JP2013198600A - 吸引チューブ及び気管チューブ - Google Patents
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Abstract
【課題】気管内に貯留した異物を効率よく吸引できる吸引チューブ、及び、それを備える気管チューブを提供することを目的とする。
【解決手段】吸引チューブ1は、人工呼吸器に接続された気管チューブ本体2の呼吸路44に挿通して設けられ、体内の物質を吸引する吸引チューブ27と、吸引チューブ27を気管チューブ本体2の形状に沿って案内するガイド部13とを備える。ガイド部13により、吸引チューブ27が気管チューブ本体2の形状に沿って案内されて配置される。これにより、吸引チューブ27の位置を気管チューブ本体2内の呼吸路の異物が貯留しやすい位置に配置することができる。
【選択図】図2
【解決手段】吸引チューブ1は、人工呼吸器に接続された気管チューブ本体2の呼吸路44に挿通して設けられ、体内の物質を吸引する吸引チューブ27と、吸引チューブ27を気管チューブ本体2の形状に沿って案内するガイド部13とを備える。ガイド部13により、吸引チューブ27が気管チューブ本体2の形状に沿って案内されて配置される。これにより、吸引チューブ27の位置を気管チューブ本体2内の呼吸路の異物が貯留しやすい位置に配置することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、吸引ポンプなどの吸引器に接続して用いられ、唾液や、肺や気管支から分泌された痰などの異物を持続的に吸引する吸引チューブ、及び、それを備えた気管チューブに関する。
従来、自発的な呼吸が不十分な患者に対して人工呼吸器を用い、人工的に呼吸を施す処置が行われている。人工呼吸器は、例えば、口から気管内に挿管される気管内チューブや、気管切開孔から気管内に挿管される気管切開チューブなどの挿管デバイスに接続され、その挿管デバイスを介して患者の呼吸を確保する。
ところで、気管内チューブや気管切開チューブなどの挿管デバイスが挿管された患者は、気管や気管支などに溜まった痰や唾液などを自力で排出することができない。したがって、介護者は、患者に挿管された挿管デバイスを通して吸引チューブを気管内に挿入し、痰などの異物を吸引する喀痰吸引作業を定期的に行う必要がある。この喀痰吸引作業は、昼夜を問わず一日に何度も必要であり、介護者にとって負担が大きい。
また、上述した喀痰吸引作業では、人工呼吸器が挿管デバイスから一旦取り外されるため、喀痰吸引作業中に患者に酸素が供給されず、患者が低酸素血症となる危険性がある。さらに、吸引チューブを気管内に挿入した際に、気道内膜を刺激し、炎症を生じさせる恐れがある。
このように、介護者が定期的に行う喀痰吸引作業は、介護者にとっても、患者にとっても負担が大きい。
このように、介護者が定期的に行う喀痰吸引作業は、介護者にとっても、患者にとっても負担が大きい。
これに対して、特許文献1及び2では、人工呼吸器に接続された気管切開チューブ内に、吸引器に接続された吸引チューブを別途設け、この吸引チューブを介して気管に溜まった痰などの異物を持続的に吸引する技術が提案されている。
ところで、持続的に痰などの異物を吸引する吸引チューブを挿管デバイス内に設けた場合、吸引チューブの吸い込む位置が痰などの異物の貯留位置とずれると、異物をうまく吸い込めないという問題がある。この場合、貯留した異物が挿管デバイスの呼吸路を閉塞する恐れがあり、人工的な呼吸を確保できなくなるという恐れがある。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、気管内に貯留した異物を効率よく吸引できる吸引チューブ及びそれを備えた気管チューブを提供することを目的とする。
本発明の吸引チューブは、人工呼吸器に接続される気管チューブ本体の呼吸路に挿通して設けられ、体内の物質を吸引する吸引チューブ本体と、吸引チューブ本体を前記気管チューブ本体の形状に沿って案内するガイド部とを備える。
本発明の気管チューブは、人工呼吸器に接続される気管チューブ本体と、気管チューブ本体の呼吸路に挿通して設けられ、体内の物質を吸引する吸引チューブ本体と、吸引チューブ本体を前記気管チューブ本体の形状に沿って案内するガイド部とを備える。
本発明の吸引チューブ及び気管チューブでは、ガイド部を設けることにより、吸引チューブ本体が気管チューブ本体の形状に沿って案内されて配置される。これにより、吸引チューブ本体の位置を気管チューブ本体内の呼吸路の異物が貯留しやすい位置に配置することができる。
本発明の吸引チューブ及び気管チューブによれば、気管内に貯留した異物を効率良く吸引できるため、人工呼吸器に接続された気管チューブ本体の呼吸路が痰などの異物で閉塞されることを防ぐことができ、安全性の向上が図られる。
以下、本発明の吸引チューブを実施するための形態について、図1〜図5を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。また、以下の説明では、気管切開型の気管チューブ(気管切開チューブ)に本発明の吸引チューブを適用した場合を例に説明する。
《本発明の一実施形態》
〈1−1 気管チューブの構成〉
図1は、本発明の一実施形態に係る気管チューブ1を患者に装着したときの様子を示す図であり、図2は、本実施形態の気管チューブ1の断面構成図である。図1に示すように、気管チューブ1は、患者の気管を切開し、気管切開孔から気管チューブ1の一端を挿入し、気管7内に留置して用いられる。本実施形態の気管チューブ1は、図2に示すように、吸引チューブ11と、固定板5と、カフ6と、カフ調整部8と、カフ側吸引部9とを備える。
〈1−1 気管チューブの構成〉
図1は、本発明の一実施形態に係る気管チューブ1を患者に装着したときの様子を示す図であり、図2は、本実施形態の気管チューブ1の断面構成図である。図1に示すように、気管チューブ1は、患者の気管を切開し、気管切開孔から気管チューブ1の一端を挿入し、気管7内に留置して用いられる。本実施形態の気管チューブ1は、図2に示すように、吸引チューブ11と、固定板5と、カフ6と、カフ調整部8と、カフ側吸引部9とを備える。
[気管チューブ本体、固定板、カフ、カフ調整部、カフ側吸引部]
まず、気管チューブ本体2、固定板5、カフ6、カフ調整部8及びカフ側吸引部9について説明する。
まず、気管チューブ本体2、固定板5、カフ6、カフ調整部8及びカフ側吸引部9について説明する。
気管チューブ本体2は、両端が開口された円筒形状の管材で構成され、該部材の延材途中において所定の曲率で湾曲して形成されている。以下の説明では、気管チューブ本体2の湾曲した部分を、湾曲部45として説明する。気管チューブ本体2の一端は、後述する接続アダプタ3の第1接続部30に接続されている。一方、気管チューブ本体2の他端(以下、先端22)は、体内への挿入を容易にするためテーパー加工されている。
気管チューブ本体2は、使用時において、先端22側から気管7内に挿管され、先端22側の開口が肺側に向くように気管7内に留置される。一方、気管チューブ本体2の接続アダプタ3に接続される側の部分は体外に露出した状態になる。そして、気管チューブ本体2の孔は人工呼吸器により呼吸を確保する際の呼吸路44となる。
気管チューブ本体2の構成材料としては、例えば、シリコーン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド(例えば、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン12)のような各種樹脂を用いることができる。その中でも、成形が容易であるという点で、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ−(4−メチルペンテン−1)のような樹脂を用いることが好ましい。
固定板5は、平面形状が細長い形状である板状の部材で構成された固定板本体28と、固定板本体28と一体に形成された接着部29とを備える。固定板本体28の中央には、気管チューブ本体2を挿通可能な開口部28aが設けられている。また、接着部29は、固定板本体28の中央部において、固定板本体28の接続アダプタ3側の面の開口部28aを囲む位置に突出して設けられている。また、後述する空気注入用チューブ25及びカフ側吸引チューブ23が挿通する部分には接着部29は形成されていない。
固定板5は、気管チューブ本体2に接続された接続アダプタ3近傍に設けられる。そして、固定板5は、開口部28aを含む接着部29の内壁面と気管チューブ本体2の外壁面とが融着又は接着されることで気管チューブ本体2に固定される。また、固定板5は、例えば気管チューブ本体2と同様の材料で形成することができる。
固定板5は、気管チューブ1の装着時において、図1に示すように患者の皮膚表面に密着するように、図示しないテープなどによって固定される。これにより、気管チューブ1の位置が固定される。
カフ6は、可撓性を有するバルーン状の部材で構成されており、気管チューブ本体2の先端22側の一部の外壁面に、接着又は融着により気密的に固着して設けられている。カフ6は、空気注入用チューブ25を介して空気が注入されることで膨らむ。このため、気管チューブ本体2を気管7内部に挿管した後、カフ6を膨らませることにより、カフ6を患者の気管7内壁に密着させ、気管チューブ本体2を気管内に固定することができる。
カフ6の構成材料は特に限定されないが、例えば、軟質ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、シリコーン、またはこれらのうち任意の材料を混合した材料を用いることができる。
カフ調整部8は、パイロットバルーン26と、空気注入用チューブ25とで構成されている。パイロットバルーン26は可撓性を有する袋状の部材で構成され、一端には、パイロットバルーン26内への気体の流入は許容し、パイロットバルーン26からの気体の流出は許容しない逆止弁26aが設けられている。また、パイロットバルーン26の他端には、空気注入用チューブ25が接続される接続部26bが設けられている。このパイロットバルーン26は、カフ6と同様の材料で形成することができる。
空気注入用チューブ25は、パイロットバルーン26の、逆止弁26aが形成される側とは反対側に形成された接続部26bに接続され、空気注入用チューブ25の内部がパイロットバルーン26の内部と連通するように設けられている。空気注入用チューブ25は、可撓性を有する細管で構成され、固定板5の開口部28aを挿通し、気管チューブ本体2に沿って設けられ、カフ6の内部に連通するように設けられている。すなわち、空気注入用チューブ25を介してカフ6とパイロットバルーン26とは連通する。したがって、パイロットバルーン26を指で押圧したときに、カフ6に掛かる圧を触感的に感知することができる。
カフ側吸引部9は、カフ側吸引コネクタ39と、カフ側吸引チューブ23とで構成されている。カフ側吸引コネクタ39は、カフ側吸引チューブ23の一端に設けられており、例えばシリンジなどに接続可能なコネクタである。カフ側吸引チューブ23は、空気注入用チューブ25と同様に可撓性を有する細管で構成され、固定板5の開口部28aを貫通し、気管チューブ本体2に沿って設けられている。
また、カフ側吸引チューブ23のカフ側吸引コネクタ39に接続される側とは反対側の端部は、カフ6の固定板5側の近傍に配置される。さらに、カフ側吸引チューブ23は、気管チューブ本体2の湾曲部45の外側、すなわち、気管チューブ本体2を気管7内に留置した場合に、患者の背側に配置されている。これにより、カフ側吸引部9では、カフ側吸引コネクタ39にシリンジを取り付けて吸引することで、患者の咽頭側からカフ6上部に溜まった唾液などの貯留物をシリンジ側に吸引することができる。
[吸引チューブ]
次に、吸引チューブ11について説明する。本実施形態の吸引チューブ11は、接続アダプタ3と、吸引チューブ本体27と、吸引ライン接続部47と、流量調整部10と、ガイド部13とを備える。図3は、気管チューブ1から気管チューブ本体2を取り外した状態の気管チューブ1の構成図であり、図4は、図3のA−A’線上に沿う断面図である。
次に、吸引チューブ11について説明する。本実施形態の吸引チューブ11は、接続アダプタ3と、吸引チューブ本体27と、吸引ライン接続部47と、流量調整部10と、ガイド部13とを備える。図3は、気管チューブ1から気管チューブ本体2を取り外した状態の気管チューブ1の構成図であり、図4は、図3のA−A’線上に沿う断面図である。
接続アダプタ3は、一端に底部32を有し、他端が開口された円筒形状の第1部材17と、第1部材17の側面に設けられ、第1部材17の呼吸路19から分岐した呼吸路20を有する円筒形状の第2部材18とで構成されている。第1部材17の開口された端部は、気管チューブ本体2の他端に接続される第1接続部30となる。また、第1部材17の呼吸路19の径は気管チューブ本体2の他端の外径とほぼ同じ径に設定されている。これにより、気管チューブ本体2は第1接続部30内に嵌合接続され、第1接続部30の内壁面と気管チューブ本体2の外壁面とは気密に保持される。なお、第1接続部30と気管チューブ本体2は、コネクタを介して接続してもよい。また、第1部材17の底部32には、後述する吸引チューブ11の吸引チューブ本体27が挿通される貫通孔33が設けられている。
第2部材18は、その軸心が第1部材17の軸心に垂直となるよう第1部材17の側面に設けられ、第1部材17の呼吸路19と第2部材18の呼吸路20は連通している。この第1部材17及び第2部材18は一体に形成されている。第2部材18の第1部材17側とは反対側の端部は、人工呼吸器に接続される人工呼吸ライン(図示せず)が接続される第2接続部31となる。
第2部材18では、第2接続部31側端部の呼吸路20aの径が、第1部材17側の呼吸路20bの径よりも大きく形成されている。これにより、第2部材18の内壁面には段差部21が形成される。したがって、人工呼吸器に接続された人工呼吸ラインを第2接続部31に接続するときは、人工呼吸ラインを、その端面が第2部材18の内壁面に形成された段差部21に当接するように差し込み、第2接続部31に嵌合接続することができる。これにより、人工呼吸ラインは、第2部材18の内壁面に形成された段差部21に係止される。第1部材17及び第2部材18からなる接続アダプタ3は、気管チューブ本体2と同様の材料で形成することができる。
吸引チューブ本体27は、可撓性を有するチューブであり、接続アダプタ3の底部32側から気管チューブ本体2の呼吸路44内に挿通される。吸引チューブ本体27の一端は、接続アダプタ3の底部32に形成された貫通孔33に挿通されて接続アダプタ3の底部32側に設けられた吸引ライン接続部47に接続されている。また、吸引チューブ本体27の他端(以下、先端48)は、気管チューブ本体2の湾曲部45よりも気管チューブ本体2の先端22側であり、かつ、気管チューブ本体2の先端22から露出しない位置に配置される。
吸引チューブ本体27は可撓性を有するため、湾曲した気管チューブ本体2の形状に沿って呼吸路44内に配置される。そして、気管チューブ本体2の湾曲部45よりも気管チューブ本体2の先端22側に配置される部分では、吸引チューブ本体27は気管チューブ本体2の内周面に接して配置される。
また、吸引チューブ本体27の先端48側の側壁には、微細な通気孔36が設けられている。通気孔36が設けられることにより、吸引時に、吸引チューブ本体27内に乱流を発生させることができる。これにより、吸引抵抗が小さくなり、細管(吸引チューブ本体27)内への粘着性の異物の吸い込みが容易になる。
吸引ライン接続部47は、接続部本体12と流量調整部10を構成する軸挿入部24とを備える。接続部本体12は、吸引流路34を有する管状部材で構成される。接続部本体12の先端側は、吸引ポンプなどの吸引器に接続された吸引ライン(図示せず)への接続を容易にするため、先端にいくにつれて外径が段階的に小さくなるようなテーパー状に形成されている。
吸引ライン接続部47の、テーパー状とされた先端とは反対側の端部には吸引チューブ本体27が接続される。吸引ライン接続部47と吸引チューブ本体27との接続は、例えば、図2に示すように、吸引ライン接続部47の吸引流路34内に吸引チューブ本体27が挿入され、吸引ライン接続部47の内周面に吸引チューブ本体27の外周面が接着又は融着することによってなされる。これにより、吸引チューブ本体27内の吸引流路35と吸引ライン接続部47内の吸引流路34が連通される。
流量調整部10は、軸挿入部24と、軸部15と、操作部16とを備える。
軸挿入部24は、接続部本体12の側面から接続部本体12の軸心とは垂直方向に突出して形成され、接続部本体12の吸引流路34と連通した軸挿入孔14を有する。また、軸挿入部24の内周面には、後述する軸部15に螺合するネジ部(図示せず)が設けられている。
軸挿入部24は、接続部本体12の側面から接続部本体12の軸心とは垂直方向に突出して形成され、接続部本体12の吸引流路34と連通した軸挿入孔14を有する。また、軸挿入部24の内周面には、後述する軸部15に螺合するネジ部(図示せず)が設けられている。
軸部15は、軸挿入部24に挿入可能な棒状の部材で形成されており、外周面には、軸挿入部24の挿入孔に形成されたネジ部に螺合するネジが形成されている。また、軸部15の吸引流路34側の先端15a側は、先端にいくにつれて外径が連続的に小さくなるようなテーパー形状とされている。
操作部16は、円盤状の部材で形成され、軸部15の先端15aとは反対側の端部に設けられている。操作部16と軸部15とは一体に形成されている。本実施形態では、軸部15を先端から軸挿入孔14に挿入し、操作部16を回転操作することにより、軸部15の挿入深さを操作することができる。これにより、軸部15の先端15a位置を接続部本体12の吸引流路34内で変えることができ、吸引流路34の流路面積の大きさを変化させることができる。そして、後で詳述するが、吸引流路34の流路面積の大きさを変化させることにより、吸引器を介して外部に吸引される異物の吸引流量を変えることができる。
ガイド部13は、気管チューブ本体2の呼吸路44内における吸引チューブ本体27の配置位置をガイドする為に設けられている。図3に示すように、ガイド部13は、吸引チューブ本体27をガイドするガイド部本体37と、吸引チューブ本体27をガイド部本体37に固定するための固定部38とを備える。
ガイド部本体37は、吸引チューブ本体27に沿って延在する棒状部材で構成され、その延在方向に直交する断面の形状は矩形状である。ガイド部本体37の長軸方向の一端は接続アダプタ3の底部32に接続されている。また、ガイド部本体37の長軸方向の長さは、図3に示すように、気管チューブ本体2の呼吸路44内における長さ程度に設定され、ガイド部本体37の他端(以下、先端46)が、気管チューブ本体2の湾曲部45よりも先端側に位置するように設定されている。
さらに、図3に示すように、ガイド部本体37の長軸方向の長さは、ガイド部本体37の先端46が吸引チューブ本体27の先端48よりも接続アダプタ3側に配置されるように設定されている。すなわち、ガイド部本体37の長さは呼吸路44内における吸引チューブ本体27の長さよりも短く設定されている。また、ガイド部本体37の断面形状における長辺部の幅は、吸引チューブ本体27の直径よりもやや大きく設定されている。ガイド部本体37は、樹脂材料で形成されており、その剛性が吸引チューブ本体27の剛性よりも大きく、かつ、気管チューブ本体2の剛性よりも小さくなるような材料で形成されている。
固定部38は、ガイド部本体37の先端46付近に設けられる。固定部38は、断面アーチ形状の板状部材で形成されている。図4に示すように、固定部38とガイド部本体37とにより吸引チューブ本体27が挿通される挿通孔38aが形成される。挿通孔38aの大きさは、吸引チューブ本体27を閉塞しない程度の大きさに設定されている。また、固定部38は、気管チューブ本体2の湾曲部45の外周側の内壁面に面するように設けられている。すなわち、固定部38は、気管チューブ本体2を患者に装着したときに、ガイド部本体37より患者の背側に位置するように設けられる。
ガイド部13を構成するガイド部本体37と固定部38とは一体に形成されている。また、ガイド部13の構成材料としては、気管チューブ本体2と同様の材料を用いることができる。
本実施形態では、図4に示すように、吸引チューブ本体27が固定部38の挿通孔38aに挿入され、これにより、吸引チューブ本体27がガイド部本体37に固定される。そして、本実施形態では、ガイド部本体37の剛性が、気管チューブ本体2の剛性よりも小さいため、図2に示すように、ガイド部本体37を湾曲した気管チューブ本体2に挿入した場合、気管チューブ本体2の形状に沿ってガイド部本体37も湾曲する。さらに、ガイド部本体37の剛性は吸引チューブ本体27の剛性よりも大きいため、ガイド部本体37に固定された吸引チューブ本体27は、ガイド部本体37の形状に沿って湾曲する。
さらに、固定部38が、ガイド部本体37の、気管チューブ本体2の湾曲部45の外周側の内壁面に面するように設けられているため、吸引チューブ本体27は、気管チューブ本体2において、患者の背側に位置する内壁面により近い位置に配置される。図2では、吸引チューブ本体27の先端48側は、気管チューブ本体2の内壁面とは接触しないで図示されている。しかしながら、実際には、気管チューブ本体2の先端48側は、重力によって気管チューブ本体2の内壁面に接触するように配置されるのが理想的である。そして、吸引チューブ本体27は、気管チューブ本体2の、患者の背側に位置する内壁面と固定部38との間に狭まれた状態で固定される。
〈1−2 気管チューブの使用方法〉
次に、上述した気管チューブ1の使用方法について説明する。図5は、患者の気管7内に気管チューブ1を挿入したときの状態を示す図である。
次に、上述した気管チューブ1の使用方法について説明する。図5は、患者の気管7内に気管チューブ1を挿入したときの状態を示す図である。
図5に示すように、気管チューブ1は、気管チューブ本体2の先端22から気管切開口に挿入され、気管7内に挿管される。そして、固定板5を、患者の皮膚表面に接した状態で固定することにより、気管チューブ本体2の先端が肺側を向くように気管チューブ本体2の先端22側が気管7内に留置される。また、気管チューブ本体2の先端22側が気管7内に留置された状態で、パイロットバルーン26の空気注入孔26aから空気を注入し、カフ6を膨出させる。この結果、カフ6表面が気管内壁に密着し、気管チューブ本体2の外周面と気管内壁との間が閉塞すると共に、気管チューブ本体2の位置が気管7内で固定される。
気管チューブ1を患者に装着した状態で、接続アダプタ3の第2接続部31には、人工呼吸器に接続される人工呼吸ライン(図示せず)が接続され、吸引ライン接続部47には、吸引ポンプなどの吸引器に接続された吸引ライン(図示せず)が接続される。
そして、人工呼吸器から気管チューブ1の呼吸路44を介して気管7内に人工的な呼吸が供給される。一方、吸引ライン接続部47に接続された吸引器は、吸引チューブ本体27内に所定の吸引圧力を一定に供給する。これにより、吸引チューブ本体27内では持続的に陰圧が生じ、吸引チューブ本体27の先端48側に貯留した痰や唾液などの異物が持続的に吸引器側に吸引される。
ところで、気管チューブ1を装着される患者は通常仰向きで寝ているため、痰などの異物は重力方向である背側に溜まる。これに対し、本実施形態では、ガイド部13が形成されることで吸引チューブ本体27が気管チューブ本体2の背側の内壁面に接して配置されている。これにより、気管チューブ本体2内で背側に溜まった異物を効率よく吸引することができ、吸引性能の向上が図られる。
また、本実施形態では、操作部16を回転して軸部15の挿入長を変えることにより、吸引流路34の流路面積の大きさを変化させることができる。吸引ライン接続部47に接続された外部の吸引器からは一定の吸引圧力が供給されているため、吸引流路34を狭くするにつれて、軸部15よりも気管チューブ本体2側に配置された吸引チューブ本体27内に発生する陰圧が小さくなる。これにより、吸引流量が小さくなる。また、本実施形態では、軸部15の先端が吸引流路34内に挿入されない状態の場合に、吸引流量は最大となる。
このように、本実施形態では、吸引ライン接続部47に接続された外部の吸引器が一定の吸引圧力を供給し続ける場合にも、操作部16を回転して軸部15の挿入長の長さを変えることにより、随時、吸引流量を調整することが可能となる。本実施形態では、吸引流量を例えば5〜10mL/sの間で調整することで、適正な吸引を可能としている。
本実施形態では、ガイド部本体37を断面が矩形状の棒状部材で形成したが、これに限られるものではない。ガイド部本体37の剛性が気管チューブ本体2のそれよりも小さく、吸引チューブ本体27のそれよりも大きく、吸引チューブ本体27を気管チューブ本体2の呼吸路44内で案内できる構成であり、かつ、呼吸路44において、呼吸の妨げにならない形状であれば、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、吸引チューブ本体の先端側に通気孔が形成されているが、通気孔は形成されなくてもよい。さらに、本実施形態では、吸引チューブ本体の先端は、気管チューブ本体の先端から露出しない位置とされているが、露出するように設けられていてもよい。本実施形態のように、吸引チューブ本体の先端が気管チューブ本体の先端から露出しないような長さに設定することにより、吸引チューブ本体の先端が気管内壁を刺激するのを防ぐことができ、その刺激によって起こる痰の発生を抑制することができる。
以上、本発明の吸引チューブの実施形態について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の吸引チューブは、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の実施形態が可能である。
上述した実施の形態では、吸引チューブを気管切開チューブに適用する場合を例に説明したが、本発明の吸引チューブは、患者の口から気管内に挿管され、人工呼吸器に接続される気管内チューブに適用することも可能である。本発明の吸引チューブを気管内チューブに適用する場合には、接続アダプタの第1接続部に、気管内チューブを接続すればよい。
1・・・気管チューブ、2・・・気管チューブ本体、3・・・接続アダプタ、5・・・固定板、6・・・カフ、8・・・カフ調整部、9・・・カフ側吸引部、10・・・流量調整部、11・・・吸引チューブ、12・・・吸引接続部本体、13・・・ガイド部、14・・・軸挿入孔、15・・・軸部、15a・・・先端、16・・・操作部、17・・・第1部材、18・・・第2部材、21・・・段差部、22・・・先端、23・・・カフ側吸引チューブ、24・・・軸挿入部、25・・・空気注入用チューブ、26・・・パイロットバルーン、26a・・・逆止弁、26b・・・接続部、27・・・吸引チューブ本体、28・・・固定板本体、29・・・接着部、30・・・第1接続部、31・・・第2接続部、32・・・底部、33・・・貫通孔、34,35・・・吸引流路、36・・・通気孔、37・・・ガイド部本体、38・・・固定部、39・・・カフ側吸引コネクタ、44・・・呼吸路、45・・・湾曲部、46・・・先端、47・・・吸引ライン接続部、48・・・先端
Claims (8)
- 人工呼吸器に接続される気管チューブ本体の呼吸路に挿通され、体内の物質を吸引する吸引チューブ本体と、
前記吸引チューブを前記気管チューブ本体の形状に沿って案内するガイド部と
を備える吸引チューブ。 - 前記ガイド部の剛性は、前記気管チューブ本体の剛性よりも小さい
請求項1に記載の吸引チューブ。 - 前記ガイド部の剛性は、前記吸引チューブ本体の剛性よりも大きい
請求項2に記載の吸引チューブ。 - 前記ガイド部は、前記吸引チューブ本体に沿って配置されるガイド部本体と、前記ガイド部本体に前記吸引チューブ本体を固定するための固定部とを備える
請求項3に記載の吸引チューブ。 - 前記固定部は、前記吸引チューブ本体における体内の物質を吸引する先端側を前記ガイド部本体に固定するように、前記ガイド部本体に設けられる
請求項4に記載の吸引チューブ。 - 前記吸引チューブ本体の先端は、前記気管チューブ本体の内壁面に接触する
請求項5に記載の吸引チューブ。 - 更に、前記吸引チューブは、前記吸引チューブ本体及び前記ガイド部の基端側を固定するとともに、吸引器と前記気管チューブ本体を接続する接続アダプタを備える
請求項1に記載の吸引チューブ。 - 人工呼吸器に接続される気管チューブ本体と、
前記気管チューブ本体の呼吸路に挿通して設けられ、体内の物質を吸引する吸引チューブ本体と、前記吸引チューブ本体を前記気管チューブ本体の形状に沿って案内するガイド部とを有する吸引チューブと
を備える気管チューブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012068684A JP2013198600A (ja) | 2012-03-26 | 2012-03-26 | 吸引チューブ及び気管チューブ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012068684A JP2013198600A (ja) | 2012-03-26 | 2012-03-26 | 吸引チューブ及び気管チューブ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013198600A true JP2013198600A (ja) | 2013-10-03 |
Family
ID=49519311
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2012068684A Pending JP2013198600A (ja) | 2012-03-26 | 2012-03-26 | 吸引チューブ及び気管チューブ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013198600A (ja) |
-
2012
- 2012-03-26 JP JP2012068684A patent/JP2013198600A/ja active Pending
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