JP2013197343A - 太陽電池モジュール及びその製造方法 - Google Patents

太陽電池モジュール及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い接続信頼性を有する太陽電池モジュール及びその製造方法を提供する。
【解決手段】太陽電池セル3の裏面電極31a、31bと接続する端子41と、絶縁基板44上の配線42を被覆し、表面に凹凸構造が形成された絶縁層43とを有する接続基板4を用いる。これにより、絶縁層43と封止材5とが強固に接着するため、高い接続信頼性を有する太陽電池モジュールを得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、裏面結合型の太陽電池セルを用いた太陽電池モジュール及びその製造方法に関する。
近年、p型電極とn型電極とがともに太陽電池セルの裏面に設けられた、いわゆるバックコンタクト型(裏面結合型)の太陽電池セルが普及している。この裏面結合型の太陽電池セルの接続基板として、主にフレキシブル基板、リジット基板などが使用される。接続基板の端子部分以外の回路配線は、通常ソルダーレジスト、カバーフィルムなどの絶縁材料で被覆される。また、太陽電池セルは、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA:Ethylene Vinyl Acetate Copolymer)などの封止樹脂により封止される。
このような構成の太陽電池モジュールは、受光面となる太陽電池セル表面に電極やタブ線を設ける必要がないため、受光効率の向上が図られるとともに、外観も良好となる。
特開2011−181619号公報 特開2011−159748号公報
しかしながら、接続基板の回路配線を被覆する絶縁材料は、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA:Ethylene Vinyl Acetate Copolymer)などの封止樹脂と密着力が低いため、長期間の使用により、界面剥離が生じ易くなり、太陽電池モジュールの接続信頼性が低下する。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、高い接続信頼性を有する太陽電池モジュール及びその製造方法を提供する。
上述した課題を解決するために、本発明に係る太陽電池モジュールは、透光性基板と、裏面電極を有する太陽電池セルと、前記裏面電極と接続する端子と、基板上の配線を被覆し、表面に凹凸構造が形成された絶縁層とを有する接続基板と、前記透光性基板と前記接続基板との間に前記太陽電池セルを封止する封止材とを備え、前記裏面電極と前記端子とが導電性接着剤を介して接続されていることを特徴とする。
また、本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、太陽電池セルの裏面電極用の端子と、基板上の配線を被覆し、表面に凹凸構造が形成された絶縁層とを有する接続基板上の端子に導電性接着剤を配置し、前記接続基板上に第1の封止材と、裏面電極を有する太陽電池セルと、第2の封止材と、透光性基板とを順次配置し、積層体を得、前記積層体を加熱加圧し、前記第1の封止材及び前記第2の封止材を硬化させるとともに、前記端子と前記裏面電極とを前記導電性接着剤を介して電気的に接続させることを特徴とする。
また、本発明に係る接続基板は、太陽電池セルの裏面電極用の端子と、基板上の配線を被覆し、表面に凹凸構造が形成された絶縁層とを有する。
本発明は、表面に凹凸構造が形成された絶縁層を有する接続基板を用いることにより、絶縁層と封止材とが強固に接着するため、高い接続信頼性を有する太陽電池モジュールを得ることができる。
本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの構成を模式的に示す断面図である。 太陽電池モジュールの製造工程を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら下記順序にて詳細に説明する。
1.太陽電池モジュール
2.太陽電池モジュールの製造方法
3.実施例
<1.太陽電池モジュール>
図1は、本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールを示す断面図である。太陽電池モジュール1は、透光性基板2と、裏面電極31a、31bを有する太陽電池セル3と、裏面電極31a、31bと接続する端子41と、基板44上の配線42を被覆し、表面に凹凸構造が形成された絶縁層43とを有する接続基板4と、透光性基板1と接続基板4との間に太陽電池セル3を封止する封止材5とを備え、裏面電極31a、31bと端子41とが導電性接着剤6を介して接続されている。
透光性基板2は、例えば、ガラス基板、透明樹脂基板などの透明基板である。透明樹脂基板を構成する透明樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなどを用いることができる。
太陽電池セル3は、p型電極とn型電極とからなる一対の裏面電極31A、31Bを受光面の反対側の裏面に有する、いわゆるバックコンタクト型(裏面結合型)と呼ばれるものである。太陽電池セル3としては、単結晶シリコン型、多結晶シリコン型、アモルファスシリコン型、化合物型、色素増感型などが挙げられる。これらの中でも、発電効率に優れる単結晶シリコン型を用いることが好ましい。
接続基板4は、後述するように、太陽電池セル3の裏面電極31a、31bと接続する端子41と、絶縁基板44上の配線42を被覆し、表面に凹凸構造が形成された絶縁層43とを有し、バックコンタクト型の太陽電池セル3の接続に用いられる。
封止材5は、透光性基板1と接続基板4との間に太陽電池セル3を封止し、封止層を構成する。封止材5は、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA:Ethylene Vinyl Acetate Copolymer)、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂などの封止用樹脂により形成される。
このような構成の太陽電池モジュールは、表面に凹凸構造が形成された絶縁層43と封止材5とが強固に接着されている。したがって、本実施の形態のように裏面電極31a、31bと端子41とが導電性接着剤6を介して接続される太陽電池モジュールにおいても、太陽電池セル3と接続基板4との間で高い接着強度が得られ、高い接続信頼性を得ることができる。
次に、バックコンタクト型の太陽電池セル3の接続基板4について説明する。接続基板4は、図1に示すように、絶縁基板44上に配線42が形成され、例えば複数の太陽電池セル3を直列に接続するための端子41を有する。絶縁基板44としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリイミドなどの高分子樹脂基板、ガラス繊維に絶縁樹脂を含浸させた複合材料などを用いることができる。また、端子41、配線42としては、銅、アルミニウム、鉄−ニッケル合金などを用いることができる。
配線42上を被覆する絶縁層43は、絶縁材料からなり、例えばEVAシートから放出される酢酸ガスによる腐食を防止する。絶縁材料としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられ、これらの樹脂を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。また、これらの樹脂にシリカ、マイカ、アルミナ、硫酸バリウムなどの無機粉末を含有してもよい。
また、絶縁層43は、表面に凹凸構造を有する。絶縁層43の表面粗さ(算術平均粗さ)Raは、0.1μm以上であることが好ましい。より具体的な表面粗さRaは、0.1μm〜0.5μmであることが好ましく、さらには0.1μm〜0.2μmであることが好ましい。また、絶縁層43の表面の水に対する接触角は、65°以下であることが好ましい。より具体的な絶縁層43の表面の水に対する接触角は、50°〜65°であることが好ましく、さらには57°〜65°であることが好ましい。これにより、絶縁層43と封止材5との密着性が向上し、強固に接着させることができる。
絶縁層43の表面の凹凸構造は、乾式又は湿式による表面粗化により得ることができる。乾式による表面粗化は、窒素プラズマ、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ、四フッ化メタンプラズマ、もしくはこれらの混合ガスのプラズマを使用することができる。また、プラズマの処理条件としては、絶縁層43の表面粗さRaが、0.1μm〜0.5μmとなる条件であることが好ましい。また、湿式による表面粗化は、過マンガン酸塩、重クロム酸などの溶液を使用することができる。また、溶液への浸漬時間などの処理条件としては、絶縁層43の表面粗さRaが、0.1μm〜0.5μmとなる条件であることが好ましい。
また、絶縁層43の表面の凹凸構造は、接続基板4の絶縁層43の表面全体に形成してもよく、少なくとも絶縁層43の太陽電池セル3の搭載領域に形成することが好ましい。これにより、絶縁層43と封止材5とが強固に接着され、太陽電池セル3と接続基板4との高い接続信頼性を得ることができる。
次に、太陽電池セル3の裏面電極31a、31bと、接続基板4の端子41とを接続する導電性接着剤6について説明する。本実施の形態における導電性接着剤6は、ペースト又はフィルム形状であり、目的に応じて適宜選択することができる。
導電性接着剤6は、バインダー樹脂に導電性粒子が含有された組成であり、導電性接着剤6は、押し込み性の観点から、バインダー樹脂の最低溶融粘度が、100〜100000Pa・sであることが好ましい。導電性接着剤6は、最低溶融粘度が低すぎると低圧着から本硬化の過程で樹脂が流動してしまい接続不良やセル受光面へのはみ出しが生じやすく、受光率低下の原因ともなる。また、最低溶融粘度が高すぎてもフィルム貼着時に不良を発生しやすく、接続信頼性に悪影響が出る場合もある。なお、最低溶融粘度については、サンプルを所定量回転式粘度計に装填し、所定の昇温速度で上昇させながら測定することができる。
バインダー樹脂に含有される導電性粒子としては、特に制限されず、例えば、ニッケル、金、銀、銅などの金属粒子、樹脂粒子に金めっきなどを施したもの、樹脂粒子に金めっきを施した粒子の最外層に絶縁被覆を施したものなどを挙げることができる。導電性粒子の形状としては、球形、扁平形状を好ましく使用することができる。なお、導電性粒子の平均粒子径は1〜50μmの範囲で使用が可能であり、10〜30μmの範囲を好ましく使用することができる。
また、導電性接着剤6は、常温付近での粘度が10〜10000kPa・sであることが好ましく、さらに好ましくは、10〜5000kPa・sである。導電性接着剤6の粘度が10〜10000kPa・sの範囲であることにより、導電性接着剤6を接続用導体の一面に設け、リールに巻装した場合において、いわゆるはみ出しによるブロッキングを防止することができ、また、所定のタック力を維持することができる。
また、導電性接着剤6は、封止剤5と同程度の硬化温度を有するものが好ましく、具体的な硬化温度として120℃〜160℃であることが好ましい。これにより、封止材5の硬化と、端子41と裏面電極31a、31bと電気的な接続とを同工程で行うことができる。
導電性接着剤6のバインダー樹脂は、特に制限されないが、より好ましくは、膜形成材料と、液状硬化成分と、硬化剤と、シランカップリング剤とを含有する。
膜形成樹脂は、平均分子量が10000以上の高分子量樹脂に相当し、フィルム形成性の観点から、10000〜80000程度の平均分子量であることが好ましい。膜形成樹脂としては、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノキシ樹脂等の種々の樹脂を使用することができ、その中でも膜形成状態、接続信頼性等の観点からフェノキシ樹脂が好適に用いられる。
液状硬化成分は、エポキシ樹脂、アクリレートなど硬化性を有する化合物を適宜使用することができる。
エポキシ樹脂としては、常温で流動性を有していれば、特に制限はなく、市販のエポキシ樹脂を使用可能である。このようなエポキシ樹脂としては、具体的には、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂などを用いることができる。これらは単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、アクリル樹脂など他の有機樹脂と適宜組み合わせて使用してもよい。
アクリレートとしては、常温で流動性を有していれば、特に制限はなく、単官能(メタ)アクリレート、2官能以上の(メタ)アクリレートを使用可能である。単官能(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。2官能以上の(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールF―EO変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA―EO変性ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性(メタ)アクリレート、多官能ウレタン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの(メタ)アクリレートは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、加熱により活性化する潜在性硬化剤、加熱により遊離ラジカルを発生させる潜在性硬化剤などを用いることができる。液状硬化成分としてエポキシ樹脂を使用する場合は、イミダゾール類、アミン類、スルホニウム塩、オニウム塩などからなる潜在性硬化剤を使用することができる。また、液状硬化成分としてアクリレートを使用した場合における硬化剤としては、有機過酸化物などの熱ラジカル発生剤を好ましく使用することができる。有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ブチルパーオキサイド、ベンジルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジブチルパーオキサイド、ベンジルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート等を挙げることができる。
シランカップリング剤としては、エポキシ系、アミノ系、メルカプト・スルフィド系、ウレイド系などを用いることができる。これらの中でも、本実施の形態では、エポキシ系シランカップリング剤が好ましく用いられる。これにより、有機材料と無機材料の界面における接着性を向上させることができる。
また、その他の添加組成物として、無機フィラーを含有することが好ましい。無機フィラーを含有することにより、圧着時における樹脂層の流動性を調整し、粒子捕捉率を向上させることができる。無機フィラーとしては、シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム等を用いることができる。
このような導電性接着剤6を用いることにより、太陽電池セル3の裏面電極31a、31bと、接続基板4の端子41との接続を、比較的低い温度の熱圧着処理にて行うことができる。
<2.太陽電池モジュールの製造方法>
次に、太陽電池モジュールの製造方法について、図2を参照して説明する。本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法は、太陽電池セル3の裏面電極用の端子41と、基板上の配線42を被覆し、表面に凹凸構造が形成された絶縁層43とを有する接続基板4上の端子41に導電性接着剤6を配置し、接続基板4上に第1の封止材5aと、裏面電極31a、31bを有する太陽電池セル3と、第2の封止材5bと、透光性基板2とを順次配置し、積層体を得、積層体を加熱加圧し、第1の封止材5a及び第2の封止材5bを硬化させるとともに、端子41と裏面電極31a、31bとを導電性接着剤6を介して電気的に接続させるものである。
具体的には、先ず、接続基板4上の端子41にペースト又はフィルム形状の導電性接着剤6を塗布又は貼付し、その上に第1の封止材5a載せる。続いて、太陽電池セル3上に第1の封止材5bを載せ、その上に受光面となる透光性基板2を積層する。そして、透光性基板2の上面からラミネート装置(減圧ラミネーター)にてラミネート圧着させる。これにより、封止材5a、5bが流動し、太陽電池セル3の裏面電極31a、31bと端子41とが導電性接着剤6を介して接続され、封止材5a、5bの硬化により、太陽電池モジュールを得ることができる。
このような太陽電池モジュールの製造方法によれば、絶縁層43の表面の凹凸構造により、絶縁層43と封止材5とを強固に結合させることができ、高い接続信頼性を得ることができる。
<3.実施例>
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本実施例では、接続基板として配線が絶縁層(ソルダーレジスト)で被覆されたフレキシブル基板を用いた。フレキシブル基板の絶縁層の表面を乾式又は湿式により粗化し、表面粗さ(Ra)及び表面接触角を測定した。そして、フレキシブル基板とITO(Indium Tin Oxide)付きガラス基板とが接合された評価用接続構造体を作製し、導通抵抗、初期の密着力、及び吸湿試験後の密着力を測定した。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
表面粗さ(Ra)の測定、表面接触角の測定、導通抵抗の測定、及び密着力の測定は、次のように行った。
<表面粗さ(Ra)の測定>
表面粗化後のソルダーレジストの表面の表面粗さ(Ra)について、JIS B 0601に準じ、触針式粗さ試験機にて測定した。
<表面接触角の測定>
表面粗化後のソルダーレジストの表面の水に対する接触角について、JIS K 2396に準じ、動的接触角・表面張力測定装置にて測定した。
<導通抵抗の測定>
表面粗化後のフレキシブル基板とITO付きガラス基板とが接合された評価用接続構造体の導通抵抗について、デジタルマルチメータを用いて4端子法にて電流1mAを流したときの導通抵抗(初期)を測定した。
<密着力の測定>
ITO付きガラス基板と表面粗化後のフレキシブル基板とが接合された評価用接続構造体の初期及び吸湿試験後の密着力について、JIS K 6854に準じ、90°剥離試験機にて測定した。吸湿試験は、評価用接続構造体を、温度85℃、湿度85%の環境下に500時間(h)保持した。
[実施例1]
フレキシブル基板の絶縁層(ソルダーレジスト)の表面を乾式法により粗化した。具体的には、プラズマアッシング装置にてO=100sccm、0.5Torr、300Wの条件で10分間プラズマ処理を行った。ここで、sccm(Standard Cubic Centimeter Minute)は1分間にガスを供給する体積を示す。
次に、表面粗化後のフレキシブル基板の電極部に導電性接着剤(商品名:SP100シリーズ、ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社製)を貼付し、フレキシブル基板上にエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)シート、ITO付きガラス基板をこの順に積層した。そして、ラミネート装置によりITO付きガラス基板側からフレキシブル基板とITO付きガラス基板とをラミネートし、評価用接続構造体を作製した。ラミネート条件は、100℃にて真空引きを5分間行った後、プレス時間5分、0.1MPaにてラミネート後、オーブンにて155℃−45分でキュアを行った。
表1に示すように、表面粗化後のソルダーレジスト表面の表面粗さRaは、0.1μmであり、水に対する表面接触角は、65°であった。また、評価用接続構造体の導通抵抗は、38mΩであり、初期密着力及び吸湿試験後密着力は、それぞれ6.2N/mm、及び5.8N/mmであった。
[実施例2]
プラズマアッシング装置にてO=100sccm、0.5Torr、300Wの条件で15分間プラズマ処理を行った以外は、実施例1と同様に評価用接続構造体を作製した。
表1に示すように、表面粗化後のソルダーレジスト表面の表面粗さRaは、0.15μmであり、水に対する表面接触角は、62°であった。また、評価用接続構造体の導通抵抗は、38mΩであり、初期密着力及び吸湿試験後密着力は、それぞれ7.0N/mm、及び6.5N/mmであった。
[実施例3]
フレキシブル基板の絶縁層(ソルダーレジスト)の表面を湿式法により粗化した。具体的には、水酸化ナトリウム水溶液を主成分とする溶液に60℃で、10分間浸漬し、ついで過マンガン酸ナトリウム水溶液を主成分とした溶液に80℃で、10分間浸漬した。
このようにソルダーレジストの表面を湿式法により粗化した以外は、実施例1と同様に評価用接続構造体を作製した。
表1に示すように、表面粗化後のソルダーレジスト表面の表面粗さRaは、0.15μmであり、水に対する表面接触角は、60°であった。また、評価用接続構造体の導通抵抗は、38mΩであり、初期密着力及び吸湿試験後密着力は、それぞれ6.8N/mm、及び6.3N/mmであった。
[実施例4]
フレキシブル基板の絶縁層(ソルダーレジスト)の表面を湿式法により粗化した。具体的には、水酸化ナトリウム水溶液を主成分とする溶液に60℃で、10分間浸漬し、ついで過マンガン酸ナトリウム水溶液を主成分とした溶液に80℃で、15分間浸漬した。
このようにソルダーレジストの表面を湿式法により粗化した以外は、実施例1と同様に評価用接続構造体を作製した。
表1に示すように、表面粗化後のソルダーレジスト表面の表面粗さRaは、0.20μmであり、水に対する表面接触角は、57°であった。また、評価用接続構造体の導通抵抗は、38mΩであり、初期密着力及び吸湿試験後密着力は、それぞれ7.5N/mm、及び7.1N/mmであった。
[比較例1]
ソルダーレジストの表面を粗化しなかった以外は、実施例1と同様に評価用接続構造体を作製した。
表1に示すように、ソルダーレジスト表面の表面粗さRaは、0.02μmであり、水に対する表面接触角は、70°であった。また、評価用接続構造体の導通抵抗は、38mΩであり、初期密着力及び吸湿試験後密着力は、それぞれ5.1N/mm、及び1.3N/mmであった。
Figure 2013197343
比較例1のように、ソルダーレジスト表面に凹凸構造が形成されていないフレキシブル基板を用いた場合、導通抵抗は、実施例1〜4と同様であったものの、吸湿試験後の密着力は、初期密着力に比べて1.3N/mmと著しく低下した。
一方、実施例1〜4に示すように、ソルダーレジスト表面に凹凸構造が形成されたフレキシブル基板を用いた場合、吸湿試験後の密着力は、初期密着力からほとんど低下しなかった。また、実施例1〜4に示すように、ソルダーレジストの表面粗さRaが、0.1μm以上、ソルダーレジストの表面の水に対する接触角が、65°以下であることにより、吸湿試験後も優れた接続信頼性が得られることが分かった。すなわち、絶縁層の表面に凹凸構造が形成された接続基板を用いることにより、高い接続信頼性を有する太陽電池モジュールを得られることが分かった。
1 太陽電池モジュール、2 透光性基板、3 太陽電池セル、4 接続基板、5 封止材、6 導電性接着剤、31a、31b 裏面電極、41 端子、42 配線、43 絶縁層、44 絶縁基板

Claims (6)

  1. 透光性基板と、
    裏面電極を有する太陽電池セルと、
    前記裏面電極と接続する端子と、基板上の配線を被覆し、表面に凹凸構造が形成された絶縁層とを有する接続基板と、
    前記透光性基板と前記接続基板との間に前記太陽電池セルを封止する封止材とを備え、
    前記裏面電極と前記端子とが導電性接着剤を介して接続されている太陽電池モジュール。
  2. 前記絶縁層の表面粗さRaが、0.1μm以上である請求項1記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記絶縁層の表面の水に対する接触角が、65°以下である請求項1又は2記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記太陽電池セルがバックコンタクト型セルである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  5. 太陽電池セルの裏面電極用の端子と、基板上の配線を被覆し、表面に凹凸構造が形成された絶縁層とを有する接続基板上の端子に導電性接着剤を配置し、
    前記接続基板上に第1の封止材と、裏面電極を有する太陽電池セルと、第2の封止材と、透光性基板とを順次配置し、積層体を得、
    前記積層体を加熱加圧し、前記第1の封止材及び前記第2の封止材を硬化させるとともに、前記端子と前記裏面電極とを前記導電性接着剤を介して電気的に接続させる
    太陽電池モジュールの製造方法。
  6. 太陽電池セルの裏面電極用の端子と、基板上の配線を被覆し、表面に凹凸構造が形成された絶縁層とを有する接続基板。
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