JP2013198997A - 塗布装置及びインクジェット記録装置 - Google Patents

塗布装置及びインクジェット記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013198997A
JP2013198997A JP2012066981A JP2012066981A JP2013198997A JP 2013198997 A JP2013198997 A JP 2013198997A JP 2012066981 A JP2012066981 A JP 2012066981A JP 2012066981 A JP2012066981 A JP 2012066981A JP 2013198997 A JP2013198997 A JP 2013198997A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller
contact
coating
supply roller
contact area
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2012066981A
Other languages
English (en)
Inventor
Gentaro Furukawa
源太郎 古川
Hiroshi Kamimura
寛 上村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2012066981A priority Critical patent/JP2013198997A/ja
Priority to US13/848,606 priority patent/US20130249995A1/en
Priority to CN2013100930078A priority patent/CN103317860A/zh
Publication of JP2013198997A publication Critical patent/JP2013198997A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05CAPPARATUS FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05C1/00Apparatus in which liquid or other fluent material is applied to the surface of the work by contact with a member carrying the liquid or other fluent material, e.g. a porous member loaded with a liquid to be applied as a coating
    • B05C1/04Apparatus in which liquid or other fluent material is applied to the surface of the work by contact with a member carrying the liquid or other fluent material, e.g. a porous member loaded with a liquid to be applied as a coating for applying liquid or other fluent material to work of indefinite length
    • B05C1/08Apparatus in which liquid or other fluent material is applied to the surface of the work by contact with a member carrying the liquid or other fluent material, e.g. a porous member loaded with a liquid to be applied as a coating for applying liquid or other fluent material to work of indefinite length using a roller or other rotating member which contacts the work along a generating line
    • B05C1/0826Apparatus in which liquid or other fluent material is applied to the surface of the work by contact with a member carrying the liquid or other fluent material, e.g. a porous member loaded with a liquid to be applied as a coating for applying liquid or other fluent material to work of indefinite length using a roller or other rotating member which contacts the work along a generating line the work being a web or sheets
    • B05C1/0834Apparatus in which liquid or other fluent material is applied to the surface of the work by contact with a member carrying the liquid or other fluent material, e.g. a porous member loaded with a liquid to be applied as a coating for applying liquid or other fluent material to work of indefinite length using a roller or other rotating member which contacts the work along a generating line the work being a web or sheets the coating roller co-operating with other rollers, e.g. dosing, transfer rollers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J11/00Devices or arrangements  of selective printing mechanisms, e.g. ink-jet printers or thermal printers, for supporting or handling copy material in sheet or web form
    • B41J11/0015Devices or arrangements  of selective printing mechanisms, e.g. ink-jet printers or thermal printers, for supporting or handling copy material in sheet or web form for treating before, during or after printing or for uniform coating or laminating the copy material before or after printing
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】塗布ローラの両端部に液溜まりが生じるのを防止できる塗布装置及びインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】塗布ローラ302に塗布液を供給する供給ローラ304の周面の幅が塗布ローラ302の周面の幅よりも広く形成される。供給ローラ304は、幅方向の両端部に塗布ローラ302と接触しない領域(非接触領域)が形成され、その非接触領域で処理液が流れやすくなるように、非接触領域の濡れ性が高められる。これにより、塗布ローラ302の両端部で処理液が停滞して、塗布ローラ302の両端部にリング状の液溜まりが生じるのを防止できる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、塗布装置に係り、特にインクジェット記録装置に組み込まれて、用紙に所定の処理液を塗布する塗布装置に関する。
印刷前に所定の処理液を用紙に塗布することにより、汎用の印刷用紙(インクジェット専用紙ではなく、一般のオフセット印刷などで使用される用紙(上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする用紙))の使用を可能にしたインクジェット記録装置が知られている。この種のインクジェット記録装置には、塗布装置が組み込まれており、この塗布装置によって印刷前の用紙に所定の処理液が塗布される。
塗布装置には、スプレーを用いて塗布する方式(スプレー塗布方式)や、インクジェットヘッドを用いて塗布する方式(インクジェット塗布方式)など種々の方式のものが存在するが、塗布ローラを用いて塗布する方式(ローラ塗布方式)のものが比較的多く採用される。
一般にローラ塗布方式では、塗布液槽に貯留された処理液を供給ローラで汲み上げて、塗布ローラに処理液を供給する。しかし、この方式では、ローラの両端部に処理液がリング状に溜まり、ローラの回転によって飛び散ったり、液垂れが生じたりするという問題がある。
そこで、特許文献1では、供給ローラの幅を塗布ローラの幅よりも広く形成するとともに、塗布液槽を塗布ローラの両端部まで延ばして形成することにより、処理液が飛び散ったり、液垂れが生じたりするのを防止している。
特開2011-62831号公報
しかしながら、特許文献1の構成は、供給ローラからの処理液の飛び散りや液垂れは防止できるが、塗布ローラからの処理液の飛び散りや液垂れは防止できないという欠点がある。すなわち、処理液の液溜まりは、供給ローラだけでなく塗布ローラにも生じるが、塗布ローラの両端下部には塗布液槽が配置されていないため、塗布ローラから生じる処理液の飛び散りや液垂れを塗布液槽で捉えることができないという欠点がある。
また、一般に塗布ローラの両端部に生じるリング状の液溜まりは、供給ローラを連続して回転させたり、供給ローラを高速回転させた場合に顕著となる。したがって、特許文献1の構成では、長時間連続して処理する場合や高速処理する場合などに対応することができないという欠点もある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、塗布ローラの両端部に液溜まりが生じるのを防止できる塗布装置及びインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段は、次のとおりである。
第1の態様は、被塗布物に塗布液を塗布する塗布ローラと、塗布ローラに当接されて、塗布ローラに塗布液を供給する供給ローラであって、周面の幅が塗布ローラの周面の幅よりも広く形成されて、周面の幅方向の両端部に塗布ローラが接触しない領域が形成される供給ローラと、供給ローラに塗布液を供給する塗布液供給手段と、を有し、供給ローラは、塗布ローラが接触する接触領域の表面状態と、塗布ローラが接触しない非接触領域の表面状態とを変えて形成することにより、接触領域を流れる塗布液の流速よりも非接触領域を流れる塗布液の流速の方が速くなるように形成される態様の塗布装置である。
本態様によれば、供給ローラの周面の幅が塗布ローラの周面の幅よりも広く形成されて、塗布ローラの周面の両端部に塗布ローラが接触しない領域が形成される。そして、供給ローラは、塗布ローラが接触する領域(接触領域)と、塗布ローラが接触しない領域(非接触領域)とで表面状態が変えて形成され、接触領域を流れる塗布液の流速よりも非接触領域を流れる塗布液の流速の方が速くなるように形成される。すなわち、接触領域よりも非接触領域の方が、より塗布液が流れやすくなるように形成されている。これにより、塗布ローラの両端にリング状の液溜まりが発生するのを防止でき、塗布ローラから塗布液が飛び散ったり、液垂れが生じたりするのを防止することができる。
塗布液には、表面積が小さくなるように表面張力が働いている。接触領域では、塗布ローラと供給ローラとの間に液膜があるため、液量が増加した場合、軸方向へ流れる力が表面張力により得られる。しかし、非接触領域では、塗布ローラが存在しなくなり、軸方向へ移動する力が失われる。この結果、塗布液の流れが塗布ローラ端部で停滞するため、塗布ローラの端部にリング状の液溜まりが生じる。本態様のように、非接触領域において、塗布液を流れやすくすることにより、塗布ローラの端部に液溜まりが生じるのを抑制でき、塗布ローラの端部にリング状の液溜まりが発生するのを防止することができる。また、塗布ローラを高速回転させたときにも液溜まりの発生を防止できるので、塗布処理の高速化を図ることもできる。
第2の態様は、被塗布物に塗布液を塗布する塗布ローラと、互いに当接された複数段の供給ローラからなり、終段の供給ローラが塗布ローラに当接されて、塗布ローラに塗布液を供給する多段供給ローラであって、前段の供給ローラの周面の幅が、次段の供給ローラの周面の幅よりも広く形成されて、前段の供給ローラの周面の幅方向の両端部に次段の供給ローラが接触しない領域が形成されるとともに、終段の供給ローラの周面の幅が塗布ローラの周面の幅よりも広く形成されて、終段の供給ローラの周面の幅方向の両端部に塗布ローラが接触しない領域が形成される多段供給ローラと、多段供給ローラの第1段の供給ローラに塗布液を供給する塗布液供給手段と、を有し、多段供給ローラの各供給ローラは、塗布ローラ又は次段の供給ローラが接触する接触領域の表面状態と、塗布ローラ又は次段の供給ローラが接触しない非接触領域の表面状態とを変えて形成することにより、接触領域を流れる塗布液の流速よりも非接触領域を流れる塗布液の流速の方が速くなるように形成される態様の塗布装置である。
本態様によれば、複数の供給ローラからなる多段供給ローラによって塗布ローラに塗布液が供給される。多段供給ローラを構成する各供給ローラは、前段の供給ローラの周面の幅が次段の供給ローラの周面の幅よりも広く形成され、前段の供給ローラの周面の幅方向の両端部に次段の供給ローラが接触しない領域が形成される。また、終段の供給ローラの周面の幅が塗布ローラの周面の幅よりも広く形成されて、終段の供給ローラの周面の幅方向の両端部に塗布ローラが接触しない領域が形成される。そして、各供給ローラは、塗布ローラ又は次段の供給ローラが接触する領域(接触領域)と、塗布ローラ又は次段の供給ローラが接触しない領域(非接触領域)とで表面状態が変えて形成され、接触領域を流れる塗布液の流速よりも非接触領域を流れる塗布液の流速の方が速くなるように形成される。これにより、塗布ローラ及び各供給ローラの両端にリング状の液溜まりが発生するのを防止することができる。
第3の態様は、上記第1又は2の態様の塗布装置において、接触領域の接触角よりも非接触領域の接触角の方が小さくなるように、接触領域の表面状態と非接触領域の表面状態とが変えられる態様である。
本態様によれば、接触領域の接触角よりも非接触領域の接触角の方が小さくなるように、接触領域の表面状態と非接触領域の表面状態とが変えられる。すなわち、接触領域よりも非接触領域の親水性が高められる。これにより、接触領域を流れる塗布液の流速よりも非接触領域を流れる塗布液の流速の方が速くなるように形成され、非接触領域において、塗布液をより流れやすくすることができる。
第4の態様は、上記第3の態様の塗布装置において、接触領域の接触角よりも非接触領域の接触角の方が小さくなるように、接触領域を構成する素材と非接触領域を構成する素材とが変えられる態様である。
本態様によれば、接触領域の接触角よりも非接触領域の接触角の方が小さくなるように、接触領域を構成する素材と非接触領域を構成する素材とが変えられる。これにより、接触領域を流れる塗布液の流速よりも非接触領域を流れる塗布液の流速の方が速くなるように形成され、非接触領域において、塗布液をより流れやすくすることができる。たとえば、供給ローラをゴム素材で形成する場合、接触領域は撥水性の高いゴム(たとえば、フッ素ゴム)で形成し、非接触領域は親水性の高いゴム(たとえば、NBR(Nitrile butadiene rubber))で形成する。また、たとえば、供給ローラを金属素材で形成する場合、接触領域は撥水性を有する金属(たとえば、アルミ、ステンレスなど)を使用し、非接触領域は親水性を有する金属(たとえば、チタンなど)を使用する。これにより、接触領域よりも非接触領域の接触角を小さくすることができる。すなわち、接触領域よりも非接触領域の親水性を高めることができる。
第5の態様は、上記第4の態様の塗布装置において、接触領域が撥水性を有する素材で形成され、非接触領域が親水性を有する素材で形成される態様である。
本態様によれば、接触領域が撥水性を有する素材で形成され、非接触領域が親水性を有する素材で形成される態様である。たとえば、上記のように、供給ローラをゴム素材で形成する場合、接触領域は撥水性の高いゴム(たとえば、フッ素ゴム)で形成し、非接触領域は親水性の高いゴム(たとえば、NBR)で形成する。また、たとえば、供給ローラを金属素材で形成する場合、接触領域は撥液性を有する金属(たとえば、アルミ、ステンレスなど)を使用し、非接触領域は親水性を有する金属(たとえば、チタンなど)を使用する。これにより、接触領域よりも非接触領域の接触角を小さくすることができる。すなわち、接触領域よりも非接触領域の親水性を高めることができる。
第6の態様は、上記第3の態様の塗布装置において、接触領域の接触角よりも非接触領域の接触角の方が小さくなるように、接触領域及び/又は非接触領域に薄膜がコーティングされる態様である。
本態様によれば、接触領域の接触角よりも非接触領域の接触角の方が小さくなるように、接触領域及び/又は非接触領域に薄膜がコーティングされる。たとえば、接触領域は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン(4フッ化))、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体ポリテトラフルオロエチレン)などの撥水膜をコーティングする。また、非接触領域は、シリカ粒子などの親水膜をコーティングする。これにより、接触領域よりも非接触領域の接触角を小さくすることができる。すなわち、接触領域よりも非接触領域の親水性を高めることができる。
第7の態様は、上記第6の態様の塗布装置において、接触領域が撥水膜でコーティングされ、非接触領域が親水膜でコーティングされる態様である。
本態様によれば、接触領域が撥水膜でコーティングされ、非接触領域が親水膜でコーティングされる。たとえば、上記のように、接触領域は、PTFE、PFAなどの撥水膜をコーティングし、非接触領域は、シリカ粒子などの親水膜をコーティングする。これにより、接触領域よりも非接触領域の接触角を小さくすることができる。
第8の態様は、上記第3の態様の塗布装置において、接触領域の接触角よりも非接触領域の接触角の方が小さくなるように、接触領域の表面粗さと非接触領域の表面粗さとが変えられる態様である。
本態様によれば、接触領域の接触角よりも非接触領域の接触角の方が小さくなるように、接触領域の表面粗さと非接触領域の表面粗さとが変えられる。すなわち、接触領域よりも非接触領域の表面粗さの値を大きくする。これにより、接触領域よりも非接触領域の接触角を小さくすることができる。すなわち、接触領域よりも非接触領域の親水性を高めることができる。
第9の態様は、上記第1又は2の態様の塗布装置において、非接触領域には、供給ローラの軸と平行な溝が周方向に一定ピッチで形成される態様である。
本態様によれば、非接触領域に供給ローラの軸と平行な溝が周方向に一定ピッチで形成される。これにより、表面張力の作用で溝に沿って塗布液が流れる力が働き、接触領域を流れる塗布液の流速よりも非接触領域を流れる塗布液の流速を速くすることができる。すなわち、非接触領域において、塗布液を軸方向に流れやすくすることができる。これにより、塗布ローラの両端にリング状の液溜まりが発生するのを防止でき、塗布ローラから塗布液が飛び散ったり、液垂れが生じたりするのを防止することができる。
第10の態様は、上記第1の態様の塗布装置において、供給ローラの両端には、フランジ部が形成される態様である。
本態様によれば、供給ローラの両端にフランジ部が形成される。すなわち、いわゆる返しが供給ローラの端部に形成される。これにより、供給ローラの端部に向かって流れた塗布液が、供給ローラのエッジ部分に付着して、軸方向に飛散するのを防止することができる。
第11の態様は、用紙の表面に所定の塗布液を塗布する上記第1から10のいずれか1の態様の塗布装置と、塗布液が塗布された用紙の表面にインク滴を吐出して画像を描画するインクジェットヘッドと、を備えた態様のインクジェット記録装置である。
本態様によれば、上記第1から10のいずれか1の態様の塗布装置によって、所定の塗布液が印刷前の用紙に塗布される。そして、その塗布装置によって塗布液が塗布された用紙にインクジェットヘッドから吐出されたインク滴が打滴されて、用紙に画像が記録される。塗布装置は塗布液が飛び散ることがないので、周囲を汚染することなく、塗布処理を行うことができる。また、塗布処理の高速化を図ることができるので、高速印刷にも対応することができる。
本発明によれば、塗布ローラの両端部に液溜まりが生じるのを防止できる。これにより、塗布ローラからの塗布液の飛び散りや液垂れを防止できる。また、塗布ローラを高速回転させた場合であっても、塗布ローラからの塗布液の飛び散りや液垂れを防止できるので、塗布処理の高速化を図ることができる。
塗布装置を有するインクジェット記録装置の全体構成図 インクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図 塗布装置の概略構成を示す側面図 塗布装置の概略構成を示す平面図 塗布装置の概略構成を示す斜視図 塗布装置の変形例の概略構成を示す斜視図 塗布装置の変形例の概略構成を示す斜視図 2つの供給ローラ(2段供給ローラ)を介して塗布ローラに処理液を供給するタイプの塗布装置の概略構成を示す側面図 2つの供給ローラ(2段供給ローラ)を介して塗布ローラに処理液を供給するタイプの塗布装置の概略構成を示す平面図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
《インクジェット記録装置の全体構成》
図1は、塗布装置を有するインクジェット記録装置の全体構成図である。
このインクジェット記録装置10は、水性インク(水を溶媒に含むインク)を用いて汎用の印刷用紙(枚葉紙)にインクジェット方式で画像を記録するインクジェット記録装置である。汎用の印刷用紙に水性インクを用いてインクジェット方式で画像を記録すると、フェザリングやブリーディング等が発生するため、高品質な画像を記録することができない。このため、この種のインクジェット記録装置では、所定の処理液を用紙に塗布して画像の記録を行う。すなわち、インク中の色材成分を凝集させる機能を有する液体を用紙に塗布して画像の記録を行う。このため、塗布装置が備えられる。以下、本実施の形態のインクジェット記録装置10の構成について説明する。
図1に示すように、本実施の形態のインクジェット記録装置10は、用紙Pの給紙処理を行う給紙部20と、処理液の塗布処理を行う処理液塗布部30と、画像の記録処理を行う画像記録部40と、乾燥処理を行うインク乾燥部50と、画像の定着処理を行う定着部60と、用紙Pの回収処理を行う回収部70とを備えて構成される。
処理液塗布部30、画像記録部40、インク乾燥部50、定着部60の各部には、それぞれ用紙Pの搬送手段として、搬送ドラム31、41、51、61が備えられている。用紙Pは、この搬送ドラム31、41、51、61によって、処理液塗布部30、画像記録部40、インク乾燥部50、定着部60の各部を搬送される。
各搬送ドラム31、41、51、61は、用紙幅に対応した円筒状に形成され、図示しないモータに駆動されて回転する(図1において、反時計回りに回転する。)。各搬送ドラム31、41、51、61の周面にはグリッパが備えられる。用紙Pは、このグリッパに先端部を把持されて搬送される。なお、本例では、各搬送ドラム31、41、51、61の周面の2箇所にグリッパが設置され、1回転で2枚の用紙を搬送できるように構成されている。
各搬送ドラム31、41、51、61の周面には、多数の吸着穴が形成されている。用紙Pは、この吸着穴から裏面を真空吸着されて、各搬送ドラム31、41、51、61の外周面上に保持される。なお、本例では、真空吸着により用紙Pを保持する構成としているが、静電吸着により用紙Pを保持する構成とすることもできる。
処理液塗布部30と画像記録部40の間、画像記録部40とインク乾燥部50の間、インク乾燥部50と定着部60の間には、それぞれ渡し胴80、90、100が配置される。用紙Pは、この渡し胴80、90、100によって、各部の間を搬送される。
各渡し胴80、90、100は、用紙幅に対応した円筒状の枠体で構成され、図示しないモータに駆動されて回転する(図1において、時計回りに回転する。)。各渡し胴80、90、100の周面にはグリッパが備えられる。用紙Pは、このグリッパに先端部を把持されて搬送される。なお、本例では、各渡し胴80、90、100の外周部2箇所にグリッパが設置され、1回転で2枚の用紙を搬送できるように構成されている。
各渡し胴80、90、100の下部には、用紙Pの搬送経路に沿って円弧状のガイド板82、92、102が配設される。渡し胴80、90、100によって搬送される用紙Pは、このガイド板82、92、102に裏面(印刷面の反対側の面)をガイドされながら搬送される。
また、各渡し胴80、90、100の内部には、渡し胴80によって搬送される用紙Pに向けて熱風を吹き出すドライヤ84、94、104が配置される(本例では、用紙Pの搬送経路に沿って3台配置されている。)。各渡し胴80、90、100によって搬送される用紙Pは、その搬送過程でドライヤ84、94、104から吹き出された熱風が印刷面に吹き当てられる。
なお、ドライヤ84、94、104は、熱風を吹き出して加熱する構成に代えて、赤外線ヒータ等から熱を放射して加熱する構成としてもよい(いわゆる輻射による加熱)。
給紙部20から給紙された用紙Pは、搬送ドラム31→渡し胴80→搬送ドラム41→渡し胴90→搬送ドラム51→渡し胴100→搬送ドラム61の順で搬送され、最後に回収部70で回収される。この給紙部20から回収部70で回収されるまでの間に用紙Pは所要の処理が施されて、印刷面に画像が記録される。
以下、本実施の形態のインクジェット記録装置10の各部の構成について詳説する。
〈給紙部〉
給紙部20は、用紙Pの給紙処理を行う。特に、本実施の形態のインクジェット記録装置10では、枚葉の用紙Pを1枚ずつ給紙する。この給紙部20は、主として、給紙装置21と、給紙トレイ22と、渡し胴23とを備えて構成される。
給紙装置21は、図示しないマガジンにスタックされた用紙Pを上側から順に1枚ずつ給紙トレイ22に給紙する。
給紙トレイ22は、給紙装置21から給紙された用紙Pを渡し胴23に向けて送り出す。
渡し胴23は、給紙トレイ22から送り出された用紙Pを受け取り、回転して、処理液塗布部30の搬送ドラム31に受け渡す。
上記のように、汎用の印刷用紙に水性インクを用いてインクジェット方式で画像を記録すると、フェザリングやブリーディング等が発生するため、高品質な画像を記録することができない。そこで、このような不具合を防止するために、次の処理液塗布部30で所定の処理液を用紙Pに塗布する。
〈処理液塗布部〉
処理液塗布部30は、用紙(被塗布物)Pの印刷面に所定の処理液を塗布する。この処理液塗布部30は、主として、用紙Pを搬送する搬送ドラム(以下、「処理液塗布ドラム」という。)31と、その処理液塗布ドラム31によって搬送される用紙Pの印刷面に所定の処理液を塗布する塗布装置32とで構成される。
処理液塗布ドラム31は、給紙部20の渡し胴23から用紙Pを受け取り(グリッパで用紙Pの先端を把持して受け取る。)、回転して用紙Pを所定の搬送経路に沿って搬送する。
塗布装置32は、処理液塗布ドラム31によって搬送される用紙Pの印刷面に所定の処理液をローラ塗布する。この塗布装置32の構成については、のちに詳述する。
塗布装置32で塗布する処理液は、インク組成物中の成分を凝集させる凝集剤を含む液体で構成される。
凝集剤としては、インク組成物のpHを変化させることができる化合物であっても、多価金属塩であっても、ポリアリルアミン類であってもよい。
pHを低下させ得る化合物としては、水溶性の高い酸性物質(リン酸、シュウ酸、マロン酸、クエン酸、若しくは、これらの化合物の誘導体、又は、これらの塩等)が好適に挙げられる。酸性物質は、1種単独で用いてもよく、また、2種以上を併用してもよい。これにより、凝集性を高め、インク全体を固定化することができる。
また、インク組成物のpH(25℃)は、8.0以上であって、処理液のpH(25℃)は、0.5〜4の範囲が好ましい。これにより、画像濃度、解像度及びインクジェット記録の高速化を図ることができる。
また、処理液には、添加剤を含有することができる。たとえば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤を含有することができる。
このような処理液を用紙Pの印刷面に事前に塗布して印刷することにより、フェザリングやブリーディング等の発生を防止でき、一般の印刷用紙を使用しても、高品質な印刷を行うことが可能になる。
以上の構成の処理液塗布部30において、用紙Pは、処理液塗布ドラム31に保持されて、所定の搬送経路を搬送される。そして、その搬送過程で塗布装置32によって印刷面に処理液が塗布される。
印刷面に処理液が塗布された用紙Pは、その後、所定位置で処理液塗布ドラム31から渡し胴80に受け渡される。そして、渡し胴80によって所定の搬送経路を搬送されて、画像記録部40の搬送ドラム41に受け渡される。
ここで、上記のように、渡し胴80には、その内部にドライヤ84が設置されており、ガイド板82に向けて熱風が吹き出されている。用紙Pは、この渡し胴80によって処理液塗布部30から画像記録部40に搬送される過程で印刷面に熱風が吹き当てられて、印刷面に塗布された処理液が乾燥される(処理液中の溶媒成分が蒸発除去される。)。
〈画像記録部〉
画像記録部40は、用紙Pの印刷面にC、M、Y、Kの各色のインク滴を打滴して、用紙Pの印刷面にカラー画像を描画する。この画像記録部40は、主として、用紙Pを搬送する搬送ドラム(以下、「画像記録ドラム」という。)41と、用紙Pの印刷面を押圧して、用紙Pの裏面を画像記録ドラム41の周面に密着させる用紙押えローラ42と、用紙Pの浮きを検出する用紙浮き検出センサ43と、用紙PにC、M、Y、Kの各色のインク滴を吐出して、画像を描画するインクジェットヘッド44C、44M、44Y、44Kとで構成される。
画像記録ドラム41は、渡し胴80から用紙Pを受け取り(グリッパで用紙Pの先端を把持して受け取る。)、回転して用紙Pを所定の搬送経路に沿って搬送する。
用紙押えローラ42は、用紙幅に対応したゴムローラで構成され、画像記録ドラム41の用紙受取位置(渡し胴80から用紙Pを受け取る位置)の近傍に配置される。渡し胴80から画像記録ドラム41に受け渡された用紙Pは、この用紙押えローラ42にニップされることにより、裏面が画像記録ドラム41の外周面に密着される。
用紙浮き検出センサ43は、用紙押えローラ42を通過した用紙Pの浮きを検出する(画像記録ドラム41の外周面からの一定以上の浮きを検出する。)。この用紙浮き検出センサ43は、たとえば、レーザ投光器とレーザ受光器とで構成される。レーザ投光器は、画像記録ドラム41の一端から他端に向けて画像記録ドラム41の軸と平行なレーザ光を画像記録ドラム41の外周面から所定高さの位置に投光する。レーザ受光器は、画像記録ドラム41を挟んでレーザ投光器と対向して配置され、レーザ投光器から投光されたレーザ光を受光する。用紙押えローラ42を通過した用紙Pに一定以上の浮きが生じていると、レーザ投光器から投光されたレーザ光が用紙Pに遮られ、レーザ受光器で受光されなくなる。用紙浮き検出センサ43は、このレーザ受光器でのレーザ光の受光の有無を検出して、用紙Pの浮きを検出する。
4台のインクジェットヘッド44C、44M、44Y、44Kは、用紙浮き検出センサ43の後段に配されており、用紙Pの搬送経路に沿って一定の間隔で配置されている。このインクジェットヘッド44C、44M、44Y、44Kは、用紙幅に対応したラインヘッドで構成されており、そのノズル面に形成されたノズル列から、画像記録ドラム41に向けて対応する色のインク滴を吐出する。
本実施の形態のインクジェット記録装置10で使用するインクは、水性紫外線硬化型インクであり、顔料、ポリマー粒子及び活性エネルギー線により重合する水溶性の重合性化合物を含有する。水性紫外線硬化型インクは、紫外線を照射することで硬化可能であり、耐察性に優れ膜強度が高いという性質を有する。
顔料は、その表面の少なくとも一部がポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料が用いられる。
ポリマー分散剤は、酸価が25〜1000(KOHmg/g)のポリマー分散剤が用いられる。自己分散性の安定性が良好、かつ、処理液が接触したときの凝集性が良好になる。
ポリマー粒子は、酸価が20〜50(KOHmg/g)の自己分散性ポリマー粒子が用いられる。自己分散性の安定性が良好、かつ、処理液が接触したときの凝集性が良好になる。
重合性化合物としては、凝集剤と顔料、ポリマー粒子との反応を妨げない点でノニオン性又はカチオン性の重合性化合物が好ましく、水に対する溶解度が10質量%以上(更には15質量%以上)の重合性化合物を用いることが好ましい。
また、インクは、活性エネルギー線により重合性化合物の重合を開始する開始剤を含有する。開始剤は、活性エネルギー線により重合反応を開始し得る化合物を適宜選択して含有することができ、たとえば、放射線若しくは光又は電子線により活性種(ラジカル、酸、塩基など)を発生する開始剤(たとえば、光重合開始剤等)を用いることができる。なお、開始剤は処理液に含有させることもでき、インクと処理液の少なくとも一方に含有させればよい。
また、インクは水を50〜70質量%含有する。また、インクには添加剤を含有することができる。たとえば、水溶性有機溶媒や乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤を含有することができる。
以上の構成の画像記録部40において、用紙Pは、画像記録ドラム41によって所定の搬送経路を搬送される。渡し胴80から画像記録ドラム41に受け渡された用紙Pは、まず、用紙押えローラ42でニップされて、画像記録ドラム41の外周面に密着される。次いで、用紙浮き検出センサ43によって、浮きの有無が検出され、その後、各インクジェットヘッド44C、44M、44Y、44KからC、M、Y、Kの各色のインク滴が印刷面に打滴されて、印刷面にカラー画像が描画される。
なお、用紙Pの浮きが検出された場合は、搬送が停止される。これにより、浮いた用紙Pが、インクジェットヘッド44C、44M、44Y、44Kのノズル面に接触するのを防止できる。
上記のように、本例のインクジェット記録装置10では、各色ともに水性インクが使用される。このような水性インクを用いた場合であっても、上記のように、用紙Pには処理液が塗布されているので、一般の印刷用紙を用いた場合であっても、高品質な印刷を行うことができる。
画像が描画された用紙Pは、渡し胴90に受け渡される。そして、渡し胴90によって所定の搬送経路を搬送されて、インク乾燥部50の搬送ドラム51に受け渡される。
ここで、上記のように、渡し胴90には、その内部にドライヤ94が設置されており、ガイド板92に向けて熱風が吹き出されている。インクの乾燥処理は、後段のインク乾燥部50で行われるが、用紙Pは、この渡し胴90による搬送時にも乾燥処理が施される。
なお、図示されていないが、この画像記録部40には、インクジェットヘッド44C、44M、44Y、44Kのメンテナンスを行うメンテナンス部が備えられており、インクジェットヘッド44C、44M、44Y、44Kは、必要に応じてメンテナンス部に移動して、所要のメンテナンスができるように構成されている。
〈インク乾燥部〉
インク乾燥部50は、画像記録後の用紙Pに残存する液体成分を乾燥させる。このインク乾燥部50は、主として、用紙Pを搬送する搬送ドラム(以下、「インク乾燥ドラム」という。)51と、インク乾燥ドラム51によって搬送される用紙Pに対して乾燥処理を施すインク乾燥装置52とで構成される。
インク乾燥ドラム51は、渡し胴90から用紙Pを受け取り(グリッパで用紙Pの先端を把持して受け取る。)、回転して用紙Pを所定の搬送経路に沿って搬送する。
インク乾燥装置52は、たとえば、ドライヤで構成され(本例では用紙Pの搬送経路に沿って配設された3台のドライヤで構成)、インク乾燥ドラム51によって搬送される用紙Pに向けて熱風(たとえば、80℃)を吹き付ける。
以上の構成のインク乾燥部50において、用紙Pは、インク乾燥ドラム51によって所定の搬送経路を搬送される。そして、その搬送過程で印刷面にインク乾燥装置52から熱風が吹き付けられて、印刷面に付与されたインクが乾燥される(溶媒成分が蒸発除去される。)。
インク乾燥装置52を通過した用紙Pは、その後、所定位置でインク乾燥ドラム51から渡し胴100に受け渡される。そして、渡し胴100によって所定の搬送経路を搬送されて、定着部60の搬送ドラム61に受け渡される。
なお、上記のように、渡し胴100には、その内部にドライヤ104が設置されており、ガイド板102に向けて熱風が吹き出されている。したがって、用紙Pは、この渡し胴100での搬送時にも乾燥処理が施される。
〈定着部〉
定着部60は、用紙Pを加熱加圧して、印刷面に画像記録された画像を定着させる。この定着部60は、主として、用紙Pを搬送する搬送ドラム(以下、「定着ドラム」という。)61と、用紙Pの印刷面に紫外線を当てる紫外線照射光源62と、印刷後の用紙Pの温度、湿度等を検出するとともに、印刷された画像を撮像するインラインセンサ64とで構成される。
定着ドラム61は、渡し胴100から用紙Pを受け取り(グリッパで用紙Pの先端を把持して受け取る。)、回転して用紙Pを所定の搬送経路に沿って搬送する。
紫外線照射光源62は、定着ドラム61によって搬送される用紙Pの印刷面に紫外線を照射して、処理液とインクとの凝集体を固化させる。
インラインセンサ64は、温度計、湿度計、CCDラインセンサ等を備え、定着ドラム61によって搬送される用紙Pの温度、湿度等を検出するとともに、用紙Pに印刷された画像を読み取る。このインラインセンサ64の検出結果に基づいて、装置の異常やヘッドの吐出不良等がチェックされる。
以上の構成の定着部60において、用紙Pは、定着ドラム61によって所定の搬送経路を搬送される。そして、その搬送過程で紫外線照射光源62から印刷面に紫外線が照射され、処理液とインクとの凝集体が固化される。
定着処理が施された用紙Pは、この後、所定位置で定着ドラム61から回収部70へと受け渡される。
〈回収部〉
回収部70は、一連の印刷処理が行われた用紙Pをスタッカ71に積み重ねて回収する。この回収部70は、主として、用紙Pを回収するスタッカ71と、定着部60で定着処理された用紙Pを定着ドラム61から受け取り、所定の搬送経路を搬送して、スタッカ71に排紙する排紙コンベア72とで構成される。
定着部60で定着処理された用紙Pは、定着ドラム61から排紙コンベア72に受け渡され、その排紙コンベア72によってスタッカ71まで搬送されて、スタッカ71内に回収される。
《制御系》
図2は、本実施の形態のインクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。
同図に示すように、インクジェット記録装置10は、システムコントローラ200、通信部201、画像メモリ202、搬送制御部203、給紙制御部204、処理液塗布制御部205、画像記録制御部206、インク乾燥制御部207、定着制御部208、回収制御部209、操作部210、表示部211等を備えている。
システムコントローラ200は、インクジェット記録装置10の各部を統括制御する制御手段として機能するとともに、各種演算処理を行う演算手段として機能する。このシステムコントローラ200は、CPU、ROM、RAM等を備えており、所定の制御プログラムに従って動作する。ROMには、このシステムコントローラ200が、実行する制御プログラムや制御に必要な各種データが格納されている。
通信部201は、所要の通信インターフェースを備え、その通信インターフェースと接続されたホストコンピュータとの間でデータの送受信を行う。
画像メモリ202は、画像データを含む各種データの一時記憶手段として機能し、システムコントローラ200を通じてデータの読み書きが行われる。通信部201を介してホストコンピュータから取り込まれた画像データは、この画像メモリ202に格納される。
搬送制御部203は、処理液塗布部30、画像記録部40、インク乾燥部50、定着部60の各部における用紙Pの搬送手段である搬送ドラム31、41、51、61と、渡し胴80、90、100の駆動を制御する。
すなわち、各搬送ドラム31、41、51、61を駆動するモータの駆動を制御するとともに、各搬送ドラム31、41、51、61に備えられた、グリッパの開閉を制御する。
同様に各渡し胴80、90、100を駆動するモータの駆動を制御するとともに、各渡し胴80、90、100に備えられた、グリッパの開閉を制御する。
また、各搬送ドラム31、41、51、61には、用紙Pを周面に吸着保持する機構が備えられているので、その吸着保持機構の駆動を制御する(本実施の形態では、用紙Pを真空吸着するので、負圧発生手段としての真空ポンプの駆動を制御する。)。
また、各渡し胴80、90、100には、ドライヤ84、94、104が備えられているので、その駆動(加熱量と送風量)を制御する。
この搬送ドラム31、41、51、61と、渡し胴80、90、100の駆動は、システムコントローラ200からの指令に応じて制御される。
給紙制御部204は、システムコントローラ200からの指令に応じて給紙部20を構成する各部(給紙装置21、渡し胴23等)の駆動を制御する。
処理液塗布制御部205は、システムコントローラ200からの指令に応じて処理液塗布部30を構成する各部(塗布装置32等)の駆動を制御する。
画像記録制御部206は、システムコントローラ200からの指令に応じて画像記録部40を構成する各部(用紙押えローラ42、インクジェットヘッド44C、44M、44Y、44K等)の駆動を制御する。
インク乾燥制御部207は、システムコントローラ200からの指令に応じてインク乾燥部50を構成する各部(インク乾燥装置52等)の駆動を制御する。
定着制御部208は、システムコントローラ200からの指令に応じて定着部60を構成する各部(紫外線照射光源62、インラインセンサ64等)の駆動を制御する。
回収制御部209は、システムコントローラ200からの指令に応じて回収部70を構成する各部(排紙コンベア72等)の駆動を制御する。
操作部210は、所要の操作手段(たとえば、操作ボタンやキーボード、タッチパネル等)を備えており、その操作手段から入力された操作情報をシステムコントローラ200に出力する。システムコントローラ200は、この操作部210から入力された操作情報に応じて各種処理を実行する。
表示部211は、所要の表示装置(たとえば、LCDパネル等)を備えており、システムコントローラ200からの指令に応じて所要の情報を表示装置に表示させる。
上記のように、用紙に記録する画像データは、ホストコンピュータから通信部201を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、画像メモリ202に格納される。システムコントローラ200は、この画像メモリ202に格納された画像データに所要の信号処理を施してドットデータを生成し、生成したドットデータに従って画像記録部40の各インクジェットヘッドの駆動を制御することにより、その画像データが表す画像を用紙に記録する。
ドットデータは、一般に画像データに対して色変換処理、ハーフトーン処理を行って生成される。色変換処理は、sRBなどで表現された画像データ(たとえば、RB8ビットの画像データ)をインクジェット記録装置10で使用するインクの各色のインク量データに変換する処理である(本例では、C、M、Y、Kの各色のインク量データに変換する。)。ハーフトーン処理は、色変換処理により生成された各色のインク量データに対して誤差拡散等の処理で各色のドットデータに変換する処理である。
システムコントローラ200は、画像データに対して色変換処理、ハーフトーン処理を行って各色のドットデータを生成する。そして、生成した各色のドットデータに従って、対応するインクジェットヘッドの駆動を制御することにより、画像データが表す画像を用紙に記録する。
《画像の記録処理》
次に、本実施の形態のインクジェット記録装置10による画像の記録動作について概説する。
システムコントローラ200から給紙装置21に給紙指令が出力されると、給紙装置21から給紙トレイ22に用紙Pが給紙される。給紙トレイ22に給紙された用紙Pは、渡し胴23を介して処理液塗布部30の処理液塗布ドラム31に受け渡される。
処理液塗布ドラム31に受け渡された用紙Pは、処理液塗布ドラム31によって所定の搬送経路を搬送され、その搬送過程で塗布装置32によって印刷面に処理液が塗布される。
処理液が塗布された用紙Pは、処理液塗布ドラム31から渡し胴80に受け渡される。そして、その渡し胴80によって所定の搬送経路を搬送されて、画像記録部40の画像記録ドラム41に受け渡される。用紙Pは、その渡し胴80による搬送過程で渡し胴80の内部に設置されたドライヤ84から印刷面に熱気が吹き付けられ、印刷面に塗布された処理液が乾燥される。
渡し胴80から画像記録ドラム41に受け渡された用紙Pは、まず、用紙押えローラ42にニップされて、裏面が画像記録ドラム41の外周面に密着される。
用紙押えローラ42を通過した用紙Pは、その後、用紙浮き検出センサ43によって浮きの有無が検出される。ここで、用紙Pの浮きが検出されると、搬送が停止される。一方、浮きが検出されない場合は、そのままインクジェットヘッド44C、44M、44Y、44Kに向けて搬送される。そして、各インクジェットヘッド44C、44M、44Y、44Kの下を通過する際、各インクジェットヘッド44C、44M、44Y、44KからC、M、Y、Kの各色のインク滴が吐出されて、印刷面にカラー画像が描画される。
画像が描画された用紙Pは、画像記録ドラム41から渡し胴90に受け渡される。そして、その渡し胴90によって所定の搬送経路を搬送されて、インク乾燥部50のインク乾燥ドラム51に受け渡される。用紙Pは、その渡し胴90による搬送過程で渡し胴90の内部に設置されたドライヤ94から印刷面に熱気が吹き付けられて、印刷面に付与されたインクが乾燥される。
インク乾燥ドラム51に受け渡された用紙Pは、インク乾燥ドラム51によって所定の搬送経路を搬送される。そして、その搬送過程でインク乾燥装置52から熱風が印刷面に吹き付けられて、印刷面に残存する液体成分が乾燥される。
乾燥処理された用紙Pは、インク乾燥ドラム51から渡し胴100に受け渡される。そして、その渡し胴100によって所定の搬送経路を搬送されて、定着部60の定着ドラム61に受け渡される。用紙Pは、その渡し胴100による搬送過程で渡し胴100の内部に設置されたドライヤ104から印刷面に熱気が吹き付けられ、印刷面に付与されたインクが、さらに乾燥される。
定着ドラム61に受け渡された用紙Pは、定着ドラム61によって所定の搬送経路を搬送される。そして、その搬送過程で印刷面に紫外線が照射され、描画された画像が用紙Pに定着される。用紙Pは、この後、定着ドラム61から回収部70の排紙コンベア72に受け渡され、排紙コンベア72によってスタッカ71まで搬送されて、スタッカ71内に排紙される。
以上のように、本例のインクジェット記録装置10では、用紙Pをドラム搬送し、その搬送過程で用紙Pに対し、処理液の塗布、乾燥、インク滴の打滴、乾燥、定着の各処理を施して、用紙Pに所定の画像を記録する。
《塗布装置》
次に、本実施の形態のインクジェット記録装置10に組み込まれる塗布装置32について説明する。
〈塗布装置の基本構成〉
まず、塗布装置32の基本構成について説明する。
上記のように、塗布装置32は、処理液塗布ドラム(被塗布物搬送手段)31によって搬送される用紙(被塗布物)Pの表面(被塗布面)に処理液(塗布液)を塗布する。
図3は、塗布装置の概略構成を示す側面図である。また、図4は、塗布装置の概略構成を示す平面図であり、図5は、塗布装置の概略構成を示す斜視図である。
図3から図5に示すように、塗布装置32は、用紙Pの表面に当接されて用紙Pの表面に処理液を塗布する塗布ローラ302と、塗布ローラ302の周面に処理液を供給する供給ローラ304と、供給ローラ304の周面に処理液を供給する処理液槽(塗布液供給手段)306とを備えて構成される。塗布装置32は、処理液塗布ドラム31によって搬送される用紙Pの搬送径路上に設置される。
塗布ローラ302は、その周面が処理液塗布ドラム31によって搬送される用紙Pの表面に押圧当接されることにより、用紙Pの表面に処理液を塗布する。
塗布ローラ302は、その周面の幅(軸方向の長さ)が処理液塗布ドラム31の周面の幅(軸方向の長さ)よりも広く形成される。塗布ローラ302は、両端の軸部を図示しない塗布ローラ支持アームに回転自在に支持されて、処理液塗布ドラム31と平行に配置される。塗布ローラ302は、周面の幅方向の中心が、処理液塗布ドラム31の周面の幅方向の中心とほぼ一致するように配置される。
塗布ローラ支持アームは、図示しない塗布装置本体フレームに設けられる。この塗布ローラ支持アームは、所定の供給位置(後述)に位置したときの供給ローラ304の回転軸の位置を揺動中心として揺動自在に設けられる。
塗布装置本体フレームには、塗布ローラ支持アームを揺動させる塗布ローラ支持アーム揺動手段(たとえば、シリンダ等)が設けられる。塗布ローラ支持アームは、この塗布ローラ支持アーム揺動手段によって、塗布ローラ当接位置と塗布ローラ離間位置との間を揺動して移動する。塗布ローラ302は、塗布ローラ支持アームが塗布ローラ当接位置に移動することにより、所定の塗布位置に移動する。また、塗布ローラ支持アームが塗布ローラ離間位置に移動することにより、所定の退避位置に移動する。塗布ローラ302は、塗布位置に移動することにより、処理液塗布ドラム31の周面に押圧当接される。また、退避位置に移動することにより、処理液塗布ドラム31の周面から離間する。
塗布ローラ支持アームには、塗布ローラ302を回転させるための図示しない塗布ローラ回転駆動手段(たとえば、モータ)が設けられる。塗布ローラ302は、この塗布ローラ回転駆動手段に駆動されて所定の回転速度で回転する。なお、塗布ローラ302の回転方向は、処理液塗布ドラム31の回転方向と反対の方向である。
供給ローラ304は、その周面が塗布ローラ302の周面に当接されることにより、塗布ローラ302の周面に処理液を供給する。
供給ローラ304は、塗布ローラ302の幅方向全域に処理液を供給することができるように、周面の幅(軸方向の長さ)W1が、塗布ローラ302の周面の幅(軸方向の長さ)W2よりも広く形成される。供給ローラ304は、両端の軸部を図示しない供給ローラ支持アームに回転自在に支持されて、塗布ローラ302と平行に配置される。供給ローラ304は、その周面の幅方向の中心が、塗布ローラ302の周面の幅方向の中心とほぼ一致するように配置される。
ところで、上記のように、供給ローラ304は、周面の幅が塗布ローラ302の周面の幅よりも広く形成される。この結果、周面の両端部分に塗布ローラ302の周面と接触しない領域(非接触領域)Nが形成される(図4において、塗布ローラの両端の波線で示す領域)。この非接触領域Nは、塗布ローラ302の周面と接触する領域(接触領域)Mと異なる表面状態で形成される。すなわち、濡れ性(親水性)が高められて、接触領域Mよりも処理液が流れやすいように形成される。このように、非接触領域Nにおいて、処理液が流れやすいようにすることにより、塗布ローラ302の両端部で処理液が停滞し、リング状の溜まるのを防止することができる。すなわち、塗布ローラ302の両端部分にリング状の液溜まりが生じるのを防止することができる。この点については、後に詳述する。
供給ローラ支持アームは、塗布装置本体フレームに設けられる。この供給ローラ支持アームは、揺動軸を揺動中心として揺動自在に設けられる。
塗布装置本体フレームには、供給ローラ支持アームを揺動させる供給ローラ支持アーム揺動手段(たとえば、シリンダ等)が設けられる。供給ローラ支持アームは、この供給ローラ支持アーム揺動手段によって、供給ローラ当接位置と供給ローラ離間位置との間を揺動して移動する。供給ローラ304は、供給ローラ支持アームが供給ローラ当接位置に移動することにより、所定の供給位置に移動する。また、供給ローラ支持アームが供給ローラ離間位置に移動することにより、所定の供給停止位置に移動する。供給ローラ304は、供給位置に移動することにより、塗布ローラ302の周面に押圧当接される。また、供給停止位置に移動することにより、塗布ローラ302の周面から離間する。
供給ローラ支持アームには、供給ローラ304を回転させるための図示しない供給ローラ回転駆動手段(たとえば、モータ)が設けられる。供給ローラ304は、この供給ローラ回転駆動手段に駆動されて所定の回転速度で回転する。なお、供給ローラ304の回転方向は、塗布ローラ302の回転方向と反対の方向である。
処理液槽306は、処理液を貯留して、供給ローラ304の周面に供給する。
処理液槽306は、上部が開口した皿状に形成される。処理液槽306は、塗布装置本体フレームに水平に設置される。処理液槽306には、処理液が貯留される。供給ローラ304は、その一部(下部)が、処理液槽306に貯留された処理液中に浸漬される。供給ローラ304が回転することにより、処理液が汲み上げられ、供給ローラ304の周面に当接された塗布ローラ302の周面に供給される。
なお、処理液槽306には、図示しない処理液供給ユニットから処理液が循環して供給される。処理液供給ユニットは、処理液槽306に貯留される処理液の液面の高さをモニタし、高さが一定に保たれるように、処理液を循環して供給する。
塗布装置32の基本構成は、以上のとおりである。
〈塗布動作〉
次に、塗布の基本動作について説明する。
初期状態において、塗布ローラ302は待機位置に位置している。また、供給ローラ304は離間位置に位置している。したがって、初期状態において、塗布ローラ302は処理液塗布ドラム31から離間しており、また、供給ローラ304も塗布ローラ302から離間している。
まず、塗布ローラ302と供給ローラ304とが回転駆動される。供給ローラ304が回転することにより、供給ローラ304の周面に処理液が供給される。
次に、供給ローラ304が供給位置に移動する。これにより、供給ローラ304の周面が塗布ローラ302の周面に当接し、塗布ローラ302の周面に処理液が供給される。すなわち、供給ローラ304の周面が塗布ローラ302の周面に当接することにより、供給ローラ304の周面に付与された処理液が、塗布ローラ302の周面に転写されて、塗布ローラ302の周面に処理液が供給される。これにより、塗布の準備が完了する。この状態で塗布ローラ302を塗布位置に移動させることにより、処理液塗布ドラム31によって搬送される用紙Pの表面に処理液を塗布することができる。
ここで、塗布ローラ302の移動は、用紙Pの搬送に同期して制御される。すなわち、用紙Pの先端が塗布ローラ302の設置位置に到達するタイミングで、塗布ローラ302が退避位置から塗布位置に移動するように制御され、また、用紙Pの後端が塗布ローラ302の設置位置に到達するタイミングで、塗布ローラ302が塗布位置から退避位置に移動するように制御される。これにより、用紙Pが通過するタイミングに合わせて塗布ローラが塗布位置に移動し、用紙Pの表面に処理液が塗布される。
このように、周面に処理液が供給された塗布ローラ302を用紙Pの搬送に合わせて塗布位置に移動させることにより、順次搬送される用紙Pの表面に処理液が塗布される。
塗布処理を終了する場合は、まず、塗布ローラ302が退避位置に位置した状態で塗布ローラ302と供給ローラ304との回転が停止される。その後、供給ローラ304が待機位置に移動する。これにより、塗布ローラ302が処理液塗布ドラム31から離間した状態で停止するとともに、供給ローラ304が塗布ローラ302から離間した状態で停止する。
〈塗布装置の細部構造〉
上記のように、本実施の形態の塗布装置32では、塗布ローラ302の幅方向全域に処理液を供給することができるようにするため、供給ローラ304の周面の幅(軸方向の長さ)が塗布ローラ302の周面の幅(軸方向の長さ)よりも広く形成される。この結果、供給ローラ304の周面の両端部分に塗布ローラ302の周面と接触しない領域(非接触領域)Nが形成される。
このように、塗布ローラ302の周面の幅よりも広い幅を有する供給ローラ304を用いて塗布ローラ302に処理液を供給すると、塗布ローラ302の両端部分にリング状の液溜まりが生じる。これは次の理由によるものである。処理液には表面積が小さくなるように表面張力が働いている。塗布ローラ302が供給ローラ304と接触する領域(接触領域)では、液膜があるため、液量が増加した場合、処理液には表面張力により軸方向へ流れる力が得られる。しかし、非接触領域では、塗布ローラが存在しなくなり、軸方向へ移動する力が失われる。この結果、処理液の流れ(軸方向の流れ)が塗布ローラ302の端部で停滞し、塗布ローラ302の端部にリング状の液溜まりが生じる。
このように、塗布ローラ302の端部に生じるリング状の液溜まりは、塗布ローラ302の端部において、処理液の流れが停滞することによって生じる。
したがって、塗布ローラ302の端部で処理液の流れが停滞するのを防止できれば、塗布ローラ302の端部にリング状の液溜まりが生じるのを防止することができる。
そこで、本実施の形態の塗布装置32では、非接触領域Nの表面状態を変えて、非接触領域Nで処理液を流れやすくすることにより(軸方向に流れやすくする)、塗布ローラ302の両端部に処理液がリング状の溜まるのを防止している。以下、この点について詳述する。
[液溜まりの発生を防止するための構造]
上記のように、塗布ローラ302の端部で処理液の流れが停滞するのを防止できれば、塗布ローラ302の端部にリング状の液溜まりが生じるのを防止することができる。このためには、供給ローラ304の非接触領域Nにおいて、処理液を流れやすくすればよい。すなわち、供給ローラ単体で処理液を流したときに、接触領域Mを流れる処理液の流速VMよりも、非接触領域Nを流れる処理液の流速VNの方が速くなるように(VN>VM)、供給ローラ304を形成すれば、塗布ローラ302の端部にリング状の液溜まりが生じるのを防止することができる。
そして、接触領域Mを流れる処理液の流速VMよりも、非接触領域Nを流れる処理液の流速VNの方が速くなるようにするためには、非接触領域Nの表面状態を変えて、濡れ性(親水性)を高めればよい。すなわち、非接触領域Nの濡れ性を高めれば、非接触領域Nにおいて処理液を流しやすくすることができ、非接触領域Nを流れる処理液の流速VNを接触領域Mを流れる処理液の流速VMよりも速くすることができる(VN>VM)。
〔非接触領域の濡れ性を高める処理〕
非接触領域Nの濡れ性を高めるためには、非接触領域Nにおける処理液の接触角θNが、接触領域Mにおける処理液の接触角θMよりも小さくなるように(θN<θM)、供給ローラ304を形成すればよい。
接触領域Mの接触角θMと非接触領域Nの接触角θNとを変えるには、供給ローラ304を次のように形成することが考えられる。
・第1の形態:素材を変える方法
接触領域Mを構成する素材と非接触領域Nを構成する素材を変えることにより、接触領域Mの接触角θMと非接触領域Nの接触角θNとを変えることができる。
たとえば、ゴム製の供給ローラ304を使用する場合、接触領域Mは、撥水性の高いゴム(たとえば、フッ素ゴム)で形成し、非接触領域Nは、親水性の高いゴム(たとえば、NBR)で形成する。
また、たとえば、金属製の供給ローラ304を使用する場合、接触領域Mは、撥水性を有する金属(たとえば、アルミ、ステンレスなど)を使用し、非接触領域Nは、親水性を有する金属(たとえば、チタンなど)を使用する。
これにより、接触領域Mの接触角θMよりも非接触領域Nの接触角θMを小さくすることができる。すなわち、接触領域Mよりも非接触領域Nの親水性を高めることができる。これにより、非接触領域Nにおいて処理液を流しやすくすることができ、塗布ローラ302の端部で処理液の流れが停滞するのを防止できる。また、これにより、塗布ローラ302の端部にリング状の液溜まりが生じるのを防止することができる。
・第2の形態:コーティングによる方法
接触領域M及び/又は非接触領域Nにコーティング処理を施すことにより、接触領域Mの接触角θMと非接触領域Nの接触角θNとを変えることができる。
たとえば、接触領域Mは、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン(4フッ化))、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体ポリテトラフルオロエチレン)などの撥水膜をコーティングする。また、非接触領域Nは、シリカ粒子などの親水膜をコーティングする。
これにより、接触領域Mよりも非接触領域Nの親水性を高めることができ、非接触領域Nにおいて処理液を流しやすくすることができる。また、これにより、塗布ローラ302の端部で処理液の流れが停滞するのを防止できる。また、これにより、塗布ローラ302の端部にリング状の液溜まりが生じるのを防止することができる。
なお、非接触領域Nの親水性を高めることができればよいので、必ずしも接触領域Mと非接触領域Nの双方にコーティング処理を施す必要はない。すなわち、非接触領域Nにのみコーティング処理を施して、接触領域Mよりも親水性を高めるようにしてもよい。
・第3の形態:表面粗さを変える方法
接触領域Mと非接触領域Nとで表面粗さを変えることにより、接触領域Mの接触角θMと非接触領域Nの接触角θNとを変えることができる。
すなわち、接触領域Mよりも非接触領域Nの表面粗さの値を大きくする。すなわち、非接触領域Nに表面を荒らす処理を施す。
これにより、接触領域Mの接触角θMよりも非接触領域Nの接触角θMを小さくすることができる。これにより、非接触領域Nにおいて処理液を流しやすくすることができ、塗布ローラ302の端部で処理液の流れが停滞するのを防止できる。また、これにより、塗布ローラ302の端部にリング状の液溜まりが生じるのを防止することができる。
以上説明したように、非接触領域Nにおける処理液の接触角θNが、接触領域Mにおける処理液の接触角θMよりも小さくなるように(θN<θM)、供給ローラ304を形成することにより、塗布ローラ302の端部で処理液の流れが停滞するのを防止でき、これにより、塗布ローラ302の端部にリング状の液溜まりが生じるのを防止することができる。
なお、いずれの場合も接触角(θM、θN)は、90°以下とすることが好ましい。接触角が90°以上になると、処理液がローラの端面に回り込みやすくなり、ローラの端面に処理液が溜まりやすくなるからである。
〔その他の方法〕
上記のように、供給ローラ304の非接触領域Nで処理液を軸方向に流れやすくすることにより、塗布ローラ302の端部にリング状の液溜まりが生じるのを防止することができる。
非接触領域Nに直線状の溝を形成することにより、非接触領域Nで処理液を軸方向に流れやすくすることができる。すなわち、図6に示すように、供給ローラ304の両端の非接触領域Nに供給ローラ304の軸と平行な溝308を供給ローラ304の周方向に一定ピッチで多数形成する。
このような溝308を供給ローラ304の周面に形成することにより、表面張力の作用で溝308に沿って処理液が流れる力が働き、非接触領域Nにおいて、処理液を軸方向に流れやすくすることができる(接触領域Mを流れる処理液の流速VMよりも非接触領域Nを流れる処理液の流速VNを速くすることができる。)。これにより、塗布ローラ302の両端にリング状の液溜まりが発生するのを防止できる。
なお、表面張力によって処理液を軸方向に流す力を有効に作用させるため、非接触領域Nには微細な溝を多数形成することが好ましい。すなわち、微細な溝を多数形成することにより、接触面積を確保する。たとえば、深さ1mm、幅0.5mmの溝を1mm間隔で形成する。
〔処理液の軸方向の飛散を防止する構造〕
上記のように、本実施の形態の塗布装置32によれば、供給ローラ304の両端の非接触領域Nにおいて、処理液が軸方向に流れやすくなるように構成される。この場合、供給ローラ304の端部に流れた処理液が、供給ローラ304の端面の角部に付着し、軸方向に飛散するおそれがある。
そこで、これを防止するため、図7に示すように、供給ローラ304の両端部にフランジ部(径が拡大した部分)310を形成する。すなわち、供給ローラ304の両端部に反しとなる部分を形成する。
これにより、非接触領域Nを軸方向に流れる処理液が、軸方向に飛散するのを防止することができる。
〈他の実施の形態〉
上記実施の形態では、供給ローラが1つで構成されているが、複数の供給ローラ(いわゆる多段供給ローラ)を介して塗布ローラ302に処理液を供給する構成とすることもできる。この場合、各ローラ間で上記の関係を満たすように構成する。
すなわち、多段供給ローラを構成する各供給ローラは、前段(処理液槽側)の供給ローラの周面の幅が、次段(塗布ローラ側)の供給ローラの周面の幅よりも広く形成され、前段の供給ローラの周面の幅方向の両端部に次段の供給ローラが接触しない領域が形成される。また、終段(塗布ローラに当接される供給ローラ)の供給ローラの周面の幅が、塗布ローラの周面の幅よりも広く形成され、終段の供給ローラの周面の幅方向の両端部に塗布ローラが接触しない領域が形成される。そして、各供給ローラは、接触領域と非接触領域とで表面状態を変えて形成され、接触領域を流れる塗布液の流速よりも非接触領域を流れる塗布液の流速の方が速くなるように形成される。
図8、図9は、それぞれ2つの供給ローラ(2段供給ローラ)を介して塗布ローラに処理液を供給するタイプの塗布装置の概略構成を示す側面図と平面図である。
同図に示すように、この塗布装置32は、塗布ローラ302と、塗布ローラ302の周面に処理液を供給する第2供給ローラ304Bと、第2供給ローラ304Bの周面に処理液を供給する第1供給ローラ304Aと、第1供給ローラ304Aの周面に処理液を供給する処理液槽306とを備えて構成される。
第1供給ローラ304Aは、その周面の幅WAが、第2供給ローラ304Bの周面の幅WBよりも広く形成される(WB<WA)。これにより、第1供給ローラ304Aには、周面の幅方向の両端部に第2供給ローラ304Bが接触しない領域(非接触領域)が形成される。
また、第2供給ローラ304Bは、その周面の幅WBが、塗布ローラ302の周面の幅WCよりも広く形成される(WB<WC)。これにより、第2供給ローラ304Bには、周面の幅方向の両端部に塗布ローラ302が接触しない領域(非接触領域)が形成される。
上記実施の形態と同様に、各供給ローラ(第1供給ローラ304A、第2供給ローラ304B)は、接触領域を流れる塗布液の流速よりも非接触領域を流れる塗布液の流速の方が速くなるように形成される。すなわち、非接触領域の表面状態を変えて、濡れ性(親水性)を高め、非接触領域において処理液を流しやすくする。
これにより、各ローラで両端部にリング状の液溜まりが発生するのを防止することができる。
なお、上記の例は、供給ローラが2本で構成される場合を例に説明したが、さらに複数本の供給ローラで多段供給ローラを構成することもできる。
また、上記一連の実施の形態では、インクジェット記録装置において、用紙に所定の処理液を塗布する塗布装置に本発明を適用した場合を例に説明したが、本発明の適用は、これに限定されるものではない。被塗布物に塗布液をローラ塗布する塗布装置全般に適用することができる。
10…インクジェット記録装置、20…給紙部、21…給紙装置、22…給紙トレイ、23…渡し胴、30…処理液塗布部、31…処理液塗布ドラム(搬送ドラム)、32…塗布装置、40…画像記録部、41…画像記録ドラム(搬送ドラム)、42…用紙押えローラ、43…用紙浮き検出センサ、44C、44M、44Y、44K…インクジェットヘッド、50…インク乾燥部、51…インク乾燥ドラム(搬送ドラム)、52…インク乾燥装置、60…定着部、61…定着ドラム(搬送ドラム)、62…紫外線照射光源、64…インラインセンサ、70…回収部、71…スタッカ、72…排紙コンベア、80…渡し胴、82…ガイド板、84…ドライヤ、90…渡し胴、92…ガイド板、94…ドライヤ、100…渡し胴、102…ガイド板、104…ドライヤ、200…システムコントローラ、201…通信部、202…画像メモリ、203…搬送制御部、204…給紙制御部、205…処理液塗布制御部、206…画像記録制御部、207…インク乾燥制御部、208…定着制御部、209…回収制御部、210…操作部、211…表示部、302…塗布ローラ、304…供給ローラ、304A…第1供給ローラ、304B…第2供給ローラ、306…処理液槽、308…溝、M…接触領域、N…非接触領域、P…用紙

Claims (11)

  1. 被塗布物に塗布液を塗布する塗布ローラと、
    前記塗布ローラに当接されて、前記塗布ローラに前記塗布液を供給する供給ローラであって、周面の幅が前記塗布ローラの周面の幅よりも広く形成されて、周面の幅方向の両端部に前記塗布ローラが接触しない領域が形成される供給ローラと、
    前記供給ローラに塗布液を供給する塗布液供給手段と、
    を有し、
    前記供給ローラは、前記塗布ローラが接触する接触領域の表面状態と、前記塗布ローラが接触しない非接触領域の表面状態とを変えて形成することにより、前記接触領域を流れる前記塗布液の流速よりも前記非接触領域を流れる前記塗布液の流速の方が速くなるように形成される塗布装置。
  2. 被塗布物に塗布液を塗布する塗布ローラと、
    互いに当接された複数段の供給ローラからなり、終段の供給ローラが前記塗布ローラに当接されて、前記塗布ローラに前記塗布液を供給する多段供給ローラであって、前段の供給ローラの周面の幅が、次段の供給ローラの周面の幅よりも広く形成されて、前段の供給ローラの周面の幅方向の両端部に次段の供給ローラが接触しない領域が形成されるとともに、終段の供給ローラの周面の幅が前記塗布ローラの周面の幅よりも広く形成されて、終段の供給ローラの周面の幅方向の両端部に前記塗布ローラが接触しない領域が形成される多段供給ローラと、
    前記多段供給ローラの第1段の供給ローラに塗布液を供給する塗布液供給手段と、
    を有し、
    前記多段供給ローラの各供給ローラは、前記塗布ローラ又は次段の供給ローラが接触する接触領域の表面状態と、前記塗布ローラ又は次段の供給ローラが接触しない非接触領域の表面状態とを変えて形成することにより、前記接触領域を流れる前記塗布液の流速よりも前記非接触領域を流れる前記塗布液の流速の方が速くなるように形成される塗布装置。
  3. 前記接触領域の接触角よりも前記非接触領域の接触角の方が小さくなるように、前記接触領域の表面状態と前記非接触領域の表面状態とが変えられる請求項1又は2に記載の塗布装置。
  4. 前記接触領域の接触角よりも前記非接触領域の接触角の方が小さくなるように、前記接触領域を構成する素材と前記非接触領域を構成する素材とが変えられる請求項3に記載の塗布装置。
  5. 前記接触領域が撥水性を有する素材で形成され、前記非接触領域が親水性を有する素材で形成される請求項4に記載の塗布装置。
  6. 前記接触領域の接触角よりも前記非接触領域の接触角の方が小さくなるように、前記接触領域及び/又は前記非接触領域に薄膜がコーティングされる請求項3に記載の塗布装置。
  7. 前記接触領域が撥水膜でコーティングされ、前記非接触領域が親水膜でコーティングされる請求項6に記載の塗布装置。
  8. 前記接触領域の接触角よりも前記非接触領域の接触角の方が小さくなるように、前記接触領域の表面粗さと前記非接触領域の表面粗さとが変えられる請求項3に記載の塗布装置。
  9. 前記非接触領域には、前記供給ローラの軸と平行な溝が周方向に一定ピッチで形成される請求項1又は2に記載の塗布装置。
  10. 前記供給ローラの両端には、フランジ部が形成される請求項1に記載の塗布装置。
  11. 用紙の表面に所定の塗布液を塗布する請求項1から10のいずれか1項に記載の塗布装置と、
    前記塗布液が塗布された前記用紙の表面にインク滴を吐出して画像を描画するインクジェットヘッドと、
    を備えたインクジェット記録装置。
JP2012066981A 2012-03-23 2012-03-23 塗布装置及びインクジェット記録装置 Withdrawn JP2013198997A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012066981A JP2013198997A (ja) 2012-03-23 2012-03-23 塗布装置及びインクジェット記録装置
US13/848,606 US20130249995A1 (en) 2012-03-23 2013-03-21 Coating apparatus and inkjet recording apparatus
CN2013100930078A CN103317860A (zh) 2012-03-23 2013-03-22 涂布设备和喷墨记录设备

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012066981A JP2013198997A (ja) 2012-03-23 2012-03-23 塗布装置及びインクジェット記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013198997A true JP2013198997A (ja) 2013-10-03

Family

ID=49187036

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012066981A Withdrawn JP2013198997A (ja) 2012-03-23 2012-03-23 塗布装置及びインクジェット記録装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20130249995A1 (ja)
JP (1) JP2013198997A (ja)
CN (1) CN103317860A (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6912155B2 (ja) * 2014-10-20 2021-07-28 三菱重工機械システム株式会社 フレキソ印刷機および製函機
CN108525931B (zh) * 2018-05-17 2020-11-13 惠州市瑞丰研磨材料有限公司 一种砂纸生产绒布砂纸上胶装置及其工作方法
JP7225839B2 (ja) * 2019-01-24 2023-02-21 株式会社リコー 塗布装置及び画像形成システム
NL2024281B1 (nl) * 2019-11-21 2021-08-18 Contiweb B V Opbrenginrichting

Also Published As

Publication number Publication date
CN103317860A (zh) 2013-09-25
US20130249995A1 (en) 2013-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5179610B2 (ja) 用紙搬送装置及びインクジェット記録装置
JP5276645B2 (ja) 塗布装置及びインクジェット記録装置
JP5480854B2 (ja) 用紙搬送装置及びインクジェット記録装置
JP5152980B2 (ja) インクジェット記録装置及び方法
JP5543988B2 (ja) 用紙搬送装置及びインクジェット記録装置
JP5734926B2 (ja) 塗布装置及びインクジェット記録装置
JP5340329B2 (ja) 塗布装置及びインクジェット記録装置
JP2011168021A (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP2013198997A (ja) 塗布装置及びインクジェット記録装置
JP5400658B2 (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP2012096863A (ja) インクジェット記録装置
JP2011201125A (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP5783973B2 (ja) 記録媒体搬送装置及びインクジェット記録装置
JP5480661B2 (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP5503331B2 (ja) 画像形成装置および画像形成方法
JP2011168022A (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP5841426B2 (ja) 画像記録装置、予備乾燥装置、画像記録方法及び予備乾燥方法
JP2011168019A (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP2012206337A (ja) インクジェット記録装置及び方法
JP2011213427A (ja) 媒体搬送装置及び画像形成装置並びに媒体搬送装置の洗浄方法
JP5681601B2 (ja) 記録メディア搬送装置及びインクジェット記録装置
JP5639774B2 (ja) 乾燥装置及び液体吐出装置並びに媒体固定方法
JP2014166902A (ja) 用紙搬送装置及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130903

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20130910