JP2013192911A - 気管チューブ - Google Patents
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Abstract
【課題】体内で分泌され、呼気に伴い移動する異物を収容部に収容して効率よく吸引することができる気管チューブを提供する。
【解決手段】気管チューブ本体2と、吸引ライン4と、接続部材3と、を備え、気管チューブ本体2は、筒状に形成され、気管7内の肺側に配置される先端部22を有し、吸引ライン4は、気管チューブ本体2に取り付けられ、先端部22に配置され、体内で分泌された異物Sを吸引する吸引口33aを有する。接続部材3は、気管チューブ本体2の先端部22に接続され、異物Sを収容する収容部50を有する構成とする。
【選択図】図2
【解決手段】気管チューブ本体2と、吸引ライン4と、接続部材3と、を備え、気管チューブ本体2は、筒状に形成され、気管7内の肺側に配置される先端部22を有し、吸引ライン4は、気管チューブ本体2に取り付けられ、先端部22に配置され、体内で分泌された異物Sを吸引する吸引口33aを有する。接続部材3は、気管チューブ本体2の先端部22に接続され、異物Sを収容する収容部50を有する構成とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、吸引ポンプなどの吸引器に接続して用いられ、唾液や、肺や気管支から分泌された痰などの異物を持続的に吸引する気管チューブに関する。
従来、自発的な呼吸が不十分な患者に対して人工呼吸器を用い、人工的に呼吸を施す処置が行われている。人工呼吸器は、例えば、口から気管内に挿管する気管内チューブや、気管切開口から気管内に挿管する気管切開チューブなどの挿管デバイスに接続され、その挿管デバイスを介して患者の呼吸を確保する。
ところで、気管内チューブや気管切開チューブなどの挿管デバイスが挿管された患者は、気管内における繊毛運動が抑制されてしまうため、気管や気管支などに溜まった痰や唾液などを自力で排出することができない。したがって、介護者は、患者に挿管された挿管デバイスを通して吸引チューブを気管内に挿入し、痰などの異物を吸引する喀痰吸引作業を定期的に行う必要がある。この喀痰吸引作業は、昼夜を問わず一日に何度も必要であり、介護者にとって負担が大きい。
また、上述した喀痰吸引作業では、人工呼吸器が挿管デバイスから一旦取り外されるため、喀痰吸引作業中に患者に酸素が供給されず、低酸素血症となる危険性がある。さらに、吸引チューブを気管内に挿入した際に、気道内膜を刺激し、炎症を生じさせる恐れがある。
このように、介護者が定期的に行う喀痰吸引作業は、介護者にとっても、患者にとっても負担が大きい。
このように、介護者が定期的に行う喀痰吸引作業は、介護者にとっても、患者にとっても負担が大きい。
このような問題の対策として、例えば特許文献1に記載された気管チューブが提案されている。特許文献1に記載された気管チューブでは、気管チューブ本体の内壁に痰などの異物を吸引するために吸引口と、この吸引口に連続して設けられ、チューブ壁内に形成された痰吸引路とを有している。そして、この気管チューブは、気管から流れ込んでくる痰などの異物を吸引口と痰吸引路を介して、持続的に吸引している。
しかしながら、特許文献1に記載された気管チューブでは、体内で分泌され呼気の流れに伴って、気管チューブ本体に入った異物が、吸引口に近づかないと吸引されないため、吸引されずに気管チューブ本体から気管に出ることがあった。その結果、特許文献1に記載された気管チューブでは、気管から気管チューブ本体内に侵入した異物を吸引口から効率よく吸引することができない場合があった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、体内で分泌され、呼気に伴い移動する異物を効率よく吸引することができる気管チューブを目的とする。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の気管チューブは、気管チューブ本体と、吸引ラインと、接続部材と、を備える。
気管チューブ本体は、筒状に形成され、気管内の肺側に配置される先端部を有する。そして、吸引ラインは、気管チューブ本体に取り付けられ、体内で分泌された異物を吸引する吸引口が先端部に配置される。また、接続部材は、気管チューブ本体の先端部に接続され、異物を収容する収容部を有する。
気管チューブ本体は、筒状に形成され、気管内の肺側に配置される先端部を有する。そして、吸引ラインは、気管チューブ本体に取り付けられ、体内で分泌された異物を吸引する吸引口が先端部に配置される。また、接続部材は、気管チューブ本体の先端部に接続され、異物を収容する収容部を有する。
本発明の気管チューブによれば、接続部材に収容部が設けられているため、呼気の流れに伴って移動する異物を収容部に収容することができる。そして、吸引ラインは、収容部に収容された異物を安定して吸引することができ、体内で分泌された異物を効率よく排出することができる。
以下、本発明の気管チューブを実施するための形態について、図1〜図8を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。また、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施形態例
1−1.気管チューブの構成例
1−2.気管チューブの使用方法
2.他の実施形態例
2−1.第2の実施形態例
2−2.第3の実施形態例
2−3.第4の実施形態例
2−4.第5の実施形態例
2−5.第6の実施形態例
2−6.第7の実施形態例
なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施形態例
1−1.気管チューブの構成例
1−2.気管チューブの使用方法
2.他の実施形態例
2−1.第2の実施形態例
2−2.第3の実施形態例
2−3.第4の実施形態例
2−4.第5の実施形態例
2−5.第6の実施形態例
2−6.第7の実施形態例
<1.第1の実施形態例>
1−1.気管チューブの構成例
まず、本発明の気管チューブの第1の実施の形態例(以下、「本例」という。)について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は本例の気管チューブを人体に装着した状態を示す説明図である。図2Aは、図1の要部を示す断面図であり、図2Bは図2Aに示すT−T線に沿って断面した断面図である。なお、図2Bでは、先端部22を省略している。
1−1.気管チューブの構成例
まず、本発明の気管チューブの第1の実施の形態例(以下、「本例」という。)について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は本例の気管チューブを人体に装着した状態を示す説明図である。図2Aは、図1の要部を示す断面図であり、図2Bは図2Aに示すT−T線に沿って断面した断面図である。なお、図2Bでは、先端部22を省略している。
[気管チューブ]
図1に示す気管チューブ1は、患者の呼吸管理を行うとともに、呼吸器から分泌され、異物をからめとった粘液である痰などを吸引して体内から排出する器具である。気管チューブ1としては、例えば、気管を切開して形成された切開口から気管に直接挿入される気管切開チューブや、口から気管に挿管される気管内チューブなどを挙げることができる。本例では、気管チューブ1として気管切開チューブを適用した例を説明する。
図1に示す気管チューブ1は、患者の呼吸管理を行うとともに、呼吸器から分泌され、異物をからめとった粘液である痰などを吸引して体内から排出する器具である。気管チューブ1としては、例えば、気管を切開して形成された切開口から気管に直接挿入される気管切開チューブや、口から気管に挿管される気管内チューブなどを挙げることができる。本例では、気管チューブ1として気管切開チューブを適用した例を説明する。
気管チューブ1は、気管チューブ本体2と、気管チューブ本体2に取り付けられる吸引ライン4と、気管チューブ本体2に接続される接続部材3と、から構成される。
[気管チューブ本体]
図2Aに示すように、気管チューブ本体2は、両端が開口した筒状に形成される。気管チューブ本体2の内部には、呼気が通る呼吸路2aが設けられている。気管チューブ本体2の材質としては、シリコーン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂を挙げることができる。気管チューブ本体2は、先端部22と、先端部22と反対側に設けられる基端部21と、基端部21と先端部22の間に位置する湾曲部23を有する。湾曲部23では略直角に湾曲しており、気管チューブ本体2は略L字状に形成される。
図2Aに示すように、気管チューブ本体2は、両端が開口した筒状に形成される。気管チューブ本体2の内部には、呼気が通る呼吸路2aが設けられている。気管チューブ本体2の材質としては、シリコーン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂を挙げることができる。気管チューブ本体2は、先端部22と、先端部22と反対側に設けられる基端部21と、基端部21と先端部22の間に位置する湾曲部23を有する。湾曲部23では略直角に湾曲しており、気管チューブ本体2は略L字状に形成される。
仰向けの姿勢の患者に対して、気管チューブ本体2は、気管7と気管7の上部の皮膚5を切開して設けられた気管切開口から鉛直方向下向きに挿入される。このとき、先端部22は、気管7における鉛直方向上方の皮膚側気管粘膜7a及び鉛直方向下方の体内側気管粘膜7bと所定の間隔を開けて、気管7内における肺側に配置される。そして、先端部22の開口が気管7における肺側を向く。
また、基端部21は、鉛直方向に沿って、気管7の軸方向と略垂直に配置される。そして、基端部21における湾曲部23と連続する一端部は皮膚5内に位置し、基端部21の他端部は気管切開口から体外に露出している。
基端部21の他端部には、不図示の人工呼吸器が取り付けられている。人工呼吸器が作動することで、呼吸路2a内に呼気が通る。これにより、患者の呼吸を持続させ、呼吸管理を行っている。その結果、呼吸に必要な酸素の通り道である気道が閉塞することを防止することができ、患者の呼吸管理を行うことができる。
気管チューブ本体2の壁内には、挿入路18が設けられている。挿入路18は、基端部21の中途部から湾曲部23の半径方向外側を通る。さらに、挿入路18は、湾曲部23の半径方向外側から先端部22の鉛直方向下側の壁内を通る。すなわち、挿入路18は、基端部21の中途部から先端部22の先端面22aに渡って形成される。そして、この挿入路18には、後述する吸引ライン4の吸引チューブ33が挿入される。
気管チューブ本体2の基端部21には、固定部27が設けられている。固定部27は、気管チューブ本体2を人体に装着した際に、皮膚5に当接することで、先端部22を気管7内の適切な位置に固定する。固定部27は、固定板28と、接着部29と、を有している。
固定板28は、略長方形状の平板に形成されている。固定板28における長手方向の中央部には、収納孔31が形成されている。そして、固定板28の一端面は、皮膚5と当接し、固定板28の他端面には、接着部29が取り付けられている。
接着部29は、気管チューブ本体2の基端部21を固定部27に接着する。接着部29は、略円板状に形成される。接着部29は、半径方向の中央に略円形の貫通孔30と、外周から貫通孔30に向かって形成された溝部が設けられている。貫通孔30は、固定板28の他端面と当接する接着部29の一端面から他端面にかけて形成されている。この貫通孔30は、収納孔31と連続している。貫通孔30の大きさは、基端部21の外径の大きさに合わせて設定される。
接着部29の貫通孔30には、気管チューブ本体2の基端部21が貫通され、例えば、接着剤により固定される。また、接着部29の溝部には、後述するカフ6とパイロットバルーン26を接続する空気注入用チューブ25と、カフ側吸引チューブ40が貫通する。そして、収納孔31には、基端部21と、空気注入用チューブ25と、カフ側吸引チューブ40が貫通する。
本例では、気管チューブ本体2を接着部29に固定する方法として、接着剤による固定を例に挙げたが、例えば、溶着による固定など各種の固定方法を採用することができる。
気管チューブ本体2の先端部22には、カフ6と接続部材3が取り付けられている。接続部材3の詳細については、後述する。カフ6は、気管チューブ本体2における先端部22の外周面を覆うように固定されている。カフ6は、カフ調整部8と接続している。カフ調整部8は、パイロットバルーン26と、カフ6とパイロットバルーン26を接続する空気注入用チューブ25とにより構成される。
パイロットバルーン26は、略扁平の六角形状に形成される。本例では、パイロットバルーン26を六角形として説明するが、これに限定されない。例えば、カフ調整部の形状を略四角形や円形などに形成することができ、その他様々な形状に形成してもよい。
パイロットバルーン26の一端部には空気注入孔26aが設けられ、パイロットバルーン26の他端部には、排出口26bが設けられている。空気注入孔26aには、逆止弁が取り付けられている。そして、空気注入孔26aから空気がパイロットバルーン26および空気注入用チューブ25を介してカフ6に送り込まれる。送り込まれた空気は、逆止弁により、空気注入孔26aから漏れ出なくなる。また、パイロットバルーン26を指で押圧することで、カフ6にかかる圧を触感的に感知することができる。
空気注入用チューブ25は、その一端がパイロットバルーン26に接続され、その他端がカフ6に接続されている。空気注入用チューブ25は、接着部29の溝部と固定板28の収納孔31を貫通する。そして、空気注入用チューブ25は、気管チューブ本体2の湾曲部23の半径方向内側に沿って配置され、気管チューブ本体2に固定される。
空気注入孔26aからパイロットバルーン26および空気注入用チューブ25を介して送り込まれた空気がカフ6に入ることで、カフ6は膨らみ、気管7の粘膜(皮膚側気管粘膜7a、体内側気管粘膜7b)に密着する。これにより、気管チューブ本体2と気管7との間に形成される隙間を塞ぐことができる。
カフ6が気管チューブ本体2と気管7との間に形成される隙間を塞ぐことで、人工呼吸器から送られた酸素が喉頭側に漏れることを防止するとともに、喉頭側から流れてきた唾液等が肺側に入りこむことを防止することができる。
気管チューブ本体2を挟んで、カフ調整部8と反対側には、カフ側吸引部38が設けられている。カフ側吸引部38は、カフ側吸引コネクタ39と、カフ側吸引チューブ40と、から構成される。カフ側吸引チューブ40は、細長い筒状に形成されている。カフ側吸引チューブ40は、空気注入用チューブ25と同様に、接着部29の溝部及び固定板28の収納孔31を貫通する。そして、カフ側吸引チューブ40は、気管チューブ本体2における湾曲部23の半径方向外側に沿って配置され、気管チューブ本体2に固定される。
カフ側吸引チューブ40の一端には、カフ側吸引口40aが設けられている。カフ側吸引口40aは、カフ6の近傍に位置する。カフ側吸引チューブ40の他端部には、カフ側吸引コネクタ39が取り付けられている。カフ側吸引コネクタ39には、不図示の吸引器が装着される。
喉頭側から流れてきた唾液等は、気管7の体内側気管粘膜7bを伝い、肺側に流れる。この唾液等は、膨出したカフ6によって堰き止められ、体内側気管粘膜7bとカフ6により形成される空間に溜まる。そして、カフ6によって堰き止められた唾液等は、吸引器が作動することで、カフ側吸引部38により、カフ側吸引口40aから吸引される。一方、気管7の肺側において分泌された異物は、呼気の流れに伴い、気管チューブ本体2の先端部22に移動する。上述したように、先端部22には、接続部材3が接続されている。
[接続部材]
次に、接続部材3について、図2A及び図2Bを参照して説明する。
図2Aに示すように、接続部材3は、略円筒形状に形成されており、軸方向の両端が開口している。本例では、接続部材3の形状を円筒形状として説明したが、これに限定されない。接続部材は、気管チューブ本体の形状に対応した筒孔を有していればよく、例えば、角筒形状であってもよい。
次に、接続部材3について、図2A及び図2Bを参照して説明する。
図2Aに示すように、接続部材3は、略円筒形状に形成されており、軸方向の両端が開口している。本例では、接続部材3の形状を円筒形状として説明したが、これに限定されない。接続部材は、気管チューブ本体の形状に対応した筒孔を有していればよく、例えば、角筒形状であってもよい。
接続部材3は、挿入部46と、流入部47と、当接部49と、収容部50と、を有する。接続部材3の軸方向の一側は流入部47となり、接続部材3の軸方向の他側は挿入部46となる。
挿入部46は、接続部材3の他端から中途部に渡って設けられている。挿入部46は、接続部材3の他端から一端側に向かって形成された挿入孔46aを有している。挿入孔46aの内径は、気管チューブ本体2の先端部22の外径に対応した大きさに設定される。この挿入孔46aには、気管チューブ本体2の先端部22が挿入される。これにより、接続部材3が気管チューブ本体2に取り付けられる。挿入部46における接続部材3の軸方向の一側には、流入部47が設けられている。
流入部47は、接続部材3の一端から中途部に渡って設けられている。流入部47には、流入孔47aが接続部材3の一端から他端側に向かって形成される。流入孔47aには、気管7の肺側から異物Sが呼気の流れによって侵入する。流入孔47aの内径は、挿入孔46aの内径よりも小さく設定される。挿入部46と流入部47の間には、当接部49と、収容部50が形成されている。
収容部50は、接続部材3の半径方向の一側に設けられ、当接部49は、接続部材3の直径方向の他側に設けられている。当接部49は、挿入部46の挿入孔46aから半径方向内側に突出する段部として形成されている。この当接部49は、接続部材3の周方向に沿って所定の長さで連続している。
また、当接部49の内径は、流入部47の流入孔47aの内径と略等しく設定されている。そのため、当接部49の内壁49aは、流入部47の流入孔47aの内壁に連続している。この当接部49における流入部47と反対側の当接面49bには、挿入部46に挿入された気管チューブ本体2の先端面22aが当接する。当接部49の周方向の端部には、収容部50が設けられている。
図2Bに示すように、収容部50は、接続部材3の内壁における半径方向の一側に配置されている。図2Aに示すように、収容部50は、流入部47の流入孔47a及び当接部49から半径方向外側に一段凹んだ凹部である。また収容部50は、接続部材3の周方向に沿って所定の長さで形成されている。さらに、収容部50の壁面は、挿入部46における挿入孔46aの壁面の一部と連続している。
そして、接続部材3は、気管チューブ本体2に設けた挿入路18の開口と収容部50の空間が向き合うようにして、気管チューブ本体2に取り付けられる。このとき、当接部49には、気管チューブ本体2の先端面22aが当接する。これにより、接続部材3に対する気管チューブ本体2の先端部22の位置合わせを行うことができる。
[吸引ライン]
次に、吸引ラインについて、図2Aを参照して説明する。
図2Aに示すように、吸引ライン4は、収容部50に溜まった異物Sを吸引する。吸引ライン4は、コネクタ部32と、吸引チューブ33と、を有する。
次に、吸引ラインについて、図2Aを参照して説明する。
図2Aに示すように、吸引ライン4は、収容部50に溜まった異物Sを吸引する。吸引ライン4は、コネクタ部32と、吸引チューブ33と、を有する。
吸引チューブ33は、可撓性を有し、細長い筒状に形成されている。吸引チューブ33の材質としては、気管チューブ本体2と同様に、シリコーン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂を挙げることができる。
吸引チューブ33は、気管チューブ本体2に形成された挿入路18に挿入される。吸引チューブ33の先端には、吸引口33aが形成されている。この吸引口33aは、気管チューブ本体2における先端部22の先端面22aに位置し、収容部50に面している(図2B参照)。これにより、吸引チューブ33は、収容部50と接続される。
吸引チューブ33の先端部と反対側の基端部は、挿入路18から露出している。吸引チューブ33の基端部には、コネクタ部32が固定されている。コネクタ部32には、不図示の吸引器が接続される。吸引器が作動することで、収容部50に収容された異物Sが吸引口33aから吸引され、吸引チューブ33を通って体外に排出される。
なお、吸引チューブ33の吸引口33aを先端部22の先端面22aから突出させてもよい。この場合、吸引口33aが収容部50内に挿入されるため、収容部50に収容される異物Sをより効率よく吸引することができる。
また、吸引チューブ33は、一端が挿入路18に接続されているか、または、一部が挿入路18に挿入されていればよく、その場合、収納部50に収容された異物Sが挿入路18及び吸引チューブ33を通って体外に排出される。
また、吸引チューブ33は、一端が挿入路18に接続されているか、または、一部が挿入路18に挿入されていればよく、その場合、収納部50に収容された異物Sが挿入路18及び吸引チューブ33を通って体外に排出される。
1−2.気管チューブの使用方法
次に、本例の気管チューブ1の使用方法について、図1及び図2Aを参照して説明する。
まず、気管チューブ1を使用する前の状態について説明する。図1に示すように、ユーザは、気管チューブ1を患者に装着する。具体的には、患者の皮膚5に設けられた気管切開口から気管7に気管チューブ1を挿入する。そして、皮膚5に気管チューブ1の固定部27を当接させ、気管チューブ1を患者に固定する。気管チューブ本体2には、不図示の人工呼吸器が接続されており、気道が確保され、患者の呼吸管理を行うことができる。
次に、本例の気管チューブ1の使用方法について、図1及び図2Aを参照して説明する。
まず、気管チューブ1を使用する前の状態について説明する。図1に示すように、ユーザは、気管チューブ1を患者に装着する。具体的には、患者の皮膚5に設けられた気管切開口から気管7に気管チューブ1を挿入する。そして、皮膚5に気管チューブ1の固定部27を当接させ、気管チューブ1を患者に固定する。気管チューブ本体2には、不図示の人工呼吸器が接続されており、気道が確保され、患者の呼吸管理を行うことができる。
そして、呼吸器から分泌された粘液は、異物をからめとり痰となる。この痰は、気管7内に次第に溜まってくる。患者が人工呼吸器により呼吸を行うと、気管7に滞留する痰などの異物Sは、気管7を流れる呼気により、接続部材3における流入部47の流入孔47aに流れ込む。
流入孔47aに流れ込んだ異物Sは、呼気により、流入部47から収容部50に流れる。一般的に、気管チューブ1は、患者が仰向けの姿勢の状態のときに装着される。このとき、収容部50は、常に鉛直方向下方側に配置される。これにより、図2Aに示すように、異物Sは、重力により流入孔47aから落下して収容部50に収容される。収容部50に収容された異物Sは、不図示の吸引器により、吸引口33aから吸引され、吸引チューブ33を通る。そして、吸引チューブ33を通った異物Sは、吸引器に収納され、患者の体内から排出される。
異物Sは、流入孔47aから一段凹んだ収容部50に収容される。そのため、異物Sは、収容部50から流入部47の一端側(気管7の肺側)に戻りにくくなる。これにより、異物を確実に収容部50に留めることができるとともに、吸引口33aから安定した量の異物を吸引することができる。その結果、気管7から流れ込んでくる異物を効率よく吸引して体外に排出することができる。
本例の気管チューブ1では、収容部50が形成された接続部材3を先端部22に接続している。接続部材3が気管チューブ本体2と別の部材により形成されているため、接続部材3に異物を収容するための収容部50を容易に形成することができる。
<2.他の実施形態例>
次に、図3〜図8を参照して本発明の気管チューブの第2〜第7の実施の形態例について説明する。
次に、図3〜図8を参照して本発明の気管チューブの第2〜第7の実施の形態例について説明する。
2−1.第2の実施形態例
まず、第2の実施の形態例に係る気管チューブについて、図3を参照して説明する。
図3Aは、第2の実施の形態例にかかる気管チューブにおける接続部材を示す断面図である。図3Bは、図3Aに示すU−U線に沿って断面した断面図である。なお、図3Bでは、先端部22を省略している。
まず、第2の実施の形態例に係る気管チューブについて、図3を参照して説明する。
図3Aは、第2の実施の形態例にかかる気管チューブにおける接続部材を示す断面図である。図3Bは、図3Aに示すU−U線に沿って断面した断面図である。なお、図3Bでは、先端部22を省略している。
第2の実施の形態例に係る気管チューブが第1の実施の形態例に係る気管チューブ1と異なるところは、接続部材である。そのため、ここでは、接続部材について説明し、気管チューブ1と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
第2の実施の形態例にかかる接続部材103は、挿入部46と、流入孔147aが形成された流入部147と、当接部149と、収容部150と、を有する。挿入部46と流入部147の間には、当接部149と、収容部150が設けられている。
図3A及び図3Bに示すように、流入部147の内周面における直径方向の一側には、突出部148が設けられている。突出部148は、流入孔147aから接続部材103の半径方向内側に向かって突出する。この突出部148は、略半円状に形成されている。そして、突出部148は、流入部147における収容部150と対応した箇所に形成される。
突出部148の先端は、流入孔147aの内周面よりも接続部材3の半径方向内側に位置する。これにより、第1の実施の形態例にかかる気管チューブ1に比べて、第2の実施の形態例にかかる気管チューブでは、呼気の流れにより、異物が収容部150から流入孔147aの一端側(気管7の肺側)に逆流しにくくすることができる。そのため、異物を収容部150に確実に留めることができ、吸引口33aから安定した量の異物を吸引することができる。
なお、突出部148の先端から流入孔147aの内周面に向かって傾斜する傾斜部を設けてもよい。傾斜部を設けることで、異物が傾斜部を伝って移動し、収容部150に流れ込みやすくすることができる。
また、突出部148を略半円状とした例を説明したが、これに限定されるものではない。その他の例としては、流入孔147aの内周面の一側から半径方向内側に向かって弓なりに形成したり、隆起するように突出させて形成してもよい。
その他の構成は、上述した第1の実施の形態例にかかる気管チューブ1の接続部材3と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する接続部材103によっても、上述した第1の実施の形態例にかかる気管チューブ1の接続部材3と同様の作用及び効果を得ることができる。
2−2.第3の実施形態例
次に、第3の実施の形態例に係る気管チューブについて、図4を参照して説明する。
図4は、第3の実施の形態例にかかる気管チューブにおける接続部材を示す断面図である。
次に、第3の実施の形態例に係る気管チューブについて、図4を参照して説明する。
図4は、第3の実施の形態例にかかる気管チューブにおける接続部材を示す断面図である。
第3の実施の形態例に係る気管チューブが第1の実施の形態例に係る気管チューブ1と異なるところは、接続部材である。そのため、ここでは、接続部材について説明し、気管チューブ1と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
第3の実施の形態例にかかる接続部材203は、挿入部46と、流入部247と、当接部249と、収容部250を有する。収容部250は、接続部材203の半径方向の一側に配置される。この収容部250は、流入部247と接続している。収容部250と流入部247が接続する角部248は曲面状に形成されている。
これにより、収容部250に収容された異物と角部248の接触面積が増加し、接触面積の張力により異物が気管に出ていくことを防止或いは抑制することができる。
その他の構成は、上述した第1の実施の形態例にかかる気管チューブ1の接続部材3と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する接続部材203によっても、上述した第1の実施の形態例にかかる気管チューブ1の接続部材3と同様の作用及び効果を得ることができる。
2−3.第4の実施形態例
次に、第4の実施の形態例に係る気管チューブについて、図5を参照して説明する。
図5は、第4の実施の形態例にかかる気管チューブにおける接続部材を示す断面図である。
次に、第4の実施の形態例に係る気管チューブについて、図5を参照して説明する。
図5は、第4の実施の形態例にかかる気管チューブにおける接続部材を示す断面図である。
第4の実施の形態例に係る気管チューブが第1の実施の形態例に係る気管チューブ1と異なるところは、接続部材である。そのため、ここでは、接続部材について説明し、気管チューブ1と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図5に示すように、第4の実施の形態例にかかる接続部材303は、挿入部46と、流入部347と、当接部349と、収容部350を有する。流入部347には、張り出し部348が設けられている。
張り出し部348は、流入部347の他端面から収容部350側に向かって張り出して形成される。この張り出し部348における収容350側の先端は、例えば、鋭角に尖って形成されている。そして、張り出し部348は、収容部350の空間に入り込んでいる。
流入部347の他端面に張り出し部347を設けたことで、収容部350に収容された異物Sは、張り出し部348に接触する。そして、異物Sは、収容部350における吸引口33a側に押さえつけられる。その結果、収容部350に収容された異物Sは、吸引口33aに近接し、吸引口33aから吸引されやすくなる。
第4の実施の形態例では、張り出し部348の先端が鋭角に尖って形成されているが、これに限定されない。張り出し部348が収容部350に収容された異物を押さえつけることができればよく、例えば、張り出し部348が略半球状に突出して形成されていてもよい。
その他の構成は、上述した第1の実施の形態例にかかる気管チューブ1の接続部材3と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する接続部材303によっても、上述した第1の実施の形態例にかかる気管チューブ1の接続部材3と同様の作用及び効果を得ることができる。
2−4.第5の実施形態例
次に、第5の実施の形態例に係る気管チューブについて、図6を参照して説明する。
図6Aは本発明の第5の実施の形態にかかる気管チューブにおける接続部材を示す断面図である。図6Bは図6Aに示すV−V線に沿って断面した断面図である。なお、図6Bでは、先端部422を省略している。
次に、第5の実施の形態例に係る気管チューブについて、図6を参照して説明する。
図6Aは本発明の第5の実施の形態にかかる気管チューブにおける接続部材を示す断面図である。図6Bは図6Aに示すV−V線に沿って断面した断面図である。なお、図6Bでは、先端部422を省略している。
第5の実施の形態例に係る気管チューブが第1の実施の形態例に係る気管チューブ1と異なるところは、気管チューブ本体の先端部と接続部材である。そのため、ここでは、気管チューブ本体の先端部と接続部材に関連する事項について説明し、気管チューブ1と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図6Aに示すように、第5の実施の形態例にかかる気管チューブは、気管チューブ本体402を有する。この気管チューブ本体402の先端部422には、フランジ部412が設けられている。このフランジ部412は、先端部422の半径方向外側に向かって突出して形成される。気管チューブ本体402のその他の構成は、第1の実施の形態例にかかる気管チューブ本体2と同一の構成を有しているため、その説明を省略する。
第5の実施の形態例にかかる接続部材403は、挿入部46と、流入部447と、収容部450を有する。図6A及び図6Bに示すように、収容部450は、接続部材403の内周面の周方向の全周にわたって形成されている。そのため、収容部450は、第1の実施の形態例にかかる収容部50に比べて、異物をより多く収容することができる。
また、収容部450を、接続部材403の内周面の周方向の全周にわたって連続して形成することで、患者がどのような体位であっても、接続部材403に侵入した異物を収容部450に収容することができる。その結果、患者の体位を仰向けにした時、収容部450に収容された異物を、収容部450の壁面に伝わせて吸引口33aが配置される場所に移動させ、吸引口33aから吸引することができる。
また、第5の実施の形態例にかかる気管チューブでは、気管チューブ本体402の先端部422にフランジ部412を設けた。これにより、先端部422に接続部材403を接続する際、フランジ部412は、接続部材403の他端と当接する。フランジ部412が接続部材403の他端と当接することで、接続部材403がフランジ部412よりも湾曲部23側に移動することが制限され、接続部材403を先端部422に対して所定の位置に配置させることができる。
なお、接続部材403を先端部422に対して所定の位置に配置させるために、先端部422にフランジ部412を設けたがこれに限定されない。その他の例としては、先端部に凹部を設け、挿入部の挿入孔に凹部と係合する突部を設ける。そして、先端部の凹部と挿入孔の突部が係合する構成としてもよく、その他各種の位置決め機構を用いることができる。
その他の構成は、上述した第1の実施の形態例にかかる気管チューブ1の接続部材3と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する接続部材403によっても、上述した第1の実施の形態例にかかる気管チューブ1の接続部材3と同様の作用及び効果を得ることができる。
2−5.第6の実施形態例
次に、第6の実施の形態例に係る気管チューブについて、図7を参照して説明する。
図7Aは本発明の第6の実施の形態にかかる気管チューブにおける接続部材を示す断面図である。図7Bは図7Aに示すW−W線に沿って断面した断面図である。なお、図7Bでは、先端部422を省略している。
次に、第6の実施の形態例に係る気管チューブについて、図7を参照して説明する。
図7Aは本発明の第6の実施の形態にかかる気管チューブにおける接続部材を示す断面図である。図7Bは図7Aに示すW−W線に沿って断面した断面図である。なお、図7Bでは、先端部422を省略している。
第6の実施の形態例に係る気管チューブが第5の実施の形態例に係る気管チューブと異なるところは、接続部材である。そのため、ここでは、接続部材について説明し、第5の実施の形態例に係る気管チューブと共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図7Aに示すように、第6の実施の形態例にかかる接続部材503は、挿入部46と、流入部547と、収容部550を有する。収容部550は、接続部材503の内周面の周方向の全周にわたって形成されている。
図7A及び図7Bに示すように、収容部550は、挿入孔46aから接続部材503の半径方向外側に一段凹んで形成されている。収容部550が挿入孔46aから半径方向外側に一段凹んで設けられているため、収容部550の深さは、第5の実施の形態例にかかる気管チューブの収容部450の深さよりも深く形成される。これにより、収容部550における異物の収容量は、第5の実施の形態例にかかる気管チューブにおける収容部450における異物の収容量よりも大きくなる。その結果、接続部材503に侵入する異物を収容部550により多く収容することができる。
その他の構成は、上述した第5の実施の形態例にかかる気管チューブ400の接続部材403と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する接続部材503によっても、上述した第5の実施の形態例にかかる気管チューブ400の接続部材403と同様の作用及び効果を得ることができる。
2−6.第7の実施形態例
次に、第7の実施の形態例に係る気管チューブについて、図8を参照して説明する。
図8は、第7の実施の形態例にかかる気管チューブを示す断面図である。
次に、第7の実施の形態例に係る気管チューブについて、図8を参照して説明する。
図8は、第7の実施の形態例にかかる気管チューブを示す断面図である。
第7の実施の形態例に係る気管チューブが第1の実施の形態例に係る気管チューブ1と異なるところは、吸引ラインの構成である。そのため、ここでは、吸引ラインの構成に関連する事項について説明し、気管チューブ1と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図8に示すように、第7の実施の形態例にかかる気管チューブ600は、気管チューブ本体602と、接続アダプタ609を介して気管チューブ本体602に取り付けられる吸引ライン604を有する。
気管チューブ本体602は、先端部622と、先端部622と反対側に設けられる基端部621と、基端部621と先端部622の間に位置する湾曲部623を有する。湾曲部623では略直角に湾曲しており、気管チューブ本体602は略L字状に形成される。気管チューブ本体602の先端部622には、接続部材3が接続されている。気管チューブ本体602の基端部621には、接続アダプタ609が取り付けられている。
接続アダプタ609は、後述する吸引ライン604と気管チューブ本体602を接続する。この接続アダプタ609は、アダプタ本体605と、連通部664と、取付部665により構成される。
アダプタ本体605は、略円筒形状に形成され、軸方向の両端は開口している。このアダプタ本体605は、その一端から他端に渡って呼吸路606が設けられている。そして、アダプタ本体605の軸方向の一側には、嵌合部661が設けられている。また、嵌合部661の内径は、基端部621の外径に合わせて設定される。そして、この嵌合部661には、気管チューブ本体602の基端部621が嵌合される。そのため、嵌合部661の軸方向は、基端部621の軸方向と一致する。
アダプタ本体605の軸方向の他側には、挿通孔662が形成されている。挿通孔662には、後述する吸引チューブ633が挿通されて固定される。挿通孔662の径の大きさは、吸引チューブ633の外径と略同じ大きさに設定される。
アダプタ本体605の側面部には、呼吸路606と連通する連通穴607が設けられている。連通穴607は、略円形状に開口している。この連通穴607には、連通部664がアダプタ本体605の側面部と略垂直に設けられている。
連通部664は、略円筒形状の部材により形成され、軸方向の両端は開口している。この連通部664は、軸方向の一端から他端にかけて呼吸路663が設けられている。呼吸路663の他端は、アダプタ本体605の連通穴607に連通している。連通部664の軸方向の一端には、取付部665が接続されている。
取付部665は、略円筒形状に形成されている。取付部665の軸方向の一側には取付口666が設けられ、取付部665の軸方向の他側には接続口667が設けられている。取付口666には、不図示の人工呼吸器が接続される。接続口667は、連通部664の呼吸路663と連通する。これにより、接続口667、呼吸路663、連通穴607、呼吸路606が連通する。その結果、人工呼吸器から、アダプタ本体605を介して、気管チューブ本体602に空気が流れ、気管チューブを装着した患者の呼吸の管理を行うことができる。
接続アダプタ609には、吸引ライン604が取り付けられている。吸引ライン604は、収容部50に溜まった異物を吸引する。吸引ライン604は、吸引チューブ633と、吸引コネクタ634とにより構成される。
吸引チューブ633は、可撓性を有し、細長い筒状に形成されている。吸引チューブ633は、気管チューブ本体602内に挿通される。吸引チューブ633の一部は、気管チューブ本体602の基端部621から先端部622の先端面622aの近傍に渡って配置される。吸引チューブ633の一端部は、湾曲部623において屈曲している。吸引チューブ633の先端には、吸引口633aが設けられている。この吸引口633aは、収容部50の近傍に配置される。
吸引チューブ633における吸引口633aの付近の側面部には、通気孔633bが形成される。通気孔633bには、異物を吸引する際、気管チューブ本体602内にある空気が取り込まれる。通気孔633bに空気を取り込むことで吸引チューブ633内に乱流を発生させることができる。これにより、通気孔633bから空気が取り込まれ、吸引チューブ633内において乱流が発生するとき、吸引チューブ633内における吸引力が大きくなる。その結果、吸引チューブ633を通過する異物を勢い良く流すことができる。
さらに、吸引チューブ633の他端部は、気管チューブ本体602から突出し、アダプタ本体605の挿通孔662に挿通される。そして、吸引チューブ633の他端部は、吸引コネクタ634に挿入され固定される。吸引チューブ633の固定方法としては、接着剤による固定や、溶着による固定など、各種の固定方法を用いることができる。
吸引コネクタ634は、接続部本体635と、流量調整部636を有する。接続部本体635は、略円筒形状に形成される。接続部本体635の軸方向の一端は、接続アダプタ609のアダプタ本体605の他端に取り付けられている。接続部本体635の軸方向の他端部は、その外径が段階的に小さく形成される。接続部本体635の他端部には、不図示の吸引器が接続される。
また、接続部本体635には、吸引流路637と挿入孔638が設けられている。吸引流路637は、接続部本体635の軸方向の一端から他端に渡って形成される。吸引流路637には、吸引チューブ633の他端部が挿通されている。これにより、吸引流路637は、吸引チューブ633と連通する。
挿入孔638は、接続部本体635の側面部に設けられている。この挿入孔638は、接続部本体635の側壁から吸引流路637に向かって略垂直に形成される。これにより、挿入孔638は、吸引流路637と連通する。挿入孔638は、流量調整部636が設けられている。
流量調整部636は、軸部641と、操作部642とを有する。軸部641は、棒状の部材により形成され、軸方向の一端が円錐形状となっている。軸部641の軸方向の他端には操作部642が設けられている。流量調整部636の軸部641が挿入孔638に挿入され、操作部642により操作することで、軸部641の先端の位置を調整することができる。これにより、軸部641の先端の位置に応じて、吸引流路637の径を変化させることができ、異物の吸引量を調整することができる。
第7の実施の形態例にかかる気管チューブ600では、吸引チューブ633が気管チューブ本体2の呼吸路602aに挿入され、吸引口633aが収容部50の近傍に配置される構成とした。これにより、吸引ライン604は、収容部50に収容された異物を、吸引口633aから吸引して体外に排出することができる。
また、吸引ライン604の吸引チューブ633が気管チューブ本体602の呼吸路602aに挿入されている。これにより、気管チューブ本体の壁面に吸引チューブが挿入される挿入路を形成する工程が不要となり、気管チューブ本体を容易に製造することができる。
その他の構成は、上述した第1の実施の形態例にかかる気管チューブ1と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する気管チューブ600によっても、上述した第1の実施の形態例にかかる気管チューブ1と同様の作用及び効果を得ることができる。
なお、第7の実施の形態例にかかる気管チューブ本体602に取り付けられる接続部材として、第2〜第6の実施の形態例にかかる接続部材103,203,303,403,503を適用できることは言うまでもない。
また、本発明は上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
そして、接続部材の角部に対して面取りを施してもよい。これにより、接続部材の一端部が皮膚側気管粘膜7aや体内側気管粘膜7bに接しても、気管7の粘膜に面接触することとなり、気管7の粘膜に負荷がかからず傷つきにくくすることができる。さらに、上述した接続部材及び吸引ラインを、気管内チューブに適用してもよい。
1,600・・・気管チューブ、2,402,602・・・気管チューブ本体、3,103,203,303,403,503・・・接続部材、4,604・・・吸引ライン、21,621・・・基端部、22,422,622・・・先端部、22a,422a,622a・・・先端面、23,623・・・湾曲部、33,633・・・吸引チューブ、33a,633a・・・吸引口、46・・・挿入部、47,147,247,347,47,547・・・流入部、49,149,249,349・・・当接部、50,150,250,350,450,550・・・収容部、148・・・突出部、248・・・角部、348・・・張り出し部、412・・・フランジ部、633・・・吸引チューブ、634・・・吸引コネクタ
Claims (8)
- 筒状に形成され、気管内の肺側に配置される先端部を有する気管チューブ本体と、
前記気管チューブ本体に取り付けられ、体内で分泌された異物を吸引する吸引口が前記先端部に配置された吸引ラインと、
前記気管チューブ本体の前記先端部に接続され、前記異物を収容する収容部を有する筒状の接続部材と、を備える
気管チューブ。 - 前記接続部材は、
前記先端部が挿入される挿入部と、
前記挿入部と反対側に設けられ、前記異物が肺側から流入する流入部と、を有し、
前記収容部は、前記挿入部と前記流入部との間に形成され、前記流入部の内周面から半径方向外側に一段凹んだ凹部である
請求項1に記載の気管チューブ。 - 前記収容部は、前記接続部材を前記気管チューブ本体に接続した際、前記気管チューブ本体に取り付けられた前記吸引ラインの吸引口の開口する箇所に配置される
請求項2に記載の気管チューブ。 - 前記収容部は、前記接続部材の内周面の周方向の全周にわたって形成された溝部である
請求項2に記載の気管チューブ。 - 前記流入部の内周面における前記収容部に対応した箇所は、前記接続部材の半径方向内側に向かって突出する突出部が設けられる
請求項2〜4に記載の気管チューブ。 - 前記突出部の先端から前記流入部における内周面に向かって所定の角度で傾斜する傾斜部が形成される
請求項5に記載の気管チューブ。 - 前記収容部と前記流入部が接続する角部は、曲面状に形成されている
請求項2〜6のいずれかに記載の気管チューブ。 - 前記流入部には、前記収容部側に張り出す張り出し部が設けられている
請求項2〜6のいずれかに記載の気管チューブ。
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