し、以下の基準にしたがって評価した。
◎:反射光での視認性および透過光での視認性ともに良好でありバランスがとれている ○:反射光での視認性および透過光での視認性ともに良好であるが、バランスがやや劣る
×:反射光での視認性または透過光での視認性が良好でない
ここでいう、反射光の視認性は昼間フィルム背面からの無灯時に印刷正面からの画像読み取り性をいう。また透過光での視認性は夜間フィルム背面からの光源透過時に印刷正面からの画像読み取り性をいう。
以下に実施例および比較例を示すが、これに用いたポリエステルの製造方法は次のとおりである。
〈ポリエステルの製造〉
<ポリエステル(A)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.01部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.68に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(A)の極限粘度は0.71、ジエチレングリコール含有量は1.0モル%であった。
〈ポリエステルの製造〉
<ポリエステル(A)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.01部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.68に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(A)の極限粘度は0.71、ジエチレングリコール含有量は1.0モル%であった。
<ポリエステル(B)の製造方法>
ポリエステルAの製造方法において、エステル交換反応を終了後、次いで、平均粒径3.5μmのシリカ粒子を1.6重量部含有するエチレングリコールスラリーを反応系に添加し、さらにエチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後系内を常圧に戻しポリエステルBを得た。得られたポリエステルBのシリカ粒子含有量は1.0重量%であった。またこのポリエステルの固有粘度は0.64であった。
ポリエステルAの製造方法において、エステル交換反応を終了後、次いで、平均粒径3.5μmのシリカ粒子を1.6重量部含有するエチレングリコールスラリーを反応系に添加し、さらにエチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後系内を常圧に戻しポリエステルBを得た。得られたポリエステルBのシリカ粒子含有量は1.0重量%であった。またこのポリエステルの固有粘度は0.64であった。
<ポリエステル(C)の製造方法>
ポリエステル(A)50重量部に、平均粒径0.3μmのアナターゼ型二酸化チタン50重部を混合し、該混合物をベント式2軸押出機に供給して予備混練りした。次いで、溶融ポリマーを連続的にベント式単軸混練り機に供給した後、十分に混練りして、酸化チタン含有マスターペレットとしてポリエステル(C)を得た。得られたポリエステル(C)は、極限粘度0.49であった。
ポリエステル(A)50重量部に、平均粒径0.3μmのアナターゼ型二酸化チタン50重部を混合し、該混合物をベント式2軸押出機に供給して予備混練りした。次いで、溶融ポリマーを連続的にベント式単軸混練り機に供給した後、十分に混練りして、酸化チタン含有マスターペレットとしてポリエステル(C)を得た。得られたポリエステル(C)は、極限粘度0.49であった。
実施例1:
前述のポリエステル(A)/ポリ エステル(B)/ポリエステル(C)をそれぞれ92/3/5(重量部)の割合で混合し、ベント式二軸押出機に各々を供給し、それぞれ280℃で溶融し、共押出して口金から押出し静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.1倍延伸した後テンターに導き、横方向に110℃で3.4倍延伸し、230℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、厚さ101μmの単層ポリエステルフィルムを得た。
前述のポリエステル(A)/ポリ エステル(B)/ポリエステル(C)をそれぞれ92/3/5(重量部)の割合で混合し、ベント式二軸押出機に各々を供給し、それぞれ280℃で溶融し、共押出して口金から押出し静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.1倍延伸した後テンターに導き、横方向に110℃で3.4倍延伸し、230℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、厚さ101μmの単層ポリエステルフィルムを得た。
実施例2:
前述のポリエステル(A)/ポリエステル(B)/ポリエステル(C)をそれぞれ94/3/3(重量部)の割合で混合した以外は実施例1と同様にして単層ポリエステルフィルムを得た。得られた単層ポリエステルフィルムの厚さは100μmであった。
前述のポリエステル(A)/ポリエステル(B)/ポリエステル(C)をそれぞれ94/3/3(重量部)の割合で混合した以外は実施例1と同様にして単層ポリエステルフィルムを得た。得られた単層ポリエステルフィルムの厚さは100μmであった。
実施例3:
前述のポリエステル(A)/ポリエステル(B)/ポリエステル(C)をそれぞれ91/3/6(重量部)の割合で混合した以外は実施例1と同様にして単層ポリエステルフィルムを得た。得られた単層ポリエステルフィルムの厚さは100μmであった。
前述のポリエステル(A)/ポリエステル(B)/ポリエステル(C)をそれぞれ91/3/6(重量部)の割合で混合した以外は実施例1と同様にして単層ポリエステルフィルムを得た。得られた単層ポリエステルフィルムの厚さは100μmであった。
実施例4:
前述の実施例1と同様にしてポリエステル(A)/ポリエステル(B)/ポリエステル(C)をそれぞれ94/3/3(重量部)の割合で混合し厚さ150μmの単層ポリエステルフィルムを得た。
前述の実施例1と同様にしてポリエステル(A)/ポリエステル(B)/ポリエステル(C)をそれぞれ94/3/3(重量部)の割合で混合し厚さ150μmの単層ポリエステルフィルムを得た。
比較例1:(特許文献4 実施例27の配合に準拠)
前述のポリエステル(A)/ポリエステル(B)/ポリエステル(C)をそれぞれ77/3/20(重量部)の割合で混合し、縦方向に延伸した後、片面に塗布剤[II]を塗布した以外は実施例1と同様にして厚さ100μmの単層ポリエステルフィルムを得た。なお、比較例1のフィルムは、インクジェット記録材料として使用した際、十分な印刷塗工材の密着性が得られなかった。
前述のポリエステル(A)/ポリエステル(B)/ポリエステル(C)をそれぞれ77/3/20(重量部)の割合で混合し、縦方向に延伸した後、片面に塗布剤[II]を塗布した以外は実施例1と同様にして厚さ100μmの単層ポリエステルフィルムを得た。なお、比較例1のフィルムは、インクジェット記録材料として使用した際、十分な印刷塗工材の密着性が得られなかった。
比較例2:
前述のポリエステル(A)/ポリエステル(B)/ポリエステル(C)をそれぞれ14/55/31(重量部)の割合で混合した以外は実施例1と同様にして単層ポリエステルフィルムを得た。なお、比較例2のフィルムは、記録材料の基材としての解像性が十分満たせなかった。
前述のポリエステル(A)/ポリエステル(B)/ポリエステル(C)をそれぞれ14/55/31(重量部)の割合で混合した以外は実施例1と同様にして単層ポリエステルフィルムを得た。なお、比較例2のフィルムは、記録材料の基材としての解像性が十分満たせなかった。
比較例3:
前述のポリエステル(A)/ポリエステル(B)/ポリエステル(C)をそれぞれ87/13/0(重量部)の割合で混合した以外は実施例1と同様にして単層ポリエステルフィルムを得た。なお、比較例3のフィルムは、記録材料の基材としての明るさが強く十分な色調が満たせなかった。
前述のポリエステル(A)/ポリエステル(B)/ポリエステル(C)をそれぞれ87/13/0(重量部)の割合で混合した以外は実施例1と同様にして単層ポリエステルフィルムを得た。なお、比較例3のフィルムは、記録材料の基材としての明るさが強く十分な色調が満たせなかった。
比較例4:
前述のポリエステル(A)/ポリエステル(B)/ポリエステル(C)をそれぞれ86/6/8(重量部)の割合で混合した以外は実施例1と同様にして単層ポリエステルフィルムを得た。なお、比較例4のフィルムは、記録材料の基材としての解像性が十分満たせなかった。
前述のポリエステル(A)/ポリエステル(B)/ポリエステル(C)をそれぞれ86/6/8(重量部)の割合で混合した以外は実施例1と同様にして単層ポリエステルフィルムを得た。なお、比較例4のフィルムは、記録材料の基材としての解像性が十分満たせなかった。
比較例5:
前述のポリエステル(A)/ポリエステル(B)/ポリエステル(C)をそれぞれ93/6/1(重量部)の割合で混合した以外は実施例1と同様にして単層ポリエステルフィルムを得た。なお、比較例5のフィルムは、記録材料の基材としての明るさが強く十分な色調が満たせなかった。
前述のポリエステル(A)/ポリエステル(B)/ポリエステル(C)をそれぞれ93/6/1(重量部)の割合で混合した以外は実施例1と同様にして単層ポリエステルフィルムを得た。なお、比較例5のフィルムは、記録材料の基材としての明るさが強く十分な色調が満たせなかった。
以上、得られたフィルムの物性値およびインクジェット記録材料部材適性について下記表2にまとめて示す。本発明の要件を満たすフィルムは、インクジェット記録材料としの適性が高いことがわかる。
本発明のフィルムは、宣伝広告の内照式電飾看板の記録材料の基材のほか、液晶ディスプレイや内照式電飾看板用の反射板、垂れ幕、横断膜、インクジェット記録材料の基材、タッチパネル液晶モニタ用の基材、バックライト用、用紙代替、ビデオプリンタ用受像紙、バーコードプリンタ用受像紙、ポスター、表示板、白板、オフセット印刷、などの各種印刷記録に用いられる受容シートの基材として用いることができる。
Claims (1)
- 白色のポリエステルフィルムであり、当該フィルムの全光線透過率が30〜50%の範囲であり、Lab表色系におけるb値が−4〜5の範囲であり、当該フィルム表面の二次元算術平均粗さ(Ra)が21〜50nmの範囲であることを特徴とする内照式電飾看板の記録材料用白色ポリエステルフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012068553A JP2013199578A (ja) | 2012-03-26 | 2012-03-26 | 記録材料用白色ポリエステルフィルム |
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- 2012-03-26 JP JP2012068553A patent/JP2013199578A/ja active Pending
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