JP2013193198A - 壁面走行用ロボット - Google Patents

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Yoshinobu Hoshi
佳伸 星
Yoshihiro Kikushima
義弘 菊島
Hiroyuki Abe
裕幸 阿部
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Abstract

【課題】壁面や吸盤に影響されることなく、凹凸や穴、異物や汚れのある壁面、剥がれやすい壁面、さらには、吸盤を劣化させる高温や化学的条件のある壁面でも確実な走行を実現する。
【解決手段】
ロボット本体(1)に、ロボットを移動させる多関節アーム(7)と、圧縮空気を送風した場合に生じる負圧を利用して壁面への吸着を行う非接触吸着装置(8)とを設け、この非接触吸着装置(8)の吸着面に、ロボット本体がの走行を可能にする抗力発生手段を設ける。
【選択図】 図8

Description

この発明は壁面や天井面を走行するためロボットに関する。
近年、多種多様な機能を備えたロボットの開発がなされているが、特に、ロボットに壁面や天井面の作業、あるいは災害救援作業を行わせる場合、壁面や天井面に吸着しながら、歩行や走行を可能にすることが必要不可欠である。
このような壁面や天井面の走行を可能にするため、吸盤を利用した吸着装置やファンデルワールス力を利用した吸着装置を用いて壁面等に吸着できるようにしたロボットが開発されている。
吸盤を利用した吸着装置としては、下記特許文献1〜7にみられるように、吸盤と壁面との間で密閉空間を形成し、吸盤を変形させてこの密閉空間を一時的に脱気するものや、真空ポンプなどによりこの密閉空間を脱気することにより、吸盤と壁面とで密閉空間を減圧して吸着力を発生させるものもあるが、次のような問題点がある。
(1)壁面の凹凸、穴に極めて影響を受けやすく吸着力が低下する。
(2)クリーンでない壁面では、表面に付着した異物や汚れに極めて影響を受けやすく、吸着力が低下する。
(3)崩れやすく、異物を発生しやすい壁面でも同様に極めて吸着力が低下しやすい。
(4)壁面温度、作業現場や壁面の化学的条件、経時変化による吸盤の劣化により、吸着力が著しく低下する。
(5)壁面走行のため、吸盤を脱着する必要があるが、吸盤と壁面との間の密閉空間を吸着に必要な圧力となるまで減圧するのに所要の時間を要し、また減圧状態を解除するのにも所要の時間を要するため、応答性が悪く走行に時間を要する。
このように、吸着力が低下すると、ロボットの落下に伴う重大事故につながるため、壁面が清浄で凹凸の少ないガラス面や金属面に限られるなど、きわめて限られた用途以外、実用に耐えないのが現状である。
一方、ファンデルワールス力を利用した吸着装置では、吸着装置の吸着面が壁面と分子レベルに互いに近づく面積を広く設け、発生するファンデルワールス力の合力で、大きな吸着力を実現するものである。
したがって、低エネルギーで吸着可能であるが、密閉吸盤を利用したものと比較して、遥かにデリケートで、壁面の状態に大きな影響を受けるため、極限に近いほどクリーンで、滑らかでない限り、ほとんど吸着力は発生できない。
すなわちファンデルワールス力を利用した吸着装置では、吸着面と壁面の接触において、分子レベルの距離である面の面積の割合が十分大きくないと、壁面走行ロボットが走行するのに必要な大きさのファンデルワールス力は発生し得ないからである。このため、初期状態が滑らかな面の面積が大きくても、微小なゴミや粒子が入り込むと、分子レベルの距離である面の面積の割合は、急速に劣化し、落下の原因となるため、災害現場等の一般壁面の壁面走行には利用できない。
ところで、半導体ウェハ等の吸着装置として、特開2008-284671号公報、本発明者らが開発した特願2011-224069号など、圧縮空気を送風した場合に生じる負圧を利用した非接触吸着装置が提案されており、図1(a)、(b)にその概略を示す。
こうした吸着装置では、吸着デバイスを、対象物体に対し一定距離を維持した状態で、空気等のガスを流すと、対象物面に及ぼす斥力、引力の合力に変化が生じ、対象物との間に距離を保ちながら、負圧による吸着力が発生することが知られている。
特開平7−52842号公報 特開2000−169083号公報 特開平5−223984号公報 特開2008−81070号公報 特開2011−194937号公報 特開平7−95936号公報 特開平7−52842号公報
こうした吸着装置は、密閉吸盤を使用しない非接触式であるため、上述した壁面表面の状態にも影響を受けにくいので、(1)〜(5)の問題点を解決する上で有効な手段となるが、半導体製造工程において、クリーンルーム内で、ウェハなどの軽量、平板のワーク搬送に前提としたもので、壁面走行用ロボットに適用することは想定していない。
したがって、仮にこれを壁面走行用ロボットに適用したとしても、非接触式吸着であるため、ロボットの重力により、鉛直ないし傾斜を有する壁面にとどまることはできず、壁面走行は不可能である。
そこで、本発明は、以上を鑑み、圧縮空気を送風した場合に生じる負圧を利用した非接触吸着装置を利用しつつも、一部壁面と過渡的に接触させることにより、ロボットを壁面にとどめるようにすることにより、壁面や吸盤に影響されることなく、凹凸や穴、異物や汚れのある壁面、剥がれやすい壁面、さらには、吸盤を劣化させる高温や化学的条件のある壁面でも確実な走行を実現することを目的としている。
この課題を達成するため、本発明の壁面走行用ロボットにおいては、次のような技術的手段を講じた。すなわち、
(1)ロボット本体に、ロボットを移動させる移動装置と、圧縮空気を送風した場合に生じる負圧を利用して壁面への吸着を行う非接触吸着装置とを設け、前記非接触吸着装置の吸着面に、前記移動装置によるロボット本体の走行を可能にする抗力を発生させる抗力発生手段を備えた。
(2)前記移動装置が、多関節型アームであり、前記送風式吸着アクチュエータが、前記多関節型アームの先端に取り付けられ、その吸着面の壁面に対する間隙、角度及び位置を、前記多関節型アームにより制御できるようにした。
(3)前記効力発生手段を、前記送風式吸着アクチュエータの吸着面外周に設けられた高摩擦係数材料の被覆あるいは、スパイク状部材とした。
(4)前記移動装置を、ゴム等、摩擦係数の高い素材で形成されたローラーであり、前記抗力発生手段が、前記ローラーに、前記ロボットの走行方向と逆方向のトルクを与えるものとした。
以上の構成によれば、ロボット本体に、ロボットを移動させる移動装置と、圧縮空気を送風した場合に生じる負圧を利用した、壁面に対する非接触吸着装置とを設け、この非接触吸着装置の吸着面外周に、移動装置によるロボット本体の走行を可能にする抗力発生手段を設けたので、圧縮空気を送風した場合に生じる負圧を利用した非接触吸着装置を利用した上で、一部壁面と過渡的に接触させることにより、ロボットを壁面にとどめて、走行することが可能になるので、壁面や吸盤に影響されることなく、凹凸や穴、異物や汚れのある壁面、剥がれやすい壁面、さらには、吸盤を劣化させる高温や化学的条件のある壁面でも確実な走行を実現することができる。
圧縮空気を送風した場合に生じる負圧を利用した吸着装置の例 天井面に吸着している状態を示す図 壁面に吸着している状態を示す図 壁面に吸着している状態を示す実験例 天井面に吸着している状態を示す実験例 実験例におけるポンプによる供給圧力と吸着力の関係を示す表 実施例1の全体システム 実施例1が壁面に吸着している状態を示す図 実施例1において、壁面を上昇する際のステップを示す図 実施例1において、壁面から天井面に移動するまでのステップを示す図 壁面から天井面に移動するまでの各ステップの吸着力とロボットアームの位置制御の関係を示す表 圧縮空気を送風した場合に生じる負圧を利用した吸着装置を組み合わせたユニットの例を示す図 実施例2の構成を示す図 実施例2において、壁面から天井面に移動するまでのステップを示す図 実施例2において、壁面から天井面に移動するまでのステップにおける吸着、ローラーの動作状態を示す図
まず、本発明の基本原理について説明する。
図1(a)や図1(b)にみられるような、圧縮空気を送風した場合に生じる負圧を利用した非接触吸着装置(以後「送風式吸着アクチュエータ」)を利用して、図2に示されるように、ロボットを天井面に吸着させる場合を想定する。
図2(a)ではロボットアームの先端に送風式吸着アクチュエータを一個取り付けた事例である。天井には直接接触しない状態で天井面に吸着できる。移動は、圧縮空気の供給量により吸着の強弱を調整することにより、吸着と非吸着をくり返し、複数のアームを手足のように用いて移動するので、ローラーはついていない。
図2(b)では、ロボットの底面には、ロボットを移動させるための移動装置として、ゴム等、摩擦係数の高い素材で形成されたローラーが回転自在に取り付けられている。たとえば、後述する図9に示されるように、送風式吸着アクチュエータの両側にローラーが取り付けてある。
送風式吸着アクチュエータを作動させたとき、ロボットの底面と天井面との間隙に圧縮空気が噴出することにより、ロボットの底面が天井面側に吸い寄せられ、両者の間隙が定常状態になった場合、ローラーの外輪部が天井面に接するよう、ローラーの径及びローラー回転軸の取り付け位置が調整されている。
したがって、いずれの例でも各送風式吸着アクチュエータの吸着面に作用する吸着力の合計(各送風式吸着アクチュエータによる吸着力×送風式吸着アクチュエータの数)が、ロボット全体の質量を上回れば、ロボットを天井に吸着させた状態を維持することができる。
そして、図2(a)の例では、各ロボットアームの歩行制御と、各送風式吸着アクチュエータに供給する圧縮空気の圧力を同期させて関連制御を行うことにより、また、図2(b)の例では、ローラーの駆動及び操舵を制御することにより、ロボットを天井面に吸着させたまま、目的の位置に移動させることが可能となる。
次に、図3に示されるように、このロボットを壁面に吸着させる場合を想定する。
図3(a)のように、壁面からロボットの重心までの距離とロボットの質量とにより決定されるモーメントが、この吸着面を引きはがす方向に作用する。このとき、ロボットの底面には、送風式吸着アクチュエータによる吸引力が壁面に対し直交する方向に作用していることから、引きはがそうとするモーメントにより、図3(a)に示されるように、送風式吸着アクチュエータの最下端を支点に上端が壁面から離れる方向に変位する。
その結果、送風式吸着アクチュエータの吸着面のほとんどが壁面と非接触の状態を維持しつつ、最下端周辺のみが、過渡的に壁面に接触することとなり、この接触点に垂直方向の抗力が発生する。この抗力は、吸着面を引きはがす方向に作用するモーメントにより、ロボットの上端が壁面から離れるほど強力になる。
したがって、送風式吸着アクチュエータそれぞれの下端付近で発生する上述の抗力と、送風式吸着アクチュエータの接触点と壁面との摩擦係数との積の総和が、ロボットの質量を上回れば、ロボットが壁面を滑り落ちるのを防止する反力となる。
なお、送風式吸着アクチュエータの外周部に摩擦用パッドを取り付けたり、壁面の微小な凹凸に引っ掛かるスパイク状の突起部などを設ければ、これらと壁面との接触点周辺では発生する効力が大きくなり、さらにこの反力を増大させることができる。
一方、図3(b)はローラーを取り付けた場合を示す。ローラーの回転軸に、進行方向に対し逆転を抑制するように、ブレーキをかけたり、回転トルクを与えたり、さらには一方向クラッチなどを設ければ、送風式吸着アクチュエータを壁面に対し、非接触を維持しながら、ロボット本体が壁面を滑り落ちるのを防止することができる。
まず、各実施例で用いる、壁面走行用送風式アクチュエータの吸着性能について、実験例を用いて説明する。
[実験条件]
(1)送風式吸着装置
高さ50mm、直径40mmの吸着装置をテープで固定し、2つ一組として用いた(吸着面の材質はアルミニウム、直径40mm)。ただしこの実験では、ローラーは設けていない。
(2)壁材
市販の壁材(UBボード12 石貼、ウベボード株式会社、PS10Y12-77)
(3)吸着装置に供給する圧力0.3(MPa)(ポンプの仕様、風量)
この実験で、(2)の壁材を垂直壁、天井壁として吸着させた場合、垂直壁面あるいは天井壁面に対し垂直方向に約2kg程度の吸着力を発生することが確認できた。
図4が、送風式吸着アクチュエータが垂直の壁面に吸着し、部分接触により静止している様子、図5が、送風式吸着アクチュエータが天井面に吸着している状態を示している。
この実験で検証されたように、(2)のような凹凸がある壁面でも、天井面、垂直壁に所望の吸着力を発揮することができ、これは、壁面にゴミや汚れを付着させても、あるいは高温雰囲気にしても、吸着力の大きな減少は発生しなかった。
また、吸着面のほとんどが壁面と非接触を維持しており、しかも、吸着面の外周からポンプから供給される空気等のガスが噴出しているため、仮に、高温あるいは低温の雰囲気でも、さらには壁面に化学物質等が付着している場合でも、吸着面、吸着力に大きな影響を及ぼすことはない。
なお、ポンプによる供給圧力と吸着力との関係は、図6の表に示すとおりであった。
すなわち、ポンプによる供給圧力が、0.3(MPa)のとき、送風式吸着アクチュエータの吸着面での負圧は45kPaほどであり、これによって、送風式吸着アクチュエータで約2kgの重さの物体を非接触で釣り上げることができる。
以下、具体的な実施例を示す。
[実施例1]
図7は、実施例1の全体システムを示し、壁面走行ロボットの本体1には、フレキシブルパイプ2を介して、圧縮ガス発生装置3、電源供給装置4からなる床上装置5に接続されており、図8に示されるように、壁面走行ロボット1本体に設けられた制御装置6に対し、フレキシブルパイプ2と一体に設けられた信号ケーブルあるいは無線を介して、壁面走行用ロボット1の各アーム7を制御して、壁面に対する各送風式吸着アクチュエータ8の吸着面を位置決めする指令、各送風式吸着アクチュエータ8に供給するガス圧力を連携されてコントロールできるようになっている。
なお、制御装置6については、床上装置5内に設置してもよい。
この実施例では、図8に示すように、ロボット本体1の底面に、移動装置として、伸縮自在で、壁面に直交する面内の回転角度を調整でき、しかも、ロボット本体1の底面に対し、垂直軸回りに回転角度を調整し得るアーム7を設け、各アーム7の先端に、送風式吸着アクチュエータ8を角度調整自在に連結する。
そして、アーム7の長さ、アーム7とロボット本体1のなす角度、そして、送風式吸着アクチュエータ8のアーム取り付け部の角度、さらには、各アーム7の送風式吸着アクチュエータ8に供給する供給圧力を、ロボット本体1に搭載された制御装置6により制御することにより、壁面、天井面等を目標位置に向けて走行できるようにするものである。
各アーム7は、ロボット本体1の底面、壁面に干渉することなく、ロボット本体1の底面に対し様々な方向に送風式吸着アクチュエータ8を位置決めし、その吸着面を壁面に対し、略平行となるように位置決めできるものであればよい。
したがって、ロボット本体1の底面に対し垂直軸回りに所定角度回転できるとともに、ロボット本体1の底面に垂直な面内を角度調整可能に位置決めでき、アームの中間部及び送風式吸着アクチュエータ取付部に角度調整可能の関節を備えた、周知の多関節アームなどを使用することができる。
そして、送風式吸着アクチュエータ8の吸着面と壁面との角度を調整する際、吸着面を形成する内部空間内には圧力計が取り付けられており、各送風式吸着アクチュエータ8の吸着力が最大となるよう、壁面の凹凸や角度に合わせて、送風式吸着アクチュエータ8の吸着面の位置を制御した上で、各アーム7の送風式吸着アクチュエータ8に供給する供給圧力を調整することにより必要な吸着力が得られるようにしている。
前述のように、ロボット本体1を壁面に静止させる際は、送風式吸着アクチュエータ8それぞれの下端付近が壁面と接触することにより発生する抗力と、送風式吸着アクチュエータ8の接触点と壁面との摩擦係数との積の総和が、ロボットの質量を上回れば、ロボットが壁面を滑り落ちるのを防止することが可能になる。
図9は、ロボット本体が壁面を上昇する際の模式図を示す。
(1)は、上述のようにロボット本体1が、壁面に吸着して静止している状態を示す。
(2)は、上側のアーム7aを縮めると同時に、下側のアーム7bを延ばすステップを示す。
その際、ロボット本体1が上昇することになるが、その際の慣性力でロボットが滑り落ちないよう、上下の送風式吸着アクチュエータ8への供給圧力を高める。ここで重要なのは、各送風式吸着アクチュエータ8の吸着力がトータルで、壁面を滑り落ちようとする重力を上回ることである。
(3)は、下側のアーム7bを縮めるステップを示す。
その際、上側の送風式吸着アクチュエータ8aへの供給圧力を高め、上側の送風式吸着アクチュエータ8bの吸着面がずり落ちないようにするとともに、下側の送風式吸着アクチュエータ8bへの供給圧力を下げ、下側のアームが壁面をスムースに上昇できるように制御する。
(4)は、上側のアーム7aを伸ばし、静止状態になったステップを示し、その後、上側送風式吸着アクチュエータ8aの吸着面の下方が壁面に過渡的に接するようにして、(1)の状態に戻る。
その際、下側の送風式吸着アクチュエータ8bへの供給圧力を高め、下側の送風式吸着アクチュエータ8bの吸着面がずり落ちないようにするとともに、上側の送風式吸着アクチュエータ8aへの供給圧力を下げ、上側のアーム7aが壁面をスムースに上昇できるように制御する。
以上の(1)〜(4)を繰り返すことにより、壁面を走行することが可能となる。
次に実施例1において、垂直壁面から天井面への移動する場合について説明する。
図10にその概要を示す。なお、(1)〜(5)において、壁面に対し、側面図を左側、正面図を右に示している。
(1)は、天井面近くまで登ったロボットは、送風式吸着アクチュエータ8a(上側)と8b(下側)で壁に吸着している状態を示す。
(2)は、送風式吸着アクチュエータ8aのみ吸着を外し、全体を下側にある送風式吸着アクチュエータ8bでロボット本体を支える状態で、上側にある送風式吸着アクチュエータ8aの足を伸ばし、また送風式吸着アクチュエータを天井面に対し、僅かな間隙で平行になるようにして吸着させるステップを示す。
(3)は、下側にある送風式吸着アクチュエータ8bの足を、ロボット本体1に対し、約90度回転させ、天井面に吸着させるステップを示す。
(4)は、送風式吸着アクチュエータ8bのみで全体を支えて、送風式吸着アクチュエータ8aを天井面の進行方向に足を伸ばし、天井面に吸着させるステップを示す。
(5)は、両送風式吸着アクチュエータ8a、8bを吸着固定したまま、それぞれのアーム7a、7bを縮めることで、ロボット本体1を天井面に垂直な軸回りに回転させ、天井面に平行になるようにして、天井面において垂直面を走行する場合と同様のステップを繰り返すことで天井を移動して行く。
天井面への移動のステップ(1)〜(5)における、送風式吸着アクチュエータの吸着、非吸着の動作は、図11に示す表のようになる。
なお、各送風式吸着アクチュエータについては、図12に示すように、図8に示されるユニットを二つを組み合わせることで、より一層安定した吸着、移動が可能になる。
[実施例2]
図13はゴム等、摩擦係数の高い素材で形成されたローラーを装着した壁登りロボット用ユニットの概念図の一例を表す。なお、実際にはこうしたユニットこれを2つ以上を組み合わせて用いる。
本実施例の送風式吸着アクチュエータ8は吸着のみを担当し、壁登り、横への移動などはローラーを用いるものである。それらの制御は、制御装置6によって総合的に行われる。
各ユニットは、中央に送風式吸着アクチュエータ8と、2つのローラー9と、これらを制御する制御装置6と、圧縮空気を外部から送り込むパイプとから構成されている。
送風式吸着アクチュエータ8は、実施例1と同様に、図13において、その端面と壁面とがなす角度及び間隙が調整できるよう、ロボット本体に取り付けられており、壁面や天井面への吸着は、送風式吸着アクチュエータ8によって行われ、ローラー9の逆転を防止したり、滑り落ちるのを抑止する方向にトルクを与えることで、壁面との間の摩擦により、壁面の垂直方向へ落下するのを防止する抗力が発生する。
そして、この状態で、制御装置6に接続されたコントローラを介して、ローラー9の駆動方向、ローラーの操向をコントロールすることで、所望の位置に向けて壁面を上昇したり、天井面の走行が可能となる。
この実施例では、送風式吸着アクチュエータ8は基本的には壁面に接触せず、負圧が生じるような距離まで壁に近づくように、制御装置6によって間隙及び傾斜角度が調整される。
負圧によってユニットは壁に吸着するので、ローラー9に力が加わり、その力を制御装置6が検出することで、送風式吸着アクチュエータ8の壁や天井までの位置決めを行うことができ、また、制御装置6はその力の大きさからユニットを落下から防ぐ力が生じているかどうかを判断する。
図13に示したユニットについては、たとえば送風式吸着アクチュエータ8を複数にする、あるいはローラー9を一個のみにするなどの組み合わせが考えられる。
壁面上昇には、図13のユニットを単体で用いるのではなく、ユニットを複数にする。これによって、一部が吸着できなくても、全体を支えられるようにする。
その一例を図14に示す。
これは二つのユニットを使い、壁面を上昇し、天井面を走行するまでを示した事例である。
以下、各ステップについて説明する。
(1)ユニットAとユニットBがフレキシブルなチューブなどで接続され、また両者の制御装置によって、統一的に制御されている。両者は片方がローラーを固定したまま、もう片方が上に上るという動作を繰り返し、天井まで進む。
(2)天井にユニットAが接触すると、センサーによって感知し、制御装置によって、送風式吸着アクチュエータを回転させる。この時、ユニットAは吸着していないので、ユニットBが全重量を支える。
(3)ユニットAは送風式吸着アクチュエータを天井に接着させで自らの重量を支え、天井にそって右方向に移動する。
(4)ユニットBが天井にぶつかり、同様に、送風式吸着アクチュエータを壁から外し、回転させる。この時、ユニットAの吸着力と、ユニットBのローラーによる摩擦力(回転しないのようにローラーは固定される)、送風用のパイプで両者の重量を支える。
(5)ユニットBも天井に吸着することで、天井への移動が完了する。
実施例2の、図14に示す壁から天井への移動のステップ(1)〜(5)における、送風式吸着アクチュエータの吸着とローラーの動作・状態の遷移は図15に示す表のようになる。
なお、壁面のみあるいは天井面のみを走行すればよい場合には、ステップ(1)のみを実施すればよい。
以上説明したように、定常的乃至略定常的な噴出しによる層流形成と流線に沿ってのエネルギー保存則による(大気圧に対して)減圧部形成による吸着力が発現する。
また、壁を登るとき、滑らずに踏みとどまる摩擦力形成のための構成は次のようなものである。すなわち、ロボットアーム先端の一つの送風式吸着アクチュエータ面が、壁面と平行で、完全非接触のときは、壁面方向には摩擦力が発生しない。
一方、重力等の外力の壁面方向成分に対向する力は、摩擦力(あるいは、スパイク等により壁面に引っ掛けて発生する力)で、静止状態の送風式吸着アクチュエータを壁面に接触するまで傾け、それにより発生した減圧部に、壁面から略一定の位置に発生する力とで、壁面から引きはがそうとする外力に対して、吸引力として作用する。
その結果、送風式吸着アクチュエータの減圧部が支点となり、傾いた送風式吸着アクチュエータの縁乃至それを持つアームが作用点として、強く壁面に接触し、さらに壁面を押し付ける(図3(a)参照)。
このとき、摩擦係数を有し発生する摩擦力により壁面に引っ掛けて発生する抗力が、ロボット本体の壁を滑りおろす力を上回り、かつトータルなトルク和が0ならば、当該ロボットは踏みとどまる。
この条件を満たしながら、壁面方向には摩擦力は発生しない。送風式吸着アクチュエータ面が壁面と略平行を維持しながらロボットの足を、壁面登り方向に移動させ、足の送風式吸着アクチュエータを壁面から接触するまで傾ける。一方、支えていた足の送風式吸着アクチュエータの壁面からの傾きを解除して、非接触にして壁面登り方向に移動させる。以上を繰り返することにより、確実に、且つ安定して壁面を登ることができる。
以上説明したように本発明によれば、壁面や吸盤に影響されることなく、凹凸や穴、異物や汚れのある壁面、剥がれやすい壁面、さらには、吸盤を劣化させる高温や化学的条件のある壁面でも確実な走行を実現することができるので、災害現場等の一般壁面の壁面を確実に移動できるロボットとして広く採用されることが期待できる。
1 ロボット本体
2 フレキシブルパイプ
3 圧縮ガス発生装置
4 電源供給装置
5 床上装置
6 制御装置
7 アーム
8 送風式吸着アクチュエータ
9 ローラー









Claims (4)

  1. ロボット本体に、ロボットを移動させる移動装置と、圧縮空気を送風した場合に生じる負圧を利用して壁面への吸着を行う非接触吸着装置とを設け、前記非接触吸着装置の吸着面に、前記移動装置によるロボット本体の走行を可能にする抗力を発生させる抗力発生手段を備えたことを特徴とする壁面走行用ロボット。
  2. 前記移動装置が、多関節型アームであり、前記送風式吸着アクチュエータが、前記多関節型アームの先端に取り付けられ、その吸着面の壁面に対する間隙、角度及び位置を、前記多関節型アームにより制御できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の壁面走行用ロボット。
  3. 前記効力発生手段が、前記送風式吸着アクチュエータの吸着面外周に設けられた高摩擦係数材料の被覆あるいはスパイク状部材であることを特徴とする請求項2に記載の壁面走行用ロボット。
  4. 前記移動装置が、ゴム等、摩擦係数の高い素材で形成されたローラーであり、前記抗力発生手段が、前記ローラーに、前記ロボットの走行方向と逆方向のトルクを与えるものであることを特徴とする請求項1に記載の壁面走行用ロボット。
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Cited By (8)

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