JP2013199294A - 蓋付容器、蓋付容器の製造方法および蓋付容器の製造装置 - Google Patents

蓋付容器、蓋付容器の製造方法および蓋付容器の製造装置 Download PDF

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戸 卓 加
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田 克 巳 亀
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野 政 人 油
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辺 薫 渡
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Abstract

【課題】互いに異なる接着力を有する第1領域および第2領域を容易に形成することができる、蓋付容器の製造方法を提供する。
【解決手段】蓋付容器の製造方法は、蓋10およびフランジ部23を挟圧しながら超音波振動を印加することによって、フランジ部23と蓋10との間に接着層30を形成する接着工程を備えている。接着工程は、支持部材60を用いてフランジ部23を支持しながら、押圧部材50を用いて蓋10を部分的に押圧する押圧工程と、支持部材60または押圧部材50の少なくともいずれか一方を超音波振動させて接着層30を形成する超音波処理工程と、を有している。押圧部材50は、離散的に配置され、蓋10に向かって突出した複数の突出部53を含んでいる。各突出部53は、蓋10の第1領域14の接着力が蓋10の第2領域15の接着力よりも小さくなるよう構成されている。
【選択図】図11

Description

本発明は、開口部が形成された容器であって、開口部の周縁に設けられたフランジ部を有する容器と、容器のフランジ部に接着され、容器の開口部を覆う蓋と、を備えた蓋付容器に関する。また本発明は、蓋付容器を製造するための製造方法および製造装置に関する。
近年、食品や化成品等を包装するための蓋付容器には、内容物保護や保存のための十分な密封性だけでなく、消費時における蓋の取り外しを容易にするための易開封性、いわゆるイージーピール性が要求されている。易開封性に関しては、蓋の取り外し易さを蓋の全域にわたって向上させる形態に加えて、蓋の取り外し易さを蓋の一部分でのみ向上させる形態が提案されている。例えば特許文献1において、強力接着領域と、強力接着領域よりも小さい接着力を有する剥離容易な接着領域と、に区画された蓋用の素材シートが提案されている。特許文献1においては、素材シートの接着層として、強力接着領域に対応する第1の接着層と、剥離容易な接着領域に対応し、第1の接着層よりも小さい接着力を有する第2の接着層と、を含む接着層が用いられている。
実開昭61−140825号公報
特許文献1においては、第2の接着層における接着力を第1の接着層における接着力よりも小さくするため、第1の接着層および第2の接着層で互いに異なる接着剤を用いている。すなわち、同一平面上において、接着層を構成する材料が場所によって異なっている。このため、同一平面上において同一の材料を用いて接着層を構成する場合に比べて、素材シートの製造工程が煩雑になると考えられる。
本発明は、このような課題を効果的に解決し得る蓋付容器、蓋付容器の製造方法および蓋付容器の製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、開口部が形成された容器のフランジ部に蓋を接着して蓋付容器を製造する方法であって、前記蓋および前記フランジ部を挟圧しながら超音波振動を印加することによって、前記フランジ部と前記蓋との間に、前記フランジ部および前記蓋のいずれにも溶着されている接着層を形成する接着工程を備え、前記接着工程は、支持部材を用いて前記フランジ部を支持しながら、押圧部材を用いて前記蓋を部分的に押圧する押圧工程と、前記支持部材または前記押圧部材の少なくともいずれか一方を超音波振動させて前記接着層を形成する超音波処理工程と、を有し、前記押圧部材は、離散的に配置され、前記蓋に向かって突出した複数の突出部を含み、前記接着層は、前記押圧部材の各突出部に対応して離散的に形成される複数の接着部を有し、前記蓋のうち前記接着部が溶着される領域は、前記蓋の法線方向から見た場合に、少なくとも第1領域および第2領域に区画され、前記押圧部材の各突出部は、前記第1領域に形成される各接着部によって得られる接着力が前記第2領域に形成される各接着部によって得られる接着力よりも小さくなるよう構成されている、蓋付容器の製造方法である。
本発明による蓋付容器の製造方法によれば、蓋またはフランジ部に向かって突出した複数の突出部を含む押圧部材を用いて蓋またはフランジ部を部分的に押圧することにより、各突出部の押圧力や押圧面積に対応した接着力を有する複数の接着部を形成することができる。このため、各突出部の形状や配置を適切に設定することにより、接着部を構成する材料を場所によって変更することなく、互いに異なる接着力を有する第1領域および第2領域を1回の接着工程によって形成することができる。このことにより、易開封性を備えた蓋付容器を少ない工数で製造することができる。
本発明による蓋付容器の製造方法において、前記押圧部材の各突出部は、前記第1領域に形成される各接着部の面積の平均値が前記第2領域に形成される各接着部の面積の平均値よりも小さくなるよう構成されていてもよい。
本発明による蓋付容器の製造方法において、前記押圧部材の各突出部は、前記第1領域に形成される各接着部の単位面積あたりの個数が前記第2領域に形成される各接着部の単位面積あたりの個数よりも小さくなるよう構成されていてもよい。
本発明は、開口部が形成された容器のフランジ部に蓋を接着して蓋付容器を製造する装置であって、前記蓋および前記フランジ部を挟圧する挟圧機構と、前記挟圧機構に超音波振動を印加する超音波振動生成機構と、を備え、前記挟圧機構によって前記蓋および前記フランジ部を挟圧しながら前記超音波振動生成機構によって前記挟圧機構に超音波振動を印加することによって、前記フランジ部と前記蓋との間に、前記フランジ部および前記蓋のいずれにも溶着されている接着層が形成され、前記挟圧機構は、前記フランジ部を支持する支持部材と、前記蓋を部分的に押圧する押圧部材と、を有し、前記押圧部材は、離散的に配置され、前記蓋に向かって突出した複数の突出部を含み、前記接着層は、前記押圧部材の各突出部に対応して離散的に形成される複数の接着部を有し、前記蓋のうち前記接着部が溶着される領域は、前記蓋の法線方向から見た場合に、少なくとも第1領域および第2領域に区画され、前記押圧部材の各突出部は、前記第1領域に形成される各接着部によって得られる接着力が前記第2領域に形成される各接着部によって得られる接着力よりも小さくなるよう構成されている、蓋付容器の製造装置である。
本発明による蓋付容器の製造装置によれば、蓋またはフランジ部に向かって突出した複数の突出部を含む押圧部材を用いて蓋またはフランジ部を部分的に押圧することにより、各突出部の押圧力や押圧面積に対応した接着力を有する複数の接着部を形成することができる。このため、各突出部の形状や配置を適切に設定することにより、接着部を構成する材料を場所によって変更することなく、互いに異なる接着力を有する第1領域および第2領域を1回の接着工程によって形成することができる。このことにより、易開封性を備えた蓋付容器を少ない工数で製造することができる。
本発明による蓋付容器の製造装置において、前記押圧部材の各突出部は、前記第1領域に形成される各接着部の面積の平均値が前記第2領域に形成される各接着部の面積の平均値よりも小さくなるよう構成されていてもよい。
本発明による蓋付容器の製造装置において、前記押圧部材の各突出部は、前記第1領域に形成される各接着部の単位面積あたりの個数が前記第2領域に形成される各接着部の単位面積あたりの個数よりも小さくなるよう構成されていてもよい。
本発明は、開口部が形成された容器であって、前記開口部の周縁に設けられたフランジ部を有する容器と、前記容器の前記フランジ部上に配置され、前記容器の前記開口部を覆う蓋と、前記容器の前記フランジ部と前記蓋との間に位置し、前記フランジ部および前記蓋のいずれにも溶着されている接着層と、を備え、前記接着層は、離散的に配置され、前記フランジ部および前記蓋のいずれにも溶着されている複数の接着部を有し、前記蓋のうち前記接着部が溶着される領域は、前記蓋の法線方向から見た場合に、少なくとも第1領域および第2領域に区画され、前記第1領域内に位置する各接着部によって得られる接着力が、前記第2領域内に位置する各接着部によって得られる接着力よりも小さくなっている、蓋付容器である。
本発明による蓋付容器によれば、フランジ部と蓋との間に位置する接着層は、フランジ部および蓋のいずれにも溶着されている複数の接着部を有している。このため、各接着部によって実現される接着力を適切に設定することにより、互いに異なる接着力を有する第1領域および第2領域を容易に構成することができる。このことにより、易開封性を備えた蓋付容器を簡易な構造で実現することができる。
本発明による蓋付容器において、前記第1領域における各接着部の面積の平均値は、前記第2領域における各接着部の面積の平均値よりも小さくなっていてもよい。
本発明による蓋付容器において、前記第1領域において単位面積あたりに存在する各接着部の数は、前記第2領域において単位面積あたりに存在する各接着部の数よりも少なくなっていてもよい。
本発明によれば、互いに異なる接着力を有する第1領域および第2領域を容易に構成することができる。
図1は、本発明の実施の形態における蓋付容器を示す縦断面図。 図2(a)(b)はそれぞれ、蓋の層構成の一例を示す縦断面図。 図3(a)〜(e)はそれぞれ、容器のフランジ部の層構成の一例を示す縦断面図。 図4(a)は、図1に示す蓋付容器の蓋およびフランジ部を拡大して示す縦断面図、図4(b)は、図4(a)に示される接着層30の変形例を示す図。 図5は、図1に示す蓋付容器の蓋を拡大して示す平面図。 図6(a)は、図5において枠VIaで囲まれた領域を拡大して示す平面図、図6(b)は、図5において枠VIbで囲まれた領域を拡大して示す平面図。 図7は、本発明の実施の形態における蓋付容器の製造装置を示すブロック図。 図8は、蓋付容器の製造装置の挟圧機構を拡大して示す縦断面図。 図9は、図8に示す挟圧機構の押圧部材の突出部を拡大して示す平面図。 図10は、図8に示す挟圧機構の押圧部材を示す平面図。 図11(a)は、図10に示す押圧部材をXIa−XIa方向から見た縦断面図、図11(b)は、図10に示す押圧部材をXIb−XIb方向から見た縦断面図。 図12(a)〜(d)は、本発明の実施の形態において、蓋をフランジ部に接着して蓋付容器を製造する方法を示す図。 図13は、第2の比較の形態における蓋付容器の製造方法を示す図。 図14は、第3の比較の形態における蓋付容器の製造方法を示す図。 図15(a)(b)は、押圧部材の一変形例を示す図。 図16(a)(b)は、押圧部材の一変形例を示す図。 図17(a)(b)はそれぞれ、蓋の第1領域および第2領域の一変形例を示す図。
以下、図1乃至図12(a)〜(d)を参照して、本発明の実施の形態について説明する。まず図1により、本実施の形態における蓋付容器19全体について説明する。
蓋付容器
図1に示すように、蓋付容器19は、容器20と、容器20に接着された蓋10と、を備えている。このうち容器20は、開口部22が形成された本体部21と、本体部21の上端部、すなわち開口部22の周縁に設けられ、水平方向外方に延びるフランジ部23と、を有している。また蓋10は、容器20のフランジ部23上に配置され、そしてフランジ部23に接着されている。
図1において、容器20の本体部21の内側の面および外側の面がそれぞれ符号21aおよび符号21bで示されている。また、容器20のフランジ部23のうち蓋10側の面が符号23aで示されており、蓋10とは反対側の面が符号23bで示されている。また、蓋10のうち容器20側の面が符号10aで示されており、容器20とは反対側の面が符号10bで示されている。
次に、蓋10の層構成の例および容器20の層構成の例について説明する。なお以下の説明において、樹脂名は、業界において慣用された意味で用いられる。例えばポリプロピレン樹脂には、ホモポリマー以外に、他のオレフィン、特にエチレンが共重合されたものが含まれる。

はじめに蓋10の層構成について説明する。図2(a)に示すように、蓋10は、シール層13aと、シール層13aを支持する基材13bと、を有している。図2(a)に示すように、シール層13aによって蓋10の容器20側の面10aが構成されており、基材13bによって容器20とは反対側の面10bが構成されている。
(シール層)
シール層13aは、後述するように圧力および超音波振動による摩擦熱によって少なくとも部分的に溶融して接着部を構成するための層である。シール層13aを構成する材料としては、圧力および超音波振動によって溶融することができる様々な材料が用いられ得る。例えばシール層13aは、シール層13aの最外面(最もフランジ部23側の面)に位置し、高密度ポリエチレン樹脂およびポリプロピレン樹脂の混合物から構成される層を含んでいる。この場合、フランジ部23がポリプロピレンから構成されていると仮定すると、通常160℃〜200℃程度、特に好ましくは170℃〜190℃程度でシール層13aが溶融して接着部が構成される。
高密度ポリエチレン樹脂としては、密度が0.945〜0.965g/cmの範囲内で、メルトフローレート(MFR)が1〜7g/10分(190℃)の範囲内となっている、比較的溶融粘度の高い樹脂が適している。ここでMFRは、例えば「JIS K6922」に準拠した手法により測定された値として定義される。
またポリプロピレン樹脂としては、密度が約0.9g/cmで、MFRが10〜25g/10分(230℃)の範囲内となっている、比較的溶融粘度の低い樹脂が適している。また、ポリエチレンとのブレンド性および製膜適性に優れ、かつ適度な接着力を得るためポリプロピレン樹脂として、エチレンとプロピレンのランダム共重合体を使用することが好ましい。ここでMFRは、例えば「JIS K6921」に準拠した手法により測定した値として定義される。
シール層13aにおける高密度ポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂とのブレンド比率は、20〜60重量部の高密度ポリエチレン樹脂と、40〜80重量部のポリプロピレン樹脂とからなることが好ましいが、フランジ部23を構成する材料や、求められる接着力や易開封性などに応じて適宜変更され得る。なお一般に、ポリプロピレンの比率が高いと接着力が高くなりすぎて良好な易開封性が得られず、一方、ポリプロピレンの比率が低いと接着力が低くなり、包装容器としての密封性が満足されない。
シール層13aにおいて高密度ポリエチレンとポリプロピレンとは非相溶性となっており、このため一般に、成分比率の高いほうが海、成分比率の低いほうが島を形成するような表面構造(海島構造)をとる。なお、MFRを適切にコントロールすることによって海島構造を制御することが可能であり、適当な凝集破壊強度を達成することができる。
なおシール層13aには、高密度ポリエチレン樹脂およびポリプロピレン樹脂の混合物から構成される層に加えて、その他の層、例えばポリプロピレン樹脂のみからなる層がさらに設けられていてもよい。またシール層13aが、高密度ポリエチレンやポリプロピレンなどの単一の材料から構成されていてもよい。
シール層13aの厚みが特に限られることはなく、フランジ部23を構成する材料や、求められる接着力などに応じて適宜変更され得る。例えば、シール層13aのうち、後述する接着工程において溶融する層であって、シール層13aの最外面に位置する層(例えば上述の高密度ポリエチレン樹脂およびポリプロピレン樹脂の混合物からなる層)の厚みは1〜20μmの範囲内となっており、例えば5μmとなっている。
(基材)
基材13bの構成や材料は、様々な観点に基づいて決定され得る。例えば、シール層13aと相俟って易開封性に寄与するという観点や、包装容器の蓋に求められる強度や製膜安定性、および、ボイル処理等の過熱処理に耐え得る耐熱性を実現するという観点が挙げられる。また、蓋10が容器20から取り外される際に蓋10がカットされる場合、易カット性という観点も考えられる。このような種々の要求を満たす材料として、例えば、メタロセン触媒を用いて重合したポリエチレン樹脂を挙げることができる。メタロセン触媒を用いて重合したポリエチレン樹脂は、分子量分布が比較的シャープであるため好ましいものであり、特にメタロセン触媒を用いて重合したエチレン・α−オレフィン共重合体の樹脂が好ましく、中でもエチレン・α−オレフィン共重合体の密度0.91g/cm以上0.94g/cm以下の樹脂が特に好ましい。
また、基材13bを構成する材料として、ポリプロピレン樹脂を挙げることもできる。ポリプロピレン樹脂としては、シール層13aの場合と同様に、密度が約0.9g/cmで、MFRが10〜25g/10分(230℃)の範囲内となっている、比較的溶融粘度の低い樹脂が適している。また、適度な接着力を得るためポリプロピレン樹脂として、エチレンとプロピレンのランダム共重合体を使用することもできる。更に、基材13bとしては、ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、紙等を挙げることができる。
好ましくは、基材13bは、上記の樹脂を使用して1層乃至3層に積層した積層樹脂層として形成される。
なお図2(b)に示すように、基材13bとシール層13aとの間にさらにバリア層13cが設けられていてもよい。バリア層13cは、水蒸気などに対するバリア性を有する層であり、例えばアルミニウムなどから構成されている。また基材13bとして、バリア性を有する膜が内包された基材13bを用いてもよい。例えば、バリア性を有する蒸着膜が設けられたPET(IB−PET)が基材13bとして用いられてもよい。蒸着膜を構成する材料としては、例えば、シリカ、アルミナまたはアルミニウムなどを挙げることができる。また図示はしないが、二軸延伸ナイロンから構成される層が基材13bとシール層13aとの間にさらに設けられていてもよい。
容器
次に容器20の構成について説明する。容器20としては、超音波振動を利用して蓋10を接着することができる様々なタイプの容器20を用いることができ、例えば、プラスチック容器、紙製容器、インモールドラベル容器、複合容器などを用いることができる。ここで複合容器とは、厚紙などを基材とし、その両面にプラスチックフィルムなどを積層した積層体を用いて、本体部21の一部分を形成するためのブランク板を作製し、このブランク板を成形金型内に挿入して、射出成形により本体部21のその他の部分およびフランジ部23をプラスチックで一体成形することにより得られる容器である。
以下、容器20のタイプごとに、容器20の本体部21の層構成の具体例を説明する。
(プラスチック容器)
はじめに、容器20が、プラスチックシートのブロー成型によって得られるプラスチック容器である場合について説明する。この場合、容器20の本体部21を構成するプラスチックシートの材料としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。また、これらの樹脂の積層体、例えば、ポリプロピレン樹脂/酢酸ビニル共重合体/ポリプロピレン樹脂からなる積層体等を使用することもできる。あるいは、これらの樹脂に珪酸マグネシウム等のフィラーを混入して使用することもできる。プラスチックシートの厚さは、例えば0.3〜3.0mmの範囲となっており、好ましくは0.5〜2.0mmの範囲内となっている。厚さが0.3mm未満の場合、容器20の強度が弱くなってしまい、一方3.0mmを超えた場合、成形加工がしにくくなる。なお、熱可塑性樹脂は発泡していてもよい。
次に、容器20が、熱可塑性樹脂を用いた射出成型によって得られるプラスチック容器である場合について説明する。この場合、容器20の本体部21を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の樹脂およびそれらを複合した樹脂等を挙げることができる。例えば、ポリプロピレン樹脂/ エチレン−酢酸ビニル共重合体/ ポリプロピレン樹脂の層構成を使用することができる。なお、熱可塑性樹脂は発泡していてもよい。
(紙製容器)
次に、容器20が紙製容器である場合について説明する。この場合、紙製容器の層構成としては、以下の例を挙げることができる。
(1)蓋10側から順に、熱可塑性樹脂層/紙層
(2)蓋10側から順に、熱可塑性樹脂層/紙層/熱可塑性樹脂層28c
熱可塑性樹脂層としては、熱によって溶融し得る樹脂、例えばポリオレフィン系樹脂を使用することができる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−αオレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテンポリマ− 、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他等の樹脂を使用することができる。熱可塑性樹脂層の厚みは、例えば10〜300μmの範囲内となっており、好ましくは20〜100μmの範囲内となっている。なお、熱可塑性樹脂は発泡していてもよい。
紙層としては、賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有するものを使用することができ、例えば、強サイズ性の晒または未晒の紙基材、あるいは、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、その他等の各種の紙基材を使用することができる。好ましくは、紙層の坪量は約80〜600g/mの範囲内となっており、好ましくは約100〜450g/mの範囲内となっている。なお紙層は、文字、図形、絵柄、記号、その他等の所望の印刷絵柄を通常の印刷方式によって任意に形成することができるものとなっていてもよい。
フランジ部
次にフランジ部23の層構成について説明する。なお上述のプラスチック容器や紙製容器においては、基本的に、容器20の本体部21の層構成と、容器20のフランジ部23の層構成とは同一になっている。フランジ部23の層構成は、フランジ部23のうち蓋10側の面23aが、圧力および超音波振動による摩擦熱によって溶融して接着部を形成することができる熱可塑性樹脂層によって構成されている限りにおいて、特には限定されない。
例えば、プラスチック容器の場合、図3(a)に示すように、フランジ部23が熱可塑性樹脂28aのみから構成されていてもよい。熱可塑性樹脂28aとしては、例えば上述のプラスチック容器を構成する材料として用いられる樹脂を挙げることができる。若しくは図3(b)に示すように、フランジ部23が、蓋10側の面23aを構成する熱可塑性樹脂層28aと、さらなる熱可塑性樹脂層28bと、を含んでいてもよい。また図3(c)に示すように、熱可塑性樹脂層28bの面にさらに熱可塑性樹脂層28cが設けられていてもよい。熱可塑性樹脂層28bや熱可塑性樹脂層28cを構成する熱可塑性樹脂としては、例えば上述のプラスチック容器において用いられる熱可塑性樹脂を挙げることができる。
また紙製容器の場合、例えば図3(d)に示すように、フランジ部23が、蓋10側の面23aを構成する熱可塑性樹脂層28dと、紙層28eとで構成される。また図3(e)に示すように、紙層28eの面にさらに熱可塑性樹脂層28fが設けられていてもよい。熱可塑性樹脂層28dや熱可塑性樹脂層28fを構成する熱可塑性樹脂としては、例えば上述の紙製容器において用いられる熱可塑性樹脂を挙げることができる。
接着構造
次に蓋10とフランジ部23との間の接着構造について、図4(a)を参照して説明する。図4(a)は、図1に示す蓋付容器19の蓋10およびフランジ部23を拡大して示す縦断面図である。
図4(a)に示すように、蓋付容器19は、容器20のフランジ部23bと蓋10との間に位置し、フランジ部23および蓋10のいずれにも溶着されている接着層30をさらに備えている。接着層30は、図4(a)に示すように、離散的に配置され、フランジ部23および蓋10のいずれにも溶着されている複数の接着部33を有している。各接着部33は、後述するように、接着工程によって蓋10のシール層13aおよびフランジ部23の熱可塑性樹脂層28aが少なくとも部分的に溶融されることによって形成されるものである。
また図4(a)に示すように、蓋10のうちフランジ部23と反対側の面10bには、複数の凹部11が形成されていてもよい。これら凹部11は、後述するように、接着工程において蓋10が押圧される際に形成されるものであり、接着部33に対応して形成されるものである。もちろん、蓋10の基材13bの材質や厚み、あるいは、接着工程の条件によっては、凹部11が形成されない場合もある。
なお図4(a)においては、蓋10とフランジ部23との間の空間のうち接着部33が存在していない空間にはギャップ31が形成される例が示されているが、これに限られることはない。蓋10とフランジ部23との間の空間のうち接着部33が存在していない空間において、蓋10およびフランジ部23は、肉眼では視認され得ない程度に密着していてもよい。この際、気体分子などの微粒子は蓋10とフランジ部23との間を通過可能となっていてもよい。
また図4(a)において、各接着部33がフランジ部23の蓋10側の面23aよりも蓋10側に部分的に突出している例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、各接着部33は、図4(b)に示すように、フランジ部23の面23aよりも下方に埋め込まれていてもよい。
接着層
次に図5を参照して、蓋10の法線方向D(図4参照)から見た場合の接着層30の構造について説明する。図5は、蓋10および接着層30を図1の上方から見た場合を示す平面図である。
図5に示すように、蓋10は、中央領域10cと、中央領域10cの周辺に位置する周辺領域10dとに区画される。このうち中央領域10cは、容器20の開口部22に対応する領域となっている。また周辺領域10dは、容器20のフランジ部23に対応する領域であって、接着層30の接着部33が形成される領域となっている。図5においては、中央領域10cと周辺領域10dとの間の境界線10eが仮想的に点線で示されている。
本実施の形態においては、蓋10の易開封性を実現するため、蓋付容器19には、接着力の異なる少なくとも2以上の領域が形成されている。例えば図5に示すように、周辺領域10dは、蓋10の法線方向から見た場合に、第1領域14と、第1領域14に隣接する第2領域15とに区画されている。ここで第1領域14は、第2領域15に比べてフランジ部23から容易に剥離され得るように構成されている。具体的には、後述する接着工程において、第1領域14内に位置する各接着部33によって得られる接着力が第2領域15内に位置する各接着部33によって得られる接着力よりも小さくなるよう、接着部33が形成される。このことにより、第2領域15によって通常時の強固な密封性を実現しながら、第1領域14によって剥離時の易開封性を実現することができる。なお本実施の形態において、第1領域14において単位面積あたりに存在する各接着部33の数は、第2領域15において単位面積あたりに存在する各接着部33の数と略同一になっている。
次に、第1領域14における接着力を第2領域15における接着力よりも小さくするための接着部33の構成の一例について、図6(a)(b)を参照して説明する。図6(a)は、第1領域14の一部分であって、図5において枠VIaで囲まれた領域を拡大して示す図である。また図6(b)は、第2領域15の一部分であって、図5において枠VIbで囲まれた領域を拡大して示す図である。
本実施の形態において、各接着部33は、強接着部33aまたは弱接着部33bのいずれかに分類される。ここで強接着部33aおよび弱接着部33bは、強接着部33aが弱接着部33bよりも大きい接着力を有するよう構成されている。例えば図6(a)に示すように、強接着部33aは、弱接着部33bよりも大きい面積を有するよう構成されている。ここで「面積」は、例えば強接着部33aおよび弱接着部33bの断面積として定義されてもよい。また図4(b)に示すように接着部33がフランジ部23の面23aよりも下方に埋め込まれている場合、「面積」は、便宜上、蓋10の凹部11の面積、若しくは、蓋10のうち接着部33とともにフランジ部23の面23aよりも下方に埋め込まれている部分の面積など、接着部33の接着力に影響を及ぼすその他の部分の面積として評価されてもよい。
図6(a)に示すように、第1領域14内に位置する各接着部33は、強接着部33aおよび弱接着部33bから構成されている。一方、図6(b)に示すように、第2領域15内に位置する各接着部33は、強接着部33aから構成されている。このため、第1領域14における各接着部33の面積の平均値は、第2領域15における各接着部33の面積の平均値よりも小さくなっている。このように各接着部33を構成することにより、第1領域14内に位置する各接着部33によって得られる接着力を、第2領域15内に位置する各接着部33によって得られる接着力よりも小さくすることができる。
なお、蓋10が上述のように接着力が互いに異なる第1領域14および第2領域15を有しているかどうかを確認するための方法が特に限られることはなく、様々な方法が適宜用いられ得る。例えば、はじめに確認対象となる蓋付容器19を準備し、次に、蓋付容器19の蓋10の周辺領域10dにおけるいくつかの領域において、フランジ部23に接着されている状態の蓋10の小片を切り出して試験片を作製する。小片の面積は、例えば、上述の第1領域14の面積と同等になっている。その後、切り出された各試験片について、JIS Z0237に規定される試験方法または同等の試験方法に基づいて、フランジ部23の小片に対する蓋10の小片の密着力を測定する。このようにして測定された複数の蓋10の小片の密着力に、易開封性の観点から考えた場合の有意な差が見られる場合、接着力が互いに異なる第1領域14および第2領域15が蓋10に形成されていると認定することができる。なお「易開封性の観点から考えた場合の有意な差」としては、例えば、一の小片における密着力が、その他の小片における密着力の1.2倍以上になっていることが挙げられる。なお本実施の形態による蓋10のフランジ部23に対する密着力を測定した場合も同様に、第2領域15の密着力は、好ましくは第1領域14の密着力の1.2倍以上になっている。
若しくは、各接着部33の面積に基づいて、蓋10が上述のように接着力が互いに異なる第1領域14および第2領域15を有しているかどうかを確認してもよい。例えば、確認対象となる蓋付容器19を準備し、次に、蓋付容器19の蓋10の周辺領域10dを、上述の第1領域14の面積と同等の複数の小領域に区画する。次に、各小領域について、各小領域内における各接着部33の面積の平均値を算出する。この際の「面積」としては、上述のように、各接着部33の断面積を用いてもよく、若しくは、蓋10の凹部11の面積や、蓋10のうち接着部33とともにフランジ部23の面23aよりも下方に埋め込まれている部分の面積などを用いてもよい。このようにして算出された複数の小領域における接着部33の面積の平均値に、易開封性の観点から考えた場合の有意な差が見られる場合、接着力が互いに異なる第1領域14および第2領域15が蓋10に形成されていると認定することができる。なお「易開封性の観点から考えた場合の有意な差」としては、例えば、一の小領域における接着部33の面積の平均値が、その他の小領域における接着部33の面積の平均値の1.2倍以上になっていることが挙げられる。なお本実施の形態による蓋10に形成されている接着部33の面積を評価した場合も同様に、第2領域15における各接着部33の面積の平均値は、好ましくは第1領域14における各接着部33の面積の平均値の1.2倍以上になっている。
なお図5においては、第1領域14と第2領域15との間の境界線16が仮想的に点線で示されている。ところで、易開封性を備えた蓋付容器19においては、蓋10のうち消費者が最初に剥離すべき領域、すなわち第1領域14を消費者に認識させるための何らかの表示が設けられることが考えられる。例えば境界線16の位置に実際に線が描かれていることや、境界線16の位置にハーフカットが形成されていることや、第1領域14に摘み部が設けられていることや、第1領域14に剥離開始部分であることを示す文字や絵柄などが印刷されていることなどが考えられる。このような場合、予め明示されている各領域に対して上述の密着力や面積の平均値の比較を行い、これによって、接着力が互いに異なる第1領域14および第2領域15を蓋10が有しているかどうかを確認することができる。
蓋付容器の製造装置
次に図7乃至図9を参照して、容器20のフランジ部23に蓋10を接着して上述の蓋付容器19を製造するための製造装置40について説明する。はじめに図7および図8を参照して、製造装置40全体について説明する。図7は、製造装置40を示すブロック図であり、図8は、製造装置40の挟圧機構47を拡大して示す縦断面図である。
図7に示すように、製造装置40は、蓋10およびフランジ部23を挟圧する挟圧機構47と、挟圧機構47に超音波振動を印加する超音波振動生成機構48と、を備えている。図7においては、超音波振動生成機構48が押圧部材50に対して超音波振動を印加する例が示されている。この場合、押圧部材50がいわゆる超音波ホーンとして機能する。
挟圧機構47は、図8に示すように、その上に蓋10が配置されたフランジ部23を下方から支持する支持部材60と、蓋10を上方から部分的に押圧する押圧部材50と、を有している。このうち押圧部材50には、押圧部材50を矢印Mの方向(蓋10の法線方向)に沿って移動させる移動機構45が直接的または間接的に取り付けられている。この移動機構45を用いて押圧部材50を支持部材60に向けて移動させることにより、押圧部材50が蓋10を所望の圧力で押圧することができる。なお図7および図8において一点鎖線で示すように、移動機構45は支持部材60に直接的または間接的に取り付けられていてもよい。この場合、移動機構45を用いて支持部材60を押圧部材50に向けて移動させることにより、蓋10を所望の圧力で押圧部材50に当接させることができる。すなわち、押圧部材50が蓋10を所望の圧力で押圧することができる。
また超音波振動生成機構48は、図7に示すように、超音波周波数で振動する電気的信号を生成する発振器41と、発振器41によって生成された電気的信号を機械的信号に変換する振動子42と、振動子42によって生成された機械的振動の振幅を増減させるブースター43と、を有している。発振器41によって生成される電気的信号の周波数は、蓋10およびフランジ部23の形状および材料、または求められる接着力などに応じて適宜設定されるが、例えば10kHz〜100kHzの範囲内、具体的には20kHzや35kHzになっている。振動子42としては、例えばピエゾ圧電素子などが用いられる。ブースター43によって得られる機械的振動の振幅は、蓋10およびフランジ部23の形状や材料、または求められる接着力などに応じて適宜設定されるが、例えば20〜200μmの範囲内となっている。
図7に示すように、超音波振動生成機構48の発振器41およびブースター43、並びに移動機構45は、制御機構44によって制御される。
(押圧部材および支持部材)
次に図8および図9を参照して、押圧部材50および支持部材60について詳細に説明する。図9は、図8に示す押圧部材50の突出部53を蓋10側から見た場合を示す平面図である。
図8に示すように、押圧部材50は、基底部分51と、基底部分51から蓋10に向かって突出した複数の突出部53を含む押圧部分52と、を有している。各突出部53は、図9に示すように、四角錐の先端部を切断することにより形成される、いわゆる四角錐台の形状を有している。図9において、突出部53の側面が符号531によって示されており、突出部53の先端面が符号532によって示されており、突出部53の底面(押圧部分52側の基底面)が符号533によって示されている。後述する接着工程においては、突出部53の先端面532によって蓋10が押圧される。このような突出部53を有する押圧部材50を用いることにより、蓋10の周辺領域10dを部分的に押圧することができる。
図9に示すように、本実施の形態において、各突出部53は離散的に配置されている。ここで「離散的」とは、一の突出部53の先端面532が他の突出部53の先端面532に接していないことを意味している。
一方、支持部材60は、図8に示すように、押圧部材50と対向する側に位置する平坦面60aであって、フランジ部23を支持する平坦面60aを有している。このようにフランジ部23を支持部材60の平坦面60aによって支持することにより、蓋10とフランジ部23との間に生成される圧力分布が主に押圧部材50の突出部53の形状および配置によって決定されるようにすることができる。なお平坦面60aにおける平坦性の程度は、特には限られないが、例えば、一般的な超音波接着において用いられる支持部材(いわゆるバケット)の面が有している平坦性と同等になっている。
(押圧部材)
次に図10を参照して、押圧部材50の法線方向から見た場合の押圧部材50の構造について説明する。図10は、押圧部材50を蓋10側から見た場合を示す平面図である。
本実施の形態において、押圧部材50の各突出部53は、蓋10の第1領域14に形成される各接着部33によって得られる接着力が蓋10の第2領域15に形成される各接着部33によって得られる接着力よりも小さくなるよう構成されている。例えば図10に示すように、押圧部材50は、押圧部材50の法線方向から見た場合に、第1領域56および第2領域57に区画される。ここで第1領域56は、第1領域56内に位置する突出部53からの押圧および超音波振動によって蓋10の第1領域14の各接着部33が形成されるよう構成されている。また第2領域57は、第2領域57内に位置する突出部53からの押圧および超音波振動によって蓋10の第2領域15の各接着部33が形成されるよう構成されている。なお、第1領域56において単位面積あたりに存在する各突出部53の数は、第2領域57において単位面積あたりに存在する各突出部53の数と略同一になっている。
次に、第1領域56および第2領域57の具体的な構成について図11(a)(b)を参照して説明する。図11(a),(b)はそれぞれ、図10に示す押圧部材50をXIa−XIa方向,XIb−XIb方向から見た場合を示す縦断面図である。
本実施の形態において、各突出部53は、高突出部53aまたは低突出部53bのいずれかに分類される。ここで高突出部53aおよび低突出部53bは、高突出部53aの高さhが低突出部53bの高さhよりも大きくなるよう構成されている。また図11(a)に示すように、第1領域56内に位置する各突出部53は、交互に配置された高突出部53aおよび低突出部53bから構成されている。一方、第2領域57内に位置する各突出部53は、高突出部53aから構成されている。このため、蓋10の単位面積あたりで比較した場合、蓋10の第1領域14が押圧部材50から印加される押圧力は、蓋10の第2領域15が押圧部材50から印加される押圧力よりも小さくなっている。このように各突出部53を構成することにより、第1領域14内に形成される各接着部33によって得られる接着力を、第2領域15内に形成される各接着部33によって得られる接着力よりも小さくすることができる。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用および効果について説明する。ここでは図12(a)〜(d)を参照して、上述の製造装置40を用いて蓋付容器19を製造する方法について説明する。なお図12(a)〜(d)の各図において、右側は、押圧部材50の第1領域56によって蓋10の第1領域14を形成する様子を示す図であり、左側は、押圧部材50の第2領域57によって蓋10の第2領域15を形成する様子を示す図である。
はじめに蓋10および容器20を準備する。容器20としては、例えば、その外径が71mmであり、その幅が4mmであるフランジ部23を有し、かつ、ポリプロピレン樹脂から構成された容器20を準備する。次に図12(a)に示すように、製造装置40の支持部材60上に容器20のフランジ部23を載置し、次に、フランジ部23上に蓋10を載置する(載置工程)。次に、製造装置40の挟圧機構47を用いて蓋10およびフランジ部23を挟圧しながら超音波振動を印加することによって、フランジ部23と蓋10との間に、フランジ部23および蓋10のいずれにも溶着されている接着層30を形成する(接着工程)。以下、図12(b)〜(d)を参照して、接着工程について詳細に説明する。
(押圧工程)
まず、支持部材60を用いてフランジ部23を支持しながら、押圧部材50を用いて蓋10を部分的に押圧する。具体的には、はじめに図12(b)に示すように、複数の高突出部53aおよび低突出部53bを有する第1領域56と、複数の高突出部53aを有する第2領域57と、が形成された押圧部材50を準備する。次に図12(b)において矢印Mで示すように、移動機構45を用いて押圧部材50を蓋10に向けて移動させる。この際、移動機構45は、各突出部53a,53bの先端面532が蓋10に当接して各先端面532が蓋10を所定圧力で押圧するよう、押圧部材50を移動させる。これによって、蓋10のうち各突出部53a,53bに対応する部分がフランジ部23に押し込まれる。図12(b)において、蓋10のうち高突出部53aおよび低突出部53bによって押圧されてフランジ部23に押し込まれる部分が強進出部12aおよび弱進出部12bとして示されている。
なお、押圧工程における押圧部材50の位置を決定するための具体的な方法が特に限られることはなく、様々な方法が用いられ得る。例えば、接着層30の各接着部33に求められる接着力、蓋10およびフランジ部23の厚み、各突出部53の高さなどに応じて、移動後の押圧部材50の位置が予め定められていてもよい。この場合、移動機構45は、予め定められた位置まで押圧部材50を移動させる。また、蓋10に対する押圧部材50の位置をモニタする位置モニタ機構(図示せず)が設けられている場合、押圧部材50を所望の位置まで蓋10に押し込むよう、位置モニタ機構からの情報に基づいて制御機構44が移動機構45を制御してもよい。また、押圧部材50と蓋10との間に生成される圧力をモニタする圧力モニタ機構(図示せず)が設けられている場合、圧力が所望の値になるまで押圧部材50を蓋10に押し込むよう、圧力モニタ機構からの情報に基づいて制御機構44が移動機構45を制御してもよい。
(超音波処理工程)
次に、図12(c)において矢印Vで示すように、超音波振動生成機構48を用いて、押圧部材50を所定の振幅および周波数で超音波振動させる。これによって、蓋10の強進出部12aおよび弱進出部12bにおいて摩擦熱が発生する。この結果、蓋10の各進出部12a,12bおよびフランジ部23のうち各進出部12a,12bに接している部分の温度が、蓋10およびフランジ部23を構成する材料の溶融温度に達する。これによって、蓋10のシール層13aおよびフランジ部23の熱可塑性樹脂層28aまたは28dが溶融し、この結果、図12(c)に示すように、各進出部12a,12bが存在していた部分に、蓋10およびフランジ部23のいずれにも溶着されている接着部33が形成される。この際、高突出部53aによる押圧力および押圧面積の方が、低突出部53bによる押圧力および押圧面積よりも大きいため、図12(c)に示すように、高突出部53aに対応する部分には強接着部33aが形成され、低突出部53bに対応する部分には弱接着部33bが形成される。このようにして、交互に配置された強接着部33aおよび弱接着部33bを含む第1領域14と、強接着部33aを含む第2領域15と、を同時に形成することができる。
その後、押圧部材50を蓋10から遠ざける。このようにして、蓋10がフランジ部23に接着された蓋付容器19を製造することができる。なお図12(d)に示すように、蓋10の上面には、押圧部材50の各突出部53の形状や押圧力に応じた形状を有する複数の凹部11が形成されてもよい。
このように本実施の形態によれば、1回の接着工程によって、蓋10の第1領域14に、押圧部材50の高突出部53aおよび低突出部53bに対応する強接着部33aおよび弱接着部33bを形成し、かつ、蓋10の第2領域15に、押圧部材50の高突出部53aに対応する強接着部33aを形成することができる。このため本実施の形態によれば、フランジ部23に対して接着された第2領域15と、第2領域15よりも小さい接着力でフランジ部23に接着された第1領域14とを同時に得ることができる。すなわち、第2領域15に比べて容易に剥離される第1領域14を備えた蓋付容器19を、1回の接着工程で製造することができる。
また本実施の形態によれば、押圧部材50の各突出部53は離散的に配置されている。このため、接着層30の接着部33として、各突出部53と同様に離散的に配置された複数の接着部33を形成することができる。このように複数の接着部33を離散的に配置することにより、各接着部33によって蓋10とフランジ部23との間の接着力を確保しながら、同時に、蓋10とフランジ部23との間のギャップ31によって、蓋付容器19内部の空間と外部環境とを所望の程度で連通させることができる。例えば、各接着部33の分布やギャップ31の寸法を適切に設定することによって、蓋付容器19内部に保持された液体が外部に漏れることを防ぎながら、蓋付容器19内部の空間と外部環境との間での通気性を確保することができる。このため、様々な用途に適用可能な蓋付容器19を提供することができる。
第1比較の形態
次に、本実施の形態の効果を、第1の比較の形態と比較して説明する。第1の比較の形態として、超音波振動を利用することなく熱のみによって接着を実施する方法、いわゆるヒートシール法を用いる場合について説明する。
ヒートシール法によって互いに異なる接着力を有する第1領域14および第2領域15を形成する場合、第1温度に加熱された第1金型と、第1温度よりも高温に加熱された第2金型とを用いて蓋10およびフランジ部23を加熱して蓋10をフランジ部23に接着する。この場合、接着処理中に第2金型の熱が第1金型に伝導されて第1金型と第2金型との間の温度差が小さくなることを防ぐため、第1金型を用いたヒートシールと、第2金型を用いたヒートシールとを別個の工程としてそれぞれ実施することになる。また一般にヒートシールにおいて、金型の熱は、蓋10またはフランジ部23だけでなくその他の周囲環境にも伝導される。すなわち、金型を加熱するためのエネルギーは、蓋10またはフランジ部23を加熱して溶着させること以外のことのために多く消費される。さらにヒートシール法においては、接着される部分と金型との間に異物(水などの液体や付着物等)が存在していると、溶着される部分を効率良く加熱することができず、ヒートシールが困難になる。
これに対して本実施の形態によれば、超音波振動を利用することにより、異なる接着力を有する第1領域14および第2領域15を同時に形成することができる。このため第1の比較の形態の場合に比べて、必要な工数を少なくすることができる。また本実施の形態によれば、蓋10およびフランジ部23を加熱して溶着させるための熱は、主に押圧および超音波振動による摩擦熱によって発生する。このため、第1の比較の形態の場合に比べて、接着されるべき部分を選択的に加熱することができる。従って、高いエネルギー効率で接着を実現することができる。さらに本実施の形態によれば、接着されるべき部分と金型との間に水などの液体が存在していたとしても、押圧による圧力および超音波振動を接着されるべき部分に対して伝達することができる限りにおいて、接着を実現することができる。
第2比較の形態
次に、本実施の形態の効果を、第2の比較の形態と比較して説明する。第2の比較の形態においては、本実施の形態の場合と同様に、超音波振動を利用した接着が実施される。一方、第2の比較の形態で用いられる押圧部材は、平坦面で蓋10を押圧するよう構成されている。図13は、第2の形態による押圧部材70と、押圧部材70によって押圧される蓋10の第1領域14および第2領域15を示す図である。
図13に示す第2の比較の形態において、蓋10の第1領域14に対応する押圧部材70の押圧部分が符号72aで示されており、蓋10の第2領域15に対応する押圧部材70の押圧部分が符号72bで示されている。図13に示すように、各押圧部分72a,72bは、支持部材60と対向する側に位置する平坦面を有している。また、押圧部分72aの厚みは、押圧部分72bの厚みよりもΔhだけ小さくなっている。このように第2の比較の形態においては、押圧部分の厚みを場所によって異ならせることにより、蓋10に対する押圧力を場所によって異ならせることを意図している。
しかしながら、このような平坦面を有する押圧部材70を用いた場合、超音波接着処理によって蓋10を適切にフランジ部23に接着することができない。理由は以下のように考えられる。
超音波接着処理においては、一般に、接着されるべき部分に印加されるエネルギーの密度(以下、印加エネルギー密度と称する)が所定の値を超える場合に接着が実現される。印加エネルギー密度を決定する要素としては、接着されるべき部分に印加される圧力や、超音波振動の振幅および周波数などが挙げられる。ここで第2の比較の形態においては、蓋10の第1領域14および第2領域15がそれぞれ平坦な押圧部材によって押圧される。このため第1領域14および第2領域15の各々において、押圧部材70から印加される圧力がほぼ均一になっている。従って、本実施の場合のように押圧部材50の突出部53を用いて局所的に力を集中させる場合に比べて、押圧部材50から印加される圧力の最大値が小さくなってしまう。従って第2の比較の形態によれば、印加エネルギー密度がどの位置においても所定の値を超えることができず、このため接着を実現できないことが考えられる。
これに対して本実施の形態によれば、押圧部材50の突出部53を用いて力を局所的に集中させることにより、所望の位置における接着をより確実に実現することができる。また各突出部53の高さや面積を場所によって異ならせることにより、形成される各接着部33の接着力を任意に制御することができる。
第3比較の形態
次に、本実施の形態の効果を、第3の比較の形態と比較して説明する。第3の比較の形態においても、本実施の形態の場合と同様に、超音波振動を利用した接着が実施される。図14は、第3の形態による押圧部材75と、押圧部材75によって押圧される蓋10の第1領域14および第2領域15と、容器のフランジ部80とを示す図である。
図14に示す第3の比較の形態において、蓋10の第1領域14に対応するフランジ部が符号80aで示されており、蓋10の第2領域15に対応するフランジ部が符号80bで示されている。図14に示すように、蓋10の第1領域14に対応するフランジ部80aには、支持部材60側に位置する凹部81が形成されている。一方、押圧部材は、本実施の形態の場合とは異なり、第1領域14に対応する押圧部材および第2領域15に対応する押圧部材のいずれも同一の高さの突出部78から構成されている。第3の比較の形態においては、同一の高さの突出部78を用いながら、第1領域14に対応するフランジ部80aに凹部81を形成することにより、第1領域14において蓋10が突出部78から受ける圧力を緩和し、これによって第1領域14に形成される接着部の接着力を弱くすることを意図している。
しかしながら、このように凹部81が形成されたフランジ部80aを用いる場合、接着工程において、フランジ部80aの凹部81に対する押圧部材の突出部78の位置合わせを精密に実施する必要がある。例えば図14に示すように、矢印Mで示される、蓋10に平行な方向における位置合わせを精密に実施する必要がある。このため、接着工程が複雑になり、この結果、蓋付容器の製造効率が低下することが考えられる。
これに対して本実施の形態によれば、第3の比較の形態の場合のような凹部81が形成されていないフランジ部23を用いる場合であっても、第1領域14が押圧部材50から受ける圧力と第2領域15が押圧部材50から受ける圧力とを異ならせることができる。このため、第3の比較の形態の場合に比べてより簡易に接着工程を実施することができ、これによって、高い効率で蓋付容器19を製造することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
接着部および突出部の変形例
上述の本実施の形態において、蓋10の第1領域14に対応する押圧部材50の第1領域56が、交互に配置された高突出部53aおよび低突出部53bを含み、また蓋10の第1領域14に、強接着部33aおよび弱接着部33bが交互に形成される例を示した。しかしながら、第1領域14内に位置する各接着部33によって得られる接着力が第2領域15内に位置する各接着部33によって得られる接着力よりも小さい限りにおいて、第1領域56における各突出部53の具体的な構成や、第1領域14における各接着部33の具体的な構成が特に限られることはない。以下、接着部33および突出部53の構成の変形例について、図15(a)(b)または図16(a)(b)を参照して説明する。図15(a)(b),図16(a)(b)において、(a)は、突出部53の構成の変形例を示す縦断面図であり、(b)は、(a)に示す突出部53を用いることによって形成される蓋10の第1領域14の各接着部33を示す平面図である。
(第1の変形例)
例えば図15(a)に示すように、蓋10の第1領域14に対応する押圧部材50の第1領域56は、第2領域57の高突出部53aよりも小さい高さを有する低突出部53bのみを含んでいてもよい。この場合、図15(b)に示すように、蓋10の第1領域14は、第2領域15の強接着部33aよりも小さい接着力を有する弱接着部33bのみを含んでいる。これによって、第1領域14内に位置する各接着部33によって得られる接着力を、第2領域15内に位置する各接着部33によって得られる接着力よりも小さくすることができる。
(第2の変形例)
また図16(a)(b)に示すように、押圧部材50の各突出部53は、第1領域14に形成される各接着部33の単位面積あたりの個数が第2領域15に形成される各接着部33の単位面積あたりの個数よりも小さくなるよう構成されていてもよい。例えば図16(a)に示すように、第1領域56に含まれる各突出部53の単位面積あたりの個数が、図11(b)に示す本実施の形態における第2領域57に含まれる各突出部53の単位面積あたりの個数の略半分となっていてもよい。この場合、図16(a)に示すように、第1領域56が高突出部53aのみを含む場合であっても、図16(b)に示すように、第1領域14における各接着部33の面積の平均値を、第2領域15における各接着部33の面積の平均値よりも小さくすることができる。この結果、第1領域14内に位置する各接着部33によって得られる接着力を、第2領域15内に位置する各接着部33によって得られる接着力よりも小さくすることができる。
(その他の変形例)
また本実施の形態において、押圧部材50の突出部53が高突出部53aまたは低突出部53bのいずれかに分類され、接着層30の接着部33が強接着部33aまたは弱接着部33bのいずれかに分類される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、突出部53および接着部33がそれぞれ3種類以上に分類されるよう構成されていてもよい。若しくは、突出部53および接着部33がそれぞれ1種類のものから構成されていてもよい。
また本実施の形態および各変形例において、押圧部材50の第1領域56および第2領域57における各突出部53がほぼ等間隔で配置されており、この結果、蓋10の第1領域14および第2領域15に各接着部33がほぼ等間隔で形成される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、第1領域14内に位置する各接着部33によって得られる接着力が第2領域15内に位置する各接着部33によって得られる接着力よりも小さい限りにおいて、各突出部53および各接着部33の配置方法が特に限られることはない。
また本実施の形態および各変形例において、押圧部材50の第1領域56および第2領域57における各突出部53がいずれも四角錐台の形状を有する例を示した。すなわち、各突出部53がほぼ同一の形状を有する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、第1領域14内に位置する各接着部33によって得られる接着力が第2領域15内に位置する各接着部33によって得られる接着力よりも小さい限りにおいて、各突出部53の形状が特に限られることはない。例えば、各突出部53の形状が互いに異なっていてもよい。各突出部53の形状の例としては、円錐形状、円柱形状、円錐台形状、多角錐形状、多角柱形状、多角錐台形状などが挙げられる。
なお各突出部53の形状として円柱形状や多角柱形状が採用される場合、各突出部53の断面積は、突出部53の高さ方向の位置に依らず一定になる。この場合、各突出部53によって押圧される部分の面積は、各突出部53を蓋10に押し込む深さに依らず一定になり、この結果、形成される接着部33の断面積もほぼ一定になることが考えられる。一方、各突出部53の高さを大きくするほど、蓋10が各突出部53によって強く押圧され、この結果、形成される接着部33の接着力は、対応する突出部53の高さが大きいほど強くなると考えられる。このように、各接着部33の接着力は、各接着部33の断面積だけでなく、各接着部33が形成される際の押圧力にも依存することがある。従って、「各接着部33によって得られる接着力」は、各接着部33の断面積だけでなく、その他の観点からも評価され得る。
第1領域および第2領域の変形例
また上述の本実施の形態において、第1領域14が、蓋10の外縁から中央領域10cに向かって蓋10の半径方向に延びる例を示した。すなわち、第1領域14と第2領域15との間の境界線16が、蓋10の中心を通る線からなる例を示した。しかしながら、第1領域14の形状が特に限定されることはなく、蓋10を剥離する態様に応じて様々に設計され得る。例えば図17(a)に示すように、第1領域14と第2領域15との間の境界線16が、蓋10の中心を通らない線からなっていてもよい。また図17(b)に示すように、第1領域14が中央領域10cに通じていなくてもよい。
その他の変形例
また本実施の形態において、超音波振動生成機構48からの超音波振動が押圧部材50に印加される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、超音波振動生成機構48からの超音波振動を支持部材60に印加してもよい。この場合であっても、押圧部材50に対する蓋10およびフランジ部23の相対的な位置を周期的に変化させることができ、これによって、蓋10の強進出部12aおよび弱進出部12bにおいて摩擦熱を発生させることができる。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
フランジ部23を有する容器20として、ポリプロピレン樹脂から構成された容器20を準備した。また蓋10として、容器20のフランジ部23側から順に以下のように配置された各層を含む蓋10を準備した。
シーラント(シール層13a、厚み50μm)/二軸延伸ナイロン(厚み15μm)/アルミニウム(バリア層13c、厚み7μm)/PET(基材13b、厚み12μm)
このうちシーラントの詳細な層構成は以下のとおりであった。
ポリプロピレン樹脂(厚み45μm)/ポリプロピレン樹脂70%+高密度ポリエチレン樹脂30%の混合層(厚み5μm)
上記シーラント層のうちポリプロピレン樹脂70%+高密度ポリエチレン樹脂30%の混合層が、最もフランジ部23側に位置する層である。
フランジ部23に蓋10を接着するための製造装置40の押圧部材50として、図11(a)(b)に示す上述の実施の形態における押圧部材50を準備した。すなわち、交互に配置された高突出部53aおよび低突出部53bを含む第1領域56と、高突出部53aを含む第2領域57と、を有する押圧部材50を準備した。押圧部材50の各突出部53の具体的な形状は、一辺の長さが0.6mmの底面533と、一辺の長さが0.2mmの先端面532と、を有する四角錐台の形状となっていた。各突出部53の高さについては、高突出部53aの高さhを0.3mmとし、低突出部53bの高さhを0.2mmとした。
上述の押圧部材50を備えた製造装置40を用いて、フランジ部23に蓋10を接着した。これによって、押圧部材50の第1領域56からの押圧によって形成された第1領域14と、押圧部材50の第2領域57からの押圧によって形成された第2領域15と、を同時に形成することができた。なお製造装置40としては、上述の押圧部材50以外の部分については、汎用の超音波接着装置を利用することができ、例えば、超音波発振器として2000Xft(日本エマソン株式会社 ブランソン事業本部製)を、aefスタンドとしてaef3.0(日本エマソン株式会社 ブランソン事業本部製)を利用した。
なお押圧部材50の押圧力は、例えば100〜400Nの範囲内で設定することができ、例えば200Nに設定した。また超音波の周波数は20kHzに設定した。超音波振動を押圧部材50に印加する期間は、例えば0.5〜1.2秒の範囲内で設定することができ、例えば0.8秒に設定した。また、振幅は20〜200μmの範囲内で設定することができ、例えば、100μmに設定した。
上述の第1領域14および第2領域15からそれぞれ、フランジ部23に対する蓋10の接着力を評価するための試験片を切り出した。試験片の幅は15mmとした。次に、各試験片に対して180°剥離試験を実施し、これによって、各試験片における、フランジ部23に対する蓋10の密着力(剥離強度)を測定した。この際、剥離角度は180°とし、剥離速度は300mm/minとした。この結果、フランジ部23に対する蓋10の剥離強度の最大値は、第1領域14から切り出した試験片において6.8(N/15mm)となっており、第2領域15から切り出した試験片において9.1(N/15mm)となっていた。
(実施例2)
蓋10として、フランジ部23側から順に以下のように配置された各層を含む蓋10を用いたと以外は、実施例1と同様にして、フランジ部23に対する蓋10の接着力を評価した。
シーラント(シール層13a、厚み50μm)/二軸延伸ナイロン(厚み15μm)/IB−PET(基材13b、厚み12μm)
シーラントの詳細な層構成は、実施例1の場合と同様であった。なお、IB−PETとは、アルミニウムやアルミナやシリカ等の薄膜が蒸着されたPETであり、バリア性を有している。
実施例1の場合と同様にして、フランジ部23に対する蓋10の密着力(剥離強度)を測定した。この結果、フランジ部23に対する蓋10の剥離強度は、第1領域14から切り出した試験片において7.8(N/15mm)となっており、第2領域15から切り出した試験片において10.4(N/15mm)となっていた。
上述の実施例1および実施例2のいずれにおいても、押圧部材50の各突出部53の分布を適切に設定することにより、互いに異なる接着力を有する第1領域14および第2領域15を1回の接着工程によって形成することができた。
10 蓋
14 第1領域
15 第2領域
19 蓋付容器
20 容器
22 開口部
23 フランジ部
30 接着層
33 接着部
40 製造装置
47 挟圧機構
48 超音波振動生成機構
50 押圧部材
53 突出部
56 第1領域
57 第2領域
60 支持部材

Claims (9)

  1. 開口部が形成された容器のフランジ部に蓋を接着して蓋付容器を製造する方法であって、
    前記蓋および前記フランジ部を挟圧しながら超音波振動を印加することによって、前記フランジ部と前記蓋との間に、前記フランジ部および前記蓋のいずれにも溶着されている接着層を形成する接着工程を備え、
    前記接着工程は、
    支持部材を用いて前記フランジ部を支持しながら、押圧部材を用いて前記蓋を部分的に押圧する押圧工程と、
    前記支持部材または前記押圧部材の少なくともいずれか一方を超音波振動させて前記接着層を形成する超音波処理工程と、を有し、
    前記押圧部材は、離散的に配置され、前記蓋に向かって突出した複数の突出部を含み、
    前記接着層は、前記押圧部材の各突出部に対応して離散的に形成される複数の接着部を有し、
    前記蓋のうち前記接着部が溶着される領域は、前記蓋の法線方向から見た場合に、少なくとも第1領域および第2領域に区画され、
    前記押圧部材の各突出部は、前記第1領域に形成される各接着部によって得られる接着力が前記第2領域に形成される各接着部によって得られる接着力よりも小さくなるよう構成されている、蓋付容器の製造方法。
  2. 前記押圧部材の各突出部は、前記第1領域に形成される各接着部の面積の平均値が前記第2領域に形成される各接着部の面積の平均値よりも小さくなるよう構成されている、請求項1に記載の蓋付容器の製造方法。
  3. 前記押圧部材の各突出部は、前記第1領域に形成される各接着部の単位面積あたりの個数が前記第2領域に形成される各接着部の単位面積あたりの個数よりも小さくなるよう構成されている、請求項1または2に記載の蓋付容器の製造方法。
  4. 開口部が形成された容器のフランジ部に蓋を接着して蓋付容器を製造する装置であって、
    前記蓋および前記フランジ部を挟圧する挟圧機構と、
    前記挟圧機構に超音波振動を印加する超音波振動生成機構と、を備え、
    前記挟圧機構によって前記蓋および前記フランジ部を挟圧しながら前記超音波振動生成機構によって前記挟圧機構に超音波振動を印加することによって、前記フランジ部と前記蓋との間に、前記フランジ部および前記蓋のいずれにも溶着されている接着層が形成され、
    前記挟圧機構は、前記フランジ部を支持する支持部材と、前記蓋を部分的に押圧する押圧部材と、を有し、
    前記押圧部材は、離散的に配置され、前記蓋に向かって突出した複数の突出部を含み、
    前記接着層は、前記押圧部材の各突出部に対応して離散的に形成される複数の接着部を有し、
    前記蓋のうち前記接着部が溶着される領域は、前記蓋の法線方向から見た場合に、少なくとも第1領域および第2領域に区画され、
    前記押圧部材の各突出部は、前記第1領域に形成される各接着部によって得られる接着力が前記第2領域に形成される各接着部によって得られる接着力よりも小さくなるよう構成されている、蓋付容器の製造装置。
  5. 前記押圧部材の各突出部は、前記第1領域に形成される各接着部の面積の平均値が前記第2領域に形成される各接着部の面積の平均値よりも小さくなるよう構成されている、請求項4に記載の蓋付容器の製造装置。
  6. 前記押圧部材の各突出部は、前記第1領域に形成される各接着部の単位面積あたりの個数が前記第2領域に形成される各接着部の単位面積あたりの個数よりも小さくなるよう構成されている、請求項4または5に記載の蓋付容器の製造装置。
  7. 開口部が形成された容器であって、前記開口部の周縁に設けられたフランジ部を有する容器と、
    前記容器の前記フランジ部上に配置され、前記容器の前記開口部を覆う蓋と、
    前記容器の前記フランジ部と前記蓋との間に位置し、前記フランジ部および前記蓋のいずれにも溶着されている接着層と、を備え、
    前記接着層は、離散的に配置され、前記フランジ部および前記蓋のいずれにも溶着されている複数の接着部を有し、
    前記蓋のうち前記接着部が溶着される領域は、前記蓋の法線方向から見た場合に、少なくとも第1領域および第2領域に区画され、
    前記第1領域内に位置する各接着部によって得られる接着力が、前記第2領域内に位置する各接着部によって得られる接着力よりも小さくなっている、蓋付容器。
  8. 前記第1領域における各接着部の面積の平均値は、前記第2領域における各接着部の面積の平均値よりも小さくなっている、請求項7に記載の蓋付容器。
  9. 前記第1領域において単位面積あたりに存在する各接着部の数は、前記第2領域において単位面積あたりに存在する各接着部の数よりも少なくなっている、請求項7または8に記載の蓋付容器。
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