JP2013194316A - 鋼板内の材質均一性に優れた大入熱溶接用高強度鋼板及びその製造方法 - Google Patents

鋼板内の材質均一性に優れた大入熱溶接用高強度鋼板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大入熱溶接熱影響部の低温靭性に優れ、鋼板内の材質均一性に優れた高強度鋼板とその製造方法を提供する。
【解決手段】mass%で、C:0.030〜0.150%、Si:0.10%以下、Mn:1.00〜2.00%、P、S、Al、Ti、N、Ca、O、Ca、O、Sの各含有量が、特定式を満たし、必要に応じてB、V、Nb、Ni、Cu、Cr、Mo、W、Mg、Zr、REMの1種または2種以上、残部Feおよび不可避的不純物からなり、金属組織が実質的にフェライトとベイナイト組織であり、板厚方向の硬さのばらつきがΔHV50以下であり、板幅方向の硬さのばらつきがΔHV50以下である鋼板。上記鋼組成を有する鋼を、特定温度に加熱し、鋼板表面温度で700℃以上900℃以下で熱間圧延した後、鋼板表面の温度が700℃以上から鋼板表面での冷却速度が20℃/s以上100℃/s以下で鋼板表面温度で400℃以上600℃以下まで1段目の冷却を行い、その後鋼板平均での冷却速度が4℃/s以上で400℃以下まで2段目の冷却を行う。
【選択図】なし

Description

本発明は、海洋構造物、建築、土木、建設産業用機械、ラインパイプ等の各種溶接構造物で使用される鋼材に用いて好適な、大入熱溶接を施した際の溶接熱影響部の低温靭性に優れ、鋼板内の材質均一性に優れた高強度鋼板とその製造方法に関する。
鋼構造物の大型化やコスト削減の観点から、より高強度や高靭性を有する鋼板の需要が高まっている。鋼板の特性向上や合金元素削減、熱処理省略を目的として、従来、高強度鋼板は、制御圧延と制御冷却を組み合わせた、いわゆるTMCP技術が適用されて製造されている。
TMCP技術を用いて鋼材の高強度化を行うには、制御冷却時の冷却速度を大きくすること、および冷却を停止する温度を低くすることが有効である。しかしながら、高冷却速度で制御冷却した場合、鋼板表層部が急冷されるため、鋼板内部に比べて表層部の硬さが高くなり、板厚方向の硬さ分布にばらつきが生じる。
また、この板厚方向の硬さ分布のばらつきは、冷却停止温度を低くすること、および板厚が厚くなるにしたがって大きくなる傾向があり、鋼板内の材質均一性を確保する観点で問題となる。
特許文献1には、制御冷却に際して、冷却速度を3〜12℃/sという比較的低冷却速度に制御することにより、板厚中心部に対する表面の硬さ上昇を抑える方法が開示されている。
特許文献2には、冷却過程で、フェライトが析出する温度域で待機を行うことにより、鋼板の組織をフェライトとベイナイトの2相組織とし、表層と板厚中心部の硬さの差を低減した、板厚方向に材質差の小さい鋼板の製造方法が開示されている。
また、特許文献3、特許文献4には、圧延後、表層部がベイナイト変態を完了する前に表面を復熱させる高冷却速度の制御冷却を行った板厚方向に材質差の小さい鋼板の製造方法が開示されている。
また、鋼板表面のスケール性状にむらがあると、冷却時にスケール厚さに応じてその下部の鋼板の冷却速度に違いを生じて、すなわち鋼板の部分部分で冷却停止温度にばらつきが生じて、スケール性状に対応して板幅方向に鋼板材質のばらつきが生じる。
特許文献5、特許文献6には、冷却直前にデスケーリングを行うことにより、スケール性状による冷却むらを低減し、鋼板形状を改善する方法が開示されている。
一方で、造船、建築、土木等の分野で使用される鋼材は、一般に、溶接接合により所望の形状の構造物に仕上げられるため、安全性の観点から、使用される鋼材の母材靱性はもちろんのこと、溶接部の靱性に優れることが要請される。
これら構造物や船舶は大型化が進んでおり、使用される鋼材の高強度化・厚肉化に伴い、溶接施工にはサブマージアーク溶接、エレクトロガス溶接およびエレクトロスラグ溶接などの高能率な大入熱溶接が適用されている。このため、大入熱溶接により溶接施工したときに、溶接部の靱性に優れた鋼材が必要となっている。
しかし、一般に、溶接入熱量が大きくなると、溶接熱影響部(HAZ)の組織が粗大化するために、溶接熱影響部の靱性は低下することが知られている。このような大入熱溶接による靱性の低下の改善策として、これまでTiNの微細分散によるオーステナイトの粗粒化抑制やフェライト変態核としての利用技術が実用化されてきた。
また、特許文献7や入熱量230kJ/cmの溶接ボンド部での靭性改善を目指した特許文献8には、希土類元素(REM)をTiと複合添加することにより、鋼中に微細粒子を分散させてオーステナイトの粒成長を抑制し、溶接部の靭性向上を図る方法が示されている。
さらに、Tiの酸化物を分散させる技術やBNのフェライト核生成能を組み合わせる技術も開発されている。このほか、CaやREMを添加することで硫化物の形態を制御し、より高靭性を得られることが知られている。
特公平7−116504号公報 特許第3911834号公報 特許第3951428号公報 特許第3951429号公報 特開平9−57327号公報 特許第3796133号公報 特公平03−53367号公報 特開昭60−184663号公報
しかしながら、特許文献1の技術は、冷却停止温度が400℃以上と比較的高いため、高冷却速度による高強度化や合金元素の削減、制御圧延の簡略化等といった制御冷却の効果を十分に活用することができない。
特許文献2の製造方法は、Ar3変態点以下での冷却待機でフェライトを析出させるため強度が低下するとともに、冷却待機時間が必要なため製造効率が悪化する。
特許文献3、特許文献4の製造方法は、鋼板の成分により変態挙動が異なると、復熱による十分な材質均質化の効果が得られない場合がある。また、高精度な冷却制御が必要なため、適用範囲が限られるとともに製造効率が悪化する。
また、特許文献5、特許文献6の方法は、デスケーリングにより鋼板の冷却停止温度のばらつきむらを低減して鋼板形状を改善しているが、板厚方向の硬度分布に対する配慮はなされていない。
スケールむらにより冷却停止温度のばらつきが大きく生じるのは、比較的冷却速度が低い範囲の冷却の場合である。また、低冷却速度の場合、デスケーリングにより鋼板の平均冷却速度が低下して、強度が低下する懸念がある。その場合、強度の低下を防ぐためには、鋼板表面にある程度のスケール厚さを持ったスケールを付着させておく必要がある。
一方、高強度化を図るべく高冷却速度で冷却した場合、スケールむらによる冷却停止温度のばらつきを低減することはできるが、表層部の硬さはスケール厚さの影響を鋭敏に受けるため、表層硬さ上昇の抑制が課題となる。
特許文献7、特許文献8に記載の希土類元素(REM)をTiと複合添加して大入熱溶接熱影響部の靭性を改善する技術は、安定した靭性が得られる鋼材の製造が困難であったり、300kJ/cmを超える大入熱溶接では十分な靭性が得られないという問題があった。
すなわち、TiNを主体に利用する技術においては、TiNが溶解する温度域に加熱される溶接部での作用がなくなり、また固溶TiおよびNによる地の組織の脆化によって著しく靭性の低下が見られた。
さらに、Tiの酸化物を使った技術においては、酸化物の微細分散が十分均質にできないという問題があった。また、CaやREMを添加する技術においても300kJ/cmを超える大入熱溶接では溶接熱影響部の高靭性を確保することは困難であった。
したがって、本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、鋼板内の材質均一性に優れ、かつ、300kJ/cmを超える大入熱溶接を施した際の溶接熱影響部の靭性に優れる高強度鋼板とその製造方法を提供することにある。
本発明の課題は以下の手段で達成できる。
1.鋼組成が、mass%で、
C:0.030〜0.150%、
Si:0.10%以下、
Mn:1.00〜2.00%、
P:0.030%以下、
S:0.0005〜0.0040%、
Al:0.005〜0.100%、
Ti:0.004〜0.030%、
N:0.0035〜0.0075%、
Ca:0.0005〜0.0030%、
O:0.0040%以下、
Ca、O、Sの各含有量が、下記(1)式を満たし、残部Feおよび不可避的不純物でなり、金属組織が実質的にフェライトとベイナイト組織であり、板厚方向の硬さのばらつきがビッカース硬さでΔHV50以下であり、板幅方向の硬さのばらつきがビッカース硬さでΔHV50以下であり、かつ溶接入熱量が300kJ/cmを超える大入熱溶接を施したときのボンド近傍の熱影響部組織において、島状マルテンサイト体積分率が1%以下であることを特徴とする、鋼板内の材質均一性に優れた大入熱溶接用高強度鋼板。
0<(Ca−(0.18+130×Ca)×O)/1.25/S≦0.8・・・(1)
ただし、Ca、O、Sは各成分の含有量(mass%)とする。
2.鋼組成が、更に、mass%で、B:0.0003〜0.0030、V:0.20%以下のうちから選んだ1種または2種を含有することを特徴とする、1に記載の鋼板内の材質均一性に優れた大入熱溶接用高強度鋼板。
3.鋼組成が、更に、mass%で、Nb:0.030%以下、Ni:1.00%以下、Cu:1.00%以下、Cr:0.70%以下、Mo:0.70%以下、W:0.05〜0.40%のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とする、1または2に記載の鋼板内の材質均一性に優れた大入熱溶接用高強度鋼板。
4.鋼組成が、更に、mass%で、Mg:0.0005〜0.0050%、Zr:0.001〜0.020%、REM:0.001〜0.020%のうちから選んだ1種または2種以上を含有する1乃至3のいずれか一つに記載の鋼板内の材質均一性に優れた大入熱溶接用高強度鋼板。
5.1乃至4のいずれか一つに記載の鋼組成を有する鋼を、900℃以上1300℃以下の温度に加熱し、圧延終了温度が鋼板表面温度で700℃以上900℃以下で熱間圧延した後、鋼板表面の温度が700℃以上から鋼板表面での冷却速度が20℃/s以上100℃/s以下で鋼板表面温度が400℃以上600℃以下まで(2)式を満たす条件で1段目の冷却を行い、その後鋼板平均での冷却速度が4℃/s以上で400℃以下まで2段目の冷却を行うことを特徴とする、鋼板内の材質均一性に優れた大入熱溶接用高強度鋼板の製造方法。
3≦(700−T)/V・・・(2)
T:1段目冷却の鋼板表面冷却停止温度(℃)、V:1段目冷却の鋼板表面での冷却速度(℃/s)
6.熱間圧延後、1段目の冷却を行う前に、鋼板表面での噴射流の衝突圧が1MPa以上でデスケーリングを行い、その後5秒以内に前記1段目の冷却を行うことを特徴とする、5記載の鋼板内の材質均一性に優れた大入熱溶接用高強度鋼板の製造方法。
本発明によれば、サブマージアーク溶接、エレクトロガス溶接、エレクトロスラグ溶接などの大入熱溶接により施工される大型の構造物の品質向上に寄与するところ大である。
本発明では、成分組成、金属組織および材質均一性の指標として板厚方向、板幅方向の硬さのばらつきを規定する。
[成分組成]以下の説明において%はmass%とする。
C:0.030〜0.150%
C量は、構造用鋼として必要な強度を得るために下限を0.030%とし、島状マルテンサイトの生成量を抑えるため、上限を0.150%とする。
Si:0.10%以下
Siは、本発明において、その含有量をきびしく制限する必要があるという点で重要な元素である。Siは鋼中に必ず含有される元素であるが、0.10%を超えて含有すると、大入熱溶接熱影響部に島状マルテンサイトを生成して靱性を劣化させる。しかしながら、鋼中含有量を0.10%以下に制限することにより、大入熱溶接熱影響部における島状マルテンサイトの生成が体積分率で1%以下に抑制され、大入熱溶接熱影響部靭性の向上に大いに寄与する。
Mn:1.00〜2.00%
Mnは、母材の強度を確保するために、1.00%以上は必要であり、2.00%を超えると溶接部の靭性を劣化させる。好ましくは、1.00%〜1.60%の範囲である。
P:0.030%以下
Pは、不可避的に混入する不純物であり、0.030%を超えると、母材および溶接部の靭性を低下させるため、上限を0.030%とする。
S:0.0005〜0.0040%
Sは、所要のCaSあるいはMnSを生成するために0.0005%以上必要であり、0.0040%を超えると母材の靱性を劣化させる。
Al:0.005〜0.100%
Alは、鋼の脱酸上0.005%以上、好ましくは0.010%以上必要であり、0.100%を超えて含有すると母材の靱性を低下させると同時に溶接金属の靱性を劣化させる。
Ti:0.004〜0.030%
Tiは、凝固時にTiNとなって析出し、溶接熱影響部でのオーステナイトの粗大化抑制やフェライト変態核となって高靱性化に寄与する。0.004%に満たないとその効果が少なく、0.030%を超えるとTiN粒子の粗大化によって期待する効果が得られなくなる。
N:0.0035〜0.0075%
Nは、TiNの必要量を確保するうえで必要な元素であり、0.0035%未満では十分なTiN量が得られず、0.0075%を超えると溶接熱サイクルによってTiNが溶解する領域での固溶N量の増加によって靱性が著しく低下する。
Ca:0.0005〜0.0030%
Caは、Sの固定による靭性改善効果を有する元素である。このような効果を発揮させるには少なくとも0.0005%以上含有することが好ましいが、0.0030%を超えて含有しても効果が飽和する。このため、本発明では、0.0005%から0.0030%の範囲に限定する。
O:0.0040%以下
Oは、凝固時に酸化物となって析出する。0.0040%を超えて含有すると、母材および溶接熱影響部の靭性が低下する。
0<(Ca−(0.18+130×Ca)×O)/1.25/S≦0.8・・・(1)
ただし、Ca、O、Sは各成分の含有量を(mass%)を表す。
Ca、OおよびSは、0<(Ca−(0.18+130×Ca)×O)/1.25/S≦0.8の関係を満足するように含有させる必要がある。この場合には、CaS上にMnSが析出した複合硫化物の形態となり、かつ、溶接熱影響部において微細分散するので、溶接熱影響部の靭性が向上する。Ca−(0.18+130×Ca)×O)/1.25/Sの値が0.8を超えると、SがほとんどCaによって固定され、フェライト生成核として働くMnSがCaS上に析出しないために溶接熱影響部の靭性を確保できない。Ca−(0.18+130×Ca)×O)/1.25/Sが0以下の場合には、CaSが晶出しないためにSはMnS単独の形態で析出し、溶接熱影響部での微細分散が達成されない。
以上が本発明の基本の鋼組成であり、残部Fe及び不可避的不純物である。これにより、本発明鋼は、溶接入熱量が300kJ/cmを超える大入熱溶接を施したときのボンド近傍の熱影響部組織において、島状マルテンサイト体積分率が1%以下となり、かかる大入熱溶接時の溶接熱影響部においても、優れた靭性を発揮する。
なお、鋼板の強度靱性、溶接熱影響部靭性をさらに改善する場合、B、V、Nb、Ni、Cu、Cr、Mo、W、Mg、Zr、REMの1種又は2種以上を含有してもよい。
B:0.0003〜0.0030%
Bは、溶接熱影響部でBNを生成して、固溶Nを低減するとともにフェライト生成核として作用する元素である。このような効果は0.0003%以上の含有で発揮されるがが、0.0.0030%を超えて添加すると焼入れ性が過度に増して靱性が劣化する。よって、Bを含有させる場合には、0.0003〜0.0030%とすることが好ましい。
V:0.20%以下
Vは、母材の強度・靱性の向上およびVNとしてのフェライト生成核として働くが、0.20%を超えるとかえって靱性の低下を招く。よって、Vを含有させる場合は、0.20%以下とすることが好ましい。
Nb:0.030%以下
Nbは、母材の強度・靱性および継手の強度を確保するのに有効な元素であるが0.030%を超えて含有すると溶接熱影響部に島状マルテンサイトを形成することにより靱性が劣化する。よって、Nbを含有させる場合は、0.030%以下とすることが好ましい。
Ni:1.00%以下
Niは、母材の高靭性を保ちつつ強度を上昇させるが、1.00%を超えても効果が飽和する。よって、Niを含有させる場合は、1.00%以下とすることが好ましい。
Cu:1.00%以下
Cuは、Niと同様の働きを有しているが、1.00%を超えると熱間脆性を生じ、鋼板の表面性状を劣化させる。よって、Cuを含有させる場合は、1.00%以下とすることが好ましい。
Cr:0.70%以下
Crは、母材の高強度化に有効な元素であるが、多量に添加すると靱性に悪影響を与える。よって、Crを含有させる場合は、0.70%以下とすることが好ましい。
Mo:0.70%以下
Moは、母材の高強度化に有効な元素であるが、多量に添加すると靱性に悪影響を与える。よって、Moを含有させる場合は、0.70%以下とすることが好ましい。
W:0.05〜0.40%
Wは、母材の高強度化に有効な元素であり、この効果は0.05%以上含有することにより発揮されるが、過剰に添加すると靱性に悪影響を与えることがある。よって、Wを含有させる場合は、0.05〜0.40%とすることが好ましい。
Mg:0.0005〜0.0050%
Mgは、酸化物の分散による靱性改善効果を有する元素である。このような効果を発揮させるには0.0005以上含有することが好ましいが、0.0050%を超えて含有しても効果が飽和する。よって、Mgを含有させる場合は、0.0005〜0.0050%とすることが好ましい。
Zr:0.001〜0.020%
Zrは、酸化物の分散による靱性改善効果を有する元素である。このような効果を発揮させるには0.001%以上含有することが好ましいが、0.020%を超えて含有しても効果が飽和する。よって、Zrを含有させる場合は、0.001〜0.020%とすることが好ましい。
REM:0.001〜0.020%
REMは、酸化物の分散による靱性改善効果を有する元素である。このような効果を発揮させるには0.001%以上含有することが好ましいが、0.020%を超えて含有しても効果が飽和する。よって、REMを含有させる場合は、0.001〜0.020%とすることが好ましい。
[ミクロ組織]
引張強さ490MPa以上の高強度化を図るために、金属組織(ミクロ組織と言う場合がある)は、実質的にフェライトとベイナイトとの混合組織とする。実質的にフェライトとベイナイトとの混合組織とは、フェライトとベイナイトとの合計の体積分率が95%以上であり、残部として、マルテンサイトやパーライト、島状マルテンサイト、残留オーステナイト等から選ばれる1種または2種以上の合計の体積分率が5%以下である組織である。
金属組織中にフェライトとベイナイト組織の他に、マルテンサイト、パーライト、島状マルテンサイト、および残留オーステナイトの1種または2種以上を体積分率で5%を超えで含有すると、強度低下や靭性劣化、表層硬さ上昇が起こるため、これらの組織の体積分率を5%以下とする。但し、表層部において、マルテンサイトや島状マルテンサイト(MA)等の硬質相が生成すると、表層硬さが上昇し、後述する鋼板内の硬さのばらつきが増大するため、表層部はフェライトとベイナイト組織のみの混合組織とすることが望ましい。
金属組織の観察方法は実施例で述べる。
[硬さのばらつき]
板厚方向の硬さのばらつきをビッカース硬さ(荷重10kg、以下、同じ)でΔHV50以下、板幅方向の硬さのばらつきをビッカース硬さでΔHV50以下とする。
鋼板の強度や伸び、成形性などの観点から、鋼板内の硬さのばらつきを抑制することが要求される。板厚方向の硬さのばらつきがビッカース硬さでΔHV50を超えた場合や、板幅方向の硬さのばらつきがビッカース硬さでΔHV50を超えた場合は、上記特性に悪影響を及ぼす。
例えば、鋼板表層部の硬さが鋼板内部に比べてΔHV50を超えて硬くなった場合は、成形後にスプリングバックが起こりやすくなる。また、鋼板幅方向の硬度分布がΔHV50を超えた場合は、成形時に硬い部分と柔らかい部分で変形の仕方に差が生じて思ったような形状にならなかったり、小板に切断した場合にそれぞれの小板で強度や伸びが異なったりする。なお、硬さの測定方法は、実施例において詳述するが、ばらつきとは、測定結果における最大値と最小値の差である。
[溶接熱影響部の組織]
溶接入熱量が300kJ/cmを超える大入熱溶接を施したときのボンド近傍(溶接ボンド部と言う場合がある)の溶接熱影響部の組織において、島状マルテンサイト(MAと言う場合がある)の体積分率が1%を超えると靭性が著しく低下するようになるので1%以下とする。溶接ボンド部の組織観察方法は実施例で述べる。
本発明に係る高強度高靱性鋼板は、冷却工程を2段階に分けて、1段目の冷却(一次冷却とも言う)で鋼板全体の高強度化を図りつつ、鋼板表層部における硬化を抑制したミクロ組織を造り込み、2段目の冷却(2次冷却とも言う)において専ら鋼板を高強度化高靭性化することで製造可能である。
[スラブ加熱温度]
スラブ加熱温度は、900℃以上1300℃以下とする。加熱温度が900℃未満ではミクロ組織の均質化が不十分で必要な強度、靱性が得られず、1300℃を超えると靭性が劣化するため、900℃以上1300℃以下とする。なお、ここでの温度は加熱炉の炉内温度であり、スラブはこの温度に中心部まで十分に加熱されるものとする。
[圧延終了温度]
加熱されたスラブを熱間圧延する。圧延終了温度は、鋼板の表面温度で700℃以上900℃以下とする。700℃未満では冷却開始温度が低下して十分な強度を得ることができなくなり、900℃を超えるとミクロ組織が粗大化し靱性が劣化するため、700℃以上900℃以下とする。なお、鋼板の表面温度は放射温度計等で測定することができる。
[1段目の冷却条件]
冷却開始温度は鋼板の表面温度で700℃以上とする。700℃未満では十分な強度が得られなくなるため、700℃以上とする。
冷却速度は鋼板表面で20℃/s以上100℃/s以下とする。高強度化を図りつつ、鋼板内の硬さのばらつきを低減し、材質均一性を向上させるためには、冷却速度を制御することが重要である。鋼板表面の冷却速度が20℃/s未満では鋼板全体で十分な高強度化が得られず、100℃/sを超えると鋼板表層部でマルテンサイトや島状マルテンサイト(MA)等の硬質相が生成して、表層硬さが著しく上昇するため、鋼板の表面での冷却速度を20℃/s以上100℃/s以下とする。
冷却停止温度は、鋼板の表面温度で400℃以上600℃以下とする。700℃以上の温度域から、鋼板表面温度で400℃以上600℃以下の温度域まで鋼板表面温度で20℃/s以上100℃/s以下の速度で冷却することにより、鋼板表層部にフェライトとベイナイト相を生成させる。
冷却停止温度を400℃未満とすると、2段目の冷却の開始が遅れて冷却の効果が不十分となり、高強度高靭性化が達成できない。
一方、冷却停止温度が600℃を超えるとフェライトとベイナイトの生成が十分ではなく、その状態で2段目の冷却を開始すると表層部にマルテンサイトや島状マルテンサイト(MA)が生成してしまうため、1段目の冷却停止温度は鋼板の表面温度で400℃以上600℃以下とする。
更に、1段目の冷却は以下の(2)式を満たすように行う。
3≦(700−T)/V ・・・(2)式
但し、Tは1段目冷却の鋼板表面での冷却終了温度(℃)、Vは1段目冷却の鋼板表面での冷却速度(℃/s)
(2)式は、1段目冷却の冷却時間として3秒以上の継続を必要とすることを示す。表層の組織が硬質とならないように、フェライトやベイナイト相が十分に生成するためには、3秒以上の時間を要するためである。
(2)式が満たされない場合は、鋼板表層部にマルテンサイトや島状マルテンサイト(MA)が生成し、表層部の硬さ上昇が著しくなり、硬さのばらつきが大きくなる。
[2段目の冷却条件]
冷却速度は鋼板平均で4℃/s以上とする。4℃/s未満であると強度上昇効果が十分得られなくなるため、4℃/s以上とする。鋼板平均としての温度および冷却速度については、物理的に直接測定することはできないが、表面の温度変化を基にしたシミュレーション計算によりリアルタイムで求めることができる。
冷却停止温度は、鋼板の平均温度で400℃以下とする。合金元素を削減し合理化した鋼組成の鋼においては、400℃を超える温度で冷却を停止すると十分な高強度化が得られないため、冷却停止温度は400℃以下とする。
以上の製造方法で、鋼板内の材質均一性に優れた高強度鋼板の製造が可能であるが、さらに材質均一性を向上させる場合、1段目の冷却の直前に高衝突圧のデスケーリングを行うことが望ましい。
圧延後の鋼板においては、スケール厚みが大きい場合、圧延前および圧延中のデスケーリング等によりスケールの厚みにムラが生じたり、部分的にスケールの剥離が生じて、鋼板表面の冷却速度が部分的に変化して、材質均一性が損なわれるようになる。
しかし、二次冷却後の鋼板のスケール厚みが15μm以下となるように、1段目の冷却の直前にデスケーリングを行うと、スケールの厚みにムラが生じても冷却速度に大きな差が生じないようになり、板幅方向の硬さのばらつきをΔHV30以下に安定させることができる。制御冷却直前すなわち、本発明においては1段目の冷却の直前の鋼板のスケール厚みを測ることは事実上困難であるが、制御冷却前のスケール厚みは制御冷却後(本発明においては2段目の冷却後)のスケール厚みによって推定することができ、制御冷却後の鋼板のスケール厚みが15μm以下となるように冷却直前にデスケーリングを行うことによって、所望の効果が得られることが解明された。
デスケーリングを行う場合は、2段目の冷却後のスケール厚みを15μm以下とするため、鋼板表面での噴射流の衝突圧を1MPa以上として行い、その後5秒以内に1段目の冷却を行うことが望ましい。鋼板表面での噴射流の衝突圧が1MPa未満では、デスケーリングが不十分でスケールむらが生じる場合があるため、噴射流の衝突圧は1MPa以上とする。デスケーリングは高圧水を用いて行うが、鋼板表面での噴射流の衝突圧が1MPa以上であれば、他の噴射流を用いても構わない。
そして、デスケーリング後、5秒を超えてから1段目の冷却を行うと、スケールが成長して2段目の冷却後のスケール厚さが15μmを超えるようになるので、デスケーリング後、5秒以内に1段目の冷却を開始することが好ましい。
150kgの高周波溶解炉にて、表1に示す組成の鋼を溶製し、厚さ170mmまで粗圧延後、表2に示す条件にて圧延・冷却し、板厚60mmの厚鋼板を製造した。得られた鋼板の金属組織およびスケール性状を、光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡により観察した。
金属組織観察は板厚tの1/4部から10視野の断面組織写真(倍率:400〜500倍)を得て、画像解析装置を用いて相分率(体積分率)を測定した。また、鋼板表面を含む断面組織写真からスケール厚さを測定し、10視野の平均値で評価した。なお、2段目の冷却が完了した後にはスケールが成長しないので、上記で観察されるスケール厚さが2段目冷却直後のスケール厚さであるとみなしてかまわない。
機械的特性は、板厚tの1/4部圧延直角方向から平行部14φ×85mm、標点間距離70mmの丸棒引張試験片を採取して引張試験を実施し、母材の強度を評価した。また、板厚tの1/4部圧延方向を長手方向として2mmVノッチシャルピー試験片を採取し、試験温度−40℃での吸収エネルギーvE(−40℃)(3本平均値)を測定し、母材の靭性として評価した。
また、ビッカース硬度計で板厚方向の硬さと板幅方向の硬さを測定した。なお、板幅方向の硬さは、表面下1mm位置、板厚tの1/4位置、板厚tの1/2位置(板厚中心部)で測定したところ、いずれの鋼板も表面下1mm位置において硬さのばらつきが最大を示したので、板幅方向の硬さのばらつきは表面下1mm位置で評価した。
さらに、大入熱溶接(約400kJ/cm)のエレクトロガス溶接(EGW)によって継手を作製した後、板厚方向の表面1mm位置(表面から鋼板内部に1mm位置)と裏面1mm位置(裏面から鋼板内部に1mm位置)について溶接熱影響部のボンド部にノッチを入れたシャルピー試験片を用いて、試験温度−40℃での吸収エネルギー(vE−40℃)(3本平均値)により評価した。溶接熱影響部における島状マルテンサイトの体積分率は、2段エッチング法により島状マルテンサイトを現出したのち、SEM(走査型電子顕微鏡)による倍率:1000〜2000倍の写真5枚をトレースしたうえ、それぞれ画像解析を行い、その平均値を算出することにより求めた。
表3から、本発明例No.1〜8ではいずれも降伏応力が355N/mm以上、引張強さが490N/mm以上、vE−40℃が100J以上、スケール厚さは30μm以下、鋼板のミクロ組織は実質的にフェライトとベイナイト組織で、板厚方向の硬さのばらつきはΔHV50以下、板幅方向の硬さのばらつきはΔHV50以下となっており、鋼板内の材質均一性、母材の強度・靭性に優れることが確認された。
また、本発明鋼は、溶接熱影響部(切欠き位置:ボンド部)の吸収エネルギーvE−40℃が50J以上であり、溶接熱影響部靭性にも優れている。特に、本発明例No.5は1段目の冷却前にデスケーリングを噴射流の衝突圧を2MPa、デスケーリング後、4秒で1段目の冷却を行ったので、スケール厚さが4μmで、板厚方向、板幅方向の硬さのばらつきが小さく、材質均一性に特に優れている。
一方、製造条件の少なくとも1つまたは鋼組成が本発明範囲外の比較例であるNo.9〜25は、上記のいずれか1つ以上の特性が本発明例に対して劣っている。No.9〜15は製造条件の少なくとも1つが本発明範囲外、No.16〜25は鋼組成が本発明範囲外の比較例である。
Figure 2013194316
Figure 2013194316
Figure 2013194316

Claims (6)

  1. 鋼組成が、mass%で、
    C:0.030〜0.150%、
    Si:0.10%以下、
    Mn:1.00〜2.00%、
    P:0.030%以下、
    S:0.0005〜0.0040%、
    Al:0.005〜0.100%、
    Ti:0.004〜0.030%、
    N:0.0035〜0.0075%、
    Ca:0.0005〜0.0030%、
    O:0.0040%以下、
    Ca、O、Sの各含有量が、下記(1)式を満たし、残部Feおよび不可避的不純物であり、金属組織が実質的にフェライトとベイナイト組織であり、板厚方向の硬さのばらつきがビッカース硬さでΔHV50以下、板幅方向の硬さのばらつきがビッカース硬さでΔHV50以下であり、かつ溶接入熱量が300kJ/cmを超える大入熱溶接を施したときのボンド近傍の熱影響部組織において、島状マルテンサイト体積分率が1%以下であることを特徴とする、鋼板内の材質均一性に優れた大入熱溶接用高強度鋼板。
    0<(Ca−(0.18+130×Ca)×O)/1.25/S≦0.8・・・(1)
    ただし、Ca、O、Sは各成分の含有量(mass%)とする。
  2. 鋼組成が、更に、mass%で、B:0.0003〜0.0030、V:0.20%以下のうちから選んだ1種または2種を含有することを特徴とする、請求項1に記載の鋼板内の材質均一性に優れた大入熱溶接用高強度鋼板。
  3. 鋼組成が、更に、mass%で、Nb:0.030%以下、Ni:1.00%以下、Cu:1.00%以下、Cr:0.70%以下、Mo:0.70%以下、W:0.05〜0.40%のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の鋼板内の材質均一性に優れた大入熱溶接用高強度鋼板。
  4. 鋼組成が、更に、mass%で、Mg:0.0005〜0.0050%、Zr:0.001〜0.020%、REM:0.001〜0.020%のうちから選んだ1種または2種以上を含有する請求項1乃至3のいずれか一つに記載の鋼板内の材質均一性に優れた大入熱溶接用高強度鋼板。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一つに記載の鋼組成を有する鋼を、900℃以上1300℃以下の温度に加熱し、圧延終了温度が鋼板表面温度で700℃以上900℃以下で熱間圧延した後、鋼板表面の温度が700℃以上から鋼板表面での冷却速度が20℃/s以上100℃/s以下で鋼板表面温度が400℃以上600℃以下まで(2)式を満たす条件で1段目の冷却を行い、その後鋼板平均での冷却速度が4℃/s以上で400℃以下まで2段目の冷却を行うことを特徴とする、鋼板内の材質均一性に優れた大入熱溶接用高強度鋼板の製造方法。
    3≦(700−T)/V・・・(2)
    T:1段目冷却の鋼板表面冷却停止温度(℃)、V:1段目冷却の鋼板表面での冷却速度(℃/s)
  6. 熱間圧延後、1段目の冷却を行う前に、鋼板表面での噴射流の衝突圧が1MPa以上でデスケーリングを行い、その後5秒以内に前記1段目の冷却を行うことを特徴とする、請求項5記載の鋼板内の材質均一性に優れた大入熱溶接用高強度鋼板の製造方法。
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