以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
<第1実施形態>
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110〜112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110〜112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。 図2は、図柄表示窓113の9つの表示領域1〜9と、本実施形態で採用されている入賞ライン114との関係を示した図である。本実施形態では、表示領域1、4、7によって構成される上段水平入賞ライン(水平入賞ラインL1)、表示領域3、6、9によって構成される下段水平入賞ライン(水平入賞ラインL2)、表示領域1、5、9によって構成される右下がり入賞ライン(対角入賞ラインL3)、表示領域3、5、7によって構成される右上がり入賞ライン(対角入賞ラインL4)の4本の入賞ラインが設定されている。以下、有効となる入賞ラインを有効ラインと呼ぶ場合がある。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
ベットボタン130〜132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAX(マックス)ベットボタンともいう。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130〜132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。本実施形態においては、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および払出枚数表示器127は7セグメント(SEG)表示器で構成されている。
スタートレバー135は、リール110〜112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。すなわち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130〜132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137〜139が設けられている。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110〜112に対応づけてそれぞれ設けられている。本実施形態では、左リール110にストップボタン137、中リール111にストップボタン138、右リール112にストップボタン139が対応付けられている。以下、ストップボタン137〜139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。また、第1停止操作の対象となるリールを第1停止リール、第2停止操作の対象となるリールを第2停止リール、第3停止操作の対象となるリールを第3停止リールという。なお、各ストップボタン137〜139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137〜139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受皿161が設けられている。
音孔181はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(図示省略、演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成されている。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
<制御部の回路構成>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図である。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器314bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
基本回路302は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路332を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路332から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、基本回路302には、センサ回路320を設けており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139センサは、各々のストップボタン137〜139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、およびベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130〜132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、およびリール112のインデックスセンサは、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部300は、リール110〜112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、及び各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328をそれぞれ設けている。
また、基本回路302には、情報出力回路334が接続されており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるが、第1副制御部400から主制御部300にコマンド等の信号を送信できない。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えている。この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第1副制御部400は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406を設けている。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418が設けられ、音源IC418には出力インタフェースを介してスピーカ272、277が接続されている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
第1副制御部400には、また、駆動回路422が設けられ、駆動回路422には入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)が接続されている。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。スロットマシン100の第2副制御部500では、演出画像表示装置157やシャッタ163などの制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、演出画像表示装置157の制御を行う制御部、シャッタ163の制御を行う制御部とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
次に、スロットマシン100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第2副制御部500は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506を設けている。
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU504に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第2副制御部500には、シャッタ163を駆動する駆動回路530が設けられ、駆動回路530には出力インタフェースを介してシャッタ163が接続されている。この駆動回路530は、CPU504からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
また、第2副制御部500には、センサ回路532が設けられ、センサ回路532には入力インタフェースを介してシャッタセンサ538が接続されている。CPU504は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ538の状態を監視している。
また、第2副制御部500には、VDP534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)が設けられ、このVDP534には、バスを介してROM506、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
<図柄配列>
図4を用いて、上述の各リール110〜112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
各リール110〜112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では10種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110〜112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号0のコマには「ハッピ」の図柄、中リール111の番号1のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号2のコマには「青セブンブランク」の図柄、がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図5及び図6を用いて、スロットマシン100の入賞役(役とも表記する)の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役の名称、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の払出または作動を示す図である。
本実施形態における入賞役のうち、特別役1〜4(BB(ビッグボーナス)1〜4)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技役1〜5(リプレイ1〜5)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、ビッグボーナスおよびリプレイが含まれる。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、およびリプレイへの入賞が含まれる。
スロットマシン100の入賞役には、大別して、特別役(BB、ボーナス役ともいう)と、一般役(再遊技役1〜再遊技役5、小役1〜小役9、増加役1〜15)と、がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
「ビッグボーナス(BB)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。特別役1(BB1)に対応する図柄組合せは「赤セブン−赤セブン−赤セブン」、特別役2(BB2)に対応する図柄組合せは「黄セブン−黄セブン−黄セブン」、特別役3(BB3)に対応する図柄組合せは「赤セブン−赤セブン−黄セブン」、特別役4(BB4)に対応する図柄組合せは「黄セブン−黄セブン−赤セブン」である。また、BBについてはフラグ持越しを行う。すなわち、BBに内部当選すると、これを示すフラグ(ボーナスフラグ)が立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBBに入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBBに内部当選中となり、内部当選中のBBに対応する図柄組合せが、揃って入賞する状態にある。
なお、主制御部300は、この図柄組合せが表示されたことに基づいて遊技状態をRT4(後述する図8で詳細に説明する)に移行させる。RT4は規定数(特別役1及び特別役2は297枚、特別役3及び特別役4は63枚)を超えるメダル払出があると当該遊技状態を終了し、遊技状態をRT0(後述する図8で詳細に説明する)に移行させる。
「再遊技役(再遊技役1〜5)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、再遊技役1(リプレイ1)は「リプレイ−リプレイ−リプレイ」、再遊技役2(リプレイ2)は「赤セブンブランク−リプレイ−リプレイ」、再遊技役3(リプレイ3)は「リプレイ−リプレイ−ハッピ」、再遊技役4(リプレイ4)は「赤セブンブランク−リプレイ−ハッピ」、再遊技役5(リプレイ5)は「黄セブン−青セブン−赤セブン」である。
本実施形態では、再遊技役3(リプレイ3)及び再遊技役4(リプレイ4)は遊技状態の移行を伴う役であり、主制御部300は、RT1(後述する図8で詳細に説明する)において再遊技役3または4に対応する図柄組合せが表示されると、遊技状態をRT2(後述する図8で詳細に説明する)に移行させる。
「小役(小役1〜小役9)」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、小役1(チェリー)が「チェリー−ANY−ANY」、小役2(ハッピ1)が「ハッピ−ハッピ−ハッピ」、小役3(ハッピ2)が「赤セブン−ハッピ−ハッピ」、小役4(青ベル)が「青セブン−ベル−ベル」、小役5(赤ベル)が「赤セブン−ベル−ベル」、小役6(黄ベル)が「黄セブン−ベル−ベル」、小役7(共通ベル)が「ベル−ベル−ベル」、小役8(1枚役)が「赤セブン−チェリー−豚ブランク」、小役9(9枚特殊役)が「青セブン−青セブン−青セブン」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「チェリー−ANY−ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
なお、小役4(青ベル)、小役5(赤ベル)および小役6(黄ベル)のそれぞれに対応する図柄組合せは、後述する引込制御のもと同時に引き込まない位置に配置されている。すなわち、小役4(青ベル)、小役5(赤ベル)および小役6(黄ベル)のそれぞれに対応する図柄組合せのうち、左リール110に表示される図柄はそれぞれ「青セブン」、「赤セブン」、「黄セブン」であり、図4に示すように「青セブン」、は2番の位置、「黄セブン」は9番の位置、「赤セブンは16番の位置にそれぞれ配置されているため、小役4(青ベル)、小役5(赤ベル)および小役6(黄ベル)に対応する図柄組合せのうち左リール110の図柄については、それぞれに共通する停止タイミングが存在しない。同時に引き込まない位置とは、共通する停止タイミングが存在しないように設けられた位置のことを指す。この場合、遊技者は遊技台100が内部当選役を報知しなければどの役が当選しているか分からないため、小役4(青ベル)、小役5(赤ベル)および小役6(黄ベル)を確実に揃えることができない。以下、小役4〜6を総称して3択ベルといい、小役4を3択ベル1、小役5を3択ベル2、小役6を3択ベル3と呼ぶ場合がある。なお、詳しくは後述するが、本実施形態では、所定の条件が成立した場合には、3択ベルに内部当選したときに、内部当選した役の図柄(停止操作のタイミング)の報知が行われる。
一方、小役7(共通ベル)が内部当選した場合には、停止操作のタイミングをいずれともしても、「ベル」図柄を有効ライン上に停止表示させることができるので、小役7(共通ベル)が確実に入賞することとなる。したがって、小役7(共通ベル)を目押し不問ベルと呼ぶ場合がある。
また、本実施形態では、3択ベルのいずれかが当選した遊技で、遊技者が左リール110を停止する際に、内部当選した3択ベルに対応する「青セブン」、「赤セブン」または「黄セブン」の図柄を引き込まないタイミングで停止操作を行うと「ベルこぼし目」という図柄組合せが表示される。「ベルこぼし目」の図柄組合せは「リプレイ−チェリー−リプレイ」である。本実施形態では、RT0において「ベルこぼし目」の図柄組合せが表示されると、主制御部300は、遊技状態をRT1に移行させる。すなわち、ベルこぼし目は、遊技状態の移行を伴う図柄組合せである。
「増加役(増加役1〜15)」は、RT4中においてのみ入賞可能な役(BB中のみに増加する増加役)であり、図柄組合せ及び払出枚数は図6に示す通りである。
<役の内部当選確率>
次に、図7を用いて、役の内部当選確率について説明する。なお、同図は、設定Nにおける入賞役の内部当選確率の一例を遊技状態別に示した図であり、各遊技状態における入賞役の抽選テーブルの内容を示している。詳しくは後述するが、本実施形態では、大別して、RT0〜RT4の5つの遊技状態(RT状態ともいう)が存在する。なお、RT0は、図8に示す再遊技低確率状態(RT0)、RT1は、図8に示す再遊技高確率状態(RT1)、RT2は、図8に示す再遊技低確率状態(RT2)、RT3は、図8に示す特別役内部当選状態(RT3)、RT4は、図8に示すBB遊技状態(RT4)である。
各々の役の内部当選確率は、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、後述する内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(本実施形態では65536)で除した値で求められる。抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。後述する役内部抽選処理では、内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、いずれかの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部当選役を決定する。実際には、この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
本実施形態では、一種類の入賞役に内部当選することが可能な単独役の他に、複数種類の役に同時に内部当選することが可能な重複役を設けている。この重複役としては、再遊技役1と再遊技役2に同時に当選する「再遊技役1、2」(図7のNO5;通常リプレイともいう)、再遊技役3と再遊技役4に同時に当選する「再遊技役3、4」(図7のNO6;単独チャンスリプレイともいう)、特別役1と再遊技役3と再遊技役4に同時に当選する「特別役1、再遊技役3、4」(図7のNO7;BB1重複リプレイともいう)、特別役2と再遊技役3と再遊技役4に同時に当選する「特別役2、再遊技役3、4」(図7のNO8;BB2重複リプレイともいう)、特別役3と再遊技役3と再遊技役4に同時に当選する「特別役3、再遊技役3、4」(図7のNO9;BB3重複リプレイともいう)、特別役4と再遊技役3と再遊技役4に同時に当選する「特別役4、再遊技役3、4」(図7のNO10;BB4重複リプレイともいう)、再遊技役1と再遊技役2と再遊技役3と再遊技役4に同時に当選する「再遊技役1、2、3、4」(図7のNO11;押し順リプレイ1ともいう)、再遊技役1と再遊技役2と再遊技役3と再遊技役4と再遊技役5に同時に当選する「再遊技役1、2、3、4、5」(図7のNO12;押し順リプレイ2ともいう)、小役2と小役3に同時に当選する「小役2、3」(図7のNO14;ハッピともいう)、小役1と小役9と増加役1〜15のすべてに同時に当選する「小役1、9、増加役1〜15」(図7のNO21;BB中7揃いともいう)、小役2〜8のすべてに同時に内部当選する「小役2〜8(図7のNO22;BB中ベルともいう)を設けている。なお、重複役とは、重複役に対応する条件装置(フラグ)が作動するわけではなく、重複役に含まれる複数の役(重複小役であれば、重複小役に含まれる複数の小役)に対応する条件装置の各々が作動するものである。例えば、「再遊技役1、2」が内部当選した場合には、再遊技役1及び再遊技役2の当選フラグのそれぞれがONになる。なお、以下においては、例えば「再遊技役1、2」(図7のNO5)が内部当選したことを、条件装置5が作動するともいう。
本実施形態では、同図の備考欄に示されるように、RT1において、「再遊技役1、2、3、4」に内部当選し、第1停止リールを左リール110とする停止操作をした場合には、有効ライン上に再遊技役1(リプレイ1)または再遊技役2(リプレイ2)に対応する図柄組合せが揃い(再遊技役1または再遊技役2が入賞する)、上記以外の停止操作の場合には、再遊技役3(リプレイ3)または再遊技役4(リプレイ4)に対応する図柄組合せが揃う(再遊技役3または再遊技役4が入賞する)ように、主制御部300が各リール110〜112の停止制御を行う。
また、RT1において、「再遊技役1、2、3、4、5」に内部当選し、第1停止リールを右リール112とする停止操作をした場合には、有効ライン上に再遊技役1(リプレイ1)または再遊技役2(リプレイ2)に対応する図柄組合せが揃い(再遊技役1または再遊技役2が入賞する)、上記以外の停止操作の場合には、再遊技役3(リプレイ3)または再遊技役4(リプレイ4)に対応する図柄組合せが揃う(再遊技役3または再遊技役4が入賞する)ように、主制御部300が各リール110〜112の停止制御を行う。
以下、「再遊技役1、2、3、4」(押し順リプレイ1)、「再遊技役1、2、3、4、5」(押し順リプレイ2)は、停止操作順序によって有効ライン上に停止表示される再遊技役の図柄組合せが異なる、つまり操作手順により入賞する役が異なるので、これを「操作手順役」という。上述した3択ベル(小役3、小役4、小役5)も停止操作タイミングにより有効ライン上に停止表示される図柄組合せは異なる、つまり操作手順により3択ベルに入賞するか否かの結果が異なるので、「操作手順役」である。一方、「再遊技役1、2」は、停止表示される再遊技役の図柄組合せは、停止操作順序や停止操作タイミングによらず、再遊技役1または再遊技役2が確実に入賞するので、「非操作手順役」という。
上述したように、RT1において押し順リプレイ1または押し順リプレイ2に内部当選し、再遊技役3または再遊技役4に入賞した場合には、遊技状態はRT2に移行する。詳しくは後述するが、本実施形態では、RT2よりもRT1の方が遊技者に有利な遊技状態となっているので、RT1における再遊技役3または再遊技役4の入賞は、不利な遊技状態への移行を意味する。しかしながら、遊技者は、どの入賞役が内部当選したか、あるいはいずれの停止操作順序かなど遊技者にとって有利となる情報の報知が行われない限り、内部当選役を認識することができないので、このような報知がない場合には、遊技者は、RT1において再遊技役3または再遊技役4の入賞を回避するための停止操作を確実に行うことはできない。なお、これも詳しくは後述するが、本実施形態では、所定の条件が成立した場合には、RT1において押し順リプレイ1また2に内部当選したときに、再遊技役3または4の入賞を回避するための停止操作の報知が行われる。
RT0(再遊技低確率状態)では、「RT0」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。RT0において内部当選する入賞役には、特別役1(条件装置1ともいう)、特別役2(条件装置2ともいう)、特別役3(条件装置3ともいう)、特別役4(条件装置4ともいう)、再遊技役1、2(条件装置5ともいう)、再遊技役3、4(条件装置6ともいう)、特別役1、再遊技役3、4(条件装置7ともいう)、特別役2、再遊技役3、4(条件装置8ともいう)、特別役3、再遊技役3、4(条件装置9ともいう)、特別役4、再遊技役3、4(条件装置10ともいう)、小役1(条件装置13ともいう)、小役2、3(条件装置14ともいう)、小役8(条件装置15ともいう)、小役9(条件装置16ともいう)、小役4(条件装置17ともいう)、小役5(条件装置18ともいう)、小役6(条件装置19ともいう)、小役7(条件装置20ともいう)がある。なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組合せは表示されない。また、入賞役に当選しなかったことを「ハズレに当選した」と表現する場合がある。例えば、RT0において特別役1に内部当選する確率は、32/65536であり、再遊技役1、2に内部当選する確率は8397/65536である。
RT1(再遊技高確率状態)では、「RT1」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。RT1において内部当選する入賞役には、上記条件装置1〜5、7〜10、再遊技役1、2、3、4(条件装置11ともいう)、再遊技役1、2、3、4、5(条件装置12ともいう)及び上記装置13〜20がある。なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組合せは表示されない。
RT2(再遊技低確率状態)では、「RT2」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。上記条件装置1〜10及び13〜20がある。なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組合せは表示されない。
RT3(特別役内部当選状態)では、「RT3」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。RT3において内部当選する入賞役には、上記条件装置5〜6及び13〜20がある。なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組合せは表示されない。
RT4(BB遊技状態)では、「RT4」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。RT4において内部当選する入賞役は、小役1、9、増加役1〜15(条件装置21ともいう)、小役2〜8(条件装置22ともいう)だけであり、かつ、条件装置21または22が作動する確率は100%(=5536+60000/65536)であるから、RT4ではハズレはない。
<リールの停止制御>
次に、リール110〜112の停止制御について概要を説明する。リールの停止制御は、予め定めた複数種類のリール停止データの中から、所定の条件(例えば、上述した入賞役の内部当選処理の結果)に基づいていずれかを選択し、選択したリール停止データに基づき行う。
本実施形態ではいわゆる引込制御(コマ滑り制御)を行う。引込制御とは、遊技者による各ストップボタン137〜139の操作があってから一定のコマ数(図柄数)の範囲(ここでは最大4コマ)でリール110〜112の停止位置をずらす制御をいう。リール停止データは主制御部300のROM306に格納されている。各リール停止データは、所定の入賞役の図柄組合せが入賞ライン114上に揃って表示されることを許容する許容制御と、いずれの入賞役の図柄組合せも入賞ライン114上に揃って表示されない禁止制御と、に大別される。
許容制御が行われる例としては、例えば、ある入賞役に内部当選した場合や、BBの内部当選中(フラグ持ち越し中)の場合であり、遊技者による各ストップボタン137〜139を操作するタイミングが悪くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の図柄組合せが揃って表示されるように制御が行われる。但し、「許容」するだけであるから、各ストップボタン137〜139を操作するタイミング次第で図柄組合せが揃わない場合もある。
例えば、小役4(青ベル)に内部当選した場合には、小役4に対応する図柄組合せのうち、左リール110の青セブン図柄は、1つしか存在しないので(4コマを超えて配置されているので)、ストップボタン137を操作するタイミングが好適でないと、青セブン図柄は入賞ライン114に停止しない。
尤も、リール110〜112における図柄の配置と引き込みコマ数次第で100%揃う場合もある。例えば、小役7(共通ベル)に対応する、ベル図柄の配置間隔は最大4コマであるため、小役7に内部当選すると、そのタイミングに関わらず100%入賞することになる。
禁止制御が行われる例としては、例えば、内部抽選結果がハズレで、BBの内部当選中(フラグ持ち越し中)ではない場合であり、遊技者による各ストップボタン137〜139を操作するタイミングが良くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の図柄組合せが揃って表示されないように制御が行われる。
<主制御部の遊技状態>
次に、図8を用いて、スロットマシン100の主制御部300における遊技状態の種類について説明する。なお、同図は、主制御部300の遊技状態の遷移を示した状態遷移図である。
スロットマシン100の主制御部300の遊技状態は、上述したように、再遊技低確率状態(RT0)と、再遊技高確率状態(RT1)と、再遊技低確率状態(RT2)と、特別役内部当選状態(RT3)と、BB遊技状態(RT4)と、に大別することができる。なお、再遊技低確率状態(RT0)と、再遊技高確率状態(RT1)と、再遊技低確率状態(RT2)を総称して、通常遊技状態ともいう。
<再遊技低確率状態(RT0)>
再遊技低確率状態(RT0)の内容は特に限定されないが、例えば、内部抽選の結果が概ねハズレとなり、遊技者が所定期間の遊技を行った場合に遊技中に獲得できるメダルの総数が、遊技中に投入したメダルの総数に満たないような遊技状態をいう。再遊技低確率状態(RT0)は、通常遊技状態において再遊技の内部当選確率が低い状態である。
再遊技低確率状態(RT0)は、初期状態のほか、再遊技低確率状態(RT2)において、規定ゲーム数(本実施形態では999ゲーム)を消化した場合、BB遊技状態(RT4)が終了した場合に開始される。
また、再遊技低確率状態(RT0)において、ベルこぼし目が有効ライン上に停止表示された場合には、再遊技高確率状態(RT1)に移行し、特別役1〜4(BB1〜4)のいずれかに内部当選した場合には、特別役内部当選状態(RT3)に移行する。
<再遊技高確率状態(RT1)>
再遊技高確率状態(RT1)は、再遊技役の内部当選確率が、再遊技低確率状態(RT0、RT2)における再遊技役の内部当選確率よりも上昇した遊技状態である。従って、再遊技高確率状態(RT1)は、メダルを投入せずに遊技を継続できる確率が高くなっているため、再遊技低確率状態(RT0、RT2)に比べて遊技者に有利な遊技状態となっている。ここで、本実施形態における有利度とは、具体的には、所定期間の遊技を行ったときに遊技者が賭け数として遊技台に使用した遊技媒体の総数に対して、遊技台が払い出した遊技媒体の総数の割合、いわゆる払出率のことをいう。
再遊技高確率状態(RT1)は、再遊技低確率状態(RT0)において、ベルこぼし目が有効ライン上に停止表示された場合に開始される。
また、再遊技高確率状態(RT1)において、再遊技役3または再遊技役4に入賞した場合には、再遊技低確率状態(RT2)に移行し、特別役1〜4(BB1〜4)のいずれかにに内部当選した場合には、特別役内部当選状態(RT3)に移行する。
<再遊技低確率状態(RT2)>
再遊技低確率状態(RT2)は、再遊技役(条件装置5〜12を合わせた再遊技役)の内部当選確率が、再遊技低確率状態(RT0)と同一であり、他の入賞役(条件装置1〜4、13〜22)の内部当選確率に関してもそれぞれ、再遊技低確率状態(RT0)と同一となっている。しかしながら、再遊技低確率状態(RT2)から有利な遊技状態である再遊技高確率状態(RT1)には直接移行することができないので、その意味において、再遊技低確率状態(RT2)は再遊技低確率状態(RT0)よりも不利な遊技状態である。すなわち、本実施形態における「有利度合い」には、いわゆる払出率のほか、有利な状態への移行容易性も加味されている。
再遊技低確率状態(RT2)は、再遊技高確率状態(RT1)において、再遊技役3(リプレイ3)または再遊技役4(リプレイ4)が入賞した場合に開始される。
また、再遊技低確率状態(RT2)において、規定ゲーム数(本実施形態では999ゲーム)を消化した場合には、再遊技低確率状態(RT0)に移行し、特別役1〜4(BB1〜4)のいずれかに内部当選した場合には、特別役内部当選状態(RT3)に移行する。
<特別役内部当選状態(RT3)>
特別役内部当選状態(RT3)は、内部当選した特別役1〜4に対応する図柄組合せを有効ライン上に表示させることが可能となっている遊技状態をいう。
この特別役内部当選状態(RT3)は、再遊技低確率状態(RT0)、再遊技高確率状態(RT1)、または再遊技低確率状態(RT2)において、特別役1〜4に内部当選した場合に開始される。
また、内部当選した特別役1〜4に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に終了し、BB遊技状態(RT4)に移行する。
<BB遊技状態(RT4)>
BB遊技状態(RT4)は、遊技者にとって一番利益の大きい遊技状態であり、遊技中に獲得するメダルの総数が、遊技中に投入したメダルの総数を超えるような遊技状態をいう。すなわち、図7に示す抽選値から明らかであるように、BB遊技状態(RT4)は、再遊技低確率状態(RT0、2)、再遊技高確率状態(RT1)および特別役内部当選状態(RT3)よりも払い出しを受ける遊技媒体の数の期待値が高い。このため、BB遊技状態(RT4)は最も有利な遊技状態といえる。
BB遊技状態(RT4)は、特別役内部当選状態(RT3)において内部当選した特別役に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に開始される。
また、BB遊技状態(RT4)は、遊技中に予め定められた規定枚数(本実施形態の場合、297枚)を超えるメダルが払い出された場合に終了し、再遊技低確率状態(RT0)に移行する。
なお、本実施形態ではボーナス遊技状態は所定の払い出し枚数を払いだした場合に終了し、その間は遊技状態の移行をないとしたが、特別役の入賞により開始され、他の特別な遊技状態(いわゆるRB遊技状態など)を連続して繰り返し実行可能にしてもよい。また、ボーナス遊技状態は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
<主制御部メイン処理>
まず、図9を用いて、主制御部300のメイン処理について説明する。なお、同図は、主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU304が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、CPU304が同図の主制御部メイン処理を繰り返し実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
ステップS102ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。また、第1副制御部400に対してメダルが投入されたことを示すメダル投入コマンドを送信する準備を行う。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定するとともに、第1副制御部400に対してスタートレバー135が操作されたことを示すスタートレバー受付コマンドを送信する準備を行う。
ステップS103では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。
ステップS104では乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。
ステップS105では、ステップS104で取得した乱数に基づいて役内部抽選処理(詳しくは後述する)を行う。
ステップS106では、ステップS105の内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
ステップS107では、リール回転開始処理(詳しくは後述する)により、全リール110〜112の回転を開始させる。
ステップS108では、全リール、すなわち、リール110〜112がすべて停止したか否かを判定し、全リールが停止した場合には、ステップS109に進む。
ステップS109では、表示判定処理を行う。表示判定処理では、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する図柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン114上に「ハッピ図柄−ハッピ図柄−ハッピ図柄」が揃っていたならば小役2(ハッピ1)入賞と判定する。また、このステップS109では、入賞判定の結果を示す表示判定コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS110では、メダル払出処理を行う。このメダル払出処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
ステップS111では、遊技状態の移行制御を行う遊技状態制御処理を行う。例えば、特別役1入賞の場合には次回からBB遊技状態(RT4)を開始できるよう準備し、BB遊技状態の最終遊技では、次回から再遊技低確率遊技状態(RT0)が開始できるよう準備する。また、このステップS111では、遊技状態を示す遊技状態コマンドを送信する準備を行う。
以上により1ゲームが終了する。以降ステップS102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。なお、上記各ステップで準備された各種コマンドは、後述する主制御部タイマ割込処理のコマンド設定送信処理(図12のステップS1008)において送信される。
<役内部当選処理>
次に、図10を用いて、役内部抽選処理について説明する。なお、図10は、図9のステップS105の役内部抽選処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS201では、入賞役の内部抽選を実行する。具体的には、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS104で取得した乱数値とを用いて入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合には、内部当選した役の条件装置(フラグ)を作動させる(その入賞役のフラグがONになる)。
ステップS202では、遊技状態(RT状態)がRT1であるか否かを判定する。遊技状態(RT状態)がRT1である場合には、ステップS203に進み、そうでない場合には、ステップS212に進む。
ステップS203では、ステップS201の内部抽選の結果、通常リプレイ、つまり、「再遊技役1、2」に内部当選したか否かを判定する。通常リプレイに内部当選した場合には、ステップS208に進み、そうでない場合には、ステップS204に進む。
ステップS204では、ステップS201の内部抽選の結果、ハッピ、つまり「小役2、3」に内部当選したか否かを判定する。ハッピに内部当選した場合には、ステップS205に進み、そうでない場合には、ステップS213に進む。
ステップS205では、フリーズ抽選処理を行う。フリーズ抽選処理とは、本実施形態においては、遊技の進行を待機させるフリーズ(例えば、遊技を開始させるためのスタートレバー135の操作を受付けた後において、遊技間隔を規制する遊技時間監視タイマ(4.1秒タイマ)とは異なるフリーズタイマにより所定の処理を待機させることでリール110〜112の回転開始タイミングを遅延させ、ストップボタン137〜139の操作が有効となるタイミングを遊技時間監視タイマによる遅延よりもさらに遅延させる演出)を実行するか否かを決定するための抽選処理であり、フリーズ抽選処理に当選した場合には、当該抽選結果に基づいて後述する所定時期にフリーズを行い、フリーズ抽選処理に当選しなかった場合には、当該抽選結果に基づいたフリーズは行わない。
ステップS206では、フリーズ抽選処理に当選したか否かを判定する。フリーズ抽選処理に当選した場合には、ステップS207に進み、フリーズ抽選処理に当選しなかった場合には、ステップS213に進む。
ステップS207では、フリーズストック数に1を加算して、ステップS213に進む。つまり、本実施形態では、RT1においてハッピに内部当選し、かつフリーズ抽選処理に当選した場合には、フリーズストック数>0となり、フリーズストック数>0により、フリーズを実行する条件(以下、フリーズ実行条件ともいう)は成立するようになっている。なお、本実施形態では、フリーズ実行条件が成立した場合には、次ゲーム以降の所定時期(以下、フリーズ実行時期ともいう。フリーズ実行時期については後述)にフリーズを実行するようになっている。ここで、フリーズ実行条件が成立した当該ゲームでフリーズさせず、次ゲーム以降においてフリーズさせるのは、ハッピの図柄組合せが有効ライン上に停止表示することを契機に、まず、遊技者にフリーズ実行条件が成立したことを認識させるとともに、以後いつフリーズするのかという期待感をより煽るようにするためである。また、詳しくは後述するが、第1副制御部400では、主制御部300がフリーズを実行するフリーズ実行時期に合わせて、フリーズ演出(以下、スタートレバー操作時の演出なのでスタートレバーフリーズ演出ともいう)を実行するようになっている。なお、これも後述するが、フリーズ演出では、所定の特典が付与される(ATゲームの付与)ことが報知される。すなわち、本実施形態において、フリーズの実行は、遊技者に特典を付与することを意味する。
ステップS208では、フリーズストックがあるか否かを判定する。フリーズストックがある、つまりフリーズストック数>0の場合には、ステップS209に進み、フリーズストックがない場合には、ステップS213に進む。
ステップS209では、フリーズストック数を1減算し、次いで、ステップS210では、RAM308の所定の記憶領域であるフリーズ情報記憶部にフリーズを行うことを示す情報(フリーズありと表記する)を設定し、次いで、ステップS211では、フリーズタイマ値に10秒を設定し、ステップS214に進む。
このように本実施形態のRT1において、フリーズストックがある状態で通常リプレイに内部当選した場合には、フリーズを実行すべく、フリーズ情報にフリーズありの情報が設定されるとともにフリーズタイマ値に10秒が設定される。すなわち、上述したフリーズ実行時期とは、フリーズ実行条件が成立したゲームの次ゲーム以降であって、非操作手順役である通常リプレイに内部当選したゲームのスタートレバー操作時である。ここで、フリーズタイマは、主制御部300のRAM308の特定の記憶領域に記憶されるタイマであり、フリーズする時間(遊技の進行に係わる操作を受け付けない時間、リール110〜112の回転開始を遅延させる遅延時間)を計測するために設けられている。より詳しくは、フリーズタイマは、初期設定された10秒を、後述する図12の主制御部タイマ割込処理のステップS1005のタイマ更新処理においてデクリメントするタイマであり、後述する図11のリール回転開始処理においてフリーズタイマ値が0になったときに、リール110〜112の回転開始が行われるようになっている。つまり、本実施形態では、フリーズを実行する場合には、スタートレバー操作から10秒間、ストップボタン137〜139の停止操作を受け付け不可とするとともにリール110〜112の回転開始を待機させるようになっている。
ステップS212では、フリーズストック数をクリアして、ステップS213に進む。つまり、遊技状態(RT状態)がRT1でない場合には、フリーズストック数はクリアされる。具体的には、RT1においてフリーズストック数を蓄積したとしても、他の遊技状態に移行してしまうと、フリーズストック数は0になってしまう。
ステップS213では、RAM308の所定の記憶領域であるフリーズ情報記憶部にフリーズを行わないことを示す情報(フリーズなしと表記する)を設定して、ステップS214に進む。
ステップS214では、入賞役内部抽選の結果を示す内部当選情報、遊技状態を示すRT情報、及びフリーズありまたはフリーズなしを示すフリーズ情報を含む演出情報コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。例えば、ハッピ1に内部当選した場合には、ハッピ1に内部当選したことを示す演出情報コマンドを第1副制御部400に対して送信する準備を行い、入賞役内部抽選の結果がハズレ(入賞役の非当選)の場合には、ハズレを示す演出情報コマンドを第1副制御部400に対して送信する準備を行う。
以上、本実施形態においては、RT1においてハッピに内部当選し、かつフリーズ抽選に当選した場合に、フリーズ実行条件を成立させる一方、フリーズ実行時期を、フリーズ実行条件が成立したゲームの次ゲーム以降において通常リプレイに内部当選したときとしているので、ハッピに対応する図柄組合せが有効ライン上に揃った場合には、遊技者は、以後のゲームに対していつフリーズするのかという期待感を持って遊技に臨むことができる。
<リール回転開始処理>
次に、図11を用いて、役内部抽選処理について説明する。なお、図11は、図9のステップS107のリール回転開始処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS301では、遊技時間監視タイマ値を取得する。遊技時間監視タイマとは、主制御部300のRAM308の特定の記憶領域に記憶されるタイマであり、1回の遊技に必要な時間を所定の時間(例えば、4.1秒)以上になるように制限し、単位時間における遊技媒体の獲得数または損失数を抑え、遊技の射幸性を制限する目的で設定されるタイマである。遊技時間監視タイマは、後述するステップS305で所定のタイマ値(たとえば4.1秒に相当するタイマ値)が設定され、主制御部300のタイマ割り込み処理(後述する)が実行されるごとにデクリメントされる。
ステップS302では、取得した遊技時間監視タイマ値が4.1秒以上を経過しているか否かを判定する。遊技時間監視タイマ値が4.1秒以上を経過しているときは、今回の遊技を開始してもよいので、ステップS303に進む。一方、遊技時間監視タイマ値が4.1秒を経過していないときは、ステップS301に戻り処理を繰り返す。処理を繰り返している間に、遊技時間監視タイマのタイマ値が主制御部300のタイマ割り込みごとにデクリメントされ、遊技時間監視タイマが0になった時点でステップS303に進む。
ステップS303では、フリーズタイマ値を取得する。フリーズタイマ値は、上述したように図10のステップS211で設定され(10秒に相当するタイマ値が初期設定される)、主制御部300のタイマ割り込み処理(後述する)が実行されるごとにデクリメントされる。
ステップS304では、ステップS303で取得したフリーズタイマ値が0であるか否かを判定する。フリーズタイマ値が0である場合には、ステップS305に進み、0でない場合には、ステップS303に戻り処理を繰り返す。処理を繰り返している間に、フリーズタイマのタイマ値が主制御部300のタイマ割り込み処理(後述する)ごとにダウンカウントされ、フリーズタイマ値が0になった時点でステップS305に進む。つまり、ステップS303の処理を実行するときにフリーズタイマ値に0以外の値が設定されていた場合は、0の値が設定されていた場合よりも遊技の進行が遅延する。
ステップS305では、遊技時間監視タイマ値を再設定する。具体的には、4.1秒に相当するタイマ値をRAM308の特定の領域に記憶する。なお、本実施形態では、遊技時間監視タイマ値を設定した時が1回の遊技の開始タイミングとなる。1回の遊技の終了タイミングは、次に遊技時間監視タイマ値を設定した時である。つまり、1回の遊技とは遊技時間監視タイマ値を設定してから次の遊技時間監視タイマ値を設定するまでのことである。また、遊技時間監視タイマ値は各リール110〜112の回転開始ごとに設定されるため、各リール110〜112が回転開始してから、次に各リール110〜112が回転開始するまでの間を1回の遊技とすることもできる。なお、1回の遊技の終了タイミングは、遊技時間監視タイマ値が0になり、かつ、図9のS111の遊技状態制御処理が終了した時であってもよい。また、1回の遊技の開始タイミングを有効なスタートレバーの受付時とし、1回の遊技の終了タイミングを有効なベットボタン操作の受付可能時とし、ベットボタン操作の受付可能時から有効なスタートレバーの受付時までの期間は次の遊技開始の準備期間としてもよい。
ステップS306では、第1副制御部400に送信するリール回転開始コマンドの設定を行い、送信準備をする。リール回転開始コマンドとは、リールの回転を開始することを示すコマンドである。
ステップS307では、左リール110、中リール111及び右リール112のステータスをそれぞれ「回転開始」に設定する。
ステップS308では、リール制御状態を「加速状態」に設定する。なお、リール制御状態とは主制御部300のRAM308の所定の記憶領域に各リール110〜112それぞれのリールごとに独立して記憶される情報であり、リール110〜112それぞれのリールが停止状態であることを示す情報である「停止状態」、リール110〜112それぞれのリールが加速状態であることを示す情報である「加速状態」、リール110乃至112それぞれのリールが定速状態であることを示す情報である「定速状態」、リール110〜112それぞれのリールが引込み状態であることを示す情報である「引込み状態」, リール110〜112それぞれのリールがブレーキ状態であることを示す情報である「ブレーキ状態」の5つの情報からいずれかの情報が記憶される。
このように本実施形態では、図10の入賞役内部抽選処理において、事前にフリーズ実行条件が成立し、かつ当該ゲームがフリーズ実行時期である場合には、フリーズタイマに初期値10秒に相当するタイマ値が設定されているので、スタートレバー操作から10秒間の間は、リールの回転開始は行われず、スタートレバー操作から10秒間経過した後に、リール110〜112の回転を開始する。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図12を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約1.5msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS1001では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS1002では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約1.5msに1回)リスタートを行う。
ステップS1003では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップS1004では、各種遊技処理を行う。具体的には、割込みステータスを取得し(各種センサ318からの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する)、このステータスに従った処理を行う。例えば、割込みステータスがメダル投入処理中であれば、メダル投入受付処理を行い、また、割込みステータスが払出処理中であれば、メダル払出処理を行う。
ステップS1005では、タイマ更新処理を行う。各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。例えば、本実施形態では、上述したフリーズタイマ及び遊技時間監視タイマのデクリメント処理を行う。
ステップS1006では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まず、ステップS1003において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合にはエラー処理を実行する。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ338、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
ステップS1007では、各リールのステータスが「回転開始」になっている場合には、リール制御処理を行う。このリール制御処理では、リールの回転を制御するとともに、主制御部メイン処理のステップS106で選択した複数のリール停止制御データの候補から、リール110〜112の停止順序や停止状況に応じて、実際にリール停止制御に用いるリール停止制御データを決定した後、決定したリール停止データに基づいて、押されたストップボタン137〜139に対応するリール110〜112の回転を停止させる。
ステップS1008では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、スタートレバー受付コマンド、演出情報コマンド、リール110〜112の回転を開始に伴う回転開始コマンド、ストップボタン137〜139の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、リール110〜112の停止処理に伴う停止位置情報コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド等)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
第1副制御部400は、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することが可能となる。
ステップS1009では、外部信号出力処理を行う。この、外部信号出力処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップS1010では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS1012に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS1011に進む。
ステップS1011では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS1001で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、図9に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップS1012では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図9に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<第1副制御部の遊技状態及び演出の概要>
詳しくは後述するが、第1副制御部400は、所定の条件が成立した場合(具体的には後述するAT付与ゲーム数>0の場合)に、遊技者にとって有利となる情報を報知するAT(アシストタイム)状態となる。AT状態においては、演出画像表示装置157を用いて、停止操作の手順に関する報知、すなわち、操作手順役に内部当選した場合には停止操作順序や停止操作タイミング(内部当選した役の示唆)を報知する操作手順報知演出を行うAT遊技(ATゲーム)となるので、遊技者はこの操作手順報知の指示に従うことにより、所定の小役に入賞したり、有利な遊技状態に移行したり、不利な遊技状態への移行を回避できたりする。そのため、AT状態は、遊技者に大きな利益を付与することが可能な状態である。なお、操作手順報知のうち、ストップボタンの停止操作順序に関するナビ(報知)を「押し順ナビ」、停止操作タイミング(内部当選した役の示唆)に関するナビ(報知)を「目押しナビ」という場合がある。
本実施形態の操作手順報知には、再遊技高確率状態(RT1)において、押し順リプレイ1または2に内部当選した場合に、再遊技役1または2に入賞させるための停止操作順序を報知する押し順ナビ、再遊技低確率状態(RT0)、再遊技高確率状態(RT1)、再遊技低確率状態(RT2)または特別役内部当選状態(RT3)において3択ベルに内部当選した場合に、内部当選した3択ベルに入賞させるための操作タイミング(内部当選した役の図柄)を報知する目押しナビがある。
具体的には、AT状態、かつ再遊技高確率状態(RT1)において、押し順リプレイ1に内部当選した場合には、第1停止リールを左リール110とする停止操作順序を報知し、押し順リプレイ2に内部当選した場合には、第1停止リールを右リール110とする停止操作順序を報知する。また、AT状態、かつ再遊技高確率状態(RT1)または特別役内部当選状態(RT3)において3択ベル1に内部当選した場合には、青ベル図柄を報知し、3択ベル2に内部当選した場合には、赤ベル図柄を報知し、3択ベル3に内部当選した場合には、黄ベル図柄を報知する。また、AT状態、かつ再遊技低確率状態(RT0)において、いずれかの3択ベルに内部当選した場合には、再遊技高確率状態(RT1)へ移行させるための目押しナビを行う。具体的には、3択ベル1に内部当選した場合には、赤ベル図柄を報知し、3択ベル2に内部当選した場合には、黄ベル図柄を報知し、3択ベル3に内部当選した場合には、青ベル図柄を報知する。
また、本実施形態では、所定の条件が成立した場合(具体的には、上述したフリーズ実行条件が成立した場合、つまり、RT1においてハッピに内部当選し、かつフリーズ抽選に当選した場合)には、以後の所定時期(具体的には、上述したフリーズ実行時期、つまり、フリーズ実行条件が成立した以後のRT1のゲームにおいて通常リプレイに内部当選したとき)にフリーズ演出を実行する。フリーズ演出とは、主制御部300がフリーズを行うとき、つまりスタートレバー操作時に第1副制御部400により実行される演出であるため、スタートレバーフリーズ演出ともいう。主制御部300がフリーズを行う場合には、所定のAT付与ゲーム数(AT状態に滞在できるゲーム数)が付与されるので(詳しくは後述)、具体的には、スタートレバーフリーズ演出は、付与されたAT付与ゲーム数分、AT状態が継続することを、演出画像表示装置157を用いて報知する演出である。
以下、上述した特徴を踏まえて、第1副制御部400及び第2副制御部500の処理について説明する。
<第1副制御部400の処理>
図13を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第1副制御部400のコマンド処理のフローチャートであり、同図(c)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートであり、同図(d)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
電源投入が行われると、まずステップS2001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS2002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS2003の処理に移行する。
ステップS2003では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS2004では、第1副制御部コマンド処理(詳しくは後述)を行う。第1副制御部コマンド処理では、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS2005では、演出更新処理を行う。例えば、ステップS2004で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する各イベント処理(例えば、演出設定処理、遊技状態制御時処理等)の結果に基づいて、演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には各演出デバイス(スピーカ、ランプ、液晶画像表示装置、シャッタなど)の演出データの更新処理を行う。
ステップS2006では、音制御処理を行う。音制御処理では、ステップS2005で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。
ステップS2007では、ランプ制御処理を行う。ランプ制御処理では、ステップS2005で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS2008では、情報出力処理を行う。情報出力処理では、ステップS2005で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS2002へ戻る。この結果、設定された制御コマンドは、第2副制御部500に送信される。
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部400コマンド処理について説明する。この第1副制御部400コマンド処理は、同図(a)のステップS2004の第1副制御部400コマンド処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS2101では、RAM408のコマンド記憶領域に未処理コマンドがあるか否かを判定する。未処理コマンドがある場合には、ステップS2102に進み、未処理コマンドがない場合には、第1副制御部400コマンド処理を終了する。
ステップS2102では、未処理コマンドに応じた処理にジャンプする。例えば、未処理コマンドがメダル投入コマンドの場合には、メダル投入時処理(説明は省略)、スタートレバー受付時コマンドの場合には、スタートレバー受付時処理(説明は省略)、演出情報コマンドの場合には、演出設定処理(詳しくは後述)、停止ボタン受付時コマンドの場合には、停止ボタン受付時処理(説明は省略)、表示判定コマンドの場合には、表示判定時処理(説明は省略)、遊技情報コマンドの場合には、遊技状態制御時処理(説明は省略)にジャンプする。
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS2201では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(d)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS2301では、同図(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS2002において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS2002において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS2302では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
<演出設定処理>
次に、図14を用いて、演出設定処理について説明する。演出設定処理は、図13(b)のステップS2102において、未処理コマンドが演出情報コマンドである場合に実行されるイベント処理である。なお、同図は、演出設定処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS2401では、演出情報コマンドに基づいて、第1副制御部400における内部当選情報を更新する。具体的には、内部当選コマンドに含まれる内部当選情報を第1副制御部400のRAM408の所定の記憶領域に記憶する。
ステップS2402では、演出情報コマンドに基づいて、第1副制御部400におけるフリーズ情報を更新する。具体的には、内部当選コマンドに含まれるフリーズ情報を第1副制御部400のRAM408の所定の記憶領域に記憶する。
ステップS2403では、ステップS2401及びS2402で更新した内部当選情報やフリーズ情報及びRT情報に基づいてAT遊技に関する抽選を行うAT抽選処理(詳しくは後述)を行う。
ステップS2404では、ステップS2402において更新されたフリーズ情報に基づいて、フリーズ情報がフリーズありを示しているか否かを判定する。フリーズ情報がフリーズありを示している場合には、ステップS2407に進み、フリーズ情報がフリーズなしを示している場合には、ステップS2405に進む。
ステップS2405では、演出抽選を実行する。具体的には、内部当選した入賞役に関する情報と遊技状態(通常遊技状態、BB遊技状態、AT状態など)に応じて、各遊技状態または各遊技状態の組み合わせごとにROM406に記憶された演出抽選テーブルを参照し、演出抽選を実行する。
ステップS2406では、演出抽選に応じた演出の演出情報を予約設定する。ここでは演出に応じて予め設定された演出開始タイミングごとに演出データを設定する。例えば、AT状態かつRT1において押し順リプレイ1に内部当選した場合には、第1停止リールを左リール110とする操作手順を全ての停止ボタンが有効となる前に報知する操作手順報知演出の演出データを設定する。
ステップS2407では、スタートレバーフリーズ演出の演出情報を予約設定する。すなわち、演出情報コマンドに含まれたフリーズ情報がフリーズ情報ありを示す場合は、上述したフリーズ実行条件が成立した後であって、フリーズ実行時期であることを示すので、スタートレバーフリーズ演出の演出データが設定される。スタートレバーフリーズ演出では、特典が付与されたことを示す演出を実行する。具体的には、AT抽選処理(後述する図15に示す処理)の抽選結果であるAT付与ゲーム数を示す演出を実行する。
<AT抽選処理>
次に、図15を用いてAT抽選処理について説明する。図15は、図14のステップS2403のAT抽選処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS2501では、特別役、つまりBB1〜BB4のいずれかに内部当選したか否かを判定する。BB1〜BB4のいずれかに内部当選した場合には、ステップS2502に進み、そうでない場合には、ステップS2505に進む。
ステップS2502では、BB当選時AT権利抽選を行う。本実施形態では、BBの種類により当選確率が異なって設定されている。具体的には、BB1に内部当選した場合には当選確率が1/2、BB2に内部当選した場合には当選確率が1/3、BB3に内部当選した場合には当選確率が1/5、BB4に内部当選した場合には当選確率が1/5となっている。
ステップS2503では、BB当選時AT権利抽選に当選したか否かを判定する。BB当選時AT権利抽選に当選した場合には、ステップS2504に進み、そうでない場合には、AT抽選処理を終了する。
ステップS2504では、抽選テーブルAを用いて、AT付与ゲーム数を抽選する。抽選テーブルAは、50ゲームまたは100ゲームをそれぞれ所定の確率で振り分ける抽選テーブルである。すなわち、特別役のいずれかに内部当選し、かつBB当選時AT権利抽選に当選した場合には、50ゲームまたは100ゲームのATゲームが付与される。ここで、付与されるATゲームは第1副制御部400がAT状態となるゲーム数を意味し、AT付与ゲームが50ゲームある場合には、AT状態は50ゲーム継続されることになる。なお、ステップS2504の抽選処理の後はステップS2511に進む。
ステップS2505では、BB中7揃い(小役1、9、増加役1〜15)に内部当選したか否かを判定する。BB中7揃いに内部当選した場合には、ステップS2506に進み、そうでない場合には、ステップS2507に進む。
ステップS2506では、抽選テーブルBを用いて、AT付与ゲーム数を抽選する。抽選テーブルBは、10ゲーム、30ゲームまたは50ゲームをそれぞれ所定の確率で振り分ける抽選テーブルである。すなわち、BB中7揃いに内部当選した場合には、10ゲーム、30ゲームまたは50ゲームのATゲームが付与される。なお、ステップS2506の抽選処理の後はステップS2511に進む。
ステップS2507では、フリーズ情報がフリーズありを示しているか否かを判定する。フリーズ情報がフリーズありを示している場合には、ステップS2508に進み、そうでない場合には、ステップS2509に進む。
ステップS2508では、抽選テーブルCを用いて、AT付与ゲーム数を抽選する。抽選テーブルCは、100ゲーム、150ゲームまたは300ゲームをそれぞれ所定の確率で振り分ける抽選テーブルである。すなわち、フリーズ情報がフリーズありを示している場合、換言すれば、RT1においてフリーズストックありの状態(事前にRT1においてハッピに内部当選し、かつフリーズ抽選に当選した場合)であって、通常リプレイに内部当選したゲームにおいては、100ゲーム、150ゲームまたは300ゲームのATゲームが付与される。この付与されたAT付与ゲーム数は、スタートレバーフリーズ演出において報知される。なお、ステップS2508の抽選処理の後はステップS2511に進む。
ステップS2509では、遊技状態(RT状態)がRT2からRT0に移行したか否かを判定する。遊技状態(RT状態)がRT2からRT0に移行した場合には、ステップS2510に進み、そうでない場合には、AT抽選処理を終了する。
ステップS2510では、抽選テーブルDを用いて、AT付与ゲーム数を抽選する。抽選テーブルDは、50ゲームまたは100ゲームをそれぞれ所定の確率で振り分ける抽選テーブルである。ただし、抽選テーブルDは、抽選テーブルAよりも50ゲームが選択される確率が高い抽選テーブルである。なお、ステップS2510の抽選処理の後はステップS2511に進む。
ステップS2511では、抽選の結果をATゲーム数に加算する。例えば、現在、ATゲーム数が0であって、抽選の結果のAT付与ゲーム数が50の場合には、ATゲーム数は50になる。すなわち、この場合には、再遊技高確率遊技(RT1)において50ゲームの間、AT状態が継続する。また、現在、ATゲーム数が20であって、抽選の結果のAT付与ゲーム数が50の場合には、ATゲーム数は70になる。すなわち、この場合には、再遊技高確率遊技(RT1)において70ゲームの間、AT状態が継続する。
<第2副制御部の処理>
図16を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、同図(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。同図(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
まず、同図(a)を用いて、第2副制御部500のメイン処理について説明する。
電源投入が行われると、まずS4001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS4002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS4003の処理に移行する。
ステップS4003では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS4004では、コマンド処理を行う。第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS4005では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS3004で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS4006では、ステップS4005で読み出した演出データの中にシャッタ制御の命令がある場合には、この命令に対応するシャッタ制御を行う。
ステップS4007では、ステップS4005で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行い(詳細は後述する)、ステップS4002へ戻る。本実施形態では、演出画像表示装置157を用いた操作手順報知演出やスタートレバーフリーズ演出が実行される。
次に、同図(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。
コマンド受信割込処理のステップS4101では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS4201では、同図(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS4002において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。
ステップS4202では、演出用乱数値などを更新する各種更新処理等を行う。
次に、同図(d)を用いて、第2副制御部500の画像制御処理について説明する。同図(d)は、同図(a)のステップS4007の画像制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS4301では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP534のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM536の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM536への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP534は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM536に転送する。その後、VDP534は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
ステップS4302では、VDP534からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS4303に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップS4303では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS4301でVRAM536に転送した画像データに基づいてVRAM536の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM536の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP534に指示する。VDP534はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS4304では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP534に画像の描画開始を指示する。VDP534は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS4305では、画像の描画終了に基づくVDP534からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS4306に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
ステップS4306では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
<AT状態においてフリーズ実行条件が成立した場合の演出の流れ>
次に、図17を用いて、AT状態においてフリーズ実行条件が成立した場合の演出の流れについて説明する。図17は、AT状態においてフリーズ実行条件が成立した場合の以降の演出の流れを示す概要図である。
まず、AT状態の所定ゲームにおいてフリーズ実行条件が成立した場合、具体的には、AT状態のRT1においてハッピに内部当選し、かつフリーズ抽選に当選した場合には、次ゲーム以降にスタートレバーフリーズ演出を実行する。すなわち、フリーズ実行条件が成立したゲームの次のゲーム以降においても、フリーズ実行条件は成立したままである(スタートレバーフリーズ演出を実行するまではフリーズストック数が減算されないため)。
次に、所定ゲームの次のゲーム(以下、1ゲーム目という。すなわち、所定ゲームを基準にゲーム数をカウントする)においては、操作手順役に内部当選しているので、当該ゲーム(1ゲーム目)は、フリーズ実行条件が成立しているとともに、操作手順報知演出の実行条件(以下、操作手順報知実行条件ともいう)も成立している。本実施形態では、このような場合、図17に示すように、停止操作順序報知演出を実行し、スタートレバーフリーズ演出は実行されない。
次に、2ゲーム目においても、操作手順役に内部当選しているので、当該ゲーム(2ゲーム目)は、フリーズ実行条件が成立しているとともに、操作手順報知実行条件も成立しているゲームである。したがって、1ゲーム目同様に、停止操作順序報知演出を実行し、スタートレバーフリーズ演出は実行されない。
次に、3ゲーム目においては、非操作手順役(通常リプレイ)に内部当選しているので、当該ゲーム(3ゲーム目)は、フリーズ実行条件だけが成立しているゲームである。したがって、スタートレバーフリーズ演出は3ゲーム目に実行される。
このように本実施形態では、所定のゲームにおいて、フリーズ実行条件と操作手順報知実行条件の双方が成立していても、当該所定のゲーム(操作手順役に内部当選したゲーム)において操作手順報知演出を実行して、スタートレバーフリーズ演出は次ゲーム以降に持ち越すようになっている。そして、その後の非操作手順役に内部当選したゲームにおいて、持ち越したスタートレバーフリーズ演出を実行するので、両演出が重複して実行されることはない。すなわち、2つの演出の実行時期が重複することにより、遊技者の注意を散漫にさせ、操作ミスを誘発することを防止することができる。この結果、本実施形態では、不利益を与えられたと遊技者が不快感を抱くことはない。
<第2実施形態>
次に、図18及び図19を用いて、第2実施形態の役内部抽選処理及び演出設定処理について説明する。ここで、図18は、第2実施形態の役内部抽選処理の流れを示すフローチャート、図19は、第2実施形態の演出設定処理の流れを示すフローチャートである。
第2実施形態では、フリーズ実行条件の成立は、RT1においてハッピに内部当選し、かつフリーズ抽選に当選した場合であり、フリーズの実行時期は、フリーズ実行条件が成立したゲームの次ゲーム以降においてハッピに内部当選しなかったRT1のゲームである。また、操作手順役に内部当選した場合と操作手順役に内部当選しなかった場合では、フリーズ時間が異なるようになっている。また、フリーズ実行条件と操作手順報知実行条件がともに成立しているゲームでは、当該ゲームにおいて、まず、スタートレバーフリーズ演出を実行し、スタートレバーフリーズ演出が終了した後、停止操作手順報知演出を実行するようになっている。なお、以下においては、第1実施形態と異なる構成、機能及び処理のみ説明し、その他の構成、機能及び処理に関しては同一部位には同一符号を付して説明を省略する。
<内部抽選処理>
ステップS401では、入賞役の内部抽選を実行する。
ステップS402では、遊技状態(RT状態)がRT1であるか否かを判定する。遊技状態(RT状態)がRT1である場合には、ステップS403に進み、そうでない場合には、ステップS413に進む。
ステップS403では、ステップS401の内部抽選の結果、ハッピ、つまり「小役2、3」に内部当選したか否かを判定する。ハッピに内部当選した場合には、ステップS404に進み、そうでない場合には、ステップS407に進む。
ステップS404では、フリーズ抽選処理を行う。
ステップS405では、フリーズ抽選処理に当選したか否かを判定し、フリーズ抽選処理に当選した場合には、ステップS406に進み、フリーズ抽選処理に当選しなかった場合には、ステップS414に進む。
ステップS406では、フリーズストック数に1を加算して、ステップS414に進む。つまり、本実施形態では、RT1においてハッピに内部当選し、かつフリーズ抽選処理に当選した場合には、フリーズストック数>0となり、フリーズストック数>0により、フリーズ実行条件は成立するようになっている。なお、本実施形態では、フリーズ実行条件が成立した場合には、次ゲーム以降のフリーズ実行時期にフリーズを実行するようになっている。
ステップS407では、フリーズストックがあるか否かを判定する。フリーズストックがある、つまりフリーズストック数>0の場合には、ステップS408に進み、フリーズストックがない場合には、ステップS414に進む。
ステップS408では、フリーズストック数を1減算し、次いで、ステップS409では、RAM308の所定の記憶領域であるフリーズ情報記憶部にフリーズを行うことを示す情報(フリーズありと表記する)を設定し、次いで、ステップS410では、ステップS401の内部抽選の結果、操作手順役に内部当選したか否かを判定する。操作手順役に内部当選した場合には、ステップS411に進み、操作手順役に内部当選しなかった場合には、ステップS412に進む。
ステップS411では、フリーズタイマ値に15秒に相当するタイマ値を設定し、ステップS415に進む。
ステップS412では、フリーズタイマ値に10秒に相当するタイマ値を設定し、ステップS415に進む。
このように本実施形態では、RT1においてハッピに内部当選せず、かつフリーズストックがある場合には、フリーズを実行すべく、フリーズ情報にフリーズありの情報が設定されるが、操作手順役に内部当選した場合には、フリーズタイマ値に15秒に相当するタイマ値が設定され、操作手順役に内部当選しなかった場合には、フリーズタイマ値に10秒に相当するタイマ値が設定される。すなわち、本実施形態では、フリーズ実行条件が成立している状態において操作手順役に内部当選したゲームでは、スタートレバー操作後15秒間のフリーズを行い、フリーズ実行条件が成立している状態において操作手順役に内部当選しなかったゲームでは、スタートレバー操作後10秒間のフリーズを行うようになっている。
ステップS413では、フリーズストック数をクリアして、ステップS414に進む。つまり、遊技状態(RT状態)がRT1でない場合には、フリーズストック数はクリアされる。具体的には、RT1においてフリーズストック数を蓄積したとしても、他の遊技状態に移行してしまうと、フリーズストック数は0になってしまう。
ステップS414では、RAM308の所定の記憶領域であるフリーズ情報記憶部にフリーズを行わないことを示す情報(フリーズなしと表記する)を設定して、ステップS415に進む。
ステップS415では、入賞役内部抽選の結果を示す内部当選情報、遊技状態を示すRT情報、及びフリーズありまたはフリーズなしを示すフリーズ情報を含む演出情報コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。
<演出設定処理>
ステップS2601では、演出情報コマンドに基づいて、第1副制御部400における内部当選情報を更新する。
ステップS2602では、演出情報コマンドに基づいて、第1副制御部400におけるフリーズ情報を更新する。
ステップS2603では、ステップS2601及びS2602で更新した内部当選情報やフリーズ情報に基づいてAT遊技に関する抽選を行うAT抽選処理(図15に示すAT抽選処理と同一の処理)を行う。
ステップS2604では、ステップS2602において更新されたフリーズ情報に基づいて、フリーズ情報がフリーズありを示しているか否かを判定する。フリーズ情報がフリーズありを示している場合には、ステップS2607に進み、フリーズ情報がフリーズなしを示している場合には、ステップS2605に進む。
ステップS2605では、演出抽選を実行する。具体的には、内部当選した入賞役に関する情報と遊技状態(通常遊技状態、BB遊技状態、AT状態など)に応じて、各遊技状態または各遊技状態の組み合わせごとにROM406に記憶された演出抽選テーブルを参照し、演出抽選を実行する。
ステップS2606では、演出抽選に応じた演出の演出情報を予約設定する。ここでは演出に応じて予め設定された演出開始タイミングごとに演出データを設定する。例えば、AT状態かつRT1において押し順リプレイ1に内部当選した場合には、第1停止リールを左リール110とする操作手順を全ての停止ボタンが有効となる前に報知する操作手順報知演出の演出データを設定する。
ステップS2607では、スタートレバーフリーズ演出の演出情報を予約設定する。すなわち、演出情報コマンドに含まれたフリーズ情報がフリーズ情報ありを示す場合は、上述したフリーズ実行条件が成立した後であって、フリーズ実行時期であることを示すので、スタートレバーフリーズ演出の演出データが設定される。
ステップS2608では、ステップS2601において更新された内部当選情報に基づいて、操作手順役に内部当選したか否かを判定する。操作手順役に内部当選した場合には、ステップS2609に進み、操作手順役に内部当選しなかった場合には、演出設定処理を終了する。
ステップS2609では、操作手順報知演出の演出情報を追加予約設定し、次いで、ステップS2610では、演出切り替えフラグを設定する。ここで、演出切り替えフラグは、スタートレバーフリーズ演出から操作手順報知演出への演出切り替えがあることを示すフラグであり、本実施形態において、演出切り替えフラグが設定されている場合には、スタートレバーフリーズ演出を10秒間実行して、スタートレバーフリーズ演出を終了した後、操作手順報知演出を開始するようになっている。
<AT状態においてフリーズ実行条件が成立した場合の演出の流れ>
次に、図20を用いて、第2実施形態のAT状態においてフリーズ実行条件が成立した場合の演出の流れについて説明する。図20は、第2実施形態のAT状態においてフリーズ実行条件が成立した場合の以降の演出の流れを示す概要図である。
まず、AT状態の所定ゲームにおいてフリーズ実行条件が成立した場合、具体的には、AT状態のRT1においてハッピに内部当選し、かつフリーズ抽選に当選した場合には、次ゲーム以降にスタートレバーフリーズ演出を実行する。すなわち、フリーズ実行条件が成立したゲームの次のゲーム以降においても、フリーズ実行条件は成立したままである(スタートレバーフリーズ演出を実行するまではフリーズストック数が減算されないため)。
次に、所定ゲームの次のゲーム(以下、1ゲーム目という。すなわち、所定ゲームを基準にゲーム数をカウントする)においては、非操作手順役に内部当選しているので、当該ゲーム(1ゲーム目)は、フリーズ実行条件が成立している。本実施形態では、このような場合、図20に示すように、10秒間のスタートレバーフリーズ演出を実行する。ここで、スタートレバー操作後の10秒間は、主制御部300はフリーズを実行しているので、この間、ストップボタン137〜139の受付は無効であり、リールは回転開始を待機させている。なお、当該ゲーム(1ゲーム目)において、スタートレバーフリーズ演出を実行したことにより、フリーズストック数は0となるので、フリーズ実行条件は不成立となる。
次に、2ゲーム目においては、再びフリーズ実行条件が成立したので、次ゲーム以降にスタートレバーフリーズ演出を実行する。
次に、3ゲーム目においては、操作手順役に内部当選しているので、当該ゲーム(3ゲーム目)は、フリーズ実行条件が成立しているとともに、操作手順報知実行条件も成立している。本実施形態では、このような場合、図20に示すように、まず、10秒間のスタートレバーフリーズ演出を実行し、スタートレバーフリーズ演出が終了した後に、操作手順報知演出を実行する。ここで、スタートレバー操作後の15秒間は、主制御部300はフリーズを実行しているので、この間、ストップボタン137〜139の受付は無効であり、リールは回転開始を待機させている。したがって、本実施形態では、図20に示すように、スタートレバーフリーズ演出から操作手順報知演出に跨って停止操作を行うことができない、つまり、遊技者の利益に係わる停止操作順序報知に跨ってフリーズが行われるので、遊技者はフリーズの間に操作順報知演出に意識を注ぐことができる。この結果、遊技者は停止操作のミスを軽減することができる。
このように本実施形態では、所定のゲームにおいて、フリーズ実行条件と操作手順報知実行条件の双方が成立していても、当該所定のゲームにおいて、まず、スタートレバーフリーズ演出を実行し、スタートレバーフリーズ演出が終了した後に操作手順報知演出を実行するので、両演出が重複して実行されることはない。2つの演出の実行時期が重複することにより、遊技者の注意を散漫にさせ、操作ミスを誘発することを防止することができる。この結果、本実施形態では、不利益を与えられたと遊技者が不快感を抱くことはない。
<その他の実施形態>
なお、上記第1実施形態及び第2実施形態においては、所定のゲームにおいて、遊技者の利益に直結する操作手順報知演出とともに実行条件が成立する演出をスタートレバーフリーズ演出としたが、所定のゲームにおいて、操作手順報知演出とともに実行条件が成立する演出は、スタートレバーフリーズ演出に限定されず、いかなる演出、すなわち、第1副制御部400や第2副制御部500によって制御される演出または主制御部300によって制御される演出のいずれでもよい。例えば、数ゲームに亘って実行される連続演出やスタートレバーフリーズ演出中にリールを用いた演出を行うリール演出であってもよい。
また、所定のゲームにおいて、操作手順報知演出とスタートレバーフリーズ演出の双方の実行条件が成立した場合には、上記第1実施形態では、スタートレバーフリーズ演出を後のゲームに持ち越すことにより、また、上記第2実施形態では、まず、スタートレバーフリーズ演出を実行し、スタートレバーフリーズ演出が終了した後に、操作手順報知演出を実行することにより、両演出の実行時期が重複しないようにしたが、両演出の実行時期が重複しない方法はこれに限定されない。例えば、いずれか一方の演出の実行をキャンセルするようにしてもよい。具体的には、所定のゲームにおいて、操作手順報知演出と操作手順報知演出とは異なる他の演出(例えば、スタートレバーフリーズ演出、連続演出、リール演出等)の双方の実行条件が成立した場合には、操作手順報知演出の実行をキャンセルする(他の演出だけを実行する)、または他の演出の実行をキャンセルする(操作手順報知演出だけを実行する)ようにしてもよい。
<実施形態のまとめ>
以上述べたように、本実施形態の遊技台(例えば、スロットマシン100)によれば、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール(例えば、リール110〜112)と、前記複数のリールの回転開始を指示するスタートレバー(例えば、スタートレバー135)と、前記スタートレバーの操作受付により、予め定められた複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段(例えば、主制御部300、役内部抽選処理)と、前記複数のリールそれぞれに対応して設けられ、前記複数のリールの回転を個別に停止させる複数の停止ボタン(例えば、ストップボタン137〜139)と、前記抽選手段の抽選結果及び前記複数の停止ボタンによる停止操作に基づいて、前記複数のリールの回転の停止に関する停止制御を行う停止制御手段(例えば、主制御部300、リール停止制御処理)と、前記停止制御手段による停止制御により、予め定められた有効ライン上に停止表示された図柄組合せが、前記抽選手段により内部当選した役に対応して定められた図柄組合せであるか否かにより前記役への入賞を判定する判定手段(例えば、主制御部300、表示判定処理)と、前記判定手段により、内部当選した役が入賞したと判定された場合に、内部当選した役に対応する利益を付与する利益付与手段(例えば、主制御部300、メダル払出処理)と、複数種類の遊技状態の中から、前記判定手段による判定結果に基づいて、対応する遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(例えば、主制御部300、遊技状態制御処理)と、を備えた遊技台であって、複数種類の役には、前記複数の停止ボタンに対する停止操作の内容(例えば、操作順序、操作タイミング)を入賞の条件とする操作手順役(例えば、押し順リプレイ、3択ベルなどの操作手順役)が含まれ、前記スタートレバーの操作受付によって、前記操作手順役が内部当選する第一の条件が成立した場合(例えば、RT1における操作手順役の内部当選など)に、前記操作手順役が入賞するための停止操作の内容を報知する第一の演出(例えば、操作手順報知演出)を実行する第一演出手段(例えば、第1副制御部400、第2副制御部500、演出画像表示装置157、演出設定処理、演出制御処理、音制御処理、ランプ制御処理、画像制御処理など)と、前記スタートレバーの操作受付によって、前記第一の条件とは異なる第二の条件が成立した場合(例えば、フリーズ実行条件の成立)に、前記第一の演出とは異なる第二の演出(例えば、スタートレバーフリーズ演出、連続演出、リール演出など)を実行する第二演出手段(例えば、主制御部300、第1副制御部400、第2副制御部500、演出画像表示装置157、演出設定処理、演出制御処理、音制御処理、ランプ制御処理、画像制御処理など)と、所定のゲームにおいて、前記第一の条件と前記第二の条件がともに成立している場合に、前記第一演出手段により実行される前記第一の演出の実行時期と、前記第二演出手段により実行される前記第二の演出の実行時期が重複しないように規制する演出規制手段(例えば、主制御部300、第1副制御部400、役内部抽選処理、演出設定処理など)と、をさらに備えることを基本的構成とする。
本実施形態においては、所定の一遊技において、遊技者の利益に関与する演出を含む複数の演出の実行条件がともに成立していたとしても、第一の演出と第二の演出の実行時期が重複しないので、遊技者の注意を散漫にさせ、操作ミスを誘発するおそれがない。したがって、操作ミスの誘発により、遊技者に不利益を与えたとの不快感を抱かせることはない。
また、前記演出規制手段は、前記所定のゲームにおいて、前記第一演出手段が前記第一の演出を実行し、前記所定のゲームの次ゲーム以降において、前記第二演出手段が前記第二の演出を実行するように実行時期を制御することが好ましい。
この場合には、第一の演出と第二の演出の実行時期が重複しないので、遊技者の注意を散漫にさせ、操作ミスを誘発するおそれがない。したがって、操作ミスの誘発により、遊技者に不利益を与えたとの不快感を抱かせることはない。また、2つの演出の実行条件が成立した所定のゲームにおいて、まず、内部当選した操作手順役に入賞させることができ、次いで、次ゲーム以降で第二の演出を提供することができるので、遊技者は利益を享受できるとともに第二の演出を楽しむことができる。
また、前記複数の役には、前記複数の停止ボタンに対する停止操作の内容を入賞の条件としない非操作手順役(例えば、通常リプレイなどの非操作手順役)が含まれ、前記演出規制手段は、前記所定のゲームの次ゲーム以降かつ、前記非操作手順役が内部当選したゲームにおいて、前記第二演出手段が前記第二の演出を実行するように実行時期を制御することが好ましい。
この場合には、遊技者に不利益を与えない状況下で、第二の演出を実行するので、遊技者に不快感を与えることがない。
また、前記第二演出手段が前記第二の演出を実行している期間において、前記スタートレバー及び前記複数の停止ボタンの操作受付をしない非受付処理(例えば、フリーズ)を実行する非受付処理実行手段(例えば、主制御部300、第1実施形態の役内部抽選処理、リール回転開始処理)をさらに備えることが好ましい。
この場合には、第二の演出の実行期間中を遊技の進行に係わる操作を非受付状態とすることができるので、第二の演出に強い印象を与えることができる。すなわち、第二の演出は、遊技者の注意をより散漫にさせ、操作ミスを誘発しやすくする演出となっているので、第一の演出と第二の演出の実行時期が重複させないことは、より好適である。
また、前記演出規制手段は、前記第一の条件と前記第二の条件がともに成立している前記所定のゲームにおいて、まず、前記第二の演出を実行開始し、前記第二の演出が終了した後に、前記第一の演出を実行開始するように実行時期を制御することが好ましい。
この場合には、停止操作タイミングの近傍で、操作手順役が入賞するための停止操作の内容を報知する第一の演出を実行するので、停止操作のミスを軽減することができる。
また、前記第二演出手段が前記第二の演出を実行している期間、及び前記第一演出手段が前記第一の演出の一部を実行している期間において、前記スタートレバー及び前記複数の停止ボタンの操作受付をしない非受付処理を実行する非受付処理実行手段(例えば、主制御部300、第2実施形態の役内部抽選処理、リール回転開始処理)をさらに備えることが好ましい。
この場合には、遊技者が、第一の演出に意識を向ける時間があるので、停止操作のミスを軽減することができる。
また、本実施形態の遊技台(例えば、スロットマシン100)によれば、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール(例えば、リール110〜112)と、前記複数のリールの回転開始を指示するスタートレバー(例えば、スタートレバー135)と、前記スタートレバーの操作受付により、予め定められた複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段(例えば、主制御部300、役内部抽選処理)と、前記複数のリールそれぞれに対応して設けられ、前記複数のリールの回転を個別に停止させる複数の停止ボタン(例えば、ストップボタン137〜139)と、前記抽選手段の抽選結果及び前記複数の停止ボタンによる停止操作に基づいて、前記複数のリールの回転の停止に関する停止制御を行う停止制御手段(例えば、主制御部300、リール停止制御処理)と、前記停止制御手段による停止制御により、予め定められた有効ライン上に停止表示された図柄組合せが、前記抽選手段により内部当選した役に対応して定められた図柄組合せであるか否かにより前記役への入賞を判定する判定手段(例えば、主制御部300、表示判定処理)と、前記判定手段により、内部当選した役が入賞したと判定された場合に、内部当選した役に対応する利益を付与する利益付与手段(例えば、主制御部300、メダル払出処理)と、複数種類の遊技状態の中から、前記判定手段による判定結果に基づいて、対応する遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(例えば、主制御部300、遊技状態制御処理)と、を備えた遊技台であって、前記複数種類の役には、当該役が内部当選したゲームにおいて前記複数の停止ボタンに対する停止操作が行われた場合に、該複数の停止ボタンに対する停止操作の内容(例えば、操作順序、操作タイミング)を入賞の条件とする操作手順役(例えば、押し順リプレイ、3択ベルなどの操作手順役)が含まれ、前記操作手順役の内部当選を条件の成立の少なくとも一部とする第一の条件(例えば、RT1における操作手順役の内部当選など)が成立した場合に、前記操作手順役が入賞するための停止操作の内容を示す第一の演出(例えば、操作手順報知演出)を前記停止操作が有効となる前に実行可能な第一の演出手段(例えば、第1副制御部400、第2副制御部500、演出画像表示装置157、演出設定処理、演出制御処理、音制御処理、ランプ制御処理、画像制御処理など)と、前記第一の条件とは異なる第二の条件が成立した場合(例えば、フリーズ実行条件の成立)に、前記第一の演出とは異なる第二の演出(例えば、スタートレバーフリーズ演出、連続演出、リール演出など)を前記停止操作が有効となる前に実行可能な第二の演出手段(例えば、第1副制御部400、第2副制御部500、演出画像表示装置157、演出設定処理、演出制御処理、音制御処理、ランプ制御処理、画像制御処理など)と、前記第一の条件と前記第二の条件がともに成立している所定のゲームにおいて、前記第一の演出手段が前記第一の演出を実行する実行時期と、前記第二の演出手段が前記第二の演出を実行する実行時期が重複しないように制御する演出制御手段(例えば、主制御部300、第1副制御部400、役内部抽選処理、演出設定処理など)と、をさらに備え、前記演出制御手段は、前記所定のゲームにおいて、前記第二の演出手段が前記第二の演出を実行し、該第二の演出が終了した後に、前記第一の演出手段が前記第一の演出を実行開始するように実行時期を制御するものであり、前記第二の演出手段が前記第二の演出を実行している期間、及び前記第一の演出手段が前記第一の演出の一部を実行している期間において、前記停止操作が有効とならないように前記複数の停止ボタンの操作受付をしない非受付処理(例えば、フリーズ)を実行する非受付処理実行手段(例えば、主制御部300、第2実施形態の役内部抽選処理、リール回転開始処理)をさらに備えることを第2の基本的構成とする。
第2の基本的構成においては、所定の一遊技において、遊技者の利益に関与する演出を含む複数の演出の実行条件がともに成立していたとしても、第一の演出と第二の演出の実行時期が重複しないので、遊技者の注意を散漫にさせ、操作ミスを誘発するおそれがない。したがって、操作ミスの誘発により、遊技者に不利益を与えたとの不快感を抱かせることはない。また、停止操作タイミングの近傍で、操作手順役が入賞するための停止操作の内容を報知する第一の演出を実行し、遊技者が、第一の演出に意識を向ける時間があるので、停止操作のミスを軽減することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。