JP2013193636A - 車両の外気導入構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】既存の車両が備える車両用空調装置を改変することなく熱交換器を配設することができる車両の外気導入構造を提供する。
【解決手段】 ウインドシールドガラス2とフードパネル3との間に配置され、空調用の外気を取り入れるための外気取入口401が設けられたガーニッシュ4と、外気取入口401によって車両外部と連通されており、外気取入口401から外気が導入されるインテークダクト5と、第1熱交換流路に流れる空気と第2熱交換流路に流れる空気との間で熱を交換する顕熱交換器601とを備える。また、ガーニッシュ4に設けられた外気取入口401から導入された外気を、第1熱交換流路を通過させて車室内へ送出可能な吸気流路と、車室内から送出される内気を、第2熱交換流路を通過させて車室外へ送出可能な排気流路とを具備し、顕熱交換器601はインテークダクト5内に配設された、車両の外気導入構造である。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車等の車両の外気導入構造に関する。
車両用空調装置において、暖房時に車室内の換気を行う場合に、熱交換器として顕熱交換器又は全熱交換器が利用されることがある。これらの熱交換器は、車室内から送り出される温かい排気(内気と呼ぶ)と車外から取り込まれる冷たい吸気(外気と呼ぶ)とを、互いに隣接した2系統の流路にそれぞれ流して、排気から吸気へ熱を移動させる。この熱の回収によって、車両用空調装置において暖房運転の省エネルギ化を図ることができる。
特許文献1には、外気導入通路(吸気流路と呼ぶ)にこのような熱交換器を備えた車両の外気導入構造が開示されている。
特開2002−200911号公報
熱交換器を有さない既存の車両に新たに熱交換器を備える場合、車両用空調装置を改変する必要が生じる。ここでいう改変とは、例えば、車両用空調装置内、もしくは車両用空調装置に至る流路に熱交換器を配設するために専用の空間を設ける、内気が熱交換器を経由して車外へ排気されるための流路(排気流路と呼ぶ)を別途設ける必要があるなどである。
このように、熱交換器を有さない既存の車両に新たに熱交換器を備える場合、車両用空調装置を再設計する必要が生じるという課題が生じる。
本発明の目的は、既存の車両が備える車両用空調装置を改変することなく熱交換器を配設することができる車両の外気導入構造を提供することである。
本発明の車両の外気導入構造は、ウインドシールドガラスの前方で、かつ、前記ウインドシールドガラスとフードパネルとの間に配置され、空調用の外気を取り入れるための外気取入口が設けられたガーニッシュと、前記ガーニッシュに設けられた外気取入口によって車両外部と連通されており、前記外気取入口から外気が導入されるインテークダクトと、第1熱交換流路と第2熱交換流路とを有し前記第1熱交換流路に流れる空気と前記第2熱交換流路に流れる空気との間で熱を交換する熱交換器と、前記ガーニッシュに設けられた外気取入口から導入された外気を、前記第1熱交換流路を通過させて車室内へ送出可能な吸気流路と、車室内から送出される内気を、前記第2熱交換流路を通過させて車室外へ送出可能な排気流路と、を具備し、前記熱交換器は前記インテークダクト内に配設された構成を採る。
本発明によれば、インテークダクトに熱交換器を配設することで車両用空調装置の改変が不要となる。インテークダクトは、一般的な車両であれば通常備えられるものであり、熱交換器を配設するために十分な空間を有する。また、インテークダクトは車両外部と連
通しているため排気流路を設けるのが非常に容易である。
したがって、本発明によれば、既存の車両が備える車両用空調装置を改変することなく熱交換器を配設することができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態に係る外気導入構造を備えた車両の部分斜視図 本発明の実施の形態に係るガーニッシュを取り外した際の車両の部分斜視図 本発明の実施の形態に係る顕熱交換器ユニットとその周辺構成を示す図 本発明の実施の形態に係る顕熱交換器の構成を示す図 車両の下側から見た図1のA−A線拡大断面図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
まず、図1および図2を用いて、本発明の実施の形態に係る外気導入構造の全体構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る外気導入構造を備えた車両の部分斜視図である。また、図2は、ガーニッシュを取り外した際の車両の部分斜視図である。
図1に示すように、車両1は、ウインドシールドガラス2、フードパネル3、ガーニッシュ4を備える。
ウインドシールドガラス2は車両の車室前方に設置されている。フードパネル3は、エンジンもしくは電動モータなどの走行用駆動力発生する装置等を搭載するフードルームを覆っている。
ガーニッシュ4は、ウインドシールドガラス2の前方で、かつ、ウインドシールドガラス2とフードパネル3との間に配置される。また、ガーニッシュ4には、空調用の外気を取り入れるための外気取入口401が設けられている。
外気取入口401は、外気を吸い込むために車幅方向に延びる横型の取入口であり、複数形成されている。外気取入口401は、横型に限らず車両前後方向に延びる縦型としてもよい。
ガーニッシュ4は、例えば、金属、樹脂で形成される。ガーニッシュ4は、外気取入口401が形成されていればよく、その材質、取入口の形状は様々に設計可能である。
図2は、図1のガーニッシュ4およびフードパネル3を取り外した際の車両1の部分斜視図である。
ガーニッシュ4の下方で車幅方向に延びるようにインテークダクト5を設置する。インテークダクト5は、ガーニッシュ4に設けられた外気取入口401によって車両外部と連通されており、この外気取入口401から外気が導入可能となっている。
インテークダクト5は、車両側方から見て断面が例えばU字状に形成された箱体である。外気取入口401からインテークダクト5へ導入した外気は、後述するように、顕熱交換器ユニット6、ダクト802、ブロワファン803、および、車両用空調装置804をこの順に経由して車室内へ導かれる。
顕熱交換器ユニット6は、インテークダクト5内に配設され、顕熱交換器601を備え
る。顕熱交換器601は、ガーニッシュ4の外気取入口401からインテークダクト5へ導入した外気と、車室内から送出される内気とのとの間で熱交換を行う。
顕熱交換器601にて熱交換が行われた後の内気は、顕熱交換器ユニット6が備える内気排出ダクト605を経由してフェンダ7の裏から車室外へ排出される。
顕熱交換器ユニット6は、さらにカバー602を備える。このカバー602は顕熱交換器601を覆っている。カバー602は、外気取入口401から侵入した水が顕熱交換器601へ侵入するのを防止するものである。
一方、外気取入口401から導入された外気を顕熱交換器601の第1熱交換流路へ導出可能とするために、カバー602はインテークダクト5とわずかに離間するように設置される。
次に、図3を用いて本実施の形態に係る顕熱交換器ユニット6について説明する。図3は、顕熱交換器ユニット6とその周辺構成を示す図である。
顕熱交換器ユニット6は、顕熱交換器601、カバー602、ケース603、内気導入グリル604、および、内気排出ダクト605を備える。図3の顕熱交換器ユニット6は、図2におけるカバー602を取り外した際の顕熱交換器ユニット6を表した図である。
図3に示す流路Aは外気を車室内に取り込むための風路である(以下、吸気流路A)。詳細には、吸気流路Aは、ガーニッシュ4に設けられた外気取入口401から導入された外気を、後述する顕熱交換器601の第1熱交換流路を通過させて車室内へ送出可能な吸気流路である。
また、図3に示す流路Bは内気を車室外へ排気する風路である(以下、排気流路B)。詳細には、排気流路Bは、車室内から送出される内気を、後述する顕熱交換器601の第2熱交換流路を通過させて車室外へ送出可能な排気流路である。
吸気流路Aは、排気流路Bと分離されており、両者内を通る空気が互いに混合することがないようになっている。
以下に、各部構成および空気の流れを詳細に説明する。
顕熱交換器ユニット6は、上述のごとく、インテークダクト5内に配設される。顕熱交換器601はケース603内に収容されている。
ケース603には、空気の取り入れ口が設けられる。この取り入れ口は、顕熱交換器601の第1熱交換流路の空気と、第2熱交換流路の空気とが混合しないように別個に複数設けられる。
インテークダクト5の壁面には、吸気流路Aの空気が通過する外気流入孔501、および、排気流路Bの空気が通過する内気排出孔502が形成される。
外気流入孔501、および、内気排出孔502は、例えば、互いに隣接して形成される。
ガーニッシュ4に設けられた外気取入口401からからインテークダクト5へ導入した外気は、ケース603の取り入れ口、顕熱交換器601の第1熱交換流路をこの順に経由
して、外気流入孔501へ導入される。これらは全て吸気流路Aを構成する。
一方、車室内から排出される内気は、内気排出孔502、内気導入グリル604、ケース603の取り入れ口、顕熱交換器601の第2熱交換流路をこの順に経由して、内気排出ダクト605へ導入される。
内気排出ダクト605へ導入された内気は、前述のごとく、フェンダ7の裏から車室外へ排出される。これらは全て排気流路Bを構成する。
以上のように、顕熱交換器ユニット6にて、高い温度の内気と低い温度の外気との間で熱交換が行われ、内気は車室外へ排出、外気は車室内に取り込みが行われる。
上述のように外気流入孔501と内気排出孔502とを隣接して形成するのは、このようにすると内気導入グリル604とケース603とを接近させることが可能となり、顕熱交換器ユニット6を小型化できるからである。
なお、ここでいう「外気流入孔501と内気排出孔502とを隣接して形成」とは、顕熱交換器601を搭載していない既存の車両のインテークダクト5に形成されている外気流入孔501の一部をダクトで分離し、内気排出孔502として用いることも含む概念である。
次に、図4を用いて本実施の形態に係る顕熱交換器ユニット6が備える顕熱交換器601について詳細に説明する。図4は、顕熱交換器601を表わす斜視図である。
顕熱交換器601は、図4に示すように、流路が固定された静止型の熱交換気である。顕熱交換器601は、隣接する2系統の流路C,Dを有し、一方の流路C(第1熱交換流路に相当)に低い温度の空気(例えば、上記吸気流路A)を流し、他方の流路D(第2熱交換流路に相当)に高い温度の空気(例えば、上記排気流路B)を流す。
これにより、顕熱交換器601では、流路Cと流路Dとの空気を混合せずに流路Dの空気の熱を流路Cの空気へ移動させることができる。各系統の流路C,Dには多数の細かい流路が設けられ、各系統の細かい流路を互いに交差させて配置することで2系統の流路C,Dの接触面積を大きくしている。
次に、図5を用いて、顕熱交換器ユニット6から車室内の側における空気の流れを説明する。図5は車両の下側から見た図1のA−A線拡大断面図である。
顕熱交換器ユニット6は車両用空調装置804と空気の受け渡しを行う。車両用空調装置804は、空気を冷却するエバポレータ、空気を温める放熱器(例えば、エンジン排熱を利用したヒータコア)、冷媒で放熱するコンデンサ、および、電気ヒータ等のエアコンサイクルを構成する各種部材を備える。
以下、吸気流路Aと排気流路Bについて詳細に説明する。
(吸気流路Aの説明)
外気取入口401からからインテークダクト5へ導入した外気は、顕熱交換器ユニット6、外気流入孔501を経由してインテークドア801を備えるダクト802へ導入される。この導入された外気はブロワファン803を経由して、車両用空調装置804へ導入される。車両用空調装置804を経由した外気は車室内に導入される。
外気の取り込みは、ブロワファン803の吸引力により行われる。外気の取り込み量は、インテークドア801の開度、および、ブロワファン803の回転数を制御することで調整可能である。
(排気流路Bの説明)
車室内から排出される内気は、内気排出孔502に設けたドラフタドア606を経由して、内気導入グリル604へ導入される。内気導入グリル604へ導入された内気は、前述のごとく、顕熱交換器601、内気排出ダクト605を経由して、車室外へ排出される。
ドラフタドア606は、内気循環による空調を行う場合は閉状態を維持するように制御する。反対に外気導入による空調を行う場合、ドラフタドア606は、車内静圧と車外の空気圧との差で自然に開くようにする。なお、ドラフタドア606は、アクチュエータを備えるようにし、電磁力もしくは油圧力等にて開閉状態を制御するようにしてもよい。
このように、本実施の形態における車両の外気導入構造は、インテークダクトに顕熱交換器を配設する。インテークダクトは、一般的な車両には通常、備えられるものであり、顕熱交換器を配設するために十分な空間を有する。また、インテークダクトは車両外部と連通しているため、排気流路を設けるのが非常に容易である。
したがって、本実施の形態における車両の外気導入構造は、既存の車両が備える車両用空調装置を改変することなく顕熱交換器を配設することができるという効果を奏する。
また、本実施の形態における車両の外気導入構造は以下の効果も期待できる。
外気の温度が非常に低い場合、顕熱交換器の排気流路内を通過する内気に含まれる水分が冷却され、顕熱交換器内にて霜となる。この霜が原因で、顕熱交換器の熱交換効率を低下させることがある。
また、車両停車中に、霜が凍結して氷となる場合がある。この氷が、発車後に融けて水となり、顕熱交換器から流れ出る場合がある。この水をいかに排出するかが問題となる。
本実施の形態における車両の外気導入構造では、顕熱交換器が車室外であるインテークダクト内に設置されている。インテークダクトは、通常、水を排出するための排水路を備えている。このため、顕熱交換器から水が流れ出ても、別途の排水構造を設ける必要がない。
このように、本実施の形態における車両の外気導入構造は、顕熱交換器で発生した露を車両用空調装置へ侵入させることなく容易に排出することができるという効果を奏する。
以上、本実施の形態について説明してきたが、上記説明は一例であり、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形が可能である。
本発明は、自動車等の車両の外気導入構造として好適である。
1 車両
2 ウインドシールドガラス
3 フードパネル
4 ガーニッシュ
401 外気取入口
5 インテークダクト
501 外気流入孔
502 内気排出孔
6 顕熱交換器ユニット
601 顕熱交換器
602 カバー
603 ケース
604 内気導入グリル
605 内気排出ダクト
606 ドラフタドア
7 フェンダ
801 インテークドア
802 ダクト
803 ブロワファン
804 車両用空調装置
本発明の車両の外気導入構造は、ウインドシールドガラスの前方で、かつ、前記ウインドシールドガラスとフードパネルとの間に配置され、空調用の外気を取り入れるための外気取入口が設けられたガーニッシュと、前記ガーニッシュに設けられた外気取入口によって車両外部と連通されており、前記外気取入口から外気が導入されるインテークダクトと、第1熱交換流路と第2熱交換流路とを有し前記第1熱交換流路に流れる空気と前記第2熱交換流路に流れる空気との間で熱を交換する熱交換器と、前記ガーニッシュに設けられた前記外気取入口から導入された外気を、前記第1熱交換流路を通過させて車室内へ送出可能な吸気流路と、車室内から送出される内気を、前記第2熱交換流路を通過させて車室外へ送出可能な排気流路と、を具備し、前記熱交換器は前記インテークダクト内に配設された構成を採る。

Claims (8)

  1. ウインドシールドガラスの前方で、かつ、前記ウインドシールドガラスとフードパネルとの間に配置され、空調用の外気を取り入れるための外気取入口が設けられたガーニッシュと、
    前記ガーニッシュに設けられた外気取入口によって車両外部と連通されており、前記外気取入口から外気が導入されるインテークダクトと、
    第1熱交換流路と第2熱交換流路とを有し前記第1熱交換流路に流れる空気と前記第2熱交換流路に流れる空気との間で熱を交換する熱交換器と、
    前記ガーニッシュに設けられた外気取入口から導入された外気を、前記第1熱交換流路を通過させて車室内へ送出可能な吸気流路と、
    車室内から送出される内気を、前記第2熱交換流路を通過させて車室外へ送出可能な排気流路と、を具備し、
    前記熱交換器は前記インテークダクト内に配設された、
    車両の外気導入構造。
  2. 前記吸気流路は、前記排気流路と分離された、
    請求項1に記載の車両の外気導入構造。
  3. 前記排気流路で、かつ、前記熱交換器が有する前記第2熱交換流路を通過した流路上に、車室内から送出される内気を車室外へ導く内気排出ダクトを更に具備した、
    請求項1に記載の車両の外気導入構造。
  4. 前記内気排出ダクトは、車室内から送出される内気を前記車両が備えるフェンダの裏から車室外へ導く、
    請求項3に記載の車両の外気導入構造。
  5. 前記インテークダクトには、前記吸気流路の空気が通過する外気流入孔、および、
    前記排気流路の空気が通過する内気排出孔が形成され、
    前記外気流入孔、および、前記内気排出孔は隣接して形成された、
    請求項1に記載の車両の外気導入構造。
  6. 前記熱交換器を覆うカバーを更に具備し、
    前記カバーは前記インテークダクトと離間するように設置した、
    請求項1に記載の車両の外気導入構造。
  7. 前記熱交換器は、顕熱交換器である、
    請求項1に記載の車両の外気導入構造。
  8. 請求項1に記載の車両の外気導入構造を具備する車両。
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