JP2018195582A - 落雷制御方法及び落雷制御装置 - Google Patents

落雷制御方法及び落雷制御装置 Download PDF

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松本 敏男
Toshio Matsumoto
敏男 松本
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Abstract

【課題】落雷を特定の地域に誘導することにより、落雷から保護すべき領域における落雷抑制効果を高める。【解決手段】落雷から保護すべき被保護体1が存在する領域を落雷抑制領域Aとし、この落雷抑制領域Aから離間し、前記被保護体が存在しない領域を落雷誘引領域Bとし、前記落雷抑制領域Aにおいてマイナス電荷を分布させて落雷を誘引する上向きストリーマの発生を抑制し、前記落雷誘引領域Bにおいて、プラス電荷を分布させて前記上向きストリーマを発生しやすくすることにより、前記落雷を前記落雷誘引領域Bへ誘導するようにしたことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、落雷を抑制することで、雷害から建築物や設備機器等の被保護体を保護するための落雷制御方法及び落雷制御装置に関するものである。
落雷は大気中で起こる放電現象であり、雷放電には雲内放電、雲間放電、雲―大地間放電等がある。雷放電で大きな被害を出すのは雲―大地間放電(以下落雷)である。落雷は雷雲(雲底)と大地または大地等に建設された構造物との間の電界強度が非常に大きくなり、その電荷が飽和状態となって大気の絶縁を破壊したときに発生する現象である。
落雷の現象を詳細に観察すると、夏季に起こる一般的な落雷(夏季雷)の場合、雷雲が成熟すると雷雲からステップトリーダが大気の放電しやすいところを選びながら大地に近づいてくる。
ステップトリーダが大地とある程度の距離になると大地または建築物(避雷針)、木などからステップトリーダに向かって、微弱電流の上向きストリーマ(お迎え放電)が伸びてくる。
このストリーマとステップトリーダが結合すると、その経路を通って、雷雲と大地間に大電流(帰還電流)が流れる。
これが落雷現象である。
このような落雷現象に対し、従来の雷保護概念では、落雷は防止できないものとの観点から、落雷を突針型避雷針(フランクリンロッド)に受けて大地に流す方式が大半であった。
これに対し、本発明者等は、落雷の発生を極力抑制することによって被保護体を保護すべく、特許文献1に示される落雷抑制型避雷装置を提案した。
この落雷抑制型避雷装置は、絶縁体を挟んで上下に配置される上部電極体及び下部電極体を有し、下部電極体のみを接地して構成したものである。
そして、たとえばマイナス電荷が雲底に分布した雷雲が近づくと、それとは逆の電荷(プラス電荷)が大地の表面に分布し、接地されている下部電極体にもプラス電荷が集まる。
すると、絶縁体を介して配置されている上部電極体は、コンデンサの作用でマイナス電荷を帯びることとなる。
この作用により、避雷装置とその周辺における上向きストリーマの発生を起こりにくくして落雷の発生を抑制するようにしている。
特許第5839331号公報
前述した本発明者等による先の提案によって、避雷装置を中心とした円状の保護領域において落雷を抑制できるようになった。
しかしながら、先の提案においては、避雷装置の絶縁を破壊するエネルギーを持った雷が発生すると、前記避雷装置による落雷抑制効果が得られなくなることが想定されるため、その対策が必要であるとの知見に至った。
本発明は、前述した知見に基づいてなされたもので、落雷を特定の地域に誘導することにより、落雷から保護すべき領域における落雷抑制効果を高め得る落雷制御方法およびその装置を提供するもので、その落雷制御方法は、落雷から保護すべき被保護体が存在する領域を落雷抑制領域とし、この落雷抑制領域から離間し、前記被保護体が存在しない領域を落雷誘引領域とし、前記落雷抑制領域において、マイナス電荷を分布させて落雷を誘引する上向きストリーマの発生を抑制し、前記落雷誘引領域において、プラス電荷を分布させて前記上向きストリーマを発生しやすくすることにより、前記落雷を前記落雷誘引領域へ誘導するようにしたことを特徴とする。
本発明の落雷抑制方法によれば、雷雲が近づくと、前記落雷抑制領域に、雷雲下部のマイナス電荷と同電荷を分布させる、かつ、前記落雷誘引領域に、雷雲下部のマイナス電荷と逆の電荷を分布させる。
これによって、落雷抑制領域からは上向きストリーマが発生し難くなり、落雷誘引領域からは上向きストリーマが発生しやすくなる。
この結果、雷雲からのステップトリーダは、プラス電荷が分布させられた前記落雷誘引領域へ向かうこととなり、前記落雷抑制領域に先立って前記落雷誘引領域から上向きストリーマが発生し、落雷が前記落雷誘引領域へ導かれる。
そして、前記落雷誘引領域を適宜設定することにより、落雷位置を制御することができ、前記落雷抑制領域にある被保護体に対する落雷抑制効果を高めることができる。
一方、本発明の落雷制御装置は、落雷から保護すべき被保護体が存在する落雷抑制領域に設置され、この落雷抑制領域にマイナス電荷を帯びさせることにより、落雷を誘引する上向きストリーマの発生を抑制する落雷抑制手段と、前記落雷抑制領域から離間した前記被保護体が存在しない落雷誘引領域に設置され、この落雷誘引領域にプラス電荷を帯びさせることにより、前記上向きストリーマを発生させる落雷誘引手段とを備えていることを特徴とする。
前記落雷誘引手段は、たとえば、突針型避雷針(フランクリンロッド)が用いられ、前記落雷抑制手段は、接地された支持ロッドの先端に電気的に導通された状態で取り付けられた第1電極体と、この第1電極体に電気絶縁状態で対峙された第2電極体と、この第2電極体と第1電極体とを電気絶縁状態に保持する電気絶縁層とによって構成される。
このような構成とすることにより、マイナス電荷が雲底に分布した雷雲が近づくと、それとは逆の電荷(プラス電荷)が大地の表面に分布し、これに伴い、前記落雷誘引領域とその落雷誘引領域に設置された突針型避雷針にプラス電荷が分布する。
一方、前記落雷抑制領域では、前記大地に接地された前記支持ロッドおよび前記第1電極体にもプラス電荷が集まるようになる。
すると、前記第1電極体および前記支持ロッドに前記電気絶縁層を介して配置されている前記第2電極体は、コンデンサの作用でマイナス電荷を帯びる。
この作用により、前記第2電極体の周辺に、雷雲の雲底と同電荷のマイナス電荷が分布する。
これによって、雷雲からのステップトリーダは、前記突針型避雷針へ向かう傾向となり、上向きストリーマの発生が、前記落雷抑制領域よりも前記落雷誘引領域において起こり易くなり、落雷を前記落雷誘引領域へ導くことができる。
したがって、前記被保護体が存在する前記落雷抑制領域への落雷が効果的に抑制され、前記被保護体への落雷による損傷を防止することができる。
前記落雷抑制手段は、間隔をおいて立設された支持体間に、電気絶縁性材料からなる連結具を介して架設された線状の第2電極体と、この第2電極の下方に、この第2電極体に沿うように配設された線状の第1電極体と、この第1電極体を前記第2電極体に所定間隔をおいて垂設する、電気絶縁性材料によって形成された複数のスペーサーと、前記第1電極体に接続された接地線とによって構成することができる。
このような構成とすることにより、前記第1電極体および前記第2電極体を線状にして、マイナス電荷の分布領域を拡大することができる。
また、既設の送電設備を用いて、前記落雷抑制手段を構成することができる。
すなわち、既設の送電設備の鉄塔を前記支持体として用い、これらの鉄塔間に、前記第2電極体を絶縁状態で張設しておき、この第2電極体の下部に、前記鉄塔間に予め張設されている架空地線を、前記スペーサーを介して垂設することにより前記第1の電極体とする。
これにより、前記落雷抑制手段の構成部材の殆どを、既設の送電設備によって代用することができ、前記落雷抑制手段の設置コストを軽減することもできる。
また、前記落雷抑制手段は、前記被保護体の上面に沿って配設される第1電極体と、この第1電極体を被覆する電気絶縁性材料によって形成された電気絶縁層と、この電気絶縁層の表面を覆って設けられた第2電極体と、前記第1電極体に接続された接地線とによって構成することもできる。
このような構成とすることにより、被保護体の上面に沿うようにして前記落雷抑制手段を設置することができるので、被保護体の形状に即したマイナス電荷の分布形態を実現することができる。
したがって、被保護体に対し有効なマイナス電荷分布を形成して、この被保護体に対する落雷抑制効果を高めることができる。
さらに、前記落雷抑制手段は、地面に設置された被保護体を覆って設けられる導電性材料によって形成された帯電体と、この帯電体を前記地面および前記被保護体に対して電気絶縁状態に保持する電気絶縁層と、前記地面に設置され、この地面に電気的に接続された第1電極体と、この第1電極体に対して電気絶縁状態で対峙された第2電極体とからなるキャパシタと、前記帯電体と前記第2電極体とを電気的に接続する導電体とによって構成することもできる。
このような構成とすることにより、前記キャパシタによって、その第2電極体に大地と逆の電荷を生じさせるとともに、この電荷と同様の電荷を前記帯電体に分布させることができる。
そして、雲底にマイナス電荷が分布した雷雲が近づくと、前記帯電体にもマイナス電荷が分布し、これによって前記被保護体全体がマイナス電荷によって覆われる。
この結果、前記被保護体全面において落雷を抑制することができる。
また、前記キャパシタの前記第1電極体および前記第2電極体の形状を自由に設定することができ、これによって、前記キャパシタの静電容量を大きくして、前記被保護体全面に十分なマイナス電荷を分布させることができる。
本発明によれば、被保護体が存在する落雷抑制領域にマイナス電荷を分布させて落雷を抑制するとともに、被保護体が存在しない落雷誘引領域にプラス電荷を生じさせて落雷を誘引することにより、前記落雷抑制領域の被保護体への落雷をより効果的に抑制することができる。
本発明の落雷制御方法を説明するための平面図である。 本発明の落雷制御装置の第1の実施形態の正面図である。 本発明の落雷制御装置の第1の実施形態を示すもので、本実施形態に用いられる落雷抑制手段を示す縦断面図である。 本発明の落雷制御装置の第1の実施形態を示すもので、上向きストリーマ発生抑制作用を説明するための概略図である。 本発明の落雷制御装置の第2の実施形態を示すもので、本実施形態に用いられる落雷抑制手段を示す正面図である。 本発明の落雷制御装置の第2の実施形態の正面図である。 本発明の落雷制御装置の第3の実施形態を示すもので、ストリーマ発生抑制作用を説明するための概略図である。 本発明の落雷制御装置の第3の実施形態を示すもので、本実施形態に用いられる落雷抑制手段を示す斜視図である。 本発明の落雷制御装置の第4の実施形態を示すもので、本実施形態に用いられる落雷抑制手段を示す概略図である。 本発明の落雷制御装置の第5の実施形態を示すもので、本実施形態に用いられる落雷抑制手段を示す概略図である。
以下、本発明の落雷抑制方法の一例について、図1を参照して説明する。
本落雷抑制方法は、大地Gの、落雷から保護すべき被保護体1・2が存在する領域を落雷抑制領域Aとし、この落雷抑制領域から離間し、前記被保護体1・2が存在しない領域を落雷誘引領域Bとし、前記落雷抑制領域においてマイナス電荷を分布させて落雷を誘引する上向きストリーマの発生を抑制し、前記落雷誘引領域において、プラス電荷を分布させて前記上向きストリーマを発生しやすくすることにより、前記落雷を前記落雷誘引領域へ誘導するようにしたことを特徴としている。
このような構成とすることにより、上空に、雲底にマイナス電荷を帯びた雷雲が近づくと、前記落雷抑制領域Aにはマイナス電荷が分布させられていることにより、この前記落雷抑制領域Aから上向きストリーマが発生することが抑制される。
また、前記落雷誘引領域Bにはプラス電荷が分布させられていることから、この落雷誘引領域Bよりマイナス電荷が分布している前記雷雲の雲底へ向けて上向きストリーマが発生しやすい条件が形成される。
したがって、落雷は、前記上向きストリーマが発生しやすい前記落雷誘引領域Bへ向かって発生する。
この結果、落雷は、前記落雷抑制領域Aを避けて発生し、この落雷抑制領域Aに存在する前記被保護体1・2が落雷から保護される。
ついで、前述した落雷制御方法を有効に実施するための落雷制御装置の第1の実施形態について、図2ないし図4を参照して説明する。
図2において、符号3で示す本実施形態の落雷制御装置は、前記落雷抑制領域Aにマイナス電荷を分布させる落雷抑制手段4と、前記落雷誘引領域Bにプラス電荷を分布させる落雷誘引手段5とによって構成されている。
前記落雷誘引手段5は、本実施形態においては、突針型避雷針(フランクリンロッド)が用いられており、導電性材料からなる長尺なロッドを、大地Gに接地した状態で立設することによって構成されている。
前記落雷抑制手段4は、本実施形態においては、図3に示すように、接地された第1電極体(内側電極体)6と、この第1電極体6を、所定隙間をおいて包み込むようにして設けられた第2電極体(外側電極体)7と、前記隙間に設けられ、前記第1電極体6と第2電極体7とを電気絶縁状態に保持する電気絶縁層8とからなり、前記第1電極体6が略球状に形成され、前記第2電極体7が、前記第1電極体6の外面形状と相似形をなす球殻状に形成され、前記第1電極体6が前記第2電極体7によってほぼ全面に亙って覆われた構成となっている。
前記第1電極体6は真球形状で、かつ、図3に示すように、所定厚みを有する中空状に形成されている。
また、前記第1電極体6の下部にはナット9が一体に取り付けられており、このナット9に、後述する支持ロッド10の先端が螺合させられている。
この支持ロッド10にはロックナット11が螺着されており、このロックナット11が前記ナット9に圧着されることにより、前記支持ロッド10に前記第1電極体6が固定されている。
前記第2電極体7は、上下に2分割されて形成された一対の第2電極構成体7a・7bによって構成されている。
これら一対の第2電極構成体7a・7bは、前記電気絶縁層8を挟み込むようにして突き合わされることにより前記第1電極体6を包み込み、この突き合わされた部位において溶接(溶接部W)等により一体化されている。
下方の前記第2電極構成体7aの下部中央には、その内外部を連通する貫通孔12が形成されている。
前記支持ロッド10は、前記貫通孔12および前記電気絶縁層8を貫通して、前記第1電極体6に電気的に接続されており、この支持ロッド10が前記大地Gに接地された状態で立設されることにより、前記第1電極体6、前記第2電極体7、および、前記電気絶縁層8が、前記大地Gから所定高さに保持されるとともに、前記第1電極体6が前記支持ロッド10を介して接地されるようになっている。
前記電気絶縁層8は電気絶縁性材料によって形成され、前記第1電極体6と前記第2電極体7とを、電気絶縁状態で所定間隔に保持するようになっている。
また、前記電気絶縁層8は、前記下方の第2電極構成体7aに形成された前記貫通孔12の内壁と、この貫通孔12に嵌合させられる前記支持ロッド10との隙間に延設されて、この支持ロッド10と前記第2電極体7とを所定間隔に保持するとともにこれらを電気絶縁状態に保持するようになっている。
このように構成された本実施形態の避雷装置3は、図2に示すように、前記落雷抑制手段4を、前記落雷抑制領域Aの前記被保護体1の近傍に、前記支持ロッド10を用いて立設し、また、前記落雷誘引手段5を、前記落雷誘引領域Bに立設することによって設置される。
前記落雷抑制手段4は、前述したように設置された状態において、前記第2電極体7が、図2に示すように、前記被保護体1よりも上方に保持され、また、必要に応じて前記落雷抑制領域Aの複数箇所に設置される。
なお、落雷抑制領域Aと、落雷誘引領域Bとの距離は、落雷誘引領域Bに落雷が発生した際に落雷抑制領域Aに影響を及ぼさない距離、あるいは影響が小さい距離に設定される。
そして、前記落雷抑制手段4は、つぎのようにして落雷を抑制する。
すなわち、図4に示すように、マイナス電荷が雲底に分布した雷雲Cが近づくと、それとは逆の電荷(プラス電荷)が大地Gの表面に分布し、この大地Gに前記支持ロッド10を介して接地されている前記第1電極体6にもプラス電荷が集まる。
一方、前記第1電極体6に前記電気絶縁層8を介して対峙されている前記第2電極体7は、コンデンサの作用でマイナス電荷を帯びる。
この作用により、前記第2電極体7とその周辺における上向きストリーマの発生が起こりにくく、この結果、落雷の発生が抑制される。
したがって、前記落雷抑制手段4によって、前記落雷抑制領域Aの前記被保護体1周りにマイナス電荷が分布させられ、この結果、前記被保護体1への落雷が抑制される。
一方、前記落雷誘引領域Bにおいては、前記大地Gに分布したプラス電荷により、前記落雷誘引手段5にもプラス電荷が分布する。
これによって、前記落雷誘引手段5から雷雲Cへ向けて上向きストリーマが発生しやすい状態が形成される。
ここで、前記大地Gと雷雲Cとの絶縁が破られるような状況に至ると、前記雷雲Cからのステップトリーダが、プラス電荷に帯電した前記落雷誘引手段5へ誘引されるとともに、この落雷誘引手段5から上向きストリーマが前記雷雲Cの雲底へ向かって発生する。
これによって、落雷が前記落雷誘引手段5へ導かれ、この落雷誘引手段5を経て、前記落雷誘引領域Bの大地Gへ流される。
このように、本実施形態の落雷制御装置3によれば、前記被保護体1が存在する前記落雷抑制領域Aへの落雷を抑制しつつこの落雷を前記落雷誘引領域Bへ導くことができ、前述した落雷制御方法を有効に実施して、前記被保護体1を落雷から保護することができる。
図5および図6は、本発明の落雷制御装置の第2の実施形態を示し、図6に示す本実施形態の落雷制御装置20は、落雷抑制手段に変更を加えたものである。
符号21で示す本実施形態の落雷抑制手段は、図5に示すように、既設の送電設備を用いて構成されており、間隔をおいて立設された鉄塔22間に、電気絶縁性材料からなる連結具23を介して架設された線状の第2電極体24と、この第2電極体24の下方に、この第2電極体24に沿うように配設された線状の第1電極体25と、この第1電極体25を前記第2電極体24に所定間隔をおいて垂設する、電気絶縁性材料によって形成された複数のスペーサー26と、前記第1電極体25に接続された接地線27とによって構成したものである。
そして、前記第1電極体25は、既存の送電設備に装備されている架空地線を用いることができる。
この落雷抑制手段21は、図5に示すように、雷雲Cが近づき大地Gにプラス電荷が分布すると、これに伴い、設置された前記第1電極体25にもプラス電荷が分布する。
そして、前記大地Gおよび前記第1電極体25に対して電気絶縁状態に保持されている前記第2電極体24に、前記第1電極体25との間のコンデンサーの作用により、マイナス電荷が分布する。
これによって、前記雷雲Cへ向かう上向きストリーマの発生を抑制する。
したがって、本実施形態の落雷抑制手段21を、図6に示すように、その第2電極体24が前記落雷抑制領域Aの上方を横切るようにして設置することにより、前記落雷抑制領域Aにマイナス電荷を分布させることができる。
ここで、前記第2電極体24が線状に形成されていることにより、前述したマイナス電荷の分布範囲を広げることができる。
図7および図8は、本発明の落雷制御装置の第3の実施形態を示し、図7に示すように、落雷抑制手段31に変更を加えたものである。
この落雷抑制手段31は、図7に示すように、前記被保護体2の上面に沿って配設される第1電極体32と、この第1電極体32を被覆する電気絶縁性材料によって形成された電気絶縁層33と、この電気絶縁層33の表面を覆って設けられた第2電極体34と、前記第1電極体に接続された接地線35とによって構成されている。
そして、前記第1電極体32が、電気絶縁材料によって形成された複数の支持部材36によって前記被保護体2の上面に支持されることにより、本実施形態の落雷抑制手段31が、図8に示すように、前記被保護体2の上面に設置されるようになっている。
このように構成された本実施形態の落雷抑制手段31においても、図7に示すように、雷雲Cが近づいて、大地Gにプラス電荷が分布した際に、前記接地線35によって前記第1電極体32にもプラス電荷が分布し、これ伴い、前記第2電極体34にマイナス電荷が分布する。
本実施形態の落雷抑制手段31は、図8に示すように、被保護体2の上面に、その外郭に沿うようにして設置することができるので、被保護体2に近い位置で、かつ、その形状に沿ってマイナス電荷を分布させることができる。
したがって、被保護体2に対し有効なマイナス電荷分布を形成して、この被保護体に対する落雷抑制効果を高めることができる。
さらに、図9に示す第4の実施形態のように、落雷抑制手段41を、大地Gに設置された被保護体2を覆って設けられる導電性材料によって形成された帯電体42と、この帯電体42を前記地面および前記被保護体2に対して電気絶縁状態に保持する電気絶縁層43と、前記大地Gに設置され、この大地Gに電気的に接続された平板状の第1電極体44と、この第1電極体44に対して電気絶縁状態で対峙された平板状の第2電極体45とからなるキャパシタ46と、前記帯電体42と前記第2電極体45とを電気的に接続する導電体47とによって構成することもできる。
前記第1電極体44と前記第2電極体45は、たとえば、碍子等の電気絶縁性材料によって形成されたスペーサー48によって、所定間隔を保持した状態で連結されている。
また、本実施形態においては、前記導電体47の途中に、前記第1の実施形態において示した落雷抑制手段4が、その第2電極体7を介して接続されている。
本実施形態においては、前記キャパシタ46において生成されるマイナス電荷が前記帯電体42に分布し、この帯電体42が前記被保護体2を覆って設けられていることから、この被保護体2の表面がマイナス電荷で覆われる。
これによって、前記被保護体2の全面において落雷抑制効果を実現することができる。
また、前記キャパシタ46の平板状の前記第1の電極体44および前記第2電極体45の形状を調整して、その対向面の面積を調整することにより、このキャパシタ46の静電容量を調整することができる。
ここで、前記被保護体2の大きさによって、落雷抑制に必要なマイナス電荷量が異なるが、前述した前記キャパシタ46の静電容量の調整によって容易に対応できる。
なお、落雷抑制領域Aでは、その落雷抑制装置が設備されている高さ付近の上空部分は全体としてマイナス電荷を分布させると共に、それよりも下方部分についてもマイナス電荷を分布させるのが、領域Aの落雷抑制効果の観点から望ましい。
この点に配慮すると、図10に示すような落雷抑制型避雷装置を用いることが好ましい。この避雷装置は、長めの支持ロッド10が用いられている。これに伴い、第2電極体7の下部中央の貫通孔12を形成する筒状のスカート部3cの部分も下方に長く形成して筒状の被覆管とし、同様に電気絶縁層8も下方へ長く形成したものである。これにより、外側電極体である第2電極体7及び下方へ長い被覆管3c部分の全体がマイナス電荷を帯びてその電荷を周囲に分布させることになる。この結果、落雷抑制効果をより高めることができる。
なお、前記各実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
1 被保護体
2 被保護体
3 落雷制御装置
4 落雷抑制手段
5 落雷誘引手段
6 第1電極体
7 第2電極体
7a 第2電極構成体
7b 第2電極構成体
8 電気絶縁層
9 ナット
10 支持ロッド
11 ロックナット
12 貫通孔
20 落雷制御装置
21 落雷抑制手段
22 鉄塔
23 連結具
24 第2電極体
25 第1電極体
26 スペーサー
27 接地線
31 落雷抑制手段
32 第1電極体
33 電気絶縁層
34 第2電極体
35 接地線
36 支持部材
41 落雷抑制手段
42 帯電体
43 電気絶縁層
44 第1電極体
45 第2電極体
46 キャパシタ
47 導電体
48 スペーサー
A 落雷抑制領域
B 落雷誘引領域
C 雷雲
G 大地
W 溶接部

Claims (7)

  1. 落雷から保護すべき被保護体が存在する領域を落雷抑制領域とし、この落雷抑制領域から離間し、前記被保護体が存在しない領域を落雷誘引領域とし、前記落雷抑制領域においてマイナス電荷を分布させて落雷を誘引する上向きストリーマの発生を抑制し、前記落雷誘引領域において、プラス電荷を分布させて前記上向きストリーマを発生しやすくすることにより、前記落雷を前記落雷誘引領域へ誘導するようにしたことを特徴とする落雷制御方法。
  2. 落雷から保護すべき被保護体が存在する落雷抑制領域に設置され、この落雷抑制領域にマイナス電荷を帯びさせることにより、落雷を誘引する上向きストリーマの発生を抑制する落雷抑制手段と、前記落雷抑制領域から離間した前記被保護体が存在しない落雷誘引領域に設置され、この落雷誘引領域にプラス電荷を帯びさせることにより、前記上向きストリーマを発生させる落雷誘引手段とを備えていることを特徴とする落雷制御装置。
  3. 前記落雷誘引手段が突針型避雷針であることを特徴とする請求項2に記載の落雷制御装置。
  4. 前記落雷抑制手段が、接地された支持ロッドの先端に電気的に導通された状態で取り付けられた第1電極体と、この第1電極体に電気絶縁状態で対峙された第2電極体と、この第2電極体と第1電極体とを電気絶縁状態に保持する電気絶縁層とによって構成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の落雷制御装置。
  5. 前記落雷抑制手段が、間隔をおいて立設された支持体間に、電気絶縁性材料からなる連結具を介して架設された線状の第2電極体と、この第2電極の下方に、この第2電極体に沿うように配設された線状の第1電極体と、この第1電極体を前記第2電極体に所定間隔をおいて垂設する、電気絶縁性材料によって形成された複数のスペーサーと、前記第1電極体に接続された接地線とによって構成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の落雷制御装置。
  6. 前記落雷抑制手段が、前記被保護体の上面に沿って配設される第1電極体と、この第1電極体を被覆する電気絶縁性材料によって形成された電気絶縁層と、この電気絶縁層の表面を覆って設けられた第2電極体と、前記第1電極体に接続された接地線とによって構成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の落雷制御装置。
  7. 前記落雷抑制手段が、地面に設置された被保護体を覆って設けられる導電性材料によって形成された帯電体と、この帯電体を前記地面および前記被保護体に対して電気絶縁状態に保持する電気絶縁層と、前記地面に設置され、この地面に電気的に接続された第1電極体と、この第1電極体に対して電気絶縁状態で対峙された第2電極体とからなるキャパシタと、前記帯電体と前記第2電極体とを電気的に接続する導電体とによって構成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の落雷制御装置。

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