JP2013196977A - 落雷抑制型避雷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】上下電極の放電開始電圧に対応する上下電極の絶縁距離を段階的に簡易に調整できる構造として、製造コストの低減、管理の簡素化等を図ることができる落雷抑制型避雷装置を提供すること。
【解決手段】上部電極体11と下部電極体12とを絶縁する絶縁体13を有する避雷極部材1と、避雷極部材1の下部に設けられた支持部材3と、を備える。絶縁体13は、上部電極体11と下部電極体12との間に配置された筒状絶縁体14と、筒状絶縁体14の周囲に配置されたカバー部材15とを有している。カバー部材15は、積み重ねられた複数の単位カバー部材151により構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、落雷を抑制することで、雷害から建築物や設備機器等の被保護体を保護するための落雷抑制型避雷装置に関するものである。
従来の雷保護概念では、落雷は防止できないものとの観点から、落雷を突針形避雷針(フランクリンロッド)に受けて大地に流す方式が大半であった。
近年、雷保護の概念が改正され、角度法から回転球体法に移行する動き(新JIS A4201 2003年版)等もあるが、いずれにしても落雷による障害を完全に取り除くことは困難であった。特に、冬季雷のように雷撃規模(電流値や継続時間)が大きい場合、雷電流そのものや大地の電位上昇による各種の被害を起こしていた。
さらに、近年の機器はIC化のため異常電流に弱く、落雷による問題が大きくなる傾向となっている。
一方、落雷を防止する技術として、電荷放散型防雷システム(DAS)が開発されている(特許文献1参照)。しかし、このシステムは大規模な装備となるため価格が高く、特殊な設備にしか用いられていないのが実情である。
近年、落雷を抑制する技術として、消イオン容量型避雷針(PDCE)が現れ効果を見せている(特許文献2、特許文献3参照)。
落雷は大気中で起こる放電現象であり、雷放電には雲内放電、雲間放電、雲―大地間放電等がある。雷放電で大きな被害を出すのは雲―大地間放電(以下落雷)である。落雷は雷雲(雲底)と大地または大地等に建設された構造物との間の電界強度が非常に大きくなり、その電荷が飽和状態となって大気の絶縁を破壊したときに発生する現象である。
落雷の現象を詳細に観察すると、夏季に起こる一般的な落雷(夏季雷)の場合、雷雲が成熟すると雷雲からステップトリーダが大気の放電しやすいところを選びながら大地に近づいてくる。
ステップトリーダが大地とある程度の距離になると大地または建築物(避雷針)、木などからステップトリーダに向かって、微弱電流の上向きストリーマ(お迎え放電)が伸びてくる。
このストリーマとステップトリーダが結合すると、その経路を通って、雷雲と大地間に大電流(帰還電流)が流れる。これが落雷現象である。
特許文献2に記載の消イオン容量型避雷針(PDCE)は落雷抑制タイプの避雷針であり、上向きストリーマの発生を起こりにくくしたものである。そのため、このPDCEを最高部に取り付けた施設には落雷現象が起き難い。
このPDCEは、絶縁体を挟んで配置される上部電極体及び下部電極体を有し、下部電極体のみが接地される。したがって、例えばマイナス電荷が雲底に分布した雷雲が近づくと、それとは逆の電荷(プラス電荷)が大地の表面に分布し、雲底のプラス電荷に引き寄せられて下部電極体にもプラス電荷が集まるようになる。すると、絶縁体を介して配置されている上部電極体は、コンデンサの作用でマイナス電荷を帯びる。この作用により、PDCEとその周辺における上向きストリーマの発生を起こりにくくし、落雷の発生を抑制する。
北陸の平地でPDCEを設置し、5年にわたり雷観測カメラやLLS(Lightning Location System)を用いて落雷の有無を観測した結果、夏季には、PDCE設置箇所において落雷が観測されなかった。
これらの観測結果から、夏季雷に対して、PDCEは帰還電流を防止(落雷を防止)し、落雷による被害を抑制することが判った。
特開平8−273715号公報 特開2008−10241号公報 特開2010−205687号公報
本発明者らは、上記PDCEによる夏季雷の抑制のメカニズムを研究していく中で、PDCEの上下の電極体間の絶縁性を高めることにより、その抑制効果を増大させることができることを見出している。
しかし、PDCEを設置している構造物が非常に高い場合や高い山頂の場合、まれに大電流(概ね100kA以上)の落雷が発生することが見られた。このことは強大なステップトリーダに誘起されて、ストリーマ(お迎え放電)の放電レベルがPDCEの絶縁強度(概ね100kV)を超えて放出され結合し、落雷になったものと考えられる。
これまで、PDCEは設置環境にかかわらず同一形状のものを設置してきたが、フィールドでのデータより構造物の高さが高い場合(平野部で概ね100m以上)や、山頂にある場合は、PDCE上下電極の放電開始電圧を調整することが有効であることが判明してきた。
しかし、PDCEを設置する場所ごとに合わせて最適な製品を製作する場合、従来法で対応するには、筒状絶縁体やカバー部材がそれぞれ一体構造のため、金型が多数発生し、費用、管理が大変になる問題が生じる。
即ち、PDCEの上下電極の放電開始電圧を調整するためには、上部電極体と下部電極体間の筒状絶縁体の長さやカバー部材の厚さ・形状等を変更して調整することになる。その際、筒状絶縁体については切断長さを調整するだけで済むが、カバー部材については厚さ・形状の異なるカバー部材を製造するための多種類の金型が必要となり、その分、費用、管理も大変になる。
そこで、本発明は、上下電極の放電開始電圧に対応する上下電極の絶縁距離を段階的に簡易に調整できる構造として、製造コストの低減、管理の簡素化等を図ることができる落雷抑制型避雷装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る落雷抑制型避雷装置は、上部電極体と下部電極体とを絶縁する絶縁体を有する避雷極部材と、その避雷極部材の下部に設けられた支持部材と、を備え、前記絶縁体は、上部電極体と下部電極体との間に配置された筒状絶縁体と、筒状絶縁体の周囲に配置されたカバー部材とを有し、前記カバー部材は、積み重ねられた複数の単位カバー部材により構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、筒状絶縁体の周囲に配置するカバー部材を、積み重ね式の複数の単位カバー部材により構成してあるので、この単位カバー部材の積み重ね枚数を変更するだけで、上下の電極体の間隔に対応する上下電極の絶縁距離を段階的に簡易に調整することができる。これにより、1種類の単位カバー部材によって、上下電極の放電開始電圧を段階的に簡易に調整でき、製造コストの低減、管理の簡素化等を図ることができる。
本発明の好ましい形態では、前記上部電極体と下部電極体が前記筒状絶縁体により連結され、その筒状絶縁体の周壁には、周壁の厚さ方向に貫通する通気孔が設けられていることを特徴とする。
このように筒状絶縁体の周壁に、周壁の厚さ方向に貫通する通気孔を設けることで、万が一の落雷時において、避雷極部材の内部圧力上昇を一定の範囲に抑制することができる。
本発明の好ましい形態では、前記筒状絶縁体と前記カバー部材との間に間隙が形成され、この間隙に前記通気孔が連通していることを特徴とする。
このように筒状絶縁体とカバー部材との間に間隙を形成することで、この間隙を利用して筒状絶縁体内から外部へ通じる通気路を形成することが可能になる。
本発明の好ましい形態では、前記カバー部の各単位カバー部材が、それぞれが上下に移動可能に構成されていることを特徴とする。
このように各単位カバー部材をそれぞれが上下に移動可能に構成することで、上下の電極体とカバー部材との間に、及び単位カバー部材相互間に通気路となる隙間を形成することができる。
本発明の好ましい形態では、前記単位カバー部材の相対する面の少なくとも一方の面に通気溝が設けられ、通気溝の一方の端部が前記間隙に連通し、他方の端部が外気に連通していることを特徴とする。
このような通気溝を形成した場合、通気孔、間隙、通気溝を経由して筒状絶縁体の内部から外気に連通する通気路を形成することができる。したがって、この場合には、上下の電極体とカバー部材との間に隙間を設けなくてよい場合もある。
本発明の好ましい形態では、前記通気溝の一方の端部が他方の端部よりも高位に位置していることを特徴とする。
このように通気溝の一方の端部を他方の端部よりも高位に位置させることで、この通気溝を経由して避雷極部材の内部へ水分が侵入するのを有効に抑制することができる。
本発明の好ましい形態では、前記通気溝が複数設けられ、各通気溝は放射状に伸びていることを特徴とする。
このように各通気溝を放射状に配置することで、万が一の落雷時における避雷極部材の内部の気体排出機能を全体として均一化することができる。
本発明によれば、上下電極の放電開始電圧に対応する上下電極の絶縁距離を段階的に簡易に調整できる構造として、製造コストの低減、管理の簡素化等を図ることができる落雷抑制型避雷装置を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る落雷抑制型避雷装置の一部断面正面図である。 本発明の実施形態1に係る落雷抑制型避雷装置の単位カバー部材の平面図である。 本発明の実施形態1に係る落雷抑制型避雷装置の単位カバー部材の中央断面図である。 本発明の実施形態2に係る落雷抑制型避雷装置の一部断面正面図である。 本発明の実施形態3に係る落雷抑制型避雷装置の単位カバー部材の底面図である。 本発明の実施形態3に係る落雷抑制型避雷装置の単位カバー部材の中央断面図である。 本発明の実施形態3に係る落雷抑制型避雷装置の単位カバー部材を積み重ねた状態の中央断面図である。
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1について、図1〜図3を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明を消イオン容量型避雷針に適用した実施形態を示す図であり、特徴部分について断面で示している。図2は実施形態1に係るカバー部材の単位カバー部材の平面図であり、図3はその中央断面を示している。
この実施形態に係る落雷抑制型避雷装置Aは、図1および図2に示すように、最上部に配置された避雷極部材1と、避雷極部材1の下部に設けられた連結部2と、この連結部2を介して鉛直に連結されて避雷極部材1を支持する支持部材3と、を備えている。
避雷極部材1は、上部電極体11と、下部電極体12と、それら上部電極体11および下部電極体12間に設けられた絶縁体13とを備え、全体として概略球体状に形成されている。上部電極体11、下部電極体12は、球体が上下に半割りされた若干扁平な半球状に形成されている。したがって、それらの表面は大気と接触する曲面部11a、12aとして形成されている。
上部電極体11及び下部電極体12は、図示のように空洞に形成されている。また、上部電極体11の天面及び下部電極体12の内底面から互いに向き合う下向き凸部11bおよび上向き凸部12bが形成されている。これら下向き凸部11bおよび上向き凸部12bは放電用凸部としての機能を発揮するように相互の間隔H1が設定されている。
絶縁体13は、上部電極体11と下部電極体12との間に配置された筒状絶縁体14と、筒状絶縁体14の周囲に配置されたカバー部材15とを有している。筒状絶縁体14は厚肉の円筒状に形成され、上下の電極体11、12間の電気的な絶縁状態を強化するため、及び上下の電極体11、12を同軸に連結するために設けられている。上部電極体11と下部電極体12とが相対する面(下面と上面)には周方向に一周する環状溝11c、12cが形成され、この環状溝11c、12cに筒状絶縁体14の上下端が嵌め込まれ、接着剤等により一体化されている。
筒状絶縁体14の外側に配置されたカバー部材15は、この実施形態では上下二段に積み重ねられた二つの単位カバー部材151、151により構成されている。二つの単位カバー部材151、151は、いずれも同一の形状であり、それぞれが概略ドーナツ状に形成されている。
上部電極体11と下部電極体12は、この実施形態では筒状絶縁体14により液密及び気密に連結されている。そして、この筒状絶縁体14の周壁には、その長さ方向の中間部の周壁部分に、周壁の厚さ方向に貫通する通気孔141が設けられている。前記筒状絶縁体14と前記カバー部材15との間には間隙16が形成され、この間隙16に通気孔141が連通している。
上部電極体11とカバー部材15との間には、隙間17が形成されている。この隙間17の存在によって、カバー部材15の各単位カバー部材151、151が、それぞれ上下に移動可能に構成されている。
各単位カバー部材151には、図2、図3に示すように、筒状絶縁体14の外形よりも大きな内径の中央挿入口15aが形成されている。また、各単位カバー151の上面には、中央挿入口15aを囲むように形成された環状の立ち上がり部15bと、立ち上り部15b側から外周側に向かって延びる平坦な上面15cと、この平坦な上面15cから外周縁まで延びる傾斜上面15dとが設けられている。
さらに、この筒状絶縁体14の下面には、平坦な上面15bに対応する位置に形成された平坦な下面15eと、立ち上り部15bの直下の位置に、下段の単位カバー部材151の立ち上がり部15bを収容する環状の収容凹部15fとが設けられている。また、単位カバー部材151の外周縁近くの下面には、断面半円状の水切り用凹部15gが設けられている。
前記単位カバー部材151及び前記筒状絶縁体14は、プラスチックやセラミック、ガイシ、ゴムなどの絶縁材料が好適に用いられる。
支持部材3は、中心に位置する支持棒31と、その外側に同軸に配置された支持パイプ32とを備えている。支持棒31の下端部には、他の支持部材と結合するねじ部33が設けられている。
避雷極部材1の上部電極体11、下部電極体12、連結部2および支持部材3は、ステンレス等の耐久性および導電性のある金属で形成されている。下部電極体12は、支持部材3および図示しない接地用導電体(接地線)を介して大地に電気的に接続される。これにより、この落雷抑制型避雷装置Aを鉛直に設置した状態において、雷雲等の影響により大地や構造物等が正電荷に帯電すると、上部電極体11の表面は負電荷に帯電し、大地や構造物等が負電荷に帯電すると、上部電極体の表面は正電荷に帯電するように設計されている。なお、この帯電機能自体は既存のPDCEと同様の原理に基づいている。
本実施形態によれば、筒状絶縁体14の周囲に配置するカバー部材15を、積み重ね式の複数の単位カバー部材151により構成してあるので、この単位カバー部材151の積み重ね枚数を変更するだけで、上下の電極体11、12間の間隔に対応する上下電極の絶縁距離H1を段階的に簡易に調整することができる。これにより、1種類の単位カバー部材によって、上下電極の放電開始電圧を段階的に簡易に調整でき、製造コストの低減、管理の簡素化等を図ることができる。
また、筒状絶縁体14の周壁に、周壁の厚さ方向に貫通する通気孔141を設けることで、万が一の落雷時において、避雷極部材1の内部圧力上昇を一定の範囲に抑制することができる。また、筒状絶縁体14とカバー部材15との間に間隙16を形成することで、この間隙16を利用して筒状絶縁体14内から外部へ通じる通気路を形成することが可能になる。この間隙16は、上部電極体11とカバー部材15との間に形成してあるので、例えばこの避雷装置を煙突等の高温箇所に設置した場合でも、カバー部材自体の体積固有抵抗の低下による上下電極の絶縁抵抗低減を防ぐことができる。
また、各単位カバー部材151をそれぞれが上下に移動可能に構成することで、上下の電極体11、12とカバー部材15との間に、及び単位カバー部材151相互間に通気路となる隙間を形成することができる。
(実施形態2)
図4は、本発明に係る落雷抑制型避雷装置の実施形態2を示す一部断面正面図である。なお、同実施形態において、先の実施形態と基本的に同一の構成要素については、同一符号を付してその説明を簡略化する。
この実施形態にかかる落雷抑制型避雷装置Bも、図4に示すように、最上部に配置された避雷極部材1と、避雷極部材1の下部に設けられた連結部2と、この連結部2を介して鉛直に連結されて避雷極部材1を支持する支持部材3と、を備えている。
避雷極部材1は、上部電極体11と、下部電極体12と、それら上部電極体11および下部電極体12間に設けられた絶縁体13とを備え、全体として概略球体状に形成されている。上部電極体11、下部電極体12は、球体が上下に半割りされた若干扁平な半球状に形成されている。したがって、それらの表面は大気と接触する曲面部11a、12aとして形成されている。
上部電極体11及び下部電極体12は、図示のように空洞に形成されている。また、上部電極体11の天面及び下部電極体12の内底面から互いに向き合う下向き凸部11bおよび上向き凸部12bが形成されている。これら下向き凸部11bおよび上向き凸部12bは放電用凸部としての機能を発揮するように相互の間隔が設定されている。下向き凸部11bおよび上向き凸部12bの間隔H2は、実施形態1での間隔H1よりも大きく設定されている。
絶縁体13は、上部電極体11と下部電極体12との間に配置された筒状絶縁体14と、筒状絶縁体14の周囲に配置されたカバー部材15とを有している。筒状絶縁体14は厚肉の円筒状に形成され、上下の電極体11、12を同軸に連結している。上部電極体11と下部電極体12とが相対する面(下面と上面)には周方向に一周する環状溝11c、12cが形成され、この環状溝11c、12cに筒状絶縁体14の上下端が嵌め込まれ、接着剤により一体化されている。
筒状絶縁体14の外側に配置されたカバー部材15は、この実施形態では上下四段に積み重ねられた四つの単位カバー部材151により構成されている。四つの単位カバー部材151、151は、いずれも同一の形状であり、それぞれが概略ドーナツ状に形成されている。
上部電極体11と下部電極体12は、この実施形態では筒状絶縁体14により液密及び気密に連結されている。そして、この筒状絶縁体14の周壁には、その長さ方向の中間部の周壁部分に、周壁部の厚さ方向に貫通する通気孔141が設けられている。前記筒状絶縁体14と前記カバー部材15との間には間隙16が形成され、この間隙16に通気孔141が連通している。
上部電極体11とカバー部材15との間には、隙間17が形成されている。この隙間17の存在によって、カバー部材15の各単位カバー部材151、151が、それぞれが上下に移動可能に構成されている。
前記単位カバー部材151及び前記筒状絶縁体14は、プラスチックやセラミック、ガイシ、ゴムなどの絶縁材料が好適に用いられる。
支持部材3は、中心に位置する支持棒31と、その外側に同軸に配置された支持パイプ32とを備えている。支持棒31の下端部には、他の支持部材と結合するねじ部33が設けられている。
避雷極部材1の上部電極体11、下部電極体12、連結部2および支持部材3は、ステンレス等の耐久性および導電性のある金属で形成されている。下部電極体12は、支持部材3および図示しない接地用導電体(接地線)を介して大地に電気的に接続される。これにより、この落雷抑制型避雷装置Bを鉛直に設置した状態において、雷雲等の影響により大地や構造物等が正電荷に帯電すると、上部電極体11の表面は負電荷に帯電し、大地や構造物等が負電荷に帯電すると、上部電極体の表面は正電荷に帯電するように設計されている。
なお、この実施形態2に係る落雷抑制型避雷装置Bも、基本的には実施形態1の落雷抑制型避雷装置Aとほぼ同様の機能を発揮するが、特に以下の点で、実施形態1の避雷装置Aよりも優れた作用効果を奏する。
即ち、この実施形態2では、単位カバー部材151を四段に積み重ねてカバー部材15を構成してあるので、上下電極の絶縁距離H2を大きくすることができる。したがって、この単位カバー部材151の積み重ね枚数を変更するだけで、上下の電極体11、12間の間隔に対応する上下電極の絶縁距離H2を段階的に簡易に調整することができる。これにより、1種類の単位カバー部材によって、上下電極の放電開始電圧を段階的に簡易に調整でき、製造コストの低減、管理の簡素化等を図ることができる。
(実施形態3)
図5は本発明の実施形態3に係る単位カバー部材151の底面図であり、図6は断面図、図7は二段に積み重ねた状態の断面図である。なお、同実施形態において、先の実施形態と基本的に同一の構成要素については、同一符号を付してその説明を簡略化する。
この実施形態のカバー部材15は、単位カバー部材151の相対する面の少なくとも一方の面(底面)に通気溝15hを設けた点に特徴がある。
この通気溝15hは、それぞれが放射状に延びる形態で複数設けられている。そして、各通気溝15hの一方の端部が前記間隙16に連通し、他方の端部が外気に連通している。さらに、通気溝15hの一方の端部(内側の端部)が他方の端部(外側の端部)よりも一段上がった高位に位置するよう配慮してある。
このような通気溝15hを形成した場合、通気孔141、間隙16、通気溝15hを経由して筒状絶縁体14の内部から外気に連通する通気路を形成することができる。したがって、この場合には、上下の電極体11、12とカバー部材15との間に隙間16を設けなくてよい場合もある。
また、このように通気溝15hの一方の端部を他方の端部よりも高位に位置させることで、この通気溝151を経由して避雷極部材1の内部へ雨水が侵入するのを有効に抑制することができる。
また、このように各通気溝15hを放射状に配置することで、万が一の落雷時における避雷極部材1の内部の気体排出機能を全体として均一化することができる。
(試験例からの考察)
本発明に係るPDCEの設置高さは平地で高さ100m以下の場合、上下電極の絶縁距離Hは概ね40mm程度で十分効果のあることが今までのフィールドでのデータで明らかになっている。このときの上下電極の放電開始電圧は大気圧760mm・Hg 20℃で約100kVである。また、適度な放電距離Hは製品の重量低減に役立つ。
ただ、PDCEの設置高さが平地で100mを超える場合や山頂等では、上下電極の絶縁距離Hは従来品よりも大きくおおむね60mm〜80mm程度のほうがより有効と判断する。放電距離60mmの場合、同条件での放電開始電圧は140kV、絶縁距離80mmでは放電開始電圧170kVである。
特許3888846号においても、何らかの方法で避雷針の放電開始電圧を上昇させると大幅に落雷確率が低減するとあり、本出願の発明者もPDCEにおいてその効果をフィールドで確認しており、今回の放電開始電圧上昇による対策はその抑制効果をさらに向上させるものとの認識をしている。
具体的には筒状絶縁体14やカバー部材15の材質は強度や絶縁性に優れた、プラスチックやセラミック、ガイシ、ゴム等が適している。筒状絶縁体14には放電時の内部圧力上昇対策として通気孔141があけられており、万が一の落雷時による内部圧力上昇を防ぐ構造となっている。またカバー部材15と筒状絶縁体14との間には隙間16が設けられ、内部圧力が簡単に外部に放出できる構造となっている。さらに単位カバー部材151の上下には突起や凹みが設けられ、雨水などが進入しにくく、単位カバー部材151どうしが上下で積み重なりやすい構造としている。
セラミックの場合は、通常のガイシ(碍子)と同様に外部に釉薬処理することで、撥水処理や汚れ防止の効果が得られる。また、カバー部材15と上部電極体11との間に若干の隙間17を設けることで、煙突等高温箇所に設置した場合、カバー部材自体の体積固有抵抗低下による上下電極の絶縁抵抗低減を防ぐことができる。
上記構造により、設置場所にあわせた落雷抑制型避雷針(PDCE)が同一金型で製作することが可能となる。カバーの厚さが20mm程度の場合、通常の設置条件では2枚を用いればよく、それ以上の場合は3枚、4枚と絶縁距離Hを増すことで対応できる。
なお、以上の実施形態では、カバー部材15の各単位カバー部材151について、2段又は4段に積み重ねた例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、3段又は5段以上でもよい。また、単位カバー部材151の厚さや形状、輪郭等も必要に応じて任意に変形してもよい。基本的には、雨水が内部に侵入し難い構造であれば、特に限定されない。
1 避雷極部材
11 上部電極体
12 下部電極体
13 絶縁体
14 筒状絶縁体
141 通気孔
15 カバー部材
151 単位カバー部材
15h 通気溝
2 連結部
3 支持部材
31 支持棒
32 支持パイプ
33 ねじ部
A、B 落雷抑制型避雷装置

Claims (7)

  1. 上部電極体と下部電極体とを絶縁する絶縁体を有する避雷極部材と、避雷極部材の下部に設けられた支持部材と、を備え、
    前記絶縁体は、上部電極体と下部電極体との間に配置された筒状絶縁体と、筒状絶縁体の周囲に配置されたカバー部材とを有し、
    前記カバー部材は、積み重ねられた複数の単位カバー部材により構成されていることを特徴とする落雷抑制型避雷装置。
  2. 前記上部電極体と下部電極体は前記筒状絶縁体により連結され、その筒状絶縁体の周壁には、周壁の厚さ方向に貫通する通気孔が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の落雷抑制型避雷装置。
  3. 前記筒状絶縁体と前記カバー部材との間には間隙が形成され、この間隙に前記通気孔が連通していることを特徴とする、請求項1または2に記載の落雷抑制型避雷装置。
  4. 前記カバー部材の各単位カバー部材は、それぞれが上下に移動可能に構成されていることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の落雷抑制型避雷装置。
  5. 前記単位カバー部材の相対する面の少なくとも一方の面に通気溝が設けられ、通気溝の一方の端部が前記間隙に連通し、他方の端部が外気に連通していることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の落雷抑制型避雷装置。
  6. 前記通気溝の一方の端部が他方の端部よりも高位に位置していることを特徴とする、請求項5に記載の落雷抑制型避雷装置。
  7. 前記通気溝が複数設けられ、各通気溝は放射状に伸びていることを特徴とする、請求項5または6に記載の落雷抑制型避雷装置。
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