JP2013193661A - ハイブリッド自動車 - Google Patents

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Abstract

【課題】バッテリの蓄電割合が低いときにバッテリを充電できなくなるのを回避する
【解決手段】超過条件フラグFが値1になった以降(S160〜S180)、エンジンの回転数Neから目標回転数Ne*を減じて得られる差分回転数ΔNeに応じて補正値αを設定し(S190〜S250)、設定した補正値αを仮要求パワーPetmpに加えて補正後要求パワーPeadを設定し(S260)、設定した補正後要求パワーPeadを下限パワーPeminで制限して補正後要求パワーPeadを再設定してこれを要求パワーPe*としてエンジンを制御する(S290,S330)。
【選択図】図3

Description

本発明は、ハイブリッド自動車に関し、詳しくは、エンジンと、第1モータと、車軸に連結された駆動軸とエンジンの出力軸と第1モータの回転軸とに3つの回転要素が共線図上で駆動軸,出力軸,回転軸の順に並ぶよう接続されたプラネタリギヤと、駆動軸に動力を入出力可能な第2モータと、第1モータおよび第2モータと電力のやりとりが可能なバッテリと、を備えるハイブリッド自動車に関する。
従来、この種のハイブリッド自動車としては、エンジンと、第1モータと、車軸に連結された駆動軸とエンジンの出力軸と第1モータの回転軸とにリングギヤとキャリアとサンギヤとが接続された動力分配統合機構と、駆動軸に回転軸が接続された第2モータと、第1モータや第2モータと電力をやりとりするバッテリとを備え、エンジンから出力すべき要求パワーに応じた目標回転数でエンジンが回転するよう設定した第1モータの仮トルクが第1モータに課されたトルク制限外のときには、第1モータの仮トルクとトルク制限との差分に基づいて要求パワーを制限してこの制限後のパワーがエンジンから出力されるようエンジンを制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド自動車では、こうした制御により、第1モータのトルクがトルク制限によって制限を受けるときでも、第1モータの過回転を抑止できるようにしている。
特開2011−235694号公報
上述のハイブリッド自動車では、要求パワーを制限する程度によっては、エンジンの運転状態が負荷運転から無負荷運転(自立運転)に移行してしまい、バッテリの蓄電割合が比較的低いにも拘わらずバッテリを充電できない場合が生じる。
本発明のハイブリッド自動車は、バッテリの蓄電割合が低いときにバッテリを充電できなくなるのを回避することを主目的とする。
本発明のハイブリッド自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド自動車は、
エンジンと、第1モータと、車軸に連結された駆動軸と前記エンジンの出力軸と前記第1モータの回転軸とに3つの回転要素が共線図上で前記駆動軸,前記出力軸,前記回転軸の順に並ぶよう接続されたプラネタリギヤと、前記駆動軸に動力を入出力可能な第2モータと、前記第1モータおよび前記第2モータと電力のやりとりが可能なバッテリと、アクセル操作に応じて前記エンジンの基本要求パワーを設定し、該基本要求パワーに応じたエンジン目標回転数で前記エンジンが回転するよう第1モータ目標トルクを設定し、前記第1モータについては、前記第1モータ目標トルクをトルク制限で制限して得られるトルクが前記第1モータから出力されるよう制御し、前記エンジンについては、前記基本要求パワーを前記エンジンの要求パワーとして該要求パワーが負荷運転用の下限パワー以上のときには該要求パワーが前記エンジンから出力されるよう制御し、該要求パワーが該下限パワー未満のときには前記エンジンが自立運転されるよう制御する制御手段と、を備えるハイブリッド自動車において、
前記制御手段は、前記第1モータ目標トルクが前記トルク制限を超過する超過条件が成立した以降、エンジン回転数が前記エンジン目標回転数より大きいほど前記基本要求パワーより小さくなる傾向に補正後要求パワーを設定し、該補正後要求パワーを前記下限パワーで制限して得られるパワーを前記要求パワーとする手段である、
ことを要旨とする。
この本発明のハイブリッド自動車では、基本的には、アクセル操作に応じてエンジンの基本要求パワーを設定し、基本要求パワーに応じたエンジン目標回転数でエンジンが回転するよう第1モータ目標トルクを設定し、第1モータについては、第1モータ目標トルクをトルク制限で制限して得られるトルクが第1モータから出力されるよう制御し、エンジンについては、基本要求パワーをエンジンの要求パワーとして要求パワーが負荷運転用の下限パワー以上のときには要求パワーがエンジンから出力されるよう制御し、要求パワーが下限パワー未満のときにはエンジンが自立運転されるよう制御する。そして、第1モータ目標トルクがトルク制限を超過する超過条件が成立した以降は、エンジン回転数がエンジン目標回転数より大きいほど基本要求パワーより小さくなる傾向に補正後要求パワーを設定し、補正後要求パワーを下限パワーで制限して得られるパワーを要求パワーとする。これにより、超過条件が成立した以降に、エンジン回転数がエンジン目標回転数に比して大きく吹き上がったり第1モータによる発電電力が大きくなり過ぎたり(バッテリに過大な電力が入力されたり)するのを抑制することができると共に、エンジンの運転状態が負荷運転から無負荷運転(自立運転)に移行するのを回避してバッテリの蓄電割合が比較的低いときにバッテリを充電できなくなるのを回避することができる。
こうした本発明のハイブリッド自動車において、前記制御手段は、前記超過条件が成立した以降に、前記エンジン目標回転数が所定回転数以上のとき及びバッテリ電圧が所定電圧以上のときには、前記補正後要求パワーを前記要求パワーとする手段である、ものとすることもできる。こうすれば、エンジンの運転状態が負荷運転から無負荷運転(自立運転)に移行するのを許容することにより、エンジン回転数が所定回転数を大きく超過したりバッテリ電圧が所定電圧を大きく超過したりするのを抑制することができる。ここで、「所定回転数」は、運転者にエンジンの吹き上がり感を与えないと想定されるエンジンの回転数範囲の上限より第1マージンだけ低い回転数である、ものとすることもできる。また、「所定電圧」は、バッテリの許容上限電圧より第2マージンだけ低い電圧である、ものとすることもできる。
また、本発明のハイブリッド自動車において、前記制御手段は、前記超過条件が成立した以降、前記エンジン目標回転数から前記エンジン回転数を減じて得られる差分回転数が値0未満の第1状態のときには該差分回転数が値0となるよう比例項と積分項とを用いたフィードバック制御によって負の補正値を設定し、前記差分回転数が値0以上で前記第1モータ目標トルクが前記トルク制限を超過する第2状態のときには前記補正値を保持し、前記差分回転数が値0以上で前記第1モータ目標トルクが前記トルク制限を超過しない第3状態のときには該第3状態の継続に従って徐々に大きくなるよう前記補正値を設定し、前記補正値を前記基本要求パワーに加えて前記補正後要求パワーを演算する手段である、ものとすることもできる。
さらに、本発明のハイブリッド自動車において、前記制御手段は、前記超過条件が成立した以降、前記エンジン回転数と前記エンジン目標回転数との差分が打ち消されるよう補正値を設定し、前記補正値を前記基本要求パワーに加えて前記補正後要求パワーを演算する手段である、ものとすることもできる。
加えて、本発明のハイブリッド自動車において、前記制御手段は、前記超過条件が成立して前記エンジン回転数が前記エンジン目標回転数より大きくなってから前記補正後要求パワーが前記基本要求パワー以上に至るまで、該補正後要求パワーを前記下限パワーで制限して得られるパワーを前記要求パワーとする手段である、ものとすることもできる。
また、本発明のハイブリッド自動車において、前記トルク制限は、前記第1モータから出力されて前記プラネタリギヤを介して前記駆動軸に作用するトルクと前記第2モータから前記駆動軸に出力されるトルクとの和が前記駆動軸の要求トルクとなる関係と、前記第1モータによって入出力される電力と前記第2モータによって入出力される電力との和が前記バッテリの入力制限となる関係と、を共に満たすよう設定される制限である、ものとすることもできる。
本発明の参考例のハイブリッド自動車は、
エンジンと、第1モータと、車軸に連結された駆動軸と前記エンジンの出力軸と前記第1モータの回転軸とに3つの回転要素が共線図上で前記駆動軸,前記出力軸,前記回転軸の順に並ぶよう接続されたプラネタリギヤと、前記駆動軸に動力を入出力可能な第2モータと、前記第1モータおよび前記第2モータと電力のやりとりが可能なバッテリと、アクセル操作に応じて前記エンジンの基本要求パワーを設定し、該基本要求パワーに応じたエンジン目標回転数で前記エンジンが回転するよう第1モータ目標トルクを設定し、前記第1モータについては、前記第1モータ目標トルクをトルク制限で制限して得られるトルクが前記第1モータから出力されるよう制御し、前記エンジンについては、前記基本要求パワーを前記エンジンの要求パワーとして該要求パワーが負荷運転用の下限パワー以上のときには該要求パワーが前記エンジンから出力されるよう制御し、該要求パワーが該下限パワー未満のときには前記エンジンが自立運転されるよう制御する制御手段と、を備えるハイブリッド自動車において、
前記制御手段は、前記第1モータ目標トルクが前記トルク制限を超過する超過条件が成立した以降、前記エンジン目標回転数からエンジン回転数を減じて得られる差分回転数が値0未満の第1状態のときには前記差分回転数が値0となるようにするための比例項と前記エンジン回転数と前記エンジン目標回転数に回転数マージンを加えた値との差分が打ち消されるようにするための積分項とを用いたフィードバック制御によって補正値を設定し、前記差分回転数が値0以上で前記第1モータ目標トルクが前記トルク制限を超過する第2状態のときには前記補正値を保持し、前記差分回転数が値0以上で前記第1モータ目標トルクが前記トルク制限を超過しない第3状態のときには該第3状態の継続に従って徐々に大きくなるよう前記補正値を設定し、該補正値を前記基本要求パワーに加えた値を前記要求パワーとする手段である、
ハイブリッド自動車。
この本発明の参考例のハイブリッド自動車では、基本的には、アクセル操作に応じてエンジンの基本要求パワーを設定し、基本要求パワーに応じたエンジン目標回転数でエンジンが回転するよう第1モータ目標トルクを設定し、第1モータについては、第1モータ目標トルクをトルク制限で制限して得られるトルクが第1モータから出力されるよう制御し、エンジンについては、基本要求パワーをエンジンの要求パワーとして要求パワーが負荷運転用の下限パワー以上のときには要求パワーエンジンから出力されるよう制御し、要求パワーが下限パワー未満のときにはエンジンが自立運転されるよう制御する。そして、第1モータ目標トルクがトルク制限を超過する超過条件が成立した以降は、エンジン目標回転数からエンジン回転数を減じて得られる差分回転数が値0未満の第1状態のときには差分回転数が値0となるようにするための比例項とエンジン回転数とエンジン目標回転数に回転数マージンを加えた値との差分が打ち消されるようにするための積分項とを用いたフィードバック制御によって補正値を設定し、差分回転数が値0以上で第1モータ目標トルクがトルク制限を超過する第2状態のときには補正値を保持し、差分回転数が値0以上で第1モータ目標トルクがトルク制限を超過しない第3状態のときには第3状態の継続に従って徐々に大きくなるよう補正値を設定し、補正値を基本要求パワーに加えた値を要求パワーとする。これにより、超過条件が成立した以降に、エンジン回転数がエンジン目標回転数に比して大きく吹き上がったり第1モータによる発電電力が大きくなり過ぎたり(バッテリに過大な電力が入力されたり)するのを抑制することができる。また、超過条件が成立した以降で第1状態のときに、差分回転数が値0となるよう比例項と積分項とを用いたフィードバック制御によって補正値を設定するものに比して、補正値を大きくする(負側に小さくする)ことができるから、要求パワーが下限パワー未満になりにくくなるようにすることができ、エンジンの運転状態が負荷運転から無負荷運転(自立運転)に移行するのを抑制することができ、バッテリの蓄電割合が比較的低いときにバッテリを充電できなくなるのを抑制することができる。
こうした本発明の参考例のハイブリッド自動車において、前記制御手段は、前記バッテリの蓄電割合が低いほど大きくなる傾向に前記回転数マージンを設定する手段である、ものとすることもできる。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 実施例のHVECU70により実行される駆動制御ルーチンの前半部分の一例を示すフローチャートである。 実施例のHVECU70により実行される駆動制御ルーチンの後半部分の一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 充放電要求パワー設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*を設定する様子とを示す説明図である。 エンジン22からパワーを出力しながら走行しているときのプラネタリギヤ30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 モータMG1のトルク制限Tm1min,Tm1maxの一例を示す説明図である。 変形例の駆動制御ルーチンの後半部分の一例を示すフローチャートである。 変形例の駆動制御ルーチンの後半部分の一例を示すフローチャートである。 マージン設定用マップの一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力するエンジン22と、エンジン22を駆動制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24と、エンジン22のクランクシャフト26にキャリアが接続されると共に駆動輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36にリングギヤが接続されたプラネタリギヤ30と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されたモータMG1と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子が駆動軸36に接続されたモータMG2と、モータMG1,MG2を駆動するためのインバータ41,42と、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子をスイッチング制御することによってモータMG1,MG2を駆動制御するモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40と、例えばリチウムイオン二次電池として構成されてインバータ41,42を介してモータMG1,MG2と電力をやりとりするバッテリ50と、バッテリ50を管理するバッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52と、車両全体を制御するハイブリッド用電子制御ユニット(以下、HVECUという)70と、を備える。
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号、例えば、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサからのクランクポジションθcrやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサからの冷却水温Tw,燃焼室内に取り付けられた圧力センサからの筒内圧力Pin,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブや排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサからのカムポジションθca,スロットルバルブのポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサからのスロットルポジションTP,吸気管に取り付けられたエアフローメータからの吸入空気量Qa,同じく吸気管に取り付けられた温度センサからの吸気温Ta,排気系に取り付けられた空燃比センサからの空燃比AF,同じく排気系に取り付けられた酸素センサからの酸素信号O2などが入力ポートを介して入力されており、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁への駆動信号やスロットルバルブのポジションを調節するスロットルモータへの駆動信号,イグナイタと一体化されたイグニッションコイルへの制御信号,吸気バルブの開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、エンジンECU24は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、エンジンECU24は、クランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力ポートを介して入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、モータECU40は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転角速度ωm1,ωm2や回転数Nm1,Nm2も演算している。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51aからの端子間電圧Vbやバッテリ50の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた電流センサ51bからの充放電電流Ib,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51cからの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりHVECU70に送信する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために、電流センサ51bにより検出された充放電電流Ibの積算値に基づいてそのときのバッテリ50から放電可能な電力の容量の全容量に対する割合である蓄電割合SOCを演算したり、演算した蓄電割合SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算したりしている。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCに基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号やシフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。HVECU70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。なお、シフトポジションSPとしては、駐車ポジションやニュートラルポジション,前進走行用のドライブポジション,後進走行用のリバースポジションなどがある。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を計算し、この要求トルクTr*に対応する要求動力が駆動軸36に出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2との運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてがプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されて駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや、要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部がプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード,エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力を駆動軸36に出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。なお、トルク変換運転モードと充放電運転モードとは、いずれもエンジン22の運転を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようエンジン22とモータMG1とモータMG2とを制御するモードであり、実質的な制御における差異はないため、以下、両者を合わせてエンジン運転モードという。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作について説明する。図2および図3は、実施例のHVECU70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、HVECU70は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,エンジン22の回転数Ne,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の端子間電圧Vbや蓄電割合SOC,入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、エンジン22の回転数Neは、図示しないクランクポジションセンサにより検出されたクランクポジションθcrに基づいて演算されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2のロータの回転位置θm1,θm2に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。バッテリ50の端子間電圧Vbは、電圧センサ51aにより検出されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。バッテリ50の蓄電割合SOCは、電流センサ51bにより検出された充放電電流Ibの積算値に基づいて演算されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の蓄電割合SOCとに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を設定し(ステップS110)、設定した要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nrを乗じて走行に要求される走行用パワーPdrv*を計算する(ステップS112)。ここで、要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとして図示しないROMに記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。要求トルク設定用マップの一例を図4に示す。また、駆動軸36の回転数Nrは、モータMG2の回転数Nm2や車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数などを用いることができる。
続いて、バッテリ50の蓄電割合SOCに基づいてバッテリ50の充放電要求パワーPb*を設定する(ステップ114)。ここで、充放電要求パワーPb*は、実施例では、バッテリ50の蓄電割合SOCと充放電要求パワーPb*との関係を予め定めて充放電要求パワー設定用マップとして図示しないROMに記憶しておき、蓄電割合SOCが与えられると記憶したマップから対応する充放電要求パワーPb*を導出して設定するものとした。充放電要求パワー設定用マップの一例を図5に示す。図示するように、バッテリ50の蓄電割合SOCが目標割合SOC*(例えば、55%や60%,65%など)のときには値0が充放電要求パワーPb*に設定される。そして、蓄電割合SOCが目標割合SOC*より大きいときには、蓄電割合SOCが目標割合SOC*より大きな割合Shiに至るまでは蓄電割合SOCが大きいほど正の所定電力Pdis(例えば、+2kWや+3kW,+5kWなど)に向けて大きくなる傾向の値が充放電要求パワーPb*に設定されると共に蓄電割合SOCが割合Shiより大きいときには所定電力Pdisが充放電要求パワーPb*に設定される。一方、蓄電割合SOCが目標割合SOC*より小さいときには、蓄電割合SOCが目標割合SOC*より小さな割合Sloに至るまでは蓄電割合SOCが小さいほど負の所定電力Pch(例えば、−2kWや−3kW,−5kWなど)に向けて小さくなる傾向の値が充放電要求パワーPb*に設定されると共に蓄電割合SOCが割合Sloより小さいときには所定電力Pchが充放電要求パワーPb*に設定される。このように充放電要求パワーPb*を設定し、この充放電要求パワーPb*によってバッテリ50を充放電することによってバッテリ50の蓄電割合SOCを目標割合SOC*に近づけることができる。
そして、設定した充放電要求パワーPb*を走行用パワーPdrv*から減じて車両に要求されるパワー(エンジン22から出力すべきパワー)の仮の値としての仮要求パワーPetmpを計算し(ステップS116)、計算した仮要求パワーPetmpと、エンジン22を効率よく動作させるエンジン22の回転数とトルクとの関係としての動作ライン(例えば、燃費動作ライン)と、に基づいてエンジン22を運転すべき目標運転ポイントにおける回転数としての目標回転数Ne*を設定する(ステップS120)。図6は、エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*を設定する様子とを示す説明図である。エンジン22の目標回転数Ne*は、図示するように、エンジン22の動作ラインと仮要求パワーPetmpが一定の曲線との交点として求めることができる。
次に、設定したエンジン22の目標回転数Ne*とモータMG2の回転数Nm2とプラネタリギヤ30のギヤ比ρ(サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)とを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に仮要求パワーPetmpと目標回転数Ne*とプラネタリギヤ30のギヤ比ρとモータMG1の目標回転数Nm1*および回転数Nm1とを用いて式(2)によりモータMG1から出力すべきトルクの仮の値としての仮トルクTm1tmpを計算する(ステップS130)。ここで、式(1)は、プラネタリギヤ30の回転要素に対する力学的な関係式である。図7は、エンジン22からパワーを出力しながら走行しているときのプラネタリギヤ30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤの回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリアの回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2である駆動軸36の回転数Nrを示す。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されてプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルク(−Tm1/ρ)と、モータMG2から駆動軸36に出力されるトルクTm2とを示す。また、実施例では、図中上向き矢印を正のトルクとし、図中下向き矢印を負のトルクとして説明する。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。また、式(2)は、モータMG1の回転数Nm1が目標回転数Nm1*となるようにする(エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*となるようにする)ための回転数フィードバック制御の関係式であり、式(2)中、右辺第1項はフィードフォワード項であり、右辺第2項はフィードバックの比例項であり、右辺第3項はフィードバックの積分項である。右辺第1項は、エンジン22から出力されてクランクシャフト26,プラネタリギヤ30のキャリアを介してプラネタリギヤ30のサンギヤに作用するトルクを受け止めるためのトルクである。また、右辺第2項の「k1」(>0)は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」(>0)は積分項のゲインである。なお、エンジン22からパワーを出力しながら走行するときには、エンジン22からのパワーを用いてモータMG1によって発電を行なう(図7中、S軸の下向き矢印参照)ことから、通常、モータMG1の仮トルクTm1tmpは負のトルク(エンジン22の回転数Neを押さえ込む方向のトルク)となる。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/ρ (1)
Tm1tmp=-ρ・Petmp/((1+ρ)・Ne*)+k1・(Nm1*-Nm1)+k2・∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
続いて、次式(3)および式(4)を共に満たすモータMG1から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm1min,Tm1maxを設定し(ステップS140)、式(5)に示すように、設定した仮トルクTm1tmpをトルク制限Tm1min,Tm1maxで制限してモータMG1から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm1*を設定する(ステップS150)。ここで、式(3)は、モータMG1から出力されてプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルク(−Tm1*/ρ)とモータMG2から駆動軸36に出力されるトルクTm2との和が値0以上で要求トルクTr*以下の範囲内となる関係であり、式(4)は、モータMG1によって入出力される電力(Tm1*・Nm1)とモータMG2によって入出力される電力(Tm2*・Nm2)との和がバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内となる関係である。図8は、モータMG1のトルク制限Tm1min,Tm1maxの一例を示す説明図である。トルク制限Tm1min,Tm1maxは、図中斜線で示した領域におけるトルクTm1の最大値と最小値として求めることができる。なお、要求トルクTr*が正の値のときには、図8から分かるように、トルク(−Tm1*/ρ)とトルクTm2との和が要求トルクTr*となる関係と電力(Tm1*・Nm1)と電力(Tm2*・Nm2)との和がバッテリ50の入力制限Winとなる関係とを満たすモータMG1の駆動点をトルク制限Tm1minに設定し、トルク(−Tm1*/ρ)とトルクTm2との和が値0となる関係と電力(Tm1*・Nm1)と電力(Tm2*・Nm2)との和がバッテリ50の出力制限Woutとなる関係とを共に満たすモータMG1の駆動点をトルク制限Tm1maxに設定することになる。
0≦-Tm1/ρ+Tm2≦Tr* (3)
Win≦Tm1・Nm1+Tm2・Nm2≦Wout (4)
Tm1*=max(min(Tm1tmp,Tm1max),Tm1min) (5)
次に、初期値として値0が設定されると共にモータMG1の仮トルクTm1tmpがトルク制限Tm1minを超過する(トルク制限Tm1minより小さくなる)超過条件が成立したときに値1が設定される超過条件フラグFの値を調べ(ステップ160)、超過条件フラグFが値0のときには、モータMG1の仮トルクTm1tmpをトルク制限Tm1minと比較する(ステップS170)。ステップS160の処理は、超過条件の成立後であるか否かを判定する処理であり、ステップS170の処理は、超過条件が成立したか否かを判定する処理である。なお、超過条件が成立しやすいときとしては、エンジン22の吸気温Taが低いときや大気圧Paが大きいときなどのようにエンジン22に吸入される空気の密度(空気密度)が大きいためにエンジン22からの出力(パワーやトルク)が要求値に対して大きくなりやすいときや、バッテリ50が低温(例えば、−10℃以下や−15℃以下など)や高温(例えば、40℃以上や45℃以上など)でバッテリ50の入出力制限Win,Woutが比較的大きく制限されているとき(絶対値として比較的小さな値が設定されているとき)などが考えられる。
ステップS160で超過条件フラグFが値0であり、ステップS170でモータMG1の仮トルクTm1tmpがトルク制限Tm1min以上のとき(仮トルクTm1tmpがトルク制限Tm1minを超過しないとき)には、超過条件の成立後ではなく且つ超過条件は成立していないと判断し、仮要求パワーPetmpを要求パワーPe*に設定し(ステップS320)、要求パワーPe*をエンジン22の負荷運転用の下限パワーPemin(例えば、1kWや1.5kWなど)と比較し(ステップS340)、要求パワーPe*が下限パワーPemin未満のときには、要求パワーPe*に値0を設定し(ステップS350)、要求パワーPe*が下限パワーPemin以上のときには、ステップS350の処理を実行しない。
そして、次式(6)に示すように、モータMG1のトルク指令Tm1*をプラネタリギヤ30のギヤ比ρで除したものを要求トルクTr*に加えてモータMG2から出力すべきトルクの仮の値としての仮トルクTm2tmpを計算し(ステップS360)、式(7)および式(8)に示すように、バッテリ50の入出力制限Win,WoutとモータMG1のトルク指令Tm1*に回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との差分をモータMG2の回転数Nm2で除してモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを計算し(ステップS370)、式(9)に示すように、仮トルクTm2tmpをトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm2*を設定する(ステップS380)。ここで、式(6)は、図7の共線図から容易に導くことができる。
Tm2tmp=Tr*+Tm1*/ρ (6)
Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (7)
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (8)
Tm2*=max(min(Tm2tmp,Tm2max),Tm2min) (9)
こうして要求パワーPe*やエンジン22の目標回転数Ne*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、要求パワーPe*やエンジン22の目標回転数Ne*についてはエンジンECU24に送信し、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40に送信して(ステップS390)、本ルーチンを終了する。要求パワーPe*とエンジン22の目標回転数Ne*とを受信したエンジンECU24は、要求パワーPe*が下限パワーPemin以上のときには、要求パワーPe*をエンジン22の目標回転数Ne*で除してエンジン22の目標トルクTe*を計算し、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とからなる運転ポイント(目標運転ポイント)で運転されるようエンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などを行ない、要求パワーPe*が値0のときには、エンジン22が目標回転数Ne*で無負荷運転(自立運転)されるようエンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などを行なう。また、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
ステップS160で超過条件フラグFが値0であり、ステップS170でモータMG1の仮トルクTm1tmpがトルク制限Tm1minより小さいとき(仮トルクTm1tmpがトルク制限Tm1minを超過するとき)には、超過条件が成立したと判断し、超過条件フラグFに値1を設定する(ステップS180)。なお、モータMG1の仮トルクTm1tmpがトルク制限Tm1minより小さいときには、仮トルクTm1tmpより大きな(絶対値としては小さな)トルク制限Tm1minをモータMG1のトルク指令Tm1*に設定してモータMG1を制御することになる。そして、一般に、モータMG1はエンジン22に比して応答性が高い。したがって、超過条件が成立すると、モータMG1から仮トルクTm1tmpを出力しない(エンジン22の回転数Neを押さえ込む方向のトルクが不足する)ことにより、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*より大きくなると考えられる。
ステップ180で超過条件フラグFに値1を設定した後や、ステップS160で超過条件フラグFが値1のときには、エンジン22の目標回転数Ne*から回転数Neを減じて差分回転数ΔNeを計算すると共に(ステップS190)、計算した差分回転数ΔNeを値0と比較する(ステップS200)。
差分回転数ΔNeが値0未満のとき(エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*より大きいとき)には、差分回転数ΔNeを用いて次式(10)により補正値αの計算に用いる比例項の値αpを計算すると共に差分回転数ΔNeと補正値αの計算に用いる積分項の前回値(前回αi)とを用いて式(11)により積分項の値αiを計算し(ステップS210)、計算した比例項の値αpと積分項の値αiとの和を補正値αとして計算し(ステップS250)、計算した補正値αを仮要求パワーPetmpに加えて補正後要求パワーPeadを計算する(ステップS260)。ここで、式(10),(11)は、それぞれ、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*となるようにするための回転数フィードバック制御における比例項,積分項の計算式であり、式(10)の「k3」(>0)は比例項のゲインであり、式(11)の「k4」(>0)は積分項のゲインである。いま、差分回転数ΔNeが値0未満のときを考えているから、比例項の値αp,積分項の値αiは共に負の値となり、補正値αは負の値(エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*より大きいほど小さくなる(負側に大きくなる)傾向の値)となり、補正後要求パワーPeadは仮要求パワーPetmpより小さな値となる。
αp=k3・ΔNe (10)
αi=前回αi+k4・ΔNe (11)
次に、エンジン22の目標回転数Ne*を閾値Nerefと比較すると共に(ステップS270)、バッテリ50の端子間電圧Vbを閾値Vbrefと比較する(ステップS280)。ここで、閾値Nerefは、例えば、運転者にエンジン22の吹き上がり感を与えないと想定されるエンジン22の回転数範囲の上限としてのNV上限回転数Nenvよりマージン(例えば、数十rpm〜百rpm程度)だけ低い回転数などを用いることができる。なお、NV上限回転数Nenvは、固定値を用いるものとしてもよいし、ロードノイズなどが大きいほど(例えば車速Vが高いほど)大きくなる傾向の値を用いるものとしてもよい。また、閾値Vbrefは、例えば、バッテリ50の許容上限電圧Vblimよりマージン(例えば、数V〜十V程度)だけ低い電圧などを用いることができる。
ステップS270,S280でエンジン22の目標回転数Ne*が閾値Neref未満で且つバッテリ50の端子間電圧Vbが閾値Vbref未満のときには、次式(12)に示すように、ステップS260で計算した補正後要求パワーPeadを上述の下限パワーPeminで制限して補正後要求パワーPeadを再設定する(ステップS290)。以下、ステップS260で計算した補正後要求パワーPeadを第1補正後要求パワーPead1と称し、ステップS290で再設定した補正後要求パワーPeadを第2補正後要求パワーPead2と称することがある。一方、ステップS270でエンジン22の目標回転数Ne*が閾値Neref以上のときや、ステップS280でバッテリ50の端子間電圧Vbが閾値Vbref以上のときには、このステップS290の処理を実行しない。
Pead=max(Pead,Pemin) (12)
次に、補正後要求パワーPead(第1補正後要求パワーPead1または第2補正後要求パワーPead2)を仮要求パワーPetmpと比較し(ステップS300)、補正後要求パワーPeadが仮要求パワーPetmp未満のときには、補正後要求パワーPeadを要求パワーPe*に設定し(ステップS330)、ステップS340〜S390の処理を実行して、本ルーチンを終了する。この場合、要求パワーPe*は、仮要求パワーPetmpより小さく下限パワーPemin以上の値となるから、要求パワーPe*と目標回転数Ne*と基づく運転ポイントでエンジン22が負荷運転されるようエンジン22を制御することになる。
このように、超過条件が成立した以降でエンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*より大きいときには、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*となるようにするための回転数フィードバック制御によって負の補正値αを設定し、設定した補正値αを仮要求パワーPetmpに加えて第1補正後要求パワーPead1を計算する。この第1補正後要求パワーPead1を要求パワーPe*に設定してエンジン22を制御すれば、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*に比して大きく吹き上がったりモータMG1による発電電力が大きくなり過ぎたり(バッテリ50に過大な電力が入力されたり)するのを抑制して、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*以下となるようにすることができると考えられる。
しかしながら、第1補正後要求パワーPeadが小さくなり過ぎると(下限パワーPemin未満になると)、エンジン22の運転状態が負荷運転から自立運転に移行してしまい、バッテリ50の蓄電割合SOCが比較的低いとき(上述の蓄電割合SOC*より低いとき)にバッテリ50を充電できなくなってしまう。したがって、実施例では、基本的(エンジン22の目標回転数Ne*が閾値Neref未満で且つバッテリ50の端子間電圧Vbが閾値Vbref未満のとき)には、第1補正後要求パワーPeadを下限パワーPeminで制限して(下限ガードを施して)第2補正後要求パワーPeadを設定してエンジン22を制御するものとした。これにより、要求パワーPe*を仮要求パワーPetmpより小さくする(制限する)ことに起因してエンジン22の運転状態が負荷運転から無負荷運転(自立運転)に移行してしまうのを回避することができ、バッテリ50の蓄電割合SOCが比較的低いときにバッテリ50を充電できなくなるのを回避することができる。
ところで、エンジン22の運転状態が無負荷運転(自立運転)に移行しないようにするために、他の条件に拘わらず、要求パワーPe*を仮要求パワーPetmpより小さく下限パワーPemin以上の値とすると、エンジン22の出力の制限の程度が十分でないためにエンジン22の吹き上がりによってエンジン22の回転数NeがNV上限回転数Nenvを超えてしまったり、バッテリ50の端子間電圧Vbが許容上限電圧Vblimを超えてしまったりする場合がある。したがって、実施例では、閾値Nerefは、エンジン22の回転数NeがNV上限回転数Nenvを超えるおそれがある回転数範囲の下限を用いるものとし、閾値Vbrefは、バッテリ50の端子間電圧Vbが許容上限電圧Vblimを超える電圧範囲の下限を用いるものとした。そして、エンジン22の目標回転数Ne*が閾値Neref以上のときやバッテリ50の端子間電圧Vbが閾値Vbref以上のときには、第1補正後要求パワーPeadに対する下限パワーPeminによる制限(下限ガード)を実行しないものとした。これにより、第1補正後要求パワーPead1(ステップS330で第1補正後要求パワーPeadを設定した要求パワーPe*)が下限パワーPemin未満のときには要求パワーPe*を値0としてエンジン22を自立運転することになるから、エンジン22の出力の制限をより十分に行なうことができ、エンジン22の回転数NeがNV上限回転数Nenvを超えたりバッテリ50の端子間電圧Vbが許容上限電圧Vblimを超えたりするのを抑制することができる。
ステップS200で差分回転数ΔNeが値0以上のとき(エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*以下のとき)には、モータMG1の仮トルクTm1tmpをトルク制限Tm1minと比較し(ステップS220)、仮トルクTm1tmpがトルク制限Tm1min未満のとき(仮トルクTm1tmpがトルク制限Tm1minを超過するとき)には、比例項の値αpに値0を設定すると共に積分項の前回値(前回αi)を保持し(ステップS230)、比例項の値αp(値0)と積分項の値αiとの和を補正値αとして計算し(ステップS250)、計算した補正値αを仮要求パワーPetmpに加えて補正後要求パワーPead(第1補正後要求パワーPead1)を計算する(ステップS260)。そして、エンジン22の目標回転数Ne*が閾値Neref未満で且つバッテリ50の端子間電圧Vbが閾値Vbref未満のときには、補正後要求パワーPeadを上述の下限パワーPeminで制限して補正後要求パワーPead(第2補正後要求パワーPead2)を再設定し(ステップS270〜S290)、エンジン22の目標回転数Ne*が閾値Neref以上のときやバッテリ50の端子間電圧Vbが閾値Vbref以上のときには、補正後要求パワーPeadを再設定せず、ステップS300以降の処理を実行する。この場合、補正値αは、前回の補正値(前回α)を保持することになる。なお、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*より高い状態から低下して目標回転数Ne*に略等しくなったときには、積分項の値αi(補正値α)がエンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*より高かったときの影響によって負の値となっているから、補正後要求パワーPeadも仮要求パワーPetmpより小さな値となっている。
ステップS220で仮トルクTm1tmpをトルク制限Tm1minがトルク制限Tm1min以上のとき(仮トルクTm1tmpがトルク制限Tm1minを超過しないとき)には、比例項の値αpに値0を設定すると共に積分項の前回値(前回αi)に正の変化値Δαiを加えて積分項の値αiを計算し(ステップS240)、比例項の値αp(値0)と積分項の値αiとの和を補正値αとして計算し(ステップS250)、計算した補正値αを仮要求パワーPetmpに加えて補正後要求パワーPeadを計算し(ステップS260)、ステップS270以降の処理を実行する。したがって、超過条件が成立した以降に、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*以下でモータMG1の仮トルクTm1tmpがトルク制限Tm1min以上のとき(仮トルクTm1tmpがトルク制限Tm1minを超過しないとき)には、その状態の継続に従って、補正値αを正の変化値Δαiずつ増加させる(補正後要求パワーPeadを変化値Δαiずつ仮要求パワーPetmpに近づける)ことになる。変化値Δαiは、本ルーチンの実行間隔(例えば、数msec毎)で補正値αを増加させる程度であり、実施例では、要求パワーPe*を仮要求パワーPetmpに徐々に近づける際にエンジン22の回転変動を抑制可能な範囲として実験や解析などによって予め定められた値を用いるものとした。
こうして補正後要求パワーPeadを徐々に増加させて(仮要求パワーPetmpに近づけて)、ステップS300で補正後要求パワーPeadが仮要求パワーPetmp以上であると判定されると、超過条件フラグFに値0を設定し(ステップS310)、仮要求パワーPetmpを要求パワーPe*に設定し(ステップS320)、ステップS340〜S390の処理を実行して本ルーチンを終了する。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、アクセル開度Accに応じて仮要求パワーPetmpを設定し、仮要求パワーPetmpに応じたエンジン22の目標回転数Ne*でエンジン22が回転するようモータMG1の仮トルクTm1tmpを設定し、モータMG1については仮トルクTm1tmpをトルク制限Tm1minで制限して得られるトルク指令Tm1*で駆動されるよう制御し、エンジン22については仮要求パワーPetmpを要求パワーPe*としてその要求パワーPe*が下限パワーPemin以上のときには要求パワーPe*がエンジン22から出力されるよう制御し要求パワーPe*が下限パワーPemin未満のときにはエンジン22が自立運転されるようエンジン22を制御するものにおいて、モータMG1の仮トルクTm1tmpがトルク制限Tm1minより小さくなる超過条件が成立した以降は、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*に比して大きいほど仮要求パワーPetmpに比して小さくなる傾向に第1補正後要求パワーPead1を設定し、設定した第1補正後要求パワーPead1を下限パワーPeminで制限して第2補正後要求パワーPead2を設定してこれを要求パワーPe*とするから、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*に比して大きく吹き上がったりモータMG1による発電電力が大きくなり過ぎたり(バッテリ50に過大な電力が入力されたり)するのを抑制することができると共に、バッテリ50の蓄電割合SOCが比較的低いときにバッテリ50を充電できなくなるのを回避することができる。
また、実施例のハイブリッド自動車20によれば、超過条件が成立した以降で、エンジン22の目標回転数Ne*が閾値Neref以上のときやバッテリ50の端子間電圧Vbが閾値Vbref以上のときには、第1補正後要求パワーPeadを要求パワーPe*とするから、第1補正後要求パワーPead1(要求パワーPe*)が下限パワーPemin未満のときにエンジン22を自立運転することになり、エンジン22の回転数NeがNV上限回転数Nenvを超えたりバッテリ50の端子間電圧Vbが許容上限電圧Vblimを超えたりするのを抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、超過条件が成立した以降、エンジン22の目標回転数Ne*とバッテリ50の端子間電圧Vbとに基づいて、第1補正後要求パワーPead1に対する下限パワーPeminによる制限(下限ガード)を行なうか否かを判定するものとしたが、いずれか一方だけに基づいて判定するものとしてもよい。また、エンジン22の目標回転数Ne*や端子間電圧Vbに拘わらず、第1補正後要求パワーPead1に対する下限パワーPeminによる制限(下限ガード)を行なうものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、超過条件が成立した以降において、差分回転数ΔNeが値0未満のときには上述の式(10),(11)により比例項の値αp,積分項の値αiを計算し、差分回転数ΔNeが値0以上でモータMG1の仮トルクTm1tmpがトルク制限Tm1min未満のときには比例項の値αpに値0を設定すると共に積分項の値αiに前回値(前回αi)を設定し、差分回転数ΔNeが値0以上でモータMG1の仮トルクTm1tmpがトルク制限Tm1min以上のときには比例項の値αpに値0を設定すると共に積分項の前回値(前回αi)に正の変化値Δαiを加えて積分項の値αiを計算するものとしたが、差分回転数ΔNeやモータMG1の仮トルクTm1tmpに拘わらず式(10),(11)により比例項の値αp,積分項の値αiを計算するものとしてもよい。この場合、図9の駆動制御ルーチン(後半部分)に例示するように、差分回転数ΔNeを計算すると(ステップS190)、図3の駆動制御ルーチン(後半部分)のステップS200〜S240の処理に代えて、差分回転数ΔNeを用いて次式(10)により補正値αの計算に用いる比例項の値αpを計算すると共に差分回転数ΔNeと補正値αの計算に用いる積分項の前回値(前回αi)とを用いて式(11)により積分項の値αiを計算し(ステップS210)、ステップS250以降の処理を実行すればよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、超過条件が成立した以降、基本的には、ステップS260で計算した補正後要求パワーPeadを下限パワーPeminで制限(下限ガード)して補正後要求パワーPeadを再設定すると共に再設定した補正後要求パワーPeadを要求パワーPe*に設定することにより、エンジン22の運転状態が負荷運転から無負荷運転(自立運転)に移行しないようにするものとしたが、他の手法により、無負荷運転(自立運転)に移行しないようにする(移行しにくくする)ものとしてもよい。この場合の駆動制御ルーチン(後半部分)の一例を図10に示す。このルーチンは、ステップS210の処理に代えてステップS400,S410の処理を実行する点と、ステップS270〜S290の処理を実行しない点と、を除いて図2および図3の駆動制御ルーチンと同一である。したがって、同一の処理については同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
図10の駆動制御ルーチン(後半部分)では、ステップS200で差分回転数ΔNeが値0未満のとき(エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*より大きいとき)には、バッテリ50の蓄電割合SOCに基づいてマージンβを設定し(ステップS400)、差分回転数ΔNeを用いて上述の式(10)により比例項の値αpを計算すると共に差分回転数ΔNeと正のマージンβと積分項の前回値(前回αi)とを用いて次式(13)により積分項の値αiを計算し(ステップS210)、計算した比例項の値αpと積分項の値αiとの和を補正値αとして計算し(ステップS250)、計算した補正値αを仮要求パワーPetmpに加えて補正後要求パワーPeadを計算し(ステップS260)、ステップS300以降の処理を実行する。
αi=前回αi+k4・(ΔNe+β)= 前回αi+k4・((Ne*+β)-Ne) (13)
ここで、マージンβは、実施例では、バッテリ50の蓄電割合SOCとマージンβとの関係を予め定めてマージン設定用マップとして図示しないROMに記憶しておき、バッテリ50の蓄電割合SOCが与えられると記憶したマップから対応するマージンβを導出して設定するものとした。マージン設定用マップの一例を図11に示す。マージンβは、図示するように、バッテリ50の蓄電割合SOCが低いほど大きくなる傾向に設定される。この理由については後述する。
また、式(13)は、エンジン22の回転数Neが回転数(Ne*+β)となるようにするための回転数フィードバック制御における比例項の計算式である。したがって、この変形例では、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*となるように比例項の値αpを計算すると共にエンジン22の回転数Neが回転数(Ne*+β)となるように積分項の値αiを計算することになるから、補正値αは、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*と回転数(Ne*+β)との間の回転数となるようにするための値となり、実施例に比して大きな値(絶対値としては小さな値)になると考えられる。これにより、補正後要求パワーPeadが設定された要求パワーPe*が下限パワーPemin未満になりにくくなるようにすることができ、エンジン22の運転状態が負荷運転から無負荷運転(自立運転)に移行するのを抑制することができる。しかも、上述したように、バッテリ50の蓄電割合SOCが低いほどマージンβを大きくすることにより、蓄電割合SOCが低いほどエンジン22の運転状態が負荷運転から無負荷運転(自立運転)に移行しにくくすることができ、バッテリ50の過放電を抑制することができる。
この変形例では、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*となるように比例項の値αpを計算すると共にエンジン22の回転数Neが回転数(Ne*+β)となるように積分項の値αiを計算するものとしたが、エンジン22の回転数Neが回転数(Ne*+β)となるように比例項の値αpおよび積分項の値αiを計算するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、超過条件が成立した以降(超過条件フラグFが値0から値1に切り替わった以降)は、補正後要求パワーPeadが仮要求パワーPetmp以上に至るまで補正後要求パワーPeadを要求パワーPe*に設定してエンジン22を制御するものとしたが、他の条件が成立するまで、補正後要求パワーPeadを要求パワーPe*に設定してエンジン22を制御するものとしてもよい。ここで、他の条件としては、例えば、イグニッションオフされた条件や、シフトポジションSPが非走行ポジション(駐車ポジションやニュートラルポジション)にシフト変更された条件などを用いることができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG1の仮トルクTm1tmpがトルク制限を超過するか否かの判定に、モータMG1から出力されてプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルク(−Tm1*/ρ)とモータMG2から駆動軸36に出力されるトルクTm2との和が要求トルクTr*となる関係と、モータMG1によって入出力される電力(Tm1*・Nm1)とモータMG2によって入出力される電力(Tm2*・Nm2)との和がバッテリ50の入力制限Winとなる関係とを、共に満たすよう設定したトルク制限Tm1minを用いるものとしたが、これに代えて又は加えて、モータMG1の回転数Nm1における負側の定格最大トルクTm1min2を用いるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2からの動力を駆動軸36に出力するものとしたが、図12の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2からの動力を駆動軸36が接続された車軸(駆動輪38a,38bが接続された車軸)とは異なる車軸(図12における車輪39a,39bに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、モータMG1が「第1モータ」に相当し、プラネタリギヤ30が「プラネタリギヤ」に相当し、モータMG2が「第2モータ」に相当し、バッテリ50が「バッテリ」に相当し、図2および図3の駆動制御ルーチンを実行するHVECU70と、HVECU70から要求パワーPe*とエンジン22の目標回転数Ne*とを受信してエンジン22を制御するエンジンECU24と、HVECU70からモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を受信してモータMG1,MG2を制御するモータECU40と、が「制御手段」に相当する。
ここで、「エンジン」としては、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力するエンジン22に限定されるものではなく、如何なるタイプのエンジンであっても構わない。「第1モータ」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、如何なるタイプのモータであっても構わない。「プラネタリギヤ」としては、プラネタリギヤ30(シングルピニオン式のプラネタリギヤ)に限定されるものではなく、ダブルピニオン式のプラネタリギヤや、複数のプラネタリギヤの組み合わせによって構成されたものなど、車軸に連結された駆動軸とエンジンの出力軸と第1モータの回転軸とに3つの回転要素が接続されたものであれば如何なるタイプのプラネタリギヤであっても構わない。「第2モータ」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、駆動軸に動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプのモータであっても構わない。「バッテリ」としては、リチウムイオン二次電池として構成されたバッテリ50に限定されるものではなく、ニッケル水素二次電池やニッケルカドミウム二次電池,鉛蓄電池など、第1モータおよび第2モータと電力のやりとりが可能なものであれば如何なるタイプのバッテリであっても構わない。「制御手段」としては、HVECU70とエンジンECU24とモータECU40とからなる組み合わせに限定されるものではなく、単一の電子制御ユニットによって構成されるものなどとしてもよい。また、「制御手段」としては、アクセル開度Accに応じて仮要求パワーPetmpを設定し、仮要求パワーPetmpに応じたエンジン22の目標回転数Ne*でエンジン22が回転するようモータMG1の仮トルクTm1tmpを設定し、モータMG1については仮トルクTm1tmpをトルク制限Tm1minで制限して得られるトルク指令Tm1*で駆動されるよう制御し、エンジン22については仮要求パワーPetmpを要求パワーPe*としてその要求パワーPe*が下限パワーPemin以上のときには要求パワーPe*がエンジン22から出力されるよう制御し要求パワーPe*が下限パワーPemin未満のときにはエンジン22が自立運転されるようエンジン22を制御するものにおいて、モータMG1の仮トルクTm1tmpがトルク制限Tm1minより小さくなる超過条件が成立した以降は、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*に比して大きいほど仮要求パワーPetmpに比して小さくなる傾向に第1補正後要求パワーPead1を設定し、設定した第1補正後要求パワーPeadを下限パワーPeminで制限して第2補正後要求パワーPeadを設定してこれを要求パワーPe*とするものに限定されるものではなく、アクセル操作に応じてエンジンの基本要求パワーを設定し、基本要求パワーに応じたエンジン目標回転数でエンジンが回転するよう第1モータ目標トルクを設定し、第1モータについては、第1モータ目標トルクをトルク制限で制限して得られるトルクが第1モータから出力されるよう制御し、エンジンについては、基本要求パワーをエンジンの要求パワーとして要求パワーが負荷運転用の下限パワー以上のときには要求パワーがエンジンから出力されるよう制御し、要求パワーが下限パワー未満のときにはエンジンが自立運転されるよう制御し、第1モータ目標トルクがトルク制限を超過する超過条件が成立した以降、エンジン回転数がエンジン目標回転数より大きいほど基本要求パワーより小さくなる傾向に補正後要求パワーを設定し、補正後要求パワーを下限パワーで制限して得られるパワーを要求パワーとするものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業などに利用可能である。
20,120 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、37 デファレンシャルギヤ、38a,38b 駆動輪、39a,39b 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51a 電圧センサ、51b 電流センサ、51c 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、MG1,MG2 モータ。

Claims (5)

  1. エンジンと、第1モータと、車軸に連結された駆動軸と前記エンジンの出力軸と前記第1モータの回転軸とに3つの回転要素が共線図上で前記駆動軸,前記出力軸,前記回転軸の順に並ぶよう接続されたプラネタリギヤと、前記駆動軸に動力を入出力可能な第2モータと、前記第1モータおよび前記第2モータと電力のやりとりが可能なバッテリと、アクセル操作に応じて前記エンジンの基本要求パワーを設定し、該基本要求パワーに応じたエンジン目標回転数で前記エンジンが回転するよう第1モータ目標トルクを設定し、前記第1モータについては、前記第1モータ目標トルクをトルク制限で制限して得られるトルクが前記第1モータから出力されるよう制御し、前記エンジンについては、前記基本要求パワーを前記エンジンの要求パワーとして該要求パワーが負荷運転用の下限パワー以上のときには該要求パワーが前記エンジンから出力されるよう制御し、該要求パワーが該下限パワー未満のときには前記エンジンが自立運転されるよう制御する制御手段と、を備えるハイブリッド自動車において、
    前記制御手段は、前記第1モータ目標トルクが前記トルク制限を超過する超過条件が成立した以降、エンジン回転数が前記エンジン目標回転数より大きいほど前記基本要求パワーより小さくなる傾向に補正後要求パワーを設定し、該補正後要求パワーを前記下限パワーで制限して得られるパワーを前記要求パワーとする手段である、
    ハイブリッド自動車。
  2. 請求項1記載のハイブリッド自動車であって、
    前記制御手段は、前記超過条件が成立した以降に、前記エンジン目標回転数が所定回転数以上のとき及びバッテリ電圧が所定電圧以上のときには、前記補正後要求パワーを前記要求パワーとする手段である、
    ハイブリッド自動車。
  3. 請求項1または2記載のハイブリッド自動車であって、
    前記制御手段は、前記超過条件が成立した以降、前記エンジン目標回転数から前記エンジン回転数を減じて得られる差分回転数が値0未満の第1状態のときには該差分回転数が値0となるよう比例項と積分項とを用いたフィードバック制御によって負の補正値を設定し、前記差分回転数が値0以上で前記第1モータ目標トルクが前記トルク制限を超過する第2状態のときには前記補正値を保持し、前記差分回転数が値0以上で前記第1モータ目標トルクが前記トルク制限を超過しない第3状態のときには該第3状態の継続に従って徐々に大きくなるよう前記補正値を設定し、前記補正値を前記基本要求パワーに加えて前記補正後要求パワーを演算する手段である、
    ハイブリッド自動車。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載のハイブリッド自動車であって、
    前記制御手段は、前記超過条件が成立して前記エンジン回転数が前記エンジン目標回転数より大きくなってから前記補正後要求パワーが前記基本要求パワー以上に至るまで、該補正後要求パワーを前記下限パワーで制限して得られるパワーを前記要求パワーとする手段である、
    ハイブリッド自動車。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つの請求項に記載のハイブリッド自動車であって、
    前記トルク制限は、前記第1モータから出力されて前記プラネタリギヤを介して前記駆動軸に作用するトルクと前記第2モータから前記駆動軸に出力されるトルクとの和が前記駆動軸の要求トルクとなる関係と、前記第1モータによって入出力される電力と前記第2モータによって入出力される電力との和が前記バッテリの入力制限となる関係と、を共に満たすよう設定される制限である、
    ハイブリッド自動車。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5840262B1 (ja) * 2014-07-03 2016-01-06 三菱電機株式会社 船舶のアイドル回転数制御装置および船舶のアイドル回転数制御方法

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