JP2006298381A - 易開封性容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 レトルト処理や電子レンジ加熱にも使用が可能な密封性と易開封性を両立することができ、極く一般的な容器本体、あるいはヒートシール工程で実現可能なヒートシール技術を課題とし、各種食品類の包装に適した易開封性容器の提供を目的とする。
【解決手段】 有底筒状の容器本体の上端開口縁に周設したフランジに蓋材フィルムをヒートシールした易開封性容器において、フランジ上面を、基端部から先端部に向けて斜め下方に傾斜する、テーパー状とした容器本体を用い、容器本体の上端開口縁に、フランジの基端部上面近傍部分がヒートシール機の熱板の加熱押圧により塑性変形して内鍔周突条状に形成された肉溜りを有し、蓋材フィルムがこの肉溜りの形状に沿って接着する屈曲接着部を形成する構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、フランジ付き容器本体のフランジに蓋材フィルムを剥離可能にヒートシールした易開封性容器に関する。
カップ状容器等の上端開口縁にフランジを周設した合成樹脂製の容器本体に物品を充填して、蓋材フィルムをヒートシールいた密封状の易開封性容器はよく知られ、特に食品包装分野に多く使用されている。また近年ではレトルト処理、電子レンジ調理などの厳しい条件での加熱工程を有する分野の用途にも使用されるようになってきている。
ここで、これら易開封性容器では内容物を取り出す際に蓋材フィルムを指先で容易に剥がして開放できる、すなわち易開封性を要し、容器の密封性とこの易開封性とは相反する関係にある。
たとえばレトルト処理用に使用する際には、蓋材フィルムのシール強度を殺菌時の内圧の増大に耐えるほどにする必要があるため、開封性能が損なわれてしまう。
このような問題を解消する方法として、最も一般的な方法としては、容器本体のフランジ面の樹脂と蓋材フィルムのシール層の樹脂の種類や組成を制御することによってヒートシール強度を調整する方法があるが、この方法ではシール強度がシール時の温度や圧力などのシール条件、内容物(液体など)のシール面への付着などの影響を受けやすく、目的のヒートシール強度を安定して得ることが現実的には困難である。
そこで、特許文献1には容器本体を容器本体基体にヒートシール性樹脂内面材層を備えた構成としたピーラブルシール容器に係る発明が記載されている。この発明の基本的な技術思想は、内面材層と容器本体基体との接着強度を、内面材層と蓋材フィルムとの接着強度よりも小さくすると共に、内面材層に適宜リング状の弱化部(切り込み)を形成し、この切り込みの作用効果で蓋材フィルムをフランジ領域に位置する内面材層と共に容器本体基体から剥離させる、ことにある。
このようにすることにより、密閉性は蓋材フィルムと内面材層との接着強度により、そして易開封性は内面材層と容器本体基体との接着強度にそれぞれ独立して制御可能な構成とすることができ、両性質を両立できるとしている。
特開平8−164973号公報
上記の特許文献1に示される方法は、密閉性と易開封性を両立できる優れた技術ではあるが、内面材層のヒートシール部の外側部分に切り込みを事前に形成させることが必要であること、この位置制御が重要であること、そしてヒートシール時に切り込み位置とヒートシール位置を調整することが必要であること等により工程的な問題がある。
また、容器本体が積層構造を有すものに限定され、さらにはその積層状態において、適宜に剥離ができる必要があり、容器本体に使用可能な合成樹脂の種類が限定されてしまうという問題がある。
本発明は、易開封性容器における上記のような問題を解決するものであり、レトルト処理や電子レンジ加熱にも使用が可能な密封性と、易開封性を両立することができ、極く一般的な容器本体、あるいはヒートシール工程でも実現可能なヒートシール技術を課題とし、各種食品類の包装に適した易開封性容器の提供を目的とする。
上記技術的課題を解決する方法のうち、請求項1記載の発明の手段は、
有底筒状の容器本体の上端開口縁に周設したフランジに蓋材フィルムをヒートシールした易開封性容器において、
フランジ上面を、基端部から先端部に向けて斜め下方に傾斜する、テーパー状とした容器本体を用いること、
容器本体の上端開口縁に、フランジの基端部上面近傍部分がヒートシール機の熱板の加熱押圧により塑性変形して内鍔周突条状に形成された肉溜りを有すること、
蓋材フィルムがこの肉溜りの形状に沿って接着する屈曲接着部を形成する構成とすること、
にある。
フランジを有する容器本体に蓋材フィルムをヒートシール機で接着する際には、フランジの上面に蓋材フィルムをセットして、フランジを下面側から保持治具で保持した状態で、上方からリング状の熱板で蓋材フィルムとフランジを加熱押圧し、蓋材フィルムの接着層とフランジ上面を熱溶融、あるいは熱圧着して接着する。
請求項1記載の上記構成により、容器本体のフランジ上面を基端部から先端部に向けて斜め下方に傾斜するテーパー状とすることにより、熱板はまずフランジ上面の基端部近傍部分に蓋材フィルムを介して接し、この基端部上面近傍部分を加熱押圧して当該部分を熱溶融する。
またさらに、この熱溶解した部分を押付けながら熱板による押圧が進行して、押圧状態が先端部へと進行していく。
そして、初期の段階で溶融されたフランジの基端部上面近傍部分の樹脂は、熱板によるさらなる押圧により、押し出されるようにして容器本体の内側方向および外側方向に塑性変形(あるいは流動)するが、この内側方向への変形により容器本体の上端開口縁に内鍔周突条状の肉溜りが形成される。
また、蓋材フィルムのフランジの基端部近傍に対向する接着層部分は、熱板による押圧の初期段階で、溶融あるいは軟化してフランジに接着した状態となるため、上記肉溜りの形成に伴って変形し、この肉溜りに沿うようにして屈曲接着部が形成される。
ここで、蓋材フィルムが単にフランジの上面に平坦に接着固定される従来のヒートシール部分の構成では、容器本体の上端開口縁と蓋材フィルムでノッチ状の形状が形成され、内圧が大きくなるとこの上端開口縁から蓋材フィルムの剥離が進行してしまうが、請求項1記載の上記構成による上述した屈曲接着部はこのようなノッチ状の作用を抑制するものであり、内圧による応力が上端開口縁近傍に集中することなく分散されるため、蓋材フィルムの上端開口縁側からの剥離強度を高く保持することができ、高い密封性を有する容器とすることができる。
また一方で、請求項1記載の上記構成により、フランジ上面を基端部から先端部に向けて斜め下方に傾斜するテーパー状とすることにより、フランジの先端部近傍では熱板の押圧力を小さく、あるいは懸からないようにすることができ、先端部における接着強度を小さくして、先端部から基端部に向かって蓋材フィルムの剥離を容易に進行させることができ、易開封性を達成することができる。
このように請求項1記載の構成は、内圧による剥離が容器本体の上端開口縁から、開封時の剥離が先端部から進行することを考えて、フランジ上面を基端部から先端部に向けて斜め下方に傾斜するテーパー状とするシンプルな構成により密封性と易開封性を共に高いレベルで達成できるようにしたものである。
このため、容器本体が特に積層で有る必要がなく、また追加的な別加工の必要もないので、従来の極く一般的な容器本体、蓋材フィルム、そしてヒートシール工程で実現ができるものである。
勿論、容器本体はたとえばガスバリア性を付与するため、あるいは剛性、耐熱性等を向上させるため等、目的に応じて各種の積層構造とすることができる。蓋材フィルムは通常基材と、接着層の積層構造からなる。
また、フランジ上面のテーパー角度は基端部から先端部にかけて必ずしも一定角度である必要はなく、たとえば途中で水平部分があっても良いし、角度をかえてもよい。
請求項2記載の発明の手段は、請求項1記載の発明において、容器本体のフランジの肉厚を基端部から先端部に向けて減じて、フランジ上面をテーパー状とすること、にある。
請求項2記載の上記構成により最終製品である易開封性容器製品としてフランジ全体を水平に見せることができ、外観が良く、また途中で水平部を設けたり、テーパー角度を途中で変更したりして、ヒートシール加工性、密着性、そして剥離性等を調整することができる。
請求項3記載の発明の手段は、請求項1記載の発明において、容器本体のフランジ全体を基端部から先端部に向けて斜め下方に傾斜する形状とすること、にある。
請求項3記載の上記構成により、フランジ全体を、基端部から先端部に向けて斜め下方に傾斜する形状とすることにより、シート材料を使用し通常の熱成形で実現でき、容易に上面をテーパー状にすることができる。
請求項4記載の発明の手段は、請求項1、2または3記載の発明において、容器本体のフランジ上面の基端部から先端部に向けた傾斜角度αを0.1〜10°の範囲とすること、にある。
請求項4記載の上記構成により、傾斜角度αを0.1〜10°の範囲とすることにより、外観を損なうことのない範囲で、肉溜りを容易に形成させることができる。すなわち、傾斜角度が0.1より小さいと傾斜が小さすぎて肉溜りの形成が難しく、10°より大きいと、蓋材フィルムのヒートシール性、そして外観等の問題が生じる。
請求項5記載の発明の手段は、請求項1、2または3記載の発明において、容器本体の上端開口縁角部の形状を曲率半径が0.5〜3.0mmの円弧状とすること、にある。
請求項5記載の上記構成により、肉溜りの形成を容易に達成することができると共に、肉溜りが容器本体の内周面から大きく突出することもなく外観的にも好ましくすることができる。
本発明のフランジ付き容器本体は上記構成のものであり、請求項1記載の発明にあっては、単にフランジ上面をテーパー状とすることにより、容器本体が特に積層で有る必要がなく、また追加的な別加工の必要もないので、従来の極く一般的な容器本体、蓋材フィルム、そしてヒートシール工程で、密封性と易開封性という相反する性能を共に高いレベルで達成することができる。
請求項2記載の発明にあっては、易開封性容器製品としてフランジを水平に見せることができ、外観が良く、また途中で水平部を設けたり、テーパー角度を途中で変更したりして、ヒートシール加工性、密着性、そして剥離性を調整することができる。
請求項3載の発明にあっては、フランジ全体を、基端部から先端部に向けて斜め下方に傾斜する形状とすることにより、シート材料を使用し通常の熱成形で実現でき、容易に上面をテーパー状にすることができる。
請求項4の発明にあっては、傾斜角度αを0.1〜10°の範囲とすることにより、外観を損なうことのない範囲で、肉溜りを容易に形成させることができる。
請求項5記載の発明にあっては、容器本体の上端開口縁角部の形状を曲率半径が0.5〜3.0mmの円弧状とすることにより、肉溜りを確実に形成することができる。
以下、実施例により本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。
図1は、本発明の易開封性容器の一実施例を示す縦断正面図であり、ポリプロピレン(PP)樹脂製の容器本体1の上端開口縁に周設されたフランジ3に蓋材フィルム11をヒートシールして、上端開口部を密閉したものである。なお、蓋材フィルム11は2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム製の基材層12と、ナイロンフィルム製の中間層12aと接着層13であるシーラントからなる積層フィルムである(図2参照)。
また、図1の右端部分に示されるように、蓋材フィルム11の一部はフランジ3から突き出すように形成されており、内容物を取り出す際にはこの突き出した部分を摘み片14として蓋材フィルム11を剥がす。
図3は図1の容器に使用する容器本体1を示す縦断正面図であり、上方に向かって緩やかに拡径した有底円筒状の筒壁2を有し、上端開口縁にフランジ3を周設している。また、図4は図3中のフランジ3近傍を拡大して示す縦断正面図であるが、フランジ3の上面は基端部4から先端部5に向けて緩やかに斜め下方に傾斜する(一点鎖線で示す水平線からの傾斜角度αは4°)テーパー状となっている。一方フランジ3の下面は水平である。また、上端開口縁の角部8の形状は曲率半径を1.5mmとしている。
図2は図1中のフランジ3近傍を拡大して示す縦断正面図であるが、この図から判るように、蓋材フィルム11をフランジ3に接着した状態ではフランジ3の上面は先端部5を除いて水平であり、また容器本体1の上端開口縁には、フランジ3の基端部4上面近傍部分の溶融樹脂を塑性変形(流動)して形成された内鍔周突条状の肉溜り6が形成されている。
そして、蓋材フィルム11はフランジ3の上面に平坦状に接着層13により接着すると共に、容器本体1の上端開口縁近傍では内鍔周突条状に形成された肉溜り6に沿って屈曲し、屈曲接着部Aを形成している。
ここで、図7はヒートシール部分の従来例を示す縦断正面図である。この図から判るように従来のヒートシール部分では、筒壁2内周面上端部と蓋材フィルム11でノッチ状部分Bが形成され、たとえばレトルト処理等の120℃程度の高温の環境下では内圧が大きく上昇し、このノッチ状部分Bに応力が集中し蓋材フィルム11の剥離が容器本体1の上端開口縁近傍から容易に開始して、蓋材フィルム11が破裂してしまう。
一方、本実施例の図1と図2に示す容器では、内圧が大きく上昇しても、上記屈曲接着部Aによりノッチ状の形状を解消することができ、上端開口縁近傍における応力の集中を分散して、蓋材フィルム11の上端開口縁から外側に向かって進行する剥離の開始を抑制し、破裂を抑え、密着強度の高い容器とすることができる。
また、図2に示されるように摘み片14が形成される位置では、後述する熱板による加熱押圧を制御して、フランジ3の先端部5では、テーパー部分を少し残し、先端部5上面と蓋材フィルム11のあいだに間隙Sが形成されるようにしている。
このようにすることにより、内容物を取り出す際に、蓋材フィルム11を開封する時にはこの間隙Sのノッチ状の作用により、摘み片14を摘んで容易に蓋材フィルム11を剥がすことができ、易開封性を達成することができる。
なお、フランジ3上面のテーパー角度は基端部4から先端部5にかけて必ずしも一定角度である必要はなく、たとえば途中で水平部分があっても良いし、角度をかえてもよいので、摘み片14が形成される中心角度位置で、フランジ3先端部5のテーパー角度を大きくすることにより先端部5における非接着を確実に達成することができる。
次に、容器本体1の上端開口縁に内鍔周突条状に形成される肉溜り6、および屈曲接着部Aの形成メカニズムを図5により説明する。
図5は、蓋材フィルム11をフランジ3に接着するヒートシール工程の初期状態を示す説明図であり、フランジ3を蓋材フィルム11で覆い、フランジ3の下面側から支持治具SJで支持した状態で、上方からリング状の熱板HPを押し付けた状態を示したものである。なお図5では溶融部分7等が分かり易いように容器本体1に係るハッチングは省略している。
ここで、フランジ3の上面が基端部4から先端部5に向けて斜め下方へ傾斜したテーパー状であるので、熱板HPは、蓋材フィルム11を介して基端部4近傍を加熱押圧する。この加熱押圧により、図5中点状のハッチングで示した溶融部分7が形成され、そしてさらなる押圧により(図5中の黒矢印参照)この溶融部分7が左右に塑性変形(流動)し(図5中の白抜き矢印参照)、上端開口縁に内鍔周突条状に肉溜り6が形成される。ここで容器本体1の上端開口縁角部8(図4参照)の形状を曲率半径が0.5〜3.0mmの円弧状とすることにより、この肉溜り6を容易に形成することができる。
一方蓋材フィルム11も、溶融部分7に接着層13が溶着した状態であり、上記溶融部分7の変形と共に変形して、この肉溜り6に沿うように変形し図4に示される屈曲接着部Aが形成される。
図6は、フランジ3上面を基端部4から先端部5に向けて斜め下方に傾斜するテーパー状とした容器本体1の他の例である。これはフランジ3全体を基端部4から先端部5に向けて斜め下方に傾斜する形状とした例であり、シート材料を使用し通常の熱成形で容易に上面をテーパー状にすることができるのが特徴である。
また、フランジ3上面の傾斜角度αは4°としており、このような角度とすることによりフランジ3の傾斜角度が大きすぎて外観を損なうことがない。また、肉溜りも容易に形成させることができ、図3、4で示した容器本体1を使用した容器(図1、2参照)と同様、密封性と易開封性を高いレベルで両立させた易開封性容器を提供できる。
次に、図1に示した実施例の容器(第1実施例とする)、図6に示したフランジ3を使用して第1実施例の容器と同様に製造した容器(第2実施例とする)、そして図7に示したフランジ3が水平な容器本体1を用いた容器(比較例とする)についてその密封性と、易開封性を下記の条件で評価した。
1)容器本体の大きさ
上端部外径92.5mm、高さ60mm
2)蓋材フィルムの構成
PETフィルム12μ/ナイロンフィルム15μ/シーラント50ミクロン
3)ヒートシール条件
リング状の熱板を使用して170℃で1秒間+平板状の熱板を使用して190℃で1秒間の条件でヒートシールを実施。
4)破裂試験
JISZ0238に準拠して実施
5)ピール強度測定法
蓋材フィルムの摘み片をプッシュブルゲージで掴み、45°方向に開封する際の最大強度を測定
上記試験の結果は下記のようであり、実施例1、および実施例2の容器は、比較例の容器に対して高い密封性と、易開封性を両立した容器であることが確認された。
実施例1 破裂試験 0.06MPa、ピール強度 30N
実施例2 破裂試験 0.07MPa、ピール強度 20N
比較例 破裂試験 0.04MPa、ピール強度 40N
なお、容器本体に用いられる樹脂としては熱可塑性樹脂であれば、特に、制限はなく、例えば、ポリプロピレン、プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレンと他の重合性単量体との共重合体等のポレオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ゴム改質耐衝撃性ポリスチレン、シンジオタクチック構造を含むポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂などのスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂等が採用できる。ここで、上記熱可塑性樹脂は、単独で用いることができるが、二種類以上をブレンドしたり、さらには無機フィラーをブレンドして使用することもできる。
また、容器本体を積層構造にして、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVOH)やポリアミド樹脂などのガスバリア樹脂層を積層してガスバリア性等の特別な機能を発揮させることもできる。
また、蓋材フィルム11としては、接着層13を有するフィルムであれば任意であり、公知の各種フィルムを用いることができる。通常、シーラントフィルムと単層または多層の基材フィルムとの積層フィルムが用いられる。基材フィルムとしては、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、アルミニウム箔などのガスバリア性材料、あるいはこれらを含む他の樹脂との多層フィルムが用いられる。
本発明の易開封性容器は上記したように、極く一般的な容器本体、蓋材フィルム、そしてヒートシール工程で、密封性と易開封性という相反する性能を共に高いレベルで達成することができるものであり、レトルト処理や電子レンジ加熱等の用途も含めて幅広い展開が期待される。
本発明の易開封性容器の一実施例を示す縦断正面図である。 図1中のフランジ近傍を拡大して示す縦断正面図である。 図1の容器に使用する容器本体を示す縦断正面図である。 図3中のフランジ近傍を拡大して示す縦断正面図である。 図1の容器のシール工程を示す説明図である。 本発明の易開封性容器に使用する容器本体の他の例のフランジ近傍を拡大して示す縦断正面図である。 ヒートシール部分の従来例を示す縦断正面図である。
符号の説明
1;容器本体
2;筒壁
3;フランジ
4;基端部
5;先端部
6;肉溜り
7;溶融部分
8;角部
11;蓋材フィルム
12;基材層
12a;中間層
13;接着層
14;摘み片
α;傾斜角度
A;屈曲接着部
B;ノッチ状部分
S;間隙
HP;熱板
SJ;支持治具

Claims (5)

  1. 有底筒状の容器本体(1)の上端開口縁に周設したフランジ(3)に蓋材フィルム(11)をヒートシールした容器において、フランジ(3)上面を、基端部(4)から先端部(5)に向けて斜め下方に傾斜する、テーパー状とした容器本体(1)を用い、容器本体(1)の上端開口縁(8)に、前記フランジ(3)の基端部(4)上面近傍部分がヒートシール機の熱板(HP)の加熱押圧により塑性変形して内鍔周突条状に形成された肉溜り(6)を有し、前記蓋材フィルム(11)が前記肉溜り(6)の形状に沿って接着する屈曲接着部(A)を形成する構成とした易開封性容器。
  2. 容器本体(1)のフランジ(3)の肉厚を基端部から先端部に向けて減じて、フランジ上面をテーパー状とした請求項1記載の易開封性容器。
  3. 容器本体(1)のフランジ(3)全体を基端部から先端部に向けて斜め下方に傾斜する形状とした請求項1記載の易開封性容器。
  4. 容器本体(1)のフランジ(3)上面の基端部から先端部に向けた傾斜角度αを0.1〜10°の範囲とした請求項1、2または3記載の易開封性容器。
  5. 容器本体(1)の上端開口縁角部8の形状を曲率半径が0.5〜3.0mmの円弧状とした請求項1、2、3または4記載の易開封性容器。
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