JP2013197640A - アンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低背化と開口面積の増大とを実現することができる。
【解決手段】
本発明におけるアンテナ装置は、複数の格子を有し平板形状である格子状導体と、格子状導体の各辺に挿入装荷された複数の集中定数素子と、格子状導体の一方の面に対向して配置された平板状導体と、格子状導体の他方の面に対向して配置されたアンテナ素子とを備え、アンテナ素子を格子状導体に投影した点を中心点として、複数の集中定数素子はサセプタンスが同心円状に徐々に減少するように配置されている。
【選択図】 図1

Description

本発明はアンテナ装置に関し、特に平面構造からなる反射体構造を有する高指向性のアンテナ装置に関する。
反射体構造を有する高指向性のアンテナとして広く知られているアンテナの1つとして、パラボラアンテナが挙げられる。パラボラアンテナの反射鏡は放物線の形状であるため、その製造・修繕には困難が伴う。曲面構造を平面構造に置き換える構造としては、特許文献1および特許文献2に示されている構造が挙げられる。
特許文献1は、図12に示すように、レンズアンテナにおいて、金属反射板と、金属反射板の表面に貼着されてアンテナ面を構成する平面形状のスペーサと、アンテナ面に配列されたダイポール列またはループ列とを備える。
レンズアンテナは、ダイポール列を構成する各ダイポールの長さ、またはループ列を構成する各ループ列の長さを電波の波長に対応して調節することで、上記各ダイポールまたは各ループを容量的、誘導的に動作することができる。
ダイポール列またはループ列を、レンズアンテナの中心を原点とした複数の同心円に沿って円周方向、かつ原点に対し点対称に配設することで、レンズ効果により電磁波を屈折させて焦点に集結させることができる。
特許文献2には、図13に示すように、入射する無線周波数ビームをステアリングかつ、合焦する同調可能インピーダンス表面を備える。同調可能インピーダンス表面は、接地平面と、無線周波数ビームの波長より短い一定距離、または様々な距離を接地平面から離隔した複数の素子と、外部刺激に応答してその誘電率を局所的に変化させる誘電材料とを含んでいる。
特開平05−191136 特表2003−529259
特許文献1の構造は、アンテナ面を広くとることで開口面積を大きくすることができる。しかし、開口面積を大きくすると平面内に配列されるダイポールまたはループの各素子の長さが半波長程度と大きくなる。そのため、アンテナと反射体構造の距離が十分に遠くなければ、必要な長さのダイポール列やループ列を曲面の代替となるほど密に並べることができない。そのため上記構造ではアンテナ装置の低背化と開口面積の増大を両立することができないという問題があった。
特許文献2の構造は、電磁波を同相反射することができるため、アンテナとインピーダンス平面との距離を短くし、アンテナ装置として低背化することができる。このとき表面近傍のパターンによりキャパシタンスが形成され、ビアを介する線路によってインダクタンスが形成される。なおインダクタンスを選択するためにはビアの長さや太さを変更することが必要となる。
しかし、ビアの長さを変更しては平面構造から外れてしまい、太さの変更にはパターン面積における制約がある。つまり、反射体となる同調可能インピーダンス表面を広げてアンテナ開口面積を広くすることができず、小さな指向性利得しか得られない。よってこの構造でもアンテナ装置の低背化と開口面積の増大を両立することができないという問題があった。
本発明における上記課題を解決するアンテナ装置を提供することを目的とする。
本発明におけるアンテナ装置は、複数の格子を有し平板形状である格子状導体と、格子状導体の各辺に挿入装荷された複数の集中定数素子と、格子状導体の一方の面に対向して配置された平板状導体と、格子状導体の他方の面に対向して配置されたアンテナ素子とを備え、アンテナ素子を格子状導体に投影した点を中心点として、複数の集中定数素子はサセプタンスが同心円状に徐々に減少するように配置されている。
本発明におけるアンテナ装置は、低背化と開口面積の増大とを実現することができる。
本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る格子状回路の構成を示す上面図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す上面図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置の作用・効果を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置の作用・効果を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置の作用・効果を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る格子状回路の構成を示す上面図である。 本発明の第3の実施形態に係る格子状回路の構成を示す上面図である。 本発明の第3の実施形態に係る作用・効果を示す上面図である。 本発明の第4の実施形態に係るアンテナ装置の製造方法の各工程を示す図である。 特許文献1におけるレンズアンテナの構成を示す斜視図である。 特許文献2における同調可能インピーダンス表面の構成を示す断面図である。
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について図面を用いて説明する。
〔第1の実施形態〕まず第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態におけるアンテナ装置10の斜視図である。
〔構成の説明〕図1に示すように、本実施形態におけるアンテナ装置10は、格子状導体1と、集中定数素子2と、平板状導体3と、アンテナ素子4とを備える。
格子状導体1は、2つの主面を有する平板形状であり、複数の線状導体を交差することで構成される。また図2に示すように格子状導体1は、複数の格子を形成しており、各格子における辺に集中定数素子2が挿入装荷されている。挿入装荷とは、図3に示すように、集中定数素子2が両端部において格子状導体1と接続した構造であり、換言すると格子状導体1は、集中定数素子2が挿入装荷される箇所において分断されている。
集中定数素子2は、例えば具体的にはインダクタンス素子5およびキャパシタンス素子6などを用いる。格子状導体1と集中定数素子2とで格子状回路20を形成している。
本実施形態における格子状導体1は、図2(a)に示すように正方格子を周期的に並べた構造を用いて説明をしている。しかし本実施形態は、これに限らず図2(b)に示すような三角形の格子を周期的に並べた構造や、図2(c)に示すような六角形の格子を周期的に並べた構造を用いることができる。なお格子状導体1の格子間隔は、波長に比べて十分に短いことが好ましい。
平板状導体3は、格子状導体1と同様に平板形状であり、格子状導体1における一方の主面と対向する位置に配置されている。なお平板状導体3は、平板状導体3とのあいだに所定の間隔を設けており、その間隔に例えば誘電体7などを設けてもよい。また平板状導体3と格子状導体1とは、電気的に接続していてもよいし、電気的に絶縁していてもよい。上述の格子状回路20と平板状導体3とで反射構造体30を形成している。
アンテナ素子4は、格子状導体1の平板状導体3が設けられている主面とは反対側である他方の主面と対向する位置に配置されている。図3はアンテナ装置10の断面図であり、図4はアンテナ素子4を設けた側からの上面図である。なおアンテナ素子4としては、例えば指向性を格子状回路20に向けることができるホーンアンテナ、パッチアンテナ、スロットアンテナ、反射板付きダイポールアンテナを用いることはできるが、これに限定されない。
各集中定数素子2は、格子状導体1における各格子の辺に挿入装荷されている。各集中定数素子は、アンテナ素子4を格子状回路20に投影した点を中心点として、サセプタンスが外側に向かって同心円状に徐々に減少するように配置されている。
サセプタンスBは位相を変化させる要素でありB=ωC−1/(ωL)と表すことができるため、サセプタンスは、インダクタンスLの値とキャパシタンスCの値に比例する。なお各集中定数素子2は、中心点から外側に向かって同心円状に徐々にインダクタンスの値が減少、あるいはキャパシタンスの値が減少するように配置されている。
ここで具体的には集中定数素子2のインダンクタンスとキャパシタンスとを変化させる構造について説明する。集中定数素子2は、インダクタンス素子5としてチップインダクタを、またキャパシタンス素子6として例えばチップキャパシタを用いることができる。
チップインダクタは、例えば内部導線の太さや巻き数および内部心材の透磁率などを変えることでインダクタンスの値を制御する。一方、チップキャパシタは、例えば内部電極の面積や積層数および内部電極間の誘電体の誘電率などを変えることで、キャパシタンスの値を制御する。
換言すると、チップインダクタやチップキャパシタは、外形が同じであっても素子内部の構造を変えることによって、インダクタンスやキャパシタンスの値を制御することができる。つまりアンテナ装置10は、格子状導体1における格子のパターン形状を変更する必要はなく、格子状導体1にインダクタンスやキャパシタンスの異なる値を備える集中定数素子2を挿入装荷した構造である。
〔作用・効果の説明〕次に、本実施形態における作用・効果について説明する。
指向性を有したアンテナ素子であっても、少なからず電磁波を放射状に照射される。そのため図5(a)に示すように平板状の反射板を設けた場合、反射板に反射した電磁波は四方八方に放射されて高い指向性を有することができない。そこで一般的なパラボラアンテナは、放物線の形状を有した反射板の焦点にアンテナ素子を配置している。上記構造により図5(b)に示すようにアンテナ素子から放射された電磁波は、放物形状の反射板を反射することで同一の方向に放射され、高い指向性を有することができる。
しかし放物形状の反射板は製造や修繕が困難であるため、特許文献1や特許文献2では平板状の反射板を用いて、指向性の高いパラボラアンテナを実現している。しかし特許文献1における構造の場合、アンテナの開口面積を大きくすると、反射板に配列した各素子が大きくなる。その結果、アンテナ素子と反射板との距離を長くする必要があり、アンテナ装置の低背化を実現することができない。
また特許文献2における構造の場合、アンテナ素子と反射板との距離を短くし、アンテナ装置の低背化をすることはできる。しかし開口面積を大きくするには、インダクタンスの値を調整する必要があるが、ビアの長さを長くしすぎると、反射板の平面構造から外れてしまい、またビアの太さの変更にはパターン面積の制約がある。つまり特許文献1と特許文献2に記載された構造では、開口面積の増大と低背化とを両立したアンテナ装置を実現することはできなかった。
ここでサセプタンスとは電磁波の位相変化に寄与する物性量であり、インピーダンスの逆数であるアドミタンスの虚部として与えられる。ある基準面から見た入射波と反射波の位相差は、基準面から先の伝送線路のサセプタンスによって求まる。
図6(a)に示すような一様なサセプタンスを有した基準面に対して垂直に平面波が入射した場合、基準面内の各点において反射する電磁波が等位相となる面は、基準面と平行となる。平面波は等位相面に垂直に伝播するため反射波は、基準面に垂直な方向に伝播する。これは良く知られている平面への垂直入射の場合と同じである。
ここでアンテナ装置における反射板の基準面内にサセプタンス分布を持たせると、基準面内の各点において入射波と異なる位相で反射が行われる。つまり基準面に対して垂直に平面波が入射しても、図6(b)に示すように反射波の等位相面は基準面と平行ではなくなり、反射波の角度を変えることができる。
反射構造体が平面構造であっても、格子状導体1にサセプタンス分布を適切に設計することで、任意形状の曲面を平面に置き換えることができる。換言すると、伝播方向に垂直な平面であっても、反射構造体にサセプタンスに分布を持たせることによって、パラボラアンテナの反射板への入射と同様な反射を得ることができる。
そこで本実施形態におけるアンテナ装置10は、アンテナ素子4を格子状回路20に投影した点を中心点として、集中定数素子2のサセプタンスが外側に向かって同心円状に徐々に減少した構造を用いている。具体的には、集中定数素子2として格子状導体1に挿入装荷したインダクタンス素子5のインダクタンスの値を徐々に大きくした、あるいはキャパシタンス素子6のキャパシタンスの値を徐々に大きくした構造である。
なお上記では、サセプタンスが同心円状に減少した構造と記載しているが、円状に限らず楕円状の場合も同様の効果を得ることができる。そのため円状に減少という記載は楕円状に減少した場合も含む。なお以下の記載についても同様である。
サセプタンスの減少は、放射素子から反射点への距離を短くすることに相当する。アンテナ素子に対して、パラボラ反射鏡は中心点が最も深く、遠ざかるほど徐々に浅くなる。ゆえに、サセプタンスを外側に向かって同心円状に徐々に減少することにより、パラボラ反射鏡の形状を模擬することができる。そして模擬したパラボラ反射鏡の焦点にあたる位置に放射素子などのアンテナ素子4を配置すれば、高い指向性が得ることができる。
ここでサセプタンスの減少が、放射素子から反射点への距離が短くなることについて詳細に説明を行う。放射素子から考えると、反射鏡における反射はショートスタブと同等の作用と考えることができる。
つまりショートスタブにおけるサセプタンスBは、B=−(1/Z)・cot(βL)という単調増加関数であらわすことができるため、スタブ長Lが短くなるほどサセプタンスは減少する。ショートスタブが短くなることは反射面が近づくこと同等であるため、反射面が近いほどサセプタンスは減少する。よってサセプタンスが上昇すれば反射面との距離が短く見える。
本実施形態におけるアンテナ装置10の格子状回路20と平板状導体3とで構成される反射体構造体30は、反射波の平面波における等位相面のサセプタンスの分布を、パラボラ反射鏡のサセプタンスの分布と等しくすることができる。その結果、本実施形態におけるアンテナ装置10は、図7に示すように反射構造体30が平板形状であってもパラボラアンテナと同様の高指向性の機能を有することができる。
また本実施形態におけるアンテナ装置10の集中定数素子2は、例えばキャパシタンス素子6としてチップキャパシタを用いることができる。チップキャパシタの外形を変えることなく内部電極の面積や積層数および内部電極間の誘電率などの素子内部の構造を変えることでキャパシタンスの値を制御することができる。
また同様にインダクタンス素子5として用いるチップインダクタも、外形を変えることなく内部導線の太さや巻き数および内部心材の透磁率などの素子内部の構造を変えることでインダクタンスの値を制御することができる。
そのため、本実施形態におけるアンテナ装置10は、格子状導体1における格子のパターン形状を変更することなく、インダクタンスやキャパシタンスの値が異なる集中定数素子2を格子状導体1に挿入装荷することができる。その結果、アンテナ装置10の低背化と開口面積の増大を両立して実現することができる。
なおサセプタンスを外側に向かって同心円状に減少する構造であれば、キャパシタンスだけが減少する構造、もしくはインダクタンスだけが減少する構造の少なくとも一方の構造でも同様の効果を得ることができる。
〔第2の実施形態〕次に第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図8は、本実施形態におけるアンテナ装置10の格子状回路20の上面図である。
〔構成の説明〕図8に示すように、本実施形態におけるアンテナ装置10は、アンテナ素子4を格子状回路20に投影した点を中心点として外側に向かって同心円状に、インダクタンス素子5のインダクタンスが徐々に減少する構造と、その外側にキャパシタンス素子6のキャパシタンスが徐々に減少する構造が配置されている。それ以外の構造、接続関係は、第1の実施形態と同様であり、格子状導体1と、集中定数素子2と、平板状導体3と、アンテナ4とを備える。
格子状導体1は、2つの主面を有する平板形状であり複数の格子を形成している。そして各格子における辺には集中定数素子2が挿入装荷されている。平板状導体3は、格子状導体1と同様に平板形状であり、格子状導体1における一方の主面と対向する位置に設けられている。
アンテナ素子4は、格子状導体1の平板状導体3が設けられている主面とは、反対側の他方の主面と対向する位置に配置されている。なお集中定数素子2は、アンテナ素子4を格子状回路20に投影した点を中心点として、集中定数素子2はサセプタンスが外側に向かって同心円状に徐々に減少した構造である。
ここで本実施形態では、図8に示すように、中心点から集中定数素子2のサセプタンスを同心状に減少させる構造として、インダクタンスの減少とキャパシタンスの減少とを同心円状に配置している。
詳細に説明すると、中心点から外側に向かってインダクタンス素子5のインダクタンスが徐々に減少する構造が配置され、その外側にキャパシタンス素子6のキャパシタンスが徐々に減少する構造が配置されている。
なお中心部や外周における集中定数素子2は、インダクタンス素子5とキャパシタンス素子6のどちらかでよい。つまりインダクタンス素子5が配置される領域、キャパシタンス素子6が配置される領域であるそれぞれ各領域において、外側に向かってサセプタンスの値が徐々に減少していればよい。
〔作用・効果の説明〕次に本実施形態における作用・効果について説明する。
本実施形態におけるアンテナ装置10は、中心点から外側に向かって集中定数素子2のサセプタンスが徐々に減少する構造である。そして集中定数素子2は、中心点から外側に向かって同心円状に、インダクタンス素子5のインダクタンスが徐々に減少する構造と、その外側にキャパシタンス素子6のキャパシタンスが徐々に減少する構造が配置されている。
格子状導体1における集中定数素子2のサセプタンスの減少は、反射点からの距離を短くすることに相当し、反射構造体30における入射波と反射波の位相を変化させることができる。そのため集中定数素子2のサセプタンスを同心円状に徐々に減少することにより、反射構造体30をパラボラ反射鏡の形状に模擬することができる。
集中定数素子2においてインダクタンスのみを減少した構造、またキャパシタンスのみを減少した構造では、それぞれ反射構造体30における入射波と反射波の位相差を180度までしか変化することができない。つまり集中定数素子2のインダクタンスのみを減少、またはキャパシタンスのみを減少では、アンテナ素子4と反射板構造体30までの距離を1/4波長までしか短くすることができない。換言すると、往復の距離では1/2波長しか短くすることができない。
そこで本実施形態における集中定数素子2は、中心点から外側に向かって同心円状に、インダクタンス素子5のインダクタンスが徐々に減少する構造と、その外側にキャパシタンス素子6のキャパシタンスが徐々に減少する構造とが連続して配置した構造である。
上記構造により本実施形態におけるアンテナ装置10は、反射構造体30における入射波と反射波の位相差を360度まで調整することができる。つまり反射構造体30は、アンテナ素子4までの距離を1/2波長まで短くすることができる。換言すると、往復の距離では、1波長まで短くすることができる。
その結果、模擬できるパラボラ反射鏡つまり開口面積を大きくすることでより多くの電波を反射・集光して受信することができ、指向性と利得を増加することができる。
なお集中定数素子2は、中心点から外側に向かって同心円状に、キャパシタンス素子6のキャパシタンスが徐々に減少する構造と、その外側にインダクタンス素子5のインダクタンスが徐々に減少する構造を配置しても、反射構造体30における入射波と反射波の位相差を360度まで調整することができる。
〔第3の実施形態〕次に第3の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図9は、本実施形態におけるアンテナ装置10の格子状回路20の上面図である。
〔構成の説明〕図9に示すように、本実施形態におけるアンテナ装置10は、アンテナ素子4を格子状回路20に投影した点を中心点として、同心円状に集中定数素子2のサセプタンスが周期的に減少している。それ以外の構造、接続関係は、第1の実施形態と同様であり、格子状導体1と、集中定数素子2と、平板状導体3と、アンテナ4とを備える。
格子状導体1は、2つの主面を有する平板形状であり複数の格子を形成している。そして各格子における辺には集中定数素子2が挿入装荷されている。平板状導体3は、格子状導体1と同様に平板形状であり、格子状導体1における一方の主面と対向する位置に設けられている。
アンテナ素子4は、格子状導体1の平板状導体3が設けられている主面とは、反対側の主面と対向する位置に配置されている。アンテナ素子4を格子状回路20に投影した点を中心点として、集中定数素子2はサセプタンスが外側に向かって同心円状に徐々に減少した構造である。
アンテナ装置10は、中心点から同心円状に集中定数素子2のサセプタンスは徐々に減少するが、反射構造体30における入射波と反射波の位相差が360度に達するまでサセプタンスは減少する。
そこで本実施形態では上記構造の外側にさらに、反射構造体30における入射波と反射波の位相差が360度に達するまでサセプタンスが同じ範囲の値で減少した集中定数素子2を配置している。つまり中心点から外側に向かって、反射構造体30における入射波と反射波の位相差が360度に達するまで集中定数素子2のサセプタンスが徐々に減少した構造を繰り返し配置している。
なお集中定数素子2のサセプタンスが徐々に減少させることで入射波と反射波の位相差が360度に達するまでの周期は、中心点から外側に行くに従って徐々に短くなる。つまり外側付近において集中定数素子2のサセプタンスが減少する周期が、中心点付近において、外側に向かって集中定数素子2のサセプタンスが減少する周期よりも短い。
〔作用・効果の説明〕次に本実施形態における作用・効果について説明する。
本実施形態におけるアンテナ装置10は、反射構造体30における入射波と反射波の位相差が360度に達するまで、中心点から同心円状に集中定数素子2のサセプタンスは徐々に減少する。そして入射波と反射波の位相差が360度に達すると、再度外側に向かって集中定数素子2のサセプタンスは同じ範囲の値で徐々に減少する。
つまり集中定数素子2は、中心点から外側に向かって、反射構造体30における入射波と反射波の位相差が360度までサセプタンスの値が減少する構造を繰り返し配置している。なおサセプタンスが減少する周期は、中心点から遠ざかるほど短い構造である。
上記構造により、本実施形態におけるアンテナ装置10は、パラボラアンテナの反射鏡に模擬した反射構造体30の開口面積を大きくすることができる。その結果、反射構造体30は、より多くの電磁波の位相を変化させて反射することができるため、指向性を高めることができる。
ここで上記の作用・効果について詳細に説明する。図10は、所定の実験条件において中心点からの距離に対するサセプタンスの値を示すグラフである。図10に示すように、中心点からの外側に行くに従いサセプタンスの値は徐々に減少することができる。しかし反射構造体30における入射波と反射波の位相差が360度に達する範囲においてしか、サセプタンスは減少することができない。
反射構造体30における入射波と反射波の位相差が360度となる点で反射した電磁波は、位相が1周するため中心点で反射された位相と同じ位相となる。つまり位相差が360度ずれた点で反射する位相は1周するためサセプタンスは同じ値となる。
そこで本実施形態におけるアンテナ装置10は、反射構造体30における入射波と反射波の位相差が360度に達するまで、集中定数素子2のサセプタンスが減少する構造を繰り返し配置している。換言すると、サセプタンスが周期的に減少する値を有した構造である。上記構造により、反射構造体30における入射波と反射波の位相差は360度を超えて変化させることができるため、反射構造体30の開口面積をより大きくすることができ高い指向性を実現することができる。
またパラボラ反射鏡は、中心点から遠ざかるほど傾きが急峻となる曲面を有した構造である。図10に示すように本実施形態における反射構造体30は、パラボラ反射鏡の形状と模擬するために、中心点から遠ざかるに従って反射構造体30における入射波と反射波の位相差が360度まで到達する間隔である周期が短い構造である。その結果、サセプタンスが減少する周期を短くとすることで、中心点から遠ざかるほど傾きが急峻となる曲面を有したパラボラ反射鏡の形状を模擬することができる。
なお集中定数素子2のサセプタンスを繰り返し減少させる構造として、具体的にはインダクタンス素子5のインダクタンスが徐々に減少する構造と、キャパシタンス素子6のキャパシタンスが徐々に減少する構造とを繰り返し配置している。図9では、中心部がインダクタンス素子5を設けた構造を示しているがこれに限定されず、中心部にキャパシタンス素子6を設けた構造でもよい。
なお具体的に説明すると、キャパシタンス素子6のキャパシタンスが減少する構造と、インダクタンス素子5のインダクタンスが減少する構造とは、それぞれ反射構造体30における入射波と反射波の位相差が180度となる範囲までサセプタンスを減少する。
反射構造体30における入射波と反射波の位相差を180度の範囲でインダクタンスが減少する構造と、180度の範囲でキャパシタンスが減少する構造とを連続して配置することで360度の波長の変化させた構造を実現することができる。
そして上記構造を中心点から外側に向かって徐々に周期を短く繰り返し配置することで、反射構造体30における入射波と反射波の位相差が360度を越えることができ、開口面積の広いアンテナ装置を実現することができる。その結果、より多くの電波を反射・集光して受信することができ、指向性と利得を増加することができる。
〔製造方法〕次に、本実施形態ではアンテナ装置10の構造の製造方法について説明する。図11(a)〜(d)は、本実施形態における製造方法の各工程を示す図である。
まず図11(a)に示すように、2つの主面を有する誘電体7の一方の面に平板状導体3を配置する。
次に図11(b)に示すように、誘電体7の平板状導体3が配置されている面とは、反対側の面に格子状導体1のパターンをエッチングなどによって形成する。上記工程により格子状回路20を形成する。
次に図11(c)に示すように、格子状導体1の各辺に集中定数素子2としてキャパシタンス素子6であるチップキャパシタや、インダクタンス素子5であるチップインダクタを半田付けするなどして挿入装荷する。上記工程により反射構造体30を形成する。
次に図11(d)に示すように、反射構造体30の格子状回路20を形成している側の面から所定の距離を介した位置にアンテナ素子4を配置する。上記工程によりアンテナ装置10を形成する。
上記工程によりアンテナ装置10を形成することで、集中定数素子2が対応可能な数GHz程度までの高周波数帯を用いたアンテナ装置を実現することができる。
なおアンテナ装置10の製造方法としては上記に限定されず、リード線などを用いて先に格子状導体1を形成してもよい。上記の場合、格子状導体1の各辺にキャパシタンス素子6やインダクタンス素子5などの集中定数素子2を半田付けなどで挿入装荷することで格子状回路20を形成する。
格子状回路20の一方の面に誘電体7などを介して平板状導体3を配置することで反射構造体30を形成する。そして反射構造体30の格子状回路20を形成している側の面から所定の距離を介した位置にアンテナ素子4を配置することで、アンテナ装置10を形成する。
上記工程によりアンテナ装置10を形成することで、寸法誤差を生じやすいが、波長が誤差に比べて十分に長い低周波数帯を用いたアンテナ装置を実現することができる。
1 格子状導体
2 集中定数素子
3 平板状導体
4 アンテナ素子
5 インダクタンス素子
6 キャパシタンス素子
7 誘電体
10 アンテナ装置
20 格子状回路
30 反射構造体

Claims (10)

  1. 複数の格子を有し平板形状である格子状導体と、
    前記格子状導体の各辺に挿入装荷された複数の集中定数素子と、
    前記格子状導体の一方の面に対向して配置された平板状導体と、
    前記格子状導体の他方の面に対向して配置されたアンテナ素子とを備え、
    前記アンテナ素子を格子状導体に投影した点を中心点として、前記複数の集中定数素子はサセプタンスが同心円状に減少するように配置されているアンテナ装置。
  2. 前記集中定数素子として、キャパシタンス素子を配置し、前記キャパシタンス素子のキャパシタンスの値が徐々に減少する構造である請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記集中定数素子として、インダクタンス素子を配置し、前記インダクタンス素子のインダクタンスの値が徐々に減少する構造である請求項1に記載のアンテナ装置。
  4. 前記キャパシタンス素子としてチップキャパシタを配置し、前記チップキャパシタの内部電極の面積、もしくは積層数の少なくとも一方、または前記内部電極間の誘電率を変化させることでキャパシタンスの値を制御した請求項2に記載のアンテナ装置。
  5. 前記インダクタンス素子としてチップインダクタを配置し、前記チップインダクタの内部銅線の太さ、もしくは巻き数の少なくとも一方、または内部心材の透磁率を変化させることでチップインダクタの値を制御した請求項3に記載のアンテナ装置。
  6. 反射構造体における入射波と反射波との位相差が、180度に達するまでサセプタンスが減少する請求項1から4のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  7. 前記集中定数素子は、内側に前記インダクタンス素子、外側に前記キャパシタンス素子が配置されている、
    もしくは内側に前記キャパシタンス素子、外側に前記インダクタンス素子を配置されている請求項2または3に記載のアンテナ装置。
  8. 反射構造体における入射波と反射波との位相差が、360度に達するまでサセプタンスが減少する請求項7に記載のアンテナ装置。
  9. 前記集中定数素子は、前記中心点から外側に向かって、キャパシタンス素子のキャパシタンスが減少する構造と、インダクタンス素子のインダクタンスが減少する構造とが交互に繰り返し配列されている請求項1か8のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  10. 反射構造体における入射波と反射波との位相差が360度に達するまでサセプタンスが減少する周期が、前記中心点から外側に向かうに従って徐々に短くなる請求項9に記載のアンテナ装置。
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WO2004093244A2 (en) * 2003-04-11 2004-10-28 The Penn State Research Foundation Pixelized frequency selective surfaces for reconfigurable artificial magnetically conducting ground planes

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